JP2003171320A - 6−(1’z)−ブテニル−1,4−シクロヘプタジエンの両鏡像体の製造方法およびそれらを含有する香料組成物 - Google Patents
6−(1’z)−ブテニル−1,4−シクロヘプタジエンの両鏡像体の製造方法およびそれらを含有する香料組成物Info
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Abstract
ジクチオプテレンBを非極性溶媒中で熱異性化させて式
(2)で表される(6S)−(+)−ジクチオプテレン
D'の製造方法。 【化1】 【効果】比較的容易に調製できる原料から、簡単な熱転
位反応でジクチオプテレンD'の両鏡像体を高収率およ
び高純度で得ることができる。また、得られた高純度の
両鏡像体が配合された香料組成物は、香気の改善および
増強に優れた効果を示す。
Description
(Ectocarpus siliculosus)の性フェロモンであり、海
藻様の香気を有する香粧品、飲食品等への賦香用組成物
の香料原料として有用なジクチオプテレンD'の両鏡像
体の製造方法およびそれを配合した香料組成物に関す
る。
によってハワイ産の海藻Dictyopteris plagiogramma
(スジヤハズ)とD. australisの生鮮藻体から単離・同
定された既知化合物で、その絶対構造は、彼らによって
(6S)−(+)−6−(1'Z)−ブテニル−1,4
−シクロヘプタジエンと報告された [R. E. Moore, J.
A. Pettus, Jr., and J. Mistysyn, J. Org. Chem., 3
9, 2201-2207 (1974)]。
クチオプテレンBを8℃で1時間静置しておくとCope転
位が起こってジクチオプテレンD'に変換してしまうこ
とから、生体内では、脂肪酸から生合成されたシス−ジ
クチオプテレンBが自動的にジクチオプテレンD'に変
換する生合成経路を提唱している[G. Pohnert and W. B
oland, Tetrahedron, 52, 10073-10082 (1996)]。実
際、彼らは(1S,2R)−1−アセトキシメチル−2
−ヨードビニルシクロプロパンから4工程で合成した不
安定な(1R,2R)−シス−ジクチオプテレンBを室
温で静置して、92% e.e.の(6S)−ジクチオプテレン
D'を得ている[G. Pohnert and W. Boland, Tetrahedro
n, 53, 13681-13694 (1997)]。
ンBは室温下では安定に存在するが、100℃以上に加
熱すると、シス体と同様にCope転位が起こり、ジクチオ
プテレンD'に変換されることが明らかにされた。すな
わち、Moore等は上記の文献で天然から単離した(−)
−ジクチオプテレンBのペンタン溶液を、封管中で10
3−108℃で40時間加熱することによって(6R)
−(−)−ジクチオプテレンD'を97%の収率で合成
している。しかしながら、得られた(6R)−(−)−
ジクチオプテレンD'の比旋光度は、[α]D 23 −24°
で、彼らが単離して報告している(6S)−(+)−ジ
クチオプテレンD'の比旋光度[α]D 23 +75°に比べ
ると光学純度は低い。また、Cohen等は、(±)−ジク
チオプテレンBを封管中、100〜120℃で12〜1
8時間加熱させて(±)−ジクチオプテレンD'に変換
している[W. D. Abraham and T. Cohen, J. Am. Chem.
Soc., 113, 2313-2314 (1991)。
方法の内、シス−ジクチオプテレンBを経由する方法
は、ジクチオプテレンD'を合成する方法としては優れ
ているが、そのためにわざわざ不安定なシス−ジクチオ
プテレンBを合成する必要がある。一方、上述のトラン
ス−ジクチオプテレンBを経由する方法においては、原
料のジクチオプテレンBの光学純度が不明、或いはラセ
ミ体であり、得られたジクチオプテレンD'の光学純度
も低いか、もしくはラセミ体であり、熱的Cope転位反応
がエナンチオ選択的に進行しているのか否かの判定が難
しかった。
の香気を有するジクチオプテレンD'の両鏡像体を、高
い化学および光学純度で合成し、香料工業に有用な香料
原料として、各種食品や香粧品に配合することができる
香料組成物を提供することにある。
される(1S,2R)−(−)−ジクチオプテレンB、
或いは式(1')で表される(1R,2S)−(+)−
ジクチオプテレンB
(6S)−(+)−ジクチオプテレンD'、或いは式
(2')で表される(6R)−(−)−ジクチオプテレ
ンD'の製造方法である。
ンD'、または(6R)−(−)−ジクチオプテレンD'
を含有することを特徴とする香料組成物である。
(1)で表される(1S,2R)−(−)−ジクチオプ
テレンBを出発原料として、例えば下記のような反応工
程で合成することができる。
レンD'(式2の化合物)は、ややスパイシー感を伴っ
た強い海藻様の香りを有する。
(1')で表される(1R,2S)−(+)−ジクチオ
プテレンBを出発原料として全く同様に合成することが
できる。
レンD'(式2'の化合物)は、海藻様、グリーン感のあ
るコケ様の香りを有している。
び式(1')で表される出発原料の(1S,2R)−
(−)−ジクチオプテレンB及び(1R,2S)−
(+)−ジクチオプテレンBは、例えば、本発明者らが
開発した方法{梶原、松井、赤壁、山本、第45回香料
・テルペンおよび精油化学に関する討論会要旨集、2II-
15, 333-335 (2001)}で合成できる。
る化合物は、高光学純度のものであることが望ましい。
の化合物を得るために使用される非極性溶媒としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、
およびこれらの混合溶媒などを挙げることができるが、
反応や後処理の操作性、安全性などを勘案するとヘキサ
ンが望ましい。その使用量としては、式(1)或いは式
(1')の化合物に対して2〜100部、好ましくは5
〜50部である。また、Cope転位反応を起こすための反
応条件としては、一般的に100〜150℃の温度範囲
で5〜24時間の範囲が挙げられる。
D'の精製法としては、一般的に減圧蒸留法、シリカゲ
ルクロマトグラフィー法などが好ましく採用される。シ
リカゲルカラムクロマトで精製する場合の展開溶媒とし
てはペンタン、ヘキサンなどの低沸点炭化水素溶媒が好
ましい。
(+)−ジクチオプテレンD'(式2の化合物)は、や
やスパイシー感を伴った強い海藻様の香りを、(6R)
−(−)−ジクチオプテレンD'(式2'の化合物)は、
海藻様、グリーン感のあるコケ様の香りを有している。
本発明化合物は上記のようにそれ自体で特有の香気を有
するものであるが、公知の香料組成物に本発明化合物の
1種または2種を含有させることにより、該香料組成物
は夫々の化合物の香気特性を生じながら、該香料組成物
自身の香気ときわめて効果的な調和を示し、各香料組成
物の香気の改善および増強に優れた効果を示す。例え
ば、(6S)−(+)−体をフル−ツ系調合香料に添加
・使用することにより、ややアルベド的なスパイシー感
が賦与され、ビターな果汁感がエンハンスされる。ま
た、例えば(6R)−(−)−体をフロ−ラル系調合香
料に添加・使用することにより、拡散性のあるグリーン
感を伴ったトップノ−トが賦与される。
の(6S)−(+)−体または(6R)−(−)−体を
含有することを特徴とする香料組成物である。その含有
量は、一般に香料組成物全重量の約0.0001〜20
重量%、好ましくは約0.0005〜10重量%の範囲
が挙げられるが、これによって限定されるものではな
く、対象となる香料組成物の種類によって、その含量は
適宜調整できる。
る場合、他に使用される香料化合物としては、例えばリ
モネン、カリオフィレン、ピネンなどの各種炭化水素
類;アセトアルデヒド、α−ヘキシルシンナムアルデヒ
ド、シトラ−ルなどの各種アルデヒド類;マルト−ル、
ベンジルアセトン、ダマセノンなどの各種ケトン類;ブ
タノ−ル、ベンジルアルコ−ル、リナロ−ルなどの各種
アルコ−ル類;ゲラニル エチル エ−テル、ロ−ズオキ
サイド、フルフラ−ルなどの各種エ−テル・オキサイド
類;エチル アセテ−ト、ベンジル アセテ−ト、リナリ
ル アセテ−トなどの各種エステル類;γ−デカラクト
ン、クマリン、スクラレオライドなどの各種ラクトン
類;インド−ル、2−イソプロピル−4−メチルチアゾ
−ル、フェニルアセトニトリルなどの各種ヘテロ化合物
類;オレンジオイル、ジャスミンアブソリュ−ト、シダ
−ウッドオイル、オリスコンクリ−トなどの各種天然素
材類が挙げられる。使用する溶剤としては、例えばエタ
ノ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ベンジル ベンゾエ
−ト、水、トリアセチン、トリエチル シトレ−トなど
が挙げられる。
よび香粧品類に用いることによって、その特徴的な香気
または香気香味特性を商品に賦与し、消費者のニ−ズに
あった、かつユニ−クな商品を提供できる。飲食品類と
しては、例えば、酒類、柑橘飲料類、フル−ツ飲料類、
乳飲料類、炭酸飲料類、茶飲料などの各種飲料類;アイ
スクリ−ム、アイスシャ−ベット、アイスキャンディな
どの各種冷菓類;タバコ、チュ−インガム、キャンデ
ィ、プリン、ゼリ−などの各種嗜好品類;和風ス−プ、
洋風ス−プなどの各種ス−プ類;カマボコなどのネリ製
品、インスタント食品類、スナック食品類、動植物エキ
ス類などが挙げられる。香粧品類としては、例えばパル
ファム、オ−ドパルファム、オ−ドトワレなどの香水
類;シャンプ−類、リンス類、トリ−トメント類、石鹸
類、ボディシャンプ−類などの各種トイレタリ−製品
類;線香、ろうそく、練り香などの各種香類;染毛剤
類、ブリ−チ剤類、ヘアトニック類などの各種毛髪料
類;ファンデ−ション、化粧水、口紅などの各種化粧品
類;室内芳香剤類、車内芳香剤類などの各種芳香剤類;
食器洗剤類、洗濯洗剤類、柔軟剤類などの各種洗剤類な
どが挙げられる。
るが、本発明はこれらによってなんら限定されるもので
はなく、本反応の範囲を逸脱しない範囲で変更すること
は可能である。なお、各実施例および参考例において物
性の測定に用いた装置は次の通りである。
C−6A;カラム:Lipodex E(Macherey Nagel社
製);検出器:FID プロトンおよび13C核磁気共鳴スペクトル(1 H−およ
び13C−NMR):JMN−LA400(400および
100MHz)(日本電子社製);内部標準物質:テト
ラメチルシラン(重クロロホルム中) 赤外吸収スペクトル(IR):IR−260−10型
(日立製作所社製) 旋光度:DIP−370(日本分光社製) 質量分析スペクトル:M−80B(日立製作所社製)
(式2の化合物)と(6R)−ジクチオプテレンD'
(式2'の化合物)の光学純度の決定方法 (6S)−(+)−ジクチオプテレンD'(式2の化合
物)と(6R)−ジクチオプテレンD'(式2'の化合
物)の光学純度は、それぞれの比旋光度の値から概算で
きるが、より正確を期するためにはキラルカラムを充填
したGCで決定できる。しかしながら、用いたキラルカ
ラム{Lipodex E (Macherey Nagel社製)}では式(2)
と式(2')の化合物の分離は不可能であった。そこ
で、それぞれのZ−ブテニル基を公知の方法で水素添加
し、式(2)の化合物からは式(3)で表される(6
R)−(−)−6−ブチル−1,4−シクロヘプタジエ
ン{(6R)−(−)−ジクチオプテレンC'ともい
う}に、式(2')の化合物からは式(3')で表される
(6S)−(+)−6−ブチル−1,4−シクロヘプタ
ジエン{(6S)−(+)−ジクチオプテレンC'とも
いう}に変換して、これらを上記のキラルカラムを充填
したGCで分析することで光学純度を決定した。
化合物)の合成 (3S,5Z,8Z)−1,5,8−ウンデカトリエン
−3−オール(166 mg,1.0 mmol, e.e.>99%)のヘキサ
ン溶液(10 mL)を激しく撹拌しながらリチウムジイソ
プロピルアミド(LDA)のヘキサン溶液(1.5 mmol)を
アルゴン置換下、−75℃で加えた。1時間後、ピロリ
ン酸エチルエステル(378 mg, 1.6 mmol)を−76℃で
加え、反応温度を徐々に0℃まで上げた。飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で反応を中止し、混合物を室温まで温
めた。反応混合物をエーテルで抽出し、有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下溶媒を留去し、
濃縮物をシリカゲルカラムクロマト(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=1/1)で精製して(3S,5Z,8
Z)−1,5,8−ウンデカトリエン−3−イル ジエ
チルホスフェート(216mg, 収率:74%)を得た。上記の
(3S,5Z,8Z)−1,5,8−ウンデカトリエン
−3−イル ジエチルホスフェート(100 mg, 0.35 mmo
l)のヘキサン(30 mL)溶液を激しく撹拌しながら、カ
リウムビストリメチルシリルアミドの0.5 M THF溶液
(12.5 mL,0.7 mmol)を−76℃で加えた。反応混合物
を−76℃で30分間撹拌した後、0℃まで昇温した。
水を加えて反応を中止し、反応混合物をペンタンで抽出
した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、
飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥した。減圧下溶媒を留去し、濃縮物をシリカゲルカ
ラムクロマト(展開溶媒:ペンタン)で精製して(1
S,2R)−(−)−ジクチオプテレンBを無色透明な
液体として得た。(43 mg, 収率:84%);光学純度(Li
podex E):99% e.e.以上;[α]D 25 = - 50.3°(c = 5.
11, CHCl3).
の化合物)の合成 (3R,5Z,8Z)−1,5,8−ウンデカトリエン
−3−オールから参考例1と全く同様にして(1R,2
S)−(+)−ジクチオプテレンBが58%の収率で得ら
れた。光学純度(Lipodex E):99% e.e.以上;[α]D 25
= + 50.4 (c = 5.11, CHCl3);
物)の合成 (1S,2R)−(−)−ジクチオプテレンB(式1の
化合物、120 mg, 0.81 mmol)とヘキサン(1 mL)をガ
ラス製の封管に量りとり、120℃で10時間加熱し
た。反応混合物を冷やし、減圧下ヘキサンを留去して
(S)−(+)−ジクチオプテレンD'(111 mg, 収
率:92%)を得た。
79.8°(c = 5.08, CHCl3); IR νmax (film) cm-1: 304
0, 3000, 2960, 2900, 1670, 1480, 920, 750; 1H-NMR
(400 MHz, CDCl3) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.6 Hz), 2.0
5 (2H, quintet,J = 7.6 Hz), 2.23 (2H, m), 2.80 (1
H, dt, J = 5.2 and 19.8 Hz), 2.92 (1H,dt, J = 2.1
and 20.0 Hz), 3.44 (1H, m), 5.35 (2H, m), 5.54 (1
H, m), 5.60 (1H, m), 5.70 (1H, m), 5.71 (1H, m);
13C-NMR (100 MHz, CDCl3)δ: 14.45, 20.70, 28.36, 3
3.54, 36.00, 127.20, 128.80, 129.64, 130.67, 132.9
8, 135.40; GC-MS m/z (rel. intensity): 148 (M+,
5), 133 (6), 119 (31), 117 (8), 105 (35), 91 (97),
79 (100), 77 (43), 67 (31), 66 (30), 55 (18), 41
(65), 39 (44), 27 (23).
物)の合成 (1R,2S)−(+)−ジクチオプテレンB(式1'
の化合物)から上記と全く同様にして(6R)−(−)
−ジクチオプテレンD'(式2'の化合物)が93%の収
率で得られた。式(2')の化合物の分析値:[α]D 25 =
-79.3°(c = 5.10, CHCl3); IRと 1H-NMRのスペクトル
データは、式(2)の化合物のデータと一致した。
(2.5 mL)溶液中に、実施例1で得た(6S)−(+)
−ジクチオプテレンD'(70 mg, 0.47 mmol)を0℃で加
え、そのまま15分間撹拌した。反応混合物に水、続い
て2規定塩酸を加えて反応を中止し、ペンタンで抽出し
た。有機層を水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水
硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下溶媒を留去して
(6R)−(−)−ジクチオプテレンC'を無色透明な
液体として得た。(53 mg, 収率:75%)
の分析値:光学純度(Lipodex E):97% e.e.; [α]D
25 = -14.9°(c = 2.70, CHCl3); IR ν max (film) cm
-1: 3010, 2960, 2920, 2850, 1660, 1350, 1200; 1H-N
MR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.88 (3H, t, J = 6.5 Hz),
1.28 (6H, m), 2.11 (2H, m), 2.42 (1H, m), 2.59 (1
H, m), 2.82 (1H, m), 5.53 (4H, m); 13C-NMR (100 MH
z, CDCl3) δ:14.18, 23.23, 18.69, 29.76, 33.26, 3
6.53, 37.65, 127.36, 128.43, 129.78, 136.75; GC-MS
m/z (rel. intensity): 150 (M+, 10), 135 (1), 121
(3), 107 (10), 93 (53), 91 (45), 79 (100), 67 (1
5), 41 (43), 39 (20).
D'から参考例3と全く同様にして(6S)−(+)−
ジクチオプテレンC'が85%の収率で得られた。(6S)
−(+)−ジクチオプテレンC'の分析値:光学純度(L
ipodex E):99% e.e.以上;[α]D 25 = +15.3°(c = 2.
60, CHCl3); IR, 1H-および13C-NMR, GC-MSのスペクト
ルデータは、(6R)−(−)−ジクチオプテレンC'
のデータと一致した。
(重量部)を混合した。
専門パネラー10人で比較した。実施例3の香料組成物
は、比較例1のものに比べてアルベド的なスパイシー感
が付与され、ビターな果汁感がエンハンスされたと全員
が評価した。また、実施例4の香料組成物は、比較例1
のものに比べて華やかなグリーン感が出ており、グレー
プフルーツのピール感が付与されて優れていると全員が
評価した。
部)を混合した。
専門パネラー10人で比較した。実施例5の香料組成物
は、比較例2のものに比べて拡散性のあるフローラル及
びグリーン感を伴ったトップノ−トが付与されて優れて
いると全員が評価した。
チオプテレンBを原料にして、簡単な熱転位反応でジク
チオプテレンD'の両鏡像体を高収率および高純度で得
ることができる。また、得られた高純度の両鏡像体が配
合された香料組成物は、香気の改善および増強に優れた
効果を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】式(1)で表される(1S,2R)−
(−)−ジクチオプテレンB、或いは式(1')で表さ
れる(1R,2S)−(+)−ジクチオプテレンB 【化1】 を非極性溶媒中で熱異性化させて式(2)で表される
(6S)−(+)−6−(1'Z)−ブテニル−1,4
−シクロヘプタジエン{(6S)−(+)−ジクチオプ
テレンD'ともいう}、或いは式(2') で表される
(6R)−(−)−6−(1'Z)−ブテニル−1,4
−シクロヘプタジエン{(6R)−(−)−ジクチオプ
テレンD'ともいう}の製造方法。 【化2】 - 【請求項2】請求項1記載の(6S)−(+)−ジクチ
オプテレンD'または(6R)−(−)−ジクチオプテ
レンD'を含有することを特徴とする香料組成物。
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