JP2003167456A - 画像定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

画像定着装置及び画像形成装置

Info

Publication number
JP2003167456A
JP2003167456A JP2002075559A JP2002075559A JP2003167456A JP 2003167456 A JP2003167456 A JP 2003167456A JP 2002075559 A JP2002075559 A JP 2002075559A JP 2002075559 A JP2002075559 A JP 2002075559A JP 2003167456 A JP2003167456 A JP 2003167456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
solvent
roller
carrier
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002075559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4159300B2 (ja
Inventor
Tsutomu Sasaki
努 佐々木
Masahiko Itaya
正彦 板谷
Tsuneo Kurotori
恒夫 黒鳥
Hidemune Otake
英宗 大嶽
Tsutomu Teraoka
努 寺岡
Yoshie Yoshino
美枝 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002075559A priority Critical patent/JP4159300B2/ja
Publication of JP2003167456A publication Critical patent/JP2003167456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4159300B2 publication Critical patent/JP4159300B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Liquid Developers In Electrophotography (AREA)
  • Wet Developing In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不揮発性溶媒を用いた液体現像剤からなるト
ナー像を記録媒体上に定着させる際に、十分な定着を確
保すると共に、従来の画像定着装置に比して高速定着を
可能とすることができる画像定着装置、及び画像形成装
置を提供する。 【解決手段】 未定着画像を転写した転写紙Pはプレ加
熱部310で加熱され、キャリアが未定着画像の表面に
析出してくる。キャリア除去部330で析出キャリアが
ブロッタローラ331側に転移して除去される。更に加
熱定着部350で、加熱及び加圧によって画像が定着さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、ファク
シミリ、プリンター等の画像形成装置に用いる画像定着
装置及びこの画像定着装置を有する画像形成装置に係
る。詳しくは、溶媒に着色微粒子を分散させた液体現像
剤で記録媒体上に形成した画像を加熱定着する画像定着
装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、現像剤には乾式現像剤と湿式現像
剤があり、現像剤で記録媒体上に形成した未定着画像を
定着するための画像定着装置も現像剤の種類によって種
々提案されていた。乾式現像剤によって記録媒体上に形
成した未定着画像を定着する方法としては、多量の熱を
与えかつ大きい圧力を加えることで、画像を定着させる
と同時にカラー画像の発色性を高めるものが知られてい
る。これに対して、湿式現像剤によって形成した未定着
画像を定着する場合は、一般的に画像定着時に大きな圧
力を加えることなく、加熱を主体として発色性を向上さ
せつつ画像の定着を図ることができることが知られてい
る。
【0003】上記湿式現像剤は、溶媒中にトナーを分散
させたものであるが、これにも溶媒が揮発性のもの(以
下、揮発性溶媒という)と、不揮発性のも(以下、不揮
発性溶媒という)とがある。このうち、不揮発性溶媒を
用いた湿式現像剤は、定着時の加熱で溶媒が揮発しない
ため、不揮発性溶媒を用いた湿式現像剤に比して環境に
配慮したものということができる。このため、近年揮発
性溶媒に代わって不揮発性溶媒の開発、及びその適用が
図られている。
【0004】ところで、不揮発性溶媒を用いた湿式現像
剤は、画像定着時に溶媒が揮発しないことから、定着時
の溶媒の存在が定着性に大きく影響する。即ち、トナー
像を加熱定着する方法において、記録媒体上に湿式現像
したトナー画像を形成するトナーが、加熱によって軟化
あるいは溶融状態となる。そして、トナーと記録媒体と
の間に不揮発性溶媒が入り込んでトナーと記録媒体との
結合を妨げる場合がある。このため、画像定着時には、
記録媒体上に残存する不揮発性溶媒を記録媒体中に吸収
させるか、或いは記録媒体の画像面側から溶媒を除去す
るかのどちらかを行う必要がある。
【0005】また、トナー像中の溶媒残存率が高ければ
高いほど、トナー像中の熱容量が大きくなるため、加熱
定着にかかる時間も長くなってしまう。
【0006】そして、先に、本出願人は特開平2−71
286号公報において、トナー像中の溶媒を除去するこ
とができる定着装置を提案した。この定着装置は、トナ
ー像の加熱定着を行う前に、記録媒体上の未定着トナー
中に占める溶媒残存率を低減させるためにブロッタロー
ラを記録媒体に当接させるようにしたものである。この
定着装置によれば、ブロッタローラによって溶媒を除去
し未定着トナーに占める溶媒残存率を約50[%]程度ま
で低減させ、溶媒吸収率の低いOHP用フィルム等の記
録媒体にも良好に定着を行うことができというものであ
る。
【0007】ところで、上述したように不揮発性溶媒を
用いた液体現像剤で形成した画像を記録媒体に加熱定着
する場合、画像を形成している現像剤中に含有されてい
る溶媒が定着性を低下させることが分かっている。それ
は、記録媒体に画像を加熱定着する際、溶媒がトナーと
記録媒体との間に入り込んで、トナーと記録媒体との結
合を妨げるためである。従って、十分な定着性を得るた
めには現像剤中に含まれている溶媒を定着前に十分に除
去しておくことが求められる。
【0008】従来、画像の定着性を高めるために定着前
に溶媒を除去するものとしては、上記の特開平2−71
286号公報、特開2000−92290号公報のよう
な記録媒体上の未定着画像から溶媒を除去する構成以外
にも、種々提案されている。例えば、特開2001−3
05887号公報は、潜像担持体と記録媒体との間に中
間転写体を設け、中間転写体上に潜像一次的に担持させ
た画像から、余剰なオイル即ち溶媒を除去する構成を採
用したものである。また、特開2000−250319
号公報は、潜像担持体上に現像された画像担持搬送中の
潜像担持体表面に導電性部材を接触配置している。これ
によって、プリウェット液及び画像中の溶媒を潜像担持
体表面で除去するように構成したものである。
【0009】上記、特開2001−305887号公報
や特開2000−250319号公報に示されるよう
に、定着性を高めるために行う溶媒除去は、記録媒体上
のみならず中間転写体や潜像担持体上でも行うことが知
られている。
【0010】また、先に本出願人は特開2001−92
290号において、湿式現像剤の溶媒を定着時に除去で
きるようにした画像定着装置を提案した。この公報によ
れば、記録媒体上の未定着トナー像に電界を印加するこ
とでトナー像内のトナー固形分を記録媒体表面に電気的
に付勢し、これによりトナー像の表面に非加熱で溶媒を
分離し、回収する方法と装置が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2−712
86号公報で提案されている定着装置においては、溶媒
が揮発性であり、その粘性が1Cstと低いものを用い
ていた。このため、未定着トナーに占める溶媒残存率が
約50[%]程度あっても良好に定着を行うことができ
た。しかしながら、これを不揮発性溶媒を用いた液体現
像剤で形成したトナー像に適用すると、溶媒が多く残存
するため、トナーと記録媒体との結合が妨げられて定着
性が不十分となってしまう。また、加熱定着にかかる時
間の短縮の効果も少ない。
【0012】また、上記特開2001−92290号で
提案されている画像定着装置においては、電圧を印加す
るための部材として導電性の電界ローラを用い、この電
界ローラ表面にキャリアを付着させて除去する構成であ
った。このため、電界を印加してトナー像上にあるキャ
リアを除去する際に、トナー層上に残留するキャリアと
電界ローラに付着するキャリアとがそれぞれ約50[%]
づつに分かれ、液回収の効率が充分なものではなかっ
た。従って、キャリアの回収率を上げるためには電界ロ
ーラを複数配設しなければならない。このため、ローラ
の数が多くなるのに加えそれぞれのローラを所定ギャッ
プで配置する必要が生じるため装置が複雑化したり、使
用する転写紙の厚みを曲率などの点から制限しなければ
ならなかったりする。更に、各ローラの信頼性の確保と
長寿命化の観点からクリーニング装置までも設ける必要
が発生するなど種々の新たな問題が発生するため、新た
な装置の開発が望まれるところである。
【0013】そして、本発明者は上記特開2001−9
2290号のように非加熱で溶媒を分離する方法以外
に、加熱することで未定着のトナー像から溶媒を分離で
きることを本発明者は見出した。
【0014】本発明は、以上の背景に鑑みなされたもの
であり、その第1の目的とするところは、十分な定着を
確保すると共に、従来の画像定着装置に比して高速定着
を可能とすることができる画像定着装置、及び画像形成
装置を提供することである。
【0015】ところで、上記特開2001−30588
7号公報や特開2000−250319号公報の構成に
おいては、溶媒除去を中間転写体又は潜像担持体上の一
方で行うよう構成されている。従って、溶媒の除去程度
には限界があると考えられる。そして、本発明者らは、
溶媒除去が可能なタイミングを広範囲で捉え、結果的に
定着前に溶媒が十分除去された状態となれば良いことに
気づいた。また、加熱定着を行う場合に限らず、加圧定
着、溶剤定着等他の方法で定着を行う場合でも定着前に
溶媒が十分除去された状態となれば定着性が良好にな
る。
【0016】上記背景より、本発明の第2の目的とする
ところは、画像の定着に先立って画像中の不揮発性溶媒
を十分に除去し、画像の定着性を向上させることができ
る画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の画像定着装置は、一部もしくは全てが不
揮発性である溶媒中にトナーを分散させてなる液体現像
剤を用いて形成された記録媒体上の未定着画像を加熱定
着する画像定着装置であって、上記記録媒体上の未定着
画像を形成する液体現像剤中の溶媒を加熱により該画像
の表面に析出させる溶媒析出手段と、該溶媒析出手段に
より析出せしめられた被析出溶媒を該画像表面から除去
する溶媒除去手段とを有することを特徴とするものであ
る。ここで、記録媒体が比較的表面性の粗い一般的なコ
ピー用紙等溶媒を浸透させやすい材質のものからなる場
合は、加熱によって粘性が低下した溶媒は記録媒体中に
浸透するため、そのまま画像定着を行ってもある程度は
定着性が得られる。とはいうものの、トナー像内には依
然として少量の溶媒が残存しているため、完全な定着性
を得られるものではななかった。また、溶媒を浸透させ
にくい材質の記録媒体、例えば、OHPなどの(PE
T)フィルムや表面加工されたコート紙、アート紙等溶
媒が記録媒体中に浸透しにくくトナー像内部にかなりの
量が残存するものでは、定着性は非常に不十分であっ
た。請求項2の画像定着装置においては、請求項1の画
像定着装置において、上記溶媒除去手段による溶媒除去
後の未定着画像を上記記録媒体上に加熱定着する加熱定
着手段を有することを特徴とするものである。請求項3
の画像定着装置においては、請求項1又は2の画像定着
装置において、上記溶媒除去手段を、上記溶媒析出手段
により析出せしめられた被析出溶媒に表面を当接させて
なる除去ローラと、上記記録媒体の画像担持面を該除去
ローラ側に押圧する押圧手段とから構成し、該被析出溶
媒を該画像表面から該除去ローラ側に転移させて除去す
ることを特徴とするものである。請求項4の画像定着装
置においては、請求項1又は2の画像定着装置におい
て、上記溶媒除去手段を、上記溶媒析出手段により析出
せしめられた被析出溶媒に表面を当接させ、かつ無端移
動する除去ベルトと、上記記録媒体の画像担持面を該除
去ベルト表面に押圧する押圧手段とから構成し、該被析
出溶媒を該画像表面から該除去ベルト側に転移させて除
去することを特徴とするものである。請求項5の画像定
着装置においては、請求項3又は4の画像定着装置にお
いて、上記除去ローラ又は上記除去ベルト側に転移した
上記被析出溶媒を、該除去ローラ又は該除去ベルトから
除去し回収する溶媒回収手段を設けたことを特徴とする
ものである。請求項6の画像定着装置においては、請求
項5の画像定着装置において、上記溶媒回収手段が、上
記除去ローラ又は上記除去ベルトの重力方向下部で上記
被析出溶媒を回収する下部回収手段を有することを特徴
とするものである。請求項7の画像定着装置において
は、請求項1又は2の画像定着装置において、上記溶媒
除去手段を、ウェブの一端を巻回した状態で供給軸によ
り支持し、その他端を巻取り軸により巻き取ることで該
ウェブを表面移動させ、これら軸間のウェブ部分を上記
溶媒析出手段により析出せしめられた被析出溶媒に当接
させることによって構成し、該被析出溶媒を該画像表面
から該ウェブ側に転移させて除去することを特徴とする
ものである。請求項8の画像定着装置においては、請求
項7の画像定着装置において、上記ウェブの巻き取り方
向を、上記記録媒体表面移動方向と同方向としたことを
特徴とするものである。請求項9の画像定着装置におい
ては、請求項3,4,5,6,7,又は8の画像定着装
置において、上記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブ
を、不織布等のような多孔質材料、又はシリコンゴムな
どのような溶媒に対して吸収・膨潤性のある弾性体材料
を用いて構成したことを特徴とするものである。請求項
10の画像定着装置においては、請求項3,4,5,
6,7,8,又は9の画像定着装置において、上記除去
ローラ、除去ベルト、又はウェブを、少なくとも表面が
金属材料,又は上記溶媒に対して吸収・膨潤性のない樹
脂材料から構成したことを特徴とするものである。請求
項11の画像定着装置においては、請求項3,4,5,
6,7,8,9,又は10の画像定着装置において、上
記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを複数設けたこ
とを特徴とするものである。請求項12の画像定着装置
においては、請求項3,4,5,6,7,8,9,1
0,又は11の画像定着装置において、上記画像担持面
を上記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブ表面に押圧
する押圧手段として、上記記録媒体の画像担持面の裏面
から該記録媒体を上記除去ローラ、除去ベルト、又はウ
ェブに押圧するバックアップローラを設け、該除去ロー
ラ、除去ベルト、又はウェブの該記録媒体への当接面
と、該バックアップローラの該記録媒体裏面への当接面
とを、該記録媒体搬送方向に略同一線速で移動させるこ
とを特徴とするものである。請求項13の画像定着装置
においては、請求項2,3,4,5,6,7,8,9,
10,11,又は12の画像定着装置において、上記溶
媒析出手段における溶媒析出位置と、上記溶媒除去手段
における溶媒除去位置と、上記加熱定着手段における加
熱定着位置とにおける、上記記録媒体搬送速度を全て同
一速度としたことを特徴とするものである。請求項14
の画像定着装置においては、請求項1,2,3,4,
5,6,7,8,9,10,11,12,又は13の画
像定着装置において、上記未定着画像を上記記録媒体上
に加熱定着する加熱定着手段を設け、上記溶媒析出手段
による溶媒析出位置と、上記溶媒除去手段による溶媒除
去位置と、上記加熱定着手段による加熱定着位置との全
てを、該記録媒体を直線的に搬送する搬送経路上に設け
たことを特徴とするものである。請求項15の画像定着
装置においては、請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,又は14の画像定着
装置において、上記溶媒析出手段が、上記記録媒体の画
像形成面に当接して配設される接触加熱部材であって、
該接触加熱部材表面に該表面の摩擦係数を低下させるた
めの表面摩擦係数低下処理を施したことを特徴とするも
のである。請求項16の画像定着装置においては、請求
項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,
12,13,又は14の画像定着装置において、上記溶
媒析出手段における上記記録媒体上の未定着画像を加熱
するための加熱手段を、該記録媒体の画像形成面から離
間して配設される非接触加熱手段から構成したことを特
徴とするものである。請求項17の画像定着装置におい
ては、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,又は15の画像定着装置
において、上記未定着画像を上記記録媒体上に加熱定着
する加熱定着手段と、加熱手段を有する1つのメインロ
ーラとを設け、上記溶媒析出手段と、上記溶媒除去手段
と、該加熱定着手段とを、該メインローラと該メインロ
ーラに対向して設けられた互いに異なる対向部材によっ
てそれぞれ構成したことを特徴とするものである。請求
項18の画像定着装置においては、請求項1,2,3,
4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,1
4,15,16,又は17の画像定着装置において、上
記溶媒析出手段による加熱と上記溶媒除去手段による被
析出溶媒の除去との2つの工程を行う対象としての画
像、又は該2つの工程に加えて上記加熱定着手段による
未定着画像の加熱定着を行う3つの工程を行う対象とし
ての画像が、上記記録媒体の両面に形成されていること
を特徴とするものである。請求項19の画像定着装置に
おいては、請求項18の画像定着装置において、上記除
去ローラ、除去ベルト、又はウェブを、上記記録媒体両
面から該記録媒体を挟むように配設し、かつ、該除去ロ
ーラ、除去ベルト、又はウェブの該記録媒体表面への当
接面を、略同一線速で該記録媒体搬送方向に移動させる
ことを特徴とするものである。請求項20の画像定着装
置においては、請求項18,又は19の画像定着装置に
おいて、上記溶媒析出手段による溶媒析出位置と、上記
溶媒除去手段による溶媒除去位置と、上記加熱定着手段
による加熱定着位置とを、それぞれ上記記録媒体の両面
で該記録媒体の搬送経路における同一個所に設定したこ
とを特徴とするものである。請求項21の画像定着装置
においては、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,
9,10,11,12,13,14,15,16,1
7,18,19,又は20の画像定着装置において、上
記記録媒体の種類に応じて上記溶媒除去手段による上記
溶媒除去の程度を切り替える溶媒除去程度切り替え手段
を設けたことを特徴とするものである。請求項1乃至2
1の画像定着装置においては、溶媒析出手段によって、
記録媒体上の未定着画像を加熱し液体現像剤中の溶媒を
トナー像の上層に分離析出させる。図21(a)は、記
録媒体としての転写紙Pの上面に未定着の画像を担持さ
せたときの断面図、(b)は、(a)の転写紙Pを下部
から加熱したときの未定着画像を構成する液体現像剤の
状態を示した断面図である。図21(b)に示すよう
に、転写紙Pを加熱すると、液体現像剤がトナーと溶媒
としてのキャリアとに分離し、キャリア液はトナー固形
分のトナー層の上層に浮き上がると共に、一部は転写紙
に浸透する。これは、転写紙上の未定着トナー像を加熱
した際に、加熱によりトナー内の樹脂が溶解してフイル
ム状になり、トナー層内のキャリア液が分離析出するた
めに生じる現象と考えられる。この現象は、記録媒体が
溶媒を浸透させにくい材質の場合において顕著である。
そして、析出せしめられた被析出溶媒を溶媒除去手段で
画像表面から除去し、画像中で加熱定着に支障を来たす
要因となっている不揮発性溶媒を除去する。これによ
り、不揮発性溶媒を効率よく除去する。請求項22の画
像形成装置は、記録媒体上に、液体現像剤を用いて未定
着画像を形成する画像形成手段と、該未定着画像を該記
録媒体上に加熱定着する画像定着手段とを有し、該液体
現像剤として、一部もしくは全てが不揮発性である溶媒
中にトナーを分散させてなる液体現像剤を用いた画像形
成装置において、請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,20,又は21の画像定着装置を用
いたことを特徴とするものである。請求項22の画像形
成装置においては、一部もしくは全てが不揮発性である
溶媒中にトナーを分散させてなる液体現像剤によって記
録媒体上に形成した未定着画像を、十分な定着を確保で
き高速定着が可能となる画像定着装置で定着させる。
【0018】上記第2の目的を達成するために、請求項
23の画像形成装置は、表面に潜像を担持する像担持体
と、該像担持体上の潜像を現像ニップで可視像化する現
像装置と、該像担持体上の可視像を記録媒体と対向する
記録媒体転写ニップで該記録媒体上に転写する転写装
置、又は、該転写装置に代えて、該像担持体上の可視像
を中間転写体と対向する中間転写ニップで該中間転写体
上に1次転写する1次転写装置と、該中間転写体上に1
次転写した1次転写像を該中間転写体と対向する2次転
写ニップで該記録媒体上に2次転写する2次転写装置と
からなる2段階の転写装置と、該記録媒体上の未定着画
像を定着ニップで定着する画像定着手段とを有し、上記
現像剤として、一部もしくは全てが不揮発性である溶媒
中にトナーを分散させてなる液体現像剤を用いる画像形
成装置において、上記可視像を形成する現像剤からの溶
媒除去を、上記現像ニップと上記記録媒体転写ニップと
の間、及び上記記録媒体転写ニップと上記定着ニップと
の間の2箇所、又は、上記現像ニップと上記1次転写ニ
ップとの間、上記1次転写ニップと上記2次転写ニップ
との間、上記2次転写ニップと上記定着ニップとの間の
うちの2箇所以上で行うことを特徴とするものである。
但し、上記溶媒除去を行う位置として示した各範囲に
は、その両端のニップ部自体を含むものとする。また、
請求項24の画像形成装置は、請求項23の画像形成装
置において、上記定着ニップにおける現像剤中のトナー
濃度を25[%]以上としたことを特徴とするものであ
る。請求項25の画像形成装置は、請求項23又は24
の画像形成装置において、上記現像ニップと上記記録媒
体転写ニップとの間、又は上記現像ニップと上記1次転
写ニップとの間において、上記像担持体上に対向して設
けられ、現像後の可視像を形成している現像剤中の溶媒
を除去するための像担持体上除去部材と、該像担持体と
該像担持体上除去部材との間に所望の電界を生じさせる
溶媒除去電界発生手段とを設け、該所望の電界を、該像
担持体上の地肌部に付着している現像剤を該像担持体上
除去部材側に引き寄せ、かつ、該像担持体上の画像部に
付着しているトナーを該像担持体側に付着させ続ける電
界としたことを特徴とするものである。請求項26の画
像形成装置は、請求項23又は24の画像形成装置にお
いて、上記像担持体上に対向して設けられ、現像後の可
視像を形成している現像剤中の溶媒を除去するための第
1及び第2の像担持体上除去部材と、該像担持体と該第
1及び第2の像担持体上除去部材との間にそれぞれ所望
の電界を生じさせる溶媒除去電界発生手段とを設け、該
所望の電界のうちの一方を、上記像担持体上の地肌部に
付着している現像剤を該第1の像担持体上除去部材側に
引き寄せる電界とし、他方の電界を、該像担持体上の画
像部に付着したトナーを該像担持体表面に圧縮し、かつ
該画像部に付着した溶媒を該第2の像担持体上除去部材
側に付着させる程度の電界としたことを特徴とするもの
である。請求項27の画像形成装置は、請求項25又は
26の画像形成装置において、上記像担持体上除去部材
表面に付着した液体現像剤を該像担持体上除去部材表面
から除去する像担持体上除去部材クリーニング部材を設
けたことを特徴とするものである。請求項28の画像形
成装置は、請求項23又は24の画像形成装置におい
て、上記1次転写ニップと上記2次転写ニップとの間に
おいて、可視像を形成する現像剤からの溶媒除去を行う
構成であって、上記中間転写体上に対向して設けられ、
1次転写後の可視像を形成している現像剤中の溶媒を除
去するための中間転写体上除去部材と、該中間転写体と
該中間転写体上除去部材との間に所望の電界を生じさせ
る溶媒除去電界発生手段とを設け、該所望の電界を、該
中間転写体上の可視像を形成している現像剤中の溶媒を
該中間転写体上除去部材側に付着させる電界としたこと
を特徴とするものである。請求項29の画像形成装置
は、請求項28の画像形成装置において、上記1次転写
ニップと、上記中間転写体と上記中間転写体上除去部材
との対向する中間転写体上溶媒除去ニップと、上記2次
転写ニップとの3箇所にそれぞれ独立した電界を発生可
能に構成したことを特徴とするものである。請求項30
の画像形成装置は、請求項29の画像形成装置におい
て、上記中間転写体をエンドレスベルトからなる中間転
写ベルト860で構成し、上記1次転写ニップにおい
て、該中間転写ベルト860を介して上記像担持体と対
向する位置に1次転写電極を、上記中間転写体上溶媒除
去ニップにおいて、該中間転写ベルト860を介して上
記中間転写体上除去部材と対向する位置に除去電極を、
上記2次転写ニップにおいて、該中間転写ベルト860
を介して上記記録媒体と対向する位置に2次転写電極を
それぞれ設けたことを特徴とするものである。請求項3
1の画像形成装置は、請求項23又は24の画像形成装
置において、上記画像定着手段として、上記請求項1又
は2の画像定着装置を用いたことを特徴とするものであ
る。請求項32の画像形成装置は、請求項23,24,
25,26,27,28,29,30,又は31の画像
形成装置において、上記液体現像剤を構成する溶媒とし
て、引火点が250[℃]以上のものを用いたことを特徴
とするものである。請求項33の画像形成装置は、請求
項23,24,25,26,27,28,29,30,
31,又は32の画像形成装置において、上記記録媒体
転写ニップ、又は上記2次転写ニップにおいて、可視像
を形成しているトナー層の電気抵抗値を10[Ωcm]
以上としたことを特徴とするものである。請求項34の
画像形成装置は、請求項23,24,25,26,2
7,28,29,30,31,又は32の画像形成装置
において、上記液体現像剤を構成するトナーを、顔料成
分と、該顔料成分を被覆する被覆樹脂とから構成し、該
トナー同士が溶媒を介さず互いに接触したトナー粒子層
の状態のとき、絶縁性であることを特徴とするものであ
る。ここで、上記被覆樹脂としては、定着樹脂、又は定
着樹脂と分散樹脂とからなるものが一般的に知られてい
る。請求項35の画像形成装置は、請求項23,24,
25,26,27,28,29,30,31,32,3
3,又は34の画像形成装置において、上記像担持体を
アモルファスシリコン系感光体で構成したことを特徴と
するものである。請求項23乃至35の画像形成装置に
おいては、像担持体表面に潜像が可視像化された直後か
ら記録媒体上への定着を行う直前までの間に、異なる2
領域以上で溶媒除去を行う。具体的には、像担持体から
記録媒体表面に可視像を直接転写する方式の装置の場合
には、現像ニップと記録媒体転写ニップとの間、と記録
媒体転写ニップと定着ニップとの間の2領域で溶媒除去
を行う。像担持体から中間転写体上に可視像を1次転写
した後、記録媒体上に2次転写する中間転写方式の装置
の場合には、次の位置で溶媒除去を行う。それは、現像
ニップと1次転写ニップとの間、1次転写ニップと2次
転写ニップとの間、2次転写ニップと上記定着ニップと
の間のうちの2領域以上の位置である。これによって、
溶媒除去を行うごとに可視像を形成する現像剤中の溶媒
含有率を徐々に低下させる。そして、上記のいずれか1
領域で溶媒除去を行う場合に比して、不揮発性溶媒をよ
り多く除去する。また、本発明は、異なる2領域以上で
溶媒除去を行っている。これによって、1領域中に複数
の溶媒除去装置を設けようとした場合に生じるレイアウ
ト上の制約を軽減させつつ、溶媒除去の効果を得ること
が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置であ
る湿式電子写真プリンタ(以下「プリンタ」という)に
適用した実施形態1及び2について説明する。
【0020】〔実施形態1〕図1は実施形態1に係るプ
リンタの主要部の概略構成図である。このプリンタは、
画像形成手段としての4組の画像形成部1、中間転写ユ
ニット70、転写装置80、画像定着装置300、図示
しないプリント制御部、給紙部および制御部等から構成
されている。上記4組の画像形成部1は、感光体ドラム
10、現像装置40等から構成されている。画像形成部
1Yの現像装置40Yの現像剤をイエロー現像剤、画像
形成部1Mの現像装置40Mの現像剤をマゼンタ現像
剤、画像形成部1Cの現像装置40Cの現像剤をシアン
現像剤、画像形成部1Bの現像装置40Bの現像剤をブ
ラック現像剤とする。そして、各感光体ドラム10に対
してそれぞれ対応する画像露光を行うことにより、フル
カラー画像を形成することができる。これら現像剤は特
開平3-198084、特開平3-200264、特開平3-225356、特開
平3-291671、などで開示されている実施例の中でボール
ミルや3本ロールなどで混合分散するキャリア溶媒(以
下、キャリアという)を本発明にかかる溶媒としてい
る。そしてこのキャリア中に着色微粒子としてのトナー
を分散させることによって構成された液体現像剤であ
る。このキャリアは、一部もしくは全てが不揮発性であ
る。また、本実施形態にかかる液体現像剤は、トナー固
形分15〜20[%]程度で100〜1000mPa・sの高
粘度の液体現像剤(以下、現像剤という)に調整された
ものを使用した。なお、4組の画像形成部1はそれぞれ
同じ構成となっているので、ブラック現像剤を使用する
画像形成部1Bについて説明する。
【0021】上記画像形成部1Bには、潜像担持体とし
ての感光体ドラム10B、一様帯電器20B及びレーザ
光LBを照射するレーザ書込装置30、現像手段として
の湿式現像ユニット40B、除電手段としての除電装置
50Bが配設されている。更に、クリーニングブレード
を有する感光体クリーニング装置60Bも配設されてい
る。尚、上記一様帯電器20B及びレーザ書込装置30
によって潜像形成手段が構成されている。
【0022】上記湿式現像ユニット40Bは、現像剤担
持体としての現像ローラ41Bと、液体現像剤を溜める
現像タンク42Bと、現像タンク42B内の液体現像剤
に浸漬するように配設された汲み上げローラ43B等か
ら構成されている。更に、汲み上げローラ43Bから汲
み上げられた液体現像剤を薄層化して現像ローラ41B
に塗布する計量ローラ44B等も設けられている。上記
液体現像剤は絶縁性の液体である液体キャリア中に顕像
化物質であるトナー粒子が高濃度に分散された高粘度の
液体現像剤である。
【0023】上記中間転写ユニット70は、懸架ローラ
71、72、73、74、75、76、これらの懸架ロ
ーラ71、72、73、74、75、76に張架された
中間転写ベルト100等から構成されている。更に、1
次転写バイアスローラ77B、77Y、77M、77
C、及びクリーニングブレードを有するクリーニング装
置79等も有している。
【0024】上記紙転写ユニット80は、2次転写バイ
アスローラ81及び該2次転写バイアスローラ81に接
続された図示しない2次転写電源等から構成されてい
る。
【0025】次に、上記中間転写ベルト、1次転写バイ
アスローラ及び2次転写バイアスローラ等についてより
具体的に説明する。上記中間転写ベルト100は、懸架
ローラ71、72、73、74、75、76、及び感光
体ドラム10B、10Y、10M、10Cに所定の張力
を有するように張架され、矢印の反時計方向に回転可能
となっている。また、1次転写電荷付与手段として、た
とえば1次転写バイアスローラ77Bが感光体ドラム1
0Bに対向し、これら1次転写バイアスローラ77Bと
感光体ドラム10Bとの間に、中間転写ベルト100を
挟み込むような配置となっている。前記1次転写バイア
スローラ77Bは、1次転写バイアスを与える電極とも
なっており、該1次転写バイアスローラ77Bには図示
しない1次転写電源から所定の転写バイアスが印加され
る。前記懸架ローラ73に対向して、2次転写バイアス
ローラ81が配設されており、該2次転写バイアスロー
ラ81は、2次転写バイアスを与える電極ともなってい
る。該2次転写バイアスローラ81には図示しない2次
転写電源から所定の転写バイアスが印加される。
【0026】次に、本実施形態に係る湿式電子写真プリ
ンタの動作について説明する。図1に示すように、感光
体ドラム10Bを矢印方向に回転駆動しながら一様帯電
器20Bで一様帯電した後、レーザ書込装置30からの
レーザ光LBを照射して感光体ドラム10B上に静電潜
像を形成する。一方、現像タンク42Bの高粘性液体現
像剤に浸漬されている汲み上げローラ43Bに付着した
液体現像剤は計量ローラ44Bを介して現像ローラ41
B上に均一、たとえば、0.5〜20[μm]程度の厚さ
に塗布される。そして、上記感光体ドラム10Bに現像
ローラ41Bを接触させ、該感光体ドラム10Bの表面
に形成された静電潜像に液体現像剤中のトナーを電界の
力で移行させて現像し、顕像を形成する。
【0027】ついで、該顕像が形成された感光体ドラム
10Bを回転し、該感光体ドラム10Bと中間転写ベル
ト100とが当接する1次転写部分に移動する。そし
て、該1次転写部分で、上記中間転写ベルト100裏面
に1次転写バイアスローラ77Bを介し、正極性トナー
の逆極性である負極性バイアス電圧、たとえば、−30
0〜−500[V]を印加し、この印加電圧によって発生
した電界で、上記感光体ドラム10B上の顕像の現像剤
を、中間転写ベルト100に引き寄せ、該中間転写ベル
ト100上に転写する(1次転写)。フルカラーの画像
形成動作では、イエロー現像剤、マゼンタ現像剤、シア
ン現像剤、ブラック現像剤の順に画像を中間転写ベルト
100に転写してフルカラーの画像を形成する。
【0028】ついで、フルカラーの画像の転写された中
間転写ベルト100を回転し、該中間転写ベルト100
と不図示の給紙部から矢印方向に搬送された記録媒体と
しての転写紙Pとが当接する2次転写部分に移動する。
この2次転写部分において、上記転写紙P裏面に2次転
写バイアスローラ81を介して、負極性のバイアス電
圧、たとえば−800〜−2000[V]を印加し、ま
た、たとえば50N/cm 程度の圧力をかける。この
印加電圧によって発生した電界と圧力とによって、中間
転写ベルト100の現像剤を転写紙Pに引き寄せ、該転
写紙Pに一括転写する(2次転写)。以上、中間転写ユ
ニット70及び転写装置80によって転写手段を構成し
ている。
【0029】この後、画像(未定着画像)が転写された
転写紙Pは、分離装置85により中間転写ベルト100
から分離され、画像定着手段としての画像定着装置30
0で加熱定着処理がなされた後に装置本体から排出され
る。一方、2次転写後の感光体ドラム10Bは、除電装
置50Bで残留電荷が除電され、その表面がクリーニン
グ装置60Bよってクリーニングされ、未転写現像剤が
回収除去され、次の作像に備える。
【0030】ところで、本実施形態に用いる現像剤のよ
うに、キャリアとして少なくとも一部が不揮性であるも
のを用いている場合、画像定着時にキャリアが揮発しな
いことから、定着時のキャリアの存在が定着性に大きく
影響する。このため、画像定着時には、転写紙P上に残
存する不揮発性キャリアを転写紙P中に吸収させるか、
或いは転写紙Pの画像担持面側からキャリアを除去する
かのどちらかを行う必要がある。
【0031】以下の実施例1及び2において、実施形態
1の特徴部である画像定着装置300を説明する。 〔実施例1〕図2は、実施例1にかかる画像定着装置3
00の説明図である。この画像定着装置300は、転写
紙P搬送方向の上流側(図中右側)から下流側(図中左
側)方向に順に、溶媒析出手段としてのプレ加熱部31
0、溶媒除去手段としてのキャリア除去部330、そし
て加熱定着手段としての加熱定着部350を有してい
る。
【0032】上記加熱定着部350は、加熱ローラ35
1と加圧ローラ352が互いに圧接するよう付設されて
いる。加熱ローラ351にはヒータが内蔵され、心金の
表面に順次所望の厚さのゴム層、耐油層(フッ化シリコ
ンゴム層)やRTVシリコンゴム層あるいはテフロン
(登録商標)の層が積層されている。一方、加圧ローラ
352はシリコンゴムにテフロン(登録商標)でコート
されている。加圧ローラ352の軸部には加圧カム35
3のカム面がバネ354の付勢力によって圧接されてお
り、これによって加圧ローラ353に所定の加圧作用が
与えられるようになっている。加熱ローラ351の周辺
にはサーミスタ355および温度ヒューズ356が配置
され、これらによって温度制御が行われる。また分離爪
357およびクリーニングパッド358が加熱ローラ3
51の表面に接触配置されている。
【0033】上記プレ加熱部310は、転写紙Pのトナ
ー像転写面と反対側にプレ加熱ローラ311が接触する
よう配置され、このプレ加熱ローラ311には加熱手段
としてのヒータが内蔵されている。トナー像担持体面側
には転写紙Pをプレ加熱ローラ311に押し付けて密着
させる2つの押圧ローラ312が配置されている。プレ
加熱ローラ311の表面には該表面に付着したトナーを
クリーニングするためのクリーニングパッド314が接
触して配置されている。また、押圧ローラ312にはク
リーニングローラ315が当接配置されている。
【0034】そして、転写紙P搬送方向におけるプレ加
熱部310と加熱定着部350との間に位置しているの
が上記キャリア除去部330である。このキャリア除去
部330は、プレ加熱部310で加熱によってトナー像
表面に析出せしめられた被析出溶媒としての析出キャリ
アを吸収して除去するための部材が設けられている。即
ち、トナー像表面に当接する除去ローラとしてのブロッ
タローラ331と、トナー像表面をブロッタローラ33
1側に押圧する押圧手段としてのバックアップローラ3
32とが設けられている。また、上記ブロッタローラ3
31は、表層部が多孔質弾性体の材料から構成されてい
る。
【0035】次に、上記構成の画像定着装置300を用
いた画像の定着動作について説明する。未定着画像が転
写された転写紙Pは、分離装置85により中間転写ベル
ト100から分離され画像定着装置300に入ると、先
ずプレ加熱部310に達する。このとき、転写紙P裏面
に当接するプレ加熱ローラ311によって転写紙P上の
未定着画像を構成している現像剤が加熱され、キャリア
が画像の表面に析出してくる。表面にキャリアが析出し
た状態で転写紙Pは次にキャリア除去部330に進入す
る。キャリア除去部330では析出キャリアがブロッタ
ローラ331側に転移する。それは、転写紙P上面の析
出キャリアにブロッタローラ331が当接し、バックア
ップローラ332で転写紙P裏面からブロッタローラ3
31側に押圧された状態で転写紙Pが通過する際に行わ
れる。これによって、転写紙P上からは析出キャリアが
除去される。析出キャリアが除去された転写紙Pは、更
に搬送されて加熱定着部350に進入する。加熱定着部
350では、転写紙P上面即ち画像担持面に当接する加
熱ローラと、転写紙P裏面から転写紙Pを加熱ローラ側
に押圧する加圧ローラとのニップ部を通過するときに、
加熱及び加圧によって画像が転写紙P上に定着される。
そして、画像定着装置300から排出される。
【0036】上記構成の画像定着装置300によって、
現像剤を構成するキャリアに不揮発性の成分が含有され
ていても、ブロッタローラ331で事前に除去すること
ができるので、転写紙P上の未定着画像を確実に定着さ
せることができる。また、加熱定着温度も、キャリア成
分を除去しているために、従来に比して低くすることが
できるのに加えて、加熱定着部350における加熱温度
を1回の加熱で定着させる場合に比して低くすることが
可能である。これは、プレ加熱部310で事前に加熱し
た画像を加熱定着するためである。例えば、プレ加熱部
と加熱定着部とにそれぞれ温度を検知する温度センサを
設け、これら温度センサの検知結果に応じてヒータのO
N、OFF制御を行い、プレ加熱部と加熱定着部の温度
を所望の温度となるよう制御すれば良い。本実施例の場
合、プレ加熱部310のプレ加熱ローラ311による加
熱温度を100〜150[℃]とし、加熱定着部350に
おける加熱ローラによる加熱温度を100〜120[℃]
として、良好な定着画像を得ることができた。従って、
加熱定着時間も短縮することが可能となる。更に、キャ
リア除去部330におけるキャリア除去部材としてロー
ラ形状のブロッタローラ331を使用しているので、ベ
ルトやウェブ等の形状に比してコンパクトにでき、画像
定着装置300を小型にするのに有効である。また、ブ
ロッタローラ331を多孔質弾性体の材料で形成してい
るので、キャリアを効率よく除去することができ、優れ
た定着性と高速定着に効果がある。
【0037】〔変形例1〕次に、実施例1の変形例とし
て、キャリア除去部330にブロッタローラを多段に設
けた第1の変形例を説明する。図3は、変形例1にかか
る画像定着装置300の説明図である。この装置のキャ
リア除去部330には、2つのブロッタローラ331
a,bと、各ブロッタローラ331a,bに対向するよ
う設けられたバックアップローラ332a,bとを設け
ている。他の構造は、実施例1の画像定着装置300と
同様なので説明を省略する。
【0038】この画像定着装置300を用いて転写紙P
上の未定着画像の定着を行うと、表面にキャリアが析出
した状態で転写紙Pはキャリア除去部330に進入す
る。キャリア除去部330では、転写紙P上面の析出キ
ャリアに2つのブロッタローラ331a,bが順次当接
する。析出キャリアは先ずブロッタローラ331aでそ
の多くが除去され、除去しきれずに残留した析出キャリ
アがある場合は次に当接するブロッタローラ331bで
除去される。これによって、ブロッタローラを1つのみ
設けている場合に比して析出キャリアを確実に除去する
ことができる。析出キャリアが除去された転写紙Pは、
実施例1同様に、加熱定着部350で未定着画像が加熱
定着され、画像定着装置300から排出される。
【0039】この変形例1のように、ブロッタローラを
多段に設けると、1つのみ設けている場合に比して除去
できる溶媒の量が多くなる。従って、溶媒の浸透しにく
い材質の転写紙P上に形成された画像に対する加熱定着
を良好に行うことができる。またこれは結果的に、この
画像定着装置300、ひいてはプリンタに適用可能な転
写紙Pの種類を拡大できることにもつながる。
【0040】〔変形例2〕次に、実施例1の他の変形例
として、キャリア除去部330にウェブ333を設けた
第2の変形例を説明する。図4は、変形例2にかかる画
像定着装置300の説明図である。この装置のキャリア
除去部330には、上記実施例1及び変形例1のブロッ
タローラ331に代えて吸湿性の良い材質からなるウェ
ブ333を使用している。ウェブ333の一端を巻回し
た状態で供給軸334により支持し、その他端を巻取軸
335により巻き取ることで該ウェブ333を表面移動
させ、これら軸間のウェブ333部分を転写紙Pに圧接
し、転写紙P上の析出キャリアを払拭して除去するもの
である。尚、本変形例2においても、他の構造は、実施
例1の画像定着装置300と同様なので説明を省略す
る。
【0041】この画像定着装置300を用いて転写紙P
上の画像の定着を行うと、表面にキャリアが析出した状
態で転写紙Pはキャリア除去部330に進入する。キャ
リア除去部330では、バックアップローラ332によ
ってウェブ333側に押圧された転写紙Pの上面にある
析出キャリアがウェブ333に当接する。析出キャリア
はウェブ333に転移して除去される。このとき、一度
使用したクリーニング面は巻取り軸によって巻取ってい
く。1度使用したクリーニング面は巻取軸に巻き取ら
れ、再利用されず、ウェブ333を使い切ったら、該ウ
ェブ333を新しいものに交換する。尚、巻取り方向
は、この例では転写紙P表面移動方向即ち転写紙P搬送
方向と同方向にしている。
【0042】本変形例2のように、ウェブ333を用い
て析出キャリアの除去を行うと、常に新たなウェブ33
3部分で析出キャリアの除去を行うことができる。従っ
て、ウェブ333の巻取りが終了するまではウェブ33
3に転移したキャリアを除去しなくてもその除去効果を
維持することができる。また、ウェブ333のクリーニ
ング装置を設ける必要もない。更に、転写紙P表面とこ
れに当接するウェブ333表面とが同方向に移動してい
くよう巻取り方向を設定している。従って、同方向にし
ない場合に比して転写紙P表面の画像にかかるストレス
を低減することができ、画像の欠落など画像へのダメー
ジを低減することができる。
【0043】次に、実施例2にかかる画像定着装置30
0について説明する。 〔実施例2〕図5は、実施例2にかかる画像定着装置3
00の説明図である。この画像定着装置300は、キャ
リア除去部330で、表面が無端移動する除去ベルトと
してのブロッタベルト340を使用している。また、ヒ
ータ305h(例えば、ハロゲンヒータ)を内蔵したメ
インローラ305を設け、このメインローラ305表面
に、ローラ回転方向上流側から順に、プレ加熱部31
0、キャリア除去部330、加熱定着部350を形成し
ている。このキャリア除去部330は、ブロッタベルト
340を押圧ゴムローラ341及び2つのテンションロ
ーラ342に張架し、押圧ゴムローラ341によって、
ブロッタベルト340をメインローラ305に押圧して
いる。これらブロッタベルト340及び3つのローラ3
41、342、によって対向部材を構成している。ブロ
ッタベルト340は、シリコンゴムやミクロのセルを持
ち多孔性及び耐熱性の特性をもつ材質として、ウレタ
ン、ヒドリン、ポリイミドなどの弾性体で形成してい
る。また、ブロッタベルト340のテンションローラに
対向する位置に、溶媒回収手段としてのクリーニングユ
ニット343を設けている。クリーニングユニットは、
ブロッタベルト340に当接するクリーニングブレード
344と、ブレードによって掻き落としたキャリアを収
容する収容器345とからなっている。また、プレ加熱
部310では、転写紙Pをメインローラ305に押し付
けて密着させる2つの押圧ローラ312と、押圧ローラ
312をクリーニングするクリーニングローラ315か
らなる対向部材がメインローラ305に対向して設けら
れている。押圧ローラ312は、メインローラ305に
対して紙の厚さ程度のギャップを保つよう、図示を省略
したローラ両軸の押圧ローラ312より紙の圧さ程度大
きい外径のベアリングをメインローラ305に当接する
ことによってギャップ形成を行っている。これは、転写
紙Pがメインローラに接触あるいは近接することを考慮
したもので、かつ、転写紙Pの厚みが厚めの場合でも良
好に搬送されるよう考慮したものである。また、この押
圧ローラ312は、その表面にトナー像が付着しにくい
ように表面エネルギーの小さいテフロン(登録商標)を
設けている。テフロン(登録商標)を設けるのに代え
て、表面形状に凹凸を持ち凸部の先端形状が1〜100
[μm]のエメリーペーパーを押圧ローラ312表面にス
パイラルに巻きつけてもよい。また、加熱定着部350
では、ヒータ360h内蔵の定着ローラ360が対向部
材としてメインローラ305に対向して設けられてい
る。
【0044】上記構成の画像定着装置300を用いた画
像の定着動作について説明する。分離装置85により中
間転写ベルト100から分離され画像定着装置300に
入った転写紙Pは、先ずプレ加熱部310に達する。こ
のとき、転写紙P裏面が当接するメインローラ305に
よって140[℃]程度で加熱され、転写紙P上の未定着
画像Iを構成している現像剤が加熱されてキャリアが画
像の表面に析出してくる。表面にキャリアが析出した状
態で転写紙Pはメインローラ305に担持搬送されてキ
ャリア除去部330に進入する。キャリア除去部330
では、転写紙P上面の析出キャリアにブロッタベルト3
40が当接する。析出キャリアはブロッタベルト340
側に転移し除去される。析出キャリアが除去された転写
紙Pは、更にメインローラ305に担持搬送されて加熱
定着部350に進入する。加熱定着部350では、転写
紙P上面に当接する定着ローラ360と裏面に当接する
メインローラ305とによる140[℃]程度の加熱及び
加圧によって画像Iが転写紙P上に定着される。そし
て、画像定着装置300から排出される。
【0045】尚、本来、析出キャリアを除去した後の画
像を定着させるので、加熱定着部350における加熱温
度は、100〜120[℃]程度の低温で行うことができ
る。しかし、この実施例では実施例1と異なり、プレ加
熱部と加熱定着部で転写紙裏面を加熱するヒータがメイ
ンローラ305内臓のヒータ305hなので、加熱温度
をプレ加熱部と同じ140[℃]としている。このように
加熱定着温度を140[℃]とすると、転写紙Pの厚みが
厚い場合でも良好な定着画像を得ることができるという
メリットもある。
【0046】一方、析出キャリアを保持したブロッタベ
ルト340は、ベルト駆動機能を有するテンションロー
ラ342によって駆動される。そして、クリーニングブ
レード344との当接位置でキャリアが掻き落とされ、
再び転写紙P上の析出キャリアの除去に使用される。掻
き落とされたキャリアは収容器345に収容される。ま
た、析出キャリアにはトナー成分は含まれておらずキャ
リア単体となっていることが観察され、トナー成分は加
熱により溶融して転写紙の紙繊維に結着された状態が観
察された。従ってそれら析出キャリアはリサイクルが可
能であるため、リサイクルされる。
【0047】上記実施例2の画像定着装置300におい
ては、1つのメインローラ305上で転写紙Pを担持搬
送する間に、転写紙P表面の未定着画像からキャリアを
析出し、析出キャリアを除去し、加熱定着を行ってい
る。従って、実施例1におけるプレ加熱部310のプレ
加熱ローラ311、キャリア除去部330のバックアッ
プローラ332、加熱定着部350の加圧ローラ352
の3つの役割をメインローラ305、1つで達成させる
ことができる。これによって、実施例1のように、複数
の部材を設けるのに比して省スペース化を可能にでき、
画像定着装置300を小型化することができる。また、
本実施例2では、ブロッタベルト340に転移させた析
出キャリアをベルトから除去し、このブロッタベルト3
40を再び析出キャリアの除去に利用することができ
る。従って、ブロッタベルト340のキャリア除去作用
を長く維持させることができる。また、収容器に回収し
た析出キャリアは、新たな液体現像剤の構成材料として
再利用することも可能である。更に、本実施例2のブロ
ッタベルト340は、多孔性の弾性体材料から形成して
いるので、析出キャリアを効率良く吸い取ることがで
き、優れた定着性と高速定着に有効である。本実施例2
では、キャリア除去部材としてブロッタベルト340を
用いた例を示したが、前述のブロッタローラや、ウェブ
を用いても同様の効果が得られる。
【0048】〔実施例3〕図6は、実施例3にかかる画
像定着装置300の説明図である。この画像定着装置3
00は、転写紙P搬送方向の上流側(図中右側)から下
流側(図中左側)方向に順に、溶媒析出手段としてのプ
レ加熱部310、キャリア除去手段としてのキャリア除
去部330、そして加熱定着手段としての加熱定着部3
50を有している。
【0049】上記加熱定着部350は、加熱ローラ35
1と加圧ローラ352が互いに圧接するよう付設されて
いる。加熱ローラ351にはヒータが内蔵され、芯金の
表面に順次所望の厚さのゴム層、耐油層(フッ化シリコ
ンゴム層)やRTVシリコンゴム層あるいはテフロン層
が積層されている。一方、加圧ローラ352はシリコン
ゴムにテフロンコートされている。加圧ローラ352の
軸部には図示しない加圧カムのカム面が図示しないバネ
の付勢力によって加熱ローラ351圧接されており、こ
れによって加圧ローラ352に所定の加圧作用が与えら
れるようになっている。
【0050】上記プレ加熱部310は、転写紙Pのトナ
ー像転写面側に接触する接触加熱部材としてのプレ加熱
ローラ311が配置され、このプレ加熱ローラ311に
転写紙Pを介して対向する位置に、加圧ローラ312が
設けられる。プレ加熱ローラ311の加熱手段として
は、ハロゲンランプあるいは赤外線ヒータが用いられ
る。さらに、プレ加熱ローラ311の表面には、転写紙
P上に形成されたトナー像に不必要にストレスを与えな
いように、たとえばフッ素コート処理やPVFEコート
などの耐熱性が高く、表面の摩擦係数が低い材料による
処理が施されることが好ましい。
【0051】そして、転写紙P搬送方向におけるプレ加
熱部310と加熱定着部350との間に位置しているの
が上記キャリア除去部330である。このキャリア除去
部330は、プレ加熱部310で加熱によってトナー像
表面に析出せしめられた被析出溶媒としての析出キャリ
アを吸収して除去する。このための、トナー像表面に当
接するキャリア除去ローラ331と、トナー像表面をキ
ャリア除去ローラ331側に押圧する押圧手段としての
バックアップローラ332とが設けられる。
【0052】本実施例3におけるキャリア除去ローラ3
31は、表層部をキャリア液を含浸しない材料から構成
している。例えば、金属ローラや、ポリイミドなどのキ
ャリア液に膨潤しない樹脂材料などを用いることができ
る。また、上記キャリア除去ローラ331に対向する位
置に溶媒回収手段としてのクリーニングユニット343
を設けている。クリーニングユニット343は、上記キ
ャリア除去ローラ331に当接するクリーニングブレー
ド344と、ブレードによって掻き落としたキャリアを
収容する収容器345とからなっている。
【0053】次に、上記実施例3の構成の画像定着装置
300を用いた画像の定着動作について説明する。未定
着画像が転写された転写紙Pは、分離装置85により中
間転写ベルト100から分離され画像定着装置300に
入ると、先ずプレ加熱部310に達する。このとき、転
写紙P画像面にプレ加熱ローラ311によって転写紙P
上の未定着画像を構成している現像剤が加熱され、キャ
リアが未定着画像の表面に析出してくる。表面にキャリ
アが析出した状態で転写紙Pは次にキャリア除去部33
0に進入する。キャリア除去部330では、転写紙P上
面の析出キャリアにキャリア除去ローラ331が当接
し、バックアップローラ332で転写紙P裏面からキャ
リア除去ローラ331側に押圧された状態で転写紙Pが
通過する。この際、析出キャリアがキャリア除去ローラ
331側に転移する。これによって、転写紙P上からは
析出キャリアが除去される。析出キャリアが除去された
転写紙Pは、更に搬送されて加熱定着部350に進入す
る。加熱定着部350では、転写紙P上面即ち画像担持
面に当接する加熱ローラ351と、転写紙P裏面から転
写紙Pを加熱ローラ351側に押圧する加圧ローラ35
2とのニップ部を通過する。このときに、加熱及び加圧
によって画像が転写紙P上に定着される。そして、画像
定着装置300から排出される。
【0054】上記構成の画像定着装置300によって、
現像剤を構成するキャリアに不揮発性の成分が含有され
ていても、キャリア除去ローラ331で事前に除去する
ことができるので、転写紙P上の未定着画像を確実に定
着させることができる。また、加熱定着温度も、キャリ
ア成分を除去しているために、従来に比して低くするこ
とができるのに加えて、プレ加熱部310で事前に加熱
した画像を加熱定着する。これによって、加熱定着部3
50における加熱温度を1回の加熱で定着させる場合に
比して低くすることが可能である。例えば、プレ加熱部
と加熱定着部とにそれぞれ温度を検知する温度センサを
設け、これら温度センサの検知結果に応じてヒータのO
N、OFF制御を行い、プレ加熱部と加熱定着部の温度
を所望の温度となるよう制御すれば良い。本実施例の場
合、プレ加熱部310のヒータ311による加熱温度を
100〜150[℃]とし、加熱定着部350における加
熱ローラによる加熱温度を100〜120[℃]として、
良好な定着画像を得ることができた。従って、加熱定着
時間も短縮することが可能となる。更に、キャリア除去
部330材としてローラ形状のキャリア除去ローラ33
1を使用しているので、ベルトやウェブ等の形状に比し
てコンパクトにでき、画像定着装置300を小型にする
のに有効である。
【0055】次に、実施例4にかかる画像定着装置30
0について説明する。 〔実施例4〕図7は、実施例4にかかる画像定着装置3
00の説明図である。この画像定着装置300は、実施
例3におけるプレ加熱部310の加熱手段として、加熱
ローラに代えて、例えばハロゲンヒータもしくは赤外線
ヒータなどの非接加熱手段である加熱ヒータ320を使
用している。搬送ベルト321は駆動ローラ322、懸
架ローラ323およびキャリア除去部330のバックア
ップローラ332に懸架、駆動されるように構成され
る。転写紙Pは、図に示すように搬送ベルト321によ
って搬送され、転写紙Pから数センチメートル離間して
配接された加熱ヒータ320の下を転写紙Pが通過する
際に加熱ヒータ320からの放射熱により転写紙Pが加
熱される。これにより、トナー層内のキャリアが表面に
析出する。転写紙Pは搬送ベルト321によってそのま
まキャリア除去部330に搬送され、バックアップロー
ラ332によってキャリア除去ローラ331に押圧され
て転写紙Pのトナー層の表面に析出したキャリアが除去
される。本実施例4によれば、キャリア析出部310に
おいて転写紙Pの未定着画像面に直接触れることがない
ため、未定着画像に不必要なストレスを与えることが避
けられ、より良好な画像が得られる。
【0056】次に、実施例5にかかる画像定着装置30
0について説明する。 〔実施例5〕図8は、実施例5にかかる画像定着装置3
00の説明図である。この画像定着装置300は、キャ
リア除去部330で、表面が無端移動するキャリア除去
ベルト349を使用している。このキャリア除去部33
0は、キャリア除去ベルト349を押圧ゴムローラ34
1及び2つのテンションローラ342に張架し、押圧ゴ
ムローラ341によって、キャリア除去ベルト349を
バックアップローラ332に押圧している。キャリア除
去ベルト349はキャリア液に膨潤せずかつ耐熱性をも
つ材質として、ポリイミドなどの樹脂フィルムで形成し
ている。また、キャリア除去ベルト349のテンション
ローラに対向する位置に、溶媒回収手段としてのクリー
ニングユニット343を設けている。クリーニングユニ
ットは、キャリア除去ベルト349に当接するクリーニ
ングブレード344と、ブレードによって掻き落とした
キャリアを収容する収容器345とからなっている。
【0057】上記構成の画像定着装置300を用いた画
像の定着動作について説明する。分離装置85により中
間転写ベルト100から分離され画像定着装置300に
入った転写紙Pは、先ずプレ加熱部310に達する。こ
のとき、転写紙Pの画像面が当接する加熱ローラ311
によって140[℃]程度で加熱され、転写紙P上の未定
着画像を構成している現像剤が加熱されてキャリア液が
未定着画像の表面に析出してくる。表面にキャリアが析
出した状態で転写紙Pはプレ加熱部310の加熱ローラ
311と加圧ローラ312に担持搬送されてキャリア除
去部330に進入する。キャリア除去部330では、転
写紙P上面の析出キャリアにキャリア除去ベルト349
が当接する。析出キャリアはキャリア除去ベルト349
側に転移し除去される。析出キャリアが除去された転写
紙Pは、更にキャリア除去ベルト349とバックアップ
ローラ332に担持搬送されて加熱定着部350に進入
する。加熱定着部350では、転写紙P上面に当接する
加熱ローラ351と裏面に当接する加圧ローラ352と
による140[℃]程度の加熱及び加圧によって画像Iが
転写紙P上に定着される。そして、画像定着装置300
から排出される。この場合、析出キャリアを除去した後
の画像を定着させるので、加熱定着部350における加
熱温度は、100〜120[℃]程度の低温で行うことが
できる。一方、析出キャリアを保持したキャリア除去ベ
ルト349は、ベルト駆動機能を有するテンションロー
ラ342によって駆動され、クリーニングブレード34
4との当接位置でキャリアが掻き落とされる。そして、
再び転写紙P上の析出キャリアの除去に使用される。掻
き落とされたキャリアは収容器345に収容される。ま
た、析出キャリアにはトナー成分は含まれておらずキャ
リア単体となっていることが観察され、トナー成分は加
熱により溶融して転写紙の紙繊維に結着された状態が観
察された。従ってそれら析出キャリアはリサイクルが可
能であるため、リサイクルされる。
【0058】本実施例5では、キャリア除去ベルト34
9に転移させた析出キャリアをベルト340から除去
し、このキャリア除去ベルト349を再び析出キャリア
の除去に利用することができる。よって、キャリア除去
ベルト349のキャリア除去作用を長く維持させること
ができる。また、収容器345に回収した析出キャリア
は、新たな液体現像剤の構成材料として再利用すること
も可能である。更に、本実施例5のキャリア除去ベルト
349は、キャリア液に膨潤せずかつ耐熱性をもつ材料
によって形成されるので、除去キャリアを効率良くクリ
ーニングできるとともに耐久性にも優れているため、特
に高速定着に有効である。
【0059】次に、実施例6にかかる画像定着装置30
0について説明する。 〔実施例6〕図9の画像定着装置300は、実施例6に
おけるプレ加熱部310の加熱手段として、加熱ローラ
に代えて、非接触加熱手段として例えばハロゲンヒータ
もしくは赤外線ヒータなどの加熱手段320を使用して
いる。搬送ベルト321は駆動ローラ322、懸架ロー
ラ323およびキャリア除去部330のバックアップロ
ーラ332に懸架、駆動されるように構成される。転写
紙Pは、図に示すように搬送ベルト321によって搬送
され、転写紙Pから離間して配接されたプレ加熱ヒータ
320の下を転写紙Pが通過する際にプレ加熱ヒータ3
20からの放射熱により転写紙Pが加熱される。これに
より、トナー層内のキャリアが表面に析出する。転写紙
Pは搬送ベルト321によってそのままキャリア除去部
330に搬送され、バックアップローラ332によって
キャリア除去ベルト349に押圧されて転写紙Pのトナ
ー層の表面に析出したキャリアが除去される。
【0060】本実施例6によれば、キャリア析出部31
0において転写紙Pの未定着画像面に直接触れることが
ないため、未定着画像に不必要なストレスを与えること
が避けられ、より良好な画像が得られる。
【0061】尚、以上実施形態1に関する実施例1乃至
6において、キャリア除去部330で、転写紙P上面に
当接するブロッタローラ331、ブロッタベルト340
又はウェブ333の表面移動線速を次のように設定して
も良い。即ち、転写紙P下面に当接するバックアップロ
ーラ332又はメインローラ305の表面線速と略同一
線速に設定するのである。これによって、上下を挾持搬
送する部材の線速が異なる場合に転写紙P上の画像に与
える恐れのあるストレスを与えないようにすることがで
き、このようなストレスに起因する異常画像の発生を防
止することができる。
【0062】また、以上実施形態1に関する実施例1乃
至6において、転写紙Pが、プレ加熱部310、キャリ
ア除去部330、及び加熱定着部350を全て同一速度
で通過するようにしても良い。これによって、画像を担
持した転写紙Pに搬送速度の変動に伴なって生じるスト
レスを与えないようにすることができ、搬送速度の変動
に伴なって生じるストレスに起因する転写紙Pのジャム
や異常画像の発生を防止できる。
【0063】また、実施形態1に関する実施例1乃至6
において、キャリアを浸透させやすい材質のものからな
る転写紙Pに対しては、キャリアの必要がない。このた
め、転写紙Pの種類に応じてキャリア除去部330を作
動させるか否かを切り替えるキャリア除去程度切り替え
手段として、駆動切り替え装置を設けても良い。プレ加
熱部310の加熱によるキャリアの析出は、転写紙Pの
材質がキャリアが浸透しにくいものからなっている場
合、例えば、コート紙等で顕著である。これはコート紙
の表層に紙の繊維がクレーや樹脂等で覆われていてキャ
リアが浸透し難いためである。そして、析出されたキャ
リアはそのままでは経時とともにトナー層および転写紙
Pに拡散されてしまい定着性の劣る結果を招くことにな
る。この場合、加熱定着部350のみでもキャリアはあ
る程度除去されるものの、十分な定着性能を確保するこ
とは困難である。一方、キャリアが浸透しやすい転写紙
Pは、加熱定着部350のみで良好な定着性能を得るこ
とができる。従って、転写紙Pのキャリア浸透率に応じ
て、キャリア除去部330の駆動を切り替えるというも
のである。
【0064】例えば、図4に示すウェブ333を設けた
キャリア除去部330の場合、バックアップローラ33
2と、ウェブ333上部からウェブ333を張架してい
る張架ローラ336とを上下移動可能にする。そして、
キャリア除去を行うときは、バックアップローラ332
と張架ローラ336とが互いに近づく方向(図中ON方
向)に移動させ、キャリア除去を行わないときは、互い
に離間する方向(図中OFF方向)に移動させるよう駆
動制御する。これは例えば、パネル操作上の信号を元
に、ローラ軸に設けたカム等をソレノイドで駆動制御し
てローラを移動させることにより行うことができる。こ
の切り替えは、手動で行うようにしても良いし、装置に
転写紙Pのキャリア浸透率を検知するセンサ等を設け、
検知結果に応じて自動的に切り替わるよう構成しても良
い。
【0065】また、図6等に示すキャリア除去ローラ3
31を設けたキャリア除去部330の場合も、同様に構
成することができる。キャリア除去ローラ331を上下
移動可能とし、キャリア除去を行うときは、キャリア除
去ローラ331がバックアップローラ332に近づく方
向に移動させ、キャリア除去を行わないときは、離間す
る方向に移動させるよう駆動制御する。
【0066】上記のように、キャリアを浸透させにくい
材質のものからなる転写紙Pに対してはキャリア除去を
行い、キャリアを浸透させやすい転写紙Pに対してはキ
ャリア除去を行わないようにすると、必要なときのみキ
ャリア除去部330を作動させることができる。これ
は、キャリア除去を常に作動させる場合に比してキャリ
ア除去部330を長寿命化させることができる。また、
常に作動させる場合に比して作動にかかるエネルギーコ
ストを低減させることもできる。更に、キャリアの浸透
程度が上記2つの材質の間のような転写紙Pに対して
は、キャリア除去程度をいくつかのレベルで切り替え可
能に構成すれば、転写紙Pの材質に応じてフレキシブル
にキャリア除去を行うことが可能となる。
【0067】上記実施例1の変形例2においては、ウェ
ブ333の一度使用した面を巻取軸に巻き取っていき、
最終的に供給軸に巻かれたウェブ333がなくなると、
ウェブ333を交換するという消耗品であった。このた
め、定期的な交換を必要とし、メンテナンスが面倒であ
る。これに比して実施例1、その変形例1及び実施例2
乃至6のように、クリーニング面が無端移動するものを
用いた装置においては、そのクリーニング面をクリーニ
ングし、一度使用した面を再利用することで、交換がほ
とんど必要ないという利点を有し、メンテナンスが面倒
でない。
【0068】尚、以上の実施例1乃至6では、転写紙P
の片面に担持させた未定着画像からキャリアを析出し、
除去する構成の装置について説明した。これは、両面に
画像形成を行う装置にも転写紙Pの両面に当接するよう
溶媒除去部材を設ければ、良好な定着画像を得る事が可
能である。
【0069】〔実施形態2〕次に、両面に画像形成を行
う両面転写方式の画像形成装置であるプリンタに適用し
た実施形態2について説明する。図10は、実施形態2
に係るプリンタの主要部の概略構成図である。このプリ
ンタは、1対の画像形成ユニット100X,100Z
と、中間転写ユニット200X,200Zと、画像定着
装置300、その他図示しない読み取り部、給紙部及び
制御部等から構成されている。上記画像形成ユニット1
00X,100Zは、感光体ドラム10X,10Z、一
様帯電器20X,20Z、及び光書込装置30X,30
Z、現像手段としての湿式現像ユニット40X,40Z
が配設されている。また、図示を省略した除電装置、感
光体クリーニング装置60X,60Z等も配設されてい
る。これら1対の画像形成ユニット100X,100Z
によって、形成されたトナー像が2次転写ユニットを介
して転写紙Pの両面にトナー像を形成した後、画像定着
装置300によって両面同時に画像の定着が行われるよ
うになっている。また、本実施形態に用いる現像剤も、
上記実施形態1と同様の液体現像剤である。
【0070】中間転写ユニット200X,200Zは、
それぞれ感光体ドラム10X,10Zに対向して設けら
れた中間転写ローラ201X,201Zと、各中間転写
ローラ201X,201Zに対して転写紙搬送経路を介
して対抗するよう設けられた2次転写バイアスローラ2
02X,202Z及び2次転写バイアスローラに接続さ
れた図示を省略した2次転写電源等を有している。中間
転写ローラ201X,201Zは金属のローラ表面に中
抵抗のゴム層を設けておりのバイアスを印加できるよう
になっている。これによって、感光体ドラムと中間転写
ローラ201X,201Zとの間に一次転写電界が形成
される。2つの中間転写ローラ201X,201Zはそ
れぞれ2次転写バイアスローラ202X,202Zとの
間で2次転写電界が形成される。また、上記画像定着装
置は、本実施形態の特徴部なので後に詳述する。
【0071】本実施形態2のプリンタを用いた画像形成
プロセスについて説明する。感光体ドラム10X,10
Z上への顕像の形成プロセスは、上記実施形態1と同様
である。但し、本実施形態2においては、転写紙搬送経
路の上部と下部の両方向に設置されている2つの感光体
ドラム10X,10Z上のうち上部に位置する感光体ド
ラム10Xには転写紙上面への転写用画像が形成され
る。また、下部に位置する感光体ドラム10Zには転写
紙下面への転写用画像が形成される。そして、感光体ド
ラム10X,10Zを更に回転させて顕像を中間転写ロ
ーラ201X,201Zと対向する一次転写ニップに搬
送する。この位置で感光体ドラムと中間転写ローラ20
1X,201Zとの間の一次転写電界によって感光体ド
ラム10X,10Z上のトナー像を中間転写ローラ20
1X,201Z側に一次転写する。更に、中間転写ロー
ラ201X,201Z上の一次転写トナー像を、中間転
写ローラ201X,201Zと2次転写バイアスローラ
202X,202Zとの間の2次転写電界によって二次
転写する。この二次転写は、二次転写ニップに正しくタ
イミングを合わせて搬送されてくる転写紙Pの表裏両面
に行う。
【0072】次に、転写紙の両面に二次転写された未定
着のトナー像を定着するための本実施形態の特徴部であ
る画像定着装置300について以下に実施例1,2,乃
びその変形例として説明する。 〔実施例1〕図11は、実施形態2の実施例1にかかる
画像定着装置の概略構成図である。画像定着装置30
0、プレ加熱ローラ対311X,311Zを有するプレ
加熱部310と、キャリア除去ローラ対337X,33
7Zを有するキャリア除去部330と、定着ローラ対3
60X,360Zを有する加熱定着部350とから構成
され、前記各々のローラ対の間を転写紙Pが図中矢印方
向に搬送される。
【0073】キャリア除去ローラ対337X,337Z
は、少なくともそのローラ表面がミクロのセルを持ち多
孔性の耐熱性の特性を持つ多孔質弾性体で構成されてい
る。この多孔質弾性体としては例えば、穴径が0.1
[μm]〜1.0[μm]程度、厚みが50[μm]〜300
[μm]程度のPTFE、セルローズアセテート、ポリカーボ
ネートなどの材料、もしくは、ウレタン、ヒドリン、ポ
リイミドなどの弾性体などが用いられる。この材料が有
するミクロのセルが吸収したキャリア液を保持する機能
を有する。また、これらの材料は、キャリア液に対して
吸収、膨潤性のある親油性の材料であることが好まし
い。尚、キャリア除去ローラ対337X,337Zには
それぞれ溶媒回収手段としてのクリーニングユニット3
43X,343Zが設けられている。
【0074】次に、本実施例1における動作について説
明する。プレ加熱部310に搬送された転写紙Pはまず
プレ加熱ローラ対311X,311Z間に進入し加熱さ
れる。ここで、プレ加熱ローラ対311X,311Zは
ローラ内に内蔵したヒータにより、120〜150[℃]
程度に加熱されている。プレ加熱ローラ対311X,3
11Zに進入した転写紙Pは両面から加熱され、両面に
形成されたトナー像内の樹脂がフィルム化することによ
り、トナー像内に含まれるキャリア液が析出し、一部は
転写紙P内に浸透し、残りはトナー像の上面に浮き上が
る。この状態を図示したのが図21であるが、転写紙P
内に浸透するキャリア液量は転写紙Pの種類により異な
り、一般的なコピー用紙に比較して表面が塗工処理され
たコート紙などは、浸透量はわずかであり、大半がトナ
ー像の上面に析出する。このトナー像上面に浮き上がっ
たキャリア液は、転写紙Pが次段のキャリア除去ローラ
対337X,337Z間を通過する間にローラ表面に形
成された吸収材料によって吸収される。キャリア除去ロ
ーラは、一方が他方の押圧手段的な役割を持っており、
転写紙が両除去ローラ対337X,337Zに押圧さ
れ、キャリア液の吸収が行われ易くなっている。キャリ
ア除去ローラ対337X,337Zによって吸収された
キャリア液は、キャリア除去ローラ対337X,337
Zの各々に付設されたクリーニングユニット343X,
343Zによって回収されることにより、キャリア除去
ローラ対337X,337Zのキャリア液吸収能力が維
持される。また、クリーニングユニット343X,34
3Zによって回収されたキャリア液はほぼクリアな状態
であるため、再利用が可能である。その後、転写紙Pは
定着ローラ対360X,360Z間を通過して、転写紙
P上のトナー像は表裏とも完全に定着される。
【0075】従来、キャリア除去部330を有さない定
着装置においては、高速印刷に追従させるために、18
0[℃]〜200[℃]以上の加熱温度を必要としていた。
しかし、本実施例のようにキャリア除去部330を設け
た構成によれば、定着ローラ対360X,360Zの温
度が120[℃]程度でも十分な定着性が得られることが
確認されている。これは、キャリア除去部330を設け
て余剰のキャリア液を除去した効果に加えて、転写紙の
両面より同時に加熱する構成により定着時の転写紙温度
を効率よく上昇させることができるため、定着ローラ対
360X,360Zの加熱温度を従来よりも大幅に低減
しても、十分に定着させることが可能である。このよう
に、本実施例においては、高速追従性の向上とともに、
大幅に低消費電力化を図ることができるという優れた効
果がある。また、図11に示したようなローラ配置にす
ることにより、転写紙Pを直線的に搬送することができ
るため、転写紙の搬送性能を向上させることができ、用
紙ジャムの発生を防止することができる。また、キャリ
アの析出、除去、加熱定着の3つの工程の各工程を精度
良く行うことができ、装置の信頼性が向上する。更に、
溶媒析出位置であるプレ加熱部310と、溶媒除去位置
であるキャリア除去部330と、加熱定着位置である加
熱定着部350とを、それぞれ転写紙の両面で転写紙搬
送経路の同一個所に設定した。これによって、キャリア
の析出、除去、加熱定着という画像の定着のための3つ
の工程を転写紙の表裏同時に行うことができるので、表
裏でのタイミングをずらす場合に比して画像定着のため
の時間を短縮することができる。
【0076】〔実施例2〕図12は、実施形態2の実施
例2にかかる画像定着装置の概略構成図である。尚、図
11と同じ記号は上記実施例1の説明と同じ機能を持
つ。図12において、キャリア除去部330には、表面
が無端移動する除去ベルトとしてのブロッタベルト34
0X,340Zを使用している。ブロッタベルト340
X,340Zはそれぞれ押圧ゴムローラ341X,34
1Z及び各2つのテンションローラ342X,342Z
に張架され、押圧ゴムローラ341X,341Zによっ
て、ブロッタベルト340X,340Zは転写紙Pの表
裏に押圧されている。このブロッタベルト340X,3
40Zは少なくともその表面がミクロのセルを持ち多孔
性でかつ耐熱性の特性を持つ多孔質材料の弾性体で構成
される。詳しくは、上述のローラに用いられる材料と同
等のものが用いられる。また、図に示すように、このブ
ロッタベルト340X,340Zにはそれぞれクリーニ
ングユニット343X,343Zが付設されており、キ
ャリア液が回収される構成になっている。このような無
端ベルト状の構成を用いることにより、吸収材料の面積
を大きくすることができ、キャリア液の吸収効率を高め
る効果を有し、実施形態1の実施例2におけるブロッタ
ベルトを用いたことによって得られる効果と同様の効果
を得ることができる。更に、実施形態2の上記実施例1
における両面同時定着、直線搬送によって得られる効果
と同様の効果を得ることもできる。
【0077】〔変形例〕図13は、上記実施形態2の実
施例2における変形例にかかる画像定着装置の概略構成
図である。図13において、ブロッタベルト340X,
340Zは、それぞれ2本の押圧ゴムローラ341X,
341Zと1本のテンションローラ342X,342Z
とに張架されている。そして、それぞれ2本の押圧ゴム
ローラ341X,341Zによってブロッタベルト34
0X,340Zは転写紙Pの表裏に押し付けられてお
り、図12の実施例2の構成に比べてブロッタベルト3
40X,340Zの転写紙Pとの接触ニップ幅を大きく
している。また、これら押圧ゴムローラ341X,34
1Zと1本のテンションローラ342X,342Zとの
配置以外は、上記図12に示した実施例2と同様である
ので説明を省略する。
【0078】本実施例2の変形例によれば、ブロッタベ
ルト340X,340Zの転写紙Pとの接触ニップ幅を
実施形態2における実施例1及び実施例2に比して大き
くすることができるので、キャリア液の吸収効果を一層
高めることができる。尚、本変形例のようにブロッタベ
ルトの上記ニップ幅を大きくする構成は、実施形態1の
ような転写紙の片面に画像を定着する構成にも適用可能
である。
【0079】上記実施形態2に適用可能なクリーニング
ユニット343X,343Zの詳細を、図13に示す画
像定着装置300の変形例に用いた場合を例にとって以
下に説明する。図14は、上部に位置するブロッタベル
ト340Xに設けたクリーニングユニット近傍の部分拡
大図である。ブロッタベルト340Xは一方の押圧ゴム
ローラ341Xによって駆動されているが、この駆動用
押圧ゴムローラ341X側にブロッタベルト340Xを
挟んで、クリーニングユニット343Xに設けられたク
リーニングブレード344Xが突き当て配置されてい
る。このクリーニングブレード344Xでブロッタベル
ト340Xに吸収されたキャリア液を掻きとって収容器
345X内に回収する。回収されたキャリア液は、ドレ
イン口346Xより記載しない回収ボトルに導かれる。
【0080】図15は下部に位置するブロッタベルト3
40Zに設けたクリーニングユニット343X近傍の部
分拡大図である。このクリーニングユニット343Zは
上記図14で示したクリーニングユニット343Xの構
成とは異なるものである。図15において、クリーニン
グユニット343Zは、ブロッタベルト340Zを駆動
するテンションローラ342Z側に図示しない加圧手段
で押し当てられるクリーニングローラ347Zと、この
クリーニングローラ347Zに突き当ててキャリア液を
回収するための回収ブレード348Zとを有している。
キャリア液を吸収したブロッタベルト340Zはテンシ
ョンローラ342Zとクリーニングローラ347Zとの
間で圧縮され、ブロッタベルト340Zに吸収されてい
たキャリア液が搾り出される。その後、クリーニングロ
ーラ347Z側に付着したキャリア液は回収ブレード3
48Zで掻き取られ、ドレイン口346Zより回収され
る。
【0081】ところで、画像定着装置300が長時間停
止している状態では、ブロッタベルト340X,340
Zに含まれたキャリア液は重力により徐々に下方に移動
し、ついには真下に滴り落ち、周囲を汚染する等の不具
合が発生する恐れがある。この不具合に対処するため、
図11から図13に図示したように、実施形態2の実施
例1及び2、乃至変形例はいずれもクリーニングユニッ
ト343X,343Zうちの少なくとも重力方向の下部
に位置するクリーニングユニット343Zを次のように
配置している。即ち、ブロッタベルト340X,340
Zのうち重力方向の下部にあるブロッタベルト340Z
の直下に配設し、下部回収手段としている。この位置に
クリーニングユニットを置くことにより、装置が長時間
停止してブロッタベルト340X,340Zからキャリ
ア液が滴り落ちることがあってもこれを受け止めること
ができ、装置内をキャリア液で汚染する不具合を回避す
ることが出来る。尚、このときに用いるクリーニングユ
ニットは、図14に示すようなブレード式、図15に示
すようなローラ式のどちらでも構わない。
【0082】〔実施例3〕図16は、実施形態2の実施
例3にかかる画像定着装置300の説明図である。本実
施例3においては、プレ加熱部310は、転写紙Pの表
裏両面にプレ加熱ローラ対311Xおよび311Zが接
触するよう転写紙Pを介して対向する位置に配置されて
いる。これらのプレ加熱ローラ対311X,311Zに
は、その内部に加熱手段としてのハロゲンランプあるい
は赤外線ヒータなどが用いられている。ここで、プレ加
熱ローラ対311X,311Zは記録紙Pの両面から同
時に加熱するために、記録紙Pの片面から加熱する場合
に比較してローラ1本あたりの加熱量を低く抑えること
ができる。よって、消費エネルギーの低減および定着に
要する時間の短縮を図ることができる。さらに、プレ加
熱ローラ311X,311Zの表面は、その表面摩擦係
数を低下させるための表面摩擦係数低下処理が施されて
いる。具体的には、フッ素系コート材料などの耐熱性が
高く、表面エネルギーの低い材料による表面処理が施さ
れている。これによって、転写紙P上に形成されたトナ
ー像に不必要にストレスを与えることがなくなる。
【0083】そして、転写紙P搬送方向におけるプレ加
熱部310と加熱定着部350との間にキャリア除去部
330を設けている。このキャリア除去部330は、転
写紙Pの両面から互いに圧接するようにキャリア除去ロ
ーラ対338X,338Zが設けられ、転写紙Pはこの
ローラ対に挟持されながら加熱定着部350へと搬送さ
れる。このキャリア除去ローラ対338X,338Zの
表層部はキャリア液に対して吸収・膨潤性のない材料か
ら構成されており、例えば金属ローラや、ポリイミドや
ポリカーボネイトなどのキャリア液に膨潤しない樹脂材
料などが用いられている。また、上記キャリア除去ロー
ラ対338X,338Zには各々のローラにそれぞれ対
向する位置に溶媒回収手段としてのクリーニングユニッ
ト343,343Zが設けられている。これらクリーニ
ングユニット343,343Z’は、上記キャリア除去
ローラ338X,338Zにそれぞれ当接するクリーニ
ングブレード344X,344Zと、ブレードによって
掻き落としたキャリアを収容する収容器345X,34
5Zとから構成されている。加熱定着部350は、転写
紙Pの両面を加熱定着させるための加熱加圧ローラ対3
60X,360Zが互いに圧接するよう付設されてい
る。
【0084】以上、実施形態2における本実施例3によ
れば、表面摩擦係数低下処理が施されたプレ加熱ローラ
311X,311Zを用いているので、転写紙P上に形
成されたトナー像に不必要にストレスを与えることがな
くなる。また、記録紙Pの両面に形成された未定着画像
を同時に定着することができる。これらによって、より
良好な定着画像を短時間で得ることができる。
【0085】次に、実施形態2における実施例4にかか
る画像定着装置300について説明する。 〔実施例4〕図17は、実施形態2の実施例4にかかる
画像定着装置300の説明図である。本実施例4におい
ては、プレ加熱部310の加熱手段として、実施例3の
加熱ローラ対311X,311Zのような接触加熱部材
に代えて、非接触加熱部材を設けている。具体的には、
ハロゲンヒータもしくは赤外線ヒータなどの非接触型の
プレ加熱ヒータ313X,313Zを使用している。本
実施例4によれば、キャリア析出部310において記録
紙Pの未定着画像面に直接触れることがないため、未定
着画像に不必要なストレスを与えることが避けられ、実
施例3に比してより良好な画像が得られる。またプレ加
熱ヒータ313X,313Zは記録紙Pの両面から同時
に加熱するために、記録紙Pの片面から加熱する場合に
比較してヒータ1本あたりの加熱量を低く抑えることが
できる。これによって、消費エネルギーの低減および定
着に要する時間の短縮に大きな効果が得られる。
【0086】次に、実施形態2における実施例5にかか
る画像定着装置300について説明する。 〔実施例5〕図18は、実施形態2の実施例5にかかる
画像定着装置300の説明図である。本実施例5におい
ては、実施例7におけるキャリア除去部330を、転写
紙Pの両面から互いに対向する位置に設けたキャリア除
去ベルト対349X,349Zから構成している。上記
キャリア除去ベルト349Xは、押圧ゴムローラ341
Xおよび2つのテンションローラ342Xによって張架
されている。キャリア除去ベルト349Zは、押圧ゴム
ローラ341Zおよび2つのテンションローラ342Z
によって張架されている。上記キャリア除去ベルト対3
49X,349Zは転写紙Pを両面から挟持するよう
に、押圧ゴムローラ341X,341Zによって互いに
押圧するように付勢されている。そして、これらの除去
ベルトによって両面が押圧された状態で転写紙Pが通過
するときに、転写紙P両面の未定着画像から析出したキ
ャリアがキャリア除去ベルト349X,349Z側に転
移し、転写紙P両面から析出キャリアが除去される。続
いて、転写紙Pはこれらベルト対に挟持されながら加熱
定着部350へと搬送される。また、本実施例5におけ
るキャリア除去ベルト対349X,349Zは、キャリ
ア液を含浸しない材料から構成されており、例えば金属
材料や、ポリイミド、ポリカーボネイトなどのキャリア
液に膨潤しない樹脂材料などが用いられている。
【0087】次に、実施形態2における実施例6にかか
る画像定着装置300について説明する。 〔実施例6〕図19は実施形態2の実施例6にかかる画
像定着装置300の説明図である。本実施例6において
は、キャリア除去ベルト349Xはプレ加熱ローラ対3
11X、押圧ローラ341Xおよびテンションローラ3
42Xに懸架されている。これと同様にして、キャリア
除去ベルト349Zはプレ加熱ローラ311Z、押圧ロ
ーラ341Zおよびテンションローラ342Zに懸架さ
れて、転写紙Pはこれらのベルトの間を搬送される。本
実施例6の構成によれば、キャリア除去ベルト349
X,349Zを張架するための張架ローラをプレ加熱ロ
ーラ311X,311Zで兼用することができる。よっ
て、ローラを減らすことができ、ローラを兼用しない場
合に比して装置の小型化を図ることができる。
【0088】次に、実施形態2における実施例7にかか
る画像定着装置300について説明する。 〔実施例7〕図20は、実施形態2の実施例7にかかる
画像定着装置300の説明図である。本実施例7におい
ては、プレ加熱部310の加熱手段を、実施例5の加熱
ローラに代えて、非接触加熱部材を設けている。具体的
には、ハロゲンヒータもしくは赤外線ヒータなどの非接
触型のプレ加熱ヒータ313X,313Zを使用してい
る。その他の構成については、実施例5と同様である。
【0089】本実施例7のように、プレ加熱部310に
非接触加熱部材としてのプレ加熱ヒータ313X,31
3Zを使用することによって、未定着画像に不必要なス
トレスを与えることを避けることができる。
【0090】尚、実施形態2においても、実施形態1と
同様に転写紙Pの種類に応じてキャリア除去部330の
作動状態を切り替え制御するキャリア除去程度切り替え
手段として、駆動切り替え装置を設けても良い。
【0091】〔実施形態3〕次に、実施形態3について
説明する。図22は、実施形態3にかかるプリンタの概
略構成図である。図において、この画像形成装置は、潜
像担持体として感光体ドラム610の周りに、帯電器6
20、露光Lを感光体ドラム610に照射する図示しな
い露光装置、現像装置700、中間転写ドラム810等
によって構成される転写装置800、除電ランプ64
0、クリーニング装置650などを備えている。上記感
光体ドラム610の材質としては、アモルファスシリコ
ン(a−Si)、有機感光体(OPC)等が使用でき
る。また、上記帯電器20としては、図22のようなコ
ロナ放電器の他に、帯電バイアスを印加された帯電ロー
ラを感光体ドラム610に接触させる方式のものを用い
てもよい。上記露光装置には、アレイ状のLEDや走査
光学系を有するレーザー、または、プリンタの照明され
た原稿からの光像などが使用できる。
【0092】上記転写装置は、感光体ドラム610に当
接するように配置された中間転写ドラム810、感光体
上の画像部の電位との電位差が生じる転写電界を発生さ
せるために中間転写ドラム810に電圧を印加する図示
を省略した電源を有している。画像形成時には中間転写
ドラム810を図中矢印方向に回転させる。また、この
中間転写ドラム810と感光体ドラム610との当接位
置が1次転写ニップである。感光体ドラム610の回転
に伴って転写ニップに進入した上記トナー像は、この転
写電界やニップ圧の作用を受けて中間転写ドラム810
31上に1次転写される。そして、このようにして1次
転写された上記トナー像は、図示しない領域で転写紙P
に2次転写される。
【0093】なお、上記転写装置として、本実施形態の
ように中間転写ドラム810を用いず、無端状の中間転
写ベルト860を用いても良い。また、転写方法として
は、上記転写ローラ32のような静電ローラによる方法
や、コロナ放電による方法、粘着転写法、熱転写法など
を用いることができる。
【0094】上記構成の画像形成装置で反転現像により
画像を形成する場合について説明する。上記感光体ドラ
ム610は、図示しないモータ等の駆動手段によって複
写時には一定速度で矢印方向に回転駆動される。そして
帯電器20により暗中にて一様に600[V]程度に帯電
された後に、露光装置により画像に対応した光像が照射
されて静電潜像が感光体ドラム610の外周表面上に担
持される。その後、上記静電潜像は現像装置100の部
分を通過する間に、帯電したトナーを付着されて現像さ
れる。
【0095】感光体ドラム610上に形成されたトナー
像は、転写装置により転写紙Pに転写される。その後、
感光体ドラム610は、上記除電ランプ640により、
感光体ドラム610の表面の残留電荷が除電される。そ
して、クリーニング装置650により、感光体ドラム6
10の表面に残留しているトナーが除去される。その
後、次の画像形成工程の帯電器620による帯電を行う
前に、必要に応じて、再度、感光体ドラム610の表面
を、図示しない除電ランプにより残留電位を除去が除去
される。
【0096】また、トナー像が転写された転写紙Pは、
図示しない定着装置を通過して、トナーを転写紙Pに定
着させる。そして、トナー像が定着した転写紙Pは、こ
の定着装置から排紙経路を経て機外に排出される。な
お、定着装置としては、例えば加熱加圧定着、溶剤定
着、加圧定着等の定着方式を用いることができる。
【0097】本実施形態の画像形成装置で用いられる現
像剤は、従来一般的に市販され使用されている低粘性低
濃度の液体現像剤、例えば、Isopar(商品名:エ
クソンモービル社製)と呼ばれる絶縁性液体キャリア中
に、1[wt%]程度の濃度のトナーを含有する1cSt
程度の低粘度の液体現像剤ではなく、高粘性高濃度の液
体現像剤である。この高粘性高濃度の液体現像剤とは、
その溶媒としてシリコーンオイル、ノルマルパラフィ
ン、IsoparM(商品名:エクソンモービル社
製)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いキャリアを用い
ている。そして、この溶媒中に、5〜40[wt%]程度
の濃度のトナーを含有し、100〜5000[cSt]程
度の粘度の液体現像剤である。また、トナーの粒径につ
いても、サブミクロンから6[μm]程度まで、同様に調
整されている。
【0098】さて、本実施形態3のように、不揮発性の
溶媒を含む現像剤を用いて現像した画像は、転写紙Pへ
の定着時に溶媒の含有率が高い程、定着性が低下してし
まうことが分かった。これは、定着方法が加熱加圧定着
による場合に限らず、溶剤定着、加圧定着等の種々の定
着方法でも程度の差はあるものの、言えることである。
そこで、本実施形態3においては、画像の定着に先立っ
て画像中の不揮発性溶媒を十分に除去し、画像の定着性
を向上させることができるうようにしたものである。以
下に、本実施形態の特徴について説明する。
【0099】先ず、本実施形態の特徴部の一つである現
像装置700について説明する。現像装置700は、タ
ンク部701、攪拌スクリュー702、703、アニロ
クスローラ704、規制ブレード705、現像ローラ7
06、クリーニングブレード707、帰還部708等を
備える現像部709と、像担持体上除去部材としてのス
イープローラ710a、710b、クリーニングブレー
ド711a,711b等を備えるスイープ部712とか
ら構成されている。
【0100】現像ローラ706とスイープローラ710
とにはそれぞれ金属ブレードもしくはゴムブレードから
なるクリーニングブレード707,711が備えられて
いる。各クリーニングブレードに代わってローラ式のク
リーニング部材であってもよい。また、アニロクスロー
ラ704には規制ブレード705が備えられている。
【0101】特に、現像ニップを形成することによっ
て、現像剤のトナーが現像領域の現像電界により、感光
体ドラム610に対して移動し付着するための一定の現
像時間を確保することができる。また、当接圧力を調整
することによって各ニップ部における表面移動方向の大
きさであるニップ幅を調整することができる。
【0102】各ニップ幅は、従来の電子写真プリンタに
おいては、各ローラの線速と現像時定数との積、以上に
設定することになる。ここで、現像時定数とは、現像量
が飽和するまでに要する時間であって、ニップ幅をプロ
セス速度で除したものである。例えば、ニップ幅が3
[mm]でプロセス速度が300[mm/sec]であれ
ば、現像時定数は10[msec]となる。本実施形態に
おいては、現像時定数を現像時間より小さく設定してい
る。これによって、感光体に現像されなかった現像剤を
凝集させることなく、現像ローラのクリーニング装置に
よって回収できる。
【0103】現像動作時においては、上記現像ローラ7
06にアニロクスローラ704によって現像剤の薄層が
形成される。このとき現像ローラ上に塗布される現像剤
の厚みが、その現像ローラ表面の1[cm]当たりに担
持されるトナー中の顔料含有分が4[μg]以上、40
[μg]以下となるように設定した。このために、現像剤
の薄層を5〜10[μm]の厚みに塗布するようにした。
この理由は、現像剤の量が、現像ローラ表面の1[cm
]当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が4[μ
g]より小さい場合では、十分な量の顔料が上記感光体
ドラム610上に形成された潜像の画像部に移動せず、
画像部の画像濃度が薄くなるおそれがあるからである。
また、現像ローラ706表面の1[cm]当たりに担持
されるトナー中の顔料含有分が40[μg]より大きい場
合では、現像後の感光体ドラム610地肌部(以下、非
画像部という)に残留する余剰トナーの着色度が高くな
り画像のカブリが生じるおそれがあるからである。尚、
本実施形態においては、現像ローラ上に塗布する現像剤
層の厚みを8[μm]、感光体ドラム610の膜厚を30
[μm]に設定している。
【0104】そして、上記現像ローラ表面に形成された
現像剤の薄層は、感光体ドラム610と現像ローラとに
より形成された現像ニップを通過する。一般的に電子写
真の現像装置では、十分なトナーを感光体と現像装置と
の相対する領域に送るため、現像ローラの表面移動速度
を感光体の表面移動速度よりも速めに設定している。こ
のため、トナーは感光体表面に対して早い移動速度を持
つため、潜像との間に位置的なずれを生じ、画像として
は、先端がかすれたり、縦線と横線とのバランスが悪か
ったりする現象が現れる。この現象は湿式現像でも見ら
れる現象である。本実施形態に係るプリンタでは、上記
現像ローラの表面と感光体ドラム610の表面とがほぼ
等速で移動し、トナーに対して相対的に感光体ドラム6
10の接線方向の速度ベクトルを持たせないので、上記
現象が生じることがない。
【0105】上記現像ローラには、感光体表面電位(6
00[V])より低い現像バイアス電圧(500[V])が
印加されており、露光装置3により露光されて50[V]
以下になった画像面との間に現像電界を生じる。図23
(a)、(b)は、上記現像ニップにおける現像剤の状
態を模式的に示した図である。感光体ドラム610の画
像部では、図23(a)に示すように、現像剤中のトナ
ーTは上記電界によって感光体ドラム610に移動して
潜像を顕像化する。一方、非画像部では、図23(b)
に示すように、現像バイアス電位と感光体電位とによっ
て形成される電界(以下、非画像部電界という)によ
り、非画像部に残留している非画像部残留トナーTを現
像ローラ表面に引き寄せる。これによって非画像部にト
ナーTが一部残留するのみでほとんど現像ローラに回収
される。
【0106】しかしながら、図23(b)に示すよう
に、上記現像ニップを通過した感光体ドラム610の非
画像部には少量のキャリア液Cが付着してしまう。この
キャリア液Cは、転写紙Pに転写されるか、あるいは、
転写紙Pへ未転写のキャリア液はクリーニング装置で除
去されて廃棄される。このように、感光体ドラム610
の非画像部に付着したキャリア液Cが余分に消費されて
しまうため、装置のランニングコストをアップする原因
となっている。感光体ドラム610の非画像部にキャリ
ア液Cを付着しないようにすることが望ましいが、非画
像部にキャリア液Cを全く付着させないのは困難であ
る。
【0107】そこで本実施形態に係るプリンタでは、感
光体ドラム610の非画像部に付着したキャリア液Cを
スィープ(掃除)するために、図22に示すように、2
つのスィープローラ710a、710bを設けている。
これらのスィープローラ710a、710bは、現像ロ
ーラ706に対し感光体ドラム610の回転方向下流側
に、そのドラム回転方向で順次現像されたトナー層を挟
むように設置されている。これらスィープローラ710
a、710bは、感光体ドラム610に押圧され、その
表面が、感光体ドラム610の表面との対向部で感光体
表面移動方向と同じ方向に略等速で移動する。
【0108】上記スィープローラ710a、710b
は、円柱形状をしており、その外周面に導電性を有する
弾性体からなる弾性層43aが設けられている。この弾
性層43aの材質としてはウレタンゴムを用いることが
できる。弾性層43aのゴム硬度としては、JIS−A
硬度で50度以下であることが望ましい。なお、上記弾
性層43aの材質はウレタンゴムに限られるものではな
く、溶剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよ
い。また、上記スィープローラ710a、710bは、
コーティングもしくはチューブにより、その表面粗さ
(Rz)が3[μm]以下の平滑性を有するように構成さ
れている。なお、弾性層43aをスィープローラ710
a、710bに設ける構成ではなく、弾性層を感光体側
に設ける構成であってもよい。さらに、感光体を無端ベ
ルト状部材で構成してもよい。
【0109】そして、上記スィープローラ710a、7
10bを感光体ドラム610に対して適当な圧力で当接
させると、弾性層43aが弾性変形し、除去ニップを形
成する。当接圧力を調整することで除去ニップにおける
表面移動方向の大きさである除去ニップ幅を調整するこ
とができる。なお、スィープローラ710a、710b
の表面は、上述したように感光体ドラム610の表面と
同じ方向に略等速で移動するようになっている。従っ
て、感光体ドラム610上に現像されたトナーTに対し
て相対的に感光体ドラム610の接線方向の速度ベクト
ルを持たせない。これにより、スィープローラ710
a、710bで感光体ドラム610上のトナー画像を乱
すことなく余剰なキャリア液を除去することができる。
【0110】更に、これらのスィープローラ710a、
710bには、それぞれ所定のバイアスを印加してい
る。図24(a)は本実施形態におけるスィープローラ
710a、710bに印加するバイアス(以下、スイー
プ電位という)の説明図である。スィープローラ710
a、710bには、感光体ドラム610の非画像部電位
と画像部電位との間の電位となるよう、電圧を印加して
いる。スィープローラ710a、710bに印加する各
電位をVdr1、Vdr2とすると、その電位の関係
は、数1に示すとおりである。
【数1】感光体非画像部電位>現像ローラ電位>Vdr
1>Vdr2>感光体画像部電位 本実施形態においては、感光体非画像部電位を600
[V]、現像ローラ電位を500[V]、Vdr1を450
[V]、Vdr2を400[V]とした。また、感光体画像
部電位は50[V]以下である。
【0111】以上のようにスィープローラ710a、7
10bに電圧を印加することによって、感光体ドラム6
10とスィープローラ710a、710bとのニップ部
では、次のような効果が得られる。感光体ドラム610
上の画像部のトナーは、感光体ドラム610側に電界の
力によって圧縮され、剥ぎ取られることがない。また、
感光体ドラム610上の非画像部に付着している現像剤
はスィープローラ710a側に電界の力によって引き寄
せられ、回収される。よって、スィープローラ710
a、710bを設けたことによって、感光体ドラム61
0上の余剰なキャリア液Cを除去回収できることに加え
て、非画像部に少量付着した余剰トナーまでも除去回収
することができる。図23(c)に示すように、上記現
像ニップにおいて、感光体ドラム610上の非画像部に
付着したトナーTの一部が、現像ローラ706表面まで
移動しきれずに感光体ドラム610側に残るとカブリの
原因となる。上記スィープローラ710a、710bで
は、このカブリの原因となるトナーT(以下、「カブリ
トナー」という)を除去回収することもできるようにな
っている。
【0112】図25は、除去ニップ近傍の拡大図であっ
て、感光体ドラム610の非画像部に付着したキャリア
液Cを上流側のスィープローラ710aで除去する状態
を模式的に示した図である。図に示すように、現像ロー
ラ706表面に担持されている現像剤は、現像ニップN
1を通過すると、感光体ドラム610の非画像部にはキ
ャリア液が付着する。このとき、感光体ドラム610の
画像部には、トナーTとキャリアとからなる現像剤が付
着している。そして、感光体ドラム610の非画像部に
付着したキャリア液Cは、スィープローラ710aとの
除去ニップを通過すると、感光体ドラム610表面に残
留するものとスィープローラ710a表面に転移するも
のとに分かれる。すなわち、感光体ドラム610の非画
像部に付着したキャリア液Cのうちスィープローラ71
0aに転移した分量だけ感光体ドラム610表面から除
去されたことになる。そして、スィープローラ710a
で除去されたキャリア液Cはクリーニング部材でスィー
プローラ710a表面からクリーニングされて現像剤収
容タンク708に戻される。ここで、現像剤収容タンク
は、アニロクスローラ704に供給するための液体現像
剤を貯留する供給部708aと、現像ローラとスィープ
ローラ710aとから除去された残留トナーを回収する
回収部708bとからなっている。これら、供給部70
8aと回収部708bとは、ギヤポンプ(図示を省略)
を介して併設されている。そして、図25の場合は回収
部708bは、現像ローラとスィープローラ710aと
に設けたクリーニングブレードの下方に位置するように
なっている。これによって、現像に使用されずに現像ロ
ーラ706上に残留した残留トナーと、スィープローラ
710aによって感光体ドラム610表面から引き寄せ
られクリーニングブレードで除去された非画像部残留ト
ナーとが回収部708bに回収される。そして、ギヤポ
ンプで再び供給部に搬送されて現像に再利用できるよう
になっている。これによって、残留トナーリサイクル機
構及び除去部材上残留トナーリサイクル機構を構成して
いる。これによって、スィープローラ710aを設けな
い場合に比べキャリア液Cの消費量を低減してランニン
グコストの削減を図ることができる。尚、図25では、
スィープローラ710a表面からクリーニングされたキ
ャリア液はそのまま下方に落下し、現像ローラ表面から
除去される現像残現像剤と同一の回収部708bに直接
収容されるようになっている。これは、一例であって、
本実施形態においては、2つのスィープローラ710
a,710bからクリーニングされたキャリア液は一時
的にそれぞれの専用タンク713a,713b(図22
参照)に収容される。そして各専用タンク713a,7
13bから現像剤収容タンク708に戻されるようにな
っている。なお、上記スィープローラ710aは、非画
像部の余剰キャリア液Cの除去に加えて、画像部のキャ
リア液Cの一部を除去回収する。現像ニップを通過した
感光体ドラム610の画像部にはトナーTと共にキャリ
ア液Cも付着している。この感光体ドラム610の画像
部表面がスィープローラ710aとの除去ニップを通過
すると、感光体ドラム610の画像部に付着したキャリ
ア液Cの一部がスィープローラ710a側に転移するの
である。
【0113】上記のような、感光体ドラム610表面の
余剰キャリア液を除去するスィープローラ710a、7
10bを、本実施形態では、二段に設けている。これに
よってキャリア液の除去がどのように行われるか、上流
側のスィープローラ710aを第1スイープローラ、下
流側のスィープローラ710bを第2スィープローラと
して以下に具体的に示す。尚、以下の結果は、を得るた
めに使用したスィープローラ710a、710b及び感
光体ドラム610の仕様は、次のとおりである。スィー
プローラ710a、710bの外径をφ24[mm]、弾
性層43aのゴム硬度を20度(JIS−A)、感光体
ドラム610の外径をφ80mmに設定した。また、ス
ィープローラ710a、710bと感光体ドラム610
との除去ニップ幅を2[mm]に設定した。
【0114】
【表1】 表1は、スイープローラ710a、710bによる余剰
キャリア除去の結果を示したものである。表1に示すよ
うに、現像ローラ表面に担持される現像剤が0.8[m
g/cm ]のとき、現像ニップN1を通過した感光体
ドラム610の非画像部には0.30[mg/cm]の
キャリア液Cが付着する。この感光体ドラム610の非
画像部に付着したキャリア液Cは、第1スィープローラ
710aとの除去ニップを通過すると、その付着量が
0.15[mg/cm]に減少する。すなわち、感光体
ドラム610の非画像部に付着したキャリア液Cのうち
0.15[mg/cm ]が第1スィープローラ710a
で除去されたことになる。つまり、上記第1スィープロ
ーラ710aは、現像時に感光体ドラム610上の非画
像部に付着した余分なキャリア液Cの約半分程度を除去
することができる。一方、現像ニップを通過した感光体
ドラム610の画像部には、0.63[mg/cm]の
キャリア液Cが付着する。この感光体ドラム610の画
像部に付着したキャリア液Cは、第1スィープローラ7
10aとの除去ニップを通過すると、その付着量が0.
49[mg/cm]に減少する。すなわち、感光体ドラ
ム610の画像部に付着したキャリア液Cのうち0.1
4[mg/cm]がスィープローラ43で除去されたこ
とになる。そして、第1スィープローラ710aで除去
されたキャリア液Cはクリーニングブレード711aで
第1スィープローラ710a表面からクリーニングされ
て専用タンク713aに収容され、その後現像剤収容タ
ンク708に戻される。
【0115】ここで、本実験で使用したスィープローラ
のゴム硬度は20度(JIS−A)程度であるために除
去ニップ内部の圧力は低い。したがって、除去ニップ内
部の圧力を高めれば(例えばスィープローラのゴム硬度
を50度より高く設定する)、除去ニップを通過できる
キャリア液量も制限されるため、さらに感光体ドラム6
10側へのキャリア液Cの付着を低減することができ
る。しかし、過度の圧力を感光体ドラム610とスィー
プローラとに与えると、画像部のトナー粒子もこの除去
ニップを通過できなくなり、画像流れなどの不具合を生
じる虞が大きい。よって、弾性層のゴム硬度の好ましい
範囲は50度(JIS−A)以下であり、より好ましく
は20度程度である。但し、弾性層のゴム硬度の数値は
一例であってこの数値に限定されるものではない。
【0116】次に、第2スイープローラ710bによる
余剰キャリア除去の結果を説明する。第2スイープロー
ラ710bには、既に述べたように、400[V]の電圧
を印加している。表1に示すように、第1スィープロー
ラ710aとの除去ニップを通過した感光体ドラム61
0の非画像部には0.15[mg/cm]のキャリア液
Cが付着している。この感光体ドラム610の非画像部
に付着したキャリア液Cは、第2スイープローラ710
bとの除去ニップを通過すると、その付着量が0.08
[mg/cm]に減少する。すなわち、感光体ドラム6
10の非画像部に付着したキャリア液Cのうち0.07
[mg/cm]が第2スイープローラ710bで除去さ
れたことになる。つまり、上記第2スイープローラ71
0bによっても、現像時に感光体ドラム610上の非画
像部に付着した余分なキャリア液Cの約半分程度を除去
することができる。一方、現像ニップを通過した感光体
ドラム610の画像部には、0.49[mg/cm]の
キャリア液Cが付着する。この感光体ドラム610の画
像部に付着したキャリア液Cは、第2スイープローラ7
10bとの除去ニップを通過すると、その付着量が0.
41[mg/cm]に減少する。すなわち、感光体ドラ
ム610の画像部に付着したキャリア液Cのうち0.0
8[mg/cm]が第2スイープローラ710bで除去
されたことになる。そして、第2スイープローラ710
bで除去されたキャリア液Cはクリーニングブレード7
11bで第2スイープローラ710b表面からクリーニ
ングされて専用タンク713bに収容され、その後現像
剤収容タンク708に戻される。
【0117】第2スイープローラ710bによる除去ニ
ップに進入する感光体ドラム610表面は、既に第1ス
イープローラ710aによって非画像部のカブリは概ね
除去されている。そして、第2スイープローラ710b
に印加された電圧と感光体ドラム610との間に生じる
除去電界によって、画像部のトナーTが感光体ドラム6
10表面に圧縮され、トナー粒子間のキャリア液体が更
に除去されたのである。
【0118】以上のように第1スィープローラ710
a、第2スイープローラ710bによる感光体ドラム6
10上の余剰キャリア除去によって、トナーは次のよう
に変化した。ここで、以下に説明する「画像濃度」とは
形成された画像の光学濃度であり、「現像剤濃度」とは
画像を構成している現像剤に対する現像剤中のトナーの
重量比である。 現像ニップにおける現像剤濃度 現像直後の感光体ドラム610上の画像の現像剤濃度の
算出のため、その画像を構成している現像剤中のトナー
重量を数2を用いて算出した。
【数2】画像中トナー重量=現像ローラ上現像剤塗布量
×現像剤トナー濃度×現像率 現像ローラ上現像剤塗布量=0.8[mg/cm] 現像剤トナー濃度=15[%] 現像率=100[%] これによって算出した結果、現像直後の画像を構成して
いる現像剤の現像剤濃度は19[%]であった。 第1スィープローラ710aによるキャリア除去後の
現像剤濃度 感光体ドラム610上の画像は、第1スィープローラ7
10aによる除去ニップ通過後、画像濃度が95[%]を
維持できた。従って、その画像を構成している現像剤中
のトナー重量は数3によって求めることができる。
【数3】画像中トナー重量=現像直後感光体ドラム上ト
ナー重量×95[%] これによって算出した結果と上記表1の結果とから、第
1スィープローラ710aによるキャリア除去後の画像
を構成している現像剤の現像剤濃度は23%であった。 第2スィープローラ710bによるキャリア除去後の
トナー 更に、第2スィープローラ710bによる除去ニップ通
過後、画像濃度が95[%]を維持できた。従って、上記
表1の結果より、第2スィープローラ710bによるキ
ャリア除去後の画像を構成している現像剤の現像剤濃度
は26[%]であった。
【0119】なお、第1スィープローラ710a及び第
2スィープローラ710bによりカブリトナー40cを
効率的に除去できる。このため、感光体ドラム610と
現像ローラ706との間の現像ニップでカブリトナー4
0cが少々残留してもよく、カブリ除去電界(現像ロー
ラ706に印加された現像バイアスと感光体帯電電位と
の電位差)を低く抑えることできる。よって、感光体ド
ラム610の帯電電位を低くすることが可能になる。こ
のことにより、感光体ドラム610の耐久性向上、帯電
装置の負担軽減、露光パワーの低減等、種々の利点が生
じる。また、第1スィープローラ710aと第2スィー
プローラ710bとの電圧を上記のように設定したこと
によって、次のようなメリットもある。即ち、第2スィ
ープローラ710bは、画像部のトナーを剥ぎ取ること
なく、非画像部に付着したカブリトナーを回収し、ま
た、画像部の余剰キャリアも除去できるというものであ
る。
【0120】以上のように、第1スィープローラ710
a及び第2スィープローラ710bによって非画像部の
液体現像剤や画像部の余剰キャリアを除去できるので、
リブのない細線再現性の良い画像を感光体に形成でき
る。また、感光体ドラム610上でトナー像を形成する
現像剤の現像剤濃度を上げる事が出来た。
【0121】第1スィープローラ710a及び第2スィ
ープローラ710bに印加するバイアスについては、感
光体に放電を発生させなければ良い。特にそれぞれに印
加する電圧の上限は、感光体とトナーの特性で決定され
る。また、第1スィープローラ710aで除去できない
非画像部のカブリを第2スィープローラ710bで除去
しても良い。その場合、第2スィープローラ710bに
印加するバイアスは第1スィープローラ710aを通過
したときのトナー像の画像部表面電位と非画像部表面電
位との間に設定する。このように第1スィープローラ7
10aで回収できない非画像部のカブリを第2スィープ
ローラ710bで除去すれば、第1スィープローラ71
0aで非画像部のカブリトナーを凝集した状態で回収す
る必要がなくなる。よって、現像剤を再利用する上で好
都合となる。
【0122】また、実施形態3の変形例として、第1ス
ィープローラ710aと第2スィープローラ710bと
に印加するバイアスによって、それぞれ異なる作用を発
揮するよう、バイアス値を設定しても良い。例えば、第
1スィープローラ710aには、主に感光体ドラム61
0の地肌部に付着している現像剤を引き寄せるようなバ
イアスを印加する。第2スィープローラ710bには、
感光体ドラム610の画像部に付着したキャリアを付着
させ、かつ画像部のトナーを感光体ドラム610表面に
圧縮するバイアスを印加する。具体例としては、第1ス
ィープローラ710aには450[V]とし、非画像部に
残留する感光体上の地汚れトナーおよびキャリア液を除
去し、第2スィープローラ710bには500[V]を印
加し、画像部をさらに圧縮し、画像部のキャリアおよ
び、非画像部のキャリアを除去することが考えられる。
尚、ここで示したバイアスは一例でありこれに限るもの
ではない。第1スイープローラでは感光体ドラム610
の地汚れを除去できる電界、第2スイープローラではキ
ャリアを除去しつつ画像を除去しない電界をそれぞれ発
生できるバイアスを印加すればよい。
【0123】尚、本実施形態に記載したスィープ電界
は、非画像部と画像部の画像濃度、トナーの凝集状態等
の因子を満たすことができるように最適化をはかる必要
があり、最適化が行われた上で、決定されるものであ
る。また、好ましいスィープ電界の強度は、トナーの易
動度によっても左右される。このため、本実施形態3に
用いた現像剤では上記のような電界強度が好ましいが、
異なる種類のトナーを用いた場合にはこの電界強度に限
定されるものではない。現像後に現像ローラあるいはス
イープローラ上に付着残留する現像剤が凝集しなければ
良い。
【0124】更に、液体画像形成装置の感光体ドラム6
10に当接するように中間転写体を配置し、感光体ドラ
ム610上の画像部の電位との電位差が生じる電界が発
生する様に中間転写体へバイアス電圧を印加する。本実
施形態3では中間転写体に−300[V]を印加すること
により、良好に画像を中間転写体上に1次転写すること
が出来た。中間転写体は本実施形態3では中間転写ドラ
ム810で説明する。
【0125】なお、従来は中間転写体として、所定厚さ
の低抵抗の導電性部材の無端ベルトで、たとえば厚さが
30〜150[μm]で、ポリイミドやPET(ポリエチ
レンテレフタレート)、PVDF樹脂などに導電性の物
質(カーボンや金属粉等)を一定割合で混入させたもの
が用いられていた。ところが、上記転写紙Pとして普通
紙等の表面の凹部が比較的大きい紙に上記従来の材質か
らなる中間転写ベルト860によって2次転写すると、
次のような不具合が生じる。即ち、上述したように、中
間転写ベルト860の表面が硬いため普通紙等の表面凹
部に追従することができず、転写不良による濃度ムラ等
が生じる。そこで、本実施形態に係る中間転写ドラム8
10は、普通紙等の表面の凹部に追従するように弾性体
を主として構成し、転写不良が生じないようにした。
【0126】図26は、本実施形態に係る中間転写ドラ
ム810の一例の説明図である。中間転写ドラム810
は、弾性導電体と、該弾性導電体811が金属性のドラ
ムに接着されたドラム812と、表面コート層813と
により構成されたものである。上記弾性導電体は、たと
えばカーボンを分散させたポリウレタンゴムで構成する
ことができる。この弾性導電体は、厚さが200〜20
00[μm]、体積抵抗率が10〜1012[Ωcm]、
硬度がJISAで15〜80度(Hs)であれば、所定
の効果を得ることができる。また、上記表面コート層
は、トナー粒子の離型性を向上させて2次転写性を向上
させるとともに、2次転写後の転写紙Pの分離性を向上
させるためのものである。たとえばフッ素系樹脂を含む
コート層を5〜60[μm]の厚さにコーティングして形
成したものである。
【0127】上記中間転写ドラム810は、非画像部の
余剰キャリア液Cの付着防止に加えて、画像部のキャリ
ア液Cの一部を付着防止することもできる。
【表2】 表2は、中間転写ドラム810への1次転写による画像
及び非画像部の余剰キャリア除去の結果を示したもので
ある。表1において、第2スイープローラ710bとの
ニップを通過した感光体ドラム610の画像部には0.
41[mg/cm]のキャリア液Cを含む現像剤が付着
している。それが、中間転写ドラム810と感光体が形
成する1次転写ニップを通過した中間転写ドラム810
の画像部には、0.35[mg/cm]のキャリア液C
を含む現像剤が付着する。また、この時の感光体上の画
像部のトナー像は1次転写工程で、100[%]の画像濃
度を維持し、中間転写体上にトナー像を形成できた。し
たがって、中間転写ドラム810に1次転写像を形成す
ることにより、中間転写ドラム810に形成されたトナ
ー像の画像部における現像剤濃度は約30[%]と見積も
れる。
【0128】これによって、中間転写ドラム810を用
いて感光体から中間転写ドラム810に画像を1次転写
することにより、感光体上のトナー像の画像部はキャリ
ア液を感光体に残し、1次転写を終える。したがって、
中間転写ドラム810上のトナー像の画像部トナー濃度
を更に上昇させることができる。更に、非画像部におけ
るキャリア付着量も、略半分に減らすことができる。
【0129】さらに中間転写体上のトナー像から、画像
部あるいは非画像部に付着したキャリア液Cをスィープ
(掃除)するために、図22に示すように、中間転写体
上除去部材としての中間転写体スィープローラ820を
設けている。この中間転写体スィープローラ820は、
感光体との接触点(1次転写位置)の回転方向下流側であ
って、現像されたトナー層を挟むように、中間転写ドラ
ム810に押圧して設置されている。中間転写体スイー
プローラ820の表面は、中間転写ドラム810の表面
と略等速で移動する。
【0130】上記中間転写体スィープローラ820は、
外周面に弾性体の弾性層が設けられている。この弾性層
の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。弾
性層のゴム硬度としては、JIS−A硬度で50度以下
であることが望ましい。なお、上記弾性層の材質はウレ
タンゴムに限られるものではなく、溶剤で膨潤したり溶
解したりしない材質であればよい。また、上記中間転写
体スィープローラ820は、コーティングもしくはチュ
ーブにより、その表面粗さ(Rz)が3[μm]以下の平
滑性を有するように構成されている。なお、弾性層を中
間転写体スィープローラ820に設ける構成ではなく、
弾性層を中間転写体側に設ける構成であってもよい。さ
らに、中間転写体を無端ベルト状部材で構成してもよ
い。
【0131】そして、上記中間転写体スィープローラ8
20を中間転写ドラム810に対して適当な圧力で当接
させると、弾性層が弾性変形し、除去ニップを形成す
る。当接圧力を調整することで除去ニップにおける表面
移動方向の大きさである除去ニップ幅を調整することが
できる。なお、中間転写体スィープローラ820の表面
は、上述したように中間転写ドラム810の表面と略等
速で移動するようになっている。従って、中間転写ドラ
ム810に現像されたトナーに対して相対的に中間転写
ドラム810の接線方向の速度ベクトルをもたせない。
これにより、中間転写体スィープローラ820で中間転
写体ドラム上のトナー画像を乱すことなく余剰なキャリ
ア液Cを除去することができる。
【0132】なお、上記中間転写ドラム810は、非画
像部の余剰キャリア液の付着防止に加えて、画像部のキ
ャリア液の一部を付着防止することもできる。表2にお
いて、中間転写ドラム810画像部には0.35[mg
/cm]のキャリア液を含む現像剤が付着する。そし
て、中間転写ドラム810と中間転写体スイープローラ
が形成するニップを通過した中間転写ドラム810の画
像部には0.[mg/cm]のキャリア液Cを含む現像
剤が付着する。また、この時の感光体上の画像部トナー
像は中間転写スイープ工程で、100[%]の画像濃度を
維持し、中間転写体上にトナー像を形成できた。従っ
て、中間転写ドラム810に中間転写スイープすること
により、中間転写ドラム810に形成されたトナー像の
画像部における現像剤濃度は約35[%]と見積もれる。
以上のように、中間転写体と中間転写体スイープローラ
820との両方を用いている。これによって、感光体ド
ラム610から中間転写体への1次転写及び中間転写体
スイープローラ820によるキャリア除去の2段階で、
中間転写体上のトナー像の画像部現像剤濃度を更に上昇
させることができた。本実施形態3では、中間転写体ス
イープローラ820に印加するバイアスは中間転写ドラ
ム810にトナー像を転写するための1次転写バイアス
−300[V]が印加されているので、0[V]程度で良好
であった。
【0133】本実施形態3においては、転写紙Pへの画
像の定着性向上のために、定着ニップに至るまでにキャ
リアを除去する構成を示したものである。以上のように
感光体ドラム610上、中間転写ニップ、中間転 写体
上等の複数の箇所でキャリアを除去すると、転写紙Pへ
の2次転写の前に、既に画像部現像剤濃度を35[%]に
まで上昇させることができた。これによって、転写紙P
上に2次転写した後の画像定着性が安定したものとなっ
た。
【0134】ところで、現像剤濃度の上昇は画像の定着
性向上に効果がある反面、画像の転写性は低下し、転写
における画像劣化の原因となることが分かった。図27
は、現像剤濃度と転写紙Pへの2次転写率との関係を示
したグラフである。転写率とは、1次転写後の中間転写
体上の画像濃度を分子に1次転写後と2次転写後の中間
転写体上の画像濃度の差をに分母にして計算したもので
ある。グラフ中実線において、現像剤濃度が30[%]以
下のとき、転写紙P体への転写率は90[%]程度あり、
画像欠陥の少ない良好な画像が得られる。そして、現像
剤濃度が上昇するのに従って、転写率が低下する。この
グラフ中では、転写率が50[%]以上であれば許容範囲
である。現像剤濃度が70[%]に達すると、転写率が許
容範囲以下となり、2次転写不良が発生する。現像剤濃
度の上昇によって転写不良が発生するメカニズムは、以
下のように説明することができる。本実施形態において
は、現像剤中のキャリアを高引火点で高電気抵抗値を有
するものを使用している。高引火点のキャリアはほとん
ど揮発しない。そして、本実施形態ではキャリアの引火
点は、250[℃]以上のものを使用している。ここで、
引火点の測定法はタグ密閉式、セタ密閉式、クリーブラ
ンド開放式等があり、各測定法によって測定できる温度
範囲が異なっている。具体的には、タグ密閉式が0[℃]
未満、こてで測定できない場合は動粘度を測定した後、
セタ密閉式で0〜80[℃]の範囲を測定する。さらにそ
れ以上の温度をクリーブランド開放式によって測定す
る。従って、本発明で用いられる引火点の測定方法はク
リーブランド開放式を利用している。そして、具体的に
使用できるキャリアのその例を3つ例示しておく。東レ
ダウコーニング社製シリコーンオイル・SH200−5
0CSで引火点が310[℃]、東レダウコーニング社製
ジメチルシリコーン・SH200−20CSで引火点が
255[℃]、SH200−20CSで引火点が325
[℃]、信越化学社製シリコーンオイル・KF96−50
CSで引火点が310[℃]などがある。それぞれ、引火
点の計測は、クリーブランド開放式を用いて行った。
尚、高引火点のキャリアに対し、引火点の低いキャリア
としては、エクソンモービル社製アイソパーLで引火点
が60[℃]、エクソンモービル社製アイソパーGで引火
点が41[℃]などが知られている。これらのキャリアは
本実施形態のプリンタには使用しないものとする。現像
剤はトナー粒子である顔料成分が含まれた絶縁性の樹脂
(以下、定着樹脂)を上記高引火点のキャリア液中に分
散している。また、キャリア液体と顔料成分を含んだ定
着樹脂を、分散樹脂と呼ばれる樹脂と帯電制御剤とを適
量混合したものに分散させることにより、均一分散され
た現像剤を得ることもある。特に顔料成分がカーボンブ
ラックなどの電気抵抗値の低い顔料を用いた定着樹脂で
はトナー粒子の外周にカーボンブラックなどの導電性粒
子が存在することになる。このような現像剤を、定着性
向上のためにキャリア除去していくと、トナー粒子の外
周に絶縁膜として働いていたキャリア液体が介在でき
ず、トナーT同士、カーボンブラック同士がつながって
トナー粒子層となる。図31(a)は、トナー粒子間に
キャリアCが存在している状態、(b)はトナー粒子層
となった状態を示したものである。そして、このトナー
粒子層が低抵抗のため、トナー粒子の絶縁性が保てなく
なる。そして、例えば本実施形態のように、正帯電した
液体現像剤が1次転写あるいは2次転写ニップでマイナ
スの転写バイアスを受けると、電荷の注入を受け、トナ
ー粒子の極性が保てなくなる。つまり、トナーの極性が
反転し、転写バイアスによる電界の働きによってトナー
粒子の動きを制御することができなくなる。
【0135】表3は、現像剤の電気抵抗を段階的に区切
り、各範囲ごとに2次転写性を調べた結果を、転写性が
良好の場合を「○」、悪い場合を「×」として示したも
のである。
【表3】 表中の電気抵抗の各範囲は、下限値を含み、上限値は含
まない。そして、本実施形態に用いている現像剤Aの場
合、現像剤濃度が30[%]のとき、現像剤の電気抵抗が
1010〜1014[Ωcm]、50[%]のとき、現像剤
の電気抵抗が10 〜1010[Ωcm]、70[%]のと
き、現像剤の電気抵抗が10〜10[Ωcm]の範囲
に属している。この結果から、トナー層の電気抵抗が1
[Ωcm]以上では2次転写性が良好であり、トナー
層の電気抵抗が10[Ωcm]を下回ると2次転写性が
悪くなることが分かった。これは、転写を行うときの、
現像剤の電気抵抗が転写性を左右することとなる。ま
た、現像剤Aの電気抵抗は、現像剤濃度が高くなるほど
低下していくことも分かった。
【0136】上記結果より、現像剤中のキャリアを定着
性向上のためにある程度除去しても、電気抵抗が低下し
すぎないような液体現像剤であれば、定着性も良好に維
持することが可能であると考えられる。そこで、現像剤
濃度によって、現像剤の電気抵抗がほとんど変化しない
現像剤Bを用いることを考えた。この現像剤Bは、定着
樹脂の表面に顔料成分が現れない様に定着樹脂を処理し
たものであり、その転写性は、図27の一点鎖線に示す
ような結果が得られる。従って、現像剤Bを用いて画像
形成を行うことによって、転写性と定着性との両方を良
好に保つことができる。尚、現像剤Bの構造としては、
例えば、分散樹脂によって定着樹脂表面に現れた顔料成
分をコートしたものが考えられる。また、更に顔料成分
のカーボンブラックの抵抗値を高抵抗処理したものを用
いると効果的である。
【0137】以上、本実施形態は、プロセススピード3
00[mm/sec]で感光体ドラム610上の静電潜像
を顕像化する反転現像法で実験を行なったものである。
また、本実施形態では、反転現像により画像を形成する
場合について説明したが、正規現像により画像を形成す
ることもできる。
【0138】〔実施形態4〕次に、実施形態4について
説明する。図28は、実施形態4にかかるプリンタの概
略構成図である。このプリンタは、上記実施形態3で用
いた液体現像装置を各色ごとに中間転写ベルト860上
に並列配置したものである。このように配置することに
よって中間転写ベルト860上に異なる色の画像を順次
1次転写し、中間転写ベルト860上にフルカラー画像
を形成できるようにしている。そして、カラー画像を2
次転写ローラ890によって転写紙P上にに2次転写す
るカラー液体画像形成装置である。また、本実施形態4
では感光体ドラム610Y,M,C,Kに当接するスイ
ープローラが1本で構成されたが、上記実施形態3のよ
うにスイープローラを2本設けても良い。
【0139】液体現像装置の構成は、実施形態3と同様
なので説明を省略する。次に、中間転写ユニットについ
て説明する。中間転写ユニット800は、懸架ローラ8
51,852,853,854,855,856、85
7,858、これらの懸架ローラに張架された中間転写
ベルト860、1次転写バイアスローラ870K、87
0Y、870M、870C、及びクリーニングブレード
を有するクリーニング装置880等から構成されてい
る。
【0140】上記紙転写ユニットは、2次転写バイアス
ローラ890及び2次転写バイアスローラ890に接続
された図示しない2次転写電源等から構成されている。
さらに2次転写工程に先立って中間転写ベルト860に
中間転写体上除去部材としての中間転写体スイープロー
ラ820を配置した。
【0141】次に、上記中間転写ベルト860、1次転
写バイアスローラ及び2次転写バイアスローラ等につい
て、より具体的に説明する。上記中間転写ベルト860
は、懸架ローラ851,852,853,854,85
5,856、及び感光体ドラム610K、610Y、6
10M、610Cに所定の張力を有するように張架さ
れ、矢印の反時計方向に回転可能となっている。また、
1次転写電荷付与手段は、例えば以下のような配置にな
っている。即ち、1次転写バイアスローラ870Kが感
光体ドラム610Kに対向し、これら1次転写バイアス
ローラ870Kと感光体ドラム610Kとの間に、中間
転写ベルト860を挟み込むような配置である。前記1
次転写バイアスローラ870Kは、1次転写バイアスを
与える電極ともなっており、1次転写バイアスローラ8
70Kには図示しない1次転写電源から所定の転写バイ
アスが印加される。前記懸架ローラ852,857との
間に対向して、2次転写バイアスローラ890が配設さ
れており、2次転写バイアスローラ890は、2次転写
バイアスを与える電極ともなっている。2次転写バイア
スローラ890には図示しない2次転写電源から所定の
転写バイアスが印加される。懸架ローラ853は中間転
写体スイープローラ820に当接し裏面から中間転写ベ
ルト860をグランドに接地している。そして、中間転
写体スイープローラ820との間に電界を生じさせるこ
とが出来る様に、中間転写体スイープローラ820に図
示しない除去電極によってバイアス電圧を印加した。中
間転写体スイープローラ820に印加するバイアスはト
ナー粒子が中間転写ベルト860に圧縮される様に働く
電界を発生させるものであれば良い。また、中間転写体
スイープローラ820が対向している中間転写ベルト8
60の領域を懸架ローラ857と858との間に位置さ
せており、1次及び2次転写ニップに形成される電界と
は独立した電界を形成できるようにしている。本実施形
態4では2次転写バイアスが4色目の1次転写バイアス
に影響を与えない様に懸架ローラ853をグランドに接
地する必要があり、中間転写体スイープローラ820に
バイアス電圧を印加する必要があった。
【0142】ついで、顕像が形成された感光体ドラム6
10Kを回転し、感光体ドラム610と中間転写ベルト
860とが当接する1次転写ニップに顕像が移動する。
そして、1次転写ニップで、上記中間転写ベルト860
100裏面に1次転写バイアスローラ870Kを介し、
正極性トナーの逆極性である負極性バイアス電圧、たと
えば、−300〜−500[V]を印加する。この印加電
圧によって発生した電界で、上記感光体ドラム610K
上の顕像の現像剤を、中間転写ベルト860に引き寄
せ、中間転写ベルト860上に転写する(1次転写)。
フルカラーの画像形成動作では、イエロー現像剤、マゼ
ンタ現像剤、シアン現像剤、ブラック現像剤の順に画像
を中間転写ベルト860に転写してフルカラーの画像を
形成する。
【0143】本実施形態のプリンタは以上のように、中
間転写ベルト860上に順次1次転写することによって
形成したフルカラー画像を、転写紙Pに一括して2次転
写する。これは、感光体ドラム610上の画像を転写紙
P上に順次転写する直接転写方式の画像形成装置より、
キャリア量を低減することが出来る。それは、中間転写
ベルト860上に1次転写する1色目のステーション
(以下、第1ステーションという)は乾いた中間転写ベ
ルト860に当接するためにキャリアの転移量が多い。
次の2色目以降のステーションに関しては中間転写体が
ウェットな状態で1次転写を行えることにより、キャリ
ア液体の付着を低減することができる。さらに、中間転
写ベルト860上のカラートナー像は、色が重なる部
分、重ならない部分ではキャリア液の液量が異なること
は明らかである。よって、中間転写体スイープローラ8
20により、トナーを中間転写ベルト860に圧縮する
ことによってキャリア液を除去し、現像剤濃度を高める
ことが出来る。
【0144】
【表4】 表4は、第1ステーションに画像が存在し、その他のス
テーションに画像がない場合の中間転写ベルト860上
現像剤付着量の変化を各ステーションごとに示したもの
である。感光体から中間転写ベルト860へのトナーの
転写率は100[%]であり、現像率100[%]でスイー
プローラを通過しても感光体の画像は95[%]維持され
る。そして、4つのステーションで転写され終えたとき
の中間転写ベルト860上の1次転写後トナー像の現像
剤濃度は21[%]と見積もれる。本実施形態4の中間転
写体スイープローラ820により、中間転写ベルト86
0上の1次転写後トナー像はキャリア成分が0.15
[mg/cm]除去される。したがって中間転写体スイ
ープローラ820とのスイープニップを通過した後の中
間転写ベルト860上のトナー像は現像剤濃度が29
[%]となる。
【0145】ついで、フルカラーの画像の転写された中
間転写ベルト860を駆動し中間転写ベルト860と不
図示の給紙部から矢印方向に搬送された記録媒体として
の転写紙Pとが当接する2次転写ニップに画像を移動す
る。この2次転写ニップにおいて、転写紙P裏面に2次
転写装置としての2次転写バイアスローラ890を介し
て負極性のバイアス電圧、たとえば−800〜−200
0[V]を印加し、また、たとえば50[N/cm]程度
の圧力をかける。この印加電圧によって発生した電界と
圧力とによって、中間転写ベルト860の現像剤を転写
紙Pに引き寄せ、転写紙Pに一括転写する(2次転
写)。本実施形態4では2次転写バイアスローラ890
に中間転写ベルト860を加圧するローラを、懸架ロー
ラ852,857の2つのローラとしたが、加圧を受け
るための独立した対向ローラを配置しても良い。
【0146】この後、画像(未定着画像)が転写された
転写紙Pは、図示を省略した分離器により中間転写ベル
ト860から分離され、画像定着手段としての画像定着
装置900に搬送される。この画像定着装置900で加
熱定着処理がなされた後に装置本体から排出される。一
方、2次転写後の感光体ドラム610Y,M,C,K
は、除電装置で残留電荷が除電され、その表面がクリー
ニング装置650Y,M,C,Kよってクリーニングさ
れ、未転写現像剤が回収除去されて次の作像に備える。
本実施形態4では中間転写ベルト860上に中間転写体
スイープローラ820を1本配置したが、その数に限定
されるものではない。
【0147】また、中間転写ベルト860の構成は、実
施形態3の中間転写ドラム810の構造で説明した図2
6と同じく、弾性体を設けて構成し、転写不良が生じな
いようにした。ただし、図26に示した断面図では、弾
性導電体811をドラム812に接着させていた。本実
施形においてはベルト形状のため、弾性導電体811の
ベルト周方向への延びを防止するため、ドラム812部
分にナイロンコードもしくはスチールコードを設けてい
る。これらコードの形状は、例えば、直径50〜400
[μm]とすることが考えられる。
【0148】更に、本実施形態においては、転写紙P上
の2次転写画像からも定着前にキャリアを除去できるよ
うにしている。図29は、実施形態4に関するプリンタ
の画像定着装置の概略構成図である。この画像定着装置
900は、転写紙P搬送方向の上流側(図中右側)から
下流側(図中左側)方向に順に次のものを有している。
即ち、溶媒析出手段としてのプレ加熱部910、キャリ
ア除去手段としてのキャリア除去部930、そして加熱
定着手段としての加熱定着部950である。
【0149】加熱定着部950は、加熱ローラ951と
加圧ローラ952が互いに圧接するよう付設されてい
る。加熱ローラ951にはヒータが内蔵され、心金の表
面に順次所望の厚さのゴム層、耐油層(フッ化シリコン
ゴム層)やRTVシリコンゴム層あるいはテフロン層が
積層されている。一方、加圧ローラ952はシリコンゴ
ムにテフロンコートされている。加熱ローラ951の周
辺にはサーミスタ955および温度ヒューズ956が配
置され、これらによって温度制御が行われる。また分離
爪957およびクリーニングブレードが加熱ローラ95
1の表面に接触配置されている。
【0150】上記プレ加熱部910は、転写紙Pのトナ
ー像転写面にプレ加熱ヒータ911が接触するよう配置
され、このプレ加熱ヒータ911には加熱手段としてハ
ロゲンランプあるいは赤外線ヒータが用いられる。ヒー
タは集光された光を用いて構成されるとが好ましい。
【0151】そして、転写紙P搬送方向におけるプレ加
熱部910と加熱定着部950との間に位置しているの
が上記キャリア除去部930である。このキャリア除去
部930は、プレ加熱部910で加熱によってトナー像
表面に析出せしめられた被析出溶媒としての析出キャリ
アを除去するための溶媒除去手段としてのキャリア除去
ローラ931が設けられている。また、トナー像表面を
キャリア除去ローラ931側に押圧する押圧手段として
のバックアップローラ932が設けられている。キャリ
ア除去ローラには転写紙P表面から回収したキャリア液
体を除去回収するクリーニングブレード(図示を省略)
が当接し、常に付着液体のないキャリア除去ローラを転
写紙P画像面に当接できるようにしている。また、上記
キャリア除去ローラ931は、表層部がキャリア液を含
浸しない材料から構成されている。更に、搬送ベルト9
21が駆動ローラ922、懸架ローラ923およびバッ
クアップローラ932に懸架、駆動されている。転写紙
Pは、図に示すように搬送ベルト921によって搬送さ
れ、プレ加熱ヒータ911の下を転写紙Pが通過する際
にプレ加熱ヒータ911からの熱により転写紙Pが加熱
され、トナー層内のキャリアが表面に析出する。転写紙
Pは搬送ベルト921によってそのままキャリア除去部
930に搬送される。
【0152】次に、上記構成の画像定着装置900を用
いた画像の定着動作について説明する。未定着画像が転
写された転写紙Pは、分離装置により中間転写ベルト8
60100から分離され画像定着装置900に入ると、
先ずプレ加熱部910に達する。このとき、転写紙P画
像面がヒータによって加熱され、転写紙P上の未定着画
像を構成している現像剤からキャリアが未定着画像の表
面に析出してくる。表面にキャリアが析出した状態で転
写紙Pは次にキャリア除去部930に進入する。キャリ
ア除去部930では、転写紙P上面の析出キャリアにキ
ャリア除去ローラ931が当接し、バックアップローラ
932で転写紙P裏面からキャリア除去ローラ931側
に押圧された状態で転写紙Pが通過する。この際、析出
キャリアがキャリア除去ローラ931側に転移する。こ
れによって、転写紙P上からは析出キャリアが除去され
る。析出キャリアが除去された転写紙Pは、更に搬送さ
れて加熱定着部950に進入する。加熱定着部950で
は、転写紙P上面即ち画像担持面に当接する加熱ローラ
と、転写紙P裏面から転写紙Pを加熱ローラ側に押圧す
る加圧ローラとのニップ部を転写紙Pが通過する。この
ときに、加熱及び加圧によって画像が転写紙P上に定着
される。その後、画像定着装置900から排出される。
【0153】中間転写ベルト860上の画像は、2次転
写ニップにおいて、転写率90[%]で転写紙P上に2次
転写される。従って、キャリア液が0.04[mg/c
]程度中間転写ベルト860表面に残留することと
なる。表7において、2次転写後の転写紙P上のトナー
像には、キャリア液が0.35[mg/cm]付着して
いる。このときの転写紙P上の画像部における現像剤濃
度は29[%]であった。そして、転写紙Pがキャリア除
去ローラ931との対向ニップを通過すると、キャリア
除去ローラ931によって、0.03[mg/cm]の
キャリアが除去され、トナーは除去されずそのまま転写
紙P上に残留する。このときの転写紙P上の画像部にお
ける現像剤濃度は32[%]となった。これら、1次転写
ニップからキャリア除去ローラ931によるキャリア除
去までの間の、キャリア液付着量を示したものが表5で
ある。
【表5】
【0154】上記構成の画像定着装置900によって、
現像剤を構成するキャリアに不揮発性の成分が含有され
ていても、キャリア除去ローラ931で事前に除去する
ことができる。転写紙P上の未定着画像を確実に定着さ
せることができる。よって、加熱定着を良好に行うこと
ができるようになる。また、加熱定着温度も、キャリア
成分を除去しているため、従来に比して低くすることが
可能となる。これに加え、プレ加熱部910で事前に加
熱した画像を加熱定着するので、加熱定着部950にお
ける加熱温度を1回の加熱で定着させる場合に比して低
くすることが可能である。例えば、プレ加熱部と加熱定
着部とにそれぞれ温度を検知する温度センサを設け、こ
れら温度センサの検知結果に応じてヒータのON、OF
F制御を行い、プレ加熱部と加熱定着部の温度を所望の
温度となるよう制御すれば良い。本実施例の場合、プレ
加熱部910のプレ加熱ローラ911による加熱温度を
100〜150[℃]とし、加熱定着部950における加
熱ローラによる加熱温度を100〜120[℃]として、
良好な定着画像を得ることができた。従って、加熱定着
時間も短縮することが可能となる。更に、キャリア除去
部930材としてローラ形状のキャリア除去ローラ33
1を使用しているので、ベルトやウェブ等の形状に比し
てコンパクトにでき、画像定着装置900を小型にする
のに有効である。
【0155】ここで、現像剤濃度と転写紙Pへの画像の
定着性について行った実験結果について説明する。定着
性はスミア試験器(摩擦試験機I型、JISL0823)を用い
て測定した。試験器は白綿布(JISL0803免号)を取り付
け、画像面を往復10回擦り、白綿布の反射画像濃度を
反射画像濃度計にて画像濃度を測定するのである。測定
した反射濃度からトナーの付着のない白綿布の画像濃度
を減算する。この値を分子に、擦る前の記録体上の画像
濃度(トナーの付着のない記録体の画像濃度を減算し
た)を分母にした値を定着性と読んでいる。定着性はこ
の値が0.1で良い定着性を示している。逆に0.4付
近では手で擦った程度でトナー像が剥がれてしまい良好
な定着性を示すとは言えない。また、この定着性の試験
は、上記加熱設定温度で現像剤Aを用いて行った。トナ
ー固形分量が一定になる様キャリア量を変えて試験を行
った。転写紙Pはリコー製type6200を用いた。図30
は、現像剤濃度に対する転写紙Pへの定着性を調べた結
果を示したものである。この結果より、現像剤濃度が上
昇するに従って、定着性の値が低くなり、定着性が良好
になったことが分かる。一方、現像剤濃度が低下する
と、定着性の値が上昇し、特に現像剤濃度が25[%]以
下で急激に定着性の値が上昇する。よって、定着性が低
下したことが分かる。これより、定着ニップにおける現
像剤濃度が25[%]以上、好ましくは30[%]以上であ
れば良好に定着することが出来るといえる。尚、本実施
形態においては、2次転写直後のトナー像の画像部現像
剤濃度が29[%]であり、既に良好な定着が得られる範
囲に入っている。しかし、もし2次転写直後に現像剤濃
度が25[%]未満であれば、このまま定着ニップに進入
すると定着性が悪くなってしまう。しかし、本実施形態
のように転写紙P上でキャリア液を除去できる構成を有
している場合、定着ニップに進入する前にキャリアを除
去することによって良好な定着性を得ることが可能とな
る。また、画像の転写性向上のためには転写時の現像剤
濃度が低い方が好ましく、画像の定着性向上のためには
定着時の現像剤濃度が高い方が好ましい。この現像剤濃
度に関する相反した要望にも、本実施形態4で示した定
着装置を採用することで応えることができる。なぜな
ら、2次転写ニップまではキャリア除去を行わず、転写
紙P上でキャリア除去を行った後に定着することができ
るためである。
【0156】尚、本実施形態4においては、転写紙P上
でのキャリア除去ローラ931を1つ設けたのみである
が、多段に設けても良い。例えば、図3に示した構成を
用いて、二段でキャリア除去を行うよう構成しても良
い。キャリア除去ローラを多段に設けると、1つのみ設
けている場合に比して除去できるキャリアの量が多くな
る。従って、キャリアの浸透しにくい材質の転写紙P上
に形成された未定着画像でも、加熱定着を良好に行うこ
とができる。またこれは結果的に、この画像定着装置9
00、ひいてはプリンタに適用可能な転写紙Pの種類を
拡大できることにもつながる。
【0157】また、キャリア除去部材をベルトからなる
キャリア除去ベルトで構成することもできる。キャリア
除去ベルトは、キャリア液体に膨潤せず、かつ耐熱性の
特性をもつ材質として、ポリイミド、ポリカーボネイト
などの樹脂フィルムで形成されたものを使用することが
できる。また、キャリア除去ベルト表面をクリーニング
するためのクリーニングユニットを設け、ベルト表面か
ら除去したキャリアを収容器に回収できるよう構成して
も良い。キャリア除去ベルト及びクリーニングユニット
の具体的な構成例としては、例えば、図5で示されてい
る実施形態1の実施例2の定着装置が考えられる。
【0158】また、本実施形態4ではキャリア除去ロー
ラ931をキャリア液を含浸しない材質のものとした
が、これに代えて多孔質体で形成しキャリア液を含浸・
吸収する材質のものであっても良い。例えば、ウェブな
どを配置し、一度使用した面を巻取軸に巻き取ってい
き、最終的に供給軸に巻かれたウェブがなくなると、ウ
ェブを交換するというものであっても良い。
【0159】尚、実施形態4においては、液体現像剤A
を用いた場合の定着性についてのみ説明したが、実施形
態3と同じく現像剤Bを用い、現像剤濃度が多少低くて
も転写紙Pへの定着性を良好に維持することができるよ
うにしても良い。
【0160】上述した実施形態3及び4においては、画
像定着装置として、加熱及び加圧による定着方法を採用
しているが、本発明を適用して定着性の向上をはかるこ
とができる定着方法は、これに限るものではない。例え
ば、加圧定着、溶剤定着等、定着する画像を形成してい
る現像剤中にキャリアが多く含まれていると定着性が低
下してしまうような定着方法では本発明を適用すること
ができる。
【0161】以上、実施形態1及び2の構成によれば、
一部もしくは全てが不揮発性である溶媒中にトナーを分
散させてなる液体現像剤によって形成した画像を良好に
定着させることができる。また、溶媒除去手段としての
キャリア除去部330による溶媒除去後の未定着画像を
上記記録媒体としての転写紙P上に加熱定着する加熱定
着手段としての加熱定着部350を有している。よっ
て、不揮発性溶媒が除去された後の未定着画像を加熱定
着するので、十分な定着を確保できると共に、従来の液
体現像剤からなる画像の定着装置に比して高速定着が可
能となるという優れた効果がある。これは、未定着画像
中で加熱定着に支障を来たす要因となっている不揮発性
溶媒を除去した後の未定着画像を加熱定着手段によって
加熱定着するからである。また、記録媒体の画像担持面
に押圧させた除去ローラとしてのキャリア除去ローラ3
31側に画像表面にある被析出溶媒を転移させて除去す
る構成を採用したものがある。これによって、除去ロー
ラを用いて溶媒除去手段を容易に構成できると共に、除
去ローラ表面を繰り返し溶媒除去に使用すれば、溶媒除
去のための装置を小型にすることもできる。また、記録
媒体の画像担持面に押圧させた無端移動する除去ベルト
としてのキャリア除去ベルト349側に画像表面にある
被析出溶媒を転移させて除去する構成を採用したものが
ある。これによって、除去ベルトを用いて溶媒除去手段
を容易に構成できると共に、除去ベルト表面を無端移動
させて繰り返し溶媒除去に使用することもできる。ま
た、上記除去ローラ又は上記除去ベルト側に転移した上
記被析出溶媒を、該除去ローラ又は該除去ベルトから除
去し回収する溶媒回収手段としてのクリーニングユニッ
ト343を設けている。この被析出溶媒にはトナー成分
は含まれておらず溶媒単体となっていることが観察され
た。従ってそれら被析出溶媒はリサイクルが可能であ
る。また、媒除去後の除去ローラや除去ベルトが再び画
像表面の被析出溶媒の除去に利用できるようになる。そ
して、除去ローラや除去ベルトの溶媒除去作用を長く維
持させることができるようにもなる。更に、被析出溶媒
を回収できるので、回収した溶媒を新たな液体現像剤の
構成材料として再利用することも可能となる。また、上
記溶媒回収手段が、上記除去ローラ又は上記除去ベルト
の重力方向下部で上記被析出溶媒を回収する下部回収手
段としてのクリーニングユニット343Zを有している
構成を採用したものがある。除去ローラ又は除去ベルト
等の溶媒除去部材に転移した溶媒のうち、次のようなも
のを下部回収手段で回収する。それは、溶媒除去部材の
重力方向下部の領域に位置していたり、もともと重力方
向下部以外の領域に位置していたものが重力によってこ
の溶媒除去部材を伝って重力方向下部の領域に移動して
きたりしたものである。これによって、装置の駆動が長
時間停止するなどにより、除去した溶媒が溶媒除去部材
の重力方向下部から滴り落ちそうになった場合でも回収
できるようにする。よって、除去した溶媒が溶媒除去部
材の重力方向下部から滴り落ちそうになった場合でも回
収できるので、装置内部を溶媒で汚染することを回避で
きる。また、上記実施形態1の実施例1における変形例
2いおいては、溶媒除去手段に巻き取り式のウェブを用
いている。記録媒体の画像表面にある被析出溶媒をウェ
ブ側に転移させて除去し、被析出溶媒を保持したウェブ
を巻取り軸により巻き取るようにしているのである。そ
して、被析出溶媒の除去に使用したウェブの部分を巻き
取り、常に新たなウェブ部分で被析出溶媒の除去を行う
ことができる。よって、ウェブの巻取りが終了するまで
はウェブに転移した溶媒を除去しなくても溶媒除去効果
を維持できる。また、これによって、ウェブから溶媒を
除去するためのクリーニング手段を設ける必要がないの
で、装置を簡略化することもできる。また、上記ウェブ
の巻き取り方向を、記録媒体表面移動方向と同方向とし
ている。これによって、記録媒体表面の画像にかかるス
トレスを低減させることができるので、トナー像の欠落
など画像へのダメージを低減することができる。なぜな
ら、記録媒体表面とこれに当接するウェブ表面とが同方
向に移動していくため、逆方向に移動させる場合に比し
て記録媒体表面の画像にかかるストレスを低減できるか
らである。
【0162】また、上記実施形態1及び2においては、
除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを、不織布等のよ
うな多孔質材料、又はシリコンゴムなどのような溶媒に
対して吸収・膨潤性のある弾性体材料を用いて構成して
いる。ここで、除去ローラ又は除去ベルトに対しては、
不織布等のような多孔質材料、又はシリコンゴムなどの
ような溶媒に対して吸収・膨潤性のある弾性体材料のど
ちらかを用いることができる。また、ウェブに対しては
不織布等のような多孔質材料を用いるものとする。これ
によって、被析出溶媒を効率良く除去できるので、これ
らの材料から構成されていない溶媒除去手段を用る場合
に比して優れた定着性を得る事ができると共に、高速定
着が可能となる。なぜなら、多孔質材料や弾性体材料か
らなる除去ローラ、除去ベルト、又はウェブ等を用いる
ことにより、これらの材料から構成されていない溶媒除
去手段を用る場合に比して効率良く被析出溶媒を除去す
ることができるからである。また、上記実施形態2にお
いては、溶媒除去手段としてのキャリア除去ローラやキ
ャリア除去ベルトなどの少なくとも表面を溶媒に対して
吸収・膨潤性のない材料から構成している。よって、除
去ローラや除去ベルトが溶媒に対して吸収・膨潤性のあ
る材料から構成されている場合に比して耐久性を得るこ
とができる。これは、溶媒を吸収・膨潤しないことによ
り、除去ローラや除去ベルトを構成している材料にかか
るストレスが軽減されるからである。よって、吸収・膨
潤性のある材料から構成されている場合に比して耐久性
が高まると共に、消耗品になることも少なくなる。これ
と共に、回収した溶媒をこれら溶媒除去手段の表面から
容易に回収できるため、定着の高速性にも優れている。
これは、キャリア除去ローラやキャリア除去ベルトがキ
ャリア液に膨潤しない材料によって形成されるので、除
去キャリアを効率良くクリーニングできるからである。
また、除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを複数設け
ている構成を採用したものがある。これによって、除去
ローラ、除去ベルト、又はウェブを1つしか設けていな
い場合に比してより多くの溶媒を除去できるので、溶媒
の浸透しにくい材質の記録媒体上に形成された未定着画
像に対する加熱定着を良好に行うことができる。これ
は、複数の除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを用い
て被析出溶媒の除去を多段階に行うためである。またこ
れは結果的に、良好な定着ができる記録媒体を、その溶
媒浸透率の範囲の面で拡大することにもなり、様々な材
質の記録媒体が使用可能となる。また、画像担持面を上
記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブ表面に押圧する
押圧手段としてのバックアップローラを以下のように駆
動している。即ち、除去ローラ、除去ベルト、又はウェ
ブの記録媒体への当接面と、バックアップローラの記録
媒体裏面への当接面とを、記録媒体搬送方向に略同一線
速で移動させている。よって、記録媒体上の画像にスト
レスを与えないので、異常画像の発生を防止できる。な
ぜなら、記録媒体搬送方向に略同一線速で表面移動する
除去ローラ、除去ベルト、又はウェブと、バックアップ
ローラとに記録媒体を挾持搬送させつつ被析出溶媒を除
去するからである。これによって、上下を挾持搬送する
部材の線速が異なる場合に記録媒体上の画像に与える恐
れのあるストレスを与えないようにしているのである。
また、溶媒析出位置としてのプレ加熱部310と、溶媒
除去位置としてのキャリア除去部330と、加熱定着位
置としての加熱定着部350における、上記記録媒体搬
送速度を全て同一速度とすることもできる。これによっ
て、画像を担持した記録媒体に搬送速度の変動に伴なっ
て生じるストレスを与えないので、記録媒体のジャムや
異常画像の発生を防止できる。なぜなら、記録媒体が、
溶媒析出位置,溶媒除去位置,及び加熱定着位置を全て
同一速度で通過するようになるからである。また、未定
着画像を記録媒体上に加熱定着する加熱定着手段として
の加熱定着部350を設け、溶媒析出位置と、溶媒除去
位置と、加熱定着位置との全てを、記録媒体を直線的に
搬送する搬送経路上に設けた構成を採用したものがあ
る。これによって、記録媒体に搬送上のストレスをかけ
ずに溶媒析出位置と溶媒除去位置と加熱定着位置とを通
過させるので、記録媒体の搬送性能を向上させることが
でき、溶媒析出、溶媒除去、加熱定着の各工程を精度良
く行うことができる。なぜなら、記録媒体を直線的に搬
送している間に、その表面の画像に溶媒析出位置と溶媒
除去位置と加熱定着位置とを通過させている。このた
め、記録媒体が非直線的な搬送によって受けるストレス
を受けずに、溶媒析出位置と溶媒除去位置と加熱定着位
置とを通過するからである。
【0163】また、実施形態2の実施例3において、溶
媒析出手段の接触加熱部材としてのプレ加熱ローラ31
1の表面に、表面の摩擦係数が低い材料による処理を施
している。よって、記録媒体上に形成された未定着画像
に対して不必要にストレスを与えずに溶媒を析出するこ
とができる。また、実施形態2の実施例4及び7におい
て、溶媒析出手段に、非接触加熱手段としてのプレ加熱
ヒータ313X,313Zを用いている。よって、キャ
リア析出部310において記録紙Pの未定着画像面に直
接触れることがないため、未定着画像に不必要なストレ
スを与えることが避けられ、接触加熱手段を用いる場合
に比してより良好な画像を得ることができる。また、上
記実施形態1の実施例2においては、加熱手段を有する
1つのメインローラ305を設けている。そして、溶媒
析出手段としてのプレ加熱部310、溶媒除去手段とし
てのキャリア除去部330、加熱定着手段としての加熱
定着部350とをメインローラとこれに対向して設けら
れた互いに異なる対向部材とによってそれぞれ構成して
いる。そして、記録媒体がメインローラ表面に担持され
つつ移動していく間に、記録媒体表面の未定着画像から
溶媒が析出され、被析出溶媒が除去され、加熱定着が行
われる。これによって、溶媒析出手段と溶媒除去手段と
加熱定着手段の3つの手段でそれぞれ役割をもつ部材
を、1つのメインローラで構成でき、複数の部材で構成
するのに比して省スペース化が実現できる。また、上記
実施形態2及び3においては、溶媒析出手段によるプレ
加熱と溶媒除去手段による被析出溶媒の除去と加熱定着
手段による未定着画像の加熱定着との3つの工程を行う
対象としての画像が、記録媒体の両面に形成されてい
る。これによって、記録媒体の両面に画像を形成する場
合においても、トナー像の十分な定着を確保できると共
に、従来の画像定着装置に比して高速定着を可能とする
ことができる。なぜなら、記録媒体の両面に形成された
未定着画像に対して、液体現像剤中の溶媒の析出と被析
出溶媒の除去と加熱定着との3つの工程を記録媒体をワ
ンパスさせている間に行い、両面定着が完了するからで
ある。また、上記実施形態2及び3においては、記録媒
体を両面から挟むように配設した除去ローラ又は除去ベ
ルトを、これらの記録媒体表面への当接面が略同一線速
で記録媒体搬送方向に移動するよう駆動している。そし
て、記録媒体搬送方向に略同一線速で表面移動する除去
ローラ、又は除去ベルトの対によって、記録媒体を挾持
搬送させつつ被析出溶媒を除去する。これによって、記
録媒体の両面に設けられる除去ローラ、又は除去ベルト
の各々に対してバックアップローラを設ける必要がな
く、構成の簡略化を図ることができる。また、記録媒体
の搬送部材を新たに設ける必要がなくなる。更に、上下
を挾持搬送する部材の線速が記録媒体搬送方向に略同一
線速であるために、記録媒体上の未定着画像に不必要な
ストレスを与えることがない。また、上記実施形態2及
び3においては、溶媒析出位置と溶媒除去位置と加熱定
着位置とを、それぞれ記録媒体の両面で記録媒体の搬送
経路における同一個所に設定している。即ち、記録媒体
の未定着画像に対する液体現像剤中の溶媒の析出と被析
出溶媒の除去と加熱定着とをそれぞれ、記録媒体の搬送
経路における同一個所で記録媒体の両面に対して行う。
よって、記録媒体上の画像の定着を表裏同時に行うの
で、記録媒体の両面に画像を形成した場合においても、
片面に画像を形成した場合と同じ時間で画像の定着を行
うことができる。また、画像定着のための記録媒体の搬
送経路長も片面に画像を形成した場合と同じ長さで済む
ため、搬送経路の延長に起因する装置の大型化も回避す
ることができる。また、上記実施形態1及び2におい
て、記録媒体の種類に応じて溶媒除去手段による溶媒除
去の程度を切り替える溶媒除去程度切り替え手段として
の駆動切り替え装置を設けることもできる。具体的に
は、溶媒を浸透させやすい材質のものからなる記録媒体
に対しては溶媒除去の必要がないため、溶媒除去程度切
り替え手段で溶媒除去を行わないようにする。一方、溶
媒を浸透させにくい材質のものからなる記録媒体に対し
ては、溶媒除去を積極的に行う必要があるため、溶媒除
去程度切り替え手段で、溶媒除去を最大レベルで行うよ
うに溶媒除去程度を切り替える。また、溶媒の浸透程度
が上記2つの材質の間のような記録媒体に対しては、溶
媒除去程度切り替え手段によって、溶媒除去を設定した
いくつかのレベルの間でいずれかを選択して切り替え
る。これによって、記録媒体の種類に応じて溶媒除去の
程度を切り替えることができるので、必要に応じて溶媒
除去手段を作動させることができ、常に作動させる場合
に比して溶媒除去手段を長寿命化させることができる。
また、記録媒体の特性に応じて溶媒除去程度を切り替え
ることができるので、常に良好な定着画像を得ることが
できる。また、必要のないときに、溶媒除去手段の作動
を休止させるので、常に作動させる場合に比して作動に
かかるエネルギーコストを低減させることができる。
尚、これら溶媒除去程度切り替えのための装置構造は、
手動で行うようにしても良いし、装置に記録媒体の溶媒
浸透率を検知するセンサ等を設け、検知結果に応じて自
動的に切り替わるよう構成しても良い。また、本実施形
態1及び2の画像形成装置によれば、一部もしくは全て
が不揮発性である溶媒中にトナーを分散させてなる液体
現像剤によって形成した画像を良好に定着させることが
できる。また、高速定着が可能となるので、高速で連続
的に形成した画像でも良好に定着させることができる。
【0164】上記実施形態3及び4によれば、感光体ド
ラム610上と中間転写ドラム810上の2箇所、また
は中間転写ベルト860上と転写紙P上の2箇所でキャ
リア除去を行う。従って、画像の定着に先立って現像剤
中のキャリアを十分に除去することができ、画像の定着
性を向上させることができる。また、実施形態3及び4
によれば、定着ニップにおける現像剤中のトナー濃度を
25[%]以上としているので、図30の結果から言える
ように、画像を転写紙Pに良好に定着させることができ
る。また、実施形態3によれば、スィープローラ710
a、710bに電圧を印加することによって、感光体ド
ラム610とスィープローラ710a、710bとのニ
ップ部に電界を発生させている。これによって、感光体
ドラム610上の画像部のトナーを感光体ドラム610
側に電界の力によって圧縮することができ、剥ぎ取らな
いようにしている。また、感光体ドラム610上の非画
像部に付着している現像剤をスィープローラ710a側
に引き寄せ、回収している。よって、感光体ドラム61
0上の余剰なキャリア液Cを良好に除去回収できること
に加えて、非画像部に少量付着した余剰トナーまでも除
去回収することができる。また、実施形態3において、
第1スィープローラ710aには450[V]、第2スィ
ープローラ710bには500[V]を印加する変形例を
記載した。これによって、第1スィープローラ710a
には、主に感光体ドラム610の地肌部に付着している
現像剤を引き寄せる。第2スィープローラ710bに
は、感光体ドラム610の画像部に付着したキャリアを
付着させ、かつ画像部のトナーを感光体ドラム610表
面に圧縮する。つまり、第2スィープローラ710bに
印加したバイアスによって、感光体ドラム610の画像
部に付着したキャリアを積極的に第2スィープローラ7
10bに付着させることができる。よって、キャリアの
除去回収を効率的に行うことができる。また、実施形態
3又は4においては、第1スィープローラ710aや第
2スィープローラ710bで除去した現像剤やキャリア
液をクリーニングブレード711a、711bによって
それぞれのローラから除去する。これによって、第1ス
ィープローラ710aや第2スィープローラ710b表
面を常に現像剤やトナーの回収に使用できるようにす
る。よって、感光体ドラム610の画像部に付着したキ
ャリアや非画像部の現像剤の除去を継続して良好に行う
ことができる。また、実施形態3又は4において、ある
程度のバイアスを印加した中間転写体スイープローラ8
20により、電界の力によって中間転写ドラム810又
は中間転写ベルト860上の画像部のキャリア液を付着
させて除去する。これによって、転写紙Pへの2次転写
の前に中間転写体上で画像部現像剤濃度を上昇させるこ
とができ、画像定着性を安定したものとすることができ
る。また、実施形態4のように、中間転写ベルト860
上でカラー画像を重ね合わせるものにおいては、重ね合
わせ後の画像に対してまとめてキャリア除去を行うこと
が可能となる。これによって、各色ごとにキャリア除去
を行う場合に比して効率よくキャリア除去を行うことが
できる。また、実施形態4においては、中間転写体スイ
ープローラ820が対向している中間転写ベルト860
の領域、、1次転写ニップ、及び2次転写ニップにそれ
ぞれ独立した電界を形成できるようにしている。即ち、
同一の中間転写ベルト860上に、1次転写バイアス、
除去バイアス、2次転写バイアスという異なった電界を
形成できる。そして、1次転写電極、2次転写電極、除
去電極をそれぞれ設けている。これによって、1次及び
2次転写性や、現像剤とキャリアの中間転写ベルト86
0からの除去性を共に良好に得ることができる。また、
実施形態4においては、キャリア除去ローラ931によ
って転写紙P上の画像からキャリアを除去することがで
きる。これによって、転写紙Pにキャリアを多く含む現
像剤から形成された画像が転写されても、定着前にキャ
リアを除去し定着性を良好にすることができる。また、
実施形態4の構成によれば、プレ加熱部910で事前に
加熱した画像を加熱定着するので、加熱定着部950に
おける加熱温度を1回の加熱で定着させる場合に比して
低くすることができる。
【0165】また、実施形態3及び4はいずれも、現像
剤の成分であるキャリアとして、引火点が250[℃]以
上のものを用いている。これによって、現像剤から揮発
成分がほとんどなくなり、大気中に溶剤等の放出がない
ので無公害である。また、一般的に石油系のキャリアは
危険物の指定があるが、引火点が250[℃]以上では危
険物の指定から外れる。これは、加熱によって発火する
危険性がほとんどないためであり、本実施形態において
も、引火点が250[℃]未満の石油系のキャリアを用い
るのに比して定着時の加熱に対する安全性が高いと言え
る。また、実施形態3及び4はいずれも、画像部の現像
剤の電気抵抗を1次及び2次転写ニップで10[Ωc
m]以上となるようにしている。これによって、表3か
らも分かるように、中間転写体及び転写紙Pへの転写性
を良好に保つことができる。また、実施形態3及び4に
現像剤Bを使用すると、現像剤濃度が上昇してキャリア
同士が直接接触するトナー粒子層となってもほぼ絶縁性
を保つことができる。このようにトナー粒子層が絶縁性
のものを現像剤の材料に用いれば、高解像力を得るため
にキャリア液を十分除去しトナーを圧縮しても、トナー
粒子層の電気抵抗が高いためバイアスリークが発生しに
くい。よって、現像剤濃度を高めることによって画像の
定着性を向上させることができると共に、高解像力を得
ることもできる。また、実施形態3及び4において、感
光体ドラム610として少なくとも表層にアモルファス
シリコンを用いたアモルファスシリコン(a−Si)感
光体を使用することを記載している。これによれば、感
光体ドラム610の寿命を長くできると共に安全性も高
めることができる。
【0166】
【発明の効果】請求項1乃至21の画像定着装置によれ
ば、不揮発性溶媒を用いた液体現像剤からなるトナー像
の十分な定着と高速定着とを妨げる要因となる未定着画
像中の溶媒を効率よく除去することができる。従って、
トナー像の十分な定着を確保できると共に、従来の画像
定着装置に比して高速定着を可能とすることができると
いう優れが効果がある。請求項22の画像形成装置によ
れば、一部もしくは全てが不揮発性である溶媒中にトナ
ーを分散させてなる液体現像剤によって形成した画像を
良好に定着させることができるという優れた効果があ
る。また、高速定着が可能となるので、高速で連続的に
形成した画像でも良好に定着させることができるという
優れた効果もある。
【0167】請求項23乃至35の画像形成装置によれ
ば、2箇所以上の位置で溶媒の除去を行うので、画像の
定着に先立って画像中の不揮発性溶媒を十分に除去する
ことができ、画像の定着性を向上させることができると
いう優れた効果がある。また、2つ以上の領域に分けて
溶媒除去装置を設けているので、1つの領域に複数の溶
媒除去装置を設けるのに比して、レイアウトが容易で溶
媒除去装置設定位置の制約が少ないという優れた効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の要部の説明
図。
【図2】実施形態1の実施例1にかかる画像定着装置の
説明図。
【図3】実施形態1の実施例1における変形例1にかか
る画像定着装置の説明図。
【図4】実施形態1の実施例1における変形例2にかか
る画像定着装置の説明図。
【図5】実施形態1の実施例2にかかる画像定着装置の
説明図。
【図6】実施形態1の実施例3にかかる画像定着装置の
説明図。
【図7】実施形態1の実施例4における変形例1にかか
る画像定着装置の説明図。
【図8】実施形態1の実施例5における変形例2にかか
る画像定着装置の説明図。
【図9】実施形態1の実施例6にかかる画像定着装置の
説明図。
【図10】実施形態2に係るプリンタの主要部の概略構
成図。
【図11】実施形態2の実施例1にかかる画像定着装置
の概略構成図。
【図12】実施形態2の実施例2にかかる画像定着装置
の概略構成図。
【図13】実施形態2の実施例2における変形例にかか
る画像定着装置の概略構成図。
【図14】ブレード式のクリーニングユニット近傍の部
分拡大図。
【図15】ローラ式のクリーニングユニット近傍の部分
拡大図。
【図16】実施形態2の実施例3にかかる画像定着装置
の説明図。
【図17】実施形態2の実施例4にかかる画像定着装置
の説明図。
【図18】実施形態2の実施例5にかかる画像定着装置
の説明図。
【図19】実施形態2の実施例6にかかる画像定着装置
の説明図。
【図20】実施形態2の実施例7にかかる画像定着装置
の説明図。
【図21】(a)は、転写紙Pの上面に未定着の画像を
担持させたときの断面図。(b)は、(a)の転写紙P
を下部から加熱したときの画像を構成する液体現像剤の
状態を示した断面図。
【図22】実施形態に係る画像形成装置の要部の説明
図。
【図23】(a)、(b)、(c)は、現像ニップにお
ける現像剤の状態を模式的に示した図。
【図24】(a)、(b)は、実施形態3,4における
スィープローラに印加するバイアスの説明図。
【図25】実施形態3及び4の除去ニップ近傍の拡大
図。
【図26】本実施形態3に係る中間転写ドラムの一例の
説明図。
【図27】現像剤濃度と転写紙Pへの2次転写率との関
係を示したグラフ。
【図28】実施形態4にかかるプリンタの概略構成図。
【図29】実施形態4に関するプリンタの画像定着装置
の概略構成図。
【図30】現像剤濃度に対する転写紙Pへの定着性を調
べた結果を示すグラフ。
【図31】(a)は、トナー粒子間にキャリアCが存在
している状態を示す図。(b)は、トナー粒子層となっ
た状態を示す図。
【符号の説明】
10B、Y、M、C 感光体ドラム 20B、Y、M、C 一様帯電器 30 レーザ書込装置 40B、Y、M、C 湿式現像ユニット 50 除電装置 60 クリーニング装置 70 中間転写ユニット 77B、Y、M、C 1次転写バイアスローラ 80 紙転写ユニット 81 2次転写バイアスローラ 100 中間転写ベルト 300 画像定着装置 305 メインローラ 310 プレ加熱部 311 プレ加熱ローラ 312 押圧ローラ 313X,313Z プレ加熱ヒータ 330 キャリア除去部 331,331a,331b ブロッタローラ 332 バックアップローラ 333 ウェブ 337,337X,337Z キャリア除去ローラ 340,340X,340Z ブロッタベルト 343X,Z クリーニングユニット 349X,349Z キャリア除去ベルト 350 加熱定着部 351 加熱ローラ 352 加圧ローラ 400 画像形成装置 400X,400Z 画像形成ユニット 500X,500Z 中間転写ユニット 610、610Y,M,C,K 感光体ドラム 700 現像装置 704 アニロクスローラ 706 現像ローラ 707 クリーニングブレード 710a、710b、710Y,M,C,K スイ
ープローラ 712 スイープ部 800 中間転写ユニット 810 中間転写ドラム 820 中間転写体スイープローラ 851,852,853,854,855,856
懸架ローラ 860 中間転写ベルト 870Y,M,C,K 1次転写バイアスローラ 880 クリーニング装置 890 2次転写バイアスローラ 900 画像定着装置 910 プレ加熱部 930 キャリア除去部 950 加熱定着部 951 加熱ローラ 952 加圧ローラ P 転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 103 G03G 21/00 370 2H134 21/00 370 15/10 113 2H200 21/10 21/00 328 (72)発明者 黒鳥 恒夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大嶽 英宗 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 寺岡 努 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 吉野 美枝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H027 DA20 DC02 DE01 DE07 DE09 EA09 EC06 EC09 ED16 ED25 ED27 EE03 2H033 AA02 AA20 BA02 BA08 BA11 BA25 BA58 BA59 BB01 BB18 BB28 BB33 CA13 CA16 CA36 CA40 2H068 DA00 2H069 BA00 CA27 DA01 2H074 AA03 BB02 BB42 BB56 BB60 BB72 CC24 EE07 2H134 GA01 GA06 GA07 GB03 HA01 HA07 HA11 HA12 HD01 HD06 HD13 JC01 JC02 KG03 KG06 KG07 KG08 KH01 KH02 2H200 GA10 GA18 GA23 GA43 GB12 GB15 GB22 GB23 GB25 GB43 HB12 HB22 JA01 JC03 JC12 LB02 LB08 LB09 LB13 LB15 LB18 PA18 PA22 PB25 PB36

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一部もしくは全てが不揮発性である溶媒中
    にトナーを分散させてなる液体現像剤を用いて形成され
    た記録媒体上の未定着画像を加熱定着する画像定着装置
    であって、 上記記録媒体上の未定着画像を形成する液体現像剤中の
    溶媒を加熱により該画像の表面に析出させる溶媒析出手
    段と、該溶媒析出手段により析出せしめられた被析出溶
    媒を該画像表面から除去する溶媒除去手段とを有するこ
    とを特徴とする画像定着装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像定着装置において、 上記溶媒除去手段による溶媒除去後の未定着画像を上記
    記録媒体上に加熱定着する加熱定着手段を有することを
    特徴とする画像定着装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の画像定着装置において、 上記溶媒除去手段を、上記溶媒析出手段により析出せし
    められた被析出溶媒に表面を当接させてなる除去ローラ
    と、上記記録媒体の画像担持面を該除去ローラ側に押圧
    する押圧手段とから構成し、該被析出溶媒を該画像表面
    から該除去ローラ側に転移させて除去することを特徴と
    する画像定着装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2の画像定着装置において、 上記溶媒除去手段を、上記溶媒析出手段により析出せし
    められた被析出溶媒に表面を当接させ、かつ無端移動す
    る除去ベルトと、上記記録媒体の画像担持面を該除去ベ
    ルト表面に押圧する押圧手段とから構成し、該被析出溶
    媒を該画像表面から該除去ベルト側に転移させて除去す
    ることを特徴とする画像定着装置。
  5. 【請求項5】請求項3又は4の画像定着装置において、 上記除去ローラ又は上記除去ベルト側に転移した上記被
    析出溶媒を、該除去ローラ又は該除去ベルトから除去し
    回収する溶媒回収手段を設けたことを特徴とする画像定
    着装置。
  6. 【請求項6】請求項5の画像定着装置において、 上記溶媒回収手段が、上記除去ローラ又は上記除去ベル
    トの重力方向下部で上記被析出溶媒を回収する下部回収
    手段を有することを特徴とする画像定着装置。
  7. 【請求項7】請求項1又は2の画像定着装置において、 上記溶媒除去手段を、ウェブの一端を巻回した状態で供
    給軸により支持し、その他端を巻取り軸により巻き取る
    ことで該ウェブを表面移動させ、これら軸間のウェブ部
    分を上記溶媒析出手段により析出せしめられた被析出溶
    媒に当接させることによって構成し、該被析出溶媒を該
    画像表面から該ウェブ側に転移させて除去することを特
    徴とする画像定着装置。
  8. 【請求項8】請求項7の画像定着装置において、 上記ウェブの巻き取り方向を、上記記録媒体表面移動方
    向と同方向としたことを特徴とする画像定着装置。
  9. 【請求項9】請求項3,4,5,6,7,又は8の画像
    定着装置において、 上記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを、不織布等
    のような多孔質材料、又はシリコンゴムなどのような溶
    媒に対して吸収・膨潤性のある弾性体材料を用いて構成
    したことを特徴とする画像定着装置。
  10. 【請求項10】請求項3,4,5,6,7,8,又は9
    の画像定着装置において、 上記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを、少なくと
    も表面が金属材料,又は上記溶媒に対して吸収・膨潤性
    のない樹脂材料から構成したことを特徴とする画像定着
    装置。
  11. 【請求項11】請求項3,4,5,6,7,8,9,又
    は10の画像定着装置において、上記除去ローラ、除去
    ベルト、又はウェブを複数設けたことを特徴とする画像
    定着装置。
  12. 【請求項12】請求項3,4,5,6,7,8,9,1
    0,又は11の画像定着装置において、 上記画像担持面を上記除去ローラ、除去ベルト、又はウ
    ェブ表面に押圧する押圧手段として、上記記録媒体の画
    像担持面の裏面から該記録媒体を上記除去ローラ、除去
    ベルト、又はウェブに押圧するバックアップローラを設
    け、該除去ローラ、除去ベルト、又はウェブの該記録媒
    体への当接面と、該バックアップローラの該記録媒体裏
    面への当接面とを、該記録媒体搬送方向に略同一線速で
    移動させることを特徴とする画像定着装置。
  13. 【請求項13】請求項2,3,4,5,6,7,8,
    9,10,11,又は12の画像定着装置において、 上記溶媒析出手段における溶媒析出位置と、上記溶媒除
    去手段における溶媒除去位置と、上記加熱定着手段にお
    ける加熱定着位置とにおける、上記記録媒体搬送速度を
    全て同一速度としたことを特徴とする画像定着装置。
  14. 【請求項14】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,又は13の画像定着装置に
    おいて、 上記未定着画像を上記記録媒体上に加熱定着する加熱定
    着手段を設け、上記溶媒析出手段による溶媒析出位置
    と、上記溶媒除去手段による溶媒除去位置と、上記加熱
    定着手段による加熱定着位置との全てを、該記録媒体を
    直線的に搬送する搬送経路上に設けたことを特徴とする
    画像定着装置。
  15. 【請求項15】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,又は14の画像定着
    装置において、 上記溶媒析出手段が、上記記録媒体の画像形成面に当接
    して配設される接触加熱部材であって、該接触加熱部材
    表面に該表面の摩擦係数を低下させるための表面摩擦係
    数低下処理を施したことを特徴とする画像定着装置。
  16. 【請求項16】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,又は14の画像定着
    装置において、 上記溶媒析出手段における上記記録媒体上の未定着画像
    を加熱するための加熱手段を、該記録媒体の画像形成面
    から離間して配設される非接触加熱手段から構成したこ
    とを特徴とする画像定着装置。
  17. 【請求項17】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,又は15の画
    像定着装置において、 上記未定着画像を上記記録媒体上に加熱定着する加熱定
    着手段と、加熱手段を有する1つのメインローラとを設
    け、上記溶媒析出手段と、上記溶媒除去手段と、該加熱
    定着手段とを、該メインローラと該メインローラに対向
    して設けられた互いに異なる対向部材によってそれぞれ
    構成したことを特徴とする画像定着装置。
  18. 【請求項18】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    又は17の画像定着装置において、 上記溶媒析出手段による加熱と上記溶媒除去手段による
    被析出溶媒の除去との2つの工程を行う対象としての画
    像、又は該2つの工程に加えて上記加熱定着手段による
    未定着画像の加熱定着を行う3つの工程を行う対象とし
    ての画像が、上記記録媒体の両面に形成されていること
    を特徴とする画像定着装置。
  19. 【請求項19】請求項18の画像定着装置において、 上記除去ローラ、除去ベルト、又はウェブを、上記記録
    媒体両面から該記録媒体を挟むように配設し、かつ、該
    除去ローラ、除去ベルト、又はウェブの該記録媒体表面
    への当接面を、略同一線速で該記録媒体搬送方向に移動
    させることを特徴とする画像定着装置。
  20. 【請求項20】請求項18,又は19の画像定着装置に
    おいて、 上記溶媒析出手段による溶媒析出位置と、上記溶媒除去
    手段による溶媒除去位置と、上記加熱定着手段による加
    熱定着位置とを、それぞれ上記記録媒体の両面で該記録
    媒体の搬送経路における同一個所に設定したことを特徴
    とする画像定着装置。
  21. 【請求項21】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19,又は20の画像定着装置において、 上記記録媒体の種類に応じて上記溶媒除去手段による上
    記溶媒除去の程度を切り替える溶媒除去程度切り替え手
    段を設けたことを特徴とする画像定着装置。
  22. 【請求項22】記録媒体上に、液体現像剤を用いて未定
    着画像を形成する画像形成手段と、該未定着画像を該記
    録媒体上に加熱定着する画像定着手段とを有し、該液体
    現像剤として、一部もしくは全てが不揮発性である溶媒
    中にトナーを分散させてなる液体現像剤を用いた画像形
    成装置において、 上記画像定着手段として、請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8,9,10,11,12,13,14,1
    5,16,17,18,19,20,又は21の画像定
    着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  23. 【請求項23】表面に潜像を担持する像担持体と、該像
    担持体上の潜像を現像ニップで可視像化する現像装置
    と、該像担持体上の可視像を記録媒体と対向する記録媒
    体転写ニップで該記録媒体上に転写する転写装置、又
    は、該転写装置に代えて、該像担持体上の可視像を中間
    転写体と対向する中間転写ニップで該中間転写体上に1
    次転写する1次転写装置と、該中間転写体上に1次転写
    した1次転写像を該中間転写体と対向する2次転写ニッ
    プで該記録媒体上に2次転写する2次転写装置とからな
    る2段階の転写装置と、該記録媒体上の未定着画像を定
    着ニップで定着する画像定着手段とを有し、上記現像剤
    として、一部もしくは全てが不揮発性である溶媒中にト
    ナーを分散させてなる液体現像剤を用いる画像形成装置
    において、 上記可視像を形成する現像剤からの溶媒除去を、上記現
    像ニップと上記記録媒体転写ニップとの間、及び上記記
    録媒体転写ニップと上記定着ニップとの間の2箇所、又
    は、上記現像ニップと上記1次転写ニップとの間、上記
    1次転写ニップと上記2次転写ニップとの間、上記2次
    転写ニップと上記定着ニップとの間のうちの2箇所以上
    で行うことを特徴とする画像形成装置。
  24. 【請求項24】請求項23の画像形成装置において、 上記定着ニップにおける現像剤中のトナー濃度を25
    [%]以上としたことを特徴とする画像形成装置。
  25. 【請求項25】請求項23又は24の画像形成装置にお
    いて、 上記現像ニップと上記記録媒体転写ニップとの間、又は
    上記現像ニップと上記1次転写ニップとの間において、
    上記像担持体上に対向して設けられ、現像後の可視像を
    形成している現像剤中の溶媒を除去するための像担持体
    上除去部材と、該像担持体と該像担持体上除去部材との
    間に所望の電界を生じさせる溶媒除去電界発生手段とを
    設け、該所望の電界を、該像担持体上の地肌部に付着し
    ている現像剤を該像担持体上除去部材側に引き寄せ、か
    つ、該像担持体上の画像部に付着しているトナーを該像
    担持体側に付着させ続ける電界としたことを特徴とする
    画像形成装置。
  26. 【請求項26】請求項23又は24の画像形成装置にお
    いて、 上記像担持体上に対向して設けられ、現像後の可視像を
    形成している現像剤中の溶媒を除去するための第1及び
    第2の像担持体上除去部材と、該像担持体と該第1及び
    第2の像担持体上除去部材との間にそれぞれ所望の電界
    を生じさせる溶媒除去電界発生手段とを設け、該所望の
    電界のうちの一方を、上記像担持体上の地肌部に付着し
    ている現像剤を該第1の像担持体上除去部材側に引き寄
    せる電界とし、他方の電界を、該像担持体上の画像部に
    付着したトナーを該像担持体表面に圧縮し、かつ該画像
    部に付着した溶媒を該第2の像担持体上除去部材側に付
    着させる程度の電界としたことを特徴とする画像形成装
    置。
  27. 【請求項27】請求項25又は26の画像形成装置にお
    いて、 上記像担持体上除去部材表面に付着した液体現像剤を該
    像担持体上除去部材表面から除去する像担持体上除去部
    材クリーニング部材を設けたことを特徴とする画像形成
    装置。
  28. 【請求項28】請求項23又は24の画像形成装置にお
    いて、 上記1次転写ニップと上記2次転写ニップとの間におい
    て、可視像を形成する現像剤からの溶媒除去を行う構成
    であって、 上記中間転写体上に対向して設けられ、1次転写後の可
    視像を形成している現像剤中の溶媒を除去するための中
    間転写体上除去部材と、該中間転写体と該中間転写体上
    除去部材との間に所望の電界を生じさせる溶媒除去電界
    発生手段とを設け、該所望の電界を、該中間転写体上の
    可視像を形成している現像剤中の溶媒を該中間転写体上
    除去部材側に付着させる電界としたことを特徴とする画
    像形成装置。
  29. 【請求項29】請求項28の画像形成装置において、 上記1次転写ニップと、上記中間転写体と上記中間転写
    体上除去部材との対向する中間転写体上溶媒除去ニップ
    と、上記2次転写ニップとの3箇所にそれぞれ独立した
    電界を発生可能に構成したことを特徴とする画像形成装
    置。
  30. 【請求項30】請求項29の画像形成装置において、 上記中間転写体をエンドレスベルトからなる中間転写ベ
    ルト860で構成し、上記1次転写ニップにおいて、該
    中間転写ベルト860を介して上記像担持体と対向する
    位置に1次転写電極を、上記中間転写体上溶媒除去ニッ
    プにおいて、該中間転写ベルト860を介して上記中間
    転写体上除去部材と対向する位置に除去電極を、上記2
    次転写ニップにおいて、該中間転写ベルト860を介し
    て上記記録媒体と対向する位置に2次転写電極をそれぞ
    れ設けたことを特徴とする画像形成装置。
  31. 【請求項31】請求項23又は24の画像形成装置にお
    いて、 上記画像定着手段として、上記請求項1又は2の画像定
    着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  32. 【請求項32】請求項23,24,25,26,27,
    28,29,30,又は31の画像形成装置において、 上記液体現像剤を構成する溶媒として、引火点が250
    [℃]以上のものを用いたことを特徴とする画像形成装
    置。
  33. 【請求項33】請求項23,24,25,26,27,
    28,29,30,31,又は32の画像形成装置にお
    いて、 上記記録媒体転写ニップ、又は上記2次転写ニップにお
    いて、可視像を形成しているトナー層の電気抵抗値を1
    [Ωcm]以上としたことを特徴とする画像形成装
    置。
  34. 【請求項34】請求項23,24,25,26,27,
    28,29,30,31,又は32の画像形成装置にお
    いて、 上記液体現像剤を構成するトナーを、顔料成分と、該顔
    料成分を被覆する被覆樹脂とから構成し、該トナー同士
    が溶媒を介さず互いに接触したトナー粒子層の状態のと
    き、絶縁性であることを特徴とする画像形成装置。
  35. 【請求項35】請求項23,24,25,26,27,
    28,29,30,31,32,33,又は34の画像
    形成装置において、 上記像担持体をアモルファスシリコン系感光体で構成し
    たことを特徴とする画像形成装置。
JP2002075559A 2001-07-05 2002-03-19 画像定着装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4159300B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075559A JP4159300B2 (ja) 2001-07-05 2002-03-19 画像定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-204412 2001-07-05
JP2001204412 2001-07-05
JP2001286531 2001-09-20
JP2001-286531 2001-09-20
JP2002075559A JP4159300B2 (ja) 2001-07-05 2002-03-19 画像定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003167456A true JP2003167456A (ja) 2003-06-13
JP4159300B2 JP4159300B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=27347087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002075559A Expired - Fee Related JP4159300B2 (ja) 2001-07-05 2002-03-19 画像定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4159300B2 (ja)

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008046596A (ja) * 2006-07-13 2008-02-28 Seiko Epson Corp 液体現像剤および画像形成装置
JP2009098474A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Seiko Epson Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2009204977A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Seiko Epson Corp 現像装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2009204976A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Seiko Epson Corp 現像装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2009244839A (ja) * 2008-03-11 2009-10-22 Seiko Epson Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2010145901A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Seiko Epson Corp 潜像担持体ユニット及び画像形成装置
JP2012215845A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Xerox Corp 印刷装置におけるマーキング材料の定着強度を制御する装置および方法
US8329372B2 (en) 2006-07-14 2012-12-11 Seiko Epson Corporation Liquid developer, method of preparing liquid developer, and image forming apparatus
JP2013101298A (ja) * 2011-10-18 2013-05-23 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2014081629A (ja) * 2012-09-28 2014-05-08 Xeikon Ip Bv デジタル印刷プロセス用の顕色剤分散液
JP2014215438A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 コニカミノルタ株式会社 湿式画像形成装置
CN104238320A (zh) * 2013-06-20 2014-12-24 富士施乐株式会社 图像形成设备和图像形成方法
JP2015018043A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2015075739A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、及び画像形成方法
CN104932229A (zh) * 2014-03-20 2015-09-23 富士施乐株式会社 图像形成设备
JP2015184367A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 富士ゼロックス株式会社 除去装置、定着装置、及び画像形成装置
JP2015194679A (ja) * 2014-03-20 2015-11-05 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP2016139129A (ja) * 2015-01-15 2016-08-04 オーセ プリンティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトOce Printing Systems GmbH & Co. KG 最適な溶剤浸透のための温度特性を有する印刷方法および印刷設備
JP2016142955A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 富士ゼロックス株式会社 オイル除去装置、画像形成装置
JP2017032892A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2019101321A (ja) * 2017-12-06 2019-06-24 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
US10520863B2 (en) 2017-11-21 2019-12-31 Sharp Kabushiki Kaisha Roller device, fixing device, and image forming apparatus

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE0302312D0 (sv) 2002-10-04 2003-08-27 Forskarpatent I Syd Ab Peptide-based passive immunization therapy for treatment of atherosclerosis

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008046596A (ja) * 2006-07-13 2008-02-28 Seiko Epson Corp 液体現像剤および画像形成装置
US8329372B2 (en) 2006-07-14 2012-12-11 Seiko Epson Corporation Liquid developer, method of preparing liquid developer, and image forming apparatus
JP2009098474A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Seiko Epson Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2009204977A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Seiko Epson Corp 現像装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2009204976A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Seiko Epson Corp 現像装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2009244839A (ja) * 2008-03-11 2009-10-22 Seiko Epson Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2010145901A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Seiko Epson Corp 潜像担持体ユニット及び画像形成装置
JP2012215845A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Xerox Corp 印刷装置におけるマーキング材料の定着強度を制御する装置および方法
JP2013101298A (ja) * 2011-10-18 2013-05-23 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2014081629A (ja) * 2012-09-28 2014-05-08 Xeikon Ip Bv デジタル印刷プロセス用の顕色剤分散液
US9316953B2 (en) 2013-04-25 2016-04-19 Konica Minolta, Inc. Wet-type image formation apparatus and a charging device for charging a recording medium, and method
JP2014215438A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 コニカミノルタ株式会社 湿式画像形成装置
CN104238320A (zh) * 2013-06-20 2014-12-24 富士施乐株式会社 图像形成设备和图像形成方法
JP2015004816A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、および画像形成方法
US9075349B2 (en) 2013-06-20 2015-07-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus and image forming method
JP2015018043A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2015075739A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、及び画像形成方法
CN104570668A (zh) * 2013-10-11 2015-04-29 富士施乐株式会社 图像形成设备以及图像形成方法
US9436133B2 (en) 2013-10-11 2016-09-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus using a developer with a solubility parameter
JP2015194679A (ja) * 2014-03-20 2015-11-05 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
US9201375B2 (en) 2014-03-20 2015-12-01 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus
JP2015184367A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 富士ゼロックス株式会社 除去装置、定着装置、及び画像形成装置
CN104932229A (zh) * 2014-03-20 2015-09-23 富士施乐株式会社 图像形成设备
JP2016139129A (ja) * 2015-01-15 2016-08-04 オーセ プリンティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトOce Printing Systems GmbH & Co. KG 最適な溶剤浸透のための温度特性を有する印刷方法および印刷設備
JP2016142955A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 富士ゼロックス株式会社 オイル除去装置、画像形成装置
JP2017032892A (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
US10520863B2 (en) 2017-11-21 2019-12-31 Sharp Kabushiki Kaisha Roller device, fixing device, and image forming apparatus
JP2019101321A (ja) * 2017-12-06 2019-06-24 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP7056106B2 (ja) 2017-12-06 2022-04-19 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 定着装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4159300B2 (ja) 2008-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4159300B2 (ja) 画像定着装置及び画像形成装置
US4985733A (en) Image fixing unit for use in wet-type electrophotographic copying machine
JP6065406B2 (ja) 転写装置及び画像形成装置
EP1780608B1 (en) Fixing apparatus for nonheat fixing system
US9098020B2 (en) Image forming apparatus with cleaning current control
EP1845423A1 (en) Cleaning device and image forming apparatus
US5452065A (en) Combination photoreceptor and fuser roll cleaner with additional oil supply function
CN101556449A (zh) 成像设备
JP2003098864A (ja) 画像定着装置及び画像形成装置
JP4152622B2 (ja) 定着器等の粘着性クリーナをリフレッシュする方法
JP2007334011A (ja) クリーニング装置、および画像形成装置
JP2011138029A (ja) 画像形成装置
JP5251622B2 (ja) 画像形成装置
JP2012189688A (ja) 回転部材劣化判定装置、定着装置及び画像形成装置
JP5435376B2 (ja) 画像形成装置
JP2010160428A (ja) 画像形成装置
JP5364646B2 (ja) 画像形成装置
CA1326058C (en) Image fixing unit for use in wet-type electrophotographic copying machine
JP3857645B2 (ja) 画像形成装置
JP2009080393A (ja) 転写装置、画像形成装置および転写方法
JP4804105B2 (ja) 定着装置、および画像形成装置
JP5346879B2 (ja) 画像形成装置
JP2012108256A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2024028062A (ja) 画像形成装置
JP6123513B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080711

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees