JP2003171514A - 樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法 - Google Patents
樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法Info
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- JP2003171514A JP2003171514A JP2001337576A JP2001337576A JP2003171514A JP 2003171514 A JP2003171514 A JP 2003171514A JP 2001337576 A JP2001337576 A JP 2001337576A JP 2001337576 A JP2001337576 A JP 2001337576A JP 2003171514 A JP2003171514 A JP 2003171514A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 偏肉が小さく、耐熱性が良好な真空成形品が
得られる樹脂組成物、該樹脂組成物からなる真空成形品
および該成形品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 プロピレン系樹脂(a)60〜90重量
%と、エチレン系樹脂(b)10〜40重量%とからな
り(ただし、(a)と(b)の合計量を100重量%と
する。)、下記の(1)および(2)の条件を充足する
真空成形用樹脂組成物。 (1)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
における一軸伸長粘度ηbが50〜600kPa・s。 (2)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み
1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbが
0.2〜1.0。
得られる樹脂組成物、該樹脂組成物からなる真空成形品
および該成形品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 プロピレン系樹脂(a)60〜90重量
%と、エチレン系樹脂(b)10〜40重量%とからな
り(ただし、(a)と(b)の合計量を100重量%と
する。)、下記の(1)および(2)の条件を充足する
真空成形用樹脂組成物。 (1)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
における一軸伸長粘度ηbが50〜600kPa・s。 (2)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み
1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbが
0.2〜1.0。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物、成形
品および成形品の製造方法に関するものである。更に詳
しくは、本発明は、偏肉が少なく、耐熱性が良好な真空
成形品が得られる樹脂組成物、該樹脂組成物からなる真
空成形品および該成形品の製造方法に関するものであ
る。
品および成形品の製造方法に関するものである。更に詳
しくは、本発明は、偏肉が少なく、耐熱性が良好な真空
成形品が得られる樹脂組成物、該樹脂組成物からなる真
空成形品および該成形品の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プロピレン系樹脂は、剛性、耐熱性、透
明性、食品衛生性などに優れた材料であるため、フィル
ム、シート、ボトルなどの包装分野や、自動車、家電製
品、工業用品、雑貨等の成形分野などへ広範に使用され
ている。特に深絞り成形体、例えば食品包装用のトレ
ー、カップ等の成形には、真空成形法が好適に用いられ
ているが、プロピレン系樹脂を真空成形した場合、プロ
ピレン系樹脂のドローダウンが大きいため、真空成形品
に偏肉等の不良現象が発生することがあった。この問題
を解決する手法として、例えば、特開平5−20224
7号公報には、ポリプロピレンとタルクと2種類の高密
度ポリエチレンとからなる真空成形用樹脂組成物が開示
されているが、該樹脂組成物からなる真空成形品の偏肉
は十分小さいものではなかった。また、特開2000−
159947号公報には、ポリプロピレン、高密度ポリ
エチレンおよび過酸化物架橋高密度ポリエチレンからな
る樹脂組成物が開示されているが、成形性改良のために
はポリエチレンの配合量を多くする必要があることか
ら、真空成形品の耐熱性が損なわれるという問題があっ
た。
明性、食品衛生性などに優れた材料であるため、フィル
ム、シート、ボトルなどの包装分野や、自動車、家電製
品、工業用品、雑貨等の成形分野などへ広範に使用され
ている。特に深絞り成形体、例えば食品包装用のトレ
ー、カップ等の成形には、真空成形法が好適に用いられ
ているが、プロピレン系樹脂を真空成形した場合、プロ
ピレン系樹脂のドローダウンが大きいため、真空成形品
に偏肉等の不良現象が発生することがあった。この問題
を解決する手法として、例えば、特開平5−20224
7号公報には、ポリプロピレンとタルクと2種類の高密
度ポリエチレンとからなる真空成形用樹脂組成物が開示
されているが、該樹脂組成物からなる真空成形品の偏肉
は十分小さいものではなかった。また、特開2000−
159947号公報には、ポリプロピレン、高密度ポリ
エチレンおよび過酸化物架橋高密度ポリエチレンからな
る樹脂組成物が開示されているが、成形性改良のために
はポリエチレンの配合量を多くする必要があることか
ら、真空成形品の耐熱性が損なわれるという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況のもと、本
発明が解決しようとする課題は、偏肉が小さく、耐熱性
が良好な真空成形品が得られる樹脂組成物、該樹脂組成
物からなる真空成形品および該成形品の製造方法を提供
することにある。
発明が解決しようとする課題は、偏肉が小さく、耐熱性
が良好な真空成形品が得られる樹脂組成物、該樹脂組成
物からなる真空成形品および該成形品の製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
は、プロピレン系樹脂(a)60〜90重量%と、エチ
レン系樹脂(b)10〜40重量%とからなり(ただ
し、(a)と(b)の合計量を100重量%とす
る。)、下記の(1)および(2)の条件を充足する真
空成形用樹脂組成物に係るものである。 (1)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
における一軸伸長粘度ηbが50〜600kPa・s。 (2)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み
1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbが
0.2〜1.0。 本発明の第二は、上記真空成形用樹脂組成物からなる真
空成形品に係るものである。本発明の第三は、上記真空
成形用樹脂組成物を用いる真空成形品の製造方法に係る
ものである。
は、プロピレン系樹脂(a)60〜90重量%と、エチ
レン系樹脂(b)10〜40重量%とからなり(ただ
し、(a)と(b)の合計量を100重量%とす
る。)、下記の(1)および(2)の条件を充足する真
空成形用樹脂組成物に係るものである。 (1)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
における一軸伸長粘度ηbが50〜600kPa・s。 (2)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み
1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbが
0.2〜1.0。 本発明の第二は、上記真空成形用樹脂組成物からなる真
空成形品に係るものである。本発明の第三は、上記真空
成形用樹脂組成物を用いる真空成形品の製造方法に係る
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるプロピレン系
樹脂(a)とは、プロピレンから誘導される繰り返し単
位を50重量%以上含有する重合体であって、140℃
以上に融解ピークを有する重合体である。プロピレン系
樹脂(a)は、プロピレン以外の単量体から誘導される
繰り返し単位を含有していてもよく、プロピレン以外の
単量体としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子
数2または4〜12のオレフィンをあげることができ、
これらは1種以上用いられる。プロピレン系樹脂(a)
としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合
体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−
エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン
−1−ヘキセン共重合体があげられ、これら共重合体
は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でも
よい。これらプロピレン系樹脂(a)は1種または2種
以上用いられ、例えば、融解ピーク温度(Tm)が異な
るもの同士を2種以上用いてもよく、分子量の異なるも
の同士を2種以上用いてもよい。これらプロピレン系樹
脂(a)は公知の方法で製造することができる。
樹脂(a)とは、プロピレンから誘導される繰り返し単
位を50重量%以上含有する重合体であって、140℃
以上に融解ピークを有する重合体である。プロピレン系
樹脂(a)は、プロピレン以外の単量体から誘導される
繰り返し単位を含有していてもよく、プロピレン以外の
単量体としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子
数2または4〜12のオレフィンをあげることができ、
これらは1種以上用いられる。プロピレン系樹脂(a)
としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合
体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−
エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン
−1−ヘキセン共重合体があげられ、これら共重合体
は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でも
よい。これらプロピレン系樹脂(a)は1種または2種
以上用いられ、例えば、融解ピーク温度(Tm)が異な
るもの同士を2種以上用いてもよく、分子量の異なるも
の同士を2種以上用いてもよい。これらプロピレン系樹
脂(a)は公知の方法で製造することができる。
【0006】本発明に用いられるエチレン系樹脂(b)
とは、エチレンから誘導される繰り返し単位を50重量
%以上含有する重合体である。エチレン系樹脂(b)
は、エチレン以外の単量体から誘導される繰り返し単位
を含有していてもよく、エチレン以外の単量体として
は、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不
飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸な
どの不飽和カルボン酸;プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、
1−デセンなどの炭素原子数3〜18のα−オレフィ
ン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオ
クタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−
ビニル−2−ノルボルネン、ジビニルベンゼンなどの炭
素原子数5〜15の非共役ジエン;1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエンをあげる
ことができ、これらは1種以上用いられる。
とは、エチレンから誘導される繰り返し単位を50重量
%以上含有する重合体である。エチレン系樹脂(b)
は、エチレン以外の単量体から誘導される繰り返し単位
を含有していてもよく、エチレン以外の単量体として
は、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不
飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸な
どの不飽和カルボン酸;プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、
1−デセンなどの炭素原子数3〜18のα−オレフィ
ン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオ
クタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−
ビニル−2−ノルボルネン、ジビニルベンゼンなどの炭
素原子数5〜15の非共役ジエン;1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエンをあげる
ことができ、これらは1種以上用いられる。
【0007】エチレン系樹脂(b)としては、例えば、
エチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合
体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エ
チレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン
共重合体などがあげられ、これらは1種または2種以上
用いられる。これらは公知の重合法により製造される。
エチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合
体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エ
チレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン
共重合体などがあげられ、これらは1種または2種以上
用いられる。これらは公知の重合法により製造される。
【0008】本発明の真空成形用樹脂組成物は、プロピ
レン系樹脂(a)とエチレン系樹脂(b)の合計量を1
00重量%として、プロピレン系樹脂(a)60〜90
重量%と、エチレン系樹脂(b)10〜40重量%とか
らなる樹脂組成物である。プロピレン系樹脂(a)が少
なすぎると、成形品の耐熱性が低下することや、成形品
の偏肉が大きくなることがある。プロピレン系樹脂
(a)が多すぎると、成形品の偏肉が大きくなることが
ある。好ましくは、プロピレン系樹脂(a)の含有量は
65〜85重量%であり、エチレン系樹脂(b)の含有
量は15〜35重量%であり、より好ましくは、プロピ
レン系樹脂(a)の含有量は68〜82重量%であり、
エチレン系樹脂(b)の含有量は18〜32重量%であ
る。
レン系樹脂(a)とエチレン系樹脂(b)の合計量を1
00重量%として、プロピレン系樹脂(a)60〜90
重量%と、エチレン系樹脂(b)10〜40重量%とか
らなる樹脂組成物である。プロピレン系樹脂(a)が少
なすぎると、成形品の耐熱性が低下することや、成形品
の偏肉が大きくなることがある。プロピレン系樹脂
(a)が多すぎると、成形品の偏肉が大きくなることが
ある。好ましくは、プロピレン系樹脂(a)の含有量は
65〜85重量%であり、エチレン系樹脂(b)の含有
量は15〜35重量%であり、より好ましくは、プロピ
レン系樹脂(a)の含有量は68〜82重量%であり、
エチレン系樹脂(b)の含有量は18〜32重量%であ
る。
【0009】温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長
歪み3における本発明の真空成形用樹脂組成物の一軸伸
長粘度ηbは、50〜600kPa・sである。ηbが小
さすぎると、成形品の偏肉が大きくなることがあり、η
bが大きすぎると、真空成形性が低下することがある。
好ましくは60〜500kPa・sであり、より好まし
くは80〜400kPa・sである。ここでηbは、一
軸伸長粘度測定装置により、温度180℃、伸長速度
1.0s-1の条件で測定される時間−一軸伸長粘度曲線
において、測定開始後3秒の伸長粘度である。
歪み3における本発明の真空成形用樹脂組成物の一軸伸
長粘度ηbは、50〜600kPa・sである。ηbが小
さすぎると、成形品の偏肉が大きくなることがあり、η
bが大きすぎると、真空成形性が低下することがある。
好ましくは60〜500kPa・sであり、より好まし
くは80〜400kPa・sである。ここでηbは、一
軸伸長粘度測定装置により、温度180℃、伸長速度
1.0s-1の条件で測定される時間−一軸伸長粘度曲線
において、測定開始後3秒の伸長粘度である。
【0010】温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長
歪み1.5〜3における本発明の真空成形用樹脂組成物
の一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbは0.2〜1.0で
あり、好ましくは0.25〜0.9であり、より好まし
くは0.3〜0.8であり、特に好ましくは0.35〜
0.7である。歪み硬化度SHbが小さすぎると、成形
品の偏肉が大きくなることがあり、歪み硬化度SHbが
大きすぎると、真空成形性が低下することがある。
歪み1.5〜3における本発明の真空成形用樹脂組成物
の一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbは0.2〜1.0で
あり、好ましくは0.25〜0.9であり、より好まし
くは0.3〜0.8であり、特に好ましくは0.35〜
0.7である。歪み硬化度SHbが小さすぎると、成形
品の偏肉が大きくなることがあり、歪み硬化度SHbが
大きすぎると、真空成形性が低下することがある。
【0011】本発明における一軸伸長粘度の歪み硬化度
(SH)とは、一軸伸長変形において、歪み量に対する
一軸伸長粘度の増加の程度を表す指標であり、高歪み量
での一軸伸長粘度と低歪み量での一軸伸長粘度との比の
変化量を、単位歪み量当たりで表したものである。すな
わち、一軸伸長粘度計により、歪み速度一定条件下での
時間−一軸伸長粘度曲線を、低歪み速度および高歪み速
度で測定する。次に、歪み量は歪み速度と時間との積で
表されるため、高歪み速度での一軸伸長粘度と低歪み速
度での一軸伸長粘度との比の変化量を、単位時間当たり
の変化量として算出することにより、一軸伸長粘度の歪
み硬化度(SH)を求めることができる。一軸伸長粘度
の歪み硬化度(SH)が十分大きい材料を真空成形する
場合、薄くなった部位(伸長変形量が大きい部位)の伸
長粘度は、厚い部位(伸長変形量が小さい部位)の伸長
粘度よりも、十分高くなる。このため、薄くなった部位
の伸長変形に要する力(厚さ×伸長粘度)が、厚い部位
の伸長変形に要する力より高くなり、その結果、材料が
均一に伸長変形しやすくなるため、真空成形品の偏肉が
小さくなると考えられる。一方、一軸伸長粘度の歪み硬
化度(SH)が小さい材料を真空成形する場合、薄くな
った部位の伸長粘度は厚い部位の伸長粘度よりも十分高
くならない。そのため、薄くなった部位は、厚い部位に
比べ伸長変形に要する力が低いためさらに薄くなり、そ
の結果、偏肉が大きくなると考えられる。
(SH)とは、一軸伸長変形において、歪み量に対する
一軸伸長粘度の増加の程度を表す指標であり、高歪み量
での一軸伸長粘度と低歪み量での一軸伸長粘度との比の
変化量を、単位歪み量当たりで表したものである。すな
わち、一軸伸長粘度計により、歪み速度一定条件下での
時間−一軸伸長粘度曲線を、低歪み速度および高歪み速
度で測定する。次に、歪み量は歪み速度と時間との積で
表されるため、高歪み速度での一軸伸長粘度と低歪み速
度での一軸伸長粘度との比の変化量を、単位時間当たり
の変化量として算出することにより、一軸伸長粘度の歪
み硬化度(SH)を求めることができる。一軸伸長粘度
の歪み硬化度(SH)が十分大きい材料を真空成形する
場合、薄くなった部位(伸長変形量が大きい部位)の伸
長粘度は、厚い部位(伸長変形量が小さい部位)の伸長
粘度よりも、十分高くなる。このため、薄くなった部位
の伸長変形に要する力(厚さ×伸長粘度)が、厚い部位
の伸長変形に要する力より高くなり、その結果、材料が
均一に伸長変形しやすくなるため、真空成形品の偏肉が
小さくなると考えられる。一方、一軸伸長粘度の歪み硬
化度(SH)が小さい材料を真空成形する場合、薄くな
った部位の伸長粘度は厚い部位の伸長粘度よりも十分高
くならない。そのため、薄くなった部位は、厚い部位に
比べ伸長変形に要する力が低いためさらに薄くなり、そ
の結果、偏肉が大きくなると考えられる。
【0012】本発明に用いられるプロピレン系樹脂
(a)としては、前述の一軸伸長粘度η bおよび一軸伸
長粘度の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物
を容易に得る観点から、温度180℃、伸長速度1.0
s-1、伸長歪み3における一軸伸長粘度ηPが30〜2
00kPa・sであるプロピレン系樹脂(a)が好まし
い。該ηPは、より好ましくは40〜150kPa・s
であり、更に好ましくは50〜100kPa・sであ
る。ここで該ηPは、一軸伸長粘度測定装置により、温
度180℃、伸長速度1.0s-1の条件で測定される時
間−一軸伸長粘度曲線において、測定開始後3秒の伸長
粘度である。
(a)としては、前述の一軸伸長粘度η bおよび一軸伸
長粘度の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物
を容易に得る観点から、温度180℃、伸長速度1.0
s-1、伸長歪み3における一軸伸長粘度ηPが30〜2
00kPa・sであるプロピレン系樹脂(a)が好まし
い。該ηPは、より好ましくは40〜150kPa・s
であり、更に好ましくは50〜100kPa・sであ
る。ここで該ηPは、一軸伸長粘度測定装置により、温
度180℃、伸長速度1.0s-1の条件で測定される時
間−一軸伸長粘度曲線において、測定開始後3秒の伸長
粘度である。
【0013】本発明に用いられるプロピレン系樹脂
(a)としては、前述の一軸伸長粘度η bおよび一軸伸
長粘度の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物
を容易に得る観点から、230℃におけるメルトフロー
レート(MFR)が1〜10g/10分であるプロピレ
ン系樹脂(a)が好ましい。
(a)としては、前述の一軸伸長粘度η bおよび一軸伸
長粘度の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物
を容易に得る観点から、230℃におけるメルトフロー
レート(MFR)が1〜10g/10分であるプロピレ
ン系樹脂(a)が好ましい。
【0014】本発明に用いられるエチレン系樹脂(b)
としては、前述の一軸伸長粘度ηbおよび一軸伸長粘度
の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物を容易
に得る観点から、温度180℃、伸長速度1.0s-1、
伸長歪み1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度
SHEが0.4〜1.2であるエチレン系樹脂(b)が
好ましい。該SHEは、より好ましくは0.5〜1.1
であり、更に好ましくは0.6〜1.0である。
としては、前述の一軸伸長粘度ηbおよび一軸伸長粘度
の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物を容易
に得る観点から、温度180℃、伸長速度1.0s-1、
伸長歪み1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度
SHEが0.4〜1.2であるエチレン系樹脂(b)が
好ましい。該SHEは、より好ましくは0.5〜1.1
であり、更に好ましくは0.6〜1.0である。
【0015】本発明に用いられるエチレン系樹脂(b)
としては、前述の一軸伸長粘度ηbおよび一軸伸長粘度
の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物を容易
に得る観点から、高圧ラジカル重合法によるエチレン系
樹脂が好ましく、該重合法によるポリエチレン、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体がより好ましい。エチレン系樹脂(b)の190℃に
おけるMFRは、好ましくは0.01〜50g/10分
であり、より好ましくは0.05〜30g/10分であ
り、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。
としては、前述の一軸伸長粘度ηbおよび一軸伸長粘度
の歪み硬化度SHbの規定を充足する樹脂組成物を容易
に得る観点から、高圧ラジカル重合法によるエチレン系
樹脂が好ましく、該重合法によるポリエチレン、エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体がより好ましい。エチレン系樹脂(b)の190℃に
おけるMFRは、好ましくは0.01〜50g/10分
であり、より好ましくは0.05〜30g/10分であ
り、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。
【0016】本発明に用いられるプロピレン系樹脂
(a)およびエチレン系樹脂(b)としては、前述の一
軸伸長粘度ηbおよび一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbの
規定を充足する樹脂組成物を容易に得る観点から、エチ
レン系樹脂(b)の温度180℃、伸長速度1.0
s-1、伸長歪み3における一軸伸長粘度ηEと、プロピ
レン系樹脂(a)の温度180℃、伸長速度1.0
s-1、伸長歪み3における一軸伸長粘度ηPとの比(ηE
/ηP)が1〜10であるプロピレン系樹脂(a)およ
びエチレン系樹脂(b)が好ましい。該ηE/ηPは、よ
り好ましくは1.5〜9であり、更に好ましくは2〜8
である。ここで、ηEおよびηPは、一軸伸長粘度測定装
置により、温度180℃、伸長速度1.0s-1の条件で
測定される時間−一軸伸長粘度曲線において、測定開始
後3秒の伸長粘度である。
(a)およびエチレン系樹脂(b)としては、前述の一
軸伸長粘度ηbおよび一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbの
規定を充足する樹脂組成物を容易に得る観点から、エチ
レン系樹脂(b)の温度180℃、伸長速度1.0
s-1、伸長歪み3における一軸伸長粘度ηEと、プロピ
レン系樹脂(a)の温度180℃、伸長速度1.0
s-1、伸長歪み3における一軸伸長粘度ηPとの比(ηE
/ηP)が1〜10であるプロピレン系樹脂(a)およ
びエチレン系樹脂(b)が好ましい。該ηE/ηPは、よ
り好ましくは1.5〜9であり、更に好ましくは2〜8
である。ここで、ηEおよびηPは、一軸伸長粘度測定装
置により、温度180℃、伸長速度1.0s-1の条件で
測定される時間−一軸伸長粘度曲線において、測定開始
後3秒の伸長粘度である。
【0017】本発明の樹脂組成物は、無機充填剤(タル
ク、炭酸カルシウム、マイカ等)、中和剤、酸化防止
剤、熱安定剤、耐候剤、滑剤、造核剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、気泡防止
剤、分散剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、架橋剤、架
橋助剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
ク、炭酸カルシウム、マイカ等)、中和剤、酸化防止
剤、熱安定剤、耐候剤、滑剤、造核剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、気泡防止
剤、分散剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、架橋剤、架
橋助剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
【0018】本発明の真空成形用樹脂組成物の調整方法
は特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、
タンブルミキサー等を使用してドライブレンドを行って
もよいし、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバ
リーミキサー、ロール等を用いて加熱溶融混練を行って
もよい。
は特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、
タンブルミキサー等を使用してドライブレンドを行って
もよいし、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバ
リーミキサー、ロール等を用いて加熱溶融混練を行って
もよい。
【0019】本発明の真空成形用樹脂組成物を真空成形
することにより、偏肉が少なく、耐熱性の良好な真空成
形品を得ることができる。真空成形品として、例えば、
カップ、トレー、PTP(プッシュ・スルー・パック)
などの食品や医薬品包装用容器;ドアライナー、コンソ
ールボックスなどの自動車部品;冷蔵庫のドアライナー
などの家電製品;トレー、ケースなどの文具;玩具や雑
貨などに用いられる。
することにより、偏肉が少なく、耐熱性の良好な真空成
形品を得ることができる。真空成形品として、例えば、
カップ、トレー、PTP(プッシュ・スルー・パック)
などの食品や医薬品包装用容器;ドアライナー、コンソ
ールボックスなどの自動車部品;冷蔵庫のドアライナー
などの家電製品;トレー、ケースなどの文具;玩具や雑
貨などに用いられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施
例および比較例で用いた評価方法は以下のとおりであ
る。
例および比較例で用いた評価方法は以下のとおりであ
る。
【0021】1.一軸伸長粘度(ηb、ηP、ηE)、一
軸伸長粘度比(ηE/ηP) プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の樹脂組成物は23
0℃、プロピレン系樹脂は230℃、エチレン系樹脂は
150℃にて熱プレス成形して、150mm×150m
m×2mmのシートを作成し、このシートから7mm×
70mm×2mmに切り出した四角柱試験片を測定サン
プルとした。レオメトリック・サイエンティフィック・
エフ・イー株式会社製の一軸伸長粘度測定装置(商品
名:RME)を用いて、温度180℃、歪み速度1.0
s-1の条件で一軸伸長粘度を測定し、測定開始後3.0
秒の一軸伸長粘度をηとした。プロピレン系樹脂とエチ
レン系樹脂との樹脂組成物の一軸伸長粘度をηb、プロ
ピレン系樹脂の一軸伸長粘度をηP、エチレン系樹脂の
一軸伸長粘度をηEとし、エチレン系樹脂の一軸伸長粘
度とプロピレン系樹脂の一軸伸長粘度の比ηE/ηPを求
めた。
軸伸長粘度比(ηE/ηP) プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の樹脂組成物は23
0℃、プロピレン系樹脂は230℃、エチレン系樹脂は
150℃にて熱プレス成形して、150mm×150m
m×2mmのシートを作成し、このシートから7mm×
70mm×2mmに切り出した四角柱試験片を測定サン
プルとした。レオメトリック・サイエンティフィック・
エフ・イー株式会社製の一軸伸長粘度測定装置(商品
名:RME)を用いて、温度180℃、歪み速度1.0
s-1の条件で一軸伸長粘度を測定し、測定開始後3.0
秒の一軸伸長粘度をηとした。プロピレン系樹脂とエチ
レン系樹脂との樹脂組成物の一軸伸長粘度をηb、プロ
ピレン系樹脂の一軸伸長粘度をηP、エチレン系樹脂の
一軸伸長粘度をηEとし、エチレン系樹脂の一軸伸長粘
度とプロピレン系樹脂の一軸伸長粘度の比ηE/ηPを求
めた。
【0022】2.一軸伸長粘度の歪み硬化度(SH)
プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂の樹脂組成物は23
0℃、エチレン系樹脂は150℃にて熱プレス成形し
て、150mm×150mm×2mmのシートを作成
し、このシートから7mm×70mm×2mmに切り出
した四角柱試験片を測定サンプルとした。レオメトリッ
ク・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製の一
軸伸長粘度測定装置(商品名:RME)を用いて、温度
180℃、歪み速度0.3、1.0s-1の2つの条件で
一軸伸長粘度を測定した。歪み速度0.3s-1での測定
開始後1.5、2.0、2.5、3.0秒の一軸伸長粘
度を、それぞれη11.5、η12.0、η12.5、η13.0と
し、歪み速度1.0s-1での測定開始後1.5、2.
0、2.5、3.0秒の一軸伸長粘度を、それぞれη2
1. 5、η22.0、η22.5、η23.0とした。次に、歪み速
度1.0s-1での一軸伸長粘度と歪み速度0.3s-1で
の一軸伸長粘度の比(η21.5/η11.5、η22.0/η
12.0、η22.5/η12.5、η23.0/η13.0)を各時
間で求めた。時間をX軸に、歪み速度1.0s-1での一
軸伸長粘度と歪み速度0.3s-1での一軸伸長粘度との
比の自然対数値をY軸にしたX−Y線図を作成し、最小
二乗法により一次近似直線を求めた。この一次近似直線
の傾きを一軸伸長粘度の歪み硬化度SHとし、プロピレ
ン系樹脂とエチレン系樹脂の樹脂組成物の歪み硬化度を
SHb、エチレン系樹脂の歪み硬化度をSHEとした。
0℃、エチレン系樹脂は150℃にて熱プレス成形し
て、150mm×150mm×2mmのシートを作成
し、このシートから7mm×70mm×2mmに切り出
した四角柱試験片を測定サンプルとした。レオメトリッ
ク・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製の一
軸伸長粘度測定装置(商品名:RME)を用いて、温度
180℃、歪み速度0.3、1.0s-1の2つの条件で
一軸伸長粘度を測定した。歪み速度0.3s-1での測定
開始後1.5、2.0、2.5、3.0秒の一軸伸長粘
度を、それぞれη11.5、η12.0、η12.5、η13.0と
し、歪み速度1.0s-1での測定開始後1.5、2.
0、2.5、3.0秒の一軸伸長粘度を、それぞれη2
1. 5、η22.0、η22.5、η23.0とした。次に、歪み速
度1.0s-1での一軸伸長粘度と歪み速度0.3s-1で
の一軸伸長粘度の比(η21.5/η11.5、η22.0/η
12.0、η22.5/η12.5、η23.0/η13.0)を各時
間で求めた。時間をX軸に、歪み速度1.0s-1での一
軸伸長粘度と歪み速度0.3s-1での一軸伸長粘度との
比の自然対数値をY軸にしたX−Y線図を作成し、最小
二乗法により一次近似直線を求めた。この一次近似直線
の傾きを一軸伸長粘度の歪み硬化度SHとし、プロピレ
ン系樹脂とエチレン系樹脂の樹脂組成物の歪み硬化度を
SHb、エチレン系樹脂の歪み硬化度をSHEとした。
【0023】3.メルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.
18Nで測定した。プロピレン系樹脂は230℃にて、
エチレン系樹脂は温度190℃にて測定を行った。
18Nで測定した。プロピレン系樹脂は230℃にて、
エチレン系樹脂は温度190℃にて測定を行った。
【0024】4.成形品の偏肉
樹脂組成物を用いて真空成形した容器において、4箇所
ある側面の中央部および底部中央部1箇所の計5箇所の
厚さを、マイクロメーターを用いて測定し、最大値と最
小値の差を計算した。
ある側面の中央部および底部中央部1箇所の計5箇所の
厚さを、マイクロメーターを用いて測定し、最大値と最
小値の差を計算した。
【0025】実施例および比較例で用いた重合体は以下
のとおりである。 プロピレン系樹脂 PP−1:住友化学工業(株)製 ノーブレン FS20
11C(プロピレン単独重合体)、MFR(230℃)
=1.5g/10分。 PP−2:住友化学工業(株)製 ノーブレン AS17
1L(エチレン−プロピレンブロック共重合体)、MF
R(230℃)=1.3g/10分。 PP−3:住友化学工業(株)製 ノーブレン X701
E1(プロピレン単独重合体)、MFR(230℃)=
40g/10分。
のとおりである。 プロピレン系樹脂 PP−1:住友化学工業(株)製 ノーブレン FS20
11C(プロピレン単独重合体)、MFR(230℃)
=1.5g/10分。 PP−2:住友化学工業(株)製 ノーブレン AS17
1L(エチレン−プロピレンブロック共重合体)、MF
R(230℃)=1.3g/10分。 PP−3:住友化学工業(株)製 ノーブレン X701
E1(プロピレン単独重合体)、MFR(230℃)=
40g/10分。
【0026】エチレン系樹脂
PE−1:住友化学工業(株)製 スミカセン F10
1−1(高圧法低密度ポリエチレン)、MFR(190
℃)=0.3g/10分。 PE−2:住友化学工業(株)製 スミカセン G20
1(高圧法低密度ポリエチレン)、MFR(190℃)
=2g/10分。 PE−3:住友化学工業(株)製 アクリフト WH1
02(エチレン−メチルメタアクリレート共重合体)、
MFR(190℃)=0.3g/10分。 PE−4:住友化学工業(株)製 エクセレンVL V
L102(エチレン−1−ブテン共重合体)、MFR
(190℃)=0.9g/10分。
1−1(高圧法低密度ポリエチレン)、MFR(190
℃)=0.3g/10分。 PE−2:住友化学工業(株)製 スミカセン G20
1(高圧法低密度ポリエチレン)、MFR(190℃)
=2g/10分。 PE−3:住友化学工業(株)製 アクリフト WH1
02(エチレン−メチルメタアクリレート共重合体)、
MFR(190℃)=0.3g/10分。 PE−4:住友化学工業(株)製 エクセレンVL V
L102(エチレン−1−ブテン共重合体)、MFR
(190℃)=0.9g/10分。
【0027】[実施例1〜5]プロピレン系樹脂とエチ
レン系樹脂とを表1に示した配合処方でドライブレンド
した後、スクリュ径が40mmである単軸押出機を用
い、温度230℃で溶融混練を行い、樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物の物性を表1に示す。次に、J
IS K6758の試験片の作成方法に従って熱プレス
成形を行い、上記組成物からなる幅300mm、長さ3
00mm、厚さ1mmのシートを成形した。続いて真空
成形機に設置された横幅250mm、奥行き200mm
の型枠に上記シートを挟み、ヒーター温度400℃、真
空度700mmHg、予熱時間40秒の条件にて真空成
形を行い、幅180mm、長さ130mm、深さ40m
mの真空成形容器を得た。容器の偏肉を表1に示す。ど
の樹脂組成物においても真空成形性は良好であり、偏肉
の小さい容器が得られた。
レン系樹脂とを表1に示した配合処方でドライブレンド
した後、スクリュ径が40mmである単軸押出機を用
い、温度230℃で溶融混練を行い、樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物の物性を表1に示す。次に、J
IS K6758の試験片の作成方法に従って熱プレス
成形を行い、上記組成物からなる幅300mm、長さ3
00mm、厚さ1mmのシートを成形した。続いて真空
成形機に設置された横幅250mm、奥行き200mm
の型枠に上記シートを挟み、ヒーター温度400℃、真
空度700mmHg、予熱時間40秒の条件にて真空成
形を行い、幅180mm、長さ130mm、深さ40m
mの真空成形容器を得た。容器の偏肉を表1に示す。ど
の樹脂組成物においても真空成形性は良好であり、偏肉
の小さい容器が得られた。
【0028】[比較例1]表2に示したプロピレン系樹
脂を用いた。プロピレン系樹脂の物性を表2に示す。続
いて、該プロピレン系樹脂を実施例と同様にしてプレス
シート成形、真空成形を行い、容器を得た。容器の偏肉
を表2に示す。真空成形は良好に行えたが、容器の偏肉
が大きかった。
脂を用いた。プロピレン系樹脂の物性を表2に示す。続
いて、該プロピレン系樹脂を実施例と同様にしてプレス
シート成形、真空成形を行い、容器を得た。容器の偏肉
を表2に示す。真空成形は良好に行えたが、容器の偏肉
が大きかった。
【0029】[比較例2〜4]プロピレン系樹脂とエチ
レン系樹脂とを表2に示した配合処方に変更した以外
は、実施例と同様にして樹脂組成物を得た。得られた樹
脂組成物の物性を表2に示す。続いて、樹脂組成物を実
施例と同様にしてプレスシート成形、真空成形を行い、
容器を得た。容器の偏肉を表2に示す。良好に真空成形
できたが、容器の偏肉が大きかった。
レン系樹脂とを表2に示した配合処方に変更した以外
は、実施例と同様にして樹脂組成物を得た。得られた樹
脂組成物の物性を表2に示す。続いて、樹脂組成物を実
施例と同様にしてプレスシート成形、真空成形を行い、
容器を得た。容器の偏肉を表2に示す。良好に真空成形
できたが、容器の偏肉が大きかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、偏
肉が少なく、耐熱性が良好な真空成形品が得られる樹脂
組成物を提供することができ、更には、該樹脂組成物か
らなる真空成形品および該真空成形品の製造方法を提供
することができた。本発明の真空成形品は、カップ、ト
レー、PTP(プッシュ・スルー・パック)などの食品
や医薬品包装用容器;ドアライナー、コンソールボック
スなどの自動車部品;冷蔵庫のドアライナーなどの家電
製品;トレー、ケースなどの文具;玩具や雑貨などに用
いられる。
肉が少なく、耐熱性が良好な真空成形品が得られる樹脂
組成物を提供することができ、更には、該樹脂組成物か
らなる真空成形品および該真空成形品の製造方法を提供
することができた。本発明の真空成形品は、カップ、ト
レー、PTP(プッシュ・スルー・パック)などの食品
や医薬品包装用容器;ドアライナー、コンソールボック
スなどの自動車部品;冷蔵庫のドアライナーなどの家電
製品;トレー、ケースなどの文具;玩具や雑貨などに用
いられる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B29K 23:00
Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA18 AA20
AA20X AA21X AA28X AA33X
AA75X AA76X AH04 AH05
BA01 BB06 BC01
4F208 AA04 AA11 AR17 AR20 MA01
MB01 MC01 MG11
4J002 BB032 BB052 BB062 BB072
BB121 BB141 BB151 BP021
FD010 FD050 FD060 FD070
FD080 FD090 FD100 FD130
FD140 FD150 FD170 FD180
GG01
Claims (5)
- 【請求項1】 プロピレン系樹脂(a)60〜90重量
%と、エチレン系樹脂(b)10〜40重量%とからな
り(ただし、(a)と(b)の合計量を100重量%と
する。)、下記の(1)および(2)の条件を充足する
真空成形用樹脂組成物。 (1)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
における一軸伸長粘度ηbが50〜600kPa・s。 (2)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み
1.5〜3における一軸伸長粘度の歪み硬化度SHbが
0.2〜1.0。 - 【請求項2】 プロピレン系樹脂(a)及びエチレン系
樹脂(b)が下記の(3)〜(5)の条件を充足する請
求項1記載の真空成形用樹脂組成物。 (3)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
におけるプロピレン系樹脂(a)の一軸伸長粘度ηPが
30〜200kPa・s。 (4)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3
におけるエチレン系樹脂(b)の一軸伸長粘度ηEと、
温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み3におけ
るプロピレン系樹脂(a)の一軸伸長粘度ηPとの比
(ηE/ηP)が1〜10。 (5)温度180℃、伸長速度1.0s-1、伸長歪み
1.5〜3におけるエチレン系樹脂(b)の一軸伸長粘
度の歪み硬化度SHEが0.4〜1.2。 - 【請求項3】 エチレン系樹脂(b)が、高圧ラジカル
重合法により製造されたエチレン系樹脂である請求項1
または2記載の真空成形用樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の真空成形
用樹脂組成物からなる真空成形品。 - 【請求項5】 請求項1〜3いずれかに記載の真空成形
用樹脂組成物を用いる真空成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001337576A JP2003171514A (ja) | 2001-09-27 | 2001-11-02 | 樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001296470 | 2001-09-27 | ||
JP2001-296470 | 2001-09-27 | ||
JP2001337576A JP2003171514A (ja) | 2001-09-27 | 2001-11-02 | 樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171514A true JP2003171514A (ja) | 2003-06-20 |
Family
ID=26623070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001337576A Pending JP2003171514A (ja) | 2001-09-27 | 2001-11-02 | 樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003171514A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018030495A1 (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 日本ポリプロ株式会社 | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
JP2020083953A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | 名古屋油化株式会社 | 成形用シート及び車両用部品 |
-
2001
- 2001-11-02 JP JP2001337576A patent/JP2003171514A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018030495A1 (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 日本ポリプロ株式会社 | 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 |
JP2020083953A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | 名古屋油化株式会社 | 成形用シート及び車両用部品 |
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