JP2003156281A - 除霜用ヒータ及びその製造方法とその除霜ヒータを使用した冷蔵庫 - Google Patents

除霜用ヒータ及びその製造方法とその除霜ヒータを使用した冷蔵庫

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃性冷媒を用いた冷凍サイクルの冷却器に
付着した霜を除霜する除霜用ヒータに関し、多重のガラ
ス管に栓を取り付ける際の作業性の改善を図る。 【解決手段】 第一のガラス管13を栓12に挿入する
際の挿入力よりも、第二のガラス管14を栓12に挿入
する際の挿入力を弱くし、第二のガラス管14の寸法ば
らつきによって挿入力が強くなりすぎるのを防止し組み
立て作業性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫等の可燃性冷
媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆積した霜
を除霜する除霜ヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、可燃性冷媒を用いた冷蔵庫に使用
されている除霜用ヒータに関するものとしては、特開平
11−257831号公報が挙げられる。
【0003】以下図面を参照しながら上記従来の除霜用
ヒータについて説明する。
【0004】図9は特開平11−257831号公報に
示される従来の除霜ヒータの部分断面図である。図9に
おいて金属抵抗体からなるヒータ線100は第一のガラ
ス管101の中に収納されており、さらに第二のガラス
管102、及び第三のガラス管103によって覆われた
多重構造になっている。
【0005】104はゴム製の栓で、第一のガラス管1
01、第二のガラス管102及び第三のガラス管103
の両端部に挿入されてガラス管内部を封止し、それぞれ
のガラス管内部に可燃性冷媒が進入するのを防止してい
る。第一のガラス管101の内部はガラス管表面温度が
高くなりすぎないように真空になっている。またガラス
管を多重構造にすることで可燃性冷媒の雰囲気にさらさ
れるおそれのある第三のガラス管103の表面温度が発
火温度以上になることを防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、一方の栓をしたあともう一方の栓をして
内部を密閉する際に非常に組み立て作業性が悪いという
課題を有していた。なぜならば、ガラス管は外側に存在
するものほど外径が大きい為、その寸法公差も必然的に
大きくなっている。また、栓104との接触面積は外側
にあるガラス管ほど広くなっている。したがって、ガラ
ス管を栓104に挿入する際、外側にあるガラス管ほど
挿入強度ばらつきが大きくなってしまい、必要強度を確
保する為に最も弱い場合を想定して設計するとバラツキ
によって挿入強度が非常に高いものが生じてしまうから
である。
【0007】また栓の取り付け作業性が悪いことは栓の
挿入不足や、ガラス管の傷つき、破損など品質面でも課
題があった。
【0008】本発明は上記課題に鑑み、多重のガラス管
で構成された除霜ヒータの組み立て時における栓取り付
けの作業性を改善した除霜用ヒータを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
除霜用ヒータの発明は、可燃性冷媒を封入した冷凍サイ
クルの冷却器に付着・堆積した霜を加熱により除去する
除霜ヒータにおいて、第一のガラス管と、前記第一のガ
ラス管を覆うように設置した第二のガラス管と、前記第
一のガラス管内部に設置した金属抵抗体からなるヒータ
線と、前記第一のガラス管と前記第二のガラス管の両端
開口部をそれぞれ覆う弾性体の栓と、前記栓を貫通し前
記ヒータ線の端部に接続されるリード線を有し、前記栓
は円筒状突起を有し、前記円筒状突起の内周面が前記第
一のガラス管の外周面と密着し、前記円筒状突起の外周
面が前記第二のガラス管の内周面と密着し、前記第一の
ガラス管と前記栓の密着力よりも、前記第二のガラス管
と前記栓の密着力を弱くしたものであり、栓として機能
する為に必要な抜け強度は第一のガラス管で確保し、第
二のガラス管はあらかじめ抜け強度を弱く設定しておく
ことで、全体としての強度バラツキを抑えて組み立て作
業性の向上を図ることができる。
【0010】請求項2に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部をそれぞれ覆う弾
性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続
されるリード線を有し、前記栓は円筒状突起を有し、前
記円筒状突起の内周面が前記第一のガラス管の外周面と
密着し、前記円筒状突起の外周面が前記第二のガラス管
の内周面と密着し、前記第一のガラス管の外周面を前記
円筒状突起の内周面に圧入する際の圧縮代よりも、前記
第二のガラス管の内周面を前記円筒状突起の外周面に圧
入する際の圧縮代を小さくしたものであり、栓として機
能する為に必要な抜け強度は第一のガラス管で確保し、
第二のガラス管はあらかじめ抜け強度を弱く設定してお
くことで、全体としての強度バラツキを抑えて組み立て
作業性の向上を図ることができる。
【0011】請求項3に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項1または請求項2に記載の発明に、さらに、円筒
状突起の外周にリング状突起を設けたものであり、漏洩
した可燃性冷媒が第二のガラス管内部に進入するのを防
ぎつつ、第二のガラス管を栓に挿入する際、栓との接触
面積を小さくすることで抜け強度を弱くし全体としての
強度バラツキを抑えて組み立て作業性の向上を図ること
ができる。
【0012】請求項4に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項3に記載の発明において、リング状突起の高さが
第二のガラス管の内径の許容公差範囲よりも大きいもの
であり、第二のガラス管の内径のバラツキに対して組み
立て時に突起のみが圧縮されるようにして寸法公差を吸
収することで第二のガラス管の挿入強度を弱め、全体と
しての強度バラツキを抑えて組み立て作業性の向上を図
ることができる。
【0013】請求項5に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明に、
さらに、円筒状突起の先端面に肉盗み部を設けたもので
あり、第一のガラス管の挿入によって円筒状突起の外周
径が大きくなりすぎることを防止し第二のガラス管の挿
入強度を弱め、全体としての強度バラツキを抑えて組み
立て作業性の向上を図ることができる。
【0014】請求項6に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項5に記載の発明において、肉盗み部を先端面の外
周よりに設けたものであり、円筒状突起の外周面の弾力
性をやわらげて第二のガラス管の挿入力を弱めることが
できる。
【0015】請求項7に記載の除霜用ヒータの製造方法
の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載
の除霜用ヒータの一方の栓に対して第一のガラス管を取
り付けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆うよ
うに取り付け、その後他方の栓を第一のガラス管と第二
のガラス管に取り付けるものであり、圧入しにくい第一
のガラス管を取り付けた後で圧入しやすい第二のガラス
管を取り付けられ、かつ内側を先に外側を後に取り付け
るため、作業が合理的で容易になる。
【0016】請求項8に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部をそれぞれ覆う弾
性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続
されるリード線を有し、前記栓は同心の2つの円筒状突
起を有し、内側の円筒状突起の内周面が前記第一のガラ
ス管の外周面と密着し、外側の円筒状突起の内周面が前
記第二のガラス管の外周面と密着するものであり、内側
の円筒状突起によって第一のガラス管が支持され、外側
の円筒状突起によって第二のガラス管が支持されるので
それぞれの円筒状突起でそれぞれのガラス管の寸法公差
を吸収して、組み立て作業性の向上を図ることができ
る。
【0017】請求項9に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部を塞ぐ栓と、前記
栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続されるリード線を
有し、前記栓の一方もしくは両方は、前記リード線が貫
通し前記第一のガラス管を支持する弾性体の第一の栓
と、前記第一の栓に取り付けられ前記第二のガラス管を
支持する第二の栓からなるものであり、第二のガラス管
に栓をする作業を第一のガラス管と同時に行わなわずに
済むようにして組み立て作業性の向上を図ることができ
る。
【0018】請求項10に記載の除霜用ヒータの発明
は、請求項9に記載の発明において、第二の栓は外周か
ら中心に向かってリード線が通るスリットを設けている
ものであり、第二の栓を取り付ける際にリード線先端か
ら第二の栓を通さずに済む構造にして組み立て作業性の
向上を図ることができる。
【0019】請求項11に記載の除霜用ヒータの発明
は、請求項9に記載の発明において、第二の栓は、第一
の栓における第一のガラス管が支持されている部分以外
に取り付けられているものであり、第一のガラス管の挿
入によって第一の栓が変形していない部位に第二の栓を
取り付けることになり、第二の栓の第一の栓への取り付
けを容易にして組み立て作業性の向上を図ることができ
る。
【0020】請求項12に記載の除霜用ヒータの製造方
法の発明は、第一のガラス管に第一の栓を取り付けた
後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆うように取り
付け、その後第二の栓を取り付けるものであり、第二の
ガラス管の取り付け作業を第一のガラス管の取り付け作
業と独立して行うことができ、組み立て工程や検査工程
の簡素化、合理化を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明による除霜用ヒータ
の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1における除霜用ヒータの断面図である。図2は、
同実施の形態の除霜用ヒータが組み立てられる途中を表
した斜視図である。図3は、同実施の形態の除霜用ヒー
タの栓とリード線の斜視図である。図4は、同実施の形
態の除霜用ヒータの栓の斜視図である。図5は、同実施
の形態の除霜用ヒータの栓の斜視図である。
【0023】図1及び図2において、11はヒータ線
で、中央部分がコイル状に形成されており両端11a、
11bは所定長さの直線状に形成されている。12は栓
で、シリコンゴム等耐熱性、弾性に優れた材料で形成さ
れており、ガラス管を固定する為の円筒状突起12aが
設けられている。円筒状突起12aは内周壁12bの直
径が9.6mm、外周壁12cの直径が16.7mmで
構成されている。13は第一のガラス管で、外径10.
5mmの円筒状で、ヒータ線11を内部に収納し、内周
壁12bに挿入されている。14は第二のガラス管で、
内径17mmの円筒状で、第一のガラス管13を内部に
収納し、外周壁12cに挿入されている。
【0024】なお、第一のガラス管13の全長は第二の
ガラス管14の全長よりも長くしている。
【0025】15はヒータ線11に接続されるリード線
で、栓12に設けられたリード線穴12kを通ってヒー
タ11に電気的に接続される。リード線15には図示し
ていないがヒータ線11が接続される反対側に電気入力
用の端子が接続されたり、リード線自身を保護する保護
チューブが設けられたりする場合がある。16はヒータ
線11とリード線15を接続する導電性の接続端子で、
かしめ部16aと、かしめ部16aから延びるストッパ
ー部16bで構成され、かしめ部16aでヒータ線11
とリード線15をかしめて電気接続され、第一のガラス
管13の外径と同じかわずかに小さく構成されたストッ
パー部16bによってヒータ11を位置決めしている。
【0026】以上のように構成された除霜用ヒータにつ
いて以下その組み立て方を説明する。
【0027】まず、図3に示すようにリード線15を栓
12に挿入しリード線アセンブリ17を作成する。この
時リード線15には前述した電気入力用の端子や保護チ
ューブも取り付けられている。次に、ヒータ線11の一
端11aに接続端子16によってリード線アセンブリ1
7を取り付ける。そして第一のガラス管13にヒータ線
11を挿入しリード線アセンブリ17の栓12に固定す
る。さらに第二のガラス管14を挿入して栓12に固定
する(ここまでの状態が図2)。
【0028】その後、ヒータ線11の他端11bを第一
のガラス管13から引き出し、接続端子16によってリ
ード線アセンブリ17を取り付ける。そして最後に他端
11b側の栓12を第一のガラス管13と第二のガラス
管14に同時に挿入して完成となる。
【0029】上記の組み立て方は、実施の形態1に示す
除霜用ヒータの構造の場合、他の順序で組み立てること
も可能であるが、栓12は最終的に第一のガラス管13
と第二のガラス管14に同時に挿入しなければならな
い。
【0030】第一のガラス管13の外径は10.5mm
でそれを支持する円筒状突起12aの内周壁12bの直
径は9.6mmである為0.9mmの圧縮代によって第
一のガラス管13が取り付けられる。外周壁12cの直
径は16.7mmで第一のガラス管13が取り付けられ
た後の直径は17.3mmに拡大するため内径17mm
の第二のガラス管14を取り付けるときの圧縮代は0.
3mmである。
【0031】栓12は除霜ヒータを取り扱う際に外れて
しまわないように50N程度の抜け強度が必要である
が、圧縮代の多い第一のガラス管13によって約50N
の強度が確保されている。圧縮代の少ない第二のガラス
管14によっては約10Nの抜け強度を有している。
【0032】ここで栓12の抜け強度はそのまま組み立
て時の挿入強度と考えて差し支えない。
【0033】第二のガラス管14の内径許容公差は±
0.2mmで、この場合圧縮代は0.1mmから0.5
mmまでのばらつきを生じることになるが0.5mmの
圧縮代の場合でも約25Nの挿入強度であることを確認
している。第二のガラス管14は一方、圧縮代が1.0
mm前後になると100N程度の挿入強度になってしま
うことも確認している。これは圧縮代が大きくなれば単
位圧縮代当たりの挿入強度が高くなってしまうことを意
味する。
【0034】したがって圧縮代を小さく設定したほうが
ばらつきによる挿入強度変化が小さくて済む。圧縮代
0.3mm前後における挿入強度変化は、圧縮代が0.
1mm前後すると約5Nの変化を生じるが、圧縮代1.
0mm前後における挿入強度変化は、圧縮代が0.1m
m前後すると約20Nの変化を生じる。
【0035】このように第二のガラス管14の圧縮代を
第一のガラス管13より小さく設定することは栓12の
挿入強度バラツキを抑えることができる為、組み立て作
業性が極めて良好になる。すなわち、栓の円筒状突起1
2aと第一のガラス管13との密着力よりも、円筒状突
起12aと第二のガラス管14との密着力を弱く設計す
ることにより組み立て作業性を良好にすることができ
る。
【0036】第二のガラス管14の寸法は第一のガラス
管13よりも大きい為、必然的に許容寸法公差も大きく
なっている。一方、円筒状突起12aも寸法の大きい外
周面12cのほうが内周面12bよりも寸法公差が大き
い。したがって、第二のガラス管14の挿入における圧
縮代のバラツキは、第一のガラス管13の挿入に比べて
非常に大きくなってしまうので、圧縮代の最も少ない部
品の場合を想定して最低引き抜き強度を確保するように
設計すると、圧縮代が大きい部品の場合では挿入作業性
が悪くなってしまう。したがって第二のガラス管14は
寸法ばらつきが生じても挿入強度変化が小さくて済む圧
縮代の小さい範囲で設計することで良好な組み立て作業
性を得ることができる。
【0037】なお、第一のガラス管13の全長を第二の
ガラス管14の全長よりも長くしているので、一方の栓
12に第一のガラス管13次いで第二のガラス管14を
圧入した後、他方の線12を第一のガラス管13および
第二のガラス管14に圧入する際に、全長の長い第一の
ガラス管13の端部が第二のガラス管14の端部より突
出しているために、先ず第一のガラス管13の端部を拾
って圧入していきながら第二のガラス管14の端部に圧
入していくことができ、圧入作業が容易になる。
【0038】第二のガラス管14の圧縮代がばらついた
場合においても挿入力のばらつきが大きくならない手段
として、図4に示すように円筒状突起12aの外周面1
2cにリング状突起12dを設けることも有効である。
つまりリング状突起12dが圧縮されることで第二のガ
ラス管14を支持するようにしたもので、圧縮面積が小
さいので第二のガラス管14の寸法ばらつきが大きくて
も挿入力のばらつきが大きくならない。
【0039】またリング状突起12dの高さhは第二の
ガラス管14の内径寸法公差よりも大きく設定しておけ
ば円筒状突起12aを圧縮することなく、リング状突起
12dのみを圧縮して取り付けられるので挿入力のばら
つきが低減できる。
【0040】尚、リング状突起12dは筒状突起12a
の全周に渡って設けられていなくてもよく、部分的なリ
ング状であったり複数本設けても同様の効果を得ること
ができる。
【0041】更なる手段として、図5に示すように円筒
状突起12aの先端面に肉盗み部12e(以下穴12e
という)を設けることで第二のガラス管14の挿入力ば
らつきを抑えることも可能である。穴12eは外周面1
2c寄りに設けられており、外周面12cの弾力性をや
わらげる働きをしている。したがって、第二のガラス管
14の挿入力を弱めることに寄与し挿入力のばらつきが
低減できる。
【0042】尚、肉盗み部12eは穴に限らず円筒状突
起12aの先端面を周回する溝あるいは部分的な溝であ
ってもかまわない。
【0043】(実施の形態2)図6は、本発明の実施の
形態2における除霜用ヒータの栓の斜視図である。図6
において、別の栓12の構造を持つもので、2つの同心
の円筒状突起12f、12gが設けられておりそれぞれ
の円筒状突起の内周面12h、12jに第一のガラス管
13及び第二のガラス管14が挿入されて支持されてい
る。
【0044】つまりガラス管それぞれが独立した円筒状
突起で支持されており、第一のガラス管13の挿入によ
って第二のガラス管14の挿入力に影響を与えない為、
第二のガラス管14の挿入強度ばらつきが低減され組み
立て作業性が向上する。
【0045】以上のように本実施の形態の除霜用ヒータ
は、栓12における第二のガラス管14が取り付けられ
る円筒状突起の寸法及び形状を考慮することで、寸法ば
らつきから生じるガラス管挿入強度のばらつきが低減で
き、良好な作業性を有する除霜用ヒータを提供すること
ができる。
【0046】(実施の形態3)図7は本発明の実施の形
態3による除霜用ヒータの構造を表す部分断面図であ
る。図8は同実施の形態による除霜用ヒータの組み立て
途中を表す斜視図である。図7及び図8において図1と
同一構成の部分は同一記号を付与して詳細な説明は省略
する。
【0047】18は第一の栓で、シリコンゴム等耐熱
性、弾性に優れた材料で形成されており、円筒状突起1
8aによって第一のガラス管13を支持している。19
は第二の栓で第一の栓18と同様にシリコンゴム等で構
成されていたりあるいは耐熱性のプラスチックで構成さ
れている。第二の栓19には円筒状突起19aが設けら
れており第二のガラス管14を挿入して固定する構造と
なっている。また外周部19bから中心部19cに向か
うスリット19dが設けられており第一の栓18に取り
付ける際、リード線15を通すことができる構造となっ
ている。
【0048】以上のように構成された除霜用ヒータは、
第二のガラス管14及び第二の栓19を除いた状態で実
施の形態1に示した順序で組み立てられる。そして図8
に示すように最後に第二のガラス管14を第二の栓19
で取り付けて完成となる。
【0049】第二の栓19は、第一のガラス管13の挿
入で寸法変化の起きやすい18bの部分には取り付けず
に、第一のガラス管13が挿入されていない18cの部
分に取り付けられる。したがって、取り付けに際しては
第一のガラス管13の寸法ばらつきの影響が無く作業性
がよい。
【0050】さらに、第一のガラス管13の取り付けと
独立した工程で第二のガラス管14を取り付けることが
できるので、2つのガラス管を同時に扱わなくて済み、
全体的な組み立て作業性が飛躍的に向上する。第二のガ
ラス管14を取り付ける前にヒータ線の抵抗値検査や通
電検査を行うことも可能で、工程の自由度も高い。
【0051】可燃性冷媒を用いない従来の冷蔵庫等に使
用される除霜用ヒータは第一のガラス管のみで構成さ
れ、現在ほとんどの冷蔵庫で使用されているが、本実施
例の除霜用ヒータはこれら従来の除霜用ヒータの組み立
て工程を何ら変更することなく、最終工程で第二のガラ
ス管を取り付ける作業を付加するだけで対応できるの
で、作業性改善と製造コストの削減が図れる。
【0052】以上のように本実施の形態の除霜用ヒータ
は第一のガラス管13と第一の栓18が組み立てられた
後、第二の栓19を用いて第二のガラス管14を組み立
てる構造にしたので組み立て作業性が向上した除霜用ヒ
ータを提供することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の除霜
用ヒータの発明は、栓に設けられた円筒状突起の内周面
が第一のガラス管の外周面と密着し、外周面が第二のガ
ラス管の内周面と密着してそれぞれのガラス管を支持
し、円筒状突起の寸法によって第一のガラス管と円筒状
突起の密着力よりも、第二のガラス管と円筒状突起の密
着力が弱くなるように構成したので、ガラス管の寸法公
差ばらつきから生じる難作業を改善することができる。
【0054】また、請求項2に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓に設けられた円筒状突起の内周面が第一のガラ
ス管の外周面と密着し、外周面が第二のガラス管の内周
面と密着してそれぞれのガラス管を支持し、第一のガラ
ス管の外周面を前記円筒状突起の内周面に圧入する際の
圧縮代よりも、前記第二のガラス管の内周面を前記円筒
状突起の外周面に圧入する際の圧縮代を小さくしたの
で、ガラス管の寸法公差ばらつきから生じる難作業を改
善することができる。
【0055】また、請求項3に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項1または請求項2に記載の除霜用ヒータの
発明は、円筒状突起の外周にリング状の突起を設けたの
で、第二のガラス管との接触面積が低減でき更なる作業
性の改善を図ることができる。
【0056】また、請求項4に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項3に記載の発明において、突起の高さを第
二のガラス管の内径の許容公差範囲よりも大きくしたの
で、ガラス管の寸法ばらつきをすべて突起によって吸収
でき第二のガラス管の取り付け作業性が向上する。寸法
公差の大きいガラス管でも突起の高さを高く設定してお
くことで組み立て作業性を損なうこと無く使用すること
ができ、コスト削減の効果がある。
【0057】また、請求項5に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発
明に、さらに、円筒状突起の先端面に肉盗み部を設けた
ので、第一のガラス管の挿入によって円筒状突起の外周
径が大きくなりすぎず、第二のガラス管の挿入強度を弱
めて組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0058】また、請求項6に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項5に記載の発明において、肉盗み部を先端
面の外周よりに設けたものであり、円筒状突起の外周面
の弾力性をやわらげて第二のガラス管の挿入力を弱める
ことができる。
【0059】また、請求項7に記載の除霜用ヒータの製
造方法の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項
に記載の除霜用ヒータの一方の栓に対して第一のガラス
管を取り付けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を
覆うように取り付け、その後他方の栓を第一のガラス管
と第二のガラス管に取り付けるので、ガラス管の圧入作
業を容易にでき、組み立て順も合理的になる。
【0060】また、請求項8に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓は同心の2つの円筒状突起を有し、内側の円筒
状突起の内周面が第一のガラス管の外周面と密着し、外
側の円筒状突起の内周面が第二のガラス管の外周面と密
着するので、それぞれの円筒状突起でそれぞれのガラス
管の寸法公差を吸収して、組み立て作業性の向上を図る
ことができる。
【0061】また、請求項9に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓の一方もしくは両方は、リード線が貫通し第一
のガラス管を支持する弾性体の第一の栓と、第一の栓に
取り付けられ第二のガラス管を支持する第二の栓からな
るので、第二のガラス管に栓をする作業を第一のガラス
管と同時に行わなわずに済み、組み立て作業性を著しく
向上することができる。
【0062】また、可燃性冷媒を用いない従来の冷蔵庫
等に使用される除霜用ヒータは、通常第一のガラス管の
みで構成されており、これらの除霜用ヒータの組み立て
工程を何ら変更することなく、最終工程で第二のガラス
管を取り付けることができるため、製造工程、検査工程
においても低コストで生産が可能である。
【0063】また、請求項10に記載の除霜用ヒータの
発明は、請求項9に記載の発明において、第二の栓は外
周から中心に向かってリード線が通るスリットを設けて
いるので、第二の栓を取り付ける場合にリード線先端か
ら通す必要が無く、組み立て作業性を向上することがで
きる。
【0064】また、請求項11に記載の除霜用ヒータの
発明は、請求項9に記載の発明において、第二の栓は、
第一の栓における第一のガラス管が支持されている部分
以外に取り付けられているので、第二の栓を取り付ける
際に第一のガラス管の寸法ばらつきの影響を受けずに、
組み立て精度を向上することができる。
【0065】また、請求項12に記載の除霜用ヒータの
製造方法の発明は、第一のガラス管に第一の栓を取り付
けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆うように
取り付け、その後第二の栓を取り付けるので、可燃性冷
媒を用いない従来の冷蔵庫等に使用される除霜用ヒータ
と同一の生産工程で組み立てが行え、組み立て作業の標
準化が図れ、製造品質が安定する。また検査工程等含め
て低コストで生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による除霜用ヒータの実施の形態1の要
部断面図
【図2】同実施の形態の除霜用ヒータの組み立て途中を
表す斜視図
【図3】同実施の形態の除霜用ヒータの要部斜視図
【図4】同実施の形態の除霜用ヒータの要部斜視図
【図5】同実施の形態の除霜用ヒータの要部斜視図
【図6】本発明による除霜用ヒータの実施の形態2の要
部斜視図
【図7】本発明による除霜用ヒータの実施の形態3の要
部断面図
【図8】同実施の形態の除霜用ヒータの組み立て途中を
表す斜視図
【図9】従来の除霜用ヒータの要部断面図
【符号の説明】
11 ヒータ線 12 栓 12a、12f、12g 円筒状突起 12b 内周面 12c 外周面 12d リング状突起 12e 穴(肉盗み部) 13 第一のガラス管 14 第二のガラス管 15 リード線 16 接続端子 18 第一の栓 19 第二の栓 19d スリット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月19日(2002.12.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 除霜用ヒータ及びその製造方法とその
除霜ヒータを使用した冷蔵庫
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫等の可燃性冷
媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆積した霜
を除霜する除霜ヒータとその除霜ヒータを使用した冷蔵
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、可燃性冷媒を用いた冷蔵庫に使用
されている除霜用ヒータに関するものとしては、特開平
11−257831号公報が挙げられる。
【0003】以下図面を参照しながら上記従来の除霜用
ヒータについて説明する。
【0004】図9は特開平11−257831号公報に
示される従来の除霜ヒータの部分断面図である。図9に
おいて金属抵抗体からなるヒータ線100は第一のガラ
ス管101の中に収納されており、さらに第二のガラス
管102、及び第三のガラス管103によって覆われた
多重構造になっている。
【0005】104はゴム製の栓で、第一のガラス管1
01、第二のガラス管102及び第三のガラス管103
の両端部に挿入されてガラス管内部を封止し、それぞれ
のガラス管内部に可燃性冷媒が進入するのを防止してい
る。第一のガラス管101の内部はガラス管表面温度が
高くなりすぎないように真空になっている。またガラス
管を多重構造にすることで可燃性冷媒の雰囲気にさらさ
れるおそれのある第三のガラス管103の表面温度が発
火温度以上になることを防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、一方の栓をしたあともう一方の栓をして
内部を密閉する際に非常に組み立て作業性が悪いという
課題を有していた。なぜならば、ガラス管は外側に存在
するものほど外径が大きい為、その寸法公差も必然的に
大きくなっている。また、栓104との接触面積は外側
にあるガラス管ほど広くなっている。したがって、ガラ
ス管を栓104に挿入する際、外側にあるガラス管ほど
挿入強度ばらつきが大きくなってしまい、必要強度を確
保する為に最も弱い場合を想定して設計するとバラツキ
によって挿入強度が非常に高いものが生じてしまうから
である。
【0007】また栓の取り付け作業性が悪いことは栓の
挿入不足や、ガラス管の傷つき、破損など品質面でも課
題があった。
【0008】本発明は上記課題に鑑み、多重のガラス管
で構成された除霜ヒータの組み立て時における栓取り付
けの作業性を改善した除霜用ヒータとその除霜ヒータを
使用した冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
除霜用ヒータの発明は、可燃性冷媒を封入した冷凍サイ
クルの冷却器に付着・堆積した霜を加熱により除去する
除霜ヒータにおいて、第一のガラス管と、前記第一のガ
ラス管を覆うように設置した第二のガラス管と、前記第
一のガラス管内部に設置した金属抵抗体からなるヒータ
線と、前記第一のガラス管と前記第二のガラス管の両端
開口部をそれぞれ覆う弾性体の栓と、前記栓を貫通し前
記ヒータ線の端部に接続されるリード線を有し、一方の
前記栓に前記第一のガラス管次いで前記第二のガラス管
を圧入した後、他方の前記栓を前記第一のガラス管およ
び前記第二のガラス管に圧入する際に、先ず前記第一の
ガラス管の端部を拾って圧入していきながら前記第二の
ガラス管の端部に圧入していくことができるように前記
第一のガラス管の全長を前記第二のガラス管の全長より
も長くし、前記栓は円筒状突起を有し、前記円筒状突起
の内周面が前記第一のガラス管の外周面と密着し、前記
円筒状突起の外周面が前記第二のガラス管の内周面と密
着し、前記第一のガラス管と前記栓の密着力よりも、前
記第二のガラス管と前記栓の密着力を弱くしたものであ
り、栓として機能する為に必要な抜け強度は第一のガラ
ス管で確保し、第二のガラス管はあらかじめ抜け強度を
弱く設定しておくことで、全体としての強度バラツキを
抑えて組み立て作業性の向上を図ることができる。
た、第一のガラス管の全長を第二のガラス管の全長より
も長くしているので、一方の栓に第一のガラス管次いで
第二のガラス管を圧入した後、他方の栓を第一のガラス
管および第二のガラス管に圧入する際に、全長の長い第
一のガラス管の端部が第二のガラス管の端部より突出し
ているために、先ず第一のガラス管の端部を拾って圧入
していきながら第二のガラス管の端部に圧入していくこ
とができ、圧入作業が容易になる。
【0010】請求項2に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部をそれぞれ覆う弾
性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続
されるリード線を有し、前記栓は円筒状突起を有し、前
記円筒状突起の内周面が前記第一のガラス管の外周面と
密着し、前記円筒状突起の外周面が前記第二のガラス管
の内周面と密着し、前記第一のガラス管の外周面を前記
円筒状突起の内周面に圧入する際の圧縮代よりも、前記
第二のガラス管の内周面を前記円筒状突起の外周面に圧
入する際の圧縮代を小さくしたものであり、栓として機
能する為に必要な抜け強度は第一のガラス管で確保し、
第二のガラス管はあらかじめ抜け強度を弱く設定してお
くことで、全体としての強度バラツキを抑えて組み立て
作業性の向上を図ることができる。
【0011】請求項3に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部をそれぞれ覆う弾
性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続
されるリード線を有し、前記栓は円筒状突起を有し、前
記円筒状突起の内周面が前記第一のガラス管の外周面と
密着し、前記円筒状突起の外周面が前記第二のガラス管
の内周面と密着し、前記円筒状突起の外周に、漏洩した
可燃性冷媒が前記第二のガラス管内部に進入するのを防
ぎつつ、前記第二のガラス管を前記栓に挿入する際、前
記栓との接触面積を小さくするリング状突起を設けたも
のであり、漏洩した可燃性冷媒が第二のガラス管内部に
進入するのを防ぎつつ、第二のガラス管を栓に挿入する
際、栓との接触面積を小さくすることで抜け強度を弱く
し全体としての強度バラツキを抑えて組み立て作業性の
向上を図ることができる。
【0012】請求項4に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項3に記載の発明において、リング状突起の高さが
第二のガラス管の内径の許容公差範囲よりも大きいもの
であり、第二のガラス管の内径のバラツキに対して組み
立て時に突起のみが圧縮されるようにして寸法公差を吸
収することで第二のガラス管の挿入強度を弱め、全体と
しての強度バラツキを抑えて組み立て作業性の向上を図
ることができる。
【0013】請求項5に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明に、
さらに、円筒状突起の先端面に肉盗み部を設けたもので
あり、第一のガラス管の挿入によって円筒状突起の外周
径が大きくなりすぎることを防止し第二のガラス管の挿
入強度を弱め、全体としての強度バラツキを抑えて組み
立て作業性の向上を図ることができる。
【0014】請求項6に記載の除霜用ヒータの発明は、
請求項5に記載の発明において、肉盗み部を先端面の外
周よりに設けたものであり、円筒状突起の外周面の弾力
性をやわらげて第二のガラス管の挿入力を弱めることが
できる。
【0015】請求項7に記載の除霜用ヒータの製造方法
の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載
の除霜用ヒータの一方の栓に対して第一のガラス管を取
り付けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆うよ
うに取り付け、その後他方の栓を第一のガラス管と第二
のガラス管に取り付けるものであり、圧入しにくい第一
のガラス管を取り付けた後で圧入しやすい第二のガラス
管を取り付けられ、かつ内側を先に外側を後に取り付け
るため、作業が合理的で容易になる。
【0016】請求項8に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部をそれぞれ覆う弾
性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続
されるリード線を有し、前記栓は同心の2つの円筒状突
起を有し、内側の円筒状突起の内周面が前記第一のガラ
ス管の外周面と密着し、外側の円筒状突起の内周面が前
記第二のガラス管の外周面と密着するものであり、内側
の円筒状突起によって第一のガラス管が支持され、外側
の円筒状突起によって第二のガラス管が支持されるので
それぞれの円筒状突起でそれぞれのガラス管の寸法公差
を吸収して、組み立て作業性の向上を図ることができ
る。
【0017】請求項9に記載の除霜用ヒータの発明は、
可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆
積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおいて、第
一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うように設置
した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部に設置
した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一のガラス
管と前記第二のガラス管の両端開口部を塞ぐ栓と、前記
栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続されるリード線を
有し、前記栓の一方もしくは両方は、前記リード線が貫
通し前記第一のガラス管を支持する弾性体の第一の栓
と、前記第一の栓に取り付けられ前記第二のガラス管を
支持する第二の栓からなり、前記第一のガラス管と前記
第一の栓が組み立てられた後、前記第二の栓を用いて前
記第二のガラス管を組み立てる構造にしたものであり、
第二のガラス管に栓をする作業を第一のガラス管と同時
に行ずに済むようにして組み立て作業性の向上を図る
ことができる。
【0018】請求項10に記載の除霜用ヒータの発明
は、可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着
・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒータにおい
て、第一のガラス管と、前記第一のガラス管を覆うよう
に設置した第二のガラス管と、前記第一のガラス管内部
に設置した金属抵抗体からなるヒータ線と、前記第一の
ガラス管と前記第二のガラス管の両端開口部を塞ぐ栓
と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続されるリ
ード線を有し、前記栓の一方もしくは両方は、前記リー
ド線が貫通し前記第一のガラス管を支持する弾性体の第
一の栓と、前記第一の栓に取り付けられ前記第二のガラ
ス管を支持する第二の栓からなり、前記第二の栓は外周
から中心に向かってリード線が通るスリットを設けてい
るものであり、第二の栓を取り付ける際にリード線先端
から第二の栓を通さずに済む構造にして組み立て作業性
の向上を図ることができる。
【0019】請求項11に記載の除霜用ヒータの発明
は、請求項9に記載の発明において、第二の栓は、第一
の栓における第一のガラス管が支持されている部分以外
に取り付けられているものであり、第一のガラス管の挿
入によって第一の栓が変形していない部位に第二の栓を
取り付けることになり、第二の栓の第一の栓への取り付
けを容易にして組み立て作業性の向上を図ることができ
る。
【0020】請求項12に記載の除霜用ヒータの製造方
法の発明は、第一のガラス管に第一の栓を取り付けた
後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆うように取り
付け、その後第二の栓を取り付けるものであり、第二の
ガラス管の取り付け作業を第一のガラス管の取り付け作
業と独立して行うことができ、組み立て工程や検査工程
の簡素化、合理化を図ることができる。
【0021】請求項13に記載の冷蔵庫の発明は、可燃
性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆積し
た霜を請求項1から6と請求項8から11のいずれか一
項に記載の除霜用ヒータにより除霜するものであり、可
燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着・堆積
した霜を請求項1から6と請求項8から11のいずれか
一項に記載の除霜用ヒータにより除霜できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明による除霜用ヒータ
の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1における除霜用ヒータの断面図である。図2は、
同実施の形態の除霜用ヒータが組み立てられる途中を表
した斜視図である。図3は、同実施の形態の除霜用ヒー
タの栓とリード線の斜視図である。図4は、同実施の形
態の除霜用ヒータの栓の斜視図である。図5は、同実施
の形態の除霜用ヒータの栓の斜視図である。
【0024】図1及び図2において、11はヒータ線
で、中央部分がコイル状に形成されており両端11a、
11bは所定長さの直線状に形成されている。12は栓
で、シリコンゴム等耐熱性、弾性に優れた材料で形成さ
れており、ガラス管を固定する為の円筒状突起12aが
設けられている。円筒状突起12aは内周壁12bの直
径が9.6mm、外周壁12cの直径が16.7mmで
構成されている。13は第一のガラス管で、外径10.
5mmの円筒状で、ヒータ線11を内部に収納し、内周
壁12bに挿入されている。14は第二のガラス管で、
内径17mmの円筒状で、第一のガラス管13を内部に
収納し、外周壁12cに挿入されている。
【0025】なお、第一のガラス管13の全長は第二の
ガラス管14の全長よりも長くしている。
【0026】15はヒータ線11に接続されるリード線
で、栓12に設けられたリード線穴12kを通ってヒー
タ11に電気的に接続される。リード線15には図示し
ていないがヒータ線11が接続される反対側に電気入力
用の端子が接続されたり、リード線自身を保護する保護
チューブが設けられたりする場合がある。16はヒータ
線11とリード線15を接続する導電性の接続端子で、
かしめ部16aと、かしめ部16aから延びるストッパ
ー部16bで構成され、かしめ部16aでヒータ線11
とリード線15をかしめて電気接続され、第一のガラス
管13の外径と同じかわずかに小さく構成されたストッ
パー部16bによってヒータ11を位置決めしている。
【0027】以上のように構成された除霜用ヒータにつ
いて以下その組み立て方を説明する。
【0028】まず、図3に示すようにリード線15を栓
12に挿入しリード線アセンブリ17を作成する。この
時リード線15には前述した電気入力用の端子や保護チ
ューブも取り付けられている。次に、ヒータ線11の一
端11aに接続端子16によってリード線アセンブリ1
7を取り付ける。そして第一のガラス管13にヒータ線
11を挿入しリード線アセンブリ17の栓12に固定す
る。さらに第二のガラス管14を挿入して栓12に固定
する(ここまでの状態が図2)。
【0029】その後、ヒータ線11の他端11bを第一
のガラス管13から引き出し、接続端子16によってリ
ード線アセンブリ17を取り付ける。そして最後に他端
11b側の栓12を第一のガラス管13と第二のガラス
管14に同時に挿入して完成となる。
【0030】上記の組み立て方は、実施の形態1に示す
除霜用ヒータの構造の場合、他の順序で組み立てること
も可能であるが、栓12は最終的に第一のガラス管13
と第二のガラス管14に同時に挿入しなければならな
い。
【0031】第一のガラス管13の外径は10.5mm
でそれを支持する円筒状突起12aの内周壁12bの直
径は9.6mmである為0.9mmの圧縮代によって第
一のガラス管13が取り付けられる。外周壁12cの直
径は16.7mmで第一のガラス管13が取り付けられ
た後の直径は17.3mmに拡大するため内径17mm
の第二のガラス管14を取り付けるときの圧縮代は0.
3mmである。
【0032】栓12は除霜ヒータを取り扱う際に外れて
しまわないように50N程度の抜け強度が必要である
が、圧縮代の多い第一のガラス管13によって約50N
の強度が確保されている。圧縮代の少ない第二のガラス
管14によっては約10Nの抜け強度を有している。
【0033】ここで栓12の抜け強度はそのまま組み立
て時の挿入強度と考えて差し支えない。
【0034】第二のガラス管14の内径許容公差は±
0.2mmで、この場合圧縮代は0.1mmから0.5
mmまでのばらつきを生じることになるが0.5mmの
圧縮代の場合でも約25Nの挿入強度であることを確認
している。第二のガラス管14は一方、圧縮代が1.0
mm前後になると100N程度の挿入強度になってしま
うことも確認している。これは圧縮代が大きくなれば単
位圧縮代当たりの挿入強度が高くなってしまうことを意
味する。
【0035】したがって圧縮代を小さく設定したほうが
ばらつきによる挿入強度変化が小さくて済む。圧縮代
0.3mm前後における挿入強度変化は、圧縮代が0.
1mm前後すると約5Nの変化を生じるが、圧縮代1.
0mm前後における挿入強度変化は、圧縮代が0.1m
m前後すると約20Nの変化を生じる。
【0036】このように第二のガラス管14の圧縮代を
第一のガラス管13より小さく設定することは栓12の
挿入強度バラツキを抑えることができる為、組み立て作
業性が極めて良好になる。すなわち、栓の円筒状突起1
2aと第一のガラス管13との密着力よりも、円筒状突
起12aと第二のガラス管14との密着力を弱く設計す
ることにより組み立て作業性を良好にすることができ
る。
【0037】第二のガラス管14の寸法は第一のガラス
管13よりも大きい為、必然的に許容寸法公差も大きく
なっている。一方、円筒状突起12aも寸法の大きい外
周面12cのほうが内周面12bよりも寸法公差が大き
い。したがって、第二のガラス管14の挿入における圧
縮代のバラツキは、第一のガラス管13の挿入に比べて
非常に大きくなってしまうので、圧縮代の最も少ない部
品の場合を想定して最低引き抜き強度を確保するように
設計すると、圧縮代が大きい部品の場合では挿入作業性
が悪くなってしまう。したがって第二のガラス管14は
寸法ばらつきが生じても挿入強度変化が小さくて済む圧
縮代の小さい範囲で設計することで良好な組み立て作業
性を得ることができる。
【0038】なお、第一のガラス管13の全長を第二の
ガラス管14の全長よりも長くしているので、一方の栓
12に第一のガラス管13次いで第二のガラス管14を
圧入した後、他方の12を第一のガラス管13および
第二のガラス管14に圧入する際に、全長の長い第一の
ガラス管13の端部が第二のガラス管14の端部より突
出しているために、先ず第一のガラス管13の端部を拾
って圧入していきながら第二のガラス管14の端部に圧
入していくことができ、圧入作業が容易になる。
【0039】第二のガラス管14の圧縮代がばらついた
場合においても挿入力のばらつきが大きくならない手段
として、図4に示すように円筒状突起12aの外周面1
2cにリング状突起12dを設けることも有効である。
つまりリング状突起12dが圧縮されることで第二のガ
ラス管14を支持するようにしたもので、圧縮面積が小
さいので第二のガラス管14の寸法ばらつきが大きくて
も挿入力のばらつきが大きくならない。
【0040】またリング状突起12dの高さhは第二の
ガラス管14の内径寸法公差よりも大きく設定しておけ
ば円筒状突起12aを圧縮することなく、リング状突起
12dのみを圧縮して取り付けられるので挿入力のばら
つきが低減できる。
【0041】尚、リング状突起12dは筒状突起12a
の全周に渡って設けられていなくてもよく、部分的なリ
ング状であったり複数本設けても同様の効果を得ること
ができる。
【0042】更なる手段として、図5に示すように円筒
状突起12aの先端面に肉盗み部12e(以下穴12e
という)を設けることで第二のガラス管14の挿入力ば
らつきを抑えることも可能である。穴12eは外周面1
2c寄りに設けられており、外周面12cの弾力性をや
わらげる働きをしている。したがって、第二のガラス管
14の挿入力を弱めることに寄与し挿入力のばらつきが
低減できる。
【0043】尚、肉盗み部12eは穴に限らず円筒状突
起12aの先端面を周回する溝あるいは部分的な溝であ
ってもかまわない。
【0044】(実施の形態2)図6は、本発明の実施の
形態2における除霜用ヒータの栓の斜視図である。図6
において、別の栓12の構造を持つもので、2つの同心
の円筒状突起12f、12gが設けられておりそれぞれ
の円筒状突起の内周面12h、12jに第一のガラス管
13及び第二のガラス管14が挿入されて支持されてい
る。
【0045】つまりガラス管それぞれが独立した円筒状
突起で支持されており、第一のガラス管13の挿入によ
って第二のガラス管14の挿入力に影響を与えない為、
第二のガラス管14の挿入強度ばらつきが低減され組み
立て作業性が向上する。
【0046】以上のように本実施の形態の除霜用ヒータ
は、栓12における第二のガラス管14が取り付けられ
る円筒状突起の寸法及び形状を考慮することで、寸法ば
らつきから生じるガラス管挿入強度のばらつきが低減で
き、良好な作業性を有する除霜用ヒータを提供すること
ができる。
【0047】(実施の形態3)図7は本発明の実施の形
態3による除霜用ヒータの構造を表す部分断面図であ
る。図8は同実施の形態による除霜用ヒータの組み立て
途中を表す斜視図である。図7及び図8において図1と
同一構成の部分は同一記号を付与して詳細な説明は省略
する。
【0048】18は第一の栓で、シリコンゴム等耐熱
性、弾性に優れた材料で形成されており、円筒状突起1
8aによって第一のガラス管13を支持している。19
は第二の栓で第一の栓18と同様にシリコンゴム等で構
成されていたりあるいは耐熱性のプラスチックで構成さ
れている。第二の栓19には円筒状突起19aが設けら
れており第二のガラス管14を挿入して固定する構造と
なっている。また外周部19bから中心部19cに向か
うスリット19dが設けられており第一の栓18に取り
付ける際、リード線15を通すことができる構造となっ
ている。
【0049】以上のように構成された除霜用ヒータは、
第二のガラス管14及び第二の栓19を除いた状態で実
施の形態1に示した順序で組み立てられる。そして図8
に示すように最後に第二のガラス管14を第二の栓19
で取り付けて完成となる。
【0050】第二の栓19は、第一のガラス管13の挿
入で寸法変化の起きやすい18bの部分には取り付けず
に、第一のガラス管13が挿入されていない18cの部
分に取り付けられる。したがって、取り付けに際しては
第一のガラス管13の寸法ばらつきの影響が無く作業性
がよい。
【0051】さらに、第一のガラス管13の取り付けと
独立した工程で第二のガラス管14を取り付けることが
できるので、2つのガラス管を同時に扱わなくて済み、
全体的な組み立て作業性が飛躍的に向上する。第二のガ
ラス管14を取り付ける前にヒータ線の抵抗値検査や通
電検査を行うことも可能で、工程の自由度も高い。
【0052】可燃性冷媒を用いない従来の冷蔵庫等に使
用される除霜用ヒータは第一のガラス管のみで構成さ
れ、現在ほとんどの冷蔵庫で使用されているが、本実施
例の除霜用ヒータはこれら従来の除霜用ヒータの組み立
て工程を何ら変更することなく、最終工程で第二のガラ
ス管を取り付ける作業を付加するだけで対応できるの
で、作業性改善と製造コストの削減が図れる。
【0053】以上のように本実施の形態の除霜用ヒータ
は第一のガラス管13と第一の栓18が組み立てられた
後、第二の栓19を用いて第二のガラス管14を組み立
てる構造にしたので組み立て作業性が向上した除霜用ヒ
ータを提供することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の除霜
用ヒータの発明は、栓に設けられた円筒状突起の内周面
が第一のガラス管の外周面と密着し、外周面が第二のガ
ラス管の内周面と密着してそれぞれのガラス管を支持
し、円筒状突起の寸法によって第一のガラス管と円筒状
突起の密着力よりも、第二のガラス管と円筒状突起の密
着力が弱くなるように構成したので、ガラス管の寸法公
差ばらつきから生じる栓の取り付けの難作業を改善する
ことができる。また、第一のガラス管の全長を第二のガ
ラス管の全長よりも長くしているので、一方の栓に第一
のガラス管次いで第二のガラス管を圧入した後、他方の
栓を第一のガラス管および第二のガラス管に圧入する際
に、全長の長い第一のガラス管の端部が第二のガラス管
の端部より突出しているために、先ず第一のガラス管の
端部を拾って圧入していきながら第二のガラス管の端部
に圧入していくことができ、圧入作業が容易になる。
【0055】また、請求項2に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓に設けられた円筒状突起の内周面が第一のガラ
ス管の外周面と密着し、外周面が第二のガラス管の内周
面と密着してそれぞれのガラス管を支持し、第一のガラ
ス管の外周面を前記円筒状突起の内周面に圧入する際の
圧縮代よりも、前記第二のガラス管の内周面を前記円筒
状突起の外周面に圧入する際の圧縮代を小さくしたの
で、ガラス管の寸法公差ばらつきから生じる栓の取り付
けの難作業を改善することができる。
【0056】また、請求項3に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓に設けられた円筒状突起の内周面が第一のガラ
ス管の外周面と密着し、外周面が第二のガラス管の内周
面と密着し、円筒状突起の外周に、漏洩した可燃性冷媒
が第二のガラス管内部に進入するのを防ぎつつ、第二の
ガラス管を栓に挿入する際、栓との接触面積を小さくす
リング状突起を設けたので、漏洩した可燃性冷媒が第
二のガラス管内部に進入するのを防ぎつつ、第二のガラ
ス管を栓に挿入する際、第二のガラス管との接触面積が
低減でき更なる栓の取り付けの作業性の改善を図ること
ができる。
【0057】また、請求項4に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項3に記載の発明において、突起の高さを第
二のガラス管の内径の許容公差範囲よりも大きくしたの
で、ガラス管の寸法ばらつきをすべて突起によって吸収
でき第二のガラス管の取り付け作業性が向上する。寸法
公差の大きいガラス管でも突起の高さを高く設定してお
くことで組み立て作業性を損なうこと無く使用すること
ができ、コスト削減の効果がある。
【0058】また、請求項5に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発
明に、さらに、円筒状突起の先端面に肉盗み部を設けた
ので、第一のガラス管の挿入によって円筒状突起の外周
径が大きくなりすぎず、第二のガラス管の挿入強度を弱
めて組み立て作業性の向上を図ることができる。
【0059】また、請求項6に記載の除霜用ヒータの発
明は、請求項5に記載の発明において、肉盗み部を先端
面の外周よりに設けたものであり、円筒状突起の外周面
の弾力性をやわらげて第二のガラス管の挿入力を弱める
ことができる。
【0060】また、請求項7に記載の除霜用ヒータの製
造方法の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項
に記載の除霜用ヒータの一方の栓に対して第一のガラス
管を取り付けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を
覆うように取り付け、その後他方の栓を第一のガラス管
と第二のガラス管に取り付けるので、ガラス管の圧入作
業を容易にでき、組み立て順も合理的になる。
【0061】また、請求項8に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓は同心の2つの円筒状突起を有し、内側の円筒
状突起の内周面が第一のガラス管の外周面と密着し、外
側の円筒状突起の内周面が第二のガラス管の外周面と密
着するので、それぞれの円筒状突起でそれぞれのガラス
管の寸法公差を吸収して、組み立て作業性の向上を図る
ことができる。
【0062】また、請求項9に記載の除霜用ヒータの発
明は、栓の一方もしくは両方は、リード線が貫通し第一
のガラス管を支持する弾性体の第一の栓と、第一の栓に
取り付けられ第二のガラス管を支持する第二の栓からな
り、第一のガラス管と第一の栓が組み立てられた後、第
二の栓を用いて第二のガラス管を組み立てる構造にした
ので、第二のガラス管に栓をする作業を第一のガラス管
と同時に行ずに済み、組み立て作業性を著しく向上す
ることができる。
【0063】また、可燃性冷媒を用いない従来の冷蔵庫
等に使用される除霜用ヒータは、通常第一のガラス管の
みで構成されており、これらの除霜用ヒータの組み立て
工程を何ら変更することなく、最終工程で第二のガラス
管を取り付けることができるため、製造工程、検査工程
においても低コストで生産が可能である。
【0064】また、請求項10に記載の除霜用ヒータの
発明は、栓の一方もしくは両方は、リード線が貫通し第
一のガラス管を支持する弾性体の第一の栓と、第一の栓
に取り付けられ第二のガラス管を支持する第二の栓から
なり、第二の栓は外周から中心に向かってリード線が通
るスリットを設けているので、第二の栓を取り付ける場
合にリード線先端から通す必要が無く、組み立て作業性
を向上することができる。
【0065】また、請求項11に記載の除霜用ヒータの
発明は、請求項9に記載の発明において、第二の栓は、
第一の栓における第一のガラス管が支持されている部分
以外に取り付けられているので、第二の栓を取り付ける
際に第一のガラス管の寸法ばらつきの影響を受けずに、
組み立て精度を向上することができる。
【0066】また、請求項12に記載の除霜用ヒータの
製造方法の発明は、第一のガラス管に第一の栓を取り付
けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆うように
取り付け、その後第二の栓を取り付けるので、可燃性冷
媒を用いない従来の冷蔵庫等に使用される除霜用ヒータ
と同一の生産工程で組み立てが行え、組み立て作業の標
準化が図れ、製造品質が安定する。また検査工程等含め
て低コストで生産が可能である。
【0067】また、請求項13に記載の冷蔵庫の発明
は、可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷却器に付着
・堆積した霜を請求項1から6と請求項8から11のい
ずれか一項に記載の除霜用ヒータにより除霜できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 利樹 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 3K092 PP20 QA02 QB02 QB27 QC02 QC16 QC27 QC37 QC43 QC44 QC59 RA03 RA04 RA06 RC06 RC07 RC16 RD10 RD17 RD18 RD38 VV03 3L046 AA05 AA07 BA01 CA07 MA04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷
    却器に付着・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒー
    タにおいて、第一のガラス管と、前記第一のガラス管を
    覆うように設置した第二のガラス管と、前記第一のガラ
    ス管内部に設置した金属抵抗体からなるヒータ線と、前
    記第一のガラス管と前記第二のガラス管の両端開口部を
    それぞれ覆う弾性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ
    線の端部に接続されるリード線を有し、前記栓は円筒状
    突起を有し、前記円筒状突起の内周面が前記第一のガラ
    ス管の外周面と密着し、前記円筒状突起の外周面が前記
    第二のガラス管の内周面と密着し、前記第一のガラス管
    と前記栓の密着力よりも、前記第二のガラス管と前記栓
    の密着力を弱くしたことを特徴とする除霜用ヒータ。
  2. 【請求項2】 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷
    却器に付着・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒー
    タにおいて、第一のガラス管と、前記第一のガラス管を
    覆うように設置した第二のガラス管と、前記第一のガラ
    ス管内部に設置した金属抵抗体からなるヒータ線と、前
    記第一のガラス管と前記第二のガラス管の両端開口部を
    それぞれ覆う弾性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ
    線の端部に接続されるリード線を有し、前記栓は円筒状
    突起を有し、前記円筒状突起の内周面が前記第一のガラ
    ス管の外周面と密着し、前記円筒状突起の外周面が前記
    第二のガラス管の内周面と密着し、前記第一のガラス管
    の外周面を前記円筒状突起の内周面に圧入する際の圧縮
    代よりも、前記第二のガラス管の内周面を前記円筒状突
    起の外周面に圧入する際の圧縮代を小さくしたことを特
    徴とする除霜用ヒータ。
  3. 【請求項3】 円筒状突起の外周にリング状突起を設け
    たことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の除
    霜用ヒータ。
  4. 【請求項4】 リング状突起の高さが第二のガラス管の
    内径の許容公差範囲よりも大きいことを特徴とする請求
    項3に記載の除霜用ヒータ。
  5. 【請求項5】 円筒状突起の先端面に肉盗み部を設けた
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項
    に記載の除霜用ヒータ。
  6. 【請求項6】 肉盗み部を先端面の外周よりに設けたこ
    とを特徴とする請求項5に記載の除霜用ヒータ。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか一項に
    記載の除霜用ヒータの一方の栓に対して第一のガラス管
    を取り付けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を覆
    うように取り付け、その後他方の栓を第一のガラス管と
    第二のガラス管に取り付けることを特徴とする除霜用ヒ
    ータの製造方法。
  8. 【請求項8】 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷
    却器に付着・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒー
    タにおいて、第一のガラス管と、前記第一のガラス管を
    覆うように設置した第二のガラス管と、前記第一のガラ
    ス管内部に設置した金属抵抗体からなるヒータ線と、前
    記第一のガラス管と前記第二のガラス管の両端開口部を
    それぞれ覆う弾性体の栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ
    線の端部に接続されるリード線を有し、前記栓は同心の
    2つの円筒状突起を有し、内側の円筒状突起の内周面が
    前記第一のガラス管の外周面と密着し、外側の円筒状突
    起の内周面が前記第二のガラス管の外周面と密着するこ
    とを特徴とする除霜用ヒータ。
  9. 【請求項9】 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの冷
    却器に付着・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒー
    タにおいて、第一のガラス管と、前記第一のガラス管を
    覆うように設置した第二のガラス管と、前記第一のガラ
    ス管内部に設置した金属抵抗体からなるヒータ線と、前
    記第一のガラス管と前記第二のガラス管の両端開口部を
    塞ぐ栓と、前記栓を貫通し前記ヒータ線の端部に接続さ
    れるリード線を有し、前記栓の一方もしくは両方は、前
    記リード線が貫通し前記第一のガラス管を支持する弾性
    体の第一の栓と、前記第一の栓に取り付けられ前記第二
    のガラス管を支持する第二の栓からなることを特徴とす
    る除霜用ヒータ。
  10. 【請求項10】 第二の栓は外周から中心に向かってリ
    ード線が通るスリットを設けていることを特徴とする請
    求項9に記載の除霜用ヒータ。
  11. 【請求項11】 第二の栓は、第一の栓における第一の
    ガラス管が支持されている部分以外に取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項9に記載の除霜用ヒータ。
  12. 【請求項12】 請求項9から請求項11記載のいずれ
    か一項に記載の除霜用ヒータの第一のガラス管に第一の
    栓を取り付けた後、第二のガラス管を第一のガラス管を
    覆うように取り付け、その後第二の栓を取り付けること
    を特徴とする除霜用ヒータの製造方法。
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