JP2003164294A - Pdc1プロモーター - Google Patents

Pdc1プロモーター

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JP2003164294A
JP2003164294A JP2002128286A JP2002128286A JP2003164294A JP 2003164294 A JP2003164294 A JP 2003164294A JP 2002128286 A JP2002128286 A JP 2002128286A JP 2002128286 A JP2002128286 A JP 2002128286A JP 2003164294 A JP2003164294 A JP 2003164294A
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Japan
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dna
vector
pdc1
gene
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Application number
JP2002128286A
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English (en)
Inventor
Satoshi Saito
聡志 齋藤
Osamu Saotome
理 早乙女
Noriko Hoya
典子 保谷
Yasuo Matsuo
康生 松尾
Nobuhiro Ishida
亘広 石田
Masakata Hirai
正名 平井
Katsuhiko Kitamoto
勝ひこ 北本
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 目的遺伝子を発現させるのに強力な転写活性
を有するプロモーターの提供。 【解決手段】 以下の(a)、(b)又は(c)のDNA
からなるプロモーター。(a)特定の配列で表される塩
基配列からなるDNA(b)特定の配列で表される塩基配
列において1〜40個の塩基が欠失、置換若しくは付加
された塩基配列からなり、かつプロモーター活性を有す
るDNA(c)特定の配列で表される塩基配列の全部若し
くは一部に相補的な配列からなるDNAとストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズし、かつプロモーター活性
を有するDNA

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なプロモータ
ー、該プロモーター及び目的遺伝子を含む組換えベクタ
ー、該組換えベクターを含有する形質転換体、並びに該
形質転換体を用いた有用遺伝子産物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医薬品や食品等に利用する有用タンパク
質を遺伝子工学的に生産するため、それに対応する遺伝
子を種々の宿主、例えばサッカロマイセス属に属する酵
母、特にサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyce
s cerevisiae)に導入する技術が知られている。
【0003】サッカロマイセス・セレビシエの細胞内で
目的遺伝子を発現させる場合、その上流に酵母内で発現
可能なプロモーターを連結することが必要である。現在
報告されているサッカロマイセス・セレビシエのプロモ
ーターとしては強い発現量を示すことが知られているア
ルコールデヒドログナーゼ1(ADH1)遺伝子のプロモータ
ーや3-ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)遺伝子のプロ
モーターが知られている。また、相同組換えによる遺伝
子導入では安定性が高いため、強力なプロモーターによ
り目的とする遺伝子を発現させることが可能であれば、
物質生産、機能改変又は機能解析の点で有効である。
【0004】しかし、酵母に相同組換えを利用して遺伝
子導入を行う場合にはYIPベクターを利用するが、この
場合コピー数は1または2しか期待することができな
い。そのため、シングルコピーでも高発現可能なプロモ
ーターの開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、目的遺伝子
を発現させるのに強力な転写活性を有するプロモータ
ー、及び該プロモーターを含む組換えベクター、該組換
えベクターを含む形質転換体、並びに該形質転換体を用
いた目的遺伝子発現産物の製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、サッカロ
マイセス・セレビシエにおいて非常に大量にエタノール
が生産されることに着目し、エタノール発酵経路におい
て高発現されるピルビン酸デカルボキシラーゼ1遺伝子
(PDC1)のプロモーター領域を単離した。さらに本発明
者らは、このPDC1のプロモーター領域を目的遺伝子と連
結してサッカロマイセス・セレビシエに導入したとこ
ろ、このプロモーターにより目的遺伝子が高発現される
知見を得、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)配列番号1で
表される塩基配列からなるDNA、(b)配列番号1で表
される塩基配列において1〜40個の塩基が欠失、置換
若しくは付加された塩基配列からなり、かつプロモータ
ー活性を有するDNA、又は(c)配列番号1で表される
塩基配列の全部若しくは一部に相補的な配列からなるDN
Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つプロモーター活性を有するDNA、のいずれかのDNAから
なるプロモーターである。
【0008】また、本発明は、上記プロモーターを含む
組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、目
的遺伝子が発現可能な状態で連結されたものが好まし
い。この場合、該組換えベクターはプラスミドベクター
又はウイルスベクターであってよい。また、該組換えベ
クターにおいて、目的遺伝子としては、タンパク質をコ
ードする核酸又はそのアンチセンス核酸、アンチセンス
RNAデコイをコードする核酸及びリボザイムから選択さ
れる核酸が挙げられる。
【0009】さらに本発明は、上記いずれかの組換えベ
クターを用いて宿主を形質転換して得られる形質転換体
である。ここで宿主は、細菌、酵母、動物、昆虫又は植
物でありうるが、特にサッカロマイセス属に属する酵母
であることが好ましい。これらの宿主生物は、生物個体
(ヒトを除く)、組織、細胞のいずれをも意味する。
【0010】本発明はまた、上記いずれかの形質転換体
を培地中で培養し、得られる培養物から目的遺伝子の発
現産物を採取することを特徴とする目的遺伝子の発現産
物の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のプロモーターは、サッカロマイセ
ス・セレビシエに由来するピルビン酸デカルボキシラー
ゼ1遺伝子のプロモーター(以下、PDC1プロモーターと
呼ぶ。)である。ピルビン酸デカルボキシラーゼは、酵
母のエタノール発酵経路に関与する酵素であり、サッカ
ロマイセス属に属する酵母においてこの酵素をコードす
る遺伝子はPDC1、PDC5及びPDC6が存在する。そのうち、
通常機能しているのはPDC1のみであり、PDC5及びPDC6は
PDC1によりその機能が抑制されている。本発明者らは、
ピルビン酸デカルボキシラーゼがPDC1の発現のみで産生
されているにも関わらず、エタノールが大量に生産され
ている点に着目し、PDC1のプロモーター領域を特定し
た。
【0013】1.PDC1プロモーター 公開されているサッカロマイセス・セレビシエのゲノム
塩基配列(Saccharomyces Genome Database)を利用し
て、PDC1プロモーター下流に目的とする遺伝子が導入さ
れるように相同組換え用のベクターを構築した。このベ
クターを導入し、目的とする遺伝子の発現量が多い株を
選抜し、PCRによりPDC1プロモーター断片を得、PDC1プ
ロモーターに相当する領域の塩基配列をシークエンサー
(ABI 310 Genetic Analyzer)により決定した。
【0014】PDC1プロモーターは、配列番号1で表され
る塩基配列からなるDNAを含む。PDC1プロモーターを単
離した後は、そのDNAは、核酸合成の手法に従って化学
合成することにより得ることができる。
【0015】また、本発明のPDC1プロモーターには、配
列番号1で表される塩基配列において1〜40個の塩基
が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、か
つプロモーター活性を有するDNAも含まれる。プロモー
ター活性とは、プロモーターの下流に発現可能な状態で
目的遺伝子を連結し、宿主に導入した際、宿主内又は宿
主外において目的遺伝子の遺伝子産物を生産する能力及
び機能を有することをいう。このようなDNAは、プロモ
ーター活性を有していればよいが、配列番号1で表され
る塩基配列からなるプロモーターが機能する条件と同一
の条件でほぼ同様の利用が可能な程度のプロモーター活
性が維持されていることをいう。例えば、配列番号1で
表される塩基配列からなるプロモーター活性の約0.01〜
100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは約0.5
〜2倍の活性を維持するDNAである。
【0016】このようなDNAは、配列番号1で表される
塩基配列を参照すれば、Molecular Cloning(Sambrook
ら編(1989) Cold Spring Harbor Lab. Press, New Yor
k)等の文献の記載に従って製造することができる。
【0017】例えば、上述した配列番号1で表される塩
基配列を基にして、当該塩基配列から1〜40個の塩基
の欠失、置換若しくは付加を人為的に行う技術、例えば
部位特異的突然変異誘発法により、プロモーター活性を
維持しつつ配列の異なる変異体を作製することができ
る。例えば1〜40個の塩基が置換されるような部位特
異的突然変異誘発については、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 81(1984) 5662-5666;WO85/00817号公報;Nature
316(1985) 601-605;Gene 34(1985) 315-323;Nucleic
Acids Res. 13(1985) 4431-4442;Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 79(1982)6409-6413;Science 224(1984) 1431-
1433等に記載の技術に従って変異体を取得し、これを利
用することができる。また、市販のキット(Mutan-G、M
utan-K(宝酒造))を用いてこれらの変異体を作製する
ことができる。さらに、誤りを起こしやすいポリメラー
ゼ連鎖反応(error-prone PCR)もまた変異体作製方法
として知られており、複製の厳密度の低い条件を選択す
ることによって1〜数塩基の変異を導入することができ
る(Cadwell, R.C. and Joyce, G.F. PCR Methodsand A
pplications 2(1992) 28-33;Malboeuf, C.M. et al. B
iotechniques 30(2001) 1074-8;Moore, G.L. and Mara
nas C.D. J. Theor. Biol. 7; 205 (2000)483-503)。
【0018】また、配列番号1で表される塩基配列の全
部又は一部に相補的な配列からなるDNAをプローブ(100
〜900塩基)として用いてストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズさせることによって、配列番号1で表さ
れる塩基配列からなるDNAと同様の機能(すなわちプロ
モーター活性)を有する他の塩基配列からなるDNAを新
たに取得し、利用することもできる。ここで、ストリン
ジェントな条件とは、例えばナトリウム濃度が、10〜30
0mM、好ましくは20〜100mMであり、温度が25〜70℃、好
ましくは42〜55℃における条件をいう。
【0019】上記のように取得した変異体やハイブリダ
イゼーションにより得られるDNAがプロモーターとして
の活性を有するか否かは、以下のような手法により確認
することができる。すなわち、上記のようにして得られ
るDNAのプロモーター活性は、好ましくは種々のレポー
ター遺伝子、例えばルシフェラーゼ遺伝子(LUC)、ク
ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子
(CAT)、βガラクトシダーゼ遺伝子(GAL)等をプロモ
ーターの下流域に連結したベクターを作製し、当該ベク
ターを用いて宿主のゲノムに導入した後、当該レポータ
ー遺伝子の発現を測定することにより確認することがで
きる。
【0020】2.組換えベクターの構築 本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の
PDC1プロモーターと目的遺伝子とを連結(挿入)するこ
とにより得ることができる。ここで「目的遺伝子」と
は、例えば、タンパク質をコードする核酸又はそのアン
チセンス核酸、アンチセンスRNAデコイをコードする核
酸、リボザイムなどが挙げられる。
【0021】物質生産を目的とする場合には、目的遺伝
子としては有用なタンパク質をコードする核酸が好まし
く、そのような有用タンパク質としては、例えば、イン
ターフェロン、ワクチン等が挙げられる。また、タンパ
ク質をコードする核酸は、酵素をコードする遺伝子の核
酸であってもよく、例えばピルビン酸から乳酸を生成す
るラクテートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の核
酸等が挙げられる。
【0022】アンチセンス核酸とは、任意のRNA(ゲノ
ムRNA及びmRNA)と相補的な塩基配列を有し、これらと
2本鎖を形成することによって該RNAにコードされる遺
伝子情報の発現(転写、翻訳)を抑制するものをいう。
アンチセンス配列は、遺伝子の翻訳又は転写をブロック
する限り任意の核酸物質を使用することができる。例え
ば、DNA、RNA、又は任意の核酸擬似物が挙げられる。従
って、発現を抑制させようとする遺伝子の一部の配列に
相補的となるようにアンチセンス核酸(オリゴヌクレオ
チド)配列を設計する。
【0023】設計すべきアンチセンス核酸配列の長さ
は、遺伝子の発現を阻害し得る限り特に限定されるもの
ではないが、例えば10〜50塩基、好ましくは15〜25塩基
である。オリゴヌクレオチドは、公知手法により容易に
化学合成することができる。
【0024】本発明の目的のために、アンチセンスオリ
ゴヌクレオチドの分子類似体も使用することができる。
分子類似体は、高安定性、分布特異性などを有するもの
である。分子類似体には、化学的に反応性である基、例
えば鉄結合エチレンジアミン四酢酸をアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドに結合させたものが挙げられる。
【0025】RNAデコイをコードする核酸とは、転写因
子の結合タンパク質をコードする遺伝子あるいは転写因
子の結合部位の配列又は類似の配列を有するRNAを指
し、これらを「おとり」として細胞内に導入することに
よって転写因子の作用を抑制するものをいう。
【0026】リボザイムとは、特定のタンパク質のmRNA
を切断するものをいい、これら特定のタンパク質の翻訳
を阻害するものをいう。リボザイムは特定のタンパク質
をコードする遺伝子配列より設計することができ、例え
ば、ハンマーヘッド型リボザイムとしては、FEBS Lette
r, 228; 228-230(1988)に記載の方法を用いることがで
きる。また、ハンマーヘッド型リボザイムだけではな
く、ヘアピン型リボザイム、デルタ型リボザイムなど
の、特定のタンパク質のmRNAを切断するものであって、
これら特定のタンパク質の翻訳を阻害するものであれば
本発明において使用しうる。
【0027】目的遺伝子を挿入するためのベクターは、
プラスミド型ベクター、又は宿主生物中のゲノムに組み
込み可能な染色体導入型ベクターであれば特に限定され
ず、例えば、プラスミドDNA、バクテリオファージDNA、
レトロトランスポゾンDNA、酵母人工染色体DNA(YAC:y
east artificial chromosome)などが挙げられる。
【0028】プラスミド DNAとしては、例えばpRS413、
pRS414、pRS415、pRS416、YCp50、pAUR112又はpAUR123
などのYCp型大腸菌-酵母シャトルベクター、pYES2又はY
Ep13などのYEp型大腸菌-酵母シャトルベクター、pRS40
3、pRS404、pRS405、pRS406、pAUR101又はpAUR135など
のYIp型大腸菌-酵母シャトルベクター、大腸菌由来のプ
ラスミド(pBR322、pBR325、pUC18、pUC19、pUC118、pU
C119、pTV118N、pTV119N、pBluescript、pHSG298、pHSG
396又はpTrc99AなどのColE系プラスミド、pACYC177又は
pACYC184などのp15A系プラスミド、pMW118、pMW119、pM
W218又はpMW219などのpSC101系プラスミド等)、枯草菌
由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5等)などが挙げ
られ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Cha
ron21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP)、φX
174、M13mp18又はM13mp19などが挙げられる。レトロト
ランスポゾンとしては、Ty因子などが挙げられる。YAC
用ベクターとしてはpYACC2などが挙げられる。
【0029】ベクターに本発明のPDC1プロモーター及び
目的遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適
当な制限酵素で切断し、適当なベクター DNAの制限酵素
部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクター
に連結する方法等が採用される。
【0030】本発明のPDC1プロモーターは、目的遺伝子
の機能が発揮されるように発現可能な状態でベクターに
組み込まれることが必要である。発現可能な状態とは、
目的遺伝子が導入される宿主生物においてPDC1プロモー
ターの制御下に目的遺伝子が発現されるように、目的遺
伝子とPDC1プロモーターとを連結してベクターに組み込
むことを意味する。そこで、本発明のベクターには、PD
C1プロモーター、目的遺伝子、ターミネーターのほか、
所望によりエンハンサー等のシスエレメント、スプライ
シングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、
リボソーム結合配列(SD配列)等を連結することができ
る。なお、選択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸
還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシ
ン耐性遺伝子等が挙げられる。
【0031】3.組換えベクターによる形質転換 本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目
的遺伝子がPDC1プロモーターの制御下に発現し得るよう
に宿主中に導入することにより得ることができる。ここ
で、宿主としては、本発明のPDC1プロモーターの制御下
に目的遺伝子を発現できるものであれば特に限定される
ものではない。例えば、エッシェリヒア・コリ(Escheri
chia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリ
ス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナ
ス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属
に属する細菌が挙げられる。また、サッカロミセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミ
セス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母、
さらにCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO
細胞)等の動物細胞が挙げられる。あるいはSf9、Sf21
等の昆虫細胞を用いることもできる。
【0032】大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発
明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると
同時に、本発明のプロモーター、リボゾーム結合配列、
目的遺伝子、転写終結配列により構成されていることが
好ましい。また、本発明のプロモーターを制御する遺伝
子が含まれていてもよい。
【0033】大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・
コリ(Escherichia coli)K12、DH1等が挙げられ、枯草菌
としては、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subt
ilis)等が挙げられる。細菌への組換えベクターの導入
方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に
限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用
いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
【0034】酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)等が用いら
れる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵
母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例え
ばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢
酸リチウム法等が挙げられる。
【0035】動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞CO
S-7、Vero、CHO細胞、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL
細胞等が用いられる。動物細胞への組換えベクターの導
入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リ
ン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられ
る。
【0036】昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、S
f21細胞等が用いられる。昆虫細胞への組換えベクター
の導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポ
フェクション法、エレクトロポレーション法等が用いら
れる。
【0037】植物を宿主とする場合は、トマト、タバコ
等が挙げられるが、これらに限定されない。植物細胞へ
の組換えベクターの導入方法としては、例えばアグロバ
クテリウム法、パーティクルガン法、PEG法、エレクト
ロポレーション法等が用いられる。
【0038】昆虫、動物(ヒトを除く)又は植物の個体
を宿主とする場合には、当技術分野で公知のトランスジ
ェニック動物又は植物の作製手法に従って組換えベクタ
ーを導入することができる。例えば、動物個体への組換
えベクターの導入方法としては、受精卵へのマイクロイ
ンジェクション法、ES細胞へ導入する方法、培養細胞へ
導入した細胞核を核移植により受精卵に導入する方法な
どが挙げられる。
【0039】上述のように組換えベクターを導入した宿
主生物は、目的遺伝子が上記選択されたプロモーターの
制御下に導入されている株について選択を行う。具体的
には、上記の選択マーカーを指標にして形質転換株を選
択する。このようにして得られた形質転換体は、PDC1プ
ロモーターの制御下にて目的遺伝子を安定に高発現する
ことができるため、以下に記載するような目的遺伝子に
よりコードされるタンパク質の生産、またその他、目的
遺伝子の機能解析などに利用することができる。
【0040】4.遺伝子発現産物の製造 次に、遺伝子発現産物の製造方法について説明する。本
発明において、遺伝子発現産物は、上記のようにして得
られた形質転換体を培養し、得られる培養物から遺伝子
発現産物を採取することにより得られる。「培養物」と
は、培養上清のほか、培養細胞若しくは培養菌体、又は
細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するもので
ある。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培
養に適用される通常の方法に従って行われる。
【0041】酵母菌等の微生物を宿主として得られた形
質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る
炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培
養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培
地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源として
は、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン
等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒
素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等
の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の
含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンステ
ィープリカー等が用いられる。無機物としては、リン酸
第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、
硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いられ
る。
【0042】培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養
等の好気的条件下、30℃で6〜24時間行う。培養期間
中、pHは4.0〜6.0に保持する。pHの調整は、無機又は有
機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応
じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培
地に添加してもよい。
【0043】動物細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI16
40培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添
加した培地等が用いられる。培養は、通常、5%CO2
在下、37℃で1〜30日行う。培養中は必要に応じてカナ
マイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加しても
よい。
【0044】培養終了後、該培養物より遺伝子産物を採
取するには、通常のタンパク質精製手段等を用いて得る
ことが出来る。例えば、形質転換細胞内に生産された場
合は、常法により菌体を超音波破壊処理、磨砕処理、加
圧破砕等により遺伝子産物を抽出する。必要に応じてプ
ロテアーゼ阻害剤を添加する。また、培養上清に生産さ
れた場合は、培養液そのものを用いることが出来る。そ
して、この溶液を濾過、遠心分離等を行い固形部分を除
去し、必要によりプロトタミン処理等により核酸を除去
する。
【0045】次いで、これに硫安、アルコール、アセト
ン等を添加して分画し、沈殿物を採取し、粗タンパク質
溶液を得る。該タンパク質溶液を各種クロマトグラフィ
ー、電気泳動等にかけて精製酵素標品を得る。例えば、
セファデックス、ウルトロゲル若しくはバイオゲル等を
用いるゲル濾過、イオン交換体クロマトグラフィー、ポ
リアクリルアミドゲル等を用いる電気泳動法、アフィニ
ティクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等を
用いる分画法を適宜選択し、又はこれらを組合わせるこ
とにより、精製された目的の遺伝子産物を得ることが出
来る。しかし、上記培養法、精製法は一例であって、こ
れに限定されるものではない。
【0046】なお、精製された遺伝子産物が有するアミ
ノ酸配列の確認は、公知のアミノ酸分析、例えばエドマ
ン分解法による自動アミノ酸配列決定法等により行うこ
とが出来る。
【0047】
【実施例】以下の実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0048】〔実施例1〕pBTRP-PDC1-LDH構築のための
PDC1P断片の単離 PDC1P断片は、サッカロマイセス・セレビシエ YPH株(S
tratagene社)のゲノムDNAを鋳型として使用したPCR増
幅法によって単離を行った。
【0049】サッカロマイセス・セレビシエ YPH株のゲ
ノムDNAは、ゲノム調製キットであるFast DNA Kit(Bio
101社)を用い、詳細は付属のプロトコールに従い、調
製した。DNA濃度は分光光度計Ultro spec 3000(Amersh
am Pharmacia Biotech社)にて測定した。
【0050】PCR反応には、増幅酵素として、増幅断片
の正確性が高いとされるPyrobest DNA polymerase(宝
酒造社)を使用した。上記手法にて調製したサッカロマ
イセス・セレビシエ YPH株のゲノムDNA 50ng/サンプ
ル、プライマーDNA 50pmol/サンプル、及びPyrobest DN
A polymerase 0.2ユニット/サンプルを合計で50μlの反
応系に調製した。反応溶液を、PCR増幅装置Gene Amp PC
R system 9700(PE Applied Biosystems社)によってDN
A増幅を行った。PCR増幅装置の反応条件は、96℃ 2分の
後、(96℃ 30秒→55℃ 30秒→72℃ 90秒)を25サイク
ル行い、その後4℃とした。PDC1プライマーの増幅断片
を1%TBEアガロースゲル電気泳動にて遺伝子増幅断片の
確認を行った。なお反応に使用したプライマーDNAは、
合成DNA(サワデーテクノロジー社)を用い、このプラ
イマーのDNA配列は以下の通りである。 ・PDC1P-LDH-U(31mer,Tm値58.3℃)末端に制限酵素Bam
HIサイトを付加:ATA TAT GGA TCC GCG TTT ATT TAC CT
A TCT C(配列番号2) ・PDC1P-LDH-D(31mer、Tm値54.4℃)末端に制限酵素Ec
oRIサイトを付加:ATA TAT GAA TTC TTT GAT TGA TTT G
AC TGT G(配列番号3)
【0051】〔実施例2〕プロモーター及び目的遺伝子
を含む組換えベクターの構築 本実施例においては、サッカロマイセス・セレビシエ由
来のピルビン酸デカルボキシラーゼ1遺伝子(PDC1)プ
ロモーター配列の制御下で、目的遺伝子としてビフィド
バクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)由
来のラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子(LDH遺伝子)
を使用した。
【0052】本実施例のために新たに構築した染色体導
入型ベクターをpBTRP-PDC1-LDHと名付け、以下に本ベク
ター構築例の詳細を記す。なお本実施例の概要を図1及
び2に示す。但し、ベクター構築の手順はこれに限定さ
れるものではない。
【0053】ベクターの構築にあたって、必要な遺伝子
断片であるPDC1遺伝子のプロモーター断片(PDC1P)971
bpと、PDC1遺伝子下流領域断片(PDC1D)518bpは、上述
のように、サッカロマイセス・セレビシエ YPH株のゲノ
ムDNAを鋳型として使用したPCR増幅法によって単離を行
った。PCR増幅の手順は上記の通りであるが、PDC1遺伝
子下流領域断片の増幅には、以下のプライマーを使用し
た。 ・PDC1D-LDH-U(34mer、Tm値55.3℃)末端に制限酵素Xh
oIサイトを付加:ATA TAT CTC GAG GCC AGC TAA CTT CT
T GGT CGA C(配列番号4) ・PDC1D-LDH-D(31mer、Tm値54.4℃)末端に制限酵素Ap
aIサイトを付加:ATA TAT GAA TTC TTT GAT TGA TTT GA
C TGT G(配列番号5)
【0054】上記反応にて取得したPDC1P及びPDC1D各遺
伝子増幅断片をそれぞれ、エタノール沈殿処理によって
精製した後、PDC1P増幅断片を制限酵素BamHI/EcoRI及び
PDC1D増幅断片を制限酵素XhoI/ApaIにて制限酵素反応処
理を行った。なお以下に用いた酵素類はすべて宝酒造社
製のものを用いた。また、エタノール沈殿処理、制限酵
素処理の一連操作の詳細なマニュアルはMolecular Clon
ing A Laboratory Manual second edition(Maniatis e
t al.,Cold Spring Harbor Laboratory press.1989)に
従った。
【0055】ベクターの構築における一連の反応操作
は、一般的なDNAサブクローニング法に準じて行った。
すなわち、制限酵素BamHI/EcoRI(宝酒造社)及び脱リ
ン酸化酵素Alkaline Phosphatase(BAP、宝酒造社)を
施したpBluescriptII SK+ベクター(東洋紡社)に、上
記PCR法にて増幅し、制限酵素処理を施したPDC1P断片を
T4DNA Ligase反応によって連結させた(図1A)。T4 DN
A Ligase反応には、LigaFast Rapid DNA Ligation Syst
em(プロメガ社)を用い、詳細は付属のプロトコールに
従った。
【0056】次にLigation反応を行った溶液を、コンピ
テント細胞へ形質転換を行った。コンピテント細胞は大
腸菌JM109株(東洋紡社)を用い、詳細は付属のプロト
コールに従って行った。得られた培養液は抗生物質アン
ピシリン100μg/mlを含有したLBプレートにまいて一晩
培養した。生育したコロニーを、インサート断片のプラ
イマーDNAを用いたコロニーPCR法による確認、及びミニ
プレップによるプラスミドDNA調製溶液を、制限酵素処
理による確認を行い、目的とするベクターpBPDC1Pベク
ターを単離した(図1B)。
【0057】ついでトヨタ自動車(株)によって構築さ
れたpYLD1ベクターを制限酵素EcoRI/AatII処理及び末端
修飾酵素T4 DNA polymerase処理することで得られるLDH
遺伝子断片を、同じく制限酵素EcoRI処理、末端修飾酵
素T4 DNA polymerase処理を行ったpBPDC1Pベクター中
に、上述と同様の操作でサブクローニングを行い、pBPD
C1P-LDH Iベクターを作製した(図1C)。なお、上記の
pYLD1ベクターは大腸菌に導入され(名称:「E. coli p
YLD1」)、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄
託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1)に、受
託番号FERM BP-7423としてブダペスト条約に基づき国際
寄託されている(原寄託日:平成11(1999)年10月26
日)。続いてこのベクターをXhoI/ApaI処理し、増幅し
たPDC1D断片を連結させてpBPDC1P-LDH IIベクターを作
製した(図2A)。最後にpBPDC1P-LDH IIベクターをEco
RV処理したものに、pRS404ベクター(Stratagene社)を
AatII/SspI処理、T4 DNA polymerase処理して得られたT
RP1マーカー断片を連結させて、最終コンストラクトで
ある染色体導入型pBTRP-PDC1-LDHベクターを構築した
(図2B)。
【0058】構築した染色体導入型pBTRP-PDC1-LDHベク
ターの確認の為に塩基配列決定を行った。塩基配列解析
装置としてABI PRISM 310 Genetic Analyzer(PE Appli
ed Biosystems社)を使用し、試料の調製法、及び機器
の使用方法等の詳細は本装置付属のマニュアルに従っ
た。試料となるベクターDNAはアルカリ抽出法により調
製したものを用い、これをGFX DNA Purification kit
(Amersham Pharmacia Biotech社)にてカラム精製した
後、分光光度計Ultro spec 3000(Amersham Pharmacia
Biotech社)にてDNA濃度を測定したものを用いた。
【0059】〔実施例3〕組換えベクターの宿主への導
入 宿主である酵母IFO2260株(社団法人・発酵研究所に登
録されている菌株)のトリプトファン要求株は、10mlYP
D培地にて30℃で対数増殖期まで培養を行い、集菌及びT
Eバッファーによる洗浄を行った後、0.5mlTEバッファー
と0.5ml、0.2M酢酸リチウムを加え、30℃にて1時間振
盪培養を行った。その後、制限酵素Apa1及びSpe1で処理
したpBTRP-PDC1-LDHを加えた。
【0060】このプラスミドの菌懸濁液を30℃で30分間
振盪培養後、70%ポリエチレングリコール4000を150ml加
え、よく撹絆した。30℃にて1時間振盪培養した後、42
℃にて5分間ヒートショックを与えた。菌体を洗浄した
後、200mlの水に懸濁したものを選択培地に塗株した。
【0061】得られたコロニーを選択培地で単離し、コ
ロニーを得た後、PCRにてPDC1プロモーターの下流にLDH
が導入されている株を取得した。更に、胞子形成培地で
胞子形成を行い、ホモタリック性を利用して2倍体化を
行い、2倍体である染色体両方に上記ベクターが導入さ
れている株を取得した。
【0062】酵母サッカロマイセス・セレビシエが図2
に示したpBTRP-PDC1-LDHで形質転換され、ゲノム上に導
入されたことをPCRで確認した。上記ベクターのゲノム
上の構造を図3に示す。
【0063】〔実施例4〕発現産物の生産 得られた形質転換体について、YPD液体培地(グルコー
ス10%)に菌体濃度が1%になるように接種して、30℃に
て2日間静置培養を行い、ベクター非導入株、YEPベ
クターでのLDH導入株(従来のGAPプロモーターの制御下
にLDHを導入した系)、及びpBTRP-PDC1-LDHでのLDH導
入株(PDC1プロモーターの制御下にLDHを導入した系)
の乳酸生産量について比較検討を行った。この結果を表
1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】ベクター非導入株では乳酸を作らないの
に対して、LDHを導入した及びでは乳酸を生産して
いた。さらにYEPベクターで導入したに比べ、染色体
導入型ベクターであるpBTRP-PDC1-LDHでLDHを導入した
株では2.5倍の乳酸を生産していた。
【0066】また、本方法により導入した形質の安定性
を確認することを目的として、YPDプレートで3回の継
代培養を行った後に、PCRにより遺伝子導入と乳酸生産
量について調べたところ、YEPベクターで導入した系
では乳酸を生産しなくなっていたのに対し、LDHを発現
させたでは継代培養前と同量の乳酸生産が維持されて
いた。
【0067】また、PCRでゲノム上の構造について変化
のないことを確認したことから、のpBTRP-PDC1-LDHに
よりLDHを発現させる系は、安定に存在し、遺伝子を高
発現させるといえる。
【0068】以上の結果より、LDHを本発明のPDC1プロ
モーターと機能可能な状態で連結して組み込んだ染色体
導入型ベクターを用いた場合には、LDHが安定に高発現
されることがわかった。
【0069】〔実施例5〕変異配列を含むPDC1プロモー
ター配列の単離 本実施例及び以下の実施例においては、数塩基の異なる
配列をもつ3種類のPDC1プロモーター配列を単離し、本
プロモーター下にLacZ遺伝子が連結するよう設計した染
色体導入型ベクターを構築した。これらのベクターを用
いて、染色体中の同一の位置に該プロモーターと該遺伝
子を1コピー導入して形質転換酵母を作製した。それぞ
れの形質転換酵母のβガラクトシダーゼ活性を測定し、
3種類のプロモーター活性を比較した。
【0070】本実施例においては、サッカロマイセス・
セレビシエ pBTRP-PDC1-LDH導入株(実施例3で作製し
た菌株)、IFO2260株(社団法人・発酵研究所に登録さ
れている菌株)及びYPH株(Stratagene社)のゲノムDNA
を鋳型として使用したPCR増幅法によってPDC1プロモー
ター配列の単離を行った。各サッカロマイセス・セレビ
シエ(pBTRP-PDC1-LDH導入株、IFO2260株、YPH株)のゲ
ノムDNAの調製方法及びPCR増幅法は、実施例1及び2と
同様の手法にて行った。
【0071】なお反応に使用したプライマーDNAの塩基
配列は以下の通りである。 pBTRP-PDC1-LDH導入株由来のPDC1プロモーターの増幅 ・PDC1 PrFrag-U2(32mer、Tm値64.4℃)末端に制限酵
素SalIサイトを付加:AAA TTT GTC GAC AAG GGT AGC CT
C CCC ATA AC (配列番号6) ・PDC1 PrFrag-D2(31mer、Tm値61.1℃)末端に制限酵
素SalIサイトを付加:ATA TAT GTC GAC GAG AAT TGG GG
G ATC TTT G (配列番号7) IFO2260株及びYPH株由来のPDC1プロモーターの増幅 ・PDC1 PrFrag-U2(32mer、Tm値64.4℃)末端に制限酵
素SalIサイトを付加:AAA TTT GTC GAC AAG GGT AGC CT
C CCC ATA AC (配列番号6) ・PDC1 PrFrag-D(43mer、Tm値62.5℃)末端に制限酵素
SalIサイトを付加:TTT AAA GTC GAC TTT GAT TGA TTT
GAC TGT GTT ATT TTG CGT G (配列番号8)
【0072】〔実施例6〕変異プロモーター配列を含
む、βガラクトシダーゼ解析用ベクターの構築 本実施例においては、単離した3種類のPDC1プロモータ
ー配列の制御下で、レポーター遺伝子を連結したベクタ
ーを構築した。レポーター遺伝子として、βガラクトシ
ダーゼ遺伝子(LacZ遺伝子)を使用した。
【0073】本実施例のために新たに構築した染色体導
入型ベクターを、pAUR-LacZ-T123PDC1、pAUR-LacZ-OC2P
DC1及びpAUR-LacZ-YPHPDC1と名付け、以下にベクターの
構築例の詳細を記す。なお本実施例の概要を図4に示
す。但し、ベクター構築の手順はこれに限定されるもの
ではない。
【0074】ベクターの構築における一連の反応操作
は、一般的なDNAサブクローニング法に従った。プロメ
ガ社pSV-β-Galactosidase Control Vectorを制限酵素
で切り出し、LacZ断片を取得した後、平滑末端処理して
pAUR-LacZベクターを作製した。こうして構築されたpAU
R-LacZベクターに、SalI(宝酒造)処理、および脱リン
酸化酵素Alkaline Phosphatase(BAP、宝酒造)処理を
行った。次に、実施例5において取得した3種類のプロ
モーター配列、すなわちpBTRP-PDC1-LDH導入株由来PDC1
プロモーター(983bp)、IFO2260株由来PDC1プロモータ
ー(968bp)、及びYPH株由来PDC1プロモーター(968b
p)を、それぞれ制限酵素SalI(宝酒造)にて制限酵素
処理を行い、pAUR-LacZベクター中に、T4 DNA Ligase
反応によって連結させた。T4 DNA Ligase 反応には、Li
gaFast Rapid DNA Ligation System(プロメガ社)を用
い、詳細は付属のプロトコールに従った。
【0075】得られたLigation 反応溶液を用いて、コ
ンピテント細胞へ形質転換を行い、コロニーPCR法によ
って、目的とする構築ベクターを取得した。上記一連の
操作は実施例2と同様の手法にて行った。
【0076】構築したベクターについて塩基配列解析を
行い、pBTRP-PDC1-LDH導入株由来PDC1プロモーター(98
3bp)、IFO2260株由来PDC1プロモーター(968bp)、及
びYPH株由来PDC1プロモーター(968bp)の遺伝子配列を
比較した。本配列の比較を図5に示す。なお塩基配列解
析の操作は実施例2と同様の手法にて行った。
【0077】pBTRP-PDC1-LDH導入株由来PDC1プロモータ
ー(983bp)は、配列番号1で表される塩基配列からな
るPDC1プロモーター配列(971bp)とは12塩基異なるも
のであり、具体的には、実施例1のプロモーター配列の
両末端に制限酵素SalI部位(GTCGAC)が付加された配列
で構成されている。
【0078】またIFO2260株由来PDC1プロモーター(968
bp)は、配列番号1で表される塩基配列からなるPDC1プ
ロモーター配列とは30塩基異なるものであり、具体的に
は、実施例1のプロモーター配列の861番目のグアニン
(G)がシトシン(C)に、894番目のシトシン(C)
がチミン(T)に、925番目のアデニン(A)がチミン
(T)に置換されており、また972番目以降に15塩基の
配列(GATCCCCCAATTCTC)が付加されている。またさら
に、実施例1のプロモーター配列の両末端に制限酵素Sa
lI部位(GTCGAC)が付加された配列で構成されている。
【0079】YPH株由来PDC1プロモーター(968bp)は、
配列番号1で表される塩基配列からなるPDC1プロモータ
ー配列とは37塩基異なるものであり、具体的には、実施
例1のプロモーター配列の179番目のシトシン(C)が
チミン(T)に、214番目のアデニン(A)がグアニン
(G)に、216番目のグアニン(G)がアデニン(A)
に、271番目のチミン(T)がシトシン(C)に、344番
目のグアニン(G)がアデニン(A)に、490番目のア
デニン(A)がグアニン(G)に、533番目のシトシン
(C)がチミン(T)に、566番目のチミン(T)がシ
トシン(C)に、660番目のグアニン(G)がシトシン
(C)に、925番目のアデニン(A)がチミン(T)に
置換されており、また972番目以降に15塩基の配列(GAT
CCCCCAATTCTC)が付加されている。またさらに、実施例
1のプロモーター配列の両末端に制限酵素SalI部位(GT
CGAC)が付加された配列で構成されている。
【0080】〔実施例7〕組換えベクターの宿主への導
入 宿主である酵母IFO2260株(社団法人・発酵研究所に登
録されている菌株)のトリプトファン要求株に、10ml Y
PD培地にて30℃で対数増殖期まで培養を行い、集菌およ
びTEバッファーによる洗浄を行った後、0.5ml TEバッフ
ァーと0.5mlの0.2M酢酸リチウムを加え、30℃にて1時間
の振盪培養を行った。その後、制限酵素Bst1107I(宝酒
造)で処理したpAUR-LacZ-T123PDC1P、pAUR-LacZ-YPHPD
C1P、pAUR-LacZ-OC2PDC1Pを加えた。
【0081】このプラスミドの懸濁液を30℃で30分間振
盪培養後、70%ポリエチレングリコール4000を150μl加
え、よく攪拌した。本溶液を30℃にて1時間振盪培養し
た後、42℃にて5分間ヒートショックを与え、本菌体を1
ml YPD培地にて30℃で12時間培養を行った。本培養液を
洗浄後、200μlの滅菌水に懸濁したものをオーレオバチ
シン選択培地に塗株した。培地に添加したオーレオバチ
シンの濃度は0.4μg/mlとした。得られたコロニーはオ
ーレオバチシン選択培地で単離を行い、得られたコロニ
ーに対してPCR法を行って、目的とする株を取得した。
【0082】〔実施例8〕遺伝子組換え菌株におけるβ
ガラクトシダーゼ活性の測定 上記形質転換体と非形質転換体についてβガラクトシダ
ーゼ活性を測定した。各菌株を2ml YPD液体培地(グル
コース2%)で、30℃、20時間の培養を行った。これらを
集菌し、50mM Tris-HCl 500μlおよびガラスビース(42
5-600microns Acid Washed, SIGMA社)を加え、4℃で15
分間ボルテックスを行った。
【0083】遠心によって本溶液の上清を採取し、これ
らのβガラクトシダーゼ活性測定を測定した。活性測定
は、β-Galactosidase Enzyme Assay System(プロメガ
社)を用い、詳細は付属のプロトコールに従った。ABS6
00nm=1.0当たりの活性値を求め、この結果を図6(継
代培養前)及び図7(継代培養後)に示す。
【0084】以上の結果より、数十塩基の付加配列、又
は異なる配列をもつPDC1プロモーター配列であっても、
安定したプロモーター活性を持つことが明らかとなっ
た。
【0085】
【発明の効果】本発明により、宿主における転写を活性
化するプロモーターが提供される。本発明のプロモータ
ーは、宿主において低コピー数で導入された遺伝子を高
発現させることができ、物質生産量を向上させるために
有効である。
【0086】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota Central R&D Labs. <120> PDC1 promotor <130> P02-0111 <150> JP 2001-287159 <151> 2001-09-20 <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 971 <212> DNA <213> Saccharomyces cerevisiae <400> 1 aagggtagcc tccccataac ataaactcaa taaaatatat agtcttcaac ttgaaaaagg 60 aacaagctca tgcaaagagg tggtacccgc acgccgaaat gcatgcaagt aacctattca 120 aagtaatatc tcatacatgt ttcatgaggg taacaacatg cgactgggtg agcatatgct 180 ccgctgatgt gatgtgcaag ataaacaagc aagacggaaa ctaacttctt cttcatgtaa 240 taaacacacc ccgcgtttat ttacctatct ttaaacttca acaccttata tcataactaa 300 tatttcttga gataagcaca ctgcacccat accttcctta aaagcgtagc ttccagtttt 360 tggtggttcc ggcttccttc ccgattccgc ccgctaaacg catatttttg ttgcctggtg 420 gcatttgcaa aatgcataac ctatgcattt aaaagattat gtatgctctt ctgacttttc 480 gtgtgatgaa gctcgtggaa aaaatgaata atttatgaat ttgagaacaa ttctgtgttg 540 ttacggtatt ttactatgga ataattaatc aattgaggat tttatgcaaa tatcgtttga 600 atatttttcc gaccctttga gtacttttct tcataattgc ataatattgt ccgctgcccg 660 tttttctgtt agacggtgtc ttgatctact tgctatcgtt caacaccacc ttattttcta 720 actatttttt ttttagctca tttgaatcag cttatggtga tggcacattt ttgcataaac 780 ctagctgtcc tcgttgaaca taggaaaaaa aaatatataa acaaggctct ttcactctcc 840 ttgcaatcag atttgggttt gttcccttta ttttcatatt tcttgtcata ttcctttctc 900 aattattatt ttctactcat aaccacacgc aaaataacac agtcaaatca atcaaagatc 960 ccccaattct c 971 <210> 2 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 2 atatatggat ccgcgtttat ttacctatct c 31 <210> 3 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 3 atatatgaat tctttgattg atttgactgt g 31 <210> 4 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 4 atatatctcg aggccagcta acttcttggt cgac 34 <210> 5 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 5 atatatgaat tctttgattg atttgactgt g 31 <210> 6 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 6 aaatttgtcg acaagggtag cctccccata ac 32 <210> 7 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 7 atatatgtcg acgagaattg ggggatcttt g 31 <210> 8 <211> 43 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: primer <400> 8 tttaaagtcg actttgattg atttgactgt gttattttgc gtg 43
【0087】
【配列表フリーテキスト】
配列番号2:合成DNA 配列番号3:合成DNA 配列番号4:合成DNA 配列番号5:合成DNA 配列番号6:合成DNA 配列番号7:合成DNA 配列番号8:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】染色体導入型ベクターpBTRP-PDC1-LDHの構築図
である。
【図2】染色体導入型ベクターpBTRP-PDC1-LDHの構築図
である。
【図3】ベクターpBTRP-PDC1-LDHを用いて酵母サッカロ
マイセス・セレビシエの形質転換を行った場合に得られ
る株のゲノム構造を示す図である。
【図4】染色体導入型ベクターpAUR-LacZ-T123PDC1
(A)、pAUR-LacZ-OC2PDC1(B)及びpAUR-LacZ-YPHPD
C1(C)の構築図である。
【図5】pBTRP-PDC1-LDH導入株由来PDC1プロモーター
(983bp)、IFO2260株由来PDC1プロモーター(968b
p)、及びYPH株由来PDC1プロモーター(968bp)の遺伝
子配列の比較を示す図である。
【図6】pBTRP-PDC1-LDH導入株由来PDC1プロモーター
(983bp)、IFO2260株由来PDC1プロモーター(968b
p)、及びYPH株由来PDC1プロモーター(968bp)を導入
した形質転換体における、継代培養前のβガラクトシダ
ーゼ活性を示す図である。
【図7】pBTRP-PDC1-LDH導入株由来PDC1プロモーター
(983bp)、IFO2260株由来PDC1プロモーター(968b
p)、及びYPH株由来PDC1プロモーター(968bp)を導入
した形質転換体における、継代培養後のβガラクトシダ
ーゼ活性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早乙女 理 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 保谷 典子 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松尾 康生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 石田 亘広 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 平井 正名 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 北本 勝ひこ 茨城県牛久市上柏田3−44−18 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 CA04 CA09 CA11 DA12 EA02 EA04 FA02 GA11 GA19 HA03 HA14 4B064 AG01 CA06 CA19 CC24 4B065 AA79X AA80Y AB01 AC14 BA02 CA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)、(b)又は(c)のDNA
    からなるプロモーター。 (a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA (b)配列番号1で表される塩基配列において1〜40
    個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列から
    なり、かつプロモーター活性を有するDNA (c)配列番号1で表される塩基配列の全部若しくは一
    部に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条
    件下でハイブリダイズし、かつプロモーター活性を有す
    るDNA
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプロモーターを含む組換
    えベクター。
  3. 【請求項3】 目的遺伝子が発現可能な状態で連結され
    た請求項2記載の組換えベクター。
  4. 【請求項4】 プラスミドベクター又はウイルスベクタ
    ーである、請求項2又は3記載の組換えベクター。
  5. 【請求項5】 目的遺伝子が、タンパク質をコードする
    核酸又はそのアンチセンス核酸、アンチセンスRNAデコ
    イをコードする核酸及びリボザイムからなる群から選択
    されるいずれかのものである、請求項3又は4記載の組
    換えベクター。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の組
    換えベクターを用いて宿主を形質転換して得られる形質
    転換体。
  7. 【請求項7】 宿主が、細菌、酵母、動物、昆虫又は植
    物である、請求項6記載の形質転換体。
  8. 【請求項8】 酵母がサッカロマイセス属に属するもの
    である、請求項7記載の形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載の形
    質転換体を培地中で培養し、得られる培養物から目的遺
    伝子の発現産物を採取することを特徴とする目的遺伝子
    の発現産物の製造方法。
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