JP2003154475A - 鋼材のレーザ溶接接合体 - Google Patents
鋼材のレーザ溶接接合体Info
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Abstract
ブローホールや低温割れ等の欠陥の発生がない、鋼材の
レーザ溶接接合体(溶接継手)を提供する。 【解決手段】 レーザ溶接により一体化された鋼材同士
の接合体において、該接合体における溶接金属の30%
以上がオーステナイト組織で占められ、かつ該溶接金属
中に100ppm以上のNが含有されるようにする。
Description
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】鋼材同士の接合は、一般のアーク溶接、
或いは電子ビーム、レーザビームなどの高エネルギー密
度ビーム溶接により広く行われている。なかでもレーザ
溶接は深溶込みの高速溶接が可能であり、また電子ビー
ムのように真空を必要とせず高能率な溶接を達成できる
手法として注目をあびている。また大容量のレーザ溶接
機も製作され厚鋼板の溶接も可能となった。しかし、レ
ーザ溶接には以下の2つの問題がある。 【0003】その第一は、気孔に起因するブローホール
等の欠陥が発生し易い問題である。レーザビームによる
深溶込み溶接においては、被溶接材である金属がレーザ
ビームにより蒸発し、蒸発反力と蒸気圧によりキーホー
ルと呼ばれる空洞が材料中に形成される。キーホールは
金属蒸気により満たされており、キーホール口から蒸気
は外部に噴出している。このようにレーザ溶接では、キ
ーホールと呼ばれる非常に不安定な溶融池が形成され、
気孔に起因するブローホール等の欠陥が発生し易い問題
がある。 【0004】第二は、溶接金属部が非常に狭いため冷却
速度が速く、溶接金属部が硬化して靭性が低下する問題
である。鋼材には量の大小はあるにせよ必須の含有元素
としてCが含まれること、また通常のアーク溶接に比較
して冷却速度が速いことから、これら両因子が重畳して
マルテンサイト変態による溶接金属の低温割れが発生し
易い問題である。 【0005】従って、レーザ溶接を実用化するために
は、特にブローホール発生防止と低温割れ防止を両立
し、適切な強度の溶接継手を得ることが必要となる。更
に、溶接そのものが安定して行えなければ、生産性を極
めて重視する分野においては実用化ができない。 【0006】このような問題点を解決することを目的
に、産学ともにレーザ溶接金属の欠陥防止と靭性向上に
関する研究が盛んに行われており、提案されたものがあ
る。 【0007】まずブローホールと言われる溶接欠陥を防
止する方法として、例えば特開平9−314368号公
報には、シールドガスの巻き込みにより発生するブロー
ホールを抑制する方法として、レーザビームの波長を
8.2μm以下に制限し、かつシールドガスの組成とし
て窒素を体積比率で5%以上含有させる方法が提案され
ている。しかしながら本方法では、溶接欠陥を防止する
方法は記載されているが、溶接金属の靭性を向上させる
手法については記述がない。 【0008】また溶接金属の靭性を向上させる方法とし
て、例えばフィラー材料を供給しながらレーザ溶接する
方法(特開平9−122957号公報、特開平6−67
0号公報)、レーザ溶接する鋼板母材の化学成分と焼入
れ臨界直径Di値を制御する方法(特開平8−2762
86号公報、特開平10−94890号公報)、レーザ
溶接する鋼板母材の化学成分と組織パラメータ(結晶粒
径や第2相組織分率)や機械的特性(均一伸びと局部伸
び)を制御する方法(特開平11−293398号公
報)などが提案されている。しかしながら、いずれの方
法も溶接金属部の靭性や成形性改善に着目したものであ
る。この内、特開平8−276286号公報、特開平1
0−94890号公報、特開平11−293398号公
報に提案の方法では、鋼材中に含まれるMnの蒸気やN
が原因となりブローホールが発生すると解析し、ブロー
ホールを抑制するために、鋼材中に含まれるMnとNの
含有量を規制することが記述されている。しかしなが
ら、特開平9−314368号公報に記述されているよ
うに、レーザ溶接で必須のシールドガスの巻き込みが原
因で発生する気孔欠陥に対しては、何ら対策が施されて
いないと言える。 【0009】以上のように、従来のレーザ溶接方法並び
に溶加材では、欠陥発生防止、溶接金属部の靭性向上の
点で不十分であり、これらを共に満足できるレーザ溶接
方法並びに溶加材は見あたらないのが現状である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】鋼材同士の接合に対し
ては、前述のレーザ溶接が適用できれば、溶込み深さ、
強度、生産性、歪みの面で有利と考えられる。しかしな
がら、レーザ溶接では、キーホールと呼ばれる非常に不
安定な溶融池が形成され、気孔に起因するブローホール
等の欠陥が発生し易い問題がある。また鋼材には量の大
小はあるにせよ必須の含有元素としてCが含まれるこ
と、また通常のアーク溶接に比較して冷却速度が速いこ
と、およびこれら両因子が重畳してマルテンサイト変態
による溶接金属の低温割れが発生し易い問題がある。従
ってレーザ溶接を実用化するためには、特にブローホー
ル発生防止と低温割れ防止を両立し、適切な強度の溶接
継手(接合体)を得ることが必要となる。更に、溶接そ
のものが安定して行えなければ、生産性を極めて重視す
る分野においては実用化ができない。 【0011】本発明は、かかる要請に応えるべくなされ
たものであって、その目的は、レーザ溶接による鋼材同
士の接合において、ブローホールや低温割れ等の欠陥の
ない溶接金属で構成される接合体を提供するものであ
る。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、鋼材同士のレー
ザ溶接による接合体における溶接金属に固有の組織およ
び成分を設定することによって鋼材同士の接合が可能で
あることを見出し、本発明を完成したものである。 【0013】すなわち、本発明は、レーザ溶接により一
体化された鋼材同士の接合体において、該接合体におけ
る溶接金属の30%以上がオーステナイト組織で占めら
れ、かつ該溶接金属中に質量割合で100ppm以上の
Nが含まれていることを特徴とする鋼材のレーザ溶接接
合体を要旨とする。以下、単に「○○ppm」は「質量
割合で○○ppm」を意味するものとする。 【0014】(作用)レーザ溶接では、キーホールと呼
ばれる非常に不安定な溶融池が形成され、気孔に起因す
るブローホール等の欠陥が発生し易い問題がある。また
一般の鋼材には強度改善を目的としてCが添加されてい
るため、このような鋼材を一般的なアーク溶接と比較し
て冷却速度が極めて速いレーザビームで溶接すると、溶
接金属中に含まれるCが原因となり、溶接金属は靭性の
乏しいマルテンサイトとなりやすく低温割れが発生し易
い問題がある。 【0015】上記問題のない溶接金属を得るには、溶接
金属が、30%以上オーステナイト組織でしめられて
いること、溶接金属が100ppm以上のNを含有し
ていること、をともに満たすことにより実現される。 【0016】すなわち、溶接金属の30%以上がオース
テナイト組織で占められていることにより、マルテンサ
イト変態による低温割れがない溶接金属が得られる。 【0017】また、溶接金属が100ppm以上のNを
含有することにより、溶融金属に溶解した窒素が溶接金
属中に凍結され、ブローホールのない溶接金属が得られ
る。また、Nはオーステナイト形成能力が高いため、溶
接金属のオーステナイト化を促進し、低温割れを防止す
る効果がある。 【0018】したがって、溶接金属が30%以上オース
テナイト組織で占められ、かつ100ppm以上のNを
含有することにより、ブローホール発生防止と低温割れ
防止を両立でき、接合強度に優れた接合体が得られるの
である。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の接合体における溶接金属
の組織およびN含有量の限定理由、およびそのような組
織およびN含有量の接合体を得る方法や条件について、
詳細に説明する。 【0020】 溶接金属の組織について 溶接金属の30%以上がオーステナイト組織で占められ
ていることとするのは、以下の理由による。 【0021】溶接金属の組織をオーステナイト化するこ
と、すなわちマルテンサイト変態を抑制することにより
低温割れが防止できる。しかし、必ずしも完全にオース
テナイト組織とする必要はなく、所定割合以上のオース
テナイト組織とすることで十分に低温割れ防止効果が得
られる。したがって、後述の実施例の結果等に基づい
て、オーステナイト組織の割合を30%以上に限定す
る。 【0022】ここに「溶接金属の30%以上がオーステ
ナイト組織で占められていること」とは、溶接金属の組
織が、30%以上のオーステナイト組織と残部が主とし
てマルテンサイト組織の混合組織で構成されている場
合、オーステナイト組織のみで構成されている場合の両
方を含むものである。 【0023】このような組織は、鋼材の成分や溶加材の
供給速度にもよるが、例えばC、Ni、Mn等のオース
テナイト形成元素を、Cr、Mo、Siを代表とするフ
ェライト形成元素に対し、適正な比率にて含有させた溶
加材を溶融金属中に連続的に供給したり、あるいは予め
開先面間にインサートして溶接を行うなどにより形成可
能である。 【0024】 溶接金属中のN含有量について 溶接金属中のN含有量を100ppm以上とするのは、
以下の理由による。 【0025】レーザ溶接では一般に、大気中に含まれる
酸素と溶融金属との反応を防止することを目的に、ヘリ
ウム,アルゴンといった不活性ガスがシールドガスとし
て汎用されている。しかしながら、これら不活性ガスは
一旦キーホール内に捕捉され溶融金属内に巻き込まれる
と、溶融金属が凝固するまでに外部に排出されないと溶
接金属中に残留してブローホール欠陥の原因となる。 【0026】一方、シールドガスに窒素を用いると、ヘ
リウムやアルゴンといった不活性ガスでシールドされて
いる場合とは異なり、窒素は溶融Fe合金中に溶解する
ためブローホールの原因とはなりにくいのである。一般
にアーク溶接では、窒素はブローホールの原因になると
して、できるだけ窒素が溶融金属中に接触しないように
する努力が図られている。これはアーク溶接のように冷
却速度が遅い場合の現象であり、このように溶接後の冷
却速度が遅い場合には、溶融Fe合金中に溶解した窒素
は冷却に伴う溶解度減少に伴い、折角、ブローホールの
原因となる窒素が溶融Fe合金中に溶解しても、冷却過
程で気泡が発生してしまい、ブローホールの原因となっ
てしまう。本発明の従来知見との差異は、レーザ溶接の
ように溶接後の冷却速度が極めて速い場合には、アーク
溶接の場合とは異なり、溶融Fe合金中に過飽和に溶解
した窒素を、溶接後の冷却過程でも過飽和のまま凍結で
きることである。 【0027】しかし、例え熱源としてレーザビームを用
いても、例えば被溶接材である鋼材の予熱温度を高めた
場合や溶接入熱が過大な場合など溶接後の冷却速度が極
めて遅くなると、溶融金属中に溶解した窒素を凍結でき
ないため、ブローホールが発生してしまう。 【0028】したがって、レーザ溶接により形成された
溶接金属中のブローホール欠陥を抑制するためには、一
旦溶融金属中に溶解した窒素をそのまま冷却過程におい
ても溶接金属中に凍結することがポイントとなる。すな
わち、溶接金属中のN含有量を所定値以上として、窒素
をできるだけ溶接金属中に凍結する必要がある。したが
って、後述の実施例の結果等に基づいて、溶接金属中の
N含有量を100ppm以上に限定する。なお、N含有
量が過剰になると溶接金属にブローホール欠陥が発生す
る可能性が高まるため、100〜1000ppmとする
ことが好ましく、100〜800ppmとすることがさ
らに好ましい。 【0029】なお、本発明ではブローホール抑制を目的
に溶接金属中に窒素を強制固溶させることをポイントと
しているが、NはCと同様にオーステナイト形成能力が
高く、溶接金属のオーステナイト化ともなう低温割れ防
止にも効果を発揮する。 【0030】溶接金属中にNを多量に固溶させるために
は、例えばMnやCrを含む溶加材を用いることが有効
である。溶融Fe合金中にMnやCrを添加すると窒素
の溶解度が上昇することが知られており、窒素吸収に極
めて有効に働くからである。両元素のうちCrは、本来
フェライト形成元素であるため溶接金属のオーステナイ
ト化を阻害する可能性があるが、C、Ni、Mn等のオ
ーステナイト形成元素を適正な比率で含有させれば問題
はない。 【0031】また、溶加材には、必要に応じて強力な脱
酸剤であるAl、Ti等が添加されることがある。これ
は先にブローホールの原因が主に不活性ガスであると延
べたが、例え窒素をシールドガスとして溶融金属に吹き
付けても完全に大気と遮断することは不可能な場合があ
る。その際、大気から混入される酸素が原因で発生する
ブローホールを抑制するためである。例えMn、Siを
含めたとしても、Mn、Siの脱酸剤だけではブローホ
ールの発生防止に対して不十分な場合には、Al、Ti
等の強力な脱酸剤を所定量添加することにより完全にブ
ローホールの発生を防止できる。したがって、溶接金属
中には0.15〜2.5%程度のAl、Ti等の脱酸剤
成分が含まれる場合がある。 【0032】以上述べたように、溶接金属の組織とN含
有量を規定することにより、ブローホールの発生を防止
するとともに低温割れを防止した靭性に優れる接合体が
得られる。 【0033】鋼材としては機械構造用炭素鋼や合金鋼
(NiCr鋼、NiCrMo鋼、Cr鋼、CrMo鋼、
Mn鋼、MnCr鋼など)、一般構造用圧延鋼材、建築
構造用圧延鋼材、溶接構造用圧延鋼材などが非限定的に
例示される。 【0034】レーザ溶接方法としては、熱源としてレー
ザを利用するものであれば、汎用のCO2、YAG、半
導体などのいずれのレーザ溶接方法でも適用可能であ
る。 【0035】 【実施例】(実施例1)SM490鋼材同士(100W
×500L×9t)の突き合わせレーザ溶接試験を実施
した。表1に示す2種類の化学成分のφ1.2mmの溶
加材(フィラーワイヤ)を用い、表2および表3に示す
条件でレーザ溶接を行った。なお、本実施例1では、鋼
材の予熱を行わず、シールドガスとしてAr、N2の2
種類を用いた。 【0036】 【表1】 【0037】 【表2】 【0038】溶接後、溶接金属部のX線と断面、および
浸透探傷検査によりブローホール欠陥(単に「欠陥」と
もいう。)と低温割れの有無を調査し、溶接金属に占め
るオーステナイト組織の割合を測定した。また、溶接金
属部より試験片を採取し、溶接金属中に固溶した窒素量
を測定した。なお、欠陥についてはX線検査によりビー
ド30mm長さあたりの欠陥数を測定し、欠陥が認めら
れなかったものを合格(○)とし、欠陥が存在するもの
を不合格(×)とした。調査・測定結果を表3に併記す
る。 【0039】 【表3】【0040】表3中の種々の溶接条件において、溶接金
属に占めるオーステナイト組織の割合が30%以上にな
り、かつ溶接金属中に固溶したN含有量が100ppm
以上の場合に、低温割れとブローホール欠陥の双方を防
止できることを確認した(No.6〜8、12〜1
4)。 【0041】一方、溶接金属に占めるオーステナイト組
織の割合、溶接金属に固溶したN含有量のいずれか、あ
るいは双方とも所定条件を満足しない場合には、低温割
れ、ブローホール欠陥のいずれか、あるいは双方ともに
発生する(No.1〜5、9〜11)。 【0042】すなわち、No.1、9は、溶接金属中の
オーステナイト含有量、N含有量ともに本発明の規定す
る条件を満足しない。そのため、低温割れとブローホー
ル欠陥がともに発生している。 【0043】また、No.2〜4、10、11は、溶接
金属中のオーステナイト含有量は本発明の規定する条件
を満足しているが、N含有量は満足していない。そのた
め、低温割れは防止できているものの、ブローホール欠
陥が発生している。 【0044】また、No.5は、溶接金属中のN含有量
は本発明の規定する条件を満足しているが、オーステナ
イト含有量は満足していない。そのため、ブローホール
欠陥は防止できているものの、低温割れが発生してい
る。 【0045】(実施例2)S45C鋼材同士(100W
×500L×12t)の突き合わせレーザ溶接試験を実
施した。溶加材としては、実施例1のフィラーワイヤと
異なり、表1に示すAの化学成分に調製した薄膜を用い
た。この薄膜を、図1に示すように予め溶接前に突き合
わせ開先面にインサートしておき、表4および表5に示
す条件でレーザ溶接を行った。なお、表4の溶加材供給
速度は、予めインサートした薄膜の量と溶接速度との関
係から、実施例1のフィラーワイヤの供給速度に換算し
た値である。本実施例2では、シールドガスをN2に固
定する一方、溶接後の冷却速度の影響を調査するため鋼
材(母材1)の予熱温度を種々変化させた。溶接金属部
の評価方法および判定基準は実施例1と同様である。 【0046】 【表4】 【0047】 【表5】 【0048】調査・測定結果を表5に併記する。表5の
比較例のうちNo.17、18は溶接金属中のオーステ
ナイト量は本発明の規定する条件を満足しており、低温
割れは発生していないが、溶接金属中のN固溶量が本発
明の規定する条件を満足しておらず、ブローホールが発
生した。鋼材の予熱温度が高く溶接後の冷却速度が小さ
いために、溶融Fe合金中に溶解した窒素が冷却過程で
溶解度の低下により気体として外部に放出され、凝固後
のN固溶量が低下したためと想定される。 【0049】また比較例のうちNo.19、20は溶加
材を添加しなかった場合の結果を示している。 【0050】No.19は鋼材を予熱しなかったため冷
却速度が極めて大きくなり、窒素は溶接金属中に凍結で
き、ブローホール欠陥の発生は回避できたものの、溶接
金属の組織はマルテンサイト主体となりオーステナイト
量が減少したため低温割れが発生した。 【0051】一方、No.20は鋼材を高温(400
℃)で予熱した例である。冷却速度が小さくなっため溶
接金属の組織がマルテンサイトからベイナイトへ変化
し、オーステナイト量が少ないものの低温割れは回避で
きたが、ブローホール欠陥の発生は抑制できなかった。 【0052】No.15、16は本発明例である。鋼材
の予熱温度が低いため溶接後の冷却速度が大きくなり、
溶融Fe合金中に溶解した窒素が過飽和状態で凍結さ
れ、凝固後の溶接金属中のN固溶量が本発明の規定する
条件を満足しており、ブローホール欠陥は発生しなかっ
た。溶接金属中のオーステナイト量も本発明の規定する
条件を満足していることから、低温割れも発生しなかっ
た。 【0053】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
レーザ溶接による鋼材同士の接合において、ブローホー
ルや低温割れ等の欠陥のない溶接金属で構成された接合
体を提供することができる。その結果、生産性のみなら
ず信頼性の高い接合技術を提供することができる。
況を示す説明図である。 【符号の説明】 1:母材 2:溶加材(薄膜) 3:レーザ取出ノズル 4:レーザビーム
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 レーザ溶接により一体化された鋼材同士
の接合体において、該接合体における溶接金属の30%
以上がオーステナイト組織で占められ、かつ該溶接金属
中に質量割合で100ppm以上のNが含有されている
ことを特徴とする鋼材のレーザ溶接接合体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001357594A JP3912491B2 (ja) | 2001-11-22 | 2001-11-22 | 鋼材のレーザ溶接接合体 |
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JP2003154475A true JP2003154475A (ja) | 2003-05-27 |
JP3912491B2 JP3912491B2 (ja) | 2007-05-09 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015526298A (ja) * | 2012-08-31 | 2015-09-10 | ポスコ | レーザ溶接方法及びこれを用いたレーザ溶接部材 |
CN111531278A (zh) * | 2019-02-06 | 2020-08-14 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 将钢激光焊接到延性铁上 |
-
2001
- 2001-11-22 JP JP2001357594A patent/JP3912491B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111531278A (zh) * | 2019-02-06 | 2020-08-14 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 将钢激光焊接到延性铁上 |
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