JP2005019285A - 燃料電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】電解質膜が、燃料電池の乾燥条件運転時であっても常に電解質膜を加湿し、耐久性および電池性能の高い燃料電池セル。
【解決手段】電解質膜4と、該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層3と、該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層2と、該電解質膜とカソード触媒層との間、または、該電解質膜とアノード触媒層との間、あるいはそれらの両方に、該電解質膜に接するように設けられている保水層1とを含んでなる燃料電池セル5。
【選択図】 図1
【解決手段】電解質膜4と、該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層3と、該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層2と、該電解質膜とカソード触媒層との間、または、該電解質膜とアノード触媒層との間、あるいはそれらの両方に、該電解質膜に接するように設けられている保水層1とを含んでなる燃料電池セル5。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池セルに関する。さらに詳しくは、本発明は乾燥運転時であっても電解質膜の破損が生じにくい固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来技術】
燃料電池は、固体高分子からなる電解質膜の一方の側にカソードである酸素極を配し、他方の側にアノードである燃料極を配したセルを用い、カソードに空気等の酸化剤ガスを、アノードに水素リッチな燃料ガスをそれぞれ供給し、水素と酸素から水を得る以下の電池反応によって起電力を得ている。
【0003】
H2 → 2H+ + 2e− (アノード反応)
2H+ + 1/2O2 + 2e− → H2O (カソード反応)
【0004】
この電池反応は、アノードに供給される水素が水素イオンとなり、この水素イオンが、電解質膜の内部をアノード側からカソード側に移動することを伴っている。ここで、水素イオンは電解質膜中に存在する水分の存在下で移動する。電解質膜は、湿潤状態の方が酸素分子や水素分子のクロスオーバーが生じ難いが、このように湿潤状態であっても微量の水素分子と酸素分子とが膜を透過して、クロスオーバーが生じている。さらに、膜が乾燥した状態となると、水素分子と酸素分子とが燃焼反応を起こし、膜が破損するおそれがある。その結果、膜の破損箇所から大量の水素と酸素とが透過し、さらに燃焼反応が拡大して、膜破損を加速するとともに、電池性能が低下するという問題が起きる。これは、電池反応に用いられる酸素と水素が、燃焼に使われてしまうためである。
【0005】
特許文献1には、固体高分子から成る電解質膜と、吸水性部材よりなるガス拡散層を有する酸素極及び燃料極とを備えた燃料電池が開示されている。しかし、かかる方法では、電解質膜の乾燥を十分に防ぐことができないという問題があった。
【0006】
特許文献2は、固体高分子形燃料電池のセルを押圧挟持するリブ付きプレートに保水層が設けられているセルユニットを開示する。このセルユニットでは、加湿材が流通されるリブ付きプレートのリブ付き端面に保水層を設けることで、電解質膜全体を湿潤させることができる。しかし、かかる方法では、水分供給源が膜から遠いため、電解質膜への保湿効果が不充分であるという問題があった。
【0007】
特許文献3は、燃料極触媒層内に電解質マトリックスとは直接に接しない状態で配置させた多孔質層を開示する。しかし、かかる方法では、電解質膜を湿潤状態に保つには不充分であるという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特許第3331706号公報
【特許文献2】
特許第3022528号公報
【特許文献3】
特許第3360485号公報
【特許文献4】
特開平7−326361号公報
【特許文献5】
特開2002−289230号公報
【特許文献6】
特開2002−289200号公報
【特許文献7】
特開2002−270199号公報
【特許文献8】
特開2003−59494号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池の乾燥運転時であっても、電解質膜が適切な含水量を保ち、耐久性および電池性能の高い燃料電池セル、およびこのような燃料電池セルを積層してなる燃料電池スタックを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は一側面によれば、燃料電池セルであって、電解質膜と、該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層と、該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層と、該電解質膜とカソード触媒層との間、もしくは、該電解質膜とアノード触媒層との間、またはそれらの両方に、該電解質膜に接するように設けられる保水層とを含んでなる。
【0011】
前記保水層は、前記電解質膜と前記カソード触媒層との間に設けられていることが好ましい。カソード触媒層に供給される比較的水分の少ないガスを用いても、電解質膜を湿潤に保持することができるからである。
【0012】
また、前記保水層は、前記電解質膜の表面全体に塗布されていることが好ましい。電解質膜をその表面全体にわたって、湿潤に保持することができるからである。
【0013】
前記保水層は、前記電解質膜の表面であって、前記カソード触媒層に供給されるカソードガスの流路に沿って、カソードガスの相対湿度が90%以下となる部分に設けることが好ましい。相対湿度が低い部分を中心に保水層を設けることで、膜厚増加による若干の抵抗増加を緩和しつつ、充分な電解質膜の保水効果を得ることができるからである。
【0014】
前記アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方が、保水成分を含んでなることが好ましい。
【0015】
前記保水層が、アクリル系高分子と陽イオン交換高分子とを含んでなることが好ましい。前記保水層が、ポリアクリル酸とパーフルオロスルホン酸系高分子溶液との混合液から得られることがさらに好ましい。
【0016】
前記保水成分が、アクリル系高分子を含んでなることが好ましい。アクリル系高分子がポリアクリル酸であることがさらに好ましい。
【0017】
本発明はまた別の側面によれば、燃料電池セルであって、電解質膜と、該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層と、該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層とを含み、前記アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方が、アクリル系高分子と陽イオン交換高分子とを含んでなる。
【0018】
さらに、本発明の別の側面によれば、前述のいずれかに記載の燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタックを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態による燃料電池セルを、図1に示す。図示のように、燃料電池セル5は、電解質膜4と、アノード触媒層3と、カソード触媒層2と、保水層1とを含む。ここで、アノード触媒層3は、電解質膜4の一方の側に設けられており、カソード触媒層2は、該電解質膜4の他方の側に設けられている。また、保水層1は、電解質膜4とカソード触媒層2との間に、電解質膜4に接するように、電解質膜4の表面のほぼ全体に渡って設けられている。
【0020】
電解質膜4は、アノード反応で生ずるプロトンのみを流通させ、アノード及びカソードに供給されるガス中の水素分子および酸素分子を流通させない性質を有する。このような電解質膜4としては、陽イオン交換高分子を使用することが好ましい。具体的には、パーフルオロスルホン酸樹脂、脂肪族系スルホン酸樹脂、芳香族系スルホン酸樹脂等を使用することができるが、これらには限定されない。
【0021】
カソード触媒層2は、電池反応を生じさせる箇所であって、触媒成分とイオン伝導性成分とから構成される。触媒成分としては、例えば、白金を担持させたカーボンブラックを使用することができるが、これには限定されない。当業者には既知の種々の触媒成分を使用することができる。触媒層に含まれるイオン伝導性成分としては、陽イオン交換高分子を使用することができるが、これには限定されない。当業者には既知の種々のイオン伝導性成分を使用することができる。このようなカソード触媒層4は、これらの成分を混合し、スラリーを調製して成形することで作製することができる。このような電極の製造方法は、本発明者らによる特開2003−123776号公報に詳述されている。
【0022】
アノード触媒層3は、カソード触媒層2と同様に、電池反応を生じさせる箇所であって、触媒成分とイオン伝導性成分とを含んでなる。成分や作製方法はカソード触媒層2と同様とすることができる。特に、燃料に純水素以外のガスを使用する場合には、触媒成分に、PtRuを担持したカーボンブラックを用いることが好ましい。
【0023】
保水層1は、燃料電池の運転の間、電解質膜4を乾燥させないために十分な水を保持することができる層である。具体的には、保水層1は、保水層に含まれる保水成分の100〜1000倍の質量の水分を保有することができる。このような保水層1は、電解質膜4の表面に直接塗布するように設けることができる。
【0024】
図1では、保水層1は、電解質膜4とカソード触媒層2との間に、電解質膜4に接するように、電解質膜4の表面のほぼ全体に渡って設けられている。しかし、本発明はこれには限定されることなく、保水層1は、電解質膜4のアノード側とカソード側の両面、または、電解質膜4のアノード側の面に、電解質膜4に接するように設けることもできる。ただし、特には、本実施形態のように電解質膜4のカソード触媒層2側の表面に保水層1を設けることが好ましい。カソードガスである空気は、アノードガスと比較して水分が少なく、電解質膜4のカソード側が特に乾燥しやすいからである。
【0025】
保水層1の塗布厚さは、片面あたり、電解質膜4の1/5〜1/20とすることが好ましく、1/10〜1/15とすることがさらに好ましい。これより厚いと、膜厚増加による抵抗増加、湿潤による寸法変化が生ずることがあり、これより薄いと保水効果が不充分となることがあるからである。しかし、保水層1は、上述のような保水力を有していれば良く、これを達成できるのであれば、塗布厚さは、これには限定されない。
【0026】
また、図1に示す実施形態では、保水層1は、電解質膜4の表面全体に渡って設けられている。しかしながら、保水層1は、必ずしも電解質膜4の全面に設ける必要はなく、電解質膜4の一部のみに設けてもよい。電解質膜4を湿潤させるのに必要最低限の箇所にのみ保水層1を設けることで、低コストで所定の湿潤効果が達成されるとともに、膜厚増加による抵抗増加を緩和することができるためである。このように、一部のみに保水層1を設ける場合には、カソードガス入口近傍が好ましい。乾燥したカソードガスの水分を補うことで、効果的に電解質膜4を湿潤させるためである。
【0027】
より具体的には、少なくとも、カソードガス入口から、カソードガス流れ方向に沿って、カソードガスの相対湿度が90%以下となる領域の電解質膜4表面に保水層1を設けることが好ましい。このカソードガスの相対湿度が90%以下となる領域は、運転条件によっても異なり、この領域は特定の箇所には限定されない。なお、このように、電解質膜4の一部の表面にのみ保水層1を設けても、保水層1は、電解質膜4の厚さのおよそ1/5〜1/20の厚さを有する非常に薄い層であるため、カソード触媒層2、保水層1が表面の一部に設けられている電解質膜4、アノード触媒層3、セパレータを積層して燃料電池セル5を組み上げることに支障はない。なお、カソードガス入口とは、通常、燃料電池スタックの場合、燃料電池セルの外側に設けられ、複数の燃料電池セルへカソードガスを供給するカソードガス管路から、燃料電池セルの内側にあって、カソード触媒層とセパレータで形成するカソードガス通路へ、カソードガスを流通させる部分をいう。
【0028】
次に、保水層1を構成する成分について説明する。保水層1を構成する成分としては、保水性を確保するための成分(以下、保水成分という)と、イオン伝導性を確保するための成分が挙げられる。
【0029】
保水成分としては所定量の水を保持することができ、電池反応やかかる反応により発生する熱によりその成分が外部に溶出しない材料が好ましい。具体的には、保水成分として、ケイ酸、ジルコニア、シリカゲル、ゼオライトなどの無機物、天然繊維、粘度鉱物、保水性高分子(吸水性高分子ともいう)などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0030】
特には、保水成分として、保水性高分子を用いることができる。吸水性が高く、燃料電池の運転条件下でも、安定に使用することができるからである。このような保水性高分子とは、特には、分子内にスルホン基、カルボキシル基、アンモニウム基、カルボニル基、ヒドロキシ基、オキシ基のいずれかを有する非電解質高分子、電解質高分子が挙げられる。これらの官能基は、親水基であり、これが、水を引きつけるからである。これらの官能基を含む高分子であれば、これらの官能基を含むモノマーの共重合体でもよい。また、これらの高分子を、適切な架橋剤により架橋したものでもよく、変性したものでもよい。さらには、上述の官能基を失わないものであれば、これらの高分子の誘導体もでもよい。
【0031】
このような保水性高分子としては、特に、スルホン酸含有高分子、カルボキシル基含有高分子が好ましい。コスト的に有利であるため、カルボキシル基含有高分子がさらに好ましい。また、カルボキシル基含有高分子として、ポリアクリル酸を用いることが好ましい。十分な保水性と、ある程度の水溶性を有し、その水溶液を電解質膜に塗布することで塗膜を得ることができるからである。なお、ある程度の水溶性を有する高分子とは、高分子が水に完全に溶解しなくてもよいことをいう。ポリアクリル酸は一般式、(−CH2CHCOOH−)nで表される高分子化合物である。数平均分子量が、10000〜1000000のポリアクリル酸を用いることが好ましく、数平均分子量が、50000〜500000のポリアクリル酸を用いることがさらに好ましい。ポリアクリル酸は高分子であり、分子量が上述の値よりも少ないと水溶性になるため使用することが困難であり、分子量が所定の値より大きいと水に溶けにくくなり、膜に加工するのが困難となるからである。
【0032】
ポリアクリル酸としては、上述の式で表されるもののみならず、変成ポリアクリル酸も用いることができる。例えば、ポリアクリル酸を少し改良した形で、(−CH2−CH−COOH−)nの分子の中に、(−CH2−CH−COOR−)を含ませたりすることもできる。Rはメチル基やエチル基であってよいが、これらには限定されない。
【0033】
さらに、架橋型ポリアクリル酸も用いることができる。これは、ポリアクリル酸を、カルボキシル基間で、架橋剤を用いて架橋させた物質である。架橋剤としては例えば、ジビニル化合物が挙げられるが、これには限定されない。架橋型ポリアクリル酸の利点は、体積変化が少ないことである。水を吸うと、その分だけ体積変化が生じるが、これが大きいと燃料電池内で電極の寸法変化が生じ、膜に負担がかかるため、体積変化は少ない方がよいからである。しかし、架橋度が大きすぎて、体積変化が少ないと逆に吸水性も低下する。
【0034】
充分な保水性と、適度な水溶性、成膜性を有する保水成分であるポリアクリル酸としては、具体的には、ジュリマー(商品名:日本純薬株式会社製)を使用することができるが、これには限定されない。
【0035】
ここでは、水を溶媒として保水性高分子の塗膜を生成させる場合に好ましい成分ついて述べたが、保水性を有する成分であれば、水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい保水成分を選択して、保水成分の塗膜を生成させることもできる。
【0036】
いっぽう、保水層1は、電解質膜4と触媒層2、3の間に位置するため、プロトン伝導性が確保されるものであることが好ましい。イオン伝導性を確保するための成分としては、陽イオン交換高分子を用いることができる。具体的には、ナフィオン溶液(DuPont社製)、フレミオン溶液(旭硝子株式会社製)などを用いることができるが、これらには限定されない。
【0037】
このような保水層を調製するには、水に難溶性の保水性高分子を水に溶かして、塗布することができる。また、高分子は水に溶かすとゲル状になる場合があるが、このゲルを塗膜成分とすることもできる。保水性高分子、またはその他の保水成分は完全には水に溶解しなくてもよく、粉状、粒状で陽イオン交換高分子と絡めて混合液とし、層としてもよいが、溶液から成膜することが好ましい。
【0038】
このようにして水、または適当な溶媒に溶解させた保水性高分子と、イオン伝導性を確保するための成分とを混合するときの混合比は、溶質の重量比で、1:0.1〜1:10が好ましく、1:0.5〜1:2がさらに好ましいが、これには限定されない。この混合液を、当業者には既知の適当な塗布技術を用いて、電解質膜4の全面、または所定の部分に塗布することで保水層1を形成することができる。保水層1は別個に形成して、電解質膜4に接するように取り付けることもできる。
【0039】
さらに、保水成分を、電解質膜4に接するアノード触媒層3またはカソード触媒層2、あるいはそれらの両方の触媒層中に含ませるように設けることもできる。このとき、保水成分は、アノード触媒層3またはカソード触媒層2全体の重量に対し、5〜25重量%となるように含有させることが好ましく、10〜18重量%となるように含有させることがさらに好ましいが、これらには限定されない。
【0040】
本発明にかかる燃料電池セル5は、アノード触媒層3、保水層1が表面に形成された電解質膜4、カソード触媒層2を順次重ねて、アノード触媒層3の電解質膜4と反対側の側面とカソード触媒層2の電解質膜4と反対側の側面の両側から図示しないセパレータ等で挟持することにより作製することができる。このようにして得られた第一の実施形態による燃料電池セル5は、保水層1により直接に接している電解質膜4に水分を補給し得るため、電解質膜4の乾燥を防止し、耐久性のあるものとなっている。また、このような燃料電池セル5を、必要な電力に応じた数で積層してなる燃料電池スタックを、当業者は容易に製造することができる。
【0041】
本発明の第二の実施形態による燃料電池セル5を、図2に示す。図示する燃料電池セル5は、保水成分含有アノード触媒層3aと、保水層1と、電解質膜4と、保水層1と、保水成分含有カソード触媒層2aとを順次積層してなる。保水成分含有アノード触媒層3aは電解質膜4の一方の側に設けられており、保水成分含有カソード触媒層2aは電解質膜4の他方の側に設けられている。保水層1は、電解質膜4と保水成分含有カソード触媒層2aとの間、および電解質膜4と保水成分含有アノード触媒層3aとの間に、それぞれ電解質膜4に接するように、電解質膜4の全面に設けられている。
【0042】
本実施形態による電解質膜4、保水層1は、第一の実施形態と同一の要素であり、同一の符号を付して表している。これらはまた、同様の機能と作用をするものであるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
本実施形態では、保水成分含有アノード触媒層3aおよび保水成分含有カソード触媒層2aに、保水成分が含有されている。保水成分としては、第一の実施形態において使用した成分と同様のものを使用することができる。保水成分として、特には、カルボキシル基含有高分子を用いることが好ましく、ポリアクリル酸を用いることがさらに好ましい。また、イオン伝導性を確保するための成分として、陽イオン交換高分子を用いることが好ましく、特にはナフィオンを使用することができる。カソード触媒成分としては、白金を担持させたカーボンブラックを使用することができ、また、アノード触媒としては、白金ルテニウムを担持させたカーボンブラックを使用することができる。しかし、カソード触媒、アノード触媒とも、これらには限定されない。
【0044】
このような保水成分含有アノード触媒層3aを製造するためには、保水成分とイオン伝導性成分とを、1:0.1〜1:10で混合する。そして、この保水成分とイオン伝導性成分とを混合したものと、触媒成分中のカーボンとが、7:10〜13:10で混合されているスラリーを調製し、第一の実施形態と同様に触媒層を成形することができる。また、保水成分含有カソード触媒層2aについても同様に触媒層を成形することができる。
【0045】
このようにして得られた第二の実施形態による燃料電池セル5は、保水層1と触媒層中の保水成分の両方により電解質膜4の乾燥を防止し、さらに耐久性のあるものとなっている。また、このような燃料電池セル5を、必要な電力に応じた数で積層してなる燃料電池スタックを、当業者は容易に製造することができる。
【0046】
本実施の形態では、アノード触媒層3a及びカソード触媒層2aの両方が保水成分を含み、かつ、保水層1を電解質膜4の両側に設けている。しかし、保水成分を含有するのは、アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方であってよく、また、保水層1を形成しても形成しなくても良い。
【0047】
【実施例】
[実施例1]
本発明の第一の実施形態にかかる燃料電池セルを作製し、その性能について評価した。
ポリアクリル酸(商品名:ジュリマー(AT−510)、日本純薬株式会社製)を、陽イオン交換高分子溶液(5%ナフィオン(登録商標)、DuPont社製)に、乾燥時の固形分の重量比が1:1になるように混合した液(A)を調製した。この液(A)を、電解質膜としてのパーフルオロスルホン酸樹脂膜(商品名:Nafion112、DuPont社製)の膜厚の1/7の厚さになるように、電解質膜4の片面の全面に塗布し、電解質膜4の表面に保水層1を形成した。
【0048】
アノード電極、カソ−ド電極のそれぞれの触媒としては、カーボンブラックに、平均粒径が3mmの白金系触媒粒子を45重量%担持したものを使用した。この触媒粉末雰囲気をN2に置換した後、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液(商品名:SE−5112、DuPont社製)を、カーボンブラック:乾燥パーフルオン酸樹脂の比が、1.0:0.8(重量比、アノード電極側)および1.0:1.0(重量比、カソード電極側)となるように混合した後、エタノールを添加し、超音波洗浄装置を用いて所定時間にわたって分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーを調製する際に使用した超音波洗浄装置には、カソード用のスラリー原料を収容した容器、アノード用のスラリー原料を収容した容器を夫々セットし、周囲は氷水にて0℃に保持した。
【0049】
次に、保水層1を形成した電解質膜4としてのパーフルオロスルホン酸樹脂膜を所定の温度(60℃)に保持した。
【0050】
次に、電解質膜4の保水層1が形成された面に、前記のように調製した触媒性分を含むスラリーを塗布し、カソード触媒層2を形成した。続いて、電解質膜4の保水層1が形成されていない面に、アノード触媒層3を形成し、電解質膜4/電極2,3接合体である燃料電池セル5を形成した。
【0051】
この接合体を、ステンレス製のセパレータとその上面に配置されたテトラフルオロエチレンにより撥水化されたカーボンペーパーにより挟持し、発電試験を行った。アノードには、COを10ppm含有する改質ガスを、カソードには空気を、それぞれ水素利用率70%、空気利用率40%となるように供給した。また、それぞれのガス供給部には温度調節装置及び加湿器を設け、アノード入口相対湿度95%、カソード入口相対湿度40%とし、発電試験を実施した。
【0052】
[実施例2]
実施例2では、保水層を設けず、カソード触媒層のみに保水成分を含有させた燃料電池セルを作製した。実施例1で調製したカソード触媒用スラリーに、保水成分であるポリアクリル酸(商品名:ジュリマー(AT−510)、日本純薬株式会社製)を混合した。カソード触媒用スラリー中のナフィオンとジュリマーの乾燥固形重量比は、1:1とした。これをカソード触媒用スラリーとした。
【0053】
実施例1で使用した、電解質膜としてのパーフルオロスルホン酸樹脂膜(商品名:Nafion112、DuPont社製)に、保水層を塗布しないで、一方の面に、保水成分を含有したカソード触媒用スラリーを塗布し、他方の面に実施例1で調製したアノード触媒用スラリーを塗布し、実施例1と同様の方法で高分子膜/電極接合体である燃料電池セル5を形成した。
【0054】
発電試験は、6時間発電、4時間休止の発停運転で実施した。燃料電池セルの耐久試験結果を、図3に示す。点線で示す従来とは、実施例1、2と同じ電解質膜、電極触媒を用いて、保水層を設けず、触媒層に保水成分も含有しない燃料電池セルを用いて同じ実験を行った場合の結果である。アノード入口の相対湿度は95%、カソード入口の相対湿度は40%で、セル温度は、70℃であった。この結果、本発明にかかる燃料電池セルを用いた場合には、運転の時間が経過しても燃料電池の性能が低下することなく、発電効果を有することがわかった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、電解質膜表面の一部もしくは全面に設けた保水層、または触媒層に含有される保水成分、或いはそれらの両方が、乾燥条件運転時であっても電解質膜を湿潤状態とすることができる、耐久性に優れた燃料電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である、電解質膜に接するように保水層が設けられている燃料電池セルを概念的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態である、電解質膜に接するように保水層が設けられており、さらに電極に保水成分を含んでなる燃料電池セルを概念的に示す断面図である。
【図3】図3は、保水層を設けた燃料電池セルを使用して発電試験を実施した際の、電圧と発停回数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 保水層
2 カソード触媒層
2a 保水成分含有カソード触媒層
3 アノード触媒層
3a 保水成分含有アノード触媒層
4 電解質膜
5 燃料電池セル
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池セルに関する。さらに詳しくは、本発明は乾燥運転時であっても電解質膜の破損が生じにくい固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来技術】
燃料電池は、固体高分子からなる電解質膜の一方の側にカソードである酸素極を配し、他方の側にアノードである燃料極を配したセルを用い、カソードに空気等の酸化剤ガスを、アノードに水素リッチな燃料ガスをそれぞれ供給し、水素と酸素から水を得る以下の電池反応によって起電力を得ている。
【0003】
H2 → 2H+ + 2e− (アノード反応)
2H+ + 1/2O2 + 2e− → H2O (カソード反応)
【0004】
この電池反応は、アノードに供給される水素が水素イオンとなり、この水素イオンが、電解質膜の内部をアノード側からカソード側に移動することを伴っている。ここで、水素イオンは電解質膜中に存在する水分の存在下で移動する。電解質膜は、湿潤状態の方が酸素分子や水素分子のクロスオーバーが生じ難いが、このように湿潤状態であっても微量の水素分子と酸素分子とが膜を透過して、クロスオーバーが生じている。さらに、膜が乾燥した状態となると、水素分子と酸素分子とが燃焼反応を起こし、膜が破損するおそれがある。その結果、膜の破損箇所から大量の水素と酸素とが透過し、さらに燃焼反応が拡大して、膜破損を加速するとともに、電池性能が低下するという問題が起きる。これは、電池反応に用いられる酸素と水素が、燃焼に使われてしまうためである。
【0005】
特許文献1には、固体高分子から成る電解質膜と、吸水性部材よりなるガス拡散層を有する酸素極及び燃料極とを備えた燃料電池が開示されている。しかし、かかる方法では、電解質膜の乾燥を十分に防ぐことができないという問題があった。
【0006】
特許文献2は、固体高分子形燃料電池のセルを押圧挟持するリブ付きプレートに保水層が設けられているセルユニットを開示する。このセルユニットでは、加湿材が流通されるリブ付きプレートのリブ付き端面に保水層を設けることで、電解質膜全体を湿潤させることができる。しかし、かかる方法では、水分供給源が膜から遠いため、電解質膜への保湿効果が不充分であるという問題があった。
【0007】
特許文献3は、燃料極触媒層内に電解質マトリックスとは直接に接しない状態で配置させた多孔質層を開示する。しかし、かかる方法では、電解質膜を湿潤状態に保つには不充分であるという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特許第3331706号公報
【特許文献2】
特許第3022528号公報
【特許文献3】
特許第3360485号公報
【特許文献4】
特開平7−326361号公報
【特許文献5】
特開2002−289230号公報
【特許文献6】
特開2002−289200号公報
【特許文献7】
特開2002−270199号公報
【特許文献8】
特開2003−59494号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池の乾燥運転時であっても、電解質膜が適切な含水量を保ち、耐久性および電池性能の高い燃料電池セル、およびこのような燃料電池セルを積層してなる燃料電池スタックを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は一側面によれば、燃料電池セルであって、電解質膜と、該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層と、該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層と、該電解質膜とカソード触媒層との間、もしくは、該電解質膜とアノード触媒層との間、またはそれらの両方に、該電解質膜に接するように設けられる保水層とを含んでなる。
【0011】
前記保水層は、前記電解質膜と前記カソード触媒層との間に設けられていることが好ましい。カソード触媒層に供給される比較的水分の少ないガスを用いても、電解質膜を湿潤に保持することができるからである。
【0012】
また、前記保水層は、前記電解質膜の表面全体に塗布されていることが好ましい。電解質膜をその表面全体にわたって、湿潤に保持することができるからである。
【0013】
前記保水層は、前記電解質膜の表面であって、前記カソード触媒層に供給されるカソードガスの流路に沿って、カソードガスの相対湿度が90%以下となる部分に設けることが好ましい。相対湿度が低い部分を中心に保水層を設けることで、膜厚増加による若干の抵抗増加を緩和しつつ、充分な電解質膜の保水効果を得ることができるからである。
【0014】
前記アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方が、保水成分を含んでなることが好ましい。
【0015】
前記保水層が、アクリル系高分子と陽イオン交換高分子とを含んでなることが好ましい。前記保水層が、ポリアクリル酸とパーフルオロスルホン酸系高分子溶液との混合液から得られることがさらに好ましい。
【0016】
前記保水成分が、アクリル系高分子を含んでなることが好ましい。アクリル系高分子がポリアクリル酸であることがさらに好ましい。
【0017】
本発明はまた別の側面によれば、燃料電池セルであって、電解質膜と、該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層と、該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層とを含み、前記アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方が、アクリル系高分子と陽イオン交換高分子とを含んでなる。
【0018】
さらに、本発明の別の側面によれば、前述のいずれかに記載の燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタックを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態による燃料電池セルを、図1に示す。図示のように、燃料電池セル5は、電解質膜4と、アノード触媒層3と、カソード触媒層2と、保水層1とを含む。ここで、アノード触媒層3は、電解質膜4の一方の側に設けられており、カソード触媒層2は、該電解質膜4の他方の側に設けられている。また、保水層1は、電解質膜4とカソード触媒層2との間に、電解質膜4に接するように、電解質膜4の表面のほぼ全体に渡って設けられている。
【0020】
電解質膜4は、アノード反応で生ずるプロトンのみを流通させ、アノード及びカソードに供給されるガス中の水素分子および酸素分子を流通させない性質を有する。このような電解質膜4としては、陽イオン交換高分子を使用することが好ましい。具体的には、パーフルオロスルホン酸樹脂、脂肪族系スルホン酸樹脂、芳香族系スルホン酸樹脂等を使用することができるが、これらには限定されない。
【0021】
カソード触媒層2は、電池反応を生じさせる箇所であって、触媒成分とイオン伝導性成分とから構成される。触媒成分としては、例えば、白金を担持させたカーボンブラックを使用することができるが、これには限定されない。当業者には既知の種々の触媒成分を使用することができる。触媒層に含まれるイオン伝導性成分としては、陽イオン交換高分子を使用することができるが、これには限定されない。当業者には既知の種々のイオン伝導性成分を使用することができる。このようなカソード触媒層4は、これらの成分を混合し、スラリーを調製して成形することで作製することができる。このような電極の製造方法は、本発明者らによる特開2003−123776号公報に詳述されている。
【0022】
アノード触媒層3は、カソード触媒層2と同様に、電池反応を生じさせる箇所であって、触媒成分とイオン伝導性成分とを含んでなる。成分や作製方法はカソード触媒層2と同様とすることができる。特に、燃料に純水素以外のガスを使用する場合には、触媒成分に、PtRuを担持したカーボンブラックを用いることが好ましい。
【0023】
保水層1は、燃料電池の運転の間、電解質膜4を乾燥させないために十分な水を保持することができる層である。具体的には、保水層1は、保水層に含まれる保水成分の100〜1000倍の質量の水分を保有することができる。このような保水層1は、電解質膜4の表面に直接塗布するように設けることができる。
【0024】
図1では、保水層1は、電解質膜4とカソード触媒層2との間に、電解質膜4に接するように、電解質膜4の表面のほぼ全体に渡って設けられている。しかし、本発明はこれには限定されることなく、保水層1は、電解質膜4のアノード側とカソード側の両面、または、電解質膜4のアノード側の面に、電解質膜4に接するように設けることもできる。ただし、特には、本実施形態のように電解質膜4のカソード触媒層2側の表面に保水層1を設けることが好ましい。カソードガスである空気は、アノードガスと比較して水分が少なく、電解質膜4のカソード側が特に乾燥しやすいからである。
【0025】
保水層1の塗布厚さは、片面あたり、電解質膜4の1/5〜1/20とすることが好ましく、1/10〜1/15とすることがさらに好ましい。これより厚いと、膜厚増加による抵抗増加、湿潤による寸法変化が生ずることがあり、これより薄いと保水効果が不充分となることがあるからである。しかし、保水層1は、上述のような保水力を有していれば良く、これを達成できるのであれば、塗布厚さは、これには限定されない。
【0026】
また、図1に示す実施形態では、保水層1は、電解質膜4の表面全体に渡って設けられている。しかしながら、保水層1は、必ずしも電解質膜4の全面に設ける必要はなく、電解質膜4の一部のみに設けてもよい。電解質膜4を湿潤させるのに必要最低限の箇所にのみ保水層1を設けることで、低コストで所定の湿潤効果が達成されるとともに、膜厚増加による抵抗増加を緩和することができるためである。このように、一部のみに保水層1を設ける場合には、カソードガス入口近傍が好ましい。乾燥したカソードガスの水分を補うことで、効果的に電解質膜4を湿潤させるためである。
【0027】
より具体的には、少なくとも、カソードガス入口から、カソードガス流れ方向に沿って、カソードガスの相対湿度が90%以下となる領域の電解質膜4表面に保水層1を設けることが好ましい。このカソードガスの相対湿度が90%以下となる領域は、運転条件によっても異なり、この領域は特定の箇所には限定されない。なお、このように、電解質膜4の一部の表面にのみ保水層1を設けても、保水層1は、電解質膜4の厚さのおよそ1/5〜1/20の厚さを有する非常に薄い層であるため、カソード触媒層2、保水層1が表面の一部に設けられている電解質膜4、アノード触媒層3、セパレータを積層して燃料電池セル5を組み上げることに支障はない。なお、カソードガス入口とは、通常、燃料電池スタックの場合、燃料電池セルの外側に設けられ、複数の燃料電池セルへカソードガスを供給するカソードガス管路から、燃料電池セルの内側にあって、カソード触媒層とセパレータで形成するカソードガス通路へ、カソードガスを流通させる部分をいう。
【0028】
次に、保水層1を構成する成分について説明する。保水層1を構成する成分としては、保水性を確保するための成分(以下、保水成分という)と、イオン伝導性を確保するための成分が挙げられる。
【0029】
保水成分としては所定量の水を保持することができ、電池反応やかかる反応により発生する熱によりその成分が外部に溶出しない材料が好ましい。具体的には、保水成分として、ケイ酸、ジルコニア、シリカゲル、ゼオライトなどの無機物、天然繊維、粘度鉱物、保水性高分子(吸水性高分子ともいう)などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0030】
特には、保水成分として、保水性高分子を用いることができる。吸水性が高く、燃料電池の運転条件下でも、安定に使用することができるからである。このような保水性高分子とは、特には、分子内にスルホン基、カルボキシル基、アンモニウム基、カルボニル基、ヒドロキシ基、オキシ基のいずれかを有する非電解質高分子、電解質高分子が挙げられる。これらの官能基は、親水基であり、これが、水を引きつけるからである。これらの官能基を含む高分子であれば、これらの官能基を含むモノマーの共重合体でもよい。また、これらの高分子を、適切な架橋剤により架橋したものでもよく、変性したものでもよい。さらには、上述の官能基を失わないものであれば、これらの高分子の誘導体もでもよい。
【0031】
このような保水性高分子としては、特に、スルホン酸含有高分子、カルボキシル基含有高分子が好ましい。コスト的に有利であるため、カルボキシル基含有高分子がさらに好ましい。また、カルボキシル基含有高分子として、ポリアクリル酸を用いることが好ましい。十分な保水性と、ある程度の水溶性を有し、その水溶液を電解質膜に塗布することで塗膜を得ることができるからである。なお、ある程度の水溶性を有する高分子とは、高分子が水に完全に溶解しなくてもよいことをいう。ポリアクリル酸は一般式、(−CH2CHCOOH−)nで表される高分子化合物である。数平均分子量が、10000〜1000000のポリアクリル酸を用いることが好ましく、数平均分子量が、50000〜500000のポリアクリル酸を用いることがさらに好ましい。ポリアクリル酸は高分子であり、分子量が上述の値よりも少ないと水溶性になるため使用することが困難であり、分子量が所定の値より大きいと水に溶けにくくなり、膜に加工するのが困難となるからである。
【0032】
ポリアクリル酸としては、上述の式で表されるもののみならず、変成ポリアクリル酸も用いることができる。例えば、ポリアクリル酸を少し改良した形で、(−CH2−CH−COOH−)nの分子の中に、(−CH2−CH−COOR−)を含ませたりすることもできる。Rはメチル基やエチル基であってよいが、これらには限定されない。
【0033】
さらに、架橋型ポリアクリル酸も用いることができる。これは、ポリアクリル酸を、カルボキシル基間で、架橋剤を用いて架橋させた物質である。架橋剤としては例えば、ジビニル化合物が挙げられるが、これには限定されない。架橋型ポリアクリル酸の利点は、体積変化が少ないことである。水を吸うと、その分だけ体積変化が生じるが、これが大きいと燃料電池内で電極の寸法変化が生じ、膜に負担がかかるため、体積変化は少ない方がよいからである。しかし、架橋度が大きすぎて、体積変化が少ないと逆に吸水性も低下する。
【0034】
充分な保水性と、適度な水溶性、成膜性を有する保水成分であるポリアクリル酸としては、具体的には、ジュリマー(商品名:日本純薬株式会社製)を使用することができるが、これには限定されない。
【0035】
ここでは、水を溶媒として保水性高分子の塗膜を生成させる場合に好ましい成分ついて述べたが、保水性を有する成分であれば、水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい保水成分を選択して、保水成分の塗膜を生成させることもできる。
【0036】
いっぽう、保水層1は、電解質膜4と触媒層2、3の間に位置するため、プロトン伝導性が確保されるものであることが好ましい。イオン伝導性を確保するための成分としては、陽イオン交換高分子を用いることができる。具体的には、ナフィオン溶液(DuPont社製)、フレミオン溶液(旭硝子株式会社製)などを用いることができるが、これらには限定されない。
【0037】
このような保水層を調製するには、水に難溶性の保水性高分子を水に溶かして、塗布することができる。また、高分子は水に溶かすとゲル状になる場合があるが、このゲルを塗膜成分とすることもできる。保水性高分子、またはその他の保水成分は完全には水に溶解しなくてもよく、粉状、粒状で陽イオン交換高分子と絡めて混合液とし、層としてもよいが、溶液から成膜することが好ましい。
【0038】
このようにして水、または適当な溶媒に溶解させた保水性高分子と、イオン伝導性を確保するための成分とを混合するときの混合比は、溶質の重量比で、1:0.1〜1:10が好ましく、1:0.5〜1:2がさらに好ましいが、これには限定されない。この混合液を、当業者には既知の適当な塗布技術を用いて、電解質膜4の全面、または所定の部分に塗布することで保水層1を形成することができる。保水層1は別個に形成して、電解質膜4に接するように取り付けることもできる。
【0039】
さらに、保水成分を、電解質膜4に接するアノード触媒層3またはカソード触媒層2、あるいはそれらの両方の触媒層中に含ませるように設けることもできる。このとき、保水成分は、アノード触媒層3またはカソード触媒層2全体の重量に対し、5〜25重量%となるように含有させることが好ましく、10〜18重量%となるように含有させることがさらに好ましいが、これらには限定されない。
【0040】
本発明にかかる燃料電池セル5は、アノード触媒層3、保水層1が表面に形成された電解質膜4、カソード触媒層2を順次重ねて、アノード触媒層3の電解質膜4と反対側の側面とカソード触媒層2の電解質膜4と反対側の側面の両側から図示しないセパレータ等で挟持することにより作製することができる。このようにして得られた第一の実施形態による燃料電池セル5は、保水層1により直接に接している電解質膜4に水分を補給し得るため、電解質膜4の乾燥を防止し、耐久性のあるものとなっている。また、このような燃料電池セル5を、必要な電力に応じた数で積層してなる燃料電池スタックを、当業者は容易に製造することができる。
【0041】
本発明の第二の実施形態による燃料電池セル5を、図2に示す。図示する燃料電池セル5は、保水成分含有アノード触媒層3aと、保水層1と、電解質膜4と、保水層1と、保水成分含有カソード触媒層2aとを順次積層してなる。保水成分含有アノード触媒層3aは電解質膜4の一方の側に設けられており、保水成分含有カソード触媒層2aは電解質膜4の他方の側に設けられている。保水層1は、電解質膜4と保水成分含有カソード触媒層2aとの間、および電解質膜4と保水成分含有アノード触媒層3aとの間に、それぞれ電解質膜4に接するように、電解質膜4の全面に設けられている。
【0042】
本実施形態による電解質膜4、保水層1は、第一の実施形態と同一の要素であり、同一の符号を付して表している。これらはまた、同様の機能と作用をするものであるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
本実施形態では、保水成分含有アノード触媒層3aおよび保水成分含有カソード触媒層2aに、保水成分が含有されている。保水成分としては、第一の実施形態において使用した成分と同様のものを使用することができる。保水成分として、特には、カルボキシル基含有高分子を用いることが好ましく、ポリアクリル酸を用いることがさらに好ましい。また、イオン伝導性を確保するための成分として、陽イオン交換高分子を用いることが好ましく、特にはナフィオンを使用することができる。カソード触媒成分としては、白金を担持させたカーボンブラックを使用することができ、また、アノード触媒としては、白金ルテニウムを担持させたカーボンブラックを使用することができる。しかし、カソード触媒、アノード触媒とも、これらには限定されない。
【0044】
このような保水成分含有アノード触媒層3aを製造するためには、保水成分とイオン伝導性成分とを、1:0.1〜1:10で混合する。そして、この保水成分とイオン伝導性成分とを混合したものと、触媒成分中のカーボンとが、7:10〜13:10で混合されているスラリーを調製し、第一の実施形態と同様に触媒層を成形することができる。また、保水成分含有カソード触媒層2aについても同様に触媒層を成形することができる。
【0045】
このようにして得られた第二の実施形態による燃料電池セル5は、保水層1と触媒層中の保水成分の両方により電解質膜4の乾燥を防止し、さらに耐久性のあるものとなっている。また、このような燃料電池セル5を、必要な電力に応じた数で積層してなる燃料電池スタックを、当業者は容易に製造することができる。
【0046】
本実施の形態では、アノード触媒層3a及びカソード触媒層2aの両方が保水成分を含み、かつ、保水層1を電解質膜4の両側に設けている。しかし、保水成分を含有するのは、アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方であってよく、また、保水層1を形成しても形成しなくても良い。
【0047】
【実施例】
[実施例1]
本発明の第一の実施形態にかかる燃料電池セルを作製し、その性能について評価した。
ポリアクリル酸(商品名:ジュリマー(AT−510)、日本純薬株式会社製)を、陽イオン交換高分子溶液(5%ナフィオン(登録商標)、DuPont社製)に、乾燥時の固形分の重量比が1:1になるように混合した液(A)を調製した。この液(A)を、電解質膜としてのパーフルオロスルホン酸樹脂膜(商品名:Nafion112、DuPont社製)の膜厚の1/7の厚さになるように、電解質膜4の片面の全面に塗布し、電解質膜4の表面に保水層1を形成した。
【0048】
アノード電極、カソ−ド電極のそれぞれの触媒としては、カーボンブラックに、平均粒径が3mmの白金系触媒粒子を45重量%担持したものを使用した。この触媒粉末雰囲気をN2に置換した後、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液(商品名:SE−5112、DuPont社製)を、カーボンブラック:乾燥パーフルオン酸樹脂の比が、1.0:0.8(重量比、アノード電極側)および1.0:1.0(重量比、カソード電極側)となるように混合した後、エタノールを添加し、超音波洗浄装置を用いて所定時間にわたって分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーを調製する際に使用した超音波洗浄装置には、カソード用のスラリー原料を収容した容器、アノード用のスラリー原料を収容した容器を夫々セットし、周囲は氷水にて0℃に保持した。
【0049】
次に、保水層1を形成した電解質膜4としてのパーフルオロスルホン酸樹脂膜を所定の温度(60℃)に保持した。
【0050】
次に、電解質膜4の保水層1が形成された面に、前記のように調製した触媒性分を含むスラリーを塗布し、カソード触媒層2を形成した。続いて、電解質膜4の保水層1が形成されていない面に、アノード触媒層3を形成し、電解質膜4/電極2,3接合体である燃料電池セル5を形成した。
【0051】
この接合体を、ステンレス製のセパレータとその上面に配置されたテトラフルオロエチレンにより撥水化されたカーボンペーパーにより挟持し、発電試験を行った。アノードには、COを10ppm含有する改質ガスを、カソードには空気を、それぞれ水素利用率70%、空気利用率40%となるように供給した。また、それぞれのガス供給部には温度調節装置及び加湿器を設け、アノード入口相対湿度95%、カソード入口相対湿度40%とし、発電試験を実施した。
【0052】
[実施例2]
実施例2では、保水層を設けず、カソード触媒層のみに保水成分を含有させた燃料電池セルを作製した。実施例1で調製したカソード触媒用スラリーに、保水成分であるポリアクリル酸(商品名:ジュリマー(AT−510)、日本純薬株式会社製)を混合した。カソード触媒用スラリー中のナフィオンとジュリマーの乾燥固形重量比は、1:1とした。これをカソード触媒用スラリーとした。
【0053】
実施例1で使用した、電解質膜としてのパーフルオロスルホン酸樹脂膜(商品名:Nafion112、DuPont社製)に、保水層を塗布しないで、一方の面に、保水成分を含有したカソード触媒用スラリーを塗布し、他方の面に実施例1で調製したアノード触媒用スラリーを塗布し、実施例1と同様の方法で高分子膜/電極接合体である燃料電池セル5を形成した。
【0054】
発電試験は、6時間発電、4時間休止の発停運転で実施した。燃料電池セルの耐久試験結果を、図3に示す。点線で示す従来とは、実施例1、2と同じ電解質膜、電極触媒を用いて、保水層を設けず、触媒層に保水成分も含有しない燃料電池セルを用いて同じ実験を行った場合の結果である。アノード入口の相対湿度は95%、カソード入口の相対湿度は40%で、セル温度は、70℃であった。この結果、本発明にかかる燃料電池セルを用いた場合には、運転の時間が経過しても燃料電池の性能が低下することなく、発電効果を有することがわかった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、電解質膜表面の一部もしくは全面に設けた保水層、または触媒層に含有される保水成分、或いはそれらの両方が、乾燥条件運転時であっても電解質膜を湿潤状態とすることができる、耐久性に優れた燃料電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である、電解質膜に接するように保水層が設けられている燃料電池セルを概念的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態である、電解質膜に接するように保水層が設けられており、さらに電極に保水成分を含んでなる燃料電池セルを概念的に示す断面図である。
【図3】図3は、保水層を設けた燃料電池セルを使用して発電試験を実施した際の、電圧と発停回数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 保水層
2 カソード触媒層
2a 保水成分含有カソード触媒層
3 アノード触媒層
3a 保水成分含有アノード触媒層
4 電解質膜
5 燃料電池セル
Claims (9)
- 電解質膜と、
該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層と、
該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層と、
該電解質膜とアノード触媒層との間、または、該電解質膜とカソード触媒層との間、あるいはそれらの両方に、該電解質膜に接するように設けられている保水層と
を含んでなる燃料電池セル。 - 前記保水層が、前記電解質膜の表面全体に塗布されている請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記保水層が、前記電解質膜の表面であって、前記カソード触媒層に供給されるカソードガスの流路に沿って、カソードガスの相対湿度が90%以下となる部分に設けられる請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方が、保水成分を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記保水層が、アクリル系高分子と陽イオン交換高分子とを含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記保水層が、ポリアクリル酸とパーフルオロスルホン酸系高分子溶液との混合液から得られる請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記保水成分が、アクリル系高分子を含んでなる請求項4〜6のいずれかに記載の燃料電池セル。
- 電解質膜と、
該電解質膜の一方の側に設けられているアノード触媒層と、
該電解質膜の他方の側に設けられているカソード触媒層と
を含み、
前記アノード触媒層またはカソード触媒層の少なくとも一方が、アクリル系高分子と陽イオン交換高分子とを含んでなる燃料電池セル。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタック。
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