JP2003161163A - オイルのエアレーション防止構造 - Google Patents

オイルのエアレーション防止構造

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JP2003161163A JP2001358641A JP2001358641A JP2003161163A JP 2003161163 A JP2003161163 A JP 2003161163A JP 2001358641 A JP2001358641 A JP 2001358641A JP 2001358641 A JP2001358641 A JP 2001358641A JP 2003161163 A JP2003161163 A JP 2003161163A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの補機について剛性を高くできると
ともに、補機の組立性も良好なオイルのエアレーション
防止構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 クランクの下方に配置されたバランサシ
ャフト25を駆動するスプロケット26がオイルパン3
内の油面L2の下に浸漬した状態で回転し、スプロケッ
ト26の外周下方を隔てる周壁からなる外周隔壁31
と、スプロケット26の内面側を隔てる内面隔壁(2
4,33)とを備えてスプロケット26の収容部が構成
されたエンジンにおいて、内面隔壁(24,33)は、
バランサシャフト25のハウジング2に設けられた締結
手段の締結ボス部53aに一体に成形された仕切り壁2
4を含んで構成されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン内のオイ
ルのエアレーション防止構造に関し、特にオイルパン内
の油面下に浸漬した状態で回転する歯車部材を有するエ
ンジンにおけるオイルのエアレーション防止構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの潤滑に使用されるオ
イルは、エンジンブロックの最下部に取り付けられるオ
イルパン内に貯留され、このオイルがオイルポンプによ
り強制的にエンジンブロック内のオイル通路内を通り、
潤滑が必要な部分に供給されている。そして、潤滑に利
用された後のオイルは、再びオイルパン内に戻るように
循環している。エンジン内でオイルによる潤滑が必要な
部分の一つとして、クランクシャフトに設けられたドラ
イブ側スプロケットから、オイルポンプや、バランサシ
ャフト等のドリブン側スプロケットに巻き掛けられるチ
ェンがあげられる。このバランサシャフト等を回転駆動
するためのチェンを潤滑する方法には、前記オイルポン
プで圧送されたオイルをオイル通路に通してジェット状
に吹き付けたり、クランクシャフトや動弁室で利用した
オイルを滴下するようにしたりする等、種々の方法があ
るが、一般にオイルポンプやバランサシャフトがエンジ
ンブロックの下方に位置することを利用して、オイルパ
ンに貯留しているオイル(以下「貯留オイル」とい
う。)に直接チェンを接触させることで潤滑を行うのが
簡易な潤滑方式として利用されている。
【0003】ところで、前記潤滑方式でチェンを貯留オ
イルに直接接触させるためには、エンジンの運転状態で
ドリブン側スプロケットと前記チェンが油面下に浸漬し
ている必要があるが、このようなレイアウトでは、貯留
オイルを高速で走行するチェン及び高速で回転するドリ
ブン側スプロケットでかき混ぜることになり、オイルに
空気が混ざって泡が発生(エアレーション)する。オイ
ルに発生した泡は、多少であれば次第に消滅するので問
題はないが、多量に発生するとオイルの吸入口から吸い
込まれ、オイルポンプの効率に悪影響を及ぼすおそれが
あった。
【0004】そのため、特開2000−199436号
公報に記載された発明では、伝動手段(チェン)が置か
れた空間とオイルポンプの吸入口が置かれた空間とを隔
てる仕切り壁を設け、前記伝動手段のうちの前記オイル
ポンプの駆動軸に設けられた歯車部材が通過しうる孔を
前記仕切り壁に設け、かつ前記仕切り壁に前記歯車部材
を受容するカバーを接合すると共に、この孔を塞ぐバッ
フル部材を前記オイルポンプに設けた構造としている。
このような構造によれば、伝動手段とオイルポンプの吸
入口とが仕切り壁によって隔てられるために伝動手段に
よるオイルの撹拌作用の影響が吸入口に及ぶことが回避
されるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した特開
2000−199436号公報の発明では、バッフル部
材が補機としてのオイルポンプと別体に形成されている
ので、部品点数が増加してしまう。
【0006】また、チェンに等の伝動手段によりスプロ
ケット等の歯車部材を駆動する場合には、歯車部材に非
常に大きな力が掛かるので、ハウジングに設けられた締
結手段の締結ボス部の剛性向上が望まれる。特に、エン
ジンの振動を低減するバランサシャフトを回転しようと
するときには、変動するエンジン回転に応じて、エンジ
ンの振動を相殺する錘を有するシャフトも、前記伝動手
段で回転させなければならないため、バランサシャフト
を支持する軸受部は高い強度と剛性が必要とされてい
る。
【0007】さらに、近年では、自動車等のエンジンを
搭載するための本体の軽量化が必要とされており、オイ
ルのエアレーション防止構造を形成するにも、最小限の
重量で構成することが望まれている。
【0008】そこで、本発明では、エンジンの補機につ
いて剛性を高くできるとともに、補機の組立性も良好な
オイルのエアレーション防止構造を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決すべ
く、本発明の請求項1では、クランク軸の下方に配置さ
れた補機を駆動する歯車部材がオイルパン内の油面下に
浸漬した状態で回転し、前記歯車部材の収容部が前記歯
車部材の外周下方を隔てる周壁からなる外周隔壁と、前
記歯車部材の内面側を隔てる内面隔壁とを備えて構成さ
れたエンジンのオイルのエアレーション防止構造におい
て、前記内面隔壁は、前記補機のハウジングに設けられ
た締結手段の締結ボス部に一体に成形された仕切り壁を
含んで構成されたことを特徴とした。
【0010】このようなオイルのエアレーション防止構
造によれば、歯車部材の内面側を隔てる内面隔壁が、補
機のハウジングに設けられた締結手段の締結ボス部に一
体に成形されているので、部品点数を増やすことなく締
結ボス部の剛性を向上し、締結剛性を向上することがで
きる。なお、歯車部材の内面側とは、一般にオイルポン
プの吸入口等が位置するエンジンの中心側の面をいう。
【0011】また、本発明の請求項2では、請求項1記
載のオイルのエアレーション防止構造において、前記補
機は、エンジンの振動を低減させるバランサシャフトで
あり、前記締結手段は、前記バランサシャフトの軸受部
を構成する上ハウジングと下ハウジングとを前記バラン
サシャフト軸の両側で締結するよう配置され、前記外周
隔壁は、前記オイルパンと一体に成形された断面U字の
周壁であり、前記外周隔壁と前記軸受部とは、前記バラ
ンサシャフトの軸方向の位置に関して互いに重なるよう
に配置され、前記内面隔壁は、前記歯車部材と前記バラ
ンサシャフトの軸受部との間に、前記外周隔壁から立設
された仕切りリブをも含んで構成されたことを特徴とす
る。
【0012】このようなオイルのエアレーション防止構
造によれば、特に剛性が必要とされるバランサシャフト
に対する上ハウジングと下ハウジングとの締結部分を高
い剛性にすることができる。また、断面U字の外周壁に
より、組立状態において歯車部材の上方は開放されるの
で、組立時にも外周壁が成形されたオイルパンを、外周
壁と歯車部材が合うよう下方から近づけていくだけで、
組み合わせることができる。この場合に、軸受部と外周
隔壁とは前記バランサシャフトの軸方向の位置に関して
重なるように配置されているので、前記歯車部材の収容
部で発生した泡がオイルポンプの吸入口のあるエンジン
の中心の方へ漏れにくいとともに、バランサシャフトの
軸受部を歯車部材に近接可能で歯車部材の安定した支持
が可能となる。
【0013】また、本発明の請求項3では、請求項2記
載のオイルのエアレーション防止構造において、前記エ
ンジンは、前記バランサシャフトの上ハウジングとクラ
ンクケースとが水平に対し斜めの合わせ面で締結される
場合において、前記歯車部材は、前記クランク軸の回転
がチェンにより伝達されるスプロケットであり、前記外
周隔壁からは、前記チェンの進行方向に沿って油面より
上まで延出した掻揚壁が形成され、前記掻揚壁に対し、
前記スプロケットを挟んだ反対側に位置する前記上ハウ
ジングの側壁には、前記チェンの張りを調整するチェン
テンショナが配置され、前記合わせ面は前記掻揚壁側が
低く、前記チェンテンショナ側が高くなるように傾斜し
ていることを特徴とする。
【0014】このようなオイルのエアレーション防止構
造によれば、チェンの進行方向に沿って外周隔壁から掻
揚壁が延出し、この掻揚壁が油面より上まで位置してい
るのでチェンがオイルにぶつかってできた泡が直接オイ
ルパン内のオイルに混入されず、上方に掻き揚げられた
後、オイルパン内に落下するようになる。従ってオイル
の泡が消滅しやすく、オイルポンプの吸入口の方へ行く
こともない。また、バランサシャフトの上ハウジングと
クランクケースとが水平に対して斜めの合わせ面で締結
される場合において、歯車部材であるスプロケットに対
し前記掻揚壁側が低く、反対側を高くすることで、掻揚
壁とはスプロケットを挟んでの反対側の上ハウジングの
側壁に部品の設置スペースができ、ここにコンパクトに
チェンテンショナ及びそのアクチュエータを配置するこ
とができる。この結果、軽量かつ剛性の高いオイルのエ
アレーション防止構造とすることができる。なお、請求
項2において、バランサシャフトの軸方向の位置に関し
て互いに重なるというのは、バランサシャフトの軸方向
に垂直な面に沿って見た場合に2つの部分が互いに重な
って見えることをいう。また、外周隔壁は、チェンの進
行方向側は、油面より上まで延出させて掻揚壁を形成す
るが、逆側(チェンテンショナ側)は、油面付近まで外
周隔壁を形成させれば十分である。即ち、チェンテンシ
ョナに干渉しない範囲で高く延ばしても良いし、オイル
に発生した泡が入る側であり、出てくるわけではないの
で、油面より多少下までしか延びていなくても構わな
い。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形
態に係るバランサシャフトのハウジングとオイルパンを
示す分解斜視図であり、図2はエンジンの使用状態にお
けるバランサシャフトのハウジングとオイルパンの拡大
斜視図である。また、図3は、実施の形態に係るバラン
サシャフトのハウジングとオイルパンをクランク軸方向
から見た正面図である。なお、図1においては、オイル
パンにオイルが入っていない状態で示している。図1及
び図2に示すように、バランサシャフト25が収納され
るハウジング2は、クランク軸41(図3,4参照)を
支持するクランクケース4の下方に固定され、このハウ
ジング2を覆うように形成されたオイルパン3がクラン
クケース4の下に固定されている。オイルパン3には、
オイルLが貯留されている。オイルLは、エンジンEの
停止時において油面L1(破線)がバランサシャフト2
5の軸の上辺りに位置し、エンジンEの運転時におい
て、油面L2(実線)がバランサシャフト25の軸心辺
りに位置するように貯留されている。バランサシャフト
25の軸端には、歯車部材であるスプロケット26が固
定されており、クランク軸41の一端(以下、「前側」
という)に固定されたスプロケット42との間でチェン
45が巻き掛けられることにより、クランク軸41の回
転に従って、バランサシャフト25が回転されるように
なっている。
【0016】図4に示すエンジンの縦断面図のように、
ハウジング2は、主として上半分を構成する上ハウジン
グ21と、下半分を構成する下ハウジング22の2つを
締結固定し、これら上ハウジング21と下ハウジング2
2の前側の側壁にポンプカバー23を締結固定すること
により構成されている。ハウジング2の内部には、スプ
ロケット26が固定された前記バランサシャフト25が
収納されているとともに、図示はしないが、前記バラン
サシャフト25と歯合して回転されるもう一本のバラン
サシャフトと、オイルポンプのロータが回転可能に収納
されている。前記バランサシャフト25は、この2つの
部材の合わせ面2aに軸心が位置し、合わせ面2aの一
端から軸端部25aが露出している。また、バランサシ
ャフト25は、前記軸端部25aを支持する軸受部51
a、52aを含め、複数の軸受部51b〜51d、52
b〜52dにより回転可能に支持されている。上ハウジ
ング21と下ハウジング22とは、前記軸受部51a〜
51d、52a〜52dのバランサシャフト25を挟ん
だ左右で締結手段であるボルト91により締結されてい
る(図2参照)。
【0017】下ハウジング22の前記オイルポンプのロ
ータが収納される側壁には、ポンプカバー23が締結さ
れている(図2参照)。下ハウジング22とポンプカバ
ー23の間に形成されるポンプ室の中には、図示しない
トロコイド式のオイルポンプが構成されている。図4に
示すように、このオイルポンプは下ハウジング22の底
壁に設けられたオイルストレーナ28からオイルを吸入
し、エンジン各部へと圧送するようになっている。前記
オイルストレーナ28は、オイルパン3のほぼ中央で下
方へ向けてその吸入口28aが開口されている。
【0018】バランサシャフト25は、ピストン(図示
せず)の往復運動に起因して発生するエンジンEの二次
振動を低減するためのシャフトである。バランサシャフ
ト25には、回転軸から重心が偏倚した複数のウエイト
25bが配置され、このウエイト25bをクランク軸に
対し2倍の角速度で回転させることで、前記二次振動が
相殺されるようになっている。バランサシャフト25の
一端は前記ハウジング2から露出し、その軸端にバラン
サシャフト25を回転駆動するためのスプロケット26
が締結固定されている。スプロケット26は、前記チェ
ン45により、回転駆動され、チェン45は、図3にお
いて右回りに回転する。
【0019】オイルパン3は、ハウジング2を下から覆
い包むようにしてクランクケース4の下に締結固定され
ている。オイルパン3の前側は、クランクケース4から
張り出して、前記スプロケット26を囲む部屋を形成
し、その張り出した部分の上にチェンカバー46が合わ
せられることで、チェンケース47が形成されている
(図4参照)。
【0020】チェンケース47の最下部を形成するオイ
ルパン3の前側は、スプロケット26の外周から所定距
離に、断面U字の外周隔壁31が形成され、スプロケッ
ト26の下方を隔てている。図2に詳細に示したよう
に、外周隔壁31は、オイルパン3の外壁の一部により
形成されており、外周隔壁31はスプロケット26より
も所定距離内側まで延在し、下方に続くオイルパン3の
外壁へ連続している。この外周隔壁31の内側端、即
ち、スプロケット26の内面側より所定距離内側の位置
には、外周隔壁31から一定高さの仕切りリブ33が外
周隔壁31の縁に沿って連続して形成されている。この
ように、外周隔壁31は、断面U字形で上方が開放され
ている。このため、図3に示すように、ハウジング2が
組み付けられたクランクケース4にオイルパン3を組み
合わせるときには、オイルパン3を下方からまっすぐク
ランクケース4に近づけるだけで組み合わせることがで
き、スプロケット26の周りの構成物とスプロケット2
6の干渉を避けるための特別な動作は不要である。
【0021】外周隔壁31の上端のうち、チェン45の
回転方向側は、チェン45の進行方向に沿って延出して
掻揚壁32が形成されている。掻揚壁32は、少なくと
もエンジンの運転時の油面よりも高い位置まで延在して
いる(図3参照)。望ましくは、エンジンの停止時の油
面よりも高い位置まで延在しているのが良い。
【0022】図5は、図4のX−X線断面図であり、ハ
ウジング2を上方から見た図である。ハウジング2は、
前記した軸受部51a,51b,52a,52bの左右
を締結する締結ボス部53a,53bに加え、締結ボス
部53a,53bから所定距離側方に、ハウジング2を
前記クランクケース4に固定するための締結ボス部53
fが設けられている。そして,締結ボス部53fは、締
結ボス部53aと補強リブ54aにより連結されて補強
され、締結ボス部53bと補強リブ54bにより補強さ
れている。この補強リブ54aにより締結ボス部53b
はより締結剛性が高くなる。
【0023】前記上ハウジング21の締結ボス部54a
には、掻揚壁32側の前記仕切りリブ33の略上方に位
置する部分にスプロケット26とオイル室を隔てる仕切
り壁24が突出して形成されている。これらの外周隔壁
31、掻揚壁32、仕切りリブ33、仕切り壁24によ
って、前記チェンケース47とオイルの吸入口28aが
位置するオイル室とは隔てられて収容部を形成している
が、完全に仕切られてはいない。つまり、図4に示した
ように、仕切りリブ33と下ハウジング22(ハウジン
グ2)、仕切り壁24と仕切りリブ33若しくは掻揚壁
32とはそれぞれ隙間が開いており、チェンケース47
の下端には常にオイルLが浸入し、貯留している。エン
ジン運転時においても、回転数により違いはあるが、お
よそスプロケットの半分程度がオイルLに浸漬するよう
にオイルが浸入する。なお、外周隔壁31とハウジング
2とは、バランサシャフト25の軸方向に関し、即ち、
平面視において重なるように配置され、この結果、収容
部で発生した泡はオイルLの吸入口28aのあるオイル
パン3の中心の方へ漏れにくく、また、バランサシャフ
ト25の軸受部51a,52aをスプロケット26に近
づけて、大きな荷重が掛かるスプロケット26を安定し
て支持することが可能となる。
【0024】エンジンEは、図示しないシリンダが傾斜
した状態で車両に搭載されるので、図3に示すように、
クランクケース4とハウジング2との合わせ面44が水
平面に対して傾斜した状態で使用される。前記掻揚壁3
2とスプロケット26を挟んで反対側には、チェン45
の張りを調整するチェンテンショナ48が配置されてい
る。チェンテンショナ48は、チェン45のラインから
側方に離れた位置の回動軸48bで回動可能に支持さ
れ、アクチュエータ48cにより弓形の接触部48aを
チェン45のラインに一定荷重で押圧されている。アク
チュエータ48cは、ハウジング2(ポンプカバー2
3)の側壁に2つのボルト91で締結固定され、前記オ
イルポンプの油圧を利用してチェンテンショナ48を押
圧駆動するように構成されている。
【0025】このように、前記合わせ面44の低い側に
のみ掻揚壁32を設け、掻揚壁32とスプロケット26
を挟んで反対側、すなわち、合わせ面44が高い側に掻
揚壁32に相当する隔壁を設けず、チェンテンショナ4
8及びこれを駆動するアクチュエータ48cを配置した
ので、チェンテンショナ48を低い位置にコンパクトに
配置することが可能となっている。また、この結果アク
チュエータ48cがクランクケース4に跨らず、ハウジ
ング2の側壁に締結することが可能になったので、ハウ
ジング2にアクチュエータ48cを組み付けた後にクラ
ンクケース4とハウジング2を組み合わせるという組立
方法も可能となり、組立の自由度を増している。
【0026】以上のように構成されたエンジンEのオイ
ルのエアレーション防止構造によれば、エンジンEを回
転したときに、外周隔壁31、仕切りリブ33及び仕切
り壁24で構成された収容部内のオイルがチェン45に
より撹拌されて、泡が発生するものの、図2、図4に示
すように、内側隔壁である仕切りリブ33、仕切り壁2
4、外周隔壁31により囲まれているので、前記したオ
イルの吸入口28aのあるオイルパン3の中央の方へは
泡が漏れることがなく、エアレーションによる悪影響を
防止することができる。また、発生した泡は、チェン4
5に引きずられて外周隔壁31に沿って流されるが、外
周隔壁31から掻揚壁32が油面L2より上まで延出し
ているので、泡がオイルL内に直接入らず、上に飛散さ
れた後オイルL内に戻るように作用し、オイルL内に泡
が多量に発生するのが防止され、エアレーションによる
悪影響を防止することができる。
【0027】以上本発明の実施の形態について説明した
が、本発明は前記実施の形態には限定されない。例え
ば、外周隔壁31は、オイルパン3の外壁と共用する必
要は無く、オイルパン3の外壁から内側に向けて突出し
たリブにより構成することもできる。また、外周隔壁3
1、掻揚壁32、仕切りリブ33は、必ずしもオイルパ
ン3と一体に形成する必要は無く、ハウジング2から突
出させて形成させることもできる。このようにすれば、
よりハウジング2の締結ボス部53aの剛性を高くする
ことができる。さらに、歯車部材は、必ずしもチェンの
スプロケットである必要は無く、平歯車やはすば歯車な
どの歯車同士がかみ合う歯車であっても構わない。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、以
下のような顕著な効果を奏する。請求項1記載の発明に
よれば、部品点数を増やすことなく補機のハウジングの
締結ボス部の剛性を向上することができる。また、請求
項2記載の発明によれば、特に剛性が必要とされるバラ
ンサシャフトのハウジングの締結部分の剛性を高くする
ことができるとともに、オイルパンと前記ハウジングの
組み合わせを容易にすることができる。また、請求項3
記載の発明によれば、オイルパン内に泡が多量に発生す
るのを防止することができるとともに、チェンテンショ
ナをコンパクトに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るバランサシャフト
のハウジングとオイルパンを示す分解斜視図である。
【図2】エンジンの使用状態におけるバランサシャフト
のハウジングとオイルパンの拡大斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るバランサシャフト
のハウジングとオイルパンをクランク軸方向から見た正
面図である。
【図4】エンジンの縦断面図である。
【図5】図4におけるX−X線断面図である。
【符号の説明】
2 ハウジング 3 オイルパン 24 仕切り壁 26 スプロケット 31 外周隔壁 33 仕切りリブ 41 クランク軸 E エンジン L オイル L2 油面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 7/00 302 F02F 7/00 302A F16F 15/26 F16F 15/26 H F16N 31/00 F16N 31/00 C (72)発明者 遠藤 祐介 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G013 AA07 BC05 BC08 BD41 3G024 AA65 BA29 DA26 FA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の下方に配置された補機を駆
    動する歯車部材がオイルパン内の油面下に浸漬した状態
    で回転し、 前記歯車部材の収容部が前記歯車部材の外周下方を隔て
    る周壁からなる外周隔壁と、 前記歯車部材の内面側を隔てる内面隔壁とを備えて構成
    されたエンジンにおいて、 前記内面隔壁は、前記補機のハウジングに設けられた締
    結手段の締結ボス部に一体に成形された仕切り壁を含ん
    で構成されたことを特徴とするオイルのエアレーション
    防止構造。
  2. 【請求項2】 前記補機は、エンジンの振動を低減させ
    るバランサシャフトであり、 前記締結手段は、前記バランサシャフトの軸受部を構成
    する上ハウジングと下ハウジングとを前記バランサシャ
    フトの両側で締結するよう配置され、 前記外周隔壁は、前記オイルパンと一体に成形された断
    面U字の周壁であり、 前記外周隔壁と前記軸受部とは、前記バランサシャフト
    の軸方向の位置に関して互いに重なるように配置され、 前記内面隔壁は、前記歯車部材と前記バランサシャフト
    の軸受部との間に、前記外周隔壁から立設された仕切り
    リブをも含んで構成されたことを特徴とする請求項1記
    載のオイルのエアレーション防止構造。
  3. 【請求項3】 前記エンジンは、前記バランサシャフト
    の上ハウジングとクランクケースとが水平に対し斜めの
    合わせ面で締結される場合において、 前記歯車部材は、前記クランク軸の回転がチェンにより
    伝達されるスプロケットであり、 前記外周隔壁からは、前記チェンの進行方向に沿って油
    面より上まで延出した掻揚壁が形成され、 前記掻揚壁に対し、前記スプロケットを挟んだ反対側に
    は、前記チェンの張りを調整するチェンテンショナが配
    置され、 前記合わせ面は前記掻揚壁側が低く、前記チェンテンシ
    ョナ側が高くなるように傾斜していることを特徴とする
    請求項2記載のオイルのエアレーション防止構造。
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