JP2003148399A

JP2003148399A - 送風装置

Info

Publication number: JP2003148399A
Application number: JP2001349902A
Authority: JP
Inventors: Shizuka Yokote; 静横手; Osamu Ida; 修井田
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2001-11-15
Filing date: 2001-11-15
Publication date: 2003-05-21

Abstract

(57)【要約】【課題】従来の送風装置は、静圧が高い状態において
正圧側から背圧側に向かう流れが渦を生じ、この渦が時
間的に非定常に発生することにより乱流騒音が高くなる
ことがあった。【解決手段】ファン１の翼先端から間隔を空けて環状
壁２を形成し、環状壁２は、吸引側の羽根１ａ先端との
クリアランスが広くなるように、内径を拡大させた第一
領域２ａと、羽根先端とのクリアランスを小さくした第
二領域２ｂとを有し、第一領域２ａの吸引側の端面が翼
正圧面からの逆流４を妨げる構造を有するものである。
これによって、正圧側から背圧側に流れる漏れ渦が定常
的に発生し、乱流エネルギーの時間的変化量が減少する
ことにより、乱流騒音が低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、送風装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、機器の小型化、電子化により、電
気回路の高密度実装が盛んに使用されるようになってき
た。これに伴い電子機器の発熱密度も増加するため、機
器冷却用に送風装置が使用されている。

【０００３】従来の送風装置は、図５に示すように複数
の羽根１ａをもつファン１が回転可能に配置され、その
ファンの先端から間隔を空けて環状壁が形成されてお
り、モータ部に通電した送風状態では、軸流ファンが軸
７を中心に回転し、吸引側から吐出側に向かう空気流が
発生する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
送風状態では、翼先端の背圧側において空気流の速度が
速くなり、これが圧力エネルギーに変換される翼後縁側
に翼間二次流れの影響による低エネルギー領域が発生す
る。この部分は損失も大きく流れの剥離が生じやすく、
空気流がブレード面より離脱してしまい、その離脱領域
には渦発生が起き、これにより乱流騒音を増加させ、騒
音レベルの悪化を招く問題がある。

【０００５】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、騒音が低く、風量性能の高い送風装置を
提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁
を形成し、前記環状壁は吸引側の羽根先端とのクリアラ
ンスが広くなるように内径を拡大させた第一領域と、羽
根先端とのクリアランスを小さくした第二領域とを有
し、第一領域の吸引側の端面が翼正圧面からの逆流を妨
げる構造を有するものである。

【０００７】上記手段によって、圧力が加わった状態で
翼先端において正圧側から背圧側に流れる漏れ渦を定常
的に発生させることにより、乱流エネルギーの時間的変
化量が減少する。これにより乱流騒音を低減することが
できる。また、電子機器として、例えばパーソナルコン
ピュータなどに上述の送風装置を備えた場合には、電子
機器としての静音化を図ることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】上記課題を解決するために本発明
は、ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁を形成し、
前記環状壁は吸引側の羽根先端とのクリアランスが広く
なるように内径を拡大させた第一領域と、羽根先端との
クリアランスを小さくした第二領域とを有し、第一領域
の吸引側の端面が翼正圧面からの逆流を妨げる構造を有
するものである。

【０００９】また、本発明はファンの翼先端から間隔を
空けて環状壁を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先
端とのクリアランスが広くなるように、内径を拡大させ
た第一領域と、羽根先端とのクリアランスを小さくした
第二領域とを有し、第一領域の端面に流れを妨げるよう
に環状の逆流防止壁を有するものである。

【００１０】また、本発明はファンの翼先端から間隔を
空けて環状壁を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先
端とのクリアランスが広くなるように、内径を拡大させ
た第一領域と、羽根先端とのクリアランスを小さくした
第二領域とを有し、第一領域の端面に逆流を妨げるよう
に環状の逆流防止壁を有する送風装置において、ファン
外径をＤ１、第２領域内径をＤ２、逆流防止壁の内径を
Ｄとすると、Ｄ１＜Ｄ＜Ｄ２を満たすものである。

【００１１】また、本発明はファンの翼先端から間隔を
空けて環状壁を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先
端とのクリアランスが広くなるように、内径を拡大させ
た第一領域と、羽根先端とのクリアランスを小さくした
第二領域とを有し、第一領域の吸引側の端面に流れを妨
げるように環状の逆流防止壁を有し、ファン外径をＤ
１、逆流防止壁の内径をＤとすると、Ｄ＜Ｄ１を満たす
ものである。

【００１２】また、本発明はファンの翼先端から間隔を
空けて環状壁を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先
端とのクリアランスが広くなるように、内径を拡大させ
た第一領域と、羽根先端とのクリアランスを小さくした
第二領域とを有し、第一領域の吸引側の端面に流れを妨
げるように複数の円弧状の逆流防止壁を有するものであ
る。

【００１３】また、本発明はファンの翼先端から一定の
間隔を空けた環状壁を有し、前記環状壁には吸引側の翼
端渦を促すような凹部を有するものである。

【００１４】このように翼正圧面からの逆流を妨げる構
造を有するものでは、翼端渦の時間的変化により発生す
る騒音を低減することができる。

【００１５】また、第一領域の吸引側端面に逆流を妨げ
るように環状の逆流防止壁を有するものでは、低流量時
の静圧を上昇させることができる。

【００１６】また、第一領域の吸引側の端面に流れを妨
げるように環状の逆流防止壁を有し、ファン外径をＤ
１、第２領域内径をＤ２、環状壁の内径をＤとすると
き、その逆流防止壁がＤ１＜Ｄ＜Ｄ２を満たすもので
は、ファンの流量−静圧特性の悪化を僅かに抑えなが
ら、騒音の低減が可能となる。

【００１７】また、Ｄ＜Ｄ１を満たす環状壁を設けるも
のでは、外部から環状壁内側への異物の混入を防ぐこと
ができ、その結果軸受部の防塵性も高まりファンの長寿
命化が可能となる。

【００１８】また、複数の円弧状の逆流防止壁を有する
ものでは環状壁を設ける場合よりも材料が削減でき、重
量低減とコスト削減が可能となる。

【００１９】また、環状壁に吸引側の翼端渦を促すよう
な凹部を有するものでは、ファン外周の環状壁から内径
側に向けて突出する部分がないので組立の際、作業が簡
単にできる。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００２１】（実施例１）本実施例では、図１に示すよ
うに、ファン１の翼先端から間隔を空けて環状壁２を含
むハウジング３が配置している。この環状壁は吸引側の
羽根１ａの先端とのクリアランスが広くなるように、内
径を拡大させた第一領域２ａと、羽根先端とのクリアラ
ンスを小さくした第二領域２ｂを含む形状をしている。
この第一領域２ａの吸引側の端面は翼正圧面からの逆流
４を妨げるような構造を有している。図１は、この逆流
４を妨げるために環状の逆流防止壁５を設けた例であ
る。

【００２２】上記の構成において、逆流防止壁５は翼先
端の正圧側から流入側に逆流する渦流れ６の発生を促
し、この渦を定常的に発生させることができるので、乱
流エネルギーの時間的変化による乱流騒音を低減するこ
とができる。図２に本実施例と従来送風装置の騒音レベ
ルの比較結果を示す。逆流防止壁５を設けた場合、従来
の送風装置よりも騒音レベルが最大２０％低減されてい
る。また、逆流防止壁５によって流路が狭くなるので低
流量時の静圧を高くすることができる。

【００２３】しかしながら、逆流防止壁５を設けると流
路面積の縮小により低圧時の流量が減少してしまう。そ
こで、ファン外径をＤ１、第２領域内径をＤ２、環状壁
の内径をＤとするとき、Ｄ１＜Ｄ＜Ｄ２を満たす環状壁
を設けると、ファンの最大流量の低下を僅かに抑えなが
ら、騒音の低減が可能となる。

【００２４】また、Ｄ＜Ｄ１を満たす逆流防止壁を設け
ると、外部から環状壁内側への異物の混入を防ぐことが
でき、その結果軸受部７の防塵性も高まりファンの長寿
命化が可能となる。

【００２５】（実施例２）本実施例では、図３に示すよ
うにファン１の翼先端から間隔を空けて環状壁２を形成
し、前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリアランス
が広くなるように、内径を拡大させた第一領域２ａと、
羽根先端とのクリアランスを小さくした第二領域２ｂと
を有し、第一領域の端面に翼正圧面からの逆流４を妨げ
るように複数の円弧状の逆流防止壁８を有する。

【００２６】上記構成では環状の逆流防止壁を設ける場
合よりも材料が削減でき、重量低減とコスト削減が可能
となる。

【００２７】（実施例３）本実施例では、図４に示すよ
うにファン１の翼先端から一定の間隔を空けた環状壁２
を有し、前記環状壁には吸引側の翼端渦を促すような凹
部９を有することを特徴とする。この凹部形状は図４に
示すように切欠き形状円弧状などでもよい。

【００２８】上記構成においては、ファン外周の環状壁
２から内径側に向けて突出する部分がないので組立の
際、作業が簡単にできる。

【００２９】上記の送風装置を機器に組み込んで使用す
ることにより、騒音レベルが低い分、ファンの回転数を
上げて使用することにより、機器の冷却能力の向上効果
が得られる。

【００３０】

【発明の効果】上記実施例の記載から明らかなように、
請求項１記載の発明によれば、吸引側の端面が翼正圧面
からの逆流を妨げる構造により、乱流騒音を低減するこ
とができる。

【００３１】また、請求項２記載の発明によれば、吸引
側の端面に逆流を妨げるような環状の逆流防止壁により
流路が狭くなるので、低流量時の静圧を高くすることが
できる。

【００３２】また、請求項３記載の発明によれば、吸引
側の端面に逆流を妨げるような環状の逆流防止壁を有す
る送風装置において、ファン外径をＤ１、第２領域内径
をＤ２、逆流防止壁の内径をＤとすると、Ｄ１＜Ｄ＜Ｄ
２を満たす構造によりファンの流量−静圧特性の悪化を
僅かに抑えながら、騒音の低減が可能となる。

【００３３】また、請求項４記載の発明によれば、吸引
側の端面に流れを妨げるような環状の逆流防止壁を有
し、その逆流防止壁の内径がファン外径よりも小さいこ
とにより外部から環状壁の内側への異物の混入を防ぐこ
とができ、その結果軸受部の防塵性も高まりファンの長
寿命化が可能となる。

【００３４】また、請求項５記載の発明によれば、吸引
側の端面の流れを妨げるような複数の円弧状の逆流防止
壁により環状の逆流防止壁を設ける場合よりも材料が削
減でき、重量低減とコスト低減が可能となる。

【００３５】また、請求項６記載の発明によれば、吸引
側の翼端渦を促すような凹部により、ファン外周の環状
壁から内径側に向けて突出する部分がないので組立の
際、作業が簡単にできる。

【００３６】さらに、請求項７記載の発明によれば、電
子機器の低振動化、静音化に効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明第一の実施例を示すファンモータの外形図（ｂ）本発明第一の実施例を示すハウジングの断面図（ｃ）本発明第一の実施例を示すファンモータの断面図

【図２】環状壁外径−騒音特性を示す図

【図３】本発明第二の実施例を示すファンモータの外形
図

【図４】（ａ）本発明の第三の実施例を示すハウジング
の断面図（ｂ）本発明の第三の実施例を示すハウジングの断面図

【図５】（ａ）従来のファンモータの外形図（ｂ）従来のハウジングの断面図（ｃ）従来のファンモータの断面図

【符号の説明】

１ファン１ａ羽根２環状壁２ａ第一領域２ｂ第二領域３ハウジング４逆流５環状の逆流防止壁６渦流れ７軸受部８円弧状の逆流防止壁９凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 3H034 AA02 BB02 BB08 BB20 CC04 DD05 DD25 EE06 EE08 3H035 DD04 DD06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁
を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリア
ランスが広くなるように、内径を拡大させた第一領域
と、羽根先端とのクリアランスを小さくした第二領域と
を有し、第一領域の吸引側の端面が翼正圧面からの逆流
を妨げる構造を有することを特徴とする送風装置。
【請求項２】ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁
を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリア
ランスが広くなるように、内径を拡大させた第一領域
と、羽根先端とのクリアランスを小さくした第二領域と
を有し、第一領域の吸引側の端面に逆流を妨げるように
環状の逆流防止壁を有することを特徴とする請求項１記
載の送風装置。
【請求項３】ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁
を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリア
ランスが広くなるように、内径を拡大させた第一領域
と、羽根先端とのクリアランスを小さくした第二領域と
を有し、第一領域の吸引側の端面に逆流を妨げるように
環状の逆流防止壁を有する送風装置において、ファン外
径をＤ１、第２領域内径をＤ２、逆流防止壁の内径をＤ
とすると、Ｄ１＜Ｄ＜Ｄ２を満たすことを特徴とする請
求項１記載の送風装置。
【請求項４】ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁
を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリア
ランスが広くなるように、内径を拡大させた第一領域
と、羽根先端とのクリアランスを小さくした第二領域と
を有し、第一領域の吸引側の端面に流れを妨げるように
環状の逆流防止壁を有し、ファン外径をＤ１、逆流防止
壁の内径をＤとすると、Ｄ＜Ｄ１を満たすことを特徴と
する請求項１記載の送風装置。
【請求項５】ファンの翼先端から間隔を空けて環状壁
を形成し、前記環状壁は、吸引側の羽根先端とのクリア
ランスが広くなるように、内径を拡大させた第一領域
と、羽根先端とのクリアランスを小さくした第二領域と
を有し、第一領域の吸引側の端面に流れを妨げるように
複数の円弧状の逆流防止壁を有することを特徴とする請
求項１記載の送風装置。
【請求項６】ファンの翼先端から一定の間隔を空けた
環状壁を有し、前記環状壁には吸引側の翼端渦を促すよ
うな凹部を有することを特徴とする請求項１記載の送風
装置。
【請求項７】請求項１から請求項６のいずれかに記載
の送風装置を内蔵した電子機器。