JP2003151995A - 接合型電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

接合型電界効果トランジスタおよびその製造方法

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JP2003151995A
JP2003151995A JP2001351043A JP2001351043A JP2003151995A JP 2003151995 A JP2003151995 A JP 2003151995A JP 2001351043 A JP2001351043 A JP 2001351043A JP 2001351043 A JP2001351043 A JP 2001351043A JP 2003151995 A JP2003151995 A JP 2003151995A
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sic
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JP2001351043A
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Inventor
Makoto Harada
真 原田
Kenichi Hirotsu
研一 弘津
Satoshi Hatsukawa
聡 初川
Kazuhiro Fujikawa
一洋 藤川
Takashi Hoshino
孝志 星野
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高コンダクタンスを確保しつつノーマリーオ
フを容易に実現し、かつ高温でも漏洩電流の少ないJF
ETおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ソースおよびドレインの両領域4の間の
電荷担体の経路に位置するチャネル領域5と、またチャ
ネル領域5に接して位置するp導電型半導体層2とを備
え、チャネル領域5が、n導電型のアンドープ層5a
と、そのアンドープ層中に厚さ方向にパルス状に突出す
る濃度分布を有するn導電型半導体層5bとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合型電界効果ト
ランジスタ(JFET:Junction Field Effect Transistor)
およびその製造方法に関し、より具体的にはチャネル領
域の不純物濃度分布を特別な分布とすることにより、高
温漏れ電流の抑止や高コンダクタンスを確保することを
図ったJFETおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、JFETでは、図8に示すよう
に、ソース電極Sに接続するn+導電型のソース領域1
04と、ドレイン電極Dに接続するn+導電型のドレイ
ン領域104とは、それより不純物濃度の低いn導電型
領域103で連続されている。とくに、n導電型領域1
03の中央部は、溝109の底部に厚さを薄くされたチ
ャネル領域107が設けられている。上記の構成は、p
+導電型半導体基板101の上に形成されたp+導電型層
102の上に接して設けられている。また、半導体基板
の裏面にはゲート電極Gが設けられている。
【0003】上記の構成のJFETを、たとえばスイッ
チング素子に用いる場合には、ゲート電極Gに負電位を
印加して、p+導電型薄膜102とチャネル領域109
とのpn接合に電圧を印加する。オフ状態を実現するた
めには、上記pn接合に逆バイアス電圧、すなわちp+
導電型領域の電位をマイナス電位として、n導電型領域
の電位をプラス電位とする。この逆バイアス電圧の印加
をp+n接合に加えることによりn導電型領域107,
103に空乏層を成長させ、チャネル厚さ全体を空乏層
で遮断する。一方、オン状態を実現するためには、ゲー
ト電圧をゼロまたは正電圧として、ソースドレイン間に
チャネル領域を電荷担体が移動するように電圧を印加す
る。
【0004】上述の説明では、JFETはノーマリーオ
ンであると仮定して説明を行った。すなわち、ソース、
ドレインおよびゲート電極に何も電圧を印加しなけれ
ば、チャネルに空乏層が張り出すことはなく、オン状態
が実現している。しかし、上記のp+n接合の拡散電位
が大きく、チャネル厚さが十分薄い場合、拡散電位に起
因する逆バイアス電圧により、チャネル領域の厚さ全体
にわたって空乏層が形成される。この場合には、ソー
ス、ドレインおよびゲート電極のいずれにも電圧を印加
しなくても、オフ状態が実現する。このような、電圧を
外部から印加しなくてもオフ状態が実現するJFETを
ノーマリーオフのJFETという。
【0005】上記のJFETは、半導体基板としてSi
C基板を用いると、耐圧性に優れた高速スイッチング素
子として用いることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、オン状態で流
せる電流はチャネル領域の厚さと幅と不純物濃度(キャ
リア濃度)で決まり、通常それほど大きな電流を流すこ
とはできない。また、電流を大きくするためにチャネル
領域の不純物濃度を高くすると、素子耐圧の低下をもた
らす場合がある。また、チャネル領域の不純物濃度を高
くすると、空乏層の張り出し厚さが小さくなりノーマリ
ーオフを実現することができなくなる。逆に、ノーマリ
ーオフを実現しようとすると、チャネル厚さを薄くし、
かつチャネル領域の不純物濃度を低くしなければならな
い。この結果、コンダクタンスが低くなることは避けら
れない。
【0007】一方、SiCなどの半導体の電子移動度を
向上させるために、図9に示すように、チャネル領域1
07のアンドープ層107aの中に、厚さ方向の濃度分
布がデルタ関数的な面状の半導体層107bを離散的に
持つ、いわゆるデルタドープの半導体層を持つMESF
ET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)
が提案されている(横川ら:第48回応用物理学関係連合
講演会 講演予稿集30a-E-13、またJ. of Applied Phy
sics,Vol89,p.1794.)。デルタドープの名前は、パルス
状またはスパイク状の分布を表わすデルタ関数に由来し
ている。したがって、上記の濃度分布をデルタドープま
たはパルスドープという場合もある。上記パルス状高濃
度半導体層を含むチャネル領域107は、SiC基板1
01の上に形成されたアンドープSiC層102の上に
形成されている。
【0008】上記MESFETでは、ソース電極S、ド
レイン電極Dはn+SiC層104とオーミック接続し
ているが、ゲート電極GとアンドープSiC層107b
とはショットキー接合されている。ゲート電極Gに印加
される信号により、ショットキー障壁の空乏層厚さが変
化して、ソース、ドレイン領域間を流れる電流が変化す
る。このようなデルタドープのチャネル領域を備えるこ
とにより、上記MESFETは高い電子移動度をもつこ
とができる。
【0009】しかしながら、電流をショットキー電極に
よって制御するMESFETでは、ショットキー接合の
障壁電位が低いために、温度上昇があると電流の漏れを
生じてしまう。また、上述のようにノーマリーオフ型で
は、ショットキー電極と半導体との接合部に自然発生す
る拡散電位により空乏層を張り出し、チャネルを遮断し
てオフ状態とする。ショットキー接合の拡散電位は1V
程度と低いために、空乏層の張り出し厚さは小さい。こ
のため、この空乏層によってチャネルを遮断させるため
には、チャネル厚さを相当薄くする必要がある。この結
果、チャネルオン抵抗が大きく、コンダクタンスが小さ
くなってしまう。
【0010】本発明は、高コンダクタンスを確保しつつ
ノーマリーオフを容易に実現し、かつ高温でも漏洩電流
の少ないJFETおよびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のJFETは、ソ
ースおよびドレインの両領域の間の電荷担体の経路に設
けられた第1導電型半導体のチャネル領域と、そのチャ
ネル領域に接して位置する第2導電型半導体領域とを備
えるJFETである。このJFETでは、チャネル領域
が、第1導電型のアンドープ層と、そのアンドープ層に
上下面を挟まれるように位置し、厚さ方向の濃度分布が
パルス状に突出する第1導電型半導体層とを備える(請
求項1)。
【0012】(第2導電型チャネル領域/第1導電型半
導体層)界面の拡散電位はショットキー接合の障壁電位
差より数倍大きい。たとえば、半導体にSiCを用いた
場合、Tiとのショットキー障壁電圧は1.1V〜1.
2Vである。これに比して、pn接合の拡散電位は約3
Vに達する。このため、ショットキー接合を用いるME
SFETよりも、高温での漏洩電流を各段に低くするこ
とができる。
【0013】また、厚さ方向パルス状の高濃度分布の第
1導電型半導体層の形成により、電気抵抗を減らしより
多くの電流を流すことができる。すなわち、高いコンダ
クタンスを確保することができる。さらに、チャネル領
域の最上層は第1導電型アンドープ層なので、ソース、
ドレイン領域を分ける溝をRIE(Reactive Ion Etchin
g)法でエッチングする場合、寸法誤差があってもオン抵
抗にほとんど影響しないようにできる。すなわち、高抵
抗層と低抵抗層とが並列接続されている場合、高抵抗層
に多少の変動があっても合成抵抗はほとんど影響は受け
ない。このため、RIEの加工精度の許容度を高め、製
造歩留まりを向上させることができる。また、電子移動
度もアンドープ層の濃度に依存するので、高い電子移動
度を確保することができる。なお、上記の厚さ方向にパ
ルス状に突出した濃度分布を持つ第1導電型半導体層
は、上記アンドープ層にその上下面を挟まれるように接
触されるかぎり、1層以上何層あってもよい。また、上
記パルス状に高濃度の層の厚さは、アンドープ層の数分
の一、たとえば、5分の1の厚さを有するようにする。
【0014】上記本発明のJFETでは、第2導電型半
導体領域が、半導体基板およびその半導体基板上に成膜
された薄膜のいずれかであり、チャネル領域が第2導電
型半導体領域の上に接して位置することができる(請求
項2)。
【0015】この構成により、チャネル領域の下面から
空乏層を張り出し、電荷担体の流れを容易に制御するこ
とができる。上記接合部に逆バイアス電圧を印加して空
乏層を張り出させるゲート電極は、たとえば次の配置を
有することができる。 (a)チャネルと反対側の半導体
基板の裏面にゲート電極を接続するバックゲート構造と
してもよいし、また(b)チャネルと同じ側のチャネル
の両脇の一方または両方にゲート電極を接続する構造と
してもよい。
【0016】上記本発明のJFETでは、第2導電型半
導体領域を、第1導電型半導体基板およびその半導体基
板の上に接して成膜された第1導電型半導体膜のいずれ
かに、イオン注入法および不純物拡散法のいずれかによ
り第2導電型不純物を導入して形成されたものとできる
(請求項3)。
【0017】p導電型SiC膜は、ボロンをドーパント
としてエピタキシャル成長法で形成するとき、マイクロ
パイプなどを多く含み、結晶性が非常に悪いものしかで
きない場合がある。また、アルミニウムをドーパントと
する場合、アルミニウムが成膜装置の内壁に堆積するた
め、定期的にクリーニングする必要があり、製造能率が
低下する。上記の製造方法により、半導体をSiCと
し、第2導電型をp導電型とした場合でも、結晶性の良
好なp導電型SiC層をチャネル領域の下に、間違いな
く高い生産性の下で形成することができる。この結果、
高温での漏洩電流を抑制することができる。
【0018】上記本発明のJFETでは、第2導電型半
導体領域を、半導体基板の上に接して半導体膜をエピタ
キシャル成長させる間に第2導電型不純物を添加して形
成した領域とすることができる(請求項4)。
【0019】この構成により、たとえばp導電型SiC
膜を重大な欠陥なくエピタキシャル成長させる条件を見
出すことができた場合などに、このp導電型SiC膜を
用いてJFETを形成することができる。
【0020】上記本発明のJFETでは、チャネル領域
の厚さが、チャネル領域と第2導電型半導体領域との接
合部の拡散電位で決まる空乏層の厚さよりも薄くするこ
とができる(請求項5)。
【0021】この構成により、(1)アンドープ層の第
1導電型不純物濃度と、(2)デルタドープ層の第1導
電型不純物濃度と、(3)第2導電型半導体層の第2導
電型不純物濃度とを調整して接合部の拡散電位を知り、
接合部においてチャネル側に張り出す空乏層の厚さを知
ることができる。この空乏層の厚さよりも(4)チャネ
ル領域の厚さを薄くすることにより、ノーマリーオフの
JFETを製造することができる。ノーマリーオフのJ
FETは、電気回路系に故障を生じ配電されない場合に
オフ状態とできるので、回路を複雑にすることなく回転
機等の制御に用いることができる。
【0022】上記本発明のJFETでは、半導体基板を
SiC基板とし、各半導体を構成する結晶をSiCとで
きる(請求項6)。
【0023】SiCは耐圧性能に優れ、電荷担体の移動
度も高いので、大電力の制御や大電力の高速スイッチン
グ素子に用いることができる。
【0024】本発明のJFETの製造方法では、ソース
とドレインとの両領域の間の電荷担体の経路にチャネル
領域を有し、そのチャネル領域を通過する電荷担体の流
れをゲート電圧によって制御する接合型電界効果トラン
ジスタの製造方法である。この製造方法は、n導電型S
iC基板またはそのn導電型SiC基板上に成膜された
n導電型SiC薄膜に、イオン注入法および拡散法のい
ずれかによりp導電型不純物を導入するか、またはSi
C薄膜のエピタキシャル成長中にp導電型不純物を添加
するかしてp導電型SiC層を形成する工程と、p導電
型SiC層の上に接してn導電型のSiCアンドープ層
と、そのSiCアンドープ層にその上下面を挟まれるよ
うに位置し、厚さ方向の濃度分布がパルス状に突出する
n導電型SiC層とを含むチャネル層を形成する工程と
を備える(請求項7)。
【0025】この製造方法により、結晶性に優れた厚さ
方向パルス状の高濃度分布の第1導電型半導体層の形成
により、高いコンダクタンスを確保したJFETを容易
に形成することができる。さらに、チャネル領域の最上
層は第1導電型アンドープ層なので、たとえばソース、
ドレイン領域を分ける溝を形成する場合、RIE(React
ive Ion Etching)法でエッチングするとき、寸法誤差が
あってもオン抵抗にほとんど影響しないようにできる。
すなわち、高抵抗層と低抵抗層とが並列接続されている
場合、高抵抗層に多少の変動があっても合成抵抗はほと
んど影響は受けない。このため、RIEの加工精度の許
容度を高め、製造歩留まりを向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態について説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1におけ
るJFETを示す断面図である。SiC基板1の上にp
+導電型SiC膜2が形成されている。そのp+導電型S
iC膜2の上に、アンドープ層である厚さ50nmのn
導電型SiC膜5aと、厚さ10nmの急峻な濃度分布
を有するn+導電型のパルス状層5bとが、交互に積層
されている。図2に、チャネル領域の厚さ方向のn導電
型不純物濃度の分布を示す。この積層領域がチャネル領
域5を構成する。n+導電型のパルス状層5bは、デル
タ層、パルス状層、またはスパイク状層と呼ぶこともあ
る。このデルタ層のn型不純物濃度のピーク値は、1×
1018cm-3である。アンドープ層のn導電型不純物濃
度は、このピーク値の濃度より数オーダー低い。チャネ
ル層5の最も上の部分およびp+導電型SiC膜2と接
する最も下の部分は、アンドープ層によって形成されて
いる。
【0027】チャネル層5の上に、分かれて位置するソ
ース電極S、ドレイン電極Dに接続するn+導電型領域
4、およびその下に位置してチャネル領域と接するn導
電型半導体領域3が配置されている。
【0028】図1の構造の場合、SiC基板の上に形成
されたp+導電型SiC膜の上にゲート電極Gが配置さ
れている。
【0029】上記の構造のJFETでは、p+導電型S
iC膜2とチャネル領域の最下層のアンドープ層5aと
の接合部に、約3Vの拡散電位を生じる。この拡散電位
は、上記接合部に逆バイアス電圧として作用するので、
MESFETのショットキー障壁電位による漏洩電流防
止に比べて、より高温まで確実に漏洩電流を抑制するこ
とができる。さらに、高濃度不純物のデルタ層の形成に
より、電気抵抗を減らし、より多くの電流を流すことが
できる。すなわち、高いコンダクタンスを確保すること
ができる。また、電子の移動度もアンドープ層の濃度に
依存するので、高い電子移動度を確保することができ
る。
【0030】上記図1の構造は、次の製造方法により製
造することができる。 (1)まず、n導電型SiC基板またはSiC基板上に形
成したn導電型SiC膜に、p導電型不純物をイオン注
入法により導入するか。またはp導電型不純物を添加し
ながらSiC膜をエピタキシャル成長して、p導電型S
iC層を形成する。この結果、結晶性の良好なp導電型
SiC膜を得ることができる。 (2)次いで、n導電型アンドープSiC層とパルス状n
導電型SiC層とを交互に形成する。チャネル領域の最
下層と最上層とはアンドープ層とする。パルス状のn導
電型不純物濃度のピーク値は、1×1018cm-3とす
る。 (3)この後、ソース、ドレイン領域となるn導電型Si
C層を成膜する。このn導電型SiC膜をRIE(React
ive Ion Etching)などのドライエッチングによりエッチ
ングすることにより、チャネル領域5をパターニングす
る。 (4)次いで、通常の方法により、チャネル領域の上にソ
ース、ドレインを分離して形成する。また、ゲート電極
Gをp+導電型SiC膜2の上に形成する。
【0031】上記の製造方法により、良好な結晶性のp
導電型SiC膜を得ることができる。
【0032】図3は、上記本発明の実施の形態1のJF
ETの変形例を示す図である。このJFETでは、Si
C基板にp導電型不純物を導入し、その上に直接、チャ
ネル領域5を配置している。
【0033】また、図4は、上記本発明の実施の形態1
のJFETの別の変形例を示す図である。このJFET
では、SiC基板には、p導電型不純物を導入し、p導
電型SiC基板とする。さらに、ゲート電極は、n+
電型SiC基板の裏面側にオーミック接続されたバック
ゲート構造とされている。このようなバックゲート構造
を用いることにより、JFETの2次元寸法を減らし、
小型化することが可能となる。 (実施の形態2)図5は、本発明の実施の形態2におけ
るJFETを示す断面図である。このJFETは、ノー
マリーオフ型のJFETであり、このため、パルス状濃
度の層は1層のみとしている。1層のパルス状高濃度n
型半導体層5bと、それを上下から挟むn導電型アンド
ープ層5aとからなるチャネル領域5の厚さは、ノーマ
リーオフが実現される厚さとされている。すなわち、チ
ャネル領域とp+導電型SiC層との接合部に発生する
拡散電位のために、この接合部に空乏層が発生し、所定
厚さだけチャネル領域に伸びる。この所定厚さの空乏層
によって、上記チャネル領域が遮断されるようにすれ
ば、ノーマリーオフのJFETが実現される。
【0034】上記の拡散電位は、SiCの場合、約3V
と比較的高い。MESFETにおけるショットキー電位
が1.1V〜1.2Vなので、それより数倍高い逆バイ
アス電圧を得ることができる。上記の空乏層の厚さは、
逆バイアス電圧に比例するので、JFETの拡散電位約
3Vのほうが、MESFETのショットキー電圧1.1
からよりも相当高いので、チャネル厚さを従来よりも厚
くしてJFETを形成することができる。このため、ノ
ーマリーオフのMESFETよりも、ノーマリオフのJ
FETのほうが、高いコンダクタンスを確保することが
できる。
【0035】図5のノーマリーオフのJFETも、基本
的に図1のJFETと同様な製造方法により製造するこ
とが可能である、図6は、上記本発明の実施の形態2に
おけるノーマリーオフのJFETの変形例を示す図であ
る。このJFETでは、SiC基板にp導電型不純物を
導入したp導電型SiC基板を用いている。このため、
SiC基板の上にp+導電型SiC膜を形成する必要が
ないので、1工程省略することができる。
【0036】また、図7は、上記本発明の実施の形態2
におけるノーマリーオフのJFETの別の変形例を示す
図である。このJFETでは、SiC基板にp導電型不
純物を導入し、p導電型SiC基板を用いている。さら
に、ゲート電極は、n+導電型SiC基板の裏面側にオ
ーミック接続されたバックゲート構造とされている。こ
のようなバックゲート構造を用いることにより、JFE
Tの2次元寸法を減らし、小型化することが可能とな
る。
【0037】上記において、本発明の実施の形態につい
て説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形
態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発
明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許
請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範
囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を
含むものである。
【0038】
【発明の効果】本発明のJFETおよびその製造方法を
用いることにより、高コンダクタンスを確保しつつノー
マリーオフを容易に実現し、かつ高温でも漏洩電流の少
ないJFETを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるJFETの断
面図である。
【図2】 チャネル領域の厚さ方向のn導電型不純物濃
度の分布を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1におけるJFETの変
形例の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1におけるJFETのさ
らに別の変形例の断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2におけるJFETの断
面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2におけるJFETの変
形例の断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2におけるJFETのさ
らに別の変形例の断面図である。
【図8】 従来のJFETを示す断面図である。
【図9】 従来のMESFETを示す断面図である。
【符号の説明】
1 SiC基板、2 p+導電型SiC膜、3 n導電
型SiC層、4 n導電型SiC層、5 チャネル層、
5a n導電型アンドープ層、5b パルス状高濃度n
型SiC層、S ソース電極、D ドレイン電極、G
ゲート電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 初川 聡 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 藤川 一洋 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 星野 孝志 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 5F102 FA02 GB01 GC01 GC02 GD01 GD04 GJ02 GL02 GL07 GL08 GL15 GL17 GL20 HC01 HC04 HC07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソースおよびドレインの両領域の間の電
    荷担体の経路に設けられた第1導電型半導体のチャネル
    領域と、そのチャネル領域に接して位置する第2導電型
    半導体領域とを備える接合型電界効果トランジスタであ
    って、 前記チャネル領域が、第1導電型のアンドープ層と、そ
    のアンドープ層に上下面を挟まれるように位置し、厚さ
    方向の濃度分布がパルス状に突出する第1導電型半導体
    層とを備える、接合型電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記第2導電型半導体領域が、半導体基
    板およびその半導体基板上に成膜された薄膜のいずれか
    であり、前記チャネル領域がその第2導電型半導体領域
    の上に接して位置する、請求項1に記載の接合型電界効
    果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記第2導電型半導体領域が、第1導電
    型半導体基板およびその半導体基板の上に接して成膜さ
    れた第1導電型半導体膜のいずれかに、イオン注入法お
    よび不純物拡散法のいずれかにより第2導電型不純物を
    導入して形成されたものである、請求項1または2に記
    載の接合型電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 前記第2導電型半導体領域が、前記半導
    体基板の上に接して半導体膜をエピタキシャル成長させ
    る間に第2導電型不純物を添加して形成した領域であ
    る、請求項1または2に記載の接合型電界効果トランジ
    スタ。
  5. 【請求項5】 前記チャネル領域の厚さが、前記チャネ
    ル領域と前記第2導電型半導体領域との接合部の拡散電
    位で決まる空乏層の厚さよりも薄い、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の接合型電界効果トランジスタ。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板がSiC基板であり、前
    記各半導体を構成する結晶がSiCである、請求項1〜
    5のいずれかに記載の接合型電界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】 ソースとドレインとの両領域の間の電荷
    担体の経路にチャネル領域を有し、そのチャネル領域を
    通過する前記電荷担体の流れをゲート電圧によって制御
    する接合型電界効果トランジスタの製造方法であって、
    前記n導電型SiC基板またはそのn導電型SiC基板
    上に成膜されたn導電型SiC薄膜に、イオン注入法に
    よりp導電型不純物を導入するか、またはSiC薄膜の
    エピタキシャル成長中にp導電型不純物を添加するかし
    てp導電型SiC層を形成する工程と、 前記p導電型SiC層の上に接してn導電型のSiCア
    ンドープ層と、そのSiCアンドープ層にその上下面を
    挟まれるように位置し、厚さ方向の濃度分布がパルス状
    に突出するn導電型SiC層とを含むチャネル層を形成
    する工程とを備える、接合型電界効果トランジスタの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006077674A1 (ja) * 2005-01-24 2006-07-27 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 接合型電界効果トランジスタ
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