JP2003155673A - 皮革様シート基材およびその製造方法 - Google Patents

皮革様シート基材およびその製造方法

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JP2003155673A JP2001354050A JP2001354050A JP2003155673A JP 2003155673 A JP2003155673 A JP 2003155673A JP 2001354050 A JP2001354050 A JP 2001354050A JP 2001354050 A JP2001354050 A JP 2001354050A JP 2003155673 A JP2003155673 A JP 2003155673A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来にない機械物性の強さと優れた風合いを
両立可能な潜在分割性ステープル繊維からなる繊維絡合
不織布と高分子弾性体から製造される風合いの優れた皮
革様シート基材と製造方法を提供する。 【構成】 5層以上に分割可能な潜在分割性ステープル
繊維、または該潜在型分割性ステープル繊維が分割した
分割ステープル繊維束からなる繊維絡合不織布と高分子
弾性体からなる皮革様シート基材を製造するに際して、
繊度2.0デシテックス以上であり、かつその動摩擦係
数が0.32以下の潜在分割性ステープル繊維と、カー
ド・ニードル法により作製される繊維絡合不織布であっ
て、該繊維絡合不織布を製造するためカード紡出された
フリースを重ねて25〜150パンチ/cmの初期絡
合のニードルパンチを行った時の初期繊維絡合不織布面
積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理を実施
して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時の最終
繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満たすこと
を特徴とする皮革様シート基材とその製造方法。 0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮革様シート基材
およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、充実感(腰感)が良好な繊維絡合不織布と高分子弾
性体からなる皮革様シート基材およびその製造方法に関
する。
【0002】現在、最も高級な人工皮革は単繊維が0.
1デシテックス以下の極細繊維、とりわけ0.01デシ
テックス以下の極細繊維を使用して製造されており、天
然皮革に匹敵する風合いを呈し、軽量、耐水性などの面
では天然皮革よりも優れている。これらの高級な人工皮
革は紳士靴、スポーツシューズ、鞄、衣料、インテリア
素材、カーシートなどのさまざまな用途に使用されてい
る。従って、このような高級な人工皮革はその高級な風
合いを発現するために0.1デシテックス以下の繊度で
ある極細繊維あるいは潜在的にそのような極細繊維に加
工されるような繊維からなる繊維絡合不織布が使用され
ている。このような繊維絡合不織布を構成する極細繊維
は直接紡糸によって得ることもでき、これを抄いてシー
ト化し、重ねて編織物へ水流絡合によって一体化する、
いわゆる抄紙法(水流絡合法)によって得ることもでき
るが、直接紡糸では糸切れが起こりやすくなるために細
さに限界があり、さらに、とりわけスポーツシューズ用
途などに要求される厚みおよび機械物性を満足すること
は困難であって、用途的な制限が大きい。このため、厚
みがあり、機械物性の優れた皮革様シート基材に使用さ
れる繊維絡合不織布を製造するにはカード・ニードル法
が採用されており、これに使用する繊維を製造するため
には海島型断面構造を有する繊維を混合紡糸法や複合紡
糸法により製造し、これより海成分を抽出除去すること
により極細繊維からなる繊維質基材を製造する方法がも
っぱら採用されている。
【0003】ところが近年、あらゆる工業分野で環境に
やさしい製造方法の開発が要求され、開発が進められて
いるが、上記の混合紡糸方法や複合紡糸方法では0.0
1デシテックス(以下dtexと略すこともある)以下
の極細繊維を得ることができる反面、極細繊維化のため
には海成分を除去せねばならず、さらに除去するため
に、例えば海成分がポリエチレンやポリスチレンなどの
場合にはトルエンやパークレンなどの有機溶剤を使用す
る必要があり、アルカリ易溶性の変性ポリエチレンテレ
フタレートなどの場合には高濃度のアルカリ液を使用す
る必要があるため環境面から、このような有機溶剤の使
用や高濃度アルカリ液およびその中和廃液などの削減お
よび除去される再利用しにくいポリエチレンやポリスチ
レンに代表される海成分由来の廃棄物の削減が求められ
ている。
【0004】このため、皮革様シートの製造分野では、
海島型繊維を用いずに極細繊維を得る方法としてその断
面において2成分が高度に分割相互配列した潜在分割性
を有する接合型(多層張り合わせ型や花弁型など)ステ
ープル繊維を分割処理することによって極細繊維からな
る皮革様シート基材を製造する試みが増加してきてい
る。そして、このような接合型の複合繊維においてはそ
の成分相互の剥離によって鋭い縁のある繊維や、極細繊
維が形成され、その剥離方法または分割方法には、特開
昭54−96181号公報に見られるように、ベンジ
ルアルコールのような薬液の入った液で1成分を膨潤さ
せて、その力で相互に分離させるとか、特公昭53−1
0170号公報、特開平2−169722号公報、さら
に特開平9−217233号公報に見られるように、
物理的な力、すなわち、擦過したり、もんだり、バフィ
ング等で表面を処理したり、ウォータージェット流を噴
射するなどして、強制的に分離させる方法、低濃度の
アルカリ液で、少し溶かして相互に分離する方法を挙げ
ることができる。また、高分子弾性体の付与も環境にや
さしい方法としては、従来から採用されているような高
分子弾性体として、ポリウレタンをジメチルホルムアミ
ド(以下DMFと略すこともある)溶液の状態で、水な
どの凝固液中で凝固して付与する、いわゆる湿式凝固法
ではなく、水系ポリウレタン系エマルジョンや水系アク
リル系エマルジョンによって付与されることが好まし
い。このため、高分子弾性体の付与についても水系エマ
ルジョンへの切替えに関する検討が数多くなされてきて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、環境に負
荷を掛けない製造方法の研究は、近年非常に盛んであっ
て、上述のような潜在分割性ステープル繊維からなる繊
維絡合不織布とエマルジョンにより付与される樹脂から
皮革様シート基材を製造する場合、割繊処理は繊維絡合
不織布を製造した後、または繊維絡合不織布を製造し高
分子弾性体を付与した後に行って皮革様シート基材を得
ることができる。しかし、現在までスポーツシューズな
どに適応可能な厚み、機械物性と腰感を主体とする風合
いを満足する皮革様シート基材が得られていないのが実
状である。
【0006】この原因として、繊維絡合不織布の物性と
腰感(ボリューム感)の両立が困難であることを挙げる
ことができる。すなわち一般には皮革様シート基材の腰
感を発現するために繊維絡合不織布を構成するポリエス
テル成分などを熱水収縮させて、不織布密度を挙げる方
法が採用されているが、このためには熱水収縮前に製造
する繊維絡合不織布を構成するポリエステル成分の結晶
化度は低くなるように設定せねばならない。このため、
紡糸繊維を延伸する際の延伸倍率を低く設定して、結晶
化度を低くして、熱水収縮能を残しておくなどの工夫が
必要になる。しかし、この方法では繊維絡合不織布を形
成する糸の物性は十分に延伸処理をした場合に比べて著
しく劣り、とりわけ本発明において使用する潜在分割性
ステープル繊維などは単独使用のポリマーからなる繊維
に比較して糸物性は劣る。この原因は潜在分割性ステー
プル繊維においては、2種以上のポリマーが1本の繊維
を形成するため、その物性は糸物性の弱い成分につられ
て低下するだけでなく、糸物性に大きく関わる結晶性な
ども互いに抑制することが原因であると考えられる。例
えば熱水収縮性を有するポリエチレンテレフタレート
(以下PETと表記することもある)単独繊維の糸強度
が(4.0〜7.0)cN/dtexであり、ナイロン
6単独繊維の糸強度が(4.0〜7.0)cN/dte
xであるような2種のポリマーから繊維絡合不織布の9
0℃熱水での熱水収縮率が20%以上あるような5層以
上の潜在分割性ステープル繊維を製造した場合、その糸
強度は1.5〜2.4cN/dtexとなってしまう。
そして、このような繊維からなる繊維絡合不織布から皮
革様シート基材を製造しても、その機械物性、とりわけ
引張強力、剥離強力、破裂強力などが不足してしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の潜
在分割性ステープル繊維よりなる繊維絡合不織布から構
成された皮革様シート基材の機械物性と腰感、ボリュー
ム感を両立することを課題とし、鋭意検討した結果、従
来用いられているような、繊維絡合不織布を熱水収縮す
る方法ではなく、選択する繊維、使用油剤、ニードル種
などを制御することにより、ニードルパンチ処理により
繊維絡合不織布を収縮させることによって、繊維絡合不
織布密度、腰感、ボリューム感をアップすることで、環
境への負荷が少ない水性エマルジョンによる樹脂付与に
よっても十分な腰感、ボリューム感を有し、かつ機械物
性にも優れた皮革様シート基材を製造することができる
ことを見出した。さらに詳しくは、少なくとも2種の重
合体成分からなり5層以上に分割可能な潜在分割性ステ
ープル繊維、または該潜在型分割性ステープル繊維が分
割した分割ステープル繊維束からなる繊維絡合不織布と
高分子弾性体からなる皮革様シート基材を製造するに際
して、繊維絡合不織布が、繊度2.0デシテックス以上
であり、かつその動摩擦係数が0.32以下の潜在分割
性ステープル繊維からなり、かつカード・ニードル法に
より作製される繊維絡合不織布であって、該繊維絡合不
織布を製造するためカード紡出されたフリースを重ねて
25〜150パンチ/cmの初期絡合を行った際の初
期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、さらにニード
ルパンチ処理を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不
織布とした時の最終の繊維絡合不織布面積(S2)が下
記の式1を満たすことを特徴とする皮革様シート基材の
製造方法が、上記の課題を満足することを見出した。 0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる潜在分割性ステー
プル繊維は5層以上に分割可能である2種以上の重合体
からなる繊維である必要があり、その断面形状からは多
層張り合わせ型潜在分割性繊維、中空多層張り合わせ型
潜在分割性繊維、花弁断面型潜在分割性繊維、中空花弁
断面型潜在分割性繊維などが知られている。2種の成分
をそれぞれ成分A、成分Bとした場合、本発明における
ステープル繊維に用いることができる成分A、成分Bの
両重合体としては、SP(溶解度パラメーター)値、溶
融粘度のバランスを考慮して組み合わせれば、その用
途、性能に応じて任意に選ぶことができる。その例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート系やポリトリメチレ
ンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系な
どのポリエステル系重合体、ポリエチレンやポリプロピ
レンで代表されるポリオレフィン系重合体、ナイロン6
やナイロン66で代表されるポリアミド系重合体、その
他にポリスチレン系重合体、ポリビニルアルコール系重
合体、ビニルアルコール−エチレン共重合体などを挙げ
ることができ、各成分には1種、または2種以上が用い
られる。この中でも得られる皮革様シートの風合いが優
れることから成分Aがポリエチレンテレフタレート系重
合体、成分Bがポリアミド系重合体である組み合せなど
を好適に使用することができる。
【0009】上記、ポリエステル系重合体には、必要に
応じて他のジカルボン酸成分、オキシカルボン酸成分、
他のジオール成分の1種または2種以上を共重合単位と
して有していてもよい。その場合に、他のジカルボン酸
成分としては、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそれらのエ
ステル形成性誘導体;5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ビス
(2−ヒドロキシエチル)などの金属スルホネート基含
有芳香族カルボン酸またはその誘導体;シュウ酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体を挙げることが
できる。また、オキシカルボン酸成分の例としては、p
−オキシ安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸ま
たはそれらのエステル形成性誘導体などを挙げることが
できる。ジオール成分としては、ジエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;
1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ポリエ
チレングリコール、ポリブチレングリコールなどを挙げ
ることができる。
【0010】上記、ポリアミド系重合体は公知のポリア
ミド系化合物であるナイロン4、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン7、ナイロン610、ナイロン11、ナ
イロン12、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン
と1、10−デカメチレンジカルボン酸からのポリアミ
ド、1,9−ノナメチレンジカルボン酸からのポリアミ
ドを挙げることができ、さらにこれらポリアミド成分と
他成分を本発明の効果を損なわない範囲内で共重合した
もの、これらポリアミド成分と他成分を本発明の効果を
損なわない範囲内で混合したものを挙げることができ
る。これらのポリアミド化合物の中でも得られる皮革様
シートの風合いが優れることからナイロン6、ナイロン
66が好適に使用できる。
【0011】また、成分Aと成分Bの重量比は目的とす
る断面構造が形成される限り問題はないが、好ましくは
90/10〜10/90の範囲にあり、さらに好ましく
は80/20〜20/80の範囲である。A、B両重合
体の重量比の一方が10%未満の場合には、口金より吐
出する前に重合体Aと重合体Bとを交互に配列する際
に、一方の重合体の量が少ないために目的とする断面を
形成することが難しくなる傾向がある。
【0012】本発明においては、潜在分割性のステープ
ル繊維の分割可能な層の数は5層以上である必要があ
る。層の数が4層以下では割繊処理後も繊度は大きく、
得られる皮革様シート基材の風合いが劣る。そして、好
ましい層の数は7以上である。断面構造としては多層張
り合わせ型、花弁型、中空花弁型などが公知であるが、
カード・ニードル工程の通過性は多層張り合わせ型が最
も良いため、好適に使用される。花弁型の場合は中心部
分へ向かうにつれて2成分間の間隔が狭くなり、さらに
中心部分では実質的に1成分が繋がっているため、見か
けの層の数まで完全に割繊することは多層張り合わせ型
に比べて困難である。また、中空花弁型においては、割
繊性は良好だが繊維の物理的な力に対して多層張り合わ
せ型に比べ劣り、カード、ニードル工程で割れを生じて
しまう場合がある。また、層の数の上限としては、多分
割になりすぎると潜在分割数よりも実際に分割する数が
少なくなってしまう傾向にあり、200分割以下が好ま
しい。
【0013】本発明における潜在分割性ステープル繊維
を製造するには、成分Aと成分Bとを溶融状態とし、こ
れを常法により交互に配列させた状態で口金ノズル孔に
導き、該ノズル孔より吐出させることで製造することが
できる。また潜在分割性ステープル繊維のカード工程の
通過性をよくする目的で、成分A、Bの両重合体を交互
に配列させ、口金の内部にて細孔から吐出するまでの間
に、成分Bと口金の金属と接触する部分において、成分
Bの表面張力により端部が丸みをおび、そこのすきまへ
成分Aが流れ込んでくるように制御することにより、成
分Aによって断面の外周全体を被覆された被膜を有する
繊維を得ることもできる。被膜厚みは使用する成分Aお
よびBのSP値や紡糸時の粘度により制御することがで
きる。例えば、SP値の高い場合には、重合体の極性基
がお互いの距離をできるだけ離れるように位置しようと
するために表面張力によって端部が丸くなりやすい。そ
こで、重合体BのSP値が重合体AのSP値より高い方
が、その端部がより丸くなり、口金との隙間にA重合体
が流れ込みやすく繊維の断面の周囲全体を覆う厚い被膜
を形成しやすくなる。
【0014】該潜在分割性ステープル繊維の分割前の繊
度は、2.0デシテックス以上である必要があるが、こ
れは潜在分割性繊維のカード処理においてカード装置内
に詰まって紡出できなかったり、不必要に長く滞留しな
いで通過できる繊度であり、かつ、これに続くニードル
パンチ処理において、本発明において重要なニードルパ
ンチ処理による幅の制御が可能となる繊度である。すな
わち、繊度が2.0デシテックス未満である場合はカー
ド処理工程でカード装置に繊維が詰まったり、不必要に
長く滞留して、潜在分割性ステープル繊維が繊維絡合不
織布製造工程の段階で割れが進行して、不良な繊維絡合
不織布しか製造できないなどの問題を生じる。また繊度
の上限としては、得られる皮革様シート基材の風合いか
ら9.0デシテックス未満が好ましい。また、用いられ
る繊維のカット長はカード通過性が良好となる25mm
〜100mm程度で、より好ましくは30〜70mmで
ある。また、カード前の捲縮数としてはカード通過性が
良好となる1インチ当たり5〜40山が好ましい。
【0015】本発明においては、繊維絡合不織布を製造
するためカード紡出されたフリースを重ねて25〜15
0パンチ/cmの初期絡合を行った際の初期繊維絡合
不織布面積(S1)に対して、ニードルパンチを進行さ
せて最終繊維絡合不織布面積(S2)となる過程での繊
維絡合不織布の締まり挙動による腰感の向上発現を目的
とするため、これを構成する潜在分割性ステープル繊維
の動摩擦係数が重要になってくる。すなわち、動摩擦係
数が0.32以下の場合は繊維絡合不織布製造工程で糸
がスムースに動くため、目的とする腰感を呈する繊維絡
合不織布を得ることができる。逆に動摩擦係数が0.3
2よりも大きいと繊維が幅方向へ締まりにくいため腰感
の向上は達成されないばかりか、糸切れを起こす場合も
ある。また、一般的にパンチ数を上げることにより少し
ずつ幅方向へは締まってゆくが、パンチ数を増やしすぎ
ると徐々に潜在分割性ステープル繊維の割繊が進行し
て、逆に幅が広がる挙動を示すようになる。このような
状態で形成された繊維絡合不織布より製造される皮革様
シート基材の腰感は不良であり、かつ前述の要求される
機械物性を満足できないものとなる。また、動摩擦係数
が低すぎると製造される繊維絡合不織布から繊維が素抜
けて絡合が固定できないようになるため、好ましくは
0.05〜0.30の範囲である。なお、ここで言う動
摩擦係数はJIS−L1015(7.13)におけるレ
ーダー法によって得られる値である。
【0016】このため、本発明において、使用する潜在
分割性ステープル繊維の動摩擦係数を要求される範囲内
にするには、紡糸・延伸時あるいは捲縮・カット時ある
いはカード処理前、カード処理中あるいはニードル処理
前あるいはニードル処理中に繊維状態あるいはシート状
態でどのような繊維表面活性剤を処理するかが重要であ
る。繊維表面活性剤は上記の要件を満たすものであれば
いずれの公知の化合物でも良いが、例えば、このような
繊維表面活性剤としてはシリコーン系、エチレンオキサ
イド系、シュガージエステル塩系、ビグアニド型カチオ
ン系、フッ素系などの各種の平滑油剤があり、これらの
1種を使用してもよいし、または2種以上を併用しても
よい。平滑油剤は水溶系、水分散系いずれでもよいが、
汎用面から水分散系が好適に使用される。また、これら
の油剤の繊維への付与は、紡糸・延伸時あるいは捲縮・
カット時あるいはカード処理前、カード処理中あるいは
ニードル処理前あるいはニードル処理中のいずれの段階
で行ってもよいが、均一に付与できるため、紡糸・延伸
工程で紡糸油剤として付与することが好ましい。付与方
法は油剤浴へ通してもよいし、スプレー方式で付与する
方法を用いてもよい。繊維に対する付着量は上記の条件
を発現するならば特に制限されるものではないが、一般
には繊維重量の0.01重量%〜0.5重量%程度であ
り、できるだけ少ないほうがコスト面から好ましい。
【0017】潜在分割性ステープル繊維には、必要に応
じて各種添加剤を配合し使用することができる。例え
ば、触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、
艶消剤、着色剤、光沢改良剤、制電剤、芳香剤、消臭
剤、抗菌剤、防ダニ剤、無機微粒子などが含まれてもよ
い。また、添加剤の配合は潜在分割性繊維を構成する重
合体の成分のいずれか一つでも良いし、または2成分以
上であっても良い。
【0018】本発明においては上記のようにして製造さ
れる繊維をカード紡出してなるフリースを重ねて25〜
150パンチ/cmの初期絡合を行った際の初期繊維
絡合不織布面積(S1)に対して、さらにニードルパン
チ処理を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不織布と
した時の最終繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1
を満たすことが重要である。一般にニードルパンチ工程
は複数の機台を用いて行われており、1号機または1号
機と2号機によって初期の絡合が達成されるが、そのパ
ンチ数は1号機または1号機と2号機の合計で25〜1
50パンチ/cmである。すなわち本発明においては
このような初期絡合をへた繊維絡合不織布の初期繊維絡
合不織布面積(S1)に対して、ニードルパンチを進行
させて最終繊維絡合不織布面積(S2)となる過程での
繊維絡合不織布の締まり挙動による腰感の向上発現が重
要な構成要件であり、この方法により、過去に検討され
た熱水収縮性を有する潜在分割性ステープル繊維の使用
などでは満足できなかった機械物性と腰感を主体とする
風合いの両立が可能となる。ただし使用する設備によっ
て初期絡合のパンチ数は当然異なるため、初期パンチ数
が25〜50パンチ/cmと少ない場合は、繊維絡合
不織布の締まる量が大きくなるため下記の値は小さい値
となる傾向があり、初期パンチ数が100〜150パン
チ/cmと多い場合は、繊維絡合不織布の締まる量が
見掛け小さくなるため下記の値は大きい値となる傾向が
あるが25〜150パンチ/cmのいずれの条件で初
期絡合を行っても下記式1を満足する必要がある。 0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
【0019】S2/S1の値が0.95より大きい場合
は得られる皮革様シートは充実感や腰感といった風合い
が劣るものとなるし、0.80より小さい場合は得られ
る皮革様シートは硬くなり、ゴワゴワした風合いが不良
なものとなる。注意しなければならないのは、特に繊維
絡合不織布の捲取方向のテンションが高い場合に顕著で
あるが、繊維絡合不織布の縦伸びが大きくなると見掛け
横幅が短くなるという挙動が起こる。これはニードルパ
ンチによる繊維絡合不織布の締まり挙動による腰感の向
上という本発明の主旨とは異なるため注意が必要であ
り、最終状態までの縦伸び率(%)は横幅の収縮率
(%)よりも低いことが好ましいのは当然であるが、そ
の初期絡合後の長さをマーキングしておき、これをL1
として、最終の絡合状態での長さがL2まで変化した場
合の比はL2/L1<1.5、より好ましくはL2/L
1<1.3となるような張力で処理することが好まし
い。
【0020】面積変化は、例えば、初期の25〜150
パンチ/cmのパンチ処理段階で繊維絡合不織布の中
央部分に縦×横に50cm×50cmのマーキングをし
ておいて、2500cmを初期面積(S1)とし、面
積比としてパンチング処理最終の時点で、縦がL3c
m、横がL4cmとなった場合には面積比S2/S1=
(L3×L4)/2500で計算することで得られる。
またトータルのパンチ数としては目的とする皮革様シー
ト基材の要求性能、物性に応じて適宜決定すればよい
が、500〜4000パンチ/cmの範囲が物性面や
工程性の面から好適である。パンチ数が500パンチ/
cm未満では機械物性が低い傾向があるし、4000
パンチ/cmより多くなると潜在分割性ステープル繊
維が繊維絡合不織布製造工程で割れ易くなる傾向がある
など不具合を生じやすい。
【0021】本発明に使用する繊維絡合不織布を製造す
るために使用するニードル針は1バーブのタイプが好適
に使用される。一般に効率よく絡合を進めるために3バ
ーブ以上、特に9バーブの針が使用されているが、糸切
れが起こりやすく良好な繊維絡合不織布が得られない場
合があり、また、針スジが目立つなど得られる皮革様シ
ート基材の外観や風合い面で劣り用途が限定される場合
がある。針の溝の深さは0.02〜0.06mmが好ま
しい。0.02mm未満では絡合が進みにくいし、0.
06mm以上では糸切れが発生しやすくなる。
【0022】繊維絡合不織布の見掛密度は、柔軟な風合
いを有する皮革様シートを得るためには0.10〜0.
60g/cmであることが好ましく、0.15〜0.
50g/cmであることがより好ましい。見掛密度が
0.60g/cmより大きくなると、ニードルパンチ
処理の際に針折れが発生しやすくなり、工程上支障をき
たす傾向がある。一方、見掛密度が0.10g/cm
より小さくなると、反発性および腰感が劣り、天然皮革
のような風合いが損なわれる傾向がある。
【0023】本発明により得られる繊維絡合不織布は、
上記の潜在分割性ステープル繊維からなる適度の厚みと
充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有するものでよく、
繊維絡合不織布の厚みは得られる皮革様シートの用途な
どによって任意に選択でき、特に制限されるものではな
いが、0.3〜3.0mm程度であることが好ましく、
0.5〜2.5mm程度であることがより好ましい。ま
た、この繊維絡合不織布には平滑油剤以外にも、撥水
剤、柔軟剤、帯電防止剤や耐光安定剤、紫外線吸収剤な
どの公知の化合物を付着させるなどの処理を行うことが
できる。該繊維絡合不織布には、前記した潜在分割性ス
テープル繊維の他に他の繊維が加えられていてもよい。
【0024】本発明方法に用いられる高分子弾性体は、
従来から皮革様シートを製造する際に使用されている高
分子弾性体であればよい。このような高分子弾性体とし
て、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド
エラストマーで代表されるポリアミド系樹脂、ポリエス
テルエラストマーで代表されるポリエステル系樹脂、弾
性を有するポリスチレン系樹脂、弾性を有するポリオレ
フィン系樹脂などがあるが、この中でも得られる皮革様
シート基材に優れた風合いを与えることから、ポリウレ
タン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に使用される。ま
た、樹脂の付与方法としてはポリウレタンなどのジメチ
ルホルムアミド溶液を繊維絡合不織布に含浸し、水中で
湿式凝固、脱洗する、いわゆる湿式凝固法と、エマルジ
ョンを含浸して熱風、スチーム、マイクロ波、熱水浴な
どのいずれかの方法により樹脂の固化またはゲル化およ
び乾燥を行うエマルジョン法を好適例として挙げること
ができるが、本発明においては環境にやさしい皮革様シ
ート基材を製造するために、ポリウレタン系エマルジョ
ン、アクリル系エマルジョンのようなエマルジョン、と
りわけ水のみで分散された水性エマルジョンを使用こと
が好ましい。また、これらのエマルジョンが感熱ゲル化
性を有している場合、エマルジョン粒子がマイグレーシ
ョンを引き起こすことなく感熱ゲル化させ均一に付与す
ることができる。エマルジョンは乳化する界面活性剤と
してHLBの低いノニオン性界面活性剤で乳化したり、
いわゆるマイグレーション防止剤と称する物質を感熱ゲ
ル化剤としてエマルジョン中に添加することにより感熱
ゲル化性が得られる。添加する感熱ゲル化剤としては、
例えば、塩化カルシウムなどの無機塩類とポリエチレン
グリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチル
エーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリ
エーテル共重合体、ポリシロキサン等を挙げることがで
き、これらのうち1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0025】皮革様シート基材に付与される樹脂量は用
途によって適宜選択することができるが、一般に繊維絡
合不織布の重量に対して5〜150重量%であることが
好ましく、15〜120重量%であることがより好まし
く、30〜100重量%であることがさらに好ましい。
樹脂付着量が5重量%未満では得られるシートの充実感
が不足し、得られるシートの風合いが悪くなる傾向があ
る。一方、150重量%を越えると、得られるシートは
硬くなり、風合いが悪くなる傾向がある。
【0026】繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮
革様シート基材は、例えば、下記の工程(1)→(2)
→(3)または(1)→(3)→(2)の順で製造する
ことができる。特に(1)→(2)→(3)の順序で実
施すれば、繊維絡合不織布に高分子弾性体が付与された
後に潜在分割性ステープル繊維の割繊が行われ、柔軟化
されて優れた風合いの皮革様シート基材が得られるため
好ましい。また、工程(1)または工程(2)の後に熱
ロールなどを用いて、所望の密度にしたり、平滑な表面
を形成させることなどができる。 (1)繊度2.0デシテックス以上であり、かつ動摩擦
係数が0.32以下の成分A、Bの2種の重合体成分か
らなる5層以上の潜在分割性ステープル繊維をカード紡
出して製造されるフリースを重ね、25〜150パンチ
/cmのニードルパンチを行った時の初期繊維絡合不
織布面積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理
を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時
の最終繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満た
すように繊維絡合不織布を製造する工程 0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1) (2)繊維絡合不織布に高分子弾性体を付与する工程、
(3)成分AとBからなる潜在分割性ステープル繊維を
割繊する工程
【0027】上記の工程(3)において、繊維絡合不織
布化処理を行った後に、物理的処理や化学的処理などで
容易に部分的な割繊を起こすことができる。潜在分割性
ステープル繊維を割繊させる方法に関しては、バフィン
グなどの機械的応力で基体表面の接合型複合繊維を割繊
する方法や、浸透剤や膨潤剤、離型剤などの各種添加剤
を潜在分割性ステープル繊維中に添加したり含浸やグラ
ビア法等で基体に付与する、或いはサーキュラーなどの
揉み処理を施すなどで、基体表面あるいは基体表面と基
体内部を割繊する方法などを任意に選ぶことができる。
また、基体表面に存在する潜在分割性ステープル繊維の
分割割合と基体内部に存在する潜在分割性ステープル繊
維の分割割合も任意に選ぶことができるが、表面繊維の
素抜けが起こりにくく耐ピリング性などの表面摩耗性に
優れることから、基体表面の分割割合を基体内部の分割
割合より大きくすることが好ましい。そして、具体的に
潜在分割性ステープル繊維を割繊する方法としては、成
分の1つがポリエステル系重合体であれば、30〜80
℃程度のアルカリ性水溶液で一部を溶解したりすること
で効率的に割繊することができるし、また100〜16
0℃の熱水により割繊処理すれば、アルカリ液を使用す
ることがないため、環境面からは好ましい。また、例え
ばポリエチレングリコール系化合物等の添加剤をこれに
併用して本発明で使用される成分AとBの膨潤性が異な
るようにするなどの方法をとることも好ましい。また、
割繊の程度は、全ての潜在分割性ステープル繊維が5層
以上に割繊している必要はなく、本発明の効果を損なわ
ない程度に一部未割繊あるいは全て未割繊の潜在分割性
ステープル繊維が存在していてもかまわない。
【0028】また、このようにして得られた皮革様シー
ト基材を染色および少なくとも片面にエメリーペーパー
などで バフィング処理することでスエード調人工皮革
を製造することができる。この場合、染色処理と同時に
上記の繊維の割繊処理を行うことは効率面から好適に採
用される。
【0029】また、このようにして得られた皮革様シー
ト基材の少なくとも片面に顔料を分散したポリウレタン
フィルムを張り合わせること、好ましくはポリウレタン
樹脂水性分散体から形成されたポリウレタンフィルムを
水性接着剤を介して張り合わせることで環境に負荷をか
けない方法で銀付き調人工皮革を製造することができ
る。
【0030】本発明方法により得られる皮革様シート基
材は、適度な柔軟性と充実感を有し、マットレス、鞄内
張り材料、衣料芯地、靴用芯材、クッション材、自動車
内装材、壁材、カーペットなどに好適に使用することが
できる。さらに片面にポリウレタン等を既知の方法によ
り付与することによりスポーツシューズ、紳士靴、鞄な
どに用いられる銀付き人工皮革としても好適に使用する
ことができる。また、表面をエメリーペーパーなどでバ
フィングすることによりスエード調の人工皮革とするこ
ともできる。
【0031】
【実施例】以下に実施例によって本発明方法を具体的に
説明するが、本発明はそれによって何ら限定されるもの
ではない。また、以下の例において、潜在分割性ステー
プル繊維のカード通過性、初期繊維絡合不織布面積(S
1)と最終繊維絡合不織布面積(S2)の比(S2/S
1)、皮革様シート基材の風合い、皮革様シート基材の
引張強力、剥離強力の評価は以下の方法により行った。
また、繊維の動摩擦係数はJIS−L1015(7.1
3)によるレーダー式摩擦試験機により測定した。
【0032】[潜在分割性ステープル繊維のカード通過
性]50g/mのフリース目付重量になるようにカー
ドを通してウエッブを作製した際の工程通過性を下記の
4段階で評価した。 ◎ :工程通過性は良好で、カードのロールへの巻付き滞留がなく、かつ ネップは50gのフリース中に認められない ○ :工程通過性は良好で、カードのロールへの巻付き滞留がなく、かつ ネップは50gのフリース中10ケ以内である。 △ :工程通過性に支障はきたさず、カードのロールへの巻付き滞留はな いが、ネップは50ケ以上発生する × :工程通過性が不良であり、カードのロールへの巻付きが発生し、良 好なフリースを製造することができない。
【0033】[初期繊維絡合不織布面積(S1)と最終
繊維絡合不織布面積(S2)の比(S2/S1)]初期
の25〜150パンチ/cmのパンチ処理後、繊維絡
合不織布の中央部分に縦×横に50cm×50cmのマ
ーキングをしておいて、2500cmを初期面積(S
1)とし、パンチング処理最終の時点での繊維絡合不織
布のマーキング長の縦をL3cm、横をL4cmとし
て、面積比S2/S1=(L3×L4)/2500で計
算した。
【0034】[皮革様シート基材の風合い]作製したシ
ート基材の風合いを無作為に抽出した10人のパネラー
に下記の4段階で評価させて、最も多い評価をそのシー
ト基材の風合いとした。 ○ :適度な充実感と柔軟性を有し、皮革様の風合い
を呈するもの △1 :柔軟性は有するが充実感が不足し、皮革様の風
合いがやや劣るもの △2 :充実感は有するが柔軟性が不足し、皮革様の風
合いがやや劣るもの × :皮革様の風合いを呈さないもの
【0035】[皮革様シート基材の引張強力]作製した
シート基材から縦12cm×横2.5cmの試験片を作
製し、定速伸長型引張試験機(島津製作所製オートグラ
フIM−100型、ロードセルCAP100kg)を用
いて、ツカミ間隔50mm、引張速度25mm/min
で試料片が切断する強さ(kg/2.5cm)を、4回
の平均値で評価した。
【0036】[皮革様シート基材の剥離強力]作製した
シート基材から縦25cm×横2.5cmの試験片を作
製し、ゴム板に接着剤で張り合わせ、1昼夜静置した後
に、定速伸長型引張試験機(島津製作所製オートグラフ
IM−100型、ロードセルCAP100kg)を用い
て、ツカミ間隔100mmで180度剥離状態にセット
して、引張速度50mm/minで試料片が剥離する強
さ(kg/2.5cm)を試料5cm剥離した間の最小
値の4回の平均値で評価した。
【0037】実施例1 重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合
体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/3
4の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐
出させて、紡糸油剤としてKMT−506(松本油脂製
薬製ポリエチレングリコール系紡糸油剤)を0.25%
付着させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍
に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は3.3デシテッ
クスで繊維強度は3.2cN/dtexであった。ま
た、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.15であ
った。その後51mmにカットし、図1のタイプの断面
形状の繊維を得た。この潜在分割性ステープル繊維を用
い、カード処理を行なってウエッブを作製したところ、
カード処理通過性は「◎」であった。形態を固定するた
め1バーブの針での初期パンチを110パンチ/cm
打った後、初期絡合不織布の中央部に50cm×50c
mのマークを付けた。さらに、1670パンチ/cm
までニードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡
合不織布のマークは縦51.7cm、横42.2cmな
った(S2/S1=0.873)。繊維絡合不織布の厚
みが4.8mmで目付けは600g/m、密度は0.
13で、充実感、腰感に優れていた。以後、この繊維絡
合不織布を繊維絡合不織布1と称する。このようにして
得られた繊維絡合不織布1へ水性ポリウレタンエマルジ
ョンボンディック1310NSA(大日本インキ化学工業
製ポリウレタンエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で
繊維絡合不織布の80重量%となるように含浸して、乾
燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わ
せを実施し、厚さ2.6mm、目付け1020g/
、密度0.39とし、厚み方向の中央から2枚にス
ライスした。以後、このスライス後のエマルジョンを含
浸した繊維絡合不織布をエマルジョン含浸繊維絡合不織
布1と称する。さらに、このエマルジョン含浸繊維絡合
不織布1を、サーキュラー染色機を用いて、120℃の
熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を
同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得ら
れた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未割繊の潜
在型ステープル繊維が見られるものの表面部分は11層
に分割された繊維束が支配的な状態であり、風合い評価
で「○」となる優れた皮革様シートであった。さらにこ
の皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張
強力は31.0kg/2.5cmであり、剥離強力は
7.5kg/2.5cmであった。以後、この皮革様シ
ート基材を皮革様シート基材1と称する。
【0038】[スエード調人工皮革の製造]得られたエ
マルジョン含浸繊維絡合不織布1をサーキュラー染色機
130℃中で分散染料Resolin Blue 2BRSの2%owf
の濃度で染色するとともにリラックス処理をし、乾燥後
にエメリーバフ機で両表面を立毛させてスエード調人工
皮革を得た。得られたスエード調人工皮革の風合いは、
充実感と柔軟性が両立された良好な風合い呈するもので
あった。
【0039】[銀付き調人工皮革の製造]得られた皮革
様シート基材1の一面へ離型紙造面により白顔料で着色
した厚み50ミクロンのポリウレタンフィルムを、水性
ポリウレタン系接着剤を使用して張り合わせて銀付き調
人工皮革を得た。得られた銀付き調人工皮革は柔軟で風
合いに優れていた。
【0040】実施例2 形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを25
パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に5
0cm×50cmのマークを付け、さらに、1670パ
ンチ/cmまでニードルパンチ処理を行う以外は実施
例1と全く同様にして繊維絡合不織布を製造した。得ら
れた繊維絡合不織布のマークは縦57.7cm、横4
0.8cmとなり(S2/S1=0.942)、目付け
600g/m、厚み4.8mm、密度0.13で充実
感、腰感に優れていた。また、得られた皮革様シート基
材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維
が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束
が支配的な状態であり、風合い評価で「○」となる優れ
たものであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物
性を測定したところ、引張強力は30.5kg/2.5
cmであり、剥離強力は7.4kg/2.5cmとなっ
た。
【0041】実施例3 形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを15
0パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に
50cm×50cmのマークを付け、さらに、1670
パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行う以外は実
施例1と全く同様にして繊維絡合不織布を製造した。得
られた繊維絡合不織布のマークは縦50.9cm、横4
2.6cmとなり(S2/S1=0.867)、目付け
580g/m、厚み4.7mm、密度0.12で充実
感、腰感に優れていた。また、得られた皮革様シート基
材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維
が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束
が支配的な状態であり、風合い評価で「○」となる優れ
たものであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物
性を測定したところ、引張強力は31.5kg/2.5
cmであり、剥離強力は7.5kg/2.5cmとなっ
た。
【0042】比較例1 重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合
体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/3
4の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐
出させて、紡糸油剤としてKMT−506(松本油脂製
薬製のポリエチレングリコール系紡糸油剤)を0.25
%付着させて実施例1よりも高速で巻き取るようにして
紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延伸し、
機械捲縮を付与した。繊度は1.8デシテックスで繊維
強度は3.5cN/dtexであった。また、レーダー
法による繊維の動摩擦係数は0.12であった。その後
51mmにカットし、図1のタイプの断面形状を呈する
繊維を得た。この潜在分割性ステープル繊維を用い、カ
ード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード
中に繊維が滞留して良好なフリースを取ることができ
ず、カード処理通過性は「×」となった。
【0043】比較例2 重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合
体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/3
4の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐
出させて、紡糸油剤としてウーポールS(松本油脂製薬
製のアニオン系コロイド化合物油剤)を0.25%付着
させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延
伸し、機械捲縮を付与した。繊度は3.3デシテックス
で繊維強度は3.2cN/dtexであった。また、レ
ーダー法による繊維の動摩擦係数は0.37であった。
その後51mmにカットし、図1のタイプの断面形状の
繊維を得た。この潜在分割性ステープル繊維を用い、カ
ード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード
処理通過性は「○」であった。形態を固定するため1バ
ーブの針での初期パンチを110パンチ/cm打った
後、初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマ
ークを付けた。さらに、1670パンチ/cmまでニ
ードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織
布のマークは縦53.5cm、横48.5cmなった
(S2/S1=1.04)。繊維絡合不織布は目付け5
60g/m、厚さ4.3mm、密度0.13で、腰感
は実施例1で得られた繊維絡合不織布1に比べて明らか
に劣っていた。このようにして得られた繊維絡合不織布
へ水性ポリウレタンエマルジョンボンディック1310
NSA(大日本インキ化学工業製ポリウレタンエマルジョ
ン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の80重量
%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレ
スで表面の平滑化と密度合わせを実施し目付け1000
g/m、厚さ2.6mm、密度0.38とした後に中
央から2枚にスライスした。さらに、このエマルジョン
含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、1
20℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラック
ス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得
た。得られた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未
割繊の潜在型ステープル繊維が見られるものの表面部分
は11層に分割された繊維束が支配的な状態であった
が、風合い評価で「△1」となる実施例1で得られた皮
革様シート基材1に比べて風合いの劣るものであった。
さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したとこ
ろ、引張強力は28.5kg/2.5cmであり、剥離
強力は7.2kg/2.5cmであった。
【0044】比較例3 重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合
体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/3
4の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐
出させて、紡糸油剤としてKMT−506(松本油脂製
薬製のポリエチレングリコール系紡糸油剤)を0.25
%付着させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で2.0
倍に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は4.3デシテ
ックスで繊維強度は2.2cN/dtexであった。ま
た、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.14であ
った。その後51mmにカットし、図1のタイプの繊維
を得た。この複合ステープル繊維を用い、カード処理を
行なってウエッブを作製したところ、カード処理通過性
は「◎」であった。形態を固定するため1バーブの針で
の初期パンチを110パンチ/cm打った後に初期絡
合不織布の中央部に50cm×50cmのマークをつけ
た。これに360パンチ/cmまでニードルパンチ処
理を行い、得られた繊維絡合不織布のマークは縦55.
2cm、横44.5となった(S2/S1=0.98
3)。さらに70℃の熱水収縮処理を行い繊維絡合不織
布の目付けを585g/m、厚さ5.0mm、密度
0.12とした、腰感は実施例1で得られた繊維絡合不
織布1に比べてやや劣っていた。このようにして得られ
た繊維絡合不織布へ水性ポリウレタンエマルジョンボン
ディック1310NSA(大日本インキ化学工業製ポリウ
レタンエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合
不織布の80重量%となるように含浸して、乾燥した後
に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施
し、目付け1030g/m、厚さ2.6mm、密度
0.40とした後に2枚にスライスした。さらに、この
エマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機
を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処
理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シ
ート基材を得た。得られた皮革様シート基材は、基材内
部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維が見られるも
のの表面部分は11層に分割された繊維束が支配的な状
態であり、風合い評価で「○」となった。さらにこの皮
革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力
は18.2kg/2.5cmであり、剥離強力は4.2
kg/2.5cmとなって皮革様シート基材1に比べ劣
るものであった。
【0045】実施例4 重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合
体成分Bとしてポリプロピレンを用いて、重量比を50
/50の割合で、花弁型8層の口金より吐出させて、紡
糸油剤としてSH−7036(東レシリコーン社製のシ
リコーン系紡糸油剤)を0.15%付着させて紡糸し
た。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延伸し、機械捲
縮を付与した。繊度は2.8デシテックスで繊維強度は
2.7cN/dtexであった。また、レーダー法によ
る繊維の動摩擦係数は0.28であった。その後51m
mにカットし、図2のタイプの断面形状を呈する複合ス
テープル繊維を得た。この複合ステープル繊維を用い、
カード処理を行なってウエッブを作製したところ、カー
ド処理通過性は「○」であった。形態を固定するため1
バーブの針での初期パンチを50パンチ/cm打った
後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマ
ーキングをし、さらに、3100パンチ/cm までニ
ードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織
布のマークは縦52.0cm、横40.0cmとなった
(S2/S1=0.832)。繊維絡合不織布は目付け
が300g/m、厚み2.4mm、密度0.13で、
腰感に優れていた。以後、この繊維絡合不織布を繊維絡
合不織布2と称する。このようにして得られた繊維絡合
不織布2へ水性アクリルエマルジョンモビニール963
A(クラリアント社製アクリルエマルジョン)を乾燥後
の固形分重量で繊維絡合不織布の100重量%となるよ
うに含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の
平滑化と密度合わせを実施し、目付け590g/m
厚み1.51mm、密度0.39とした。以後、このエ
マルジョンを含浸した繊維絡合不織布をエマルジョン含
浸繊維絡合不織布2と称する。さらに、このエマルジョ
ン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、
120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラッ
クス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を
得た。得られた皮革様シート基材は風合い評価で「○」
となる優れた皮革様シートであった。さらにこの皮革様
シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は2
8.8kg/2.5cmであり、剥離強力は8.1kg
/2.5cmであった。以後、この皮革様シート基材を
皮革様シート基材2と称する。
【0046】比較例4 実施例4で用いたのと全く同様にして作製した図2のタ
イプの断面形状の51mmにカットされた複合ステープ
ル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製し
た。フリースを積層して形態を固定するため1バーブの
針での初期パンチを50パンチ/cm打った後に初期
絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマーキング
をし、さらに、725パンチ/cmまでニードルパン
チ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマーク
は縦54.3cm、横44.2cmとなった(S2/S
1=0.960)。繊維絡合不織布は300g/m
厚み2.4mm、密度0.25で、腰感は繊維絡合不織
布2に比べ劣るものであった。このようにして得られた
繊維絡合不織布へ水性アクリルエマルジョンモビニール
963A(クラリアント社製アクリルエマルジョン)を
乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の100重量%と
なるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで
表面の平滑化と密度合わせを実施し、目付け585g/
、厚み1.50mm、密度0.39とした。さら
に、このエマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラ
ー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維
の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て
皮革様シート基材を得た。得られたシート基材は風合い
評価で「△1」となった。この皮革様シート基材の機械
物性を測定したところ、引張強力は26.0kg/2.
5cmであり、剥離強力は6.6kg/2.5cmであ
った。
【0047】比較例5 実施例4で用いたのと全く同様にして作製した図2のタ
イプの断面形状の51mmにカットされた複合ステープ
ル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製し
た。カードを積層して形態を固定するため1バーブの針
での初期パンチを50パンチ/cm打った後に初期絡
合不織布の中央部に50cm×50cmのマーキングを
し、さらに、4200パンチ/cmまでニードルパン
チ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマーク
は縦51.5cm、横37.6cmとなった(S2/S
1=0.775)。繊維絡合不織布は目付けが315g
/m、厚さ2.45mm、密度0.13で、実施例4
で得られた繊維絡合不織布に比べて、やや硬い風合いの
繊維絡合不織布となった。このようにして得られた繊維
絡合不織布へ水性アクリルエマルジョンモビニール96
3A(クラリアント社製アクリルエマルジョン)を乾燥
後の固形分重量で繊維絡合不織布の100重量%となる
ように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面
の平滑化と密度合わせを実施し、目付け610g/
、厚み1.48mm、密度0.41とした。このエ
マルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を
用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理
とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シー
ト基材を得た。得られたシート基材は風合い評価で「△
2」となる風合いの硬い皮革様シート基材となった。さ
らにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したとこ
ろ、引張強力は31.8kg/2.5cmであり、剥離
強力は8.4kg/2.5cmであった。
【0048】
【発明の効果】本発明方法により、従来の環境対応型の
皮革様シート基材では発現できなかった優れた風合いと
機械物性を両立できる潜在分割性ステープル繊維からな
る繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮革様シート
基材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる潜在分割性ステープル
繊維の断面の一例を示す図である。
【図2】本発明方法に用いられる潜在分割性ステープル
繊維の断面の他の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:成分A 2:成分B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種の重合体成分からなり5
    層以上に分割可能な潜在分割性ステープル繊維、または
    該潜在型分割性ステープル繊維が分割した分割ステープ
    ル繊維束からなる繊維絡合不織布と高分子弾性体からな
    る皮革様シート基材を製造するに際して、繊維絡合不織
    布が、繊度2.0デシテックス以上であり、かつその動
    摩擦係数が0.32以下の潜在分割性ステープル繊維か
    らなり、かつカード・ニードル法により作製される繊維
    絡合不織布であって、該繊維絡合不織布を製造するため
    カード紡出されたフリースを重ねて25〜150パンチ
    /cmの初期絡合を行った際の初期繊維絡合不織布面
    積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理を実施
    して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時の最終
    の繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満たすこ
    とを特徴とする皮革様シート基材の製造方法。 0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
  2. 【請求項2】 ニードルパンチ処理に使用するニードル
    針が1バーブタイプである請求項1に記載の皮革様シー
    ト基材の製造方法。
  3. 【請求項3】 高分子弾性体が水性ポリウレタン系エマ
    ルジョンおよび/または水性アクリル系エマルジョンを
    含浸することによって繊維絡合不織布に付与される請求
    項1または2に記載の皮革様シート基材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    よって製造される皮革様シート基材の少なくとも片面を
    バフィング処理するスエード調人工皮革の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    よって製造される皮革様シート基材の少なくとも片面に
    ポリウレタンフィルムを張り合わせる銀付き調人工皮革
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    よって得られる皮革様シート基材。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載の方法によって
    得られる人工皮革。
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