JP2002296826A - フラッシュ定着用のカラートナー - Google Patents
フラッシュ定着用のカラートナーInfo
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Abstract
優れた画像形成が可能なフラッシュ定着用のカラートナ
ーを提供する。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外光吸
収剤を含みフラッシュ光により記録媒体上に定着される
カラートナーであって、光音響分光(PAS)分析測定
に基づいて得られる赤外PASスペクトルを、800〜
2000nmの範囲で積分したPAS強度が、カーボン
ブラックを1とした場合に0.01〜0.2の範囲にあ
る。
Description
て画像形成を行う際に使用されるカラートナーに関し、
特にフラッシュ光からの光エネルギーを利用して記録媒
体上に定着されるカラートナーに関する。
シミリ、電子写真プリンタ等の画像形成装置において広
く使用されている技術である。電子写真法として、例え
ば米国特許第2297691号等に記載されるように、
光導電性絶縁体を用いた方式が一般に使用される。この
方式では、コロナ放電や電荷供給ローラによって帯電さ
せられた光導電性絶縁体上にレーザ、LED等の光を照
射することによって、静電潜像を形成する。次に、トナ
ーと称される顔料や染料により着色した樹脂粉末(着色
剤と称す)を上記静電潜像に静電的に付着させて現像を
行い、可視化されたトナー画像を得る。続いて、このト
ナー画像は紙やフィルム等の記録媒体上に転写される。
但し、このときのトナー画像は記録媒体上に単に載って
いるだけの粉像であるため、これを記録媒体上に定着さ
せる必要がある。そこで、最後の工程として、熱、圧
力、光等によってトナーを記録媒体上で溶融した後に固
化して、最終的に記録媒体上に定着したトナー画像を得
ている。
可塑性樹脂(以下、結着樹脂と称す)を主成分とする粉
体であるトナーを熱により溶融して記録媒体上に固着す
ることである。そのための方式として、トナー画像が形
成された記録媒体を直接、ローラによって加熱・加圧す
るヒートロール方式と、キセノンフラッシュランプ等の
フラッシュ光を照射することによりトナーを記録媒体上
に定着させるフラッシュ定着方式がよく知られている。
フラッシュランプ等の放電管の閃光(フラッシュ光)か
らの光エネルギーを熱エネルギーに変換することよっ
て、トナーを溶融し、記録媒体上に定着させる方式であ
る。
ール方式と比較して、画像形成装置に採用されたときに
は次のような特長を有している。(1)非接触定着であ
るため、光導電性絶縁体層上に形成されたトナー粉像の
解像度を劣化させない。(2)電源投入後のウォームア
ップ時間を必要とせず、クイックスタートが可能であ
る。(3)のり付き紙、プレプリント紙、厚さの異なる
紙など、記録媒体の材質や厚さによる定着への影響が少
ない。
に定着される過程は次の通りである。放電管から発せら
れたフラッシュ光は、記録媒体上のトナー画像(粉像)
に吸収され、熱エネルギーに変換される。これにより、
トナーは温度上昇して軟化溶融し、記録媒体に密着す
る。フラッシュ光の発光終了後、温度は低下し、溶融し
たトナーは固化して定着とたトナー画像となる。
フラッシュ定着用の放電管として一般に用いられている
キセノンフラッシュランプは、波長400nm〜140
0nmの広い範囲にわたって発光し、特に、400nm
〜800nmの可視領域における発光強度に比べて80
0nm〜1400nmの近赤外波長領域における発光強
度は顕著に強い。このため、フラッシュ定着が行われる
トナーは近赤外波長領域の光に対して光吸収性が高いこ
とが要求される。
は、一般に可視及び近赤外領域における光吸収性が極め
て低い。また、着色剤が黒色である場合には可視及び近
赤外領域に亘って高い光吸収性を示す。しかし、着色剤
がイエロー、シアン、マゼンタ、レッド、ブルー、グリ
ーンといったカラートナーの着色剤である場合には、可
視領域では光吸収性を示すが、近赤外領域での光吸収性
は低い。
を含むカラートナーは、黒色トナーを定着させる程度の
フラッシュ光で定着させることが困難である。よって、
カラートナーを定着させるためには強い光エネルギーを
供給することが必要となってしまう。
録媒体上に定着させることに関して、光エネルギーを低
減するために、キセノンフラッシュランプの発光波長領
域で光吸収性を有する赤外光吸収剤を添加する技術が提
案されている。例えば、特開昭61−132959号公
報、特開平6−118694号公報、特開平7−191
492号公報、特開2000−147824号公報で
は、アミニウム系化合物やジイモニウム系化合物、ナフ
タロシアニン系化合物をフラッシュ定着用のトナーに含
有させることについて開示している。また、特開平6−
348056号公報では、アントラキノン系、ポリメチ
ン系、シアニン系の赤外光吸収剤を含有する樹脂粒子を
トナー表面に付着させる技術を開示している。さらに、
特開平10−39535号公報には、酸化スズ、酸化イ
ンジウムを含有させることによりフラッシュ光によるカ
ラートナーの定着性を向上させる技術が開示されてい
る。
ーへの赤外光吸収剤を添加することにより光エネルギー
から熱エネルギーへの変換を向上させ、主成分である結
着樹脂の溶融性を増加させようとするものである。
っては、未だ十分に結着樹脂を溶融することができてい
ない。また、好ましい赤外光吸収剤として使用される上
記アミニウム系化合物、ジイモニウム系化合物等はそれ
自体が有色であり、多量に使用すると定着後のカラー画
像の彩度、色相等に悪影響を及ぼす。そのために、赤外
光吸収剤の使用量はできるだけ少ない方が好ましい。
ナーをフラッシュ光で確実に定着させるために、未だ大
きな光エネルギーが必要となっている。
されたものである。したがって、本発明の主な目的は使
用する光エネルギーの低減を図ると共に、優れた画像形
成が可能なフラッシュ定着用のカラートナーを提供する
ことにある。
載の如く、少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外光吸収剤
を含みフラッシュ光により記録媒体上に定着されるカラ
ートナーであって、光音響分光(PAS)分析測定に基
づいて得られる赤外PASスペクトルを、1000〜2
000nmの範囲で積分したPAS強度が、カーボンブ
ラックを1とした場合に0.01〜0.2の範囲にある
ように構成することにより達成される。
法はPhotoacoustic Spectroscopyのことであり、このP
AS分析法は試料に断続光(フラッシュ光)を照射して
試料内に生じた周期的な熱変化を最終的に圧力変化とし
て検出する方法である。この検出法はin−situ
(その場)での測定が可能である。
り具体的に説明すれば、先ず、変調された赤外光が試料
によって吸収されると、入射光に対応した熱が発生す
る。この発生した熱は、周囲の気体層に圧力変化を起こ
すので、この変化を高感度マイクロホンにより検出す
る。そして、これをフーリエ変換することによって、通
常の赤外吸収スペクトルと同様のスペクトルを得るもの
である。
果を用いるものであり、PAS分析法に基づいて得た赤
外PASスペクトルを800〜2000nmの範囲で積
分したカラートナーのPAS強度が、カーボンブラック
を1とした場合に0.01〜0.2の範囲にあるカラー
トナーは優れた定着性を示すことを見出したものであ
る。このようなカラートナーは、従来の黒色トナーのみ
で画像定着を行うフラッシュ光のエネルギーと同等であ
る低い光エネルギーでの定着が可能となる。
きはカラートナーの赤外領域での光吸収が低く、光−熱
変換効率が低いので十分な定着性が得られない。また、
上記PAS強度が0.2より大きいときには十分な定着
性が得られるものの、PAS強度を増加させるために赤
外光吸収剤を多量に必要とすることになり、前述したよ
うな定着後のカラー画像の彩度を低下させる等の悪影響
を及ぼす。
1に記載のフラッシュ定着用のカラートナーにおいて、
カラートナーの前記PAS強度は、同時に定着される黒
色トナーのPAS強度に対して0.2〜0.9倍に設定
されている、構成とすることが好ましい。
置で記録媒体上に黒色トナーと同時に定着されるカラー
トナーが良好な定着性を示す。すなわち、カラートナー
と黒色トナーのPAS強度の差を所定範囲となるように
することで、カラートナーと黒色トナーの定着性を同等
レベルにすることができる。
ナーに対して0.2倍未満であるようなときは、黒色ト
ナーに良好な定着性を与えるエネルギーでフラッシュ定
着させた場合、カラートナーは定着不良となる。また、
その逆にカラートナーに良好な定着性を与えるエネルギ
ーでフラッシュ定着させた場合、黒色トナーはフラッシ
ュ光のエネルギーは過剰であり、溶融し過ぎによるボイ
ドが発生して、画像品位が低下してしまう。このよう
に、カラートナーのPAS強度が黒色トナーに対して、
0.2倍未満であるときにはカラートナーと黒色トナー
との同時に満足させることは困難である。
ナーに対し0.9倍よりも大きいときにはカラートナー
と黒色トナーの定着性を同時に満足できるものの、PA
S強度を向上させるために添加する赤外光吸収剤が多量
の場合であり、カラー画像の彩度が低下する等の悪影響
が出る。
1又は2に記載のフラッシュ定着用のカラートナーにお
いて、カラートナーの前記PAS強度は、同時に定着さ
れる他のカラートナーのPAS強度に対して0.2〜5
倍に設定されている、構成とすることが好ましい。
置で記録媒体上に同時に定着される2種以上のカラート
ナーが良好な定着性を示す。すなわち、同時に使用され
る2種以上のカラートナーのPAS強度差を所定範囲と
なるようにすることで、各カラートナーの定着性を同等
レベルにすることができる。
他のカラートナーに対し、0.2倍未満であるときに
は、他のカラートナーに良好な定着性を与える定着性を
与えるエネルギーでフラッシュ定着させた場合、そのカ
ラートナーは定着不良となる。また、その逆にあるカラ
ートナーに良好な定着性を与えるエネルギーでフラッシ
ュ定着させた場合、他のカラートナーはフラッシュ光の
エネルギーは過剰であり、溶融し過ぎによるボイドが発
生して、画像品位が低下してしまう。このように、カラ
ートナーのPAS強度が他のカラートナーに対して、
0.2倍未満であるときにはカラートナーと他のカラー
トナーとの同時に満足させることは困難である。また、
あるカラートナーのPAS強度が他のカラートナーに対
し5倍よりも大きいとき、そのカラートナーと他のカラ
ートナーの定着性を同時に満足させることは不可能とな
る。
ら3のいずれかに記載のフラッシュ定着用のカラートナ
ーにおいて、波長800〜2000nmの範囲で、吸収
波長スペクトルが異なる少なくとも2つ以上の赤外光吸
収剤を含有する構成とすることができる。
〜2000nmの範囲でのトナーの吸光度を上げること
ができ、これによりカラートナーのPAS強度を向上で
き、良好な定着画像を実現できる。前述したような赤外
光吸収剤は特定範囲で吸収ピークがあるので、1つの赤
外光吸収剤の量を増やしても照射された光エネルギーの
利用効率が悪く、さらに1つの赤外光吸収剤を多量に使
用すると前述したような定着画像の彩度不良等の問題を
生じる。吸収波長スペクトルが異なる2種以上の赤外光
吸収剤を併用することで、効率的に照射された光エネル
ギーを利用でき、1つの赤外光吸収剤を多量に使うこと
による定着画質の低下という問題も低減できる。
0〜1100nmの範囲に吸収ピークを有する第1の赤
外光吸収剤(A)と、波長1100〜2000nmの範
囲に吸収ピークを有する第2の赤外光吸収剤(B)とを
併用してする構成とすることができる。
も結着樹脂、着色剤、赤外光吸収剤を含むカラートナー
にフラッシュ光を照射して記録媒体上に定着させる工程
を含む画像形成方法であって、光音響分光(PAS)分
析測定に基づいて得られる赤外PASスペクトルを80
0〜2000nmの範囲で積分したPAS強度(S)
と、フラッシュ光のエネルギー(E)とが、次式(1)
の関係にあるフラッシュ定着工程を含む画像形成方法と
しても上記目的を達成することができる。
かつボイドの発生が少ないカラーの画像形成を実現でき
る。
ーが高い場合はカラートナーのPAS強度が低くても良
好に定着させることができ、またフラッシュ光エネルギ
ーが低い場合にはPAS強度が大きければ良好な定着性
が得られることを意味している。
ると定着不良となり、0.15を越えるとカラートナー
に対して、過剰なエネルギー付与することになるため、
ボイドが発生して、良好な定着画像が得られない。すな
わち、本発明者等は前記式(1)の条件を満たすように
フラッシュ定着を実行すると光エネルギーを低減しつ
つ、良好な定着画像を得ることができることを見出した
ものである。このような条件を満足する画像形成を実現
するには、請求項1〜4に記載のカラートナーを用いる
ことが望ましい。
を用いることにより、カラートナー像をフラッシュ光に
よる露光で記録媒体上に定着させる好適なフラッシュ定
着画像形成方法を実現でき、この方法ではフラッシュ光
のエネルギーを0.5〜2.5J/cm2とし、発光時
間を500〜3000μ秒とすることができる。このよ
うに従来と比較して低い光エネルギーでも安定した定着
性で、ボイドの発生が少ないカラー画像形成を行うこと
ができる。
のカラートナーについてより詳細に説明する。本発明の
フラッシュ定着用のカラートナーは、少なくとも結着樹
脂、着色剤及び赤外光吸収剤を含んでいる。本カラート
ナーは、光音響分光(PAS)分析測定に基づいて得ら
れた赤外PASスペクトルを800から2000nmの
範囲で積分したPAS強度が、カーボンブラックを1と
した場合に0.01〜0.2の範囲内にある。このよう
なカラートナーは電子写真方式を採用する複写機、プリ
ンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で好適に用いるこ
とができる。
ように求めることができる。トナーをステンレス皿に取
り、PAS測定ユニットをセットした後、10ml/
s、10sの条件で雰囲気をHeガスに置換し、所定の
フーリエ変換機能を備えた装置としてFT−IR(Ma
ttson社製)を用いて測定する。積分回数は200
回として赤外PASスペクトルを求め、この赤外PAS
スペクトルを800〜2000nmの範囲で積分してP
AS強度を求める。基準物質として広い波長領域で光吸
収性の高いカーボンブラックを用い、カーボンブラック
のPAS強度を基準1として、カラートナーのPAS強
度を相対強度で求める。
部において、フラッシュ光の光エネルギーを熱エネルギ
ーに変換する機能を有している。この赤外光吸収剤は本
来、結着樹脂の溶融を促進するために添加されている。
一般的な赤外光吸収剤は概ね800〜2500nmの範
囲の波長光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変
換する。例えば、本実施例のカラートナーに好適に用い
ることができるナフタロシアニン化合物の場合は凡そ8
00〜1100nmの範囲の赤外光を吸収する。
ましくは800〜2000nmの広い波長範囲で吸収能
がある赤外光吸収剤を探索すべく鋭意研究を重ねた。し
かし、広い波長範囲で吸収能があるような単一の赤外光
吸収剤を見出すことはできなかった。すなわち、1つの
赤外光吸収剤を用いる場合、多量に添加して非常に高い
濃度となるようにしなければカラートナーに十分な定着
性を付与できないとの結論に至った。
と、例えば波長800〜1100nmの範囲に吸収ピー
クを有する第1の赤外光吸収剤(A)と、波長1100
〜2000nmの範囲に吸収ピークを有する第2の赤外
光吸収剤(B)との併用により、赤外光吸収剤の濃度を
低く抑えながら従来と比較して低い光エネルギーでカラ
ートナーの定着性を向上させることができることを見出
した。
PASスペクトルを800〜2000nmの範囲で積分
したPAS強度が、カーボンブラックを1とした場合に
0.01〜0.2の範囲内となる。
置では定着部で黒色トナーとカラートナーとが同時に定
着されることになる。この場合、カラートナーの前記P
AS強度を同時に定着される黒色トナーのPAS強度に
対して0.2〜0.9倍に設定することで、フラッシュ
定着に使用する光エネルギーを低減しつつ、カラートナ
ー及び黒色トナーを効率よく良好に定着させることがで
きる。
装置では定着部で、ある色のカラートナー(例えば赤
色)と他の色のカラートナー(例えば青色)とが同時に
定着されることになる。この場合には、1のカラートナ
ーの前記PAS強度を同時に定着される他のカラートナ
ーのPAS強度に対して0.2〜5倍に設定すること
で、フラッシュ定着に使用する光エネルギーを低減しつ
つ、各カラートナーを効率よく良好に定着させることが
できる。
を有するトナーは、波長800〜2000nmの範囲で
吸収波長スペクトルが異なる少なくとも2つ以上の赤外
光吸収剤を含有する本発明のカラートナーを適宜調整し
て製造することができる。
(赤色トナー)の吸光度特性を示す図であり、図2は1
つの赤外光吸収剤を添加する従来のカラートナー(赤色
トナー)の吸光度特性を示す図である。
囲に吸収ピークを有する第1の赤外光吸収剤(A)と、
波長1100〜2000nmの範囲に吸収ピークを有す
る第2の赤外光吸収剤(B)との両方が含有されている
ので、2つの吸収ピークが形成される。よって、赤外光
を効率よく利用していることになる。
外領域で1つの吸収ピークが形成されるだけであるの
で、赤外光を効率よく利用することができない。よっ
て、この1つのピークを高くするため、多量の赤外光吸
収剤を添加することが必要となっていた。
る第1の赤外光吸収剤(A)としては例えばナフタロシ
アニン系化合物を最も好適な材料として用いることがで
きる。また、第2の赤外光吸収剤(B)としては例えば
アミニウム系化合物、ジイモニウム系化合物を最も好適
な材料として用いることができる。
で表される。
し、R1からR3のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基
又はカルボキシル基を表わす) また、アミニウム系化合物は、下記一般式で表される。
ン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニト
ロ基又はカルボキシル基を表わし、X−は陰イオンを表
わす) また、ジイモニウム系化合物は、下記一般式で表され
る。
ン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニト
ロ基又はカルボキシル基を表わし、X−は陰イオンを表
わす) さらに、前記以外の赤外光吸収剤としてポリメチン系化
合物、シアニン系化合物、アントラキノン系化合物、フ
タロシアニン系化合物、ジチオール−ニッケル錯体や、
アゾコバルト錯体の金属錯体化合物、スクワリリウム系
化合物、酸化スズ、酸化イッテルビウム、リン酸化イッ
テルビウム等を使用することもできる。
を併用して用いることが好ましく、さらに、波長800
nm〜1100nmの範囲に吸収ピークを持つ赤外光吸
収剤と、波長1100nm〜2000nmの範囲に吸収
ピークを持つ赤外光吸収剤を併用することが特に好まし
い。
収剤の添加量は、トナー100重量部に対して、0.1
〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3
重量部である。ここでの添加量とは、併用する赤外光吸
収剤の合計添加量である。
多くなると、定着後のトナー画像の色相が着色剤本来の
色相から大きくずれ、画像の彩度が低下するなどの問題
が生じる。しかし、本発明のカラートナーでは使用する
赤外光吸収剤の量を従来よりも抑制することができる。
すなわち、1つの赤外光吸収剤で十分な赤外光吸収能を
得ようとすると多量の添加が必要である。その為に前述
した定着後の画像劣化の問題も招来してしまう。しか
し、吸収波長スペクトルが異なる2種以上の赤外光吸収
剤を併用することで、1つの赤外光吸収剤を用いた場合
の総量よりも少ない合計量で総合的に赤外光吸収能を向
上させることができる。さらに異なる赤外光吸収剤は色
もことなるので、定着後の画像劣化の問題も抑制でき
る。
脂として、従来の熱可塑性樹脂を用いることができる。
例えば、ガラス転移温度40〜80℃、軟化点80〜1
40℃のエポキシ樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等を単独もしくは混合
して使用することができる。必要により、この結着樹脂
にワックス(例えば、カルナバ、モンタン、ポリエチレ
ン、アマイド、ポリプロピレン等)を添加してもよい。
ができる着色剤については、特に限定はなく、公知の着
色剤を用いることができる。例えば、モノアゾ系赤色顔
料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔
料、アントラキノン染料、ニグロシン系染料、第4級ア
ンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯塩染料等を使用する
ことができる。また、これらを適宜、組合せて使用して
もよい。
ンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイル
ブルー(C.I.No.azoic Blue3)、ク
ロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラ
マリンブルー(C.I.No.77103)、デュポン
オイルレッド(C.I.No.26105)、キノリン
イエロー(C.I.No.47005)、メチレンブル
ークロライド(C.I.No.52015)、フタロシ
アニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイ
トグリーンオクサレート(C.I.No.4200
0)、食用赤色2号(アマランス、C.I.No.16
185)、食用赤色3号(エリスロシン、C.I.N
o.45430)、食用赤色40号(アルラレッドA
C、C.I.No.16035)、食用赤色102号
(ニューコクシン、C.I.No.16255)、食用
赤色104号(フロキシン、C.I.No.4541
0)、食用赤色105号(ローズベンガル、C.I.N
o.45440)、食用赤色106号(アシドレッド、
C.I.No.45100)、食用黄色4号(タートラ
ジン、C.I.No.19140)、食用黄色5号(サ
ンセットイエローFCF、C.I.No.1598
5)、食用緑色3号(ファーストグリーンFCF、C.
I.No.42053)、食用青色1号(ブリリアント
ブルーFCF、C.I.No.42090)、食用青色
2号(インジゴカーミン、C.I.No.73015)
等を使用することができる。
部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜
10重量部である。
は、カラートナー全体を100重量部とした場合に、例
えば結着樹脂は75〜95重量部、着色剤は0.1〜2
0重量部、好ましくは0.5〜10重量部、赤外光吸収
剤は0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部
を含むように構成することが推奨される。
性付与や異なる温湿度環境での帯電量変化を小さくする
ことを目的として帯電制御剤を添加してもよい。帯電制
御剤としては、無色ないし淡色のものが推奨される。
ウム塩化合物、サリチル酸化合物、ホウ酸系錯体、カル
ボン酸系化合物など、公知の正帯電性、負帯電性の帯電
制御剤を使用することができる。
製造法により製造することができる。少なくとも、結着
樹脂、着色剤、波長800〜2000nmの範囲で吸光
度特性が異なる少なくとも2種以上の赤外光吸収剤を準
備し、さらに必要により帯電制御剤、ワックスを添加し
て原材料とする。この原材料を例えば、加圧ニーダ、ロ
ールミル、押出機などにより混錬して均一分散させる。
その後、例えば粉砕機、ジェットミルなどにより、粉
砕、微粉砕し、風力分吸機などにより分級して、所望の
粒度分布のカラートナーを得る。
492号公報に開示されるように、赤外光吸収剤と帯電
制御剤を別々の樹脂に混錬した後、この両者を再度混錬
する方法を採用してもよい。
上させるために、無機微粒子(以下、外添剤)をトナー
表面に被覆してもよい。ここで、使用できる外添剤とし
ては、粒子径が2nm〜500nm、好ましくは5nm
〜200nmの範囲にあるものである。また、BET法
による比表面積は20m2/g〜500m2/gである
ことが好ましい。
の割合は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重
量部であり、好ましくは0.1〜2.0重量部である。
このような外添剤としては、例えばシリカ、アルミナ、
酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸
化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ
土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アン
チモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸珪素、窒
化珪素等を微粒子化したものを使用することができる。
これらの中では、シリカ微粒子を用いることが好まし
い。なお、外添剤はその表面を予め疎水処理しているも
のを用いることがより好ましい。[実施例]以下、実施例
を示して本発明のカラートナーをより具体的に説明す
る。
で示すカラートナーを製造した。上記赤外光吸収剤を単
独で使用した場合や、添加量を変更した比較例について
も示している。 (実施例1) 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 91重量部 赤外光吸収剤(A):ナフタロシアニン化合物(YKR−5010;山本化成社製) (最大吸収波長880nm) 1重量部 赤外光吸収剤(B):アミニウム塩化合物(NIR−AM1;帝国化学産業社製) (最大吸収波長1550nm) 1重量部 着色剤:銅フタロシアニン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ製造社製) 5重量部 負帯電制御剤:E−89(オリエント化学社製) 2重量部 以上の材料をヘンシェルミキサーへ投入し、予備混錬を
行った後、エクストルーダにより混錬し、ついでハンマ
ーミルにて粗粉砕した。さらに、これをジェットミルに
て微粉砕し、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径
が約8.5μmの青色トナーを得た。次いで、外添剤と
して疎水シリカ微粒子(H2000/4;クラリアント
社製)を0.5重量部添加し、ヘンシェルミキサで外添
処理を行い外添剤を表面に被覆させた青色トナーを得
た。
AS強度を測定した。測定の手順は以下の通りである。
青色トナーをステンレス皿に取り、PAS測定ユニット
(Photoacustic Model 300,MTEC社製)をセットし
た後、10ml/s、10sの条件で雰囲気をHeガス
に置換した後、FT−IR(Mattson社製)を用
いて測定した。積分回数は200回として赤外PASス
ペクトルを求め、この赤外PASスペクトルを800〜
2000nmの範囲で積分してPAS強度を求めた。基
準物質としてカーボンブラックを用い、カーボンブラッ
クのPAS強度を基準1として、カラートナーのPAS
強度は相対強度で求めた。この青色トナーの相対強度は
0.07であった。
構成して、フラッシュ定着型のプリンタを使用して記録
媒体上にトナー画像の形成を行い、その定着性を評価し
た。
系樹脂コートマグネタイトキャリア(関東電化工業社
製)95.5重量部をボールミルで混合したものを使用
して2成分現像剤を製造した。
形成装置1の一部概要を模式的に示す図である。本装置
1は例えばプロセス速度1100mm/sの高速現像タ
イプであり、アモルファスシリコンからなる感光体10
の周辺に、帯電器20、露光手段30、現像手段40、
転写器50、クリーナ60、除電器70、キセノンフラ
ッシュランプ81を有するフラッシュ定着器80等が配
設されている。現像手段40は現像剤容器41、現像ロ
ーラ43及び図示せぬ攪拌羽等を含み、現像剤容器41
内のトナー粒子TOとキャリア粒子CAを接触させて所
定の帯電量がトナーに付与されるようになっている。
ンフラッシュ定着方式を採用しているレーザプリンタ
(F676D;富士通社製)を用いて、フラッシュラン
プに印加するバイアス電位を変位させた。これにより、
フラッシュランプから発する光エネルギーを記録媒体
(用紙)の単位面積あたりで変化させることができる。
ここでは、1.8J/cm2、発光時間1500μ秒の
光エネルギーを付与し、青色トナーの粉像を用紙上で溶
融してから固化し、定着画像を得た。この定着画像につ
いて定着性を評価した。
った。テープ剥離試験は定着画像を粘着テープ(スコッ
トメンディングテープ;3M社製)を軽く貼り、円柱ブ
ロックを円周方向に転がすことにより、250g/cm
の線圧にて該テープを画像面に密着させ、しかる後、該
テープを引き剥がず試験法であり、下式で表されるテー
プ引き剥がし前後の画像の光学濃度比を定着率とした。
定着率70%程度を可とした。 定着率(%)=(テープ剥離後の画像濃度/テープ剥離
前の画像濃度)×100 実施例1における青色トナーの評価結果は90%と良好
な定着性を示し、光エネルギーの過剰によるボイド発生
も見られなかった。
計(CM−3700d;ミノルタ社製)を使用して波長
域400nm〜800nmの反射光を測定し、吸光度が
最も大きくなる波長での吸光度値を光学濃度とした。
よって定着率が変化するため、定着率測定は用紙上のト
ナー量が0.70±0.05g/cm2の範囲であるト
ナー定着率(%)を求めた。 (実施例2)カラートナーの材料構成を下記とした他
は、実施例1と同様にして青色トナーを製造して、同様
にPAS強度を求めた。実施例2の青色トナーのPAS
強度は0.05であった。
結果、定着率80%で、ボイド発生のもない良好な定着
性を示した。 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 92重量部 赤外光吸収剤(A):ナフタロシアニン化合物 0.5重量部 赤外光吸収剤(B):ジイモニウム塩化合物(NIR−IM1;帝国化学産業社 製) (最大吸収波長1150nm) 1重量部 着色剤:銅フタロシアニン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ製造社製) 5重量部 負帯電制御剤:E−89(オリエント化学社製) 2重量部 (実施例3)カラートナーの材料構成を以下とした他
は、実施例1と同様にして青色トナーを製造して前記と
同様にしてPAS強度を求めた。このトナーのPAS強
度は、カーボンブラック1に対して0.02であった。
結果、定着率70%で、ボイド発生のもない良好な定着
性を示した。 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 90重量部 赤外光吸収剤(A):ナフタロシアニン化合物 0.1重量部 赤外光吸収剤(B):ジイモニウム塩化合物 1重量部 着色剤:銅フタロシアニン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ製造社製) 5重量部 負帯電制御剤:E−89(オリエント化学社製) 2重量部 (比較例1)カラートナーの材料構成を以下とした他
は、実施例と同様に青色トナーを製造して前記と同様に
してPAS強度を求めた。この比較例1トナーのPAS
強度は、カーボンブラック1に対して0.005であっ
た。また、実施例1と同様の定着評価を行った結果、ボ
イドの発生はないが定着率が50%と低く、定着不良と
なった。
0.005であり、実施例の各トナーと比較して格段に
低く、同様のフラッシュ光を照射されているにも拘わら
ずそのエネルギー利用効率が悪いためと推測できる。 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 92.95重量部 赤外光吸収剤:アミニウム塩化合物 0.05重量部 着色剤:銅フタロシアニン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ製造社製) 5重量部 負帯電制御剤:E−89(オリエント化学社製) 2重量部 (比較例2)カラートナーの材料構成を下記とした他
は、実施例1と同様にして青色トナーを製造して、同様
にPAS強度を求めた。比較例2のトナーのPAS強度
は0.21であった。
結果、定着率が90%と高いが、ボイドが多量に発生し
て良好な定着性を得ることができなかった。
収剤を併用するものであるが、その添加量が過多となる
とトナーが溶融し過ぎてしまうことが分かる。 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 73重量部 赤外光吸収剤(A):ナフタロシアニン化合物 10重量部 赤外光吸収剤(B):ジイモニウム塩化合物 10重量部 着色剤:銅フタロシアニン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ製造社製) 5重量部 負帯電制御剤:E−89(オリエント化学社製) 2重量部 さらに、以下で示す実施例及び比較例は、画像像形成装
置内で実際に定着される状況についても考慮したもので
あり、カラートナーと黒色トナーとを同時定着させた場
合について説明する。 (実施例4)黒色トナー(No.1黒色トナー)として
下記に示すものを実施例1の青色トナーと同様に製造
し、同様にPAS強度を求めた。本実施例4で製造した
黒色トナーのPAS強度は0.1であった。
黒色トナーを用い、実施例1の場合と同様に、この2種
のトナーを用紙上で同時定着させる定着試験を行った。
青色トナーのPAS強度は0.07であり、No.1黒
色トナーのPAS強度は0.1である。黒色トナーのP
AS強度に対する青色トナーの前記PAS強度は、0.
7(=0.07/0.1)である。
%、黒色トナー95%であり、どちらもボイド発生がな
い良好な定着性を示した。 [No.1黒色トナー] 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 88重量部 カーボン:(#25;三菱化学社製) 10重量 部 負帯電制御剤:S−34(オリエント化学社製) 2重量部 (実施例5)カラートナーとして実施例3で用いたPA
S強度0.02(No.1黒色トナーに対して0.2)
の青色トナーを用いた以外、実施例4と同様に黒色トナ
ーを用いて評価した。本実施例での定着率は、青色トナ
ー70%、黒色トナー95%であり、どちらもボイド発
生がない良好な定着性を示した。 (比較例3)黒トナーとして、下記に示すNo.2黒色
トナー(PAS強度0.13)、カラートナーとして実
施例3で用いたPAS強度0.02(No.2黒色トナ
ーに対して0.15)の青色トナーを用い、定着光エネ
ルギーを2.5J/cm2に変更した以外、実施例4の
場合と同様に評価した。その結果、定着率は青色トナー
75%、黒色トナー95%であったが、黒色トナー側に
ボイドが発生して良好な定着性を得られなかった。 [No.2黒色トナー] 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製) 83重量部 カーボン:(#25;三菱化学社製) 15重量 部 負帯電制御剤:S−34(オリエント化学社製) 2重量部 本比較例3で用いたNo.2黒色トナーは、No.1黒
色トナーと比較して、PAS強度が大きい。よって、本
実施例のカラートナー(青色)に好適な定着光エネルギ
ーは黒色トナーの種類によっては強すぎる場合がある。
時に使用されるカラートナーと黒色トナーの関係では、
カラートナーの前記PAS強度は、同時に定着される黒
色トナーのPAS強度に対して0.2〜0.9倍程度に
設定されていることが好ましいことを確認した。また、
赤色、緑色、マゼンタ、シアン、イエロー等、他の色の
カラートナーにおいても同様の結果を得えることができ
た。
が、本発明者等は前記実施例4及び5、並びに比較例3
と同様に、カラートナー同士の関係についても検討し
た。その結果、同時に使用される各カラートナーの前記
PAS強度は、他のカラートナーのPAS強度に対して
0.2〜5倍に設定されていることが好ましいことを確
認している。 (比較例4)黒色トナーとして、前記No.1黒色トナ
ーを用いた。また、カラートナーとして実施例1で用い
た青色トナー用いた。ただし、この青トナーに添加した
赤外光吸収剤については、赤外光吸収剤(A)及び赤外
光吸収剤(B)をそれぞれ、5重量部とし合計で10重
量部まで増加させた。その他の条件は、実施例1の場合
と同様にして青色トナーを製造した。この青色トナーの
PAS強度は0.095(No.1黒色トナーに対して
0.95)であった。
評価した。その結果、定着率は青色トナー90%、黒色
トナー90%であったが、青色トナーの定着画像の彩度
が低下して、良好な画像が得られなかった。
されているので定着性は向上するが、有色である赤外光
吸収剤が定着画像の彩度に悪影響があることが分かる。
以下でさらに示す実施例及び比較例は、実施例1のトナ
ーを用いフラッシュ定着を行うの光エネルギー(定着エ
ネルギー)を変更した場合について示している。 (実施例6)フラッシュ光のエネルギーを0.5J/c
m2、発光時間3000μ秒に変更した以外、前記実施
例1の場合と同様にトナーの評価を行った。本実施例で
は、定着率70%で、ボイド発生もない良好な定着性を
示した。 (実施例7)フラッシュ光のエネルギーを2.5J/c
m2、発光時間500μ秒に変更した以外、前記実施例
1の場合と同様にトナーの評価を行った。本実施例で
は、定着率75%で、ボイド発生もない良好な定着性を
示した。 (比較例5)フラッシュ光のエネルギーを0.4J/c
m2、発光時間500μ秒に変更した以外、前記実施例
1の場合と同様にトナーの評価を行った。本比較例で
は、定着率60%で、定着不良となった。本比較例では
照射した光エネルギーが不足していると推測できる。 (比較例6)フラッシュ光のエネルギーを3.1J/c
m2に変更した以外、前記実施例1の場合と同様にトナ
ーの評価を行った。本比較例ではボイドが発生し、良好
な定着性が得られなかった。本比較例では照射した光エ
ネルギーが過剰であると推測できる。 (比較例7)フラッシュ光のエネルギーを1J/cm2
に変更した以外、前記実施例3の場合と同様にトナーの
評価を行った。本比較例ではボイド発生はないが、定着
率が60%となり定着不良となった。本比較例では照射
した光エネルギーが過剰であると推測できる。 (比較例8)フラッシュ光のエネルギーを3J/cm2
に変更した以外、前記実施例1の場合と同様にトナーの
評価を行った。本比較例ではボイドが発生し、良好な定
着性を得られなかった。本比較例では照射した光エネル
ギーが過剰であると推測できる。
示されるが、本実施例のカラートナーを用いると、フラ
ッシュ光のエネルギーを0.5〜2.5J/cm2と
し、発光時間500〜3000μ秒として、従来よりも
定着エネルギーを低減したフラッシュ定着工程を実現で
きる。
ラートナーについて、前記PAS強度(S)と、フラッ
シュ光のエネルギー(E)との積(E・S)に着目し、
このE・S値が式(1)の条件を満たすように定着がな
されていると優れたカラートナーの定着を実現できるこ
とも確認した。
ラートナー及び問題のあった比較例カラートナーについ
て、E・S値を示す。また、このE・S値と定着率の関
係を図4に示す。図4からE・S値が低く過ぎると定着
不足となり、逆に高くなり過ぎるとボイドが発生するこ
とが確認できる。よって、ここからE・S値が上記式
(1)の範囲にあることが好ましいことが確認できる。
足していること(表1では評価で○にて示す)、その逆
に各比較例のカラートナーは上記式(1)の条件を満足
しいないことも確認できる。
例3のトナーは、黒色トナーと青色トナーを同時定着さ
せた場合であるので、両トナーが良好な状態となる必要
がある。よって、比較例3のトナーは黒色トナーにボイ
ドが生じているので評価は不可(×)である。
例1について、発光時間を1500μ秒とし、定着エネ
ルギー(フラッシュ光のエネルギー)を変更したときの
定着率(%)の様子を纏めて示したのが図5である。
は、比較例トナーが定着不良となる1.75J/cm2
より低い定着エネルギーでも高い定着性を得られること
が確認できる。すなわち、本発明に係るカラートナーは
フラッシュ定着での定着エネルギーを低減できるトナー
であることが確認できる。
の一例として、青色及び黒色を示して、これらを製造
し、定着試験を行った場合について説明した。しかし、
本発明は青色に限らず、他の色、例えば赤色、緑色、マ
ゼンタ、シアン、イエロー等の場合についても同様に定
着用の光エネルギーを低減しつつ確実に定着を行うこと
ができるトナーとして提供できる。
式での定着試験を行ったが、本発明のカラートナーは磁
性或いは非磁性の1成分トナーとして使用できることは
言うまでもない。
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
を開示する。
剤、赤外光吸収剤を含みフラッシュ光により記録媒体上
に定着されるカラートナーであって、光音響分光(PA
S)分析測定に基づいて得られる赤外PASスペクトル
を、800〜2000nmの範囲で積分したPAS強度
が、カーボンブラックを1とした場合に0.01〜0.
2の範囲にある、ことを特徴とするフラッシュ定着用の
カラートナー。
着用のカラートナーにおいて、カラートナーの前記PA
S強度は、同時に定着される黒色トナーのPAS強度に
対して0.2〜0.9倍に設定されている、ことを特徴
とするフラッシュ定着用のカラートナー。
シュ定着用のカラートナーにおいて、カラートナーの前
記PAS強度は、同時に定着される他のカラートナーの
PAS強度に対して0.2〜5倍に設定されている、こ
とを特徴とするフラッシュ定着用のカラートナー。
載のフラッシュ定着用のカラートナーにおいて、波長8
00〜2000nmの範囲で、吸収波長スペクトルが異
なる少なくとも2つ以上の赤外光吸収剤を含有する、こ
とを特徴とするフラッシュ定着用のカラートナー。
着用のカラートナーにおいて、前記赤外光吸収剤とし
て、波長800〜1100nmの範囲に吸収ピークを有
する第1の赤外光吸収剤(A)と、波長1100〜20
00nmの範囲に吸収ピークを有する第2の赤外光吸収
剤(B)とを併用する、ことを特徴とするフラッシュ定
着用のカラートナー。
着用のカラートナーにおいて、前記赤外光吸収剤(A)
がナフタロシアニン系化合物であり、前記赤外光吸収剤
(B)がアミニウム系化合物又はジイモニウム系化合物
である、ことを特徴とするフラッシュ定着用のカラート
ナー。
剤、赤外光吸収剤を含むカラートナーにフラッシュ光を
照射して記録媒体上に定着させる工程を含む画像形成方
法であって、光音響分光(PAS)分析測定に基づいて
得られる赤外PASスペクトルを800〜2000nm
の範囲で積分したPAS強度(S)と、フラッシュ光の
エネルギー(E)とが、次式(1)の関係にある、こと
を特徴とするフラッシュ定着工程を含む画像形成方法。
剤を含むカラートナーにフラッシュ光を照射して記録媒
体上に定着させる工程を含む画像形成方法であって、前
記フラッシュ光のエネルギーを0.5〜2.5J/cm
2とし、発光時間500〜3000μ秒とした、ことを
特徴とするフラッシュ定着工程を含む画像形成方法。
に、請求項1記載の発明によれば定着させるための光エ
ネルギーを低減できるカラートナーとして提供できる。
このようなカラートナーは従来においては定着不良とな
る虞のあるような弱い光エネルギーでも確実に定着させ
ることができる。赤外光吸収剤の使用量を抑制できるの
で、定着後のカラー画像の劣化がない鮮明なカラー画像
形成が可能である。
媒体上に黒色トナーと同時に定着され、良好な定着性を
示すカラートナーを提供できる。
媒体上に同時に定着され、互いに良好な定着性を示すカ
ラートナーを提供できる。
800〜2000nmの範囲でのトナーの吸光度を確実
に上げることができ、これによりカラートナーのPAS
強度を向上でき、良好な定着画像を実現できる。
ので、フラッシュ光をより効率的に利用できるようにな
り光エネルギーを確実に低減できる。さらに、赤外光吸
収剤はその使用量が総量として抑制できるので形成画像
への影響をさらに確実に抑制できる。
好な定着性を有し、かつボイドの発生がないはカラーの
画像形成を実現できる。
ー)の吸光度特性を示す図である。
ナー(赤色トナー)の吸光度特性を示す図である。
の一部概要を模式的に示す図である。
の関係を示す図である。
cm2)と定着率(%)の関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外光吸
収剤を含みフラッシュ光により記録媒体上に定着される
カラートナーであって、 光音響分光(PAS)分析測定に基づいて得られる赤外
PASスペクトルを、800〜2000nmの範囲で積
分したPAS強度が、カーボンブラックを1とした場合
に0.01〜0.2の範囲にある、ことを特徴とするフ
ラッシュ定着用のカラートナー。 - 【請求項2】 請求項1に記載のフラッシュ定着用のカ
ラートナーにおいて、 カラートナーの前記PAS強度は、同時に定着される黒
色トナーのPAS強度に対して0.2〜0.9倍に設定
されている、ことを特徴とするフラッシュ定着用のカラ
ートナー。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフラッシュ定着
用のカラートナーにおいて、 カラートナーの前記PAS強度は、同時に定着される他
のカラートナーのPAS強度に対して0.2〜5倍に設
定されている、ことを特徴とするフラッシュ定着用のカ
ラートナー。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のフラ
ッシュ定着用のカラートナーにおいて、 波長800〜2000nmの範囲で、吸収波長スペクト
ルが異なる少なくとも2つ以上の赤外光吸収剤を含有す
る、ことを特徴とするフラッシュ定着用のカラートナ
ー。 - 【請求項5】 少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外光吸
収剤を含むカラートナーにフラッシュ光を照射して記録
媒体上に定着させる工程を含む画像形成方法であって、 光音響分光(PAS)分析測定に基づいて得られる赤外
PASスペクトルを800〜2000nmの範囲で積分
したPAS強度(S)と、フラッシュ光のエネルギー
(E)とが、次式(1)の関係にある、ことを特徴とす
るフラッシュ定着工程を含む画像形成方法。 0.03≦E・S≦0.15 ……(1)
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