JP2003172178A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2003172178A
JP2003172178A JP2001371846A JP2001371846A JP2003172178A JP 2003172178 A JP2003172178 A JP 2003172178A JP 2001371846 A JP2001371846 A JP 2001371846A JP 2001371846 A JP2001371846 A JP 2001371846A JP 2003172178 A JP2003172178 A JP 2003172178A
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air
fuel ratio
amount
feedback control
feedback
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JP2001371846A
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English (en)
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Hidekazu Yoshizawa
秀和 吉澤
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プラントモデルを同定して得られるパラメータ
を用いて制御ゲインを調整して行う空燃比フィードバッ
ク制御において、所望の応答を得るためのフィードバッ
ク制御量の算出を的確に、かつ簡単に行う。 【解決手段】フィードバック制御量から、フィードバッ
クによるもの以外の補正要素(例えば、学習補正量)の
影響を排除するために、フィードバック制御量を前記補
正要素に基づいて減算補正する。この補正は、スライデ
ィングモード制御によるフィードバック制御において
は、切換関数σの積分項KI ・Σσを学習補正量LMA
Dに相関する量だけ減少させることにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
制御装置に関し、詳細には、制御対象を関数で表したモ
デル(以下「プラントモデル」という。)を同定し、同
定結果に応じた制御ゲインにより空燃比を運転状態に応
じた最適空燃比にフィードバック制御する技術の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の空燃比制御に関して、ロボッ
ト技術の分野で多用されているスライディングモード制
御を用いたフィードバック制御の開発が進められている
(特開2001−115881号公報参照)。このよう
な空燃比フィードバック制御においても、燃料噴射量の
設定に際して、スライディングモードコントローラによ
り演算されたフィードバック制御量の他に、インジェク
タの経年劣化や燃料性状等の制御性能に相関するパラメ
ータによる基本空燃比のズレを補償するための学習補正
量が加算されるとともに、燃料噴射量の壁面付着成分に
相当する空燃比の上昇を補償するための壁流補正等の各
種始動後補正が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空燃比フィ
ードバック制御において、スライディングモード制御の
適用によるロバスト性の向上とともに、次のように制御
対象のモデル(プラントモデル)の構造を同定し、応答
性能を向上することが試みられている。すなわち、伝達
関数等の予め設定されたプラントモデルに含まれるパラ
メータを逐次算出するとともに、算出されたパラメータ
に基づいてフィードバック制御量の算出に用いる制御ゲ
インを調整するのである。
【0004】しかしながら、前述のように、燃料噴射量
は、フィードバック制御の他に学習補正や壁流補正等が
重畳された結果として最終設定されるものである。従っ
て、制御対象からは、スライディングモードコントロー
ラの操作自体によるものとは異なる結果(空燃比)が出
力されることとなり、同定により算出されるパラメータ
には、スライディングモードコントローラが与えた操作
量以外の操作要素が反映されることとなる。
【0005】ここで、制御ゲイン、延いてはフィードバ
ック制御量の的確な演算のためには、制御対象の出力か
らフィードバックによるもの以外の変動成分を排除し、
純粋なフィードバック情報が得られることが望ましい。
ところが、そのための実際の処理は容易ではない。学習
補正や壁流補正等が上記出力に反映されている程度が、
必ずしも明確とはならないためである。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、プラントモデルを同定して
得られたパラメータを用いて制御ゲインを調整して行う
空燃比フィードバック制御において、所望の応答を得る
ためのフィードバック制御量の算出を的確に、かつ簡単
に行うことにある。特に、本発明は、フィードバック制
御量の算出にスライディングモード制御を用いる場合に
適用される。
【0007】また、本発明は、制御対象に含まれるむだ
時間要素の影響を排除してフィードバック制御量を算出
することにより、現状により適した空燃比制御を行うこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明では、空燃比を運転状態に応じた最適空燃比に
フィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置にお
いて、(A)実際の空燃比を検出する空燃比検出手段、
(B)制御対象のモデルが関数として設定され、検出さ
れた実際の空燃比を含む所定の入力情報に基づいてこの
モデルに含まれるパラメータの値を算出する同定手段、
(C)算出されたパラメータの値に基づいて、空燃比を
上記最適空燃比に収束させるための燃料噴射量のフィー
ドバック制御量を算出するための制御ゲインを調整する
制御ゲイン調整手段、及び(D)調整された制御ゲイン
を用いてフィードバック制御量を算出するフィードバッ
ク制御量算出手段を設けることとし、フィードバック制
御量算出手段において、フィードバック制御量を、燃料
噴射量の学習補正量に基づいて補正して算出することと
した。
【0009】請求項2に記載の発明では、フィードバッ
ク制御量算出手段においてスライディングモード制御に
よりフィードバック制御量を算出することとした。請求
項3に記載の発明では、スライディングモード制御によ
る場合に、学習補正量に基づいて切換関数の積分項を補
正することによりフィードバック制御量を補正すること
とした。
【0010】請求項4に記載の発明では、フィードバッ
ク制御量算出手段において、フィードバック制御量を、
さらに燃料噴射量の壁流補正量に基づいて補正して算出
することとした。請求項5に記載の発明では、壁流補正
量に基づいてスライディングモード制御の切換関数の積
分項を補正することとした。
【0011】請求項6に記載の発明では、同定手段にお
いて、入力情報に制御対象におけるむだ時間及び燃料噴
射量を含めるとともに、逐次最小二乗法によりモデルの
パラメータを算出することとした。請求項7に記載の発
明では、むだ時間を吸入空気量(これに相関するパラメ
ータを含む。)に基づいて算出することとした。
【0012】請求項8に記載の発明では、同定手段によ
りパラメータが算出された制御対象のモデルを用いて実
際の空燃比に含まれる位相遅れを補償する位相遅れ補償
手段を更に設けることとし、フィードバック制御量算出
手段において、この手段により補償された空燃比に基づ
いてフィードバック制御量を算出することとした。請求
項9に記載の発明では、位相遅れ補償手段においてスミ
スむだ時間補償制御により位相遅れを補償することとし
た。
【0013】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、検出され
た空燃比に学習補正量に基づく変動成分が含まれた状態
で同定が行われ、同定結果に基づいて制御ゲインが算出
されることとなるが、その後のフィードバック制御量の
算出においてこの変動成分の影響を排除できる。従っ
て、簡単な後的処理ながらも、制御ゲインにおける学習
補正量相当のズレを補償し、所望の応答を得るためのフ
ィードバック制御量を算出することが可能である。
【0014】請求項2に係る発明によれば、スライディ
ングモード制御によりロバスト性を向上できる。請求項
3に係る発明によれば、スライディングモード制御によ
る場合にフィードバック制御量の補正のために切換関数
の積分項を補正することにより、請求項1の効果が簡単
に得られる。
【0015】請求項4に係る発明によれば、学習補正量
に加えて壁流補正量にも応じてフィードバック制御量を
増減させることとしたので、フィードバック制御量をよ
り的確に算出できる。請求項5に係る発明によれば、壁
流補正量に基づいて切換関数の積分項を補正することに
より、請求項4の効果が簡単に得られる。
【0016】請求項6に係る発明によれば、逐次最小二
乗法によりモデルのパラメータを容易に算出できる。請
求項7に係る発明によれば、吸入空気量に基づいてむだ
時間を容易に算出できる。請求項8に係る発明によれ
ば、位相遅れが補償された空燃比に基づいてフィードバ
ック制御量を算出することにより、制御システムの安定
性を向上できるとともに、高い応答性能を実現できる。
【0017】請求項9に係る発明によれば、位相遅れを
簡素な構成により補償することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実
施形態に係る内燃機関(以下「エンジン」という。)1
の断面構造と、エンジン1の制御装置との関係を示した
ものである。各気筒の燃焼室2に通じる吸気通路3にお
いて、導入部にエアクリーナ4が取り付けられており、
その下流にエアフローメータ5が設置されている。エア
フローメータ5からは、単位時間当たりの空気流量(以
下「吸入空気量」という。)に相当する検出信号が出力
される。さらにその下流には、アクセルペダル21と連
動するスロットル装置6が設置されており、スロットル
弁により吸気通路3の開口面積が調節される。吸気通路
3に導入された吸入空気は、エアクリーナ4、エアフロ
ーメータ5及びスロットル装置6を通過し、マニホール
ド部において各気筒に分配される。マニホールド部に
は、電子制御式燃料噴射弁(以下「インジェクタ」とい
う。)7が気筒毎に設置されている。
【0019】一方、排気通路8には、排気ガスの酸素濃
度に応じて空燃比をリニアに検出する広域型空燃比セン
サ(以下「空燃比センサ」という。)9が設置されると
ともに、その下流に、排気ガスに含まれるCO及びHC
の酸化と、NOxの還元とを行う三元触媒を担持させた
排気浄化装置10が設置されている。エンジン1には、
エアフローメータ5及び空燃比センサ9の他に、クラン
ク角センサ(この検出信号に基づいてエンジン回転数が
算出される。)11や、冷却水温度センサ12等が設置
されている。これらの検出信号は、いずれも電子制御ユ
ニット(以下「ECU」と略す。)31に入力される。
ECU31は、各種入力情報に基づいてインジェクタ7
を制御し、空燃比を運転状態に応じた最適空燃比に制御
する。
【0020】なお、符号13は点火プラグであり、燃焼
室2の上部略中央に臨ませてシリンダヘッドに設置され
ている。次に、ECU31により実行される空燃比制御
について説明する。図2は、ECU31のうち空燃比制
御に係る部分の構成を概念的に示すブロック図であり、
大別すると101〜106のブロックに分かれる。
【0021】101は、むだ時間算出部であり、吸入空
気量Qaに対応させたむだ時間kのテーブルが設定され
ている。ここで、むだ時間kとは、制御対象(インジェ
クタ7から空燃比センサ9までの間とする。)における
燃料輸送遅れ等に起因する位相遅れのことである。本ブ
ロック101は、後述する同定処理(102)において
正確なパラメータθを算出するには、むだ時間kを排除
する必要があるために設けられる。
【0022】102は、パラメータ同定部であり、むだ
時間k及び空燃比A/Fその他の必要な入力情報(例え
ば、燃料噴射量)に基づいて、制御対象を伝達関数で表
したプラントモデルに含まれるパラメータθを算出す
る。ここでは、パラメータθの算出に逐次最小二乗法を
用いている。本ブロック102は、燃料噴射量のフィー
ドバック補正係数αを決定するための制御ゲインKを適
応制御により算出するには、このパラメータθが必要と
なるために設けられる。
【0023】103は、制御ゲイン調整部であり、パラ
メータθに基づいて制御ゲインKを算出する。本ブロッ
ク103は、所望の応答を得るためには、制御対象の個
体差及び現状の特性に見合った制御ゲインKを維持する
必要があるために設けられる。104は、位相遅れ補償
部であり、ここではスミスむだ時間補償器を構成してい
る。パラメータθが同定されたプラントモデルにより、
見かけ上むだ時間kのない空燃比A/Fを算出する。本
ブロック104は、高い応答性能を得るべく制御ゲイン
Kを大きく設定するには、制御対象の出力からむだ時間
kを取り除く必要があるために設けられる。
【0024】105は、フィードバック制御量算出部で
あり、むだ時間kが除去された空燃比A/Fに基づい
て、運転状態に応じた目標空燃比tA/Fに収束させる
ためのフィードバック補正係数αを、制御ゲインKによ
り算出する。αの算出にはスライディングモード制御を
用い、また、この演算過程若しくは演算後において、算
出されたαに対してフィードバックによるもの以外の補
正要素が与える影響を排除する。すなわち、スライディ
ングモード制御の切換関数の積分項(適応則KI・Σ
σ)を、学習補正係数LAMD及びその他の各種始動後
補正係数ηに相当する量だけ減少させるか、あるいは算
出されたαを、LAMD及びηに応じて減少させて、L
AMDが更新された場合には、その更新分が相殺される
ように補正する。
【0025】106は、燃料噴射量設定部であり、次の
ようにして最終的な燃料噴射パルス幅Ti(=操作量
u)を算出する。まず、吸入空気量Qa及びエンジン回
転数Neに基づいて、式(1)により目標空燃比tA/
Fに対応する基本パルス幅Tpを算出する。なお、Cを
係数とする。そして、算出されたTpを学習補正係数L
AMDや壁流補正係数η1 等の各種始動後補正係数η
(η=η1 +η2 +・・・)及び、フィードバック制御
を行う場合には、LAMD及びηに応じて減少されたフ
ィードバック補正係数αにより補正し、式(2)により
燃料噴射パルス幅Tiを算出する。
【0026】 Tp=C×Qa/Ne ・・・(1) Ti=Tp×LAMD×(1+η)×α ・・・(2) なお、学習補正係数LAMDは、エンジン制御性能に相
関するパラメータによる基本空燃比(基本パルス幅Tp
により得られる空燃比)の初期設定からのズレを補償す
るために運転領域毎に記憶されているものである。この
パラメータには、インジェクタ7等の燃料噴射系部品の
製造バラツキ及び経年劣化、燃料性状、気象条件等が含
まれる。
【0027】また、壁流補正係数η1 は、水温センサ1
2により検出された冷却水温度Twに基づいて算出さ
れ、Twが高いときほど燃料噴射量が増量されるように
大きなη1 が設定される。各種始動後補正係数ηには、
η1 の他にも、加速増量η2 が含まれてよい。フィード
バック制御は、市街地を走行する場合等の通常の緩加速
時においても行われる。
【0028】次に、図3に示すブロック図を参照して、
以上に述べた制御システムの詳細な構成とともに、本シ
ステムの設計理論について説明する。ここでは、極配置
法を用い、システム全体を閉ループ伝達関数で表し、そ
の極が予め決められた極と一致するように制御ゲインK
を設定する。 (1)対象とするシステム インジェクタ7と空燃比センサ9との間を対象とし、そ
のプラントモデルを次のように2次のARXモデルとし
て表す。なお、εは外乱であり、kはむだ時間(k≧
1)である。
【0029】 A(z-1)y(t)=z-k0 u(t)+ε(t) ・・・(3.1) A(z-1)=1+a1 -1+a2 -2 ・・・(3.2) (2)逐次最小二乗法によるパラメータ算出 推定パラメータベクトルθ(t):=[a1 (t),a2 (t),b0 (t) ]T ・・・(3.3)及び; データベクトルψ(t−k):=[−y(t−1),−
y(t−2),u(t−k)]T ・・・(3.4)と
して、次の3式により構成される逐次最小二乗法を用い
る。
【0030】
【数1】 なお、忘却要素がない場合はλ1 =1及びλ2 =1と
し、忘却要素がある場合はλ1 =λ及びλ2 =1(λ=
0.98)とする。また、初期値は、Iを単位行列とし
てΓ(0)=γ・Iと設定し、γ=1000及びθ
(0)=Οとする。Οはゼロ行列である。
【0031】 (3)離散時間SMCの伝達関数化(非線
形項は、伝達関数K(z-1)に含めないものとして扱
う。) 目標値をω(t)=tA/Fとし、出力値をy(t)=A/Fとして; e(t)=ω(t)−y(t) ・・・(3.8) とすると、1サンプルにおける操作量u(t)の差分Δ
u(t)は、次式で与えられる。
【0032】
【数2】 但し、KP を線形項線形ゲイン、KD を線形項微分ゲイ
ン、SP を切換関数線形ゲイン、SD を切換関数微分ゲ
イン、KI を積分項ゲイン、KN を非線形ゲインとす
る。
【0033】σ(t)は、切換関数であり; σ(t)=SP e(t)+SD Δe(t) ・・・(3.10) を満たす。そして、式(3.9)より式(3.11)が与
えられ、式(3.11)より、u(t)が式(3.12)で
表される。
【0034】
【数3】 但し、式(3.12)において、K(z-1)は、式(3.
9)を次のように展開して算出する。
【0035】
【数4】 (4)スミスむだ時間補償器は、むだ時間を含まない出
力予測と、実際の出力予測との差として、次式で与えら
れる。
【0036】
【数5】 (5)閉ループ伝達関数の算出(非線形項は、閉ループ
伝達関数に含めないものとして扱う。) スライディングモードコントローラとスミスむだ時間補
償器とを含む局所ループ伝達関数は、式(3.15)で与
えられ、制御対象とこの局所ループとを含む閉ループ伝
達関数W(z-1)は、式(3.16)で与えられる。
【0037】
【数6】 (6)極配置法によるゲイン算出 閉ループ伝達関数W(z-1)の特性多項式(伝達関数W
(z-1)の分母)は、式(3.16)より(1−z-1)A
(z-1)+z-10 K(z-1)であり、これを次式とお
く。
【0038】 T(z-1):=1+t1 -1+t2 -2=(1−z-1)A(z-1)+z-1 0 K(z-1 ・・・(3.17) このとき、応答性能、行過ぎ量及び整定時間等から望ま
しい極となるようなT(z-1)を設定することにより、
各制御ゲインKP ,KI ,KD は、次のように算出され
る。まず、式(3.17)より次式が与えられる。
【0039】
【数7】 さらに、式(3.13)より、K(z-1)=(KP +KI
・SP +KI ・SD +KD )−(KP +KI ・SD +2
D )z-1+KD -2であることから、切換関数線形ゲ
インSP を1と、また切換関数微分ゲインSD を1と設
定し、線形項線形ゲインKP 、積分項ゲインKI 及び線
形項微分ゲインKD を可変パラメータとすると、次式が
与えられる。
【0040】
【数8】 ここで、式(3.20)をKP ,KI ,KD について解
き、a1 ,a2 ,b0 をそれぞれ推定パラメータa
1 (t),a2 (t),b0 (t)で表すと、各制御ゲ
インは、次のように決定される。
【0041】
【数9】 なお、特性多項式T(z-1):=1+t1 -1+t2
-2は、次のように設定した。T(z-1)は、減衰率ζ=
0.7及び固有角周波数ω=30としたときの2次系の
連続時間システムG(s); G(s)=ω2 /(s2 +2ζω・s+ω2 ・・・(3.22) をサンプル時間で離散化したときの伝達関数の分母の式
を用いた。
【0042】そして、式(3.21)により決定された制
御ゲインKP ,KI ,KD を用いて次式によりフィード
バック補正係数αを算出する。 α=KI Σσ+KP ・err+KD Δerr+KN (σ/|σ|) ・・・ (4) さらに、算出されたαを学習補正係数LAMD及び始動
後補正係数ηに相関する量だけ減少させる。
【0043】 α=α−f(LAMD,η) ・・・(5) このようにして算出されたフィードバック補正係数αを
用いて、上式(1)及び(2)により燃料噴射量を設定
する。以上の制御によれば、フィードバック補正係数α
の算出において、簡単な後的処理ながら、フィードバッ
クによるもの以外の補正要素(LAMD及びη)の影響
を排除することができる。すなわち、制御対象の出力に
は学習補正等が反映されており、そのような条件のもと
で得られた同定結果に基づく制御ゲインKP ,KI ,K
D は、厳密には、所望の応答を得るために必要とされる
値とは異なっている。しかしながら、算出されたフィー
ドバック補正係数αを上記のように補正することによ
り、そのズレを補償することができるので、所望の応答
を得るためのフィードバック制御量、延いては燃料噴射
量を正しく算出することが可能となる。
【0044】以上の説明では、フィードバック補正係数
αの算出における各項の和算後の補償による例を示した
が、本発明は、このようなものに限定されない。例え
ば、図4に示すブロック図のように、αの算出過程にお
いて適宜に補正を与えることも可能である。ここでは、
非線形項、積分項及び線形項の各項に対して学習補正係
数LAMD及び始動後補正係数ηが与える重さを考え
て、積分項(切換関数の積分項)KI ・ΣσをLAMD
及びηに相関する量だけ減少させることにより、上記と
同様の効果を得ている。従って、この例では、フィード
バック補正係数αは、次式により算出される。
【0045】 α=KI Σσ−g(LAMD,η)+KP ・err+KD Δerr+KN ( σ/|σ|) ・・・(6)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンの構成図
【図2】同上実施形態に係る空燃比制御システムの構成
の概略を示すブロック図
【図3】同上制御システムの構成を詳細に示すブロック
【図4】本発明の他の実施形態に係る空燃比制御システ
ムの一部の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1…エンジン 2…燃焼室 3…吸気通路 4…エアクリーナ 5…エアフローメータ 6…スロットル装置 7…インジェクタ 8…排気通路 9…空燃比センサ 10…排気浄化装置 11…クランク角センサ 12…水温センサ 13…点火プラグ 31…電子制御ユニット
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 368 F02D 45/00 368G 370 370B G05B 13/00 G05B 13/00 A Fターム(参考) 3G084 BA09 BA13 DA04 EA07 EB13 EB20 EC01 EC04 FA07 FA20 FA26 FA38 3G301 JA11 MA01 MA11 NA09 ND05 ND25 PA01Z PD02A PE03Z PE08Z 5H004 GA04 GB12 KA74 KB22 KB27 KC33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空燃比を運転状態に応じた最適空燃比にフ
    ィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置であっ
    て、 実際の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 制御対象のモデルが関数として設定され、検出された実
    際の空燃比を含む所定の入力情報に基づいてこのモデル
    に含まれるパラメータの値を算出する同定手段と、 算出されたパラメータの値に基づいて、空燃比を前記最
    適空燃比に収束させるための燃料噴射量のフィードバッ
    ク制御量を算出するための制御ゲインを調整する制御ゲ
    イン調整手段と、 調整された制御ゲインを用いて前記フィードバック制御
    量を算出するフィードバック制御量算出手段と、を含ん
    で構成され、 前記フィードバック制御量算出手段は、フィードバック
    制御量を、燃料噴射量の学習補正量に基づいて補正して
    算出することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】前記フィードバック制御量算出手段は、ス
    ライディングモード制御によりフィードバック制御量を
    算出する請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】前記フィードバック制御量算出手段は、前
    記学習補正量に基づいて切換関数の積分項を補正するこ
    とによりフィードバック制御量を補正する請求項2に記
    載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記フィードバック制御量算出手段は、フ
    ィードバック制御量を、さらに燃料噴射量の壁流補正量
    に基づいて補正して算出する請求項1〜3のいずれか1
    つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】前記フィードバック制御量算出手段は、ス
    ライディングモード制御によりフィードバック制御量を
    算出する場合に、前記壁流補正量に基づいて切換関数の
    積分項を補正する請求項4に記載の内燃機関の空燃比制
    御装置。
  6. 【請求項6】前記同定手段は、前記入力情報として制御
    対象におけるむだ時間及び燃料噴射量を含み、逐次最小
    二乗法により前記パラメータの値を算出する請求項1〜
    5のいずれか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】前記むだ時間が吸入空気量に基づいて算出
    される請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】前記同定手段によりパラメータが算出され
    た制御対象のモデルを用いて前記検出された実際の空燃
    比に含まれる位相遅れを補償する位相遅れ補償手段を更
    に含んで構成され、 前記フィードバック制御量算出手段は、前記位相遅れ補
    償手段により補償された空燃比に基づいてフィードバッ
    ク制御量を算出する請求項1〜7のいずれか1つに記載
    の内燃機関の空燃比制御装置。
  9. 【請求項9】前記位相遅れ補償手段は、スミスむだ時間
    補償制御により位相遅れを補償する請求項8に記載の内
    燃機関の空燃比制御装置。
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