JP2003149852A - フラッシュ定着用電子写真トナー及び電子写真用光定着システム - Google Patents

フラッシュ定着用電子写真トナー及び電子写真用光定着システム

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JP2003149852A
JP2003149852A JP2001349233A JP2001349233A JP2003149852A JP 2003149852 A JP2003149852 A JP 2003149852A JP 2001349233 A JP2001349233 A JP 2001349233A JP 2001349233 A JP2001349233 A JP 2001349233A JP 2003149852 A JP2003149852 A JP 2003149852A
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flash
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electrophotographic
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Satoshi Takezawa
敏 竹澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラッシュ定着用電子写真トナー及び電子写
真用光定着システムに関し、耐久性が高く、カラートナ
ーであっても良好な定着性を示すフラッシュ定着トナー
を提供する。 【解決手段】 モノ環状テルペンフェノール化合物と、
使用するフラッシュランプの主発光波長領域に主吸収波
長領域を有する光吸収材料、前記主発光波長領域より長
波長側に吸収波長ピークを有する光吸収材料、或いは、
少なくとも前記主発光波長領域から可視光領域に渡って
ほぼ平坦な光吸収性を有する光吸収材料のいずれかとを
含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラッシュ定着用電
子写真トナー及び電子写真用光定着システムに関するも
のであり、特に、光定着により記録紙への定着を行う電
子写真複写機、電子写真プリンタや静電記録装置などの
複写機に用いるトナーの定着性を向上するための添加物
に特徴のあるフラッシュ定着用電子写真トナー及び電子
写真用光定着システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真法としては感光体ド
ラム等の光導電性絶縁体上に一様な静電荷を与え、様々
な手段によりこの光導電性絶縁体上に光像を照射するこ
とによって静電潜像を形成し、次いで、形成した潜像を
トナーと呼ばれる微粉末を用いて現像可視化し、紙等の
記録媒体にトナー粉像を転写した後に定着させ、印刷物
を得る方法が一般的である。
【0003】この定着工程で、記録媒体上のトナーは、
加圧、加熱、溶剤蒸気、光等により溶融されて、記録媒
体に固着される。ここで、トナー粉像に強力な光を照射
しトナーを溶融させる光定着方式は、(1)非接触定着
であるため、定着過程で画像のニジミ、チリなどが発生
せず、解像度を劣化させない、(2)装置電源投入後の
待ち時間がなく、クイックスタートが可能である、
(3)システムダウンにより定着器内に記録紙がつまっ
ても発火しない、(4)のり付き紙、プレプリント紙、
厚さの異なる紙等、記録紙の材質や厚さに関係なく定着
が可能である、等の理由により注目を集めている。
【0004】現在、この様な光定着方式における最も一
般的な方法は光源にキセノンフラッシュランプを使用す
るフラッシュ定着法であり、このフラッシュ定着法にお
いてトナーが記録紙に定着する過程は次の通りである。 トナー画像が感光体ドラム等から記録用紙上に転写さ
れる。この時点では、トナーは粉像のまま記録紙に付着
して画像を形成しており、例えば指で擦れば画像は崩れ
る状態である。 上記トナー粉像に、例えばキセノンフラッシュ等の閃
光を照射する。この照射工程において、トナーは閃光の
光エネルギを吸収、昇温して軟化し、記録紙に密着す
る。 閃光照射後に温度が下がると、トナー像は固化し、定
着像が完成する。
【0005】ここで重要なのは、用紙の折り曲げや、擦
り等により、定着像が用紙から剥離し、画質の劣化を招
く、いわゆる定着不良を防止することである。特に、フ
ラッシュ定着方式は非接触定着方式であるため、ヒート
ローラ定着方式と比較すると、溶融トナーの用紙への浸
透が悪く、定着性向上が困難であるのが現状である。
【0006】特に、近年、カラー印刷物の需要が高まっ
ているが、カラートナーに用いられる着色剤は可視光領
域の吸収はあるものの、フラッシュランプの主発光波長
領域である近赤外線領域での光吸収効率は低いという問
題がある。
【0007】図2参照 図2は、光定着法に一般的に用いられるキセノンフラッ
シュランプの発光スペクトルの一例であり、主発光波長
領域である800〜1000nmの近赤外線領域で特に
発光強度が強く、この領域で光吸収性が低いカラートナ
ーは定着性が悪くなるため、改善が強く求められてい
る。
【0008】一方、黒色トナーにおいては、着色剤であ
る黒色色剤は可視領域から近赤外線領域にかけてほぼ平
坦な光吸収特性を示し、近赤外線領域をも比較的良く吸
収することから、光定着システムを採用した電子写真装
置として既に実用化されているものの、近年の省エネ対
応への要求の高まりから、更なる定着性能の向上が望ま
れている。
【0009】これらの要求に基づき、トナー定着性を高
める目的で、(1)トナーの溶融特性を制御する、具体
的には、トナーの融点が低く、溶融時の粘度が小さくな
るよう、特定の組成、分子量分布を有するトナーバイン
ダ樹脂を用いる(必要ならば、特開平2−158747
号公報参照)、或いは、(2)定着性を高める添加剤を
加える、具体的には、定着助剤としてポリオレフィンな
どの低融点材料をトナーに添加する(特開昭50−28
840号公報参照)、等の対策が一般的に行われてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
によっても、定着性を充分高めるためには、バインダ樹
脂分子量を極めて小さく設計したり、WAXのような軟
質の低融点材料を多量に添加する必要が生じ、トナーの
耐久性を低下させるなどの弊害が発生するという問題が
ある。
【0011】したがって、本発明は、耐久性が高く、カ
ラートナーであっても良好な定着性を示すフラッシュ定
着トナーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】ここで、本発明における
課題を解決するための手段を説明するが、構成の理解を
助けるために、図1を参照する。なお、図1は、モノ環
状テルペンフェノール化合物及び赤外線吸収剤の添加の
効果を示す図である。上記の目的を達成するため、本発
明は、フラッシュ定着用電子写真トナーにおいて、モノ
環状テルペンフェノール化合物と、使用するフラッシュ
ランプの主発光波長領域に主吸収波長領域を有する光吸
収材料、前記主発光波長領域より長波長側に吸収波長ピ
ークを有する光吸収材料、或いは、少なくとも前記主発
光波長領域から可視光領域に渡ってほぼ平坦な光吸収性
を有する光吸収材料のいずれかとを含有することを特徴
とする。
【0013】図1参照 この様に、溶融時の粘着性の高いモノ環状テルペンフェ
ノール化合物、特に、下記の化学式〔2〕で示すモノ環
状テルペン/フェノール1モル付加体或いは下記の化学
式〔1〕で示すモノ環状テルペン/フェノール2モル付
加体のうち、少なくともいずれか一方を添加することに
よって、図1に示すように、トナーの記録媒体に対する
接着性を高める効果があるものと予想される。
【化1】
【化2】
【0014】また、使用するフラッシュランプの主発光
波長領域または前記主発光波長領域より長波長側に吸収
波長ピークを有する光吸収材料、即ち、赤外線吸収剤、
或いは、少なくとも前記主発光波長領域から可視光領域
に渡ってほぼ平坦な光吸収性を有する黒色着色剤を用い
ることによって、カラー着色剤に不足する800〜10
00nmの赤外線波長域の吸収性を高め、使用するフラ
ッシュランプのエネルギーを効率的に吸収して定着率を
高めることができる。
【0015】この場合、赤外線吸収剤としては、使用す
るフラッシュランプの主発光波長領域、例えば、800
〜1000nmに主吸収波長を有する赤外線吸収剤が望
ましいが、800〜1000nmにおいてトナーを溶融
するのに充分なエネルギー吸収率を有していれば、10
00nm以上の長波長領域に吸収波長ピークを有する赤
外線吸収剤でも良い。
【0016】また、光吸収性を有する材料としてが、黒
色着色剤等の着色剤自体の赤外線吸収特性を利用しても
良いものである。なお、「少なくとも前記主発光波長領
域から可視光領域に渡ってほぼ平坦な光吸収性」におけ
る平坦性はそれほど厳密なものではなく、少なくとも、
800〜1000nmにおいてトナーを溶融するのに充
分なエネルギー吸収率を有していれば良いものである。
また、黒色着色剤等の着色剤と赤外線吸収剤を合わせて
用いても良いものである。
【0017】この様なフラッシュ定着用電子写真トナー
とフラッシュランプ定着器からなる電子写真用光定着シ
ステムを構築することによって、良好な定着特性を有す
るフラッシュ定着方式のカラー電子写真装置を実現する
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の実施の形態の好
適な手順を説明するが、トナーの作成法は、従来の通常
のトナー作成法と同様の方法で行うことが可能である。
例えば、粉砕法で作成する場合、バインダ樹脂、モノ環
状テルペンフェノール化合物、光吸収材料、さらに必要
に応じてWAX組成物、着色剤、帯電制御剤などのトナ
ー構成物を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用
いて上記材料を溶融混練する。
【0019】なお、この場合の光吸収剤としては、定着
に使用するフラッシュランプの主吸収波長領域である8
00〜1000nmに主吸収波長領域を有する赤外線吸
収剤、1000nm以上の波長領域に吸収波長ピークを
有するものの800〜1000nmにおいてもトナーを
溶融するので十分な吸収特性を有する赤外線吸収剤、あ
るいは、少なくとも800〜1000nmから可視領域
に渡ってほぼ等しい光吸収率を有する黒色着色剤等の着
色剤を用いる。
【0020】次いで、この溶融混錬物を粗粉砕した後、
ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的と
する粒径のトナー粒子を得る。さらに、外添剤を添加
し、最終的なトナーを完成させる。
【0021】また、重合法で作成する場合には、主に懸
濁重合法と乳化重合法が適用できる。例えば、懸濁重合
法で作成する場合、スチレン、ブチルアクリレート、2
エチルヘキシルアクリレートなどのモノマ、ジビニルベ
ンゼンなどの架橋剤、ドデシルメルカプタンなどの連鎖
移動剤、着色剤、帯電制御剤、上述のモノ環状テルペン
フェノール化合物、上述の光吸収材料、さらに必要に応
じてWAX組成物、重合開始剤などを混合してモノマ組
成物を作成する。
【0022】次いで、リン酸三カルシウム、ポリビニル
アルコール等の懸濁安定剤、界面活性剤が入った水相中
に、上述のモノマ組成物を投入し、ローターステータ式
乳化機、高圧式乳化機、超音波式乳化機などを用いてエ
マルションを作成した後、加熱によりモノマの重合を行
う。重合終了後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外添剤を添
加して最終的なトナー粒子を得る。
【0023】或いは、乳化重合法で作成する場合には、
過硫酸カリウムなどの水溶性重合開始剤を溶解させた水
中に、スチレン、ブチルアクリレート、2エチルヘキシ
ルアクリレートなどのモノマ、必要に応じてドレシル硫
酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加し、攪拌を行いな
がら過熱、重合を行い樹脂粒子を得る。
【0024】次いで、上述のモノ環状テルペンフェノー
ル化合物、光吸収材料、さらに必要に応じて着色剤、帯
電制御剤、WAX組成物などの粉末を樹脂粒子が分散し
たサスペンション(分散液)中に添加し、サスペンショ
ンのpH、攪拌強度、温度などを調整することにより樹
脂粒子と、モノ環状テルペンフェノール化合物、光吸収
材料などをヘテロ凝集させる。
【0025】ついで、ヘテロ凝集した系を樹脂のガラス
転移温度以上に過熱して、ヘテロ凝集体を融着させてト
ナー粒子を得る。その後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外
添剤を添加して最終的なトナー粒子を得る。
【0026】次に、作製したトナーに対して帯電量を測
定するとともに、印刷試験を行う。まず、ブローオフ帯
電量測定機( 東芝ケミカル製商品名)を用いて、トナー
粒子の帯電量を測定する。
【0027】次いで、この現像剤をフラッシュ定着方式
プリンタPS2160(富士通製商品名)のフラッシュ
エネルギーを20%低減するように、フラッシュランプ
印加電圧を変更した改造機に搭載し、700〜1500
nmの波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッ
シュ光を照射して普通紙NIP−1500LT(小林記
録紙製商品名)に定着させ印刷画像を得た。
【0028】次いで、印刷した1インチ(≒2.54c
m)四方の印刷画像について、光学濃度測定器マクベス
PCMメータ(マクベス社製商品名)を用いて光学濃度
(OD1)を測定し、その後、この印刷画像上に粘着テ
ープ( スコッチメンディングテープ;住友3M製商品
名)を貼り、しかる後、テープを引き剥がし、剥離後の
印刷画像の光学濃度(OD2)を測定する。
【0029】求めた光学濃度(OD1)と光学濃度(O
D2)とから、下記に示す、 定着率(%)=OD2/OD1×100 から定着率を求めて評価するものであり、定着率が90
%以上で良と判定する。
【0030】次に、本発明の実施の形態に好適な各材料
を説明する。まず、定着性を向上させるモノ環状テルペ
ンフェノール化合物としては、上記の化学式〔1〕で表
されるモノ環状テルペン/フェノール2モル付加体、或
いは、上記の化学式〔2〕で表されるモノ環状テルペン
/フェノール1モル付加体が好適であり、モノ環状テル
ペン/フェノール2モル付加体は、YP−90、YP−
90(1.3)(いずれも、ヤスハラケミカル製商品
名)として、また、モノ環状テルペン/フェノール1モ
ル付加体はPMP(ヤスハラケミカル製商品名)等とし
て商業的に入手可能である
【0031】これらのモノ環状テルペンフェノール化合
物は白〜淡色であるため、カラートナーに適用した場合
であっても、その色彩度を低下させる事がない。なお、
これらのモノ環状テルペンフェノール化合物は、単体で
用いても混合して用いても良い。
【0032】次に、バインダ樹脂は、特に限定されず、
各種の天然または合成高分子物質よりなる熱可塑性樹脂
を用いることができるが、代表的には重量平均分子量5
000〜10万程度、融点90〜140℃のエポキシ樹
脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂などを単独又は混合して用いる。
【0033】次に、定着用フラッシュランプの主発光波
長領域、例えば、800〜1000nmにトナーを溶融
するのに十分な吸収率を有する赤外線吸収材料として
は、シアニン、アントラキノン、フタロシアニン、ナフ
タロシアニン、ポリメチン、ニッケル錯体、アミニウ
ム、ジイモニウム、酸化スズ、酸化イッテルビウム、リ
ン酸イッテルビウム、キノリン誘導体化合物、ランタノ
イドおよびその塩/酸化物/硫化物/ハロゲン化物/複
合塩、バナジルなどの材料等が上げられ、これらは、単
体で用いても混合して用いても良いが、特に、これらに
限定されるものではない。なお、これらの赤外線吸収材
料は、カラートナーの色相に与える影響を最小限に抑制
するために、可視光領域では光吸収性が低いことが望ま
れる。
【0034】この場合、着色剤として、カーボンブラッ
ク等の黒色着色剤を用いる場合には、この様な黒色着色
剤は可視領域から赤外線領域にかけてほぼ平坦な光吸収
特性を示すので、光吸収材料として黒色着色剤自体を用
いても良い。なお、この黒色着色剤と、上述の赤外線吸
収材料とを合わせて用いても良いものである。
【0035】また、色剤(着色剤)も特に限定されるも
のではなく、染料、顔料等のいずれでも良く、例えば、
カラートナーでは、キナクリドン(赤色)、フタロシア
ニン(青色等)、アンスラキノン(赤色)、ジスアゾ
(赤色又は黄色)、モノアゾ(赤色)、アニライド系化
合物(黄色)、ベンジジン(黄色)、ベンズイミダゾロ
ン( 黄色) 、ハロゲン化フタロシアニン(緑色)などが
用いられる。
【0036】一方、黒色トナーでは、カーボンブラッ
ク、ニグロシン染料、フェライト、マグネタイトなどの
黒色染顔料を広く用いることができ、この場合、上述の
様に、赤外線吸収材料は必ずしも添加する必要がない。
【0037】また、トナーの帯電性能を制御するための
帯電制御剤としては、トナーに帯電を付与させる能力が
あれば特に制限されないが、カラートナーにおいてはト
ナーの色相に与える影響が小さいことを考慮すると、無
色、淡色のものが好ましい。好適には、4級アンモニウ
ム塩(無色)、ニグロシン染料(黒色)、トリフェニル
メタン誘導体(青色)などが正極性帯電制御剤として、
ナフトール酸亜鉛錯体(無色)、サリチル酸亜鉛錯体
(無色)、ホウ素化合物などが負極性帯電制御剤として
用いることができる。
【0038】また、トナーの定着性をより高める目的で
添加するWAX組成物としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類、脂肪酸エステル類、
パラフィンワックス、カルナバワックス、アミド系ワッ
クス、酸変成ポリエチレンなど、通常のWAXを単体、
または混合物として広く用いることができる。中でも、
軟化温度が150℃以下のものが好ましく、特に、トナ
ーバインダ樹脂の溶融軟化温度より低い軟化温度を示す
ものが好ましい。
【0039】また、トナーに外添する添加剤としては、
通常用いられている材料が広く適用でき、例えば、シリ
カ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛などの無機微粒子や
ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子な
どが適用できる。
【0040】以上の事項を前提として、以下において、
具体的実施例を説明するが、本発明の作用効果を明らか
にするために、比較例も合わせて説明する。なお、当
然、本発明は以下の実施例により制限されるものではな
い。
【0041】(実施例1)まず、バインダ樹脂:テレフ
タル酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビス(4ヒドロキシフェニル)スルフォン酸を必須
構成モノマとする酸価30mg/KOH、軟化温度10
4℃のスルフォン酸変成ポリエステル樹脂 赤外線吸収剤(兼着色剤):カーボンブラック(モガールL;キャボット製商品 名) 5 wt% 帯電制御剤:カリックスアレン化合物(E−89;オリエント製商品名) 3 wt% モノ環状テルペン/フェノール2モル付加体(YP−90;ヤスハラケミカル製 商品名) 10wt% を添加、溶融混練し、さらに粉砕分級することにより平
均粒径9μmのトナー母体を得る。なお、酸価30mg
/KOHとは、KOHを用いて中和するために30mg
のKOHが必要な酸価の程度を言う。
【0042】このトナー母体に外添剤として疎水性シリ
カ(H−2000;クラリアント製商品名)0.35重
量部を添加し、トナーを得た。このトナーを粒径60μ
mのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%で混合し
て現像剤化し、上述のように帯電量をブローオフ帯電量
測定機で測定したところ、帯電量は−12μC/gであ
った。
【0043】次に、この現像剤を用いて上述の印刷試験
を行ったところ、定着率は90%であり、優れた定着性
を示した。また、印刷画像においては、かぶりなどの背
景部汚れが少ない良好な画質が得られた。
【0044】(実施例2)上記の実施例1のモノ環状テ
ルペン/フェノール2モル付加体10wt%の代わり
に、モノ環状テルペン/フェノール2モル付加体(YP
−90;ヤスハラケミカル製商品名)5wt%と、モノ
環状テルペン/フェノール1モル付加体(PMP;ヤス
ハラケミカル製商品名)5wt%を用いたこと以外は、
実施例1と同様にしてトナーを作成した。
【0045】このトナーを、上記の実施例1と同様に粒
径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%
で混合して現像剤化し、この現像剤を用いて上述の印刷
試験を行ったところ、定着率は98%であり、優れた定
着性を示した。また、印刷画像においては、かぶりなど
の背景部汚れが少ない良好な画質が得られた。
【0046】(実施例3)上記の実施例1のモノ環状テ
ルペン/フェノール2モル付加体10wt%の代わり
に、モノ環状テルペン/フェノール1モル付加体(PM
P;ヤスハラケミカル製商品名)10wt%を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製した。
【0047】このトナーを、上記の実施例1と同様に粒
径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%
で混合して現像剤化し、この現像剤を用いて上述の印刷
試験を行ったところ、定着率は96%であり、優れた定
着性を示した。また、印刷画像においては、かぶりなど
の背景部汚れが少ない良好な画質が得られた。
【0048】(比較例1)上記の実施例1で示したモノ
環状テルペンフェノール化合物を添加しないこと以外
は、実施例1に従ってトナーを作製した。
【0049】このトナーを、上記の実施例1と同様に粒
径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%
で混合して現像剤化し、上述のように帯電量をブローオ
フ帯電量測定機で測定したところ、帯電量は−12μC
/gであり、実施例1のトナーと遜色無かった。この結
果より、モノ環状テルペンフェノール化合物がトナー帯
電性に与える影響は小さいことが理解される。
【0050】次に、この現像剤を用いて上述の印刷試験
を行ったところ、定着率は88%であり、定着性の低下
が見られた。この結果からは、モノ環状テルペンフェノ
ール化合物がトナーのフラッシュ定着性能向上に寄与す
ることが明らかとなった。
【0051】(比較例2)上記の実施例1で示した赤外
線吸収剤を兼ねるカーボンブラックの代わりに、800
〜1000nmにおける光吸収性が小さいシアン顔料
(B2G;クラリアント製商品名)を用いたこと以外
は、実施例1に従ってトナーを作製した。
【0052】このトナーを、上記の実施例1と同様に粒
径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%
で混合して現像剤化し、この現像剤を用いて上述の印刷
試験を行ったところ、この印字は指で擦ると剥離する程
度の定着性であり、到底実用に耐えられるものではなか
った。この結果から、赤外線吸収剤の添加の効果は明ら
かである。
【0053】再び、図1参照 図1は、上記の実施例1乃至実施例3、比較例1、及
び、比較例2の結果を纏めたものであり、フラッシュ定
着性を向上するためには、赤外線吸収剤の添加と、モノ
環状テルペンフェノール化合物の添加が必須であること
が理解される。
【0054】以上、本発明の実施の形態及び実施例を説
明してきたが、本発明は上記の実施の形態及び実施例に
記載された構成・条件に限られるものではなく、各種の
変更が可能である。例えば、上記の各実施例において
は、フェライトキャリアを用いた二成分現像剤を用いた
現像方式で説明しているが、このフェライトキャリアは
定着の工程では関与しないので、一成分現像剤を用いた
現像方式にも適用されることは言うまでもない。
【0055】また、上記の各実施例においては、カーボ
ンブラックを赤外線吸収剤として兼用しているため、他
の赤外線吸収剤は用いていないが、比較例2からも明ら
かなように、800〜1000nmでの光吸収性が小さ
いカラー着色剤を用いてカラートナーを作製する場合に
は、上記の実施の形態において挙げた赤外線吸収剤を添
加すれば良い。なお、赤外線吸収剤の添加量としては、
0.01〜10wt%、より好適には、0.1〜6wt
%の範囲が望ましい。
【0056】また、着色剤として、カーボンブラック以
外の黒色着色剤を用いる場合において、定着性が悪い場
合には、上記の実施の形態において挙げた赤外線吸収剤
を添加すれば良く、さらに、カーボンブラックを用いた
場合にも、上記の実施例1のように相対的に定着率が低
い場合には、別途赤外線吸収剤を添加することを妨げる
ものではない。
【0057】また、上記の各実施例においては、モノ環
状テルペンフェノール化合物の添加量は10wt%であ
るが、10wt%に限られるものではなく、0.5〜3
0wt%の範囲が望ましい。
【0058】ここで、改めて本発明の詳細な特徴を説明
する。 (付記1) モノ環状テルペンフェノール化合物と、使
用するフラッシュランプの主発光波長領域に主吸収波長
領域を有する光吸収材料、前記主発光波長領域より長波
長側に吸収波長ピークを有する光吸収材料、或いは、前
記主発光波長領域から可視光領域に渡ってほぼ平坦な光
吸収性を有する光吸収材料のいずれかとを含有すること
を特徴とするフラッシュ定着用電子写真トナー。 (付記2) 上記フラッシュランプの主発光波長領域
が、800〜1000nmであることを特徴とする付記
1記載のフラッシュ定着用電子写真トナー。 (付記3) 上記モノ環状テルペンフェノール化合物と
して、少なくともモノ環状テルペン/フェノール1モル
付加体或いはモノ環状テルペン/フェノール2モル付加
体のいずれか一方を用いることを特徴とする付記1また
は2に記載のフラッシュ定着用電子写真トナー。 (付記4) 上記光吸収性を有する材料が、着色剤とは
別に添加する赤外線吸収剤であることを特徴とする付記
1乃至3のいずれか1に記載のフラッシュ定着用電子写
真トナー。 (付記5) 上記光吸収性を有する材料が、着色剤自体
であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記
載のフラッシュ定着用電子写真トナー。 (付記6) 上記着色剤が、黒色着色剤であることを特
徴とする付記5記載のフラッシュ定着用電子写真トナ
ー。 (付記7) 付記1乃至6のいずれか1に記載のフラッ
シュ定着用電子写真トナーを用いることを特徴とする電
子写真用光定着システム。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、モノ環状テルペンフェ
ノール化合物と使用するフラッシュランプの主発光波長
領域においてトナーを溶融するのに十分な光吸収性を有
する光吸収材料を添加してフラッシュ定着用電子写真ト
ナーを構成しているので、カラートナーにおいても優れ
た定着性を示し、ひいては、高画質の得られるフラッシ
ュ定着方式の電子写真装置の普及に寄与するところが大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】モノ環状テルペンフェノール化合物及び赤外線
吸収剤の添加の効果の説明図である。
【図2】フラッシュランプの発光スペクトルの説明図で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノ環状テルペンフェノール化合物と、
    使用するフラッシュランプの主発光波長領域に主吸収波
    長領域を有する光吸収材料、前記主発光波長領域より長
    波長側に吸収波長ピークを有する光吸収材料、或いは、
    少なくとも前記主発光波長領域から可視光領域に渡って
    ほぼ平坦な光吸収性を有する光吸収材料のいずれかとを
    含有することを特徴とするフラッシュ定着用電子写真ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 上記モノ環状テルペンフェノール化合物
    として、少なくともモノ環状テルペン/フェノール1モ
    ル付加体或いはモノ環状テルペン/フェノール2モル付
    加体のいずれか一方を用いることを特徴とする請求項1
    記載のフラッシュ定着用電子写真トナー。
  3. 【請求項3】 上記光吸収性を有する材料が、着色剤と
    は別に添加する赤外線吸収剤であることを特徴とする請
    求項1または2に記載のフラッシュ定着用電子写真トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 上記光吸収性を有する材料が、着色剤自
    体であることを特徴とする請求項1または2に記載のフ
    ラッシュ定着用電子写真トナー。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    フラッシュ定着用電子写真トナーを用いることを特徴と
    する電子写真用光定着システム。
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