JP2003159699A - 中空グラフェンシート構造体及び電極構造体とそれら製造方法並びにデバイス - Google Patents

中空グラフェンシート構造体及び電極構造体とそれら製造方法並びにデバイス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンナノチューブを含む中空グラフェン
シート体の構造にダメージを与えることなく、簡易に中
空グラフェンシート体を切断等することにより、新たな
中空グラフェンシート構造体及び電極構造体を提供する
こと、及び上記電極構造体を利用して、カーボンナノチ
ューブ等の中空グラフェンシート体の微小デバイスへの
応用を実現させることである。 【解決手段】 少なくとも一対の中空グラフェンシート
体が連続した形状に配置されており、前記一対の中空グ
ラフェンシート体の互いに近接する側の端部同士が、間
隙を介して相対していることを特徴とする中空グラフェ
ンシート構造体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイスを始
めとして広範に利用可能な中空グラフェンシート構造体
及び電極構造体とそれら製造方法、並びに当該電極構造
体を用いた新規なデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、グラフェンシ
ート(炭素6角網目のシート状構造)を中空状に丸めた
構造を有し、その化学的安定性に加え、1〜50nmと
いった細い径でありながら高い電気伝導性を示すため、
放電電極のようなマクロスケールのデバイスから、ナノ
スケールの電子デバイスまで、応用研究が盛んに行われ
ている。また、電気伝導性以外にもカーボンナノチュー
ブ自体が強靭性を有することから、補強材や構造体の支
持体として、さらには、中空構造の作用を利用した水素
貯蔵材料としての応用研究も広く行われている。
【0003】このようなカーボンナノチューブの応用研
究としては、その入手の容易さから、一般に、1層のグ
ラフェンシートからなるシングルウォールカーボンナノ
チューブ(SWNT)と、多層のグラフェンシートから
なるマルチウォールカーボンナノチューブ(MWNT)
を利用した研究が主に行われている。
【0004】一方、カーボンナノチューブの大量生産に
ついては、アーク放電法や、レーザアブレイション法
等、多様な方法が研究されている。しかしながら、カー
ボンナノチューブ自体は糸状の物質であるから、そのま
までは応用範囲が制限されてしまう。このため、製造さ
れたカーボンナノチューブを切断する等の加工技術が必
要となる。
【0005】例えば、大量の記憶素子を有する微小な電
子デバイスを作製する場合には、たとえ配線自体をカー
ボンナノチューブで形成することにより、細線化できた
としても、そのカーボンナノチューブ自体の長さが長尺
であっては、デバイス全体のサイズを小さくすることは
困難となる。
【0006】カーボンナノチューブの加工方法として
は、強酸を用いた酸化によるSWNTの切断方法(J.
Liu et al.,Science,280,p.
1253(1998))、ポリマー中に分散させてスク
リュー回転で切断する方法(M.Yudasaka e
t al.,Appl.Phys.,A71,p.44
1−451(2000))、金属パーティクル中に混合
して固め、そのインゴットを研磨切断する方法(特開2
000−223004号公報)、イオン照射による切断
方法(特開2001−180920号公報)等が知られ
ている。
【0007】しかしながら、上記強酸を用いる方法で
は、カーボンナノチューブ全体がダメージを受けてしま
うのに加え、長時間加熱しつづけなければならず、所望
の特性を有する切断されたカーボンナノチューブを得る
ことが困難であるとともに、生産性が非常に悪いといっ
た問題がある。
【0008】また、マルチウォールカーボンナノチュー
ブの場合は、切断に至るまで多くの層を酸化させなけれ
ならないため、この方法による切断は不可能である。前
記ポリマー中で分散させる方法では、切断を完全なもの
にするために超音波処理を施す必要があり、さらにポリ
マーを除去するために加熱して燃焼させる手順が必要と
なるため、手順が煩雑である。
【0009】また、前記金属パーティクルを利用する方
法では、最終的にインゴット表面に突き出したカーボン
ナノチューブを、エミッタとして使用する以外に切断さ
れたカーボンナノチューブを汎用的に使えない。
【0010】さらに、前記イオン照射による方法では、
数kV〜数十kVのイオンの加速電圧を必要とするた
め、大掛りな装置が必要であると同時に、イオン照射に
よりカーボンナノチューブに未結合手部位を形成する工
程と、その部位と酸素や水素との反応によって切断する
という2つの工程を必要としており、手順が煩雑であ
る。以上のように、公知の加工方法にはそれぞれ問題が
あった。
【0011】一方、金微粒子を酸化触媒として用いるこ
とで、グラファイト表面をエッチングする方法が、H.
Watanabe,Jpn.J.Appl.Phy
s.,32,p.2809(1993)に記載されてい
る。
【0012】また、カーボンナノチューブはその製造過
程において、アモルファスカーボンやグラファイトなど
不純物が多量に混入してしまうため、E.Mizogu
chiらはカーボンナノチューブを抽出する方法とし
て、上記文献を参考にした上で、金の微粒子を界面活性
剤とともに混入させ、酸素雰囲気中で加熱することで、
アモルファスカーボンやグラファイトを酸化し分解する
ことで除去し、これらの不純物に比べて安定なSWNT
を残すことで抽出する方法を示した(E.Mizogu
chi et al.,Chem.Phys.Let
t.,321,p.297−301(2000))。
【0013】この方法においては、さらに高温で加熱す
ると、SWNT自体が酸化分解して消滅してしまうこと
が記載されている。したがって、金微粒子とカーボンナ
ノチューブの組み合わせでは、不純物の除去はできて
も、カーボンナノチューブの形状の加工に応用すること
は期待できないし、示唆もされていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】カーボンナノチューブ
を用いたデバイスを作製したり、カーボンナノチューブ
自体に所望の機能を持たせたりするためには、カーボン
ナノチューブ自体を、その特性をなるべく損なわないよ
うに、かつ、簡便に加工できることが望ましいが、現在
知られている方法には前記のように一長一短がある。ま
た、様々な用途にカーボンナノチューブを応用するため
には、新たな形状のカーボンナノチューブが必要とな
る。
【0015】一方、カーボンナノチューブを、素子を接
続する電極として用いる場合には、カーボンナノチュー
ブ自体をどのように配置するかが大きな問題となる。す
なわち、カーボンナノチューブは非常に細いために取り
扱いが難しく、例えば、カーボンナノチューブを少なく
とも2本の電極として用いる場合、微小化された電子素
子の微小なノード間隔に応じた微小間隙を有するよう
に、2本のカーボンナノチューブを配置することはきわ
めて困難であった。
【0016】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、カーボンナノチューブを含む中空グ
ラフェンシート体の構造へのダメージを低減させた上
で、簡易に中空グラフェンシート体を切断等することに
より、新たな中空グラフェンシート構造体及び電極構造
体を提供することを目的とする。また、上記電極構造体
を利用して、カーボンナノチューブ等の中空グラフェン
シート体の微小デバイスへの応用を実現させることを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明はカーボンナノチューブを含む中空グラフ
ェンシート体の形状を加工する新たな製造方法を提案す
るとともに、該製造方法により得られる新規な中空グラ
フェンシート構造体及び電極構造体についても提案する
ものである。さらに本発明は、前記電極構造体を応用し
たデバイス等についても提案するものである。
【0018】なお、本発明において、前記中空グラフェ
ンシート体とは、グラフェンシートを中空状に丸めた構
造となっているものを指し、ストロー状のカーボンナノ
チューブの他、円錐状のカーボンナノホーン、ストロー
状のカーボンナノチューブにビーズ状の炭素構造体が付
加されたカーボンナノビーズ、螺旋形状のカーボンナノ
コイルなど、ナノスケールの径を有する中空グラフェン
シート体全般に利用できるものを含むものとする。
【0019】前記のように、E.Mizoguchiら
の方法においては、カーボンナノチューブ自体が酸化分
解して消滅してしまい、金微粒子では、カーボンナノチ
ューブの形状の加工を行うことはできない。
【0020】本発明者らは、この方法についてさらに検
討し、E.Mizoguchiらの金微粒子とシングル
ウォールカーボンナノチューブとの混合による酸化の場
合に、カーボンナノチューブがすべて消失してしまう原
因を把握することで、酸化触媒作用を有する金属微粒子
とカーボンナノチューブとの組み合わせによって、カー
ボンナノチューブの形状を加工することができることを
見出した。また、同時に、金のみならず、他の金属でも
カーボンナノチューブの酸化を誘起する触媒作用があ
り、中空グラフェンシート体の加工に利用できることを
見出した。
【0021】すなわち本発明は、 <1> 少なくとも一対の中空グラフェンシート体が連
続した形状に配置されており、前記一対の中空グラフェ
ンシート体の互いに近接する側の端部同士が、間隙を介
して相対していることを特徴とする中空グラフェンシー
ト構造体である。
【0022】<2> 酸素を含有する雰囲気中で、中空
グラフェンシート体に、グラフェンシートの酸化を誘起
する微粒子状の触媒を作用させることで、前記中空グラ
フェンシート体の形状を加工して、中空グラフェンシー
ト構造体を得ることを特徴とする中空グラフェンシート
構造体の製造方法である。
【0023】<3> 前記触媒が、グラフェンシートの
酸化を誘起する金属微粒子であるとともに、前記触媒が
存在しない状態での前記中空グラフェンシート体の燃焼
温度未満の温度で加熱することにより前記グラフェンシ
ートに前記触媒を作用させ、前記中空グラフェンシート
体の形状を加工することを特徴とする<2>に記載の中
空グラフェンシート構造体の製造方法である。
【0024】<4> 前記中空グラフェンシート体の長
さ方向の中途位置に前記金属微粒子を配置し、該金属微
粒子が配置された位置近傍のみのグラフェンシートを酸
化させることにより、前記中空グラフェンシート体を当
該位置で切断することを特徴とする<2>に記載の中空
グラフェンシート構造体の製造方法である。
【0025】<5> <4>に記載の中空グラフェンシ
ート構造体の製造方法であって、前記金属微粒子が、基
板表面に固着されていることを特徴とする中空グラフェ
ンシート構造体の製造方法である。
【0026】<6> <4>に記載の中空グラフェンシ
ート構造体の製造方法であって、さらに前記金属微粒子
を除去する工程を備えることを特徴とする中空グラフェ
ンシート構造体の製造方法である。
【0027】<7> 前記金属微粒子が、金の微粒子で
あることを特徴とする<3>〜<6>のいずれかに記載
の中空グラフェンシート構造体の製造方法である。
【0028】<8> 前記金属微粒子が、銀、銅及び白
金から選ばれる少なくともいずれかの金属の微粒子であ
ることを特徴とする<3>〜<6>のいずれかに記載の
中空グラフェンシート構造体の製造方法である。
【0029】<9> 前記中空グラフェンシート体がマ
ルチウォールカーボンナノチューブであり、前記金属微
粒子が白金の微粒子であることを特徴とする<3>に記
載の中空グラフェンシート構造体の製造方法である。
【0030】<10> 前記金属微粒子を、マスクを用
いて前記中空グラフェンシート体の長さ方向の中途位置
に配置することを特徴とする<3>に記載の中空グラフ
ェンシート構造体の製造方法である。
【0031】<11> 間隙を介して相対する一対の電
極を有する電極構造体であって、前記電極が、連続した
形状に配置された一対の中空グラフェンシート体であ
り、該一対の中空グラフェンシート体の互いに近接する
側の端部同士が、間隙を介して相対していることを特徴
とする電極構造体である。
【0032】<12> 前記間隙に、金属微粒子が配置
されてなり、該金属微粒子と前記一対の中空グラフェン
シート体の互いに近接する側のそれぞれの端部との間
に、微小間隙を有することを特徴とする<11>に記載
の電極構造体である。
【0033】<13> 前記間隙に、金属微粒子が配置
されてなり、該金属微粒子と、前記一対の中空グラフェ
ンシート体の一方の端部とが、電気的に接続された状態
であることを特徴とする<11>に記載の電極構造体で
ある。
【0034】<14> <11>〜<13>のいずれか
に記載の電極構造体を製造するための製造方法であっ
て、酸素を含有する雰囲気中で、中空グラフェンシート
体の長さ方向の中途位置に金属微粒子を配置し、該金属
微粒子が配置された位置近傍のみのグラフェンシートを
酸化させることにより、前記中空グラフェンシート体を
当該位置で切断し、分離された一対の中空グラフェンシ
ート体を電極とすることを特徴とする電極構造体の製造
方法である。
【0035】<15> <14>に記載の電極構造体の
製造方法であって、前記金属微粒子が、基板表面に固着
されていることを特徴とする電極構造体の製造方法であ
る。
【0036】<16> <14>に記載の電極構造体の
製造方法であって、さらに前記金属微粒子を除去する工
程を備えることを特徴とする電極構造体の製造方法であ
る。
【0037】<17> 前記金属微粒子が、金の微粒子
であることを特徴とする<14>〜<16>のいずれか
に記載の電極構造体の製造方法である。
【0038】<18> 前記金属微粒子が、銀、銅及び
白金から選ばれる少なくともいずれかの金属の微粒子で
あることを特徴とする<14>〜<16>のいずれかに
記載の電極構造体の製造方法である。
【0039】<19> <12>に記載の電極構造体に
対し、所定の電気的作用を生ずる機能素子を、前記微小
間隙を介して対向する前記中空グラフェンシート体の端
部と、前記金属微粒子と、にそれぞれ接続することによ
って構成されることを特徴とするデバイスである。
【0040】<20> <12>に記載の電極構造体に
おける、前記微小間隙を介して対向する前記中空グラフ
ェンシート体の端部と前記金属微粒子との当該微小間隙
に、機能性有機分子を挿入することよって構成されるこ
とを特徴とするデバイスである。
【0041】<21> 1層以上のグラフェンシートが
チューブ状に構成される中空グラフェンシート構造体で
あって、該中空グラフェンシート構造体の長さ方向にお
いて、さらに1層以上のグラフェンシートがチューブ状
に積層された領域を有することを特徴とする中空グラフ
ェンシート構造体である。
【0042】上記についてさらに説明すれば、前記のよ
うに金微粒子はカーボンナノチューブに対し、非常に有
効な酸化触媒として作用する。しかし、E.Mizog
uchiらは、カーボンナノチューブの加工を目的とせ
ず、不純物の除去のみを目的としていたので、金微粒子
をカーボンナノチューブ全体に分散させた。このため、
当該金微粒子は、酸化のための加熱工程において、微粒
子近傍にあるカーボンナノチューブの分解が終わると、
他のカーボンナノチューブに移動して、次々とカーボン
ナノチューブを分解していってしまった。結局、この試
みにおいては、すべてのカーボンナノチューブが分解さ
れてしまい、カーボンナノチューブの形状の加工への利
用については示唆されなかった。
【0043】しかし、本発明者らは、前記金微粒子を基
板表面に固着させることにより、酸化を起こすための加
熱工程において、自由に動き回れないような状態におけ
ば、カーボンナノチューブを部分的に分解し、切断する
ことができることを見出した。
【0044】また、カーボンナノチューブの酸化を誘起
する微粒子の材料によっては、酸化が発生する加熱温度
では、前記金微粒子のような活発な触媒作用(おそらく
加熱エネルギーによる微粒子の移動)を示さないものも
あり、この場合酸化作用が生じるのは、当該微粒子の近
傍だけに留まることから、カーボンナノチューブの形状
の加工に利用できることを見出したのである。
【0045】すなわち、本発明者らは、カーボンナノチ
ューブの酸化を誘起する微粒子状の触媒を作用させるこ
とで、カーボンナノチューブの形状を加工することが可
能となることを見出したものである。また、この作用を
利用して、新たなカーボンナノチューブ構造体、微小間
隙を有する電極構造体等を提供することも可能としたも
のである。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態
を挙げて詳細に説明する。 <第1の実施形態>本実施形態においては、連続した形
状に配置された一対のカーボンナノチューブ(中空グラ
フェンシート体)の互いに近接する側の端部同士が、間
隙を介して相対しているカーボンナノチューブ構造体
(中空グラフェンシート構造体)及びその製造方法につ
いて説明する。
【0047】図1〜図4は、本実施形態におけるカーボ
ンナノチューブ構造体の製造工程を模式的に示す拡大断
面図である。図1は基板10の表面に金属薄膜20を形
成した状態、図2は該金属薄膜20を金属微粒子21と
した状態、図3は該金属微粒子21にカーボンナノチュ
ーブ30を被せた状態、図4は該カーボンナノチューブ
30が切断されたカーボンナノチューブ構造体を各々示
す。
【0048】まず、図1に示すように、基板10表面に
スパッタリング法により金属薄膜20を形成する。製膜
方法としては、スパッタリング以外にも真空蒸着法やC
VD法等公知の薄膜形成方法を用いることができる。
【0049】金属としては、カーボンナノチューブ30
に対して、微粒子化したときに酸素雰囲気中で酸化作用
を誘起する金属であれば特に制限されるものではなく、
さらに、金属以外の微粒子であってもよい。本発明にお
いては、金、銀、白金、銅が特に好ましく用いられる。
また、合金や、これらの金属微粒子を樹脂等に分散させ
た状態でも使用することが可能である。
【0050】基板10としては、金属原子のトラップの
少ないガラス基板を用いれば、後述する微粒子化のため
の加熱(前処理工程)後の、金属微粒子21の分布を一
様とすることができるが、あえて凝集位置に規則性を持
たせるような、トラップを有する基板を用いることも可
能である。
【0051】ここで、当該トラップとは、金属原子を固
定させ、加熱時においても当該金属原子が移動しにくい
状態にさせる場を意味し、例えば、結晶表面における微
小な凹部分や、金属原子が集合しやすい比較的エネルギ
ーレベルの低い部分等をいう。
【0052】金属薄膜20の膜厚は、微粒子として触媒
作用をさせるため、予め基板10の表面で不連続な膜と
なる程度に薄い膜厚で形成することが望ましい。具体的
には、1〜100nmの範囲であることが好ましい。特
に、以下に述べる微粒子化(前処理工程)を行う場合に
は、5〜30nmの範囲であることが好ましい。
【0053】次に、図2に示すように、金属薄膜20を
該金属の融点付近まで加熱する(前処理工程)。このと
き、金属と基板10との間の表面エネルギー差や、加熱
による金属原子(凝集体)の移動により、金属薄膜20
は基板10の表面で凝集して金属微粒子21となる。
【0054】通常、金などの金属は酸素雰囲気中で加熱
しても不活性であるが、微粒子化することにより、融点
より低い加熱温度で活性化される。従って、上記前処理
工程等により金属を微粒子化することは、カーボンナノ
チューブを微小な点で切断するという目的のためだけで
なく、酸化反応の活性点を得るという目的からも重要で
ある。
【0055】また、上記金属原子の微粒子化に伴い、金
などの金属は基板10表面に固着されることとなる。こ
の場合、前記固着とは、後述するカーボンナノチューブ
を酸化する温度まで加熱しても、金属微粒子21が移動
しない状態をいう。すなわち、前記加熱前あるいは加熱
時において、金属微粒子21が小さく、球状に近い粒子
である場合には、基板10との接触面積が小さいため金
属微粒子21は加熱時に基板10の表面を動きやすい。
しかし、粒子の大きさがある程度大きくなったり、粒子
の形状が、半球状に近くなったりすることにより、基板
10との接触面積が大きくなり、加熱時においても基板
10の表面を動き回ることはない。このような状態が固
着された状態と考えられる。
【0056】既述のように、本発明では、カーボンナノ
チューブを含む中空グラフェンシート体を金属微粒子2
1の酸化作用により切断するために、金属によっては前
処理工程等によって基板10の表面に当該金属の微粒子
を固着させることが必要な場合がある。
【0057】前記金属微粒子21の粒径は、10nm〜
5μmであることが好ましく、50nm〜1μmの範囲
であることがよりこの好ましい。粒径が10nmに満た
ない場合は、当該金属微粒子21がカーボンナノチュー
ブ30に接触できず、十分な酸化作用を及ぼすことがで
きなかったり、当該金属微粒子21の基板10への固着
が不十分となったりする場合があり、粒径が50nmを
超える場合には、触媒としての活性が低下する場合があ
る。
【0058】なお、前記前処理工程は、加熱をしなくと
も、金属原子が粒子状に凝集化した状態で基板10の表
面に形成されている場合には、あえて行う必要はない。
この基板10の表面に直接金属微粒子を形成する方法と
しては特に制限されるものではないが、薄膜に近い状態
や粒径が大きい状態は好ましくなく、10nm〜5μm
の範囲の粒径に形成されることが好ましい。
【0059】また、上記金属微粒子21同士の間隔は、
後述するように加工目的に応じてコントロールすること
が可能である。しかし、当該間隔が10nmに満たない
場合は、通常用いる長さの1本のカーボンナノチューブ
30を、1個の金属微粒子21に対し適切に配置できな
くなることがあり、当該間隔が5μmを超える場合に
は、金属微粒子21に接触しないカーボンナノチューブ
30が多くなり、効率的にカーボンナノチューブ30の
形状の加工を行うことができないことがある。
【0060】なお、金属微粒子21同士の間隔(基板1
0表面での金属微粒子21の分布)は、金属あるいは基
板10の種類に加え、金属薄膜20の膜厚、前処理工程
の加熱温度等でコントロールすることが可能である。例
えば、基板10表面に同種・同量の金属薄膜20を形成
した場合でも、前処理工程の加熱温度を高くすれば、金
属微粒子21の粒径が大きくなり粒子間隔も大きくな
る。逆に、前記加熱温度を低くすれば、金属微粒子21
の粒径が小さくなり粒子間隔も小さくなる。
【0061】次に、前記金属微粒子21を形成させた基
板10の表面に、有機溶媒にカーボンナノチューブ30
を分散させた分散液をスプレー塗布し、図3に示すよう
に、カーボンナノチューブ30を前記金属微粒子21に
被さるように配置する。この場合、切断対象となるカー
ボンナノチューブ31は少なくとも1点以上で前記金属
微粒子21と接触していることが必要である。ただし、
切断されないカーボンナノチューブが基板10表面に存
在してもかまわない。
【0062】本実施形態に用いるカーボンナチューブ3
0は、シングルウォールカーボンナノチューブであって
も、マルチウォールカーボンナノチューブであってもよ
い。
【0063】当該カーボンナノチューブ30の長さは、
10nm〜100μmの範囲であることが好ましく、2
0nm〜10μmの範囲であることがより好ましい。長
さが10nmに満たない場合は、金属微粒子21の粒径
と比較しても短く、後述する金属微粒子21による酸化
でカーボンナノチューブ30全体が消失してしまうこと
があり、長さが100nmを超える場合には、カーボン
ナノチューブ同士の絡み合いも多くなり、取り扱いが不
便となることがある。
【0064】前記カーボンナノチューブ30の径は、1
〜100nmの範囲であることが好ましい。径が1nm
に満たない場合は、ナノチューブとして弱すぎ、構造体
としても維持できないことがあり、径が100nmを超
える場合には、本実施形態において切断が困難となるこ
とがある。
【0065】有機溶媒としては、エタノール、イソプロ
パノール、テトラヒドロフラン等を用いることが好まし
い。また、当該有機溶媒に分散させる場合のカーボンナ
ノチューブ30の濃度としては、0.1〜1質量%の範
囲であることが、基板10の表面に均一に金属微粒子2
1を配置することができるため好ましい。
【0066】前記カーボンナノチューブ30の分散液の
作製において、カーボンナノチューブ30の有機溶媒へ
分散を均一化するために界面活性剤を混合してもよい。
ただし、界面活性剤を用いることで、金属微粒子21と
基板10との間の固着力に影響を及ぼすおそれがあるの
で、当該界面活性剤は、触媒によりカーボンナノチュー
ブ30が酸化される温度よりも低い温度で分解されるこ
とが望ましい。具体的に界面活性剤としては、ドデシル
硫酸ナトリウム、ベンザルコニウムクロライド等を用い
ることができる。
【0067】塗布方法はスプレー塗布に限らず、分散液
を用いる場合にはスピンコーティングや、ディッピング
させることも可能であるし、粉体状のカーボンナノチュ
ーブ30を前記基板10の表面に直接付与することもで
きる。
【0068】前記金属微粒子21に対して、カーボンナ
ノチューブ30を被せるように配置する方法としては、
例えば、1個の金属微粒子21に対し、1本のカーボン
ナノチューブ30を配置することもできる。この場合に
は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)において、試料基
板を前記金属微粒子21を表面に形成した基板10と
し、プローブとしてカーボンナノチューブを用いること
により、顕微鏡観察下でカーボンナノチューブ30を移
動させ、金属微粒子21に被せる等の方法を採ることが
できる。
【0069】次いで、前記スプレー塗布した基板10に
ついて、溶媒を揮発させた後、前記金属微粒子21及び
前記カーボンナノチューブ30が配置された基板10全
体を、酸素含有雰囲気中に置き、触媒である金属微粒子
21によりカーボンナノチューブ30の酸化が誘起され
る温度で加熱する(加熱工程)。
【0070】この場合の加熱温度は、前記触媒が存在し
ない状態でのカーボンナノチューブ30の燃焼温度未満
である必要がある。前記加熱温度がカーボンナノチュー
ブ30の燃焼温度以上である場合には、カーボンナノチ
ューブ30全体が焼失してしまう場合がある。
【0071】具体的に本実施形態のように、カーボンナ
ノチューブ30の切断を行うような加工の場合の加熱温
度としては、前記触媒の存在下でのカーボンナノチュー
ブ30の燃焼開始温度をToとすると、To〜To+2
00℃の範囲であることが好ましい。
【0072】前記酸化が誘起される機構については明ら
かではないが、酸化が起こるためには、金属微粒子21
表面で酸素が一旦解離する必要があることから、酸化開
始時には、金属微粒子21はその表面が多少溶融し活性
化された状態となっていると考えられる。従って、前記
加熱温度は、金属微粒子21に用いられる金属が溶融し
始める温度付近以上であることが好ましいが、金属微粒
子21の粒径が小さくなるほど、金属微粒子21が熱の
影響を受けやすくなるため、前記加熱温度を低めに設定
することが好ましい。
【0073】前記酸化が誘起され、カーボンナノチュー
ブ30が切断されるための酸素含有雰囲気における酸素
濃度は、0.1%以上であることが好ましいが、通常の
大気中において上記酸化は十分に誘起されるものであ
る。以下の酸素含有雰囲気については、上記と同様であ
る。
【0074】なお、この工程において、前記E.Miz
oguchi et al.,Chem.Phys.L
ett.,321,p.297−301(2000)に
示されているように、金属薄膜20を金としたときに
は、金微粒子が基板10に固着していない状態では、加
熱中に金微粒子が基板10表面を移動して、カーボンナ
ノチューブ30が完全に分解され消失してしまう。従っ
て、特に金属として金を用いてカーボンナノチューブ3
0に対して加工を施す場合には、金微粒子を前記のよう
に基板10と固着させた状態とし、その近傍にあるカー
ボンナノチューブ30だけが切断されるようにすること
が好ましい。
【0075】図4は、このようにしてカーボンナノチュ
ーブ30が切断され、分離されたカーボンナノチューブ
31a,31bからなるカーボンナノチューブ構造体の
概念図である。ここで切断とは、実際はグラフェンシー
トを酸化する金属微粒子21により、その近傍のカーボ
ンナノチューブ30の一部分が消失し、間隙が形成され
た状態をいう。
【0076】前記構造体における一対のカーボンナノチ
ューブ31a,31bの互いに近接する側の端部同士の
間隙は、触媒微粒子の大きさを選択することによってコ
ントロールすることが可能である。このため、機械的に
切断した2本のカーボンナノチューブを再配置するのと
比べて、高い精度で2本のカーボンナノチューブを対向
させることができる。
【0077】また、一対のカーボンナノチューブ31の
間に配置された金属微粒子21と近接する一方のカーボ
ンナノチューブ31の端部31との間隙(微小間隙)
は、切断によって金属微粒子との間に間隙が形成された
時点で反応は止まると考えられるため、0.1〜50n
mの範囲となる。
【0078】さらに、図4に示すカーボンナノチューブ
構造体について、前記カーボンナノチューブ31a,3
1bを基板10に固定した状態で、基板10ごと金属微
粒子21を溶解する溶液(金微粒子の場合には王水等)
に浸漬し、金属微粒子21を除去することにより、一対
のカーボンナノチューブ31の相対している端部間に、
金属微粒子が存在しないカーボンナノチューブ構造体を
得ることもできる。
【0079】このようにして、カーボンナノチューブだ
けでなく、他の中空グラフェンシート体についても、前
記方法によれば、少なくとも一対の中空グラフェンシー
ト体が連続した形状に配置され、前記一対の中空グラフ
ェンシート体の互いに近接する側の端部同士が、間隙を
介して相対している中空グラフェンシート構造体を得る
ことができる。
【0080】なお、前記切断されたカーボンナノチュー
ブは、エタノール等の溶媒中に浸した状態で、超音波を
印加することで,基板10から剥離され、溶媒を除去す
ることで、切断されたカーボンナノチューブを抽出する
ことができる。基板10の表面に金属微粒子21が一様
に分布していれば、上記の結果得られるカーボンナノチ
ューブは、金属微粒子21の平均間隔に応じて揃った長
さを有することとなる。
【0081】<第2の実施形態>第1の実施形態では、
金属薄膜20を形成した基板10を、一度加熱という前
処理工程によって金属を微粒子化させたが、用いる金属
や組み合わせる基板10の種類によっては、触媒作用の
生じるカーボンナノチューブの燃焼温度付近にて、金属
微粒子21の移動がほとんど見られないものもある。例
えば、金属薄膜20の形成条件で金属微粒子21の径が
非常に大きくなると、触媒の作用によりカーボンナノチ
ューブ30を酸化させる温度付近であっても、金属微粒
子21は動かない。また、金属原子をトラップしやすい
基板10を用いる場合にも、前記カーボンナノチューブ
30を酸化させる温度付近では、金属微粒子21が当該
トラップから逃げられない場合がある。
【0082】そこで、このような金属微粒子として動か
ない金属を用いたり、金属原子をトラップしやすい基板
を用いたりする場合には、予めカーボンナノチューブ3
0を基板10の表面に塗布し、その後から金属薄膜を形
成することもできる。本実施形態では、上記のような方
法により得られる、前記一対のカーボンナノチューブの
互いに近接する端部同士が、間隙を介して相対している
カーボンナノチューブ構造体について説明する。
【0083】図5〜図7は、本実施形態におけるカーボ
ンナノチューブ構造体の製造工程を模式的に示す拡大断
面図である。図5は基板10の表面にカーボンナノチュ
ーブ30を配置した状態、図6は該カーボンナノチュー
ブ30表面に金属微粒子21を形成させた状態、図7は
該カーボンナノチューブ30が切断されたカーボンナノ
チューブ構造体を各々示す。
【0084】まず、第1の実施形態と同様の、有機溶媒
中にカーボンナノチューブを30分散させた分散液を、
基板10の表面にスプレー塗布し、図5に示すようにカ
ーボンナノチューブ30を基板10表面に配置する。
【0085】なお、用いるカーボンナノチューブ30の
好ましい長さ、径は、第1の実施形態で用いたものと同
様である。また、用いる有機溶媒、濃度、塗布方法につ
いても同様とすることができる。
【0086】このとき、前記有機溶媒中に、該有機溶媒
が揮発したのちにカーボンナノチューブ30が飛散しな
いように、バインダーとなる有機高分子を混合してもよ
い。バインダーは、触媒によりカーボンナノチューブ3
0のグラフェンシートが酸化される温度よりも低い温度
で分解することが望ましく、例えば、ビニル系高分子、
アクリル系高分子、ポリウレタン等を用いることができ
る。
【0087】次に、この基板10の表面にスパッタリン
グにより金属薄膜を形成し、引き続き、真空中で基板1
0を前記金属の融点付近まで加熱する。このようにする
ことで、カーボンナノチューブ30が触媒である金属微
粒子21によって酸化作用を引き起こさずに、図6に示
すように、金属微粒子21の形成、あるいは前記バイン
ダーの分解を行うことができる。なお、好ましい金属薄
膜の膜厚、金属微粒子21の粒径、金属微粒子21の間
隔は、第1の実施形態と同様である。
【0088】前記のように、金微粒子は基板10の表面
に固着させる場合以外は、加熱時に移動しやすいため、
上記金属薄膜形成に用いられる金属としては好ましくな
い。従って、本実施形態に用いられる金属としては、金
以外の銀、銅、白金等であることが好ましい。
【0089】ただし、金属微粒子21の融点やバインダ
ーの分解温度が、真空中でのカーボンナノチューブ30
の安定な上限温度を超える場合には、この方法を用いる
ことはできない。従って、そのような場合にはこの工程
を除いてもよい。
【0090】続いて、前記基板10を酸素含有雰囲気中
に移動し、第1の実施形態同様、金属微粒子21により
カーボンナノチューブ30の酸化が誘起される温度で加
熱する。この状態でも、図6の金属微粒子21はカーボ
ンナノチューブ30の表面を動き回ってカーボンナノチ
ューブ30全体を酸化させることはなく、金属微粒子2
1に接している位置近傍のグラフェンシートが徐々に酸
化され消失し、やがて図7に示すようにカーボンナノチ
ューブ30は切断され、分離したカーボンナノチューブ
31a,31bからなるカーボンナノチューブ構造体と
なる。
【0091】上記方法により得られた図7に示すカーボ
ンナノチューブ構造体は、結果的に、図4に示すカーボ
ンナノチューブ構造体と同様、中途で切断された構造と
なっており、本実施形態によっても、少なくとも一対の
中空グラフェンシート体が連続した形状に配置され、前
記一対の中空グラフェンシート体の互いに近接する側の
端部同士が、間隙を介して相対している中空グラフェン
シート構造体を得ることができる。
【0092】一方、本実施形態における方法では、金の
ように触媒の作用する温度付近で移動が起きやすい金属
微粒子21を用いると、カーボンナノチューブ30全体
が酸化されてしまうため、カーボンナノチューブ30の
形状を加工することができない。そのような場合には、
前記の金属原子をトラップしやすい基板を選択する、金
属微粒子21の粒径を大きくするといった、触媒微粒子
の移動を抑制するような工夫が必要である。
【0093】このようにすることで、金属微粒子21が
カーボンナノチューブ30表面から移動しても、基板1
0表面に達したところで基板10に固着され、第1の実
施形態と同様に金属微粒子21に接している位置近傍の
カーボンナノチューブ30が酸化され、切断される。
【0094】また、前記金属微粒子21の粒径を大きく
することに関しては、例えば基板10としてトラップの
少ないガラスを用いた場合には、金微粒子の粒径が10
0nm以上であれば、基板10表面に固着された状態と
なる。
【0095】<第3の実施形態>次に、第1及び第2の
実施形態と異なり、1本の連続したカーボンナノチュー
ブの太さを、長さ方向の中途の位置で細く加工すること
で得られる、新たなカーボンナノチューブ構造体及びそ
の製造方法について説明する。当該製造方法により得ら
れるカーボンナノチューブ構造体は、具体的には、1層
以上のグラフェンシートがチューブ状に構成されるカー
ボンナノチューブ構造体であって、該カーボンナノチュ
ーブ構造体の長さ方向において、さらに1層以上のグラ
フェンシートがチューブ状に積層された領域を有するカ
ーボンナノチューブ構造体である。
【0096】図8〜図11は、本実施形態におけるカー
ボンナノチューブ構造体を製造する工程を模式的に示す
拡大断面図である。図8は基板10の表面にカーボンナ
ノチューブ30を配置した状態、図9は該カーボンナノ
チューブ30に対しマスク40を用いて金属を蒸着して
いる状態、図10は該カーボンナノチューブ30のマス
キング部分以外の領域が細く加工されたカーボンナノチ
ューブ構造体、図11は該カーボンナノチューブ30に
対しパターニングされたマスク41を用いて金属を蒸着
している状態を各々示す。
【0097】まず、第2の実施形態と同様に、基板10
表面に、有機溶媒中にカーボンナノチューブ30を分散
した分散液をスプレー塗布し、図8に示すようにカーボ
ンナノチューブ30を基板10の表面に配置する。
【0098】この場合、本実施形態のように、カーボン
ナノチューブ30の長さ方向の一定領域の径を細くする
加工を行うには、カーボンナノチューブ30はマルチウ
ォールカーボンナノチューブである必要がある。シング
ルウォールカーボンナノチューブを用いると、第1ある
いは第2の実施形態と同様に、白金の微粒子を付着させ
た箇所でカーボンナノチューブが分解され、切断された
カーボンナノチューブしか得られないからである。
【0099】上記を考慮すると、本実施形態に用いられ
るカーボンナノチューブ30は、長さが10nm〜10
0μmであることが好ましく、20nm〜10μmの範
囲であることがより好ましい。長さが20nmに満たな
い場合は、カーボンナノチューブ30の長さ方向で径を
細くする加工が困難となることがあり、長さが10μm
を超える場合は、カーボンナノチューブ同士の絡み合い
等が生じ、同様に加工が困難となることがある。
【0100】また、径は加工目的に応じたものを選択す
る必要がある。しかし、径が10nmに満たない場合
は、上記のようにカーボンナノチューブ30が酸化によ
り切断されてしまうことがある。
【0101】上記のようなカーボンナノチューブ30を
構成するのグラフェンシートの層の数は、数層〜数十層
程度である。ただし、本実施形態に用いられるカーボン
ナノチューブ30の層の数は、これに限定されるもので
はない。
【0102】引き続いて、図9に示すようにカーボンナ
ノチューブ30の一定領域Aを、マスク40にてマスキ
ングしてスパッタリングを行い、カーボンナノチューブ
30の前記一定領域A以外の領域Bに金属薄膜を形成す
る。なお、図9において、矢印はアルゴンイオン等によ
ってスパッタリングされた金属原子・分子の動きを示
し、マスク40によりマスキングされたカーボンナノチ
ューブ30の領域Aには、前記金属原子・分子が到達し
ていない。その後、本実施形態においては、金属の微粒
子化工程(前処理工程)を行うことなく酸素含有雰囲気
中における加熱工程により、カーボンナノチューブ30
の酸化が行なわれる。
【0103】このとき、金属薄膜に用いる金属として
は、カーボンナノチューブ30の中心方向(深さ方向)
への酸化作用を優先的に誘起する触媒を用いる。上記触
媒としては、白金の微粒子を用いることが好ましい。す
なわち、白金の微粒子は金属薄膜として蒸着されても、
触媒作用による酸化温度付近では、白金の微粒子の移
動、凝集が殆ど起きないため、加熱工程において、該微
粒子の近傍に存在するカーボンナノチューブを、深さ方
向に侵食するように酸化させていくと考えられる。この
ため、前記のようにマスキングした場合、図10に示す
ように、カーボンナノチューブ30の白金の微粒子が存
在する領域Bで、径が細くなったカーボンナノチューブ
32(カーボンナノチューブ構造体)を得ることが可能
となる。
【0104】なお、本実施形態のカーボンナノチューブ
構造体を製造するために、上記のようにマスクを用いて
白金薄膜を一定領域に形成させてもよいが、基板表面
に、複数のカーボンナノチューブが重なったカーボンナ
ノチューブ層を形成し、該層の表面のみに白金微粒子を
付着させ、酸化を行うことにより、カーボンナノチュー
ブのうち表面近傍の部分のみ径を細くさせて、前記カー
ボンナノチューブ構造体を得てもよい。
【0105】前記白金の微粒子の、他の金属微粒子に対
する特異性については明らかではないが、白金の融点が
他の金属に比べかなり高いため、カーボンナノチューブ
30の酸化が起こる温度では溶融による凝集が起こりに
くく、この結果、白金の凝集より酸化反応の方が優先し
て進行していくためと考えられる。
【0106】以上のように、本実施形態では白金がスパ
ッタリングにより微粒子化されている必要があるため、
スパッタリング後の金属薄膜の膜厚は、1〜10nmで
あることが好ましく、形成される白金の微粒子の粒径
は、0.1〜5nmの範囲であることが好ましい。
【0107】また、本実施形態のようにカーボンナノチ
ューブ30の径を細くする加工を行う加熱工程において
は、加熱温度は、触媒存在下でのカーボンナノチューブ
30の燃焼開始温度をToとした場合、To〜To+2
00℃の範囲であることが好ましい。
【0108】本実施形態においては、図11に示すよう
に、所望のパターンにパターニングされたマスク41を
用いて、白金の微粒子をカーボンナノチューブ30に付
着させることで、パターン間隔Cに応じた長さに径の太
さを変えた、あるいは切断されたカーボンナノチューブ
構造体を得ることも可能である。なお、図11におい
て、矢印は図9と同様にスパッタリングされた金属原子
・分子の動きを示す。
【0109】(第4の実施形態)本実施形態において
は、微小間隙を有する電極構造体、間隙を介して相対す
る一対の電極を有する電極構造体及びその製造方法の一
例を説明する。図12〜14は本実施形態の電極構造体
の製造工程を模式的に示す拡大図である。図12は電極
50、50’の配置、図13は該電極50、50’間に
金属微粒子21が形成された状態、図14は微小間隙を
有する電極構造体を各々示す。
【0110】まず、図12に示すように、基板10の表
面に外部との接続端子となる電極50、50’を形成す
る。この電極50、50’の間隔は、電極構造体形成に
用いられるカーボンナノチューブの長さを考慮すると、
10nm〜20μmであることが好ましい。次に、カー
ボンナノチューブに対して酸化触媒作用を有する金属の
薄膜を、基板10の表面にスパッタリング等で付着させ
る。引き続き、基板10を当該金属の融点近傍まで加熱
し、図13に示すように、金属微粒子21を形成させ
る。これらの金属微粒子21は、冷却されることで基板
10の表面に固着される。
【0111】なお、前記金属微粒子21の粒径及び粒子
間隔は、後述するカーボンナノチューブを電極50間に
配置した場合に、少なくとも1つの金属微粒子21と、
必ず1点以上で当該カーボンナノチューブが接触するよ
うに設定される必要があり、この観点から、粒径は10
nm〜1μmの範囲であることが好ましい。また、粒子
間隔は10nm〜5μmの範囲であることが好ましい。
【0112】次いで、カーボンナノチューブを電極5
0、50’間に配置する。カーボンナノチューブを電極
50間に配置する方法としては、前記カーボンナノチュ
ーブの粉体をそのまま基板10の表面に付与し、ランダ
ムに配置して、最終的に電極50に電気的に接続されて
いるカーボンナノチューブを利用するようにしてもよい
し、既述の如く、プローブとしてカーボンナノチューブ
を用いたSPMにより、カーボンナノチューブを電極5
0の間に配置することも可能である。ただし、生産性を
考慮すると前者の方が有効である。なお、本実施形態で
用いられるカーボンナノチューブの好ましい長さ、径の
範囲は、第1の実施形態のものと同様である。
【0113】次に、この基板10を酸素含有雰囲気中
で、金属微粒子21によるカーボンナノチューブの酸化
を誘起する温度まで加熱する。カーボンナノチューブの
うち、金属微粒子21に接触した箇所は酸化による分解
が生じ、カーボンナノチューブが消失する。同時に、切
断されたカーボンナノチューブ31a及び31bの前記
金属微粒子21側の端部と金属微粒子21との間には、
それぞれ金属微粒子21のサイズと比較して極めて微小
な間隙が形成されることとなる。なお、1本のカーボン
ナノチューブが1箇所に限らず2箇所以上で切断され、
31c,31d,31eとなる場合には、図14に示す
ように複数箇所でこのような微小間隙が形成される場合
もある。
【0114】このようにして、一対のカーボンナノチュ
ーブの互いに近接する側の端部同士の間隙に、金属微粒
子が配置され、該金属微粒子と前記一対のカーボンナノ
チューブの近接する側のそれぞれの端部との間に、微小
間隙を有する電極構造体を得ることができる。
【0115】当該電極構造体における一対のカーボンナ
ノチューブの互いに近接する側の端部同士の間隙は、触
媒微粒子の大きさを選択することによりコントロール可
能である。
【0116】また、一対のカーボンナノチューブの互い
に近接する端部間に配置された金属微粒子21と、近接
する一方のカーボンナノチューブ31の端部31と、の
微小間隙は、前記と同様に0.1〜50nmの範囲とな
る。
【0117】さらに、図14に示す電極構造体につい
て、切断されたカーボンナノチューブが基板10表面に
固定された状態で、前記電極構造体を有する基板10ご
と、金属微粒子を溶解する溶液(金微粒子の場合には王
水等)に浸漬し、金微粒子を取り除くことにより、一対
のカーボンナノチューブの互いに近接する側の端部間に
金属微粒子が存在しない電極構造体を得ることもでき
る。
【0118】以上より、カーボンナノチューブだけでな
く、他の中空グラフェンシート体についても、前記方法
によれば、間隙を介して相対する一対の電極を有する電
極構造体であって、前記電極が、連続した形状に配置さ
れた一対の中空グラフェンシート体であり、該一対の中
空グラフェンシート体の互いに近接する側の端部同士
が、間隙を介して相対している電極構造体を得ることが
できる。また、同時に、前記間隙に、金属微粒子が配置
され、該金属微粒子と前記一対の中空グラフェンシート
体の互いに近接する側のそれぞれの端部との間に、微小
間隙を有する電極構造体を得ることができる。
【0119】(第5の実施形態)本実施形態において
は、一対のカーボンナノチューブの互いに近接する端部
の間隙に金属微粒子が配置され、該金属微粒子と前記一
対のカーボンナノチューブの一方の端部が電気的に接続
された電極構造体、及びその製造方法の一例を説明す
る。なお、本実施形態における電気的に接続とは、主と
して物理的に接触または接続され導通状態にあることを
いうが、例えば、空間を電子が飛び交うこと等による電
気的な接続等も含まれるものである。
【0120】前記電極構造体は、具体的に以下に述べる
2つの方法により製造することができる。1つは、第4
の実施形態で製造される、一対のカーボンナノチューブ
の互いに近接する端部の間隙に金属微粒子が配置され、
該金属微粒子と前記一対のカーボンナノチューブの互い
に近接する側のそれぞれの端部との間に微小間隙を有す
る電極構造体を用い、前記金属微粒子と、該金属微粒子
と近接する一方の端部と、を接続手段より接続する方法
である。この場合、前記接続手段としては、導電性のナ
ノチューブ等を用いて前記金属微粒子と、前記一方の端
部とを接続することなどが挙げられ、また、該接続は、
単に上記ナノチューブを前記金属微粒子及び前記一方の
端部に接触させてもよいし、化学的に結合等させてもよ
い。ただし、前記接続手段は、上記に限定されるもので
はない。
【0121】もう1つは、前記第4の実施形態における
金属微粒子の形成、カーボンナノチューブの切断を、特
異的に利用する方法である。すなわち、前記第4の実施
形態のカーボンナノチューブが切断された状態後におい
て、前記金属微粒子と、一対のカーボンナノチューブの
互いに近接する側のそれぞれの端部との間に微小間隙が
形成されるのではなく、切断後も一方の端部は前記金属
微粒子に接触している状態とするものである。
【0122】図15は、上記状態を模式的に示す拡大断
面図である。図15において、31f、31gは金属微
粒子21により酸化され切断されたカーボンナノチュー
ブであるが、31gは明らかに金属微粒子21から離れ
微小間隙を形成しているのに対し、31fは切断後も金
属微粒子21に接触し電気的に接続された状態となって
いる。従って、この状態は結果的に前記接続手段により
金属微粒子21と、該金属微粒子21と近接する一方の
カーボンナノチューブの端部と、を接続した場合と同様
の構造となる。
【0123】このような状態を形成するためには、金属
微粒子21がある程度以上の粒径を有していることが好
ましい。すなわち、金属微粒子21が大きい場合には、
切断前のカーボンナノチューブが金属微粒子21と接触
する接触点数、接触面積が大きくなるため、切断後にお
いても前記図15のような状態となる確率が高くなるか
らであり、また、触媒としての活性が低下することも影
響していると考えられる。
【0124】(第6の実施形態)本実施形態では、前記
第4の実施形態で得られた、金属微粒子と一対のカーボ
ンナノチューブの互いに近接する側のそれぞれの端部と
の間に、微小間隙を有する電極構造体を利用したデバイ
スについて説明する。
【0125】第4の実施形態の、微小間隙を有する一対
のカーボンナノチューブからなる電極構造体は、ナノス
ケールの電子デバイスを作製する際に非常に利用価値が
ある。すなわち、ナノスケールの高集積デバイスを作製
する場合に、配線の太さや長さが小さくなると同時に、
抵抗やキャパシタといった基本的な機能素子や、メモリ
性等を有する高機能の機能素子自体も微小化される必要
がある。このため、当該微小化された機能素子の電気的
な端子間隔も当然のことながら狭くなることになる。従
って、当該機能素子に通電する端子間を接続する場合に
は、微小間隙を有する電極構造体が必要となるのであ
り、この微小間隙が小さいほど、小さい機能素子を接続
することができるようになる。
【0126】図16は、本実施形態のデバイスの構成部
分を示す拡大図である。図16において、機能素子60
は、切断された一方のカーボンナノチューブ31aの端
部と、微小間隙を介して対向する金属微粒子21と、に
接続されている。電極50と金属微粒子21とを外部に
配線することにより、前記構成部分を含むデバイスとな
る。
【0127】上記微小間隙を有する一対のカーボンナノ
チューブ構造体を電極として有する電極構造体と前記機
能素子との接続により実現される本実施形態のデバイス
は、従来法によるシリコンデバイスに比べ、例えばデバ
イス中の電極としてのカーボンナノチューブが柔らか
く、機能素子のサイズに対してある程度自由度を持って
当該機能素子を接続できること、リソグラフィの分解能
よりも細い径のカーボンナノチューブ電極であること、
化学結合を用いて接続ができること、など多くの優れた
利点を有する。これらの利点により、例えば5nm以下
ほどの小さな分子サイズの機能素子に対して、直接的に
アクセスできる。そのため、本発明の電極構造体を用い
れば、例えば大規模の電子集積回路を、低コストで、簡
単に、そして高密度に作製できる。
【0128】また、カーボンナノチューブ表面のグラフ
ェンシートを改質処理したナノワイヤーからなるナノネ
ットワークを、分子エレクトロニクス用の機能素子とし
て設計し、該機能素子を前記微小間隙を介して対向す
る、カーボンナノチューブの端部と金属微粒子とに接続
すれば、分子スイッチ、分子メモリ、分子プロセッサー
などを実現できるようになる。
【0129】(第7の実施形態)本実施形態では、前記
第4の実施形態で得られた、金属微粒子と一対のカーボ
ンナノチューブの互いに近接する側のそれぞれの端部と
の間に、微小間隙を有する電極構造体を利用した他のデ
バイスについて説明する。当該デバイスは、前記微小間
隙を介して対向する前記カーボンナノチューブの端部と
前記金属微粒子との当該微小間隙に、機能性有機分子を
挿入することよって得られるデバイスである。
【0130】図17に、本実施形態のデバイスの構成部
分の拡大図を示す。図17において、機能性有機分子6
1は、切断されたカーボンナノチューブ31aの端部
と、微小間隙を介して対向する金属微粒子21と、の間
に挿入されている。電極50と金属微粒子21とを外部
に配線することにより、前記構成部分を含むデバイスと
なる。
【0131】前記機能性有機分子としては、例えば、イ
オン、結晶、粒子、高分子、生物体から抽出された分子
や組織などが挙げられ、その性質としては、絶縁性、導
電性、半導電性(半導体特性および電気抵抗特性のいず
れをも含む概念とする。)、吸光性、発光性、発色性、
伸縮性、発電性、光電性などの特性を有するものが挙げ
られる。これら特性が、温度や湿度や雰囲気ガスによっ
て変化するものであってもよい。
【0132】また、機能性高分子や機能性微粒子など、
設計された機能を有するものでもよい。近年、高分子や
微粒子の多くには半導体特性が多く見出されており、こ
れらを本実施形態に用いることにより、スイッチング機
能やメモリー機能などが付与されたデバイスを提供する
ことができる。
【0133】特に、前記機能性有機分子としては、分子
内部に電荷の偏りのある分子が好ましく、電荷供与性の
ある分子種と、電荷受容性のある分子種とを組み合わせ
た分子、対称的な分子に電荷供与性あるいは電荷受容性
のある分子種を組み合わせた分子、それらの繰り返しか
らなる巨大分子、あるいはそれら分子の集合により機能
させられる分子集合体等が挙げられる。なお、上記電荷
供与性および電荷受容性は、電子親和力やイオン化ポテ
ンシャルの値で定義することができる。さらに、DN
A、コラーゲンなどの生体分子、あるいは生体に模倣し
た人工分子を使用してもよく、これにより、生体に類似
した機能を付加することが可能となる。
【0134】これらの機能性有機分子を、前記微小間隙
に挿入する方法としては、例えば、機能性高分子を用い
た場合には、機能性高分子を分子スケールまたは集合体
の状態で前記微小間隙にそのまま配置してもよいし、機
能性高分子の反応性末端を、前記カーボンナノチューブ
の端部、及び/または、前記金属微粒子に化学的に結合
させてもよい。また、挿入された機能性有機分子と、前
記金属微粒子、及び/または、近接するカーボンナノチ
ューブの端部と、を電気的に接続してもよい。
【0135】このように、第6及び第7の実施形態によ
れば、本発明の、金属微粒子と一対のカーボンナノチュ
ーブの互いに近接する側のそれぞれの端部との間に、微
小間隙を有する電極構造体を利用したデバイスを作製す
ることができる。なお、間隙は広くなってしまうが、第
4の実施形態で説明した、間隙間にある金属微粒子が除
去され、カーボンナノチューブが連続した形状に配置さ
れ、互いにその端面が対向した状態の電極構造体を、前
記デバイス用の電極構造体として利用することも可能で
ある。
【0136】また、前記第6及び第7の実施形態と同様
にして、カーボンナノチューブだけでなく、他の中空グ
ラフェンシート体についても、該中空グラフェンシート
体の端部と、金属粒子との間に形成される微小間隙を介
して機能素子を接続、または該微小間隙に機能性有機分
子を挿入することにより、機能素子、機能性有機分子の
各々の機能が付与されたデバイスを構築することが可能
となる。
【0137】以上、本発明について、7つの実施形態を
挙げて説明した。前記第1〜第7の実施形態において
は、カーボンナノチューブを用いる場合を例示して説明
したが、これ以外のカーボンナノホーン、カーボンナノ
ビーズ、カーボンナノコイルなど他の中空グラフェンシ
ート体を用いる場合も、これらの長さ、径等について
は、前記実施形態と同様のものを用いることができ、ま
た、製造方法についても同様の方法により行うことがで
きる。
【0138】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 <実施例1> (工程1)金板をアルゴン雰囲気下でスパッタリングし
て、ガラス基板表面に膜厚3nmの均一な金薄膜を形成
した。
【0139】(工程2)(工程1)で表面に金薄膜を形
成したガラス基板を、ワッフル炉を用いて550℃で2
時間加熱し、平均直径200nm、平均粒子間隔500
nmの金微粒子を前記基板表面に形成した(前処理工
程)。
【0140】(工程3)マルチウォールカーボンナノチ
ューブ(純度90〜95%、平均長3μm、平均径30
nm)0.02gをテトラヒドロフラン20g中に加
え、超音波分散機にて出力3Wでよく分散させ、カーボ
ンナノチューブの分散液を作製した。
【0141】(工程4)(工程2)で得られた、表面に
金微粒子を有するガラス基板の片面に、(工程3)で作
製した分散液をスポイトで数滴滴下し、テトラヒドロフ
ランを蒸発させることによって、前記基板表面にカーボ
ンナノチューブを均一に配置させた。
【0142】(工程5)(工程4)で作製した基板を、
ワッフル炉を用いて400℃で2時間加熱することによ
り、金微粒子とカーボンナノチューブが接触した部位で
ナノチューブを切断した(加熱工程)。図18に、得ら
れたカーボンナノチューブ構造体の走査型電子顕微鏡
(SEM)写真(倍率50000倍)を示す。なお、写
真の倍率は、写真の引き伸ばしの程度により、多少の誤
差が生じている(図19の写真についても同様)。
【0143】図18の写真において、白色の粒子は金微
粒子であり、ひも状に見えるのがカーボンナノチューブ
である。図18の写真からわかるように、カーボンナノ
チューブの連続した形状の中途に金微粒子が存在すると
ころでは、当該カーボンナノチューブが切断されてお
り、結果として一対のカーボンナノチューブの互いに近
接する側の端部同士が、間隙を介して相対しているカー
ボンナノチューブ構造体が形成されていることがわか
る。
【0144】<実施例2> (工程1)マルチウォールカーボンナノチューブ(純度
90〜95%、平均長3μm、平均径30nm)0.0
2gを、テトラヒドロフラン20g中に加え、出力3W
の超音波にてよく分散させカーボンナノチューブの分散
液を得た。
【0145】(工程2)ガラス基板表面に、(工程1)
で作製した分散液をスポイトで数滴滴下し、溶媒を蒸発
させることによってカーボンナノチューブを均一に基板
表面に配置させた。
【0146】(工程3)白金板をアルゴン雰囲気下でス
パッタリングして、(工程2)でカーボンナノチューブ
を配置させた基板表面に、膜厚3nmの均一な白金薄膜
を形成した。
【0147】(工程4)(工程3)で白金薄膜が形成さ
れた基板を、ワッフル炉を用いて400℃で2時間加熱
した(加熱工程)。図19に、得られたカーボンナノチ
ューブ構造体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率
30000倍)を示す。
【0148】図19の写真において、細い枝状に見える
のが、酸化により細径化されたカーボンナノチューブ、
ひも状に見えるのが、酸化前の元のカーボンナノチュー
ブである。図17の写真からわかるように、白金微粒子
が蒸着されたカーボンナノチューブ層表面近傍のカーボ
ンナノチューブは細くなっているが、白金微粒子が蒸着
していないカーボンナノチューブ層内部(ガラス基板近
傍)のカーボンナノチューブは細くなっていないことが
わかる。
【0149】このことから、白金を触媒微粒子として配
置し、マルチウォールカーボンナノチューブを酸化した
場合には、前記白金の微粒子が配置された領域のみのカ
ーボンナノチューブの径を細くすることができ、所望の
マスキングにより白金の蒸着を行えば、カーボンナノチ
ューブの長さ方向において、グラフェンシートの積層数
の異なる領域を有する(部分的に径の異なる)カーボン
ナノチューブ構造体が得られることがわかる。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、カーボンナノチューブ
を含めた中空グラフェンシート体の特性を損なうことな
く、その形状を加工することができるようになり、得ら
れる中空グラフェンシート構造体は、多くの用途に利用
することが可能となる。また、同様に得られる本発明の
電極構造体により、より微細化された高集積のデバイス
を作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板表面に形成された金属薄膜を示す模式拡
大断面図である。
【図2】 基板表面に形成された金属微粒子を示す模式
拡大断面図である。
【図3】 基板表面に配置された金属微粒子及びカーボ
ンナノチューブ(中空グラフェンシート体)を示す模式
拡大断面図である。
【図4】 本発明の中空グラフェンシート構造体を示す
模式拡大断面図である。
【図5】 基板表面に配置されたカーボンナノチューブ
(中空グラフェンシート体)を示す模式拡大断面図であ
る。
【図6】 カーボンナノチューブ(中空グラフェンシー
ト体)表面に形成された金属微粒子を示す模式拡大断面
図である。
【図7】 本発明の他の中空グラフェンシート構造体を
示す模式拡大断面図である。
【図8】 基板表面に配置されたカーボンナノチューブ
(中空グラフェンシート体)を示す模式拡大断面図であ
る。
【図9】 マスキングをして金属蒸着を行う工程を示す
模式拡大断面図である。
【図10】 細径化された領域を有するカーボンナノチ
ューブ(中空グラフェンシート構造体)を示す模式拡大
断面図である。
【図11】 パターニングされた蒸着を行う工程を示す
模式拡大断面図である。
【図12】 電極の配置を示す拡大図である。
【図13】 電極間に形成された金属微粒子を示す拡大
図である。
【図14】 本発明の電極構造体を示す拡大図である。
【図15】 本発明の他の電極構造体を示す模式拡大断
面拡大図である。
【図16】 本発明のデバイスの構成部分を示す拡大図
である。
【図17】 本発明の他のデバイスの構成部分を示す拡
大図である。
【図18】 実施例のカーボンナノチューブ構造体(中
空グラフェンシート構造体)を示す走査型電子顕微鏡写
真である。
【図19】 他の実施例のカーボンナノチューブ構造体
(中空グラフェンシート構造体)を示す走査型電子顕微
鏡写真である。
【符号の説明】
10 基板 20 金属薄膜 21 金属微粒子 30 カーボンナノチューブ(中空グラフェンシート
体) 31 切断されたカーボンナノチューブ(中空グラフェ
ンシート体) 32 細径化された領域を有するカーボンナノチューブ
(中空グラフェンシート構造体) 40 マスク 41 パターニングされたマスク 50、50’ 電極 60 機能素子 61 機能性有機分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 浩之 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 長谷川 真史 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 山田 宏一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 渡辺 美穂 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CB03 CC03 CC05 CC08

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の中空グラフェンシート
    体が連続した形状に配置されており、前記一対の中空グ
    ラフェンシート体の互いに近接する側の端部同士が、間
    隙を介して相対していることを特徴とする中空グラフェ
    ンシート構造体。
  2. 【請求項2】 酸素を含有する雰囲気中で、中空グラフ
    ェンシート体に、グラフェンシートの酸化を誘起する微
    粒子状の触媒を作用させることで、前記中空グラフェン
    シート体の形状を加工して、中空グラフェンシート構造
    体を得ることを特徴とする中空グラフェンシート構造体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記触媒が、グラフェンシートの酸化を
    誘起する金属微粒子であるとともに、前記触媒が存在し
    ない状態での前記中空グラフェンシート体の燃焼温度未
    満の温度で加熱することにより前記グラフェンシートに
    前記触媒を作用させ、前記中空グラフェンシート体の形
    状を加工することを特徴とする請求項2に記載の中空グ
    ラフェンシート構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記中空グラフェンシート体の長さ方向
    の中途位置に前記金属微粒子を配置し、該金属微粒子が
    配置された位置近傍のみのグラフェンシートを酸化させ
    ることにより、前記中空グラフェンシート体を当該位置
    で切断することを特徴とする請求項2に記載の中空グラ
    フェンシート構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の中空グラフェンシート
    構造体の製造方法であって、前記金属微粒子が、基板表
    面に固着されていることを特徴とする中空グラフェンシ
    ート構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の中空グラフェンシート
    構造体の製造方法であって、さらに前記金属微粒子を除
    去する工程を備えることを特徴とする中空グラフェンシ
    ート構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属微粒子が、金の微粒子であるこ
    とを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の中空グ
    ラフェンシート構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属微粒子が、銀、銅及び白金から
    選ばれる少なくともいずれかの金属の微粒子であること
    を特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の中空グラ
    フェンシート構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記中空グラフェンシート体がマルチウ
    ォールカーボンナノチューブであり、前記金属微粒子が
    白金の微粒子であることを特徴とする請求項3に記載の
    中空グラフェンシート構造体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記金属微粒子を、マスクを用いて前
    記中空グラフェンシート体の長さ方向の中途位置に配置
    することを特徴とする請求項3に記載の中空グラフェン
    シート構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】 間隙を介して相対する一対の電極を有
    する電極構造体であって、前記電極が、連続した形状に
    配置された一対の中空グラフェンシート体であり、該一
    対の中空グラフェンシート体の互いに近接する側の端部
    同士が、間隙を介して相対していることを特徴とする電
    極構造体。
  12. 【請求項12】 前記間隙に、金属微粒子が配置されて
    なり、該金属微粒子と前記一対の中空グラフェンシート
    体の互いに近接する側のそれぞれの端部との間に、微小
    間隙を有することを特徴とする請求項11に記載の電極
    構造体。
  13. 【請求項13】 前記間隙に、金属微粒子が配置されて
    なり、該金属微粒子と、前記一対の中空グラフェンシー
    ト体の一方の端部とが、電気的に接続された状態である
    ことを特徴とする請求項11に記載の電極構造体。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13のいずれかに記載の
    電極構造体を製造するための製造方法であって、酸素を
    含有する雰囲気中で、中空グラフェンシート体の長さ方
    向の中途位置に金属微粒子を配置し、該金属微粒子が配
    置された位置近傍のみのグラフェンシートを酸化させる
    ことにより、前記中空グラフェンシート体を当該位置で
    切断し、分離された一対の中空グラフェンシート体を電
    極とすることを特徴とする電極構造体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の電極構造体の製造
    方法であって、前記金属微粒子が、基板表面に固着され
    ていることを特徴とする電極構造体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の電極構造体の製造
    方法であって、さらに前記金属微粒子を除去する工程を
    備えることを特徴とする電極構造体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記金属微粒子が、金の微粒子である
    ことを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の
    電極構造体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記金属微粒子が、銀、銅及び白金か
    ら選ばれる少なくともいずれかの金属の微粒子であるこ
    とを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の電
    極構造体の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項12に記載の電極構造体に対
    し、所定の電気的作用を生ずる機能素子を、前記微小間
    隙を介して対向する前記中空グラフェンシート体の端部
    と、前記金属微粒子と、にそれぞれ接続することによっ
    て構成されることを特徴とするデバイス。
  20. 【請求項20】 請求項12に記載の電極構造体におけ
    る、前記微小間隙を介して対向する前記中空グラフェン
    シート体の端部と前記金属微粒子との当該微小間隙に、
    機能性有機分子を挿入することよって構成されることを
    特徴とするデバイス。
  21. 【請求項21】 1層以上のグラフェンシートがチュー
    ブ状に構成される中空グラフェンシート構造体であっ
    て、該中空グラフェンシート構造体の長さ方向におい
    て、さらに1層以上のグラフェンシートがチューブ状に
    積層された領域を有することを特徴とする中空グラフェ
    ンシート構造体。
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