JP2003146016A - 空気入りタイヤ及びその装着方法 - Google Patents
空気入りタイヤ及びその装着方法Info
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Abstract
水性能も向上することができる空気入りタイヤ及びその
装着方法を得る。 【解決手段】トレッドパターン14の横溝40の傾斜角
度θ2が大きいためトレッド端側陸部38の剛性を向上
でき雪上でのトラクション性能ブレーキ性能を向上でき
る。中間陸部30とセンター陸部16との角部が鋭角と
なるため、タイヤ幅方向のエッジ成分が増加し氷雪上で
のコーナリング性能が向上する。トレッドパターン26
の横溝48、58によりタイヤ中央の水を横溝48、5
8を通してトレッド端側に排水できる。横溝48と縦溝
50とで挟まれた中間陸部44の鋭角の角部がコーナリ
ング時において氷雪路面に対してひっかかり、コーナリ
ング性能を向上できる。トレッドパターン14側の中間
陸部30とセンター陸部16のタイヤ周方向のエッジ成
分を増加でき、雪上性能を向上できる。
Description
を向上するとともに、排水性を向上できる空気入りタイ
ヤ及びその装着方法に関する。
ヤ、特にスノータイヤでは、タイヤ周方向に連続したい
わゆるジグザグ溝102と、タイヤ周方向に連続したい
わゆるストレート主溝104と、を組み合わせたトレッ
ドパターン100を有しているのが一般的である。ま
た、トレッドパターン100は、タイヤ赤道線CLに対
して左右対称となっているのが一般的である。
ブ率(見掛けの全接地面積で溝面積を割った値を百分率
で表したもの)は、40%前後となっていたので、さら
なる氷上ブレーキ性能を望むには限界がある。このた
め、ブロック剛性を確保すべく、ネガティブ率を低下
(25〜30%)させる必要がある。これにより、氷上
ブレーキ性能は確保できる。
させると、氷上性能は向上しても、雪上性能(ブレーキ
ング性能、トラクション性能、フィーリング評価)とW
ETハイプレ性能が悪化する問題がある。
記事実を考慮し、ネガティブ率を低下させ、溝をタイヤ
踏面の所定の位置に配置しタイヤ赤道線に対して左右非
対称のトレッドパターンとすることにより、氷上性能を
確保するとともに、雪上性能及び排水性能も向上するこ
とができる空気入りタイヤ及びその装着方法を提供する
ことを課題とする。
りタイヤでは、タイヤ赤道線に対してトレッド部の左右
両側にそれぞれタイヤ周方向に連続して形成された少な
くとも2本のタイヤ周方向溝と、略タイヤ幅方向に形成
された複数の横溝と、前記タイヤ周方向溝と前記横溝と
で形成されトレッド端部近傍に位置するトレッド端側陸
部と、前記タイヤ周方向溝と前記横溝とで形成されタイ
ヤ赤道線上に位置するセンター陸部と、前記タイヤ周方
向溝と前記横溝とで形成され前記トレッド端側陸部と前
記センター陸部との間に位置する中間陸部と、前記トレ
ッド端側陸部と前記センター陸部と前記中間陸部の表面
に形成された複数のサイプと、を有し、タイヤ赤道線に
対して左右非対称のトレッドパターンを有した空気入り
タイヤであって、タイヤ赤道線に対して左右両側のトレ
ッドパターンのうち、一方のトレッドパターンに形成さ
れた前記横溝は、前記トレッド端側陸部を略タイヤ幅方
向に貫通して形成された第1の溝部と、前記第1の溝部
よりもタイヤ周方向に対して小さな傾斜角で傾斜して形
成され前記中間陸部を貫通した第2の溝部と、前記第1
の溝部よりもタイヤ周方向に対して小さな傾斜角で傾斜
して形成され前記センター陸部の途中で終端した第3の
溝部と、で構成され、タイヤ赤道線に対して左右両側の
トレッドパターンのうち、他方のトレッドパターンに形
成された前記横溝は、前記トレッド端側陸部を略タイヤ
幅方向に貫通し前記中間陸部を略タイヤ幅方向に延びて
終端して形成された主体溝部と、前記主体溝部のタイヤ
幅方向内側端部近傍と接続し前記主体溝部のタイヤ周方
向に対する傾斜角度よりも小さい傾斜角度でタイヤ周方
向に隣接する他の主体溝部に向かって延びて終端する補
助溝部と、で構成され、前記第1の溝部と前記主体溝部
とのタイヤ周方向のピッチが同一であり、前記第2の溝
部と前記第3の溝部とのタイヤ周方向のピッチが同一で
あり、前記第1の溝部と前記主体溝部とのタイヤ周方向
のピッチが前記第2の溝部と前記第3の溝部とのタイヤ
周方向のピッチよりも長くなるように設定されたことを
特徴とする。
作用効果について説明する。
とも2本のタイヤ周方向溝を有しているため、路面が濡
れていたり、路面に雪が積もっていた場合でも、排水性
を確保できるとともに、雪上での横滑りを防止すること
ができる。また、タイヤ周方向溝と横溝とによりトレッ
ド端側陸部とセンター陸部と中間陸部とが形成されるた
め、各陸部の剛性を確保できるため、氷雪上性能に対し
て効果的となる。
り、一般的なスノータイヤの基本性能を有することがで
き、左右非対称のトレッドパターンを有することによ
り、タイヤ赤道線に対して一方のトレッドパターンに雪
上性能をもたせ、他方のトレッドパターンに氷上性能を
もたせることができる。
きるだけ溝を少なくしてネガティブ率を低下させる必要
があるが、ネガティブ率を低下させると、雪上性能(雪
上でのブレーキ性能、雪上でのトラクション)とウエッ
ト性能が低下する問題がある。
を減らしてネガティブ率を低下させるこことするが、ト
レッドパターンをタイヤ赤道線に対して左右非対称とす
ることにより、一方のトレッドパターンで主に雪上性能
を確保し、他方のトレッドパターンで主に氷上性能と排
水性を確保することができる。これにより、氷上性能
と、雪上性能及び排水性能との両立を図ることができ
る。
の内側に位置するように空気入りタイヤを車両に装着し
た場合において、第1の溝部がタイヤ幅方向に伸びてい
るので、この第1の溝部とタイヤ周方向溝とで区画され
るトレッド端側陸部の剛性を向上させることができる。
このため、雪上でのトラクション、ブレーキ性能を向上
することができるとともに、偏摩耗を防止することがで
きる。
部のタイヤ周方向に対する傾斜角度よりも小さい傾斜角
度に形成されているため、中間陸部とセンター陸部との
角部が鋭角となる。このため、タイヤ幅方向のエッジ成
分が増加し、氷雪上でのコーナーリング性能を向上する
ことができる。さらに、第3の溝部がセンター陸部の途
中で終端しているので、センター陸部の一方のトレッド
パターン側の部位では、センター陸部をブロック化する
ことができる。このように、トレッド端側陸部と中間陸
部とともに、センター陸部もブロック化することによ
り、主に雪上性能を確保することができる。
側に位置するように空気入りタイヤを車両に装着した場
合において、トレッド端側陸部を略タイヤ幅方向に貫通
し中間陸部を略タイヤ幅方向に延びて終端して形成され
た主体溝部は、タイヤ周方向に対して傾斜角度が大きく
なるため、ウエット路面の走行時において、タイヤの中
央領域の水をこの主体溝部を通してトレッド端側に排水
することができる。
ヤ周方向に対する傾斜角度が小さいので、主体溝部と補
助溝部とで挟まれた中間陸部に鋭角の角部を形成するこ
とができる。鋭角の角部を形成することにより、主に氷
雪上の路面におけるコーナーリング時においてこの角部
が路面に対してひっかかりとして作用するため、コーナ
ーリング時において車両が安定性し、氷雪上コーナーリ
ング性能を向上させることができる。
間陸部の剛性の低下を極力防止でき、特に氷上ブレーキ
時の中間陸部の倒れ込みを防止することができる。
ヤ周方向のピッチが同一であり、第2の溝部と第3の溝
部とのタイヤ周方向のピッチが同一であり、第1の溝部
と主体溝部とのタイヤ周方向のピッチが第2の溝部と第
3の溝部とのタイヤ周方向のピッチよりも長くなるよう
に設定されているため、一方のトレッドパターン側の中
間陸部とセンター陸部のタイヤ幅方向に延びるエッジが
増加する。このため、一方のトレッドパターン側でタイ
ヤ周方向に作用するエッジ成分を増加させることがで
き、雪上性能(雪上ブレーキ性能、雪上トラクション性
能、雪上フィーリング)を向上させることができる。
ドパターンにおけるトレッド端側陸部では、タイヤ周方
向のエッジ成分を増加させると、ブロックの剛性が低下
し、両肩落ちの偏摩耗が発生するため、好ましくない。
このため、タイヤ周方向のピッチを長くすることによ
り、偏摩耗を防止する必要がある。
のトレッドパターンによって、雪上性能を確保すること
ができ、他方のトレッドパターンによって氷上性能及び
排水性を確保することができるため、氷上性能を向上
と、雪上性能及び排水性能の向上とを両立させることが
できる。
えば、陸部の途中まで溝が形成され、当該溝が陸部を貫
通することがないことを意味する。
記一方のトレッドパターンに形成された前記トレッド端
側陸部と前記中間陸部とは、タイヤ周方向に所定の間隔
を開けて複数配置されたブロックであることを特徴とす
る。
作用効果について説明する。
ッド端側陸部と中間陸部とは、タイヤ周方向に連続した
リブ状ブロックではなく、タイヤ周方向に所定の間隔を
開けて複数配置されたブロックであるため、タイヤ周方
向のエッジ成分を増加させることができる。このため、
ネガティブ率を低下した中でも、雪上性能を向上するこ
とができる。
記トレッド部のネガティブ率は、25%以上35%以下
であり、前記トレッド部の全領域のうち、前記他方のト
レッドパターンに位置する前記トレッド部のネガティブ
率が前記一方のトレッドパターンに位置する前記トレッ
ド部のネガティブ率よりも高いことを特徴とする。
作用効果について説明する。
5%以下と低く設定することにより、路面と接するタイ
ヤの接地面積を増加させることができる。このため、各
陸部の剛性を向上でき、さらに氷上性能を向上すること
ができる。
を確保し、他方のトレッドパターンで氷上性能を確保す
る場合、通常は、一方のトレッドパターンに位置するト
レッド部のネガティブ率を他方のトレッドパターンに位
置するトレッド部のネガティブ率よりも大きく設定する
が、本発明では、一方のトレッドパターンに位置するト
レッド部のネガティブ率よりも他方のトレッドパターン
に位置するトレッド部のネガティブ率の方を高く設定し
たことにより、他方のトレッドパターンに位置するトレ
ッド部において排水性の向上を図ることができる。この
ため、コーナーリング時を含めたハイプレ性能を向上す
ることができる。
接地面積で溝面積を割った値を百分率で表したものを意
味する。
記一方のトレッドパターンに形成された前記トレッド端
側陸部の個数と前記中間陸部の個数との比を、2対3に
設定したことを特徴とする。
作用効果について説明する。
ンに形成されたトレッド端側陸部の個数と中間陸部の個
数との比が2対3のときに、雪上ブレーキ性能及び雪上
トラクション性能を向上でき、かつ氷上ブレーキ性能及
び氷上トラクション性能を向上できることが判明してい
る。
ーンに形成されたトレッド端側陸部の個数と中間陸部の
個数との比を2対3に設定することにより、雪上ブレー
キ性能及び雪上トラクション性能を向上でき、かつ氷上
ブレーキ性能及び氷上トラクション性能を向上できる。
記他方のトレッドパターンに形成された前記タイヤ周方
向溝の溝幅の合計値は、前記一方のトレッドパターンに
形成された前記タイヤ周方向溝の溝幅の合計値よりも大
きいことを特徴とする。
作用効果について説明する。
ヤ周方向溝の溝幅の合計値は、一方のトレッドパターン
に形成されたタイヤ周方向溝の溝幅の合計値よりも大き
くなるように設定することにより、他方のトレッドパタ
ーンにおけるネガティブ率を高くできる。このため、他
方のトレッドパターンでの排水性を向上できる。
いて雪上性能を持たせることができるとともに、他方の
トレッドパターンにおいて氷上性能及びWETハイプレ
性能を向上させることができ、両者の両立が可能とな
る。
記センター陸部には、第3の溝部の終端と接続し前記他
方のトレッドパターン側に位置する前記タイヤ周方向溝
に開口するとともに、前記空気入りタイヤの負荷転動時
において対向する溝壁が接触する副溝が形成され、前記
他方のトレッドパターンに位置する前記中間陸部には、
前記主体溝部の終端と接続し前記他方のトレッドパター
ン側に位置する前記タイヤ周方向溝に開口するととも
に、前記空気入りタイヤの負荷転動時において対向する
溝壁が接触する副溝が形成されていることを特徴とす
る。
作用効果について説明する。
部には、第3の溝部の終端と接続し、他方のトレッドパ
ターン側に位置しセンター陸部に隣接するタイヤ周方向
溝に開口するとともに、空気入りタイヤの負荷転動時に
おいて対向する溝壁が接触する副溝が形成されている。
中間陸部には、主体溝部の終端と接続し他方のトレッド
パターン側に位置するタイヤ周方向溝に開口するととも
に、空気入りタイヤの負荷転動時において対向する溝壁
が接触する副溝が形成されている。
パターンに位置する一部分と他方のトレッドパターンに
位置する中間陸部の一部とが、空気入りタイヤの負荷転
動時に、タイヤ周方向に連続する略リブ状ブロックとな
るため、氷上ブレーキ性能及び氷上トラクション性能を
向上することができる。
法では、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入
りタイヤを車両に装着する空気入りタイヤの装着方法で
あって、タイヤ赤道線に対して左右両側のトレッドパタ
ーンのうち、前記一方のトレッドパターンが前記車両の
内側に位置し、前記他方のトレッドパターンが前記車両
の外側に位置するように前記空気入りタイヤを装着する
ことを特徴とする。
装着方法の作用効果について説明する。
ば、タイヤ赤道線に対して左右両側のトレッドパターン
のうち、一方のトレッドパターンが車両の内側に位置
し、他方のトレッドパターンが車両の外側に位置するよ
うに空気入りタイヤを装着したため、氷上性能を向上で
きると同時に、雪上性能及び排水性能を向上することが
できる。
明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明す
る。図1は、右輪用タイヤのトレッドパターンを示した
平面図である。
トレッド部12には、タイヤ赤道線CLに対して左側
(図1中矢印L側)に一方のトレッドパターン14が形
成されている。
は、タイヤ赤道線CL近傍に、センター陸部16が形成
されている。
外側には、タイヤ周方向に延びるタイヤ周方向溝18、
20が形成されている。
して左側(図1中矢印L側)の位置には、タイヤ周方向
に対して傾斜角度θ1で傾斜した横溝22(第3の溝
部)が形成されている。
から右側にかけて形成されており、センター陸部16の
途中で終端している。このため、タイヤ赤道線CLに対
して左側に位置する一方のトレッドパターン14側のセ
ンター陸部16のタイヤ周方向のエッジ成分が増加する
ようになっている。
6の右側のタイヤ周方向溝20に向かって副溝24が形
成されている。この副溝24は、横溝22の終端と接続
し、右側のタイヤ周方向溝20に開口している。
比較して狭くなるように形成されており、タイヤ周方向
に対向する溝壁24A、24Bは、空気入りタイヤ10
の負荷転動時に相互に接触するように形成されている。
このため、空気入りタイヤ10の負荷転動時には、タイ
ヤ赤道線CLに対して右側(図1中矢印R側)に位置す
る他方のトレッドパターン26側のセンター陸部16で
は、タイヤ周方向に繋がるため、略リブ状ブロックとな
っている。
サイプ28が形成されている。
6の左側に位置するタイヤ周方向溝18の左側には、中
間陸部30が形成されている。
(第2の溝部)がタイヤ周方向に対して傾斜角度θ1で
傾斜して、かつ中間陸部30を略タイヤ幅方向に貫通す
るように形成されている。このため、複数の中間陸部3
0がタイヤ周方向に横溝32の溝幅分の間隔を空けて配
置された状態となっている。
イプ34が形成されている。
ヤ周方向のピッチL1と、中間陸部30の横溝32のタ
イヤ周方向のピッチL2とは、略同一となるように設定
されている。
方向に延びるタイヤ周方向溝36が形成されている。
レッド端側陸部38が形成されている。
溝40(第1の溝部)がトレッド端側陸部38を略タイ
ヤ幅方向に貫通するように形成されている。なお、横溝
40は、タイヤ周方向に対して傾斜角度θ2で傾斜して
いる。
タイヤ周方向に横溝40の溝幅分の間隔を空けて配置さ
れた状態となっている。これにより、トレッド端側陸部
38のタイヤ周方向のエッジ成分を増加することができ
る。
傾斜角度θ2と、横溝22、32のタイヤ周方向に対す
る傾斜角度θ1とは、θ2>θ1の関係となるように設
定されている。
複数のサイプ42が形成されている。
タイヤ周方向のピッチL3は、中間陸部30の横溝32
のタイヤ周方向のピッチL2(=センター陸部16の横
溝22のタイヤ周方向のピッチL1)よりも長くなるよ
うに設定されている。
おいてタイヤ周方向のエッジ成分を増加させることがで
きるが、トレッド端側陸部38の体積は中間陸部30の
体積よりも大きくなりトレッド端側陸部38の剛性を向
上できる。この結果、タイヤ周方向のエッジ成分を増加
させることができると同時に、トレッド端側陸部38の
偏摩耗を極力防止できる。
形成されたトレッド端側陸部38の個数と中間陸部30
の個数との比が、2(トレッド端側陸部38)対3(中
間陸部30)となるように設定されている。
側に位置する一方のトレッドパターン14においては、
2本の周方向溝18、36が形成されているとともに、
トレッド端側陸部38と、中間陸部30と、センター陸
部16の左側(横溝22が形成されている側)部分とが
位置している。また、一方のトレッドパターン14にお
いては、横溝22、32、40がそれぞれ形成されてい
る。
24は、一方のトレッドパターン14側に位置せず、タ
イヤ赤道線CLに対して右側の他方のトレッドパターン
26側に位置している。
10のトレッド部12には、タイヤ赤道線CLに対して
右側(図1中矢印R側)に他方のトレッドパターン26
が形成されている。
周方向溝20の右側には、中間陸部44が形成されてい
る。また、この中間陸部44の右側にはタイヤ周方向に
延びるタイヤ周方向溝46が形成されている。
には、複数の横溝48(主体溝部)がタイヤ周方向に対
して傾斜角度θ3で傾斜して形成されている。また、こ
の横溝48は中間陸部44の途中で終端している。すな
わち、横溝48は中間陸部44をタイヤ幅方向に貫通し
ていない。このように、中間陸部44のタイヤ周方向の
エッジ成分を増加することができる。
からタイヤ周方向に隣接する他の横溝48に向かって縦
溝50(補助溝部)が形成されている。この縦溝50
は、タイヤ周方向に対して傾斜角度θ4で傾斜して形成
されている。なお、この縦溝50は、隣接する他の横溝
48側には開口せず、中間陸部44の途中で終端してい
る。
48の傾斜角度θ3とは、θ3>θ4の関係となるよう
に設定されている。
と比較して、狭くなるように形成されている。
と横溝48とで略L字状の溝を構成するようになってい
る。
と接続しタイヤ周方向溝20に開口する副溝52が形成
されている。この副溝52の略タイヤ周方向に対向する
溝壁52A、52Bは、空気入りタイヤ10の負荷転動
時に相互に接触するように形成されている。このため、
空気入りタイヤ10の負荷転動時には、中間陸部44の
左側の一部において、タイヤ周方向に繋がるため、略リ
ブ状ブロックとなる。
イプ54が形成されている。
溝46の右側には、トレッド端側陸部56が形成されて
いる。
溝58(主体溝部)がトレッド端陸部56を略タイヤ幅
方向に貫通するように形成されている。なお、この横溝
58は、タイヤ周方向に対して傾斜角度θ5で傾斜して
いる。
タイヤ周方向に横溝58の溝幅分の間隔を空けて配置さ
れた状態となっている。これにより、トレッド端側陸部
56のタイヤ周方向のエッジ成分を増加することができ
る。
傾斜角度θ5と、中間陸部44に形成された横溝48の
タイヤ周方向に対する傾斜角度θ3とは略同じであり、
縦溝50の傾斜角度θ4との間には、θ5>θ4の関係
となるように設定されている。
た横溝58と中間陸部44に形成された横溝48とはタ
イヤ周方向溝46を挟んで、タイヤ幅方向に傾斜して延
びる1つの横溝を構成している。
ヤ周方向のピッチR1とトレッド端側陸部56の横溝5
8のタイヤ周方向のピッチR2とは、略同一であるとと
もに、一方のトレッドパターン14に位置するトレッド
端側陸部38の横溝40のタイヤ周方向のピッチL3と
略同一である。
位置するトレッド端側陸部38の横溝40のタイヤ周方
向のピッチL3と、他方のトレッドパターン26に位置
する中間陸部44及びトレッド端側陸部56の横溝58
とのタイヤ周方向のピッチR1、R2とは、一方のトレ
ッドパターン14に位置する中間陸部30の横溝32の
タイヤ周方向のピッチL2及びセンター陸部16の横溝
22のタイヤ周方向のピッチL1よりも長くなってい
る。
複数のサイプ60が形成されている。
側に位置する他方のトレッドパターン26においては、
2本の周方向溝20、46が形成されているとともに、
トレッド端側陸部56と、中間陸部44と、センター陸
部16の右側(副溝24が形成されている側)部分とが
位置している。また、他方のトレッドパターン26にお
いては、横溝48、58及び縦溝50がそれぞれ形成さ
れている。
0では、一方のトレッドパターン14と他方のトレッド
パターン26とがタイヤ赤道線CLに対して左右非対称
になっている。
2全体のネガティブ率は、25%以上35%以下に設定
されている。
イヤ赤道線CLに対して右側の他方のトレッドパターン
26に位置するトレッド部12Rのネガティブ率がタイ
ヤ赤道線CLに対して左側の一方のトレッドパターン1
4に位置するトレッド部12Lのネガティブ率よりも高
くなるように設定されている。
方のトレッドパターン26に形成された2本のタイヤ周
方向溝20、46の溝幅の合計値は、タイヤ赤道線CL
に対して左側の一方のトレッドパターン12に形成され
た2本のタイヤ周方向溝18、36の溝幅の合計値より
も大きくなるように設定されている。
について説明する。
タイヤとして車両に装着する。
着したときに、タイヤ赤道線CLに対して左右両側のト
レッドパターンのうち、左側の一方のトレッドパターン
14が車両の内側に位置し、右側の他方のトレッドパタ
ーン26が車両の外側に位置するように、空気入りタイ
ヤ10を車両に装着する。
レッド部12全体としてネガティブ率を低下させること
により氷上性能を向上することができるとともに、タイ
ヤ赤道線CLに対して左右非対称のトレッドパターンと
し、左側の一方のトレッドパターン14によって主に雪
上性能を向上し、右側の他方のトレッドパターン26に
よって主に氷上性能及び排水性能を向上することができ
る。
のトレッドパターン26とに別けて、それぞれの作用及
び効果について説明する。
Lに対して左側の一方のトレッドパターン14では、横
溝40のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2が比較的大
きいため、当該横溝40とタイヤ周方向溝36とで区画
されるトレッド端側陸部38の剛性を向上させることが
できる。このため、雪上でのトラクション、ブレーキ性
能を向上することができるとともに、偏摩耗を防止する
ことができる。
ー陸部16の横溝22の傾斜角度θ1は、トレッド端側
陸部38の横溝40のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ
2よりも小さいため、中間陸部30とセンター陸部16
との角部がトレッド端側陸部38の角部と比較して鋭角
となる。このため、タイヤ幅方向のエッジ成分が増加
し、氷雪上でのコーナーリング性能を向上することがで
きる。
で終端しているので、センター陸部16の一方のトレッ
ドパターン14側の部位では、プロック剛性を確保した
状態でセンター陸部16をブロック化することができ
る。このように、トレッド端側陸部38と中間陸部30
とともに、センター陸部16の一部もブロック化するこ
とにより、主に雪上性能を確保することができる。
タイヤ周方向のピッチL3が、中間陸部30の横溝32
のタイヤ周方向のピッチL2やセンター陸部16の横溝
22とのタイヤ周方向のピッチL1よりも長くなるよう
に設定されているため、中間陸部30とセンター陸部1
6のタイヤ周方向におけるエッジ成分を増加させること
ができる。このため、一方のトレッドパターン14にお
いて雪上性能を向上させることができる。
タイヤ周方向のピッチL3も短くしてタイヤ周方向にお
けるエッジ成分を増加させるとさらに雪上性能を向上で
きるが、トレッド端側陸部38では、タイヤ周方向のエ
ッジ成分を増加させるとブロックの剛性が低下し、両肩
落ちの偏摩耗が発生するため、好ましくない。このた
め、トレッド端側陸部38の横溝40のタイヤ周方向の
ピッチL3を長くして、偏摩耗を防止する必要がある。
ドパターン14に形成されたトレッド端側陸部38の個
数と中間陸部30の個数との比が2(トレッド端側陸部
38)対3(中間陸部30)のときに、雪上ブレーキ性
能及び雪上トラクション性能を向上でき、かつ氷上ブレ
ーキ性能及び氷上トラクション性能を向上できることが
判明している。
形成されたトレッド端側陸部38の個数と中間陸部30
の個数との比を2対3に設定することにより、雪上ブレ
ーキ性能及び雪上トラクション性能を向上でき、かつ氷
上ブレーキ性能及び氷上トラクション性能を向上でき
る。これにより、雪上性能と氷上性能の両立を図ること
ができる。
装着時に車両の内側に位置する一方のトレッドパターン
14では、主に雪上機能をもたせることができる。
方のトレッドパターン26では、トレッド端側陸部56
を略タイヤ幅方向に貫通し中間陸部44を略タイヤ幅方
向に延びて終端して形成された横溝48のタイヤ周方向
に対する傾斜角度θ3、θ5が比較的大きいため、ウエ
ット路面の走行時において、タイヤのタイヤ幅方向中央
領域の水をこの横溝48、58を通して効率良くトレッ
ド端側に排水することができる。この結果、排水性能を
向上させることができる。
5%以上35%以下と低く設定することにより路面と接
するタイヤの接地面積を増加させているが、他方のトレ
ッドパターン26に位置するトレッド部12Rのネガテ
ィブ率を一方のトレッドパターン14に位置するトレッ
ド部12Lのネガティブ率よりも高く設定したことによ
り、他方のトレッドパターン26に位置するトレッド部
12Rにおいて排水性の向上を図ることができる。この
ため、コーナーリング時を含めたハイプレ性能を向上す
ることができる。
された2本のタイヤ周方向溝20、46の溝幅の合計値
は、一方のトレッドパターン14に形成された2本のタ
イヤ周方向溝18、36の溝幅の合計値よりも大きくな
るように設定したことにより、他方のトレッドパターン
26におけるネガティブ率を高くできる。このため、他
方のトレッドパターン26での排水性をさらに向上でき
る。
8(傾斜角度θ3)と比較してタイヤ周方向に対する傾
斜角度が小さいので、横溝48と縦溝50とで挟まれた
中間陸部44に鋭角の角部を形成することができる。
り、主に氷雪上の路面におけるコーナーリング時におい
てこの角部が路面に対してひっかかりとして作用するた
め、コーナーリング時において車両が安定性し、氷雪上
コーナーリング性能を向上させることができる。
24の溝壁24A、24Bは、空気入りタイヤ10の負
荷転動時において接触する。また、中間陸部44に形成
された副溝52の溝壁52A、52Bも空気入りタイヤ
10の負荷転動時において接触する。
ッドパターンに位置する一部分と他方のトレッドパター
ン26に位置する中間陸部44の一部とが、空気入りタ
イヤ10の負荷転動時に、タイヤ周方向に連続する略リ
ブ状ブロックとなるため、氷上ブレーキ性能及び氷上ト
ラクション性能を向上することができる。
る他の横溝48に開口せず中間陸部44の途中で終端し
ているため、中間陸部44の剛性の低下を極力防止で
き、特に氷上ブレーキ時の中間陸部44の倒れ込みを防
止することができる。この結果、氷上ブレーキ性能を向
上することができる。
装着時に車両の外側に位置する他方のトレッドパターン
26では、主に氷上機能及び排水機能をもたせることが
できる。
によれば、氷上性能を確保するとともに、雪上性能及び
排水性能も向上することができる。 (試験例)次に、図1に示す本発明の空気入りタイヤ1
0と図2に示す従来の空気入りタイヤ10とを用いて、
雪上性能、氷上性能及び排水性能についてそれぞれ試験
を行った。
験」とは、雪上フィーリング、雪上ブレーキ性能及び雪
上トラクション性能についての試験をいう。
路面のテストコースにおける制動性、発進性、直進性、
コーナリング性の総合評価である。
km/hからフル制動したときの制動距離を計測したも
のである。
発進から50mの距離までの加速タイムを測定したもの
である。
氷上フィーリング、氷上ブレーキ性能についての試験を
いう。
路面のテストコースにおける制動性、発進性、直進性、
コーナリング性の総合フィーリング評価である。
km/hからフル制動したときの制動距離を計測したも
のである。
は、WETハイプレ性能についての試験をいう。
深5mmのウェット路面の通過時のハイプレ発生限界速
度のフィーリング評価である。
りタイヤ10のタイヤサイズは205/65R15とし
た。また、空気入りタイヤ10のトレッド部12のネガ
ティブ率を27%に設定した。また、タイヤ赤道線CL
に対して左側の一方のトレッドパターン14に位置する
トレッド部のネガティブ率を25%に設定し、タイヤ赤
道線CLに対して右側の他方のトレッドパターン26に
位置するトレッド部のネガティブ率を29%に設定し
た。
する2本のタイヤ周方向溝18、36の溝幅の合計値を
11mmに設定し、他方のトレッドパターン26に位置
する2本のタイヤ周方向溝20、46の溝幅の合計値を
15mmに設定した。
22、32、40の溝幅の合計値を18mm(1ピッチ
あたり)に設定し、他方のトレッドパターン26の横溝
48、58の溝幅の合計値を12mm(1ピッチあた
り)に設定した。
した。
になった。
(100)として、指数表示で示したものである。した
がって、数値が高いほど性能が良いことを意味してい
る。
は、従来タイヤと比較して、雪上性能、氷上性能及び排
水性能の全てにおいて向上したことが判明した。
法によれば、氷上性能を確保するとともに、雪上性能及
び排水性能も向上することができる。
レッドパターンを示した図である。
した図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 タイヤ赤道線に対してトレッド部の左右
両側にそれぞれタイヤ周方向に連続して形成された少な
くとも2本のタイヤ周方向溝と、略タイヤ幅方向に形成
された複数の横溝と、前記タイヤ周方向溝と前記横溝と
で形成されトレッド端部近傍に位置するトレッド端側陸
部と、前記タイヤ周方向溝と前記横溝とで形成されタイ
ヤ赤道線上に位置するセンター陸部と、前記タイヤ周方
向溝と前記横溝とで形成され前記トレッド端側陸部と前
記センター陸部との間に位置する中間陸部と、前記トレ
ッド端側陸部と前記センター陸部と前記中間陸部の表面
に形成された複数のサイプと、を有し、タイヤ赤道線に
対して左右非対称のトレッドパターンを有した空気入り
タイヤであって、 タイヤ赤道線に対して左右両側のトレッドパターンのう
ち、一方のトレッドパターンに形成された前記横溝は、
前記トレッド端側陸部を略タイヤ幅方向に貫通して形成
された第1の溝部と、前記第1の溝部よりもタイヤ周方
向に対して小さな傾斜角で傾斜して形成され前記中間陸
部を貫通した第2の溝部と、前記第1の溝部よりもタイ
ヤ周方向に対して小さな傾斜角で傾斜して形成され前記
センター陸部の途中で終端した第3の溝部と、で構成さ
れ、 タイヤ赤道線に対して左右両側のトレッドパターンのう
ち、他方のトレッドパターンに形成された前記横溝は、
前記トレッド端側陸部を略タイヤ幅方向に貫通し前記中
間陸部を略タイヤ幅方向に延びて終端して形成された主
体溝部と、前記主体溝部のタイヤ幅方向内側端部近傍と
接続し前記主体溝部のタイヤ周方向に対する傾斜角度よ
りも小さい傾斜角度でタイヤ周方向に隣接する他の主体
溝部に向かって延びて終端する補助溝部と、で構成さ
れ、 前記第1の溝部と前記主体溝部とのタイヤ周方向のピッ
チが同一であり、前記第2の溝部と前記第3の溝部との
タイヤ周方向のピッチが同一であり、前記第1の溝部と
前記主体溝部とのタイヤ周方向のピッチが前記第2の溝
部と前記第3の溝部とのタイヤ周方向のピッチよりも長
くなるように設定されたことを特徴とする空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項2】 前記一方のトレッドパターンに形成され
た前記トレッド端側陸部と前記中間陸部とは、タイヤ周
方向に所定の間隔を開けて複数配置されたブロックであ
ることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記トレッド部のネガティブ率は、25
%以上35%以下であり、 前記トレッド部の全領域のうち、前記他方のトレッドパ
ターンに位置する前記トレッド部のネガティブ率が前記
一方のトレッドパターンに位置する前記トレッド部のネ
ガティブ率よりも高いことを特徴とする請求項1又は2
に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 前記一方のトレッドパターンに形成され
た前記トレッド端側陸部の個数と前記中間陸部の個数と
の比を、2対3に設定したことを特徴とする請求項1乃
至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 前記他方のトレッドパターンに形成され
た前記タイヤ周方向溝の溝幅の合計値は、前記一方のト
レッドパターンに形成された前記タイヤ周方向溝の溝幅
の合計値よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4
のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項6】 前記センター陸部には、第3の溝部の終
端と接続し前記他方のトレッドパターン側に位置する前
記タイヤ周方向溝に開口するとともに、前記空気入りタ
イヤの負荷転動時において対向する溝壁が接触する副溝
が形成され、 前記他方のトレッドパターンに位置する前記中間陸部に
は、前記主体溝部の終端と接続し前記他方のトレッドパ
ターン側に位置する前記タイヤ周方向溝に開口するとと
もに、前記空気入りタイヤの負荷転動時において対向す
る溝壁が接触する副溝が形成されていることを特徴とす
る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
空気入りタイヤを車両に装着する空気入りタイヤの装着
方法であって、 タイヤ赤道線に対して左右両側のトレッドパターンのう
ち、前記一方のトレッドパターンが前記車両の内側に位
置し、前記他方のトレッドパターンが前記車両の外側に
位置するように前記空気入りタイヤを装着することを特
徴とする空気入りタイヤの装着方法。
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