JP2003154534A - 真空断熱材および繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法 - Google Patents

真空断熱材および繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法

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JP2003154534A
JP2003154534A JP2001357618A JP2001357618A JP2003154534A JP 2003154534 A JP2003154534 A JP 2003154534A JP 2001357618 A JP2001357618 A JP 2001357618A JP 2001357618 A JP2001357618 A JP 2001357618A JP 2003154534 A JP2003154534 A JP 2003154534A
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fiber
synthetic resin
core material
reinforced synthetic
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Minoru Futagawa
稔 二川
Reiji Naka
礼司 中
Hitoshi Nakazawa
仁 中澤
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Asahi Glass Matex Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】強度および耐衝撃性が改善された真空断熱材の
提供。 【解決手段】細孔部分が真空に保たれた多孔質の芯材6
と、前記芯材の外部表面を覆う、ガスバリア性とヒート
シール性とを有するフィルム層7が設けられ、型1と芯
材6の間に設けられたシートと状の繊維体が存在する空
間部分に紫外線硬化型樹脂が流入され,空間部分が樹脂
で充填されることにより製造される繊維強化合成樹脂層
を有する真空断熱材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空断熱材に関す
る。より具体的には、本発明は、最外層として繊維強化
合成樹脂層を有する真空断熱材に関する。本発明はま
た、このような真空断熱材の製造にも使用することがで
きる繊維強化合成樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護等の観点からエネル
ギーの消費削減が求められている。冷凍車、業務用の大
型冷蔵庫等についてももちろん例外ではなく、これらの
冷却効率の改善が常に求められている。冷却効率の改善
には、もちろん機械的な効率改善方策も存在するが、そ
れ以上に効果的なのは、外部との熱の行き来を遮断する
ための断熱効果に優れた断熱材の開発である。この目的
のため、断熱材に関する研究開発が絶えず行われてお
り、近年では、断熱効果に優れることから真空断熱材が
広く使用されている。真空断熱材は、例えば、特開平7
−63469号、特開平7−91594号、特開200
1−108187号に示されるように、発泡ポリウレタ
ンのような多孔質体等の芯材を、金属蒸着フィルム、無
機質蒸着フィルム、金属箔等のガスバリア性を有するフ
ィルムと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート等の熱溶着可能な熱可塑性樹脂フィル
ムとが積層された多層フィルムで覆い、真空排気した後
にヒートシールによって封止したものである。このよう
な真空断熱材は、グラスウール等の従来の断熱材に比べ
て断熱効果が3倍以上と優れている。
【0003】しかし、上記の多層フィルムは、強度的に
はそれほど優れておらず、外部からの圧力や衝撃、特に
鋭い突起物の接触によって、フィルムが破損するとガス
バリア性が失われて真空性を損なわれ、その結果断熱効
果が喪失するおそれがある。これは、走行により絶えず
振動に晒される冷凍車の断熱材や、頻繁に中に置かれた
商品が出し入れされる商品のディスプレイ機能も兼ねた
業務用の大型冷蔵庫の断熱材の場合、特に問題となる。
また、これらのフィルムは、ヒートシールで封止される
ため、耐熱性も一般に低く、高温の物体の接触や高温環
境下に晒されることによってもヒートシール部が剥離し
たり、フィルムに穴が開くなどして断熱効果が喪失す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
真空断熱材の問題点を解決するため、真空断熱材本来の
断熱性を損なうことなく強度および耐衝撃性が改善され
た真空断熱材を提供することを目的とする。本発明はま
た、本発明の真空断熱材の製造にも使用することができ
る繊維強化合成樹脂成形体の製造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、シート状の繊維体で表面が覆われた芯材を、
透明材製の型内に配置し、前記型と前記芯材との間に設
けられた、前記シート状の繊維が存在する空間部分に、
レジントランスファーモールド法により紫外線硬化性樹
脂を注入して、前記空間部分を前記紫外線硬化性樹脂で
充填し、前記透明材製の型の外側から紫外線を照射し
て、前記紫外線硬化性樹脂を硬化させることを特徴とす
る繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法を提供する。
本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法におい
て、前記芯材は、細孔部分が真空に保たれた多孔質の芯
材であって、前記多孔質の芯材の外部表面は、ガスバリ
ア性とヒートシール性とを有するフィルムで覆われてい
ることが好ましい。本発明はまた、細孔部分が真空に保
たれた多孔質の芯材と、前記芯材の外部表面を覆う、ガ
スバリア性とヒートシール性とを有するフィルム層と、
前記フィルム層の外部表面を覆う繊維強化合成樹脂層
と、を有する真空断熱材を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1態様は、真空断熱材
に関する。本発明の真空断熱材では、多孔質の芯材の外
部表面がガスバリア性とヒートシール性を有するフィル
ム層で覆われており、ガスバリア性とヒートシール性を
有するフィルム層の外部表面がさらに繊維強化合成樹脂
層で覆われている。
【0007】本発明の真空断熱材において、多孔質の芯
材と、その外部表面を覆うフィルム層よりなる構造は、
真空断熱材として公知の構造を広く含む。図2および図
3に、公知の真空断熱材の構造の具体例を示す。図2の
真空断熱材は、発泡ウレタン等の多孔質の芯材8を、ス
テンレス箔等のガスバリア性を有するフィルムとヒート
シール性のフィルムとが積層された多層フィルム9で包
装し、真空排気した後に多層フィルム9をヒートシール
10したものである。図2に示す真空断熱材では、長期
の断熱性を維持するために、内部で発生したガスや、外
部から侵入したガスを吸着させるために、合成ゼオライ
トや活性シリカ等の吸着剤11が含まれている。
【0008】図3の真空断熱材では、多孔質の芯材12
が、ガスバリア性を有するフィルムとヒートシール性を
有するフィルムとが積層された多層フィルム13で包装
されている点は、図2と同じであるが、シール性を高め
るために芯材12の端部に、緻密化することによりガス
バリア性が高められた熱溶着性の樹脂体14が置かれて
おり、この樹脂体14と多層フィルム13とを熱溶着さ
せることによりヒートシールしている。
【0009】図2および図3の真空断熱材では、真空排
気することにより、多孔質の芯材(8,12)の細孔部
分が真空に保たれている。芯材(8,12)の外部表面
は、ガスバリア性を有するフィルムとヒートシール性を
有するフィルムとが積層した多層フィルム(9,13)
で包装され(覆われて)いることにより、芯材(8,1
2)の細孔部分が真空の状態で維持されている。
【0010】多孔質の芯材は、真空断熱材に使用される
多孔質の芯材を広く含み、粉末であってもよく、例え
ば、具体的には凝集シリカ粉末,発泡パーライト粉砕粉
末,珪藻土粉末,珪酸カルシウム粉末,炭酸カルシウム
粉末,炭酸マグネシウム粉末,クレー,タルク,発泡プ
ラスチック粉砕粉末等が例示され、あるいは微小中空体
であってもよく、例えば、具体的には、ホウ珪酸ガラス
バルーン,アルミノ珪酸塩バルーン,アルミノシリケー
トバルーン,シラスバルーン等が例示され、あるいは無
機成形体であってもよく、例えば、具体的には珪酸カル
シウム成形体,発泡パーライト成形体,シリカ粉末成形
体等が例示され、あるいは有機発泡体であってもよく、
例えば具体的には発泡ポリウレタン,発泡ポリスチレン
等が例示される。また、熱可塑性樹脂繊維体に空気を吹
き込んで空隙率を増加した後、表面を熱融着された繊維
体であってもよく、繊維体を形成する熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフル
オロエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、水酸基含有ナイロン等が挙
げられる。
【0011】ガスバリア性とヒートシール性を有するフ
ィルム層は、図2および図3に示すように、ガスバリア
性を有するフィルムとヒートシール性を有するフィルム
とを積層させた多層フィルムであってもよい。このよう
な多層フィルムにおいて、ガスバリア性を有するフィル
ムは、真空断熱材のガスバリア用途で使用されるフィル
ムを広く含み、アルミニウム箔、ステンレススチール箔
等の金属箔、金属蒸着フィルム、無機質蒸着フィルム、
ポリ塩化ビニリデンフィルム等が挙げられる。ここでポ
リ塩化ビニリデンフィルムには、塩化ビニリデンのホモ
ポリマーからなるフィルムの他、塩化ビニリデンと塩化
ビニル、アクリロニトリル等の他のモノマーとの共重合
体フィルムも含む。ガスバリア性を有するフィルムに金
属を用いれば、フィルムの外部表面上に、紫外線硬化に
より繊維強化樹脂層を形成する際に、照射した紫外線に
対する硬化効率が高いので好ましい。
【0012】一方、ヒートシール性を有するフィルム
は、熱溶着可能な熱可塑性樹脂フィルムが好ましく、真
空断熱材のヒートシール用のフィルムに使用されるもの
を広く含み、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアク
リロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げら
れる。
【0013】ガスバリア性とヒートシール性を有するフ
ィルム層は、この2つの特性を併せ持った1つのフィル
ムであってもよい。このようなガスバリア性とヒートシ
ール性を併せ持つフィルムとしては、塩化ビニリデンの
ホモポリマーまたは塩化ビニリデンと他のポリマーとの
共重合体フィルムよりなるフィルムが挙げられる。
【0014】上記いずれの形態のフィルム層の場合で
も、フィルム層は他の機能を有するフィルム層を含んで
もよく、例えば、接着性を高めるための接着剤フィルム
層や強度を保持するために基材フィルム層、表面保護フ
ィルム層等を含んでもよい。
【0015】本発明の真空断熱材では、多孔質の芯材
を、ガスバリア性とヒートシール性を有するフィルム層
で覆い、真空排気することで多孔質の芯材の細孔部分を
真空にした後に、フィルム層を熱溶着させてヒートシー
ルする。フィルム層はガスバリア性を有するため、多孔
質の芯材の細孔部分はヒートシール後も真空の状態で維
持される。なお、真空排気後の細孔部分の真空度は0.
001〜0.1Torrであることが好ましい。
【0016】芯材と多層フィルムよりなる構成要素(以
下、「コア」という。)には、他の要素を含んでもよ
く、例えば、ヒートシール性を高めるために、芯材の両
端部に熱溶着性の樹脂を含んでもよい。この場合熱溶着
性の樹脂とヒートシール性を有するフィルムとを熱溶着
させて密封させる。このような熱溶着性の樹脂として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ
る。多孔質の芯材が熱溶着性を有する有機材料製の場
合、芯材の端部を熱溶着させて緻密化させてもよい。
【0017】また、長期の断熱性を維持するため、コア
に他の要素、具体的には、例えば、シリカゲル、ゼオラ
イト、活性炭、酸化カルシウム等の透過ガスの吸着剤、
酸化防止剤、難燃化剤等の各種材料を含んでもよく、こ
れらは多孔質の芯材に固着されていてもよいし、多孔質
の芯材に埋め込まれていてもよい。
【0018】コアの形状および大きさは、真空断熱材に
関して公知の形状および大きさの範囲で適宜選択するこ
とができる。例えば、形状については、これに限定され
ないが、図2および図3に示すように通常パネル状であ
る。但し、 大きさについては、真空断熱材の機能を損な
わないため、通常は120×240cm程度以下であ
り、90cm×180cm程度以下であることが好まし
い。厚さは、芯材の厚さに依存するが、通常5mm〜2
00mm程度であり、5mm〜50mm程度であること
が好ましい。真空排気後(0.1Torr)のコア内部
の熱伝導率は、0.001〜0.01W/(m・k)程
度である。
【0019】コアの強度、特に真空排気後の強度は、使
用時に重要となるが、これは主としてフィルム層の強度
に依存する。より具体的には、フィルム層の突き刺し強
度に依存する。食品包装用フィルムを対象とするJIS
Z1707の突き刺し強度試験による突き刺し強度
は、通常は1500gf以下である。
【0020】本発明の真空断熱材では、ガスバリア性と
ヒートシール性を有するフィルム層の外部表面に繊維強
化合成樹脂層を有する。別の言い方をすると、コアの外
部表面が繊維強化合成樹脂で被覆されている。繊維強化
合成樹脂層の厚さは、真空断熱材の強度と断熱性を両立
する範囲で適宜選択できるが、好ましくは、0.1〜1
0mm程度である。本発明の真空断熱材は、ヒートシー
ル性を有する、すなわち軟化点の低いフィルム層上に繊
維強化合成樹脂層が形成されるため、後述する本発明の
繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法で製造すること
が好ましい。そのため、繊維強化合成樹脂の強化材は、
コアをほぼ包む大きさを有するシート状の繊維体である
ことが好ましい。このようなシート状の繊維体は、好ま
しくはガラス繊維製の織布である。
【0021】本発明の真空断熱材は、芯材の細孔部分の
真空度が0.1Torrの時の熱伝導度が0.001〜
0.01W/(m・k)と、真空断熱材本来の断熱性を
損なうことなく、強度が改善されている。具体的には、
突き刺し強度試験(JISZ1707)で全く針が刺さ
らなかった。
【0022】本発明の第2態様は、繊維強化合成樹脂成
形体を製造する方法に関する。従来、レジントランスフ
ァーモールド法によって繊維強化合成樹脂成形体を製造
する場合、樹脂注入時に型に強い内圧がかかるため、金
属製の型、または鋼製のライナで補強した繊維強化合成
樹脂製の型が使用されている。これらの型は光や紫外線
を透過しないため、型に注入された樹脂は加熱硬化され
る。しかし、例えば、ヒートシールにより内部の真空状
態を維持している公知の真空断熱材のように、熱に脆弱
なコアを繊維強化合成樹脂で被覆して繊維強化合成樹脂
成形体を製造する場合にこの点が問題となる。すなわ
ち、ガスバリア性のフィルムとヒートシール性を有する
フィルムとが積層された多層フィルムで内部を真空の状
態に維持している公知の真空断熱材のように、熱に脆弱
なコアの外部表面を繊維強化合成樹脂で被覆するのに、
繊維強化合成樹脂のマトリクスをなす樹脂を加熱硬化さ
せた場合、型の内部の温度は樹脂の硬化時の発熱と相ま
って100℃以上になる。これにより、真空断熱材を例
にとると、ヒートシールが剥離し、またはフィルム自体
に穴が開き、真空性が損なわれるといった具合に熱に脆
弱なコアがダメージを受ける恐れがある。硬化剤により
室温硬化させる方法もあるが、硬化に長時間を要すると
いう難点がある。
【0023】本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造す
る方法は、熱に弱いコアの外部表面を繊維強化合成樹脂
で被覆して、繊維強化合成樹脂成形体を製造する場合の
上記の問題が解消されている。
【0024】本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造す
る方法は、シート状の繊維体で表面を覆った芯材を透明
材製の型内に配置し、型と芯材の間に設けられた空間部
分にレジントランスファーモールド法により紫外線硬化
性樹脂を注入してシート状の繊維体に樹脂を含侵させた
後、透明材製の型中に樹脂を保持したままで、透明材製
の型の外側から紫外線を照射して樹脂を紫外線硬化させ
ることを特徴とする。
【0025】本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造す
る方法は、例えば、最外層として、ガスバリア性とヒー
トシール性を有するフィルム層を有する真空断熱材のよ
うな熱に弱いコアの外部表面を繊維強化合成樹脂で被覆
して繊維強化合成樹脂成形体を製造するのに好ましく使
用できる。ゆえに、本発明の繊維強化合成樹脂成形体を
製造する方法において、芯材は、細孔部分が真空に保た
れた多孔質の芯材であって、その外部表面がガスバリア
性とヒートシール性を有するフィルムで覆われているこ
とが好ましい。このような多孔質の芯材、ガスバリア性
とヒートシール性を有するフィルム、多孔質の芯材の細
孔部分を真空にする方法、多孔質の芯材の外部表面をガ
スバリア性とヒートシール性を有するフィルムで覆って
芯材の細孔部分を真空の状態に維持する方法について
は、本発明の第1実施態様の例示したものを全て好まし
く使用することができる。
【0026】本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造す
る方法では、芯材の外部表面を、繊維強化合成樹脂の強
化材となるシート状の繊維体で覆う。シート状の繊維体
は、好ましくは光透過性が高い繊維から作製された織布
である。具体的にはガラス繊維、またはビニロン、ポリ
エチレン、ポリアリレート等の熱可塑性樹脂繊維から作
製したロービングクロスまたはヤーンクロスであること
が好ましい。シート状の繊維体が織布である場合、繊維
体を構成する繊維は、径が9〜24μmの連続繊維であ
る。ガラス繊維の場合、ガラスは、通常Eガラスである
が、CガラスまたはSガラスであってもよい。シート状
の繊維体の大きさは、芯材の外部表面を覆うことが可能
な大きさを有する。シート状の繊維体が織布である場
合、芯材の展開形状よりも一回り大きく裁断されてい
る。
【0027】シート状の繊維体で外部表面が覆われた芯
材は、透明材製の型に配置される。型の透明材には、ア
クリル系の樹脂も含まれるが、繊維強化合成樹脂のマト
リクス樹脂として不飽和ポリエステル樹脂やビニルエス
テル樹脂を使用する場合、架橋用のスチレンモノマーを
含むため、このような型を使用することはできず、通常
ガラス製である。
【0028】図1に透明材製の型の具体例を示す。但
し、図1は、本発明に用いることができる型を例示した
ものであり、型の形状および各構成要素の配置はこれに
限定されない。図1において、型1は厚さ5mmの透明
なガラス板製であり、締め付け枠2により固定されてい
る。シート上の繊維体7で覆われた芯材6を被覆する繊
維強化合成樹脂の厚さは、スペーサ枠3によって型1の
内壁と芯材6との間隔を変えることで調節できる。図示
していないが、スペーサ枠3は、図の前後方向からも芯
材6をはさんでいる。繊維強化合成樹脂の厚さは、断熱
材の機能を損なうことなく、十分な強度を得ることがで
きる範囲で適宜選択でき、例えば、0.1mm〜10m
mの範囲で選択する。
【0029】スペーサ枠3には、繊維強化合成樹脂のマ
トリクスをなす紫外線硬化性樹脂を型1に注入するため
樹脂注入管4および脱気管5が接続されている。樹脂注
入管4は、レジントランスファーモールド用の樹脂注入
機(図示していない)と接続されており、樹脂注入機の
ポンプを作動させると樹脂注入管4に圧力が加わり、レ
ジントランスファーモールド法により、型1と芯材6の
間に設けられたシート状の繊維体7が存在する空間部分
に紫外線硬化性樹脂が注入され、空間部分が紫外線硬化
性樹脂で充填されることにより、シート状の繊維体7に
紫外線硬化性樹脂が含浸される。ここで紫外線硬化性樹
脂は、繊維強化合成樹脂のマトリクスとして使用される
樹脂と、紫外線硬化させるための紫外線硬化剤、紫外線
重合開始剤等の添加剤を併せたものを指している。型1
と芯材6の間に設けられた空間部分が紫外線硬化性樹脂
で充填されたことは、脱気管5からの紫外線硬化性樹脂
の上昇によって確認することができる。型1と芯材6の
間に設けられた空間部分への紫外線硬化性樹脂の注入が
完了すると、樹脂注入機および脱気管5は取り外され、
型1は空気が混入しないようにして密栓される。必要な
場合は脱気管5から型内部を減圧することによって紫外
線硬化性樹脂を注入してもよい。
【0030】ガラス製の型1は、強度が低く、樹脂注入
時の圧力によって膨張して破損する恐れがある。このた
め、紫外線硬化性樹脂の注入時には、ガラス製の型1の
外表面全体を覆う保持具(図示していない)で保持する
ことによって、紫外線硬化性樹脂の注入時の内圧に耐え
られるようにする。保持具は、通常は紫外線硬化性樹脂
の注入の終了後、紫外線硬化を行う前に取り外される。
紫外線硬化性樹脂の注入時にポンプから加えられる圧力
は、芯材6に過度の圧力がかからないように、型1内の
圧力が芯材6の耐えうる圧力限界値以下であることが好
ましく、具体的には1.5kgf/cm2 以下であるこ
とが好ましく、1.0kgf/cm2 であることが特に
好ましい。
【0031】繊維強化合成樹脂のマトリクスをなす樹脂
は繊維強化合成樹脂用の樹脂として使用されるものを広
く含み、具体的には、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂等が挙げられ
る。不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる不
飽和ポリエステルは、公知の方法により製造されるもの
でよく、具体的には無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸等の活性
不飽和結合を有していない飽和多塩基酸またはその無水
物とフマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン
酸等の活性不飽和結合を有している不飽和多塩基酸また
はその無水物、さらに必要に応じて安息香酸、アビエチ
ン酸、ジシクロペンタジエンマレートのごときモノカル
ボン酸を酸成分とし、これとエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シ
クロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアルコ
ール成分として反応させて製造されるものである。
【0032】ビニルエステル樹脂の原料として用いられ
るビニルエステルは、公知の方法により製造されるもの
であり、エポキシ樹脂にアクリル酸またはメタクリル酸
を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、
あるいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和ジカルボ
ン酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基
のポリエステルにα、β−不飽和カルボン酸エステル基
を含有するエポキシ化合物を反応させて得られるポリエ
ステル(メタ)アクリレートである。原料としてのエポ
キシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル及びその高分子量同族体、ノボラック型ポリグリシ
ジルエーテル類等が挙げられる。
【0033】飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基
を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピ
ン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸
としては、活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例
えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸等が挙げられる。多価アルコール成分としては、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,
3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメ
タノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等
の多価アルコールが挙げられる。α、β−不飽和カルボ
ン酸エステル基を含有するエポキシ化合物としては、グ
リシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
【0034】不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエス
テル樹脂には、前記の不飽和ポリエステルあるいはビニ
ルエステルに架橋用のスチレンモノマーが配合されてい
る。スチレンモノマーは、繊維強化合成樹脂の形成時の
強化材に対する樹脂の含浸性を高め、かつ成形された繊
維強化合成樹脂の硬度、強度、耐薬品性、耐水性等を向
上させるために重要であり、通常は不飽和ポリエステル
またはビニルエステル100質量部に対して10〜20
0質量部、好ましくは40〜90質量部使用される。ス
チレンモノマーの一部は、繊維強化合成樹脂硬化物の性
質を損なわない範囲でクロルスチレン、メチルメタクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート等の他の
重合性モノマーで代替し、使用することも可能である。
【0035】エポキシアクリレート樹脂は、フェノール
ノボラック型,クレゾールノボラック型,ビスフェノー
ルA型,ビスフェノールF型,水添ビスフェノールA
型,グリシジルエーテル型あるいはそれらのハロゲン化
エポキシ樹脂にアクリル酸やメタクリル酸などの感光基
を付加したものを使用することができる。
【0036】本発明では、型と芯材の間に形成される空
間に注入された液状の樹脂を紫外線硬化させるため、注
入される樹脂には紫外線硬化剤、または紫外線重合開始
剤が混合されている。紫外線硬化剤は、公知の紫外線硬
化剤を広く含み、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベン
ゾインメチルエーテル、アセトフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1
−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2
−モルホリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニ
ル)−ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、4,4’−
ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビ
ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N−ジメチ
ルアミノアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、
2−エチルアントラキノン、1−クロロアントラキノ
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサントン、2,4,6−トリクロロメチ
ル−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−4’−メトキシフェニル−s−トリアジン、2−
(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−p−メト
キシスチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s
−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリ
ル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾリル、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,
5,5’−テトラ−(p−メトキシフェニル)ビスイミ
ダゾリル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサ
イド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファ
イト、トリラウリル−トリチオホスファイト、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイド、(η5〜2,4
−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,
4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−
アイアン(1+)−ヘキサフルオロホスフェイト(1
−)などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を
組み合わせて用いることができる。
【0037】また、紫外線硬化剤は、硬化性樹脂100
質量部に対して0.1〜5.0質量部の量で添加する。
紫外線硬化剤の量が0.1質量部未満であると、充分な
重合・硬化反応が行われず、5.0質量部を超えると、
混合中に起こる反応により泡を巻き込みやすくなる。上
記の紫外線硬化剤は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸
エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソ
アミルエステル、トリエタノールアミン、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾー
ル、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプ
ト−5−メチルチオ−1,3,4−チアゾールなどの公
知の光増感剤の1種又は2種類以上と併用することもで
きる。注入時の紫外線硬化性樹脂の粘度は、注入時の取
扱い性のために低いことが好ましく、具体的には50〜
2000cPであり、70〜2000cPが好ましい。
【0038】紫外線硬化性樹脂の注入が完了すると、透
明材製の型中に樹脂を保持したままで、紫外線照射装置
を用いて透明材製の型の外側から紫外線を照射する。こ
こで紫外線照射装置とレジントランスファーモールド用
の装置とは別々の装置であって、コアを有する繊維強化
合成樹脂を透明材製の型中に入れたまま、レジントラン
スファーモールド用の装置から取り出して、紫外線照射
装置に設置することによって紫外線照射を行ってもよ
く、または、レジントランスファーモールド機能と紫外
線照射機能を併せ持った装置により、樹脂注入後そのま
ま紫外線照射を行ってもよい。透明材製の型は紫外線を
通過させるため、紫外線硬化性樹脂と織布の光屈折率が
一致または近くなるように予め設定しておけば、紫外線
を透過させることができ、紫外線照射によってシート状
の繊維体に含浸させた紫外線硬化性樹脂を硬化させるこ
とができる。紫外線照射装置は、繊維強化合成樹脂の硬
化に通常用いられる装置であればよく、水銀ランプ、キ
セノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ
等を紫外線照射源として用い、200〜450nmの波
長の紫外線を含む強度1〜120mWの光線を照射する
ことで紫外線硬化性樹脂が硬化して、繊維強化合成樹脂
成形体が製造される。
【0039】本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造す
る方法では、シート状の繊維体で外部表面が覆われた芯
材を、透明材製の型内に配置して、レジントランスファ
ー法によりシート状の繊維体に紫外線硬化性樹脂を含侵
させた後、樹脂を紫外線硬化させるため、樹脂の硬化に
よる温度上昇があっても、加熱硬化とは異なり、型内の
温度が著しく上昇することがなく、熱に弱い芯材の外部
表面を繊維強化合成樹脂で被覆して繊維強化合成樹脂成
形物を製造する場合でも上記のような問題を生じない。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。平面が1辺200mmの正方形で厚さが15mmの
直方体の形状をした図2に示す構造の真空断熱材(コ
ア:発泡ポリウレタン、熱バリア性を有するフィルム:
アルミ箔、ヒートシール性を有するフィルム:ポリエチ
レン、真空度:0.1Torr、真空度0.1Torr
での熱伝導度:0.004W/m・K)を、真空断熱材
の全周囲を包むのに十分な大きさに裁断したガラス繊維
の平織基布(目付け120g/m2 )で覆い、図1に示
す透明材製の型に設置した。同図において、型1は厚さ
5mmのガラス板製であり、締め付け枠2によって固定
されている。織布7で覆われた真空断熱材6を被覆する
繊維強化合成樹脂の厚さは、スペーサ3により型1の内
壁と織布7で覆われた真空断熱材6との間隔を変えるこ
とで調節する。本実施例では、繊維強化合成樹脂被覆膜
厚は、平面部で0.2mm、側面部で2.5mmになる
ように、型の1内壁と織布7で覆われた真空断熱材6と
の間に空間を設けた。なお、図示していないが、スペー
サ3は、図の前後方向からも織布7で覆われた真空断熱
材6をはさんでいる。樹脂の注入は、スペーサ枠3と接
続した樹脂注入管4によって行われ、スペーサ3の反対
側には、樹脂の注入のため脱気管5が接続されている。
樹脂は、粘度約200cPのエポキシアクリレートを使
用し、これに紫外線硬化剤(イルガキュア1800、チ
バスペシャリティケミカルズ株式会社製)をエポキシア
クリレート100質量部に対して0.5質量部になる量
で添加して紫外線硬化性樹脂とし、ポンプ(図示してい
ない)を用いて0.5kgf/cm2 の圧力をかけて樹
脂注入管から型内部に注入した。型内部に紫外線硬化性
樹脂が充填されたことは、脱気管から樹脂が上昇したこ
とにより確認した。紫外線硬化性樹脂の注入に要した時
間は4分間であった。なお、樹脂注入時、内圧によりガ
ラス製の型1が破損しないように、型1の外表面全体を
覆う保持具(図示していない)で保持していた。樹脂成
分の注入後、迅速にポンプおよび脱気管5を取り外し、
空気を巻き込まないようにして型を密栓した。次に樹脂
が充填された状態で型1をレジントランスファーモール
ド用の装置から取り出し、紫外線照射装置(図示してい
ない)に設置した。型1に対して被照射照度40mW、
有効照射面積600mm×800mmで紫外線を照射し
て、樹脂を紫外線硬化させた。樹脂の硬化に要した時間
は150秒であった。照射終了後、型を照射装置から取
り出し、脱型することにより良好な外観の繊維強化合成
樹脂で被覆された真空断熱材が得られた。同一の基布お
よび樹脂成分を用いて、同一の厚さの繊維強化合成樹脂
平板を製造し、硬化時の型内部の温度を測定したとこ
ろ、硬化時の最高発熱温度は86℃であり、最高発熱温
度に到達するまでに要した時間は132秒であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の真空断熱材は、最外層として繊
維強化合成樹脂層が存在することにより、従来の真空断
熱材の弱点であった、強度および耐衝撃性が改善されて
おり、圧力や衝撃が加わった場合、特に鋭い突起物が接
触した場合でも真空断熱材のガスバリアが破損すること
なく、真空性が損なわれない。また、繊維強化合成樹脂
層が存在することにより、高温の物体が接触した場合で
も、多孔質の真空断熱材の細孔部分を真空の状態に維持
するガスバリア性とヒートシール性を有するフィルム層
フィルムに、高温の物体が直接接することが防止され、
耐熱性が改善されている。本発明の真空断熱材は、低い
熱伝導性を保持したままで強度、耐衝撃性および耐熱性
といった真空断熱性の特性が改善されているにもかかわ
らず軽量である。本発明の真空断熱材は、種々の断熱用
途に使用することができ、特に、走行時に絶えず振動を
受けるため耐衝撃性が求められ、しかも軽量であること
が求められる冷凍車の断熱材や、中に置かれた商品の出
し入れが頻繁に行われる商品のディスプレイ機能を兼ね
た業務用の大型冷蔵庫の断熱材に好ましく使用すること
ができる。また、本発明の真空断熱材は、冷凍コンテナ
用、LNG・LPGの貯蔵容器用若しくはこれらガス用
のパイプカバー用、または住宅用の断熱材、具体的には
結露防止の外壁パネル用、床暖房用およびその他の住宅
用の真空断熱材として使用することができる。本発明の
繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法は、熱に弱い芯
材の外部表面を繊維強化合成樹脂を被覆して繊維強化合
成樹脂成形体を製造する際の上記の問題が解消されてい
る。本発明の繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法
は、本発明の真空断熱材を製造するのに好ましく使用す
ることができる。また、型と、配置する織布の形状を選
択することにより、所望の形状の繊維強化合成樹脂成形
体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レジントランスファーモールド法による樹脂
の注入および紫外線硬化を行うためのガラス製の型を示
す概念図である。
【図2】 従来の真空断熱材の1例を示す概念図であ
る。
【図3】 従来の真空断熱材の別の1例を示す概念図で
ある。
【符号の説明】
1:透明材製(ガラス製)の型 2:締め付け枠 3:スペーサー枠 4:樹脂注入管 5:脱気管 6:芯材(真空断熱材) 7:シート状の繊維体(織布) 8,12:多孔質の芯材 9,13:多層フィルム 10:ヒートシール 11:吸着剤 14:熱溶着性の樹脂体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中澤 仁 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 Fターム(参考) 3E070 AA02 AB32 NA01 NA04 3H036 AA01 AA08 AA09 AB18 AB23 AB25 AB28 AE02 AE04 AE13 3L102 MA01 MA02 MB32 4F204 AA21 AA44 AB04 AD16 AG20 EA01 EB01 EB11 EF01 EF05 EF27 EK17 EK18 EK24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状の繊維体で表面が覆われた芯材
    を、透明材製の型内に配置し、 前記型と前記芯材との間に設けられた、前記シート状の
    繊維体が存在する空間部分に、レジントランスファーモ
    ールド法により紫外線硬化性樹脂を注入して、前記空間
    部分を前記紫外線硬化性樹脂で充填し、 前記透明材製の型の外側から紫外線を照射して、前記紫
    外線硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする繊維強化
    合成樹脂成形体を製造する方法。
  2. 【請求項2】前記芯材は、細孔部分が真空に保たれた多
    孔質の芯材であり、 前記多孔質の芯材の外部表面は、ガスバリア性とヒート
    シール性とを有するフィルムで覆われている請求項1に
    記載の繊維強化合成樹脂成形体を製造する方法。
  3. 【請求項3】細孔部分が真空に保たれた多孔質の芯材
    と、 前記芯材の外部表面を覆う、ガスバリア性とヒートシー
    ル性とを有するフィルム層と、 前記フィルム層の外部表面を覆う繊維強化合成樹脂層と
    を有する真空断熱材。
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