JP2003170933A - 空き缶時、潰し易い缶 - Google Patents

空き缶時、潰し易い缶

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鉄製やアルミ製の空き缶は剛性があり、また
缶形状が円筒体で横に向けて足で潰そうとしても容易に
潰れず、かさ張って収集の手間を煩わせていた。従っ
て、足で踏む潰し易い缶形状を得る。 【解決手段】 缶の筒体1及び側板2a,2b,2c,
2dを楕円形にし、かつ楕円形の側板の内部に長軸上に
短い溝状のへこみ3と、長軸とほぼ直角に横切る半切断
線4による裂け目を複数本設ける。また上述の側版の片
側に、取り出し口用の開口舌6と開口舌を押し破るタブ
7と、タブを側版に取り付ける鋲8とを設けるが、開口
舌とタブと鋲が重なるそれぞれの中心位置を側板の短軸
上に設け、開口舌がタブによって折り曲げられる位置
を、側板のほぼ長軸上としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液体や固形物類を
密封する缶の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体や固形物類を小分けして保管、運搬
等流通の手段に鉄製及びアルミ製の缶が用いられてい
る。缶の形状についてはいろいろあるが、市場に比較的
多く出ている例を図7から図10に示す。
【0003】図7、図8は固形物類の缶詰に多く用いら
れている例である。図中、11は横断面形状が円の筒
体、12aは外形が円形の側板で、円筒体11の両側に
かしめられて、円柱形に形成された缶である。中味は缶
切りと称す道具を用いて、一方の側板12aの外周内を
切断し、開けて取り出すが、取り出した後の空き缶の形
状は円筒体11と他方の側板12aが一体になったもの
である。
【0004】図9、図10はアルミ製の飲料水缶に多く
用いられている例である。材料のアルミは展性に優れて
いるため、円筒体11と底方の側板12bは一体に成形
加工(深絞り加工)される。側板12bは強度を増すた
め、また加工性から、内部中央部には球面状のへこみ1
2c及び円座12dが設けられている。また反対面の側
板12eには手で簡単に取り出し口が開けれるよう、線
の形態で板厚の約半分を押しつぶして破れ易くした半切
断線5で開口舌6が設けられている。
【0005】7はタブで、開口舌6を押し破る爪7aと
取手7bが一体になり、リベット8で側板12eの外面
に取り付けられている。中味を取り出すには、タブ7の
取手7bを持ち上げると開口舌6が爪7aで押し破られ
て穴があき、中味を出すことが出来る。中味を出した後
の空き缶の形状は円筒体11と側板12b及び側板12
eが一体となった円柱体である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】中味を取り出した後の
空き缶を横にして、足で踏んで潰した時、円筒体11部
分の中央部はへこみ易いものの、側板12a、12b、
12e部分は外周が円筒体11と一体になって、かつ円
形状のため、容易には折り曲がらない。(類似例とし
て、自動車のタイヤを保持しているホイルと同様、圧縮
性の力に強く、側板12a、12b、12eの折り曲げ
は容易ではない。
【0007】従って、空き缶は原形の円柱体の形状を保
ったまま、放置されたり、収集箱に投棄されるが、かさ
張って収集の手間を煩わしている。市場には、家庭用及
び公共機関等に空き缶を潰す機械もあるがコストが高
く、普及率は低い。また缶製品を使用する場所が限定し
にくく、各場所に潰す機械を設置することは、経費がか
かりむずかしい問題であった。
【0008】この発明は、上述のような課題を解消する
ためになされたもので、缶の形状を楕円柱形にし、かつ
側板も中心部より折り曲がり易くして、空き缶を横にし
て、足で踏みつければ、ほぼ四角形の扁平体に潰し、か
さを小さくすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る空き缶
時、潰し易い缶は、缶の筒体及び側板を楕円形(長円形
も含むが、本書中は楕円形のみで記述する)にし、かつ
楕円形の側板の内部には長軸上に短い溝状のへこみと、
長軸とほぼ直角に横切る半切断線による裂け目を複数本
設けたものである。
【0010】また楕円形の両側板に上述の如くを施し、
さらに片方の楕円形の側板には、取り出し口用の開口舌
を半切断線で設け、開口舌を押し破るタブと、タブを楕
円形の側板に取り付ける鋲とを備えるが、開口舌とタブ
と鋲が重なるそれぞれの中心位置を楕円形の側板の短軸
上に設け、開口舌がタブによって折り曲げられる位置を
楕円形の側板のほぼ長軸上にしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1から図3にこの発明の一実施
例の形態を示す。図1は楕円柱缶の筒部を横向きにして
短軸線上を切断した図、図2は図1を左方向から見た側
面図、図3は図2のIII−III線の部分段面図であ
る。図中、1は楕円形の筒体、2aは外形が楕円形の側
板で、内部には長軸上に短い溝状のへこみ3と、線の形
態で板厚の約半分を押しつぶして破れ易くした裂け目4
を、長軸とほぼ直角に横切るように複数本設けたもので
ある。
【0012】2bは缶切りと称す道具で外周内を切断さ
れることを建前にした外形が楕円形の平板状の側板であ
る。これら楕円形の側板2a、2bは楕円形の筒体1の
両端にかしめられて、楕円柱形の缶を形成しているもの
である。缶切りと称す道具にて、側板2bの外周内を切
って、中味を取り出した後の空き缶の形状は筒体1と、
側板2aが一体になったものとなる。
【0013】この楕円柱形の空き缶を横に向けて、平面
地に置くと必然的に短軸の外面が上下となって静止する
ものとなる。この状態で2aの側板部分を主に足で踏む
と、短軸上の外面寸法が狭まり、長軸上の外面寸法が拡
がろうとする、すなわち、側板2aの裂け目4ははち切
れて口を開くと共に、へこみ3部の中心部から折れ曲が
り、空き缶はほぼ扁平体につぶれるものとなる。
【0014】
【実施例】図4から図6はこの発明の他の実施例(アル
ミ製の飲料缶例)を示す。図4は図1と同様缶を横に向
けた短軸線上の断面図。図5は図4の左側図面、図6は
図4の右側面図である。尚、図1から図3と同符号は相
当部分を示す。
【0015】2cは楕円筒体1と一体に深絞り加工で形
成された楕円形の側板、2dは楕円筒体1とは別材で作
られた楕円形の側板で、外周を筒体1の端とかしめて、
楕円柱体の缶を形成しているものである。2c、2dの
側板にはそれぞれ長軸上に短い溝状のへこみ3と、線の
形態で板厚の約半分を押しつぶして破れ易くした裂け目
4を長軸とほぼ直角に横切るように、複数本設けたもの
である。
【0016】2dの側板には、中味の取り出し口が設け
られている。すなわち、線の形態で板厚の約半分を押し
つぶして破れ易くした半切断線5で、取り出し口となる
開口舌6を形成する。開口舌6を形成する半切断線5の
始点と終点位置は側板2dのほぼ長軸上とし、開口舌6
がタブ7で押し破られた時は、ほぼ長軸から開口舌6が
折れ曲がるようにしたものである。
【0017】尚、開口舌6とタブ7とタブ7をとめるリ
ベット8のそれぞれの中心位置は、側板2dの短軸線上
に設け、側板2dが折れ曲がる時に障害とならないよう
にする。
【0018】タブ7を起し、中味を取り出した後の空き
缶は、横に向けて平面地に置くと、短軸の外面が上下と
なって静止するため、足で側板2c、2dを主に踏む
と、側板2c、2dの裂け目4が開くと共に、中央部か
ら折れ曲がって扁平体になる。タブ7は側板2dが折れ
曲がる間に入って、潰す上に障害にならないようになる
ものである。
【0019】本発明による空き缶の潰し易さは、缶の大
きさ、材質、形状等で影響を受けるため、製作時に検討
して解消する。すなわち、楕円形の長軸と短軸の比は、
空き缶になる前に破損しにくく、空き缶時には足で踏め
ば潰れるように、また型や製作加工に支障のないように
して決める。また、従来ある自動販売機が流用出来るこ
と。流通上の諸設備が変わらないこと等を考慮して決め
る。
【0020】空き缶の潰し易さは、側板2a、2c、2
dに施す形状も影響が大きい。すなわち、半切断線によ
る裂け目4の長さ、太さ、間隔、本数等は対象物に応じ
て決めればよく、また半切断線4は連続線に限定せず、
破線であってもよい。また、側板2a、2c、2dの長
軸上に設ける短い溝状のへこみ3の溝は、V形溝でもU
形溝でも、また溝の長さ、角度等も空き缶を潰した時、
側板2a、2c、2dが缶の内側に折りたたみ易い形状
になるように決める。
【0021】
【発明の効果】この発明による空き缶時、潰し易い缶
は、缶の形状が楕円柱形であるため、平面地に空き缶を
横向きに置いた時、常に短軸の外面が上下面になって静
止する。従って缶の製造者はこの位置を活用し、潰れ易
く作る。缶の利用者はその策略を知らなくても、一番潰
れ易い位置を足で踏むことになって、効率よく空き缶を
潰すことが出来る。
【0022】この発明による楕円柱缶の側板は、長軸上
に短い溝状のへこみがあるため、足で踏んで扁平体にし
た時は、筒体の内部に入るもので、より小形に潰すこと
が出来る。この発明による楕円柱缶の側板は、半切断線
による裂け目が長軸をほぼ直角に横切るように複数本設
けたものであるため、足の踏み方が少々変わっても一番
力がかかった裂け目から破れて変形しだすため、扁平体
に潰すことが容易に出来るものとなる。
【0023】タブや開口舌の中心位置は短軸上に設け、
かつ開口舌の折れ曲がる位置はほぼ長軸上と定めるもの
であるため、側板の折れ曲げに支障を来たさない。
【0024】楕円柱缶であるが、従来の流通上の諸設備
は流用出来る範囲に収めることが出来、また従来品の円
柱缶と混在しても、足で踏んで潰せるのは楕円缶と利用
者が容易に区別出来る効果を有する。
【0025】また楕円缶は横に向けて置いた時、転がっ
て行かず、常に上に向く位置が決まるため、その面に商
品名等を表示すると宣伝効果も生ずる。
【0026】空き缶を潰す手段を足で踏むことにしたた
め、専用機械の導入が不要となり、空き缶が発生するい
ろいろな場所での、利用者の協力が得られ易く、空き缶
の収集が楽になる等の効果がある。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す楕円柱缶を横
向きにした短軸線上の切断図
【図2】 図1の左側面図
【図3】 図2のIII−III線の部分断面図
【図4】 この発明の他の実施例を示す図1と同様な切
断図
【図5】 図4の左側面図
【図6】 図4の右側面図
【図7】 従来の円柱缶を横向きにした縦断面図
【図8】 図7の側面図
【図9】 従来の他の缶形状例を示す図7と同様な縦断
面図
【図10】 図9の右側面図
【符号の説明】 1 楕円形の筒体。 2a、2b、2c、2d 外形が
楕円形の側板。 3へこみ。 4 裂け目。 5 半切
断線。 6 開口舌。 7 タブ 8 タブ7をとめる
リベット。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体や固形物類を密封する鉄製及びアル
    ミ製の缶において、筒体の横断面形状及び側板の外形を
    楕円形にしたものであるが、少なくとも片方の楕円形の
    側板の内部には、長軸上に短い溝状のへこみと、長軸と
    ほぼ直角に横切る半切断線による裂け目を複数本設けた
    空き缶時、潰し易い缶。
  2. 【請求項2】 楕円柱形の缶において、楕円形の両側板
    の内部には、長軸上に短い溝状のへこみと、長軸とほぼ
    直角に横切る半切断線による裂け目を複数本設けたもの
    であるが、さらに片方の楕円形の側板には、半切断線で
    設けた取り出し口用の開口舌と、開口舌を押し破るタブ
    と、タブを楕円形の側板に取り付ける鋲とを設けるが、
    開口舌とタブと鋲が重なるそれぞれの中心位置を楕円形
    の側板の短軸上に設け、開口舌がタブで押し下げられて
    折れ曲がる位置を楕円形の側板のほぼ長軸上とした空き
    缶時、潰し易い缶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104176385A (zh) * 2014-08-26 2014-12-03 李红彪 一种可折叠的饮料包装容器
JP2020172312A (ja) * 2019-04-12 2020-10-22 藤森工業株式会社 筒状容器

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CN104176385A (zh) * 2014-08-26 2014-12-03 李红彪 一种可折叠的饮料包装容器
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