JP2003172190A - 加速性能の評価方法、加速性能評価装置及び車両 - Google Patents

加速性能の評価方法、加速性能評価装置及び車両

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JP2003172190A
JP2003172190A JP2002155909A JP2002155909A JP2003172190A JP 2003172190 A JP2003172190 A JP 2003172190A JP 2002155909 A JP2002155909 A JP 2002155909A JP 2002155909 A JP2002155909 A JP 2002155909A JP 2003172190 A JP2003172190 A JP 2003172190A
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acceleration performance
evaluation
vehicle
acceleration
coefficient
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JP2002155909A
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Takaaki Mizutani
卓明 水谷
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速性能に関連するエンジン回転数などの所
定要素の時間変化をn次元関数(nは実数)で近似し、
その係数に基づいて加速性能を評価することで、車両の
加速性能を正確に評価するのに好適な加速性能評価方
法、加速性能評価装置、この装置を搭載した車両を提供
する。 【解決手段】 加速性能評価システム20を、クランク
角センサ10によって検出されたクランク角度を取得し
て、そのクランク角度の時間変化率からエンジンの出力
軸であるクランクシャフト2dの回転速度をエンジン回
転数として算出するエンジン回転数演算部21と、スロ
ットルセンサ9によって検出されたスロットル開度及び
エンジン回転数演算部21によって算出されたエンジン
回転数とに基づいて車両の加速性能の評価を行う加速性
能評価部22と、から構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の加速性能の
評価方法及び加速性能評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の加速性能の評価は、運転者
の嗜好や車両の経年劣化などを知るために行われてお
り、加速動作に関連するエンジン回転数や車両の速度な
どの時間変化を、加速の開始時点と終了時点の2点間の
速度を直線で結ぶ、所謂直線近似における近似直線の傾
きに基づいて評価を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の評価方法では、実際の車両のエンジン回転数や速度
変化は、非線形なエンジン出力と車両としての慣性力に
影響されるため、長い期間に対して直線近似を行い、そ
の近似直線の傾きだけで加速性能を評価しようとする
と、2点間に存在する実際の数値が考慮されないため、
正確な加速性能の評価とならない恐れがあった。
【0004】そこで、本発明は、このような従来の技術
の有する未解決の課題に着目してなされたものであっ
て、加速性能に関連するエンジン回転数などの所定要素
の時間変化をn次元の関数(nは実数)で曲線近似し
て、その関数の係数によって車両の加速性能を評価する
加速性能評価方法、加速性能評価装置及びこの装置を搭
載した車両を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1記載の加速性能の評価方法
は、車両の加速性能に関連する所定要素の時間変化をn
次関数(nは実数)を用いて曲線近似し、そのn次関数
の係数に基づいて前記車両の加速性能を評価することを
特徴としている。
【0006】つまり、車両の加速性能に関する所定要素
の時間変化をn次関数によって曲線近似するようにした
ので、従来の直線による近似に比べて実際の値との誤差
が減少し、正確な加速性能の評価を行うことが可能とな
る。更に、加速性能を関数の係数という単一の数値で表
現することができるので、加速性能の向上、劣化の判断
が容易となる。
【0007】また、請求項2に係る発明は、請求項1記
載の加速性能の評価方法において、前記所定要素は、車
両の速度であることを特徴としている。つまり、車両の
加速性能に関する要素が車両の速度であり、速度の時間
変化をn次関数で曲線近似する場合である。また、請求
項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の加速性
能の評価方法において、前記所定要素は、エンジン回転
数であることを特徴としている。
【0008】つまり、車両の加速性能に関する要素が車
両のエンジン回転数であり、エンジン回転数の時間変化
をn次関数で曲線近似する場合である。。また、請求項
4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項
に記載の加速性能の評価方法において、前記所定要素
は、モータの回転数であることを特徴としている。
【0009】つまり、車両が電気自動車であるときに、
車両の加速性能に関する要素が、モータの回転数であ
り、モータの回転数の時間変化をn次関数で曲線近似す
る場合である。また、請求項5に係る発明は、請求項1
乃至請求項4のいずれか1項に記載の加速性能の評価方
法において、前記曲線近似は、前記車両の加速時のスロ
ットル操作の継続期間内において行うことを特徴として
いる。
【0010】つまり、運転者が、スロットルを操作して
いる間の加速性能に関する要素の時間変化を曲線近似す
る場合であり、加速操作に起因する制御対象への制御量
を反映した加速性能の評価が可能となる。また、請求項
6に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項
に記載の加速性能の評価方法において、前記評価は、加
速のための操作に伴う車両の速度、エンジン回転数及び
モータ回転数のいずれか一の過渡状態の継続期間内にお
いて行うことを特徴としている。
【0011】つまり、加速性能の評価期間を加速のため
の操作に伴う車両の速度、エンジン回転数及びモータ回
転数のいずれか一の過渡状態の継続期間中に限定するこ
とにより、過渡状態における加速操作に起因する制御対
象への制御量を反映した加速評価が可能となる。また、
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれ
か1項に記載の加速性能の評価方法において、前記n次
関数による曲線近似は、前記所定要素の時間変化におけ
るそれぞれ異なる期間において複数回行い、それらn次
関数の係数の平均値に基づいて前記加速性能の評価を行
うことを特徴としている。
【0012】つまり、n次関数による曲線近似を、所定
要素の評価を行う時間範囲を複数に分割し、分割された
それぞれの期間において曲線近似を行い、それらn次関
数の係数の平均値に基づいて車両の加速性能を評価する
ものであり、これにより、近似精度を向上させることが
可能となるので、より正確な加速性能の評価が可能とな
る。
【0013】また、請求項8に係る発明は、請求項1乃
至請求項6記載の加速性能の評価方法において、前記評
価は、評価期間中に複数のサンプル点を取得し、当該サ
ンプル点の各々と前記n次関数との誤差が最小となる係
数を評価値とすることを特徴としている。つまり、近似
曲線と実際の制御対象の各々の出力との誤差が最小とな
る係数を評価値とすることで、評価結果の精度を向上さ
せることが可能である。
【0014】また、請求項9に係る発明は、請求項1乃
至請求項8のいずれか1項に記載の加速性能の評価方法
において、前記n次関数の係数と車両の基準状態に基づ
いて定められる前記n次関数の基準係数との比較結果に
基づいて前記加速性能の評価を行うことを特徴としてい
る。つまり、例えば、車両の加速性能に関する所定要素
の時間変化に対して、加速性能の評価時に基準となるn
次関数の係数を基準係数として予め設定し、車両の運転
中に前記所定要素に対してn次関数による近似を行った
ときに、この近似結果である関数の係数と、前記した基
準係数とを比較して、その比較結果に基づいて車両の加
速性能を評価するようにしたので、比較結果に差がある
ときは車両の加速性能を基準状態に戻すように補正値を
算出し補正することが可能である。
【0015】また、請求項10に係る発明は、請求項5
又は請求項6記載の加速性能の評価方法において、前記
評価は、前記車両の走行時に行うことを特徴としてい
る。つまり、加速性能を車両の走行時に行うことで、そ
の評価結果を実走行時の制御に反映させることが可能と
なる。また、請求項11記載の加速性能評価装置は、車
両の加速性能に関連する所定要素の時間変化をn次関数
(nは実数)を用いて曲線近似する時間変化近似手段
と、そのn次関数の係数に基づいて前記車両の加速性能
を評価する加速性能評価手段と、を備えることを特徴と
している。
【0016】このような構成であれば、時間変化近似手
段によって、車両の加速性能に関わる所定要素の時間変
化をn次関数によって曲線近似し、加速性能評価手段に
よって、そのn次関数の係数に基づいて車両の加速性能
の評価を行うことが可能である。また、請求項12に係
る発明は、請求項11記載の加速性能評価装置におい
て、前記所定要素は、車両の速度であることを特徴とし
ている。
【0017】つまり、時間変化近似手段によって、車両
の速度の時間変化をn次関数で曲線近似し、加速性能評
価手段によって、そのn次関数の係数に基づいて車両の
加速性能の評価を行うようにしたものである。また、請
求項13に係る発明は、請求項11又は請求項12記載
の加速性能評価装置において、前記所定要素は、エンジ
ン回転数であることを特徴としている。
【0018】つまり、時間変化近似手段によって、車両
のエンジン回転数の時間変化をn次関数で曲線近似し、
加速性能評価手段によって、そのn次関数の係数に基づ
いて車両の加速性能の評価を行うようにしたものであ
る。また、請求項14に係る発明は、請求項11乃至請
求項13のいずれか1項に記載の加速性能評価装置にお
いて、前記所定要素は、モータの回転数であることを特
徴としている。
【0019】つまり、時間変化近似手段によって、車両
のモータ回転数の時間変化をn次関数で曲線近似し、加
速性能評価手段によって、そのn次関数の係数に基づい
て車両の加速性能の評価を行うようにしたものである。
また、請求項15に係る発明は、請求項11乃至請求項
14のいずれか1項に記載の加速性能評価装置におい
て、前記曲線近似は、前記車両の加速時のスロットル操
作の継続期間内において行うことを特徴としている。
【0020】つまり、時間変化近似手段による所定要素
の時間変化のn次関数による曲線近似を、スロットル操
作の継続期間内において行うようにしたものである。ま
た、請求項16に係る発明は、請求項11乃至請求項1
4のいずれか1項に記載の加速性能評価装置において、
前記評価は、加速のための操作に伴う車両の車速、エン
ジン回転数及びモータ回転数のいずれか一の過渡状態の
継続期間内において行うことを特徴としている。
【0021】つまり、加速性能の評価期間を加速のため
の操作に伴う車両の車速、エンジン回転数及びモータ回
転数のいずれか一の過渡状態の継続期間中に限定するこ
とにより、過渡状態における加速操作に起因する制御対
象への制御量を反映した加速評価を可能としたものであ
る。また、請求項17に係る発明は、請求項11乃至請
求項16のいずれか1項に記載の加速性能評価装置にお
いて、前記n次関数による曲線近似は、所定の時間範囲
内のそれぞれ異なる期間において複数回行い、それらn
次関数の係数の平均値に基づいて前記加速性能の評価を
行うことを特徴としている。
【0022】つまり、時間変化近似手段によって曲線近
似を行う際に、所定要素の評価を行う時間範囲を複数に
分割し、分割されたそれぞれの期間において曲線近似を
行い、加速性能評価手段において、それらn次関数の係
数の平均値に基づいて車両の加速性能を評価するように
したものである。また、請求項18に係る発明は、請求
項11乃至請求項16のいずれか1項に記載の加速性能
評価装置において、前記評価は、評価期間中に複数のサ
ンプル点を取得し、当該サンプル点の各々と前記n次関
数との誤差が最小となる係数を評価値とすることを特徴
としている。
【0023】つまり、近似曲線と実際の制御対象の各々
の出力との誤差が最小となる係数を評価値とすること
で、評価結果の精度を向上させるようにしたものであ
る。また、請求項19に係る発明は、請求項11乃至請
求項17のいずれか1項に記載の加速性能評価装置にお
いて、前記加速性能評価手段は、前記n次関数の係数と
車両の基準状態に基づいて定められる前記n次関数の基
準係数との比較結果に基づいて前記加速性能の評価を行
うことを特徴としている。
【0024】つまり、加速性能評価手段は、加速性能の
評価をするときに、ある要素の時間変化に対して近似に
よって求められたn次関数の係数と、これと対応する車
両の基準状態時のn次関数の係数とを比較して、その比
較結果に基づいて、関連要素の補正を行うようにしたも
のである。また、請求項20に係る発明は、請求項11
乃至請求項19のいずれか1項に記載の加速性能評価装
置において、前記評価は、前記車両の走行中に行うこと
を特徴としている。
【0025】つまり、加速性能を車両の走行時に行うこ
とで、その評価結果を実走行時の制御に反映させるよう
にしたものである。なお、請求項11乃至請求項20記
載の加速性能評価装置は、請求項1乃至請求項10記載
の加速性能の評価方法を実現するための装置である。ま
た、請求項21記載の車両は、請求項11乃至請求項2
0のいずれか1項に記載の加速性能評価装置を搭載した
車両であって、前記加速性能評価装置の評価結果に基づ
いて前記車両の加速性能に関連する所定の制御量を修正
するようになっていることを特徴としている。
【0026】つまり、車両に加速性能評価装置を搭載す
ることによって、加速性能の評価の後に、その評価結果
に基づいて、車両の加速性能に関連する制御量を修正す
るようにしたものである。従って、加速性能に関連する
燃料噴射量、点火タイミング、VVT(可変バルブタイ
ミング機構)タイミング及び電子スロットル制御特性な
どを修正することで、加速性能の維持可能な車両を提供
することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図7は、本発明に係る加
速性能評価装置の実施の形態を示す図である。まず、本
発明に係る加速性能評価装置を適用した車両のエンジン
システムの構成を図1に基づいて説明する。図1は、エ
ンジンシステムの構成を示すブロック図である。
【0028】図中、エンジンシステム1は、エンジン動
力部2と、燃料タンク3と、各種センサと、エンジンを
適正な状態に駆動制御するための電子制御装置であるE
CU(Electronic Controll Unit)4と、電子制御によっ
て燃料を噴射するインジェクタ5と、点火用の高圧電流
を作り出す点火コイル6と、供給された高圧電流によっ
て電気火花を作り出す点火プラグ7と、シリンダ内に空
気を吸入すると共に、インジェクタ5によって噴射され
る燃料をシリンダ内に供給するための吸気管12と、燃
焼ガスを排出するための排気管13と、から構成されて
いる。
【0029】エンジン動力部2は、シリンダ2aと、同
シリンダ2a内において燃料の燃焼により発生する膨張
力によって往復運動するピストン2bと、この往復運動
を回転運動に変換するためのクランクシャフト2dと、
ピストン2bとクランクシャフト2dとを連動させるた
めのコンロッド2cと、図示しないカムによって吸気管
12の通路を開閉するための吸気バルブ2eと、同じく
図示しないカムによって排気管13の通路を開閉するた
めの排気バルブ2fと、を備えている。
【0030】各種センサとしては、排気A/Fを検出す
るための空燃比センサ8と、スロットル開度を検出する
ためのスロットルセンサ9と、エンジンの回転数及び燃
料の噴射と点火のタイミングを検出するためのクランク
角センサ10と、吸気管内部の吸入空気量を検出するた
めの吸気管負圧センサ11とを備え、それぞれ検出結果
をECU4に伝送する。また、他にもエンジン水温セン
サ等のセンサを備えているが、本発明に直接関係しない
ので説明を省く。
【0031】燃料タンク3は、燃料からごみを取り除く
ためのフィルタ3aと、後述するプレッシャーレギュレ
ータ3cに燃料を送り出すための燃料ポンプ3bと、イ
ンジェクタ5における燃料の噴射圧力を保持するための
プレッシャレギュレータ3cと、を備えている。つま
り、燃料タンク3内の燃料は、フィルタ3aによってご
みを取り除かれた後に、燃料ポンプ3bによってプレッ
シャレギュレータ3cに送られ、ここで高圧状態に保持
されながらインジェクタ5によって吸気管12を通じて
シリンダ2a内に燃料を噴射する。噴射された燃料は、
同じく吸気管12を通ってシリンダ2a内に流入する空
気と混ざり合い、この混合状態の燃料に対して、点火コ
イル6で作られた高圧電流から点火プラグ7で電気火花
を発生させ、これにより点火する。そして、点火による
燃料の燃焼は大きな膨張力を生み出し、シリンダ2a内
のピストン2bを往復運動させる。更に、この往復運動
をコンロッド2cによってクランクシャフト2dに伝
え、そこで回転運動へと変換する。
【0032】このようなエンジンシステム1において、
ECU4は、その機能の一つとして、インジェクタ5を
有する電子式燃料噴射装置による燃料の噴射を電子制御
する役割を担っており、入力情報を記憶するRAM(Ra
ndom Access Memory)(Random Access Memory)と、加速
性能の評価及びエンジンの動作を制御するためのプログ
ラムの記憶されたROM(Read Only Memory)(Read On
ly Memory)と、プログラムを実行するためのCPU(Ce
ntral Processing Unit)と、を備えている。
【0033】以下、ECU4において加速性能の評価処
理及び加速性能の補正処理を行う加速性能評価システム
の構成を図2に基づいて説明する。図2は、加速性能評
価システムの構成を示すブロック図である。加速性能評
価システム20は、クランク角センサ10によって検出
されたクランク角度を取得して、そのクランク角度の時
間変化率からエンジンの出力軸であるクランクシャフト
2dの回転速度をエンジン回転数として算出するエンジ
ン回転数演算部21と、スロットルセンサ9によって検
出されたスロットル開度及びエンジン回転数演算部21
によって算出されたエンジン回転数とに基づいて車両の
加速性能の評価を行う加速性能評価部22と、から構成
される。
【0034】加速性能評価部22は、スロットル開度及
びエンジン回転数に基づいて評価期間の決定、所定関数
による曲線近似処理及び評価値の算出を行う関数近似処
理部22aと、算出された評価値と、後述する基準値記
憶部22cに記憶された係数の基準値とに基づいて加速
性能の比較等を行う加速性能比較部22bと、比較処理
時に用いる基準係数が記憶された基準値記憶部22c
と、過渡補正係数に基づいて燃料噴射量を算出する燃料
噴射量演算部22dと、から構成される。
【0035】関数近似処理部22aは、曲線近似係数演
算部22a1と、評価値演算部22a2と、から構成さ
れ、曲線近似係数演算部22a1は、スロットル開度か
ら評価期間を決定し、更に、その評価期間を複数の分割
期間に分割してから、各分割期間毎に所定の関数による
曲線近似を行い、評価値演算部22a2は、複数回の曲
線近似によって算出された関数の係数値に基づいて加速
性能を評価するための評価値を算出する。
【0036】加速性能比較部22bは、評価値演算部2
2a2から評価値を取得し、且つ、基準値記憶部22c
から基準係数を読み出して、これらの値に基づいて加速
性能の比較を行う。更に、比較結果に基づいて近似関数
の係数が基準係数となるように過渡補正修正値を算出
し、過渡補正係数を修正する。燃料噴射量演算部22d
は、スロットルセンサ9によって検出されたスロットル
開度、エンジン回転数演算部21によって算出されたエ
ンジン回転数及び加速性能比較部22bにおいて補正さ
れた過渡補正係数に基づいて燃料噴射量を算出する。そ
して、算出された燃料噴射量は、これと対応する噴射時
間のパルス信号としてインジェクタ5へと伝送される。
【0037】次に、加速性能評価システム1の動作処理
の流れを図3乃至図6に基づいて説明する。図3は、加
速性能評価システム1の動作処理を示すフローチャート
であり、図4は、加速性能の評価期間を示す図であり、
図5は、所定の期間で複数に分割された分割期間を示す
図であり、図6は、近似曲線と実際のエンジン回転数の
時間変化との関係を示す図である。
【0038】図3に示すように、まずステップS300
に移行して、関数近似処理部22aにおいて、加速動作
時のスロットル開度及びエンジン回転数を取得してステ
ップS302に移行する。ステップS302に移行する
と、加速動作が終了しエンジンが定常状態になったか否
かを判定し、定常状態になったと判定された場合(Yes)
はステップS304に移行し、そうでない場合(No)はス
テップS300に移行する。
【0039】ステップS304に移行した場合は、曲線
近似係数演算部22a1において、スロットル開度に基
づいて評価期間を決定しステップS304に移行する。
ここで、評価期間は、図4に示すようにスロットル開度
の時間変化より決定し、加速動作開始時からスロットル
開度が一定となるまでの期間とする。ステップS306
に移行すると、曲線近似係数演算部22a1において、
図5に示すように、決定された評価期間を、更に3分割
した分割期間を決定してステップS308に移行する。
つまり、経過時間t1〜t4によって評価期間を3分割す
る。
【0040】ステップS308に移行すると、曲線近似
係数演算部22a1において、各分割期間におけるエン
ジン回転数の時間変化を後述する式(1)の関数によっ
て曲線近似し、その係数を算出してステップS310に
移行する。ここで、本実施の形態において、加速性能評
価の対象であるエンジン回転数の近似曲線は、経過時間
のn次関数とそれに対する係数αを用いて、以下の式
(1)に従って算出される。
【0041】 EGrev=EGrev0+α×tn・・・・・・・・・(1) 但し、tは経過時間、EGrevはエンジン回転数、E
Grev0は加速開始時のエンジン回転数とする。更
に、この式(1)から評価期間内の任意の2点(tx1
x2)を選択してそのときのエンジン回転数から、以下
の式(2)に従って近似関数の係数を算出する。本実施
の形態では、図5に示す、(t1、t2)、(t2
3)、(t3、t4)の3つの組み合わせに対して係数
を算出する。
【0042】 α=(EGrev1−EGrev2)/(tx1 n−tx2 n)・・・・・・・(2) 但し、本実施の形態において、n=√2とし、また、基
準係数をα=0.05とする。これらの数値で、例え
ば、分割期間(t2、t3)に対する近似曲線を描くと、
図6に示す近似曲線60のような曲線となる。ここで、
各分割期間における曲線近似及び係数の算出が終了する
と、その分割期間毎にフラグの値を1にする処理を行
う。
【0043】ステップS310に移行すると、全ての分
割期間に対して上記式(1)、(2)に従って係数の算
出が行われたか否かを判定し、行われたと判定された場
合(Yes)はステップS312に移行し、そうでない場合
(No)はステップS300に移行する。ステップS312
に移行した場合は、まず、各分割期間における係数の算
出が行われたことを示すフラグの値を0にクリアしてス
テップS314に移行する。
【0044】ステップS314に移行すると、評価値演
算部22a2において、係数の算出結果を用いて評価値
の算出を行いステップS316に移行する。本実施の形
態において、評価値は分割期間において算出された各近
似関数の係数値の平均値とする。ステップS316で
は、加速性能比較部22bにおいて、基準係数(α=
0.05)と、算出された評価値との比較を行いステッ
プS318に移行する。
【0045】ステップS318では、加速性能比較部2
2bにおいて、加速性能に変化があったか否かを判定し
て、変化があったと判定された場合(Yes)はステップS
320に移行し、そうでない場合(No)はステップS30
0に移行する。ここで、変化の判定は、基準係数と評価
値との数値差が加速性能が悪化する方向において所定値
を超えているか否かで決定することになる。即ち、本実
施の形態において、評価値が、基準値であるα=0.0
5を所定値以上下回る値の場合に加速性能に変化があっ
たと判定することになる。
【0046】ステップS320に移行した場合は、加速
性能比較部22bにおいて、過渡補正修正値を算出して
過渡補正係数の修正を行いステップS318に移行す
る。ステップS322では、修正された過渡補正係数に
基づいて、適切な燃料噴射量を算出して、その噴射量に
対応する噴射時間のパルス信号をインジェクタ5へと伝
送してステップS300に移行する。
【0047】つまり、所定の周期でステップS300〜
ステップS318の処理を繰り返し行い、基準の加速性
能の維持を実現する。更に、上記実施の形態の実際の動
作を説明する。加速性能評価システム1は、スロットル
センサ9によって検出されるスロットル開度と、エンジ
ン回転数演算部21によって算出されるエンジン回転数
とを常に取得しているので、運転手がアクセルを踏み込
むことで加速動作が行われると、スロットル開度及びエ
ンジン回転数の変化が取得できるのでその変化を記録す
る(ステップS300)。そして、加速状態が定常状態
へと移行すると(ステップS302)、曲線近似係数演
算部22a1において、スロットル開度の時間変化から
近似を行う期間である評価期間を決定する(ステップS
304)。評価期間が決定されると、その期間を、更に
3つの期間に分割した分割期間を決定し(ステップS3
06)、上記した式(1)及び式(2)によって、各分
割期間毎に近似関数の係数αを算出する(ステップS3
08)。そして、全ての分割期間において係数αが算出
されると(ステップS310)、分割期間毎に設定され
た係数の算出が終了したことを示すフラグをクリアし
(ステップS312)、算出されたαの平均値を算出す
ることで、評価値を求める(ステップS314)。評価
値が求まると、加速性能比較部22bにおいて、基準値
であるα=0.05と、評価値とを比較して(ステップ
S316)、その比較結果に基づき、加速性能に変化が
あったか否かを判定し(ステップS318)、ここでは
変化があったとして、過渡補正係数を修正するための過
渡補正修正値を算出し、これにより過渡補正係数を修正
する(ステップS320)。過渡補正係数が修正される
と、燃料噴射量演算部22dにおいて、前記係数、エン
ジン回転数及びスロットル開度に基づいて、燃料噴射量
を算出して(ステップS322)、この噴射量に対応す
る噴射時間を示すパルス信号をインジェクタ5に伝送す
る。
【0048】更に、図7に基づいて、エンジン回転数を
直線近似した場合と、曲線近似した場合との両者の比較
を行う。図7は、実際のエンジン回転数の時間変化を直
線近似した場合と曲線近似した場合の一例を示す図であ
る。図7に示すように、実際のエンジン回転数の時間変
化を示す曲線70の評価期間において、実近似直線71
と実近似曲線72とを比較してみると、任意の経過時間
73における実際のエンジン回転数に対して、曲線で近
似した場合は誤差が30回転であるのに対して、直線で
近似した場合は誤差が110回転もあり、実近似曲線7
2と実近似直線71との間には80回転もの差が生じて
いることになる。従って、曲線で近似した方が、直線で
近似するよりも加速の開始時と終了時との間の数値が実
際の数値に対して誤差が小さいことが解る。
【0049】以上、車両の加速性能に関連する要素であ
るエンジン回転数を曲線近似し、その近似関数の係数に
基づいて加速性能を評価するようにしたので、直線近似
よりも正確な加速性能の評価が可能となる。また、評価
期間を分割して、各分割期間毎に曲線近似を行い、それ
らの近似関数の係数の平均を加速性能の評価値としたの
で、1回の曲線近似によって評価値を決定するよりも、
3回の平均値を評価値とした方が曲線近似の精度が高ま
り、より正確に加速性能の評価を行うことが可能とな
る。
【0050】また、上記実施の形態においては、エンジ
ン回転数に対してのみ、曲線近似を行い加速性能の評価
を行っているが、車両が電気自動車だった場合などは、
エンジン回転数ではなく、モータの回転数を曲線近似し
て加速性能を評価するうよにしても良く、また、近似す
る要素をエンジンやモータの回転数に限らず、車両の速
度の時間変化に対して曲線近似を行い、加速性能を評価
するようにしても良い。
【0051】更に、本発明の第2の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図8乃至図11は、本発明に係る加
速性能評価装置の第2の実施の形態を示す図である。ま
ず、本発明に係る加速性能評価装置を適用した車両のエ
ンジンシステムにおける第2の加速性能評価システムの
構成を図8に基づいて説明する。図8は、第2の加速性
能評価システムの構成を示すブロック図である。なお、
図中、上記加速性能評価システム20と同様の機能を有
する処理部は同様の符号を付している。
【0052】第2の加速性能評価システム80は、クラ
ンク角センサ10によって検出されたクランク角度を取
得して、そのクランク角度の時間変化率からエンジンの
出力軸であるクランクシャフト2dの回転速度をエンジ
ン回転数として算出するエンジン回転数演算部21と、
スロットルセンサ9によって検出されたスロットル開度
及びエンジン回転数演算部21によって算出されたエン
ジン回転数とに基づいて車両の加速性能の評価を行う第
2の加速性能評価部81と、から構成される。
【0053】第2の加速性能評価部81は、スロットル
開度及びエンジン回転数に基づいて所定関数による曲線
近似処理及び評価値の算出を行う第2の関数近似処理部
82と、算出された評価値と、基準値記憶部22cに記
憶された係数の基準値とに基づいて加速性能の比較等を
行う加速性能比較部22bと、比較処理時に用いる基準
係数が記憶された基準値記憶部22cと、過渡補正係数
に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴射量演算部22
dと、から構成される。
【0054】第2の関数近似処理部82は、サンプリン
グ部82aと、評価値演算部82bと、から構成され、
サンプリング部82aは、スロットル操作に伴うエンジ
ン回転数の過渡期間内において、走行中のエンジン回転
数の複数のサンプルデータを取得し、評価値演算部82
bは、取得されたエンジン回転数のサンプルデータに基
づき、これらサンプルデータの各々との誤差が最小とな
る近似曲線の係数を加速性能を評価するための評価値と
して算出する。ここで、本実施の形態においては、誤差
の最小となる係数を算出するために最小二乗法を用いる
こととする。
【0055】加速性能比較部22bは、評価値演算部8
2bから評価値を取得し、且つ、基準値記憶部22cか
ら基準係数を読み出して、これらの値に基づいて加速性
能の比較を行う。更に、比較結果に基づいて近似関数の
係数が基準係数となるように過渡補正修正値を算出し、
過渡補正係数を修正する。燃料噴射量演算部22dは、
スロットルセンサ9によって検出されたスロットル開
度、エンジン回転数演算部21によって算出されたエン
ジン回転数及び加速性能比較部22bにおいて補正され
た過渡補正係数に基づいて燃料噴射量を算出する。そし
て、算出された燃料噴射量は、これと対応する噴射時間
のパルス信号としてインジェクタ5へと伝送される。
【0056】次に、第2の加速性能評価システム80の
動作処理の流れを図9乃び図10に基づいて説明する。
図9は、第2の加速性能評価システム80の動作処理を
示すフローチャートであり、図10は、サンプルデータ
の取得状況を示す図である。図9に示すように、まずス
テップS900に移行して、加速動作の開始に応じて関
数近似処理部82を構成するサンプリング部82aにお
いて、サンプルデータの取得開始を示すフラグを設定
(例えば、フラグを1に設定)してステップS902に
移行する。
【0057】ステップS902では、エンジン回転数及
びスロットル開度を取得してステップS904に移行す
る。ステップS904に移行すると、加速動作が終了し
エンジンが定常状態になったか否かを判定し、定常状態
になったと判定された場合(Yes)はステップS906に
移行し、そうでない場合(No)はステップS902に移行
する。つまり、図10に示すようにスロットル開度が一
定となりエンジン回転数が定常状態となるまで(エンジ
ン回転数が過渡期間中)は、複数のエンジン回転数(M
点)をサンプルデータとして取得し続ける。
【0058】ステップS906では、評価値演算部82
bにおいて、取得したM点のサンプルデータに基づきエ
ンジン回転数の時間変化を後述する式(1)の関数によ
って曲線近似し、その係数を算出してステップS908
に移行する。ここで、本実施の形態において、加速性能
評価の対象であるエンジン回転数の近似曲線は、経過時
間のn次関数とそれに対する係数αを用いて、以下に示
す式(3)に従って算出される。
【0059】
【数1】
【0060】但し、tは経過時間、EGrevはエンジ
ン回転数、EGrev0は加速開始時のエンジン回転数
とする。つまり、上記式(1)と同じである。更に、時
刻tmにおけるエンジン回転数をEGrevm、加速期
間内に取得されたサンプルデータ数をM点とすると、レ
スポンス性能を示す係数αは最小2乗法により以下に示
す式(4)〜(6)を満たすαとして推定される。
【0061】
【数2】
【0062】つまり、上記式(4)を微分した上記式
(5)の両辺の関係に従いこれを整理することで、αは
上記式(6)で表わされる。更に、加速開始時のエンジ
ン回転数EGrev0について、αが固定された場合、
EGrev0を算出するための式(7)〜(9)を以下
に示す。
【0063】
【数3】
【0064】更に、上記式(7)を微分して上記式
(8)の両辺の関係に従いこれを整理することで、EG
rev0は式(9)で表される。これは、αが固定され
た場合のM点における平均値に等しい。そして、上記式
(5)及び上記式(7)より、係数αは、取得されるエ
ンジン回転数EGrevmを用いて、最終的に以下に示
す式(10)で表される。
【0065】
【数4】
【0066】つまり、サンプルデータとして取得された
M点のエンジン回転数EGrevmとサンプルデータ取
得時の経過時間tmをn乗した値とをそれぞれ乗算した
ものの総和から、サンプルデータとして取得したM点の
EGrevmの総和にM点のサンプルデータ取得時のそ
れぞれの経過時間tmをn乗した値の総和を乗算した値
を更にMで除算したものを減算し、この結果を、経過時
間tmを2n乗した値の総和から経過時間tmをn乗した
値の総和の2乗値を更にMで除算したものを減算した値
で除算したものが最終的なαとなる。
【0067】ステップS908に移行すると、加速性能
比較部22bにおいて、基準係数(α=0.05)と、
算出されたαとの比較を行いステップS910に移行す
る。ステップS910では、加速性能比較部22bにお
いて、加速性能に変化があったか否かを判定して、変化
があったと判定された場合(Yes)はステップS912に
移行し、そうでない場合(No)はステップS900に移行
する。
【0068】ここで、変化の判定は、基準係数と評価値
との数値差が加速性能が悪化する方向において所定値を
超えているか否かで決定することになる。即ち、本実施
の形態において、評価値が、基準値であるα=0.05
を所定値以上下回る値の場合に加速性能に変化があった
と判定することになる。ステップS912に移行した場
合は、加速性能比較部22bにおいて、過渡補正修正値
を算出して過渡補正係数の修正を行いステップS914
に移行する。つまり、経年劣化に伴う加速性能の変化が
確認された場合、加速性能に影響を与える制御量(過渡
補正係数)を修正する。具体的には、加速性能の低下が
見られた場合は過渡補正係数を増加させる。これにより
加速時の燃料噴射量を修正し、加速性能の維持を実現す
る。
【0069】ステップS914では、サンプルデータの
取得開始フラグをクリア(例えば、1に設定されたフラ
グを0にする)してステップS900に移行する。つま
り、所定の周期でステップS900〜ステップS914
の処理を繰り返し行い、基準の加速性能の維持を実現す
る。ここで、実際のエンジン回転数データに対し、n=
√2、曲線近似係数α=0.05として近似曲線を描い
た例を図11に示す。
【0070】図11に示すように、経過時間0〜150
msにおける実際のエンジン回転数には近似曲線との間
に多少の差があるが、以降は全体的に実際のエンジン回
転数とほぼ重なり合った曲線となっていることが解る。
更に、上記実施の形態の実際の動作を説明する。第2の
加速性能評価システム80は、運転手がアクセルを踏み
込むことで加速動作が行われるとサンプリング部82a
においてサンプルデータの取得開始フラグを設定し(ス
テップS900)、スロットルセンサ9によって検出さ
れるスロットル開度と、エンジン回転数演算部21によ
って算出されるエンジン回転数とをエンジン回転数が定
常状態になるまで取得して(ステップS902)エンジ
ン回転数のみを保存する(ステップS904)。そし
て、定常状態になると(ステップS906)、評価値演
算部82bにおいて、上記した式(1)乃至式(8)に
従って評価値である曲線近似係数αを算出すると(ステ
ップS908)、加速性能比較部22bにおいて、基準
値であるα=0.05と、評価値とを比較して(ステッ
プS910)、その比較結果に基づき、加速性能に変化
があったか否かを判定し(ステップS912)、ここで
は変化があったとして、過渡補正係数を修正するための
過渡補正修正値を算出し、これにより過渡補正係数を修
正する(ステップS914)。過渡補正係数が修正され
ると、サンプルデータ取得開始フラグをクリアして(ス
テップS916)再びステップS900に戻り、前記と
同様の処理を繰り返す。
【0071】以上、車両の加速性能に関連する要素であ
るエンジン回転数を曲線近似し、その近似関数の係数に
基づいて加速性能を評価するようにしたので、直線近似
よりも正確な加速性能の評価が可能となる。また、最小
二乗法を利用して、取得したサンプルデータと近似曲線
との誤差が最小となる曲線近似係数αを求めるようにし
たので、曲線近似の精度が高まり、より正確に加速性能
の評価を行うことが可能となる。
【0072】また、上記実施の形態においては、エンジ
ン回転数に対してのみ、曲線近似を行い加速性能の評価
を行っているが、車両が電気自動車だった場合などは、
エンジン回転数ではなく、モータの回転数を曲線近似し
て加速性能を評価するようにしても良く、また、近似す
る要素をエンジンやモータの回転数に限らず、車両の速
度の時間変化に対して曲線近似を行い、加速性能を評価
するようにしても良い。
【0073】ここで、図2に示す、関数近似部22a
は、請求項11記載の時間変化近似手段に対応し、加速
性能比較部22bは、請求項11及び請求項19記載の
加速性能評価手段に対応する。なお、上記実施の形態に
おいて、加速性能に関連する要素として、エンジン回転
数、車両の速度、電気自動車の場合のモータ回転数を例
として述べたが、これに限らず、車両の加速性能に関連
する要素であれば、どのようなものを近似対象として用
いても良い。
【0074】また、上記実施の形態において、加速性能
の補正として、過渡補正係数の修正を行うことで、加速
性能の維持を行うようにしているが、これに限らず、点
火タイミング、VVT(可変バルブタイミング機構)タ
イミング、電子スロットル制御特性などを修正して加速
性能の維持を行うようにしても良い。また、上記実施の
形態において、基準係数としてα=0.05を用いてい
るが、この値に限らず、車両の性能に合わせた別の値を
用いるようにしても良い。
【0075】また、上記実施の形態において、評価値が
基準係数を所定値以上下回ったときに加速性能に変化が
あったと判定するようにしているが、所定値以上上回っ
たときにも変化があったと判定するようにしても良い。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る請求
項1乃至請求項10記載の加速性能の評価方法によれ
ば、加速性能に関連する所定の要素の時間変化をn次関
数によって曲線近似し、そのn次関数の係数に基づいて
加速性能の評価を行うようにしたので、従来の直線によ
る近似に比べて実際の値との誤差が減少し、且つ、正確
な加速性能の評価を簡易に行うことが可能となる。
【0077】なお、請求項11乃至請求項20記載の加
速性能評価装置は、請求項1乃至請求項10記載の加速
性能の評価方法を実現するための装置でありその効果は
同様のものとなるので記載を省略する。また、請求項2
1記載の車両によれば、加速性能の評価後に、その評価
結果に基づいて、加速性能に関連する制御量を修正する
ようにしたので、加速性能の維持に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンシステムの構成を示すブロック図であ
る。
【図2】加速性能評価システムの構成を示すブロック図
である。
【図3】加速性能評価システム1の動作処理を示すフロ
ーチャートである。
【図4】加速性能の評価期間を示す図である。
【図5】所定の期間で複数に分割された評価期間を示す
図である。
【図6】近似曲線と実際のエンジン回転数の時間変化と
の関係を示す図である。
【図7】実際のエンジン回転数の時間変化を直線近似し
た場合と曲線近似した場合を示す図である。
【図8】第2の加速性能評価システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図9】第2の加速性能評価システム80の動作処理を
示すフローチャートである。
【図10】サンプルデータの取得状況を示す図である。
【図11】実際のエンジン回転数データに対し、n=√
2、曲線近似係数α=0.05として近似曲線を描いた
例を示す図である。
【符号の説明】
5 インジェクタ 9 スロットルセンサ 10 クランク角センサ 20 加速性能評価システム 21 エンジン回転数演算部 22 加速性能評価部 22a 関数近似処理部 22a1 曲線近似係数演算部 22a2 評価値演算部 22b 加速性能比較部 22c 基準値記憶部 22d 燃料噴射量演算部 60 近似曲線 70 エンジン回転数の時間変化を示す曲
線 71 実近似直線 72 実近似曲線 80 第2の加速性能評価システム 81 第2の加速性能評価部 82 第2の関数近似処理部 82a サンプリング部 82b 評価値演算部

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の加速性能に関連する所定要素の時
    間変化をn次関数(nは実数)を用いて曲線近似し、そ
    のn次関数の係数に基づいて前記車両の加速性能を評価
    することを特徴とする加速性能の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記所定要素は、車両の速度であること
    を特徴とする請求項1記載の加速性能の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記所定要素は、エンジン回転数である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加速性能
    の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記所定要素は、モータの回転数である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載の加速性能の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記評価は、前記車両の加速時のスロッ
    トル操作の継続期間内において行うことを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の加速性能の
    評価方法。
  6. 【請求項6】 前記評価は、加速のための操作に伴う車
    両の速度、エンジン回転数及びモータ回転数のいずれか
    一の過渡状態の継続期間内において行うことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の加速性
    能の評価方法。
  7. 【請求項7】 前記n次関数による曲線近似は、所定の
    時間範囲内のそれぞれ異なる期間において複数回行い、
    それらn次関数の係数の平均値に基づいて前記加速性能
    の評価を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれか1項に記載の加速性能の評価方法。
  8. 【請求項8】 前記評価は、評価期間中に複数のサンプ
    ル点を取得し、当該サンプル点の各々と前記n次関数と
    の誤差が最小となる係数を評価値とすることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の加速性
    能の評価方法。
  9. 【請求項9】 前記n次関数の係数と車両の基準状態に
    基づいて定められる前記n次関数の基準係数との比較結
    果に基づいて前記加速性能の評価を行うことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の加速性
    能の評価方法。
  10. 【請求項10】 前記評価は、前記車両の走行時に行う
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の加速性能
    の評価方法。
  11. 【請求項11】 車両の加速性能に関連する所定要素の
    時間変化をn次関数(nは実数)を用いて曲線近似する
    時間変化近似手段と、そのn次関数の係数に基づいて前
    記車両の加速性能を評価する加速性能評価手段と、を備
    えることを特徴とする加速性能評価装置。
  12. 【請求項12】 前記所定要素は、車両の速度であるこ
    とを特徴とする請求項11記載の加速性能評価装置。
  13. 【請求項13】 前記所定要素は、エンジン回転数であ
    ることを特徴とする請求項11又は請求項12記載の加
    速性能評価装置。
  14. 【請求項14】 前記所定要素は、モータの回転数であ
    ることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれ
    か1項に記載の加速性能評価装置。
  15. 【請求項15】 前記評価は、前記車両の加速時のスロ
    ットル操作の継続期間内において行うことを特徴とする
    請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載の加速
    性能評価装置。
  16. 【請求項16】 前記評価は、加速のための操作に伴う
    車両の車速、エンジン回転数及びモータ回転数のいずれ
    か一の過渡状態の継続期間内において行うことを特徴と
    する請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載の
    加速性能評価装置。
  17. 【請求項17】 前記n次関数による曲線近似は、所定
    の時間範囲内のそれぞれ異なる期間において複数回行
    い、それらn次関数の係数の平均値に基づいて前記加速
    性能の評価を行うことを特徴とする請求項11乃至請求
    項16のいずれか1項に記載の加速性能評価装置。
  18. 【請求項18】 前記評価は、評価期間中に複数のサン
    プル点を取得し、当該サンプル点の各々と前記n次関数
    との誤差が最小となる係数を評価値とすることを特徴と
    する請求項11乃至請求項16のいずれか1項に記載の
    加速性能の評価装置。
  19. 【請求項19】 前記加速性能評価手段は、前記n次関
    数の係数と車両の基準状態に基づいて定められる前記n
    次関数の基準係数との比較結果に基づいて前記加速性能
    の評価を行うことを特徴とする請求項11乃至請求項1
    8のいずれか1項に記載の加速性能評価装置。
  20. 【請求項20】 前記評価は、前記車両の走行中に行う
    ことを特徴とする請求項15又は請求項16記載の加速
    性能評価装置。
  21. 【請求項21】 請求項11乃至請求項20のいずれか
    1項に記載の加速性能評価装置を搭載した車両であっ
    て、前記加速性能評価装置の評価結果に基づいて前記車
    両の加速性能に関連する所定の制御量を修正するように
    なっていることを特徴とする車両。
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