JP2003151120A - 磁気テープおよび磁気テープ用ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気テープおよび磁気テープ用ポリエステルフィルム

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JP2003151120A
JP2003151120A JP2002071943A JP2002071943A JP2003151120A JP 2003151120 A JP2003151120 A JP 2003151120A JP 2002071943 A JP2002071943 A JP 2002071943A JP 2002071943 A JP2002071943 A JP 2002071943A JP 2003151120 A JP2003151120 A JP 2003151120A
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tape
vhs
recording
polyester film
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JP2002071943A
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Masaaki Ono
雅章 小野
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
Kazuyoshi Fukada
一吉 深田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 市販のVHS、D−VHSビデオテープレコ
ーダーを用いる録画において、録画時間24時間以上
(VHS)、70時間以上(D−VHS)の超長時間の
録画が可能となり、しかも画質が標準モード同等の良好
性を保つ磁気テープを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルム表面に強磁性金属
薄膜層が形成されてなる磁気記録テープであって、テー
プ厚さが9μm以下で、幅が12.65mmで、強磁性
金属薄膜層の厚さが180〜250nmである。アナロ
グ記録もデジタル記録も可能な磁気テープであり、特に
ビデオテープレコーダー用磁気テープとして有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常に長時間の録
画が現行のVHSビデオテープレコーダーで可能な磁気
テープ、該磁気テープの製造のために好適なポリエステ
ルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用のカセット型のビデオテープレコ
ーダー(VTR)は1975年のβフォーマットの登場
で始まり、1カセットで1時間の録画時間を有した。1
976年には1カセットで2時間の録画時間を有するV
HSフォーマットが誕生した。共にテープ幅は1/2イ
ンチであり、その後、VHSフォーマットではテープ走
行速度を低下させたり(1977年、2倍モード:2分
の1倍速で4時間録画。1978年、3倍モード:3分
の1倍速で6時間録画。5倍モード:5分の1倍速で1
0時間録画)、テープ厚みを薄くしたりして(1982
年、テープ厚さ20μmから14μmで160分テープ
T−160の登場等)録画時間を増大させてきた。19
87年にはVHSの高画質化タイプS−VHS(スーパ
ーVHS)が登場しアナログ記録での高画質化がなされ
てきた。またデジタル記録を可能としたD−VHS(デ
ジタルVHS)が1999年に実用化され、BSデジタ
ル放送のコンテンツをデジタルデータのまま録画/再生
できるようになった。2002年2月現在、D−VHS
テープの最長録画時間はDF480テープを用いるとD
−VHS規格のLS7(Low speed )モードで56時間
である。D−VHSテープはアナログのVHS録画対応
も可能であり、DF480テープを用いるとVHSの5
倍モードとしては20時間で、VHS標準モードとして
は4時間である。(デジタル録画としてはDF−480
の標準モードであるHSモードでは4時間、STDモー
ドでは8時間、LS3モードで24時間である。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の長時間録画対応
はテープ走行速度を低下させる手段によって実行されて
いるが、画質の劣化はまぬがれず、長時間録画が可能で
しかも画質の良いVHS用テープに対するニーズが存在
する。またVTRはテレビ放送の録画に用いるだけでな
く、監視ビデオ等のカメラ動画像の保存にも利用されて
おり、長時間録画保存の要求が大きいが、標準モードで
ない長時間録画モードは画質が不鮮明であり監視録画テ
ープを再生し、静止画とした場合には特に画像が不鮮明
である。このようなセキュリティー関連用途での録画テ
ープにおいても、長時間録画ができ、更に画質の良好な
VHS用テープに対して非常に高いニーズがある。
【0004】そこで、本発明の目的は、VHSの標準モ
ードで4時間30分以上、5倍モードで20時間以上、
D−VHSのLS7モードで57時間を越えるような長
い録画時間を持ち、テープ速度を低下させても画質の良
好な長時間録画用VHSビデオテープを与える磁気テー
プを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明は以下の通りである。すなわち、 1. ポリエステルフィルム表面に強磁性金属薄膜層が
形成されてなる磁気記録テープであって、テープ厚さが
9μm以下で、幅が12.65mmで、強磁性金属薄膜
層の厚さが180〜250nmであり、アナログ記録も
デジタル記録も可能である磁気テープ。 2. ポリエステル表面に存在する高さ120nm以上
の表面突起個数が100個/100cm2以下である上
記1に記載の磁気テープ。 3. ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレ
ートまたはポリエチレン−2、6−ナフタレートからな
るフィルムである上記1又は2に記載の磁気テープ。 4. ビデオテープレコーダー用磁気テープである上記
1〜3のいずれかに記載の磁気テープ。 5. 上記1に記載の磁気テープ用のフィルムであっ
て、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−
2、6−ナフタレートからなるフィルムであり、かつ、
フィルム表面に存在する高さ120nm以上の表面突起
個数が100個/100cm2以下であることを特徴と
する磁気テープ用ポリエステルフィルム。とするもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリエステルフィ
ルムは、ポリエステルを分子配向させ高強度化したフィ
ルムである。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ま
しい。即ち、その構成成分の80%以上がエチレンテレ
フタレート又はエチレンナフタレートであるポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トが好ましい。エチレンテレフタレート、エチレンナフ
タレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例
えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−
キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、
フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロ
メリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシ
エトキシ安息香酸などが挙げられる。
【0007】さらに、上記のポリエステルには、他にポ
リエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘
導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレン
グリコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない
程度に混合してもよい。
【0008】本発明の磁気テープは上記のポリエステル
フィルムの表面に強磁性金属薄膜層が形成されてなるテ
ープであって、テープ厚さが9μm以下であり、幅が1
2.65mmであり、強磁性金属薄膜層の厚さは180
〜250nmである。
【0009】テープ幅は12.65mmでないとVHS
ビデオテープレコーダーに使用できない。テープ厚さは
9μm以下でないと、VHSカセット、標準モードで4
時間30分以上の録画ができない。厚さは4.5μm程
度が実用上の下限である。4.5μmを下回るとテープ
の曲げ剛性が不足しヘッドタッチが大幅に不良となり録
画、再生が不能となる。
【0010】強磁性金属薄膜としては公知のものを使用
でき、特に限定されないが、鉄、コバルト、ニッケル、
またはそれらの合金の強磁性体からなるものが好まし
い。金属薄膜層の厚さは180〜250nmとする。1
80nmより薄いと磁気テープの曲げ剛性が不足しヘッ
ドタッチが大幅に不良となり録画、再生が不能となる。
250nmより厚いと、強磁性金属薄膜層の磁気特性が
不良となり、磁気テープの電磁変換特性が悪化し、ドロ
ップアウトが非常に増加する。
【0011】本発明の磁気テープは強磁性金属薄膜層を
180〜250nmの厚さで設けてなるため、アナログ
記録もデジタル記録も可能である。
【0012】本発明の磁気テープに使用するポリエステ
ルフィルムは、その強磁性金属薄膜層が形成される表面
において、高さ120nm以上の表面突起個数が100
個/100cm2以下である。高さ120nm以上の表
面突起個数が100個/cm2を超えると、ポリエステ
ルフィルム表面に形成される強磁性金属薄膜層と磁気ヘ
ッドとのスペーシングロスが大となり、再生出力が得ら
れにくくなり好ましくない。
【0013】本発明のポリエステルフィルムとしては、
以下のようなフィルムが好ましい。フィルムの一方の片
側表面Aには、微細粒子と有機化合物を含有する被膜が
形成されており、該被膜表面に前記微細粒子による微細
表面突起が存在し、その個数が500万〜9000万個
/mm2、より好ましくは900万〜6000万個/m
2であり、該微細表面突起の高さは5〜30nm、よ
り好ましくは8〜20nmである。この微細表面突起に
より、表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金属
薄膜層の記録・再生時の磁気ヘッドによる磨耗が少なく
なる。またこの微細表面突起は高さが30nm以下に抑
えられているので真空蒸着により形成される強磁性金属
薄膜層上に発現する表面突起の高さも30nm以下とな
り、磁気テープの記録、再生時に磁気ヘッドと磁気テー
プ表面との間のスペーシングロスが小さく保たれて好ま
しい。
【0014】微細表面突起個数が500万個/mm2
り少ないと、磁気テープの磁性層表面が平滑すぎて、強
磁性金属薄膜層が平滑となりすぎて、磁気テープの磁気
ヘッドとの走行耐久性が低下するので適していない。微
細表面突起個数が9000万個/mm2より多いと、磁
気テープの磁性層表面が粗れすぎて磁気テープのドロッ
プアウトが増加しがちとなり適していない。
【0015】微細表面突起は微細粒子を有機化合物に含
有させた被膜層をポリエステル表面に形成させることに
より設けられる。微細粒子種としては、ポリアクリル
酸、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル−スチレン共
重合体、アクリル系共重合体、各種変成アクリル系樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、各種変成スチレン
ーブタジエン共重合体等の有機化合物粒子、シリカ、ア
ルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子を核として、有機
高分子で被覆した粒子等が使用できるが、これらに限定
されない。有機化合物としては末端基がエポキシ、アミ
ン、カルボン酸、水酸基等で変成された自己架橋性のも
のが好ましい。なお微細粒子としてはシリカ、アルミナ
等の無機粒子でもかまわないが、有機粒子の方が発現す
る表面突起の径に比べて突起高さが低くなりがちであり
より好ましい。
【0016】被膜層に使用される有機化合物としてはポ
リビニルアルコール、トラガントゴム、カゼイン、ゼラ
チン、セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、ポリウ
レタン、アクリル樹脂、アクリル−ポリエステル樹脂、
イソフタル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂
等の有極性高分子これらのブレンド体が使用できるが、
これらに限定されない。
【0017】このポリエステルフィルムの片側表面Aの
Ra値は表面A上に真空蒸着により形成される強磁性金
属薄膜膜の記録・再生時の磁気ヘッドによる磨耗を極力
少なくし、および磁気テープの出力特性を良好に保つた
めに1〜5nm、好ましくは2〜4nmである。Ra値
が1nm未満であると、表面A上に真空蒸着により形成
される強磁性金属薄膜層が平滑すぎて、ビデオカメラ内
での録画、再生時に磁気ヘッドにより磁気テープの強磁
性金属薄膜が磨耗してしまい好ましくない。Ra値が5
nmを超えると、該強磁性金属薄膜層が粗面すぎて、磁
気テープの出力特性が低下し好ましくない。
【0018】本発明のポリエステルフィルムの片側表面
B(上記した片側表面Aとは反対側の表面である)のR
a値は、ポリエステルフィルムを製膜した後、ポリエス
テルフィルムを所定の幅にスリットする際、巻姿の良い
製品を採取しやすくし、ポリエステルフィルムの片側被
膜表面上に強磁性薄膜を設けた後にロール状の巻取りに
より片側表面Bの粗さが片側被膜面側に転写されて強磁
性薄膜層にうねり状の変形が起きることを最小限に抑え
るために、8〜50nm、より好ましくは10〜45n
mが望ましい。
【0019】本発明のポリエステルフィルムの片側表面
B側には、シリコーン等の潤滑剤が含まれたより粗い被
覆層が設けられるか、より大きな微細粒子を含有するポ
リエステルフィルム層が積層されて形成されたもの、あ
るいは更にその上に前記被覆層が設けられたものが好ま
しく用いられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。なおここで用いられる微細粒子としては炭酸カルシ
ウム、シリカ、アルミナ、ポリスチレン等が例示され
る。この微細粒子としては、平均粒子径が好ましくは1
00〜1000nm、より好ましくは150〜900n
mのものが用いられ、その添加量としては好ましくは
0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.08〜
0.8重量%が望ましい。
【0020】本発明のポリエステルフィルムはフィルム
厚さ9μm未満が好ましく、さらに好ましくは厚さ3.
5〜8.3μmが望ましい。
【0021】本発明の磁気テープは本発明のポリエステ
ルフィルムの片側被膜面上に強磁性金属薄膜層が設けら
れるが、さらに、表面B上に固体微粒子および結合剤か
らなり必要に応じて各種添加剤を加えた溶液を塗布する
ことにより形成されるバックコート層を設けることが好
ましく、固体微粒子、結合剤、添加剤は公知のものを使
用でき、特に限定されない。バックコート層の厚さは
0.3〜1.5μm程度が好ましい。
【0022】本発明の磁気テープは188mm×104
mm×25mmの大きさのVHSカセットに組み込ま
れ、VHS用ビデオカセットテープが作成される。この
ビデオカセットテープをVHSビデオテープレコーダー
にかけると標準モードで4時間30分以上の録画が可能
である。D−VHSにかけるとHSモードで5時間、S
TDモードで10時間、LS3モードで30時間、LS
5モードで50時間、LS7モードで70時間以上の録
画が可能である。しかも金属薄膜を磁性層としており、
表面平滑性が良く、ヘッドと磁気テープのスペーシング
ロスが少なく、磁気テープの曲げ剛性も高いため、長時
間モードでも画質の劣化が極めて少ない。
【0023】次に本発明の製法の一例を説明する。
【0024】即ち、本発明の磁気記録テープは、高さ1
20nm以上の表面突起個数が100個/100cm2
以下であるポリエステルフィルムの片側表面A上に、C
o等からなる強磁性金属薄膜を、真空蒸着により膜厚み
180〜250nm程度で形成し、この金属薄膜上に1
0nm程度の厚みのダイヤモンド状カーボン膜をコーテ
ィングし、さらにその上に、フッ素系カルボン酸等の潤
滑剤を塗布し、他方の片側表面Bにカーボンブラック等
の固体微粒子およびポリウレタン、エポキシ樹脂等の結
合剤からなり必要に応じてシリコーン等の各種添加剤を
加えた溶液を塗布することにより0.3〜1.5μm程
度の厚さのバックコート層を設け、そして、12.65
mmのテープ幅に切断することにより、製造することが
できる。
【0025】本発明のポリエステルフィルムは、そのA
面側原料として含有粒子を可能な限り除いたポリエステ
ルを用い、溶融、成形、二軸延伸、熱固定からなる通常
のプラスチックフィルム製造工程で製造されるが、その
延伸工程では90〜140℃で、縦、横方向に、2.7
〜5.5倍、3.5〜7.0倍に延伸され、190〜2
20℃の温度で熱固定される。そして、下記の操作を行
うことにより製造することができる。
【0026】一方向に延伸後の平滑なポリエステルフィ
ルムのA面側に、前記記載の微細粒子を0.5〜12.
0重量%、好ましくは0.6〜10.0重量%含む有機
化合物からなる塗液を塗布して表面A側に被覆層を形成
させ、表面Aに微細表面突起を形成する。被覆層に使用
される有機化合物としてはポリビニルアルコール、トラ
ガントゴム、カゼイン、ゼラチン、セルロース誘導体、
水溶性ポリエステル、ポリウレタン、イソフタル酸エス
テル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等の有極性高分
子、これらのブレンド体が使用できるが、これらに限定
されない。該微細表面突起の個数は前記微細粒子の種
類、平均粒径、固形分塗布濃度を調整することにより調
節することができる。
【0027】片側表面AのRa値は表面A上に形成させ
た被覆層内の微粒子、成分、被覆層処方、A層内部の微
細粒子の調整により調節することができる。
【0028】VHSテープの磁性層の耐久性を更に増す
ことが望まれる時は、表面Aを形成するポリエステル層
内に平均粒径が30〜90nm、好ましくは40〜80
nmの微細粒子を1.0重量%以下、好ましくは0.8
重量%以下、含ませることにより、表面A上に表面突起
をもたせるのが好ましい。微細粒子としてはシリカ、炭
酸カルシウム、アルミナ、ポリアクリル酸球、ポリスチ
レン球等が使用できるが、これらに限定されない。
【0029】なお、共押出し技術の使用により、前記A
層用の原料と積極的により大きな微粒子を含有させたB
層用の原料とを用いてA/B積層フィルムを溶融押出し
し製膜してもよいし、B層を用いなく、前記表面A側と
反対の表面B側に滑剤を含む塗液を塗布しB面側に易滑
処理をしてもよい。B層を用い、更に滑剤を含む塗液を
塗布しB面側の易滑処理をしてもよい。
【0030】二軸延伸は、例えば逐次二軸延伸法、同時
二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固
定前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横方向に再
度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプ
とすることもできる。
【0031】
【実施例】本実施例で用いた測定法を下記に示す。 (1)ポリエステルフィルム上の高さ120nm以上の
表面突起個数 光学顕微鏡(観測倍率:100倍)を用いてフィルムA
側表面を観察し、突起状に見えるものを観測しマーキン
グし、マーキングされた表面突起の高さをキーエンス社
製のレーザー顕微鏡(表面形状測定顕微鏡 VF−75
00)を用いて120nm以上であるか否かを確認す
る。その表面突起個数を、観測した面積より100cm
2あたりの個数に換算し、高さ120nm以上の表面突
起個数(個/100cm2)とした。
【0032】磁気テープからの測定は次の方法による。
磁気記録した後に、磁性コロイドを磁気テープ表面に塗
布し光学顕微鏡(観測倍率:100倍)により塗布表面
を観察することにより行う。塗布表面上の磁気記録が抜
けた箇所をマーキングし、マーキングされたそれら欠陥
の高さをキーエンス社製のレーザー顕微鏡(表面形状測
定顕微鏡 VF−7500)を用いて120nm以上で
あるか否かを確認する。その表面突起個数を、観測した
面積より100cm2あたりの個数に換算し、高さ12
0nm以上の表面突起個数(個/100cm2)とし
た。
【0033】(2)磁気テープの特性(最長録画時間、
DO個数) 磁気テープを188mm×104mm×25mmの大き
さのVHSカセットに組み込んで作成したビデオカセッ
トテープを用い、市販のVHSビデオテープレコーダー
(STDモード、5倍速モードで)およびD−VHSビ
デオテープレコーダー(STDモード、LS7モード
で)を用いて評価した。地上波TV放送の録画をテープ
全長にわたり行い、録画、再生可能な最大の時間を求め
た。また1分間の再生をして画面にあらわれた画像の欠
落個数(VHSでのドロップアウト(DO)個数)、ブ
ロック状のモザイク個数(D−VHSでのドロップアウ
ト(DO)個数)を数えることによって、磁気テープの
特性を評価した。DO個数はテープ製造後の初期特性と
した。
【0034】次に実施例に基づき、本発明を説明する。
【0035】[実施例1]実質的に不活性粒子を含有し
ないポリエチレンテレフタレート原料Aと、同一のポリ
エチレンテレフタレートに平均粒径300nmのケイ酸
アルミニウムを0.20重量%含有させた原料Bとを、
厚み比5:1の割合で共押出し、冷却ドラムに密着させ
て冷却してシート化し、ロール延伸法で110℃で3.
0倍に縦延伸した。縦延伸の後の工程で、片側表面Aの
外側に下記組成の水溶液を固形分塗布量が20mg/m
2 となるように塗布した。
【0036】 A面外側への塗布水溶液: メチルセルロース 0.12重量% 水溶性ポリエステル(=テレフタル酸70モル%、5−ナトリウムスルホイソフ タル酸30モル%の酸成分とエチレングリコールとの1:1の共重合体) 0.30重量% アミノ変性シリコーン 0.010重量% 平均粒径 12nmの極微細シリカ 0.03重量% その後、ステンターにて横方向に110℃で4.2倍に
延伸し、215℃で熱処理し中間スプールに巻き、スリ
ッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻
取り、厚さ8.0μmのロール状ポリエステルフィルム
を作成した。
【0037】このポリエステルフィルムの表面A上に真
空蒸着によりコバルト−酸素薄膜を200nmの膜厚で
形成した。次にコバルト−酸素薄膜層上に、スパッタリ
ング法によりダイヤモンド状カーボン膜を10nmの厚
さで形成させ、フッ素含有脂肪酸エステル系潤滑剤を3
nmの厚さで塗布した。続いて表面B上に、カーボンブ
ラック、ポリウレタン、シリコーンからなるバックコー
ト層を500nmの厚さで設け、スリッターにより幅1
2.65mmにスリットし、厚さ8.7μmの磁気テー
プとし、590mの長さでリールに巻き取り188mm
×104mm×25mmの大きさのVHSカセットに組
み込んだ。
【0038】得られた磁気テープの特性、使用したポリ
エステルフィルムの特性を表1に示す。
【0039】なおポリエステルフィルムの表面AのRa
値は2.5nm、微細表面突起個数は5000万個/m
2であり、表面BのRa値は23nmであった。
【0040】[実施例2]実施例1において、磁気テー
プ製造に使用したポリエステルフィルムの厚さを6.4
μmと変更し、B面に酸化AL薄膜を真空蒸着により2
00nmの厚さで設けた。この補強ポリエステルフィル
ムを用いて実施例1と同様な方法で、厚さ7.3μmの
磁気テープを製造し、670mの長さで巻き込んだビデ
オカセットテープを作成した。得られた磁気テープの特
性、該磁気テープ製造に使用したポリエステルフィルム
の特性を表1に示す。
【0041】なおポリエステルフィルムの表面AのRa
値は2.5nm、微細表面突起個数は5000万個/m
2であり、表面BのRa値は23nmであった。
【0042】[実施例3]実施例2において、ポリエス
テルフィルムの厚さを4.7μmに変更し、酸化AL薄
膜の厚さを250nmに変更した。その他は実施例2と
同様にして、厚さ5.7μmの磁気テープを製造し、8
60mの長さで巻き込んだビデオカセットテープを作成
した。得られた磁気テープの特性、該磁気テープ製造に
使用したポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0043】なおポリエステルフィルムの表面AのRa
値は2.7nm、微細表面突起個数は5200万個/m
2であり、表面BのRa値は25nmであった。
【0044】[実施例4]実施例1において、ポリエス
テルフィルムの製造においてポリエチレンテレフタレー
トをポリエチレン−2,6−ナフタレートに変更し、原
料B内のケイ酸アルミニウムの含有量を0.2重量%と
変更し、縦延伸温度、倍率を130℃で5.6倍と変更
し、横延伸温度、倍率を130℃、7.0倍と変更し、
200℃での熱処理と変更し、片側表面Aの外側に施す
塗布水溶液の固形分塗布量を33mg/m2 と変更し、
その他は実施例1と同様にして、厚さ4.2μmのポリ
エステルフィルムを製造した。このポリエステルフィル
ムのB面に、酸化AL薄膜を真空蒸着により厚さ200
nmの膜厚で設け補強ポリエステルフィルムとした。こ
の補強ポリエステルフィルムを用いて、実施例1と同様
にして、厚さ5.1μmの磁気テープを製造し、960
mの長さで巻き込んだビデオカセットテープを作成し
た。得られた磁気テープの特性、該磁気テープ製造に使
用したポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0045】なおポリエステルフィルムの表面AのRa
値は2.5nm、微細表面突起個数は5100万個/m
2であり、表面BのRa値は29nmであった。
【0046】[比較例1]実施例1の磁気テープ製造に
おいて使用したポリエステルフィルムの厚さを9.3μ
mと変更し、磁気テープの厚さを10.0μmとした。
その他は実施例1と同様にして得られた磁気テープの特
性、該磁気テープ製造に使用したポリエステルフィルム
の特性を表1に示す。
【0047】なおポリエステルフィルムの表面AのRa
値は2.4nm、微細表面突起個数は4900万個/m
2であり、表面BのRa値は23nmであった。
【0048】[比較例2]実施例1の磁気テープ製造に
おいて、磁気テープのスリット幅を6.35mmと変更
して製造した磁気テープを、66mm×48mm×1
2.2mmのDVミニカセットに60mの長さ組み込ん
だ。得られたミニカセットを市販のDVCビデオカメラ
をそのままビデオテープレコーダーとして用い評価し
た。最長録画時間はSTDモードで0.8時間、LS7
モードで1.3時間と極端に短かった。DO個数は、S
TDモードでもLS7モードでも0個/分であった。
【0049】[比較例3]実施例1の磁気テープ製造に
おいて、強磁性金属薄膜層の膜厚を150nmと変更し
磁気テープを作成した。その他は実施例1と同様にして
得られた磁気テープの特性、該磁気テープ製造に使用し
たポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0050】[比較例4]実施例1の磁気テープ製造に
おいて、強磁性金属薄膜層の膜厚を280nmと変更し
磁気テープを作成した。その他は実施例1と同様にして
得られた磁気テープの特性、該磁気テープ製造に使用し
たポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0051】[比較例5(磁気テープ用フィルムの比較
例)]実施例1の製造において、使用するポリエステル
フィルムとして、表面に存在する高さ120nm以上の
表面突起個数が120個/cm2である8.0μmの厚
さのポリエステルフィルムを用いた。その他は実施例1
と同様にして得られた磁気テープの特性、該磁気テープ
製造に使用したポリエステルフィルムの特性を表1に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】表1の特性から明らかな様に、本発明によ
る磁気テープを用いるとVHS、D−VHSビデオテー
プレコーダーによって、録画時間24時間以上(VH
S)、70時間以上(D−VHS)の超長時間録画を行
うことができた。しかもその画質は標準モードと同等の
良好性であった。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、市販のVHS、D−V
HSビデオテープレコーダーを用いて磁気テープに録画
する方法において、録画時間24時間以上(VHS)、
70時間以上(D−VHS)の超長時間の録画が可能と
なり、しかもその画質は標準モード同等の良好性を保つ
ことができる。従って、本発明によると、より広い範囲
で磁気テープを実用的に使用できるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BB01 CB01 CB05 CB07 DA00 EA03 FA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルム表面に強磁性金属
    薄膜層が形成されてなる磁気記録テープであって、テー
    プ厚さが9μm以下で、幅が12.65mmで、強磁性
    金属薄膜層の厚さが180〜250nmであり、アナロ
    グ記録もデジタル記録も可能であることを特徴とする磁
    気テープ。
  2. 【請求項2】 ポリエステル表面に存在する高さ120
    nm以上の表面突起個数が100個/100cm2以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムがポリエチレンテ
    レフタレートまたはポリエチレン−2、6−ナフタレー
    トからなるフィルムであることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の磁気テープ。
  4. 【請求項4】 ビデオテープレコーダー用磁気テープで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    磁気テープ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の磁気テープ用のフィル
    ムであって、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエ
    チレン−2、6−ナフタレートからなるフィルムであ
    り、かつ、フィルム表面に存在する高さ120nm以上
    の表面突起個数が100個/100cm2以下であるこ
    とを特徴とする磁気テープ用ポリエステルフィルム。
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