JP2003169607A - 魚介類の飼育方法及び飼料 - Google Patents
魚介類の飼育方法及び飼料Info
- Publication number
- JP2003169607A JP2003169607A JP2001375250A JP2001375250A JP2003169607A JP 2003169607 A JP2003169607 A JP 2003169607A JP 2001375250 A JP2001375250 A JP 2001375250A JP 2001375250 A JP2001375250 A JP 2001375250A JP 2003169607 A JP2003169607 A JP 2003169607A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yeast
- water
- fish
- shellfish
- decomposing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Feed For Specific Animals (AREA)
- Fodder In General (AREA)
Abstract
な物質で魚介類の免疫活性を向上させることで、養殖魚
介類の生産性の向上と環境保全、養殖される魚介類の食
品としての安全性の向上を達成すること。 【解決手段】 酵母を自己消化法や蛋白質分解酵素を含
んだ酵素剤処理で分解して得られる、水溶性成分及び水
不溶性成分を乾燥重量で30:70から80:20の比
率で含む酵母分解組成物を飼料に添加して魚介類に給与
することで、間歇投与することなく魚介類の免疫活性を
向上させることができる。
Description
活性を向上させ、養殖の生産性と養殖した魚介類の食品
としての安全性を向上させる魚介類の飼育方法及び魚介
類の飼育に用いる飼料に関する。
来、生産量と対象魚種は、引き続き増加傾向にあり、さ
らに一層生産性と食品としての安全性の向上が求められ
るようになっている。とりわけ、高密度の飼育や水質の
汚染による病気発生への対策が重要となっており、病気
予防には、ビタミン、各種免疫賦活剤または生菌剤など
の投与が、病気の治療には抗生物質、抗菌剤などの投与
が行われてきた。しかし、抗生物質や抗菌剤などの薬剤
の多用は、耐性菌の発生はもとより、水質を始めとする
環境の汚染と生産物への残留が食品としての安全性の面
で危惧される。
用の薬剤の使用はできるだけ限定することが求められ、
病気に罹らないようにするか、罹患しても被害が抑えら
れるようにする新たな対策が近年盛んに試みられるよう
になっている。具体的には、人間に使用される健康食品
である、キトサン、生菌剤、ポリフェノール、ニンニ
ク、漢方、グルタチオン、オリゴ糖、多糖類などの投与
が例示される。また、酵母由来の成分を投与する方法と
して、自己消化などによる分解後の水溶性成分である酵
母エキスを投与する方法(特開平7−184595)、
酵母を出発原料として、数回のアルカリ抽出処理及び数
回の酸抽出処理を行って不溶性酵母成分を回収すること
により得られる純度の高いグルカンなどを投与する方法
(特開平4−253703)などが例示できる。これら
の酵母由来の成分の中には、免疫活性の向上効果をうた
ったものもある。しかし、実際の製品のカタログや文献
には、免疫活性を維持するために、これらの酵母由来の
成分を1週間ごとに間歇投与するように求めるものもあ
る。このため業界では、通常、間歇投与が実施されてお
り、日常的に給与する飼料に添加して用いることができ
ず、必ずしも使い易い状況とはいえず、さらに効果の明
確な物質が求められていた。
品のような安全なものから、魚介類の免疫活性を向上さ
せる物質を見出し、使用することにより、魚介類の養殖
における生産性の向上と環境保全、養殖される魚介類の
食品としての安全性の向上を達成することを目的とす
る。
に、本発明者らは、安全で、かつ魚介類の免疫機能を向
上させる物質を見出すために、種々の物質をスクリーニ
ングした。その結果、酵母を自己消化法や蛋白質分解酵
素を含んだ酵素剤処理で分解して得られる組成物であっ
て、水溶性成分及び水不溶性成分を含む酵母分解組成
物、特に前記水溶性成分と水不溶性成分の両成分を適度
の比率で、具体的には乾燥重量で30:70から80:
20の比率で含んでいる酵母分解組成物が、魚介類に対
して優れた免疫賦活効果を示すこと、即ち従来から用い
られている酵母エキスのような水溶性成分のみを投与し
たり、酵母細胞壁に由来する不溶性のグルカン類のみを
投与するより、より優れた免疫賦活効果が達成できるこ
とを見出した。また、酵母の分解に使用する酵素剤を選
択することにより、さらに優れた効果を示すことを見出
した。
溶性成分及び水不溶性成分を含む酵母分解組成物を投与
することにより免疫活性を向上させることを特徴とする
魚介類の飼育方法である。また、本発明の第2は、前記
酵母分解組成物を含んだ魚介類用の飼料である。
化法又は蛋白質分解酵素を含む酵素剤処理のいずれでも
よく、両者を併用してもよい。本発明で用いる酵母分解
組成物中の水溶性成分と水不溶性成分との比率は、乾燥
重量で30:70から80:20の範囲が好ましい。前
記酵母分解組成物中の水溶性成分と水不溶性成分との比
率は、酵母を分解した後、必要に応じて水溶性成分を分
離除去することによって前記の範囲に調整してもよい。
前記酵素剤処理に用いる酵素剤としては、グルカナーゼ
活性総量が原料酵母乾燥重量1gあたり20unit以
下であることが好ましい。
介体重1kgあたり0.01〜1.0g/日とすること
が好ましい。
向上させることができる。また、従来の免疫賦活剤の場
合には、通常7日間毎の間歇投与が必要なことが多い
が、本発明によると、酵母分解組成物は間歇投与するこ
となく持続的に免疫効果が得られ、日常的に給与する飼
料に添加しておくことができ、給餌の煩雑さを省くこと
ができる。
魚類、甲殻類など、養殖される全ての魚介類が対象とな
る。魚類としては、例えばタイ、ブリ、アユ、フグ、ウ
ナギ等の養殖されている食用の魚類が挙げられ、海産
魚、淡水魚の別を問わない。さらに、食用の養殖魚のみ
でなく、金魚、熱帯魚など鑑賞用の養殖魚も対象とする
ことができる。また、甲殻類としてはクルマエビなどが
挙げられる。対象となる魚介の大きさは、孵化直後か
ら、稚魚、成魚の段階までの全ての段階の魚介であり、
成長の段階を問わない。
ば、トルラ酵母、パン酵母、ビール酵母、清酒酵母、赤
色酵母と称せられる、キャンディダ属、サッカロマイセ
ス属、クルイベロマイセス属、ファフィア属などに属す
る酵母が挙げられる。上記酵母の培養条件は特に制限は
無く、通常の培養条件で用いたものが使用可能である。
さらに、市販のパン酵母、例えば商品名「カネカレッド
イースト」(鐘淵化学工業(株)製)、商品名「オリエン
タルイースト」(オリエンタル酵母(株)製)、商品名
「ダイヤイースト」(協和醗酵工業(株)製)などを用い
ることもできる。又、乾燥した酵母でも、乾燥していな
い酵母でも使用可能である。
を自己消化法及び/又は蛋白分解酵素を含む酵素剤によ
り分解することにより得られる組成物であり、その典型
的な製造方法は特開平11−332510に記載されて
いる。即ち、酵母分解組成物を得るための自己消化法と
しては、通常の酵母エキス製造に用いる方法でよく、例
えば原料酵母を水に菌体乾燥重量として約10〜15%
の濃度に懸濁させた後、60〜65℃にて5〜20秒間
加熱処理を行い、次に食塩、酢酸エチルなどを添加し、
40〜50℃、PH5〜9にて10〜24時間保持させ
ることにより行うことができる。又、酵母に酵素剤を作
用させて酵母分解組成物を得る方法としては、通常の酵
母エキスを得る方法で良く、例えば、原料酵母を菌体乾
燥重量として3〜30%の濃度となるように水に懸濁
し、PH、温度、添加量を使用する酵素剤の好適の範囲
にコントロールして分解反応をする。使用する酵素剤と
しては、エンドプロテアーゼ、エキソプロテアーゼなど
の蛋白質分解酵素や溶菌酵素が使用可能であり、市販品
としては、商品名「サモアーゼPC」(大和化成(株)
製)、商品名「プロチンA」(大和化成(株)製)、商品
名「プロチンAY−10」(大和化成(株)製)、商品
名「YL−NL」(天野製薬(株)製)、商品名「ツニカ
ーゼFn」(大和化成(株)製)、商品名「デナチーム
AP」(長瀬産業(株)製)などが例示できる。
ようにして分解後、分離工程を経ずに得たものでも、水
溶性成分を一定程度分離除去して得られらものでもよい
が、水溶性成分と水不溶性成分の比率が、乾燥重量当り
30:70から80:20の範囲であることが必要であ
る。それにより、分解によって得られる、次に述べるよ
うな酵母由来の成分が、効果的に魚介類の生体に影響を
与え、免疫活性を向上させることができる。
性成分としては、細胞壁由来のβ−1,3グルカン及び
β−1,6グルカン、セルロース、前記グルカンの構成
糖であるグルコースとマンノースとの共重合物であるグ
ルコマンナン、前記グルカンと蛋白との複合物であるペ
プチドグルカン類、さらに不溶性の構成蛋白質が挙げら
れ、又、水溶性成分としては、アミノ酸、ペプタイド、
各種糖類、ビタミン類、核酸成分が挙げられ、これら以
外に脂質類も含有する。
量5gの試料を水100mlに分散・溶解し、1000
0Gで10分間遠心分離し、沈降物を水100mlに分
散・溶解、10000Gで10分間遠心分離する操作を
2回繰り返して得られる沈降物の乾燥重量を水不溶性成
分の乾燥重量とした。又、水溶性成分は、試料乾燥重量
から前記水不溶性成分の乾燥重量を減じた値を水溶性成
分の乾燥重量とした。
組成物としては、酵素剤処理に使用する酵素剤のグルカ
ナーゼ活性総量が、原料酵母乾燥重量1gあたり20u
nit以下となるように酵母に酵素剤を作用させて得ら
れた酵母分解組成物である。グルカナーゼ活性総量が前
記の範囲の酵素剤で酵母を分解処理することで、魚介類
の免疫活性をより一層向上させることができる。前記酵
素剤のグルカナーゼ活性総量のより好ましい範囲は、原
料酵母乾燥重量1gあたり10unit以下であり、さ
らに好ましくは5unit以下である。尚、本発明でい
うグルカナーゼ活性とは、酵素をサッカロマイセス・セ
レビシェ(Saccharomyces cerevisiae)IFO 0309
の凍結乾燥菌体1mgに35℃で作用させたときに、反
応液の濁度(具体的には波長660nmにおける吸光
度)を1分間あたり1%低下させる酵素量を1unit
として定義する。
原料酵母乾燥重量1gあたり20unit以下にするた
めには、使用する各酵素のグルカナーゼ活性を予め測定
して使用する酵素全体のグルカナーゼ活性を調整しても
よいし、また使用する酵素全体のグルカナーゼ活性をま
とめて測定して調整してもよい。但し、自己消化法との
組み合わせでは、使用する酵素剤のグルカナーゼ活性の
コントロールが困難な場合がある。従って、酵素剤処理
による酵母の分解の実施態様としては、酵素剤処理によ
る分解を単独で行うことが好ましい。
ゼ、デアミナーゼ処理をして、イノシン酸、グアニル酸
を酵母分解組成物中に生成させることにより、嗜好性の
向上が達成されるが、本発明の目的には必須ではない。
性成分を分離除去して、酵母分解組成物中の水溶性成分
と水不溶性成分との比率が乾燥重量で30:70から8
0:20の範囲となるように調整する。水溶性成分を分
離除去する方法としては、遠心分離、ろ過、静置分離な
ど、通常の方法を採用することができる。こうして得ら
れた酵母分解組成物は、常法により濃縮して、さらに水
分を除去してペースト状にするか、公知の乾燥法で乾燥
粉末状にすることにより、使用に供する。
実施の態様としては、上記酵母分解組成物の投与量が、
一日に魚介体重1kgあたり0.01〜1.0gとなる
ように投与することである。投与量がこれより少なくて
は、所定の効果が得られず、これより多いと経済性など
の点で生産性向上の目的が達成出来ない。酵母分解組成
物は、単独で魚介類に投与してもよいし、飼料に混合し
て投与してもよい。飼料に混合する場合は、例えば飼料
に対して0.1重量%添加するなどして、魚介が上記の
量を摂取するようにすればよい。投与の方法は、あらか
じめ飼料へ規定量の酵母分解組成物を配合して、例えば
ペレット状などに成型乾燥したものを通常の給餌作業と
同様に行えばよい。投与の期間は、1日から飼育期間全
体を通じて可能であり、間歇投与は必要でない。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
ス属に属するパン酵母(商品名「カネカレッドイース
ト」鐘淵化学工業(株)社製)300kg(乾燥菌体重量
として100kg)を水700Lに懸濁して90℃で6
0分の加熱処理を行って、菌体内の酵素を失活させた。
50℃に冷却後、NaOHでPHを6.3に調整し、プ
ロテアーゼ(商品名「プロチンAY−10」大和化成
(株)製)を酵母乾燥菌体重量に対し0.5%、細胞壁溶
解酵素(商品名「ツニカーゼFn」大和化成(株)製)を
酵母乾燥菌体重量に対し0.5%添加し、50℃で24
時間攪拌しながら反応させた。その後、95℃で30分
間加熱して酵素を失活させ、濃縮後、スプレー乾燥し、
酵母分解組成物の試料1を得た。得られた組成物の重量
は、95kgであった。このとき、使用した酵素剤のグ
ルカナーゼ活性総量は、原料酵母乾燥重量1gあたり2
2.0unitであった。また、試料1中の水不溶性成
分は33重量%(乾燥重量)であった。
量を、以下に示す方法で測定した。すなわち、アミラー
ゼで、試料中の炭水化物を可溶化し、80%エタノール
で多糖類を沈澱させ、水溶性の単糖、オリゴ糖を分離除
去した後、得られた沈澱を塩酸で加水分解しグルコース
を比色法で定量した。定量されたグルコース量の90%
をβ−グルカン量とした。試料1の水不溶性成分の比
率、β−グルカン量の測定結果を表1に示す。また、β
−1,3/1,6−グルカンを主成分とする市販の免疫
賦活剤(商品名「マクロガード」BIOTEC−MAC
KZYMAL社(ノルウェー)製)についての水不溶性
成分及びβ−グルカン量の測定結果を表1に併せて示
す。
対照区として小麦粉・魚粉を主体とした飼料を設定し
た。試験区としては、上記試料1を0.1重量%添加し
て試験飼料を調製した(試料1)。また、比較例として
比較1では従来から免疫賦活剤として使用されている宮
入菌体末(商品名「ミヤリサン」日本化薬(株)製)を
試料1と同じく0.1重量%添加した。比較2ではβ−
1,3/1,6−グルカンを主成分とする免疫賦活剤
(商品名「マクロガード」BIOTEC−MACKZY
MAL社(ノルウェー)製)を0.05重量%添加し
た。
を次のように実施した。すなわち、飼育試験は1月中旬
から4月中旬までの90日間とした。供試魚は平均魚体
重約1.0kgのブリ当歳魚を用い、2トン円形水槽に
各区25尾ずつ収容した。給餌は1日1回飽食量を週6
日給餌した(試料1は、1日に魚体重1kgあたり0.
01g)。飼育期間中の平均水温は17.2±0.9
(最低水温16.0℃、最高水温19.4℃)℃であっ
た。
間後及び12週間後に各区より5尾をサンプリングし、
心臓から採血して個体別に血漿リゾチーム活性、白血球
の貪食能(貪食率および貪食指数)の測定を行い、免疫
賦活効果を調べた。なお、血漿リゾチーム活性、白血球
の貪食能の測定は次の手順にて行った。
(Matsuyama, H. Remy E. P. Mangindaan and T. Yano:
Protective effect of schizophyllan and sclerogluc
an against Streptococcus sp. Infection in yellowta
il(Seriola quinqueradiata).Aquaculture, 101, 197-2
03 (1992).)を改良して行った。簡単に述べると、96
穴マイクロプレートに0.066Mリン酸緩衝液(PH
=6.2)に懸濁させたMicrococcus lysodeikticussと
分離した血漿を加え、マイクロプレートリーダーを用い
て波長450nmにおける吸光度を測定した。リゾチー
ム活性は、下式(1)に示すように、1分間に吸光度が
0.001減少する状態を1unitとして表した。
に用いた血液と同じものを使用した。採取した血液をあ
らかじめガラス遠心管に準備したHISTOPAQUE
−1077(Sigma社製)に重層し、400G、3
0分遠心し、形成された白濁層を取り出した後、洗浄し
て実験に供した。
測定した。即ち、分離した白血球をチェンバースライド
に1ウェル当たりの細胞が1×106個となるように添
加し、2時間、20℃で培養した。培養後、残った細胞
懸濁液を除去し、洗浄した後、オプソニン化したラテッ
クスビーズを添加して、2時間、20℃で培養した。ラ
テックスビーズ懸濁液を除去し、洗浄した後、定法に従
いメイ・グリュンワルド・ギザム(May-Grunwald Giems
a)染色を施して光学顕微鏡で観察した。貪食率及び貪
食指数は以下の式(2)、(3)を用いて算出した。
チーム活性の測定結果を図1に、白血球の貪食率の測定
結果を図2に、さらに白血球の貪食指数を図3にそれぞ
れ示す。
分を含む試料1の酵母分解組成物を投与した場合は、従
来のβ−グルカンを多く含む酵母由来組成物(比較2)
以上の免疫賦活効果を有することが確認できる。
ゼ(商品名「YL−NL」天野製薬(株)製)酵母乾燥重
量当り0.2%、及びプロテアーゼ(商品名「プロチン
AY−10」大和化成(株)製)酵母乾燥重量当り0.5
%とした以外は、実施例1と同様に酵素剤処理により酵
母の分解反応を行った。酵素剤処理後、遠心分離して水
溶性成分を一部除去し、残りの部分を乾燥させ、酵母分
解組成物の試料2を得た。得られた組成物の重量は、4
5kgであった。試料2中の水不溶性成分の含有量は6
3重量%であった。なお、試料2中のβ−グルカン量
は、16.5重量%であった。また、このとき、使用し
た酵素剤のグルカナーゼ活性総量は、酵母乾燥重量1g
あたり1.1unitであった。
対照区として小麦粉・魚粉を主体とした飼料を設定し
た。試験区としては、上記試料2の添加率を0.1重量
%、0.5重量%、1.0重量%と変え、それに対応し
て試料中のその他成分(色素、強肝剤、賦形剤など)の
うち賦形剤の量を調整して全部で100重量%となるよ
うにして、試験飼料を調製した。
を次のように実施した。すなわち、飼育期間は10月中
旬から11月中旬までの36日間とした。供試魚は平均
魚体重約420gのブリ当歳魚を用い、1.5トン楕円
形FRP水槽に各区25〜27尾収容した。給餌は1日
1回飽食量を週6日間給与した(試料2は、1日に魚体
重1kgあたり0.02g、0.10g又は0.21
g)。飼育期間中の平均水温は23.5±0.7℃であ
った。
後に各区より5尾をサンプリングし、心臓から採血して
個体別に血漿リゾチーム活性、白血球の貪食能(貪食率
および貪食指数)の測定を行い、免疫賦活効果を調べ
た。飼育試験開始時における血漿リゾチーム活性、飼育
開始2週間後における血漿リゾチーム活性、白血球の貪
食率および貪食指数、さらに飼育開始4週間後における
それらの測定値を表4に示した。なお、各免疫能の測定
方法は実施例1に準じて行った。
ゼ活性の酵素剤で分解した、水溶性成分と不溶性成分と
を含む酵母分解組成物は、顕著な免疫賦活効果があるこ
とが分かる。
離工程を経ずに濃縮して、乾燥する以外は、実施例2と
同様な方法で処理をして、酵母分解組成物の試料3を得
た。得られた試料3の重量は96kgで、また水不溶性
成分の比率は31重量%、β−グルカンの含有量は9.
4重量%であった。
試料1及び上記酵母分解組成物の試料3を用いて免疫賦
活効果の確認試験を実施した。試験飼料は、市販のブリ
稚魚用飼料(商品名「ハマチEP30」日本配合飼料
(株)製)を対照とし、試料1および試料3をそれぞれ
飼料重量に対して0.5%を水に懸濁させて対照飼料に
混合攪拌し、充分に吸着させた。
魚を用い、1.5トン円形水槽に各区400尾ずつ収容
して6月下旬から7月上旬までの14日間飼育した。魚
への給餌は、1日1回飽食量を週7日間給与した(試料
1、試料3の摂取量は、いずれも魚体重1kgあたり
0.15gであった)。飼育期間中の水温は平均26.
0±0.6℃であった。
サンプリングし、心臓から採血し、実施例1と同様にし
て個体別に血漿リゾチーム活性を測定し、免疫賦活効果
を比較確認した。その結果を表5に示す。
成分を含む酵母分解組成物が、免疫賦活効果があり、さ
らにグルカナーゼ活性総量が乾燥酵母1gあたり20u
nitを超える酵素剤を用いた処理により調製した試料
1に比べて、グルカナーゼ活性総量が乾燥酵母1gあた
り20unit以下の酵素剤を用いた処理により調製し
た試料3の酵母分解組成物は、さらに免疫賦活効果が強
いことが確認できた。
理後、遠心分離して上澄の部分を濃縮後、乾燥させた、
水不溶性成分を含まない酵母分解成分を比較例3として
調製した。
サンプルとして上記比較例3、使用した酵素剤のグルカ
ナーゼ活性総量が酵母乾燥重量1gあたり20unit
を超えた条件で調製された水溶性成分と水不溶性成分と
を含む酵母分解組成物である試料1、使用した酵素剤の
グルカナーゼ活性総量が酵母乾燥重量1gあたり20u
nit以下の条件で調製された水溶性成分及び水不溶性
成分を含む酵母分解組成物である試料3の3種類の酵母
分解組成物サンプルを用いて免疫賦活効果の確認試験を
実施した。
名「ハマチEP120」日本配合飼料(株)製)を用い
た。この飼料に対して外割りで各サンプル0.5%重量
分を少量の水で懸濁して吸着させ、各試験区の飼料を調
製した。
当歳魚を用い、2トン円形水槽に各区70尾ずつ収容し
て、9月下旬から10月下旬まで36日間飼育した。魚
への給餌量は、1日1回、試験開始時の魚体重に対して
2.5%の重量とした(1日に魚体重1kgあたり各サ
ンプル0.125g)。飼育期間中の水温は平均25.
1±0.7℃であった。
リゾチーム活性、白血球の貪食率、白血球の貪食指数を
実施例1と同様にして測定した。その結果を表6及び図
4、図5、図6に示す。
分を含まない比較例3に比べ、試料1及び試料3は免疫
賦活効果が高く、また試料1より試料3がさらに免疫賦
活効果が高いことが分かる。
成分と水不溶性成分とを含む組成物、さらには、前記水
溶性成分と水不溶性成分の比率を調整した組成物を魚介
類に投与することにより、魚介類の免疫活性を向上させ
ることができ、魚介類の養殖の生産性向上と、安全な生
産物の提供、さらに環境の汚染を削減することが可能と
なる。
Claims (8)
- 【請求項1】 酵母を自己消化法及び/又は蛋白質分解
酵素を含む酵素剤処理により分解した後、分離工程を経
ることなく得られる、水溶性成分及び水不溶性成分を含
む酵母分解組成物を投与することを特徴とする魚介類の
飼育方法。 - 【請求項2】 酵母を蛋白質分解酵素を含む酵素剤処理
により分解した後、水溶性成分を分離せず又は水溶性成
分を分離除去することによって得られる、水溶性成分と
水不溶性成分との比率が乾燥重量で30:70から8
0:20の範囲である酵母分解組成物を投与することを
特徴とする魚介類の飼育方法。 - 【請求項3】 酵素剤処理に用いる酵素剤のグルカナー
ゼ活性総量が原料酵母乾燥重量1gあたり20unit
以下である、請求項1又は2に記載の魚介類の飼育方
法。 - 【請求項4】 酵母分解組成物の投与量が、魚介体重1
kgあたり0.01〜1.0g/日であることを特徴と
する請求項1、2又は3に記載の魚介類の飼育方法。 - 【請求項5】 魚介類が魚類である請求項1〜4のいず
れかに記載の魚介類の飼育方法。 - 【請求項6】 酵母を自己消化法及び/又は蛋白質分解
酵素を含む酵素剤処理により分解した後、分離工程を経
ることなく得られる、水溶性成分及び水不溶性成分を含
む酵母分解組成物を添加してなることを特徴とする魚介
類の飼育に用いる飼料。 - 【請求項7】 酵母を蛋白質分解酵素を含む酵素剤処理
により分解した後、水溶性成分を分離せず又は水溶性成
分を分離除去することによって得られる、水溶性成分と
水不溶性成分との比率が乾燥重量で30:70から8
0:20の範囲である酵母分解組成物を添加してなるこ
とを特徴とする魚介類の飼育に用いる飼料。 - 【請求項8】 酵素剤処理に用いる酵素剤のグルカナー
ゼ活性総量が原料酵母乾燥重量1gあたり20unit
以下である、請求項6又は7に記載の魚介類の飼育に用
いる飼料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001375250A JP4032726B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 魚介類の飼育方法及び飼料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001375250A JP4032726B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 魚介類の飼育方法及び飼料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003169607A true JP2003169607A (ja) | 2003-06-17 |
JP4032726B2 JP4032726B2 (ja) | 2008-01-16 |
Family
ID=19183657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001375250A Expired - Fee Related JP4032726B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 魚介類の飼育方法及び飼料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4032726B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017511122A (ja) * | 2014-03-21 | 2017-04-20 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | ラミナリペンタオース生成ベータ−1,3−グルカナーゼで酵母細胞壁を処理する方法 |
WO2020075424A1 (ja) | 2018-10-09 | 2020-04-16 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 免疫賦活剤及び感染予防方法 |
JP2022070691A (ja) * | 2020-10-27 | 2022-05-13 | 獣医医療開発株式会社 | 魚類用嗜好性改良剤、魚類用薬剤組成物および魚類用薬用飼料 |
-
2001
- 2001-12-10 JP JP2001375250A patent/JP4032726B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017511122A (ja) * | 2014-03-21 | 2017-04-20 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | ラミナリペンタオース生成ベータ−1,3−グルカナーゼで酵母細胞壁を処理する方法 |
WO2020075424A1 (ja) | 2018-10-09 | 2020-04-16 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 免疫賦活剤及び感染予防方法 |
JP2022070691A (ja) * | 2020-10-27 | 2022-05-13 | 獣医医療開発株式会社 | 魚類用嗜好性改良剤、魚類用薬剤組成物および魚類用薬用飼料 |
JP7471648B2 (ja) | 2020-10-27 | 2024-04-22 | 獣医医療開発株式会社 | 魚類用薬剤組成物および魚類用薬用飼料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4032726B2 (ja) | 2008-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Tao et al. | Yeast extract: characteristics, production, applications and future perspectives | |
US9320291B2 (en) | Production of a saccharide composition comprising glucans and mannans by alkaline and acid hydrolysis of yeast cells | |
TWI652992B (zh) | 酵母來源之調味料、酵母蛋白質組成物之製造方法、及酵母來源之調味料之製造方法 | |
KR101467903B1 (ko) | 흑미의 담자균류균사 발효 및 생물전환공정을 통해 생산된 면역증강제 | |
CN1192247A (zh) | 通过在一定的pH,温度和时间条件下使细胞自体溶解生产β-葡聚糖-甘露聚糖制剂 | |
Maftuch et al. | Improvement of innate immune responses and defense activity in tiger shrimp (Penaeus monodon Fab.) by intramuscular administration of the outer membrane protein Vibrio alginolyticus | |
EP3865138A1 (en) | Immunostimulator and method for preventing infection | |
JP4052534B2 (ja) | 魚介類用薬剤及び飼料 | |
WO2008032134A1 (es) | Proceso para la obtencion de glucan de levadura por autolisis de celulas de levadura saccharomyces cerevisiae de panaderia | |
JP3428356B2 (ja) | 生理活性物質及びその製造方法 | |
JP4032726B2 (ja) | 魚介類の飼育方法及び飼料 | |
JP4499979B2 (ja) | 病原菌感染抑制用組成物 | |
TW201823468A (zh) | 動物用免疫賦活劑的製造方法、動物用免疫賦活劑及動物用飼料 | |
JP2001269163A (ja) | アガリクス菌糸体粉末、アガリクス菌糸体β―D―グルカン類含有粉末、及びこれらの製造方法 | |
JP2824185B2 (ja) | 魚類免疫賦活剤 | |
JP4698796B2 (ja) | 免疫賦活剤 | |
WO2022244580A1 (ja) | 免疫賦活剤及びグルカン組成物の製造方法 | |
JP4422404B2 (ja) | 感染予防・治療剤および食品 | |
WO2021230252A1 (ja) | 魚介類の免疫を賦活させる組成物及びその方法 | |
JPH1171297A (ja) | 癌細胞アポトーシス誘導能増強剤及び癌細胞アポトーシス誘導性組成物 | |
JPH10229831A (ja) | 甲殻類の免疫賦活方法及び飼料添加剤 | |
JPH06263649A (ja) | 免疫賦活剤 | |
Shekarchi et al. | The effects of dietary administration with chemical treated Saccharomyces cerevisiae strain YG3-1 on the growth of aquatic invertebrates in Artemia | |
CN114651913A (zh) | 一种用于水产动物含合益素的饲料添加物 | |
CN118303634A (zh) | 具有增强免疫力功能的后生元及其制备方法和应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061024 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070403 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071002 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071015 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4032726 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |