JP2003160898A - マグネシウム材の着色方法およびこれにより着色されたマグネシウム材製筐体 - Google Patents

マグネシウム材の着色方法およびこれにより着色されたマグネシウム材製筐体

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JP2003160898A
JP2003160898A JP2002037694A JP2002037694A JP2003160898A JP 2003160898 A JP2003160898 A JP 2003160898A JP 2002037694 A JP2002037694 A JP 2002037694A JP 2002037694 A JP2002037694 A JP 2002037694A JP 2003160898 A JP2003160898 A JP 2003160898A
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靖雄 長沼
Masami Tsutsumi
正巳 堤
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネシウムまたはマグネシウム合金の陽極
酸化膜に対して、塗装処理を行うことなく良好に着色す
ることが可能であって、彩色の剥離を回避可能な着色方
法、および、これにより着色されたマグネシウム材製筐
体を提供すること。 【解決手段】 マグネシウム材の着色方法において、マ
グネシウム製またはマグネシウム合金製の基材の表面を
陽極酸化処理することによって、基材の表面に対して白
色の陽極酸化膜を設ける陽極酸化工程S13を含み、陽
極酸化膜に対して無塗装着色を施すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノートパソコン筐
体などの構成材料に使用されているマグネシウムまたは
マグネシウム合金(以下、この両者を含めて「マグネシ
ウム材」と記載する)の着色方法、および、これにより
着色されているマグネシウム材製筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノートパソコンなどの電気・電子
機器では、軽量化および薄型化の観点より、マグネシウ
ム材製の筐体が多用されている。特にB5サイズ以下の
モバイル型ノートパソコンで、その傾向が強い。図7
は、マグネシウム材により作製した携帯機器筐体の一例
を表す。具体的にはノートパソコン筐体におけるLCD
カバーである。マグネシウム材は、放熱性が高いので、
ノートパソコンの筐体構成材料に採用される場合におい
ては、製品の軽量化および薄型化に資するのみならず、
CPUないしMPUの高速化に伴う発熱の問題に対処す
るうえでも好適である。
【0003】マグネシウム材すなわちマグネシウムまた
はマグネシウム合金は、大気中で容易に酸化されるとい
う性質を有する。そのため、機器筐体として使用される
場合などにあっては、実用的には、マグネシウム材の表
面に対し、何らかの処理を施して耐食性を付与する必要
がある。
【0004】そのような耐食性付与手段の一つとして、
化成処理が知られている。化成処理では、所定の薬液に
マグネシウム材を浸漬することによって、材料表面に皮
膜が形成される。しかしながら、化成処理は、マグネシ
ウムまたはマグネシウム合金表面で自発的に生じる化学
反応を利用するものであり、膜厚制御において自由度に
乏しい。また、皮膜は薄く形成される傾向にある。その
ため、このような化成処理皮膜のみによっては、マグネ
シウム材表面の耐食性を充分な程度にまで向上させるこ
とは困難である。
【0005】一方、化成処理によるよりも厚い皮膜を形
成できる表面処理技術として、陽極酸化処理が知られて
いる。例えば特開平11−256394号公報は、アル
ミニウム材表面を陽極酸化する技術を開示しているとこ
ろ、このような陽極酸化技術は、マグネシウム材の耐食
性を向上させる目的においても採用されている。しかし
ながら、マグネシウム材に対する従来の陽極酸化処理に
よると、マグネシウム材表面に黒色、緑色または褐色を
呈した酸化膜が形成され、それらは一般に濃色である。
そのため、陽極酸化処理を経たマグネシウム材に対して
デザイン性の高い彩色を施すためには、酸化膜上に、当
該酸化膜が有する濃呈色からの影響を受けにくい有機塗
装を施さなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機塗
装が施されたマグネシウム材製品は、リサイクル過程に
おいてそのまま高温加熱に付されると、塗膜が燃焼され
ることにより有機系の有毒ガスを発生してしまう。マグ
ネシウム材上の酸化膜の呈色が濃いほど、有機塗膜は厚
くなり、塗膜が厚いほど、ガスの発生量は増大する。こ
のような不具合を回避するためには、製品のリサイクル
過程において、溶剤を用いて或いはウエットブラスト処
理により、有機塗膜を剥離する必要があり、作業環境の
劣悪化や作業工程数の増加という問題を招来してしま
う。また、有機塗膜は、膜質の劣化により材料表面から
剥離し易くなるところ、このような剥離は製品のデザイ
ン上好ましくない。
【0007】本発明は、このような事情のもとで考え出
されたものであって、従来の問題点を解消ないし軽減す
ることを課題とし、マグネシウム材の陽極酸化膜に対し
て塗料による塗装処理を行うことなくマグネシウム材を
良好に着色することが可能であって、彩色の剥離を抑制
可能な着色方法、および、これにより着色されたマグネ
シウム材製筐体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
るとマグネシウム材の着色方法が提供される。この方法
は、マグネシウム製またはマグネシウム合金製の基材の
表面を陽極酸化処理することによって、基材の表面に陽
極酸化膜を設ける陽極酸化工程を含み、陽極酸化膜に対
して無塗装着色を施すことを特徴とする。
【0009】このような構成によると、塗料による塗装
処理を行うことなく、マグネシウム材の陽極酸化膜を良
好に着色することができる。そのため、マグネシウム材
製品のリサイクル過程において、製品製造時に塗装処理
を行う場合に生じていた作業環境の劣悪化や作業工程数
の増加という上述の従来の問題は回避される。また、着
色に際して塗料が用いられないので、マグネシウム材表
面からの塗膜の剥離は回避される。
【0010】本発明の好ましい実施の形態においては、
陽極酸化工程の陽極酸化処理において、顔料を含む電解
液を使用し、当該顔料を取込みつつ陽極酸化膜を設ける
ことによって無塗装着色を達成する。このような構成に
よると、陽極酸化処理と同時にマグネシウム材を着色す
ることができるので、マグネシウム材製品の製造におい
て作業効率を向上することが可能となる。また、電解液
に懸濁しておく顔料の種類および量を適宜調節すること
によって、多彩な着色を達成することも可能である。
【0011】好ましくは、顔料は無機顔料であり、特に
パール顔料が好ましい。或は、顔料は、体質顔料を染料
で染色したレーキ顔料である。このような顔料を用いて
無塗装着色を達成することにより、マグネシウム材製品
のリサイクル過程において、製品製造時に塗装処理を行
う場合に生じていた作業環境の劣悪化や作業工程数の増
加という上述の従来の問題を回避することが確保され
る。また、顔料の平均粒径は、好ましくは5nm〜50
μmであり、より好ましくは5nm〜500nmであ
る。顔料が微粒子であるほど、陽極酸化膜を緻密に着色
することができ、好ましい。
【0012】本発明の他の好ましい実施の形態において
は、当該着色方法は、更に、陽極酸化膜の表面に対して
活性化処理を施す活性化工程と、活性化された陽極酸化
膜の表面を染料で染色することによって無塗装着色を達
成する染色工程とを含む。このような構成によると、活
性化処理により、陽極酸化膜の表面は、染料による染色
作用に対する感受性が高められ、染色工程により、その
ような活性酸化膜表面が染色される。染色によるこのよ
うな無塗装着色によると、マグネシウム材を効率よく且
つ良好に着色することができる。
【0013】好ましくは、活性化工程において、陽極酸
化膜の表面に対して錯化剤またはピロリン酸塩を作用さ
せることによって、当該陽極酸化膜表面を粗化する。或
は、活性化工程において、陽極酸化膜の表面に対して、
アミノ基を有するシラン系カップリング剤を作用させる
ことによって、当該陽極酸化膜表面を化学修飾するのが
好ましい。このような粗面化または化学修飾により、陽
極酸化膜表面を適切に活性化することが可能である。
【0014】本発明において、好ましくは、陽極酸化処
理に使用される電解液は、アルミン酸ナトリウム、メタ
ケイ酸ナトリウム、およびケイ酸ナトリウムよりなる群
から選択される。このような構成によると、白色を呈す
る陽極酸化膜が形成され得る。顔料や染料の色調が引き
立つので、白色の陽極酸化膜は好ましい。
【0015】好ましくは、更に、無塗装着色が施された
陽極酸化膜に対して、無機コーティング剤によるクリア
コーティングを行う工程を含む。このような構成により
陽極酸化膜上にクリアコートが形成されると、陽極酸化
膜の保護が図られるとともに陽極酸化膜表面に光沢が付
与され、且つ陽極酸化膜が封孔処理されることとなる。
【0016】本発明の第2の側面によると、第1の側面
に関して上述したいずれかの構成を備えるマグネシウム
材の着色方法により着色されているマグネシウム材製筐
体が提供される。このような本発明の第2の側面によっ
ても、第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏
される。したがって、所望する濃度の色調で良好に着色
されている携帯機器筐体などのマグネシウム材製筐体を
得ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に係るマグネシウム材の着色方法におけるフローチャー
トである。本実施形態は、脱脂工程S11と、第1水洗
工程S12と、陽極酸化工程S13と、第2水洗工程S
14と、窒素ブロー工程S15と、コーティング工程S
16と、焼付け工程S17とを含む。
【0018】本発明で用いられる基材は、マグネシウム
製またはマグネシウム合金製であるところ、マグネシウ
ム合金としては、例えば、Mg−Al合金、Mg−Al
−Zn合金、Mg−Al−Mn合金、Mg−Zn−Zr
合金、Mg−希土類元素合金、Mg−Zn−希土類元素
合金などを用いることができる。より具体的には、AZ
91D合金、AZ31合金、AZ61合金、AM60合
金、AM120合金などを用いることができる。これら
のようなマグネシウム材から、例えば図7に示すような
所定の成形体を作製した後、着色が施される。
【0019】本実施形態では、着色対象である基材に対
して、まず、脱脂工程S11において脱脂処理を施す。
脱脂処理は、アセトンおよびこれに続いてアルカリ処理
剤に基材を浸漬することによって行うことができる。ア
ルカリ処理剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができ
る。これに代えて、脱脂処理は、基材表面に界面活性剤
を作用させることによっても行うことができる。界面活
性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどを用いることができる。
【0020】次に、第1水洗工程S12において、上述
の脱脂工程S11を経た基材を流水でよく洗浄し、脱脂
処理で使用した薬剤を除去する。
【0021】次に、陽極酸化工程S13において、基材
表面に対して陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理に使用
する電解液は、酸化膜形成用の種々の試薬および着色用
の顔料を含む。酸化膜形成試薬としては、例えばアルミ
ン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウムなど、白色陽極酸化膜の形成に好適な試薬を用い
る。顔料としては、パール顔料などの無機顔料や、レー
キ顔料を用いるのが好ましい。レーキ顔料は、例えば、
水酸化アルミニウムや酸化チタンなどのいわゆる体質顔
料を染料で染め付けた顔料である。顔料としては、ベン
ガラ(Fe23)、朱(HgS)、カドミウム赤(Cd
SまたはCdSe)、黄鉛(PdCrO4)、群青(2
Al2Na4Si3104)、コバルト青(CoO・nA
23)、コバルト紫(Co3(PO42)、カーボン
ブラックなどの無機顔料を用いてもよい。このような無
機顔料を用いて着色が施されるマグネシウム材製品は、
リサイクル過程における燃焼によっても有機系有毒ガス
を殆ど発生せず、環境対応型のマグネシウム材製品とし
て極めて好ましい。また、本実施形態では、顔料粒子の
平均粒径は5nm〜500nmである。電解液は、これ
らの成分を含んで電解時に火花放電を生じるように調製
されている。
【0022】図2は、陽極酸化処理装置の模式図であ
る。電源1の一方の端子に着色すべき基材2を電気的に
接続し、他方の端子にステンレス電極またはカーボン電
極3を電気的に接続し、これらを一対の電極として上述
の電解液4に浸漬した状態で当該電極間に交流電圧を印
加する。このとき、電流密度は0.5〜5A/dm2
範囲とする。電流密度が小さすぎると火花放電が生じに
くくなり、大きすぎると酸化膜表面が粗くなる。電解液
温度は15〜60℃の範囲とする。15℃以下では酸化
膜形成速度が有意に低下する傾向にあり、60℃以上で
は形成される酸化膜の表面粗さが過大になる傾向にあ
る。また、電解液において顔料を均一に分散させるた
め、例えばマグネティックスターラー5により電解液は
攪拌されている。陽極酸化処理においては、基材電極が
陽極である時に基材表面にて火花放電が生じ、基材表面
にて陽極酸化膜が次第に成長形成されていく。このと
き、陽極酸化膜は、電解液に分散している顔料を取込み
つつ成長するので、基材には陽極酸化膜が形成されるの
と同時に着色が施されることとなる。このようにして、
本実施形態では厚み5〜20μmの陽極酸化膜が形成さ
れる。
【0023】次に、第2水洗工程S14において、上述
の陽極酸化工程S13を経た基材を流水でよく洗浄し、
基材に付着している電解液を除去する。次に、窒素ブロ
ー工程S15において、基材に対して窒素ガスを噴きつ
けることによって、基材に付着している水分を飛散ない
し蒸散させる。
【0024】次に、コーティング工程S16において、
基材の陽極酸化膜上にコーティング層を設ける。具体的
には、液状のコーティング剤を、スピンコート、ディッ
プコート、ドクターブレード法、ロールコートなどの手
段によって、基材の陽極酸化膜表面に塗布する。コーテ
ィング層を構成する材料としては、市販の無機系コーテ
ィング剤や、ゾルゲル法を利用して固化可能な金属酸化
物ゾルなどを使用することができる。
【0025】次に、焼付け工程S17においてコーティ
ング層を硬化させる。具体的には、上述のようにコーテ
ィング剤が塗布された基材を、室温で10分程度静置し
た後に、120℃に加熱したオーブンに30〜60分間
放置することによって、陽極酸化膜上のコーティング層
を硬化させる。このようにコーティング層を設けること
によって、既に着色されている陽極酸化膜に光沢を付与
してその色調を引き立たせることができるとともに、陽
極酸化膜を物理的に保護することができる。ただし、本
発明では、コーティング層を形成する必要のない場合に
は、コーティング工程S16および焼付け工程S17は
行われない。
【0026】本実施形態に係るマグネシウム材の着色方
法によると、陽極酸化処理において、本来的には白色で
ある陽極酸化膜が顔料を取込みつつマグネシウム材表面
に成長形成される。このようにして陽極酸化膜に無塗装
着色が施されるため、マグネシウム材製品のリサイクル
過程において、製品製造時に塗装処理を行う場合に生じ
ていた作業環境の劣悪化や作業工程数の増加という上述
の従来の問題は回避される。また、着色に際して塗料が
用いられないので、マグネシウム材表面からの塗膜の剥
離は回避される。
【0027】図3は、本発明の第2の実施形態に係るマ
グネシウム材の着色方法のフローチャートである。本実
施形態は、脱脂工程S21と、第1水洗工程S22と、
陽極酸化工程S23と、第2水洗工程S24と、活性化
工程S25と、第3水洗工程S26と、染色工程S27
とを含む。
【0028】本実施形態では、着色対象であるマグネシ
ウム製またはマグネシウム合金製の基材に対して、ま
ず、脱脂工程S21およびこれに続いて第1水洗工程S
22を行う。具体的な手法および使用する試薬などにつ
いては、第1の実施形態における脱脂工程S11および
第1水洗工程S12に関して上述したのと同様である。
【0029】次に、陽極酸化工程S23において、基材
表面に対して陽極酸化処理を施す。陽極酸化処理に使用
する電解液は、酸化膜形成用の種々の試薬を含む。酸化
膜形成試薬としては、例えばアルミン酸ナトリウム、メ
タケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなど、白色陽極
酸化膜の形成に好適な試薬を用いる。電解液は、これら
の成分を含んで電解時に火花放電を生じるように調製さ
れている。このような電解液を用いて、図2に示すよう
に、電源1の陽極端子に着色すべき基材2を電気的に接
続し、陰極端子にステンレス電極またはカーボン電極3
を電気的に接続し、これらを一対の電極として電解液4
に浸漬した状態で当該電極間に直流電圧を印加し、定電
流電解を行う。このとき、電流密度は1〜8A/dm2
の範囲とする。電解液温度は15〜60℃の範囲とす
る。また、マグネティックスターラー5により電解液は
攪拌する。陽極酸化処理においては、基材電極が陽極で
ある時に基材表面にて火花放電が生じ、基材表面にて陽
極酸化膜が次第に成長形成されていく。このようにし
て、本実施形態では厚み5〜10μmの陽極酸化膜が形
成される。
【0030】次に、第2水洗工程S24において、上述
の陽極酸化工程S23を経た基材を流水でよく洗浄し、
基材に付着している電解液を除去する。
【0031】次に、活性化工程S25において、染料に
よる染色作用の感受性を高めるため、基材の陽極酸化膜
表面を活性化する。陽極酸化膜の活性化を図る手段とし
ては、EDTAなどの錯化剤やピロリン酸塩を含む水溶
液に浸漬することによって陽極酸化膜表面を粗面化する
方法、或は、シラン系カップリング剤を含む水溶液に浸
漬することによって陽極酸化膜表面を化学修飾する方法
を採用することができる。シラン系カップリング剤とし
ては、例えばアミノ基を有するシラン系カップリング剤
を用いることができる。
【0032】次に、第3水洗工程S26において、上述
の活性化工程S25を経た基材を流水でよく洗浄し、基
材に付着している活性化処理液を除去する。この後、基
材を乾燥する。なお、上述の活性化工程S25において
カップリング剤を使用する場合には、カップリング剤処
理後に乾燥工程を行わずに済むように、処理液に対し
て、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コールなどのアルコールを添加してもよい。アルコール
添加量は10〜50%の範囲が好ましい。処理液中に過
剰なアルコールが存在すると、早く乾燥しすぎて染色む
らの原因となり得る。
【0033】次に、染色工程S27において、白色陽極
酸化膜が既に形成されている基材を所望の染料を含んだ
染色液に浸漬することによって、基材に対して染色を施
す。染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン
染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、硫化染
料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチル
ベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、ア
リザリン染料、アクリジン染料、アジン染料、オキサジ
ン染料、チアジン染料、チアゾール染料、メチン染料、
ニトロ染料、ニトロソ染料などを挙げることができる。
染色液は、所望の染料を0.1〜5g/Lの濃度で水に
溶解し、緩衝液でpHを5〜6に調整することによって
用意される。
【0034】染色に際しては、まず、染色液を50〜6
0℃に加温し、これを維持しておく。次に、当該染色液
に対して、既に陽極酸化膜が形成されている基材を10
〜30分間浸漬する。次に、基材を染色液から引き上
げ、流水で染色液を洗い落とす。その後、窒素ブロー
し、オーブンで乾燥させる。このとき、オーブン内温度
は120〜150℃、乾燥時間は30〜60分が好まし
い。この処理において、使用する染料によって、マグネ
シウムまたはマグネシウム合金よりなる基材の陽極酸化
膜に対して任意の彩色が可能である。
【0035】本実施形態においても、第1の実施形態と
同様に、コーティング工程およびこれに続いて焼付け工
程を行うことによって、陽極酸化膜上にコーティング層
を形成してもよい。コーティング層を設けることによっ
て、既に着色されている陽極酸化膜に光沢を付与してそ
の色調を引き立たせることができるとともに、陽極酸化
膜を物理的に保護することができる。
【0036】本実施形態に係るマグネシウム材の着色方
法によると、陽極酸化処理により成長形成された陽極酸
化膜が活性化された後、当該陽極酸化膜は染色される。
そのため、マグネシウム材製品のリサイクル過程におい
て、製品製造時に塗装処理を行う場合に生じていた作業
環境の劣悪化や作業工程数の増加という上述の従来の問
題は回避される。また、着色に際して塗料が用いられな
いので、マグネシウム材表面からの塗膜の剥離は回避さ
れる。
【0037】
【実施例】次に、本発明の実施例について、比較例とと
もに記載する。実施例1〜2は第1の実施形態に係る実
施例であり、実施例3〜26は第2の実施形態に係る実
施例である。
【0038】
【実施例1】<電解液の調製>アルミン酸ナトリウム
(関東化学製)を100g/L、および、パール顔料
(商品名:Iriodin Blue WII、Merck製)を10%の濃
度で含み、pH13.6の電解液を調製した。
【0039】<着色の工程>脱脂工程およびこれに続く
第1水洗工程を経た基材としてのAZ31合金板(東洋
マーク製、70mm×20mm×1.5mm)を上述の
電解液に浸漬し、図2の装置構成において、当該AZ3
1合金板およびステンレス(SUS−304)板を一対
の電極として、マグネティックスターラーにより電解液
を400rpmに攪拌しつつ、4A/dm2の電流密度
で10分間の交流電解を行った。このときの電解液の温
度は30℃に維持した。次に、電解液から基材を引き上
げ、流水による第2水洗工程に付した。次に、窒素ブロ
ー工程において、基材を乾燥させた。その結果、顔料を
取込むことによって緑色に着色している陽極酸化膜を有
するAZ31合金板が得られた。
【0040】
【実施例2】<電解液の調製>メタケイ酸ナトリウム
(和光純薬工業製)を200g/L、および、パール顔
料(商品名:Iriodin 153 WII、Merck製)を10%の濃
度で含み、pH13の電解液を調製した。
【0041】<着色の工程>脱脂工程およびこれに続く
第1水洗工程を経た基材としてのAZ31合金板(東洋
マーク製、70mm×20mm×1.5mm)を上述の
電解液に浸漬し、図2の装置構成において、当該AZ3
1合金板およびステンレス(SUS−304)板を一対
の電極として、4A/dm2の電流密度で10分間の交
流電解を行った。このときの電解液の温度は30℃に維
持した。次に、電解液から基材を引き上げ、流水による
第2水洗工程に付した。次に、窒素ブロー工程におい
て、基材を乾燥させた。次に、無機コーティング剤ヒー
トレスガラス(商品名:GS-600-1type BC、大橋化学
製)に基材を浸漬し、3mm/秒で引き上げた。これを
室温で30分間放置した後、120℃に加熱したオーブ
ンで60分間乾燥することによって、陽極酸化膜に対し
てコーティング層を焼付けた。その結果、顔料を取込む
ことによって金色に着色している陽極酸化膜を有して、
当該酸化膜がコーティングされているAZ31合金板が
得られた。
【0042】
【実施例3〜12および比較例1,2】<電解液の調製
>水酸化カリウムを2.9M、フッ化カリウムを0.6
M、リン酸三ナトリウムを0.1M、アルミン酸ナトリ
ウムを0.5M、すず酸ナトリウムを0.13Mの濃度
で含み、pH14の水溶液を調製した。この水溶液に対
して、後述の陽極酸化処理の直前に、最終濃度が0.1
4Mとなるようにジエチレングリコールを添加・混合す
ることによって、電解液を調製した。
【0043】<着色の工程>実施例3〜12および比較
例1,2として、基材としてのAZ31合金板(東洋マ
ーク製、70mm×20mm×1.5mm)を計12枚
用意し、まず、脱脂工程において、これら12枚の基材
に対して脱脂処理を施した。具体的には、水酸化ナトリ
ウムを30g/L、水酸化カリウムを30g/Lの濃度
で含む80℃の水溶液に12枚の基材を30分間浸漬し
た。次に、第1水洗工程においてこれらを水洗した。次
に、各基材ごとに陽極酸化工程を行った。具体的には、
図2の装置構成において、各基材およびステンレス(S
US−304)板を一対の電極として上述の電解液に浸
漬し、1A/dm2の電流密度で15分間の定電流電解
を行った。各基材は、図4に示すP2およびP3の領域
が電解液に接するように浸漬した。このときの電解液の
温度は25℃に維持した。本陽極酸化工程においては、
約10μmの厚みの陽極酸化膜が形成された。次に、電
解液から基材を引き上げ、流水による第2水洗工程に付
し、窒素ブローにより各基材を乾燥した。
【0044】次に、活性化工程において、実施例3〜1
2の基材を活性化工程に付した。比較例1,2の基材は
活性化工程に付さなかった。活性化工程において、基材
は、錯化剤としてのEDTA−4Na(同仁化学(株)
製)を含んだ約25℃の表面活性処理液に浸漬した。各
基材は、図4に示すP3の領域が処理液に接するように
浸漬した。各実施例の基材について、処理液の錯化剤濃
度および浸漬時間は次のとおりである。実施例3,8の
基材については錯化濃度0.05Mで浸漬時間10分、
実施例4,9の基材については錯化濃度0.05Mで浸
漬時間30分、実施例5,10の基材については錯化濃
度0.1Mで浸漬時間10分、実施例6,11の基材に
ついては錯化濃度0.2Mで浸漬時間10分、実施例
7,12の基材については錯化濃度0.2Mで浸漬時間
30分である。なお、上述のように、比較例1,2の基
材は表面活性処理液に浸漬していない。
【0045】次に、活性化工程に付した基材を第3水洗
工程にて流水で洗浄し、その後に乾燥した。次に、実施
例3〜12および比較例1,2の基材を染色工程に付し
た。具体的には、実施例3〜7および比較例1の基材
は、オレンジ色染料(商品名:Sanodal Orange、クラリ
アント(株)製)を5g/Lの濃度で含んで酢酸アンモ
ニウム緩衝液でpH5.5に調整された55℃の染色液
に10分間浸漬した。一方、実施例8〜12および比較
例2の基材は、青色染料(商品名:Sanodal Blue、クラ
リアント(株)製)を3g/Lの濃度で含んで酢酸アン
モニウム緩衝液でpH5.5に調整された55℃の染色
液に10分間浸漬した。各基材は、図4に示すP2およ
びP3の領域が染色液に接するように浸漬した。次に、
各基材を染色液から引き上げて流水で30秒以上洗浄し
た後、窒素ブローし、更に、130℃に加温したオーブ
ン中で30分間放置することにより、乾燥した。
【0046】<染色結果>図4には、実施例3〜12お
よび比較例1,2の基材の染色状態が模式的に表されて
いる。各基材において、P1は地金の領域、P2は陽極
酸化膜を直接染色した領域、P3は陽極酸化膜を活性化
処理した後に染色した領域である。実施例3〜12の基
材において、P3領域については所望の濃さで染色され
た。P2の領域はP3の領域よりも薄く染色され、染色
剥離が生じている箇所もあった。比較例1,2の基材は
良好に染色されなかった。
【0047】
【実施例13〜16】<着色の工程>実施例13〜16
として、基材としてのAZ31合金板(東洋マーク製、
70mm×20mm×1.5mm)を計4枚用意し、こ
れらについて、実施例3〜12と同様にして、脱脂工
程、第1水洗工程、陽極酸化工程、および第2水洗工程
を行った。次に、活性化工程において、各基材を活性化
工程に付した。活性化工程において、基材は、ピロリン
酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を0.11Mの濃
度で含んだ表面活性処理液に浸漬した。各基材は、図5
に示すP3の領域が処理液に接するように浸漬した。各
実施例の基材について、浸漬時間および処理液温度は次
のとおりである。実施例13の基材は浸漬時間10分で
処理液温度25℃、実施例14の基材は浸漬時間30分
で処理液温度25℃、実施例15の基材は浸漬時間10
分で処理液温度60℃、実施例16の基材は浸漬時間3
0分で処理液温度60℃である。
【0048】次に、活性化工程に付した基材を第3水洗
工程にて流水で水洗し、その後に乾燥した。次に、実施
例13〜16の基材を染色工程に付した。具体的には、
青色染料(商品名:Sanodal Blue、クラリアント(株)
製)を3g/Lの濃度で含んで酢酸アンモニウム緩衝液
でpH5.5に調整された55℃の染色液に10分間浸
漬した。各基材は、図5に示すP2およびP3の領域が
染色液に接するように浸漬した。次に、各基材を染色液
から引き上げて流水で30秒以上洗浄した後、窒素ブロ
ーし、更に、130℃に加温したオーブン中で30分間
放置することにより、乾燥した。
【0049】<染色結果>図5には、実施例13〜16
の基材の染色状態が模式的に表されている。各基材にお
いて、P1は地金の領域、P2は陽極酸化膜を直接染色
した領域、P3は陽極酸化膜を活性化処理した後に染色
した領域である。各基材において、P3領域については
所望の濃さの染色が施された。P2の領域についてはP
3の領域よりも薄く染色され、染色剥離が生じている箇
所もあった。
【0050】
【実施例17〜26および比較例3〜12】<着色の工
程>実施例17〜26および比較例3〜12として、基
材としてのAZ31合金板(東洋マーク製、70mm×
20mm×1.5mm)を計17枚用意し、これらにつ
いて、実施例3〜12と同様にして、脱脂工程、第1水
洗工程、陽極酸化工程、および第2水洗工程を行った。
次に、活性化工程において、各基材を活性化工程に付し
た。活性化工程において、実施例17〜21の基材は、
アミノ基を有するシラン系カップリング剤(商品名:KB
M-903、信越化学(株)製)を含んだ表面活性処理液に
浸漬した。実施例22〜26の基材は、別のカップリン
グ剤(商品名:A-1120、日本ユニカー(株)製)を含ん
だ表面活性処理液に浸漬した。比較例3〜7の基材は、
メルカプト基を有するシラン系カップリング剤(商品
名:KBM-803、信越化学(株)製)を含んだ表面活性処
理液に浸漬した。これらカップリング剤は、マグネシウ
ム合金を溶解させないアルカリ性のカップリング剤であ
る。各基材は、全体が処理液に接するように、25℃で
10秒間浸漬し、その後乾燥させた。処理液への浸漬と
その後の乾燥は、同一の基材について計3回繰り返し行
った。なお、比較例8〜12の基材は活性化工程に付し
ていない。
【0051】次に、実施例17〜26および比較例3〜
12の基材を染色工程に付した。具体的には、実施例1
7,22および比較例3,8の基材は、アゾ染料(商品
名:Sanodal Orange、クラリアント(株)製)を5g/
Lの濃度で含む染色液に浸漬した。実施例18,23お
よび比較例4,9の基材は、アントラキノン染料(商品
名:Sanodal Blue、クラリアント(株)製)を3g/L
の濃度で含む染色液に浸漬した。実施例19,24およ
び比較例5,10の基材は、メチン染料(商品名:Sano
dal Yellow、クラリアント(株)製)を3g/Lの濃度
で含む染色液に浸漬した。実施例20,25および比較
例6,11の基材は、別のアゾ染料(商品名:Aluminum
Green、クラリアント(株)製)を1g/Lの濃度で含
む染色液に浸漬した。実施例21,26および比較例
7,12の基材は、フタロシアニン染料(商品名:Sano
dal Turquoise、クラリアント(株)製)を5g/Lの
濃度で含む染色液に浸漬した。各染色液は、酢酸アンモ
ニウム緩衝液でpH5.5に調整したものであって、染
色工程中は55℃に維持した。各基材は、全体が染色液
に接するように浸漬した。次に、各基材を染色液から引
き上げて流水で30秒以上洗浄した後、窒素ブローし、
更に、130℃に加温したオーブン中で30分間放置す
ることにより、乾燥した。
【0052】<染色結果>図6には、実施例17〜26
および比較例3〜12の基材の染色状態が模式的に表さ
れている。KBM-903のアミノシラン系カップリング剤に
より活性化処理を施した実施例17〜21の基材、およ
び、A-1120のカップリング剤により活性化処理を施した
実施例22〜26の基材は、所望の濃さに染色された。
一方、KBM-803のメルカプトシラン系カップリング剤に
より活性化処理を施した比較例3〜7の基材は、カップ
リング剤皮膜が染料液をはじいてしまい、染色されなか
った。また、比較例8〜12の基材は実施例17〜26
よりも薄く染色され、染色剥離が生じている箇所もあっ
た。
【0053】以上のまとめとして、本発明の構成および
そのバリエーションを以下に付記として列記する。
【0054】(付記1)マグネシウム製またはマグネシ
ウム合金製の基材の表面を陽極酸化処理することによっ
て、前記基材の表面に陽極酸化膜を設ける陽極酸化工程
を含み、前記陽極酸化膜に対して無塗装着色を施すこと
を特徴とする、マグネシウム材の着色方法。 (付記2)前記陽極酸化工程の前記陽極酸化処理におい
て、顔料を含む電解液を使用し、当該顔料を取込みつつ
前記陽極酸化膜を設けることによって前記無塗装着色を
達成する、付記1に記載のマグネシウム材の着色方法。 (付記3)前記顔料は無機顔料である、付記2に記載の
マグネシウム材の着色方法。 (付記4)前記顔料は、体質顔料を染料で染色したレー
キ顔料である、付記2に記載のマグネシウム材の着色方
法。 (付記5)更に、前記陽極酸化膜の表面に対して活性化
処理を施す活性化工程と、活性化された前記陽極酸化膜
の表面を染料で染色することによって前記無塗装着色を
達成する染色工程と、を含む、付記1に記載のマグネシ
ウム材の着色方法。 (付記6)前記活性化工程において、前記陽極酸化膜の
表面に対して錯化剤またはピロリン酸塩を作用させるこ
とによって、当該陽極酸化膜表面を粗化する、付記5に
記載のマグネシウム材の着色方法。 (付記7)前記活性化工程において、前記陽極酸化膜の
表面に対して、アミノ基を有するシラン系カップリング
剤を作用させることによって、当該陽極酸化膜表面を化
学修飾する、付記5に記載のマグネシウム材の着色方
法。 (付記8)前記陽極酸化処理に使用される電解液は、ア
ルミン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、およびケ
イ酸ナトリウムよりなる群から選択される、付記1から
7のいずれか1つに記載のマグネシウム材の着色方法。 (付記9)更に、前記無塗装着色が施された前記陽極酸
化膜に対して、無機コーティング剤によるクリアコーテ
ィングを行う工程を含む、付記1から8のいずれか1つ
に記載のマグネシウム材の着色方法。 (付記10)付記1から9のいずれか1つに記載のマグ
ネシウム材の着色方法により着色されている携帯機器筐
体。
【0055】
【発明の効果】本発明によると、第1の実施形態におい
ては、マグネシウムおよびマグネシウム合金の表面に陽
極酸化膜を形成するのと同時に着色を施すことができ、
その結果、着色を要するマグネシウム材製品の製造にお
いて工程数を削減することが可能となる。また、塗料に
よる塗装処理を行わずに、着色に際して顔料として無機
顔料を用いると、陽極酸化膜および無機顔料は無機物で
あるため、マグネシウム材製品のリサイクル過程におい
て、そのまま溶解炉に入れて燃焼させても有毒ガスの発
生を抑制することが可能となる。一方、第2の実施形態
においても、塗料を使用しないためにリサイクル処理時
における有害なガスの発生を抑制することが可能とな
る。また、白色であって活性化されている陽極酸化膜表
面に対して染色が施されるため、所望の染色が適切に達
成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマグネシウム材
の着色方法のフローチャートである。
【図2】陽極酸化処理装置の模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るマグネシウム材
の着色方法のフローチャートである。
【図4】実施例3〜12および比較例1,2の染色状態
を表す。
【図5】実施例13〜16の染色状態を表す。
【図6】実施例17〜26および比較例3〜12の染色
状態を表す。
【図7】マグネシウム材により作製した携帯機器筐体の
一例を表す。
【符号の説明】
S11,S21 脱脂工程 S12,S22 第1水洗工程 S13,S23 陽極酸化工程 S14,S24 第2水洗工程 S15 窒素ブロー工程 S16 コーティング工程 S17 焼付け工程 S25 活性化工程 S26 第3水洗工程 S27 染色工程

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム製またはマグネシウム合金
    製の基材の表面を陽極酸化処理することによって、前記
    基材の表面に陽極酸化膜を設ける陽極酸化工程を含み、 前記陽極酸化膜に対して無塗装着色を施すことを特徴と
    する、マグネシウム材の着色方法。
  2. 【請求項2】 前記陽極酸化工程の前記陽極酸化処理に
    おいて、顔料を含む電解液を使用し、当該顔料を取込み
    つつ前記陽極酸化膜を設けることによって前記無塗装着
    色を達成する、請求項1に記載のマグネシウム材の着色
    方法。
  3. 【請求項3】 更に、前記陽極酸化膜の表面に対して活
    性化処理を施す活性化工程と、 活性化された前記陽極酸化膜の表面を染料で染色するこ
    とによって前記無塗装着色を達成する染色工程と、を含
    む、請求項1に記載のマグネシウム材の着色方法。
  4. 【請求項4】 前記活性化工程において、前記陽極酸化
    膜の表面に対して錯化剤またはピロリン酸塩を作用させ
    ることによって、当該陽極酸化膜表面を粗化する、請求
    項3に記載のマグネシウム材の着色方法。
  5. 【請求項5】 前記活性化工程において、前記陽極酸化
    膜の表面に対して、アミノ基を有するシラン系カップリ
    ング剤を作用させることによって、当該陽極酸化膜表面
    を化学修飾する、請求項3に記載のマグネシウム材の着
    色方法。
  6. 【請求項6】 前記陽極酸化処理に使用される電解液
    は、アルミン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、お
    よびケイ酸ナトリウムよりなる群から選択される、請求
    項1から5のいずれか1つに記載のマグネシウム材の着
    色方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1つに記載の
    マグネシウム材の着色方法により着色されているマグネ
    シウム材製筐体。
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