JP2003171408A - 水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents
水性エマルジョンの製造方法Info
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Abstract
含有しないので、環境負荷が少なく、さらに低温におけ
る造膜性に優れる水性エマルジョンの製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 ホルムアルデヒド濃度が1ppm以下で
あるエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン
をシードとして、ビニルエステル系単量体を乳化重合す
ることを特徴とする水性エマルジョンの製造方法。
Description
の製造方法に関し、さらに詳しくは、ホルムアルデヒド
をほとんどまたはまったく含有しないため、環境負荷が
少なく、さらに低温における造膜性に優れた水性エマル
ジョンの製造方法に関する。
VAと略記することがある)は、酢酸ビニルに代表され
るビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドと
して広く用いられており、これを保護コロイドとして用
いて乳化重合して得られるビニルエステル系水性エマル
ジョンは、紙用、木工用およびプラスチック用などの各
種接着剤、含浸紙用および不織製品用などの各種バイン
ダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工
などの分野で広く用いられている。このように広く用い
られている酢酸ビニル樹脂エマルジョンも種々の欠点を
有している。すなわち、粘度の温度依存性が大きく、冬
期などの低温時に粘度が著しく上昇して作業性が悪くな
る。特に、低温における造膜性が悪く、フタル酸ジブチ
ル(DBP)などの可塑剤の添加が必要である。従って
得られた皮膜は可塑剤の添加により可撓性は付与される
が、強度が弱くなり、耐熱性が低下する。特に冬期用と
して使用する場合にはDBPの添加量が多くなり、この
傾向が顕著になる。また、DBPは環境ホルモンとして
作用する化合物として取り上げられており、このような
化合物を含まない酢酸ビニル樹脂エマルジョンの開発が
急務である。このような状況下、特開平11−9273
4号公報などでエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エ
マルジョンをシードとした酢酸ビニル樹脂エマルジョン
が提案され、無可塑剤化を達成している。しかし、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンは高圧下
での重合コントロール性の観点から、過酸化水素/ソジ
ウムホルムアルデヒドスルホキシレート(通称ロンガリ
ット、以下ロンガリットと記述する)のレドックス系重
合開始剤が常用されるが、ロンガリットは分解時にホル
ムアルデヒドを発生するため、得られるエマルジョン中
にホルムアルデヒドが含まれるという重大な問題点を有
しており、昨今の環境問題から、ロンガリットの使用が
忌避されている。また、このようなホルムアルデヒドを
含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジ
ョンをシードとして使用して得られる酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンは、低温における造膜性が充分優れていると
は言えない。
事情のもとで、環境負荷が少なく、さらに低温における
造膜性に優れた水性エマルジョンを製造する方法を提供
することを目的とする。
情に鑑み、鋭意検討した結果、けん化度70モル%以上
のビニルアルコール系重合体を分散剤として含有し、ホ
ルムアルデヒド濃度が1ppm以下であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンをシードとして、
ビニルエステル系単量体を乳化重合することを特徴とす
る水性エマルジョンの製造方法が上記目的を満足するも
のであるこを見出した。また、上記エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系樹脂エマルジョンとして、けん化度70モ
ル%以上のビニルアルコール系重合体を分散剤として、
エチレンと酢酸ビニルを乳化重合する際に、過酸化水素
と酒石酸および/またはその金属塩からなるレドックス
系重合開始剤を用い、重合系のpHを3〜7に調整し、
鉄化合物を添加して得たエチレン−酢酸ビニル共重合体
系樹脂エマルジョンを使用することにより、上記目的が
より好適に達成されることを見出した。
の製造方法について詳細に説明する。まず、シードとし
て使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマル
ジョンの製造法について説明する。シードとして使用す
るエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンを
乳化重合により製造する際、分散剤として用いるけん化
度70モル%以上のビニルアルコール系重合体(以下、
PVA系重合体と略記する場合がある)は、常法によ
り、ビニルエステル系重合体をけん化することにより得
ることができる。ここで、ビニルエステルとしては、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
体は、本発明の目的を損なわない範囲で共重合可能なエ
チレン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。この
ようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチ
レン、プロピレン、イソブチレンなどのα−オレフィ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マ
レイン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメ
チル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)
−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロ
リドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和
単量体の内、エチレンが好適であり、またエチレン性不
飽和単量体、とくにエチレンの含有量は0.5〜20モ
ル%、さらには1〜15モル%であることが好適であ
る。また、上記分散剤としては、チオール酢酸、メルカ
プトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢
酸ビニルを重合し、または酢酸ビニルと上記エチレン性
不飽和単量体とを共重合し、それをけん化することによ
って得られる末端変性物を用いることもできる。
は、けん化度が、70モル%以上であることが必要であ
り、より好ましくは、80モル%以上、さらに好ましく
は85モル%以上である。けん化度が70モル%未満の
場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマル
ジョンを安定して得ることができず、そのためにそのエ
マルジョンをシードとして乳化重合しても、低温におけ
る造膜性が充分優れた水性エマルジョンが得られない。
また本発明の目的を達成するためには該PVA系重合体
の粘度平均重合度は、100〜8000の範囲が好まし
く、300〜3000がより好ましい。
の使用量については特に制限はないが、分散質(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系樹脂)100重量部に対して
好ましくは2〜15重量部、より好ましくは3〜10重
量部の範囲である。該使用量が2重量部未満および15
重量部を越える場合には、低温における造膜性が低下す
ることがある。
してエチレンおよび酢酸ビニルを主に使用するが、本発
明の目的を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体
および/またはジエン系単量体を共重合しても構わな
い。このような単量体としては、プロピレン、イソブチ
レンなどのα−オレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニ
ル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどの
ハロゲン化オレフィン、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸およびそのエス
テル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸およびそのエステ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらに
は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および
そのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸お
よびナトリウム、カリウム塩などのスチレン系単量体、
その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体、さら
にはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジアリルフタレートなどの多官能性単量体が挙げ
られる。
量は、5〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは7
〜40重量%、最適には10〜30重量%である。エチ
レンの含有量が上記範囲にあるとき、得られる水性エマ
ルジョンの低温における造膜性が向上する。
と酒石酸および/またはその金属塩からなるレドックス
系重合開始剤を用いることが好適である。酒石酸として
は右旋性のL(+)酒石酸、左旋性のD(−)酒石酸、
これら対掌体のラセミ化合物であるDL酒石酸があり、
特に制限されないが、これらの中でもL(+)酒石酸を
用いた場合、乳化重合コントロール性が顕著に良好であ
り、好ましく用いられる。また、酒石酸の金属塩を用い
ることも可能であり、金属の種類は特に制限されない
が、通常、酒石酸ナトリウムが用いられる。中でもL
(+)酒石酸ナトリウムが好ましく用いられる。L
(+)酒石酸ナトリウムを用いた場合、上記利点に加え
て、乳化重合後通常行われるアンモニア、苛性ソーダ等
のアルカリによるpH調整も不要となる長所がある。過
酸化水素の使用量は、全単量体100重量部に対して
0.01〜0.2重量部であることが好適であり、さら
に好適には0.02〜0.15重量部である。
属塩の使用割合は特に制限されないが、通常過酸化水素
100重量部に対して、酒石酸および/またはその金属
塩を50〜300重量部、好ましくは70〜250重量
部、より好ましくは80〜200重量部である。酒石酸
および/またはその金属塩をこの範囲で使用することに
より、低温における造膜性が良好となり、重合コントロ
ール性も良好となる。該レドックス系重合開始剤の重量
は、未反応酢酸ビニルモノマーが5重量%になるまでに
用いる量を示す。
好ましくは4〜6に調整する。pHをこの範囲に調整す
ることにより、水性エマルジョンの低温における造膜性
が良好となり、また重合コントロール性も良好となる。
乳化重合系のpHの調整方法は特に制限されず、任意の
緩衝剤を用いることが可能であるが、通常、酢酸ナトリ
ウム、酢酸/酢酸ナトリウム系、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウムなどが好ましく用いられる。本発明におい
て、乳化重合系のpHとは、重合初期から重合終了まで
のpHを言い、本発明においては重合系のどの時点にお
いてもpHが3〜7にあることが好適である。
することが好適である。鉄化合物としては特に制限され
ないが、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、硝酸第
二鉄、硫酸第二鉄から選ばれる少なくとも1種の鉄化合
物が好ましく用いられ、中でも塩化第一鉄、硫酸第一鉄
が特に好ましく用いられる。
通常全単量体に対して1〜100ppm、より好ましく
は5〜50ppmである。鉄化合物をこの範囲で使用す
ることにより、着色が少なく、水性エマルジョンの低温
における造膜性が良好となり、また重合コントロール性
も良好となる。
特に制限されない。過酸化水素は通常の乳化重合で行わ
れる方法、すなわち、重合開始初期にショットで添加す
る方法、重合中に逐次的に添加する方法などが挙げられ
る。酒石酸および/またはその金属塩は、乳化重合初期
に全量を添加して用いても良いし、乳化重合中に逐次的
に添加する方法でも構わないが、通常全量を乳化重合初
期に添加して用いる。鉄化合物の添加方法も特に制限さ
れないが、通常、乳化重合初期に全量を添加して用い
る。
は20〜70kg/cm2の加圧下に行われるが、乳化
重合途中で、たとえば残存酢酸ビニル濃度が10重量%
となった時点で、最初の重合圧力より5〜35kg/c
m2低い圧力下、好適には10〜30kg/cm2低い
圧力下に調整してエチレンの一部を放出することが好適
である。
ニル共重合体系樹脂エマルジョンは、ホルムアルデヒド
濃度が1ppm未満であることが必須である。ホルムア
ルデヒド濃度が1ppm未満であることにより、環境問
題がすくなく、また低温における造膜性に優れた水性エ
マルジョンを得ることができる。このようなエマルジョ
ンは、上記した方法により好適に得ることができる。こ
こでエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン
中のホルムアルデヒド濃度の測定は、ガス検知管を用い
て行った数値をいう。エマルジョン中に含まれるホルム
アルデヒド濃度が1ppmを超える場合、いわゆるノン
ホルムアルデヒドエマルジョンを得ることは不可能であ
り、本発明の目的を達成することができない。
脂エマルジョンをシードとしてビニルエステル系単量体
を乳化重合する方法について説明する。シードとして用
いるエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン
の含有量は、シード重合後の水性エマルジョン中の全固
形分に対して、固形分で5〜50重量%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜45重量%であり、最適には15
〜40重量%である。シードをこの範囲で使用すること
により、低温における造膜性に優れた水性エマルジョン
を得ることができる。
ルコール系重合体を用いることが好ましい。ビニルアル
コール系重合体としては、上記した、シードとして使用
するエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン
を製造する際に分散剤として使用するビニルアルコール
系重合体と同様のものが挙げられる。シード重合時に分
散剤として使用するビニルアルコール系重合体の使用量
については特に制限はないが、最終的に得られる水性エ
マルジョンの固形分中に対し2〜20重量%となる程度
が好ましい。この範囲にあるとき低温における造膜性に
優れた水性エマルジョンが得られる。
を使用することにより、低温における造膜性のより優れ
た水性エマルジョンを得ることができる。
量体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビ
ニルが最適である。
エチレン性不飽和単量体および/またはジエン系単量体
をシード重合時に共重合しても構わない。このような単
量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンな
どのα−オレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニ
リデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン
化オレフィン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどのアクリル酸およびそのエステル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチルなどのメタクリル酸およびそのエステル、アク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチルおよびこれらの四級化物、さらには、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリ
ウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、α−
メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリ
ウム、カリウム塩などのスチレン系単量体、ジビニルベ
ンゼン、テトラアリロキシエタン、N,N'−メチレン
ビス−アクリルアミド、1,3−ブチレングリコールジ
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート等の多官能性エチレン性不飽和
単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量
体が挙げられる。
共重合体系樹脂エマルジョンをシードとして、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル系単量体を乳化重合する方法は
特に制限されないが、代表的には、重合容器に水および
エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンを入
れ、通常のラジカル重合に使用される重合開始剤を用い
て、酢酸ビニルモノマーを添加しながら重合する方法が
挙げられる。この場合、酢酸ビニルモノマーの一部或い
は全部を重合開始前に水およびエチレン−酢酸ビニル共
重合体系樹脂エマルジョンと一緒に重合容器に添加して
もよいし、またはその一部或いは全量を重合中、連続的
に或いは断続的に添加してもよい。重合開始剤として
は、過硫酸アンモニウムと炭酸水素ナトリウム、あるい
は上記した、シードとして使用するエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系樹脂エマルジョンを製造する際に使用する
レドックス系重合開始剤などが挙げられる。
ル系重合体が好適に用いられるが、必要に応じて、従来
公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界
面活性剤や、ヒドロキシエチルセルロースなどを併用す
ることもできる。
は、そのままで用いることができるが、必要があれば、
本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマ
ルジョンを添加して用いることができる。本発明により
得られる水性エマルジョンは、ホルムアルデヒドをほと
んどまたはまったく含有しないので、環境負荷が少な
く、さらに、とくに可塑剤を使用しなくても低温におけ
る造膜性に優れており、紙用、木工用およびプラスチッ
ク用接着剤、含浸紙用、不織製品用のバインダー、セメ
ントモルタル用混和剤、セメントモルタル用打継ぎ材、
塗料、紙加工および繊維加工などの分野で好適に用いら
れる。
するが、本発明はこれらによって何等限定されるもので
はない。なお、以下の実施例および比較例において
「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意
味する。また、シードとして用いるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂系エマルジョン中、および得られた水性
エマルジョン中のホルムアルデヒド含有量、水性エマル
ジョンの低温における造膜性などを下記の要領で測定ま
たは評価した。
−酢酸ビニル樹脂系エマルジョンおよび得られた水性エ
マルジョンを0.1g採取し、40℃×1hr加温した
後、ガス検知管(No.171SB:光明理化学工業製、
100ml吸引)で測定。 (2)低温における造膜性 0〜10℃において、スライドグラス上にエマルジョン
0.5gを滴下し、24時間後に乾燥皮膜の状態を観察
し、造膜可能な温度を判定した。
樹脂系エマルジョンの製造例) 製造例1 窒素吹き込み口、温度計、撹拌機を備えた耐圧50リッ
トルオートクレーブにPVA−1{重合度1700、け
ん化度88モル%、(株)クラレ製PVA−217}を
1061g、イオン交換水19440g、L(+)酒石
酸8.3g、酢酸ナトリウム10g、塩化第一鉄0.4
gを仕込み、95℃で完全に溶解し、その後60℃に冷
却し、窒素置換を行った。次に酢酸ビニル22360g
を仕込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧し
て導入し、0.4%過酸化水素水溶液1000gを5時
間かけて圧入し、60℃で乳化重合を行った。重合開始
直後に系のpHを確認したところ、pH=5.2であっ
た。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エ
チレンを放出し、エチレン圧力20kg/cm2とし、
3%過酸化水素水溶液50gを圧入し、重合を完結させ
た。冷却後、pHを確認したところpH=4.1であっ
た。10%水酸化ナトリウム水溶液を230g添加しエ
マルジョンのpHを5.5に調整し、60メッシュのス
テンレス製金網を用いてろ過した。その結果、固形分濃
度54.3%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン(シードEm−
1)が得られた。
他は、製造例1と同様にして乳化重合を試みたが、乳化
重合の進行が非常に遅く、重合を終了することが出来な
かった。
りに、L(+)酒石酸ナトリウムを12.7g用いた他
は、製造例1と同様にして乳化重合を行い、固形分濃度
54.4%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体系樹脂エマルジョン(シードEm−2)
を得た。
トルオートクレーブにPVA−1を1061g、イオン
交換水19440g、塩化第一鉄0.4gを仕込み、9
5℃で完全に溶解し、その後60℃に冷却した後ロンガ
リット8.2gを添加し、窒素置換を行った。次に酢酸
ビニル22360gを仕込んだ後、エチレンを45kg
/cm2まで加圧して導入し、0.4%過酸化水素水溶
液1000gを5時間かけて圧入し、60℃で乳化重合
を行った。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところ
で、エチレンを放出し、エチレン圧力20kg/cm2
とし、3%過酸化水素水溶液50gを圧入した。さらに
残存酢酸ビニル濃度が3%となったところで、ロンガリ
ットの10%水溶液180gを圧入し、重合を完結させ
た。10%水酸化ナトリウム水溶液を230g添加しエ
マルジョンのpHを5.5に調整し、60メッシュのス
テンレス製金網を用いてろ過した。その結果、固形分濃
度54.5%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン(シードEm−
3)が得られた。
は、製造例1と同様にして乳化重合を試みたが、重合の
コントロール性が乏しく危険であったため途中で中止し
た。表1に上記製造例1〜2および比較製造例1〜3で
得られたシード用エマルジョンの評価結果を示す。
の片方の成分である過酸化水素を使用していることか
ら、表1にはこの記載を省略した。表中、HCHOはホ
ルムアルデヒドを示す。
−1{重合度1700、けん化度98.5%、(株)ク
ラレ製PVA−117}50重量部を加え、95℃迄加
熱した。PVAが完全に溶解した後、製造例1の(シー
ドEm−1)200重量部を添加した。系内の温度を8
0℃に調整し、重合開始剤(過硫酸アンモニウムと炭酸
水素ナトリウムそれぞれ1重量部を水20重量部に溶解
させた溶液)と、酢酸ビニル384重量部を2時間かけ
て滴下し重合を行った。その結果、固形分濃度54.6
%の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(Em−1)が得ら
れた。このエマルジョンの評価を上述の方法により行っ
た。結果を表2に示す。
2およびシードEm−3を用い、実施例1と同様にし
て、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(Em−2および
3)を得た。このエマルジョンの評価結果を併せて表2
に示す。
VA−2{重合度1700、けん化度88%、(株)ク
ラレ製PVA−217}を用いた他は、実施例1と同様
にして酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(Em−4)を得
た。このエマルジョンの評価結果を併せて表2に示す。
は、ホルムアルデヒドをほとんどまたはまったく含有し
ないので、環境負荷が少なく、さらに低温における造膜
性に優れている。
Claims (3)
- 【請求項1】 けん化度70モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤として含有し、ホルムアルデヒド
濃度が1ppm以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合
体系樹脂エマルジョンをシードとして、ビニルエステル
系単量体を乳化重合することを特徴とする水性エマルジ
ョンの製造方法。 - 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エ
マルジョンが、けん化度70モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤として、エチレンと酢酸ビニルを
乳化重合するに際し、過酸化水素と酒石酸および/また
はその金属塩からなるレドックス系重合開始剤を用い、
重合系のpHを3〜7に調整し、鉄化合物を添加して乳
化重合して得たエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エ
マルジョンである請求項1記載の水性エマルジョンの製
造方法。 - 【請求項3】 ビニルエステル系単量体が、酢酸ビニル
である請求項1または2記載の水性エマルジョンの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001368603A JP3816795B2 (ja) | 2001-12-03 | 2001-12-03 | 水性エマルジョンの製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2001368603A JP3816795B2 (ja) | 2001-12-03 | 2001-12-03 | 水性エマルジョンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171408A true JP2003171408A (ja) | 2003-06-20 |
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