JP2003156878A - トナーおよび画像形成方法 - Google Patents

トナーおよび画像形成方法

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JP2003156878A
JP2003156878A JP2001355915A JP2001355915A JP2003156878A JP 2003156878 A JP2003156878 A JP 2003156878A JP 2001355915 A JP2001355915 A JP 2001355915A JP 2001355915 A JP2001355915 A JP 2001355915A JP 2003156878 A JP2003156878 A JP 2003156878A
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寧子 柴山
Tadashi Michigami
正 道上
Yusuke Hasegawa
雄介 長谷川
Kunimasa Kawamura
邦正 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって良好な画像を得ることがで
き、かつ省エネルギー化を達成したトナー及び画像形成
方法を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に順次積層された、光導電
層と表面保護層とを有するアモルファスシリコン感光体
の光導電層と表面保護層の界面領域の組成は連続的に変
化しており、感光体表面の平均傾斜Δaが0.12〜
1.0である画像形成方法に適用されるトナーの構成
を、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、結着樹脂
が、(a)ビニル系重合ユニットとポリエステル系ユニ
ットとを有するハイブリッド樹脂成分からなり、(b)
ビニル系モノマーとポリエステル系モノマーの混合比
(ビニル系モノマー/ポリエステル系モノマー)が、質
量比で10/90〜50/50であり、且つトナーのテ
トラヒドロフラン(THF)不溶分が10〜50%であ
るものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利
用した記録方法に用いられるトナー及び画像形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されているよう
に多数の方法が知られている。一般には表面に光導電性
層が設けられた感光体の外周面をコロナ帯電、ローラ帯
電、ファーブラシ帯電、磁気ブラシ帯電といった帯電手
段で一様に帯電させ、ついで被複写体の被複写像を反射
光や変調記号に応じたレーザーやLEDにより露光させ
ることにより前記感光体の外周面上に静電潜像を形成
し、さらに該静電潜像をトナーを用いて現像し、必要に
応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、
圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気により転写材に定着し、
トナー画像を得るものである。
【0003】このようにして電子写真装置で複写を行っ
た後には、感光体の外周面上にトナーが一部残留するた
め、該残留トナーを除去する必要がある。かかる残留ト
ナーの除去は、クリーニングブレード、ファーブラシ、
マグネットブラシ等を用いたクリーニング工程によって
行われるのが一般的である。
【0004】近年の複写機・プリンターのデジタル化、
高画質化に伴い、トナーにおいては微粒子化が進んでい
る。また、省エネルギー化に対応して、低温定着が可能
な低融点のトナーが主流になってきている。
【0005】しかしながら、電子写真装置の画像形成プ
ロセスにおいて更なる高速化が進むにつれて、上記のよ
うなトナーにおいても種々の問題が生じてくる。
【0006】まず、上述のクリーニング工程や他の工程
と同時に進行させるトナー除去工程において、残留トナ
ーの除去が難しく、複写を繰り返した結果、該残留トナ
ーが感光体表面に固着し、画像上に黒点または白点の画
像欠陥を発生させる、トナー付着という問題を生じる場
合がある。
【0007】上記の問題を解決するための対策として、
高速系の電子写真装置における耐久性、安定性の面から
優れ、最近多用されているアモルファスシリコンにおい
て、以下のような提案がされている。特開平9−297
420号公報に開示されているような、アモルファスシ
リコンを感光層とした感光体において、該感光層を成膜
形成する導電性基体表面を切削或いは回転ボールミル装
置でもってあらかじめ粗しておく方法である。しかし、
近年電子写真装置のデジタル化の進展に伴い、単一波長
を主とする光源による潜像形成が主流になりつつある
中、上記の方法では、基体形状に起因し、光導電層への
入射露光量に差を生じ、その結果縞模様が印刷画像上に
発生したり、コントラストが制御できなくなるためにカ
ブリが発生するという問題点があった。
【0008】また、導電性基体の表面をあらかじめ粗し
ておく工程を新たに設けることは、コスト高につながる
ため好ましくなかった。逆に、前記縞模様の発生しない
範囲の粗さで基体を加工すると、小粒径、低粘度のトナ
ーを用いた場合、トナー付着を充分に抑制できないこと
が問題となった。
【0009】また、トナーの小粒径化に伴い、トナーの
表面積が増え、帯電量分布の幅が大きくなり、カブリが
生じやすくなるという問題点がある。また、小粒径化に
より、トナーの構成材料の分散状態が、トナーの帯電特
性に大きく影響を及ぼすようになると考えられる。
【0010】従来、トナーを構成する結着樹脂として
は、ポリエステル樹脂、及びスチレン系樹脂などのビニ
ル系共重合体が主に使用されている。
【0011】この2種類の樹脂の長所を有効に活かし、
欠点を補うために、これらの樹脂を混合して使用する方
法もいくつか検討されている。しかし、このような混合
物では、充分な高温オフセット性と低温定着性を満足さ
せることは困難である。
【0012】そこで、特開平4−142301号公報及
び特開平7−98517号公報などのように、ビニル系
樹脂とポリエステル樹脂とが化学的に結合した結着樹脂
が開発されている。しかしながらこのような樹脂を用い
た場合でも、最近の複写機・プリンターの高耐久化、高
速化、省エネルギー化においては充分に対応することが
困難である。
【0013】また、低温定着性を改善する目的でワック
スのような離型剤をトナーに添加する方法も多数とられ
ている。しかし、離型剤を多量に添加してしまうと、ト
ナー中での分散が悪化して、トナーの帯電量に影響を与
え、カブリなどの画像不良が発生してしまう。また、こ
のようなトナーは粘度が低いために、感光体上のカブリ
を核にして、トナーが付着し、画像不良が発生するなど
の弊害が起こってしまう。
【0014】以上のように、種々の問題点をすべて解決
するようなトナー及び画像形成方法は存在しないのが現
状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたものであり、長期にわたって耐久的な使用
を行っても、カブリの発生がないトナー及び画像形成方
法を提供することを、課題とする。
【0016】また、本発明は、クリーニング時における
トナー付着を防止して、良好な画像を得ることができ、
かつ省エネルギー化を達成したトナー及び画像形成方法
を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、トナーに含有される結着樹脂と感光体表面の物
理的形状に着目し、これらを特定のものとすることによ
り優れた定着性を有し良好な画像形成を行うことができ
ることを見いだした。
【0018】すなわち、本発明は以下の通りである。
【0019】(1)電子写真用感光体上に担持された静
電潜像を可視化するためのトナーであって、前記感光体
は導電性基体と、この導電性基体上に順次積層された、
少なくともアモルファスシリコンを含む光導電層と、表
面保護層とを有し、前記感光体の光導電層と表面保護層
の界面領域の組成は連続的に変化しており、前記感光体
表面の平均傾斜Δaが0.12〜1.0であり、前記ト
ナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、前記
結着樹脂が、(a)ビニル系重合ユニットとポリエステ
ル系ユニットとを有するハイブリッド樹脂成分からな
り、(b)ビニル系モノマーとポリエステル系モノマー
の混合比(ビニル系モノマー/ポリエステル系モノマ
ー)が、質量比で10/90〜50/50であり、前記
トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が10〜
50%であることを特徴とするトナー。
【0020】(2)前記結着樹脂のビニル系モノマーと
ポリエステル系モノマーの混合比が、15/85〜40
/60であることを特徴とする(1)のトナー。
【0021】(3)前記結着樹脂のポリエステル系ユニ
ットが、3価以上の多価カルボン酸またはその無水物お
よび/または3価以上の多価アルコールで架橋された構
造を有することを特徴とする(1)または(2)のトナ
ー。
【0022】(4)前記トナーの質量平均粒径(D4)
が4〜10μmであり、この質量平均粒径(D4)と個
数平均粒子径(D1)の比D4/D1が1.0〜1.5
であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかのト
ナー。
【0023】(5)示差走査型熱量計(DSC)で測定
される、昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が6
0〜130℃であるワックスをさらに含有することを特
徴とする(1)〜(4)のいずれかのトナー。
【0024】(6)前記ワックスが炭化水素系ワックス
であることを特徴とする(5)のトナー。
【0025】(7)前記着色剤が磁性材料であることを
特徴とする(1)〜(6)のいずれかのトナー。
【0026】(8)負帯電性の荷電制御剤をさらに含有
することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかのトナ
ー。
【0027】(9)前記感光体の前記界面領域における
分光反射率(%)が、波長450〜650nmの範囲
で、下記式を満たすことを特徴とする(1)〜(8)の
いずれかのトナー。
【0028】
【数3】0 ≦ (Max−Min)/(Max+Mi
n) ≦ 0.4 (式中、Maxは単一固定波長における反射率の最大値
を示し、Minは反射率の最小値を示す。) (10)前記感光体表面の平均傾斜Δaが0.15〜
0.8であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれ
かのトナー。
【0029】(11)前記感光体は、前記導電性基体の
10μm×10μmの範囲における表面粗さRaが9n
m未満であることを特徴とする(1)〜(10)のいず
れかのトナー。
【0030】(12)前記感光体は、前記導電性基体の
10μm×10μmの範囲における表面粗さRaが6n
m未満であることを特徴とする(1)〜(10)のいず
れかのトナー。
【0031】(13)電子写真用感光体上に担持された
静電潜像をトナーによって可視化して画像を形成する画
像形成方法であって、前記感光体は導電性基体と、この
導電性基体上に順次積層された、少なくともアモルファ
スシリコンを含む光導電層と、表面保護層とを有し、前
記感光体の光導電層と表面保護層の界面領域の組成は連
続的に変化しており、前記感光体表面の平均傾斜Δaが
0.12〜1.0であり、前記トナーは、結着樹脂と着
色剤とを少なくとも含有し、前記結着樹脂が、(c)ビ
ニル系重合ユニットとポリエステル系ユニットとを有す
るハイブリッド樹脂成分からなり、(d)ビニル系モノ
マーとポリエステル系モノマーの混合比(ビニル系モノ
マー/ポリエステル系モノマー)が、質量比で10/9
0〜50/50であり、前記トナーのテトラヒドロフラ
ン(THF)不溶分が10〜50%であることを特徴と
する画像形成方法。
【0032】(14)前記結着樹脂のビニル系モノマー
とポリエステル系モノマーの混合比が、15/85〜4
0/60であることを特徴とする(13)の画像形成方
法。
【0033】(15)前記結着樹脂のポリエステル系ユ
ニットが、3価以上の多価カルボン酸またはその無水物
および/または3価以上の多価アルコールで架橋された
構造を有することを特徴とする(13)または(14)
の画像形成方法。
【0034】(16)前記トナーの質量平均粒径(D
4)が4〜10μmであり、この質量平均粒径(D4)
と個数平均粒子径(D1)の比D4/D1が、1.0〜
1.5であることを特徴とする(13)〜(15)のい
ずれかの画像形成方法。
【0035】(17)前記トナーが、示差走査型熱量計
(DSC)で測定される、昇温時の吸熱ピーク温度で規
定される融点が60〜130℃であるワックスをさらに
含有することを特徴とする(13)〜(16)のいずれ
かの画像形成方法。
【0036】(18)前記ワックスが炭化水素系ワック
スであることを特徴とする(17)の画像形成方法。
【0037】(19)前記トナーに含有される着色剤が
磁性材料であることを特徴とする(13)〜(18)の
いずれかの画像形成方法。
【0038】(20)前記トナーが負帯電性の荷電制御
剤をさらに含有することを特徴とする(13)〜(1
9)のいずれかの画像形成方法。
【0039】(21)前記感光体の前記界面領域におけ
る分光反射率(%)が、波長450〜650nmの範囲
で、下記式を満たすことを特徴とする(13)〜(2
0)のいずれかの画像形成方法。
【0040】
【数4】0 ≦ (Max−Min)/(Max+Mi
n) ≦ 0.4 (式中、Maxは単一固定波長における反射率の最大値
を示し、Minは反射率の最小値を示す。) (22)前記感光体表面の平均傾斜Δaが0.15〜
0.8であることを特徴とする(13)〜(21)のい
ずれかの画像形成方法。
【0041】(23)前記感光体は、前記導電性基体の
10μm×10μmの範囲における表面粗さRaが9n
m未満であることを特徴とする(13)〜(22)のい
ずれかの画像形成方法。
【0042】(24)前記感光体は、前記導電性基体の
10μm×10μmの範囲における表面粗さRaが6n
m未満であることを特徴とする(13)〜(23)のい
ずれかの画像形成方法。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
【0044】本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤とを
少なくとも含有し、上記結着樹脂は、(a)ビニル系重
合ユニットとポリエステル系ユニットとを有するハイブ
リッド樹脂成分からなり、(b)ビニル系モノマーとポ
リエステル系モノマーの混合比(ビニル系モノマー/ポ
リエステル系モノマー)が、質量比で10/90〜50
/50であることを特徴とする。本発明におけるハイブ
リッド樹脂は、ビニル系樹脂とポリエステル系樹脂の2
種をただ単に混合したものとは異なり、本来相溶性の悪
い2種の樹脂が均一に分散している為、両樹脂の特性を
生かした樹脂であると言える。定着性の観点から見る
と、ポリエステル樹脂のシャープメルトで低温定着性に
有利な点、およびビニル系樹脂の耐高温オフセット性、
耐ブロッキング性のどちらをも活かしたトナーを得るこ
とができる。また、帯電性の観点から見ると、ポリエス
テル樹脂の帯電性が高く立ち上がりの早い点と、ビニル
系樹脂の帯電性が安定な点の両方が活かされる。更にハ
イブリッド樹脂は、離型剤など他の内添剤との相溶性に
優れるため、トナーを小粒径化しても長期にわたる耐久
的な使用によるトナー劣化がなく、帯電量分布が均一
で、濃度低下及びカブリのない良好な画像を得ることが
できる。
【0045】本発明において「ビニル系重合ユニット」
とは、ビニル系共重合体に由来する部分を示し、「ポリ
エステル系ユニット」とは、ポリエステルに由来する部
分を示す。
【0046】また、本発明で用いられる「ハイブリッド
樹脂」とは、ビニル系重合ユニットとポリエステル系ユ
ニットとが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的
には、ポリエステル系ユニットと(メタ)アクリル酸エ
ステル等のカルボン酸エステル基を有するモノマーを重
合したビニル系共重合ユニットとがエステル交換反応に
よって形成されるものであり、好ましくはビニル系共重
合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体とし
たグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形
成するものである。
【0047】本発明のトナーにおいて、結着樹脂が前記
ハイブリッド樹脂成分を含有する場合には、13C−NM
R測定により、ハイブリッド樹脂に特有のカルボキシル
基のシグナルが、ポリエステルのエステル結合またはカ
ルボン酸に由来するカルボキシル基とは異なる位置に観
察される。また、ビニル系重合体が(メタ)アクリル酸
エステルとの共重合体である場合でも、(メタ)アクリ
ル酸エステルのカルボキシル基とは異なる位置に観察さ
れるので確認することができる。
【0048】非磁性トナーは、13C−NMR測定におい
て、そのままで測定試料とすることができるが、磁性ト
ナーの場合は、トナーを濃塩酸水溶液中に添加して室温
で70〜80時間撹拌することにより13C−NMRスペ
クトルの分解能を阻害する磁性体を溶出して試料とし測
定することができる。13C−NMRスペクトルの測定例
を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】上記ハイブリッド樹脂において、ビニル系
モノマーとポリエステル系モノマーの混合比(ビニル系
モノマー/ポリエステル系モノマー)が、質量比で10
/90〜50/50であることを特徴とする。この混合
比は好ましくは15/85〜45/55であり、更に好
ましくは15/85〜40/60である。混合比を上記
範囲にすることにより、上述した両樹脂の特性を生か
し、優れた定着性および帯電性をトナーに付与すること
ができる。ポリエステル系モノマーが50%以下である
場合には、トナーの粘度が大きくなり、低温定着性が悪
化することがある。また、ポリエステル系モノマーが9
0%以上である場合には、トナーの粘度が小さくなり、
感光体への付着力が増大し、クリーニングしにくくなる
ことがある。また、帯電量の変動が大きくなり、カブリ
や濃度低下などを起こしやすくなることがある。
【0051】本発明のトナーに使用される上記ポリエス
テル系ユニットを構成するポリエステル系モノマーとし
ては、以下のものが挙げられる。
【0052】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェールA、下記(1−
1)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(1−
2)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0053】
【化1】
【0054】
【化2】
【0055】酸成分としては、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボ
ン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はそ
の無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又は
アルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水
物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ
る。
【0056】また本発明におけるポリエステル系ユニッ
トは、3価以上の多価カルボン酸またはその無水物及び
/または3価以上の多価アルコールで架橋された構造で
あることが好ましい。
【0057】3価以上の多価カルボン酸またはその無水
物としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボ
ン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、
1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット
酸及びこれらの酸無水物または低級アルキルエステルな
どが挙げられ、3価以上の多価アルコールとしては、例
えば、1,2,3−プロパントリオール、トリメチロー
ルプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトー
ルなどが挙げられる。本発明の結着樹脂においては、環
境変動による安定性も高い多価カルボン酸が特に好まし
く、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びそ
の無水物等が挙げられる。
【0058】本発明のトナーに使用される上記ビニル系
重合ユニットを構成するビニル系モノマーとしては、以
下のものが挙げられる。
【0059】スチレン:o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ポ
リエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、
フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステ
ル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル等のα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステ
ル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル
等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビ
ニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシル
ケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等の如きN
−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル
酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0060】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等
の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無
水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等
の不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエス
テル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブ
チルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステ
ル、シトフコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸
ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステ
ル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル
酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエス
テル等の不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレ
イン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和塩基酸エステル;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如
きα、β−不飽和酸無水物;該α、β−不飽和酸と低級
脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグ
ルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及
びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0061】さらに、2−ヒドロキシルエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシルプロピルメタクリレートなどのアクリル酸ま
たはメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−
1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−
1−メチルヘキシル)スチレン等のヒドロキシル基を有
するモノマーが挙げられる。
【0062】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤
で架橋された架橋構造を有してもよいが、この場合に用
いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げら
れ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類とし
て例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールア
クリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上
の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたも
のが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、
ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化
合物のアクリレー卜をメタアクリレートに代えたものが
挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれ
たジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエ
チレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)
プロパンジアクリレード、ポリオキシエチレン(4)−
2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアク
リレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアク
リレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジア
クリレート化合物類として例えば、商品名MANDA
(日本化薬)が掲げられる。
【0063】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレ
ートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシア
ヌレート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。
【0064】これらの架橋剤は、他のビニル系モノマー
成分100質量部に対して、0.01〜10質量部(更
に好ましくは0.03〜5質量部)用いることができ
る。
【0065】これらの架橋性モノマーのうち、定着性、
耐オフセット性の点から結着樹脂に好適に用いられるも
のとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類が挙げられる。
【0066】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2'−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、
1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチル
プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセ
チルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオ
キサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α'−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイ
ド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパー
オキサイド、ジーイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
2−エトキシエチルパーオキシカーボネト、ジメトキシ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチ
ル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、ア
セチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイ
ソプチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイ
ト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、
t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ア
ミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−プ
チルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t
−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0067】本発明では、ビニル系共重合ユニット及び
/又はポリエステル系ユニット中に、両樹脂成分と反応
し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステ
ル系ユニットを構成するモノマーのうちビニル系共重合
体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレ
イン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカル
ボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合
ユニットを構成するモノマーのうちポリエステル樹脂と
反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキ
シ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸
エステル類が挙げられる。
【0068】結着樹脂としてのハイブリッド樹脂は、先
に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれ
と反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在してい
るところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反
応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0069】本発明のトナーに用いられる結着樹脂の製
造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す
製造方法を挙げることができる。
【0070】(1)ビニル系重合ユニット、ポリエステ
ル系ユニット及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造
後にブレンドする方法である。ブレンドは有機溶剤(例
えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去
するものであり、好ましくは、このブレンド工程でワッ
クスを添加して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分
は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造
後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒
及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル
交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いるこ
とができる。
【0071】(2)ビニル系重合ユニット製造後に、こ
れの存在下にポリエステル系ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合ユニット(必要に応じてビニル系モノマ
ーも添加できる)とポリエステル系モノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことができる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0072】(3)ポリエステル系ユニット製造後に、
これの存在下にビニル系重合ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステル系ユニット(必要に応じてポリエステル
系モノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/ま
たはビニル系重合ユニットとの反応により製造される。
好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0073】(4)ビニル系重合ユニット及びポリエス
テル系ユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステル系モノ
マー(アルコール、カルボン酸)を添加することにより
ハイブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、
有機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工
程でワックスを添加する。
【0074】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステル系モノマー
(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/
又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合ユニット
及びポリエステル系ユニットが製造される。この場合、
ハイブリッド樹脂成分は上記(2)〜(4)の製造方法
により製造されるものを使用することもでき、必要に応
じて公知の製造方法により製造されたものを使用するこ
ともできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することが
できる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0075】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
系モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合し、付
加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル
系重合ユニット、ポリエステル系ユニット及びハイブリ
ッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を
使用することができる。好ましくは、この工程でワック
スを添加する。
【0076】上記(1)〜(5)の製造方法において、
ビニル系重合ユニット及び/またはポリエステル系ユニ
ットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニ
ットを使用することができる。
【0077】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合ユニットの
分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生成
を制御することができ、かつワックスを添加する場合に
はその分散状態を制御できる点で好ましい。
【0078】上記のように製造される結着樹脂を単品で
使用しても良いが、軟化点の異なる2種以上の結着樹脂
を混合して使用しても良い。このような系では、トナー
の分子量分布の設計を比較的容易に行うことができ、幅
広い定着領域を持たせることができるので好ましい。
【0079】また、本発明のトナーは、テトラヒドロフ
ラン(THF)不溶分を10〜50%含有することを特
徴とする。トナーのTHF不溶分は15〜45%である
ことが好ましく、20〜40%であることがより好まし
い。THF不溶分が10%未満である場合には、高温オ
フセットが発生しやすくなったり、トナー付着が起こり
やすくなったりすることがある。また、60%以上の場
合には、低温定着性が悪化するだけでなく、トナー製造
時における溶融混練過程での負荷が大きく、生産性に問
題が出てしまう。
【0080】さらに、本発明のトナーは、画像濃度、解
像度の点から、質量平均粒径(D4)が4〜10μmで
あり、この質量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D
1)の比D4/D1が、1.0〜1.5であることが好
ましい。D4/D1は、トナーの粒度分布のシャープさ
を表し、値が1に近いほどシャープ、大きくなるとブロ
ードであることを示す。このD4/D1が1.5以上で
ある場合には、トナーの帯電量分布がブロードになるた
めに、カブリが発生しやすくなる。また、粒径が小さく
帯電量の高いトナーから現像され、耐久的に使用するに
つれてトナーが大粒径化する選択現像という現象が起き
やすくなる。選択現像が起きると、トナーの転写効率が
低下し、感光体上の残留トナーが多くなってしまう。
【0081】また、本発明のトナーには、必要に応じて
離型剤として1種もしくは2種以上のワックスを含有し
ても良く、該ワックスの示差走査型熱量計(DSC)で
測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点
は、60〜130℃であることが好ましい。この融点
は、より好ましくは65〜120℃である。融点が60
℃以下の場合は、トナーの粘度が低下し、感光体へのト
ナー付着が発生しやすくなり、融点が130℃以上の場
合は、低温定着性が悪化してしまう。
【0082】また、ワックスは結着樹脂100質量部に
対して、1〜30質量部添加することが好ましい。ワッ
クスの添加量が1質量部以下の場合は、望まれる離型効
果が十分に得られず、また、30質量部以上の場合は、
トナー中での分散も悪く、感光体へのトナー付着や、キ
ャリアやスリーブのようなトナー担持体の表面汚染など
が起こり、トナー画像が劣化し、実用上の問題が生じて
しまう。
【0083】本発明で用いられる結着樹脂としてのハイ
ブリッド樹脂は、樹脂鎖中にビニル系重合ユニットとポ
リエステルユニットを含有するため、さまざまな種類の
ワックスを均一に分散させることが可能である。例え
ば、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイ
クロクリスタリンワックス及びパラフィンワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワック
スの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂
肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバ
ワックス、サゾールワックス及びモンタン酸エステルワ
ックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス
類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一
部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更
に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類
の如き飽和直鎖脂肪酸類;プランジン酸、エレオステア
リン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリ
ンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコ
ール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メ
リシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有
する長鎖アルキルアルコール類の如き飽和アルコール
類;ソルビトールの如き多価アルコール類:ステアリン
酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一
般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素
系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノ
マーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸
モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エ
ステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒ
ドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられ
る。本発明において特に好ましいのは、離型性の高さ、
トナー中での分散のしやすさの点から、炭化水素系ワッ
クスである。
【0084】上記ワックスは、トナー製造中の溶融混練
時において添加しても良く、また結着樹脂の製造時に添
加しても良い。
【0085】本発明のトナーは、磁性トナーであっても
非磁性トナーであっても良い。磁性トナーである場合に
は以下に挙げられる磁性材料を用いるのが、帯電性、流
動性、コピー濃度の均一性などの理由により好ましい。
【0086】着色剤としても用いられる磁性材料として
は、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの酸
化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe,C
o,Niのような金属、あるいは、これらの金属とA
l,Co,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,B
e,Bf,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのよ
うな金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられ
る。従来、四三酸化鉄(Fe 34)、γ−三二酸化鉄
(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化
鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム
(Cd3Fe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5
12)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbF
1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄
ネオジム(NdFe 23)、酸化鉄バリウム(BaFe
1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化
鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaF
eO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケ
ル粉(Ni)等が知られている。上述した磁性材料を単
独で或いは2種以上の組み合わせで選択使用する。特に
好適な磁性材料は四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉
末である。
【0087】これらの磁性材料は平均粒径が0.05〜
2μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が、抗
磁力1.6〜12.0kA/m、飽和磁化50〜200
Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/k
g)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが好まし
い。
【0088】着色剤としての磁性材料は、結着樹脂10
0質量部に対して10〜200質量部添加することが好
ましい。
【0089】また、本発明のトナーを非磁性トナーとし
て用いる場合には、着色剤として任意の適当な顔料また
は染料を用いることができる。
【0090】染料としては、C.I.ダイレクトレッド
1,C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレ
ッド1,C.I.ベーシックレッド1,C.I.モーダ
ントレッド30,C.I.ダイレクトブルー1,C.
I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、
C.I.アシッドブルー15,C.I.ベーシックブル
ー3,C.I.ベーシックブルー5,C.I.モーダン
トトブルー7,C.I.ダイレクトグリーン6,C.
I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリー
ン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロ
ー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナ
フトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネント
イエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカル
シウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3
B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブル
ーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブ
ルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルー
BC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリー
ンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエロー
グリーンG等がある。
【0091】本発明のトナーをフルカラー画像形成用ト
ナーとして使用する場合には、次の様な着色剤が挙げら
れる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメン
トレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,
11,12,13,14,15,16,17,18,1
9,21,22,23,30,31,32,37,3
8,39,40,41,48,49,50,51,5
2,53,54,55,57,58,60,63,6
4,68,81,83,87,88,89,90,11
2,114,122,123,163,202,20
6,207,209、C.I.ピグメントバイオレット
19、C.I.バットレッド1,2,10,13,1
5,23,29,35等が挙げられる。
【0092】上記マゼンタ顔料を単独で使用しても構わ
ないが、染料と顔料を併用してその鮮明度を向上させた
方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼ
ンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,
3,8,23,24,25,27,30,49,81,
82,83,84,100,109,121、C.I.
ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレッ
ト8,13,14,21,27、C.I.ディスパース
バイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレ
ッド1,2,9,12,13,14,15,17,1
8,22,23,24,27,29,32,34,3
5,36,37,38,39,40、C.I.ベーシッ
クバイオレット1,3,7,10,14,15,21,
25,26,27,28などの塩基性染料が挙げられ
る。
【0093】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は下記構造
を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を
1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などである。
【0094】
【化3】
【0095】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,3
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
などが挙げられる。
【0096】着色剤は結着樹脂100質量部に対して、
0.1〜60質量部が好ましく、より好ましくは0.5
〜50質量部である。
【0097】また、本発明のトナーの帯電性は正負のど
ちらでも良いが、結着樹脂自体は負帯電性が高いので、
負帯電性トナーであることが好ましい。
【0098】本発明のトナーには、その帯電量を更に安
定化させる為に、必要に応じて荷電制御剤を用いること
ができる。負帯電性のものとしては、例えば、有機金属
錯体、キレート化合物が有効で、その例としては、モノ
アゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ハイ
ドロキシカルボン酸または芳香族ダイカルボン酸の金属
錯体及びその金属塩、無水物、エステル類やビスフェノ
ールの如きフェノール誘導体類が挙げられる。
【0099】正帯電性に制御するものとしては、ニグロ
シン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベン
ジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホ
ン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレ
ートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体で
あるホスホニウム塩等のオニウム塩、及びこれらのレー
キ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔
料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモ
リブテン酸、リンタングステンモリブテン酸、タンニン
酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシ
アン化合物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズ
オキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキ
シルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;
ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシ
クロヘキシルスズボレートの如きオルガノスズボレート
が挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0100】なお、上述したように、本発明のトナーは
負帯電性トナーであることが好ましいことから、負帯電
性の荷電制御剤を用いることが好ましい。
【0101】荷電制御剤の含有量は、上記結着樹脂10
0質量部に対して、0.5〜10質量部程度が好まし
い。含有量が少ない場合は、望まれる効果が得られず、
多い場合は、トナーの流動性が悪化してしまうためであ
る。
【0102】本発明のトナーに流動性向上剤として無機
微粉末を使用しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子
に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると
増加し得るものならばいずれのものも使用可能である。
例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロ
エチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリ
カ、乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、それらシリカを
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコ
ーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ等があ
る。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわ
ゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもの
で、従来公知の技術によって製造されるものである。例
えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解
酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様
なものである。
【0103】
【化4】SiC14+2H2+O2 → SiO2+4HCl また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム
又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属
酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも
シリカとして包含する。その粒径は、平均の一次粒径と
して、0.001〜2μmの範囲内であることが好まし
く、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内
のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0104】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。 AEROSiL(日本アエロジル杜) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20(WACKER−CHEMIE GNBH社) V15 N20E T30 T40 D−CFine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Francil社) さらには、上記ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により
生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微
粉体を用いることが好ましい。該処理シリカ微粉体は、
メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30
〜80の範囲の値を示すように処理されたものが特に好
ましい。
【0105】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理する方法が挙げられる。好ましい方法は、ケイ素ハロ
ゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体
を有機ケイ素化合物で処理することである。そのような
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、
トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルト
リクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリル
フェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラ
ン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエ
チルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシ
ラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガ
ノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタ
ン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチル
アセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−
ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメ
チルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジ
シロキサンおよび1分子当たり2〜12個のシロキサン
単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSi
に結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等
が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物
で用いられる。
【0106】上記無機微粉末は、シリコーンオイル処理
されても良く、また、上記疎水化処理と併せて処理され
ていても良い。
【0107】好ましいシリコーンオイルとしては、25
℃における粘度が30〜1000センチストークスのも
のが用いられ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メ
チルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変
性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
【0108】シリコーンオイル処理の方法としては、例
えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体と
シリコーンオイルとをヘンジェルミキサー等の混合機を
用いて直接混合する方法;べースとなるシリカ微粉体に
シリコーンオイルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤
にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、シリ
カ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;を用いるこ
とが可能である。シリコーンオイル処理シリカは、シリ
コーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200
℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面の
コートを安定化させることがより好ましい。
【0109】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミン等のシランカップリング剤を単
独あるいは併用して使用される。好ましいシランカップ
リング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)が挙げられる。
【0110】本発明においては、シリカをあらかじめカ
ップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理す
る方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーン
オイルで同時に処理する方法によって処理されたものが
好ましい。
【0111】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー粒
子100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量
部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0112】また、本発明のトナーには必要に応じて流
動性向上剤以外の外部添加剤をさらに添加しても良い。
【0113】例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、ケー
キング防止剤、離型剤、滑剤、研磨剤などの働きをする
樹脂微粒子や無機微粒子などである。このようなものと
しては、例えば、テフロン(登録商標)、ステアリン酸
亜鉛、ポリフッ化ビニリデン等の滑剤、中でもポリフッ
化ビニリデンが好ましい。あるいは、酸化セリウム、炭
化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でも
チタン酸ストロンチウムが好ましい。あるいは、酸化チ
タン、酸化アルミニウムなどの流動性付与剤、中でも特
に疎水性のものが好ましい。あるいはケーキング防止剤
や、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸
化スズなどの導電性付与剤、また、逆極性の微粒子を現
像性向上剤として少量用いることもできる。
【0114】トナーと混合される樹脂微粒子または無機
微粉体または疎水性無機微粉体などは、トナー100質
量部に対して、それぞれ0.1〜5質量部使用するのが
好ましい。
【0115】また、本発明のトナーはキャリアと混合し
て二成分トナーとして用いることができる。キャリアの
電流値はキャリア表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量
を調整して20〜200μAにするのが良い。
【0116】キャリア表面を被覆する樹脂としては、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合
体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、
フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、
ポリフェニレンサルファイド樹脂など、或いはこれらの
混合物を用いることができる。
【0117】キャリアコアの磁性材料としては、フェラ
イト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄
等の酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或
いはこれらの合金を用いることができる。また、これら
の磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニ
ッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、
亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウ
ム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングス
テン、バナジウム等が挙げられる。
【0118】本発明のトナーを作製するには、まず結着
樹脂、着色剤及び/または磁性体、離型剤、荷電制御剤
またはその他の添加物を、ヘンシェルミキサー、ボール
ミル等の混合機により、充分混合する。その混合物をニ
ーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融、
混練して樹脂類を互いに相溶させ、溶融混練物を冷却固
化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナ
ー得ることができる。
【0119】さらに、流動性向上剤及び/または他の外
添剤とトナーをヘンシェルミキサー等の混合機により充
分混合し、トナー粒子表面に流動性向上剤及び/または
他の外添剤を有するトナーを得ることができる。
【0120】以下の表2〜6にトナー製造用装置として
一般的に使用されるものを示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】以下、本発明のトナー及び原材料の物性の
測定方法を以下に示す。後述の実施例もこの方法に基づ
いている。
【0127】(1)テトラヒドロフラン(THF)不溶
分の測定 サンプル0.5〜2.0gを秤量し(これを「W1g」
とする)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙社製No.86
R)を入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてT
HF200mlを用いて10時間抽出し、溶媒によって
抽出された可溶成分溶液をエバポレートした後、100
℃で数時間真空乾燥し、THF可溶成分量を秤量する
(これを「W2g」とする)。次に、トナー中の燃焼残
灰分の重さ(W3g)を求める。燃焼残灰分は以下の手
順で求める。あらかじめ精秤した30mlの磁性るつぼ
に約2.0gの試料を入れ精秤し、試料の質量(Wa
g)を精秤する。るつぼを電気炉に入れ約900℃で3
時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター
中に1時間以上放冷させた後、るつぼの質量を精秤す
る。これより下記式を用いて燃焼残灰分(Wb)gを求
める。
【0128】
【数5】燃焼残灰分含有率(Wt%) = (Wb/W
a)×100 この燃焼残灰含有率から試料中の燃焼残灰分の重さが求
められる。THF不溶分は下記式から求められる。
【0129】
【数6】
【0130】結着樹脂の場合、THF不溶分を下記式か
ら求めても良い。
【0131】
【数7】
【0132】ソックスレー抽出装置の一例を図1に示
す。容器15に入っているTHF14はヒーター22に
より加熱され気化し、気化したTHFは管21を通って
冷却器18に導かれる。冷却器18は冷却水19により
常時冷却されている。冷却器18で冷却されて液化した
THFは円筒ろ紙23を有する貯留部にたまり、THF
の液面が中管17よりも高くなると、貯留部からTHF
が容器15に排出される。円筒ろ紙23に入っているト
ナー16は循環するTHFによって抽出処理される。
【0133】(2)粒度分布の測定 測定装置はコールターマルチサイザーIIe(ベックマン
・コールター社製)を用いる。電解液としては、1級塩
化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
例えば、ISOTON R−II(ベックマン・コールタ
ー社製)が使用できる。測定方法としては、上記電解液
100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ま
しくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5m
l加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸
濁した電解液は、超音波分散器を用いて約1〜3分間分
散処理を行う。アパーチャーとして100μmアパーチ
ャーを用いて、上記測定装置により粒径が2μm以上の
トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布と
を算出した。それから、本発明に係る質量平均粒径(D
4)および個数平均粒径(D1)(それぞれ各チャンネ
ルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
【0134】次に、本発明の画像形成方法に用いられる
感光体について説明する。ただし、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0135】本発明の画像形成装置に用いられる感光体
は、導電性基体と、この導電性基体上に順次積層され
た、少なくともアモルファスシリコンを含む光導電層及
び表面保護層を有する構造のものである。このような感
光体は、長期にわたる耐久的な使用においても削れが少
なく、特性の安定性も高い。また、本発明では、光導電
層と表面保護層の界面領域の組成を連続的に変化させる
ことにより、更に効果的に感光体へのトナー付着の抑制
が可能となった。
【0136】本発明で用いられる感光体は、上記界面領
域における分光反射率(%)が、波長450nmから6
50nmの範囲で、下記の式(1)を満たすことが望ま
しい。
【0137】
【数8】 0 ≦ (Max−Min)/(Max+Min) ≦ 0.4 ・・・(1) (式中、Maxは単一固定波長における反射率の最大と
を示し、Minは反射率の最小値を示す。)
【0138】ここで、本発明による反射率とは、分光光
度計[大塚電子社製 MCPD−2000]を用いて測
定した反射率(百分率)の値を示す。概要を述べると、
まず分光器の光源の分光発光強度I(O)を測定し、次
いで感光体の分光反射光度I(D)を測定して、反射率
R=I(D)/I(O)を求める。高い精度で再現性良
く測定するためには、曲率をもつ感光体に対して角度が
一定となるようにディテクター治具を固定することが望
ましい。
【0139】界面制御の具体例を図2に示す。上段が上
記式の範囲外である「界面あり」の測定例、下段が本発
明に係わる式を満たす「界面無し」の測定例である。2
本線があるのはそれぞれ表面保護層の膜厚違いによる差
であり、膜厚の差に応じてグラフ上左右に波形が移動す
る。その最大値は波形の振幅に相当する為、界面ありは
界面無しに比べ、単一波長固定で見た場合、膜厚変動に
対して反射率は大きく変動する。すなわち、膜厚変動に
対して大きく感度変動が生じる。
【0140】感光体表面の微細粗さにより、画像露光入
射光路上における実質的な表面保護層の膜厚むらが生ず
る。この膜厚むらにより界面ありの場合、界面なしの場
合よりも感度の変動が大きくなり、トナー付着の核とな
るカブリ、又は画像の鮮鋭さを悪化させるものと考えら
れる。
【0141】更に、本発明においては、上記の表面形状
に加え、光導電層を複数の層から構成することがトナー
付着の抑制の点から好ましい。光導電層のバンドギャッ
プにより生じる画像露光の実質的な吸収深さの変動によ
り静電潜像の電位むらが生ずる。この電位むら、具体的
には残留電位、ゴースト電位により、トナー付着の核と
なるカブリ、又は画像の鮮鋭さを悪化させるものと考え
る。
【0142】上記感光体において、導電性基体の10μ
m×10μmの範囲における表面粗さRaは、9nm未
満であることが好ましく、更に好ましくは6nm未満で
ある。Raが9nm以上の場合には、感光層の成膜形成
において、膜が部分的に以上成長してしまい、画像上に
黒点や白点を生じるポチ不良という問題が発生すること
がある。また、感光体表面における電位に差を生じて、
カブリが発生しやすくなる。
【0143】また、本発明における感光体は、平均傾斜
Δaが0.12〜1.0であることを特徴とする。この
Δaは好ましくは0.15〜0.8であり、より好まし
くは0.2〜0.7である。Δaが0.12より小さい
場合は、感光体とトナーの間の分子間力が増大し、トナ
ー付着が悪化してしまうことがある。また、Δaが1.
0より大きい場合は、凸部分での削れが激しくなり、耐
キズ性が低下するだけでなく、デジタル画像の鮮鋭さが
悪化してしまうことがある。また、長期耐久使用の初期
と後半で表面電位に差を生じるために、画像濃度の低
下、カブリの発生が起こってしまう。
【0144】本発明における平均傾斜Δaとは、原子間
力顕微鏡(AFM)[Quesant社製 Q−Sco
pe250(Version3.181)]を用いて測
定した結果を表し、微視的な表面粗さを高い精度で再現
性良く測定するためには、10μm×10μmの測定範
囲で、かつサンプルの曲率傾き(tilt)による誤差
を避けるように測定した結果であることが好ましい。具
体的には、Quesant社製 Q−Scope250
のTilt Removalモードにより、試料のAF
M像の持つ曲率を放物線にフィットさせた後、平坦化す
る補正(Parabolic)が挙げられる。電子写真
感光体は一般に円筒形状をとっており、好適な手法であ
る。更に像に傾きが残る場合には、傾きを除去する補正
(Line by line)を行う。このように、デ
ータに歪みを生じさせない範囲でサンプルの傾きを適宜
補正することが可能である。
【0145】以下、本発明の重要な指標である平均傾斜
Δaについて述べる。表面粗さ計における平均傾斜Δa
は、(株)小坂研究所製(1993年3月製造)の表面
粗さ測定器 SE−3300の取扱説明書 第8章
「表面粗さの用語とパラメータの定義」 8−12項に
記載の以下の式により定義される。
【0146】
【数9】
【0147】一方、本発明の10μm×10μmの範囲
における平均傾斜Δaは、原子間力顕微鏡(Atomi
c Force Microscopy、AFM)[Q
uesant社製Q−Scope250(Versio
n3.181)]により、三次元形状から計算された値
を指す。
【0148】本発明者らが、上記原子間力顕微鏡により
測定した三次元形状から任意の断面曲線の二次元平均傾
斜Δaを求めたところ、三次元形状から求めた10μm
×10μmの範囲における平均傾斜Δaと概ね一致し
た。しかしながら、測定値の安定性、トナー付着防止効
果との相関性の面では、三次元形状から求めたΔaがよ
り好ましい。
【0149】以上の経緯から、本発明の発明思想は三次
元形状から求めた10μm×10μmの範囲におけるΔ
aに限定されるものではない。
【0150】原子間力顕微鏡は横分解能(試料面に平行
な方向の分解能)は0.5nmを上まわり、縦分解能
(試料面に垂直方向の分解能)は0.01〜0.02n
mを持ち、試料の三次元的な形状を測定することが可能
である。すなわち、従来から広く用いられている表面粗
さ計との大きな違いは、その高い分解能にある。
【0151】これほどまでの高い分解能においては、感
光体基体(導電性基体)の粗さが支配的なオーダーの粗
さではなく、光導電層や表面層といった堆積膜そのもの
の性質に起因する粗さの測定が可能である。
【0152】感光体基体の粗さは、前述の旋盤やボール
ミル、ディンプル処理加工といった「歯形」や、「処理
部材」といった「型」に依存するものであるが、堆積膜
そのものの粗さには「型」はなく、単にJISで規定さ
れるRa(中心線平均粗さ)やRz(十点平均粗さ)で
は表現しきれない形状因子が存在し、それが前記トナー
付着防止の糸口になるのではないかと本発明者らは考え
た。
【0153】具体的には、同一視野(10μm×10μ
m)の範囲における表面粗さRaが9nm未満の導電性
基体の上に、各種条件にてアモルファスシリコン感光層
(阻止層、光導電層、表面層、各層の界面を含む全層)
を作製し、表面の微細形状を原子間力顕微鏡で観測し、
平均傾斜Δaを求めて比較検討した。
【0154】同様の測定を、従来広く用いられている表
面粗さ計、例えば株)小坂研究所製接触式表面粗さ計
(SE−3400)では有意な差を観測できず、本出願
で用いる指標はアモルファスシリコン感光体の材料の特
性を示す新規な指標であると考える。
【0155】尚、本発明者らはAFMの測定に際して、
いくつかの試料に対して、スキャンサイズを様々に変更
して測定を行った。スキャンサイズ(Scan Siz
e)とはスキャンする四角形の範囲の一辺の長さであ
り、従ってスキャンサイズ10μmとは、10μm×1
0μmすなわち100μm2の範囲をスキャンすること
を意味する。グラフ横軸をスキャンサイズにして、平均
傾斜Δaとの関係を調べた結果の一部を図3に示す。
【0156】スキャンサイズを大きく、すなわち測定範
囲を広くすると測定値は安定するが、試料基体のうね
り、突起などの特異形状、加工形状の影響により、微細
形状が反映され難くなる。一方、スキャンサイズが小さ
すぎると測定個所の選択バラツキが大きくなる為、本発
明は測定の検知能力と安定性の総合的に優れた10μm
×10μm視野で表記した。
【0157】以上の経緯から、本発明の発明思想は10
μm×10μm視野に限定されるものではない。
【0158】基体の表面粗さRaを上記範囲とするに
は、切削加工、ディンプル加工等、基体表面の加工条件
を調整すればよい。
【0159】以下、本発明で用いられる感光体の具体例
を説明する。図4は、本発明で用いられる電子写真用感
光体の一例を示す図である。
【0160】本例の電子写真感光体は、図4に示すよう
に、例えばAl、ステンレス等の導電性材料からなる基
体101上に、光導電層102および表面保護層103
を順次積層したものである。なお、これら層の他に、阻
止層104、反射防止層や界面層107などの種々の機
能層を必要に応じて設けてもよいものである。例えば、
阻止層104、界面層107等を設けそのドーパントと
してIII族元素、V族元素など選択することにより、正
帯電、負帯電といった帯電極性の制御も可能となる。
【0161】基体形状は電子写真用感光体の駆動方式な
どに応じた所望のものとしてよい。基体材質としては上
記Alやステンレスの如き導電性材料が一般的である
が、例えば各種のプラスチックやセラミックス等、特に
は導電性を有しないものにこれら導電性材料を蒸着する
などして導電性を付与したものも用いることができる。
【0162】光導電層102としては、シリコン原子
と、水素原子又はハロゲン原子を含む非晶質材料(「a
−Si(H,X)」と略記する)を用いる。また、光導
電層102の層厚としては特に限定はないが、製造コス
トなどを考慮すると15〜50μm程度が適当である。
【0163】更に、特性を向上させる為に下部光導電層
105と上部光導電層106の様に複数の層構成にして
も良い。特に、半導体レーザーの様に、比較的長波長で
あって且つ波長ばらつきのほとんどない光源に対して
は、こうした層構成の工夫によって画期的な効果が現れ
る。
【0164】表面保護層103は、一般的にa−SiC
(H,X)で形成されるが、a−C(H,X)としても
良い。また、光導電層102と表面保護層103の界面
組成107を連続的に変化させ、当該部分の界面反射を
抑制させるように制御することが必要である。
【0165】以下、本発明に係わるアモルファスシリコ
ン(以下、「a−Si」と表記することがある)感光体
成膜装置の一例を説明する。本発明では、感光ドラム1
はa−Si感光体としており、a−Si感光層を高周波
プラズマCVD(PCVD)法により成膜することがで
きる。本発明で使用したPCVD装置を図5に示す。図
5に示す装置は、電子写真用感光体の製造に使用する一
般的なPCVD装置である。このPCVD装置は、堆積
装置300、原料ガス供給装置及び排気装置(ともに図
示せず)を備えて構成されている。
【0166】堆積装置300には縦型の真空容器からな
る反応容器301を有し、この反応容器301内の周囲
には原料ガス導入管303が縦方向に複数本配設され、
ガス導入管303の側面には、長手方向に沿って多数の
細孔が設けられている。反応容器301内の中心には、
螺旋状に巻線したヒーター302が縦方向に延設されて
いる。感光体ドラムの基体となる円筒体312は、容器
301内の上部の蓋301aを開けて挿入され、ヒータ
ー302を内側にして容器301内に垂直に設置され
る。また、反応容器301の側面の一方に設けた凸部か
ら高周波電力が供給される。
【0167】反応容器301の下部には、原料ガス導入
管303に接続された原料ガス供給管305が取り付け
られ、この供給管305は、供給バルブ306を介して
図示しないガス供給装置に接続されている。また、反応
容器301の下部には排気管307が取り付けられ、こ
の排気管307はメイン排気バルブ308を介して図示
しない排気装置(真空ポンプ)に接続されている。排気
管307には、他に真空計309、サブ排気バルブ31
0が取り付けられている。
【0168】上記のa−Si感光体成膜装置を用いて平
均傾斜Δaを制御する方法の一例を以下に示す。本発明
では、基体上に阻止層、光導電層、表面保護層などの各
機能層を高周波プラズマCVD(PCVD)法により成
膜しa−Si感光体を作製するが、本発明に好適なΔa
=0.12〜1.0の範囲の表面粗さを得るためには、
高周波電力及びその周波数、ガス流量、圧力、基板温
度、膜厚などの製造条件の各パラメーターを調整するこ
とが有効である。
【0169】一般にΔaの大きい堆積膜表面を形成する
ための条件としては、堆積膜の成長表面に到達する膜
形成の前駆体が十分に表面拡散しない、或いは前駆体の
到達量が多く表面拡散する時間が十分に得られない場
合、気相重合反応が起き易い条件で堆積膜の形成を行
い、気相中で発生した重合体を取り込みながら堆積膜が
形成される場合、が挙げられる。具体的には、高周波電
力を大きくする、ガス流量を増加する、圧力を大きくす
る、基板温度を低くする、膜厚を増加するなどがΔaの
大きい堆積膜表面を形成するための条件として考えられ
る。しかしながら、このような製造条件下では堆積膜の
品質低下につながり易く、a−Si感光体を作製した場
合に十分な電子写真特性を得るのが困難となり、歩留ま
りの低下をもたらす場合がある。とくに、の重合体の
取り込みはa−Si堆積膜の光劣化を誘発することが示
唆されており、できる限り重合体の取り込みを抑制しな
がらa−Si感光体を作製することが好ましい。即ち、
Δaの大きいa−Si感光体を形成するためには、堆積
膜の品質をできる限り低下させないように注意深く製造
条件の各パラメーターを調整することが必須となる。
【0170】また、このようなΔaの大きい堆積膜表面
を形成するための製造条件は、その効果を考えると感光
体の大部分を占める光導電層に採用することが好ましい
が、電子写真特性に及ぼす影響が少ない阻止層や表面保
護層においてのみΔaを制御する条件を採用しても良
い。
【0171】本発明では、前駆体の到達量が多くなる条
件を選択しつつ、気相中での重合体の発生量を制御する
ことで、堆積膜の品質をできる限り低下させずにΔaを
制御して形成した。具体的には、VHF帯域の高周波電
力を用い、さらに高周波電力を高低二段にパルス変動さ
せ、且つ、高周波電力の高い方の値を増加させることに
より、堆積膜の品質を維持しながらΔaを変化させるこ
とを可能とした。さらに、高周波電力の高低二段の電力
値、高周波電力の高い方の値を変化させる変化幅、パル
ス変動のデューティー比を変化させることによりΔaを
制御したa−Si感光体の作製を達成した。
【0172】このように作製した電子写真感光体を用い
た電子写真装置の一例を図6に示す。尚、本例の装置
は、円筒状の電子写真感光体を用いる場合に好適なもの
であるが、本発明の電子写真装置は本例に限定されるも
のではなく、感光体形状は無端ベルト状等の所望のもの
であってよい。
【0173】図6において、204が本発明における電
子写真用感光体であり、205はこの感光体204に静
電潜像形成のための帯電を行う一次帯電器である。20
6は静電潜像の形成された感光体204に現像剤(トナ
ー)206aを供給するための現像器であり、207は
感光体表面のトナーを転写材に移行させるための転写帯
電器である。208は感光体表面を浄化するクリーナー
である。本例では感光体表面のトナーの均一削除を有効
に行うため、ローラー208−1とクリーニングブレー
ド208−2を用いて感光体表面の浄化を行っている
が、いずれか一方のみでも差しつかえない。210は次
回の複写動作にそなえて感光体表面の除電を行うための
除電ランプであり、213は紙等の転写材、214は転
写材の送りローラーである。露光Aの光源には、ハロゲ
ン光源、或いは単一波長を主とする光源を用いる。
【0174】このような装置を用いた複写画像の形成
は、例えば以下のように行われる。まず電子写真感光体
204を所定の速度で矢印の方向へ回転させ、一次帯電
器205を用いて感光体204の表面を一様に帯電させ
る。次に、帯電された感光体204の表面に画像の露光
Aを行い、この画像の静電潜像を感光体204の表面に
形成させる。そして感光体204の表面の静電潜像の形
成された部分が現像器206の設置部を通過する際に、
現像器206によってトナーが感光体204の表面に供
給され、静電潜像がトナー206aによる画像として顕
像化(現像)され、トナー画像が形成される。更に、こ
のトナー画像は感光体204の回転とともに転写帯電器
207の設置部に到達し、ここで送りローラー214に
よって送られてくる転写材213に転写されるのであ
る。
【0175】転写終了後、次の複写工程に備えるために
電子写真感光体204の表面から残留トナーがクリーナ
ー208によって除去され、更に該表面の電位がゼロ若
しくは殆どゼロとなるように除電器209および除電ラ
ンプ210により除電され、1回の複写工程を終了す
る。
【0176】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0177】 〈結着樹脂の製造例1〉 テレフタル酸 : 600g 無水トリメリット酸 : 600g フマル酸 : 330g プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA):1050g エトキシ化ビスフェノールA(EO−BPA) : 450g 上記ポリエステルモノマーと、表8に示すワックス1を
183gを、エステル化触媒とともに4口フラスコに仕
込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度
測定装置及び撹拌装置を装着した。このポリエステルモ
ノマーの混合物を窒素雰囲気下にて130℃の温度で撹
拌しつつ、これにビニル系重合体モノマー(スチレン5
10g、2−エチルヘキシルアクリレート112g、架
橋剤としてのジビニルベンゼン0.13g)を混合した
ものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。これを1
30℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温し
て反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出
し、冷却、粉砕し、ポリエステル系ユニットとビニル系
重合ユニットとを有するハイブリッド樹脂成分からな
り、軟化点が130℃の結着樹脂Aを得た。
【0178】〈結着樹脂の製造例2〜9〉結着樹脂の製
造例1において、ポリエステルモノマー、ビニル系モノ
マーおよび離型剤の種類および量を表7に示すようにそ
れぞれ変更したこと以外は、上記製造例1と同様の方法
を用いてポリエステル系ユニットとビニル系重合ユニッ
トとを有するハイブリッド樹脂成分からなる結着樹脂B
〜Iを得た。
【0179】〈結着樹脂の比較製造例1、2〉結着樹脂
の製造例1において、ポリエステルモノマー、ビニル系
モノマーおよび離型剤の種類および量を表7に示すよう
にそれぞれ変更したこと以外は、上記製造例1と同様の
方法を用いて比較用結着樹脂a、bを得た。
【0180】〈結着樹脂の比較製造例3〉表2に示すよ
うなモノマーを縮重合して、軟化点127℃のポリエス
テル樹脂である比較用結着樹脂cを得た。
【0181】〈結着樹脂の比較製造例4〉キシレン20
00gを、還流管、撹拌機、窒素導入管、温度計、滴下
装置及び減圧装置を備えた反応容器に投入した後に、ス
チレン1160g、アクリル酸ブチル360g、マレイ
ン酸モノブチル460g及び重合開始剤としてジ−t−
ブチルパーオキサイド120gを投入して窒素を通気し
ながら還流温度まで加熱して12時間保持した。次にキ
シレンを減圧留去することによりビニル系樹脂である比
較用結着樹脂dを得た。
【0182】
【表7】
【0183】
【表8】
【0184】〈実施例1〉トナーの製造例1 樹脂A :100質量部 磁性酸化鉄 :100質量部 (平均粒径0.2μm、保磁力(Hc)9.5kA/
m、飽和磁化(σs)81Am2/kg、残留磁化(σ
r)11Am2/kg) モノアゾ鉄錯体 : 2質量部 上記混合物を、130℃に加熱された二軸式エクストル
ーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで
粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得ら
れた微粉末を風力分級機で分級し、磁性トナー1を得
た。
【0185】この磁性トナー1を100質量部にヘンシ
ェルミキサーで疎水化処理シリカ1.0質量部およびチ
タン酸ストロンチウム4.0を外部添加して、体積平均
粒径7.80μm、D4/D1が1.25のトナー1を
得た。このトナー1において、前述したような13C−N
MRの測定を行った結果、ハイブリッド樹脂成分を含有
していることが確認された。トナー1の原料および物性
を表9に示す。
【0186】なお、後述の実施例2〜13、トナーの比
較製造例1〜3で得られたトナーに関しても、いずれも
ハイブリッド樹脂成分を含有していることが確認され
た。
【0187】〈実施例2、3〉トナーの製造例2、3 実施例1において、粉砕・分級条件を変更し、D4径及
びD4/D1を変えたこと以外は上記実施例1と同様の
方法を用いて、表9に示すトナー2、3を得た。
【0188】〈実施例4〜13〉トナーの製造例4〜1
3 実施例1において、表9に示す原料に変更した以外は上
記実施例1と同様の方法を用いて、トナー4〜13を得
た。
【0189】〈トナーの比較製造例1〜5〉実施例1に
おいて、表9に示す原料に変更した以外は上記実施例1
と同様の方法を用いて、比較用トナー1〜5を得た。
【0190】
【表9】
【0191】〈感光体の製造例1〉図5に示すa−Si
感光体成膜装置において、発振周波数105MHzの高
周波電源を用い、直径80mmのAl基体上に表10に
示した条件によりa−Si感光体1を作製した。その
際、光導電層を作製する条件として、表11に示したよ
うに高周波電力を高低二段にパルス変動(周波数1KH
z)させ、高周波電力の高い方の値(PH)を1000
〜1500Wの範囲内で変化幅をもって変化させ、低い
方の値PLを250Wに設定し、デューティー(Dut
y)比[PH印加時間/(PH印加時間+PL印加時
間)]を70%に設定した。
【0192】表11に得られた感光体1の10μm×1
0μmの範囲における平均傾斜ΔaをAFMにより測定
した結果を示す。PHの項に示す「A[W]→B
[W]」は、高低二段にパルス変動させた高周波電力の
高い方の値を、光導電層の成膜開始時はA[W]、終了
時はB[W]で、その間は一定の変化率で増加させたこ
とを示す。
【0193】表11から分かるように、パルス変動させ
る際、高周波電力の高低二段の電力値、高周波電力の高
い方の値を変化させる変化幅、パルス変動のデューティ
ー比を変化させることにより、a−Si感光体の10μ
m×10μm範囲における平均傾斜Δaを変化させて作
製することができた。
【0194】この感光体1について、中心部近辺をラン
ダムに10点選び、10μm×10μm範囲における平
均傾斜Δaの平均値、導電性基体の10μm×10μm
の範囲における微視的な表面粗さRa、および上記式
(1)における[(Max−Min)/(Max+Mi
n)]を測定した。測定結果を表11に示す。
【0195】また、感光体1の導電性基体上の10μm
×10μmの範囲をAFMにより測定した微視的な粗さ
の観察像を図7に、比較用感光体1の感光体表面上を1
0μm×10μm範囲でAFMにより測定した微視的な
粗さの観察像を図8に、感光体1の感光体表面上を10
μm×10μm範囲でAFMにより測定した微視的な粗
さの観察像を図9に、それぞれ示す。
【0196】〈感光体の製造例2〜4〉感光体の製造例
1において、成膜装置の製造条件の各パラメーターを表
11に示すように変えたこと以外は上記製造例1と同様
の方法により、感光体2〜4を得た。
【0197】すなわち、光導電層を作製する条件とし
て、PHを1000〜2600Wの範囲内で変化幅をも
って変化させ、PLを200〜600Wの範囲で設定
し、デューティー比を30〜70%の範囲で設定した。
得られた各感光体2〜4の物性を表11に示す。
【0198】〈感光体の比較製造例1、2〉感光体の製
造例1において、成膜装置の製造条件の各パラメーター
を表11に示すように変えたこと以外は上記製造例1と
同様の方法により、比較用感光体1、2を得た。得られ
た各比較用感光体1、2の物性を表11に示す。
【0199】
【表10】
【0200】
【表11】
【0201】〈実施例14〉画像形成方法の評価1キヤ
ノン製複写機NP6350をデジタル機に改造し、更に
プロセススピードを400mm/secにしたものに、
上記感光体1を具備し、トナー1を用いて画出しする画
像形成装置を得た。この画像形成装置を用いて下記のよ
うな評価を行った。
【0202】画出し試験 得られた画像形成装置を用いて100万枚の通紙耐久試
験を行い、試験前後での画像濃度と、画像上のカブリを
評価した。
【0203】画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社
製)でSPIフィルターを使用して反射濃度測定を行
い、画像中の5mm丸(5φ)の画像を測定した。
【0204】カブリは、リフレクトメーター(東京電色
社製)により測定した、定着画像の白地部分の白色度
と、転写材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出
し、画像カブリを評価した。
【0205】また、感光体へのトナー付着においても、
試験中に定期的にべた黒画像を出力することにより評価
した。評価結果を表12に示す。
【0206】表12中の評価結果は以下のような基準で
判定した。
【0207】(画像濃度)耐久試験初期の値との差を評
価した。
【0208】 ◎:優れている(差が0.02未満) ○:良好 (差が0.02以上0.1未満) △:問題なし (差が0.1以上0.0.2未満) ×:問題あり (差が0.2以上) (カブリ) ◎:優れている(1.0%未満) ○:良好 (1.0%以上2.5%未満) △:問題なし (2.5%以上4%未満) ×:問題あり (4%以上) (トナー付着) ◎:優れている(未発生) ○:良好 (よく観察するとわずかに見られるが、
実用上問題なし) △:問題なし (目視で黒ポチが数点確認できるが、実
用上問題なし) ×:問題あり (目視で多数の黒ポチが確認でき、問題
あり) 低温定着性試験 上記画像形成装置で未定着画像を得た後、外部定着器
(キヤノン製複写機NP6350の定着器を取り出し、
外部駆動及び定着器の温度制御装置を付け、プロセスス
ピードを300mm/secに改造したもの)を用い
て、定着温度を変えて定着画像を得た。得られた画像上
を4900N/m2(50g/cm2)の荷重をかけて5
回摺擦した時の、摺擦前後の濃度を測定することによ
り、濃度低下率を測定した。その濃度低下率が20%以
下となる温度を最低定着温度とした。評価結果を表12
に示す。
【0209】表12中の評価結果は以下の基準で判定し
た。
【0210】 ◎:優れている(145℃未満) ○:良好 (145℃以上150℃未満) △:問題なし (150℃以上160℃未満) ×:問題あり (160℃以上) 高温オフセット試験 上記画像形成装置で未定着画像を得た後、上記の試験
と同じ外部定着器を用いて、定着温度を変更して、未定
着画像を通紙する。その時に定着ローラーにトナーがオ
フセットするのを目視により判定し、発生した温度を高
温オフセット発生温度とした。評価結果を表12に示
す。
【0211】表12中の評価結果は以下の基準で判定し
た。
【0212】 ○:良好 (240℃未満では未発生) △:問題なし(220℃以上240℃未満で若干発生す
るが、実用上問題なし) ×:問題あり(220℃未満でもはっきりと発生し、実
用上問題あり) 以上の〜の評価を行った結果、表12に示したよう
に大変良好な結果が得られた。
【0213】〈実施例15〜26〉画像形成方法の評価
2〜13 実施例14において、トナーおよび感光体を表12に示
すように変更したこと以外は上記実施例14と同様の評
価を行った。評価結果を表12に示す。この表12から
分かるように、それぞれ良好な結果が得られた。
【0214】〈比較例1〜5〉実施例14において、ト
ナーおよび感光体を表12に示すように変更したこと以
外は上記実施例14と同様の評価を行った。評価結果を
表12に示す。
【0215】
【表12】
【0216】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のトナー及び
画像形成装置によれば、長期にわたる耐久的な使用にお
いても、画像の濃度低下やカブリの発生がなく、クリー
ニング時におけるトナー付着を抑制して良好な画像を得
ることができ、且つ省エネルギー化を達成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソックスレー抽出装置の一例を示す図
【図2】本発明で用いられる感光体の表面保護層の界面
反射制御を説明する図
【図3】AFMの測定の際のスキャンサイズと平均傾斜
Δaとの関係を示すグラフ
【図4】電子写真用感光体の一例を示す模式的断面図
【図5】アモルファスシリコン感光体成膜装置の概略断
面図
【図6】電子写真装置の一例を示す模式的断面図
【図7】実施例における感光体1の導電性基体の原子間
力顕微鏡観察像の一例を示す図
【図8】実施例における比較用感光体1の表面の原子間
力顕微鏡観察像の一例を示す図
【図9】実施例における感光体1の表面の原子間力顕微
鏡観察像の一例を示す図
【符号の説明】
101 導電性基体 102 光導電層 103 表面保護層 104 阻止層 105 下部光導電層 106 上部光導電層 107 界面層 204 感光体 205 一次帯電器 206 現像器 206a トナー 207 転写帯電器 208 クリーナー 210 除電ランプ 213 転写材 214 送りローラー 215 分離帯電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/083 G03G 9/08 325 9/09 361 9/097 101 346 (72)発明者 長谷川 雄介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 河村 邦正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 CA04 CA08 CA14 CA17 CA22 CB03 DA02 EA03 EA05 EA07 EA10 2H068 DA05 DA15 DA17 DA20 DA23 DA35

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真用感光体上に担持された静電潜
    像を可視化するためのトナーであって、 前記感光体は導電性基体と、この導電性基体上に順次積
    層された、少なくともアモルファスシリコンを含む光導
    電層と、表面保護層とを有し、 前記感光体の光導電層と表面保護層の界面領域の組成は
    連続的に変化しており、 前記感光体表面の平均傾斜Δaが0.12〜1.0であ
    り、 前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有
    し、前記結着樹脂が、 (a)ビニル系重合ユニットとポリエステル系ユニット
    とを有するハイブリッド樹脂成分からなり、 (b)ビニル系モノマーとポリエステル系モノマーの混
    合比(ビニル系モノマー/ポリエステル系モノマー)
    が、質量比で10/90〜50/50であり、 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が1
    0〜50%であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 前記結着樹脂のビニル系モノマーとポリ
    エステル系モノマーの混合比が、15/85〜40/6
    0であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  3. 【請求項3】 前記結着樹脂のポリエステル系ユニット
    が、3価以上の多価カルボン酸またはその無水物および
    /または3価以上の多価アルコールで架橋された構造を
    有することを特徴とする請求項1または2記載のトナ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記トナーの質量平均粒径(D4)が4
    〜10μmであり、この質量平均粒径(D4)と個数平
    均粒子径(D1)の比D4/D1が1.0〜1.5であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のトナー。
  5. 【請求項5】 示差走査型熱量計(DSC)で測定され
    る、昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が60〜
    130℃であるワックスをさらに含有することを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 前記ワックスが炭化水素系ワックスであ
    ることを特徴とする請求項5記載のトナー。
  7. 【請求項7】 前記着色剤が磁性材料であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 【請求項8】 負帯電性の荷電制御剤をさらに含有する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の
    トナー。
  9. 【請求項9】 前記感光体の前記界面領域における分光
    反射率(%)が、波長450〜650nmの範囲で、下
    記式を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    一項に記載のトナー。 【数1】0 ≦ (Max−Min)/(Max+Mi
    n) ≦ 0.4 (式中、Maxは単一固定波長における反射率の最大値
    を示し、Minは反射率の最小値を示す。)
  10. 【請求項10】 前記感光体表面の平均傾斜Δaが0.
    15〜0.8であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか一項に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 前記感光体は、前記導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが9nm未
    満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一
    項に記載のトナー。
  12. 【請求項12】 前記感光体は、前記導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが6nm未
    満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一
    項に記載のトナー。
  13. 【請求項13】 電子写真用感光体上に担持された静電
    潜像をトナーによって可視化して画像を形成する画像形
    成方法であって、 前記感光体は導電性基体と、この導電性基体上に順次積
    層された、少なくともアモルファスシリコンを含む光導
    電層と、表面保護層とを有し、 前記感光体の光導電層と表面保護層の界面領域の組成は
    連続的に変化しており、 前記感光体表面の平均傾斜Δaが0.12〜1.0であ
    り、 前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有
    し、前記結着樹脂が、 (c)ビニル系重合ユニットとポリエステル系ユニット
    とを有するハイブリッド樹脂成分からなり、 (d)ビニル系モノマーとポリエステル系モノマーの混
    合比(ビニル系モノマー/ポリエステル系モノマー)
    が、質量比で10/90〜50/50であり、 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が1
    0〜50%であることを特徴とする画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記結着樹脂のビニル系モノマーとポ
    リエステル系モノマーの混合比が、15/85〜40/
    60であることを特徴とする請求項13記載の画像形成
    方法。
  15. 【請求項15】 前記結着樹脂のポリエステル系ユニッ
    トが、3価以上の多価カルボン酸またはその無水物およ
    び/または3価以上の多価アルコールで架橋された構造
    を有することを特徴とする請求項13または14記載の
    画像形成方法。
  16. 【請求項16】 前記トナーの質量平均粒径(D4)が
    4〜10μmであり、この質量平均粒径(D4)と個数
    平均粒子径(D1)の比D4/D1が、1.0〜1.5
    であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一
    項に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 前記トナーが、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される、昇温時の吸熱ピーク温度で規定さ
    れる融点が60〜130℃であるワックスをさらに含有
    することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 前記ワックスが炭化水素系ワックスで
    あることを特徴とする請求項17記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 前記トナーに含有される着色剤が磁性
    材料であることを特徴とする請求項13〜18のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 前記トナーが負帯電性の荷電制御剤を
    さらに含有することを特徴とする請求項13〜19のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記感光体の前記界面領域における分
    光反射率(%)が、波長450〜650nmの範囲で、
    下記式を満たすことを特徴とする請求項13〜20のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。 【数2】0 ≦ (Max−Min)/(Max+Mi
    n) ≦ 0.4 (式中、Maxは単一固定波長における反射率の最大値
    を示し、Minは反射率の最小値を示す。)
  22. 【請求項22】 前記感光体表面の平均傾斜Δaが0.
    15〜0.8であることを特徴とする請求項13〜21
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 前記感光体は、前記導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが9nm未
    満であることを特徴とする請求項13〜22のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 前記感光体は、前記導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが6nm未
    満であることを特徴とする請求項13〜23のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
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