JP2003165214A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
インク吐出量を与えるのに必要な圧力室の大きさ、およ
び、駆動電極−共通電極間の電位差を低減して、集積度
・画質の向上およびドライバの小型化を図る。 【解決手段】 インク吐出のための圧力室10を相互に
隣接させながら複数配置し、圧力発生部を有するアクチ
ュエータユニット21を複数の前記圧力室10に跨って
配置する。前記アクチュエータユニット21は、(a)
複数の前記圧力室10に跨って複数枚積層された平板状
のピエゾ層41〜45と、(b)ピエゾ層の一の層の一
側の面に配置された平板状の共通電極34aと、(c)
他側の面に前記圧力室10の各々に対応して配置される
平板状の駆動電極35aと、を少なくとも含む。更に、
前記圧力室10の短手方向の幅をL,該幅Lと同方向の
駆動電極の幅をδとしたときに、0.1mm≦L,かつ、
0.29≦(δ/L)≦1の条件を満たすように構成す
る。
Description
に対しインクを吐出して記録を行うインクジェット記録
ヘッドの構成に関する。
れているように、吐出ノズルを有する複数の圧力室を相
互に隣接配置し、その各圧力室に対応した電極を有する
積層型の圧電アクチュエータを複数の圧力室に跨って配
置したインクジェット記録ヘッドが知られている。
録ヘッドにおいては、高密度化・高集積化に有利なよう
に、前記圧力室を小さくできることが望まれている。ま
た、共通電極と駆動電極との間に与える必要のある電位
差を小さくできれば、アクチュエータを駆動するドライ
バを小型化でき、コスト低減に繋がることから望まし
い。しかしながら、前記圧力室を小さくすると、あるい
は前記電位差を小さくすると、圧力室の容積の変位を十
分とることができず、インクの吐出量不足に繋がってし
まう。
り、その目的は、インクジェット記録ヘッドにおいて、
共通電極と駆動電極との間に与える電位差が小さくても
圧力室の変位容積を大とすることができる、駆動電極の
構造を提供することにある。
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
ズルに、他端をインク供給源にそれぞれ接続した圧力室
を相互に隣接させながら複数配置し、該圧力室のそれぞ
れに対応した圧力発生部を有するアクチュエータユニッ
トを複数の前記圧力室に跨って配置した構成のインクジ
ェット記録ヘッドにおいて、前記アクチュエータユニッ
トは、(a)複数の前記圧力室に跨って配置され積層さ
れた平板状のピエゾ層と、(b)該ピエゾ層のうち一の
層の一側の面に配置された平板状の共通電極と、(c)
当該一の層の他側の面に前記圧力室のそれぞれに対応し
て配置される、平板状の駆動電極と、を少なくとも含
み、更に、前記圧力室の短手方向の幅をL,該幅Lと同
方向の駆動電極の幅をδとしたときに、0.1mm≦L,
かつ、0.29≦(δ/L)≦1の条件を満たすもので
ある。
与えるのに必要な圧力室の大きさを低減でき、集積度の
向上ひいては画質の向上に繋がる。同時に、所要の吐出
量を得るために必要な駆動電極−共通電極間の電位差を
小さくでき、ドライバを小型化することができる。
ユニットは、前記駆動電極と前記共通電極との間に挟ま
れた活性層と、前記両電極に挟まれない非活性層とを有
し、前記駆動電極を前記共通電極と異なる電位としたと
きに、前記活性層が圧電横効果によって変形し、前記活
性層と前記非活性層とによるユニモルフ効果が生じて前
記圧力室の容積が変化するものである。
トが圧電横効果により活性層及び非活性層の積層方向に
ついて大きく変位する。そのため、圧力室の容積変化量
が大きくなり、圧力室を小さくしてそのさらなる高集積
化を図ったとしても十分な量のインクを吐出することが
可能となって、印刷ドットの高密度配置が実現される。
方向の中心位置が、前記圧力室の短手方向の中心位置と
ほぼ一致するものである。
ことなく圧力室に対して効率よく圧力を付与でき、圧力
室の変位体積を大きくでき、十分なインク吐出量を確保
できる。
L≦0.8mmの条件を満たすものである。
分確保すると同時に、圧力室の大きさに対する駆動電極
の大きさを、製造時の取付けの際のズレを見込んだマー
ジン分だけ小さくでき、各圧力室の体積変動のバラつき
を抑えることが可能である。
または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドであ
って、更に、δ/Lが更に所定の条件を満たすものであ
る。
好ましく達成される。
が、前記圧力室のピエゾ層への投影形状に相似した形状
としているものである。
ことなく圧力室に対して効率よく圧力を付与でき、圧力
室の変位体積を大きくでき、十分なインク吐出量を確保
できる。
について、図面を参照しつつ説明する。
クジェットヘッドの底面図である。図2は、図1内に描
かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図3
は、図2内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図
である。図4は、図1に示すインクジェットヘッドの要
部断面図である。図5は、図1に示すインクジェットヘ
ッドの要部分解斜視図である。図6は、図4内に描かれ
た一点鎖線で囲まれた領域を横方向から見た拡大断面図
である。
ンクジェットヘッド1は一方向(主走査方向)に延在し
た矩形形状を有しており、その底面には、千鳥状になっ
て2列に配列された多数の台形のインク吐出領域2が設
けられている。インク吐出領域2の表面には、後述する
ように、インク吐出口8(図2及び図3参照)が多数配
列されている。また、インクジェットヘッド1の内部に
は、その長手方向に沿ってインク溜まり3が形成されて
いる。インク溜まり3は、その一端に設けられた開口3
aを介してインクタンク(図示せず)に連通しており、
常にインクで満たされている。インク溜まり3には、そ
の延在方向に沿って開口3bが2つずつ対になって、イ
ンク吐出領域2が設けられていない領域に千鳥状に設け
られている。
3は、開口3bを介してその下層にあるマニホールド5
と連通している。開口3bには、インク内に含有される
塵埃などを捕獲するためのフィルタ(図示せず)が設け
られていてよい。マニホールド5は、その先端部が2つ
に分岐して副マニホールド5aとなっている。1つのイ
ンク吐出領域2の上部には、当該インク吐出領域2に対
してインクジェットヘッド1の長手方向両隣にある2つ
の開口3bからそれぞれ2つの副マニホールド5aが進
入してきている。つまり、1つのインク吐出領域2の上
部には、合計で4つの副マニホールド5aがインクジェ
ットヘッド1の長手方向に沿って延在している。各副マ
ニホールド5aには、インク溜まり3から供給されたイ
ンクが満たされている。
域2の表面には、多数のインク排出口8が配列されてい
る。各インク吐出口8は、図4からも分かるように、先
細形状のノズルとなっており、平面形状がほぼ菱形の圧
力室(キャビティ)10(長さ900μm、短手方向の
幅350μm)及びアパーチャ12を介して副マニホー
ルド5aと連通している。このようにして、インクジェ
ットヘッド1には、インクタンクからインク溜まり3、
マニホールド5、副マニホールド5a、アパーチャ12
及び圧力室10を経てインク吐出口8に至るインク流路
32が形成されている。なお、図2及び図3において、
図面を分かりやすくするために、インク吐出領域2の内
部にあって破線で描くべき圧力室10及びアパーチャ1
2を実線で描いている。
吐出領域2内では、1つの圧力室10と連通したアパー
チャ12が当該圧力室に隣接する圧力室10と重複する
ように、圧力室10同士が密着して配列されている。こ
のようなことが可能なことの一因は、図4にも示すよう
に、圧力室10とアパーチャ12とを異なる高さに設け
るようにしたからである。このようにすることで、圧力
室10を高密度に配列することが可能であり、比較的小
さな占有面積のインクジェットヘッド1により高解像度
の画像形成を実現している。
いて、インクジェットヘッド1の長手方向(第1配列方
向)と、インクジェットヘッド1の幅方向からやや傾い
た方向(第2配列方向)との2方向にインク吐出領域2
内で配列されている。インク吐出口8は、第1配列方向
には50dpiで配列されている。一方で、圧力室10
は、第2配列方向には1つのインク吐出領域2内に最大
で12個が含まれるように配列されており、そして、第
2配列方向に12個の圧力室10が配列されたことによ
る第1配列方向への変位は圧力室10の1つ分に相当し
ている。これにより、インクジェットヘッド1の全幅内
で、第1配列方向に隣接する2つのインク吐出口8間の
距離だけ離隔した範囲には、12個のインク吐出口8が
存在するようになっている(なお、各インク吐出領域2
の第1配列方向についての両端部では、インクジェット
ヘッド1の幅方向に対向するインク吐出領域2と相補関
係となることで上記条件を満たしている)。そのため、
本実施の形態によるインクジェットヘッド1では、第1
及び第2配列方向に配列された多数のインク吐出口8か
ら、インクジェットヘッド1の幅方向への用紙に対する
相対的な移動に伴って順次インク滴を吐出させること
で、主走査方向に600dpiで印刷を行うことが可能
になっている。
ヘッド1の断面構造について説明する。図4及び図5に
示すように、インクジェットヘッド1の底部側の要部
は、上から、アクチュエータユニット21、キャビティ
プレート22、ベースプレート23、アパーチャプレー
ト24、サプライプレート25、マニホールドプレート
26、27、28、カバープレート29、ノズルプレー
ト30の合計10枚のシート材が積層された積層構造を
有している。
するように、5枚のピエゾ層が積層され且つ電極が配さ
れることによってそのうちの3層が活性層とされ残り2
層が非活性層とされたものである。キャビティプレート
22は、圧力室10に対応するほぼ菱形の開口が多数設
けられた金属プレートである。ベースプレート23は、
キャビティプレート22の1つの圧力室10について、
圧力室10とアパーチャ12との連絡孔及び圧力室10
からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金
属プレートである。アパーチャプレート24は、キャビ
ティプレート22の1つの圧力室10について、アパー
チャ12のほかに圧力室10からインク吐出口8への連
絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプラ
イプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧
力室10について、アパーチャ12と副マニホールド5
aとの連絡孔及び圧力室10からインク吐出口8への連
絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。マニホ
ールドプレート26、27、28は、副マニホールド5
aに加えて、キャビティプレート22の1つの圧力室1
0について、圧力室10からインク吐出口8への連絡孔
がそれぞれ設けられた金属プレートである。カバープレ
ート29は、キャビティプレート22の1つの圧力室1
0について、圧力室10からインク吐出口8への連絡孔
がそれぞれ設けられた金属プレートである。ノズルプレ
ート30は、キャビティプレート22の1つの圧力室1
0について、ノズルとして機能する先細のインク吐出口
8がそれぞれ設けられた金属プレートである。
に示すようなインク流路32が形成されるように、互い
に位置合わせして積層される。このインク流路32は、
副マニホールド5aからまず上方へ向かい、アパーチャ
12において水平に延在し、それからさらに上方に向か
い、圧力室10において再び水平に延在し、それからし
ばらくアパーチャ12から離れる方向に斜め下方に向か
ってから垂直下方にインク吐出口8へと向かう。
ト21は、それぞれ厚みが10μm(または15μm)
程度で同じになるように形成された5枚の圧電シート
(ピエゾ層)41、42、43、44、45を含んでい
る。これら圧電シート41〜45は連続平板層であり、
アクチュエータユニット21は、インクジェットヘッド
1内の1つのインク吐出領域2内に形成された多数の圧
力室10に跨って配置されている。圧電シート41〜4
5が連続平板層とされて多数の圧力室10に跨って配置
されることで、圧電素子の機械的剛性を高く保つことが
できるので、インクジェットヘッド1におけるインク吐
出性能の応答性を高めることができるようになってい
る。
隣接した圧電シート42との間には、シート全面に形成
された厚み2μm程度の共通電極34aが介在してい
る。同様に、圧電シート42の下層に隣接した圧電シー
ト43とその下層に隣接した圧電シート44との間に
も、共通電極34aと同様に形成された厚み2μm程度
の共通電極34bが介在している。また、圧電シート4
1の上方には、平面形状が圧力室10と相似形状(長さ
850μm、幅300μm)を有し且つ積層方向への射
影領域が圧力室領域に含まれる厚み1μm程度の駆動電
極(駆動電極)35aが、圧力室10ごとに形成されて
いる(図3参照)。さらに、圧電シート42と圧電シー
ト43との間には、駆動電極35aと同様に形成された
厚み2μm程度の駆動電極35bが介在している。これ
らの駆動電極35a、35bは、その短手方向の中心位
置が、対応する前記圧力室10の短手方向の中心位置と
ほぼ一致させて配置し、アクチュエータユニットが大き
く変形するようにしてインク吐出量を大きく確保してい
る。一方、圧電シート43の下方に隣接した圧電シート
44とその下方に隣接した圧電シート45との間、及
び、圧電シート45の下方には、電極が配置されていな
い。
域において接地されている。これにより、共通電極34
a、34bは、すべての圧力室10に対応する領域にお
いて等しくグランド電位に保たれている。また、駆動電
極35a、35bは、各圧力室10に対応するものごと
に電位を制御することができるように、駆動電極35
a、35bごとに独立した別のリード線(図示せず)を
介して、図示しないドライバに接続されている。このと
き、上下で対になった駆動電極35a、35b同士は、
同じリード線を介してドライバに接続されてよい。な
お、共通電極34a、34bは、積層方向への射影領域
が圧力室領域を含むように或いは射影領域が圧力室領域
に含まれるように圧力室10ごとに多数形成されたもの
であってもよく、必ずしもシート全面に形成された1枚
の導電シートである必要はない。ただし、このとき、圧
力室10に対応する部分がすべて同一電位となるように
共通電極どうしが電気的に接続されていることが必要で
ある。
1において、圧電シート41〜45の分極方向はその厚
み方向となっている。つまり、アクチュエータユニット
21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)3枚の
圧電シート41〜43を活性層とし且つ下側(つまり、
圧力室10に近い)2枚の圧電シート44、45を非活
性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となって
いる。従って、駆動電極35a、35bを正又は負の所
定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば
活性層である圧電シート41〜43の電極に挟まれた部
分が分極方向と直角方向に縮む。一方、圧電シート4
4、45は電界の影響を受けないため自発的には縮まな
いので、上層の圧電シート41〜43と下層の圧電シー
ト44、45の間には、シート間で分極方向への歪に差
を生ずることとなり、圧電シート41〜45全体が非活
性側に凸となる変形を生ずる(ユニモルフ変形)。この
とき、図6で示したように、圧電シート41〜45の下
面は圧力室を区画する隔壁22の上面に固着されている
ので、結果的に圧電シート41〜45は圧力室側へ凸と
なるように変形し、このため、圧力室10の容積が低下
して、インクの圧力が上昇し、インク吐出口8からイン
クが吐出される。その後、駆動電極35a、35bへの
駆動電圧の印加が停止されれば、圧電シート41〜45
は元の形状に戻って、圧力室10の容積が元の容積に戻
るので、インクをマニホールド5側から吸い込む。
35a、35bに電圧を印加しておき、吐出要求がある
度に一旦電圧の印加を停止し、その後所定のタイミング
にて再び電圧を印加する方法を用いることもできる。こ
の場合は、電圧の印加が停止されたタイミングで圧電シ
ート41〜45が元の形状に戻ることにより、圧力室1
0の容積は初期状態(予め電圧が印加された状態)と比
較して増加され、インクが間にホールド5側から吸い込
まれる。そして、その後再び電圧が印加されたタイミン
グで、圧電シート41〜45が圧力室側へ凸となるよう
に変形し、圧力室の容積低下によりインクへの圧力が上
昇し、インクが吐出される。
ば電極に挟まれた活性層である圧電シート41〜43の
一部が分極方向と直角方向に伸びる。従って、圧電シー
ト41〜45の電極34a、34b、35a、35bに
挟まれた部分は、圧電横効果により、圧力室側に凹とな
るように湾曲する。このため、圧力室10の容積が増加
して、インクをマニホールド5側から吸い込む。その
後、駆動電極35a、35bへの駆動電圧の印加が停止
されれば、圧電シート41〜45は元の形状に戻って、
圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをノズ
ルから吐出する。
おいては、圧力室の短手方向の幅に対する同方向の駆動
電極35a、35bの幅(活性幅)の比を0.3≦δ/
L≦1とすることで、上述した公報のような構成と比較
して、電気効率(単位静電容量当たりの圧力室10の体
積変化量)を向上させることができるようになるか、或
いは、面積効率(単位投影面積当たりの圧力室10の体
積変化量)を向上させることができるようになる(後述
の表1参照)。電気効率又は面積効率が向上すること
で、電極34a、34b、35a、35bを駆動するド
ライバを小型化できてコストを抑えることができると共
に、圧力室10を小さくできてその高集積化を図ったと
きであっても十分な量のインクを吐出することが可能と
なって、ヘッド1の小型化と印刷ドットの高密度配置が
実現される。この効果は、本実施の形態のインクジェッ
トヘッド1のように、活性層及び非活性層の合計層数が
4層以上の場合に特に優れている。後の実施例で詳述す
るように、電気効率又は面積効率を向上させる観点から
は、圧力室10の短手方向の幅をL、幅Lと同方向の駆
動電極35a、35bの幅をδとしたときに、0.1mm
≦L、且つ、0.29≦δ/L≦1の条件を満たすこと
が好ましい(図13参照)。
45は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)系のセラミックス材料からなるものである。電極3
4a、34b、35a、35bは、Ag−Pd系等の金
属材料からなるものである。
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々
な設計変更が可能なものである。例えば、圧電シートや
電極の材料は、上述したものに限らず、その他の公知の
材料に変更してもよい。また、圧電室の平面形状や断面
形状、配置形態などは、適宜変更してよい。また、活性
層の数、非活性層の数は、そのいずれか一方が複数ある
という条件の下で適宜変更することができる。また、活
性層と非活性層とで層厚を異なる厚みにしてもよい。
実施例及び比較例について説明する。
ンクジェットヘッドと同様の概略構造を有するインクジ
ェットヘッドにおいて、活性層を2層、非活性層を2層
にすると共に、活性層及び非活性層の1層当たりの層厚
をすべて10μmとしたものについて、駆動電極の幅
(活性層の幅に相当する)δを50μm〜350μmの
範囲で50μmずつ変化させて、その電気効率及び面積
効率、更に変形効率(電気効率と面積効率との積をい
う。以下同じ。)をシミュレーションにより算出した。
なお、駆動電極の幅δを変化させる際は、複数枚の駆動
電極すべての幅が互いに一致する関係を維持しながら同
時に変化させるようにして、かつ、各駆動電極の形状は
圧力室10と相似形状を保ち、更には駆動電極はその短
手方向の中心を圧力室10のそれと一致する位置を保持
しながら、その幅δを変化させるようにしている。これ
は以降の実施例においても同様である。
たりの層厚をすべて15μmとしたものとした以外は実
施例1で用いたインクジェットヘッド1と同様に製造さ
れたインクジェットヘッド1について、駆動電極の幅δ
を50μm〜350μmの範囲で50μmずつ変化させ
て、その電気効率及び面積効率、更に変形効率をシミュ
レーションにより算出した。
ンクジェットヘッドと同様の概略構造を有するインクジ
ェットヘッドにおいて、活性層を2層、非活性層を3層
にすると共に、活性層及び非活性層の1層当たりの層厚
をすべて10μmとしたものについて、駆動電極の幅δ
を50μm〜350μmの範囲で50μmずつ変化さ
せ、その電気効率及び面積効率、更に変形効率をシミュ
レーションにより算出した。
たりの層厚をすべて15μmとしたものとした以外は実
施例3で用いたインクジェットヘッド1と同様に製造さ
れたインクジェットヘッド1について、駆動電極の幅δ
を50μm〜350μmの範囲で50μmずつ変化さ
せ、その電気効率及び面積効率、更に変形効率をシミュ
レーションにより算出した。
ンクジェットヘッドと同様の概略構造を有するインクジ
ェットヘッドにおいて、活性層を2層、非活性層を4層
にすると共に、活性層及び非活性層の1層当たりの層厚
をすべて10μmとしたものについて、駆動電極の幅δ
を50μm〜350μmの範囲で50μmずつ変化さ
せ、その電気効率及び面積効率、更に変形効率をシミュ
レーションにより算出した。
ンクジェットヘッドと同様の概略構造を有するインクジ
ェットヘッドにおいて、活性層を3層、非活性層を3層
にすると共に、活性層及び非活性層の1層当たりの層厚
をすべて10μmとしたものについて、駆動電極の幅δ
を50μm〜350μmの範囲で50μmずつ変化さ
せ、その電気効率及び面積効率、更に変形効率をシミュ
レーションにより算出した。
2号公報に記載されたものと同様の構造を有するインク
ジェットヘッド(層数10、層厚30μm)について、
電気効率及び面積効率、更に変形効率をシミュレーショ
ンにより算出した。
を、表1に示す。また、実施例1から実施例6までの結
果について、横軸に駆動電極の幅δ、縦軸に変形効率を
プロットしたグラフを、それぞれ図7から図12までに
示す。
施例においても、駆動電極の幅δが200μm〜250
μmの範囲で変形効率がピーク値を示している。また、
駆動電極の幅δが100μm〜300μmの範囲のすべ
てにおいて、比較例の変形効率(72.886pl2/
(nF・mm2))よりも優れた変形効率が得られる。
極の幅δが200μm〜250μmの範囲を含む100
μmの範囲で、変形効率はピーク値を含んで相対的に緩
やかに変化し、広範囲で良好な変形効率を呈することが
分かる。言い換えれば変形効率は、100μm〜150
μmの領域では大きな傾きを持って立ち上がり、300
μm〜350μmの領域では大きな傾きで減少して行く
が、その中間の150μm〜300の領域では変形効率
は相対的に安定する傾向が見られる。
るインクジェットヘッドと同様の概略構造を有する多数
のインクジェットヘッドについて、活性幅、つまり駆動
電極の短手方向の幅を100μm、150μm、200
μm、250μm、300μm、350μmと6通りに
変えて、電気効率及び面積効率、更には変形効率を、シ
ミュレーションにより算出した。その結果を図13に示
す。このときの活性層及び非活性層の合計層数は3層か
ら6層までの4種類、活性層及び非活性層の1層当たり
の層厚は10μm、15μm、20μmの3種類、駆動
電極の数は1層〜3層(活性層及び非活性層の少なくと
もいずれか一方を複数有しているという条件を満たすよ
うにする)とした。この算出結果には、前記実施例1〜
6までの算出結果が含まれる。
幅が100μmのときは130pl 2/(nF・mm2)程
度であるが、活性幅が増加するに連れて増えていき24
0μm程度のときに最大(500pl2/(nF・mm2)
程度)となり、それ以降は350μmになるまで減少し
続ける。
室10の幅350μmに対する比が100/350=
0.29)〜350μm(圧力室10の幅350μmに
対する比が350/350=1)の範囲で、上述した比
較例1よりも優れた変形効率が得られることが分かる。
また、より優れた変形効率を得る観点からは、活性幅が
140μm(前記比が0.4)〜330μm(前記比が
0.94)であることがより好ましく、170μm(前
記比が0.49)〜300μm(前記比が0.86)で
あることがさらに好ましく、200μm(前記比が0.
57)〜270μm(前記比が0.77)であることが
最も好ましい。
室10の幅Lを350μmで固定としたが、0.1mm≦
Lの条件を満たす限り、圧力室10の幅Lをどのように
変えても、上記実施例の結果と同様に良好な変形効率を
示すという知見が得られた。なお、0.1mm≦Lの条件
は、以下の理由から導かれるものである。即ち、実際に
アクチュエータユニットを製造する際には、圧力室10
に対する駆動電極の取付け位置のズレに基づく圧力室1
0の体積変動のバラつきを小さくするために、活性部の
幅δを圧力室10の幅Lに対して所定のマージンをとっ
て小さくする必要がある。しかしながら、圧力室10の
幅Lが0.1mm未満であると、活性部の幅δが極めて小
さくなってしまい、圧力室10の変位体積を確保できず
現実的でないからである。
き、かつ、各圧力室10の体積変動のバラつきを抑える
には、0.15mm≦L≦0.8mmの条件を満たすとより
好ましい。
与えるのに必要な圧力室の大きさを低減でき、集積度の
向上ひいては画質の向上に繋がる。同時に、所要の吐出
量を得るために必要な駆動電極−共通電極間の電位差を
小さくでき、ドライバを小型化することができる。
ッドの底面図である。
大図である。
大図である。
である。
視図である。
方向から見た拡大断面図である。
いてシミュレーションの結果得られた電気効率及び面積
効率を示すグラフである。
いて、活性幅を100μm、150μm、200μm、
250μm、300μm、350μmと6通りに変えた
ときの変形効率のシミュレーション結果を描いたグラフ
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 一端を吐出ノズルに、他端をインク供給
源にそれぞれ接続した圧力室を相互に隣接させながら複
数配置し、該圧力室のそれぞれに対応した圧力発生部を
有するアクチュエータユニットを複数の前記圧力室に跨
って配置した構成のインクジェット記録ヘッドにおい
て、 前記アクチュエータユニットは、(a) 複数の前記圧
力室に跨って配置され積層された平板状のピエゾ層と、
(b) 該ピエゾ層のうち一の層の一側の面に配置され
た平板状の共通電極と、(c) 当該一の層の他側の面
に前記圧力室のそれぞれに対応して配置される、平板状
の駆動電極と、を少なくとも含み、 更に、前記圧力室の短手方向の幅をL,該幅Lと同方向
の駆動電極の幅をδとしたときに、0.1mm≦L,か
つ、0.29≦(δ/L)≦1 の条件を満たすことを
特徴とする、 インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
ッドであって、前記アクチュエータユニットは、前記駆
動電極と前記共通電極との間に挟まれた活性層と、前記
両電極に挟まれない非活性層とを有し、前記駆動電極を
前記共通電極と異なる電位としたときに、前記活性層が
圧電横効果によって変形し、前記活性層と前記非活性層
とによるユニモルフ効果が生じて前記圧力室の容積が変
化することを特徴とする、インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のインク
ジェット記録ヘッドであって、前記駆動電極の短手方向
の中心位置が、前記圧力室の短手方向の中心位置とほぼ
一致することを特徴とする、インクジェット記録ヘッ
ド。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか一
項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、更に、
0.15mm≦L≦0.8mm の条件を満たすことを特徴
とする、インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1から請求項3までのいずれか一
項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、更に、
0.4≦(δ/L)≦0.94 の条件を満たすことを
特徴とする、インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1から請求項3までのいずれか一
項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、更に、
0.49≦(δ/L)≦0.86 の条件を満たすこと
を特徴とする、インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1から請求項3までのいずれか一
項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、更に、
0.57≦(δ/L)≦0.77 の条件を満たすこと
を特徴とする、インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか一
項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記駆
動電極の形状が、前記圧力室のピエゾ層への投影形状に
相似した形状としていることを特徴とする、インクジェ
ット記録ヘッド。
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