JP2003160769A - 熱伝導難燃性感圧接着テープ - Google Patents

熱伝導難燃性感圧接着テープ

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JP2003160769A
JP2003160769A JP2001362193A JP2001362193A JP2003160769A JP 2003160769 A JP2003160769 A JP 2003160769A JP 2001362193 A JP2001362193 A JP 2001362193A JP 2001362193 A JP2001362193 A JP 2001362193A JP 2003160769 A JP2003160769 A JP 2003160769A
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Yasuo Ochi
尉夫 大地
Koichi Takato
幸一 高戸
Yoshifumi Tamaki
淑文 玉木
Hirosuke Tanabe
弘介 田邊
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気絶縁性、熱伝導性、難燃性を有し、かつ
大きな起伏を有する部材に対しても追従性を持ち高接着
力を発揮できる熱伝導難燃性感圧接着テープを提供す
る。 【解決手段】 熱伝導電気絶縁性充填剤とエチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂とからなるシート状基材と(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体と該熱伝導電気絶縁
性充填剤、さらに必要により含窒素リン化合物、脂肪族
多価アルコール及び/又は脂肪族多価アルコールの誘導
体とを含有してなり、かつ熱伝導率が0.3W/m・K
以上である電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤の層と
から構成されてなる熱伝導難燃性感圧接着テープに関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁性の熱伝
導難燃性感圧接着テープに関するものであり、さらに詳
しくは、優れた接着性と電気絶縁性、熱伝導性、難燃性
を併せ持ち、電子部品、特に大きな起伏のあるプラズマ
ディスプレイ等の固定に特に有用な熱伝導難燃性感圧接
着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス技術の格段なる
進歩により電気、電子機器の高集積化・高性能化が進む
に伴い、半導体やパワートランジスター等の電子部品
や、プラズマディスプレイ等の家電製品の熱放散の必要
性が高まっており、そのため電子部品や家電製品にヒー
トシンクを接着又は機械的に固定して熱放散を行ってい
る。この接合部材には熱伝導性と電気絶縁性の他、熱が
蓄積した場合においても発火の危険性が無いように高い
難燃性が要求される。
【0003】本発明者らは、特開平11−269438
号公報、特開2000−230162号公報、特開20
00−281997号公報において、熱伝導性、電気絶
縁性、接着性と難燃性を有する熱伝導難燃性感圧接着テ
ープを提案した。しかし、かかる感圧接着テープは、基
材として金属箔やポリイミド等のプラスチックフィルム
を用いた場合は、基材が薄すぎたり、硬すぎるため、凹
凸形状のある電子部品や家電製品に接合させるには不向
きである。また基材として不織布を用いた場合も、微小
な凹凸形状への追従性はある程度はあるものの、まだ十
分なものではなかった。更に、これまでの感圧接着テー
プでは基材の厚みが薄いため、感圧接着テープ全体の厚
みも薄いものしか作れないために、特に大きな起伏のあ
るプラズマディスプレイの背面への放熱板の接合等には
使用できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の欠点を解消すべく、電気絶縁性、熱伝導
性、難燃性を併せ持ち、かつ大きな起伏を有する部材に
対しても追従性を持ち高接着力を発現できる熱伝導難燃
性感圧接着テープを提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、特定の熱伝導電気絶縁性充填剤とエチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂から得られるシート状基材を用い
て、少なくとも片面に(メタ)アクリル酸エステル系共
重合体と熱伝導電気絶縁性充填剤を含む熱伝導難燃性感
圧接着剤の層を設ける事により、厚みのある感圧接着テ
ープを作ることが可能になり、電気絶縁性、熱伝導性、
難燃性と、凹凸形状への追従性にも優れた高い接着性を
両立できることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の第一発明は、熱伝導電気絶
縁性充填剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とから
なるシート状基材(A)と、(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体及び熱伝導電気絶縁性充填剤を含有してな
り、かつ熱伝導率が0.3W/m・K以上である電気絶
縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B−1)とから構
成されてなる熱伝導難燃性感圧接着テープを提供するも
のである。また本発明の第二発明は、熱伝導電気絶縁性
充填剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とからなる
シート状基材(A)と、(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体、熱伝導電気絶縁性充填剤及び含窒素リン化合
物を含有してなり、かつ熱伝導率が0.3W/m・K以
上である電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B
−2)とから構成されてなる熱伝導難燃性感圧接着テー
プを提供するものである。さらに本発明の第三発明は、
熱伝導電気絶縁性充填剤とエチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂とからなるシート状基材(A)と、(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体、熱伝導電気絶縁性充填剤、
含窒素リン化合物、および脂肪族多価アルコール及び/
又は脂肪族多価アルコールの誘導体を含有してなり、か
つ熱伝導率が0.3W/m・K以上である電気絶縁性の
熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B−3)とから構成され
てなる熱伝導難燃性感圧接着テープを提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の第一の発明である、熱伝導電気絶縁性充填剤とエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とからなるシート状基
材(A)と、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と
該熱伝導電気絶縁性充填剤とを含有してなり、かつ熱伝
導率が0.3W/m・K以上である電気絶縁性の熱伝導
難燃性感圧接着剤の層(B−1)とから構成されてなる
熱伝導難燃性感圧接着テープについて説明する。
【0008】まず本発明に用いられる熱伝導電気絶縁性
充填剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とからなる
シート状基材(A)について、説明する。本発明に使用
する熱伝導性電気絶縁性充填剤としては、熱伝導性が高
く、電気的に絶縁性である充填剤であれば、特に限定さ
れないが、例えば金属酸化物、金属窒化物、水和金属化
合物の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることがで
きる。かかる金属酸化物としては、酸化アルミニウム等
が挙げられる。
【0009】金属窒化物としては窒化硼素、窒化アルミ
ニウム等が挙げられる。水和金属化合物としては、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
また後記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体への分
散性や耐水性を向上するために、かかる熱伝導電気絶縁
性充填剤にカップリング剤処理、ステアリン酸処理、樹
脂被覆処理、シリカ被覆処理等の表面処理を適宜行って
も良い。これら熱伝導電気絶縁性充填剤の平均粒径は約
0.5〜200μm、好ましくは1〜30μmである。
また粒子の形状としては、特に限定されないが、球状、
針状、フレーク状等が挙げられる。かかる熱伝導電気絶
縁性充填剤は単独で使用しても良いが、異なる種類、異
なる平均粒径、及び異なる形状のものを2種以上組み合
わせて使用しても良い。
【0010】熱伝導電気絶縁性充填剤の使用割合は、後
記するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100重量部
に対して50〜200重量部の割合で用いると、熱伝導
性と難燃性が両立できるので、好ましい。
【0011】本発明に使用するエチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂は、特に限定はされないが、エチレンと酢酸
ビニル、必要に応じてさらにこれらと共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体とを、溶液重合、乳化重合あるいは
懸濁重合等により共重合して得られる熱可塑性樹脂であ
る。これら共重合体樹脂の単独あるいは2種以上の混合
物であってもよい。上記共重合可能なエチレン性不飽和
単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α
−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アク
リロニトリル、プロピレン、α−オレフィン等が挙げら
れる。本発明のシート状基材(A)を製造するために
は、特に固体のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が好
ましい。
【0012】本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂は、シート化のための加工性及び前記熱伝
導難燃性充填剤との混練性を良くするために、酢酸ビニ
ル単位の含有率が40〜90重量%であることが好まし
い。またシート化のための加工性、得られるシートの機
械的強度及び熱伝導電気絶縁性充填剤の分散性を付与す
るためには、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のムー
ニー粘度(ML1+4)が10〜60であることが好ま
しい。
【0013】本発明のシート状基材は、上記エチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂と上記熱伝導難燃性充填剤とか
ら得られる。通常混合機で、適切な温度範囲、好ましく
は150〜220℃の温度で溶融混練し、さらにこの溶
融混練物を押し出し成形、カレンダー成形等の成形方法
によりシート状に加工して得られる。混合機としては、
2本ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押し出し
機等が挙げられる。
【0014】上記溶融混練の際に、必要に応じて、本発
明の効果を阻害しない量的範囲で、カップリング剤、フ
ェノール系やチオエーテル系等の酸化防止剤、EPRや
ポリアクリレート等の耐候安定剤、ベンゾトリアゾール
系やベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、アニオン系や
ノニオン系の帯電防止剤、アミド系やエステル系の滑
剤、ステアリン酸塩やシリコン樹脂等のブロッキング防
止剤、無機あるいは有機の顔料、ゼオライトやシリカ等
を担体とした銀系無機抗菌剤、有機系抗菌防カビ剤、ポ
リスルホン系樹脂や酸化アンチモン等の難燃剤、PMM
Aやポリウレタンゴム等の強化剤、タルクや炭酸カルシ
ウム等の充填剤、架橋剤等の添加剤を添加しても構わな
い。
【0015】本発明で使用するシート状基材(A)の厚
みは、凹凸形状への追従性を付与するために、250μ
m以上である事が好ましく、更には300μm以上である
事が特に好ましい。
【0016】次ぎに、本発明に使用する(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体及び熱伝導電気絶縁性充填剤を
含有してなり、かつ熱伝導率が0.3W/m・K以上で
ある電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B−
1)について説明する。(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体としては、粘着剤として用いられる共重合体で
あれば、従来公知のものを使用することができる。
【0017】かかる(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば下記エ
チレン性不飽和単量体を重合開始剤の存在下で、溶液重
合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、UV重合等の公知
の重合方法により得ることができる。
【0018】(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の
重合の際に使用されるエチレン性不飽和単量体として
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸イソノリル、メタクリル酸シクロヘキシル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸等の不飽和(ジ)カルボン酸及び/又はかかる
不飽和ジカルボン酸のハーフエステル等のカルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体;酢酸ビニル等のビニル
エステル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基
含有エチレン性不飽和単量体;スチレン、α−メチルス
チレンなどの芳香族環を有するビニル化合物;グリシジ
ル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有重合性単
量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含
有重合性単量体;N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール
アミド基あるいはそのアルコキシ化物含有重合性単量
体;ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基含有重合
性単量体;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重
合性単量体;ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカ
ルボニル基含有重合性単量体;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、アリル
(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多官能エ
チレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0019】上記エチレン性不飽和単量体を重合する際
に使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫
酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系、過
酸化水素や、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ク
メンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパー
オキサイド等の有機過酸化物系、アゾビスイソブチルニ
トリル等のアゾ系等の熱重合開始剤や、これらに更に還
元剤を併用したレドックス重合開始剤、あるいはアセト
フェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール
系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンゾイン系、
ベンゾフェノン系の光重合開始剤等が挙げられる。これ
らの重合開始剤を上記の各種重合方法に応じて任意に選
択して使用することができる。
【0020】本発明に使用される感圧接着剤の凝集力を
向上させるために、(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体に架橋剤を併用してもよい。かかる架橋剤として
は、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、(ブロッ
ク)イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、キ
レート系架橋剤、有機ヒドラジン誘導体等の公知の架橋
剤を用いることができる。
【0021】また感圧接着剤の接着性を向上させるため
に、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に、必要に
応じて、例えばテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹
脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂、クマロン−インデン樹
脂、フェノール系樹脂等の公知の粘着付与樹脂を併用し
ても構わない。熱伝導電気絶縁性充填剤としては、上記
シート状基材に用いたものと同一の充填剤を使用しても
よいし、異なる種類、異なる平均粒径、及び異なる形状
のものを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用
してもよい。
【0022】本発明の第二発明に使用する熱伝導難燃性
感圧接着剤の層は、難燃性を高めるため、(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体、該熱伝導電気絶縁性充填剤
及び含窒素リン化合物を含有してなり、かつ熱伝導率が
0.3W/m・K以上である電気絶縁性の熱伝導難燃性
感圧接着剤の層(B−2)からなるものである。
【0023】含窒素リン化合物としては、例えばポリリ
ン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウ
ム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン等が挙げられ
る。これらの含窒素リン化合物のうち、難燃性の点で、
ポリリン酸アンモニウムが好ましい。また耐水性を向上
するために、熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプ
セル化等の表面処理を行ったものを用いることができ
る。これらの含窒素リン化合物の平均粒径は1〜100
μmであることが好ましく、3〜30μmであることが
特に好ましい。かかる含窒素リン化合物は単独で使用し
ても良いが、異なる種類及び異なる平均粒径のものを2
種以上組み合わせて使用しても良い。
【0024】熱伝導電気絶縁性充填剤と含窒素リン化合
物との比率は、熱伝導性と難燃性が両立するため、重量
比で8:2〜3:7の割合で用いることが好ましく、
6:4〜4:6の割合が特に好ましい。熱伝導電気絶縁
性充填剤と含窒素リン化合物との添加量としては、熱伝
導性、難燃性と、感圧接着性を両立するために(メタ)
アクリル酸アルキルエステル系共重合体の固形分100
重量部に対して50〜200重量部が好ましい。
【0025】本発明の第三の発明に使用する熱伝導難燃
性感圧接着剤の層は、高度の難燃性を得るため、(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体、熱伝導電気絶縁性
充填剤、含窒素リン化合物、および脂肪族多価アルコー
ル及び/又は脂肪族多価アルコールの誘導体を含有して
なり、かつ熱伝導率が0.3W/m・K以上である電気
絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B−3)からな
るものである。かかる脂肪族多価アルコールとしては、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙
げられる。また脂肪族多価アルコール誘導体としては、
ロジン系樹脂と脂肪族多価アルコールのエステル化物等
が挙げられる。
【0026】本発明に使用する熱伝導電気絶縁難燃性感
圧接着剤は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系共重合体に、上記熱伝導電気絶縁性充填剤と、必要に
応じて上記含窒素リン化合物、またはこの含窒素リン化
合物に上記脂肪族多価アルコール及び/又は脂肪族多価
アルコール誘導体を添加配合し、更には必要に応じて架
橋剤を添加し、高速分散機等で機械的に強制撹拌するこ
とにより得ることができる。この製造時に、熱伝導電気
絶縁性充填剤等の固体原料を分散するために、必要に応
じて顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤を使
用しても差し支えない。
【0027】本発明の熱伝導難燃性感圧接着剤の熱伝導
率は、熱の放散性の点で、0.3W/m・K以上である
ことが必要である。熱の放散性をより発現するために
は、0.4W/m・K以上であることが好ましい。
【0028】次ぎに、本発明の熱伝導難燃性感圧接着テ
ープについて説明する。本発明の熱伝導難燃性感圧接着
テープは、上記シート状基材と、電気絶縁性の熱伝導難
燃性感圧接着剤の層とから構成されてなるものである。
シート状基材と熱伝導難燃性感圧接着剤の層との組み合
わせとしては、例えば1)一枚のシート状基材の片面に熱
伝導難燃性感圧接着剤の層を設けたもの、2)一枚のシー
ト状基材の両面に熱伝導難燃性感圧接着剤の層を設けた
もの、3)複数枚のシート状基材の間に熱伝導難燃性接着
剤の層を挟み、シート状基材の少なくとも片面に熱伝導
難燃性感圧接着剤の層を設けたもの等が挙げられる。こ
れらのうち、生産性および柔軟性の点で1)又は2)のもの
が好ましい。
【0029】本発明の熱伝導難燃性感圧接着テープは、
上記の1)一枚のシート状基材の片面に熱伝導難燃性感圧
接着剤の層を設けたものの場合、シート状基材の片面に
熱伝導難燃性感圧接着剤を塗布して熱風乾燥することに
より得ることができる。熱伝導難燃性感圧接着剤中の合
成樹脂が、紫外線硬化性樹脂である場合は、塗布後、紫
外線あるいは電子線を照射し、該接着剤を硬化させるこ
とにより、本発明の熱伝導難燃性感圧接着テープを得る
ことができる。
【0030】本発明の熱伝導難燃性感圧接着テープの熱
伝導率は、熱の放散性を十分発現させるために、0.3
W/m・K以上であることが好ましく、0.4W/m・
K以上であることが特に好ましい。
【0031】また熱伝導難燃性感圧接着テープの片面又
は両面に設けられた熱伝導難燃性感圧接着剤の層の厚み
は、十分な感圧接着性を発現するためには、30μm以
上であることが好ましい。
【0032】
【実施例】以下に実施例について具体的に説明するが、
本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】参考例1[(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体の調製] 冷却管、撹拌機、温度計、摘下漏斗を備えた反応容器に
2−エチルヘキシルアクリレート50部、n−ブチルア
クリレート46部、アクリル酸4部と重合開始剤として
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部とを酢
酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時
間重合して固形分50%、数平均分子量が40万のアク
リル系共重合体溶液を得た。
【0034】参考例2[電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧
接着剤の調製] 参考例1で得られたアクリル系共重合体溶液100重量
部に対して、表1に記載した比率で熱伝導電気絶縁性充
填剤、含窒素リン系化合物、脂肪族多価アルコール誘導
体と必要量のトルエンを添加混合し、固形分60%の感
圧接着剤溶液を得た。更に同表1の比率で架橋剤を添加
し均一混合し、電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤を
得た。
【0035】参考例3[シート状基材の調製] ハイジライト H−31[昭和電工(株)製 水酸化ア
ルミニウム]を150部と、酢酸ビニルの含有率が58
重量%で、ムーニー粘度(ML1+4)が55であるエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を100部の割合で、2本
ロール(表面温度165℃)で5分間均一に混練した。
次いで170℃に設定した熱プレスを用いて、厚さ1m
mのシート状に成形し、シート状基材(以下シート状基
材Aという)を得た。
【0036】参考例4[テープの調整] 参考例2で得られた電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着
剤を、乾燥後の厚みが50μmになるように、シート状
基材Aの両面に塗工後、80℃で5分乾燥し40℃で3
日間熟成し両面感圧接着テープを得た。(表2)得られ
た両面感圧接着シートの熱伝導率、難燃性、体積固有抵
抗の評価結果は表3に、接着力、耐熱保持力、凹凸形状
への追従性は表4に記した。
【0037】〔熱伝導率〕 剥離フィルムを剥がしたテープサンプルを厚みが約2
mmになるよう積層し50mm×120mmの大きさに
切断し試験片とした。 室温で、迅速熱伝導率計QTM500(京都電子工業
社製)により、標準物質であるPE発泡体、シリコン、
石英の熱伝導率を測定した。 各標準物質の上に試験片を接着し、同様に熱伝導率を
測定した。 の熱伝導率との熱伝導率の偏差をプロットし、内
挿法により熱伝導率を求めた。熱伝導率の算出にはQT
M−D3(京都電子工業製)ソフトを用いた。
【0038】〔難燃性〕UL規格(UL94「機器の部
品用プラスチック材料の燃焼試験方法」)に準じ、燃焼
性試験を行い判断した。「VTM−0」、「VTM−
1」は以下の燃焼程度を示す基準である。フィルム状の
試料を円筒型に保持し、1組5枚の試料に対して各試料
につき3秒間の接炎を2回行い、その場合の燃焼時間の
合計、燃焼距離、熱による貫通の有無により下記の如
く、クラス分類する。VTM−0はVTM−1よりも燃
焼しにくいことを意味する。 燃焼クラス判定基準 VTM−1 VTM−0 各試料の残炎燃焼時間−−−−−−−−−− ≦30秒 ≦10秒 5枚の試料の燃焼時間合計−−−−−−−− ≦250秒 ≦50秒 第2回接炎後の残炎時間+無炎燃焼時間−− ≦60秒 ≦30秒 滴下物による綿への着火の有無−−−−−− なし なし クランプまでの残炎又は無炎燃焼の有無−− なし なし
【0039】〔接着力〕ポリエステルフィルム25μm
で一方の粘着面をバッキングした25mm×100mm
のテープサンプルを、アルミ板に2kgローラー1往復
加圧貼付し室温で1時間放置後、180°方向に剥離速
度300mm/minで引き剥がし接着力を測定した。
【0040】〔耐熱保持力〕アルミ箔50μmで一方の
粘着面をバッキングしたテープサンプルを、ステンレス
板に貼付面積が25mm×25mmになるよう2kgロ
ーラー1往復加圧貼付し室温で30分放置後、120℃
雰囲気下で1kgの荷重を掛けテープサンプルが落下す
るまでの時間を測定した。24時間以上落下しないテー
プサンプルに関しては「24<」と記載した。
【0041】〔体積固有抵抗値〕タケダ理研製超絶縁/
微少電流計TR8601で測定した。測定温度は30
℃、測定電圧は500Vとした。
【0042】〔凹凸形状への追従性〕3mm厚のアクリ
ル板に、長さ180mm、幅25mmの両面感圧接着テ
ープの片面を貼付し、この反対面に20mm間隔で10
0μmの凹凸を有する3mm厚のアクリル板を5kgロ
ーラーで片道圧着し、24時間後の凹部への接着面積の
保持率を測定した。評価基準は、以下の通り。 ○:70%以上保持、△:30〜70%保持、×:30
%未満保持
【0043】
【表1】 ハイジライトH32:水酸化アルミニウム(昭和電工社
製) テラージュC60 :含窒素リン化合物(チッソ社製) D−135 :重合ロシ゛ンヘ゜ンタエリスリトールエステル(荒川
化学社製) E−05X :エポキシ系架橋剤(綜研化学社
製)
【0044】
【表2】 基材A:参考例3で調整したエチレン−酢酸ビニル共重
合体ベースの基材 熱伝導性ホ゜リイミト゛フィルム:東レテ゛ュホ゜ン(株)製100MT、厚み25
μm、熱伝導性 0.45W/mK)
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】本発明の電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧
接着テープは、優れた接着性と電気絶縁性、熱伝導性、
難燃性を併せ持ち、特に凹凸形状のある基材に対する追
従性に優れているため、起伏形状のある電子部品や家電
製品の放熱シートとして有用であり、特にプラズマディ
スプレーの放熱シートとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田邊 弘介 埼玉県さいたま市上落合3−1−28 Fターム(参考) 4H028 AA07 AA12 AA24 AA40 AA42 BA06 4J004 AA10 AB01 BA02 CA04 CB03 FA05 4J040 DF041 DF051 HA136 HA286 HB11 KA03 KA36 LA08 LA09 NA18 NA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導電気絶縁性充填剤とエチレン−酢
    酸ビニル共重合体樹脂とからなるシート状基材(A)
    と、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体及び熱伝導
    電気絶縁性充填剤を含有してなり、かつ熱伝導率が0.
    3W/m・K以上である電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧
    接着剤の層(B−1)とから構成されてなる熱伝導難燃
    性感圧接着テープ。
  2. 【請求項2】 熱伝導電気絶縁性充填剤とエチレン−酢
    酸ビニル共重合体樹脂とからなるシート状基材(A)
    と、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、熱伝導電
    気絶縁性充填剤及び含窒素リン化合物を含有してなり、
    かつ熱伝導率が0.3W/m・K以上である電気絶縁性
    の熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B−2)とから構成さ
    れてなる熱伝導難燃性感圧接着テープ。
  3. 【請求項3】 熱伝導電気絶縁性充填剤とエチレン−酢
    酸ビニル共重合体樹脂とからなるシート状基材(A)
    と、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、熱伝導電
    気絶縁性充填剤、含窒素リン化合物、および脂肪族多価
    アルコール及び/又は脂肪族多価アルコールの誘導体を
    含有してなり、かつ熱伝導率が0.3W/m・K以上で
    ある電気絶縁性の熱伝導難燃性感圧接着剤の層(B−
    3)とから構成されてなる熱伝導難燃性感圧接着テー
    プ。
  4. 【請求項4】 熱伝導率が0.3W/m・K以上である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導難燃性感圧
    接着テープ。
  5. 【請求項5】 シート状基材(A)の厚みが少なくとも
    250μm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の熱伝導難燃性感圧接着テープ。
  6. 【請求項6】 前記熱伝導電気絶縁性充填剤が、金属酸
    化物、金属窒化物、水和金属化合物からなる群から選ば
    れる1種以上である、請求項1記載の熱伝導難燃性感圧
    接着テープ。
  7. 【請求項7】 前記含窒素リン化合物がポリリン酸アン
    モニウムである請求項2又は3記載の熱伝導難燃性感圧
    接着テープ。
  8. 【請求項8】 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂中の
    酢酸ビニル単位の含有量が、40〜90重量%である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導難燃性感圧接
    着テープ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007149613A1 (en) * 2006-06-23 2007-12-27 Avery Dennison Corporation Flame retardant pressure sensitive adhesive
JP2009067877A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 放熱性樹脂組成物
JP2010534757A (ja) * 2007-07-28 2010-11-11 ケミスケ ファブリック ブデンヘイム ケージー ハロゲン不含の難燃剤
JP2015021067A (ja) * 2013-07-19 2015-02-02 Dic株式会社 熱伝導性粘着テープ、物品及び画像表示装置

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