JP2003146773A - 多孔質セラミック及びその製造方法 - Google Patents

多孔質セラミック及びその製造方法

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JP2003146773A
JP2003146773A JP2001347911A JP2001347911A JP2003146773A JP 2003146773 A JP2003146773 A JP 2003146773A JP 2001347911 A JP2001347911 A JP 2001347911A JP 2001347911 A JP2001347911 A JP 2001347911A JP 2003146773 A JP2003146773 A JP 2003146773A
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powder
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particles
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Hiromi Otsuka
洋美 大塚
Tsunetoshi Okura
常利 大蔵
Masaaki Hattori
昌晃 服部
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一に分布された連通孔を有し、粒子の脱落
を生じ難い取り扱い性に優れた多孔質セラミック及びこ
のような多孔質セラミックを確実に得ることができる多
孔質セラミックの製造方法を提供する。 【解決手段】 水酸アパタイト粉末とリン酸カルシウム
系ガラスフリット粉末とを混合し、バインダ及び純水を
添加・混合してスラリーを得る。このスラリーをスプレ
ードライヤにより造粒後、分粒して消失性粒子の平均粒
径の0.2〜3倍である主骨材粉末と、主骨材粉末の平
均粒径の0.7倍以下である小粒骨材粉末とを得る。得
られた主骨材粉末と、小粒骨材粉末と、平均粒径250
μmの球状ポリイソブチルメタクリレートとを混合し、
この混合粉末を金型プレスにより成形し、未焼成体に成
形し、得られた未焼成体を焼成して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質セラミック
及びその製造方法に関する。更に詳しくは、均一に分布
された連通孔を有し、更には、粒子の脱落が生じ難く、
取り扱い性に優れた多孔質セラミックに関する。また、
このような多孔質セラミックを確実に得ることができる
多孔質セラミックの製造方法に関する。本発明の多孔質
セラミックは、医療分野における人工骨補填材等の生体
インプラント材や、薬物を担持させて生体内に投与する
ための投薬用基材、耐火煉瓦等の種々の煉瓦等として利
用することができる。
【0002】
【従来の技術】これまでにも、骨材粉末(骨格部とな
る)と消失性粒子(空隙部となる)とを用いて得られた
多孔質セラミックや、骨材粉末(骨格部となる)と発泡
性粒子(空隙部となる)とを用いて得られた多孔質セラ
ミックが知られている。例えば、特開平7−19468
8号公報等に開示されている。このような多孔質セラミ
ックは、近年、その優れた生体親和性が注目され、生体
インプラント材としての利用が進んでいる。中でも人工
骨補填材として用いられる多孔質セラミックのうち、気
孔径が数十〜数百μm程度の気孔が連通してなる空隙を
有するものは、セラミック内への生体骨の侵入が容易で
ある。そのため、新生骨の成長が促進され、優れた骨増
殖性を有することが知られている。しかし、気孔がセラ
ミックの一部に凝集する等して不均一に分布するもの等
では、セラミック内への生体骨の侵入が進行し難く、十
分な骨増殖性が得られないことが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような均一に分
散された連通孔を有する多孔質セラミックを製造する方
法としては、骨材粉末と消失性の粒子とを混合して得ら
れた混合粉末を成形し、得られた未焼成体を焼成する方
法が知られている。しかし、骨材粉末と消失性の粒子と
の摩擦係数の差が大きい場合、骨材粉末と消失性の粒子
とをただ単に混合するだけでは均一に混合することが難
しい。また、製造工程においてプレス成形を行う場合
に、金型内に骨材粉末と消失性の粒子との混合粉末を流
し込むと、消失性の粒子が分離して層状に凝集する現象
が観察されることがあった。このため、これらの場合
に、気孔が十分に均一に存在する多孔質セラミックを得
ることは困難であった。また、粒子の脱落を生じ易いも
のもあり、指で擦ることなどで粒子の脱落を招く場合が
観察された。
【0004】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、連通した気孔が均一に分布された多孔質セラミッ
ク、更には、粒子の脱落が効果的に防止され、形状加工
特性や、取り扱い性に優れた多孔質セラミックを提供す
ることを目的とする。また、上記のような優れた多孔質
セラミックを確実に得ることができる多孔質セラミック
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の多孔質セラミッ
クは、主骨材粉末と、該主骨材粉末よりも平均粒径が小
さい小粒骨材粉末と、消失性粒子とを用いて、成形した
未焼成体を焼成して得ることを特徴とする。また、上記
小粒骨材粉末の平均粒径は、上記主骨材粉末の平均粒径
の0.7倍以下とすることができる。更に、上記主骨材
粉末の平均粒径は、上記消失性粒子の平均粒径の0.2
〜3倍とすることができる。また、上記主骨材粉末と上
記小粒骨材粉末との合計を100質量%とした場合に、
上記小粒骨材粉末は3〜20質量%とすることができ
る。更に、上記主骨材粉末及び上記小粒骨材粉末は、ア
ルミナ系材料、ジルコニア系材料、アルミナ−ジルコニ
ア混合系材料、リン酸カルシウム系材料のうちの少なく
とも1種の材料から各々構成できる。本発明の多孔質セ
ラミックの製造方法は、主骨材粉末と、該主骨材粉末よ
りも平均粒径が小さい小粒骨材粉末と、消失性粒子とを
用いて、成形した未焼成体を焼成することを特徴とす
る。
【0006】
【発明の効果】本発明によると、セラミック全体にわた
って連通した気孔が均一に分布され、粒子の脱落が生じ
難く、形状加工特性や、取り扱い性に優れた多孔質セラ
ミックが得られる。また、小粒骨材粉末の平均粒径を主
骨材粉末の平均粒径の0.7倍以下とすること、主骨材
粉末の平均粒径を、消失性粒子の平均粒径の0.2〜3
倍とすること、小粒骨材粉末の使用量を3〜20質量%
とすることにより、特に連通した気孔が均一に分布され
た多孔質セラミックが得られる。更に、主骨材粉末及び
小粒骨材粉末を、アルミナ系材料、ジルコニア系材料、
アルミナ−ジルコニア混合系材料、リン酸カルシウム系
材料等から構成することで、特に生体インプラント材に
適した多孔質セラミックを有する多孔質セラミックが得
られる。一方、本発明の多孔質セラミックの製造方法に
よると、連通した気孔が均一に分布され、更には、粒子
の脱落をほとんど生じない多孔質セラミックを確実に得
ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明において用いる上記「主骨材粉末」は、焼
成により焼結されて、多孔質セラミックの骨格部(3次
元的に粒子が連結する構造)を構成することとなる粉末
であり、通常、凝集粒子(意図的に造粒されたものであ
っても、不可避的に凝集したものであってもよい)から
なる。この主骨材粉末は、焼成により骨格部となるセラ
ミック成分のみから構成されてもよく、セラミック成分
以外に1次粒子を凝集させるために必要なバインダ等を
含有してもよい。
【0008】この主骨材粉末を構成する粒子の平均粒径
(以下、単に「主骨材粉末の平均粒径」という)は、後
述する小粒骨材粉末を構成する粒子の平均粒径(以下、
単に「小粒骨材粉末の平均粒径」という)に比べて大き
い。また、主骨材粉末の平均粒径は、目的とする焼結体
の用途等により様々であり、特に限定されないが、10
〜800μm(より好ましくは15〜750μm、更に
好ましくは20〜700μm)であることが好ましい。
10μm未満であると多孔質セラミック内に形成される
気孔の連通性が十分に得られ難くなる場合があり、80
0μmを超えて大きいと機械的強度が低下する傾向にあ
り、良好なハンドリング性が十分に得られ難くなり易
い。尚、主骨材粉末を構成する粒子(凝集粒子)を形成
している1次粒子の平均粒径は特に限定されないが、5
μm以下とすることが好ましい。5μmを超えて大きい
と焼成によりネック成長させることが困難となる傾向に
ある。
【0009】また、主骨材粉末は、どのような材料から
構成されてもよく、特に限定されないが、例えば、水酸
アパタイト、第三リン酸カルシウム等のリン酸カルシウ
ム系材料(カルシウム原子以外の他のアルカリ土類金属
原子や、ハロゲンイオンや、炭酸イオン等を含有してい
てもよい)、アルミナ、ジルコニア及びこれらの混合材
料等から構成することができる。主骨材粉末はこれらの
材料から選ばれる1種のみから構成されてもよく、2種
以上から構成されてもよい。尚、これらの材料には、調
製する際に混入された焼結助剤成分(シリカ、マグネシ
ア、カルシア及びイットリア等)や、ガラス成分(リン
酸カルシウム系ガラス)が含有されていてもよい。
【0010】特に、生体インプラント材として利用する
多孔質セラミックを得る場合には、上記の中でも、リン
酸カルシウム系材料からなる主骨材粉末を用いることが
好ましく、更には、水酸アパタイトと第三リン酸カルシ
ウム(特に、第三リン酸カルシウム系ガラス)との混合
材料を用いることが好ましい。尚、アルミナ、ジルコニ
ア及びこれらの混合材料からなる主骨材粉末を用いて得
られた多孔質セラミックには、その外表面にリン酸カル
シウム系材料からなる被膜を形成することで優れた生体
インプラント材とすることもできる。
【0011】また、この主骨材粉末の平均粒径を上記の
好ましいものとする方法は特に限定されないが、スプレ
ードライヤを用いた噴霧乾燥法を用いて得られたもので
あることが好ましい。この方法で得られた主骨材粉末は
略球形を呈するため、成形体中における充填性に優れる
ためである。その他、乾式プレス成形した成形体を粉砕
し、その後、ふるい分けして得ることもできる。
【0012】一方、上記「小粒骨材粉末」は、焼成によ
り焼結されて、多孔質セラミックの骨格部(3次元的に
粒子が連結する構造)を構成する粉末である。この小粒
骨材粉末は、焼成により骨格部となるセラミック成分の
みから構成されてもよく、セラミック成分以外に1次粒
子を凝集させるために必要なバインダ等を含有してもよ
い。
【0013】この小粒骨材粉末は、主骨材粉末、小粒骨
材粉末及び消失性粒子が混合状態にある時(製造工程に
おける混合粉末から未焼成体までの間)に、主骨材粉末
と消失性粒子とが分離(又は各々の粒子同士が凝集)さ
れることを効果的に抑制する役目を果たしていると考え
られる。このため、消失性粒子が偏在することが防止さ
れ、多孔質セラミックは均一に分布された連通孔を有す
ることができるものと考えられる。
【0014】また、この小粒骨材粉末の平均粒径は、主
骨材粉末の平均粒径に比べて小さい。その平均粒径は目
的とする焼結体の用途等により様々であり、限定されな
いが、主骨材粉末の平均粒径の0.7倍以下(より好ま
しくは0.67倍以下、更に好ましくは0.65倍以
下、通常0.01倍以上)であることが好ましい。小粒
骨材粉末の平均粒径が、主骨材粉末の平均粒径に比べて
0.7倍を超えて大きいと、小粒骨材粉末を混合するこ
とによる効果が十分に得られ難くなる。一方、0.01
倍未満であってもよいが、過度に小さくするには困難が
伴い、取り扱いも難しくなる傾向にある。尚、小粒骨材
粉末を構成する粒子を形成する1次粒子の平均粒径は特
に限定されないが、上記主骨材粉末の場合と同様な好ま
しい粒径とするとよい。また、主骨材粉末を構成する粒
子を形成する1次粒子の平均粒径と同じであってもよ
く、異なっていてもよい。
【0015】また、小粒骨材粉末は、どのような材料か
ら構成されてもよく、特に限定されないが、例えば、上
記主骨材粉末において例示したものと同様な材料から構
成することができる。また、小粒骨材粉末は主骨材粉末
と同じ材料から構成されていてもよく、異なる材料から
構成されていてもよい。
【0016】これら主骨材粉末及び小粒骨材粉末の使用
量は特に限定されないが、主骨材粉末と小粒骨材粉末と
の合計質量を100質量%とした場合に、小粒骨材粉末
が3〜20質量%(より好ましくは5〜15質量%)で
あることが好ましい。小粒骨材粉末が3質量%未満であ
ると多孔質セラミック中の気孔が均一に分散されず、偏
在することがあり、20質量%を超えると得られる多孔
質セラミック中における気孔の連通性が十分に得られ難
くなる場合があるため好ましくない。小粒骨材粉末は、
主骨材粉末と同様な方法により得ることができる。
【0017】上記「消失性粒子」は、上記未焼成体の焼
成時に消失され、焼結体中に3次元的に連通する連通孔
からなる空隙部を形成する粒子である。この消失性粒子
は、粒子自身が燃焼することにより消失するものであっ
ても、また、粒子自身が昇華することにより消失するも
のであってもよい。この消失性粒子は1次粒子であって
も、凝集粒子であってもよい。尚、本明細書では分かり
易さのため「消失性粒子」の集合体である粉末も「消失
性粒子」という。この消失性粒子の平均粒径は、目的と
する焼結体の用途等により様々であり、限定されない
が、通常、2〜1600μm程度である。2μm未満で
あると過度に小さな気孔が形成されることとなり、連通
したとしても極端に断面積が狭い部分を有する連通孔が
形成されることとなる。一方、1600μmを超えて大
きいと過度に大きな気孔が形成され、多孔質セラミック
の機械的強度が十分に得られない場合がある。この消失
性粒子の平均粒径は、多孔質セラミック中の目的とする
気孔径により決定することができる。
【0018】また、生体インプラント材に適した多孔質
セラミックを得るためには、この消失性粒子の平均粒径
は、消失性粒子の平均粒径を基準とした主骨材粉末の平
均粒径が0.2〜3倍となるものであることが好まし
く、0.25〜2.8倍となるものであることがより好
ましく、0.4〜2.5倍となるものであることが更に
好ましい。即ち、消失性粒子の平均粒径が主骨材粉末の
平均粒径の1/3〜5倍であることが好ましく、1/
2.8〜4倍であることがより好ましく、0.4〜2.
5倍であることが更に好ましい。
【0019】消失性粒子の平均粒径を基準とした主骨材
粉末の平均粒径が0.2倍未満である(即ち、消失性粒
子の平均粒径が主骨材粉末の平均粒径の5倍を超える)
と、過度に大きな気孔が形成され、この気孔が欠陥とな
り多孔質セラミックの機械的強度が十分に得られない場
合がある。一方、消失性粒子の平均粒径を基準とした主
骨材粉末の平均粒径が3倍を超える(即ち、消失性粒子
の平均粒径が主骨材粉末の平均粒径の1/3倍未満であ
る)と、焼結時に主骨材粉末同士のネック成長が不十分
となり、多孔質セラミックの機械的強度が十分に得られ
ない場合がある。
【0020】この消失性粒子が消失する温度も特に限定
されないが、主骨材粉末及び小粒骨材粉末の焼結開始温
度よりも低い温度であり、且つ40℃以上(より好まし
くは50℃以上)であることが好ましい。主骨材粉末及
び小粒骨材粉末の焼結開始温度よりも高い温度で消失す
ると、消失性粒子のガス化した成分が焼成体から抜け難
く好ましくない。一方、消失する温度が40℃未満であ
ると室温においても消失してしまう場合があり好ましく
ない。このような消失性粒子としては、炭素粒子や有機
系樹脂粒子(アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂及び
ポリイソブチルメタクリレート系樹脂等)等の可燃性化
合物、昇華性化合物(テオブロミン、カフェイン及びテ
オフィリン等のキサンチン誘導体など)等を挙げること
ができる。
【0021】また、消失性粒子の使用量は特に限定され
ないが、主骨材粉末及び小粒骨材粉末の合計質量を10
0質量%とした場合に、外配合で3〜95質量%(より
好ましくは5〜90質量%、更に好ましくは10〜85
質量%)であることが好ましい。消失性粒子の使用量が
3質量%未満であると十分に3次元的に連通する連通孔
が得られ難い傾向にあり、95質量%を超えると骨格部
となる主骨材粉末及び小粒骨材粉末の割合が過度に少な
くなり、十分な機械的強度を有する多孔質セラミックが
得られ難い傾向にある。
【0022】更に、上記に挙げた主骨材粉末、小粒骨材
粉末及び消失性粒子の各々の好ましい使用量は、主骨材
粉末と小粒骨材粉末との合計質量を100質量%とし、
また、消失性粒子を主骨材粉末と小粒骨材粉末との合計
質量に対する外配合として換算した場合に、主骨材粉末
が80〜97質量%(小粒骨材粉末は20〜3質量%)
であり且つ消失性粒子が3〜95質量%であることが好
ましい。更に、主骨材粉末が85〜95質量%(小粒骨
材粉末は15〜5質量%)であり且つ消失性粒子が5〜
90質量%であることがより好ましい。
【0023】また、これまでに挙げた主骨材粉末、小粒
骨材粉末及び消失性粒子の好ましい平均粒径の範囲は各
々の組み合わせとすることができる。即ち、例えば、主
骨材粉末の平均粒径は10〜800μmであり、小粒骨
材粉末の平均粒径は主骨材粉末の平均粒径の0.7倍以
下であり、且つ、消失性粒子の平均粒径は主骨材粉末の
平均粒径の1/3〜5倍とすることが好ましい。更に、
主骨材粉末の平均粒径は15〜750μmであり、小粒
骨材粉末の平均粒径は主骨材粉末の平均粒径の0.67
倍以下であり、且つ、消失性粒子の平均粒径は主骨材粉
末の平均粒径の1/2.8〜4倍とすることがより好ま
しい。また、主骨材粉末の平均粒径は20〜700μm
であり、小粒骨材粉末の平均粒径は主骨材粉末の平均粒
径の0.65倍以下であり、且つ、消失性粒子の平均粒
径は主骨材粉末の平均粒径の0.4〜2.5倍とするこ
とが特に好ましい。
【0024】上記「未焼成体」は、主骨材粉末、小粒骨
材粉末及び消失性粒子を含有する成形体であり、焼成す
ることにより、本発明の多孔質セラミックとなるもので
ある。この未焼成体中に含有される主骨材粉末、小粒骨
材粉末及び消失性粒子の合計質量は特に限定されない
が、通常、未焼成体全体を100質量%とした場合に、
80〜97質量%(好ましくは85〜95質量%、より
好ましくは88〜92質量%)である。この未焼成体
は、主骨材粉末、小粒骨材粉末及び消失性粒子以外にも
他の成分を含有することができる。他の成分としては、
例えば、バインダ、分散剤、可塑剤、溶剤、滑剤及び離
型剤等を挙げることができる。
【0025】また、この未焼成体は、主骨材粉末、小粒
骨材粉末及び消失性粒子のみからなる混合粉末、又は、
その他必要な粉末を混合した混合粉末を、プレス成形法
(金型プレス成形法、ラバープレス成形法及び水中プレ
ス成形法等)などの方法により成形して得ることができ
る。また、主骨材粉末、小粒骨材粉末及び消失性粒子の
他、必要な他の成分を各々混合した後、混練して得られ
たペーストを、プレス成形法(金型プレス成形法、ラバ
ープレス成形法及び水中プレス成形法等)、押出成形法
及び射出成形法等の方法により成形して得ることもでき
る。
【0026】上記のなかでも、主骨材粉末及び小粒骨材
粉末と、消失性粒子とをより密に充填させることが可能
であるために、主骨材粉末、小粒骨材粉末及び消失性粒
子のみからなる混合粉末、又は、その他必要な粉末を混
合した混合粉末を、プレス成形法により成形して得るこ
とが好ましい。尚、主骨材粉末、小粒骨材粉末及び消失
性粒子等の混合においては、各々を混合する順序は特に
限定されない。
【0027】更に、これらの成形時には、いずれの成形
法においても混合粉末に負荷される圧力は0.1〜20
MPa(より好ましくは2〜18MPa、更に好ましく
は6〜16MPa)とすることが好ましい。0.1MP
a未満では、上記の密な充填が十分に行えず、得られる
多孔質セラミックの機械的強度を十分に向上させること
が困難となる場合がある。一方、20MPaを超えて大
きい圧力を負荷すると、主骨材粉末及び小粒骨材粉末が
凝集粒子である場合に、この凝集粒子が破壊され、得ら
れる多孔質セラミック中の気孔の連通性が十分に得られ
なくなる場合があるため好ましくない。
【0028】上記「焼成」は、用いる主骨材粉末及び小
粒骨材粉末を構成する材料により様々であるが、例え
ば、リン酸カルシウム系材料を用いる場合には900〜
1400℃とすることが好ましい。また、アルミナ系材
料を用いる場合には1200〜1650℃とすることが
好ましい。更に、ジルコニア系材料を用いる場合には1
100〜1800℃とすることが好ましい。また、アル
ミナ−ジルコニア混合系材料を用いる場合には1200
〜1700℃とすることが好ましい。各々下限値未満の
温度では、十分に焼結させることが困難となる場合があ
り、上限値を超える温度では、材料自体の分解を生じた
り、一度形成された3次元的な骨格構造が崩壊すること
があるため好ましくない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 [1]多孔質セラミックの製造 (1)主骨材粉末及び小粒骨材粉末の製造 水酸アパタイト粉末(平均粒径0.6μm)とリン酸カ
ルシウム系ガラスフリット粉末(90mol%以上のC
aO−Pを含有)とを、水酸アパタイト粉末95
質量%、リン酸カルシウム系ガラスフリット粉末5質量
%となるように混合した。得られた混合粉末にポリエチ
レンオキサイド系バインダ、アクリル系バインダ及び純
水を添加して混合し、スラリーを調合した。このスラリ
ーをスプレードライヤにより造粒した。その後、分粒し
て表1及び表2に示すように、平均粒径S1の主骨材粉
末と、平均粒径S2の小粒骨材粉末を得た。
【0030】
【表1】 表1中「*」は本発明の範囲外であることを示す。
【0031】
【表2】
【0032】(2)消失性粒子の添加及び未焼成体の成
形 (1)で得られた表1及び表2に示す各々の平均粒径を
有する主骨材粉末及び小粒骨材粉末を表1及び表2の含
有割合(主骨材粉末と小粒骨材粉末との合計を100質
量%とする)となるように混合した。その後、更に、消
失性粒子として予め用意した平均粒径(S3)250μ
mの球状ポリイソブチルメタクリレートが水酸アパタイ
ト粉末及びリン酸カルシウム系ガラスフリット粉末の混
合粉末に対して28質量%(外配合割合で)となるよう
に混合した。得られた混合粉末を金型プレスの金型内に
投入し、成形圧力1.5MPaで各々24mm×18m
m×9mmの直方体形状の未焼成体に成形した。
【0033】(3)焼成工程 (2)で得られた未焼成体を、炉に入れて昇温速度が毎
時300℃となるように炉の温度を昇温させながら、1
250℃まで加熱し、この温度において3時間保持して
焼成を行い、多孔質セラミックを得た。
【0034】[2]評価 (1)気孔分布の均一性の評価(目視による評価) 得られた多孔質セラミック(実験例No1〜20)のプ
レス成形時に金型の側面と接触する部分を目視で観察
し、消失性粒子が凝集することにより生じる気孔ムラが
有るか否かを評価し、その結果を表1及び表2に示し
た。尚、表1及び表2には、気孔ムラが全く観察されな
かったものには「◎」と記載し、気孔ムラが一部に観察
されたものには「○」と記載し、筋状の気孔ムラが一部
に観察されたものには「△」と記載し、大部分の気孔が
凝集して筋を形成しているものには「×」と記載した。
【0035】(2)気孔分布の均一性の評価(圧縮強さ
による評価) 得られた多孔質セラミック(実験例No1〜20)の圧
縮強さを、JIS R1608に準拠して(試験片の大
きさ、縦15mm、横8mm、厚さ20mm)、オート
グラフ(株式会社島津製作所製、形式「AGS−5KN
D」)を用いて測定した。その結果を表1及び表2に併
記した。また、この結果を用い、圧縮強さと小粒骨材粉
末の含有量との相関を図1にグラフとして示した。尚、
圧縮強さは、一定の速度で負荷した加重により試験片が
破壊した時の加重を、負荷面積により除した値である。
この圧縮強さは、気孔が凝集して成形されている傾向が
強いほど低い値を示し、気孔が均一に存在する程高い値
を示す。従って、圧縮強さを測定することで、気孔の均
一分散性を評価することができる。
【0036】(3)多孔質セラミック内の気孔の連通性
の評価 得られた多孔質セラミック(実験例No1〜20)を切
断し、その断面を鏡面研磨加工した。この研磨面を電子
顕微鏡により観察し、多孔質セラミック内の気孔の連通
性を評価し、その結果を表1及び表2に併記した。尚、
表1及び表2には、十分な断面積を有する気孔により良
好に連通していることが観察されたものには「◎」と記
載し、良好に連通しているものの断面積が狭い気孔が僅
かに観察されたものには「○」と記載し、連通する気孔
であるが僅かに凝集しているものが観察されたものには
「△」と記載した。
【0037】(4)粒子の脱落の有無 得られた多孔質セラミック(実験例No1〜20)の表
面を、指で擦り、これにより多孔質セラミックの表面か
らの粒子の脱落が認められるか否かを観察し、その結果
を表1及び表2に併記した。粒子の脱落が全く認められ
なかったものには「なし」と記載し、粒子の脱落が認め
られたものには「あり」と記載した。
【0038】図1より、小粒骨材粉末を使用することに
より、使用しない場合に比べて、得られる多孔質セラミ
ックの圧縮強さを大きくすることができることが分か
る。また、小粒骨材粉末はその使用量が10質量%付近
において、多孔質セラミックの圧縮強さが最大値となる
ピークを有し、特に、小粒骨材粉末の使用量が3〜20
質量%の範囲では圧縮強さが13MPa以上の高い値を
示すことが分かる。
【0039】また、表1及び表2の結果より、小粒骨材
粉末を使用していない実験例6では、気孔の分布が不均
一となっていることが分かる。これに伴い圧縮強さは6
MPaと小さな値に止まっている。これに対して、小粒
骨材粉末を使用している実験例6を除く各実験例では気
孔分布は実験例6に比べてより均一化された多孔質セラ
ミックが得られている。但し、実験例7及び実験例8で
は小粒骨材粉末の使用量が好ましい使用範囲(3〜20
質量%)を外れているために圧縮強さは十分に高い値が
得られ難い傾向にあると考えられる。また同様に、実験
例18〜20では消失性粒子に対する主骨材粉末の平均
粒径比(S1/S3)又は主骨材粉末に対する小粒骨材
粉末の平均粒径比(S2/S1)が好ましい範囲を外れ
ているために圧縮強さは十分に高い値が得られ難い傾向
にあると考えられる。しかし、実験例6を除き、上記の
各条件が好ましい範囲に納まっている実験例1〜5及び
実験例9〜17では気孔分布は極めて均一な状態であ
り、これに伴い圧縮強さも14MPa以上(最大25M
Paまで)と高い値が得られ、特に優れた多孔質セラミ
ックが得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮強さと小粒骨材粉末の含有量との相関を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 昌晃 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主骨材粉末と、該主骨材粉末よりも平均
    粒径が小さい小粒骨材粉末と、消失性粒子とを用いて、
    成形した未焼成体を焼成して得ることを特徴とする多孔
    質セラミック。
  2. 【請求項2】 上記小粒骨材粉末の平均粒径は、上記主
    骨材粉末の平均粒径の0.7倍以下である請求項1記載
    の多孔質セラミック。
  3. 【請求項3】 上記主骨材粉末の平均粒径は、上記消失
    性粒子の平均粒径の0.2〜3倍である請求項1又は2
    に記載の多孔質セラミック。
  4. 【請求項4】 上記主骨材粉末と上記小粒骨材粉末との
    合計を100質量%とした場合に、上記小粒骨材粉末は
    3〜20質量%である請求項1乃至3のうちのいずれか
    1項に記載の多孔質セラミック。
  5. 【請求項5】 上記主骨材粉末及び上記小粒骨材粉末
    は、アルミナ系材料、ジルコニア系材料、アルミナ−ジ
    ルコニア混合系材料、リン酸カルシウム系材料のうちの
    少なくとも1種の材料から各々構成される請求項1乃至
    4のうちのいずれか1項に記載の多孔質セラミック。
  6. 【請求項6】 主骨材粉末と、該主骨材粉末よりも平均
    粒径が小さい小粒骨材粉末と、消失性粒子とを用いて、
    成形した未焼成体を焼成することを特徴とする多孔質セ
    ラミックの製造方法。
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