JP2003164171A - 振動波駆動装置 - Google Patents

振動波駆動装置

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JP2003164171A JP2001355912A JP2001355912A JP2003164171A JP 2003164171 A JP2003164171 A JP 2003164171A JP 2001355912 A JP2001355912 A JP 2001355912A JP 2001355912 A JP2001355912 A JP 2001355912A JP 2003164171 A JP2003164171 A JP 2003164171A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動部の各所における振動波の大きさのばらつ
きを小さくして性能の向上を図る振動波駆動装置を提供
する。 【解決手段】振動波駆動装置における振動体は、2つの
振動系における固有振動数に差を設け(Δf)、固有振
動数の高い方のA相駆動による振動系の機械的品質係数
Q値を、固有振動数の低い方のB相駆動による振動系の
機械的品質係数Q値よりも低く設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動波駆動装置、特
に振動体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】振動波モータ等の振動波駆動装置は、駆
動振動が形成される振動体を基本的構成として有し、該
振動体の駆動部に接触体が加圧接触し、前記移動体と前
記接触体とが前記駆動振動により相対移動する。そし
て、このような振動波モータは、カメラレンズ駆動用途
等への製品応用がなされており、棒状型のものと円環型
のものが存在する。
【0003】図12は現在カメラレンズ駆動用に用いられ
ている棒状型の振動波モータの構成図を示す。図12にお
いて、aは金属製の第1の弾性体、bは金属製の第2の弾
性体、cは積層型の電気−機械エネルギー変換素子とし
ての積層圧電素子、d1はシャフト、d2はナットであり、
部品aからcは該シャフトd1及びナットd2によって所定の
挟持力が付与されるように締め付けられている。
【0004】ロータgはロータ本体の振動体側に筒状の
摩擦接触部材を嵌合した構成を有し、この摩擦接触部材
は接触幅が小さく、かつ適度なバネ性を有する構造をし
ており、この摩擦接触部材の先端面が振動体の摩擦面f
に接触する。また、ロータgの前記振動体とは反対側に
は、ロータと一緒に回転し、モータの出力を伝達するギ
アhの凹部(または凸部)と係合するよう凸部(または凹
部)が形成されている。さらに、ギアhはモータを不図示
の被取付け部に取り付けるためのフランジiにより、シ
ャフトd1のスラスト方向に位置が固定されており、前記
ロータgに加圧力を付与するための加圧バネjがこのギア
とロータとの間に設けられている。
【0005】前記積層圧電素子cは、片面側に複数の電
極が形成され、電極が2つの電極群にグループ化されて
おり、不図示の電源からそれぞれの電極群に位相の異な
る交流電界を印加すると、振動体には図13(b)に示す姿
態の直交する2つの曲げ振動が励振される(もう一方は紙
面に垂直な方向の振動)。この印加電界の位相を調整す
ることにより、2つの振動間に90度の時間的な位相差を
与えることができる。その結果、棒状振動体の曲げ振動
は振動体の軸周りに回転する。
【0006】この結果、ロータgに接触する第1の弾性
体aの上面には楕円運動が形成され、耐摩耗性を有する
摩擦面fに押圧されたロータgが摩擦駆動されるため、該
ロータg、ギアh、加圧バネjが一体となって回転する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】電気-機械エネルギー
変換素子に交流電界を印加することによって、振動体上
に同形のモードの振動を時間的に適当な位相差を有して
励起させ、該振動体の表面粒子に円又は楕円運動を行な
わしめる振動体において、安定した性能を供給するため
に、性能に大きく関与する進行波ムラを減らす手法とし
て、2つの共振周波数差Δf(=fa-fb)を10Hz≦fa-fb≦100
Hzに設定していた。Δfと駆動部各所での振動波の大き
さのばらつきの関係を図14示す。図14から分かるよう
に、A相のQ値(Qa)とB相のQ値(Qb)が同じ値の場合には、
Δfが増加すればするほど、振動波の大きさのばらつき
が大きくなることから、2つの共振周波数差を調整する
だけでは、完全に進行波ムラを無くすことができないと
いう課題を抱えていた。
【0008】また、世の中のニーズとして、更に性能を
向上させたいという要望がある。この要望に応えるため
に、進行波ムラ成分の発生の要因となる駆動部各所での
振動波の大きさのばらつきを小さくするために、減衰成
分を意図的に調整することにより(Qa/Qbの値を調整す
る)、図14に示すように振動波の大きさのばらつきを小
さくし、進行波ムラを抑え、性能を向上させることに努
めた。
【0009】また、2つの固有振動数に差を設ける手段
として、図12の現在カメラレンズ駆動用に用いられてい
る棒状型の振動体においては、2面取りという手法が採
用されていた。
【0010】しかし、この手法では、加工工程が煩雑に
なるためコストアップ要因につながり、コストが高くな
るという課題があった。世の中のニーズとして、さらに
安くしたいという要望がある。この要望に応えるため
に、給電用部材の電極パターン又は形状を非対称に構成
したり、振動体の挟持面に非対称形な金属部材を挟持固
定した。
【0011】また、第1の弾性体aを回してねじ締め用
のトルクをシャフトd1に伝達するために、第1の弾性
体aには、シャフト軸方向に窪みを持つスリットが周方
向に設けられ、このスリットにねじ締め治具を差し込ん
でねじ締めを行なうようにしており、このようにして形
成された動剛性不均一部により2つの振動系の固有振動
数に差を設けることにより、コストダウンを実現した。
【0012】本出願に係る発明の目的は、このような点
に鑑み、駆動振動のムラの原因となる駆動部各所での振
動波の大きさのばらつきを小さくすることができる振動
体を備えた振動波駆動装置を提供しようとするものであ
る。
【0013】また、本出願に係る発明の他の目的は、こ
のような点に鑑み、駆動振動のムラの原因となる駆動部
各所での振動波の大きさを自由に設定できる振動体を備
えた振動波駆動装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、電気-機
械エネルギー変換素子に交流電圧を印加することによっ
て弾性体の駆動部に同形のモードの振動を時間的に適当
な位相差を有して励起させ、該位相差を有する振動の合
成により該弾性体に駆動振動を形成する振動体を有する
振動波駆動装置において、前記2つの振動モードにおけ
る振動系の固有振動数に差を設けるとともに、固有振動
数の高い方の振動系の機械的品質係数Q値を低く設定し
たことを特徴とする。
【0015】第2の発明は、電気-機械エネルギー変換
素子に交流電圧を印加することによって弾性体の駆動部
に同形のモードの振動を時間的に適当な位相差を有して
励起させ、該位相差を有する振動の合成により該弾性体
に駆動振動を形成する振動体を有する振動波駆動装置に
おいて、前記2つの振動モードにおける振動系の固有振
動数に差を設けるとともに、該固有振動数の高い方の振
動系の振動を減衰させる部材を該振動体に付与又は付加
したことを特徴とする。
【0016】第3の発明は、上記いずれかの発明で、前
記振動体は、複数の弾性体を用いて前記電気−機械エネ
ルギー変換素子と前記電気−機械エネルギー変換素子に
給電するための給電部材とを挟持固定した構成とし、前
記振動系の固有振動数に差を設ける手段として、前記給
電用部材の電極パターン又は形状を非対称にした構成で
あることを特徴とする。
【0017】第4の発明は、上記いずれかの発明で、前
記振動体は、複数の弾性体を用いて少なくとも前記電気
−機械エネルギー変換素子を挟持固定する構成とし、前
記振動系の固有振動数に差を設ける手段として、前記振
動体の挟持面に非対称形に構成された金属部材を任意の
挟持面に少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする。
【0018】第5の発明は、上記いずれかの発明で、前
記振動体は、一端にネジ部を有するシャフトと一体の第
1の弾性体と、前記第1の弾性体に接する摩擦駆動板
と、前記摩擦駆動板とで前記電気−機械エネルギー変換
素子を挟持し前記シャフトのねじ部と螺合するねじ穴を
有する第2の弾性体とを有し、前記シャフトを前記摩擦
駆動板及び前記電気−機械エネルギー変換素子を通して
前記第2の弾性体に螺合して一体化され、前記第1の弾
性体の上部には、前記シャフトにねじ締めトルクを伝達
するために治具が嵌合する複数のスリットを前記2つの
振動系における動剛性を不均一とする位置に設けたこと
を特徴とする。
【0019】第6の発明は、上記第5の発明で、前記ス
リットは2または3個が等ピッチで円周方向に沿って設
けられていることを特徴とする。
【0020】第7の発明は、上記いずれかの発明で、前
記振動体に加圧接触する移動体を有することを特徴とす
る。
【0021】上記した第1の発明では、進行波ムラの原
因となる駆動部各所での振動波の大きさのばらつきを小
さくすることができる。
【0022】上記した第2の発明では、駆動部各所での
振動波の大きさを自由に設定することができる。
【0023】上記した第3の発明によれば、従来給電用
部材の電極パターン又は形状は、振動体において固有振
動数差を生じさせないために、電極パターンを対称にな
るように構成し、A相とB相の振動方向の中間の45度方向
に取り出し口を設けていたが、給電用部材の電極パター
ン又は形状を非対称に構成し、挟持固定することによ
り、振動体に固有振動数差を設けることができる。
【0024】以上述べてきたように、進行波ムラの原因
となる駆動部各所での振動波の大きさのばらつきを小さ
くするためには、固有振動数の高い方の機械的品質係数
Q値を低く設定する構成にしたり、振動体に減衰性の部
材を付与または付加する構成にすればよい。
【0025】また、振動体に固有振動数差を設けるため
には、給電用部材の電極パターン又は形状を非対称に構
成したり、挟持面に非対称形に構成された金属部材を配
置する構成にする。
【0026】また、第1の弾性体にシャフト軸方向に窪
みをもつスリットを円周方向に複数設けたりする構成に
すればよい。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1、図2
は本発明の第1の実施の形態である。
【0028】本第1の実施の形態では、図2(a)に示
すように、ディスク状弾性体eと第2の弾性体bにより電
気−機械エネルギー変換素子としての積層圧電素子cを
挟持固定し、圧入構造で第1の弾性体aと一体化されて
いるシャフトd1と、第2の弾性体bの両ネジ部とを結合
し、締め付けるように振動体が構成されている。
【0029】なお、振動体を一体化するための圧入構造
及び下のネジ構造部は、それぞれ、ネジ構造、テーパ構
造、圧入構造、一体加工構造、キー構造、蝋付け構造等
でもよい。
【0030】本実施の形態において、積層圧電素子c
は、圧電層と電極層を交互に複数層形成したもので、複
数の電極層において電極が2つの電極群にグループ化さ
れており、不図示の電源からそれぞれの電極群に位相の
異なる交流電界を印加すると、振動体には図2(b)に示す
姿態の直交する2つの曲げ振動が励振される(もう一方は
紙面に垂直な方向の振動)。この印加電界の位相を調整
することにより、2つの振動間に90度の時間的な位相差
を与えることができる。その結果、棒状振動体の曲げ振
動は振動体の軸周りに回転する。
【0031】これらの振動体を励振するために、積層圧
電素子cの圧電層の片面に形成される電極層は、円盤部
を略4等分する形状で電極が形成され、各電極の外端の
一部から延びる側面電極が圧電層の外端面に形成されて
いる。
【0032】積層圧電素子cは、各電極ごとに圧電層が
厚さ方向に分極が施されており、中心軸に対して対向す
る位置にある電極は互いに逆方向に分極されている。各
電極には積層圧電素子cの側面において前記側面電極が
一体的に導通され、そこに給電用のリード線が半田付け
により接続されている。
【0033】また、複数の電極層の一つには、図3に示
すように、センサ相電極を有するものがある。電極3Aが
A相電極、電極3B1及び3B2がB相電極、電極3Sがセンサ相
電極である。
【0034】積層圧電素子の電極は振動体の屈曲変形に
より歪みを生じ、圧電効果により電荷を発生する。この
電荷を電極Sより検出することで振動体の振動状態のモ
ニターが行われる。この時の周波数に対するA相圧電素
子の印加電圧とセンサ相の出力信号の位相差の関係(以
後θA-Sと称する)は、屈曲1次振動モードで振動体を駆
動すると、共振周波数frにおいて位相差θA-Sは、CW(時
計周り方向)、CCW(反時計周り方向)共にπ/2[rad]とな
り、共振周波数より高い側の周波数では徐々にずれてい
く。よって、振動を与えている時にこの位相差θA-S
値を検出することで入力の周波数と振動体の共振周波数
との関係のモニターが行え、振動体の安定した駆動が行
える。
【0035】従来、安定した駆動を行うために、2つの
共振周波数差Δf(=fa-fb)を10[Hz]≦fa-fb≦100[Hz]に
設定し、θA-Sの値を検出し、制御を行っていた。
【0036】本実施の形態では、さらに安定した駆動を
行うため、進行波ムラの原因となる駆動部各所での振動
波の大きさのばらつきを小さくするために、図1に示す
ように、固有振動数の高い方つまりA相の振動系の機械
的品質係数Q(∝Y)を低く設定した。
【0037】本実施の形態においては、A相の振動系に
おける振動体に振動減衰性に優れた部材を付与または付
加することにより機械的品質係数Qを低く設定した。
【0038】図14に示すように、A相とB相のQ値、つま
りQa/Qbの値を調整することにより、進行波ムラの原因
となる駆動部各所での振動波の大きさのばらつきを小さ
くすることができる。
【0039】(第2の実施の形態)図4は本発明の第2の
実施の形態を示す。なお、図2に示す部材と同じ部材に
は同じ符号を付してその説明を省略する。
【0040】本実施の形態では、棒状振動体において、
駆動部各所での振動波の大きさを自由に設定するため
に、第1の弾性体aとディスク状弾性体eの挟持面及
び、圧電素子cの外周部、第2の弾性体bの外周部に接
着剤又はゴムなどの減衰性の部材pを配置するように構
成した。
【0041】これらの減衰性の部材pは、A相曲げ方向
の領域に設けられている。
【0042】なお、図4は配置場所の一例であり、本発
明は図示の場所に限定されるものではない。
【0043】(第3の実施の形態)図5は本発明の第3の
実施の形態を示す。
【0044】本実施の形態では、円環型振動体におい
て、駆動部各所での振動波の大きさを自由に設定するた
めに、振動の腹位置に接着剤又はゴムなどの減衰性の部
材pを配置するように構成している。
【0045】この振動体は、リング状弾性体aの一方の
面にリング状の圧電素子cを接着したもので、リング状
の圧電素子cは、振動の波長をλとすると、例えばλ/
2の間隔で分極方向が互いに異なる複数の電極を2群有
し、両電極群の間隔をλ/4としたものである。
【0046】図5(b)は、面外3次の曲げ振動の時に減衰
性部材を配置する位置を示した一例であり、弾性体aと
圧電素子cとの間に減衰性部材pを配置しており、例え
ば円板状の部材の一部に減衰性部材pを設けている。な
お、減衰性部材pは図示の場所に限定されるものではな
い。例えば減衰性部材pを櫛歯の間に設けてもよく、ま
た櫛歯自体を減衰性部材としても良い。
【0047】この図5(b)の場合、振動の腹に減衰性の部
材pを配置していることを示している。なお、減衰性の
部材pはA相の定在波振動における腹の位置に配置され
ているものである。
【0048】また、弾性体aの上面には切り込みrを設
けることにより、振動体の2つの固有振動数に差を設け
ている。
【0049】(第4の実施の形態)図6は本発明の第4の
実施の形態である。
【0050】本発明では、棒状振動体の固有振動数差を
設ける手段として、給電用フレキ(フレキシブルプリン
ト配線板)のパターン部(ハッチング部)におけるスリッ
ト部をA相方向に設けることで、B相方向の剛性を小さく
するように構成されている。
【0051】勿論、第1の実施の形態と同様に、2つの
振動系の固有振動数に差を有し、固有振動数の高い方の
振動系における機械的品質係数Q値を他方の振動系の機
械的品質係数Q値よりも低く設定している。
【0052】(第5の実施の形態)図7は本発明の第5の
実施の形態である。
【0053】本発明では、棒状振動体の固有振動数差を
設ける手段として、給電用フレキの取り出し口をB相方
向に設けることで、A相方向の剛性を大きくするように
構成されている。すなわち、A相方向の剛性は、フレキ
の取り出し方向と垂直方向にフレキの取り出し分を曲げ
るため、A相方向の剛性が大きくなる。
【0054】勿論、第1の実施の形態と同様に、2つの
振動系の固有振動数に差を有し、固有振動数の高い方の
振動系における機械的品質係数Q値を他方の振動系の機
械的品質係数Q値よりも低く設定している。
【0055】(第6の実施の形態)図8、図9は本発明の
第6の実施の形態を示す。
【0056】本発明では、棒状振動体の固有振動数差を
設ける手段として、振動体の挟持面に、図9(a)また
は(b)に示すように、非対称形に構成された金属部材
sを、任意の挟持面に少なくとも1つ以上挟持固定するよ
うに構成しており、例えば第1の弾性体aとディスク状
弾性体eとの間、ディスク状弾性体eと圧電素子cとの
間に金属部材sを設けている。なお、図8(a)は配置場
所の一例であり、本発明は図示の場所に限定されるもの
ではない。
【0057】勿論、第1の実施の形態と同様に、2つの
振動系の固有振動数に差を有し、固有振動数の高い方の
振動系における機械的品質係数Q値を他方の振動系の機
械的品質係数Q値よりも低く設定している。
【0058】(第7の実施の形態)図10は本発明の第7
の実施の形態を示す。
【0059】本実施の形態では、第1の弾性体aを回し
てねじ締め用のトルクをシャフトd1に伝達するため
に、第1の弾性体aには、シャフト軸方向に窪みを持つ
スリットが周方向に設けられ、このスリットにねじ締め
治具を差し込んでねじ締めを行なうようにしている。図
10はスリットの形状の実施の形態である。
【0060】図10におけるスリットの形状は、(a)直
線、(b)三叉路をそれぞれ示している。(a),(b)ともに中
心点から放射状にスリットが延びる構成になっている
が、この放射状のスリットの数は、2、3本に限定される
ものではなく、第1の弾性体に剛性差を持たせるような
スリット形状になっていればよい。
【0061】勿論、第1の実施の形態と同様に、2つの
振動系の固有振動数に差を有し、固有振動数の高い方の
振動系における機械的品質係数Q値を他方の振動系の機
械的品質係数Q値よりも低く設定している。
【0062】(第8の実施の形態)図11は本発明の第8
の実施の形態を示す。
【0063】図11は上記した第1の実施の形態における
振動体を用いた振動波モータの構成図の例である。
【0064】不図示の電源から圧電素子cに時間的にπ/
2の位相差を有する交流電圧を印加すると、互いに直交
した2方向に2つの曲げ振動を励振する。この振動の合
成により、ロータgの接触するディスク状弾性体eの上端
面には円運動が形成され、耐摩耗性を有するディスク状
弾性体eに押圧されたロータgは摩擦駆動される。
【0065】d1はシャフトで、下部には振動体挟持用の
ネジが上部にはモータ固定体フランジiと結合用のネジ
が設けられている。ロータgにはロータ本体の外周部に
接触用のバネkが接着等により結合され、また該ロータ
本体の内周部に形成されたバネケース部lに加圧用コイ
ルバネjが装着されている。hは出力用ギアで、ロータ
gとラジアル方向に相対移動せぬよう嵌合結合してい
る。モータ固定体フランジiとギアhとの結合部はベアリ
ングにより構成している。mは圧電素子への給電用のフ
レキシブル基板である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、2つの振動系の固有振動数に差を設けると
ともに、固有振動数の高い方の機械的品質係数Q値を低
く設定する構成にすることにより、進行波ムラの原因と
なる駆動部各所での振動波の大きさのばらつきを小さく
することができる。
【0067】請求項2に係る発明によれば、2つの固有振
動数に差を設けるとともに、振動体に減衰性の部材を付
与又は付加する構成にすることにより、駆動部各所での
振動波の大きさを自由に設定することができる。
【0068】請求項3に係る発明によれば、給電用部材
の電極パターン又は形状を非対称に構成し、挟持固定す
ることにより、振動体に固有振動数差を設けることがで
きる。
【0069】請求項4に係る発明によれば、振動体の挟
持面に非対称形に構成された金属部材を、任意の挟持面
に少なくとも1つ以上、挟持固定する構成にすることに
より、振動体に固有振動数差を設けることができる。
【0070】請求項5、6に係る発明によれば、第1の弾
性体に設けた複数のねじ締め用のスリットにより、振動
体に固有振動数差を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動波駆動装置の第1の実施の形
態における振動体の周波数-アドミタンス曲線図
【図2】本発明に係る振動波駆動装置の第1の実施の形
態における振動体の断面図(a)および振動体の振動モ
ード図(b)
【図3】図2の圧電素子を示す図
【図4】本発明に係る振動波駆動装置の第2の実施の形
態における振動体の断面図
【図5】本発明に係る振動波駆動装置の第3の実施の形
態における振動体の斜視図(a)、および圧電素子上面
図(b)
【図6】本発明に係る振動波駆動装置の第4の実施の形
態における給電部材の構成図
【図7】本発明に係る振動波駆動装置の第5の実施の形
態における給電部材の構成図
【図8】本発明に係る振動波駆動装置の第6の実施の形
態における振動体の断面図
【図9】(a)(b)は図8の金属部材の形状図
【図10】(a)(b)は本発明に係る振動波駆動装置の第
7の実施の形態における第1の弾性体の溝の形状図
【図11】本発明に係る振動波駆動装置の第8の実施の形
態を示す断面図
【図12】従来の棒状型振動波モータの断面図
【図13】(a)は図12の振動体の断面図、(b)はその
振動モード図
【図14】本発明に係る振動体のΔf-振幅ムラ曲線図
【符号の説明】
aは第1の弾性体 nは支
持板 a2は第3の弾性体 oは中
空ボルト bは第2の弾性体 pは接
着剤又はゴム cは電気-機械エネルギー変換素子(圧電素子) qは
ベアリング d1はシャフト rは
切れ込み d2はナット sは
金属部材 eはディスク状弾性体 tは
電極材料 e2は第2のディスク状弾性体 uはポ
リイミド fは摩擦面 3Aは
A相電極 gはロータ 3B1,
3B2はB相電極 hはギア 3Sは
センサ相電極 iはフランジ jはコイルバネ kはバネ lはバネケース mはフレキシブル基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA02 AA06 BB03 BB12 BB15 BC01 CC02 CC07 DD01 DD15 DD23 DD24 DD36 DD37 DD39 DD53 DD55 DD65 DD73 DD87 DD95 EE01 EE03 FF08 FF26 FF27 FF30 FF33 GG19 GG20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気-機械エネルギー変換素子に交流電
    圧を印加することによって弾性体の駆動部に同形のモー
    ドの振動を時間的に適当な位相差を有して励起させ、該
    位相差を有する振動の合成により該弾性体に駆動振動を
    形成する振動体を有する振動波駆動装置において、 前記2つの振動モードにおける振動系の固有振動数に差
    を設けるとともに、固有振動数の高い方の振動系の機械
    的品質係数Q値を低く設定したことを特徴とする振動波
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 電気-機械エネルギー変換素子に交流電
    圧を印加することによって弾性体の駆動部に同形のモー
    ドの振動を時間的に適当な位相差を有して励起させ、該
    位相差を有する振動の合成により該弾性体に駆動振動を
    形成する振動体を有する振動波駆動装置において、 前記2つの振動モードにおける振動系の固有振動数に差
    を設けるとともに、該固有振動数の高い方の振動系の振
    動を減衰させる部材を該振動体に付与又は付加したこと
    を特徴とする振動波駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記振動体は、複数の弾性体を用いて前
    記電気−機械エネルギー変換素子と前記電気−機械エネ
    ルギー変換素子に給電するための給電部材とを挟持固定
    した構成とし、前記振動系の固有振動数に差を設ける手
    段として、前記給電用部材の電極パターン又は形状を非
    対称にした構成であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の振動波駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記振動体は、複数の弾性体を用いて少
    なくとも前記電気−機械エネルギー変換素子を挟持固定
    する構成とし、前記振動系の固有振動数に差を設ける手
    段として、前記振動体の挟持面に非対称形に構成された
    金属部材を任意の挟持面に少なくとも1つ以上設けたこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の振動
    波駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記振動体は、一端にネジ部を有するシ
    ャフトと一体の第1の弾性体と、前記第1の弾性体に接
    する摩擦駆動板と、前記摩擦駆動板とで前記電気−機械
    エネルギー変換素子を挟持し前記シャフトのねじ部と螺
    合するねじ穴を有する第2の弾性体とを有し、前記シャ
    フトを前記摩擦駆動板及び前記電気−機械エネルギー変
    換素子を通して前記第2の弾性体に螺合して一体化さ
    れ、前記第1の弾性体の上部には、前記シャフトにねじ
    締めトルクを伝達するために治具が嵌合する複数のスリ
    ットを前記2つの振動系における動剛性を不均一とする
    位置に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれ
    かに記載の振動波駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記スリットは2または3個が等ピッチ
    で円周方向に沿って設けられていることを特徴とする請
    求項5に記載の振動波駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記振動体に加圧接触する移動体を有す
    ることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の
    振動波駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9282001B2 (en) 2007-03-05 2016-03-08 Grid Net, Inc. Policy based utility networking
JP2016182019A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 キヤノン株式会社 振動型駆動装置及び撮像装置
JP2018100139A (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 シンフォニアテクノロジー株式会社 らせん型ワーク搬送装置およびパーツフィーダ
JP2018127287A (ja) * 2017-02-06 2018-08-16 シンフォニアテクノロジー株式会社 ワーク搬送装置

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