JP2003302785A - 電子写真用トナー及び電子写真用フラッシュ定着装置 - Google Patents

電子写真用トナー及び電子写真用フラッシュ定着装置

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JP2003302785A
JP2003302785A JP2002109930A JP2002109930A JP2003302785A JP 2003302785 A JP2003302785 A JP 2003302785A JP 2002109930 A JP2002109930 A JP 2002109930A JP 2002109930 A JP2002109930 A JP 2002109930A JP 2003302785 A JP2003302785 A JP 2003302785A
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toner
fixing
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light
fatty acid
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JP2002109930A
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Satoshi Takezawa
敏 竹澤
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用トナー及び電子写真用フラッシュ
定着装置に関し、耐久性が高く、カラートナーであって
も良好な定着性を示すトナー、特に、フラッシュ定着用
トナーを提供する。 【解決手段】 ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル
化合物を電子写真用トナーの構成成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用トナー及
び電子写真用フラッシュ定着装置に関するものであり、
特に、光定着により記録紙への定着を行う電子写真複写
機、電子写真プリンタや静電記録装置などの複写機に用
いるトナーの低エネルギーでの定着性を向上するための
添加物に特徴のある電子写真用トナー及び電子写真用フ
ラッシュ定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真法としては感光体ド
ラム等の光導電性絶縁体上に一様な静電荷を与え、様々
な手段によりこの光導電性絶縁体上に光像を照射するこ
とによって静電潜像を形成し、次いで、形成した潜像を
トナーと呼ばれる微粉末を用いて現像可視化し、紙等の
記録媒体にトナー粉像を転写した後に定着させ、印刷物
を得る方法が一般的である。
【0003】この定着工程で、記録媒体上のトナーは、
加圧、加熱、溶剤蒸気、光等により溶融されて、記録媒
体に固着される。ここで、トナー粉像に強力な光を照射
しトナーを溶融させる光定着方式は、(1)非接触定着
であるため、定着過程で画像のニジミ、チリなどが発生
せず、解像度を劣化させない、(2)装置電源投入後の
待ち時間がなく、クイックスタートが可能である、
(3)システムダウンにより定着器内に記録紙がつまっ
ても発火しない、(4)のり付き紙、プレプリント紙、
厚さの異なる紙等、記録紙の材質や厚さに関係なく定着
が可能である、等の理由により注目を集めている。
【0004】現在、この様な光定着方式における最も一
般的な方法は光源にキセノンフラッシュランプを使用す
るフラッシュ定着法であり、このフラッシュ定着法にお
いてトナーが記録紙に定着する過程は次の通りである。 トナー画像が感光体ドラム等から記録用紙上に転写さ
れる。この時点では、トナーは粉像のまま記録紙に付着
して画像を形成しており、例えば指で擦れば画像は崩れ
る状態である。 上記トナー粉像に、例えばキセノンフラッシュ等の閃
光を照射する。この照射工程において、トナーは閃光の
光エネルギを吸収、昇温して軟化し、記録紙に密着す
る。 閃光照射後に温度が下がると、トナー像は固化し、定
着像が完成する。
【0005】ここで重要なのは、用紙の折り曲げや、擦
り等により、定着像が用紙から剥離し、画質の劣化を招
く、いわゆる定着不良を防止することである。特に、フ
ラッシュ定着方式は非接触定着方式であるため、ヒート
ローラ定着方式と比較すると、溶融トナーが用紙へ浸透
しにくく、定着性向上が困難であるのが現状である。
【0006】特に、近年、カラー印刷物の需要が高まっ
ているが、カラートナーに用いられる着色剤は可視光領
域の吸収はあるものの、フラッシュランプの主発光波長
領域である近赤外線領域での光吸収効率は低いという問
題がある。
【0007】図3参照 図3は、光定着法に一般的に用いられるキセノンフラッ
シュランプの発光スペクトルの一例であり、主発光波長
領域である800〜1000nmの近赤外線領域で特に
発光強度が強く、この領域で光吸収性が低いカラートナ
ーは定着性が低くなるため、改善が強く求められてい
る。
【0008】一方、黒色トナーにおいては、着色剤であ
る黒色色剤は可視領域から近赤外線領域にかけてほぼ平
坦な光吸収特性を示し、近赤外線領域をも比較的良く吸
収することから、光定着システムを採用した電子写真装
置として既に実用化されているものの、近年の省エネ対
応への要求の高まりから、更なる定着性能の向上が望ま
れている。
【0009】これらの要求に基づき、トナー定着性を高
める目的で、(1)トナーの溶融特性を制御する、具体
的には、トナーの融点が低く、溶融時の粘度が小さくな
るよう、特定の組成、分子量分布を有するトナーバイン
ダ樹脂を用いる(必要ならば、特開平2−158747
号公報参照)、或いは、(2)定着性を高める添加剤を
加える、具体的には、定着助剤としてポリオレフィンな
どの低融点材料をトナーに添加する(特開昭50−28
840号公報参照)、等の対策が一般的に行われてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
によっても、定着性を充分高めるためには、バインダ樹
脂分子量を極めて小さく設計したり、低融点材料を多量
に添加する必要が生じ、トナーの耐久性を低下させるな
どの弊害が発生するという問題がある。
【0011】したがって、本発明は、耐久性が高く、カ
ラートナーであっても良好な定着性を示すトナー、特
に、フラッシュ定着トナーを提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】ここで、本発明における
課題を解決するための手段を説明するが、構成による効
果の理解を助けるために、図1を参照する。なお、図1
は、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物添加
効果を示す図である。上記の目的を達成するため、本発
明は、電子写真用トナーにおいて、ジペンタエリスリト
ール脂肪酸エステル化合物を構成成分とすることを特徴
とする。
【0013】この様に、溶融時の粘着性の低いジペンタ
エリスリトール脂肪酸エステル化合物を添加することに
よって、定着時のトナー溶融粘度を低減する効果がある
と予想され、それによって、記録媒体に対する浸透性が
高まるので低エネルギーでの定着が可能になる。
【0014】また、この様なジペンタエリスリトール脂
肪酸エステル化合物としては、下記の化学構造式を有す
る化合物が、入手容易性、或いは、定着性の観点から望
ましい。
【化2】
【0015】例えば、式におけるm,n,o,p,q,
rが15以下であると化合物自体の製造が困難になり、
且つ、低融点となりすぎて定着の安定性が低下し、一
方、31以上であると、やはり化合物自体の製造が困難
になり、且つ、低エネルギーでの定着が困難になる。
【0016】図1参照 図1に示すように、上記の化学式を有する化合物を添加
することによって、低エネルギーでの定着性の向上が可
能になる。
【0017】また、フラッシュ定着用に用いる場合に
は、使用するフラッシュランプの主発光波長領域または
前記主発光波長領域より長波長側に吸収波長ピークを有
する光吸収材料、即ち、赤外線吸収剤、或いは、少なく
とも前記主発光波長領域から可視光領域に渡ってほぼ平
坦な光吸収性を有する黒色着色剤を用いることによっ
て、カラー着色剤に不足する800〜1000nmの赤
外線波長域の吸収性を高め、使用するフラッシュランプ
のエネルギーを効率的に吸収して定着率を高めることが
できる。
【0018】この場合、赤外線吸収剤としては、使用す
るフラッシュランプの主発光波長領域、例えば、800
〜1000nmに主吸収波長を有する赤外線吸収剤が望
ましいが、800〜1000nmにおいてトナーを溶融
するのに充分なエネルギー吸収率を有していれば、10
00nm以上の長波長領域に吸収波長ピークを有する赤
外線吸収剤でも良い。
【0019】また、光吸収性を有する材料としては、黒
色着色剤等の着色剤自体の赤外線吸収特性を利用しても
良いものである。なお、「少なくとも前記主発光波長領
域から可視光領域に渡ってほぼ平坦な光吸収性」におけ
る平坦性はそれほど厳密なものではなく、少なくとも、
800〜1000nmにおいてトナーを溶融するのに充
分なエネルギー吸収率を有していれば良いものである。
また、黒色着色剤等の着色剤と赤外線吸収剤を合わせて
用いても良いものである。
【0020】この様な電子写真用トナーと電子写真用定
着器を備えた電子写真用定着システム、特に、電子写真
用光定着システムを構築することによって、低エネルギ
ーで良好な定着特性を有するフラッシュ定着方式のカラ
ー電子写真装置を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の実施の形態の好
適な手順を説明するが、その前に図2を参照して、本発
明の電子写真用トナーを用いた電子写真用光定着システ
ムを説明する。 図2参照 図2は、本発明の電子写真用トナーを用いるフラッシュ
定着方式の電子写真プリンタ装置の概念的構成図であ
り、感光体ドラム11、感光体ドラム11の上に一様な
静電荷を与える前帯電器12、一様帯電した感光体ドラ
ム11に光像を照射することによって静電潜像を形成す
る露光装置13、形成した静電潜像を電子写真用トナー
を用いて現像可視化する現像装置14、記録媒体15に
トナー粉像を転写させる転写帯電装置16、転写したト
ナー粉像を定着するフラッシュ定着装置30から構成さ
れる。なお、図における符号17,18は搬送機構であ
り、符号19は転写に使用されなかったトナーを除去す
るクリーナ装置であり、符号20は記録媒体15を案内
するガイド機構である。
【0022】このフラッシュ定着装置30は、キセノン
ランプ31、キセノンランプ31からの赤外光を記録媒
体15に向ける反射板32、及び、キセノンランプ31
及び反射板32を定着時に発生する汚染物質から保護す
るためのガラスからなる透明遮蔽部材33から構成され
る。なお、このキセノンランプ31の発光スペクトル
は、図3に示した通りである。
【0023】ここで、本発明の実施の形態の好適な手順
を説明するが、トナーの作成法は、従来の通常のトナー
作成法と同様の方法で行うことが可能である。例えば、
粉砕法で作成する場合、バインダ樹脂、ジペンタエリス
リトール脂肪酸エステル化合物、光吸収材料、さらに必
要に応じてWAX組成物、着色剤、帯電制御剤などのト
ナー構成物を混合した後、ニーダー、押し出し機などを
用いて上記材料を溶融混練する。
【0024】なお、この場合の光吸収剤としては、定着
に使用するフラッシュランプの主吸収波長領域である8
00〜1000nmに主吸収波長領域を有する赤外線吸
収剤、1000nm以上の波長領域に吸収波長ピークを
有するものの800〜1000nmにおいてもトナーを
溶融するので十分な吸収特性を有する赤外線吸収剤、あ
るいは、少なくとも800〜1000nmから可視領域
に渡ってほぼ等しい光吸収率を有する黒色着色剤等の着
色剤を用いる。
【0025】次いで、この溶融混錬物を粗粉砕した後、
ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的と
する粒径のトナー粒子を得る。さらに、外添剤を添加
し、最終的なトナーを完成させる。
【0026】また、重合法で作成する場合には、主に懸
濁重合法と乳化重合法が適用できる。例えば、懸濁重合
法で作成する場合、スチレン、ブチルアクリレート、2
エチルヘキシルアクリレートなどのモノマ、ジビニルベ
ンゼンなどの架橋剤、ドデシルメルカプタンなどの連鎖
移動剤、着色剤、帯電制御剤、上述のジペンタエリスリ
トール脂肪酸エステル化合物、上述の光吸収材料、さら
に必要に応じてWAX組成物、重合開始剤などを混合し
てモノマ組成物を作成する。
【0027】次いで、リン酸三カルシウム、ポリビニル
アルコール等の懸濁安定剤、界面活性剤が入った水相中
に、上述のモノマ組成物を投入し、ローターステータ式
乳化機、高圧式乳化機、超音波式乳化機などを用いてエ
マルションを作成した後、加熱によりモノマの重合を行
う。重合終了後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外添剤を添
加して最終的なトナー粒子を得る。
【0028】或いは、乳化重合法で作成する場合には、
過硫酸カリウムなどの水溶性重合開始剤を溶解させた水
中に、スチレン、ブチルアクリレート、2エチルヘキシ
ルアクリレートなどのモノマ、必要に応じてドレシル硫
酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加し、攪拌を行いな
がら過熱、重合を行い樹脂粒子を得る。
【0029】次いで、上述のジペンタエリスリトール脂
肪酸エステル化合物、光吸収材料、さらに必要に応じて
着色剤、帯電制御剤、WAX組成物などの粉末を樹脂粒
子が分散したサスペンション(分散液)中に添加し、サ
スペンションのpH、攪拌強度、温度などを調整するこ
とにより樹脂粒子と、モノ環状テルペンフェノール化合
物、光吸収材料などをヘテロ凝集させる。
【0030】ついで、ヘテロ凝集した系を樹脂のガラス
転移温度以上に過熱して、ヘテロ凝集体を融着させてト
ナー粒子を得る。その後、粒子の洗浄、乾燥を行い、外
添剤を添加して最終的なトナー粒子を得る。
【0031】次に、作製したトナーの印刷試験方法を説
明する。このトナーをフラッシュ定着方式プリンタPS
2160(富士通製商品名)のフラッシュランプ印加電
圧を変更した改造機に搭載し、700〜1500nmの
波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッシュ光
を照射して普通紙NIP−1500LT(小林記録紙製
商品名)に定着させ印刷画像を得た。
【0032】次いで、印刷した1インチ(≒2.54c
m)四方の印刷画像について、光学濃度測定器(93
8:X−rite社製商品名)を用いて光学濃度(OD
1)を測定し、その後、この印刷画像上に粘着テープ(
スコッチメンディングテープ;住友3M製商品名)を貼
り、しかる後、テープを引き剥がし、剥離後の印刷画像
の光学濃度(OD2)を測定する。
【0033】求めた光学濃度(OD1)と光学濃度(O
D2)とから、下記に示す、 定着率(%)=OD2/OD1×100 から定着率を求めて評価するものであり、定着率が90
%以上で良と判定する。
【0034】次に、本発明の実施の形態に好適な各材料
を説明する。まず、低光エネルギーにおける定着性を向
上させるジペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物
は、下記の化学構造式に示す化合物を用いるものであ
り、単体で用いても良いし、混合して用いても良い。
【化3】
【0035】このジペンタエリスリトール脂肪酸エステ
ル化合物は、溶融時の粘性が低いことから、定着時にト
ナー溶融粘度を低減する効果があるものと予想され、さ
らに、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルは比較的
分子量が小さいワックス的な化合物であるにも関わら
ず、硬度が比較的高いため、トナーの耐久性を低下させ
るような不具合が発生しにくいと考えられる。
【0036】また、ジペンタエリスリトール脂肪酸エス
テル化合物は白〜淡色であるため、カラートナーに適応
した場合であっても、その色彩度を低下させることがな
く、さらに、ワックス的な化合物であるため、ヒートロ
ーラ定着にも適応可能である。
【0037】次に、バインダ樹脂は、特に限定されず、
各種の天然または合成高分子物質よりなる熱可塑性樹脂
を用いることができるが、代表的には重量平均分子量5
000〜10万程度、融点90〜140℃のエポキシ樹
脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂などを単独又は混合して用いる。
【0038】次に、定着用フラッシュランプの主発光波
長領域、例えば、800〜1000nmにトナーを溶融
するのに十分な吸収率を有する赤外線吸収材料として
は、ナフタロシアニン類、フタロシアニン類、アミニウ
ム、ジイモニウム、ポリメチン系化合物、キノリン誘導
体化合物、ランタノイドおよびその塩/酸化物/硫化物
/ハロゲン化物/複合塩、バナジルなどの材料等が挙げ
られ、これらは、単体で用いても混合して用いても良い
が、特に、これらに限定されるものではない。なお、こ
れらの赤外線吸収材料は、カラートナーの色相に与える
影響を最小限に抑制するために、可視光領域では光吸収
性が低いことが望まれる。
【0039】この場合、着色剤として、カーボンブラッ
ク等の黒色着色剤を用いる場合には、この様な黒色着色
剤は可視領域から赤外線領域にかけてほぼ平坦な光吸収
特性を示すので、光吸収材料として黒色着色剤自体を用
いても良い。なお、この黒色着色剤と、上述の赤外線吸
収材料とを合わせて用いても良いものである。
【0040】また、色剤(着色剤)も特に限定されるも
のではなく、染料、顔料等のいずれでも良く、例えば、
カラートナーでは、キナクリドン(赤色)、フタロシア
ニン(青色等)、アンスラキノン(赤色)、ジスアゾ
(赤色又は黄色)、モノアゾ(赤色)、アニライド系化
合物(黄色)、ベンジジン(黄色)、ベンズイミダゾロ
ン( 黄色) 、ハロゲン化フタロシアニン(緑色)などが
用いられる。
【0041】一方、黒色トナーでは、上述のカーボンブ
ラック、ニグロシン染料、フェライト、マグネタイト、
チタンブラックなどの黒色染顔料を広く用いることがで
き、この場合、上述の様に、赤外線吸収材料は必ずしも
添加する必要がない。
【0042】また、トナーの帯電性能を制御するための
帯電制御剤としては、トナーに帯電を付与させる能力が
あれば特に制限されないが、カラートナーにおいてはト
ナーの色相に与える影響が小さいことを考慮すると、無
色、淡色のものが好ましい。好適には、4級アンモニウ
ム塩(無色)、ニグロシン染料(黒色)、トリフェニル
メタン誘導体(青色)などが正極性帯電制御剤として、
ナフトール酸亜鉛錯体(無色)、サリチル酸亜鉛錯体
(無色)、ホウ素化合物などが負極性帯電制御剤として
用いることができる。
【0043】また、トナーの定着性をより高める目的で
添加するWAX組成物としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン類、脂肪酸エステル類、
パラフィンワックス、カルナバワックス、アミド系ワッ
クス、酸変成ポリエチレンなど、通常のWAXを単体、
または混合物として広く用いることができる。中でも、
軟化温度が150℃以下のものが好ましく、特に、トナ
ーバインダ樹脂の溶融軟化温度より低い軟化温度を示す
ものが好ましい。
【0044】また、トナーに外添する添加剤としては、
通常用いられている材料が広く適用でき、例えば、シリ
カ、チタニア、アルミナ、酸化亜鉛などの無機微粒子や
ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子な
どが適用できる。
【0045】以上の事項を前提として、以下において、
具体的実施例を説明するが、本発明の作用効果を明らか
にするために、比較例も合わせて説明する。なお、当
然、本発明は以下の実施例により制限されるものではな
い。
【0046】(実施例1)まず、 バインダ樹脂:テレフタル酸、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物、ビス(4ヒドロキシフェニル)
スルフォン酸を必須構成モノマとする酸価30mg/K
OH、軟化温度104℃のスルフォン酸変成ポリエステ
ル樹脂 赤外線吸収剤(兼着色剤):カーボンブラック(モガールL;キャボット製商品 名) 5 wt% 帯電制御剤:カリックスアレン化合物(E−89;オリエント製商品名) 3 wt% ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル( 上記化学構造式における、m=n=o =p=q=r=21) 2wt% を添加、溶融混練し、さらに粉砕分級することにより平
均粒径8μmのトナー母体を得る。なお、酸価30mg
/KOHとは、KOHを用いて中和するために30mg
のKOHが必要な酸価の程度を言う。
【0047】このトナー母体に外添剤として疎水性シリ
カ(H−2000;クラリアント製商品名)0.35重
量部を添加し、トナーを得た。このトナーを粒径60μ
mのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%で混合し
て現像剤化し、上述のように帯電量をブローオフ帯電量
測定機で測定したところ、帯電量は−20μC/gであ
った。
【0048】次に、この現像剤を用いてフラッシュラン
プに印加する電圧を1350〜1850Vまで変更しな
がら上述の印刷試験を行ったところ、1550V以上で
90%以上の定着率が得られた。また、印刷画像におい
ては、かぶりなどの背景部汚れが少ない良好な画質が得
られた。 (実施例2)上記の実施例1におけるジペンタエリスリ
トール脂肪酸エステル( 上記化学構造式における、m=
n=o=p=q=r=21)2wt%の代わりに、ジペ
ンタエリスリトール脂肪酸エステル( 上記化学構造式に
おける、m=n=o=p=q=r=19)2wt%を用
いたこと以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成し
た。
【0049】このトナーを、上記の実施例1と同様に粒
径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%
で混合して現像剤化し、この現像剤を用いて上述のよう
に帯電量をブローオフ帯電量測定機で測定したところ、
帯電量は−20μC/gであり、上記の実施例1のトナ
ーと遜色がなく、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステ
ル化合物を構成する−(CH2 )−鎖の数がトナー帯電
性に与える影響が小さいことが確認された。
【0050】次に、この現像剤を用いてフラッシュラン
プに印加する電圧を1350〜1850Vまで変更しな
がら上述の印刷試験を行ったところ、1450V以上で
90%以上の定着率が得られた。
【0051】(比較例1)上記の実施例1におけるペン
タエリスリトール脂肪酸エステル化合物を添加しないこ
と以外は、実施例1に従ってトナーを作製した。
【0052】このトナーを、上記の実施例1と同様に粒
径60μmのフェライトキャリアとトナー濃度4.5%
で混合して現像剤化し、上述のように帯電量をブローオ
フ帯電量測定機で測定したところ、帯電量は−23μC
/gであり、実施例1のトナーと遜色無かった。この結
果より、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物
のトナー帯電性に与える影響は小さいことが理解され
る。
【0053】次に、この現像剤を用いてフラッシュラン
プに印加する電圧を1350〜1850Vまで変更しな
がら上述の印刷試験を行ったところ、1750V以上で
しか90%以上の定着率が得られなかった。この結果か
らは、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物が
低光エネルギーでの定着性能向上に寄与することが明ら
かとなった。
【0054】(比較例2)上記の実施例1におけるジペ
ンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物をパラフィン
HNP−5(日本精蝋社製商品名)に変更した以外は、
実施例1に従ってトナーを作製した。
【0055】次に、この現像剤を用いてフラッシュラン
プに印加する電圧を1350〜1850Vまで変更しな
がら上述の印刷試験を行ったところ、1650V以上で
しか90%以上の定着率が得られなかった。
【0056】(比較例3)上記の実施例1におけるジペ
ンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物を精製カルナ
バワックス( 加藤洋行社製)に変更したこと以外は、実
施例1に従ってトナーを作製した。
【0057】次に、この現像剤を用いてフラッシュラン
プに印加する電圧を1350〜1850Vまで変更しな
がら上述の印刷試験を行ったところ、1650V以上で
しか90%以上の定着率が得られなかった。
【0058】再び、図1参照 図1は、上記の実施例1及び実施例2、比較例1乃至比
較例3の結果を纏めたものであり、低光エネルギーにお
ける定着性の向上のためには、ジペンタエリスリトール
脂肪酸エステル化合物の添加が必須であることが理解さ
れ、且つ、パラフィンWAX、カルナバWAXなどに比
べて定着向上効果が大きいことを示している。
【0059】以上、本発明の実施の形態及び実施例を説
明してきたが、本発明は上記の実施の形態及び実施例に
記載された構成・条件に限られるものではなく、各種の
変更が可能である。例えば、上記の各実施例において
は、フェライトキャリアを用いた二成分現像剤を用いた
現像方式で説明しているが、このフェライトキャリアは
定着の工程では関与しないので、一成分現像剤を用いた
現像方式にも適用されることは言うまでもない。
【0060】また、上記の各実施例においては、カーボ
ンブラックを赤外線吸収剤として兼用しているため、他
の赤外線吸収剤は用いていないが、800〜1000n
mでの光吸収性が小さいカラー着色剤を用いてカラート
ナーを作製する場合には、上記の実施の形態において挙
げた赤外線吸収剤を添加すれば良い。なお、赤外線吸収
剤の添加量としては、0.01〜10wt%、より好適
には、0.1〜6wt%の範囲が望ましい。
【0061】また、着色剤として、カーボンブラック以
外の黒色着色剤を用いる場合において、定着性が悪い場
合には、上記の実施の形態において挙げた赤外線吸収剤
を添加すれば良い。
【0062】また、上記の各実施例においては、ジペン
タエリスリトール脂肪酸エステル化合物における−(C
2 )−鎖の数が、m=n=o=p=q=r=21とm
=n=o=p=q=r=19の2つしか示していない
が、この様な数に限られるものではなく、m,n,o,
p,q,rがそれぞれ独立に16〜30の範囲であれば
良い。
【0063】また、上記の各実施例においては、ジペン
タエリスリトール脂肪酸エステル化合物の添加量は2w
t%であるが、2wt%に限られるものでないことは言
うまでもなく、0.1〜10wt%の範囲が望ましい。
【0064】ここで、改めて本発明の詳細な特徴を説明
する。 (付記1) ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル化
合物を構成成分とすることを特徴とする電子写真用トナ
ー。 (付記2) 上記ジペンタエリスリトール脂肪酸エステ
ル化合物が、下記の化学構造式を有していることを特徴
とする付記1記載の電子写真用トナー。
【化4】 (付記3) 定着器に使用するフラッシュランプの主発
光波長領域に主吸収波長領域を有する光吸収材料、前記
主発光波長領域より長波長側に吸収波長ピークを有する
光吸収材料、或いは、少なくとも前記主発光波長領域か
ら可視光領域に渡ってほぼ平坦な光吸収性を有する光吸
収材料のいずれかを含有していることを特徴とする付記
1または2に記載の電子写真用トナー。 (付記4) 上記フラッシュランプの主発光波長領域
が、800〜1000nmであることを特徴とする付記
3記載の電子写真用トナー。 (付記5) 上記光吸収性を有する材料が、着色剤自体
であるか、或いは、着色剤とは別に添加する赤外線吸収
剤のいずれかであることを特徴とする付記3または4に
記載の電子写真用トナー。 (付記6) 上記着色剤が、黒色着色剤であることを特
徴とする付記5記載の電子写真用トナー。 (付記7) 付記1乃至6のいずれか1に記載の電子写
真用トナーを用いることを特徴とする電子写真用フラッ
シュ定着装置 (付記8) 付記7記載の電子写真用光定着装置を備え
ていることを特徴とする電子写真印刷装置。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、ジペンタエリスリトー
ル脂肪酸エステル化合物を用いているので低エネルギー
で優れた定着性を得ることができ、特に、使用するフラ
ッシュランプの主発光波長領域においてトナーを溶融す
るのに十分な光吸収性を有する光吸収材料を添加してフ
ラッシュ定着用の電子写真用トナーを構成することによ
って、カラートナーにおいても優れた定着性を示し、ひ
いては、高画質の得られるフラッシュ定着方式の電子写
真装置の普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル化合物
添加効果の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に使用するフラッシュ定着
方式の電子写真プリンタ装置の概念的構成図である。
【図3】フラッシュランプの発光スペクトルの説明図で
ある。
【符号の説明】
11 感光体ドラム 12 前帯電器 13 露光装置 14 現像装置 15 記録媒体 16 転写帯電装置 17 搬送機構 18 搬送機構 19 クリーナ装置 20 ガイド機構 30 フラッシュ定着装置 31 キセノンランプ 32 反射板 33 透明遮蔽部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル
    化合物を構成成分とすることを特徴とする電子写真用ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 上記ジペンタエリスリトール脂肪酸エス
    テル化合物が、下記の化学構造式を有していることを特
    徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。 【化1】
  3. 【請求項3】 定着器に使用するフラッシュランプの主
    発光波長領域に主吸収波長領域を有する光吸収材料、前
    記主発光波長領域より長波長側に吸収波長ピークを有す
    る光吸収材料、或いは、少なくとも前記主発光波長領域
    から可視光領域に渡ってほぼ平坦な光吸収性を有する光
    吸収材料のいずれかを含有していることを特徴とする請
    求項1または2に記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 上記光吸収性を有する材料が、着色剤自
    体であるか、或いは、着色剤とは別に添加する赤外線吸
    収剤のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の
    電子写真用トナー。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    電子写真用トナーを用いることを特徴とする電子写真用
    フラッシュ定着装置。
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