JP4309612B2 - チモモナスモビリスにおける部位特異的挿入方法 - Google Patents
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Description
米国政府は、米国エネルギー省とミッドウエスト リサーチ インスティチュートとのあいだの契約番号DE−AC36−99GO10337に基づいて、本発明に対して権利を有している。
【0002】
[本発明の分野]
本発明は、チモモナス モビリス(Zymomonas mobilis)における遺伝子挿入に関するものであり、詳細には、キシロースおよびアラビノースまたは双方を醗酵してエタノールにする組換え体チモモナス モビリス株における特定の遺伝子産物の挿入不活性化(insertion inactivation)に関する。
【0003】
[本発明の背景]
醗酵技術は、再生バイオマスセルロース基質をエタノールなどの燃料および薬物に変換するために有用である。典型的な基質は、35〜45%セルロース、30〜40%ヘミセルロースおよび15%リグニンからなる。加水分解画分はグルコースポリマーを含有し、ヘミセルロース画分は主にキシロースを含有する。アラビノースもまた、スイッチグラス草(switchgrass grass)および穀物繊維(corn fiber)などのバイオマス材料において見出された重要な醗酵基質である。
【0004】
Z.モビリスは、低いpH、嫌気培養で、かつ通常はリグノセルロースヒドロライセート(lignocellulose-hydrolysate)に結合する阻害化合物を含有する培地において、速くかつ効率的にグルコース基質をエタノールに変換するその能力に関して、広く報告されている。しかしながら、Z.モビリスの使用において明らかに不利な点は、ペントース糖を醗酵しないことである。この不利な点を解消するために、先行技術は、キシロースおよびアラビノースの代謝を触媒する外因性遺伝子を用いることによるグルコース、ならびにキシロースもしくはアラビノース、または双方の混合物を醗酵する組換え体Z.モビリス株に集中している。それらの株は、所望の酵素産物を発現することができる複数コピープラスミド(multiple-copy plasmids)の使用に基づく。
【0005】
米国特許第5,514,583号明細書は、外因性遺伝子を有する形質転換したZ.モビリスキシロース醗酵株(CP4/pZB4およびpZB5)、ならびにキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ(xylulokinase)、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼをコードし、チモモナスにより認識され該遺伝子の少なくとも1つの発現を制御する少なくとも1つのプロモーター(PgapおよびPeno)をさらに含むプラスミドベクター(pZB4およびpZB5)を開示する。その微生物は、唯一の炭素源としてのキシロースで増殖することができ、約88%の最大理論収率で、キシロースを醗酵してエタノールにすることができる。その特許は、組み込まれた株を特許請求の範囲とする。
【0006】
米国特許第5,712,133号明細書および同第5,726,053号明細書は、とりわけ、アラビノースからエタノールへの醗酵能を与えるL−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼ(L-ribulokinase)およびL−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼ、トランスアルドラーゼならびにトランスケトラーゼをコードする外因性遺伝子を含有するZ.モビリスアラビノース醗酵形質転換体(CP4/pZB206)を開示する。プラスミドベクター(pZB206)、ならびに、グルコースおよびアラビノースを含有する基質の醗酵のための形質転換体の使用方法もまた開示されている。その特許は、宿主ゲノムへの外因性遺伝子の組込みを特許請求の範囲とする。
【0007】
米国特許第5,843,760号明細書は、キシロースイソメラーーゼ、キシルロキナーゼ、L−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼ、L−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼをコードする外因性遺伝子を含有し、該遺伝子の少なくとも1つの発現を制御しチモモナスに認識される少なくとも1つのプロモーターをさらに含むZ.モビリスのキシロースおよびアラビノース醗酵形質転換体(206C/pZB301)を開示する。該微生物は、アラビノースおよび/またはキシロースの単独または組み合わせを炭素源として増殖することができ、該アラビノースおよびキシロースを醗酵してエタノールにすることができる。その形質転換体をプラスミドベクター(pZB301、pZB401、pZB402およびpZB403)とともに使用する方法もまた、開示される。その特許は、宿主ゲノムへのそれらの外因性遺伝子の組込みを特許請求の範囲とする。
【0008】
高率の特定のな産物形成および変換効率を達成することは、セルロース含有基質から燃料および薬物への商業的醗酵方法に不可欠である。エタノールが特定の産物であるZ.モビリスのペントース醗酵組換え体株を用いると、副産物の乳酸、エネルギー形成の最終生産物およびキシリトールの形成は、変換効率を低下させる。したがって、エタノール製造に関するセルロースの変換効率を向上させるために、乳酸脱水素酵素の挿入不活性化など、Z.モビリスにおける遺伝子の部位特異的挿入ための新しい代謝工学方法の開発が望まれている。
【0009】
大腸菌において、外来遺伝子のゲノム挿入をもたらす古典的方法は、溶原化状態で安定に存在し得る特殊化したλファージクローニングベクターの使用を伴う。あるいは、遺伝子は、大腸菌の染色体配列に囲まれると、または遺伝子がトランスポゾンの許容部位にクローン化され得る場合は転位により、相同組換えを介して挿入され得る。転位はZ.モビリスで説明されているが(Pappas, K. M., et al., (1997)チモモナス モビリスでのトランスポゾン突然変異誘発および菌株構築、Journal of Applied Microbiology, Vol. 82, p.p.379-388)(Z.モビリスにおける遺伝子分析のための栄養要求性または抗生物質耐性のTn5またはmini Mμ転位)、転位は任意であり、そしてZ.モビリスにおける相同組換えは立証されていない。さらには、Z.モビリスにおける相同組換えを介した部位特異的挿入は説明されておらず、いかなるバクテリオファージもチモモナスから単離されていない。
【0010】
前述の観点から、Z.モビリスにおける部位特異的挿入方法の必要性がある。その方法の1つの実用的な適用は、排除すべき特定の副産物の形成経路における酵素をコードする遺伝子の挿入不活性化により特徴づけられる、安定な組換え体株の構築を介したZ.モビリス醗酵における副産物形成の排除のためである。
【0011】
[本発明の開示]
したがって、本発明の目的は、Z.モビリスにおける部位特異的挿入方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、安定な組換え体株の構築を介してZ.モビリス醗酵における副産物形成を排除する方法であって、排除すべき特定の副産物の形成経路におけるそれらの酵素をコードする遺伝子の挿入不活性化によって特徴づけられる方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、副産物の乳酸の形成を排除するために、Z.モビリスの乳酸脱水素酵素遺伝子の挿入不活性化方法を提供することである。
【0014】
関連技術に関する課題を解決するために、また本発明の目的にしたがって、本明細書において具体化され広く説明されるように、要するに本発明は、チモモナスにおける部位特異的挿入方法であって、チモモナス遺伝子断片を提供し、該断片をDNA配列で分断し、そして該分断断片による相同組換えを介して該チモモナスを形質転換することを含む方法を提供する。
【0015】
本発明のさらなる利点は、以下の記載に一部説明されるであろうし一部はその記載のために明らかであり、または本発明の実施により知ることができる。本発明の利点は、特許請求の範囲にとくに指摘される方法により実現され達成され得る。
【0016】
[発明の詳細な説明]
とくに別段の断りのない限り、本明細書において用いられるすべての技術的または科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験の際は、本明細書に記載されるものと同類または同等のあらゆる方法および材料を使用し得るが、好ましい方法および材料をここに記載する。すべての米国特許は、引用することによって、本明細書において完全に説明されているかのように組み込まれる。
【0017】
ここで、本発明の現在の好ましい実施態様に関する言及を詳細におこない、その例は添付の図面に示されている。下記実施例に関して、「プラスミド運搬株(plasmid-bearing strains)」は、関連技術の説明に示された米国特許記載のそれらの株およびベクターを意味する、またはそれらの株およびベクターに関連する。「Z.モビリスゲノム、またはゲノムの」は、全体として、天然のプラスミドおよび染色体を含め、既定のZ.モビリスに関する発現特性および潜在的に発現し得る特性すべてを指定する遺伝子を意味する。
【0018】
[実施例]
以下の実施例は、Z.モビリスにおける部位特的挿入のための相同組換え方法、および副産物形成に関連する遺伝子など、望まれない遺伝子の挿入不活性化方法の実用的用途を説明する。以下の実施例において、推定乳酸脱水素酵素(ldh)遺伝子は、本発明の原理を説明するための標的領域であった。ldhは、ピルビン酸を、チモモナスのエタノール産生特異的醗酵における副産物である乳酸に変換する。相同組換えを用いることによるZ.モビリスldhゲノムへのペントース代謝遺伝子(実施例2)の組込みは、抗生物質または他の選択圧力を用いることなく、表現型反応を安定させる。
【0019】
大腸菌DH5αは、プラスミド構築用宿主として使用した。Z.モビリスATCC39676株およびその誘導体206C株(米国特許第5,843,760号明細書)は、C25の構築の際の受容株として使用した。実施例2に関し、C25株の構築は、2000年5月1日に出願され、ともに係属している米国特許出願第09/565,233号明細書に開示されている。
【0020】
大腸菌株は、37℃でLB培地で培養された。Z.モビリス株は、特段の定めのない限り、20g/Lグルコース、D−キシロースまたはL−アラビノースで補完したRM(10g/L酵母エキス、2g/L KH2PO4)において嫌気的に維持された。プラスミドを含有するすべての株は、テトラサイクリン(Tc)((Z.モビリスおよび大腸菌の液体に10μg/ml;Z.モビリスに関しては寒天に20μg/ml;および大腸菌に関しては、寒天に15μg/ml、またはアンピシリン(Ap)100μg/ml)の存在下で増殖された。
【0021】
Z.モビリス形質転換体の再生および選択のために、テトラサイクリンまたはナリジキシン酸(20μg/ml)で補完した交配プレート((10g/L酵母エキス、5g/Lトリプトン、2.5g/L (NH4)2SO4、0.2g/L K2HPO4および50g/L糖))を使用した。すべての寒天プレートは、15g/L寒天で作製された。
【0022】
発表されたプロトコルSambrook et al.,(1989)Molecular cloning: a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, N.Y. または各試薬の製品の指示にしたがって、プラスミドDNA単離、制限エンドヌクレアーゼ消化、ライゲーションおよび形質転換、アガロース電気泳動法ならびにほかの組換えDNA技術は実施され、明記され、本技術分野において公知である。Z.モビリスのゲノムDNAは、250mlの50mM トリス−50mM EDTA緩衝液に再懸濁された3ミリリットルの一晩培養細胞を用いて抽出された。細胞は、37℃で30分間リゾチームで処理し、ついで、100μlの5%SDS溶液およびリボヌクレアーゼ(最終濃度は20ng/ml)を添加し、さらに30分間インキュベーションした。タンパク質を除去するために、フェノール/クロロフォルム抽出を2回実施した。ゲノムDNAをエタノール沈殿法により回収した。
【0023】
実施例1
以下の実施例は、相同組換えを介するチモモナスゲノムへの遺伝子の挿入および不活性化を説明する。この系は、テトラサイクリン(Tc)耐性遺伝子挿入断片を有するチモモナスのldh遺伝子(ldh::Tc)を基礎とする。ldh::Tcカセットを含有するプラスミドは、Z.モビリスを形質転換するために使用され、得られたTc耐性形質転換体はサザンハイブリダイゼーションによって分析された。その結果は、ldh::Tcカセットがチモモナスゲノムのldh領域に挿入されたことを示した。したがって、チモモナスでの相同組換えに基づく遺伝子組込みの発明は、ldh遺伝子の不活性化を生じるターゲッティング組込みを伴い、エタノール醗酵における乳酸副産物形成を排除した。
【0024】
1kbのldh断片は、鋳型としてZ.モビリスATCC39676の全DNAを用いるPCRによって調製した。PCRは、パーキンエルマー社(Perkin EElmer)のPCRキットを用いて実行され、公知である。プライマーは、Yamano I.,(1993)Journal of Bacteriology, Vol.175, 3926-3933に公表された、Z.モビリスCP4のDNA配列に基づき設計された。ldhに対するプライマーは、
5'−TCGCGGATCCGTCTATGCGCGTCGCAATATTCAGTTCC−3'
5'−TCGCGGATCCGTCGCTTGTCTATTAAACAAGCGCATCCGGC−3'
であり、各プライマーの5'末端にはBamHI部位(下線部)が組み込まれた。PCR産物(ldh)は、ldhの構造遺伝子を含む長さ約995bpであった。PCR産物はBamHIを用いて消化され、そしてBamHIで消化することにより線状化されウシ腸由来ホスファターゼで処理することにより脱リン酸化されたpUC19に、ライゲーションされた。ライゲーションしたDNAは大腸菌DHαを形質転換するために使用され、アンピシリン耐性形質転換体から得たプラスミドDNAの制限分析により、予想されるプラスミドの存在を確認し、pUC19−LDHと命名した。Tcr遺伝子はついで、pUC19−LDHのldhにおけるNcoI部位に挿入された。Tcr遺伝子に対して使用したプライマーは、
5'−CTAGGCGTATCACGAGGCCCTTT−3'
5'−CTAGGCGGACGCGATGGATATGT−3'
である。
【0025】
Tcr合成用に用いた鋳型はpBR322であった。Tcr遺伝子のPCR産物は約1400bpであった。Tcr遺伝子のPCR産物およびpUC19−LDHは、NcoIで消化することにより線状化され、ともにクレノウ断片で処理されライゲーションされた。ライゲーション混合液は大腸菌DH5αを形質転換し、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性形質転換体から得たプラスミドDNAの制限分析により、予想されるプラスミドの存在を確認し、pUC10−KDH−Tcrと命名した。
【0026】
A.複製(シャトル)ベクターを用いるldh不活性化
ついでldh配列に囲まれたTcr遺伝子を、複製ベクターpZB1861(Cmr、pZB186誘導体)にクローン化した。pZB1861は、Tcr遺伝子を除去するためにClaIおよびBssHIIを用いてpZB186(米国特許第5,514,583号明細書)を消化することによって構築され、BamHI部位を含有するアダプターにライゲーションされた。アダプターの配列は、
5'−CGATGATATCGGATCCG−3'
3'−TACTATAGCCTAGGCGCGC−5'
である。
【0027】
ライゲーション混合液は大腸菌DH5αを形質転換し、CmrTcs形質転換体を選択した。形質転換体から得たDNAを分析し、pZB1861と命名され、Tcr遺伝子を欠き、かつ新規BamHI部位を有するプラスミドを得た。ldh−Tc断片は、pUC19−ldh−Tcr由来のBamHI断片として切り出され、BamHIで消化することにより線状化されウシ腸由来ホスファターゼで処理することにより脱リン酸化されたpZB1861にライゲーションされた。ライゲーションしたDNAを大腸菌DH5αを形質転換するために用い、クロラムフェニコールおよびテトラサイクリン耐性形質転換体から得たプラスミドDNAの制限分析により、プラスミドの存在を確認し、pZB101(またはpZB1861−ldh−Tc)と命名した。得られたプラスミドpZB101(CmrTcr)(図1)でZ.モビリス39676を形質転換した。プラスミドキュアリングのために、Tcr形質転換体をRMG−Tcチューブ(30℃)に播種し、ついでRMGチューブ(37℃)に移して、プラスミドの脱落を促進する高温で組込み体(integrants)を選択した。約10回移したのち(90〜100世代)、培養物をRMG−Tc10(30℃)に移し、潜在的なTcr組込み体の増殖を高めた。細胞を希釈し、RMG−Tc20プレートに塗布した。Tcrコロニーは、RMG−Tc20およびRMG−Cm100プレートの双方で選択された。数個のTcrCmrは、全およびプラスミドDNAのサザンハイブリダイゼーションにより、Tcrマーカーの組込みについて分析した。DIG−TcrおよびDIG−ldhを含むプローブを用いた(プローブは下記実施例2に示す)。その結果により、TcrCmsコロニーすべてが、染色体におけるldh遺伝子に組み込まれたTcrマーカーを含有することが示された。図2を参照のこと。
【0028】
B.非複製(自殺)ベクターを用いるldh不活性化
pZB101は、Z.モビリスの複製起点をプラスミドから除去するためにAvaIおよびBssHIIを用いて消化され、ついで大腸菌複製起点を含有するバックボーンにおける分子内部ライゲーション(intra-molecular ligation)を行なった。その過程で、大腸菌複製起点を含有するpZB101のAvaIおよびBssHII断片はゲル精製され、ついで、クレノウ断片を用いる処理により埋められた。ついで、分子内ライゲーションは自殺プラスミドを生じ、pZB121と命名した。図3を参照のこと。Z.モビリス39676は、NcoIを用いる消化により線状化した、スーパーコイル状pZB121またはpZB121のいずれかを用いるエレクトロポレーションにより、形質転換された。組換え細胞は、20μg/mlのTcを含有する交配プレートから選択された。得られたコロニーは、RMG−TcプレートおよびRMG−Cmプレートにレプリカをとられた。分析された250個のうちただ1つのコロニーが、TcrCmsであった。サザンハイブリダイゼーションにより、単離体(isorate)#30に二重交差(double-crossover event)が確認された。
【0029】
前記シャトルおよび自殺ベクター組込み体を用い、D−またはL−乳酸生産をエタノール醗酵において測定した。それらの試験は、Z.モビリス野生株39676および4つの組込み体((2−1、2−2(シャトルベクター組込みより)および#30(自殺ベクター組込みより)を含む))に対して、10%グルコースを含有するRMで、30℃、pH6.0、500mlケモスタットにおいて実施した。HPLC分析およびベーリンガー マンハイム キット分析のために(下記実施例2において、より完全に説明する)、試料を定期的に採取した。その結果、39676はD−乳酸を産生し、副産物の産生は組込み体のldh遺伝子におけるTcrマーカーの組込みを介して排除されたことが示された(図4)。
【0030】
前記実施例において、都合のよいNcoI部位へのTc耐性遺伝子挿入によるldh組込みカセット(ldh integrative cassette)の構築が示された。しかしながら、制限部位のないldh組込みカセットを構築することは、本発明の範囲内のものである。このように、ldh遺伝子に所望の遺伝子を挿入するために、あるいはPCRによって欠失/不活性化遺伝子をつくりだすために、米国特許第5,514,583号明細書に記載のPCR介在オーバーラップ伸長技術などのPCR融合方法(PCR fusing methodology)により、カセットは製造し得る。したがって、その産物は、不活性化したldhを有し乳酸を形成しないZ.モビリス株を得るために使用し得る。
【0031】
実施例2
以下の実施例は、ldhを介する相同組換えによりC25ゲノムへのアラビノース同化酵素を導入し、その結果、乳酸副産物エネルギー代謝経路の乳酸脱水素酵素遺伝子の不活性化を生じることを実証する。
【0032】
プラスミドDNAは、エレクトロポレーション(Zhang et al., 1995)により、Z.モビリスまたは大腸菌細胞に形質転換した。下記プラスミドpZB1862−ldhL−araは、エレクトロポレーションによってZ.モビリスまたは大腸菌を形質転換するために使用された。形質転換体は、グルコースおよびテトラサイクリンで補完した交配プレートで選択された。Tcrコロニーは、キシロースまたはアラビノースで補完したRM(RMSおよびRMA)における増殖によって、Ara+Xyl+であることをさらに確認された。
【0033】
相同領域として前記1kbのldh断片を用いることによってチモモナスゲノムにaraBADを組み込むという以前の試みは、成功しなかった。組換え頻度を上げるために、より広い相同領域が用いられた。ldhおよびフランキング領域を含む2.5kbのDNA断片は、PfuPCRを用いて増幅された。プライマーは、Yamano et seq.に公表された、Z.モビリスCP4のDNA配列に基づき設計された。公表された配列により、PCRから2.5kbの断片が予想されたが、そうではなく3.4kbの断片が得られた。3.4kbの断片をBamHIで消化したのち、2つの断片(2.5および0.9kb)が得られた。双方の断片は、ldhのみにアニーリングするように設計されたプライマーを用いて、PCRにより試験された。2.5kbの断片は正しいサイズのPCR産物を産出したのに対して、0.9kbの断片は産出せず、前者がldh配列を含有することを示した。したがって、2.5kbのBamHI断片(ldhLと命名)はクローン化され、そしてC25への遺伝子組込みのための相同領域として使用された。
【0034】
ldhL断片ならびにジゴキシゲニン(DIG)標識したldhおよびaraプローブを、Pfu(ストラタジーン社(Stratagene)製、ラ ジョラ(La Jolla)、カリフォルニア州)またはTaqDNAポリメラ−ゼ(キアゲン社(Qiagen)製、バレンシア、カリフォルニア州)のいずれかを用いるPCRにより増幅した。DIG−UTPは、ベーリンガー マンハイム、インディアナポリス、インディアナ州より購入した。ldhL、ldhおよびaraに対するPCR産物はそれぞれ、2.5、1および1.4である。以下のプライマー配列が用いられた。
ldhL: 5'−TCGCGGATCCTCTATCCCTTTATTTTTCTATCCCCATCACCTCGG−3'
5'−TCGCGGATCCGCGGCTGACATACATCTTGCGAATATAGGG−3'
DIG−ldh:5'−TCGCGGATCCGTCTATGCGCGTCGCAATATTCAGTTCC−3'
5'−TCGCGGATCCGTCGCTTGTCTATTAAACAAGCGCATCCGGC−3'
DIG−ara:5'−CTAACATGTTGACTCCTTCTCTAGACTTAGCG−3'
5'−GTTGAAACCGCTGGGCACCACGC−3'
クローニングの目的で、ldh遺伝子の中央に位置するNcoI部位にオリゴヌクレオチド5'−CATGCGCGGCCGCC−3'を挿入することにより、NotI部位をldhLに導入した。その新たなNotI部位は、ldhLの各末端から約1.4および1.1kbであった。NotI部位を含有するldhLのBamHI断片(2.5kb)を、BclI部位でpZB1862にライゲーションした。最終的に、4.4kbのPgap−araBADは、pZB206(米国特許第5,712,133号明細書および同第5,726,053号明細書)から単離され、組込みプラスミドpZB1862−ldhL−araを形成するために、ldhLのNotI部位にクローン化された。図5を参照のこと。
【0035】
3つのアラビノース同化遺伝子を含有するPgap−araBADオペロンは、相同組換えにより、C25ゲノムのldh部位に組み込まれた。C25のゲノムにaraBAD遺伝子を組み込むために、pZB1862−ldhL−araは大腸菌DH5αにおいて構築された。プラスミドpZB1862−ldhL−araはエレクトロポレーションによりC25に転移された。Tc耐性形質転換体は、アラビノースにおける増殖に関して選択および試験された。形質転換体の増殖のあいだ、Pgap−ara−BADは、相同組換えによるldhLのldhL'−araBAD−ldhL′カセット(プラスミド由来)との置換によって、C25の染色体に組み込まれることができた。
【0036】
組換え体を質的に高めて単離するために、形質転換体にプラスミドキュアリングを実施した。プラスミドpZB1862−ldhL−araは、Z.モビリスにおいて複製するであろう。しかしながら、Z.モビリスは、最適以下の増殖条件(たとえば37℃)で外来プラスミドを失う傾向がある。その特性を用いて、いくつかの転移体(transfers)に関し、Tc非存在下で37℃でC25形質転換体をサブカルチャーすることによって、pZB1862−ldhL−araのキュアリングを成し遂げた。各転移体由来の培養物は、プラスミドの脱落について定期的に監視された。第3の転移体までに100%の細胞がTcsになり、プラスミドの脱落が示された。潜在的なPgap−araBAD組込み体の増殖を質的に高めるために、第3、第4、第5および第6の転移体由来の培養物を30℃でアラビノース含有RM(RMA)に播種した。質的に高められた細胞は、RMGプレートに移されて、RMA、RMXおよびRMGTcプレート上にレプリカをとられた。以下に記載するように、Xyl+Ara+Tcsの表現型を有するいくつかの組込み体(AX)をさらに分析した。それらの組込み体は、唯一の炭素源として、キシロースまたはアラビノースのいずれかを使用することができた。
【0037】
C25のldhへのPgap−araBADの組込みは、組込み体DNAに関して、DIG標識化araおよびldhプローブを用いることにより、サザンハイブリダイゼーションによって確認された。図6(a)および(b)を参照のこと。pZB1862−ldhL−ara上にはただ1つのPstI部位が存在し、Pgap−araBADに位置する。したがって、araプローブを用いることにより、PstI消化したプラスミド由来の1つのハイブリダイゼーションバンド(12.9kb)が予想された。ゲノムに組み込まれたPgap−araBADに関しては、Pgap−araBADにおけるPstI部位およびPgap−araBADの外側に位置する染色体上の付属のPstI部位により生じる2つのバンドが予想された。図7(a)から、結果は明らかに、全DNA標本由来の2つのバンドがaraプローブにハイブリダイズすることを示し、そしてPgap−araBADの組込みを証明した。組込み体のプラスミドDNA由来のハイブリダイゼーションバンドの欠如は、組込みが、本来備わっているプラスミド上ではなく染色体上で生じたことを意味した。ldhがPgap−araBAD組込みによって破壊されたことを示すために、同じDNAを転移させ、ldhプローブにハイブリダイズした。予想したとおり、図7(b)に示すように、組込み体に関するハイブリダイゼーションのパターンは、C25を除いて、両ブロットにおいて正確に同一であった。完全なldhを有し、Pgap−araBAD組込みのために使用された宿主株C25由来の全DNAは、ただ1つのバンドを示した。その結果により、araBADがC25のldhに組み込まれたことが確認された。
【0038】
重要でない改変をしたZhang, et al., 1995およびDeanda et al., 1996にしたがい、Z.モビリス組換え体およびコントロール株の無細胞抽出液を用いることにより、キシロースイソメラーゼ(XI)、キシルロキナーゼ(XK)、L−アラビノースイソメラーゼ(L−AI)、L−リブロキナーゼ(L−RK)、L−リブロース−5−P−4−エピメラーゼ(L−Repi)、トランスケトラーゼ(TKT)およびトランスアルドラーゼ(TAL)を分析した。無細胞抽出液は、後期対数期(30℃、OD600約1.2)に培養物を回収し、音波処理緩衝液(10mMトリス−HCl、pH7.6、10mM MgCl2)で1回洗い、ついで音波処理することによって調製した。細胞屑を遠心分離(14000rpm、45分間、4℃)により除去した。L−AI分析において、定期試料の容量は、半分(50μl)、70%H2SO4(1.5ml)および0.12%カルバゾール(50μl)に減少した。すべてのチューブは、70%H2SO4の添加前後、吸光度を読むまで、25℃の水槽で維持した。試料は、反応のあいだ、0、5、10および20分時に調べられた。
【0039】
相同組換えで得られた組換え体は、D−キシロースおよびL−アラビノース上で増殖することができたが、組込まれた遺伝子の発現レベルは、酵素活性を測定することによって決定した。単離体C25/AX1、C25/AX101およびC25/G8は、下記の安定性研究で決定されるように最も安定な組込み体であったので、酵素分析のために選択された。L−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼおよびL−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼに関する酵素分析の結果を図8に要約する。すべての分析に関し(キシルロキナーゼとともに、およびキシルロキナーゼを除いて)、コントロール(C25および/または206C)と比較して、組込み体は顕著な活性を示した。現時点では、組込み体に関するXKの低い活性は、実験上の過失、分析の性質または双方が原因であると思われる。たいていの分析において(L−リブロキナーゼおよびキシロースイソメラーゼを除く)、組込み体は、プラスミド運搬株(206C/pZB301)よりも低い活性を示した。これは、遺伝子のコピー数に関連すると思われる。
【0040】
安定性研究のために、培養物は、RMGを含有する試験管に播種され、30℃で一晩インキュベーションされ、そして毎日、RMG管に移された。播種材料は、10世代毎に移されるよう管理された。pH調整せずに30℃で糖に対する醗酵能を試験するために、細胞は、40世代毎に、糖の混合液を含有するフラスコに播種するために使用された。バッチ醗酵研究は、操作容量として500mlを用い、Bio−StatQケモスタット(B,ブラウン社(B, Braun)、アレンタウン、ペンシルベニア州の登録商標)において30℃でpH調整して実施した。pHは、2N KOHにより自動的に調整された。開始の糖濃度およびpHは、培養条件により、各バッチで様々であった。使用された糖すべてが試薬級であった。醗酵の間中、試料は定期的に採取され、糖、エタノールおよび副産物に関して、以前に記載されたように(Zhang 1995)HPLCで分析された。細胞増殖を監視するために、600nm(OD600)での光学密度が測定された。エタノール収率は、利用可能な全糖の量に基づいた。
【0041】
相同組換えおよび転位の双方により開発された、染色体組み込みを行なったキシロースおよびアラビノース醗酵Z.モビリス株のいくつかは、非選択培地(RMG)における安定性に関して検討された。それらの株をRMG培地で培養し、そして毎日、約10世代ののち、順次移した。キシロースおよびアラビノースを醗酵してエタノールにする能力を試験するため、細胞は、40世代毎に、1%グルコースおよび2%キシロースおよび2%アラビノースを含有するフラスコに播種するために使用された。エタノール生産率、ならびにキシロースおよびアラビノース利用率は、安定特性として使用した。2つの単離体は160世代のあいだ安定であった。3つの組込み株および1つのプラスミド運搬株は、pH5.5および30℃で、4%グルコース、4%キシロースおよび2%アラビノースの混合物を含有する培地において、醗酵能に関してさらに試験された。図10に示すように、3つの株すべては、グルコース、キシロースおよびアラビノースを72時間で利用したが、プラスミド運搬株では6g/Lのアラビノースが残留した。しかしながら、組込み株はキシリトールをプラスミド運搬株(1g/L)よりも多く(4g/L)産生した。2つの相同組換え体AX1株およびAX101株は、乳酸脱水素酵素遺伝子が遺伝子組込みにより不活性化されたので、乳酸を産生しなかった。組込み株の生産率(理論上約83%)は、プラスミド運搬株と極めて類似した。さらには、組込み株は、より高い細胞密度まで増殖した。おそらく原因は、7つの遺伝子を単コピーのみ有することと関連する、より少ない代謝負担である。
【0042】
例示の実施態様に関して本発明を説明したが、本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく改変がなされ得ることが、認識および理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の少なくとも1つの実施の態様を示しており、詳細な説明とともに本発明の原則を説明する。
【図1】 図1は、シャトルベクターpZB101のマップ、および本発明のベクターpZB101の使用方法を示す図である。
【図2】 図2は、Tcプローブを用いるプラスミドpZB102およびpZB121のサザン分析を示す。
【図3】 図3は、本発明のベクターの使用方法を示す図とともに自殺ベクターpZB121のマップである。
【図4】 図4は、野生型39676株と比較した、本発明の方法により製造された2−1株、2−2株および#30株を用いる醗酵における乳酸の産生を示す。
【図5】 図5は、組込みプラスミドpZB1862−ldhL−araのマップである。araBADは、ldhLのNotI部位に挿入され、ldhを分断する。構築は、Z.モビリスの複製プラスミドpZB1862に基づく。プラスミドpZB1862は、参考文献として本明細書に組み込まれる米国特許第5,514,583号明細書および同第5,712,133号明細書に開示されるプラスミド、pZB186の誘導体である。
【図6】 図6は、相同組換えから得られた染色体に組み込まれたキシロース/アラビノース醗酵Z.モビリス株の、DIG−araおよびDIG−ldhプローブを用いるサザン分析を示す。AX1、13、23、101、104および107は、araBAD組込み体である。C25は宿主コントロールであり、pZB1862−ldhL−araは、DH5αから単離されたプラスミドコントロールである。λ/Hは、23、9.4、6.6、4.3、2.3および2.0kbの分子量マーカーである。
【図7】 図7は、染色体に組み込まれた株のL−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼおよびL−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼの酵素活性の棒グラフ結果を示す。206C/pZB301はプラスミドコントロールである。206Cは宿主コントロールである。C25は、キシロース醗酵組込み体である。AX1およびAX101は、相同組換えで得られた、乳酸脱水素酵素不活性化キシロース/アラビノース醗酵組込み体である。
【図8】 図8は、T=30℃でpH調整なしのRMGXA(1:2:2%)における、染色体組込みを行なったキシロースおよびアラビノース醗酵チモモナス株のエタノール生産率の棒グラフ結果を示す。それらの株は、非選択培地において、様々な世代の培養物から播種された。
【図9】 図9は、30℃でpH調整した、1%グルコース、2%キシロースおよび2%アラビノースを含有するRMにおける、染色体組込みを行なったキシロースおよびアラビノース醗酵チモモナス株のキシロースおよびアラビノース利用率の棒グラフ結果を示す。それらの株は、非選択培地において、様々な世代の培養物から播種された。
【図10】 図10は、pH5.5および30℃で、4%グルコース、4%キシロースおよび2%アラビノースを含有するRMにおける、染色体組込みを行なったキシロースおよびアラビノース醗酵チモモナス株の醗酵能の折れ線グラフ表示である。
【配列表】
Claims (3)
- チモモナスにおける部位特異的挿入方法であって、
(a)チモモナスの代謝経路の副産物である乳酸を標的としている遺伝子部位であるチモモナス乳酸脱水素酵素遺伝子を含む2.5kbのDNA断片を提供し、
(b)該DNA断片中の乳酸脱水素酵素遺伝子を分断し、
(c)分断された該DNA断片をキシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、L−アラビノースイソメラーゼ、L−リブロキナーゼ、L−リブロース−5−リン酸−4−エピメラーゼ、トランスアルドラーゼ、およびトランスケトラーゼからなる群より選択されるオペロンならびにチモモナスにおける構造遺伝子の発現のためのプロモーターと結合させて、分断された乳酸脱水素酵素遺伝子を含む組換え遺伝子を作製し、
(d)分断された該DNA断片をチモモナス由来のプラスミドベクターとライゲーションンし、および
(e)分断された乳酸脱水素酵素遺伝子を含む分断された該DNA断片との相同組換えを介して該チモモナスを形質転換する
ことを含む方法であり、
該組換え遺伝子が、組換えチモモナスにおけるD−乳酸の産生の排除、およびチモモナスのペントース糖を発酵する能力の増加を導くことを特徴とする方法。 - チモモナス モビリス(Zymomonas mobilis)から前記プラスミドをキュアリングすることをさらに含む請求項1または2記載の方法。
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