JP2003172184A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2003172184A
JP2003172184A JP2001371844A JP2001371844A JP2003172184A JP 2003172184 A JP2003172184 A JP 2003172184A JP 2001371844 A JP2001371844 A JP 2001371844A JP 2001371844 A JP2001371844 A JP 2001371844A JP 2003172184 A JP2003172184 A JP 2003172184A
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fuel ratio
air
plant
open loop
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JP2001371844A
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Hidekazu Yoshizawa
秀和 吉澤
Hajime Hosoya
肇 細谷
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セルフチューニングにより制御ゲインを算出し
つつ、空燃比フィードバック制御を行う内燃機関の空燃
比制御装置において、精度のよい空燃比制御を実行す
る。 【解決手段】燃料噴射弁5から空燃比センサ13までの
プラントをプラントモデルで表し、プラントに含まれる
むだ時間を考慮しつつ、プラントモデルを同定し、該同
定モデルを用いて空燃比フィードバック制御量算出用の
制御ゲインを算出する。そして、算出した制御ゲインを
用いて燃料噴射弁5のフィードバック制御量を算出する
が、オープンループ制御時は、前記プラントモデルの同
定を停止する。また、オープンループ制御時の燃料噴射
弁5の制御量と実空燃比を記憶しておき、オープンルー
プ制御終了後、プラントモデルの同定を再開する際に、
記憶したデータをプラントの入出力として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
制御装置に関し、特に、セルフチューニングにより制御
ゲインを算出しつつ、空燃比フィードバック制御を行う
内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関においては、排気浄
化や燃費向上等を目的として空燃比を目標値にフィード
バック制御するのが一般的である。かかる空燃比フィー
ドバック制御を精度よく行う技術として、本願出願人
は、先の出願(特願2001−79272号)におい
て、スライディングモード制御により燃料噴射量のフィ
ードバック制御量を算出する内燃機関の空燃比制御装置
において、スミス法によりむだ時間補償制御を行いつ
つ、セルフチューニング制御によって前記スライディン
グモード制御の制御ゲインを算出するよう構成したもの
を提案した。
【0003】かかる空燃比制御装置では、以下のように
して前記フィードバック制御量を算出する。燃料噴射手
段から空燃比検出手段までの間のプラントを伝達関数で
表したプラントモデルを、燃料噴射量(制御量)と実空
燃比に基づいて逐次同定する。該同定したプラントモデ
ル(のパラメータ)を用いて、前記プラント、フィード
バック制御量算出部(すなわち、スライディングモード
制御部)及びむだ時間補償制御部を含むシステム全体を
1つの伝達関数で表し、その極が応答性、行き過ぎ量、
整定時間等の点から望ましい極と一致するように前記ス
ライディングモード制御の制御ゲインを算出する。
【0004】そして、算出された制御ゲインを用いたス
ライディングモード制御により燃料噴射手段のフィード
バック制御量を算出することで、プラントの特性変化に
精度よく対応させた空燃比制御を実行している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、オープンルー
プ制御時においては、プラント入力である燃料噴射量
(燃料噴射手段の制御量)が一定に設定される一方、プ
ラント出力である実空燃比は各種要因の影響で変動す
る。従って、同一のプラント入力に対するプラント出力
が異なる場合が多くなり、却って同定精度が悪化する。
【0006】また、オープンループ制御が終了してフィ
ードバック制御の再開された場合であっても、再開直後
に検出される空燃比(プラント出力)は、プラントの有
するむだ時間(例えば、排気輸送遅れ)により、オープ
ンループ制御時に対応するものであり、算出したフィー
ドバック制御量に対応する空燃比を直ちに検出すること
ができない。
【0007】従って、オープンループ制御時及びオープ
ンループ制御終了直後においては、前記逐次同定が正確
に行われず、この結果、前記制御ゲイン、フィードバッ
ク制御量の算出精度の悪化、ひいては、排気エミッショ
ンが悪化するという問題がある。本発明は、上記問題に
鑑みなされたものであって、プラントモデルを精度よく
同定することにより、燃料噴射量のフィードバック制御
量を適切に算出でき、もって空燃比フィードバック制御
を精度よく実行できる内燃機関の空燃比制御装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、請求項1に係
る発明は、実空燃比を空燃比検出手段により検出し、オ
ープンループ制御又はフィードバック制御によって空燃
比を目標空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置で
あって、燃料噴射量と検出した実空燃比とに基づいて、
燃料噴射手段から空燃比検出手段の間のプラントを表し
たプラントモデルのパラメータを推定する同定手段と、
推定したプラントモデルのパラメータを用いて、前記燃
料噴射手段のフィードバック制御量を算出するための制
御ゲインを算出する制御ゲイン算出手段と、算出された
制御ゲインを用いて前記フィードバック制御量を算出す
る制御量算出手段と、オープンループ制御時における前
記燃料噴射手段の制御量と実空燃比とを記憶する記憶手
段と、を含んで構成し、前記同定手段は、オープンルー
プ制御時に前記プラントモデルのパラメータ推定を停止
し、オープンループ制御終了後に前記プラントモデルの
パラメータ推定を再開するときに、前記記憶手段が記憶
した燃料噴射手段の制御量と実空燃比を前記プラントの
入出力データとして用いることを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明は、前記同定手段が、
前記プラントモデルのパラメータ推定を再開した後、所
定時間経過するまでは、前記記憶手段が記憶した燃料噴
射手段の制御量と実空燃比を前記プラントの入出力デー
タとして用いることを特徴とする。請求項3に係る発明
は、前記所定時間は、機関の吸入空気量に基づいて算出
することを特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明は、前記制御ゲイン算
出手段が、オープンループ制御時に前記制御ゲインの算
出を停止することを特徴とする。請求項5に係る発明
は、前記制御量算出手段が、オープンループ制御時に前
記フィードバック制御量の算出を停止することを特徴と
する。
【0011】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、オープン
ループ制御時は、同定手段によるプラントモデルのパラ
メータ推定を停止するので、誤ったパラメータの推定を
防止できる。また、オープンループ制御中の燃料噴射手
段の制御量と実空燃比とを記憶しておき、これをパラメ
ータ推定再開時にプラント入出力データとして用いるの
で、前記推定再開後のデータサンプリングに要する時間
を短縮して、パラメータの収束を早めることができる。
【0012】請求項2に係る発明によれば、相関しない
プラント入出力に基づくプラントモデルの同定(パラメ
ータの推定)を防止できる。すなわち、オープンループ
制御が終了し、同定手段によるプラントモデルのパラメ
ータ推定を再開しても、所定時間(例えば、輸送遅れ時
間等)が経過するまでに検出する空燃比(出力)は、算
出したフィードバック制御量(入力)に対応するもので
はなく、オープンループ制御によるものである。このよ
うに相関しないプラント入出力に基づいてパラメータ推
定を行うような事態を回避することができる。
【0013】請求項3に係る発明によれば、吸入空気量
に応じて変化する輸送遅れ時間を考慮しつつ、前記所定
時間を容易に設定できる。請求項4に係る発明によれ
ば、オープンループ制御時は、制御ゲインの算出を停止
するので、誤った制御ゲインによるフィードバック制御
量の算出を防止できる。なお、この場合、各制御ゲイン
を0として、同時にフィードバック制御量の算出を停止
するように構成してもよい。
【0014】請求項5に係る発明によれば、オープンル
ープ制御時は、フィードバック制御量の算出を停止する
ので、エラー量(目標空燃比―実空燃比)に基づいて算
出される積分項が増大することを回避でき、フィードバ
ック制御が再開されたときに、誤ったフィードバック制
御量が算出されること(誤った燃料噴射制御)を防止で
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す
機関(エンジン)のシステム図である。図1に示すよう
に、エンジン1の吸気通路2には、吸入空気量Qaを検
出するエアフローメータ3と吸入空気量Qaを制御する
スロットル弁4が設けられている。
【0016】また、吸気通路2に設けられた燃料噴射弁
5は、マイクロコンピュータを内蔵したコントロールユ
ニット(C/U)6からの噴射信号により開弁駆動して
燃料を噴射供給する。各気筒には、燃焼室7内で火花点
火を行う点火栓8が設けられており、吸気バルブ9を介
して吸入された混合気を火花点火によって着火する。
【0017】燃焼排気は、排気バルブ10を介して排気
通路11に排出され、排気浄化装置12を介して大気中
の排出される。前記排気通路11には、排気中の酸素濃
度に応じて空燃比をリニアに検出する広域型の空燃比セ
ンサ13が、前記排気浄化装置12の上流側に設けられ
ている。
【0018】更に、エンジン1の所定のクランク角毎に
クランク角信号に出力するクランク角センサ14やエン
ジン1の冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する
水温センサ15が設けられている。前記コントロールユ
ニット(C/U)6は、以下のようにして前記燃料噴射
弁5を制御する。
【0019】まず、吸入空気量Qaとクランク角センサ
14からの信号に基づいて検出される機関回転速度Ne
からストイキ(λ=1)相当の基本燃料噴射量Tp=K
×Qa×Ne(Kは定数)を演算する。次に、運転状態
に応じて、空燃比をフィードバック制御するかオープン
ループ制御するかを判断し、フィードバック制御する場
合には、前記基本燃料噴射量Tp、目標空燃比λt及び
空燃比センサ13の検出信号に基づき算出した空燃比フ
ィードバック補正係数αを用いて、最終的な燃料噴射量
Ti=Tp×(1/λt)×αを演算する。
【0020】オープンループ制御の場合は、前記空燃比
フィードバック補正係数αを1に設定(α=1)して、
最終的な燃料噴射量Ti=Tp×(1/λt)を演算す
る。ここで、本実施形態における燃料噴射制御について
説明する。図2に示すように、本実施形態における燃料
噴射制御部は、燃料噴射弁5への出力を判断する出力判
断部21と、プラント入出力記憶部22と、図中破線で
示す空燃比フィードバック制御部23と、を含んで構成
されている。
【0021】前記出力判断部21は、運転状態に応じて
空燃比フィードバック制御部22で算出されたフィード
バック制御量を燃料噴射弁5に出力するか否かを判断す
る。フィードバック制御量を出力しないときは、制御量
としてクランプ値(オープンループ制御時は1、燃料カ
ット時は0に設定する)を出力する。前記プラント入出
力記憶部22は、オープンループ制御時(すなわち、前
記出力判断部21が、制御量として1を出力したとき)
における制御量(すなわち、α=1)と検出した空燃比
を記憶する。
【0022】前記空燃比フィードバック制御部23は、
図に示すように、スライディングモード制御部(S/M
制御部)221と、むだ時間補償器222と、プラント
モデル同定部223と、制御ゲイン算出部224と、む
だ時間算出部225と、を含んで構成されている。前記
S/M制御部221は、目標空燃比λtと実空燃比λt
との偏差に基づき、スライディングモード制御により、
前記空燃比フィードバック補正係数αを算出し、プラン
ト(燃料噴射弁5〜空燃比センサ13間)への制御量u
(t)、すなわち、燃料噴射弁5のフィードバック制御
量を次式(1)のように算出する。
【0023】
【数1】 但し、e(t)は、S/M制御部221への入力(目標空
燃比―実空燃比)、K Pは線形項線形ゲイン、KDは線形
項微分ゲイン、SPは切換関数線形ゲイン、SDは切換関
数微分ゲイン、KIは適応則ゲイン、KNは非線形ゲイ
ン、σ(t)は切換関数で、σ(t) = Spe(t)+SD
(t)である。
【0024】なお、上記各制御ゲインは、後述する制御
ゲイン算出部224で算出されるものである。但し、オ
ープンループ制御時は前記フィードバック制御量の算出
を停止するようにする。これは、オープンループ制御時
においても、前記フィードバック制御量の算出を継続す
ると、スライディングモード制御における積分項(エラ
ー量=目標空燃比−実空燃比に基づき算出される)が増
大し、その後オープンループ制御が終了してフィードバ
ック制御を再開したときに、適正な燃料噴射制御ができ
なくなるからである。
【0025】前記むだ時間補償器222は、スミス法に
よるむだ時間補償制御を実行するものであり、局所フィ
ードバックを行うことにより、プラントに含まれるむだ
時間(すなわち、検出した空燃比の位相遅れ)の影響を
補償する。具体的には、図3に示すように、前記むだ時
間補償器222は、むだ時間を含まないプラントモデル
31と、むだ時間を含むプラントモデル32と、減算部
33と、を含んで構成されており、前記むだ時間要素を
含まないプラントモデル31で算出される出力(空燃
比)予測と、前記むだ時間を含むプラントモデル32で
算出される実出力(実空燃比)予測との偏差e2を算出
し、これを前記S/M制御部21の入力側に出力する。
【0026】そして、目標空燃比λtと実空燃比λrの
偏差e1から、前記むだ時間補償器22の出力e2を減
算してe3を算出し、該e3を前記S/M制御部221
に入力するようにしている。なお、前記プラントモデル
は、後述するプラントモデル同定部223で同定したも
のであり、前記むだ時間は、後述するむだ時間算出部2
25で算出したものである。
【0027】前記プラントモデル同定部223は、前記
プラントを伝達関数で表したプラントモデルを、前記燃
料噴射量(燃料噴射信号)及び実空燃比(出力)に基づ
きオンラインで同定する。具体的には、逐次最小二乗法
(RLS法)を用いてプラントモデルのパラメータの逐
次推定を行う。但し、オープンループ制御時は、前記パ
ラメータの逐次推定を停止する。
【0028】前記制御ゲイン算出部224は、前記S/
M制御部221の制御ゲインを、前記プラントモデル同
定部223で同定したプラントモデルのパラメータ(推
定パラメータ)を用いて算出する。具体的には、極配置
法によるセルフチューニングコントロールを用いて、シ
ステム全体(すなわち、プラント(燃料噴射弁5〜空燃
比センサ13間)+S/M制御部221+むだ時間補償
器222)を閉ループ伝達関数で表し、その極が応答
性、行き過ぎ量、整定時間等の点から望ましい極と一致
するようS/M制御部221の制御ゲインを算出する
(詳細は後述する)。
【0029】但し、オープンループ制御時は、前記プラ
ントモデル同定部223におけるパラメータ推定が停止
され、適切なパラメータが得られないので前記制御ゲイ
ンの算出も停止する。前記むだ時間算出部225は、プ
ラントのむだ時間kを算出する。このむだ時間kは、燃
料噴射弁5から噴射された燃料が燃焼室7内で燃焼し、
その燃焼排気の空燃比を前記空燃比センサ13が検出す
るまでの時間(遅れ時間)のことであり、例えば、図4
に示すように、吸入空気量Qaとむだ時間kと関係をあ
らかじめテーブル化しておき、検出した吸入空気量Qa
に基づくテーブル検索により行う。
【0030】ここで、前記制御ゲイン算出部224で行
われる制御ゲインの算出について詳細に説明する。極配
置法によるセルフチューニングコントロールを用いた制
御ゲインの算出は、以下のようにして行う。まず、プラ
ントを伝達関数で表すプラントモデルGP(z-1)を設
定し、その後、S/M制御部221の伝達関数GC(z
-1)及びむだ時間補償器22の伝達関数GL(z-1)を
求める。
【0031】そして、これらの伝達関数からシステム全
体の閉ループ伝達関数W(z-1)を算出し、その極が設
定した極となるように制御ゲインを算出する。 (A)プラントモデルの設定について 燃料噴射弁5と空燃比センサ13との間のプラントを、
前記むだ時間算出部225で算出したむだ時間k(≧
1)を用いて、例えば、次式(2)、(3)のように二
次のARXモデルA(z-1)で表す。
【0032】 A(z-1)y(t)=z-k0u(t)+ε(t) …(2) A(z-1)=1+a1-1+a2-2 …(3) 但し、y(t)は、プラント出力(すなわち、実空燃
比)、u(t)は、プラント入力値(すなわち、燃料噴射
量)、ε(t)は、不規則雑音である。すると、プラント
モデルの伝達関数GP(z-1)は、次式(4)のように表
すことができる。
【0033】 GP(z-1)=z-k0/A(z-1) …(4) なお、推定パラメータベクトルθ(t)及びデータベクト
ルψ(t-k)は、下記(5)、(6)式のように表すこ
とができる。 θ(t)=〔a1(t),a2(t),b0(t)〕T … (5) ψ(t-k)=〔-y(t-1),-y(t-2)、u(t-k)〕T … (6) (B)プラントモデルの同定(パラメータ推定)につい
て設定したプラントモデルは、前記プラントモデル同定
部223で同定される。
【0034】具体的には、プラントの特性は、運転状
態、プラント自体の劣化度合い等のプラント特性により
変化するので、式(5)に示すパラメータa1(t)、a2
(t)、b0(t)を逐次推定することでプラントモデルを
同定する(すなわち、オンライン同定する)。なお、本
実施形態においては、前記パラメータの推定に最小二乗
法(RLS法)を用いており、実値と推定値の誤差の二
乗が最も小さくなるパラメータを逐次算出している。
【0035】具体的な演算式は、一般の重みつき逐次最
小二乗法(RLS法)と同一のものであり、時間更新
式:t=1、2、…、Nに対して、次式(7)〜(9)
を計算することにより行う。
【0036】
【数2】 そして、かかるパラメータ推定式(7)〜(9)を用い
てパラメータa1(t)、a2(t)、b0(t)を逐次推定す
ることで、プラントモデルを同定する。なお、前記忘却
係数λ1、λ2は、忘却要素なしの場合には前記忘却係数
λ1=λ2=1とし、忘却要素つきの場合にはλ1=0.9
8、λ2=1とした。
【0037】また、本実施形態においては、前記パラメ
ータ推定値の初期値θ0を、運転状態の応じてあらかじ
め設定した初期値(例えば、a1(0)=A1、a2(0)=
A2、b0(0)=B1)を設定することで、収束までの
時間の短縮化を図っている。但し、オープンループ制御
時は、オープンルール制御の開始と同時にプラントモデ
ルの同定(パラメータ推定)を停止するようにする。
【0038】すなわち、オープループ制御時は、あらか
じめ設定された制御量(α=1として出力される)によ
り燃料噴射制御が行われることとなり、制御入力が一定
の状態となる。一方、実空燃比(出力)は各種の要因に
より変動するため、一定の入力と異なる出力を用いて同
定を行う場合が多くなって、却って同定精度が悪化する
ことになる。
【0039】かかる同定精度(パラメータ推定精度)の
悪化を防止するため、オープンルール制御が開始される
と共にプラントモデルの同定を停止するのである。な
お、オープンループ制御が実行されているあいだは、前
記プラントモデルの同定停止が維持される。そして、オ
ープンループ制御が終了し、フィードバック制御が再開
されるときは、前記プラントモデルの同定も再開される
ことになるが、再開時に前記プラント入出力記憶手段2
2の記憶している制御量と空燃比を、プラントの入出力
データとして設定する。
【0040】また、フィードバック制御を再開した場合
であっても、再開した後、前記プラントのむだ時間kが
経過するまでの間に検出される実空燃比は、前記S/M
制御部221が算出したフィードバック制御量に対応す
るものではなく、オープンループ制御時のものであり、
このような相関しない入出力データに基づきプラントモ
デルの同定を行うと同定精度の悪化を招くことになる。
【0041】従って、フィードバック制御再開時のみな
らず、再開後前記プラントのむだ時間kが経過するまで
は、前記プラント入出力記憶手段22の記憶したオープ
ンループ制御時の制御量と空燃比を、プラントの入出力
データとして用いてプラントモデルの同定を行うように
する。これにより、フィードバック制御再開後における
プラントモデルのパラメータの収束を早めつつ、誤った
同定(パラメータの推定)を防止できる。
【0042】(C)S/M制御部221の離散時間伝達
関数の算出について 前記S/M制御部221を、以下のようにして伝達関数
化する。y(t)をプラント出力値(実空燃比λr)、ω
(t)を目標値(目標空燃比λt)とし、e(t)=ω(t)
−y(t)とすると、1サンプルにおけるプラント入力
(すなわち、S/M制御部221からの出力)u(t)の
差分Δu(t)は、次式(10)で与えられる。
【0043】
【数3】 ここで、e(t)=ω(t)−y(t)、e(t)−e(t−1)
=Δe(t)であるから、式(10)より次式(11)が
得られる。
【0044】
【数4】 但し、K(z-1)は次式(12)で表されるものであり、
式(13)のように展開して各制御ゲインに基づいて算
出する。
【0045】
【数5】 従って、式(12)よりプラント入力u(t)は、次式
(14)で表される。
【0046】
【数6】 ここで、非線形項を含めないものとして取り扱うことに
すると、S/M制御部221の離散時間伝達関数GC(z
-1)は、次式(15)のように表すことができる。
【0047】 GC(z-1) = K(z-1)/(1-z-1) …(15) (D)前記むだ時間補償器222の離散時間伝達関数の
算出について 上述したように、むだ時間補償器222は、むだ時間後
の出力予測を行いつつむだ時間要素の影響を補償するス
ミス法を用いるので、むだ時間補償器222の離散時間
伝達関数GL(z-1)は、次式(16)のように算出でき
る。
【0048】 GL(z-1)=z-10/A(z-1)− z-k0/A(z-1) = (z-1−z-k)b0/A(z-1) …(16) なお、z-10/A(z-1)は、前記プラントモデルを用
いて表したむだ時間がない場合の出力予測であり、z-k
0/A(z-1)は、同じく前記プラントモデルを用いて
表したむだ時間を含む実出力予測である。
【0049】以上のようにして算出した各伝達関数(プ
ラントモデル、S/M制御部21、むだ時間補償器)を
用いたブロック図を図5に示す。次に、システム全体の
閉ループ伝達関数化について説明する。なお、上述した
ようにS/M制御部221の非線形項は含めないものと
する。 (E)システム全体の閉ループ伝達関数W(z-1)の算出
について まず、前記S/M制御部221とむだ時間補償器222
のフィードバックループを取り出し、目標(目標空燃比
λt)から出力(フィードバック制御量)への1つの伝
達関数を算出する。図5において、S/M制御部221
とむだ時間補償器22とを含む局所ループの伝達関数G
CL(z-1)は、式(15)、(16)より次式(17)の
ように算出できる。
【0050】
【数7】 従って、プラント及び式(17)に示す局所ループを含
めたシステム全体の閉ループ伝達関数W(z-1)は、次式
(18)のように算出できる。
【0051】
【数8】 以上の算出結果を示したものが図6のブロック図であ
る。(F)極配置法による前記S/M制御部221の制
御ゲインの算出について前記閉ループ伝達関数W(z-1)
の特性多項式は、式(18)より、(1−z-1)A(z-1)
+z-10K(z-1)であり、これを次式(19)のよう
におく。
【0052】
【数9】 このとき、応答性、行き過ぎ量、整定時間等の点から望
ましい極となるようなT(z-1)を設定することで、S/
M制御部221の制御ゲインを以下のようにして算出す
る。
【0053】式(19)より、次式(20)が得られ
る。
【0054】
【数10】 ここで、式(13)より、K(z-1)= (KP+KI・SP
I・SD+KD)−(KP+KI・SD+2KD)z-1+KD
-2であるので、切換関数線形ゲインSP及び切換関数微
分ゲインSDを1に設定し、線形項線形ゲインKP、適応
則ゲインKI、線形項微分ゲインKDを可変パラメータと
すれば、次式(21)によう表すことができるから、
【0055】
【数11】 となり、次式(22)〜(24)を得る。
【0056】
【数12】 従って、式(22)〜(24)をKP、KI、KDについ
て解き、a1、a2、b0を、それぞれプラントモデル同
定部223で逐次推定した推定パラメータa1(t)、a
2(t)、b0(t)で表すことにより、各ゲインは次式(2
5)〜(27)のように算出できる。
【0057】
【数13】 なお、前記特性多項式T(z-1)=1+t1-1+t2-2
としては、例えば、減衰ζ=0.7、固有角周波数ω=
30としたときの二次系の連続時間システム、 G(s)=ω2 / (s2+2ζω・s+ω2) をサンプル時間Tiで離散化したときの伝達関数の分母
を用いることが考えられる。
【0058】そして、このように算出した制御ゲインを
用いて、前記S/M制御部221は、プラントのフィー
ドバック制御量を算出する(式(13)参照)。以上の
ように、パラメータを逐次推定したプラントモデルを用
いてシステム全体を1つの伝達関数で表し、その極が応
答性、行き過ぎ量、整定時間等の点から望ましい極と一
致するように、プラントへのフィードバック制御量を算
出するS/M制御部221の制御ゲインを求めるので、
プラントの特性変化に対応した良好な制御ゲインが算出
でき、ひいては、精度のよい空燃比フィードバック制御
が実行できる。
【0059】特に、本実施形態においては、上述したよ
うに、オープンループ制御時は、前記プラントモデル同
定部223によるパラメータの推定を停止すると共に、
オープンループ制御時の制御量(α=1)と実空燃比を
記憶する。そして、オープンループ制御終了(すなわ
ち、フィードバック制御再開)後、前記プラントのむだ
時間kが経過するまでは、記憶したオープンループ制御
時の制御量と空燃比に基づいてパラメータの推定を行う
ので、同定精度の悪化を防止しつつ、パラメータの収束
を早めることができる。
【0060】この結果、フィードバック制御再開後であ
っても、プラントの特性変化に対応した良好な制御ゲイ
ンを早期に算出でき、ひいては、精度のよい空燃比フィ
ードバック制御が実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す内燃機関のシステム
図。
【図2】本発明の空燃比制御を示すブロック図。
【図3】本発明で用いるむだ時間補償制御を示すブロッ
ク図。
【図4】本発明で用いるむだ時間算出用のテーブルを示
す図。
【図5】本発明におけるS/M制御部221及びむだ時
間補償器222を伝達関数で表したブロック図。
【図6】本発明におけるセルフチューニングコントロー
ルを用いたスライディングモード制御による空燃比フィ
ードバック制御全体を示すブロック図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気通路 3 エアフローメータ 4 スロットル弁 5 燃料噴射弁 6 コントロールユニット(C/U) 8 点火プラグ 11 排気通路 13 A/Fセンサ 14 クランク角センサ 15 水温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 BA09 BA13 DA04 EB13 EB16 EC01 FA05 FA07 FA10 FA26 FA29 3G301 JA11 MA01 MA11 ND05 ND14 ND15 ND16 ND45 PA01Z PA11Z PD02A PE01Z PF01Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実空燃比を空燃比検出手段により検出し、
    オープンループ制御又はフィードバック制御によって空
    燃比を目標空燃比に制御する内燃機関の空燃比制御装置
    であって、 燃料噴射量と検出した実空燃比とに基づいて、燃料噴射
    手段から空燃比検出手段の間のプラントを表したプラン
    トモデルのパラメータを推定する同定手段と、推定した
    プラントモデルのパラメータを用いて、前記燃料噴射手
    段のフィードバック制御量を算出するための制御ゲイン
    を算出する制御ゲイン算出手段と、 算出された制御ゲインを用いて前記フィードバック制御
    量を算出する制御量算出手段と、 オープンループ制御時における前記燃料噴射手段の制御
    量と実空燃比とを記憶する記憶手段と、を含んで構成
    し、 前記同定手段は、オープンループ制御時に前記プラント
    モデルのパラメータ推定を停止し、 オープンループ制御終了後に前記プラントモデルのパラ
    メータ推定を再開するときに、前記記憶手段が記憶した
    燃料噴射手段の制御量と実空燃比を前記プラントの入出
    力データとして用いることを特徴とする内燃機関の空燃
    比制御装置。
  2. 【請求項2】前記同定手段は、前記プラントモデルのパ
    ラメータ推定を再開した後、所定時間経過するまでは、
    前記記憶手段が記憶した燃料噴射手段の制御量と実空燃
    比を前記プラントの入出力データとして用いることを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】前記所定時間は、機関の吸入空気量に基づ
    いて算出することを特徴とする請求項2記載の内燃機関
    の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御ゲイン算出手段は、オープンルー
    プ制御時に前記制御ゲインの算出を停止することを特徴
    とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の内
    燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】前記制御量算出手段は、オープンループ制
    御時に前記フィードバック制御量の算出を停止すること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記
    載の内燃機関の空燃比制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009002280A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Toyota Motor Corp 空燃比センサの異常診断装置
JP2010229973A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Daihatsu Motor Co Ltd 制御装置

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