JP2005036897A - 真空断熱材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空下での取り扱いが容易で、廃棄時の粉塵や、断熱性能を低下させるアウトガスを発生させることなく、かつ使用環境温度下での熱変形を生じさせない真空断熱材およびその製造方法、さらに、断熱性能を低下させることなく突合せることが可能な断熱部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 シート状プラスチック不織布からなる真空断熱材のコア材を備え、コア材がフィルム袋で真空パックされることを特徴とする真空断熱材。Tgまたは熱変形温度以上の温度で0.98〜98kPaの真空熱プレスをかけて真空パックすることを特徴とする真空断熱材の製造方法。さらに、真空断熱材を複数使用するときに、フィルム袋周縁部を突合せることを特徴とする断熱部材の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、缶飲料、紙パック飲料などの各種商品を加温、もしくは冷却して販売されるホット商品、コールド商品、またはアイスクリーム等に使用される冷蔵庫、自動販売機などといった、熱を遮る必要のある分野に用いる真空断熱材、その製造方法および真空断熱材を適用した断熱部材の製造方法に関する。
従来、冷蔵庫等に使用される断熱材には、ウレタンフォーム等による独立気泡体の発泡樹脂が用いられ、この樹脂に気泡を形成させるのに、熱伝導率の低いフロンガスを発泡剤として使用していた。ところが、発泡剤として使用されているフロンガスは、オゾン層の破壊や地球温暖化等の環境問題を引き起こす要因の1つとして取り上げられ、現在その使用が規制されている。したがって、このような発泡断熱材を使用した場合には、廃棄の際にフロンガスを回収する必要がある。
また、上記発泡断熱材よりも優れた断熱性能を有する真空断熱材が、宇宙機器や超伝導機器などの断熱手段として古くから用いられている。この真空断熱材は、フロンガスを使用しないという利点を有するとともに、容器中を真空にすることによって発泡断熱材に比べてさらに熱伝導率を低下させることが可能であり、極めて高い断熱性能を有するといった利点も併せ持っている。
真空断熱材は一般的に、金属/プラスチック積層フィルムまたはプラスチック多層フィルムなどといったガスバリア性に秀でたフィルム中に、水分や気体を吸着する水酸化カルシウム等のゲッター剤(吸着剤)とともに、パーライトやシリカ等の無機系粉末またはグラスファイバーやロックファイバー等の繊維からなるコア材を入れ、コア材内の空気を取り除くために真空パックして作製される(例えば、特許文献1参照)。コア材に無機系材料がよく使用されるのは、材料から生じるアウトガスが少ないことと、粒子径または繊維径がナノオーダーの材料を使用でき、熱伝達の熱輻射に効果があるためである。しかしながら、この無機系の微粉末や繊維等は、真空下で取り扱うのは容易ではなく、さらに粉塵の問題から、断熱材の解体廃棄の際には特殊な装置で個別回収する必要がある。
また、真空断熱材として、近年、硬質ウレタンを発泡して気泡を連通化させた連続気泡ウレタンや、押出成形し気泡を連通化させた発泡スチロール等を、必要な大きさにカットして、ゲッター剤とともにガスバリア性を有した容器内に入れ、内部を排気してから封止して、内部を真空状態に保持したものも使用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、連続気泡ウレタンの製法が2液の硬化反応であるため、反応時に残存した未反応物質に由来するアウトガスが発生し、真空断熱材の断熱性能を低下させるという問題がある。さらに、連続気泡の発泡スチロール等の有機発泡体においては、気泡を完全に100%連通化させたものを形成するのは困難であり、独立気泡が若干残ってしまい、イソブタン等の発泡剤から発生したCOが独立気泡内に残存するという現象が起こる。そのため、このような真空断熱材は、独立気泡内に残存したCOを起因とするアウトガスにより、断熱性能が徐々に低下するといった問題がある。
これらの問題点を解決するには、真空断熱材に用いられる容器内に、コア材とともにゲッター剤を封入し、発生するガスを吸着させて断熱性能の低下を防ぐことが不可欠となっているが、たとえゲッター剤を封入した場合であっても、アウトガスによる断熱性能の低下を完全に防ぐことは難しかった。
したがって、近年は、真空引きの際に大気圧により形状が変化せず、粉塵が発生することなく、また、発泡剤およびゲッター剤を必要とせずに、優れた断熱性能を有し、かつ断熱性能が低下しないような真空断熱材の開発が求められている。
さらに近年、真空断熱材のコア材に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムおよび金属等からなる反射板を複数積層した物を使用し、断熱材としての機能に加えて、電磁波や放射線のシールド性能を有するような断熱材などの開発も行われている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−88987号公報 特開2001−21094号公報 特開2000−266282号公報
したがって本発明は、前記従来技術の問題点を考慮し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、真空下での取り扱いが容易で、廃棄時の粉塵、および、断熱性能を低下させるアウトガスを発生させることなく、かつ、使用環境温度下での熱変形を生じさせない真空断熱材およびその製造方法、さらには、断熱性能を低下させることなく突合せることが可能な断熱部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべく、以下の通りの発明を提供する。
本発明の真空断熱材は、積層されたシート状プラスチック不織布からなるコア材とフィルム袋を備え、前記コア材およびフィルム袋が真空パックされることを特徴としている。
本発明の真空断熱材で使用されるシート状プラスチック不織布は、繊維径が50〜100μmで、かつ、0.98kPaで加圧した状態でのかさ密度が0.1〜0.5g/cmであることを特徴としている。
本発明の真空断熱材で使用されるシート状プラスチック不織布は、20℃での密度が0.1〜0.3g/cmで、Tgが60℃〜200℃または20℃の弾性率に対して60℃の弾性率の保持率が70%〜100%であることを特徴としている。
上記発明の内のいずれか1つの真空断熱材の製造方法が、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.98〜98kPaの範囲内の圧力で真空熱プレスをかけて真空パックする工程を含むことを特徴としている。
上記発明の内のいずれか1つの真空断熱材の製造方法が、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下で真空乾燥する工程と、
不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.98〜98kPaの範囲内の圧力で、真空熱プレスをかけて真空パックする工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明による断熱部材は、上記発明の内のいずれか1つの真空断熱材、断熱部材用基材、並びに、必要に応じて周枠およびスペーサーを備えることを特徴としている。
さらに、上記断熱部材の製造方法が、真空断熱材を断熱部材用基材に複数配置して断熱部材を形成するときに、真空断熱材のフィルム袋周縁部分を突合せる工程を含むことを特徴としている。
本発明によれば、真空断熱材のコア材にシート状プラスチック不織布を用い、一定条件下で真空断熱材を作製することにより、アウトガスを発生させることなく、かつ、使用環境温度下で熱変形をさせることなく、従来品に比べて同等以上の断熱性能、特に高温側での断熱性能を得ることができる上に、従来使用されていた無機粉末やフロンガス等を使用しないため、さらには、ウレタン注入などの突合せ方法を必要としないために、解体廃棄のみならず、リサイクルやリユースも容易に行うことが可能になる。
本発明は、上記の通りの特徴を有するが、以下にその実施の形態について説明する。
本発明の真空断熱材は、積層されたシート状プラスチック不織布からなるコア材を、フィルム袋で真空パックした構造で形成されている。
まずここで、真空断熱材のコア材について説明する。本発明のコア材であるシート状プラスチック不織布としては、繊維径が50〜100μmのものが好ましく、50μm〜70μmのものがより好ましく、50μm〜60μmのものが最も好ましい。また、不織布を0.98kPaで加圧した時のかさ密度が、0.1〜0.5g/cmであることが好ましく、0.1〜0.3g/cmであることがより好ましく、0.1〜0.2g/cmであることが最も好ましい。上記のような条件の不織布を選択すれば、真空乾燥および真空熱プレスを十分に行うことができ、真空断熱材として形成された後の、アウトガスによる断熱性能の低下を招くことはない。
また不織布のTgは、60℃〜200℃であることが好ましい。高温側のTgは、例えば、55℃の機器に適用する場合には60℃以上であり、100℃の機器に対しては105℃以上となる。なお、材料にTgが存在しない場合には、その熱変形温度をTgと位置づける。さらに、20℃の弾性率に対する60℃の弾性率の保持率が、70%〜100%存在していることが好ましく、90%〜100%存在していることがより好ましく、100%存在していることが最も好ましい。不織布が、これらの性能をさらに有するならば、温度依存性が少なく、かつ、例えば、20℃(低温)での熱伝導率が2.5mW/m・K、100℃(高温)では5.0mW/m・Kというような、優れた断熱性能を有する真空断熱材を作製することも可能である。さらに、高温でも大気圧に押しつぶされない強度を有し、収縮による内部圧力の上昇を引き起こすこともない。
以上の点を考慮すると、好ましい不織布の材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、生分解性プラスチックおよびポリエチレン等が挙げられる。本発明で使用される不織布は、これらの材料の内、1種単独で形成されていても、または2種以上から形成されていてもよいが、中でも、汎用性、コストおよび性能等を考慮すると、ポリエステルで形成されていることが最も好ましい。具体的には、日本バイリーン製のポリエステル不織布H−8004や、東レ製のポリエステル不織布K2040、K2040−2Sなどが挙げられる。また、必要に応じて、水分を除去したり、微細な真空漏れによって流入するガス等を吸着させて真空度を維持したりするために、水酸化カルシウム、活性炭、活性炭素繊維、シリカゲル、ゼオライトまたはモレキュラーシーブ等のゲッター剤をコア材内に共存させるか、フィルム袋自体に混在させてもよい。中でも、サエスゲッター社製のゲッター剤である、ゴンボゲッターを使用することが好ましい。
また、上記材料からなるシート状プラスチック不織布を本発明でコア材として使用する場合、不織布を何層かに積層して用いる。この場合、同種類の不織布を積層してもよく、あるいは、異なる種類の不織布をいくつか組み合わせて積層してもよい。このように、本発明の真空断熱材を使用すれば、無機系微粉末の断熱材に比べて、真空引きに注意を払う必要はなく、不織布の積層も、断熱材の解体廃棄も容易に行うことができる。さらに、不織布の積層枚数を調整すれば、適用箇所に合わせて熱抵抗を制御できるという利点も有している。
次に、本発明の真空断熱材について説明する。本発明の真空断熱材は、前述の積層されたシート状プラスチック不織布からなるコア材と、このコア材を収納し内部を真空に維持できるフィルム袋とから形成されている。
まず、本発明の真空断熱材の製造工程における好ましい実施態様を、図を用いて説明する。図1は、本明における真空断熱材の断面図の一例である。コア材4を、適当な大きさおよび形、例えば、四角形にカットし、所望の熱抵抗が得られように積層する。次に、このコア材をフィルム袋6内に挿入して図2に示す真空熱プレス装置10内に置き、コア材である不織布を熱収縮させ、かつ、コア材およびフィルム袋からのアウトガスを十分取り除くために、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下に到達後、0.5時間以上、真空乾燥を行う。なお、真空乾燥は、不織布のアウトガスを十分に取り除くことを目的としている。したがって、できる限り低い真空下で、できる限り長い時間、真空乾燥を行えば、アウトガスの発生は極めて少なくなる。しかし、高真空や超高真空にするには、極めて高額な真空乾燥装置が必要であり、また、真空乾燥時間が長ければ、生産効率も極めて悪くなること等を踏まえると、1.0〜13.3Pa、より好ましくは1.0〜8.0Pa、最も好ましくは1.0〜6.7Paの真空下、0.5〜20時間、好ましくは1.0〜20時間、より好ましくは5.0〜20時間、最も好ましくは10〜20時間といった条件で真空乾燥を行うことが望ましい。また、真空乾燥を行う際には、フィルム袋の挿入口は閉めない方がよい。これは、フィルム袋の挿入口を閉めてしまうと、真空引きに時間を要し、不織布内部のアウトガスを十分に吐き出せず、さらに、内部圧力を細部にわたって真空にできないためである。ついで、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.98kPa以上の圧力をかけて、1.0時間以上、真空熱プレスを行い、フィルム袋の挿入口を熱シールすることにより、本発明の真空断熱材2を形成する。なお、できる限り低い真空下、高い圧力および長い時間、真空熱プレスを行えば、アウトガスをさらに取り除け、かつ、フィルム袋内部の真空度を十分低く抑えることができる。しかし、この工程においても、高真空または超高真空下、高圧力をかけられるような真空熱プレス装置は、極めて高額であり、かつ、真空熱プレスの時間が長ければ、生産効率も極めて悪くなる。また、本発明の真空断熱材は、通常大気圧下(98kPa付近)で使用することを想定しているため、大気圧と同程度の圧力を加えて製造することが好ましい。これらのことを考慮すると、1.0〜13.3Pa、より好ましくは、1.0〜8.0Pa、最も好ましくは、1.0〜6.7Paの真空下、0.98〜98kPa、好ましくは50〜98kPa、より好ましくは70〜98kPa、最も好ましくは90〜98kPaの圧力下、0.5〜20時間、好ましくは1.0〜20時間、より好ましくは5.0〜20時間、最も好ましくは10〜20時間といった条件で真空熱プレスを行うことが望ましい。なお、前述した加圧の工程を、真空熱プレスの工程だけで行うのではなく、真空乾燥の段階から、前記のような加圧条件下で実施してもよい。また、この真空断熱材は、装置内の加圧を取り除いて、大気圧に戻してから取り出されるが、0.5時間以上かけて冷やし、コア材の温度を均一にしてから大気圧に戻して、真空断熱材を取り出した方がよい。上記のような製造条件であれば、使用環境温度下で熱変形することなく、またアウトガスによる断熱性能の低下を生じさせることはない。
ところで、上述した真空乾燥および真空熱プレスを図2に示した装置内で、同時に実施できない場合、あるいは、真空乾燥に10時間以上も要するので、生産効率等を考慮して、あえて真空乾燥と真空熱プレスとを二工程に分けたい場合には、次のような方法で実施すればよい。前記コア材をガスバリア性のフィルム袋6内に挿入し、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.5時間以上、図2に示す装置とは別の真空乾燥が可能な装置で真空乾燥を行う。このときも、1.0〜13.3Pa、より好ましくは1.0〜8.0Pa、最も好ましくは1.0〜6.7Paの真空下、0.5〜20時間、好ましくは1.0〜20時間、より好ましくは5.0〜20時間、最も好ましくは10〜20時間といった条件で真空乾燥を行うことが望ましい。ところで、袋自体からのアウトガスを取り除く上でも、上述のようにコア材と袋を同一に真空乾燥した方がよいが、先にコア材のみを真空乾燥してから、コア材をフィルム袋に挿入してもよい。ただし、この場合は、フィルム袋を事前に真空乾燥して袋自体のアウトガスを十分取り除いた方がよい。次いで、図2に示すような真空熱プレス装置10に移動し、装置のプレス部下段12bの温度を、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度にし、6.7Pa以下の真空下、0.5時間以上、真空乾燥をさらに行う。このときも、1.0〜13.3Pa、より好ましくは1.0〜8.0Pa、最も好ましくは1.0〜6.7Paの真空下、0.5〜20時間、好ましくは1.0〜20時間、より好ましくは5.0〜20時間、最も好ましくは10〜20時間といった条件で真空乾燥を行えばよい。なお、この場合も、フィルム袋の挿入口は閉めない方がよい。次に、同様の装置10により、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.98kPa以上の圧力をかけて、1.0時間以上、真空熱プレスを行い、フィルム袋の挿入口を熱シールすることにより、本発明の真空断熱材2を形成する。このときも、1.0〜13.3Pa、より好ましくは1.0〜8.0Pa、最も好ましくは1.0〜6.7Paの真空下、0.98〜98kPa、好ましくは50〜98kPa、より好ましくは70〜98kPa、最も好ましくは90〜98kPaの圧力下、0.5〜20時間、好ましくは1.0〜20時間、より好ましくは5.0〜20時間、最も好ましくは10〜20時間といった条件で真空熱プレスを行うことが望ましい。なおこの工程においても、前述した加圧の工程を、真空熱プレスの工程だけで行うのではなく、2度ある真空乾燥の段階から、前記のような加圧条件下でそれぞれ実施してもよく、場合によっては、どちらか一方の真空乾燥工程のみに実施してもよい。また、真空断熱材は、装置内の加圧を取り除いて、大気圧に戻してから取り出せるが、0.5時間以上かけて冷やし、コア材の温度を均一にしてから大気圧に戻し、その後、真空断熱材を取り出した方がよい。
本真空断熱材は、高温側50℃以上の条件下で使用されるケースを主に想定している。しかし、例えば、PET製不織布の弾性率は、その温度依存性のために60℃から急激に弾性率が低下してしまい、上記のような使用環境温度では、断熱材の熱変形を起こす可能性が高い。ところが本発明の方法のように、使用環境温度の最高温度以上で真空熱プレスして真空パックした場合、不織布の低弾性領域で加熱して、あらかじめ強制的に熱収縮を起こさせているので、使用環境温度での断熱材の熱収縮による熱変形を防ぐことができる。また、真空断熱材内の圧力が、100℃で1Paであれば、室温状態ではより圧力が低下し、真空断熱材内の熱伝導率をより低い状態に保つことができる。また、不織布によっては、圧縮された繊維がクリープ復元によって体積膨張するものがあり、この効果によって真空断熱材内の圧力をさらに低下させることができる。したがって、適当な不織布の選択、および上記のような製造条件であれば、20℃〜100℃での使用環境温度下では、熱伝導率の変化率を2倍程度までに抑えることができ、かつ、20℃での熱伝導率が3.5mW/m・K以下、85℃での熱伝導率が5.5mW/m・K以下、100℃での熱伝導率が7.0mW/m・K以下という、優れた断熱性能を有する真空断熱材を作製することが可能である。
フィルム袋6としては、ガスバリア性を有し、熱シール可能で、前記コア材を収納して内部を真空に維持できるものであれば、どのようなものでも用いることができるが、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、鉄などの金属薄板や、金属薄板とプラスチックフィルムとのラミネート材などがある。ラミネート材は、表面保護層、ガスバリア層、および熱溶着層によって構成されることが好ましい。表面保護層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが利用でき、さらに、耐折り曲げ性などを向上させるために、外側にナイロンフィルムなどを設けることが好ましい。ガスバリア層としては、アルミなどの金属箔フィルムや金属蒸着フィルムが利用可能であるが、断熱効果をより発揮するには金属蒸着フィルムが好ましい。この蒸着に使用されるフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどが好ましい。また、熱溶着層としては、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)などが使用可能である。具体的に好ましいラミネート材としては、ナイロン/アルミ蒸着PET/アルミ箔/高密度ポリエチレンや、PET/ナイロン/アルミ箔/CPPといった4層構造からなるガスバリア性のフィルム袋がある。なおフィルム袋は、上記のようなフィルムが、初めから袋の形状をしている物のみを指すのではなく、2枚のフィルムを重ねてその三方の周囲を密封した物、1枚のフィルムを折り曲げて、折れ部以外の二方を密封した物、または、チューブ状に作られたフィルムの一方を密封した物などでもよい。また、2枚のフィルムを使用する場合には、その2枚のフィルムは異なる種類であっても、異なる厚みであってもよい。
次に、本発明の真空断熱材を、断熱部材に適用する場合の一例を、図8を用いて説明する。
図8に、自動販売機に一般的に使用されるような、本発明の真空断熱材26を適用した断熱部材20の一構成例を示す。図8(c)は、図8(a)に示す断熱部材上面からa−a'の方向で切断したときの断面図を示したものであるが、断熱部材20は、断熱部材用基材22に本発明の真空断熱材26が、複数配置された構造をしている。また、図8(d)に示すように、断熱部材20を立てて使用するとき、真空断熱材26が崩れ落ちないように、スペーサー30で固定するか、または、断熱部材用基材のいずれかに、テープや接着剤等で固定し、上下を周枠28で覆うことによって、断熱部材20を作製している。従来は、真空断熱材26と断熱部材用基材22との間に、ウレタン等を注入して真空断熱材26を固定していたが、本発明は下記に示すような突合せ方法を適用することにより、ウレタン注入を行わなくても、同等以上の断熱性能を発揮できるようになった。なお、「断熱部材20」とは、自動販売機、冷蔵庫、ジャーポット、炊飯器、その他の保冷・保温機器の外面を覆い断熱性を保持させる部材、クーラーボックス、水筒、その他の保冷・保温容器の外面を覆い断熱性を保持させる部材、さらには、住宅、保冷倉庫、その他の建築用途で使用される断熱性の外壁材などといった、熱を遮る必要のある用途で使用される部材を指す。また、「断熱部材用基材22」とは、前述の断熱部材20の内の最外面に位置して、真空断熱材を支持する役割を有するものであり、図8に示すものは、自動販売機で使用されるようなボード状タイプのものである。この形状は、この他に、ジャーポットのような円筒状でも、炊飯器のような丸底状でも、または、クーラーボックスのような箱型状でもよい。さらに、図8(c)または(d)に示すような周枠28が、断熱部材用基材22に組み込まれて一体となった構造であってもよい。断熱部材用基材22および周枠28には、ポリエステルといった樹脂材料もしくはオレフィン系樹脂材料、またはステンレス等といった鋼板材料を、それぞれ個別に、もしくはそれぞれ組み合わせて使用することができる。また、図8(d)に示す、スペーサー30には、ゴム、バネ、シリコーン、その他の弾性材料、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、生分解性プラスチック、その他の樹脂材料等といった伝熱性の悪いプラスチックまたは植物性の材料を使用することができる。しかし、断熱部材用基材22と真空断熱材26とが、真空断熱材26が崩れ落ちない程度に接触するように組み立てられているか、または、断熱部材用基材22のいずれかに、テープや接着剤等で真空断熱材26が固定されているならば、スペーサー30は無くてもよい。
ところで、使用される真空断熱材は、1つの真空断熱材からなっていてもよいのだが、自動販売機等で使用される断熱部材は大面積であって、1つの大型真空断熱材を作製することは技術的に大変困難である。さらに、1つの真空断熱材の場合、密封部分が破損したときに、密封性がなくなって、真空断熱材全体が大気圧に戻ってしまい、断熱性能が極度に低下してしまう。したがって、大面積に真空断熱材を適用する場合、図8(c)および(d)のように、小型の真空断熱材を複数配置したタイプの方がよい。ただしこのような場合、断熱性能を低下させないように、各真空断熱材を突合せる方法が必要となる。
図9に、真空断熱材の突合せ方法をいくつか例示する。各真空断熱材40aおよび40bのフィルム袋周縁部を除いたコア部分同士の間隔は、フィルム袋周縁部の厚み以上(コア部分が接近できる最下限値)、30mm以下が好ましく、フィルム袋周縁部の厚み以上、10mm以下がより好ましく、フィルム袋周縁部の厚み以上、5mm以下が最も好ましい。なお、フィルム袋は一般的に、125〜200μm厚のものが使用される。この範囲内であれば、従来のウレタン注入による突合せ方法と同等以上の断熱性能を有することができる。さらに、各真空断熱材40aおよび40bのフィルム袋周縁部を、図9(a)に示すように、上下に、または両方とも上方もしくは下方に折り曲げて、コア部分を隣接させたり、図9(b)に示すように、各周縁部を折り重ねたり、丸めるなどした状態で、周縁部を上下に、または両方とも上方もしくは下方に折り曲げて、コア部分を隣接させたり、あるいは、図9(c)に示すように、各周縁部を折り曲げることなく、ただ単に周縁部同士を隣接させたり、または周縁部同士を重ねたりして、断熱部材用基材に配置すればよい。なお、周縁部が接しないようにあえて離して断熱材を配置してもよいが、断熱性能をより高めるためには、各周縁部が少なくとも接するような間隔で配置されていた方がよい。ここで、接している各周縁部を、接着剤、テープ、その他の接合材、または熱シールといった接合方法によって接合することができ、これは、空気の流れを止める役目を有する。なお、本発明においても、従来のウレタン注入を行ってもよいのだが、廃棄処理の問題等を考慮すると、ウレタン注入を行わないほうがよい。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
真空断熱材のコア材として、シート状プラスチック不織布である日本バイリーン製ポリエステル不織布H−8004を用いた。この不織布のかさ密度は0.3g/cmで、これをA4サイズに裁断して50層積層し、0.98kPaの圧力をかけた時のかさ密度は0.5g/cmであり、かつ、この状態での熱伝導率は、20℃で39mW/m・Kであった。50層積層した不織布を、PET12μm/ナイロン15μm/アルミ箔9μm/CPP60μmで構成されるAl箔付きプラスチックフィルム袋に挿入し、120℃、6.7Paの真空下で、2.5時間真空乾燥を行った。真空乾燥後、乾燥雰囲気で真空熱プレスおよび熱シールが可能な図2に示す装置に移動して、装置のプレス部下段12bの温度を100℃にし、6.7Paの真空下、0.5時間、真空乾燥をさらに行った。次いで、100℃の温度で、6.7Paの真空下、0.98kPaの圧力をかけて、0.5時間、該装置で真空熱プレスを行い、フィルム袋の挿入口を熱シールした。0.5時間以上かけて冷やし、コア材の温度を均一にしてから、装置内の加圧を取り除いて大気圧に戻して真空断熱材を作製した。
この実施例1の真空断熱材の熱伝導率は、20℃:4.5mW/m・K、60℃:5.5mW/m・K、80℃:6.5mW/m・Kであり、熱伝導率が20℃で22mW/m・Kといった従来の硬質ウレタンの発泡ボードと比較しても、温度依存性は少なく、かつ、断熱性能にも優れた真空断熱材であることが明らかとなった。
(実施例2)
シート状プラスチック不織布からなる真空断熱材のコア材として、東レ製ポリエステル不織布K2040を用いたこと、積層数を40層にしたこと以外は、実施例1と同様な方法により、真空断熱材を作製した。なお、このときに使用した不織布のかさ密度は0.13g/cmで、これをA4サイズに裁断して40層積層し、0.98kPaの圧力をかけた時のかさ密度は、0.25g/cmであり、かつ、この状態での熱伝導率は、20℃で32mW/m・Kであった。
この実施例2の真空断熱材の熱伝導率は、20℃:3.5mW/m・K、60℃:4.1mW/m・K、85℃:5.0mW/m・Kであり、実施例1と比較しても、温度依存性および断熱性能に優れた真空断熱材であることが明らかとなった。
続いて、本発明において真空熱プレスの直前に実施している、加熱下での真空乾燥の重要性を検討する実験を試みた。
(実施例3)
真空断熱材のコア材として、実施例1、2で使用した物の他に、東レ製ポリエステル不織布K2040−2Sを使用した。各不織布の諸物性を表1に示す。なお、表1中の圧縮率とは、真空パック前後の比容積から算出したものである。
Figure 2005036897
165×200×4mmの前記各種コア材を、それぞれ実施例1で使用したプラスチックフィルム袋200×300mmに挿入し、105℃の乾燥機で24時間乾燥を行った。次いで、乾燥させた試料を、図2の真空熱プレス装置に入れ、プレス部の加熱なしに、室温状態のまま、約1.0kPaの圧力をかけ、5Paの真空下で3時間放置した。その後、フィルム袋開放部分の熱シールを行い、大気圧開放して真空断熱材のサンプルを取り出した。
真空断熱材の上下を□100(100mm×100mm)の熱流計で挟み込み、上下の温度差が20.0℃になるように制御しながら、熱伝導率の測定を行い、その結果を図3に示す。なお、図中の平均温度とは、上下の熱流計の温度の和の中間値を指し、例えば、上部が40℃、下部が20℃の場合、温度差は20℃であるが、その平均温度は、総和60℃の中間の30℃となる。
測定の結果、20℃では、3mW/m・K台の値が出ており、冷蔵庫などの室温以下の使用には十分であるが、50℃以上、特に95℃といった、湯沸かし器で使用するような分野では、優位でないことが判明した。
そこで次に、温度に対する熱伝導率の変化率が一番大きかったコア材H8004を使用し、真空乾燥に加熱の工程を加えた場合の効果について検討を行った。
(実施例4)
165×200×4mmのコア材H8004を、実施例1で使用したプラスチックフィルム袋200×300mmに挿入し、1.06kPaの圧力を加えて、80℃、105℃、120℃の各種温度で2.5時間乾燥を行った。次いで、乾燥させた試料を、図2の真空熱プレス装置に入れ、プレス部下段の温度をそれぞれ80℃、105℃、120℃に加熱し、1.06kPaの圧力をかけ、1分後に10Pa、60分後に1〜2Paとなるように真空引きを実施した。その後、フィルム袋開放部分の熱シールを行い、大気圧開放して真空断熱材のサンプルを取り出した。
図4にプレス部温度が異なるときの熱伝導率の測定結果を示す。なお、熱伝導率の測定は、実施例3と同じ条件で行った。その結果、真空熱プレスを行うときに、プレス部の温度を上げておくことにより、初期性能をほぼ維持した状態で温度依存性の少ない真空断熱材を作製できることが明らかとなった。特に、高温側での熱伝導率が大幅に改善されていることが図4より確認できる。
次に図5に、図4の測定結果に基づいて、各プレス部温度における平均温度20℃と60℃との熱伝導率の差を、その温度差40℃で割った場合のデータを示す。この図5からも明らかなように、プレス部の温度を上げることにより、高温側における熱伝導率の温度特性が改善されたことが示唆される。プレス部の温度を上げることにより、高温側の熱伝導率の温度特性が改善された理由としては、不織布中のアウトガスが抜けやすくなった効果と、高温でパックしたことでパック温度から室温に戻る際に生じる残存気体の体積収縮による効果とが合わさった相乗効果によるものと推測される。
以上の結果から、本発明の真空断熱材を作製する上で、プレス部の温度を上げることは、極めて重要なファクターであると言える。
次に、かさ密度の異なるコア材H8004とK2040−2Sを使用し、種々の条件で作製した真空断熱材の熱伝導率の影響を検討した。
(実施例5)
165×200×4mmのコア材H8004を、実施例1で使用したプラスチックフィルム袋200×300mmに挿入し、120℃で2.5時間乾燥を行った。次いで、乾燥させた試料を、図2の真空熱プレス装置に入れ、1.06kPaの圧力をかけ、プレス部下段の温度を120℃に加熱し、2Paの真空下で1時間放置した。放置後、75℃となったサンプルのフィルム袋開放部分を熱シールし、大気圧開放して真空断熱材のサンプルを取り出した。
(実施例6)
165×200×4mmのコア材K2040−2Sを、実施例1で使用したプラスチックフィルム袋200×300mmに挿入し、次いで、乾燥させた試料を、図2の真空熱プレス装置に入れ、1.06kPaの圧力をかけ、プレス部下段の温度を120℃に加熱し、2Paの真空下で1時間放置した。放置後、75℃となったサンプルのフィルム袋開放部分を熱シールし、大気圧開放して真空断熱材のサンプルを取り出した。
実施例5によって作製されたサンプルの熱伝導率および真空熱プレス前の20℃大気圧下で測定したコア材の熱伝導率を図6に示し、また、実施例6によって作製されたサンプルの熱伝導率および真空熱プレス前の20℃大気圧下で測定したコア材の熱伝導率を図7に示す。なお、熱伝導率の測定は、実施例1と同様の方法で行ったが、平均温度が85℃の場合のみ、装置の関係上、温度差10℃で実施した。
図6および図7の平均温度100℃における推定値からも明らかなように、積層した不織布のかさ密度が小さい方が、優れた断熱性能を有する真空断熱材を得られることが分かった。
ところで、真空断熱材を複数基材に配置するとき、フィルム袋周縁部の突合せかたによって断熱性能が大幅に変化する。そこで次に、真空断熱材の突合せ方法の違いによる断熱性能の影響を検討した。なおこの検討において、図9に示すような3種の突合せ方法を例示しているが、本発明の突合せ方法は、この方法に制限されるものではない。
(実施例7)
まず、実施例1の方法によって作製された300×200×約5mmの真空断熱材26を、図8に示すような、自動販売機で使用される大型の1200×600mmの断熱部材用基材22に6枚配置して、断熱部材20を作製した。
この際、図9(a)で示されるように、各真空断熱材40aおよび40bのコア材同士の間隔を1〜2mmにして、フィルム袋の周縁部をそれぞれ上下に突合せた。
(実施例8)
実施例7による断熱部材を作製する際、図9(b)で示されるように、各真空断熱材40aおよび40bのコア材同士の間隔を10mmにし、フィルム袋の周縁部を丸めて、それぞれ上下に折り曲げた。
(実施例9)
実施例7による断熱部材を作製する際、図9(c)で示されるように、各真空断熱材40aおよび40bのコア材同士の間隔を30mmにして、フィルム袋の周縁部同士を突合せた。
(比較例1)
1200×600mmの断熱部材用基材に、厚さ約5mmの硬質ウレタンの発泡ボードの単板を配置して、断熱部材を作製した。
実施例7〜9の方法による真空断熱材の突合せ箇所および比較例1の発泡ボードの熱伝導率の評価を行い、断熱性能について検討を行った。真空断熱材の突合せ部分および発泡ボードの上下を□100(100mm×100mm)の熱流計で挟み込み、上下の温度差が10.0℃になるように制御しながら、熱伝導率の測定を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2005036897
表2より、真空断熱材を複数使用する場合、実施例8および9のような方法を用いれば、比較例1と同程度の断熱性能を得ることができるが、実施例7の方法ならば、比較例1よりも36%も断熱性能を向上できることが明らかとなった。つまり、硬質ウレタンの発泡ボードの単板といった慣用の断熱材と比較した場合でも、本発明のような突合せ方法で真空断熱材を断熱部材用基材に配置すれば、同等以上の断熱性能を発揮できることが確認できた。
本発明における真空断熱材の断面図の一例である。 本発明の真空熱プレス装置の概略図の一例である。 種々の不織布を適用した真空断熱材の熱伝導率と平均温度との相関関係を示すグラフである。 不織布H8004を適用した真空断熱材を、種々のプレス部温度で作製した場合の熱伝導率と平均温度との相関関係を示すグラフである。 不織布H8004を適用した真空断熱材における、プレス部温度と熱伝導率の温度勾配との相関関係を示すグラフである。 実施例5の真空断熱材の熱伝導率と平均温度との相関関係を示すグラフである。 実施例6の真空断熱材の熱伝導率と平均温度との相関関係を示すグラフである。 (a)は、本発明の真空断熱材を適用した断熱部材の上面図であり、(b)は、当該断熱部材の正面図であり、(c)は(a)をa−a′の方向で切断したときの断面図であり、(d)は(b)をb−b′の方向で切断したときの断面図である。 本発明の真空断熱材の突合せ方法を例示した、(a)、(b)、(c)3種の形態の側面図である。
符号の説明
2 真空断熱材
4 コア材
6 フィルム袋
10 真空熱プレス装置
12a プレス部上段
12b プレス部下段
20 断熱部材
22 断熱部材用基材
24a コア材
24b フィルム袋周縁部
26 真空断熱材
28 周枠
30 スペーサー

Claims (7)

  1. 積層されたシート状プラスチック不織布からなるコア材とフィルム袋を備え、前記コア材およびフィルム袋が真空パックされることを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記シート状プラスチック不織布は、繊維径が50〜100μmで、かつ、0.98kPaで加圧した状態でのかさ密度が0.1〜0.5g/cmであることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記シート状プラスチック不織布は、20℃での密度が0.1〜0.3g/cmで、ガラス転移温度(Tg)が60℃〜200℃または20℃の弾性率に対して60℃の弾性率の保持率が、70%〜100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の真空断熱材。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法であって、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.98〜98kPaの範囲内の圧力で真空熱プレスをかけて真空パックする工程を含むことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法であって、不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下で、真空乾燥する工程と、
    不織布のTgまたは熱変形温度以上、使用限界温度以下の温度で、6.7Pa以下の真空下、0.98〜98kPaの範囲内の圧力で真空熱プレスをかけて真空パックする工程とを含むことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  6. 請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材、断熱部材用基材、並びに、必要に応じて周枠およびスペーサーを備えることを特徴とする断熱部材。
  7. 請求項6に記載の断熱部材の製造方法であって、真空断熱材を断熱部材用基材に複数配置して断熱部材を形成するときに、真空断熱材のフィルム袋周縁部分を突合せる工程を含むことを特徴とする断熱部材の製造方法。
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