JP2003160400A - 化合物半導体の表面清浄化方法および化合物半導体用熱処理装置。 - Google Patents

化合物半導体の表面清浄化方法および化合物半導体用熱処理装置。

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JP2003160400A
JP2003160400A JP2001357610A JP2001357610A JP2003160400A JP 2003160400 A JP2003160400 A JP 2003160400A JP 2001357610 A JP2001357610 A JP 2001357610A JP 2001357610 A JP2001357610 A JP 2001357610A JP 2003160400 A JP2003160400 A JP 2003160400A
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heating temperature
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substrate heating
temperature
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Hisami Hiroi
久美 廣井
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理による酸化膜除去工程において,構成
原子の基板解離がなく酸化膜除去ができる最適温度での
熱処理が実現できる化合物半導体の表面清浄化方法を得
る。 【解決手段】 本発明の化合物半導体の表面清浄化方法
は、表面あるいは端面に酸化膜が形成された化合物半導
体11を加熱して昇温中に化合物半導体11から放出さ
れた解離ガスを質量分析計15あるいは真空計20によ
って測定する工程と、上記測定から得られたガス放出特
性1,2に基づき基板加熱温度8を決定し前記基板加熱
温度8で所定時間加熱を行う工程と、を含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体の表
面清浄化方法およびその熱処理装置に関し、特にエピタ
キシャル結晶成長用基板表面あるいは半導体レーザの光
出射端面の表面処理に効果的な化合物半導体の表面清浄
化方法およびその方法に使用される化合物半導体用熱処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体を用いた半導体装置の製造
工程では、化合物半導体基板上に各種の膜を成膜する必
要がある。かかる成膜工程では、化合物半導体基板の表
面を清浄化する技術が不可欠である。基板表面の清浄度
はその上に成膜される膜の結晶性や電気特性等に極めて
大きな影響を与えるからである。特に化合物半導体基板
表面に形成された酸化膜の除去技術は極めて重要であ
る。
【0003】図5は、例えば特開平8−325100号
公報に示された従来の化合物半導体の表面清浄化方法を
示す一連の工程図である。図5中、21はガリウム砒素
(GaAs)基板表面に形成された炭素を含む自然酸化
膜、22は塩酸溶液、23は酸素ラジカルまたはプラズ
マ、24は基板表面の炭素と反応して生成されたCOま
たはCOガス、25は酸素ラジカルまたはプラズマに
より形成された炭素を含まない酸化膜である。26はO
アッシャー装置であり、27は成膜装置、28は基板
加熱用ヒータ、30はGaAs基板である。
【0004】以下に、従来の化合物半導体の表面清浄化
方法について説明する。自然酸化膜21を塩酸溶液22
で除去した後、Oアッシャー装置26に入れ、酸素プ
ラズマ23を照射して炭素を含まない酸化膜25を形成
した後、Oアッシャー装置からGaAs基板を取り出
して大気中を移動させ、成膜装置に導入する。成膜装置
内でAsフラックス圧下にて基板を620℃まで昇温
し、GaAs基板表面の酸化膜25を除去する。引き続
き成膜装置内で次工程の成膜を行うというものである。
酸化膜除去後、大気への暴露無しに成膜可能なため、界
面での炭素や酸素が除去でき、この結果、デバイス特性
を向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による化合物
半導体の表面清浄化方法では、熱処理温度を基板加熱温
度で制御しているので、正確な基板加熱温度の測定をし
なければならず、温度計を基板に完全に密着させねばな
らなかった。しかしながら、両者は単に機械的に接触し
ているだけなので測定精度に難があった。ウエハステー
ジなど他部の温度モニターによって間接的に温度測定し
た値を基に基板加熱温度を較正する場合も、較正値を求
めるために基板加熱温度自体の正確な測定が必要だっ
た。さらに、かかる間接的な温度測定の結果得られた較
正値自体も装置固有の値なので、装置毎に較正値を求め
なければならない問題があった。
【0006】また、化合物半導体を高温で熱処理した場
合、化合物半導体中の構成元素、たとえばガリウム(G
a)と砒素(As)とでは高温における解離性に差があ
るので一方の元素が解離して高温熱処理前後で化合物半
導体表層の組成が変化するという問題があった。
【0007】以上の問題を回避するため、解離性の高い
構成元素の蒸気圧下での熱処理を行う方法もあるが、導
入ガスによる熱処理チャンバーの汚染が生じたり、導入
ガスの毒性が高く特殊な排ガス設備が必要となる等の問
題が新たに発生した。一方、構成元素の蒸気圧を必要と
しない程度の相対的に低い基板加熱温度で熱処理を行っ
た場合、酸化膜の残渣が発生した。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、酸化膜除去の熱処理を最
適な基板加熱温度で行うことを目的とし、さらに化合物
半導体表面あるいは端面の酸化膜を除去した後の清浄化
された表面を保持しながら次工程の成膜が可能な熱処理
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る化合物半導
体の表面清浄化方法は、表面あるいは端面に酸化膜が形
成された化合物半導体を加熱して昇温中に上記化合物半
導体表面から放出された解離ガス量を測定する工程と、
上記測定から得られたガス放出特性に基づき基板加熱温
度を決定し上記基板加熱温度で所定時間加熱を行う工程
と、を含んでなることとした。
【0010】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法は、上記化合物半導体から放出された解離ガス
量を測定する手段を、質量分析計による化合物半導体の
構成原子の脱離スペクトル測定とした。
【0011】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法は、上記基板加熱温度を、前記質量分析計によ
る化合物半導体の構成原子の脱離スペクトルにおける極
大値に対応した基板加熱温度とした。
【0012】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法は、上記基板加熱温度を、前記質量分析計にお
ける化合物半導体の構成原子による信号強度あるいは上
記信号強度の微分値が所定の値以上となった場合に対応
した基板加熱温度とした。
【0013】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法は、上記化合物半導体から放出された解離ガス
量を測定する手段を、真空計による真空度とした。
【0014】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法は、上記基板加熱温度を、上記真空計で測定し
た真空度の基板加熱温度プロファイルにおける所定温度
以上での極大値に対応した基板加熱温度とした。
【0015】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法は、上記基板加熱温度を、上記真空計で測定し
た真空度の基板加熱温度プロファイルにおける真空度あ
るいは上記真空度の微分値が所定の値以上となった場合
に対応した基板加熱温度とした。
【0016】本発明に係る化合物半導体用熱処理装置
は、チャンバーと、上記チャンバー内に設けられたウエ
ハステージと、上記ウエハステージ下部に設けられた基
板加熱用のヒーターと、上記ウエハステージに載置され
た化合物半導体を上記ヒーターで加熱昇温した際に発生
する上記化合物半導体の構成原子からなる解離ガスをリ
アルタイムでモニターするために上記チャンバーに取り
つけられた質量分析計と、上記質量分析計から得られた
データを取得するコンピュータと、上記コンピュータか
らの制御信号に基づき上記ヒーターを所定温度で一定時
間保持する温度コントローラと、を備えた。
【0017】また、本発明に係る化合物半導体用熱処理
装置は、上述の装置に加えて成膜機能を併せて備えた。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明に係る化合物半導体の表
面清浄化方法およびその方法を実施するための熱処理装
置は、熱処理装置のチャンバーに質量分析計または真空
計を設置して昇温時における化合物半導表面から生じる
解離ガスの基板加熱温度に対するガス放出特性を測定
し、かかるガス放出特性中における化合物半導体の構成
元素の解離ガスのピーク時近傍における基板加熱温度に
基づき、酸化膜除去工程の基板加熱温度を決定して、そ
の基板加熱温度で所定時間保持することにより化合物半
導体表面に生じた自然酸化膜を除去するものである。ま
た、熱処理装置が成膜装置を兼ねる構成となっており、
酸化膜除去後の再汚染を被ること無く次工程の成膜を可
能とするものである。
【0019】実施の形態1.図1は、この発明を実施す
るための実施の形態1による自然酸化膜が表面に形成さ
れたGaAs基板の昇温脱離特性とGaAs基板表面の
自然酸化膜の除去特性を説明するための図で、上から順
に昇温脱離分析(TDS)の信号強度と基板加熱温度の
関係、X線電子分光法(X−ray Photoele
ctron spectroscopy,XPS)で測
定されたGa酸化物のGaAs基板に対するGa酸化物
の信号強度比と基板加熱温度の関係、XPSで測定され
た砒素酸化物のGaAs基板に対する信号強度比と基板
加熱温度の関係、をそれぞれ示したものである。
【0020】図1中、1は真空昇温時の質量数75のA
s脱離スペクトル、2は質量数71のGa脱離スペクト
ル、3は基板解離温度、4はAs脱離ピーク、5はGa
脱離ピーク、6はGa酸化物の膜厚変化を表す曲線、7
はAs酸化物の膜厚変化を表す曲線、8は所望の基板加
熱温度、をそれぞれ示す。
【0021】熱処理装置のチャンバー内でGaAs基板
を昇温させながらチャンバーに取り付けられた質量分析
計を用いて基板加熱によって発生するガスを分析する
と、図1に示すような基板加熱温度とともに変化する質
量数75のAs脱離スペクトル1と質量数71のGa脱
離スペクトル2がそれぞれ検出される。基板解離温度
3、すなわち熱によってGaAs基板自体が熱分解する
温度より低温側でそれぞれのスペクトル1,2中にAs
脱離ピーク4およびGa脱離ピーク5が現われる。図1
から明らかなように、両者のピーク位置はほぼ一致す
る。
【0022】一方、XPSによって、各基板加熱温度毎
に熱処理したGaAs基板上のGa酸化物およびAs酸
化物の膜厚変化を測定した結果、図1中のそれぞれ6,
7の曲線が得られた。なお、熱処理時の到達基板加熱温
度の保持時間はゼロ、つまり所定の基板温度に到達した
瞬間に加熱を止めることによって作製した試料をXPS
で測定した。Ga酸化物の膜厚変化を表す曲線6は、基
板加熱温度350℃近傍から一旦上昇しているが、これ
は、表面のAs酸化物(As)がGaAs基板と
反応してAsが昇華し、Ga酸化物(Ga)が生
成された結果、Ga酸化物の膜厚が増加したものと考え
られる。
【0023】XPSの測定結果によると、かかる基板加
熱温度8ではAs酸化物はほぼ完全に除去されているこ
とが判る。一方、Ga酸化物は基板加熱温度8における
信号強度比は依然として大きいが、基板加熱温度に対し
て急激に信号強度が減少する領域なので、基板加熱温度
8を一定時間保持すれば、As酸化物と同様、Ga酸化
物も完全に化合物半導体基板表面から除去される。
【0024】つまり、上述の基板加熱温度、つまりAs
脱離ピーク4、Ga脱離ピーク5が発現する基板加熱温
度8は、基板分解温度3以下でかつ有効に自然酸化膜を
構成するAsやGaと併せて酸素や炭素を除去できる、
すなわち、GaAs基板上に生じた自然酸化膜を除去す
るには最適な基板加熱温度と言える。なお、厳密に基板
加熱温度8に一致しなくても、質量分析計におけるAs
またはGaの信号強度が一定値を超えた時点、またはこ
れらの信号強度の傾き、つまり微分値が一定値を超えた
時点での基板加熱温度8近傍の基板加熱温度を採用して
も、同様の効果が得られる。温度制御という観点から
は、As脱離ピーク4を検出するよりも、一定値を越え
た場合に基板加熱温度を決定する方法がより簡便だから
である。
【0025】以上の実験結果から、GaAsの表面清浄
化、つまり自然酸化膜除去を目的としてGaAs基板を
昇温する際に、TDSによってAs脱離スペクトル1と
Ga脱離スペクトル2をリアルタイムで測定し、As脱
離ピーク4、Ga脱離ピーク5が検出された基板加熱温
度8を一定の基板加熱温度と設定してGaAs基板を所
定時間加熱すると、表面に形成された自然酸化膜を有効
に除去できることが判った。
【0026】上記実施の形態では、化合物半導体基板と
してGaAsを一例として説明したが、他の化合物半導
体、例えばインジウム燐(InP)基板やガリウム燐
(GaP)基板等であってもよく、これらの場合も上記
実施の形態と同様の効果がある。また、上記実施の形態
では熱処理雰囲気を真空としたが、質量分析計でAs脱
離スペクトルまたはGa脱離スペクトルの測定が可能で
あり、次の成膜工程に悪影響を与えなければ例えば水素
ガス雰囲気のような他の種類の還元性ガス雰囲気でも上
記実施の形態と同様の効果が得られる。上記実施の形態
では一例として化合物半導体基板の熱処理について説明
したが、化合物半導体からなる半導体レーザの端面等で
あっても同様な効果が得られることは言うまでもない。
さらに、上記実施形態では温度制御に質量数71または
75のマスフラグメントを用いているが、放出ピーク温
度がGa酸化物の分解温度に一致する他のフラグメント
でも同様の効果がある。
【0027】また、上記実施の形態では、基板加熱を予
め決められた一定時間行うこととしたが、基板加熱温度
8を一定にした状態でTDSによってAs脱離スペクト
ルあるいはGa脱離スペクトルまたはその両方をリアル
タイムにモニターし、信号強度が当初の値に対して一定
の割合に減じるまで基板加熱を続け、その後は基板加熱
を止めるという方法も適用可能である。この方法による
と、自然酸化膜除去時の終点検出が可能となるので、化
合物半導体基板に過度な加熱による損傷を与えること無
く、確実に自然酸化膜を除去できる。
【0028】実施の形態1における化合物半導体の表面
清浄化方法では、化合物半導体自体の熱分解が生じる温
度より低温側である構成原子の脱離温度を質量分析計で
リアルタイムにモニターしながら基板加熱温度を決定す
るので、従来のような正確な基板加熱温度の測定を必要
とすることなく、基板加熱温度の最適化が可能となり、
最適温度での酸化膜除去と解離圧の高い元素の解離によ
る組成の変化を抑制することができる。
【0029】実施の形態2.以下に実施の形態1で説明
した化合物半導体の表面清浄化方法を実現するための化
合物半導体用熱処理装置について、図2に基づき説明す
る。
【0030】図2は上述の化合物半導体の表面清浄化方
法を実施するための熱処理装置の一例である。図中、9
はチャンバー、10はウエハステージ、11は化合物半
導体基板、12はウエハステージ下部に設けられたヒー
ター、13は真空ポンプ、14は真空計、15は質量分
析計、16はコンピュータ、17は温度コントローラ、
18はシャッター、19はガス導入口、をそれぞれ示
す。
【0031】チャンバー9内のウエハステージ10に化
合物半導体基板11を載置し、ウエハステージ下部に設
けられたヒーター12で加熱する。チャンバー9は1×
10 −8Torr以下の真空度の保持が可能な構造とな
っており、かかる表面清浄化処理時にはチャンバー9内
は真空ポンプ13により真空排気される。チャンバー9
内の真空度は真空計14で随時モニターされる。ヒータ
ー12によってウエハステージ10を介して加熱された
化合物半導体基板11から放出されたガスをチャンバー
9に取り付けられた質量分析計15によってリアルタイ
ムで測定する。質量分析計15で測定したガス放出速度
のデータは順次コンピュータ16に取り込まれる。
【0032】As脱離ピーク4またはGa脱離ピーク5
になった時点、あるいはこれらの信号強度が一定値を超
えた時点、またはこれらの信号強度の傾き、つまり微分
値が一定値を超えた時点でヒーター12による化合物半
導体基板11の基板温度の昇温を停止して一定の基板加
熱温度下における加熱を実施する。かかる一連の動作は
コンピュータ16で温度コントローラ17を制御し、さ
らに温度コントローラ17によってヒーター12の温度
を制御することによって実行され、この結果、基板解離
温度3以下での基板加熱温度8による酸化膜除去を目的
とした熱処理が制御性よく安定に実施できる。
【0033】基板加熱温度8に設定した以降の保持時間
は自然酸化膜がすべて除去されるのに充分な時間であれ
ばよいが、ヒーター12による化合物半導体基板11内
の温度分布の不均一性を考慮して1分以上が望ましい。
一方、基板加熱温度8は基板分解温度以下とは言え、余
りに長時間化合物半導体基板11を加熱し続けると、構
成原子の脱離が無視しえなくなるので保持時間は30分
以下が望ましい。
【0034】基板加熱温度8での熱処理による酸化膜除
去後、質量分析計保護用のシャッター18を閉じ、ガス
導入口19から原料ガスを導入することにより、酸化膜
除去で得られた清浄表面を再汚染せしめることなく、化
合物半導体基板11上に例えばGaAsのエピタキシャ
ル結晶成長が可能となる。
【0035】実施の形態2による化合物半導体用熱処理
装置では、チャンバー内の解離ガスを分析する質量分析
計を設け、化合物半導体基板の昇温時に発生する解離ガ
スをリアルタイムでモニターしてそのデータをコンピュ
ータで解析して、解離ガスのガス放出特性に基づき所望
の基板加熱温度に保持するようコントローラを介してヒ
ーターを制御する構成としているので、化合物半導体の
表面清浄化を制御性良く安定に実現できる。
【0036】実施の形態3.実施の形態3の化合物半導
体の表面清浄化方法について、図3,4に基づき説明す
る。図3は、この発明を実施するための実施の形態3に
化合物半導体の表面清浄化方法に使用される熱処理装置
を説明するための図であり、図4は化合物半導体基板の
基板加熱温度とチャンバー内の真空度の関係を示した図
である。図中、20は真空計であり、図2と同一の符号
を付したものは、同一またはこれに相当するものであ
る。
【0037】チャンバー9内のウエハステージ10に化
合物半導体基板11を載置し、ウエハステージ下部に設
けられたヒーター12で加熱する。チャンバー9は1×
10 −8Torr以下の真空度の保持が可能な構造とな
っており、かかる表面清浄化処理時には、チャンバー9
内は真空ポンプ13により真空排気される。チャンバー
9内の真空度は真空計20で常時モニターされる。ヒー
ター12によってウエハステージ10を介して加熱され
た化合物半導体基板11から放出された解離ガス量を真
空計20による真空度によってリアルタイムでモニター
する。真空計20で測定された真空度のデータはコンピ
ュータ16に取り込まれる。
【0038】図4はGaAs基板の基板加熱温度と真空
計20によって測定されたチャンバー内の真空度の関係
を示す。基板温度が昇温されるにつれて、まず200℃
近傍で第1のピーク41が現われ、次に400℃近傍で
第2のピーク42が生じる。これらのピークはそれぞれ
GaAs基板表面に吸着した水分とOH基の脱離に起因
するもので、As、Gaの脱離には関係しない。さらに
昇温すると700℃近傍でGa,As解離ガスに起因し
た第3のピーク43が現われる。この第3のピークに対
して実施の形態1と同じ手順を用いて最適な基板加熱温
度8、つまり第3のピーク43が生じた基板加熱温度を
決定した後、熱処理を行うことにより同様な効果が得ら
れる。但し、真空度の場合は、図4から明らかなように
複数の極大値が発現するので、所定温度以上での真空度
における極大値を用いる必要がある。
【0039】実施の形態3における化合物半導体の表面
清浄化方法によると、実施の形態1の方法と同様な効果
が生じることに加えて、真空計という質量分析計よりは
るかに安価な器具を用いるため、熱処理装置全体が安価
になるという効果が併せて生じる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る化合物半導体の表面清浄化
方法では、表面あるいは端面に酸化膜が形成された化合
物半導体を加熱して昇温中に上記化合物半導体表面から
放出された解離ガス量を測定する工程と、上記測定から
得られたガス放出特性に基づき基板加熱温度を決定し上
記基板加熱温度で所定時間加熱を行う工程と、を含んで
なるので、酸化膜除去のための基板加熱温度を昇温時ま
たは熱処理時の解離ガス放出特性値から制御するため、
基板加熱温度の最適化が可能となり、最適温度での酸化
膜除去と解離圧の高い元素の解離による組成の変化を抑
制することができる。
【0041】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法では、上記化合物半導体から放出された解離ガ
ス量を測定する手段を、質量分析計による化合物半導体
の構成原子の脱離スペクトル測定としたので、解離元素
を正確にモニターできる。
【0042】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法では、上記基板加熱温度を、上記質量分析計に
おける化合物半導体の構成原子の脱離スペクトルにおけ
る極大値に対応した基板加熱温度としたので、基板加熱
温度の最適化が可能となる。
【0043】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法では、上記基板加熱温度を、前記質量分析計に
おける化合物半導体の構成原子による信号強度あるいは
上記信号強度の微分値が所定の値以上となった場合に対
応した基板加熱温度としたので、より簡便に基板加熱温
度の最適化が図れる。
【0044】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法では、上記化合物半導体から放出された解離ガ
ス量を測定する手段を、真空計による真空度としたの
で、より安価な方法で化合物半導体の表面清浄化を図る
ことができる。
【0045】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法では、上記基板加熱温度を、上記真空計で測定
した真空度の基板加熱温度プロファイルにおける所定温
度以上での極大値に対応した基板加熱温度としたので、
安価な方法で基板加熱温度の最適化が可能となる。
【0046】また、本発明に係る化合物半導体の表面清
浄化方法では、上記基板加熱温度を、上記真空計で測定
した真空度の基板加熱温度プロファイルにおける真空度
あるいは上記真空度の微分値が所定の値以上となった場
合に対応した基板加熱温度としたので、安価でかつより
簡便な方法で基板加熱温度の最適化が図れる。
【0047】本発明に係る化合物半導体用熱処理装置で
は、チャンバーと、上記チャンバー内に設けられたウエ
ハステージと、上記ウエハステージ下部に設けられた基
板加熱用のヒーターと、上記ウエハステージに載置され
た化合物半導体を上記ヒーターで加熱昇温した際に発生
する上記化合物半導体の構成原子からなる解離ガスをリ
アルタイムでモニターするために上記チャンバーに取り
つけられた質量分析計と、上記質量分析計から得られた
データを取得するコンピュータと、上記コンピュータか
らの制御信号に基づき上記ヒーターを所定温度で一定時
間保持する温度コントローラと、を備えたので、基板加
熱温度の最適化が可能となり、最適温度での酸化膜除去
と解離圧の高い元素の解離による組成の変化を抑制する
化合物半導体の表面清浄化方法を容易に実施可能な熱処
理装置が得られる。
【0048】また、本発明に係る化合物半導体用熱処理
装置では、上述の装置に加えて成膜機能を併せて備えた
ので、真空熱処理装置と成膜装置を兼ねることが可能
で、酸化膜除去後の大気暴露による酸化膜の再成長を抑
制でき、さらに、真空中で熱処理が可能なため、酸化膜
除去における熱処理時の成膜装置の汚染を減少すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における自然酸化膜の形成され
たGaAs基板の昇温脱離特性とGaAs基板表面自然
酸化膜の除去特性を説明するための図である。
【図2】 実施の形態2の熱処理装置を示す図である。
【図3】 実施の形態3の熱処理装置を示す図である。
【図4】 実施の形態3における化合物半導体基板の基
板加熱温度とチャンバー内の真空度の関係を表した図で
ある。
【図5】 従来の化合物半導体基板の前処理方法を示す
一連の工程図である。
【符号の説明】
1 質量数75の脱離スペクトル、 2 質量数71の
脱離スペクトル、 3基板解離温度、 4 As脱離ピ
ーク、 5 Ga脱離ピーク、 6 XPSで測定した
熱処理後のGa酸化膜の膜厚変化、 7 XPSで測定
した熱処理後のAs酸化膜の膜厚変化、 8 基板加熱
温度、 9 チャンバー、 10 ウエハステージ、
11 化合物半導体基板、 12 ヒーター、 13
真空ポンプ、 14 真空計、 15 質量分析計、
16 コンピュータ、 17温度コントローラ、 18
シャッター、 19 ガス導入口、 20 真空計、
21 GaAs基板表面に形成された炭素を含む自然
酸化膜、 22 塩酸溶液、 23 酸素ラジカルまた
はプラズマ、 24 基板表面の炭素と反応して生成さ
れたCOまたはCOガス、 25 酸素ラジカルまた
はプラズマにより形成された炭素を含まない酸化膜、
26 Oアッシャー装置、 27 成長装置、 28
基板加熱用ヒータ、 30 GaAs基板、 41
第1のピーク、 42 第2のピーク、 43 第3の
ピーク。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面あるいは端面に酸化膜が形成された
    化合物半導体を加熱して昇温中に前記化合物半導体から
    放出された解離ガス量を測定する工程と、前記測定から
    得られたガス放出特性に基づき基板加熱温度を決定し前
    記基板加熱温度で所定時間加熱を行う工程と、を含んで
    なる化合物半導体の表面清浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物半導体から放出された解離ガ
    ス量を測定する手段が、質量分析計による前記化合物半
    導体の構成原子の脱離スペクトル測定であることを特徴
    とする請求項1記載の化合物半導体の表面清浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記基板加熱温度が、前記質量分析計に
    よる化合物半導体の構成原子の脱離スペクトルにおける
    極大値に対応した基板加熱温度であることを特徴とする
    請求項2記載の化合物半導体の表面清浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記基板加熱温度が、前記質量分析計に
    おける化合物半導体の構成原子による信号強度あるいは
    前記信号強度の微分値が所定の値以上となった場合に対
    応した基板加熱温度であることを特徴とする請求項2記
    載の化合物半導体の表面清浄化方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物半導体から放出された解離ガ
    ス量を測定する手段が、真空計による真空度であること
    を特徴とする請求項1記載の化合物半導体の表面清浄化
    方法。
  6. 【請求項6】 前記基板加熱温度が、前記真空計で測定
    した真空度の基板加熱温度プロファイルにおける所定温
    度以上での極大値に対応した基板加熱温度であることを
    特徴とする請求項5記載の化合物半導体の表面清浄化方
    法。
  7. 【請求項7】 前記基板加熱温度が、前記真空計で測定
    した真空度の基板加熱温度プロファイルにおける真空度
    あるいは前記真空度の微分値が所定の値以上となった場
    合に対応した基板加熱温度であることを特徴とする請求
    項5記載の化合物半導体の表面清浄化方法。
  8. 【請求項8】 チャンバーと、前記チャンバー内に設け
    られたウエハステージと、前記ウエハステージ下部に設
    けられた基板加熱用のヒーターと、前記ウエハステージ
    に載置された化合物半導体を前記ヒーターで加熱昇温し
    た際に発生する前記化合物半導体の構成原子からなる解
    離ガスをリアルタイムでモニターするために前記チャン
    バーに取りつけられた質量分析計と、前記質量分析計か
    ら得られたデータを取得するコンピュータと、前記コン
    ピュータからの制御信号に基づき前記ヒーターを所定温
    度で一定時間保持する温度コントローラと、を備えたこ
    とを特徴とする化合物半導体用熱処理装置。
  9. 【請求項9】 成膜機能を併せて備えたことを特徴とす
    る請求項8記載の化合物半導体用熱処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013165262A (ja) * 2012-01-13 2013-08-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 光半導体素子の製造方法

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