JP2003531620A - チモモナスモビリスにおける部位特異的挿入方法 - Google Patents
チモモナスモビリスにおける部位特異的挿入方法Info
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Abstract
Description
ートとのあいだの契約番号DE−AC36−99GO10337に基づいて、本
発明に対して権利を有している。
に関するものであり、詳細には、キシロースおよびアラビノースまたは双方を醗
酵してエタノールにする組換え体チモモナス モビリス株における特定の遺伝子
産物の挿入不活性化(insertion inactivation)に関する。
物に変換するために有用である。典型的な基質は、35〜45%セルロース、3
0〜40%ヘミセルロースおよび15%リグニンからなる。加水分解画分はグル
コースポリマーを含有し、ヘミセルロース画分は主にキシロースを含有する。ア
ラビノースもまた、スイッチグラス草(switchgrass grass)および穀物繊維(c
orn fiber)などのバイオマス材料において見出された重要な醗酵基質である。
ライセート(lignocellulose-hydrolysate)に結合する阻害化合物を含有する培
地において、速くかつ効率的にグルコース基質をエタノールに変換するその能力
に関して、広く報告されている。しかしながら、Z.モビリスの使用において明
らかに不利な点は、ペントース糖を醗酵しないことである。この不利な点を解消
するために、先行技術は、キシロースおよびアラビノースの代謝を触媒する外因
性遺伝子を用いることによるグルコース、ならびにキシロースもしくはアラビノ
ース、または双方の混合物を醗酵する組換え体Z.モビリス株に集中している。
それらの株は、所望の酵素産物を発現することができる複数コピープラスミド(
multiple-copy plasmids)の使用に基づく。
たZ.モビリスキシロース醗酵株(CP4/pZB4およびpZB5)、ならび
にキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ(xylulokinase)、トランスアル
ドラーゼおよびトランスケトラーゼをコードし、チモモナスにより認識され該遺
伝子の少なくとも1つの発現を制御する少なくとも1つのプロモーター(Pga
pおよびPeno)をさらに含むプラスミドベクター(pZB4およびpZB5
)を開示する。その微生物は、唯一の炭素源としてのキシロースで増殖すること
ができ、約88%の最大理論収率で、キシロースを醗酵してエタノールにするこ
とができる。その特許は、組み込まれた株を特許請求の範囲とする。
書は、とりわけ、アラビノースからエタノールへの醗酵能を与えるL−アラビノ
ースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼ(L-ribulokinase)およびL−リブロー
ス−5−リン酸−4−エピメラーゼ、トランスアルドラーゼならびにトランスケ
トラーゼをコードする外因性遺伝子を含有するZ.モビリスアラビノース醗酵形
質転換体(CP4/pZB206)を開示する。プラスミドベクター(pZB2
06)、ならびに、グルコースおよびアラビノースを含有する基質の醗酵のため
の形質転換体の使用方法もまた開示されている。その特許は、宿主ゲノムへの外
因性遺伝子の組込みを特許請求の範囲とする。
ルロキナーゼ、L−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼ、L−リブ
ロース−5−リン酸−4−エピメラーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランス
ケトラーゼをコードする外因性遺伝子を含有し、該遺伝子の少なくとも1つの発
現を制御しチモモナスに認識される少なくとも1つのプロモーターをさらに含む
Z.モビリスのキシロースおよびアラビノース醗酵形質転換体(206C/pZ
B301)を開示する。該微生物は、アラビノースおよび/またはキシロースの
単独または組み合わせを炭素源として増殖することができ、該アラビノースおよ
びキシロースを醗酵してエタノールにすることができる。その形質転換体をプラ
スミドベクター(pZB301、pZB401、pZB402およびpZB40
3)とともに使用する方法もまた、開示される。その特許は、宿主ゲノムへのそ
れらの外因性遺伝子の組込みを特許請求の範囲とする。
質から燃料および薬物への商業的醗酵方法に不可欠である。エタノールが特定の
産物であるZ.モビリスのペントース醗酵組換え体株を用いると、副産物の乳酸
、エネルギー形成の最終生産物およびキシリトールの形成は、変換効率を低下さ
せる。したがって、エタノール製造に関するセルロースの変換効率を向上させる
ために、乳酸脱水素酵素の挿入不活性化など、Z.モビリスにおける遺伝子の部
位特異的挿入ための新しい代謝工学方法の開発が望まれている。
態で安定に存在し得る特殊化したλファージクローニングベクターの使用を伴う
。あるいは、遺伝子は、大腸菌の染色体配列に囲まれると、または遺伝子がトラ
ンスポゾンの許容部位にクローン化され得る場合は転位により、相同組換えを介
して挿入され得る。転位はZ.モビリスで説明されているが(Pappas, K. M., e
t al., (1997)チモモナス モビリスでのトランスポゾン突然変異誘発および菌
株構築、Journal of Applied Microbiology, Vol. 82, p.p.379-388)(Z.モ
ビリスにおける遺伝子分析のための栄養要求性または抗生物質耐性のTn5また
はmini Mμ転位)、転位は任意であり、そしてZ.モビリスにおける相同
組換えは立証されていない。さらには、Z.モビリスにおける相同組換えを介し
た部位特異的挿入は説明されておらず、いかなるバクテリオファージもチモモナ
スから単離されていない。
その方法の1つの実用的な適用は、排除すべき特定の副産物の形成経路における
酵素をコードする遺伝子の挿入不活性化により特徴づけられる、安定な組換え体
株の構築を介したZ.モビリス醗酵における副産物形成の排除のためである。
供することである。
における副産物形成を排除する方法であって、排除すべき特定の副産物の形成経
路におけるそれらの酵素をコードする遺伝子の挿入不活性化によって特徴づけら
れる方法を提供することである。
スの乳酸脱水素酵素遺伝子の挿入不活性化方法を提供することである。
明細書において具体化され広く説明されるように、要するに本発明は、チモモナ
スにおける部位特異的挿入方法であって、チモモナス遺伝子断片を提供し、該断
片をDNA配列で分断し、そして該分断断片による相同組換えを介して該チモモ
ナスを形質転換することを含む方法を提供する。
記載のために明らかであり、または本発明の実施により知ることができる。本発
明の利点は、特許請求の範囲にとくに指摘される方法により実現され達成され得
る。
たは科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるもの
と同じ意味を有する。本発明の実施または試験の際は、本明細書に記載されるも
のと同類または同等のあらゆる方法および材料を使用し得るが、好ましい方法お
よび材料をここに記載する。すべての米国特許は、引用することによって、本明
細書において完全に説明されているかのように組み込まれる。
の例は添付の図面に示されている。下記実施例に関して、「プラスミド運搬株(
plasmid-bearing strains)」は、関連技術の説明に示された米国特許記載のそ
れらの株およびベクターを意味する、またはそれらの株およびベクターに関連す
る。「Z.モビリスゲノム、またはゲノムの」は、全体として、天然のプラスミ
ドおよび染色体を含め、既定のZ.モビリスに関する発現特性および潜在的に発
現し得る特性すべてを指定する遺伝子を意味する。
、および副産物形成に関連する遺伝子など、望まれない遺伝子の挿入不活性化方
法の実用的用途を説明する。以下の実施例において、推定乳酸脱水素酵素(ld
h)遺伝子は、本発明の原理を説明するための標的領域であった。ldhは、ピ
ルビン酸を、チモモナスのエタノール産生特異的醗酵における副産物である乳酸
に変換する。相同組換えを用いることによるZ.モビリスldhゲノムへのペン
トース代謝遺伝子(実施例2)の組込みは、抗生物質または他の選択圧力を用い
ることなく、表現型反応を安定させる。
CC39676株およびその誘導体206C株(米国特許第5,843,760
号明細書)は、C25の構築の際の受容株として使用した。実施例2に関し、C
25株の構築は、2000年5月1日に出願され、ともに係属している米国特許
出願第09/565,233号明細書に開示されている。
のない限り、20g/Lグルコース、D−キシロースまたはL−アラビノースで
補完したRM(10g/L酵母エキス、2g/L KH2PO4)において嫌気的
に維持された。プラスミドを含有するすべての株は、テトラサイクリン(Tc)
((Z.モビリスおよび大腸菌の液体に10μg/ml;Z.モビリスに関して
は寒天に20μg/ml;および大腸菌に関しては、寒天に15μg/ml、ま
たはアンピシリン(Ap)100μg/ml)の存在下で増殖された。
ナリジキシン酸(20μg/ml)で補完した交配プレート((10g/L酵母
エキス、5g/Lトリプトン、2.5g/L (NH4)2SO4、0.2g/L
K2HPO4および50g/L糖))を使用した。すべての寒天プレートは、1
5g/L寒天で作製された。
ory manual, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, N.Y
. または各試薬の製品の指示にしたがって、プラスミドDNA単離、制限エンド
ヌクレアーゼ消化、ライゲーションおよび形質転換、アガロース電気泳動法なら
びにほかの組換えDNA技術は実施され、明記され、本技術分野において公知で
ある。Z.モビリスのゲノムDNAは、250mlの50mM トリス−50m
M EDTA緩衝液に再懸濁された3ミリリットルの一晩培養細胞を用いて抽出
された。細胞は、37℃で30分間リゾチームで処理し、ついで、100μlの
5%SDS溶液およびリボヌクレアーゼ(最終濃度は20ng/ml)を添加し
、さらに30分間インキュベーションした。タンパク質を除去するために、フェ
ノール/クロロフォルム抽出を2回実施した。ゲノムDNAをエタノール沈殿法
により回収した。
び不活性化を説明する。この系は、テトラサイクリン(Tc)耐性遺伝子挿入断
片を有するチモモナスのldh遺伝子(ldh::Tc)を基礎とする。ldh
::Tcカセットを含有するプラスミドは、Z.モビリスを形質転換するために
使用され、得られたTc耐性形質転換体はサザンハイブリダイゼーションによっ
て分析された。その結果は、ldh::Tcカセットがチモモナスゲノムのld
h領域に挿入されたことを示した。したがって、チモモナスでの相同組換えに基
づく遺伝子組込みの発明は、ldh遺伝子の不活性化を生じるターゲッティング
組込みを伴い、エタノール醗酵における乳酸副産物形成を排除した。
Aを用いるPCRによって調製した。PCRは、パーキンエルマー社(Perkin E
Elmer)のPCRキットを用いて実行され、公知である。プライマーは、Yamano
I.,(1993)Journal of Bacteriology, Vol.175, 3926-3933に公表された、Z.モ
ビリスCP4のDNA配列に基づき設計された。ldhに対するプライマーは、
5'−TCGCGGATCCGTCTATGCGCGTCGCAATATTCAGTTCC−3' 5'−TCGCGGATCCGTCGCTTGTCTATTAAACAAGCGCATCCGGC−3' であり、各プライマーの5'末端にはBamHI部位(下線部)が組み込まれた
。PCR産物(ldh)は、ldhの構造遺伝子を含む長さ約995bpであっ
た。PCR産物はBamHIを用いて消化され、そしてBamHIで消化するこ
とにより線状化されウシ腸由来ホスファターゼで処理することにより脱リン酸化
されたpUC19に、ライゲーションされた。ライゲーションしたDNAは大腸
菌DHαを形質転換するために使用され、アンピシリン耐性形質転換体から得た
プラスミドDNAの制限分析により、予想されるプラスミドの存在を確認し、p
UC19−LDHと命名した。Tcr遺伝子はついで、pUC19−LDHのl
dhにおけるNcoI部位に挿入された。Tcr遺伝子に対して使用したプライ
マーは、 5'−CTAGGCGTATCACGAGGCCCTTT−3' 5'−CTAGGCGGACGCGATGGATATGT−3' である。
は約1400bpであった。Tcr遺伝子のPCR産物およびpUC19−LD
Hは、NcoIで消化することにより線状化され、ともにクレノウ断片で処理さ
れライゲーションされた。ライゲーション混合液は大腸菌DH5αを形質転換し
、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性形質転換体から得たプラスミドDN
Aの制限分析により、予想されるプラスミドの存在を確認し、pUC10−KD
H−Tcrと命名した。
Cmr、pZB186誘導体)にクローン化した。pZB1861は、Tcr遺伝
子を除去するためにClaIおよびBssHIIを用いてpZB186(米国特
許第5,514,583号明細書)を消化することによって構築され、BamH
I部位を含有するアダプターにライゲーションされた。アダプターの配列は、 5'−CGATGATATCGGATCCG−3' 3'−TACTATAGCCTAGGCGCGC−5' である。
を選択した。形質転換体から得たDNAを分析し、pZB1861と命名され、
Tcr遺伝子を欠き、かつ新規BamHI部位を有するプラスミドを得た。ld
h−Tc断片は、pUC19−ldh−Tcr由来のBamHI断片として切り
出され、BamHIで消化することにより線状化されウシ腸由来ホスファターゼ
で処理することにより脱リン酸化されたpZB1861にライゲーションされた
。ライゲーションしたDNAを大腸菌DH5αを形質転換するために用い、クロ
ラムフェニコールおよびテトラサイクリン耐性形質転換体から得たプラスミドD
NAの制限分析により、プラスミドの存在を確認し、pZB101(またはpZ
B1861−ldh−Tc)と命名した。得られたプラスミドpZB101(C
mrTcr)(図1)でZ.モビリス39676を形質転換した。プラスミドキュ
アリングのために、Tcr形質転換体をRMG−Tcチューブ(30℃)に播種
し、ついでRMGチューブ(37℃)に移して、プラスミドの脱落を促進する高
温で組込み体(integrants)を選択した。約10回移したのち(90〜100世
代)、培養物をRMG−Tc10(30℃)に移し、潜在的なTcr組込み体の
増殖を高めた。細胞を希釈し、RMG−Tc20プレートに塗布した。Tcrコ
ロニーは、RMG−Tc20およびRMG−Cm100プレートの双方で選択さ
れた。数個のTcrCmrは、全およびプラスミドDNAのサザンハイブリダイゼ
ーションにより、Tcrマーカーの組込みについて分析した。DIG−Tcrおよ
びDIG−ldhを含むプローブを用いた(プローブは下記実施例2に示す)。
その結果により、TcrCmsコロニーすべてが、染色体におけるldh遺伝子
に組み込まれたTcrマーカーを含有することが示された。図2を参照のこと。
vaIおよびBssHIIを用いて消化され、ついで大腸菌複製起点を含有する
バックボーンにおける分子内部ライゲーション(intra-molecular ligation)を
行なった。その過程で、大腸菌複製起点を含有するpZB101のAvaIおよ
びBssHII断片はゲル精製され、ついで、クレノウ断片を用いる処理により
埋められた。ついで、分子内ライゲーションは自殺プラスミドを生じ、pZB1
21と命名した。図3を参照のこと。Z.モビリス39676は、NcoIを用
いる消化により線状化した、スーパーコイル状pZB121またはpZB121
のいずれかを用いるエレクトロポレーションにより、形質転換された。組換え細
胞は、20μg/mlのTcを含有する交配プレートから選択された。得られた
コロニーは、RMG−TcプレートおよびRMG−Cmプレートにレプリカをと
られた。分析された250個のうちただ1つのコロニーが、TcrCmsであった
。サザンハイブリダイゼーションにより、単離体(isorate)#30に二重交差
(double-crossover event)が確認された。
エタノール醗酵において測定した。それらの試験は、Z.モビリス野生株396
76および4つの組込み体((2−1、2−2(シャトルベクター組込みより)
および#30(自殺ベクター組込みより)を含む))に対して、10%グルコー
スを含有するRMで、30℃、pH6.0、500mlケモスタットにおいて実
施した。HPLC分析およびベーリンガー マンハイム キット分析のために(
下記実施例2において、より完全に説明する)、試料を定期的に採取した。その
結果、39676はD−乳酸を産生し、副産物の産生は組込み体のldh遺伝子
におけるTcrマーカーの組込みを介して排除されたことが示された(図4)。
ldh組込みカセット(ldh integrative cassette)の構築が示された。しかし
ながら、制限部位のないldh組込みカセットを構築することは、本発明の範囲
内のものである。このように、ldh遺伝子に所望の遺伝子を挿入するために、
あるいはPCRによって欠失/不活性化遺伝子をつくりだすために、米国特許第
5,514,583号明細書に記載のPCR介在オーバーラップ伸長技術などの
PCR融合方法(PCR fusing methodology)により、カセットは製造し得る。し
たがって、その産物は、不活性化したldhを有し乳酸を形成しないZ.モビリ
ス株を得るために使用し得る。
ース同化酵素を導入し、その結果、乳酸副産物エネルギー代謝経路の乳酸脱水素
酵素遺伝子の不活性化を生じることを実証する。
、Z.モビリスまたは大腸菌細胞に形質転換した。下記プラスミドpZB186
2−ldhL−araは、エレクトロポレーションによってZ.モビリスまたは
大腸菌を形質転換するために使用された。形質転換体は、グルコースおよびテト
ラサイクリンで補完した交配プレートで選択された。Tcrコロニーは、キシロ
ースまたはアラビノースで補完したRM(RMSおよびRMA)における増殖に
よって、Ara+Xyl+であることをさらに確認された。
ムにaraBADを組み込むという以前の試みは、成功しなかった。組換え頻度
を上げるために、より広い相同領域が用いられた。ldhおよびフランキング領
域を含む2.5kbのDNA断片は、PfuPCRを用いて増幅された。プライ
マーは、Yamano et seq.に公表された、Z.モビリスCP4のDNA配列に基づ
き設計された。公表された配列により、PCRから2.5kbの断片が予想され
たが、そうではなく3.4kbの断片が得られた。3.4kbの断片をBamH
Iで消化したのち、2つの断片(2.5および0.9kb)が得られた。双方の
断片は、ldhのみにアニーリングするように設計されたプライマーを用いて、
PCRにより試験された。2.5kbの断片は正しいサイズのPCR産物を産出
したのに対して、0.9kbの断片は産出せず、前者がldh配列を含有するこ
とを示した。したがって、2.5kbのBamHI断片(ldhLと命名)はク
ローン化され、そしてC25への遺伝子組込みのための相同領域として使用され
た。
プローブを、Pfu(ストラタジーン社(Stratagene)製、ラ ジョラ(La Jol
la)、カリフォルニア州)またはTaqDNAポリメラ−ゼ(キアゲン社(Qiag
en)製、バレンシア、カリフォルニア州)のいずれかを用いるPCRにより増幅
した。DIG−UTPは、ベーリンガー マンハイム、インディアナポリス、イ
ンディアナ州より購入した。ldhL、ldhおよびaraに対するPCR産物
はそれぞれ、2.5、1および1.4である。以下のプライマー配列が用いられ
た。 ldhL: 5'−TCGCGGATCCTCTATCCCTTTATTTTTCTATCCCCATCACCTCGG−3' 5'−TCGCGGATCCGCGGCTGACATACATCTTGCGAATATAGGG−3' DIG−ldh:5'−TCGCGGATCCGTCTATGCGCGTCGCAATATTCAGTTCC−3' 5'−TCGCGGATCCGTCGCTTGTCTATTAAACAAGCGCATCCGGC−3' DIG−ara:5'−CTAACATGTTGACTCCTTCTCTAGACTTAGCG−3' 5'−GTTGAAACCGCTGGGCACCACGC−3' クローニングの目的で、ldh遺伝子の中央に位置するNcoI部位にオリゴ
ヌクレオチド5'−CATGCGCGGCCGCC−3'を挿入することにより、NotI部位を
ldhLに導入した。その新たなNotI部位は、ldhLの各末端から約1.
4および1.1kbであった。NotI部位を含有するldhLのBamHI断
片(2.5kb)を、BclI部位でpZB1862にライゲーションした。最
終的に、4.4kbのPgap−araBADは、pZB206(米国特許第5
,712,133号明細書および同第5,726,053号明細書)から単離さ
れ、組込みプラスミドpZB1862−ldhL−araを形成するために、l
dhLのNotI部位にクローン化された。図5を参照のこと。
、相同組換えにより、C25ゲノムのldh部位に組み込まれた。C25のゲノ
ムにaraBAD遺伝子を組み込むために、pZB1862−ldhL−ara
は大腸菌DH5αにおいて構築された。プラスミドpZB1862−ldhL−
araはエレクトロポレーションによりC25に転移された。Tc耐性形質転換
体は、アラビノースにおける増殖に関して選択および試験された。形質転換体の
増殖のあいだ、Pgap−ara−BADは、相同組換えによるldhLのld
hL'−araBAD−ldhL′カセット(プラスミド由来)との置換によっ
て、C25の染色体に組み込まれることができた。
グを実施した。プラスミドpZB1862−ldhL−araは、Z.モビリス
において複製するであろう。しかしながら、Z.モビリスは、最適以下の増殖条
件(たとえば37℃)で外来プラスミドを失う傾向がある。その特性を用いて、
いくつかの転移体(transfers)に関し、Tc非存在下で37℃でC25形質転
換体をサブカルチャーすることによって、pZB1862−ldhL−araの
キュアリングを成し遂げた。各転移体由来の培養物は、プラスミドの脱落につい
て定期的に監視された。第3の転移体までに100%の細胞がTcsになり、プ
ラスミドの脱落が示された。潜在的なPgap−araBAD組込み体の増殖を
質的に高めるために、第3、第4、第5および第6の転移体由来の培養物を30
℃でアラビノース含有RM(RMA)に播種した。質的に高められた細胞は、R
MGプレートに移されて、RMA、RMXおよびRMGTcプレート上にレプリ
カをとられた。以下に記載するように、Xyl+Ara+Tcsの表現型を有する
いくつかの組込み体(AX)をさらに分析した。それらの組込み体は、唯一の炭
素源として、キシロースまたはアラビノースのいずれかを使用することができた
。
して、DIG標識化araおよびldhプローブを用いることにより、サザンハ
イブリダイゼーションによって確認された。図6(a)および(b)を参照のこ
と。pZB1862−ldhL−ara上にはただ1つのPstI部位が存在し
、Pgap−araBADに位置する。したがって、araプローブを用いるこ
とにより、PstI消化したプラスミド由来の1つのハイブリダイゼーションバ
ンド(12.9kb)が予想された。ゲノムに組み込まれたPgap−araB
ADに関しては、Pgap−araBADにおけるPstI部位およびPgap
−araBADの外側に位置する染色体上の付属のPstI部位により生じる2
つのバンドが予想された。図7(a)から、結果は明らかに、全DNA標本由来
の2つのバンドがaraプローブにハイブリダイズすることを示し、そしてPg
ap−araBADの組込みを証明した。組込み体のプラスミドDNA由来のハ
イブリダイゼーションバンドの欠如は、組込みが、本来備わっているプラスミド
上ではなく染色体上で生じたことを意味した。ldhがPgap−araBAD
組込みによって破壊されたことを示すために、同じDNAを転移させ、ldhプ
ローブにハイブリダイズした。予想したとおり、図7(b)に示すように、組込
み体に関するハイブリダイゼーションのパターンは、C25を除いて、両ブロッ
トにおいて正確に同一であった。完全なldhを有し、Pgap−araBAD
組込みのために使用された宿主株C25由来の全DNAは、ただ1つのバンドを
示した。その結果により、araBADがC25のldhに組み込まれたことが
確認された。
がい、Z.モビリス組換え体およびコントロール株の無細胞抽出液を用いること
により、キシロースイソメラーゼ(XI)、キシルロキナーゼ(XK)、L−ア
ラビノースイソメラーゼ(L−AI)、L−リブロキナーゼ(L−RK)、L−
リブロース−5−P−4−エピメラーゼ(L−Repi)、トランスケトラーゼ
(TKT)およびトランスアルドラーゼ(TAL)を分析した。無細胞抽出液は
、後期対数期(30℃、OD600約1.2)に培養物を回収し、音波処理緩衝液
(10mMトリス−HCl、pH7.6、10mM MgCl2)で1回洗い、
ついで音波処理することによって調製した。細胞屑を遠心分離(14000rp
m、45分間、4℃)により除去した。L−AI分析において、定期試料の容量
は、半分(50μl)、70%H2SO4(1.5ml)および0.12%カルバ
ゾール(50μl)に減少した。すべてのチューブは、70%H2SO4の添加前
後、吸光度を読むまで、25℃の水槽で維持した。試料は、反応のあいだ、0、
5、10および20分時に調べられた。
で増殖することができたが、組込まれた遺伝子の発現レベルは、酵素活性を測定
することによって決定した。単離体C25/AX1、C25/AX101および
C25/G8は、下記の安定性研究で決定されるように最も安定な組込み体であ
ったので、酵素分析のために選択された。L−アラビノースイソメラーゼ、L−
リブロキナーゼおよびL−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼに関する
酵素分析の結果を図8に要約する。すべての分析に関し(キシルロキナーゼとと
もに、およびキシルロキナーゼを除いて)、コントロール(C25および/また
は206C)と比較して、組込み体は顕著な活性を示した。現時点では、組込み
体に関するXKの低い活性は、実験上の過失、分析の性質または双方が原因であ
ると思われる。たいていの分析において(L−リブロキナーゼおよびキシロース
イソメラーゼを除く)、組込み体は、プラスミド運搬株(206C/pZB30
1)よりも低い活性を示した。これは、遺伝子のコピー数に関連すると思われる
。
で一晩インキュベーションされ、そして毎日、RMG管に移された。播種材料は
、10世代毎に移されるよう管理された。pH調整せずに30℃で糖に対する醗
酵能を試験するために、細胞は、40世代毎に、糖の混合液を含有するフラスコ
に播種するために使用された。バッチ醗酵研究は、操作容量として500mlを
用い、Bio−StatQケモスタット(B,ブラウン社(B, Braun)、アレン
タウン、ペンシルベニア州の登録商標)において30℃でpH調整して実施した
。pHは、2N KOHにより自動的に調整された。開始の糖濃度およびpHは
、培養条件により、各バッチで様々であった。使用された糖すべてが試薬級であ
った。醗酵の間中、試料は定期的に採取され、糖、エタノールおよび副産物に関
して、以前に記載されたように(Zhang 1995)HPLCで分析された。細胞増殖
を監視するために、600nm(OD600)での光学密度が測定された。エタ
ノール収率は、利用可能な全糖の量に基づいた。
シロースおよびアラビノース醗酵Z.モビリス株のいくつかは、非選択培地(R
MG)における安定性に関して検討された。それらの株をRMG培地で培養し、
そして毎日、約10世代ののち、順次移した。キシロースおよびアラビノースを
醗酵してエタノールにする能力を試験するため、細胞は、40世代毎に、1%グ
ルコースおよび2%キシロースおよび2%アラビノースを含有するフラスコに播
種するために使用された。エタノール生産率、ならびにキシロースおよびアラビ
ノース利用率は、安定特性として使用した。2つの単離体は160世代のあいだ
安定であった。3つの組込み株および1つのプラスミド運搬株は、pH5.5お
よび30℃で、4%グルコース、4%キシロースおよび2%アラビノースの混合
物を含有する培地において、醗酵能に関してさらに試験された。図10に示すよ
うに、3つの株すべては、グルコース、キシロースおよびアラビノースを72時
間で利用したが、プラスミド運搬株では6g/Lのアラビノースが残留した。し
かしながら、組込み株はキシリトールをプラスミド運搬株(1g/L)よりも多
く(4g/L)産生した。2つの相同組換え体AX1株およびAX101株は、
乳酸脱水素酵素遺伝子が遺伝子組込みにより不活性化されたので、乳酸を産生し
なかった。組込み株の生産率(理論上約83%)は、プラスミド運搬株と極めて
類似した。さらには、組込み株は、より高い細胞密度まで増殖した。おそらく原
因は、7つの遺伝子を単コピーのみ有することと関連する、より少ない代謝負担
である。
逸脱することなく改変がなされ得ることが、認識および理解されるであろう。
くとも1つの実施の態様を示しており、詳細な説明とともに本発明の原則を説明
する。
ZB101の使用方法を示す図である。
サザン分析を示す。
21のマップである。
1株、2−2株および#30株を用いる醗酵における乳酸の産生を示す。
。araBADは、ldhLのNotI部位に挿入され、ldhを分断する。構
築は、Z.モビリスの複製プラスミドpZB1862に基づく。プラスミドpZ
B1862は、参考文献として本明細書に組み込まれる米国特許第5,514,
583号明細書および同第5,712,133号明細書に開示されるプラスミド
、pZB186の誘導体である。
ース醗酵Z.モビリス株の、DIG−araおよびDIG−ldhプローブを用
いるサザン分析を示す。AX1、13、23、101、104および107は、
araBAD組込み体である。C25は宿主コントロールであり、pZB186
2−ldhL−araは、DH5αから単離されたプラスミドコントロールであ
る。λ/Hは、23、9.4、6.6、4.3、2.3および2.0kbの分子
量マーカーである。
ロキナーゼおよびL−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼの酵素活性の
棒グラフ結果を示す。206C/pZB301はプラスミドコントロールである
。206Cは宿主コントロールである。C25は、キシロース醗酵組込み体であ
る。AX1およびAX101は、相同組換えで得られた、乳酸脱水素酵素不活性
化キシロース/アラビノース醗酵組込み体である。
染色体組込みを行なったキシロースおよびアラビノース醗酵チモモナス株のエタ
ノール生産率の棒グラフ結果を示す。それらの株は、非選択培地において、様々
な世代の培養物から播種された。
アラビノースを含有するRMにおける、染色体組込みを行なったキシロースおよ
びアラビノース醗酵チモモナス株のキシロースおよびアラビノース利用率の棒グ
ラフ結果を示す。それらの株は、非選択培地において、様々な世代の培養物から
播種された。
び2%アラビノースを含有するRMにおける、染色体組込みを行なったキシロー
スおよびアラビノース醗酵チモモナス株の醗酵能の折れ線グラフ表示である。
Claims (12)
- 【請求項1】 チモモナスにおける部位特異的挿入方法であって、 (a)チモモナスDNA断片を提供し、 (b)該DNA断片の配列を分断し、および (c)該分断断片による相同組換えを介して該チモモナスを形質転換する ことを含む方法。
- 【請求項2】 前記DNA断片が、排除すべき副産物の代謝経路における構
造タンパク質をコードする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 分断が、DNA配列を前記DNA断片に挿入することにより
行なわれる請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 分断が、前記DNA断片のDNA配列を欠失させることによ
り行なわれる請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 前記分断DNA断片をプラスミドベクターとライゲーション
することをさらに含む請求項1記載の方法であって、Z.モビリス生物の形質転
換が、プラスミドベクターの該分断断片による相同組換えを介して行なわれる方
法。 - 【請求項6】 前記遺伝子断片がldhであり、排除すべき産物が乳酸であ
る請求項2記載の方法。 - 【請求項7】 前記挿入断片がldhLである請求項3記載の方法。
- 【請求項8】 前記挿入断片が選択マーカーである請求項3記載の方法。
- 【請求項9】 前記挿入断片が、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナー
ゼ、L−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼ、L−リブロース−5
−リン酸−4−エピメラーゼ、トランスアルドラーゼまたはトランスケトラーゼ
からなる群より選択される少なくとも1つの構造遺伝子をコードするオペロンお
よびZ.モビリスで該構造遺伝子を発現するためのプロモーターである請求項3
記載の方法。 - 【請求項10】 前記プラスミドがpZB101、pZB102またはpZ
B121である請求項5記載の方法。 - 【請求項11】 前記プラスミドのZ.モビリスキュアリングをさらに含む
請求項5記載の方法。 - 【請求項12】 前記プラスミドがpZB1962−ldhL−araであ
る請求項11記載の方法。
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