JP2008046596A - 液体現像剤および画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れるとともに、環境に優しい液体現像剤を提供すること、また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散しており、絶縁性液体が、第1の植物油と、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含むことを特徴とする。本発明の液体現像剤は、分散剤として、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含むことが好ましい。また、ポリアミン脂肪酸縮重合体の含有量は、前記トナー粒子100重量部に対して、0.5〜7.5重量部であるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体現像剤および画像形成装置に関するものである。
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーによる方法と、トナーを電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)に分散した液体現像剤(例えば、特許文献1参照)を用いる方法とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤で用いられてきた絶縁性液体は、石油系の炭化水素を主とするものであるため、例えば、画像形成装置等の外に出た場合に、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
また、通常、液体現像剤では、定着の際にトナー粒子の表面に絶縁性液体が付着している。従来の液体現像剤では、このトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体が定着強度を低下させるという問題もあった。また、トナーの定着強度を向上させるために、比較的高い温度で、長時間加熱してトナー粒子を定着させることも考えられるが、近年の画像形成のさらなる高速化、省エネルギー化という要望を満足させるのが困難であった。
特開平7−152256号公報
本発明の目的は、記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れるとともに、環境に優しい液体現像剤を提供すること、また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散しており、
前記絶縁性液体は、第1の植物油と、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含むことを特徴とする。
本発明の液体現像剤では、前記第2の植物油は、前記第1の植物油とは種類が異なる植物油であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記第1の植物油は菜種油であり、かつ、前記第2の植物油は大豆油であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記第1の植物油は大豆油であり、かつ、前記第2の植物油は菜種油であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、分散剤として、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含むことが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記第2の植物油と、前記第1の植物油とが同じ種類の植物油であり、分散剤として、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含むことが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記第1の植物油、および前記第2の植物油が大豆油であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記第1の植物油、および前記第2の植物油が菜種油であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記ポリアミン脂肪酸縮重合体の含有量は、前記トナー粒子100重量部に対して、0.5〜7.5重量部であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体中における前記第1の植物油の含有量をX[wt%]、前記反応生成物の含有量をY[wt%]としたとき、0.1≦X/Y≦9の関係を満足することが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記反応生成物は、前記第2の植物油と、炭素数が1〜4である1価のアルコールとのエステル交換反応により生成されたものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度は、50〜1000mPa・sであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子を構成する樹脂材料は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、帯電制御剤として、金属酸化物を含み、
前記酸化亜鉛の含有量が、前記トナー粒子100重量部に対して、0.5〜4.0重量部であることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した前記単色像を形成する複数の現像部と、
複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
前記中間転写像を前記記録媒体に転写し、前記記録媒体上に未定着カラー画像を形成する2次転写部と、
前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着部とを有し、
前記液体現像剤が、トナー粒子と、第1の植物油と、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含むことを特徴とする。
本発明の画像形成装置では、複数の前記現像部は、表面に前記液体現像剤の層を形成する現像ローラと、前記現像ローラ上の前記液体現像剤を転写することにより前記単色像を形成する感光体とを有し、
前記感光体は、少なくとも該感光体表面がアモルファスシリコンで構成されたものであることが好ましい。
以上の構成を満足することにより、トナー粒子の定着特性に優れるとともに、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。また、前記液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の液体現像剤および画像形成装置の好適な実施形態について、詳細に説明する。
《液体現像剤》
まず、本発明の液体現像剤について説明する。
本発明の液体現像剤は、後述するような絶縁性液体中に、トナー粒子が分散したものである。
<絶縁性液体>
まず、絶縁性液体について説明する。
本発明で用いる絶縁性液体は、第1の植物油と、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含むものである。以下の説明では、第1の植物油のことを植物油、また、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物のことを、植物油エステル交換液とも言う。
ところで、従来の液体現像剤では、使用時等における画像形成装置外への絶縁性液体の漏出(例えば、定着時における絶縁性液体の揮発等)や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境に対する影響が懸念されていた。また、従来の液体現像剤ではトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体の存在により、トナー粒子の記録媒体への定着性が阻害される(定着強度が低下する)という問題点があった。
これに対して、本発明の絶縁性液体で用いられる植物油、および、植物油エステル交換液は、いずれも環境にやさしい成分である。したがって、画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
また、植物油エステル交換液は、主として、脂肪酸モノエステルで構成されたものであるが、このような脂肪酸モノエステルは、トナー粒子(樹脂材料)内部に浸透しやすい性質を有しており、定着時に、トナー粒子を好適に可塑化させる効果(可塑効果)がある。この可塑効果により、例えば、記録媒体として紙を用いた場合には、トナー粒子が紙繊維の隙間に入り込み易くなるため、紙とトナー粒子との定着特性が優れたものとなる。また、可塑効果により、比較的低温でもトナー粒子が溶融し、記録媒体への定着が可能になるため、低温、高速での画像形成にも好適に適用することができる。また、植物油エステル交換液は記録媒体にも好適に浸透する成分であるため、トナー粒子の表面付近に付着した植物油エステル交換液は、定着時にトナー粒子と記録媒体とが接触した際に、記録媒体に速やかに浸透する。そして、この植物油エステル交換液の浸透と共に、定着時の熱で溶融したトナー粒子(トナー粒子を構成する樹脂材料)の一部が記録媒体の内部に浸透し、アンカー効果が働き、紙とトナー粒子との定着特性が向上する。
上述したような優れた効果は、絶縁性液体中に、植物油と、植物油エステル交換液とを含むことにより発現する。これに対し、絶縁性液体中に、これらのうちのいずれかが欠けても、本発明の効果は得られない。すなわち、絶縁性液体中に植物油を含まない場合には、トナー粒子中に低分子量であり、かつ、低粘度の植物油エステル交換液が浸透し易くなり、上述したような可塑効果が、保存時においても発現してしまう。これにより、トナー粒子同士の凝集が起こり易く、液体現像剤の保存性、長期安定性を十分に満足できるものにすることができない。また、絶縁性液体中に植物油エステル交換液が含まれない場合には、絶縁性液体のトナー粒子に対する可塑効果が不十分になるとともに、液体現像剤の記録媒体内への浸透が起こりづらくなり、結果として、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を十分なものとすることができなくなってしまう。
また、植物油、および植物油エステル交換液に、不飽和脂肪酸成分が含まれている場合には、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、この不飽和脂肪酸成分は、トナー粒子の記録媒体への定着性向上に寄与することができる成分である。より詳しく説明すると、不飽和脂肪酸成分は、酸化されることにより(定着時に酸化されることにより)、重合反応が進行し、それ自体が硬化することによって、トナー粒子の定着性を向上させる機能を有する成分である。これにより、本発明によれば、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとすることができる。また、不飽和脂肪酸成分が硬化することにより、定着したトナー画像に対して、水性ボールペンでの追記を容易かつ確実に行うことができる。
特に、本発明のように、植物油、および植物油エステル交換液を含む絶縁性液体を用いることにより、特に優れた定着強度を示すものとなる。これは、以下のように説明することができる。一般に、植物油と、植物油エステル交換液とでは、植物油エステル交換液のほうが、粘度が低い性質を有する。さらに、絶縁性液体に植物油、および植物油エステル交換液の双方を含むことにより、絶縁性液体、液体現像剤、ともに適度な粘度とすることができ、液体現像剤の記録媒体内への浸透を好適なものとすることができる。さらに、絶縁性液体中の不飽和脂肪酸成分の酸化により、トナー粒子を含んだ状態で、絶縁性液体が硬化するため、硬化した液体現像剤と記録媒体とのアンカー効果により、トナー粒子を記録媒体へ強固に定着させることができる。
また、植物油は、主として、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とで形成されるトリエステル(脂肪酸トリグリセリド)で構成されたものである。また、植物油エステル交換液は、前述したように、主として、脂肪酸モノエステルで構成されたものである。通常、脂肪酸モノエステルと脂肪酸トリグリセリドとで形成された重合生成物は、脂肪酸モノエステルのみの酸化重合により生成される重合生成物に比べ、より大きな分子量になりやすい。そのため、脂肪酸モノエステル(植物油エステル交換液)と脂肪酸トリグリセリド(植物油)とを含む絶縁性液体では、重合生成物の分子量がより大きくなるため、記録媒体と、硬化した液体現像剤とのアンカー効果はより大きいものとなり、記録媒体へのトナー粒子の定着強度は優れたものとなる。また、脂肪酸モノエステルと脂肪酸トリグリセリドとで形成された重合生成物は、硬化するまでの時間が短い。そのため、植物油と植物油エステル交換液とを含む絶縁性液体は、植物油エステル交換液のみで構成された絶縁性液体よりも、液体状態から固体になる(硬化)までの時間が短くてすむため、高速での画像形成に好適に適用することができる。これに対して、絶縁性液体中、植物油エステル交換液を含まず、植物油のみで構成されたものである場合、重合生成物の分子量を大きくすることができるが、記録媒体内への液体現像剤の浸透が不十分となり、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を優れたものとすることができない。また、高速での画像形成に適応することが困難となる。
さらに、植物油と、植物油エステル交換液とを含む絶縁性液体では、重合反応後に生成される重合生成物の機械的強度が増すため、記録媒体へのトナー粒子の定着強度は特に優れたものとなる。これは、酸化重合過程において、脂肪酸トリグリセリドが複数の脂肪酸成分を含むため、脂肪酸モノエステルの脂肪酸成分、および他の脂肪酸トリグリセリドの脂肪酸成分との絡み合いが起こり易くなるためだと考えられる。
また、従来の液体現像剤で用いられてきた石油系の炭化水素(主にイソパラフィン系溶剤)等で構成された絶縁性液体では、定着時に排除しなければ、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は悪化するのに対して、本発明の液体現像剤で用いられる植物油、および植物油エステル交換液を含む絶縁性液体では、定着時に絶縁性液体自体が硬化することによって、記録媒体へのトナー粒子の定着特性をより優れたものとしている。
また、植物油と、植物油エステル交換液とを含む絶縁性液体を使用する液体現像剤では、トナー粒子の分散性を特に高いものとし、液体現像剤の保存性、長期安定性を優れたものとすることができる。これは、以下のように説明することができる。絶縁性液体中に含まれる脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドはトナー粒子の主成分である樹脂材料との親和性に優れている。特に、脂肪酸トリグリセリドは、粘度が高く、脂肪酸成分を複数もつ構造を有することから、トナー粒子表面への吸着性に優れており、トナー粒子の分散媒としての性格を持ちつつも、分散剤としての効果も有していると考えられる。そのため、脂肪酸トリグリセリドの一部がトナー粒子表面に吸着した状態で、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体中に存在し、トナー粒子同士の凝集(ブロッキング)が効果的に防止されるので、上記の効果が得られると考えられる。
このような第1の植物油、および第2の植物油としては、例えば、菜種油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、亜麻仁油、綿実油、脱水ひまし油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、ヤシ油等の植物由来の油脂や、ニシン油、イワシ油等の動物由来の油脂等、天然由来の油脂が挙げられ、これらの油脂を直接用いてもよいし、精製したものを用いてもよい。精製する方法としては、例えば、未精製の油脂を沸騰した水と混合し、混合液が完全に3層に分離した後、冷凍庫内で凍結する成分を取り除くという方法が挙げられる。
また、植物油エステル交換液は、上述したような植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物であり、主として脂肪酸モノエステルで構成されたものである。このような1価のアルコールとしては、どのようなものを用いてもよいが、炭素数が1〜4である1価のアルコールであるのが好ましい。このような反応生成物を用いることにより、前述したような可塑効果がより顕著に発揮されるとともに、絶縁性液体の記録媒体への浸透性もより高いものとなり、本発明の液体現像剤の定着特性をより優れたものとすることができる。
このような第1の植物油と第2の植物油とは、種類が互いに同じでも、異なっていてもよい。
第1の植物油、第2の植物油が、互いに異なる種類の植物油であるときは、使用する植物油の種類の選択によって、絶縁性液体の粘度調製が容易になり、保存性と定着特性とを両立しながらも、保存性に特に優れた液体現像剤とすることや、定着特性に特に優れた液体現像剤とすることができる。
また、第1の植物油と第2の植物油とが、同じ種類の植物油であり、絶縁性液体中に、後述するようなポリアミン脂肪酸縮重合体を含む絶縁性液体では、形成されるトナー画像の色再現性が特に優れたものとなる。
また、第1の植物油が菜種油であり、第2の植物油が大豆油である場合には、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、菜種油と、大豆油エステル交換液とを含む絶縁性液体を使用することにより、液体現像剤の帯電特性を特に優れたものとすることができる。これは、菜種油および大豆油エステル交換液の電気抵抗が高いため、トナー粒子自体の帯電性能を十分に発揮させることができるためであると考えられる。
また、菜種油は、主として、オレイン酸成分、リノール酸成分、リノレン酸成分を含むものであるが、このような菜種油としては、オレイン酸成分の含有量が、50mol%以上のものを用いるのが好ましく、60〜80mol%のものを用いるのがより好ましい。このようにオレイン酸成分の含有量が多い菜種油を用いることにより、記録媒体に対してトナー粒子を強固に定着させることができるとともに、液体現像剤の環境安定性(長期安定性)を十分に高いものとすることができる。
また、大豆油エステル交換液は、主として、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸のモノエステルで構成されたものである。
また、第1の植物油が大豆油であり、第2の植物油が菜種油である場合には、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、大豆油と、菜種油エステル交換液とを含む絶縁性液体を使用することにより、得られるトナー画像が、凹凸のない、平滑なものとなる結果、形成される画像の光沢(グロス)を特に優れたものとすることができる。これは、菜種油エステル交換液が、可塑効果をより顕著に発現させることができる成分であるため、記録媒体の凹凸(隙間)にトナー粒子をより入り込みやすくさせることができるためであると考えられる。
また、菜種油エステル交換液は、主として、オレイン酸成分、リノール酸成分、リノレン酸成分を含むものであるが、オレイン酸成分の含有量が、50mol%以上のものを用いるのが好ましく、60〜80mol%のものを用いるのがより好ましい。このようにオレイン酸成分の含有量が多い菜種油を用いることにより、前述したような可塑効果をより顕著なものとすることができ、その結果、記録媒体に対してトナー粒子をより強固に定着させることができるとともに、形成される画像の光沢(グロス)をより優れたものとすることができる。また、液体現像剤の環境安定性(長期安定性)を十分に高いものとすることができる。
また、大豆油は、主として、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸成分を含むものである。
また、第1の植物油、および第2の植物油が大豆油であり、液体現像剤(絶縁性液体)中に、分散剤として、後述するようなポリアミン脂肪酸縮重合体を含む場合には、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、大豆油と、大豆油エステル交換液とを含む絶縁性液体を使用することにより、得られるトナー画像が、凹凸のない、平滑なものとなる結果、形成される画像の光沢(グロス)を特に優れたものとすることができる。これは、大豆油エステル交換液が、可塑効果をより顕著に発現させることができる成分であるため、記録媒体の凹凸(隙間)にトナー粒子をより入り込みやすくさせることができるためであると考えられる。
また、絶縁性液体として、大豆油、大豆油エステル交換液に加え、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含むことにより、トナー粒子の分散性を高いものとし、液体現像剤の保存性を優れたものとすることができる。これは、以下のように説明することができる。
ポリアミン脂肪酸縮重合体は、トナー粒子を構成する樹脂材料との親和性が高いため、トナー粒子表面付近に付着し、トナー粒子同士の凝集(ブロッキング)を効果的に防止することができる。さらに、ポリアミン脂肪酸縮重合体は、大豆油(脂肪酸トリグリセリド)および大豆油エステル交換液(脂肪酸モノエステル)との親和性も高い。その結果、トナー粒子の分散性を特に高いものとすることができる。その結果、液体現像剤の保存性を優れたものとすることができる。また、ポリアミン脂肪酸縮重合体と、前述したような絶縁性液体を併用することにより、液体現像剤は、長期にわたって分散性に優れたものとなるため、繰り返し画像を形成した場合であっても、得られる画像の色味の変化を小さいものとすることができる。すなわち、本発明の液体現像剤は、色再現性に優れたものとなる。
また、ポリアミン脂肪酸縮重合体は、大豆油エステル交換液中に含まれる脂肪酸モノエステルのトナー粒子への浸透性を高めることができ、大豆油エステル交換液による可塑効果をより顕著なものとすることができる。その結果、記録媒体に対してトナー粒子をより強固に定着させることができるとともに、形成される画像の光沢(グロス)をより優れたものとすることができる。また、トナー粒子の帯電特性をより高いものとすることができる。
また、第1の植物油、および第2の植物油が菜種油であり、液体現像剤(絶縁性液体)中に、分散剤として、後述するようなポリアミン脂肪酸縮重合体を含む場合には、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、菜種油と、菜種油から生成される菜種油エステル交換液とを含む絶縁性液体を使用することにより、液体現像剤の帯電特性を特に優れたものとすることができる。これは、菜種油および菜種油エステル交換液の電気抵抗が高いため、トナー粒子自体の帯電性能を十分に発揮させることができるためであると考えられる。
また、菜種油エステル交換液としては、オレイン酸成分の含有量が、50mol%以上のものを用いるのが好ましく、60〜80mol%のものを用いるのがより好ましい。このようにオレイン酸成分の含有量が多い菜種油エステル交換液を用いることにより、記録媒体に対してトナー粒子を強固に定着させることができるとともに、液体現像剤の環境安定性(長期安定性)を十分に高いものとすることができる。また、このような菜種油エステル交換液は、トナー粒子内に浸透しやすいため、前述したような可塑効果がより顕著に発揮されるとともに、絶縁性液体の記録媒体への浸透性をより高いものとすることができる。その結果、本発明の液体現像剤の定着特性をより優れたものとすることができる。また、このような菜種油エステル交換液は、電気絶縁性が特に高いため、液体現像剤の帯電特性を特に高いものとすることができる。
また、絶縁性液体として、菜種油、菜種油エステル交換液に加え、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含むことにより、トナー粒子の分散性を高いものとし、液体現像剤の保存性を優れたものとすることができる。これは、以下のように説明することができる。
ポリアミン脂肪酸縮重合体は、トナー粒子を構成する樹脂材料との親和性が高いため、トナー粒子表面付近に付着し、トナー粒子同士の凝集(ブロッキング)を効果的に防止することができる。さらに、ポリアミン脂肪酸縮重合体は、菜種油(脂肪酸トリグリセリド)および菜種油エステル交換液(脂肪酸モノエステル)との親和性も高い。その結果、トナー粒子の分散性を特に高いものとすることができる。その結果、液体現像剤の保存性を優れたものとすることができる。また、トナー粒子の帯電特性をより高いものとすることができる。また、ポリアミン脂肪酸縮重合体と、前述したような絶縁性液体を併用することにより、液体現像剤は、長期にわたって分散性に優れたものとなるため、繰り返し画像を形成した場合であっても、得られる画像の色相の変化を小さいものとすることができる。すなわち、本発明の液体現像剤は、色再現性に優れたものとなる。
また、ポリアミン脂肪酸縮重合体は、菜種油エステル交換液中に含まれる脂肪酸モノエステルのトナー粒子への浸透性を高めることができ、菜種油エステル交換液による可塑効果をより顕著なものとすることができる。これは、ポリアミン脂肪酸縮重合体と、菜種油エステル交換液中に含まれる脂肪酸モノエステルとの親和性が特に高く、トナー粒子の表面付近に付着したポリアミン脂肪酸縮重合体が、脂肪酸モノエステルをトナー粒子表面付近に引きつけるためであると考えられる。
絶縁性液体中の植物油の含有量をX[wt%]、植物油エステル交換液の含有量をY[wt%]としたとき、0.1≦X/Y≦9の関係を満足するのが好ましく、0.4≦X/Y≦9の関係を満足するものであるのがより好ましく、0.6≦X/Y≦9の関係を満足するものであるのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、絶縁性液体の粘度をより適度なものとすることができ、絶縁性液体の記録媒体への浸透性をより高いものとすることができる。その結果、上述した可塑効果はより顕著に発揮される。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、トナー粒子の分散性を向上させる分散剤が含まれていてもよい。
このような分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ソルスパース(日本ルーブリゾール社の商品名)、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリアミン脂肪酸縮重合体等の高分子分散剤、粘度鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)等が挙げられる。
上述した分散剤の中でも、ポリアミン脂肪酸縮重合体を用いた場合、トナー粒子の表面にポリアミン脂肪酸縮重合体を付着させることができ、これにより、トナー粒子の帯電特性をより高いものとすることができる。また、トナー粒子同士の不本意な凝集を防止することができ、その結果、最終的に得られる液体現像剤中におけるトナー粒子の分散性をさらに向上させることができる。
ポリアミン脂肪酸縮重合体を用いた場合、液体現像剤中におけるポリアミン脂肪酸縮重合体の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜7.5重量部であるのが好ましく、1〜5重量部であるのがより好ましい。これにより、ポリアミン脂肪酸縮重合体を用いることによる効果をより顕著なものとすることができる。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、帯電制御剤が含まれていてもよい。
帯電制御剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
上述した中でも、帯電制御剤として、酸化亜鉛を用いた場合、分散剤単体の場合よりも電界中での粒子の帯電量を上げることができる。その結果、液体現像剤の帯電特性をより高いものとすることができる。
液体現像剤中における酸化亜鉛の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜4.0重量部であるのが好ましく、0.5〜2.0重量部であるのがより好ましく、1.25〜2.0重量部であるのがさらに好ましい。これにより、前述の効果をより顕著なものとすることができる。
また、上述した中でも、帯電制御剤として、酸化アルミニウムを用いた場合、分散剤単体の場合よりも電界中での粒子の帯電量を上げることができる。その結果、液体現像剤の帯電特性をより高いものとすることができる。
液体現像剤中における酸化アルミニウムの含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜4.0重量部であるのが好ましく、0.5〜2.0重量部であるのがより好ましく、1.25〜2.0重量部であるのがさらに好ましい。これにより、前述の効果をより顕著なものとすることができる。
また、上述した中でも、帯電制御剤として、酸化マグネシウムを用いた場合、分散剤単体の場合よりも電界中での粒子の帯電量を上げることができる。その結果、液体現像剤の帯電特性をより高いものとすることができる。
液体現像剤中における酸化マグネシウムの含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜4.0重量部であるのが好ましく、0.5〜2.0重量部であるのがより好ましく、1.25〜2.0重量部であるのがさらに好ましい。これにより、前述の効果をより顕著なものとすることができる。
上記のような帯電制御剤の平均粒径は、0.5〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましく、1〜5μmであるのがさらに好ましい。これにより、適正な帯電効果を付与することができる。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1×1012Ωcm以上であるのが好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがより好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
<トナー粒子>
次に、トナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料(トナー材料)]
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、樹脂材料を含むものである。
1.樹脂材料
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂材料を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、ポリエステル樹脂を用いた場合、植物油、および植物油エステル交換液を含む絶縁性液体との親和性が特に良好であるため、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を非常に優れたものとしながらも、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。また、ポリエステル樹脂は、透明性が高く、結着樹脂として用いた場合、得られる画像の発色性を高いものとすることができる。
樹脂(樹脂材料)の軟化温度は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
2.着色剤
また、トナーは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
3.その他の成分
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
[トナー粒子の形状等]
本発明の液体現像剤に適用されるトナー粒子としては、その表面に微小の凹凸を有するものを用いるのが好ましい。このように微小の凹凸を有することにより、前述した脂肪酸モノエステルをトナー粒子の表面付近により効果的に偏在(吸着)させることができる。
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子についての下記式(I)で表される円形度Rの平均値(平均円形度)は、0.94〜0.99であるのが好ましく、0.96〜0.99であるのがより好ましい。
R=L/L・・・(I)
(ただし、式中、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
トナー粒子の平均円形度がこのような範囲のものであると、記録媒体上に転写した未定着のトナー画像中に絶縁性液体を適度に含ませることができ、トナー粒子の定着強度をより高いものとすることができる。
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、20〜50wt%であるのがより好ましい。
なお、上述したような各成分で構成された液体現像剤(本発明の液体現像剤)の粘度(25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度)は、50〜1000mPa・sであるのが好ましく、100〜900mPa・sであるのがより好ましく、150〜800mPa・sであるのがさらに好ましい。これにより、記録媒体中への液体現像剤の浸透はより好適なものとなるため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性はより優れたものとなるとともに、記録媒体に得られる画像が、ムラのない鮮明なものとなり、かつ、高速での画像形成に適応した液体現像剤として、特に適したものとなる。しかしながら、植物油エステル交換液を含まない場合には、絶縁性液体の粘度が高くなりすぎてしまい、トナー粒子表面に多量の絶縁性液体が付着した状態で、記録媒体へと定着してしまう。このようにトナー粒子表面に多量に絶縁性液体が存在すると、粘度の高い絶縁性液体は、記録媒体中に浸透しにくいため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性が悪化し、高速での画像形成も困難となる可能性がある。また、脂肪酸トリグリセリドを含まない場合には、絶縁性液体の粘度が低くなりすぎてしまい、例えば、後述するような画像形成装置において、液体現像剤を、現像剤容器より塗布ローラで汲み出すことが困難となり、記録媒体に対して、トナー粒子を均一に定着することができず、得られる画像にムラが生じ、また、画像濃度が薄いものとなり、さらには、記録媒体へのトナー粒子の定着特性が不十分なものとなってしまう可能性がある。
また、上述したような各成分で構成された液体現像剤(本発明の液体現像剤)の電気抵抗は、1×1012Ωcm以上であるのが好ましく、3×1012Ωcm以上であるのがより好ましい。
《液体現像剤の製造方法》
次に、本発明の液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、主として樹脂材料で構成された樹脂微粒子を会合させ、会合粒子を得る会合粒子形成工程と、植物油エステル交換液中において会合粒子を解砕し、植物油エステル交換液中にトナー粒子が分散したトナー粒子分散液を得る工程と、得られたトナー粒子分散液と、植物油とを混合する混合工程とを有する。
[会合粒子の調製]
まず、主として樹脂材料で構成された樹脂微粒子が会合した会合粒子の調製方法の一例について説明する。
会合粒子は、いかなる方法で調製されるものであってもよいが、本実施形態では、水系液体で構成された水系分散媒中に、主として樹脂材料(トナー材料)で構成された分散質(微粒子)が分散した水系分散液を得、当該水系乳化液中の分散質を会合させることにより、会合粒子を得る。
(水系分散液の調製)
以下、水系分散液の調製について説明する。
水系分散液は、いかなる方法で調製されるものであってもよいが、本実施形態では、まず、前述したようなトナー材料を溶媒に溶解させてトナー材料溶液を得、該トナー材料溶液と、水系液体で構成された水系分散媒とを混合することにより、トナー材料を含む分散質(液状の分散質)が分散した水系乳化液を得、その後、該水系乳化液に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去することにより、水系分散液を得る。
水系乳化液は、例えば、以下のようにして調製することができる(水系乳化液調製工程)。
まず、水系分散媒を用意する。
水系分散媒は、水系液体で構成されたものである。
本発明において、「水系液体」とは、水および/または水との相溶性に優れる液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の液体)で構成されたもののことを指す。このように、水系液体は、水および/または水との相溶性に優れる液体で構成されたものであるが、主として水で構成されたものであるのが好ましく、特に、水の含有率が70wt%以上のものであるのが好ましく、90wt%以上のものであるのがより好ましい。このようなものを用いることにより、例えば、水系分散媒中における分散質の分散性を高めることができ、水系乳化液中における分散質を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのばらつきの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤中のトナー粒子は、粒子間での大きさ、形状のばらつきが小さく、円形度の大きいものとなる。
水系液体の具体例としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、ピリジン、ピラジン、ピロール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等が挙げられる。
また、水系分散媒には、必要に応じて乳化分散剤を添加してもよい。乳化分散剤を添加することにより、より容易に水系乳化液を調製することができる。
乳化分散剤としては、例えば、粘土鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム等の無機系分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシステアリン酸エステル等の非イオン性有機分散剤、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)等のアニオン性有機分散剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性有機分散剤等が挙げられる。
一方、前述したようなトナー材料を溶媒に溶解させ、トナー材料溶液を調製する。
溶媒としては、トナー材料の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、前述した水系液体よりも沸点が低いものを用いるのが好ましい。これにより、溶媒を容易に除去することができる。
また、溶媒は、前述した水系分散媒(水系液体)との相溶性が低いもの(例えば、25℃における水系分散媒100gに対する溶解度が30g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、水系乳化液中において、トナー材料を安定した状態で微分散させることができる。
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂、着色剤の組成や、水系分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
例えば、溶媒としては、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物系溶媒、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、アクリルアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
また、トナー材料溶液の調製には、例えば、樹脂材料、着色剤等のトナー用材料を混練して得られた混練物を用いてもよい。このような混練物を用いることにより、トナーの構成材料中に、互いに分散または相溶し難い成分を含む場合であっても、混練を施すことにより、得られる混練物中においては、各成分が十分に相溶、微分散した状態とすることができる。特に、前述したような溶媒に対する分散性が比較的低い顔料(着色剤)を用いた場合、溶媒に分散する前に予め混練が施されることにより、顔料粒子の周囲を樹脂成分等が効果的にコーティングすることとなり、これにより、溶媒への顔料の分散性が向上し(特に溶媒への微分散が可能となり)、最終的に得られるトナーの発色性も良好となる。このようなことから、トナーの構成材料中に、前述した水系乳化液の水系分散媒に対する分散性に劣る成分や水系乳化液の分散媒に含まれる溶媒に対する溶解性に劣る成分が含まれる場合であっても、水系乳化液における分散質の分散性を特に優れたものとすることができる。
次に、上記トナー材料溶液を、撹拌した状態の水系分散媒中に、徐々に滴下しながら加えていくことにより、水系分散媒中に、トナー材料を含む分散質が分散した水系乳化液が得られる。なお、樹脂液の滴下を行う際、水性溶液および/または樹脂液を加熱しておいてもよい。
その後、得られた水系乳化液を加熱したり、減圧雰囲気下に置くことにより、分散質中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去し、トナー材料で構成された分散質(微粒子)が分散した水系分散液を得る。
水系分散液中における分散質の含有率は、特に限定されないが、5〜55wt%であるのが好ましく、10〜50wt%であるのがより好ましい。これにより、水系分散液中における分散質同士の不本意な凝集をより確実に防止しつつ、トナー粒子(液体現像剤)の生産性を特に優れたものとすることができる。
水系分散液中の分散質の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜3μmであるのが好ましく、0.1〜2μmであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の大きさを最適なものとすることができる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
(会合粒子形成工程)
次に、上記のようにして得られた水系分散液に、電解質を添加し、分散質を会合させ、会合粒子を形成する(会合粒子形成工程)。
添加する電解質としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸などの酸性物質、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニュウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシュウム、酢酸ナトリウム等の有機、無機の水溶性の塩等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、硫酸ナトリウムや硫酸アンモニウム等の1価のカチオンの硫酸塩は、均一な会合を進める上で好適に用いることができる。
なお、電解質等を添加する前に、ヒドロキシアパタイト等の無機分散安定剤や、イオン性、非イオン性界面活性剤を分散安定剤として添加してもよい。分散安定剤(乳化剤)の存在下で電解質を添加することにより、不均一な会合を防止することができる。
このような分散安定剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、各種プルロニック系等の非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤、第四級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。中でも、アニオン性、非イオン性の界面活性剤は、少量の添加量であっても分散安定性に効果があり、好適に用いることができる。非イオン性界面活性剤の曇点は40℃以上であることが好ましい。
添加する電解質の量は、水系分散液中の固形分100重量部に対し、0.5〜15重量部であることが好ましく、1〜12重量部であることがより好ましく、1〜10重量部であることがさらに好ましい。電解質の添加量が前記下限値未満であると、分散質の会合が十分に進行しない場合がある。また、電解質の添加量が前記上限値を超えると、分散質の会合が不均一となり、粗大粒子が発生する可能性があり、最終的に得られるトナー粒子の大きさにばらつきが生じる可能性がある。
そして、会合させた後、濾過・洗浄・乾燥等を行うことにより、会合粒子を得る。
得られる会合粒子の平均粒径は、0.1〜7μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の粒径を適度なものとすることができる。
[解砕工程]
次に、上記のようにして得られた会合粒子を、植物油エステル交換液中で解砕する(解砕工程)。これにより、植物油エステル交換液中にトナー粒子が分散したトナー粒子分散液が得られる。
また、このように、植物油エステル交換液中で会合粒子を解砕することにより、最終的に得られる液体現像剤中において、トナー粒子の表面付近に植物油エステル交換液中に含まれる脂肪酸モノエステルを偏在(吸着)させることができる。このようにトナー粒子の表面付近に脂肪酸モノエステルを偏在させることにより、前述したような可塑効果をより顕著なものとすることができる。その結果、トナー粒子が紙繊維(記録媒体)の隙間により入り込み易くなるため、トナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
また、植物油エステル交換液という液体中で解砕しているので、凝集等によって粗大化したトナー粒子が発生するのを防止することができる。
また、得られるトナー粒子は、その表面に、微粒子(分散質)に由来する凹凸を有するものとなるので、脂肪酸モノエステルをこの凹凸に確実に保持することができる。
また、本実施形態では、会合粒子を解砕することによりトナー粒子を得るので、従来の粉砕法や湿式粉砕法と比較して、微粉(目的の大きさの粒子よりも極端に小さい粒子)の発生を効果的に防止することができる。その結果、微粉による液体現像剤の帯電特性の低下を効果的に防止することができる。
また、植物油エステル交換液は、比較的粘度が低いため、会合粒子を構成する微粒子(分散質)の間に侵入しやすく、好適に会合粒子を解砕することができる。
[混合工程]
次に、上記のようにして得られたトナー粒子分散液と、植物油とを混合し、トナー粒子を絶縁性液体中に分散させる(混合工程)。
以上のようにして、植物油と、植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含む絶縁性液体にトナー粒子が分散した、本発明の液体現像剤が得られる。
≪画像形成装置≫
次に、上述したような本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の液体現像剤が適用される接触方式の画像形成装置の第1実施形態の一例を示す図である。
画像形成装置P1は、液体現像剤を貯留する現像剤容器(液体現像剤貯留部)P11と、像(トナー像)を現像する円筒状の感光体(現像部)P2と、現像剤容器P11から感光体P2に液体現像剤を供給する現像器P10と、記録媒体に感光体P2で現像された像を転写する中間転写ローラ(転写部)P18と、後に詳述する定着装置(定着部)F40とを有している。
感光体P2は、表面がアモルファスシリコン等の材料で被覆されたものである。アモルファスシリコンは、従来の有機系感光体(OPC)に比べ、非常に高い硬度を有しており、耐摩擦性に優れている。したがって、感光体P2表面とトナー粒子との接触によって、感光体P2表面が傷つくのを好適に防止することができる。さらに、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができる。このような特徴を有する感光体P2は、寿命が長くなり、長期間の使用に適したものとなる。また、電気特性の繰り返し安定性や、耐環境性(使用環境の温度、湿度)に優れており、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
この感光体P2は、帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行なわれることにより、静電潜像が形成されるものである。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12と、現像ローラP13とを有している。
塗布ローラP12は、例えば、ステンレス、真鍮等の金属製のグラビアロールであり、現像ローラP13と対向して回転する。また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。
現像ローラP13は、ステンレス等の金属製のローラ芯体P16上に低硬度シリコーンゴム層を有し、その最外層には導電性のPFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)等で構成されたフッ素樹脂層が形成されている。
また、現像ローラP13は、感光体P2と等速で回転して液体現像剤を潜像部に転写する。
感光体P2へ転写後に現像ローラP13に残った液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレードP17によって除去されて現像剤容器P11内へ回収される。
また、感光体P2から中間転写ローラP18へのトナー画像の転写の後には、感光体P2は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体P2上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
同様に、中間転写ローラP18(転写部)から記録媒体F5へ転写後に中間転写ローラP18に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP23によって除去される。
感光体P2上に形成されたトナー画像は、中間転写ローラP18に対して転写された後に、2次転写ローラP19に転写電流を通電して、両者の間を通過する紙等の記録媒体F5に画像が転写される。
その後、紙等の記録媒体F5上に転写されたトナー画像(転写像)は、後述する定着装置(定着部)F40に搬送され、定着が行われる。
図2は、非接触方式の画像形成装置の一例を示す図である。
非接触方式にあっては、現像ローラP13にはリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。
帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
また、現像ローラP13と感光体P2との間は、200μm〜800μmの間隔が設けられると共に、現像ローラP13と感光体P2との間には直流電圧200〜800Vに重畳される500〜3000Vpp、周波数50〜3000Hzの交流電圧が印加されるのが好ましい。それ以外は、図1を参照しつつ説明した画像形成装置と同様である。
なお、図1、図2共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
図3は、定着装置の一例を示す図である。
定着装置(定着部)F40は、前述した現像部P2、転写部P18等において形成された未定着のトナー画像F5aを、記録媒体F5上に定着させるものである。
定着装置F40は、図3に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、紫外線照射手段F8と、スプリングF9とを有している。
熱定着ローラ(定着ローラ)F1は、パイプ材で構成されたローラ基材F1bと、その外周を被覆する弾性体F1cと、ローラ基材F1bの内部に、加熱源としての柱状ハロゲンランプF1aとを有しており、図に矢印で示す反時計方向に回転可能になっている。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
また、熱定着ローラF1の弾性体F1cの表層にはPFA層が設けられている。これにより、各弾性体F1c、2cの厚みは異なるが、両弾性体F1c、2cは略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップが形成され、また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
また、熱定着ローラF1の内部に、加熱源を構成する2本の柱状ハロゲンランプF1a、F1aが内蔵されており、これらの柱状ハロゲンランプF1a、F1aの発熱エレメントはそれぞれ異なった位置に配置されている。そして、各柱状ハロゲンランプF1a、F1aが選択的に点灯されることにより、後述する耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1に巻き付いた定着ニップ部位と、後述するベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接する部位との異なる条件下や、幅の広い記録媒体と幅の狭い記録媒体との異なる条件下等での温度コントローラが容易に行われるようになっている。
加圧ローラF2は、熱定着ローラF1と対向するように配されており、後述する耐熱ベルトF3を介して、未定着のトナー画像が形成された記録媒体F5に対して圧力を加えるよう構成されている。圧力を加えることにより、前述したような絶縁性液体を記録媒体F5中により効率良く浸透させることができる。その結果、熱や後述する紫外線照射等によって絶縁性液体に含まれる不飽和脂肪酸成分を記録媒体F5内部でより確実に硬化させることができ、アンカー効果により、記録媒体F5上にトナー画像F5aをより強固に定着させることができる。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
前述した熱定着ローラF1の弾性体F1cと加圧ローラF2の弾性体F2cとは、略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップを形成する。また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
耐熱ベルトF3は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4の外周に張架されて移動可能とされ、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との間に挟圧されるエンドレスの環状のベルトである。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体F5が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との定着ニップ部よりも記録媒体F5搬送方向上流側に配設されるとともに、加圧ローラF2の回転軸F2aを中心として矢印P方向に揺動可能に配設されている。
ベルト張架部材F4は、記録媒体F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体F5の進入がスムーズに行われる記録媒体F5の導入口部が形成でき、安定した記録媒体F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3の内周に嵌挿されて加圧ローラF2と協働して耐熱ベルトF3に張力fを付与する略半月状のベルト摺動部材(耐熱ベルトF3はベルト張架部材F4上を摺動する)である。このベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1と加圧ローラF2との押圧部接線Lより熱定着ローラF1側に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。突壁F4aはベルト張架部材F4の軸方向一端または両端に突設されており、この突壁F4aは、耐熱ベルトF3が軸方向端の一方に寄った場合に、この耐熱ベルトF3がこの突壁F4aに当接することで耐熱ベルトF3の端への寄りを規制するものである。突壁F4aの熱定着ローラF1と反対側の端部とフレームとの間にスプリングF9が縮設されていて、ベルト張架部材F4の突壁F4aが熱定着ローラF1に軽く押圧され、ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接して位置決めされる。
ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ローラF1に加圧ローラF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。
定着装置F40において、未定着のトナー画像F5aが形成された記録媒体F5は、上記ニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ローラF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、記録媒体F5上に形成された未定着のトナー画像F5aが熱定着され、その後、熱定着ローラF1への加圧ローラF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
紫外線照射手段F8は、上記のようにして排出された記録媒体F5のトナー画像F5aが形成されている面に対して、紫外線を照射する機能を有している。このような構成とすることにより、絶縁性液体中に含まれる不飽和脂肪酸成分を熱と紫外線照射とにより、より強固に固化させることができ、その結果、トナー粒子を記録媒体上により強固に定着させることができる。また、紫外線の照射により、熱定着ローラF1によって特に高い温度に加熱しなくても、トナー粒子を記録媒体上に強固に定着させることができるため、本発明の液体現像剤を用いることによる効果との相乗効果により、トナー粒子を記録媒体により低温で、かつ、より高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子をより強固に定着させることができる。さらに、定着に大きな熱量を必要としないため、前述した定着ニップ部を通過する時間を比較的短いものとしても、紫外線照射によって十分にトナー粒子を記録媒体上に定着させることができる。すなわち、定着に時間がかからないため、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。また、定着に大きい熱量を必要としないため、省エネルギー化も図ることができる。その結果、環境に優しい定着装置を提供することができる。
クリーニング部材F6は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4との間に配置されている。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
なお、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2とベルト張架部材F4とにより張架して加圧ローラF2で安定して駆動するには、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3との摩擦係数をベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3との摩擦係数より大きく設定するとよい。しかし、摩擦係数は、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2との間あるいは耐熱ベルトF3とベルト張架部材F4との間への異物の侵入や、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2およびベルト張架部材F4との接触部の摩耗などによって不安定になる場合がある。
そこで、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3の巻き付け角よりベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3の巻き付け角が小さくなるように、また、加圧ローラF2の径よりベルト張架部材F4の径が小さくなるように設定する。これにより、耐熱ベルトF3がベルト張架部材F4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避でき、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2で安定して駆動することができるようになる。
トナー粒子が定着ニップ部位を通過するのに要する時間(ニップ時間)は、0.02〜0.2秒であるのが好ましく、0.03〜0.1秒であるのがより好ましい。トナー粒子が定着ニップ部を通過するのに要する時間がこのように短い時間であっても、前述したような本発明の液体現像剤を用いることにより、十分に定着させることができ、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。
熱定着ローラF1により加える熱(定着温度)は、具体的には、80〜200℃であるのが好ましく、100〜180℃であるのがより好ましい。このような定着温度が前記範囲内の値であると、絶縁性液体中に含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)をより効果的に進行させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上述したような本発明の液体現像剤を用いて記録媒体上にカラー画像を形成するものである。
図4は、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第2実施形態の一例を示す模式図、図5は、図4に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図、図6は、図4に示す画像形成装置が備える塗布ローラを示す斜視概念図、図7は、図6に示す塗布ローラの拡大模式図、図8は、現像ローラ上の液体現像剤層内におけるトナー粒子の状態を示す模式図である。
画像形成装置1000は、図4に示すように、4つの現像部30Y、30M、30C、30Kと、中間転写部40と、2次転写ユニット(2次転写部)60と、画像形成装置の第1実施形態で用いた定着部(定着装置)F40とを有している。
現像部30Y、30M、30Cは、それぞれ、イエロー系液体現像剤(Y)、マゼンダ系液体現像剤(M)、シアン系の液体現像剤(C)で、潜像を現像し、各色に対応したカラーの単色像を形成する機能を有している。また、現像部30Kは、ブラック系液体現像剤(K)で、潜像を現像し、ブラック(黒)の単色像を形成する機能を有している。
現像部30Y、30M、30C、30Kの構成は同様であるので、以下、現像部30Yについて説明する。
現像部30Yは、図5に示すように、像担持体の一例としての感光体10Yと、感光体10Yの回転方向に沿って、帯電ローラ11Yと、露光ユニット12Yと、現像ユニット100Yと、感光体スクイーズ装置101Yと、1次転写バックアップローラ51Yと、除電ユニット16Yと、感光体クリーニングブレード17Yと、現像剤回収部18Yとを有している。
感光体10Yは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図4中の矢印で示すように時計回りに回転する。
また、このような感光体10Yは、感光層がアモルファスシリコン等の材料で構成されたものである。アモルファスシリコンは、従来の有機系感光体(OPC)に比べ、非常に高い硬度を有しており、耐摩擦性に優れている。したがって、感光体P2表面とトナー粒子との接触によって、感光体P2表面が傷つくのを好適に防止することができる。さらに、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができる。このような特徴を有する感光体P2は、寿命が長くなり、長期間の使用に適したものとなる。また、電気特性の繰り返し安定性や、耐環境性(使用環境の温度、湿度)に優れており、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
感光体10Yは、後述する現像ユニット100Yにより液体現像剤が供給され、表面に液体現像剤の層が形成されるものである。
帯電ローラ11Yは、感光体10Yを帯電するための装置であり、露光ユニット12Yは、レーザを照射することによって帯電された感光体10Y上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット12Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体10Y上に照射する。
現像ユニット100Yは、感光体10Y上に形成された潜像を、本発明の液体現像剤を用いて現像するための装置である。なお、現像ユニット100Yの詳細については後述する。
感光体スクイーズ装置101Yは、現像ユニット100Yより回転方向下流側に、感光体10Yに対向して配置されており、感光体スクイーズローラ13Yと、該感光体スクイーズローラ13Yに押圧摺接して表面に付着した液体現像剤を除去するクリーニングブレード14Yと、除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部15Yとで構成される。この感光体スクイーズ装置101Yは、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア(絶縁性液体)および本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
1次転写バックアップローラ51Yは、感光体10Yに形成された単色像を、後述する中間転写部40に転写するための装置である。
除電ユニット16Yは、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に中間転写像が転写された後に、感光体10Y上の残留電荷を除去する装置である。
感光体クリーニングブレード17Yは、感光体10Yの表面に当接されたゴム製の部材で、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に像が転写された後に、感光体10Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部18Yは、感光体クリーニングブレード17Yにより除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
中間転写部40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、ベルト駆動ローラ41とテンションローラ42との間に巻き掛けて張架され、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラ41により回転駆動される。
この中間転写部40に、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kにより、現像部30Y、30M、30C、30Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされる。これにより、中間転写部40にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される。
中間転写部40には、このように複数の感光体10Y、10M、10C、10Kに形成した単色像を順次2次転写して重ね合わせて担持し、一括して紙、フィルム、布等の記録媒体F5に2次転写する。そのため、2次転写行程において記録媒体F5にトナー像を転写するに当たって、記録媒体F5表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って2次転写特性を向上させる手段として、弾性ベルト部材を採用している。
ベルト駆動ローラ41と共に中間転写部40を張架するテンションローラ42側には、中間転写部クリーニングブレード46、現像剤回収部47からなるクリーニング装置が配置されている。
中間転写部クリーニングブレード46は、2次転写ローラ61によって記録媒体F5上に像が転写された後に、中間転写部40上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部47は、中間転写部クリーニングブレード46により除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
また、1次転写バックアップローラ51Yより中間転写部40の移動方向下流側に、中間転写部スクイーズ装置52Yが配されている。
この中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40上に転写された液体現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、転写された液体現像剤から余剰の絶縁性液体を除去する手段として設けられている。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部スクイーズローラ53Yと、中間転写部40を挟んで中間転写部スクイーズローラ53Yと対向配置される中間転写部スクイーズバックアップローラ54Yと、中間転写部スクイーズローラ53Yに押圧摺接して表面をクリーニングする中間転写部スクイーズローラクリーニングブレード55Yおよび現像剤回収部15Mから構成される。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40に1次転写された現像剤から余剰なキャリアを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。現像剤回収部15Mは、中間転写部40の移動方向下流側に配置されたマゼンタの感光体スクイーズローラのクリーニングブレード14Mで回収されるキャリアの回収機構を中間転写部スクイーズローラ53Yの中間転写部スクイーズローラクリーニングブレード55Yにも兼用するものである。このように2色目以降の像担持体スクイーズ装置の現像剤回収部15(M、C、K)において、その前の色の1次転写バックアップローラ51(Y、M、C)より中間転写部40の移動方向下流側に配置された中間転写部スクイーズ装置52(Y、M、C)の現像剤回収部として兼用することにより、それらの間隔を一定に規制することができ、構造を簡潔にして小型化を図ることができる。
2次転写ユニット60は、2次転写ローラ61が中間転写部40を挟んでベルト駆動ローラ41と対向配置され、さらに2次転写ローラ61のクリーニングブレード62、現像剤回収部63からなるクリーニング装置が配置される。
2次転写ユニット60では、中間転写部40上に色重ねして形成された中間転写像が2次転写ユニット60の転写位置に到達するタイミングに合せて、記録媒体F5を搬送、供給し、その記録媒体F5に中間転写像が2次転写される。
2次転写ユニット60により記録媒体F5上に転写されたトナー像(転写像)F5aは、後述する定着部F40に送られ、定着が行われる。
クリーニングブレード62は、2次転写ローラ61によって記録媒体F5上に像が転写された後に、2次転写ローラ61上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
現像剤回収部63は、クリーニングブレード62により除去された液体現像剤を回収する機能を有している。
次に、現像ユニット100Y、100M、100C、100Kについて、詳細に説明する。なお、以下の説明では、代表的に、現像ユニット100Yについて説明する。
現像ユニット100Yは、図5に示すように、液体現像剤貯留部31Yと、塗布ローラ32Yと、規制ブレード33Yと、現像剤攪拌ローラ34Yと、現像ローラ20Yと、現像ローラクリーニングブレード21Yと、現像剤圧縮ローラ(圧縮手段)22Yとを有している。
液体現像剤貯留部31Yは、感光体10Yに形成された潜像を現像するための液体現像剤を貯留する機能を備えたものである。
塗布ローラ32Yは、液体現像剤を現像ローラ20Yへ供給する機能を備えたものである。
この塗布ローラ32Yは、図6に示すように、鉄等金属性のローラの表面に溝32Yaが均一かつ螺旋状に形成されニッケルメッキが施された、いわゆるアニロクスローラを呼称されるものであり、その直径は約25mmである。本実施形態では、図6に示すように、塗布ローラ32Yの回転方向D2に対して斜めに複数の溝32Yaが、いわゆる切削加工や転造加工等によって形成されている。
この塗布ローラ32Yは、時計回りに回転しながら液体現像剤に接触することによって、溝32Yaに、液体現像剤貯留部31Y内の液体現像剤を担持して、該担持した液体現像剤を現像ローラ20Yへ搬送する。したがって、塗布ローラ32Yは溝32Yaが形成されているX方向の幅で現像ローラ20Yに液体現像剤を塗布することができる。
なお、溝ピッチ(図7中のX方向において、溝32Yaを形成する山と山の周期)は、必要な液体現像剤の膜厚に応じておよそ55〜250μmとするのが好ましい。本実施形態では、溝ピッチPが約80μm、山の幅が約40μm、溝32Yaの上部の幅PI1が約50μm、底面部の幅PI2が約30μm、溝32Yaの深さHeが約20μm、山32Ybの高さHcが約30μmとなるように構成され、山32Ybの中央部から溝32Yaの底部へと単調に向う傾斜部SLが形成されている。また、本実施形態では、山32Yb部の表面粗さRzをR1a≒1.0μm、溝32Ya部の表面粗さRzをR2a≒1.0μmとなるように構成している。
上記のような溝を有する塗布ローラを備えた画像形成装置に従来の液体現像剤を適用して、画像を形成した際に、形成した画像に前述したような画像ムラが顕著に現れるといった問題があったが、前述したような本発明の液体現像剤を適用することにより、画像ムラの発生を効果的に防止または抑制することができる。
規制ブレード33Yは、塗布ローラ32Yの表面に当接して、塗布ローラ32Y上の液体現像剤Dの量を規制する。すなわち、当該規制ブレード33Yは、塗布ローラ32Y上の余剰液体現像剤を掻き取って、現像ローラ20Yに供給する塗布ローラ32Y上の液体現像剤D、を計量する役割を果たす。この規制ブレード33Yは、弾性体としてのウレタンゴムからなり、鉄等金属製の規制ブレード支持部材より支持されている。また、規制ブレード33Yは、前述した鉛直面Aから見て、塗布ローラ32Yが回転して液体現像剤Dから進出する側(すなわち、鉛直面Aから見て図5中左側)に設けられている。なお、規制ブレード33Yのゴム硬度は、JIS−Aで約77度であり、規制ブレード33Yの、塗布ローラ32Y表面への当接部の硬度(約77度)は、後述する現像ローラ20Yの弾性体の層の塗布ローラ32Y表面への圧接部の硬度(約85度)よりも低くなっている。
現像剤攪拌ローラ34Yは、液体現像剤を一様分散状態に攪拌する機能を備えたものである。
液体現像剤貯留部31Y内において、液体現像剤の中のトナー粒子はプラスの電荷を有し、液体現像剤は、現像剤撹拌ローラ34Yにより撹拌されて一様分散状態になり、塗布ローラ32Yが回転することによって、液体現像剤貯留部31Yから汲み上げられ、規制ブレード33Yによって液体現像剤量が規制されて現像ローラ20Yに供給される。
現像ローラ20Yは、感光体10Yに担持された潜像を液体現像剤により現像するために、液体現像剤を担持して感光体10Yと対向する現像位置に搬送する。
現像ローラ20Yは、その表面に、前述した塗布ローラ32Yから液体現像剤を供給することにより、液体現像剤層201Yを形成するものである。
この現像ローラ20Yは、鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性を有する弾性体の層を備えたものであり、その直径は約20mmである。また、弾性体の層は、二層構造になっており、その内層として、ゴム硬度がJIS−A約30度で、厚み約5mmのウレタンゴムが、その表層(外層)として、ゴム硬度がJIS−A約85度で、厚み約30μmのウレタンゴムが備えられている。そして、現像ローラ20Yは、前記表層が圧接部となって、弾性変形された状態で塗布ローラ32Yおよび感光体10Yのそれぞれに圧接している。
また、現像ローラ20Yは、その中心軸を中心として回転可能であり、当該中心軸は、感光体10Yの回転中心軸よりも下方にある。また、現像ローラ20Yは、感光体10Yの回転方向(図5において時計方向)と逆の方向(図5において反時計方向)に回転する。なお、感光体10Y上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ20Yと感光体10Yとの間に電界が形成される。
現像剤圧縮ローラ22Yは、現像ローラ20Yに担持された液体現像剤のトナーを圧縮状態にする機能を備えた装置である。言い換えると、現像剤圧縮ローラ22Yは、前述した液体現像剤層201Yに対してトナー粒子1と同極性の電界を印加することにより、図8に示すように、液体現像剤層201Y中において、現像ローラ20Yの表面近傍にトナー粒子1を偏在させる機能を備えた装置である。このようにトナー粒子を偏在させることにより、現像濃度(現像効率)を向上させることができ、その結果、品質の高い鮮明な画像を得ることができる。
この現像剤圧縮ローラ22Yには、クリーニングブレード23Yが設けられている。
このクリーニングブレード23Yは、現像剤圧縮ローラ22Yに付着した液体現像剤を除去する機能を有している。
また、現像ユニット100Yは、現像ローラ20Yの表面に当接されたゴム製の現像ローラクリーニングブレード21Yを有している。この現像ローラクリーニングブレード21Yは、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラ20Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去するための装置である。現像ローラクリーニングブレード21Yにより除去された液体現像剤は、液体現像剤貯留部31Y内に回収され、再利用される。
また、画像形成装置1000は、各現像剤回収部(15、18、47、63)に回収された液体現像剤中の絶縁性液体を再利用する再利用装置を有している。
この再利用装置は、各現像剤回収部から、回収された液体現像剤を搬送する搬送路70と、搬送された液体現像剤の固形分(トナー粒子等)を除去するフィルタ手段77と、当該フィルタ手段77により固形分が除去された絶縁性液体を貯留する絶縁性液体貯留部74とを備えている。
搬送路70には、ポンプ76が設けられており、このポンプ76により、各現像剤回収部に回収された液体現像剤を絶縁性液体貯留部74に搬送する。
絶縁性液体貯留部74に貯留された絶縁性液体は、図示せぬ搬送手段により、各現像部に適宜搬送され、再利用される。
また、フィルタ手段77に除去された固形分は、図示せぬフィルタ状態の検知手段により検知される。そして、その検知結果に基づいてフィルタ手段77を交換する。これにより、フィルタ手段77のフィルタリング機能を安定して維持することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような液体現像装置、定着装置に適用されるものに限定されない。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような製造方法により製造されたものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系分散液を得、該水系乳化液に電解質を添加することにより会合粒子を得るものとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、会合粒子は、水系液体に、着色剤とモノマーと界面活性剤と重合開始剤とを分散させ、乳化重合により、水系分散液を調製し、該水系分散液に電解質を添加して会合させる乳化重合会合法を用いて調製されたものであってもよいし、また、得られた水系分散液を噴霧乾燥することにより会合粒子を得るものであってもよい。
[1]液体現像剤の製造
(実施例1)
まず、ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粗粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液(トナー材料溶液)を得た。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
この水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整しつつ、撹拌した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記トナー材料溶液を滴下した。これにより、平均粒径が0.5μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系分散液を得た。得られた水系分散液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系分散液の固形分(分散質)濃度は20wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.5μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
次に、得られた水系分散液:100重量部に対して、非イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名「エパン450」):0.35重量部を、撹拌しつつ添加した。
次に、撹拌速度を調整するとともに、温度を30℃とした後、水系分散液:100重量部に対して、3%の硫酸アンモニウム水溶液:35重量部を滴下した。これにより、会合粒子が分散した会合粒子分散液が得られた。
得られた会合粒子分散液から、会合粒子を遠心分離機で分離し、洗浄を行い、その後、真空乾燥機で乾燥を行い、会合粒子を得た。得られた会合粒子の平均粒径は5.2μmであった。
次に、500mLの容器に、4mmの炭素クロムビーズを入れ、その後、大豆油とメタノールとのエステル交換反応により生成された大豆油エステル交換液(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸メチル」):150重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪酸縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13900」):2.5重量部とを投入した。
次に、得られた会合粒子:100重量部を入れて、ボールミルで10分混合し、その後、200時間ボールミルで解砕し、トナー分散液を得た。
解砕終了後、菜種油(日清オイリオ社製):225重量部と、帯電制御剤としての酸化亜鉛(平均粒径:2.0μm):1.4重量部とを投入し、トナー粒子を分散した。分散は、ボールミルを用いて1mmビーズを入れて24時間行った。これにより、液体現像剤が得られた。
得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は1.5μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.50μmであった。また、25℃において振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される液体現像剤の粘度は、265mPa・sであった。なお、菜種油中に含まれるオレイン酸成分の含有量は、80mol%であった。また、絶縁性液体の電気抵抗は、2.6×1013Ωcm、液体現像剤の電気抵抗は、3.1×1012Ωcmであった。
(実施例2、3)
大豆油エステル交換液および菜種油の含有量が表1に示すような値となるように調製した以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例4)
大豆油エステル交換液として、大豆油とブタノールとのエステル交換反応により生成されたもの(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸ブチル」)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例5)
帯電制御剤として、表1に示すものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例6)
ポリアミン脂肪酸縮重合体を添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例7)
大豆油エステル交換液の代わりに、ヒマワリ油とメタノールとのエステル交換反応により生成されたヒマワリ油エステル交換液(日清オイリオ社製)を用いるとともに、菜種油の代わりに、ハイオレイック(HO)ヒマワリ油(昭和産業社製、商品名「オレインリッチ」)を用いた以外は前記実施例1と同様に液体現像剤を製造した。
(実施例8)
大豆油エステル交換液の代わりに、ヤシ油とメタノールとのエステル交換反応により生成されたヤシ油エステル交換液(花王社製 商品名「エキセパールMC」)を用いるとともに、菜種油の代わりに、ヤシ油(金田油店、商品名「ココナッツ油」)を用いた以外は前記実施例1と同様に液体現像剤を製造した。
(実施例9)
ヤシ油(金田油店、商品名「ココナッツ油」)の代わりに、ハイオレイック(HO)サフラワー油(日清オイリオ社製)用いた以外は前記実施例8と同様に液体現像剤を製造した。
(実施例10)
ヒマワリ油エステル交換液(日清オイリオ社製)の代わりに、サフラワー油とエタノールとのエステル交換反応により生成されたサフラワー油エステル交換液(日清オイリオ社製)を用いた以外は、前記実施例7と同様に液体現像剤を製造した。
(実施例11)
ヒマワリ油の代わりに、ヤシ油(金田油店、商品名「ココナッツ油」)を用いた以外は前記実施例10と同様に液体現像剤を製造した。
(比較例1)
前記実施例1と同様にして粗粉砕物を得た。
次に、得られた粗粉砕物:100重量部と、大豆油(日清オイリオ社製):150重量部とを用意した。
これら各成分を、ボールミルに投入し、400時間湿式粉砕し、粉砕物分散液を得た。
その後、得られた粉砕物分散液:100重量部と、大豆油:225重量部と、帯電制御剤としての酸化亜鉛(平均粒径:2.0μm):1.4重量部とを混合し、液体現像剤を得た。
得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は4.8μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は2.86μmであった。また、25℃において振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される液体現像剤の粘度は、490mPa・sであった。また、絶縁性液体の電気抵抗は、1.2×1013Ωcm、液体現像剤の電気抵抗は、3.1×1012Ωcmであった。
(比較例2)
大豆油の代わりに、大豆油とメタノールとのエステル交換反応により生成された大豆油エステル交換液(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸メチル」)を用いた以外は、前記比較例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例3)
前記実施例12と同様にして会合粒子を得た。
次に、500mLの容器に、4mmの炭素クロムビーズを入れ、その後、大豆油(日清オイリオ社製):150重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪酸縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13940」):2.5重量部とを投入した。
次に、得られた会合粒子:100重量部を入れて、ボールミルで10分混合し、その後、200時間ボールミルで解砕し、トナー分散液を得た。
解砕終了後、大豆油:225重量部と、帯電制御剤としての酸化亜鉛(平均粒径:2.0μm):1.4重量部とを投入し、トナー粒子を分散した。分散は、ボールミルを用いて1mmビーズを入れて24時間行った。これにより、液体現像剤が得られた。
得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は5.3μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は2.41μmであった。また、25℃において振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される液体現像剤の粘度は、505mPa・sであった。また、絶縁性液体の電気抵抗は、1.2×1013Ωcm、液体現像剤の電気抵抗は、3.1×1012Ωcmであった。
(比較例4)
大豆油の代わりに、大豆油とメタノールとのエステル交換反応により生成された大豆油エステル交換液(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸メチル」)を用いた以外は、前記比較例3と同様にして液体現像剤を製造した。
以上の各実施例および各比較例について、使用した樹脂、植物油、植物油エステル交換液の種類、絶縁性液体中の植物油および植物油エステル交換液の含有量、絶縁性液体の電気抵抗、液体現像剤の粘度等を表1に示した。なお、表1中、ポリエステル樹脂をPEsと示した。
Figure 2008046596
[2]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、以下の評価を行った。
[2.1]定着強度
図1に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、図3に示すような定着装置を用いて、熱定着ローラの設定温度を100℃として、熱定着を行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
[2.2]帯電特性
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤について、マイクロチック・ニチオン社製の「顕微鏡式レーザーゼータ電位計」ZC−2000を用いて電位差を測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:電位差が+100mV以上
◎ :電位差が+85mV以上、+100mV未満
○ :電位差が+70mV以上、+85mV未満
△ :電位差が+50mV以上、+70mV未満
× :電位差が+50mV未満
[2.3]分散安定性試験
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを遠沈管に入れ、1000G、10分間の条件で遠心分離機にかけた後、上澄みの200μLを分集し、各実施例および各比較例で用いた絶縁性液体で100倍に希釈し、サンプルとした。
各サンプルを紫外可視分光光度計(日本分光社製、V−570)を用いて吸収波長を測定した。
シアン系顔料の吸収域(685nm)の吸光度の値より、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎ :吸光度が1.50以上(沈降が全く見られない)。
○ :吸光度が1.00以上1.50未満(沈降がほとんど見られない)。
△ :吸光度が0.50以上1.00未満(沈降が確認される)。
× :吸光度が0.50未満(沈降が顕著で自然放置でも沈降が始まる)。
[2.4]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:15〜25℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
◎ :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
○ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤として
問題の無い範囲である。
△ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
× :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
[2.5]環境安定性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、35℃、相対湿度65%の環境下に、6ヶ月間放置した。その後、液体現像剤の様子を観察し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:液体現像剤の増粘/変色がまったく認められない。
◎ :液体現像剤の増粘/変色がほとんど認められない。
○ :液体現像剤の増粘/変色がわずかに認められるが、液体現像剤として問題の無
い範囲である。
△ :液体現像剤の増粘/変色がはっきりと認められる。
× :液体現像剤の増粘/変色が顕著に認められる。
[2.6]剥離強度
図1に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、図3に示すような定着装置を用いて、熱定着ローラの設定温度を180℃として、熱定着を行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像にスコッチ製メンディングテープ10mm幅810−1−18を貼り、記録紙面に対して170°の方向へ5cm/sの速度でテープを剥がし、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 528」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
これらの結果を、表2に示す。
Figure 2008046596
表2から明らかなように、本発明の液体現像剤は、定着強度、および、帯電特性に優れていた。また、本発明の液体現像剤は、分散安定性、保存性、および、環境安定性にも優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、実施例1の液体現像剤を用いて画像形成された記録紙断面の走査型電子顕微鏡写真を図9に示す。図9に示すように、トナー粒子は記録紙の凹凸に沿って、記録紙に入り込んでいるのが確認された。また、同様に実施例2〜11の液体現像剤についても同様の結果が得られたことを確認した。これに対して、比較例1、3の液体現像剤を用いて、同様の評価を行ったところ、トナー粒子は記録紙の表面に残存しており、記録紙内部に入り込んでいるトナー粒子を確認できなかった。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
[3]液体現像剤の製造
(実施例12)
まず、ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粗粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液(トナー材料溶液)を得た。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
この水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整しつつ、撹拌した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記トナー材料溶液を滴下した。これにより、平均粒径が0.5μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系分散液を得た。得られた水系分散液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系分散液の固形分(分散質)濃度は20wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.5μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
次に、得られた水系分散液:100重量部に対して、非イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名「エパン450」):0.35重量部を、撹拌しつつ添加した。
次に、撹拌速度を調整するとともに、温度を30℃とした後、水系分散液:100重量部に対して、3%の硫酸アンモニウム水溶液:35重量部を滴下した。これにより、会合粒子が分散した会合粒子分散液が得られた。
得られた会合粒子分散液から、会合粒子を遠心分離機で分離し、洗浄を行い、その後、真空乾燥機で乾燥を行い、会合粒子を得た。得られた会合粒子の平均粒径は5.2μmであった。
次に、500mLの容器に、4mmの炭素クロムビーズを入れ、その後、菜種油とメタノールとのエステル交換反応により生成された菜種油エステル交換液(日清オイリオ社製、商品名「菜種油脂肪酸メチル」):150重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪酸縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13940」):2.5重量部とを投入した。なお、菜種油エステル交換液としては、オレイン酸成分の含有量が80mol%のものを用いた。
次に、得られた会合粒子:100重量部を入れて、ボールミルで10分混合し、その後、200時間ボールミルで解砕し、トナー分散液を得た。
解砕終了後、大豆油:225重量部と、帯電制御剤としての酸化亜鉛(平均粒径:2.0μm):1.4重量部とを投入し、トナー粒子を分散した。分散は、ボールミルを用いて1mmビーズを入れて24時間行った。これにより、液体現像剤が得られた。
得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は1.4μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.50μmであった。また、25℃において振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される液体現像剤の粘度は、245mPa・sであった。また、絶縁性液体の電気抵抗は、7.0×1012Ωcm、液体現像剤の電気抵抗は、2.2×1012Ωcmであった。
(実施例13)
菜種油エステル交換液および大豆油の含有量が表3に示すような値となるように調製した以外は、前記実施例12と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例14)
菜種油エステル交換液として、オレイン酸の含有量が70mol%のもの(日清オイリオ社製)を用いた以外は、前記実施例12と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例15)
菜種油エステル交換液として、菜種油とエタノールとのエステル交換反応により生成されたもの(日清オイリオ社製、商品名「菜種油脂肪酸エチル」)を用いた以外は、前記実施例12と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例16)
帯電制御剤として、表3に示すものを用いた以外は、前記実施例12と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例17)
ポリアミン脂肪酸縮重合体を添加しなかった以外は、前記実施例12と同様にして液体現像剤を製造した。
また、[1]と同様にして、比較例1〜4の液体現像剤を製造した。
以上の各実施例および各比較例について、使用した樹脂、植物油、植物油エステル交換液の種類、絶縁性液体中の植物油および植物油エステル交換液の含有量、絶縁性液体の電気抵抗、液体現像剤の粘度等を表3に示した。なお、表3中、ポリエステル樹脂をPEsと示した。
Figure 2008046596
[4]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、[2.2]帯電特性を除く評価を[2]と同様も行った。これに加え、以下の評価を行った。
[4.1]形成されたトナー画像の光沢度(グロス)評価
図1に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、図3に示すような定着装置を用いて、熱定着ローラの設定温度を100℃として、熱定着を行った。
このようにして得られた記録紙上の画像について、グロスメーター(村上色彩研究所製 GM−26D)を用い、光沢度(グロス)測定を行い、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎ :光沢度が7以上
○ :光沢度が6以上7未満
△ :光沢度が5以上6未満
× :光沢度が5未満
各実施例、比較例の液体現像剤について、得られた評価を表4に示す。
Figure 2008046596
表4から明らかなように、本発明の液体現像剤は、定着強度、および、形成画像の光沢度に優れていた。また、本発明の液体現像剤は、分散安定性、保存性、および、環境安定性にも優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、実施例12〜17の各液体現像剤を用いて画像形成された記録紙断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、前記実施例1〜11と同様に、トナー粒子は記録紙の凹凸に沿って、記録紙に入り込んでいるのが確認された。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
[5]液体現像剤の製造
(実施例18)
まず、ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粗粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液(トナー材料溶液)を得た。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
この水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整しつつ、撹拌した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記トナー材料溶液を滴下した。これにより、平均粒径が0.5μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系分散液を得た。得られた水系分散液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系分散液の固形分(分散質)濃度は20wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.5μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
次に、得られた水系分散液:100重量部に対して、非イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名「エパン450」):0.35重量部を、撹拌しつつ添加した。
次に、撹拌速度を調整するとともに、温度を30℃とした後、水系分散液:100重量部に対して、3%の硫酸アンモニウム水溶液:35重量部を滴下した。これにより、会合粒子が分散した会合粒子分散液が得られた。
得られた会合粒子分散液から、会合粒子を遠心分離機で分離し、洗浄を行い、その後、真空乾燥機で乾燥を行い、会合粒子を得た。得られた会合粒子の平均粒径は5.2μmであった。
次に、500mLの容器に、4mmの炭素クロムビーズを入れ、その後、大豆油とメタノールとのエステル交換反応により生成された大豆油エステル交換液(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸メチル」):150重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪酸縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13900」):2.5重量部とを投入した。
次に、得られた会合粒子:100重量部を入れて、ボールミルで10分混合し、その後、200時間ボールミルで解砕し、トナー分散液を得た。
解砕終了後、大豆油:225重量部と、帯電制御剤としての酸化亜鉛(平均粒径:2.0μm):1.4重量部とを投入し、トナー粒子を分散した。分散は、ボールミルを用いて1mmビーズを入れて24時間行った。これにより、液体現像剤が得られた。
得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は1.3μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.50μmであった。また、25℃において振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される液体現像剤の粘度は、190mPa・sであった。また、絶縁性液体の電気抵抗は、8.0×1012Ωcm、液体現像剤の電気抵抗は、2.1×1012Ωcmであった。
(実施例19)
大豆油エステル交換液として、大豆油とエタノールとのエステル交換反応により生成されたもの(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸エチル」)を用いた以外は、前記実施例18と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例20)
大豆油エステル交換液として、大豆油とブタノールとのエステル交換反応により生成されたもの(日清オイリオ社製、商品名「大豆油脂肪酸ブチル」)を用いた以外は、前記実施例18と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例21)
帯電制御剤として、表1に示すものを用いた以外は、前記実施例18と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例22)
ポリエステル樹脂をエポキシ樹脂(エピコート1004、軟化温度:128℃)に変更した以外は、前記実施例18と同様にして液体現像剤を製造した。
また、[1]と同様にして、比較例1〜4の液体現像剤を製造した。
以上の各実施例および各比較例について、使用した樹脂、植物油、植物油エステル交換液の種類、絶縁性液体中の植物油および植物油エステル交換液の含有量、絶縁性液体の電気抵抗、液体現像剤の粘度等を表5に示した。なお、表5中、ポリエステル樹脂をPEs、エポキシ樹脂をEPと示した。
Figure 2008046596
[6]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、[4]と同様の評価を行った。これに加え、以下の評価を行った。
[6.1]色再現性
図1に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンのトナー画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した後、図3に示すような定着装置を用いて、熱定着ローラの設定温度を100℃として、熱定着を行った。
最初に良好な分散状態の限度見本を作製して、その色相を基準に、他のサンプルについて、X−Rite社製の色彩色差計によりΔEを測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:ΔEが4未満
○:ΔEが4以上7未満
△:ΔEが7以上10未満
×:ΔEが10以上
これらの結果を表6に示す。
Figure 2008046596
表6から明らかなように、本発明の液体現像剤は、定着強度、形成画像の光沢度、色再現性に優れていた。また、本発明の液体現像剤は、分散安定性、保存性、環境安定性、および、剥離強度にも優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、実施例18〜22の各液体現像剤を用いて画像形成された記録紙断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、前記実施例1〜17と同様に、トナー粒子は記録紙の凹凸に沿って、記録紙に入り込んでいるのが確認された。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
[7]液体現像剤の製造
(実施例23)
まず、ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末(粗粉砕物)とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液(トナー材料溶液)を得た。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
この水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整しつつ、撹拌した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記トナー材料溶液を滴下した。これにより、平均粒径が0.5μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系分散液を得た。得られた水系分散液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系分散液の固形分(分散質)濃度は20wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.5μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
次に、得られた水系分散液:100重量部に対して、非イオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名「エパン450」):0.35重量部を、撹拌しつつ添加した。
次に、撹拌速度を調整するとともに、温度を30℃とした後、水系分散液:100重量部に対して、3%の硫酸アンモニウム水溶液:35重量部を滴下した。これにより、会合粒子が分散した会合粒子分散液が得られた。
得られた会合粒子分散液から、会合粒子を遠心分離機で分離し、洗浄を行い、その後、真空乾燥機で乾燥を行い、会合粒子を得た。得られた会合粒子の平均粒径は5.2μmであった。
次に、500mLの容器に、4mmの炭素クロムビーズを入れ、その後、菜種油とメタノールとのエステル交換反応により生成された菜種油エステル交換液(日清オイリオ社製、商品名「菜種油脂肪酸メチル」):150重量部と、分散剤としてのポリアミン脂肪酸縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース13940」):2.5重量部とを投入した。なお、菜種油エステル交換液中に含まれるオレイン酸成分の含有量は、80mol%であった。
次に、得られた会合粒子:100重量部を入れて、ボールミルで10分混合し、その後、200時間ボールミルで解砕し、トナー分散液を得た。
解砕終了後、菜種油:225重量部と、帯電制御剤としての酸化亜鉛(平均粒径:2.0μm):1.4重量部とを投入し、トナー粒子を分散した。分散は、ボールミルを用いて1mmビーズを入れて24時間行った。これにより、液体現像剤が得られた。
得られた液体現像剤中における、トナー粒子の平均粒径は1.4μm、各トナー粒子間での粒径の標準偏差は0.70μmであった。また、25℃において振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される液体現像剤の粘度は、273mPa・sであった。また、絶縁性液体の電気抵抗は、2.5×1013Ωcm、液体現像剤の電気抵抗は、5.4×1012Ωcmであった。なお、菜種油中に含まれるオレイン酸成分の含有量は、80mol%であった。
(実施例24、25)
菜種油エステル交換液および菜種油の含有量が表2に示すような値となるように調製した以外は、前記実施例23と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例26)
菜種油として、オレイン酸成分の含有量が60mol%のもの(日清オイリオ社製)を用い、菜種油エステル交換液として、オレイン酸成分の含有量が60mol%のもの(日清オイリオ社製)を用いた以外は、前記実施例23と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例27)
ポリエステル樹脂をエポキシ樹脂(エピコート1004、軟化温度:128℃)に変更した以外は、前記実施例23と同様にして液体現像剤を製造した。
また、[1]と同様にして、比較例1〜4の液体現像剤を製造した。
以上の各実施例および各比較例について、使用した樹脂、植物油、植物油エステル交換液の種類、絶縁性液体中の植物油および植物油エステル交換液の含有量、絶縁性液体の電気抵抗、液体現像剤の粘度等を表7に示した。なお、表7中、ポリエステル樹脂をPEs、エポキシ樹脂をEPと示した。
Figure 2008046596
[8]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、[1]および[6.1]と同様の評価を行った。
これらの結果を表8に示す。
Figure 2008046596
表8から明らかなように、本発明の液体現像剤は、定着強度、帯電特性、色再現性に優れていた。また、本発明の液体現像剤は、分散安定性、保存性、環境安定性、および、剥離強度にも優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、実施例23〜27の各液体現像剤を用いて画像形成された記録紙断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、前記実施例1〜22と同様に、トナー粒子は記録紙の凹凸に沿って、記録紙に入り込んでいるのが確認された。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第1実施形態の一例を示す断面図である。 本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第1実施形態の一例を示す断面図である。 本発明の液体現像剤が適用される定着装置の一例を示す断面図である。 本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第2実施形態の一例を示す模式図である。 図4に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図である。 図4に示す画像形成装置が備える塗布ローラを示す斜視概念図である。 図6に示す塗布ローラの拡大模式図である。 現像ローラ上の液体現像剤層内におけるトナー粒子の状態を示す模式図である。 実施例1の液体現像剤によって画像形成された記録媒体の断面写真である。
符号の説明
1…トナー粒子 P1…画像形成装置 P2…感光体 P3…帯電器 P4…露光 P10…現像器 P11…現像剤容器 P12…塗布ローラ P13…現像ローラ P14…液体現像剤塗布層 P15…メータリングブレード P16…ローラ芯体 P17…現像ローラクリーニングブレード P18…中間転写ローラ P19…二次転写ローラ P21…除電光 P22…クリーニングブレード P23…クリーニングブレード P24…帯電ブレード F40…定着装置 F1…熱定着ローラ(加熱ローラ) F1a…柱状ハロゲンランプ F1b…ローラ基材 F1c…弾性体 F2…加圧ローラ F2a…回転軸 F2b…ローラ基材 F2c…弾性体 F3…耐熱ベルト F4…ベルト張架部材 F4a…突壁 F4f…凹部 F5…記録媒体 F5a…トナー画像 F6…クリーニング部材 F7…フレーム F8…紫外線照射手段 F9…スプリング 1000…画像形成装置 10Y、10M、10C、10K…感光体 11Y…帯電ローラ 12Y…露光ユニット 13Y、13M…感光体スクイーズローラ 14Y、14M…クリーニングブレード 15Y…現像剤回収部 16Y…除電ユニット 17Y…感光体クリーニングブレード 18Y…現像剤回収部 20Y、20M、20C、20K…現像ローラ 201Y…液体現像剤層 21Y…現像ローラクリーニングブレード 22Y…現像剤圧縮ローラ 23Y…現像剤圧縮ローラクリーニングブレード 30Y、30M、30C、30K…現像部 31Y…液体現像剤貯留部 32Y…塗布ローラ 32Ya…溝 32Yb…山 33Y…規制ブレード 34Y…撹拌ローラ 40…中間転写部 41…ベルト駆動ローラ 42…テンションローラ 46…中間転写部クリーニングブレード 47…現像剤回収部 51Y、51M、51C、51K…1次転写バックアップローラ 52Y、52M、52C、52K…中間転写部スクイーズ装置 53Y…中間転写部スクイーズローラ 54Y…中間転写部スクイーズバックアップローラ 55Y…中間転写部スクイーズローラクリーニングブレード 56Y…現像剤回収部 60…2次転写ユニット 61…2次転写ローラ 62…2次転写ローラクリーニングブレード 63…現像剤回収部 70…搬送路 74…絶縁性液体貯留部 76…ポンプ 77…フィルタ手段 100Y…現像ユニット 101Y…感光体スクイーズ装置

Claims (16)

  1. 絶縁性液体中にトナー粒子が分散しており、
    前記絶縁性液体は、第1の植物油と、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含むことを特徴とする液体現像剤。
  2. 前記第2の植物油は、前記第1の植物油とは種類が異なる植物油である請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記第1の植物油は菜種油であり、かつ、前記第2の植物油は大豆油である請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 前記第1の植物油は大豆油であり、かつ、前記第2の植物油は菜種油である請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
  5. 分散剤として、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
  6. 前記第2の植物油と、前記第1の植物油とが同じ種類の植物油であり、分散剤として、ポリアミン脂肪酸縮重合体を含む請求項1に記載の液体現像剤。
  7. 前記第1の植物油、および前記第2の植物油が大豆油である請求項6に記載の液体現像剤。
  8. 前記第1の植物油、および前記第2の植物油が菜種油である請求項6に記載の液体現像剤。
  9. 前記ポリアミン脂肪酸縮重合体の含有量は、前記トナー粒子100重量部に対して、0.5〜7.5重量部である請求項5ないし8のいずれかに記載の液体現像剤。
  10. 前記絶縁性液体中における前記第1の植物油の含有量をX[wt%]、前記反応生成物の含有量をY[wt%]としたとき、0.1≦X/Y≦9の関係を満足する請求項1ないし9のいずれかに記載の液体現像剤。
  11. 前記反応生成物は、前記第2の植物油と、炭素数が1〜4である1価のアルコールとのエステル交換反応により生成されたものである請求項1ないし10のいずれかに記載の液体現像剤。
  12. 25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度は、50〜1000mPa・sである請求項1ないし11のいずれかに記載の液体現像剤。
  13. 前記トナー粒子を構成する樹脂材料は、ポリエステル樹脂である請求項1ないし12のいずれかに記載の液体現像剤。
  14. 帯電制御剤として、金属酸化物を含み、
    前記酸化亜鉛の含有量が、前記トナー粒子100重量部に対して、0.5〜4.0重量部である請求項1ないし13のいずれかに記載の液体現像剤。
  15. 色の異なる複数の液体現像剤を用いて、各色に対応した前記単色像を形成する複数の現像部と、
    複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
    前記中間転写像を前記記録媒体に転写し、前記記録媒体上に未定着カラー画像を形成する2次転写部と、
    前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着部とを有し、
    前記液体現像剤が、トナー粒子と、第1の植物油と、第2の植物油と1価のアルコールとのエステル交換反応により生成される反応生成物とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  16. 複数の前記現像部は、表面に前記液体現像剤の層を形成する現像ローラと、前記現像ローラ上の前記液体現像剤を転写することにより前記単色像を形成する感光体とを有し、
    前記感光体は、少なくとも該感光体表面がアモルファスシリコンで構成されたものである請求項15に記載の画像形成装置。
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