JP2003145469A - 群ロボットシステムならびにそれに用いられるセンシングロボットおよびベースステーション - Google Patents

群ロボットシステムならびにそれに用いられるセンシングロボットおよびベースステーション

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JP2003145469A
JP2003145469A JP2001355017A JP2001355017A JP2003145469A JP 2003145469 A JP2003145469 A JP 2003145469A JP 2001355017 A JP2001355017 A JP 2001355017A JP 2001355017 A JP2001355017 A JP 2001355017A JP 2003145469 A JP2003145469 A JP 2003145469A
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佳似 太田
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    • G05D1/10Simultaneous control of position or course in three dimensions
    • G05D1/101Simultaneous control of position or course in three dimensions specially adapted for aircraft
    • G05D1/104Simultaneous control of position or course in three dimensions specially adapted for aircraft involving a plurality of aircrafts, e.g. formation flying
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/16Programme controls
    • B25J9/1679Programme controls characterised by the tasks executed
    • B25J9/1682Dual arm manipulator; Coordination of several manipulators
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/39Robotics, robotics to robotics hand
    • G05B2219/39155Motion skill, relate sensor data to certain situation and motion
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
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    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/39Robotics, robotics to robotics hand
    • G05B2219/39168Multiple robots searching an object

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物の探索を効率的に行なうことが可能と
なる群ロボットシステム等を提供する。 【解決手段】 群ロボットシステム100の通信体系
を、ベースステーション101を最上層として、複数の
センシングロボット群102,103,104同士で複
数層を構成する階層構造をなすように構成し、複数のセ
ンシングロボット群102,103,104それぞれの
センシング分解能が、階層構造の下層側のセンシングロ
ボットよりも階層構造の上層側のセンシングロボットの
方が高い分解能になるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物を探索する
ためのロボットが多数集まり群として動作する群ロボッ
トシステムならびにそれに用いられるセンシングロボッ
トおよびベースステーションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来においては、図53に示すように、
特開平8−30327号公報において、外部環境の情報
を収集する単数あるいは複数のセンサ機構と、センサ機
構からのセンサ情報により、アクチュエータ機構への
適切な運動指令を生成する階層型の情報処理機構を備
えた実環境で動作する実用的な環境認識システム、知能
ロボットが開示されている。この技術によれば、センシ
ング時の状況に応じて、階層型の情報処理機構からの運
動指令により、アクチュエータ機構が、上記センサ機
構が十分に機能するように、自己および対象物の位置や
照明などの外部環境を適切に変更させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8−30327号公報に記載された技術では、複数
のセンサ機構および上位から下位までのセンサ情報処理
ユニットが常に動作していた。
【0004】また、他のセンシングロボットを使用する
ロボットシステムにおいては、全てのセンサは同じ感
度、すなわち同じセンシング分解能でセンシングを行な
っていた。
【0005】そのため、探索の対象物を検出した場合に
おいては、探索の対象物から遠い領域を探索しているセ
ンシングロボットも、探索の対象物に近い領域を探索し
ているセンシングロボットと同じセンシング分解能で探
索を行なっていた。
【0006】その結果、センシングロボットのセンサ情
報の処理による負担の軽減およびセンシングロボットの
消費電力の低減が困難であった。さらに、全てのセンシ
ングロボットのセンシング分解能を均一にするために、
特定のセンシングロボットのセンシング分解能を高く変
更することができなかったため、探索の対象物を検出し
た後、センシング分解能を高くして、短時間で探索の対
象物の詳細な全体情報を把握することが困難であった。
【0007】したがって、従来の群ロボットシステムに
おいては、効率的に対象物の探索を行なうことができな
かった。
【0008】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、探索の対象物を検出した場合に
おいて、効率的に対象物の探索を行なうことが可能な群
ロボットシステムならびにそれに用いられるセンシング
ロボットおよびベースステーションを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面の群
ロボットシステムは、対象物の探索に用いられる複数の
センシングロボットと、複数のセンシングロボットを制
御するためのベースステーションとを備えた群ロボット
システムであって、複数のセンシングロボットが、ベー
スステーションからの距離に応じて、対象物の探索に関
する態様が異なるように制御される。
【0010】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが、ベースステーションからの距離に応じ
て、対象物の探索に関する態様が異なるように制御され
るため、効率的に対象物の探索を行なうことが可能とな
る。
【0011】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に関する態様が、複数のセンシングロ
ボットそれぞれのセンシング分解能であってもよい。
【0012】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットそれぞれのセンシング分解能をベースステーショ
ンからの距離に応じて調整することにより、効率的に対
象物の探索を行なうことが可能となる。
【0013】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、ベースステーション
からの距離に応じた複数のグループからなり、複数のセ
ンシングロボットのセンシング分解能が、ベースステー
ションに遠い側のグループのセンシングロボットよりも
ベースステーションに近い側のグループのセンシングロ
ボットの方が、高い分解能になるように制御されてもよ
い。
【0014】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットそれぞれのセンシング分解能をベースステーショ
ンに近いグループほど大きくすることにより、効率的に
対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0015】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットのセンシング分解能が、
ベースステーションに遠い側のセンシングロボットより
もベースステーションに近い側のセンシングロボットの
方が、高い分解能となるように制御されてもよい。
【0016】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットそれぞれのセンシング分解能をベースステーショ
ンに近いセンシングロボットほど大きくすることによ
り、効率的に対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0017】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に関する態様が、複数のセンシングロ
ボットそれぞれの移動速度であってもよい。
【0018】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットそれぞれの移動速度をベースステーションからの
距離に応じて調整することにより、効率的に対象物の探
索を行なう。
【0019】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、ベースステーション
からの距離に応じた複数のグループからなり、複数のセ
ンシングロボットの移動速度が、ベースステーションに
遠い側のグループのセンシングロボットよりもベースス
テーションに近い側のグループのセンシングロボットの
方が低速になるように制御されてもよい。
【0020】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットそれぞれの移動速度をベースステーションに近い
側のグループほど大きくすることにより、効率的に対象
物の探索を行なうことが可能となる。
【0021】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットの移動速度が、ベースス
テーションに遠い側のセンシングロボットよりもベース
ステーションに近い側のセンシングロボットの方が低速
になるように制御されてもよい。
【0022】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットそれぞれの移動速度をベースステーションに近い
側のセンシングロボットほど低速にすることにより、効
率的に対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0023】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、センシングロボットが、羽ばたき運動により羽ばた
き飛行可能な羽ばたきセンシングロボットであり、対象
物の探索に関する態様が、複数の羽ばたきセンシングロ
ボットの羽ばたき運動の周波数であってもよい。
【0024】上記のような構成によれば、羽ばたきセン
シングロボットそれぞれの羽ばたき運動の羽ばたき周波
数をベースステーションからの距離に応じて調整するこ
とにより、効率的に対象物の探索を行なうことが可能と
なる。
【0025】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、複数の羽ばたきセンシングロボットが、ベースステ
ーションからの距離に応じた複数のグループからなり、
複数の羽ばたきセンシングロボットの羽ばたき運動の周
波数が、ベースステーションに遠い側のグループの羽ば
たきセンシングロボットよりもベースステーションに近
い側のグループの羽ばたきセンシングロボットの方が小
さくなるように制御されてもよい。
【0026】上記のような構成によれば、羽ばたきセン
シングロボットそれぞれの羽ばたき運動の羽ばたき周波
数をベースステーションに近い側のグループほど小さく
することにより、効率的に対象物の探索を行なうことが
可能となる。
【0027】本発明の第1の局面の群ロボットシステム
は、複数の羽ばたきセンシングロボットの羽ばたき運動
の周波数が、ベースステーションに遠い側よりもベース
ステーションに近い側の羽ばたきセンシングロボットの
方が小さくなるように制御されてもよい。
【0028】上記のような構成によれば、羽ばたきセン
シングロボットそれぞれの羽ばたき運動の羽ばたき周波
数をベースステーションに近い側の羽ばたきセンシング
ロボットほど小さくすることにより、効率的に対象物の
探索を行なうことが可能となる。
【0029】本発明の第1の局面のセンシングロボット
は、ベースステーションにより制御されて対象物の探索
を行なうセンシングロボットであって、対象物の探索を
複数のセンシングロボットで行なう場合に、複数のセン
シングロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様
が、ベースステーションからの距離に応じて異なるよう
に、ベースステーションにより制御可能である。
【0030】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが、ベースステーションからの距離に応じ
て、対象物の探索に関する態様が異なるように制御され
るため、効率的に対象物の探索を行なうことが可能とな
る。
【0031】本発明の第1の局面のベースステーション
は、対象物の探索を行なう複数のセンシングロボットを
制御するベースステーションであって、複数のセンシン
グロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様が、ベ
ースステーションからの距離に応じて異なるように、複
数のセンシングロボットを制御可能である。
【0032】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットがベースステーションからの距離に応じて
対象物の探索に関する態様が異なるように制御されるた
め、効率的に対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0033】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に用いられる複数のセンシングロボッ
トと、複数のセンシングロボットを制御するためのベー
スステーションとを備えた群ロボットシステムであっ
て、群ロボットシステムの通信体系が、ベースステーシ
ョンを最上層として、複数のセンシングロボット同士で
複数層を構成する階層構造をなし、階層構造において、
ベースステーションからは、複数のセンシングロボット
それぞれまで階層構造の下層側へ順に、複数のセンシン
グロボットそれぞれの制御に関する情報が伝達され、複
数のセンシングロボットそれぞれからは、ベースステー
ションまで階層構造の上層へ順に、複数のセンシングロ
ボットそれぞれの対象物の探索に関する情報が伝達さ
れ、センシングロボットが、階層構造の階層に応じて対
象物の探索に関する態様が異なるように制御される。
【0034】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが階層構造の階層に応じて対象物の探索に
関する態様が異なるように制御されるため、効率的に対
象物の探索を行なうことが可能となる。また、階層構造
において通信を行なうため、それぞれのセンシングロボ
ット同士の間またはベースステーションとセンシングロ
ボットとの間の通信の距離を、ベースステーションとセ
ンシングロボットとが1対1で通信を行なう場合に比較
して短くすることができる。そのため、センシングロボ
ットそれぞれの通信機構の小型化または軽量化を図りな
がら、ベースステーションが停止している状態での探索
範囲を広げることができる。
【0035】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に関する態様が、センシングロボット
のセンシング分解能であってもよい。
【0036】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれのセンシング分解能を階層構造の
階層に応じて調整することにより、効率的に対象物の探
索を行なうことが可能となる。
【0037】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、階層構造の階層に応
じた複数のグループからなり、複数のセンシングロボッ
トのセンシング分解能が、階層構造の下層側のグループ
のセンシングロボットよりも階層構造の上層側のグルー
プのセンシングロボットの方が高分解能になるように制
御されてもよい。
【0038】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれのセンシング分解能を階層構造の
上層のグループほど高い分解能にすることにより、効率
的に対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0039】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットのセンシング分解能が、
階層構造の下層側のセンシングロボットよりも階層構造
の上層側のセンシングロボットの方が高い分解能になる
ように制御されてもよい。
【0040】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれのセンシング分解能を階層構造の
上層のセンシングロボットほど高い分解能にすることに
より、効率的に対象物の探索を行なうことが可能とな
る。
【0041】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に関する態様が、センシングロボット
の移動速度であってもよい。
【0042】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの移動速度を階層構造の階層に応
じて調整することにより、効率的に対象物の探索を行な
うことが可能となる。
【0043】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、階層構造の各階層に
応じた複数のグループからなり、複数のセンシングロボ
ットの移動速度が、階層構造の下層側のグループのセン
シングロボットよりも階層構造の上層側のグループのセ
ンシングロボットの方が低速になるように制御されても
よい。
【0044】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの移動速度を階層構造の階層の上
層のグループほど低速にすることにより、効率的に対象
物の探索を行なうことが可能となる。
【0045】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットの移動速度が、階層構造
の下層側のセンシングロボットよりも階層構造の上層側
のセンシングロボットの方が低速になるように制御され
てもよい。
【0046】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの移動速度を階層構造の階層の上
層のセンシングロボットほど低速にすることにより、効
率的に対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0047】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、センシングロボットは、羽ばたき運動により羽ばた
き飛行可能な羽ばたきセンシングロボットであり、対象
物の探索に関する態様が、羽ばたきセンシングロボット
の羽ばたき運動の周波数であってもよい。
【0048】上記のような構成によれば、複数の羽ばた
きセンシングロボットそれぞれの羽ばたき運動の周波数
を階層構造の階層に応じて調整することにより、効率的
に対象物の探索を行なうことが可能となる。
【0049】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、複数の羽ばたきセンシングロボットが、階層構造の
階層に応じた複数のグループからなり、複数の羽ばたき
センシングロボットの羽ばたき運動の周波数が、階層構
造の下層側のグループの羽ばたきセンシングロボットよ
りも階層構造の上層側のグループの羽ばたきセンシング
ロボットの方が小さくなるように制御されてもよい。
【0050】上記のような構成によれば、複数の羽ばた
きセンシングロボットそれぞれの羽ばたき運動の周波数
を階層構造の階層の上層のグループほど小さくすること
により、効率的に対象物の探索を行なうことが可能とな
る。
【0051】本発明の第2の局面の群ロボットシステム
は、複数の羽ばたきセンシングロボットの羽ばたき運動
の周波数が、階層構造の下層側の羽ばたきセンシングロ
ボットよりも階層構造の上層側の羽ばたきセンシングロ
ボットの方が小さくなるように制御されてもよい。
【0052】上記のような構成によれば、複数の羽ばた
きセンシングロボットそれぞれの羽ばたき運動の周波数
を階層構造の階層の上層のセンシングロボットほど小さ
くすることにより、効率的に対象物の探索を行なうこと
が可能となる。
【0053】本発明の第2の局面のセンシングロボット
は、ベースステーションにより制御されて対象物の探索
を行なうセンシングロボットであって、通信体系が、ベ
ースステーションを最上層として、複数のセンシングロ
ボット同士で複数層を構成する階層構造をなすように設
定された群ロボットシステムにおいて用いられ、階層構
造の上層側へ自己より下側の階層のセンシングロボット
の対象物の探索に関する情報を伝達する機能と、階層構
造の1つ下層側へ自己より下側の階層のセンシングロボ
ットの動作に関する情報を伝達する機能とを備え、対象
物の探索を行なう場合に、複数のセンシングロボットそ
れぞれの対象物の探索に関する態様が、階層構造の階層
に応じて異なるように、ベースステーションにより制御
可能である。
【0054】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが階層構造の階層に応じて対象物の探索に
関する態様が異なるように制御されるため、効率的に対
象物の探索を行なうことが可能となる。また、階層構造
において通信を行なうため、それぞれのセンシングロボ
ット同士の間またはベースステーションとセンシングロ
ボットとの間の通信の距離を、ベースステーションとセ
ンシングロボットとが1対1で通信を行なう場合に比較
して短くすることができる。そのため、センシングロボ
ットそれぞれの通信機構の小型化または軽量化を図りな
がら、ベースステーションが停止している状態での探索
範囲を広げることができる。
【0055】本発明の第2の局面のベースステーション
は、複数のセンシングロボットに対象物を探索させる制
御を行なうベースステーションであって、通信体系が、
ベースステーションを最上層として、複数のセンシング
ロボット同士で複数層を構成する階層構造をなすように
設定された群ロボットシステムにおいて用いられ、階層
構造において、ベースステーションから複数のセンシン
グロボットそれぞれまで階層構造の下層側へ順に、複数
のセンシングロボットそれぞれの動作の制御に関する情
報を伝達でき、複数のセンシングロボットそれぞれから
ベースステーションまで前記階層構造の上層側へ順に、
複数のセンシングロボットそれぞれの対象物の探索に関
する情報が伝達され、複数のセンシングロボットそれぞ
れの対象物の探索に関する態様が、階層構造の階層に応
じて異なるように、複数のセンシングロボットを制御可
能である。
【0056】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが階層構造の階層に応じて対象物の探索に
関する態様が異なるように制御されるため、効率的に対
象物の探索を行なうことが可能となる。また、階層構造
において通信を行なうため、それぞれのセンシングロボ
ット同士の間またはベースステーションとセンシングロ
ボットとの間の通信の距離を、ベースステーションとセ
ンシングロボットとが1対1で通信を行なう場合に比較
して短くすることができる。そのため、センシングロボ
ットそれぞれの通信機構の小型化または軽量化を図りな
がら、ベースステーションが停止している状態での探索
範囲を広げることができる。
【0057】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に用いられるセンシングロボットと、
センシングロボットを制御するためのベースステーショ
ンとを備えた群ロボットシステムであって、センシング
ロボットが、対象物の探索の段階に応じて対象物の探索
に関する態様を変更するように制御される。
【0058】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットが、対象物の探索の段階に応じて、対象物の探索
に関する態様を変更することにより、効率的に対象物の
探索を行なうことが可能となる。
【0059】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に関する態様が、センシングロボット
のセンシング分解能であってもよい。
【0060】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットが、対象物の探索の段階に応じてセンシング分解
能を変更することにより、効率的に対象物の探索を行な
うことが可能となる。
【0061】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に関する態様が、センシングロボット
の検出センサの種類またはセンサ情報の処理方法であっ
てもよい。
【0062】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットが、対象物の探索の段階に応じて検出センサの種
類またはセンサ情報を変更することにより、効率的に対
象物の探索を行なうことが可能となる。
【0063】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、前述の対象物の探索の段階が、センシングロボット
が対象物を検出した場合であってもよい。
【0064】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットが対象物を検出した場合に対象物の探索に関する
態様を変更することにより、センシングロボットが対象
物を検出した後において、効率的に対象物の探索を行な
うことが可能となる。
【0065】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、対象物を検出したセ
ンシングロボットの対象物の探索に関する態様を変更し
てもよい。
【0066】上記のような構成によれば、対象物を検出
したセンシングロボットの対象物の探索の態様を変更す
ることにより、効率的に対象物の探索を行なうことが可
能となる。
【0067】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、対象物を検出したセ
ンシングロボットの周辺の領域に位置するセンシングロ
ボットの対象物の探索に関する態様を変更してもよい。
【0068】上記のような構成によれば、対象物を検出
したセンシングロボットの対象物の探索の態様を変更す
ることにより、効率的に対象物の探索を行なうことが可
能となる。
【0069】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索の段階が、センシングロボットが対象
物を検出しなくなった場合であってもよい。
【0070】上記のような構成によれば、対象物を検出
しなくなった場合にセンシングロボットの探索の態様を
変更することにより、対象物を検出しなくなった後にお
いて、効率的に対象物の探索を行なうことが可能とな
る。
【0071】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、対象物を検出しなく
なったセンシングロボットの対象物の探索に関する態様
を変更してもよい。
【0072】上記の構成によれば、対象物を検出しなく
なったセンシングロボットの対象物の探索に関する態様
を変更することにより、対象物を検出しなくなった後に
おいて、対象物の探索を効率的に行なうことが可能とな
る。
【0073】本発明の第3の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットが、対象物を検出しなく
なったセンシングロボットの周辺の領域に位置するセン
シングロボットの対象物の探索に関する態様を変更して
もよい。
【0074】上記の構成によれば、対象物を検出しなく
なったセンシングロボットの周辺の領域に位置するセン
シングロボットの対象物の探索に関する態様を変更する
ことにより、対象物の探索を効率的に行なうことが可能
となる。
【0075】本発明の第3の局面のセンシングロボット
は、ベースステーションにより制御されて対象物の探索
を行なうセンシングロボットであって、センシングロボ
ットが、対象物の探索の段階に応じてベースステーショ
ンによりセンシングロボットの対象物の探索に関する態
様を変更するように制御される。
【0076】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットが、対象物の探索の段階に応じて対象物の探索に
関する態様を変更することにより、対象物の探索を効率
的に行なうことが可能となる。
【0077】本発明の第3の局面のベースステーション
は、対象物の探索を行なう複数のセンシングロボットを
制御するベースステーションであって、センシングロボ
ットが、対象物の探索の段階に応じて対象物の探索に関
する態様を変更させる制御を行なう。
【0078】上記のような構成によれば、センシングロ
ボットが、対象物の探索の段階に応じて対象物の探索に
関する態様を変更することにより、対象物の探索を効率
的に行なうことが可能となる。
【0079】本発明の第4の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に用いられる複数のセンシングロボッ
トと、複数のセンシングロボットを制御するためのベー
スステーションとを備えた群ロボットシステムであっ
て、複数のセンシングロボットが、ベースステーション
との位置関係の許容範囲を維持しながら、ベースステー
ションの移動に伴って移動することにより、対象物を探
索する。
【0080】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが、ベースステーションとの位置関係の許
容範囲を維持しながら、ベースステーションの移動に伴
って移動して、対象物を探索することにより、対象物の
探索を効率的に行なうことが可能となる。
【0081】本発明の第4の局面の群ロボットシステム
は、より好ましくは、複数のセンシングロボットが、互
いの位置関係の許容範囲を維持しながら移動する。
【0082】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが、互いの位置関係の許容範囲を維持しな
がら移動することにより、さらに、対象物の探索を効率
的に行なうことが可能となる。
【0083】本発明の第4の局面の群ロボットシステム
は、より好ましくは、ベースステーションが、複数のセ
ンシングロボットの配置を同心円状にしたときの、同心
円の中心に位置するように、複数のセンシングロボット
が配置された状態で移動するように設定されている。
【0084】上記のような構成によれば、ベースステー
ションが、複数のセンシングロボットの配置を同心円状
にしたときの、同心円の中心に位置するように、複数の
センシングロボットが配置された状態で移動することに
より、さらに、対象物の探索を効率的に行なうことが可
能となる。
【0085】本発明の第4の局面の群ロボットシステム
は、より好ましくは、ベースステーションが、センシン
グロボットが対象物を検出した場合には、対象物に向か
って移動するように設定されている。
【0086】上記のような構成によれば、ベースステー
ションが、センシングロボットが対象物を検出した場合
には、対象物に向かって移動することにより、さらに、
対象物の探索を効率的に行なうことが可能となる。
【0087】本発明の第4の局面の群ロボットシステム
は、より好ましくは、ベースステーションが、複数のセ
ンシングロボットの探索領域に、隙間ができないよう
に、かつ、重なりが生じないように移動する。
【0088】上記のような構成によれば、ベースステー
ションが、複数のセンシングロボットの探索領域に、隙
間ができないように、かつ、重なりが生じないように移
動することにより、さらに、対象物の探索を効率的に行
なうことが可能となる。
【0089】本発明の第4の局面のベースステーション
は、ベースステーションにより制御されて対象物の探索
を行なうセンシングロボットであって、対象物を複数の
センシングロボットで探索する場合に、ベースステーシ
ョンとの位置関係の許容範囲を維持しながら、ベースス
テーションの移動に伴って移動することにより対象物を
探索するように、ベースステーションに制御される。
【0090】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが、ベースステーションとの位置関係の許
容範囲を維持しながら、ベースステーションの移動に伴
って複数のセンシングロボットが移動して、対象物を探
索することにより、対象物の探索を効率的に行なうこと
が可能となる。
【0091】本発明の第4の局面のベースステーション
は、対象物の探索に用いられる複数のセンシングロボッ
トを制御するためのベースステーションであって、複数
のセンシングロボットが、ベースステーションとの位置
関係の許容範囲を維持しながら、ベースステーションの
移動に伴って移動することにより、複数のセンシングロ
ボットに対象物を探索させる制御を行なう。
【0092】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットが、ベースステーションとの位置関係の許
容範囲を維持しながら、ベースステーションの移動に伴
って複数のセンシングロボットが移動することにより、
複数のセンシングロボットに対象物を探索させるため、
対象物の探索を効率的に行なうことが可能となる。
【0093】本発明の第5の局面の群ロボットシステム
は、対象物の探索に用いられる複数のセンシングロボッ
トと、複数のセンシングロボットを制御するためのベー
スステーションとを備えた群ロボットシステムであっ
て、複数のセンシングロボットが、複数のセンシングロ
ボットそれぞれの対象物の探索に関する態様が独立して
制御される。
【0094】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様を独
立して制御することができるため、対象物の探索を効率
的に行なうことが可能となる。
【0095】本発明の第5の局面の群ロボットシステム
は、複数のセンシングロボットそれぞれの対象物の探索
に関する態様が独立して制御される場合には、複数のセ
ンシングロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様
が状況に応じて異なる態様に固定された状態に制御され
る場合を含んでいてもよい。
【0096】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様が状
況に応じて異なる態様に固定された状態に制御すること
により、対象物の探索を効率的に行なう。
【0097】本発明の第5の局面のセンシングロボット
は、ベースステーションにより制御されて対象物の探索
に用いられるセンシングロボットであって、対象物の探
索を複数のセンシングロボットで行なう場合に、他のセ
ンシングロボットとは対象物の探索に関する態様が独立
して制御される。
【0098】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様が独
立して制御されるため、対象物の探索を効率的に行なう
ことが可能となる。
【0099】本発明の第5の局面のベースステーション
は、対象物の探索に用いられる複数のセンシングロボッ
トを制御するためのベースステーションであって、対象
物の探索を複数のセンシングロボットで行なう場合に、
複数のセンシングロボットそれぞれの対象物の探索に関
する態様を独立して制御することが可能である。
【0100】上記のような構成によれば、複数のセンシ
ングロボットそれぞれの対象物の探索に関する態様を独
立して制御することができるため、対象物の探索を効率
的に行なうことが可能となる。
【0101】なお、コンピュータに前述のセンシングロ
ボットまたはベースステーションを動作させるためのプ
ログラムが実行されて、センシングロボットまたはベー
スステーションは群ロボットシステムにおいて機能す
る。なお、このプログラムは、CD−ROMなどの記録
媒体に記録されていているものがセンシングロボットに
読込まれてもよいとともに、インターネットなどの情報
伝達網からインストールされてロボットに読込まれても
よい。
【0102】
【発明の実施の形態】本実施の形態によるセンシングロ
ボットおよびベースステーションを含む群ロボットシス
テムを、図1〜図11を用いて説明する。本実施の形態
においては、群ロボットシステムを、たとえば、1辺、
最小数十メートルから最大数キロメートル平方の面積の
部分から、火事や人などの熱源の探索、COなどの有毒
ガスや有毒放射線の探索、地雷などの金属探索、都市設
計のためのVRデータ収集のための三次元の画像データ
の収集などを行なうものを例にして説明する。
【0103】本実施の形態においては、都市全体の有毒
ガスの探索を行なう場合には、群ロボットシステムが、
一度にすべての市街地を探索するのではなく、数分の1
に分割された市街地を、ベースステーションを同心円上
の中心に据えた、探索羽ばたきセンシングロボット群が
目的物の探索を行なう。羽ばたきセンシングロボット群
が、上記の数分の1に分割された市街地の、有毒ガスや
有毒放射線の探索を終えると、ベースステーションが、
次の数分の1の分割された市街地の探索をするために、
自由に移動を始め、目的地の市街地区域に来るとベース
ステーションを停止する。
【0104】ベースステーションの移動に追従して、後
述のフェロモンロボット、センシングロボットが移動を
始める。ベースステーションが次の市街地区域で移動を
停止すると、センシングロボット群は、ベースステーシ
ョンを同心円上の中心にして、分割された市街地の有毒
ガスや有毒放射線の探索を行なう。このようにして、本
実施の形態のセンシングロボット群は、分割された区域
を複数のセンシングロボット群で探索を行ない、探索結
果をベースステーションに送りながら、区域の探索終了
後、全体のロボット群は、ベースステーションを中心に
移動しながら次の区域の探索を行なう。そして、この移
動の動作を繰返しながら全体面積の探索を行なう。な
お、このとき、複数の羽ばたきセンシングロボット群の
探索範囲に、隙間ができることなく、かつ、重ならない
ように羽ばたきセンシングロボット群が移動すれば、探
索が効率的となる。
【0105】本実施の形態の群ロボットシステムについ
ては、図1〜図12に基づいて説明すれば以下のとおり
である。本実施の形態に使用する群ロボットシステム1
00は、図1に示すように、ベースステーションBS、
複数の羽ばたきセンシングロボットCS、複数の羽ばた
きフェロモンロボットFEとで構成されている。
【0106】図1は、ロボット群の全体イメージを模式
的に描いたものである。また、図7において、群ロボッ
トシステムのセンシングロボットCS同士およびセンシ
ングロボットCSとベースステーションBSとの間の通
信における階層構造と位置の関係を示す。本実施の形態
においては、複数の羽ばたきセンシングロボットCSは
ベースステーションBSに最も近いグループ102(C
S11〜CS1i)、次に近いグループ103(CS2
1〜CS2j)、最も遠いグループ104(CS31〜
CS3k)の3個のグループに分かれている。本実施の
形態では、3個のグループに分かれているが、3個のグ
ループに限るものではなく、複数のグループが存在すれ
ばよい。
【0107】図2は、群ロボットシステムをセンシング
ロボットCS同士およびセンシングロボットCSとベー
スステーションBSとの間の羽ばたき周波数fvと位置
の関係を示す図である。
【0108】ベースステーションBSから最も遠い羽ば
たきセンシングロボット104(CS31〜CS3k)
の時間当りの移動距離は、次に遠い羽ばたきセンシング
ロボット103(CS21〜CS2j)に比べて大き
い。つまり、羽ばたきセンシングロボット104(CS
31〜CS3k)の羽ばたき周波数fv104は、羽ば
たきセンシングロボット103(CS21〜CS2j)
の羽ばたき周波数fv103に比べて大きい。
【0109】同様にして、センシングロボット103
(CS21〜CS2j)の時間当りの移動距離は、最も
ベースステーションBSに近いセンシングロボット10
2(CS11〜CS1i)に比べて大きい。つまり、羽
ばたきセンシングロボット103(CS21〜CS2
j)の羽ばたき周波数fv103は、羽ばたきセンシン
グロボット102(CS11〜CS1i)の羽ばたき周
波数fv102に比べて大きい。
【0110】したがって、本実施の形態においては、羽
ばたき周波数が大きな下層ほど、言い換えれば、ベース
ステーションから遠い層ほどセンシングロボットCSは
移動速度が大きく、低分解能である。
【0111】図3は、群ロボットシステムのセンシング
ロボットCS同士およびセンシングロボットCSとベー
スステーションBSとの間のセンシングの分解能Rとの
位置の関係を示す図である。
【0112】センシングの分解能については、すべての
センシングロボットCSにおいて、センサの精度、サン
プリング速度が同じである場合には、上記の単位時間当
りの移動距離との関係から、ベースステーションBS1
01から最も遠い羽ばたきセンシングロボット104
(CS31〜CS3k)の目的物検出のための空間分解
能R104は、次に遠い羽ばたきセンシングロボット1
03(CS21〜CS2j)の目的物検出のための分解
能R103に比べ、低分解能である。つまりベースステ
ーションBS101から最も遠い羽ばたきセンシングロ
ボット104(CS31〜CS3k)は、次に遠い羽ば
たきセンシングロボット103(CS21〜CS2j)
に比べ、目的物検出のための位置検出の精度あるいは障
害物の大きさの測定値の精度は粗くなる。
【0113】同様にして、すべてのセンシングロボット
において、センサの精度、サンプリング速度が同じであ
る場合には、上記の単位時間当りの移動距離との関係か
ら、羽ばたきセンシングロボット103(CS21〜C
S2j)の目的物検出のための空間分解能R103は、
ベースステーションBS101から最も近い位置にある
羽ばたきセンシングロボット102(CS11〜CS1
i)の目的物検出のための空間分解能R102に比べ、
低分解能である。つまり、センシングロボット103
(CS21〜CS2j)は、ベースステーションBS1
01から最も近い位置にある羽ばたきセンシングロボッ
ト102(CS11〜CS1i)に比べ、目的物検出の
ための位置検出の精度あるいは障害物の大きさの測定値
の精度は粗くなる。
【0114】上記の例では、サンプリング速度が同じ
で、単位時間当りの移動距離(移動速度)の大きさから
空間分解能に違いを出しているが、すべての羽ばたきセ
ンシングロボットが、ほぼ同じ速さで、移動している場
合には、サンプリングの速度を変えることにより、空間
分解能を変える方法をとることも考えられる。
【0115】あるセンシングロボットCSが目的物を検
出すると、後述に示す方法によりベースステーションB
S101に目的物の有無、位置情報などが伝えられる。
伝えられた情報により、ベースステーションBS101
が、目的物に向かって自由に移動を始める。ベースステ
ーションBS101の移動に伴い、ほぼ同心円状に存在
するセンシングロボットCSも目的物に向かって移動す
る。ベースステーションBSに近いセンシングロボット
CSほど、言いかえると、階層構造において上層の階層
ほど、空間分解能が高いため、ベースステーションBS
が目的物に近づくに従い、目的物検出のための位置検出
の精度あるいは障害物の大きさのセンシング情報はより
精度が高いものがベースステーションBSに送られる。
【0116】あるいは、あるセンシングロボットが目的
物を検出すると、検出したロボット自身が分解能を上
げ、同時に後述する方法によりベースステーションBS
101に目的物の有無、位置情報などが伝えられること
が考えられる。
【0117】図4は、群ロボットシステムをセンシング
ロボットCS同士およびセンシングロボットCSとベー
スステーションBSとの間の目的物106の検出前後の
センシングの分解能Rの時間変化と位置との関係の例を
示す図である。
【0118】目的物を検出する前は、図4(a)に示す
ように、センシングロボット群のセンシング分解能は、
R104である。次に、最も外側の層のセンシングロボ
ットCS35が、目的物106を検出すると、センシン
グロボットCS35は、図4(b)に示すように、セン
シング分解能は、R102(>R104)に変更する。
つまり検出したセンシングロボットCS35は、目的物
106を検出後、サンプリング速度を速くすることによ
り空間分解能Rを高くするか、あるいは、羽ばたき周波
数を低くして移動速度を低速にすることによりセンシン
グ分解能Rを高くする。
【0119】その後、目的物を検出したことを示す目的
物検出信号がベースステーションに伝わることにより、
ベースステーションからすべてのセンシングロボットC
Sに対し、サンプリング速度を速くすることにより空間
分解能を高くする、あるいは羽ばたき周波数を低くして
移動を速度を低速にすることにより分解能を高くするこ
とが伝達され、図4(c)に示すように、すべてのセン
シングロボットCSのセンシング分解能Rを、R102
(>R104)に変更する。なお、このとき、目的物を
検出したセンシングロボットCS35のみのセンシング
分解能Rを高くするようにしてもよい。
【0120】目的物106の検出後は、目的物の位置検
出の精度、あるいは障害物の大きさの情報は、より精度
の高いものがベースステーションに送られる。
【0121】あるいは、たとえば、センシングロボット
は、目的物を検出するまでは、超音波センサあるいは赤
外線センサで検出を行ない、あるセンシングロボットが
目的物を検出すると、検出したセンシングロボットは、
センサの種類を、CCD(Charge Coupled Device)
あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Sil
icon)イメージセンサに変更し、目的物の詳細な画像情
報を送付することが考えられる。
【0122】図5において、群ロボットシステムのセン
シングロボットCS同士およびセンシングロボットCS
とベースステーションBSとの間の目的物106の検出
前後に選択されるセンサの時間変化と位置の例を示す。
【0123】目的物を検出する前は、図5(a)に示す
ように、センシングロボット群のセンサは、赤外線検出
センサである。次に、最も外側の層のセンシングロボッ
トCS35が、目的物106を検出すると、センシング
ロボットCS35は、図5(b)に示すように、センサ
を赤外線検出センサからCMOSイメージセンサに変更
する。
【0124】その後、後述する方法によりベースステー
ションBS101にセンシングロボットCS35で検出
された目的物の有無、位置情報などが伝えられることに
より、図5(c)に示されるように、検出したセンシン
グロボットCS35が属する上位のセンシングロボット
CS25に支配される、目的物106周辺のセンシング
ロボットCS34、CS36のセンサの種類が、すべて
赤外線検出センサからCMOSイメージセンサ(あるい
はCCD)に変更される。このことにより、短時間で効
率的に目的物の詳細な全体画像を送付することができ
る。
【0125】あるいは、図6に示されるように、目的物
を検出する前は、図6(a)に示すように、センシング
ロボット群のセンサは、赤外線検出センサである。次に
最も外側の層のセンシングロボットCS35が、目的物
106を検出すると、センシングロボットCS35は、
図6(b)に示すように、センサを赤外線検出センサか
らCMOSイメージセンサに変更する。
【0126】その後、後述する方法によりベースステー
ションBS101にセンシングロボットCS35で検出
された目的物の有無、位置情報などが伝えられることに
より、図6(c)に示されるように、検出したセンシン
グロボットCS35が属する上位のセンシングロボット
CS25に支配される、目的物106周辺のセンシング
ロボットCS34、CS36などのセンサの種類が、赤
外線検出センサからセンシングロボットCS35に使わ
れるCMOSイメージセンサ(あるいはCCD)とは、
違うセンサに変更される。たとえば、センシングロボッ
トCS34が、CO検出などの有毒ガスセンサ、センシ
ングロボットCS36が、有毒な放射能を検出するセン
サに変更される。このことより、短時間で効率的に目的
物の詳細な全体情報を得ることができる。
【0127】あるいは、たとえば、センシングロボット
は、目的物を検出するまでは、エッジ検出の画像処理を
行ない、あるセンシングロボットが目的物を検出する
と、検出したセンシングロボットは、色検出処理に変更
することも考えられる。つまり、センサのハードウェア
は同じで、目的物検出後は、センサ情報の処理の方法を
変えるやり方である。
【0128】あるいは、あるセンシングロボットが、目
的物を検出したとしても、群ロボットによる予め決めら
れた面積のスキャン作業が終了するまでは、センシング
ロボットの空間分解能やセンサの種類、画像処理の方法
は変更せず、予め決められた面積のスキャン作業が終了
し、検出信号があった場合に、同じ場所を、群センシン
グロボットで、センサの空間分解能やセンサの種類、画
像処理の方法を変更して、再度、目的物の違った情報の
検出作業を行なうことも考えられる。
【0129】上記のような本実施の形態の群ロボットシ
ステムによれば、多くの羽ばたきセンシングロボットが
移動しながら対象物を検出する場合において、センサ情
報の処理による負担を軽減するとともに、移動して探索
の目的物に近づくにしたがって、目的物検出後に、目的
物の位置検出の精度または障害物の大きさなどのセンシ
ング情報の精度を、より高いものとすることができる。
【0130】また、羽ばたきセンシングロボット群の移
動がない場合においても、センサ情報の処理による負担
を軽減するとともに、目的物検出後に、目的物の検出位
置、または、障害物の大きさの情報について、より精度
の高いものを得ることができる。また、常に、全ての羽
ばたきセンシングロボットのセンサが動作しているので
はないため消費電力を低減することができる。
【0131】また、目的物を検出すると感度の高いセン
サへ変更することにより、短時間で効率的に対象物の詳
細な全体情報を得ることができる。また、目的物を検出
すると、センサの種類、処理方法を変更することによ
り、効率的に、再度目的値の異なった情報を検出するこ
とができる。
【0132】なお、上記実施の形態においては、各階層
ごとに、羽ばたきセンシングロボットCSのセンシング
分解能、移動速度、羽ばたき周波数が異なる例を示した
が、複数層からなる階層構造のうち2層または3層単位
のグループでセンシング分解能、移動速度、羽ばたき周
波数が異なる群ロボットシステムであっても同様に、効
率的に目的物の全体情報を把握することができるという
効果を得ることができる。
【0133】また、上記実施の形態においては、階層構
造をなす群ロボットシステムの例を示したが、階層構造
をなすことなく複数の羽ばたきセンシングロボットCS
がベースステーションからの距離に応じてセンシング分
解能、移動速度、羽ばたき周波数が異なるものであって
も同様に、効率的に目的物の全体情報を把握することが
できるという効果を得ることができる。この場合、羽ば
たきセンシングロボットが個々にベースステーションか
らの距離に応じてセンシング分解能、移動速度、羽ばた
き周波数が異なるものであってもよい。なお、センシン
グ分解能はベースステーションに近いほど大きく、移動
速度または羽ばたき周波数は、ベースステーションに近
いほど小さくなるようにすれば、ベースステーションが
目的物に近づくにしたがって除々に目的物の詳細な全体
情報をより高い精度で得ることができる。
【0134】また、上記実施の形態においては、ベース
ステーションに近いほど、すなわち、階層構造の上層ほ
ど、センシング分解能が高くなり、移動速度または周波
数が小さくなる例の群ロボットシステムを示したが、逆
に、階層構造の下層のセンシングロボットCSほど、セ
ンシング分解能が高くなり、移動速度または周波数が小
さくなる群ロボットシステムであってもよい。このよう
にすることにより、探索対象物を発見するまでは、最下
層のセンシング分解能が高いため、探索対象物を発見し
損ねる確率を低減することができる。また、階層構造の
上層のセンシングロボットのセンシングを行なわないよ
うにすることにより、ベースステーションBSおよび上
層のセンシングロボットCSの制御負担および電力消費
を低減することができる。
【0135】さらに、あるセンシングロボットCSが探
索対象物を検出すると、そのセンシングロボットCSお
よびそのセンシングロボットCSの周辺の領域に存在す
るセンシングロボットのセンシング分解能のみが他に比
較して高くなるようにしてもよい。また、あるセンシン
グロボットCSが探索対象物を検出しなくなるとそのセ
ンシングロボットCSのセンシング分解能を低くして、
そのセンシングロボットCSの周辺の領域に存在するセ
ンシングロボットCSのセンシング分解能のみを他に比
較して高くするようにしてもよい。これにより、ベース
ステーションBSおよびセンシングロボットCSの制御
負担および電力消費を低減することができる。また、セ
ンシングを行なっているセンシングロボットCSが時間
的に変化するような群ロボットシステムであっても、ベ
ースステーションBSおよびセンシングロボットCSの
制御負担および電力消費を低減することができる。
【0136】上記のことを総括すれば、上記実施の形態
の群ロボットシステムは、ベースステーションが複数の
センシングロボットそれぞれの移動速度、羽ばたき運動
の周波数、センシング分解能などの目的物の検出の態様
をそれぞれセンシングロボットCSごとに独立して制御
することができるため、従来の複数のセンシングロボッ
トのように目的物の検出の態様を独立して制御できない
ものに比較して、対象物の探索を効率的に行なうことが
できるのである。
【0137】また、センシングロボットCSごとに独立
して制御される場合とは、複数のセンシングロボットC
Sのうち特定のセンシングロボットCSが目的物を検出
するまでの作業を行ない、目的物が検出されたときに、
他のセンシングロボットCSが目的物の場所まで移動し
て詳細な全体情報を把握するなどのように、センシング
ロボットCSが役割に応じて、それぞれ異なる探索の態
様を実行可能なように固定された場合であってもよい。
【0138】図1〜図8に示すように、ベースステーシ
ョンBS101と複数のセンシングロボットとの間の通
信構造は、階層構造になっている。ベースステーション
BS101は、同心円上にベースステーションBSに最
も近いグループであるセンシングロボット102(CS
11〜CS1i)と通信を行なう。上流であるベースス
テーションBSからは、羽ばたきセンシングロボット1
02(CS11〜CS1i)に対して、羽ばたき周波
数、方向などの羽ばたきの変更点が送信される。下流で
ある羽ばたきセンシングロボット102(CS11〜C
S1i)からは、目的物の有無、位置情報などがベース
ステーションBSに送信される。
【0139】次に、センシングロボット102(CS1
1〜CS1i)は、隣で接しているグループであるセン
シングロボット103(CS21〜CS2j)と通信を
行なう。上流であるセンシングロボット102(CS1
1〜CS1i)からは、羽ばたきセンシングロボット1
03(CS21〜CS2j)に対して、ベースステーシ
ョンBS101からセンシングロボット102(CS1
1〜CS1i)に送信されたセンシングロボット103
(CS21〜CS2j)用の羽ばたき周波数、方向など
の羽ばたきの変更点が送信される。逆に、下流である羽
ばたきセンシングロボット103(CS21〜CS2
j)からは、目的物の有無、位置情報などがセンシング
ロボット102(CS11〜CS1i)に送信される。
【0140】次に、センシングロボット103(CS2
1〜CS2j)は、隣で接しているグループであるセン
シングロボット104(CS31〜CS3k)と通信を
行なう。上流であるセンシングロボット103(CS2
1〜CS2j)からは、羽ばたきセンシングロボット1
04(CS31〜CS3k)に対して、ベースステーシ
ョンBS101からセンシングロボット102(CS1
1〜CS1i)を介してセンシングロボット103(C
S21〜CS2j)に送信されるセンシングロボット1
04(CS31〜CS3k)用の羽ばたき周波数、方向
などの羽ばたきの変更点が送信される。
【0141】逆に、下流である羽ばたきセンシングロボ
ット104(CS31〜CS3k)からは、目的物の有
無、位置情報などが上位のセンシングロボット103
(CS21〜CS2j)に送信される。つまり、目的物
が、羽ばたきセンシングロボット探索区域CS31で検
出された場合、検出信号が上位のセンシングロボットC
S21に伝えられ、センシングロボットCS21からよ
り上位のセンシングロボットCS11に伝えられる。そ
して、最後にセンシングロボットCS11からベースス
テーションBSに目的物の検出が伝えられる。
【0142】ベースステーションBSは、すべての羽ば
たきロボットの通信エリアをカバーする必要がなく、ベ
ースステーションを取り巻く同心円上の最も近いグルー
プのみの通信を確保できる通信強度であればよい。よっ
て、すべてのセンシングロボットとの通信を確保できる
通信強度に比べて弱い通信強度でよく、通信のための消
費電力が少なくて済む。
【0143】羽ばたきセンシングロボットCS11とベ
ースステーションBSとの通信強度が予め決められたレ
ベルを下回った場合、羽ばたきセンシングロボットは、
通信強度が再度予め決められたレベルを超えるまで、ベ
ースステーション側に移動する。同様に上位の羽ばたき
センシングロボットCS11で、それが下流の羽ばたき
センシングロボット103(CS21〜CS24)の場
合であっても、同じである。
【0144】また、上記の例では、下流のセンシングロ
ボットは通信強度が強くなるまで、移動したが、通信強
度が予め決められたレベルを下回った場合には、センシ
ングロボットとその上位のセンシングロボットのお互い
の通信パワーを上げることにより、上位のセンシングロ
ボットの支配下にあるセンシングロボットと上位のセン
シングロボットとの通信強度を確保してもよい。
【0145】図7において、本実施の形態の群ロボット
システムの、ベースステーション、センシングロボット
およびフェロモンロボットの階層構造およびその位置の
関係を示す。
【0146】ベースステーションBSを中心として、ベ
ースステーションBSの通信範囲を示す円内(BC2)
に、ベースステーションBSが支配するセンシングロボ
ットCS1iが存在する。次に、センシングロボットC
S1iを中心として、センシングロボットCS1iの通
信範囲を示す円内(C1)にセンシングロボットCS1
iが支配するセンシングロボットCS2jが存在する。
【0147】同じように、センシングロボットCS2j
を中心として、センシングロボットCS2jの通信範囲
を示す円内(C2)に、センシングロボットCS2jが
支配するセンシングロボットCS3kが存在する。セン
シングロボットCS2jの通信支配円内には、CS2j
が支配する複数のセンシングロボットCS3kが存在す
ることになる。
【0148】センシングロボットCS3kが、最も外側
に位置するセンシングロボットCSである場合には、セ
ンシングロボットCS3kは、フェロモンロボットFE
にも支配されることになる。つまり、センシングロボッ
トCS3kは、フェロモンロボットを中心として、フェ
ロモンロボットFEの通信範囲を示す円内(FC2)に
存在する。
【0149】フェロモンロボットFEとベースステーシ
ョンBSの通信強度は、他の通信強度に比べて大きなパ
ワーで通信を行なっている。上記のフェロモンロボット
FEは、ベースステーションBSを中心にした場合、基
本的に探索分割区域の最も外側に存在する。フェロモン
ロボットFEはベースステーションBSを中心として、
ベースステーションBSとフェロモンロボットFE用の
強い通信範囲を示す円内(BC1)に存在する。フェロ
モンロボットFEからベースステーションBSへの通信
範囲は、全方位をカバーする必要がないため指向性が強
い楕円型になる(FC1)。
【0150】フェロモンロボットFE群105について
説明する。フェロモンロボットFE群105は、ベース
ステーションBS101を中心にした場合、センシング
ロボット群100の外側に位置し、センシングロボット
CSの移動制御用であり、また、探索範囲を決定するロ
ボットである。つまり、センシングロボットCSは、ベ
ースステーションBS101とフェロモンロボットFE
105との間に存在することになる。フェロモンロボッ
トFE105の上位のロボットは、ベースステーション
BS101であり、下位のロボットは、ベースステーシ
ョンBS101の同心円状で最も外側に位置するセンシ
ングロボット群104(CS31〜CS3k)である。
【0151】例では、センシングロボット群104(C
S31〜CS3k)である。フェロモンロボットFE1
05と下流であるセンシングロボット104(CS31
〜CS3k)との通信強度は、ベースステーションBS
とセンシングロボットCSおよびセンシングロボットC
S同士の間の通信強度と同じであるが、フェロモンロボ
ットFE105とベースステーションBS101との通
信強度は、他の通信強度に比べて大きなパワーで通信を
行なっている。
【0152】たとえば、本実施の形態の群ロボットシス
テムにおいては、フェロモンロボットFEとベースステ
ーションBSとの最大通信距離が、ベースステーション
BSと階層構造の最上層にあるセンシングロボット(C
S11〜CS1i)との間の最大通信距離と、フェロモ
ンロボットFEと階層構造の最下層にあるセンシングロ
ボット(CS31〜CS3k)との間の最大通信距離
と、複数のセンシングロボットCS同士の間の最大通信
距離の和とを加えた距離よりも大きくなるように設定す
ることが好ましい。それにより、階層構造の最下層のセ
ンシングロボット(CS31〜CS3k)までのベース
ステーションBSからの通信可能距離を直線にして、そ
れぞれが有する通信距離を最大限利用して、効率的にセ
ンシングロボットCSを使用することができる。
【0153】ベースステーションBS101は、ベース
ステーションBS101を中心としたほぼ同心円状の探
索部分の外径部分に、フェロモンロボットFEnを配置
し、探索部分を決定する。次に、階層構造の数に応じ
て、同心円状の階層範囲を決定する。次に、階層の中の
羽ばたきセンシングロボットの数に応じたセルの範囲
(階層構造における同層のセンシングロボットそれぞれ
の探索範囲)を決定し、センシングロボットの探索空間
分解能を決定する。最後に下位操作による同心円の半径
の差、同心円で表されたセンシングロボット各々が探索
する範囲を規定するセルのセル面積に応じたベースステ
ーションBSとセンシングロボットCSおよびセンシン
グロボットCS同士間の通信強度を決定する。
【0154】探索区域を変更する場合、ベースステーシ
ョンBS101は、ベースステーションBS101の移
動距離と移動方向とを、まず、フェロモンロボットFE
105に通信する。その後、ベースステーションBS1
01は、センシングロボット102(CS11〜CS1
i)に移動距離と方向を送信する。それにより、図1の
矢印の方向にベースステーションBS101が移動する
ことに伴って、群ロボットシステム全体が図1の矢印の
方向に移動することになる。
【0155】より具体的には、ベースステーションBS
から群ロボットシステム全体の移動を示す信号を受信し
たセンシングロボット102(CS11〜CS1i)
は、移動距離と移動方向とを、下位のセンシングロボッ
ト103(CS21〜CS2j)に送信後に、図1の矢
印の方向に自らが移動する。一方、フェロモンロボット
FE105は、移動距離と移動方向とを最下位のセンシ
ングロボット104(CS31〜CS3k)に送信後、
ベースステーションBSと同じように図1の矢印の方向
に移動する。
【0156】このように、探索空間を変更する場合、ベ
ースステーションBSからセンシングロボットCS、上
位のセンシングロボットCSから下位のセンシングロボ
ットCSへの上流から下流への移動情報の伝達と、フェ
ロモンロボットFEからセンシングロボットCSへの移
動情報の伝達がほぼ同時に流れる。
【0157】探索エリアの最も外側に位置するフェロモ
ンロボット105は、センシングロボットの最も外側に
あるグループ(すなわち、階層構造の最下層)のセンシ
ングロボット104(CS31〜CS3k)を直接の管
理下に置く。フェロモンロボットFEは、PN符号で特
定されるセンシングロボットCSを常に通信圏内に置
く。
【0158】たとえば、監視下の羽ばたきセンシングロ
ボットCS3kとフェロモンロボットFE105との通
信強度が予め定められたレベルを下回った場合、羽ばた
きセンシングロボットCS3kは、通信強度が再度予め
決められたレベルを超えるまで、フェロモンロボットF
E側105に移動する。また、フェロモンロボット10
5は、ベースステーションBS101の監視下にあるた
め、通信の同期遅延によりベースステーションBSから
の距離を制御し、常にベースステーションBS101か
らの決められた距離をほぼ守ることができる。その結
果、群全体の探索エリアを、常にほぼ同じように定める
ことができる。
【0159】図8において、階層構造の通信体系におけ
る信号の流れを示す。図の実線は、動き制御信号(ダウ
ンストリーム)、検出信号(アップストリーム)、点線
は電力信号を示す。
【0160】羽ばたきセンシングロボットとベースステ
ーションとの間、羽ばたきセンシングロボット同士の間
の通信は、双方向通信である。上流から下流への信号
は、ロボット羽ばたき周波数、方向などのセンシングロ
ボットの動き制御信号あるいはセンサ制御のための制御
信号である。下流から上流への信号は、目的物の有無、
位置情報などの検出信号である。また、コントロールす
る上流ロボットとコントロールされる下流ロボットとの
通信における連鎖の関係は、1対多あるいは1対1、す
なわち、全体としてツリー構造の通信ルートとなるよう
になっている。これにより、ベースステーションBSか
らのそれぞれのセンシングロボットCSへの通信ルート
が必ず1つになるようになるため、通信系統の混乱が生
じ難くなっている。
【0161】ベースステーションBSとフェロモンロボ
ットFEとの間の通信も、双方向通信である。ベースス
テーションBSからフェロモンロボットFEへの信号
は、ベースステーションBSの移動の早さ、方向信号で
ある。フェロモンロボットFEは、この信号に基づき、
自身の移動の早さおよび方向を決定し、センシングロボ
ットCSに羽ばたき周波数、方向などの制御信号を送信
する。フェロモンロボットFEからベースステーション
BSへの信号は、受信電力測定用の信号である。
【0162】ベースステーションBSでフェロモンロボ
ットFEからの送信信号を受信し、その電力を測定する
ことにより、間接的にベースステーションBSとフェロ
モンロボットFEとの間の距離の大きさを想定し、電力
の大きさにより、フェロモンロボットFEを近づけさせ
たりベースステーションBSからフェロモンロボットF
Eへの送信信号を強くしたりする。また、ベースステー
ションBSとフェロモンロボットFEとの数の関係は1
対多あるいは1対1である。
【0163】フェロモンロボットFEと羽ばたきセンシ
ングロボットCSとの間の通信も、双方向通信である。
フェロモンロボットFEからセンシングロボットCSへ
の信号は、ロボットの羽ばたき周波数および方向などの
センシングロボットCSの動き制御信号あるいはセンサ
制御のための制御信号である。羽ばたきセンシングロボ
ットCSからフェロモンロボットFEへの信号は、受信
電力測定用の信号である。
【0164】フェロモンロボットFEでセンシングロボ
ットCSからの送信信号を受信し、その電力を測定する
ことにより、間接的にフェロモンロボットFEとセンシ
ングロボットCSとの間の距離の大きさを想定し、電力
の大きさより、センシングロボットCSをフェロモンロ
ボットFEに近づけさせたりする。また、フェロモンロ
ボットFEとセンシングロボットCSとの数の関係は、
1対多あるいは1対1である。
【0165】図9に、階層構造の群ロボットシステムに
おけるロボット群の移動手順の例をフローで示す。
【0166】まず、動き制御信号の流れを図9(a)を
用いて説明する。この図9(a)において、横の実線は
動き制御信号の流れを示すものであり、点線は電力信号
の流れを示すものであり、縦の実線は時間遅延を示すた
めのものである。
【0167】最初に、ベースステーションBSからセン
シングロボットCS11とセンシングロボットCS12
に、羽ばたきセンシングロボットとしての羽ばたき周波
数、方向などのセンシングロボットCSの動き制御信
号、または、センサ制御のための制御信号が伝えられ
る。同時に、ベースステーションBSからフェロモンロ
ボットFEにベースステーションBSの移動の速さ、方
向が伝えられる。フェロモンロボットFEからベースス
テーションBSには、ベースステーションBSとフェロ
モンロボットFEとの間の距離測定用の電力測定用の信
号が送られる。
【0168】次に、センシングロボットCS11は、セ
ンシングロボットCS20、CS21に、羽ばたきセン
シングロボットとしての羽ばたき周波数および方向など
のセンシングロボットの動き制御信号、または、センサ
制御のための制御信号を伝える。センシングロボットC
S12は、センシングロボットCS22に、ロボットの
羽ばたき周波数および方向などのセンシングロボットC
Sの動き制御信号あるいはセンサ制御のための制御信号
を伝える。
【0169】また、フェロモンロボットFE1は、セン
シングロボットCS30、CS31に、羽ばたきセンシ
ングロボットとしての羽ばたき周波数および方向などの
センシングロボットCSの動き制御信号あるいはセンサ
制御のための制御信号を伝える。
【0170】フェロモンロボットFE2は、センシング
ロボットCS32、CS33、CS34に、羽ばたきロ
ボットとしての羽ばたき周波数および方向などのセンシ
ングロボットCSの動き制御信号あるいはセンサ制御の
ための制御信号を伝える。センシングロボットCS3
0、CS31からフェロモンロボットFE1には、セン
シングロボットCS30、CS31とフェロモンロボッ
トFE1間の距離測定用の電力測定用の信号が送られ
る。
【0171】センシングロボットCS32、CS33、
CS34からフェロモンロボットFE2には、センシン
グロボットCS32、CS33、CS34とフェロモン
ロボットFE2間の距離測定用の電力測定用の信号が送
られる。
【0172】最後に、センシングロボットCS20は、
センシングロボットCS30、CS31に、ロボットの
羽ばたき周波数および方向などのセンシングロボットの
動き制御信号またはセンサ制御のための制御信号を伝え
る。センシングロボットCS21は、センシングロボッ
トCS32、CS33、CS34に、ロボットの羽ばた
き周波数および方向などのセンシングロボットCSの動
き制御信号またはセンサ制御のための制御信号を伝え
る。
【0173】次に、図9(b)を用いて検出信号の流れ
を説明する。図9(b)において、横の実線は検出信号
の流れを示すものであり、縦の実線は時間遅延を示すた
めのものである。
【0174】まず、センシングロボットCS30、CS
31からのセンシングロボットCS20に目的物の有
無、位置情報などの検出信号が伝えられる。センシング
ロボットCS32、CS33、CS34からのセンシン
グロボットCS21に、目的物の有無、位置情報などの
検出信号が伝えられる。
【0175】次に、センシングロボットCS20からセ
ンシングロボットCS11に目的物の有無、位置情報な
どの検出信号が伝えられる。センシングロボットCS2
1、CS22からセンシングロボットCS12に、目的
物の有無および位置情報などの検出信号が伝えられる。
【0176】最後に、センシングロボットCS11、C
S12からベースステーションBSに、目的物の有無お
よび位置情報などの検出信号が伝えられる。
【0177】例では、センシングロボットCS3kの層
から、情報が上がってきているが、センシングロボット
CS2j、CS1iの層で目的物を検出した場合には、
当然その検出した層から情報が始まり、ベースステーシ
ョンBSに情報が上がってくる。
【0178】なお、羽ばたきセンシングロボットCSと
ベースステーションBSとの間、羽ばたきセンシングロ
ボットCS同士の間、ベースステーションBSとフェロ
モンロボットFEとの間の通信方式は、同期通信方式で
あるスペクトラム拡散通信方式により行なう。このスペ
クトラム拡散通信方式を、図10および図11に基づい
て説明すれば以下のとおりである。
【0179】本実施の形態の群ロボットシステムのロボ
ット群は、基本的に同期確定のためのA層、上流ロボッ
トとの通信のためのB層、下流ロボットとの通信のため
のC層の3層の通信層を持っている。A層のPN符号に
ついては、ベースステーション101、センシングロボ
ットCS群102,103,104、フェロモンロボッ
トFE105のいずれも同じ符号0である。符号0は、
たとえば、256タップのPN(Pseudorandom Noise)
符号の1つであるとする。
【0180】まず、ベースステーションBS101と下
流のセンシングロボット群102(CS11〜CS1
i)との通信を説明する。ベースステーションBS10
1はA層の通信として、スペクトラム拡散によりPN符
号0を、センシングロボット群102(CS11〜CS
1i)に通信する。センシングロボット102(CS1
1〜CS1i)は、受信波に同じPN符号である符号0
を乗算することにより逆拡散する。マッチドフィルタな
どにより逆拡散することにより、PN符号を1周期分逆
拡散すると、必ずPN符号がマッチする同期点が見つか
る。
【0181】図10のが、ベースステーションBS1
01の同期時間とすると、センシングロボット群102
(CS11〜CS1i)での同期点(時間)が、のよ
うに、ベースステーションBS101とセンシングロボ
ット群102(CS11〜CS1i)との距離分だけ遅
れた時間でマッチドフィルタのピークがあり、同期が見
つかる。
【0182】同様にして、センシングロボット群102
(CS11〜CS1i)が、A層の通信として、スペク
トラム拡散によりPN符号0を、センシングロボット群
103(CS21〜CS2j)に送信する。ベースステ
ーションBS101とセンシングロボット群103(C
S21〜CS2j)との間の距離は、ベースステーショ
ンBS101とセンシングロボット102(CS11〜
CS1i)との間の距離に、センシングロボット102
(CS11〜CS1i)とセンシングロボット103
(CS21〜CS2j)との間の距離が加算されるた
め、センシングロボット102(CS11〜CS1i)
よりもさらに遅れたセンシングロボット103(CS2
1〜CS2j)の同期点は、図10のになる。
【0183】また、同様にして、センシングロボット群
103(CS21〜CS2j)はA層の通信としてスペ
クトラム拡散によりPN符号0を、センシングロボット
104群(CS31〜CS3k)に通信する。ベースス
テーションBS101と、センシングロボット群104
(CS31〜CS3k)の距離は、ベースステーション
BS101とセンシングロボット103(CS21〜C
S2j)の距離に、センシングロボット103(CS2
1〜CS2j)とセンシングロボット104(CS31
〜CS3k)との間の距離が加算されるため、センシン
グロボット103(CS21〜CS2j)よりもさらに
遅れたセンシングロボット群104(CS31〜CS3
k)の同期点は、図10のになる。
【0184】ベースステーションBS101と、後で説
明する移動制御用のフェロモンロボットFE105の距
離は、ベースステーションBS101とセンシングロボ
ットCS群104(CS31〜CS3k)との間の距離
よりも大きいため、センシングロボットCS群104
(CS31〜CS3k)よりもさらに遅れたフェロモン
ロボット105の同期点は、図10のになる。
【0185】上記の各々のロボットの同期点の確定は、
断続的に繰返され、同期点は常に更新される。センシン
グロボット102(CS11〜CS1i)の同期点は、
図10のになる。
【0186】センシングロボット102(CS11〜C
S1i)は、上流であるベースステーションBS101
との通信の確立用に、B層のPN符号10により逆拡
散、復調する。B層のPN符号の同期点は、A層の符号
0により確定された図10のである。また、センシン
グロボット102(CS11〜CS1i)のB層のPN
符号10は、ベースステーションBS101の下流のセ
ンシングロボットとの通信確立用のC層のPN符号10
と同じである。つまり、ベースステーションBS101
のC層と同じPN符号10を、B層で使っているセンシ
ングロボット(CS11〜CS1i)群102のみが、
ベースステーションBSと通信することができる。
【0187】図11の例では、CS1(i−2)、CS
1(i−1)、CS1iのB層は、符号10であるた
め、ベースステーションBSと通信ができるが、B層の
PN符号が符号10でないセンシングロボットCSは、
符号10との相関ピークが検出されないためベースステ
ーションBSとは通信できない。
【0188】センシングロボット102(CS11〜C
S1i)には、下流であるセンシングロボット103
(CS21〜CS2j)との通信の確立用に、C層のP
N符号20、符号21、符号22により逆拡散、復調す
る。C層のPN符号の同期点は、A層の符号0により確
定された図10のである。また、センシングロボット
102(CS11〜CS1i)のC層のPN符号20,
21,22は、センシングロボット103(CS21〜
CS2j)の上流のセンシングロボットとの通信の確立
用のB層のPN符号20,21,22と同じである。
【0189】つまり、センシングロボット103(CS
21〜CS2j)のB層と同じPN符号を、C層で使っ
ているセンシングロボット102(CS11〜CS1
i)のみが、下流であるセンシングロボット103(C
S21〜CS2j)と通信することができる。たとえ
ば、CS1(i−2)が、CS2(j−3)と、CS2
(j−2)と通信可能であり、CS1(i−1)が、C
S2(j−1)と通信可能であり、CS1iは、CS2
jと通信可能である。
【0190】センシングロボット103(CS21〜C
S2j)の同期点は、図10のになる。センシングロ
ボット103(CS21〜CS2j)は、上流であるセ
ンシングロボット102(CS11〜CS1i)との通
信の確立用に、B層のPN符号20,21,22により
逆拡散、復調する。B層のPN符号の同期点は、A層の
符号0により確立された図10のである。センシング
ロボット103(CS21〜CS2j)とセンシングロ
ボット102(CS11〜CS1i)の通信について
は、前述で説明しているためここでは省略する。
【0191】センシングロボット103(CS21〜C
S2j)は、下流であるセンシングロボット104(C
S31〜CS3k)との通信の確立用に、C層のPN符
号31,32,33により逆拡散、復調する。C層のP
N符号の同期点は、A層の符号0により確立された図1
0のである。また、センシングロボット103(CS
21〜CS2j)のC層のPN符号30,31,32,
33は、センシングロボット104(CS31〜CS3
k)の上流のセンシングロボットCSの通信の確立用の
B層のPN符号30,31と同じである。
【0192】つまり、センシングロボット104(CS
31〜CS3k)のB層と同じPN符号を、C層で使っ
ているセンシングロボット103(CS21〜CS2
j)のみが、下流であるセンシングロボット104(C
S31〜CS3k)と通信することができる。たとえ
ば、CS2(j−3)は、CS3(k−3)、CS3
(k−2)、CS3(k−1)と通信可能であり、CS
2(j−2)は、CS3kと通信可能である。
【0193】センシングロボット104(CS31〜C
S3k)の同期点は、図10のになる。センシングロ
ボット104(CS31〜CS3k)は、上流であるセ
ンシングロボット103(CS21〜CS2j)との通
信の確立用に、B層のPN符号30,31により逆拡散
および復調する。B層のPN符号の同期点は、A層の符
号0により確立された図10のである。センシングロ
ボット104(CS31〜CS3k)とセンシングロボ
ット103(CS21〜CS2j)の通信については、
前述で説明しているためここでは省略する。
【0194】フェロモンロボットFE105は、上流で
あるベースステーションBS101と通信の確立用に、
B層のPN符号10により逆拡散および復調する。B層
のPN符号の同期点は、A層の符号0により確定された
図10のである。A層の同期のためのPN符号は他の
センシングロボットCSと同じ符号0である。B層のP
N符号10は、ベースステーションBSの下流のセンシ
ングロボットCSとの通信の確立用のC層のPN符号1
0と同じである。B層のPN符号が符号10でない場合
は、フェロモンロボットFEは、ベースステーションB
Sの符号10と相関ピークが検出されないため、ベース
ステーションBSと通信できなくなる。
【0195】フェロモンロボットFEnには、下流であ
るセンシングロボット104(CS31〜CS3k)と
の通信の確立用に、C層のPN符号40により逆拡散お
よび復調する。C層のPN符号の同期点は、A層の符号
0により確立された図10のである。また、フェロモ
ンロボットFEnのC層のPN符号40は、最も外側に
位置するセンシングロボット104(CS31〜CS3
k)とフェロモンロボットFEの通信確立用のC層のP
N符号40と同じである。
【0196】つまり、センシングロボット104(CS
31〜CS3k)のC層と同じPN符号を、C層で使っ
ているフェロモンロボットFEnのみが、下流であるセ
ンシングロボット104(CS31〜CS3k)と通信
することができる。図11の例では、フェロモンロボッ
トFEnは、センシングロボットCS3(k−3)、C
S3(k−2)、CS3(k−1)と通信可能であり、
CS3kとは拡散符号が違うため通信できない。
【0197】なお、スペクトラム拡散通信の詳細につい
ては、著者:山内雪路、出版局:東京電機大学出版局の
スペクトラム拡散通信(次世代高性能化に向けて)に記
載されており、本実施の形態のスペクトラム拡散通信に
おいては、一例として本願の発明者らにより発明された
スペクトラム拡散通信装置(特開平11−168407
号公報)を適用することとする。
【0198】次に、上記の群ロボットシステムに用いる
羽ばたきセンシングロボット1体を制御するための制御
システム(羽ばたきセンシングロボット1体とベースス
テーションとの関係)を説明する。なお、ここでは、ベ
ースステーションBSによるセンシングロボットCSの
制御の一例として、ベースステーションBSが直接セン
シングロボットCSを制御する場合のみを示すが、ベー
スステーションBSが階層構造の上層のセンシングロボ
ットCSを介して下層のセンシングロボットCSを制御
する場合には、以下の例で示す制御信号を用いて、より
上層のセンシングロボットCSからより下層のセンシン
グロボットCSへと羽ばたき動作等に関する制御信号が
伝達されるとともに、より下層のセンシングロボットC
Sからより上層のセンシングロボットCSへとセンサに
より得られた信号が伝達される。
【0199】(システム構成)まず、本実施の形態の羽
ばたきセンシングロボット1体におけるシステムの構成
を、図12を用いて説明する。
【0200】本実施の形態における羽ばたきセンシング
ロボットの制御システムは、たとえば、図2に示す探索
区域Cの一例としての作業空間92と、作業空間92に
配置された、この空間内を浮上移動することができ、こ
の空間内における物理量を取得もしくは変更できる羽ば
たきセンシングロボットCSの一例としてのロボット9
0と、ロボット90と情報を交換できるベースステーシ
ョンBSの一例としてのベースステーション91とから
なる。
【0201】以下においては、たとえば、本発明の探索
の対象物を人として説明する。たとえば、本実施の形態
の羽ばたきセンシングロボットCSの一例としてのロボ
ット90は、自身に搭載された赤外線センサによって赤
外線量を取得することによって、探索対象としての人9
3を検出し、検出された人93に対して発光ダイオード
8を用いて可視光を照射することによって人93に何ら
かの情報を報知することが可能である。
【0202】(本実施の形態の羽ばたきセンシングロボ
ットの詳細な説明) (ロボット90の説明) (主要な構成と主要な機能)まず、本発明のセンシング
ロボットの一例としてのロボット90の主要な構成につ
いて図13を用いて説明する。
【0203】図13に示すように、ロボット90は支持
構造1を主構造とし、これに各構成部品が配されてい
る。支持行動1の上部には、右アクチュエータ21と左
アクチュエータ22とが固定されている。右アクチュエ
ータ21には右羽根31が取付けられ、左アクチュエー
タ22には左羽根32が取付けられている。また、下部
に電極61が配されている。
【0204】各アクチュエータ21,22はそれぞれ取
付けられた羽31,32をアクチュエータの支点をほぼ
中心として3自由度をもって回転させることができる。
各アクチュエータ21,22の回転は、支持構造1に搭
載された制御回路4によって制御される。各アクチュエ
ータの詳細な構造については後述する。
【0205】なお、図13の状態におけるロボット90
の重心Oは、左右アクチュエータ21,22の回転中心
の中点A0よりも鉛直下方にある。また、支持構造1に
は、加速度センサ51、角加速度センサ52、および、
焦電型赤外線センサ53が搭載されている。また、支持
構造1には通信装置7が配されている。通信装置7はベ
ースステーション91との情報の送受信を行なう。
【0206】制御装置4では、加速度センサ51および
角加速度センサ52から送られてくる情報によって羽ば
たきセンシングロボットとしのロボット90の浮上の状
態が検知されるとともに、焦電型赤外線センサ53から
送られてくる情報によって、焦電型赤外線センサ検出領
域531内における発熱源の情報が取得される。そし
て、これらの情報が、通信装置7を介してベースステー
ション91に送信される。
【0207】また、制御装置4は支持構造1に配された
発光ダイオード8のON/OFFを制御する。また、通
信装置7はベースステーションからの指示信号を受信す
る。制御装置4は、この指示信号に応じて各アクチュエ
ータ21,22や発光ダイオード8の動作を算出し、そ
れぞれの駆動を決定する。左右アクチュエータ21,2
2、制御装置4、センサ51〜センサ53、通信装置
7、発光ダイオード8などの駆動動力は電源6により供
給される。
【0208】電源6は、2次電池であり、電極61を経
由して供給される電力によって充電される。また、電極
61は、位置決めピンの役割も兼ねており、ベースステ
ーション91における位置決め穴に決まった姿勢で定位
が可能である。
【0209】なお、図12においては、電極61は、正
極、負極の2本のピンからなっているが、充電状態検出
用ピンなどを含む3本以上のピンからなる構成も可能で
ある。
【0210】(支持構造)次に、支持構造1について図
13を用いてより詳細に説明する。
【0211】支持構造1は、機械的強度を確保した上で
十分軽量であることが好ましい。この羽ばたきセンシン
グロボットとしてのロボット90の支持構造1では、ほ
ぼ球殻状に整列したポリエチレンテレフタレート(PE
T)が用いられている。支持構造1下部には、着地の際
に転倒せぬよう、支持脚11が配されている。この支持
脚11は、着地時の安定性が確保されるか、もしくは、
着地時の安定性が機能的に問題にならないのであればこ
れは必須ではない。
【0212】また、支持構造1の材料や形状は飛行に性
能を損なわないならば、図13に示すものに限られるも
のではない。支持構造1の材料は特に、軽量で剛性が高
いことが望ましい。
【0213】たとえば、カニやエビなどの生物に使われ
ているキトサンなどの有機物と、シリカゲルなどの無機
物とを分子レベルでハイブリッド化した複合材料を用い
ることにより、カニやエビの外骨格が持っている軽くて
丈夫な性質を持ってはいるが、形状加工が容易で、生物
が本来持っている最適な組成値をそのまま転用すること
ができる。また、環境に対しても害が少ない。
【0214】また、貝殻の材料である炭酸カルシウムを
前述のキトサンの代わりに用いることでも、剛性の高い
支持構造を構築することができる。
【0215】また、アクチュエータや羽根の配置形状に
ついても、本実施の形態に示した態様に限られるもので
はない。
【0216】特に、本実施の形態では、浮上の安定性を
重視して、自然に図13に示した姿勢となるように、重
心の位置を羽根の力学的作用中心点よりも下に位置させ
たが、重心と力学的作用点の位置とを一致させる方が姿
勢制御に必要な左右の羽根の流体力の差が最も小さくて
済むので、ロボット90の姿勢を容易に変更することが
できる。よって、アプリケーションによってはこのよう
な姿勢制御の容易さを優先した設計も考えられる。
【0217】(浮上機構) (羽根とその動作)次に、羽根とその動作について図1
4〜図16を用いて説明する。
【0218】説明の簡便のため、図13における座標系
を定義する。まず、支持構造1のほぼ中央を原点とす
る。また、重力加速度の方向を下方向、その逆を上方向
とする。原点から上方向に向かってz軸を定義する。次
に、右アクチュエータ21の形状中心と左アクチュエー
タ22の形状中心とを結ぶ方向を左右方向とし、原点か
ら左羽根に向かってy軸を定義する。また、原点からy
軸とz軸との右手系における外積方向にx軸を定義し、
以後これを前方、その反対方向を後方と称する。
【0219】また、図13は、右羽根31の右アクチュ
エータ21に対する力学的作用点A1と、左羽根32の
左アクチュエータ22に対する力学的作用点A2の中点
A0から重力加速度方向に下ろした線上に羽ばたきセン
シングロボットの一例としてのロボット90の重心Oが
位置する状態である。本実施の形態においては、左アク
チュエータのロータ229はほぼ球状であり、主軸32
1の延長線上にこのロータ229の球心が位置するよう
に左羽根32が配置されている。左アクチュエータ22
に対する力学的作用点A2および主軸321の回転運動
の支点はこの球心に位置している。右アクチュエータ2
1についても同様である。
【0220】以後、前述したx軸、y軸、z軸は図13
の状態において支持構造1に対して固定された、ロボッ
ト90固有の座標系であるとする。
【0221】一方、ロボット90の固定された座標系に
対して、空間に固定された任意の点を原点とする空間座
標としてx′軸、y′軸およびz′軸を定義する。これ
により、ロボット90が移動する作業空間92の座標は
x′軸、y′軸およびz′軸のそれぞれの座標を用いて
表わされ、ロボット90における固有の座標はx軸、y
軸およびz軸のそれぞれの座標を用いて表わされる。
【0222】次に、羽根の構造について説明する。たと
えば、左羽根32は主軸321の枝322が生えた支持
部材に、膜323を張ることで形成されている。主軸3
21は左羽根322において前方寄りの位置に配されて
いる。また、枝322は先に行くほど下方に向いてい
る。
【0223】左羽根32は上に凸状の断面形状を有す
る。これによって、特に打ち下ろしの際に流体から受け
る力に対して高い剛性が得られる。主軸321と枝32
2は軽量化のため、それぞれカーボングラファイトの中
空構造となっている。膜323はその内面において収縮
する方向に自発的な張力を有しており、羽根全体の剛性
を高める働きをしている。
【0224】本発明者らが実験に用いた羽根の主軸32
1の直径は、支持構造1に支持された根元の部分では1
00μm、先端部では50μmであり、主軸321は根
元から先端部へ向かって細くなったテーパ形状である。
また、膜323はポリイミドであり、大きさは前後方向
約1cm、左右方向約4cm、厚さは約2μmである。
【0225】なお、図14に示された左羽根32では、
説明のために主軸321はその太さが拡大されている。
図示されていない右羽根31はxz平面を挟んで左羽根
32と鏡面対称になるように支持構造に取付けられてい
る。
【0226】次に、羽根の動作の表現について左羽根3
2を例に挙げて説明する。左アクチュエータ22は、左
羽根32を回転3自由度で動かすことが可能である。つ
まり、左羽根32の駆動状態は、その姿勢で表わすこと
ができる。以後説明の簡便のため、左羽根32の姿勢
を、図13の状態に基づき以下のように定義する。
【0227】まず、図15に示すように、軸の回転運動
の支点(力学的作用点A2)と、x軸およびy軸にそれ
ぞれ平行な軸(//x、//y)を含むxy平面に平行
な平面を基準として、点A2と左羽根32の主軸321
の根元を結ぶ線分がその平面となす角度を、羽ばたきの
ストローク角θとする。また、軸の回転運動の支点(力
学的作用点A2)と、y軸およびz軸それぞれに平行な
軸(//y、//z)を含むyz平面に平行な平面を基
準として、点A2と左羽根32の主軸321の根元とを
結ぶ線分がその平面となす角度を偏角αとする。
【0228】このとき、ストローク角θはxy平面に平
行に平面より上方では正とし、下方では負とする。ま
た、偏角αはyz平面に平行な平面よりも前方では正と
し、後方では負とする。
【0229】そして、図16に示すように、左羽根32
の主軸321の根元における膜323の接平面p1が、
点A2を通りx軸と平行な軸(//x)と主軸321を
含む平面p0とをなす角度をねじり角βとする。このと
きねじり角βは主軸321の根元から先端に向かって見
たときの時計回りを正とする。
【0230】(アクチュエータ)次に、アクチュエータ
について図17および図18を用いて説明する。
【0231】本実施の形態のロボット90の羽部を動作
させるアクチュエータについては、トルクが大きいこ
と、往復運動が簡単に実現できること、構造が単純なこ
とから、圧電素子(ピエゾ素子)を用いて発生した信号
波によって駆動する。一般的に超音波モータと呼ばれる
アクチュエータを用いる。
【0232】図17に示すのは市販の超音波モータ23
である。これは、図17(a)に示す、下面に圧電素子
230を貼付けてあるアルミニウムの円板231上に突
起232〜突起237が、円板の中心を重心とする正六
角形をなすように6ヵ所配置され、さらにこの圧電素子
230の下面には円周方向に12分割された電極238
が配置されている構造をしている。この構造の概略を図
17(b)に示す。各電極は1つおきに電気的に短絡さ
れており、それぞれ、円板231を基準に電圧が印加さ
れる。
【0233】すなわち、圧電素子230は位相の異なる
電圧が加えられる。この様子を図17(c)に、ハッチ
ングの部分とのハッチング以外の部分に分けて示す。こ
のそれぞれに異なる時間的パターンで電圧を加えること
によって円板231上に信号波が発生し、突起232〜
突起237先端が楕円運動を行なう。以上でステータが
構成され、このステータはステータ上に接触して配置さ
れたロータ239を上述の突起232〜突起237先端
の楕円運動より円周方向に回転するように搬送すること
ができる。
【0234】この超音波23のトルクは1.0gf・c
mで、無負荷回転速度は800rpmである。また、最
大消費電流は20mAである。また、円板231の直径
は8mm、突起232〜突起237の配されている間隔
は2mmである。円板231の厚さは0.4mm、突起
232〜突起237の高さは約0.4mmである。ま
た、圧電素子230の駆動周波数は341kHzであっ
た。
【0235】本実施の形態では、このステータの部分を
利用したアクチュエータを用いる。右アクチュエータ3
1は、図18(b)に示すごとく、球殻状のロータ21
9を、上述のステータと同様のステータ210とベアリ
ング211で挟み込んで保持する構造をしている。
【0236】ただし、ステータ210のロータ219と
の接触部分はロータ表面と一致する形状に加工されてい
る。ロータ219は外形3.1mm、内径2.9mmの
球殻で、表面に右羽根主軸311が配されている。ステ
ータ210の突起のある面に向かって見て時計回り(以
後、これを正回転、この逆の回転を逆回転と呼ぶ)にロ
ータ219を搬送させる操作を行なうと、右羽根主軸3
11は図18(b)に示すθの方向に移動する。
【0237】さらにこのロータ219を3自由度で駆動
するために、上部補助ステータ212と下部補助ステー
タ213をベアリング214,215とともにステータ
210、ベアリング211と同様に図18(a)に示す
ように配する。各補助ステータの大きさはステータ21
0の0.7倍である。
【0238】各ステータの駆動方向は必ずしも直交して
いないが、それぞれ独立した要素への回転を与えるた
め、これらの運動の組合せによってロータ219を3自
由度で駆動することができる。
【0239】たとえば、ロータ219に対して、上部補
助ステータ212によって正回転を、下部補助ステータ
213によって同じく正回転を与えれば、ロータ219
がこの構成であるβ方向に、上部補助ステータ212に
よって逆回転を、下部補助ステータ213によって正回
転を与えればα方向に回転する。
【0240】実際の駆動に際しては、回転中心の異なる
2つの回転を行なわせることは摩擦によって効率を低下
させてしまうので、たとえば、上部補助ステータ212
と下部補助ステータ213をごく短時間周期で交互に動
作させ、その間、動作していないステータの突起はロー
タ219に接触しない、などの駆動方法が望ましい。こ
れは、ステータの電極すべてに圧電素子の収縮方向に電
圧を印加することで、特別に構成要素を付加することな
く実現できる。
【0241】また、圧電素子の周波数が300kHz以
上と、せいぜい100Hz程度である羽ばたき周波数に
比べて十分高速であるので、交互にアクチュエータを動
作させても実質上滑らかな動きを右羽根主軸311に与
えることができる。以上により、本発明者らが検討に用
いた市販の超音波モータと同等の特性を有する3自由度
アクチュエータが構成される。
【0242】ステータの発生中信号波の振幅がサブミク
ロンオーダであり、このロータはこのオーダの真球度で
あることが要求される。民生用の光学製品に用いられて
いる放物面鏡の加工精度は数十nmであり、また、光学
干渉計に用いられている光学部品の加工精度は数nm程
度であることからこのようなロータは現在の加工方法技
術で作製することが可能である。
【0243】当然、これは本発明における3自由度の運
動を羽根に与えるアクチュエータを超音波モータで構成
した例の1つに過ぎず、各構成要素の配置、サイズ、材
質、駆動方法などは、羽ばたき飛行に要求される物理的
機能たとえばトルクなどが実現できるならこの限りでは
ない。
【0244】また、当然、羽根の駆動機構やそれに用い
るアクチュエータの種類についても、特に本実施の形態
に示したものにはよらない。たとえば、特開平5−16
9567号公報に見られるような、外骨格構造とリニア
アクチュエータとを組合せて用いた羽ばたき飛行も、本
実施の形態に示すアクチュエータと等価な羽根の動作を
実現できるため可能である。
【0245】また、駆動エネルギとして電力を用いた
が、内燃機関を用いることも可能である。さらに、昆虫
の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応により、
化学的エネルギを運動エネルギに変換するアクチュエー
タを用いることも可能である。たとえば、昆虫から採取
した筋肉をリニアアクチュエータとして用いる方法や、
虫の筋肉のタンパク質のアミノ酸と無機物とを材料とし
て分子レベルでこれを複合化させて作った複合材料の人
工筋肉をリニアアクチュエータとして用いるなどの方法
がある。
【0246】なお、基本的な駆動力の上述の内燃機関な
どのエネルギ効率が高いアクチュエータを得て、これら
の制御もしくは補助として電力で駆動するアクチュエー
タを用いる手法も可能である。
【0247】(浮上方法)次に、浮上方法について図1
9〜図25を用いて説明する。
【0248】なお、ここでは、羽根が流体から受ける力
を流体力と呼ぶ。また、説明の簡便のため空気の流れを
羽ばたきによってのみ起こる状態、すなわち、無風状態
を仮定して説明する。
【0249】説明の簡便のため、ロボット90に及ぼさ
れる外力は羽根に流体から作用する力すなわち流体力と
重力のみであるとする。
【0250】ロボット90が恒常的に浮上するには、1
回の羽ばたき動作の間で平均して、(羽根にかかる上方
向の流体力の総和)>(ロボット90にかかる重力)で
あることが必要である。
【0251】ここでは、昆虫の羽ばたきを単純化した羽
ばたき方により、打ち下ろし時の流体力を、打ち上げ時
の流体力よりも大きくする方法について説明する。説明
の簡便のため、流体の挙動もしくはそれが羽根に及ぼす
力については、その主用成分を挙げて説明する。また、
この羽ばたき方によりロボット90に作用する浮上力と
重力との大小については後述する。
【0252】羽根には、羽根が運動する方向と逆方向の
流体力が作用するので、羽根の打ち下ろし時には羽根の
上向きに流体力が作用し、打ち上げ時には羽根の下向き
に流体力が作用する。そこで、打ち下ろし時に流体力を
大きくし、打ち上げ時には流体力を小さくすることで、
1回の羽ばたき動作(打ち下ろし動作と打ち上げ動作)
の間で時間平均すると上方向の流体力が得られることに
なる。
【0253】そのためには、まず、打ち下ろし時には羽
根が移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろせ
ば、羽根にはほぼ最大の流体力が作用する。これは、羽
根の接する平面とほぼ垂直に羽根を打ち下ろすことに相
当する。
【0254】一方、打ち上げ時には羽根が移動する空間
の体積が最小になるように打ち上げれば、羽根に及ぼさ
れる流体力がほぼ最小となる。これは羽根の断面の曲線
にほぼ沿って羽根を打ち上げることに相当する。
【0255】このような羽根の動作について羽根の主軸
321に垂直な断面を用いて説明する。まず、図19の
羽根は移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろ
した場合、図20が羽根の移動する空間の体積が最小に
なるように打ち上げた場合を示す。
【0256】図19および図20では、移動前の羽根の
位置が破線で示され、移動後の羽根の位置は実線で示さ
れている。また、羽根の移動方向が一点鎖線の矢印によ
って示されている。同図に示すように、流体力は羽根の
移動方向とは逆向きに羽根に作用する。
【0257】このように、打ち上げ時における羽根が移
動する空間の体積が打ち下ろし時における羽根が移動す
る空間の体積よりも大きくなるように羽根の姿勢を羽根
の移動方向に対して変化させて、1回の羽ばたき動作の
間の時間平均において、羽根に作用する上方向の流体力
を羽ばたきセンシングロボットとしてのロボット90に
作用する重力よりも大きくすることができる。
【0258】本実施の形態においては、羽根のねじり角
βが制御可能であり、これを時間的に変化させることに
よって上述の羽根の運動が実現される。
【0259】具体的には、以下のステップS1〜S4が
繰返される。まず、ステップS1では、図21に示すよ
うに羽根の打ち下ろし(ストローク角θ=+θ0→−θ
0)が行なわれる。ステップS2では、図22に示すよ
うに羽根の回転1(羽根のねじり角β=β0→β1)動
作が行なわれる。ステップ3では、図23に示すように
羽根の打ち上げ(ストローク角θ=−θ0→+θ0、ね
じり角β=β1→β2(羽根の曲面に沿った運動によ
り、流体力を最小限にとどめる運動))が行なわれる。
ステップS4では、図24に示すように、羽根の回転2
(羽根のねじり角β=β2→β0)動作が行なわれる。
【0260】ステップS1およびステップS3における
羽根に作用する流体力を時間平均すると、上述のように
羽根の移動する空間の体積の違いから、上向きの流体力
となる。この上向きの流体力の鉛直成分と重力との大小
関係については後述する。
【0261】当然、ステップS2,ステップS4におい
ても、羽根に作用する流体力の時間平均が上向きの流体
力であることが望ましい。
【0262】ロボット90の羽根においては、図21〜
図24に示すように、羽根の前縁近傍に羽根の回転中心
(主軸321部分)が位置している。つまり、主軸32
1から羽根の後縁までの長さの方が主軸321から羽根
の前縁までの長さよりも長くなっている。このため、図
22および図24に示すように、羽根の回転動作におい
ては羽根の回転方向に沿って生じる流体の流れに加え
て、主軸321から羽根の後縁に向かう方向に沿って流
体の流れが生じることになる。
【0263】そして、羽根にはこのような流体の流れの
反作用としてそれぞれの流れの向きとは逆向きの力が作
用することになり、図22に示すステップS2では、実
質的に上向きの流体力が羽根に与えられ、図24に示す
ステップS4では、主に下向きの流体力が羽根に与えら
れることになる。
【0264】図23に示すステップS3では、羽根の断
面の曲線に沿うように羽根のねじり角βをβ1からβ2
に変化させながら打ち上げ動作が行なわれる。また、図
22に示すステップS2における羽根の回転角は図24
に示すステップS4における羽根の回転角よりも大き
い。これによりステップS2およびステップS4におい
ても羽根に上向きに作用する流体力が下向きに作用する
流体力に勝って、時間平均すると上向きの流体力が羽根
に作用することになる。
【0265】なお、図21〜図24では、それぞれのス
テップS1〜S4における羽根の移動前の姿勢が波線で
示され、移動後の姿勢が実線で示されている。各ステッ
プS1〜S4における羽根の移動方向が一点鎖線の矢印
によって示されている。また、各ステップS1〜S4に
おいて主に発生する流体の流れが実線の矢印によって示
されている。
【0266】次に、ストローク角θおよびねじり角βの
値を時間の関数として表わしたグラフを図25に示す。
ただし、図25では、ストローク角θおよびねじり角β
のそれぞれの縦軸の比率が異なっている。
【0267】本発明者らの行なった実験においては、θ
0は、たとえば60°である。β0は、たとえば0°で
ある。β1は、たとえば−120°である。β2は、た
とえば−70°である。
【0268】上述した説明では、説明の簡便のためステ
ップS1〜S4は独立した動作として記述したがたとえ
ばステップS1において羽根を打ち下ろしながら羽根の
ねじり角を大きくしていくような動作も可能である。
【0269】また、上述した例は第1近似的な考察から
説明されるものであり、実際に浮上可能な羽ばたき方法
はこれに限定されるものではない。
【0270】また、ここでは左羽根について説明した
が、右羽根についてもxz平面に関して鏡面対称に左手
系に基づくストローク角θ、偏角αおよびねじり角βを
定義すれば同一の議論が成り立つ。以下、羽根に作用す
る上向きの流体力を浮上力とし、羽根に作用する前向き
の流体力を推進力とする。
【0271】(制御方法)次に、羽ばたき装置、すなわ
ち、ロボット90に任意の運動を行なわせる制御手法に
ついて説明する。ここでは、本羽ばたき装置の左羽につ
いては右手形に基づくストローク角θ、偏角αおよび捻
り角βを用い、そして、右羽についてはxz平面に対し
て鏡面対称の左手形に基づくストローク角θ、偏角αお
よび捻り角βを用いて羽の姿勢を示す。
【0272】(制御フロー)羽ばたきによる浮上移動は
羽にかかる流体力によって行なわれるので、羽の運動に
より直接制御されるのは、ロボット90に与えられる加
速度と角加速度である。
【0273】まず、Sを目標とする浮上状態と現在の浮
上状態との差異、T(S)を浮上状態から加速度、角加
速度への変換を表わす関数、sを加速度、角加速度Fα
(s)を、加速度センサ51、角加速度センサ53のセ
ンサ応答を含めた制御アルゴリズムを表す関数、sαを
アクチュエータ制御量、GW(sα)をアクチュエータ
と羽の応答を表す関数、sWを羽の運動、GfS(sW)を
羽の運動によりロボット90に及ぼされる加速度もしく
は角加速度seを表す関数、Seがこの一連のプロセス
により行なわれる浮上状態の変更とすると、入力Sより
出力Seが得られるプロセスは図50に示すようなもの
となる。
【0274】また、実際には、羽と流体の慣性力によ
り、現在までの羽の運動、流体の運動の時刻歴に依存す
る影響RWとRfSがGWとGfSに加わることになる。
【0275】(動作分割)当然、Fα以外のすべての関
数を正確に求め、これによりS=Seとなる制御アルゴ
リズムFαを算出する手法もあり得るが、本羽ばたき装
置周囲の流体の流れと羽の運動の時刻歴が必要であり、
膨大なデータ量と演算速度を必要とする。また、流体と
行動の連成した挙動は複雑で、多くの場合カオティック
な応答になってしまうため、実用的でない。
【0276】そこで、予め基本的な動作パターンを用意
しておき、目標とする浮上状態を分割してこれらの基本
動作パターンを時系列にて組合わせて実現する手法が簡
便で望ましい。
【0277】物体の運動にはx方向、y方向、z方向の
3自由度の並進自由度と、θx方向、θy方向、θz方向
の3自由度の回転自由度、つまり6自由度が存在する。
すなわち、前後、左右、上下、そしてこれらの方向を軸
とする回転である。
【0278】このうち、左右への移動は、θz方向の回
転と前後方向への移動を組合わせて行なうことができ
る。そこで、ここでは、前後方向、すなわちx軸方向へ
の並進移動、上下方向、すなわちz軸方向への並進動
作、また、x軸、y軸、z軸回りの回転動作についてそ
れぞれの実現方法を説明する。
【0279】(動作) (1) 上下方向(z軸方向)の動作 羽が移動することで、羽が流体から受ける力は羽の移動
速度に依存するので、羽に及ぼされる上向きの流体力を
大きく(小さく)するには、 A:ストローク角θの振幅を大きく(小さく)する B:羽ばたき周波数を大きく(小さく)する などの方法がある。これらによってロボット90は上昇
(下降)することができる。ただし、流体力には負の値
も含まれる。
【0280】なお、これらの手法によれば、羽が流体か
ら受ける流体力そのものが大きくなるので、羽が流体力
を上下方向以外から受けることによって、羽の力学的支
点に羽から上下方向以外の力が及ぼされている際には、
上昇とともにその方向へこの支点にかかる力の増加も伴
う。たとえば、前方にほぼ等速直線運動を行なっている
際に、羽ばたき周波数を大きくすると、本羽ばたき装置
は速度増加を伴って上昇する。このように、現時点での
羽ばたき方によって、副次的にこういった他の運動を伴
うが、以後特に断らない限り、停空状態からの制御につ
いて説明する。
【0281】また、羽の捻り角βを変えて、羽が移動す
る空間の体積を変化させることによっても浮上力は変化
する。たとえば、打ち上げ時における羽が移動する空間
の体積がより大きく、もしくは、打ち下ろし時における
羽が移動する空間の体積がより小さくなるようなβを与
えることで、羽に作用する上向きの流体力の時間平均は
小さくなる。
【0282】実際には、羽は剛体ではなく変形を伴うた
め、同一のβによっても羽が移動する空間の体積は変化
するが、第1原理的には、羽の移動する方向に垂直なβ
が最も大きな羽が移動する空間の体積を与える。また、
羽が移動する方向に平行なβが最も小さな羽が移動する
空間の体積を与える。
【0283】なお、この場合、副次的に、羽ばたきと垂
直方向にも流体力が作用するため、これが制御上支障を
生じるレベルである場合はこれを打ち消す羽の動きを付
加する必要がある。最も単純には偏角αの変更により実
現できる。
【0284】また、前記のステップS2もしくはステッ
プS4において羽の回転角速度を変化させることによっ
てもz軸方向の動作を行なうことは可能である。たとえ
ば、ステップS2において羽の回転角速度(−dβ/d
t)を大きくすると、この回転によって生じる流体の下
方向への流速が大きくなるため、この反作用によって羽
に作用する上向きの流体力が大きくなる。
【0285】なお、この場合、ロボット90に及ぼされ
る、羽の主軸を回転軸とするトルクが副次的に変化す
る。よって、この変化が制御上支障ない範囲に収まる範
囲内でこの回転角速度変化を行なうことが望ましい。
【0286】また、この場合、ロボット90に及ぼされ
る、前後方向への力も副次的に変化する。よって、この
変化が制御上支障をきたす場合は、(2)として後述す
る前後方向への力の制御も同時に行なうことが望まし
い。
【0287】(2) 前後方向(x軸方向)の動作 前述した羽ばたき方法では、主にステップS2とステッ
プS4にて、x方向の向きへの流体力が羽に作用する。
したがって、この羽の動かし方においては前進を伴い浮
上する。
【0288】また、打ち下ろしの際に偏角αを増加し羽
を前方に移動させることで、羽には後向きの流体力が作
用することになる。したがって、打ち下ろしの際の、す
なわち、ステップS1における偏角αを制御して、ステ
ップS1における羽に作用する後向きの流体力を、他の
主にステップS2とステップS4における前向きの流体
力よりも大きくすれば後退し、小さくすれば前進するこ
とができる。また、この2力がほぼ釣り合えば前後方向
に静止することができる。
【0289】特に、ロボット90が前後方向に静止して
おり、左右の羽がほぼ対称な運動を行ない、重力と本羽
ばたき装置における浮上力が釣り合っているならば、ホ
バリング状態が実現できる。
【0290】なお、偏角αの変更に伴い副次的に、羽に
及ぼされる流体力の鉛直方向成分が変化するので、これ
が制御上支障を生じるレベルにある場合にはこれを打ち
消す羽の動きを付加する必要がある。これは、主に、前
述の(1)の上下方向の動作によって行なうのが簡便で
ある。
【0291】さらに、前述したステップS2とステップ
S4において羽の回転動作の角速度を大きくすると前向
きの流体力が増加し、小さくすると減少する。これによ
っても前後方向の動作を変化させることができる。
【0292】また、(1)に述べた羽の捻り角βの変更
に伴う副次的な流体力のうち、x軸方向成分を利用する
手法も可能である。つまり、打ち下ろし時にβ>0なら
前方向への、β<0なら後方向への力が働く。
【0293】なお、打ち上げ時のβ、α、θの関係はあ
る程度拘束されているが、以上の流体力の制御はステッ
プS3においても可能である。
【0294】(3) z軸を回転軸とする回転動作 (2)において述べた前後方向への制御を、左羽と右羽
について個別に行ない、これを異ならせることで本羽ば
たき装置にトルクを与えることができる。
【0295】すなわち、右羽の前向きの流体力を左羽の
それに対して高くすればロボット90はx軸正の向きに
向かって左方向を向き、低くすれば同じく右方向を向
く。
【0296】(4) x軸を回転軸とする回転動作 (3)と同様に、右羽の上向きの流体力を左羽のそれに
対して大きくすれば右側が持ち上がり、小さくすれば左
側が持ち上がる。これによって、x軸を回転軸とする回
転動作を行なわせることができる。
【0297】(5) y軸を回転軸とする回転動作 (2)に述べた、羽の捻り角βの角速度変更によって、
ロボット90にかかるy軸周りのトルクを変化させるこ
とができる。これにより、y軸を回転軸とする回転動作
を行なうことができる。たとえば、ステップS1におけ
る捻り角βの回転角速度を大きくすると本羽ばたき装置
は機首を下げ、逆に小さくすると機首を上げる。
【0298】(6) ホバリング(停空飛翔) 羽ばたき装置を停空させる際のストローク角θおよび偏
角αならびに捻り角βの値を時間の関数として表したグ
ラフを図26に示す。ただし、図26ではそれぞれの角
度の縦軸の比率と異なっている。
【0299】本発明者らが行なった実験においては、θ
0はたとえば60°である。β0はたとえば−10°であ
る。α1はたとえば30°である。β1はたとえば−10
0°である。β2はたとえば−60°である。
【0300】各ステップにおける左羽の運動と、それに
より左羽の力学的支点A2に生じる加速度、角加速度を
図51に示す。ただし、(3)(4)のx軸、z軸を回
転軸とする回転動作については略してある。これらは、
前述のとおり、左右の羽の運動の非対称によって起こさ
れる。
【0301】(制御方法決定手法)現在の浮上状態は、
ロボット90に搭載された加速度センサ51や角加速度
センサ52が取得した値を適宜変更した値を用いて求め
られる。たとえば、速度は、加速度を時間積分した値に
速度の初期値を与えることで求められる。また、位置
は、速度を時間積分した値に位置の初期値を与えること
で求められる。なお、浮上状態に、浮上状態の時刻歴を
含む手法も可能である。
【0302】制御装置4は、加速度センサ51および角
加速度センサ52から得られる現在の浮上状態と、目的
とする浮上状態から、ロボット90の動作を決定する。
この制御は、三次元で行なわれる点以外は従来から行な
われている制御手法を適用することができる。
【0303】ロボット90の動作は、制御装置4にて、
アクチュエータの駆動に変換される。この変換には、テ
ーブル参照、もしくはその補完を用いるのが高速であ
る。たとえば、図52に示すように、基本となる動作
と、それを実現するアクチュエータの駆動の組合せを予
め用意しておく。なお、図52の左端列は目的とする動
作、羽ばたきにおけるAとBは、Aは前進時の羽ばたき
方、Bは停空時の羽ばたき方であり、より具体的にはそ
れぞれ図25、図26にグラフで示されるα、β、θの
時刻歴を時間的に離散化したものである。制御装置4
は、ロボット90の動作から、この駆動もしくはその補
完した駆動をこのテーブルより算出する。
【0304】ここでは、説明のため一旦本羽ばたき装置
の動作を算出し、これをアクチュエータの駆動に変換す
るという手法を用いたが、浮上状態から直接アクチュエ
ータの駆動を選択する手法も可能である。
【0305】たとえば、定位制御を行なう場合、現在位
置と目標位置との差によって、上述したアクチュエータ
の駆動のいずれか、もしくはそれを補完した駆動を直接
算出する手法も可能である。
【0306】また、当然、ロボット90の浮上状態を表
す物理量はここに示した位置、速度、加速度などに限ら
ない。
【0307】また、当然、アクチュエータの駆動を決定
する手法はこの態様に限らない。 (浮上可能重量)次に、本実施の形態におけるロボット
90の構成で浮上が可能な条件を、図27を用いて示
す。本発明者の実験環境ではアクチュエータとして進行
波アクチュエータを用いた。この進行波アクチュエータ
によれば、ステータ210が超音波モータ23と同等で
あるので、θ方向の羽ばたきに関してはトルク1.0g
f・cmである。そこで、本発明者らはシミュレーショ
ンによりこのトルクで羽ばたいた際の流体力を算出し
た。
【0308】羽根はアクチュエータから離れる方向が長
辺で、長辺4cm、短辺1cmの矩形で、羽根の変形は
無視する。また、幅8mm、長さ33mmのとんぼの羽
根が約2mgであったので、これに倣い、羽根の質量は
3mgとした。
【0309】さらに、超音波モータ23は、突起先端の
微小な楕円運動の累積によってロータを駆動するため、
実際の駆動トルクの立上がり立下がりはダイヤモンドの
周期オーダ、すなわち105ヘルツオーダであるが、計
算の安定性から制約上±250gf・c/secである
とした。すなわち、トルクは0.004秒に1gf・c
m上昇する。
【0310】この羽根を、一方の短辺をこの辺を回転軸
とする回転自由度のみ残して固定し、この回転自由度に
トルクを与え、この回転軸にかかる反力を算出した結果
が図27である。ただし、前に定義するところの偏角α
=0(度)、2次角β=0(度)である。
【0311】時刻0においては、羽根は水平すなわちス
トローク角θ=0(度)である。ここから時刻0.00
4秒までの間にトルクを1gf・cmまで直線的に向上
させ、0.004秒から0.01秒まで、1gf・cm
を保つ。そして時刻0.01秒から0.018秒までの
間にトルク1gf・cmから−1gf・cmまで直線的
に変化させ、同0.018秒から0.03秒までは−1
gf・cmを保ち、同0.03秒から0.038秒まで
の間に再び1gf・cmへと直線的に変化する。
【0312】これにより得られた接点反力を、打ち下ろ
しの間すなわちトルクが負である時間である時刻0.0
14秒から0.034秒までの間で平均すると約0.2
9gfであった。
【0313】以上のシミュレーションは、1自由端羽ば
たきの結果であるため、打ちが上げ時の流体力の作用は
不明である。しかし、断面積に比して流体の抵抗が減少
するので、打上げ時に働く下向きの始点反力は小さいこ
と、かつ、打下ろし時と同じトルクで打上げることが可
能なため、打上げに要する時間は打下ろしに要する時間
よりもはるかに短い。
【0314】すなわち、打上げの際の力が作用する時間
は短いこと、また、打下ろし以外にも羽根の回転などを
用いて浮上力がさらに得られることから、トルク1gf
・cmのアクチュエータを用いて、0.29g程度の質
量を浮上させることは可能であるといえる。すなわち、
実施の形態における羽ばたきセンシングロボット全体の
質量が0.58g以下であれば浮上が可能である。以
下、装置全体の重量について検討する。
【0315】まず、ステータ210の質量は、電極と圧
電素子が薄いため、比重2.7、厚さ0.4mm、半径
4mmの円板と同等であるので、0.054gである。
【0316】また、補助ステータの重量は、ステータの
直径が0.7倍であることから0.019gである。
【0317】3つのベアリングはいずれも外径4.2m
m、内径3.8mm、厚さ0.4mmのドーナツ状のボ
ールベアリングである。材質は比重4.8のチタンで、
約30%の空隙があるため、ベアリングの質量は約0.
013gである。また、ロータ219は材質がアルミで
壁中央半径3mm、厚さが0.2mmであるため、約
0.061gである。これらの総和から、アクチュエー
タ21の質量は0.192gである。また、羽根31は
前述のとおり0.003gである。以上の構成が左右系
2つあるので、0.390gである。
【0318】また、本発明者らが採用した図1に示す指
示構造1は、直径1cm、比重0.9、厚さ0.1mm
の球体であるので質量が約0.028gである。また、
本発明者らが採用した制御装置4、通信装置7、加速度
センサ51、角加速度センサ52、焦電型赤外線センサ
53はそれぞれ5mm×4mmの半導体ベアチップで、
角約0.008gである。すなわちこれらの質量の総和
は0.04gである。
【0319】また、本発明者らが採用した電源6の重量
は0.13gである。以上、すべての構成要素の重量の
合計は0.579gとなる。1対の羽根で浮上力0.5
8gfを得ているので、この構成で浮上することが可能
である。
【0320】(通信装置)次に、通信装置7について説
明する。
【0321】通信装置7は送信機能を備え、各種センサ
の測定値を送信する。これにより、ベースステーション
91が、ロボット90の情報を得ることができる。
【0322】ベースステーション91が得る情報は、ロ
ボット90もしくはその周囲の物理量である。より具体
的には、前者の一例としては、加速度センサから得られ
たロボット90の加速度情報、または、角加速度センサ
52が得られたロボット90の角加速度情報、後者の一
例としては、焦電型赤外線センサ53より得られた赤外
線量情報である。
【0323】また、通信装置7は、受信機能を備え、制
御信号を受信する。これによりベースステーション91
がロボット90に対して制御を行なうことができる。
【0324】ベースステーション91より送信される制
御信号を、ロボット90の浮上状態に対する制御信号
と、ロボット90の周囲に与える物理量変更における制
御信号とである。
【0325】より具体的には、前者の一例としては、ロ
ボット90に与えられるべき加速度と角加速度とを指定
する信号、後者の一例としては、発光ダイオード8の光
量を指定する信号である。
【0326】なお、本実施の形態においては、ここに例
示した情報を送受信するものとして以後の説明を行な
う。
【0327】もちろん、送受信すべき情報はここに示し
た限りではない。たとえば、ベースステーション91よ
り発せられた制御信号を、ロボット90が正しく受信し
たか否か確認する応答信号なども送受信可能な情報であ
る。
【0328】(制御装置)次に、制御装置4について、
図13および図29を用いて説明する。
【0329】図13に示すように、制御装置4は、演算
装置41とメモリ42とからなる。演算装置41は、通
信装置7を経て、ロボット90における各種センサによ
って得られた情報を送信する機能を有する。また、演算
装置41は、通信装置7を経て得られた制御信号に基づ
き、各構成要素の動作を制御する機能を有する。また、
メモリ42はこれら送受信されたデータを保持する機能
を有する。
【0330】本実施の形態においてより具体的には、演
算装置41は加速度センサ51および角加速度センサ5
2からの情報によりロボット90の加速度および角加速
度を算出し、通信装置7を経由してベースステーション
91にこの情報を送信する。また、ベースステーション
91からは現在ロボット90に与えられるべき加速度の
情報と、角加速度の情報とが送信される。これらの情報
を、通信装置7を経て受信し、演算装置41はこの受信
された加速度と角加速度とにより各アクチュエータの動
作パラメータを決定する機能を有する。
【0331】さらにより具体的には、演算装置41は、
ロボット90に与えられるべき代表的な加速度と角加速
度との組合せに対応したα、β、θの時系列値をテーブ
ルとして有しており、これらの値、もしくはその補間値
を各アクチュエータの動作のパラメータとする。なお、
α、β、θの時系列値とは、たとえば、加速度、角加速
度ともに0であるホバリングの場合は図25にグラフで
示される値を離散化したものである。
【0332】当然、ここで挙げるα、β、θは制御パラ
メータの一例であり、説明の簡便のためこれらのパラメ
ータを指定することでアクチュエータが駆動されること
を前提に記述したが、たとえば、より直線的にこれらを
実現する各アクチュエータへの駆動電圧や制御電圧に変
換したものを用いることが効率的である。しかし、これ
らが既存のアクチュエータ制御方式と特に異なるもので
はないので、代表的なパラメータとしてα、β、θを挙
げているにすぎず、このパラメータのみに限るものでは
ない。
【0333】また、別なる機能の具体例として、演算装
置41は、焦電型赤外線センサ53から送られてくる情
報を、通信装置7を介して送信する機能を有する。
【0334】これによりベースステーション91がロボ
ット90に搭載された焦電型赤外線センサ53における
赤外線情報検出領域531における赤外線情報を取得す
ることが可能になる。
【0335】また、演算装置41は、ベースステーショ
ン91から送信された発光ダイオード8の発光制御信号
を、通信装置7を介して受信して、この制御信号に従い
発光ダイオード8に流れる電流を制御する機能を有す
る。これにより、ベースステーション91が発光ダイオ
ード8の発光を制御することが可能になる。なお、制御
装置4の機能はここに示したものに限らない。
【0336】飛行制御は時間的に連携するものであるの
で、羽根の動作時刻歴を、制御装置4におけるメモリ4
2に記憶させておき、ベースステーション91からの制
御信号をこの時刻歴情報によって補正する手段も可能で
ある。
【0337】また、ロボット90の浮上移動を優先する
場合、通信の帯域からの送信不可能なデータが発生する
ことも考えられる。また、通信が途絶する場合も考えら
れる。これらをはじめとして、重量の増加が浮上移動に
障害をもたらさない範囲内ならば、メモリ42を搭載す
ることは有効である。
【0338】また、逆に、演算装置41におけるレジス
タの類を除き、ロボット90の機能によっては明示的に
必須ではない。
【0339】(駆動エネルギ源)次に、駆動エネルギ
源、すなわち、電源6について説明する。
【0340】左右アクチュエータ21,22、制御装置
4、センサ51〜センサ53、を駆動する電力は電源6
により供給される。
【0341】電源6はリチウムイオンポリマを電解質と
しているので支持構造1により封入しておけばよい。こ
れにより液漏れを防ぐための余分な構造が不用であり、
実質的なエネルギ密度を高めることができる。
【0342】なお、現在市販されているリチウムイオン
2次電池の一般的な質量エネルギ密度は150Wh/k
gであり、本実施の形態においてはアクチュエータにお
ける消費電流は最大40mAであるので、電源6の電解
質重量を約0.1gとすると、本実施の形態においては
約7.5分の飛行が可能である。また、本実施の形態に
おけるアクチュエータの最大消費電流は左右合計40m
Aである。
【0343】また、電源電圧3Vである。電解質重量が
0.1gであるので、0.12W/g、つまり、120
0W/kgの重量パワー密度を持つ電源6の実現が求め
られる。市販品で実現されているリチウムイオンポリマ
2次電池の重量パワー密度は約600W/kgである
が、これは携帯電話などの情報機器に用いられている1
0g以上の製品などである。
【0344】一般に、電解質質量に対する電極面積の比
は正負に反比例するので、実施の形態における電源6
は、前述の情報機器用に用いられている2次電池の10
倍以上の電極面積比を持つので、10倍程度の質量パワ
ー密度が達成可能であり、冒頭の出力パワー密度は十分
達成可能である。
【0345】アクチュエータの駆動エネルギを外部から
供給する方法も可能である。たとえば、電力エネルギを
外部から供給する媒体については温度差、電磁波などが
挙げられ、これを駆動エネルギに変換する機構としては
それぞれ熱電素子およびコイルなどが挙げられる。
【0346】当然、異なる種類のエネルギ源を混載する
手法も可能である。電力以外のエネルギ源を用いる場
合、基本的には制御は制御装置4からの電気的信号を用
いることになると考えられている。
【0347】(センサ類(物理量入力部))次にセンサ
について説明する。
【0348】加速度センサ51は支持構造1の3自由度
並進加速度を、角加速度センサ52の支持構造1の3自
由度回転加速度、焦電型赤外線センサ53は焦電型赤外
線センサ検出領域531における赤外線量を検出する。
これらのセンサ51〜センサ53の検出結果は制御装置
4に送られる。
【0349】本発明者が用いた加速度センサは帯域40
Hzである。なお、加速度センサ51や角加速度センサ
52は帯域が高いほど時間的に緻密な制御が可能である
が、ロボット90の浮上状態の変更は1回以上の羽ばた
きの結果起きるものであると考えられるので、現在市販
されている帯域が数10Hz程度のセンサでも実用可能
になる。
【0350】本実施の形態では加速度センサと角加速度
センサとにロボット90の位置および姿勢を検出するも
のとしたが、ロボット90の位置と姿勢が計測可能な手
段であるかどうかは上記センサには限らない。たとえ
ば、互いに直交する3軸方向の加速度を測定可能な加速
度センサを少なくとも2つそれぞれ支持構造1の異なる
位置に配置させ、角加速度センサから得られる加速度情
報に基づいてロボット90の姿勢を算出することも可能
である。
【0351】また、作業空間92内に地上波を明示的に
組込んでおき、これをロボット90が検出して位置およ
び姿勢を算出する方法も可能である。たとえば、作業空
間92内に磁場分布を設けておき、磁気センサによりこ
の磁場分布を検知することで、ロボット90の位置と姿
勢を算出する手法も可能である。また、GPSセンサ等
を用いる手法も考えられる。
【0352】また、後述するベースステーション91な
ど、ロボット90以外においてロボット90の位置と姿
勢とを直接検出する手法も考えられる。たとえば、ベー
スステーション91がカメラを有し、画像処理によって
ロボット91の位置を算出する手法も可能である。当然
この場合ロボット90における加速度センサ51などは
必須ではない。
【0353】また、加速度センサ51、角加速度センサ
52をはじめとするセンサ類は、制御装置4とは別部品
として表現されたが、軽量化の観点から、マイクロマシ
ニング技術によって制御装置4と一体で同一のシリコン
基板上に形成してもよい。
【0354】当然本実施の形態におけるセンサは、アプ
リケーションすなわち警備の目的を達成する最低限の構
成要素であって、センサの種類、個数、構成については
ここに示す限りではない。
【0355】たとえば、ロボット90における羽根の駆
動には、フィードバックのない制御を用いているが、羽
根のつけ根に羽根の角度センサを設け、ここから得られ
る角度情報によりフィードバックを行ない、より正確に
羽根を駆動する方法も可能である。
【0356】また、逆に、浮上する領域における気流が
既知であり、予め定められた羽ばたき方のみによって目
的位置に定位することが可能ならば、ロボット90の浮
上状態を検出することは不用となるので加速度センサ5
1や角加速度センサ52は必須ではない。人体検出につ
いては、焦電型赤外線センサ53を用いて、従来のロボ
ットに採用されている手法と同様に行なえる。
【0357】なお、本実施の形態で例示する探索対象物
としての人93もロボット90に対して移動の障害とな
るが、焦電型赤外線センサ検出領域531をロボット9
0の下方に配することで、ロボット90が侵入者の情報
を飛行しても人93を検出することが可能であるため、
人93を障害とせず、かつ、人93を検出することが可
能である。
【0358】また、人体検出センサとして、現在広く安
価に用いられている焦電型赤外線センサを例として挙げ
たが、当然これも人体を検出するという機能が達成され
るならばこの限りではない。
【0359】(発光ダイオード(物理量出力部))次
に、発光ダイオード8について説明する。
【0360】発光ダイオード8は、焦電型赤外線センサ
53における焦電型赤外線センサ検出領域531を概ね
包含する可視光照射領域を有する。また、発光ダイオー
ド8の動作は制御装置4によって制御される。
【0361】以上の構成より、焦電型赤外線センサ検出
領域531内に検出された赤外線放射源を人93である
と制御装置4が判断すれば、これに対して可視光を照射
する動作を行なうことができる。なお、本実施の形態で
は、物理量出力部として発光ダイオード8を例示した
が、これに限定されるわけではない。
【0362】上述の構成要素の決定の際、ロボット90
の機動性を損なわないためには、当該構成要素の機能を
損なわない範囲内で軽量であることが望ましい。
【0363】(ベースステーションの説明) (主要な構成と主要な機能)まず、図28を用いてベー
スステーション91の主要な構成と機能とを説明する。
ただし、ベースステーションの主要な目的はロボット9
0からの情報取得とこれに基づくロボット90の制御で
あるので、図28はこれを具体化した一例にすぎず、外
観、形状、また付帯的な構成要素の有無については上述
の目的を害しない限りここに記す限りではない。
【0364】図28に示すように、ベースステーション
91は、演算装置911とメモリ912および通信装置
917を備えている。通信装置917は、ロボット90
より送信された信号を受信する機能を有する。また、ロ
ボット90に信号を送信する機能を有する。
【0365】ベースステーション91は、メモリ912
に格納された作業空間92のマップデータなどと、ロボ
ット90より通信装置917を介して受信したロボット
90の加速度情報を初めとする各種情報から、ロボット
90の行動を決定する機能を有する。また、この行動を
通信装置917を介してロボット90に送信する機能を
有する。
【0366】前述の受信機能と行動決定機能と送信機能
によってベースステーション91はロボット90自身も
しくはその周辺環境情報に基づき通信機能を介してロボ
ット90を制御することができる。
【0367】ベースステーション91は、その上面をロ
ボット90の離発着台として用いている。すなわち、ベ
ースステーション91上面には充電器913が備わって
おり、充電孔914にロボット90における電極61が
結合することで電気的に電源6に接続され、充電が可能
な状態になる。本実施の形態においては節電のため、充
電器913は演算装置911により制御され、ロボット
90がベースステーション91に結合している際も動作
して充電を行なう。
【0368】また、この充電孔914は位置決め孔の役
割も兼ねている。さらに、ベースステーション91には
電磁石915が備えられており、必要に応じてロボット
90を吸着している。すなわち、離陸前のロボット90
におけるベースステーション91に対する相対位置は、
電磁石915を動作させることにより固定されており、
また相対速度は0である。
【0369】(動作指示)本実施の形態においてはベー
スステーション91は、演算装置911とメモリ912
および通信装置917を備えており、メモリ912に格
納された作業空間92のマップデータと、予め設定され
た目的を達成するロボット90の作業空間92における
予定経路に対して、ロボット90より受信したロボット
90の加速度情報をはじめとする各種情報からロボット
90に与えるべき加速度、角加速度を、通信装置917
を介してロボット90に送信する機能を有する。たとえ
ば、ロボット90の角加速度情報を2回積分することで
ロボット90の姿勢を算出することができる。
【0370】また、これとロボット90の加速度情報を
前出るの姿勢で回転変換して得た絶対座標系における加
速度情報を2回積分することでロボット90の位置を算
出することができる。なお、これらの積分定数は、離陸
前の速度、角速度がともに0であり、位置、姿勢はベー
スステーション91に対して充電孔914に固定されて
いるためいつでも既知である。このようにして演算装置
911はロボット90の位置と姿勢を算出し、上述のロ
ボット90への制御指示を行なうことができる。
【0371】以上の機能により、ベースステーション9
1が、ロボット90に作業空間92内を巡回させるよう
に制御することが可能になる。これらの機能は互いに相
関することも当然可能である。たとえば、前述のロボッ
ト90における加速度情報と角加速度情報より焦電型赤
外線センサ53における赤外線検出領域531の作業空
間92における位置を算出することができる。
【0372】この位置と赤外線量をマッピングすること
で赤外線放射源の位置、形状、動作などを算出し、赤外
線放射源の重心付近に向けてダイオードを発光させると
いった手法も可能である。当然これらのバリエーション
は多岐にわたり、アプリケーションによって最適なもの
をデザインするものであって、ここに示した形態に限る
ものではない。
【0373】(巡回手法)ロボット90における巡回手
法は、従来から提案されている車輪などで床面を移動す
るロボットに用いられてきた巡回手法に、高さ方向の自
由度を加えて構築することが可能である。
【0374】たとえば、まず概ね一定の高さでの巡回を
行ない、これが終了した後、ロボット90の高度を変更
してまた別の高さで巡回を行なうといった手法で、2次
元平面上での巡回の高さ方向の自由度を加え、3次元空
間を巡回する手法が実現される。
【0375】また、焦電型赤外線センサ53の検出距離
によっては、ある高さで巡回すれば作業空間92の全域
において人を検出することが実質的に可能な場合も考え
られる。この場合は、従来から提案されている2次元平
面での巡回を行なうアルゴリズムのみで巡回が可能であ
る。
【0376】これら巡回経路は、ある定まった経路をメ
モリ912内に予め用意していてもよいし、メモリ91
2におけるマップデータからある情報を基準に演算装置
911が算出する方法も可能である。たとえば、作業空
間92における監視上の重要度などを指定し、この重要
度に応じて巡回頻度を高く設定するなどの手法が考えら
れる。また、巡回中においても経路の変更は可能であ
る。たとえば、人検出時などに、人を検出した位置でホ
バリングするなどの変更が考えられる。
【0377】以上に示したのはロボット90の作業空間
92の巡回手法の単純な一例であり、この限りではな
い。ベースステーション91の質量はロボット90の浮
上には影響しないため、これらの巡回経路や手法の策定
を高度に複雑に行なうことは容易である。
【0378】(離着陸補助)羽ばたきの開始もしくは終
了時、すなわち、ロボット90の離着陸の際は、羽ばた
きによって起こる気流が急激に増加もしくは減少し不安
定であるため、ロボット90の位置および姿勢を制御す
ることは難しい。本実施の形態では、離陸前の段階にお
いて、ベースステーション91に備えられた電磁石91
5がロボット90を吸着している。離陸の際は羽ばたき
による気流が安定するまで電磁石915を作動させ、気
流が安定した時点で電磁石915による吸着を停止する
などの手法で安定した離陸が可能である。
【0379】着陸においては、大まかに電極61が充電
孔914の上部に位置するようロボット90を移動さ
せ、この状態で電磁石915を作動させ、ロボット90
をベースステーション91に吸着する。しかる後に羽ば
たきを停止させれば、気流がG不安定である状態で着陸
時の位置と姿勢を安定させることができる。なお、定位
を容易にするため、電極61もしくは充電孔914の少
なくとも一方がテーパ状をしていることが望ましい。
【0380】なお、重量が許すなら、ロボット90が電
磁石915を有する構成も可能である。また、この構成
により、ロボット90はベースステーション91に限ら
ず、強磁性もしくは軟磁性材料で構成される物質すべて
に対して安定した離着陸が可能になる。また、より加速
度の小さい離陸を行なうために、電磁石915に力覚セ
ンサを配し、この力覚センサにかかる力によって電磁石
915の吸引力を制御する手法も可能である。
【0381】また、ここに示したのは離着陸時の気流不
安定性に伴うロボット90の不安定浮上を防ぐ手法の一
例にすぎず、離着陸時にロボット90を一時的に保持す
る機構であれば他の手段も可能である。たとえば、電磁
石915の代わりに空気を用いて吸引する手法も可能で
ある。また、レールなどのガイド機構に沿って離着陸を
行なう等の手法も可能である。
【0382】(システムの動作)ロボット90はベース
ステーション91からの指示により作業空間92を巡回
し、人を検出する。これをより具体的に一例として記述
したものを例として図29および図30を用いて説明す
る。なお、以下の記述は一例であり、本願の権利請求の
範囲を絞るものではない。
【0383】(静止状態)ロボット90の動作開始前は
ロボット90はベースステーション91における充電孔
914に電極61が接続され固定されている。また、必
要に応じて電源6に対して充電が行なわれている。ベー
スステーション91における演算装置911、メモリ9
12は既に動作しているものとする。また、ロボット9
0の巡回経路は既に演算装置911によって算出されて
いるものとする。また、人を検出した際のロボット90
のダイオードの発光動作は既に演算装置911によって
算出されているものとする。上記巡回経路、ダイオード
の発光動作をメモリ912に格納しておくことが望まし
い。
【0384】(離陸、上昇)ベースステーション91に
おける電磁石915が動作し、ロボット90はベースス
テーション91に吸着される。この状態でロボット90
は垂直方向への上昇のための羽ばたき動作を開始する。
遅くとも電磁石915が吸着を解除するまでには、ロボ
ット90における加速度センサ51、角加速度センサ5
2、制御装置4、および通信装置7は動作を開始してい
る。また、この際には、ベースステーション91におい
ても通信装置917が動作を開始しており、演算装置9
11がロボット90の浮上状態を検出できる状態に達し
ている必要がある。
【0385】羽ばたきによる気流が安定した時点で、電
磁石915はロボット90の吸着を止めていく。電磁石
915の吸着力とロボット90の浮力がバランスする点
よりさらに電磁石915の吸着力を弱めた時点でロボッ
ト90が浮上を開始する。
【0386】また、少なくともロボット90が浮上を開
始するまでに、ベースステーション91における演算装
置911は、ロボット90の位置と姿勢を求める演算を
開始している必要がある。
【0387】ロボット90はベースステーション91に
加速度情報、角加速度情報を送信しつつ上昇する。ベー
スステーション91はこの情報と目的とする経路より算
出されるロボット90の位置と姿勢によりロボット90
に現在与えられるべき加速度を算出し、ロボット90に
指示する。予め指定された位置にロボット90が到達す
ると、ベースステーション91の指示によりロボット9
0はこの高さで巡回を開始する。
【0388】(巡回)巡回開始以前に焦電型赤外線セン
サ53を動作させる。この赤外線情報が通信によって演
算装置911に送られる。巡回は、ベースステーション
91はロボット90の移動を指示しつつ、赤外線情報を
監視し、赤外線発信源すなわち発熱源の有無を判定する
ことで行なわれる。ロボットは、障害物を避けるため
に、一般的な侵入者の身長以上の高さ、たとえば、概ね
2m程度の高さを巡回する。また、ロボット90は、た
とえば、赤外線情報検出領域531の幅の60%程度の
幅ずつずらしながら往復するなどの手法を用いて、作業
領域92をくまなく巡回する。
【0389】(着陸)巡回終了時以後、ロボット90に
おける焦電型赤外線センサ53は動作を停止する。巡回
終了時には、ロボット90における電極61がベースス
テーション91における充電孔914の鉛直上方に位置
するように位置および姿勢を保ちながらロボット90が
下降するようにベースステーション91がロボット90
を制御する。電磁石915がロボット90の吸着可能な
位置にロボット90が位置したと判断した時点で、電磁
石915を作動させ、ロボット90をベースステーショ
ン91に固定する。
【0390】ベースステーション91にロボット90が
固定された以後、ロボット90における加速度センサ5
1、角加速度センサ52は動作を停止する。ベースステ
ーション91にロボット90が固定されて以後、ベース
ステーション91はロボット90へ羽ばたきの停止を指
示する。これ以後、通信装置7、制御装置4などは停止
させてもよい。
【0391】(フローチャート)本実施の形態における
各情報の流れを図29に示す。また、上記動作のフロー
チャートを図30に示す。当然これらは一例であり、本
実施の形態における対象物の探索を行なうセンシングロ
ボットというアプリケーションを満足するロボット90
の動作はこの限りではなく、また、これまでアプリケー
ションに用いられる場合、当然この動作は異なったもの
となり得る。
【0392】(通信)本実施の形態における通信手法に
ついて、図31〜図33を用いて説明する。
【0393】なお、ここでは通信されるデータに対する
解説を主に行なう。たとえば、通信のプロトコル、ハン
ドシェイクのタイミングといった通信の手法の細部につ
いてはさまざまな手法があるが、ここで説明するデータ
のやり取りが行なえるものであればよい。
【0394】(静止状態、離陸)まず、静止状態〜離陸
時の通信動作について図31を用いて説明する。
【0395】まず、ベースステーション91の演算装置
911、通信装置917とロボット90の制御装置4、
通信装置7を動作させ、ロボット90とベースステーシ
ョン91のコネクションを確立させる。そしてベースス
テーション91における電磁石915を動作させ、ロボ
ット90を吸着し、離陸時の不安定な気流によるロボッ
ト90の転倒を防止する。
【0396】ロボット90における加速度センサ51、
角加速度センサ52はロボット90の位置と姿勢を正し
く把握するために、ロボットが浮上、すなわち加速度も
しくは角加速度が0でなくなる以前に動作している必要
があるので、羽ばたき開始以前にセンシングを開始して
おく。
【0397】ベースステーション91は、ロボット90
に浮上用の羽ばたきを指示する。本実施の形態では鉛直
上向きに浮上するような羽ばたきを行なうようにロボッ
ト90に加速度、角加速度の指示を行なう。
【0398】ロボット90においては、予め用意された
制御テーブルから、鉛直上向きに上昇するためのα、
β、θの時系列のパターンを選び、これに従った羽ばた
きを開始するため、左右アクチュエータを駆動する。
【0399】ベースステーション91は、タイマで一定
時間経過を検出するなどの手法で、ロボットの羽ばたき
による気流が安定するまで待機し、その後、電磁石91
5の吸着力を低下させていく。
【0400】その間、ロボット90は自身の加速度情報
と角加速度情報とを通信によってベースステーション9
1に送信する。電磁石915の吸着力が浮力を下回った
時点でロボットは浮上する。これはロボットの速度が0
でなくなることによって検出される。浮上が完了すれ
ば、ベースステーション91よりロボット90に浮上完
了信号が送信され、巡回モードに入る。
【0401】(巡回)続いて、巡回時における通信動作
を図32を用いて説明する。
【0402】まず、巡回モードに移行するまでに、ロボ
ット90は赤外線センサを動作させる(図示なし)。
【0403】次に、ロボット90は各種センサの情報取
得を行なう。そして、取得したセンサ情報を、通信を介
してベースステーションに送信する。
【0404】ベースステーション91は受信したロボッ
ト90のセンサ情報のうち、赤外線情報をマッピング
し、作業領域92内での赤外線放射分布を求める。ま
た、加速度情報、角加速度情報から、ロボット90の位
置と姿勢を算出する。これらの位置、姿勢算出処理、赤
外線マッピング処理は巡回行動中継続的に行なわれてい
るものとする。
【0405】得られた赤外線マッピングの結果、メモリ
912におけるマップデータに存在しない赤外線放射源
が確認されれば人とみなして発光ダイオードによる報知
動作を行なうことも可能である。そうでない場合は巡回
を継続する。これら次の行動をベースステーション91
は決定し、ロボット90に与えるべき加速度、角加速度
をロボット90に指示情報として送信する。
【0406】ロボット90は受信した指示情報のうちの
加速度指示と角加速度指示より、予め用意された制御テ
ーブルより左右アクチュエータの駆動を算出し、これを
駆動する。また、報知動作指示が行なわれている場合
は、これに従ってLEDの駆動を行なう。報知動作にお
いても、通信態様は、LED駆動を除いて巡回動作と同
様である。
【0407】ベースステーション91が、ロボット90
が巡回終了に達したと判断した場合、ロボット90に巡
回終了信号を送信し、着陸モードに移行する。
【0408】(着陸)続いて、図33を用いて着陸にお
ける通信について説明する。
【0409】ロボット90は、巡回終了後、焦電型赤外
線センサ53の動作を停止させる。ベースステーション
91は、着陸地点直上、より具体的には、電磁石915
によってロボット90を初期位置に吸着可能な領域にロ
ボット90を誘導する。この誘導は巡回時の制御と同様
に、ロボット90より受信した加速度情報、角加速度情
報より算出したロボット90の位置と姿勢を用いて行な
われる。すなわち、巡回動作と同様の通信態様によって
行なわれる。
【0410】ロボット90が着陸地点直上に来たら、電
磁石915を動作させ、ロボット90をベースステーシ
ョンに吸着する。その後、継続して動作させる必要がな
ければ、ベースステーション91はロボット90に対し
動作終了を指示する。これによりロボット90は羽ばた
き動作、通信動作、センシングを終了させる。
【0411】なお、通信形態は1系であり、ロボット9
0のセンサ情報によりベースステーションがロボット9
0の行動指示を行なうのであればここで挙げたものに限
られない。
【0412】また、実施の形態では、センサは連続して
動作するものとしたが、ベースステーション91により
センサ情報要求信号を受信したときのみセンサを動作さ
せるといったように、センサの動作を、ベースステーシ
ョン91からの指示により間欠的に行なう手法も可能で
ある。
【0413】(機能分担)本実施の形態におけるロボッ
ト90における制御装置4と、ベースステーション91
における情報処理の機能分担について以下に示す。
【0414】ロボット90とベースステーション91は
通信路を通じて情報交換可能なので、各々の機能分担を
さまざまな形が可能である。たとえば、上記実施の形態
のごとく、ベースステーション91の機能をすべてロボ
ット90に収め、ベースステーション91を廃した、い
わゆる、スタンドアロンタイプも可能である。しかし、
ロボット90に過剰な質量を搭載すると浮上が困難にな
る。
【0415】また、ロボット90が軽量である方が機敏
な動きが可能になり、システム動作効率を上げることが
できる。つまり、一般に、情報処理の大部分はベースス
テーション91にて行ない、ロボット90を軽量に設計
することが望ましい。特に、作業空間92におけるマッ
プデータはその作業空間の大きさ、障害物の多さに依存
して大きくなる。
【0416】このため、ロボット90の搭載重量の増加
に繋がらないメモリ912が用意されていることが望ま
しい。先の項で示した、赤外線放射源の位置特定など
も、ベースステーション91における演算装置911に
て行なえば、ロボット90における制御装置4には簡素
なデバイスを用いることができるため、軽量化が可能で
ある。
【0417】上述の議論に加え、ロボット90における
制御装置4と、ベースステーション91における情報処
理の機能分担については、通信速度の向上が重量増加に
繋がる点を考慮する必要がある。
【0418】たとえば、電波を用いた通信の場合、通信
速度が高速になると、キャリアとしてのエネルギの高
い、高周波数の電波を用いなくてはならないため消費電
力が大きくなる。このため、電源6の重量増加に繋が
る。また、補償回路などを用いて信号品質を向上させな
くてはならず、構成要素が増えるため、通信機能の重量
増加に繋がる。総合的にはこれらのトレードオフを考慮
して、実際の機能分担をデザインする必要がある。
【0419】たとえば、羽ばたきの細部、すなわち、羽
根の角度α、β、θをもベースステーション91が指示
する場合を考えると、一般に羽ばたき以降の周波数は数
10Hz以上であるため、α、β、θの制御周波数帯域
はkHzオーダである。この場合、α、β、θのデータ
がそれぞれ8ビットであるとして、各々1kHzで制御
するには、単一の通信路で8(bit)×1(kHz)
×3×2(アクチュエータの個数)=48(kbps)
の通信速度が必要である。これは送信のみの速度であ
り、実際には受信のための帯域も必要となる。これに通
信のオーバーヘッド、また、焦電型赤外線センサ53な
どのセンサからのデータも加わるため、100kbps
程度の通信速度を持った通信方法が必要となる。
【0420】ところで、ロボット90における前進や後
退、左右への旋回といった基本的な動作については、各
々の動作に対応した一定のパターンの羽ばたき方を用意
することができる。よってこれら基本動作とそれをもた
らす羽ばたき方のパターンをロボット90に内包してお
き、ベースステーション91が予定経路にふさわしい基
本動作を算出し、ロボット90に指示し、ロボット90
は指示された基本動作から内包された羽ばたき方のパタ
ーンを選択するなどの手法を用いても、ロボット90に
所望の経路を飛行させることができる。
【0421】このように、ロボット90は羽ばたき方そ
のものの制御に代表される高い周波数帯域の制御、ベー
スステーション91は経路制御に代表される低い周波数
帯域での制御を受け持つ形態が、制御装置の演算量の軽
減、通信経路のトラフィックス軽減の観点から望まし
い。なお、これらの基本動作とそれをもたらす羽ばたき
方のパターンは、テーブルとして制御装置4に用意して
おくのが、処理速度、制御装置4における演算量の低減
の観点から望ましい。
【0422】当然、特に制御装置4に代表される演算装
置の演算能力や通信速度は今後大きく向上することが期
待されるので、ここで記したロボット90とベースステ
ーション91における情報処理の態様は、現状をもとに
基本となる考えを例示したものであり、具体的な機能分
担については、今後ここに記した限りではない。
【0423】(高度制御)本実施の形態においては、高
度制御により容易に異なる階への移動が行なえる。すな
わち、マップデータに高さ情報を含めれば、従来の床面
移動ロボット制御手法に、高さ方向の制御を加えるだけ
で、巡回経路の高さ変更を行なうことが可能である。す
なわち、階段のマップデータに従って、たとえば、階段
における鉛直下方面よりほぼ一定の鉛直方向距離を保つ
などのアルゴリズムによって高さを変更しながら浮上移
動することで、階段の上り下りが容易に実現できる。
【0424】当然、先に示した異なる階の移動に階段を
用いるのは、異なる階を移動する手法の一例であり、こ
れに限らない。たとえば、通風口や吹きぬけなどを用い
ることも可能である。
【0425】(複数の巡回について)本実施の形態にお
いては、単一の巡回のみを例示したが、巡回の態様につ
いては当然これに限らない。本実施の形態に例示したよ
うな巡回行動を繰返し行なうことも可能である。
【0426】また、このような巡回方法で新たに巡回を
行なうことも可能である。また、本実施の形態において
は巡回終了後、ベースステーションに帰還する行動形式
を例として示したが、これは一例であり、この限りでは
ない。たとえば、作業空間92に複数のベースステーシ
ョンを配し、この間を巡回していく手法も可能である。
【0427】(エネルギ補充機構について)当然、電源
6の充電方法や形態は、軽量稼働継続使用を両立させる
ために一般的に用いられるエネルギ補充の一形態を例示
したのみで、電源として機能を満たすものであれば電源
6とその充電機構の態様はここに例示した限りではな
い。
【0428】たとえば、羽根に金属薄膜スパッタリング
によってコイルを構成し、外部から電波を与え、これを
そのコイルで電力に変換、整流して電源6を充電する方
法も可能である。
【0429】また、たとえば、ベースステーション91
以外に充電のみを目的とする充電ステーションが存在
し、そこで充電を行なうことも可能である。
【0430】また、電力以外のエネルギを用いる場合、
これに適したエネルギ補充方法が必要となる。もちろ
ん、電極61と充電孔914の形状は本実施の形態に示
したものとは限らない。また、本実施の形態に示したよ
うに位置決めの役割を兼用していることは必須ではな
い。
【0431】(通信について)本実施の形態において
は、ベースステーション91は常にロボット90の情報
を得てこれを制御するものとしたが、ロボット90に自
立的動作が可能である場合など、常にベースステーショ
ン91がロボット90を制御することは必ずしも必要で
はない。
【0432】また、メモリ42に情報を一時的に保存し
ておくことで、ベースステーション91とロボット90
の通信の頻度を下げることができる。これは後述するロ
ボットやベースステーションが複数存在する場合など、
通信路のトラフィック低減が求められる場合などに有効
である。
【0433】ロボット90とベースステーション91と
のコネクションは、途絶する可能性を前提として設計す
ることが望ましい。ここで、ロボット90に通信路が途
絶した場合の行動形式を予め組込んでおけば、コネクシ
ョンが再開された際通信途絶に起因する悪影響を最小限
に抑えることができる。
【0434】一例として通信路が途絶した場合、ロボッ
ト90はホバリングを行なうことで浮上状態を一定に保
つ機能を備えておけば、ホバリングせずに移動し続ける
場合に比べて障害物に衝突する可能性が小さくなる。
【0435】また、メモリ42にある程度先の動作モデ
ルをバッファリングしておくことで、通信路が途絶した
場合でもロボット90が飛行を続けることができ、逆
に、メモリ42にセンサの検出した情報をバッファリン
グしておき、通信路が回復した際にこれをベースステー
ション91がやることで、通信路が途絶している間のセ
ンサ情報をベースステーションが得ることができる。
【0436】また、逆にこういったバッファリングを用
いることで、障害物が多く電波がさえぎられやすい環境
においてもより微弱な電波で群ロボットシステムの機能
を達成することができるため、省電力化が可能であり、
電源6の軽量化に繋がるため、ロボット90の機動性を
高めることができる。
【0437】(環境変化について)本実施の形態におい
ては説明の簡便のため、作業空間92における環境は変
化しないものとしたが、実際の使用においては環境は変
化する。主要な環境辺かとしての気流の発生と障害物の
変化が挙げられる。なお、これらの環境変化が存在する
場合はその補正手段を用意する必要がある。
【0438】気流については、羽ばたき飛行であっても
一般の航空機と同様の影響を受けるため、この補正は一
般的な航空機の経路計画に用いられる手法がそのまま応
用可能である。
【0439】障害物の変化についても、その対処方法は
従来の遠隔操作ロボットのシステムに採用されている手
法がそのまま適用可能である。たとえば、光センサなど
の障害物検出手段をロボット90に設け、その障害物検
出データベースをベースステーション91に送信し、ベ
ースステーション91はその情報からマップデータを更
新するなどの手法が考えられる。
【0440】(システム構成(台数について))本実施
の形態においては説明の簡便のためベースステーション
は1台としたが、複数のベースステーションによってロ
ボット90を制御することも当然可能である。一例とし
て、ベースステーション91とロボット90の通信可能
範囲よりも作業空間92が広い場合、作業空間92をカ
バーするように複数のベースステーションを設け、ロボ
ット90の制御を空間的に分担する手法が挙げられる。
【0441】また、本実施の形態においては、ベースス
テーション91に、ロボット90の制御機能と離着陸補
助機能とエネルギ補充機能すなわち充電機能を統合した
が、当然これらの機能がベースステーションに統合され
ていることは必須ではない。たとえば、通信可能範囲に
比べ、航続飛行距離、すなわち、外部から駆動エネルギ
を補充することなく飛び続けることができる距離が短い
場合、1台のベースステーションがカバーする通信範囲
内に、他のエネルギ補充ステーションが存在するといっ
た形態が考えられる。
【0442】逆に、ロボット90も単一である必要はな
く、複数のロボットを用いた方が作業空間92の検索効
率を高めることができる。たとえば、本実施の形態に示
す人の探索の目的の場合、作業空間92をロボット90
Aが1回検索するのにかかる時間T1(秒)とすると、
ロボット90Aが検索を開始してからT1/2(秒)後
にロボット90Bに検索を開始させれば作業空間92に
おけるある位置の検索頻度は毎秒2/T1(回)とな
り、2倍の頻度で検索されるため、人を発見する確率が
上がる。また、魚群の回遊をモデルとした群行動を行な
うロボットを用いてもよい。
【0443】また、当然、ベースステーション91の機
能すべてをロボット90に内包でき、かつ、浮上が可能
な重量であるならばスタンドアロンタイプとしてロボッ
ト90単独での使用形態も可能である。逆に、ほとんど
の情報処理をベースステーション91が担い、ロボット
90の制御部はアクチュエータのみである形態も可能で
ある。
【0444】本実施の形態の群ロボットシステムによれ
ば、ロボットは浮力を得て地面を離れて移動することが
できるので、たとえば家具などのさまざまな物体が置か
れ、そしてそのような物体の位置が時間的に変化する屋
内において、そのような障害物を避けて移動することが
できて、各部屋の状態把握などの所定の作業を行なうこ
とができる。また、屋外においては、たとえば、災害地
における障害物や一般のフィールドなどにおける地形な
どに左右されることなく移動することができて情報収集
などの作業を容易に行なうことができる。また、既存作
業空間への導入を安価に、簡便に実現できる。
【0445】本実施の形態の群ロボットシステムによれ
ば、物理量取得手段と通信手段とを有する上記ロボット
と、このロボットと通信によりロボットからの情報を得
る、もしくはロボットを制御することが可能なベースス
テーションとの構成により、ロボットにおける情報処理
を浮上に影響しない構成要素にて行なうことができるた
め、ロボットの起動力を損なうことなく情報処理量を増
やすことができる。
【0446】次に、上記ロボットの別実施の形態を説明
する。 (別実施の形態)別実施の形態に係る羽ばたきセンシン
グロボットを用いた群ロボットシステムについて説明す
る。本実施の形態の群ロボットシステムは、前述の実施
の形態と略同様であるが、羽ばたきセンシングロボット
の構造のみが異なる。すなわち、本実施の形態の羽ばた
きセンシングロボットは、前述の実施の形態の群ロボッ
トシステムにおいて用いられ、ベースステーションと通
信制御の関係は同様の関係で用いられる。また、羽ばた
きセンシングロボットがフェロモンロボットとして用い
られる場合も同様である。さらに、本実施の形態では、
羽ばたきセンシングロボットの羽ばたき飛行に関しての
み説明するが、羽ばたきセンシングロボットには対象物
を検出するためのセンサとして前述の実施の形態と同様
のセンサが設けられており、階層構造においてスペクト
ラム拡散通信を用いて、他の羽ばたきセンシングロボッ
ト、フェロモンロボットまたはベースステーションと通
信可能な通信機構においても前述の実施の形態と同様の
通信機構が設けられている。
【0447】図34(a)および図34(b)は、羽部
として2本の羽軸を有する羽ばたきセンシングロボット
を示す図である。図34(a)では、羽ばたきセンシン
グロボットの前方正面部分が示され、図34(b)で
は、羽ばたきセンシングロボットの前方正面に向かって
左側面部分が示されている。
【0448】なお、図34(a)および図34(b)で
は羽ばたきセンシングロボットの前方正面に向かって左
羽しか示されていないが、実際には、胴体部105の中
心軸を挟んで左右対称に右羽も形成されている。また、
説明を簡単にするため、胴体部105が延びる方向に沿
った軸(胴体軸801)は水平面内にあり、重心を通る
中心軸802は鉛直方向に保たれているとする。
【0449】図34(a)および図34(b)に示すよ
うに、羽ばたきセンシングロボットの胴体部105に
は、前羽軸103および後羽軸104と、その前羽軸1
03と後羽軸104との間を渡すように設けられた羽の
膜106とを有する羽(左羽)が形成されている。
【0450】また、胴体部105には、前羽軸103を
駆動するための回転型アクチュエータ101と後羽軸1
04を駆動するための回転型アクチュエータ102とが
搭載されている。このようなアクチュエータ101、1
02の配置や前羽軸103、後羽軸104および羽の膜
106を含む羽の形状は、飛行の性能が損なわれないな
らばこれに限られるものではない。
【0451】さらに、この羽ばたきセンシングロボット
の場合、羽の断面形状を鉛直上方に凸となるようにして
おけば、水平方向への飛行に際して抗力だけでなく揚力
も発生して、より大きな浮上力が得られることになる。
【0452】また、この羽ばたきセンシングロボットの
重心の位置は、羽ばたきセンシングロボットの安定性を
重視するために羽が周囲の流体により受ける力のアクチ
ュエータに対する作用点の位置よりも下方になるように
設定されている。一方、羽ばたきセンシングロボットの
姿勢を容易に変更する観点からは重心とその作用点を略
一致させておくことが望ましく、この場合には、姿勢制
御に必要な左右の羽が流体から受ける力の差が小さくな
って、羽ばたきセンシングロボットの姿勢変更を容易に
行なうことができる。
【0453】2つの回転型アクチュエータ101、10
2は互いに回転軸800を共有している。この回転軸8
00は胴体軸とは所定の角度(90°−θ)をなしてい
る。前(後)羽軸103、104はアクチュエータ10
1、102を支点として回転軸800と直交する平面内
を往復運動する。この回転軸800と直交する平面と胴
体軸801とのなす角度が仰角θとなる。
【0454】胴体部105としては、機械的強度を確保
するとともに、十分な軽量化を図るために、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)などを円筒状に成形したも
のが望ましいが、このような材料や形状に限定されるも
のではない。
【0455】アクチュエータ101、102としては、
起動トルクが大きいこと、往復運動が簡単に実現できる
こと、構造が単純なことなどから、圧電素子(ピエゾ)
を用いた超音波進行波アクチュエータを用いるのが望ま
しい。これには、回転型アクチュエータとリニア型アク
チュエータとの2つの種類がある。図34(a)および
図34(b)では、回転型アクチュエータが用いられて
いる。
【0456】ここでは、進行波を用いた超音波素子によ
って羽を直接駆動する方法を中心に説明するが、この羽
を駆動するための機構や、それに用いるアクチュエータ
の種類については特に本実施の形態に示したものに限ら
れない。
【0457】回転型アクチュエータとしては、図34
(a),(b)に示された回転型アクチュエータ10
1、102の他に、たとえば、図44に示される回転型
アクチュエータ401を用いてもよい。
【0458】図44に示された羽ばたきセンシングロボ
ットでは、胴体部404に搭載された回転型アクチュエ
ータ401に羽403が取付けられている。羽403は
回転型アクチュエータ401の回転軸402を中心とし
て往復運動をする。
【0459】また、羽を駆動するための機構としては、
特開平5−1695675号公報に記載されているよう
な外骨格構造とリニアアクチュエータを組合わせた機構
を適用して、たとえば図45または図46に示すような
羽ばたきセンシングロボットを構成してもよい。
【0460】図45に示された羽ばたきセンシングロボ
ットでは、リニアアクチュエータ501の一端に、前羽
軸または後羽軸503が接続されている。胴体部504
に装着されたヒンジ502を介してリニアアクチュエー
タ501の運動が前羽軸または後羽軸503に伝えられ
ることで羽ばたき運動が行なわれる。この羽ばたき運動
は、羽を直接筋肉で駆動するトンボの羽ばたき運動にヒ
ントを得たものである。
【0461】図46に示された羽ばたきセンシングロボ
ットでは、胴体部は上面胴体部603と下面胴体部60
4に分けられている。下面胴体部604に固定されたリ
ニアアクチュエータ601の運動が上面胴体部603に
伝えられる。そして、その上面胴体部603の運動がヒ
ンジ602を介して前羽軸または後羽軸603に伝えら
れることで羽ばたき運動が行なわれる。この羽ばたき運
動は、トンボ以外のハチなどが用いている羽ばたき運動
にヒントを得たものである。
【0462】図46に示す羽ばたきセンシングロボット
の場合、1つのアクチュエータ601によって左右の羽
軸603が同時に駆動されるため、左右の羽軸を別々に
駆動することができず、細かな飛行制御を行なうことは
できないが、アクチュエータの数を減らすことができ
て、軽量化および消費電力の低減を図ることが可能であ
る。
【0463】さて、図34(a)および図34(b)に
示された羽ばたきセンシングロボットでは、回転型アク
チュエータ101、102には前羽軸103と後羽軸1
04とがそれぞれ接続されている。前羽軸103と後羽
軸104と間には羽の膜106が張られている。羽の膜
106はその面内において収縮する方向に自発的な張力
を有しており、羽全体の剛性を高める働きをしている。
【0464】軽量化のため前羽軸103と後羽軸104
は中空構造であり、それぞれカーボングラファイトから
形成されている。このため、前羽軸103と後羽軸10
4には弾力性があり、前羽軸103と後羽軸104とは
羽の膜106の張力により変形可能である。
【0465】図47は本羽ばたきセンシングの全体の構
造を示す図である。なお、前方方向(紙面に向かって
上)に向かって左側の羽は省略されている。胴体部70
0には、超音波センサ701、赤外線センサ702、加
速度センサ703および角加速度センサ704が配され
ている。これらのセンサによる検出結果は羽ばたき制御
部705に送られる。
【0466】羽ばたき制御部705では、超音波センサ
701や赤外線センサ702によって検出された結果か
ら羽ばたきセンシングロボットと周囲の障害物や人間と
の距離などが情報が処理される。また、加速度センサ7
03や角加速度センサ704によって検知された結果か
ら、羽ばたきセンシングロボットの浮上状態、目的位置
または姿勢などの情報が処理処理されて、左右のアクチ
ュエータ706および重心制御部707の駆動制御が決
定される。
【0467】なお、ここでは、本羽ばたきセンシングロ
ボットの周囲に存在する障害物を検出する手段として超
音波センサ701および赤外線センサ702を用い、本
羽ばたきセンシングロボットの位置および姿勢を検出す
る手段として加速度センサ703および角加速度センサ
704を用いたが、本羽ばたきセンシングロボットの周
囲環境や位置と姿勢が計測可能なセンサであれば、上記
センサに限られない。
【0468】たとえば、直交する3軸方向の加速度を測
定可能な加速度センサ2つをそれぞれ胴体部700の異
なる位置に配して得られる加速度情報からも、本羽ばた
きセンシングロボットの姿勢を算出することは可能であ
る。また、本羽ばたきセンシングロボットが移動する空
間内に磁場分布を設けておき、磁気センサによってこの
磁場分布を検知することで本羽ばたきセンシングロボッ
トの位置と姿勢を算出することも可能である。
【0469】また、図47では、加速度センサ703お
よび角加速度センサ704をはじめとするセンサ類は、
羽ばたき制御部705とは別部品として示されている
が、軽量化の観点から、たとえばマイクロマシニング技
術により羽ばたき制御部705と一体で同一基板上に形
成してもよい。
【0470】また、本羽ばたきセンシングロボットでは
羽の駆動をオープンループ制御としているが、羽の付け
根に羽の角度センサを設け、この角度センサから得られ
る角度情報によりクローズドループ制御を行なうことも
可能である。
【0471】なお、浮上する空間における流体の流れが
既知であり、予め定められた羽ばたき方法によって浮上
することが可能ならば、ここに挙げたセンサ類は必須で
はない。
【0472】羽ばたき制御部705はメモリ部708と
接続されており、羽ばたき制御に必要な既存のデータを
メモリ部708から読出すことができる。また、各セン
サ701〜704によって得られた情報をメモリ部70
8に送込み、必要に応じてメモリ部708の情報を書換
えることもでき、羽ばたきセンシングロボットとして学
習機能を持たせることができる。
【0473】なお、各センサ701〜704によって得
られた情報をメモリ部708に蓄積するだけであれば、
羽ばたき制御部705を介さずにメモリ部708と各セ
ンサ701〜704とが直接接続されていてもよい。ま
た、羽ばたき制御部705は通信制御部709と接続さ
れて、通信制御部709とデータの入出力を行なうこと
ができる。通信制御部709は、アンテナ部710を介
して外部の装置(他の羽ばたきセンシングロボットやベ
ースステーションなど)とのデータの送受信を行なう。
【0474】このような通信機能により、羽ばたきセン
シングロボットが取得してメモリ部708に蓄えられた
データを速やかに外部の装置に転送することができる。
また、羽ばたきセンシングロボットでは入手できない情
報を外部の装置から受取り、そのような情報をメモリ部
708に蓄積することで、羽ばたきの制御に利用するこ
ともできる。たとえば、大きなマップ情報のすべてを羽
ばたきセンシングロボットに記憶さなくても、随時、必
要な範囲のマップ情報をベースステーションなどから入
手することなどが可能となる。
【0475】なお、図47では、アンテナ部710は胴
体部700の端から突き出た棒状のものとして示されて
いるが、アンテナの機能を有するものであれば、形状、
配置などこれに限られない。たとえば、前羽軸712や
後羽軸713を利用して、羽の上にループ状のアンテナ
を形成してもよい。また、胴体部700にアンテナを内
蔵した形態でも、あるいは、アンテナと通信制御部70
9とを一体化させた形態でもよい。
【0476】超音波センサ701、赤外線センサ70
2、加速度センサ703、角加速度センサ704、羽ば
たき制御部705、左右のアクチュエータ706、重心
制御部707、メモリ部708、通信制御部709およ
びアンテナ部710などは、電源部711により供給さ
れる電流によって駆動される。
【0477】ここでは、駆動エネルギーとして電力を用
いたが、内燃機関を用いることも可能である。また、昆
虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応を用い
たアクチュエータを用いることも可能である。あるい
は、アクチュエータの駆動エネルギーを外部から取得す
る方法も採用できる。たとえば、電力については熱電素
子、電磁波などが挙げられる。
【0478】(浮上方法)説明の簡便のため、本羽ばた
きセンシングロボットに作用する外力は、羽が流体から
受ける流体力と羽ばたきセンシングロボットに作用する
重力(羽ばたきセンシングロボットの質量と重力加速度
との積)のみであるとする。本羽ばたきセンシングロボ
ットが恒常的に浮上するためには1回の羽ばたき動作の
間の時間平均において、次の関係、 (羽に作用する鉛直上方向の流体力)>(本羽ばたきセ
ンシングロボットに作用する重力) を満たすことが必要とされる。1回の羽ばたき動作と
は、羽を打ち下ろし次に羽を打ち上げる動作をいう。
【0479】さらに、鉛直上向きの流体力を卓越させて
上昇させるためには、 (打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流
体力)>(打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向
きの流体力) となる必要がある。
【0480】ここでは、昆虫の羽ばたき方を単純化した
羽ばたき方法により、打ち下ろし動作において羽に作用
する鉛直上向きの流体力(以下「打ち下ろし時の流体
力」と記す。)を、打ち上げ動作において羽に作用する
鉛直下向きの流体力(以下「打ち上げ時の流体力」と記
す。)より大きくする方法について説明する。
【0481】説明の簡便のため、流体の挙動もしくは流
体が羽に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説
明する。また、この羽ばたき方法により得られる浮上力
と、本羽ばたきセンシングロボットに作用する重力(以
下「重量」と記す。)の大小については後述する。
【0482】打ち下ろし時の流体力を打ち上げ時の流体
力よりも大きくするためには、打ち下ろし時に羽の膜1
06が移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろ
せばよい。そのためには、羽の膜106を水平面と略平
行に打ち下ろせばよく、これにより、ほぼ最大の流体力
を得ることができる。
【0483】反対に、打ち上げ時には羽の膜106が移
動する空間の体積が最小になるように打ち上げればよ
い。そのためには、羽の膜106を水平面に対して略直
角に近い角度で打ち上げればよく、これにより、羽に及
ぼされる流体力はほぼ最小となる。
【0484】そこで、回転型アクチュエータ101、1
02により回転軸800の周りに両羽軸103、104
を往復運動させる際に、各羽軸103、104が水平面
と略一致する位置を中心として上方と下方とにそれぞれ
角度γだけ往復運動させるとする。さらに、図35に示
すように、前羽軸103の往復運動に対して後羽軸10
4の往復運動を適当な位相φだけ遅れさせる。
【0485】これにより、図36〜図43(ここではφ
=20°として描いた)に示す一連の羽の往復運動のう
ち、図36〜図39に示された打ち下ろし時において
は、より高い位置にある回転型アクチュエータ301の
前羽軸303が先に打ち下ろされるため、前羽軸303
および後羽軸304の先端と羽の膜306が水平に近づ
く。
【0486】一方、図40〜図43に示された打ち上げ
時においては、両羽軸103、104の先端の高さの差
が拡大されて、羽の膜306も垂直に近づく。この結
果、前羽軸303と後羽軸304に張られた羽の膜10
6が流体を押し下げ、あるいは、押し上げる量に差異が
生じ、この羽ばたきセンシングロボットの場合には、打
ち下ろし時の流体力の方が打ち上げ時の流体力よりも大
きくなって浮上力が得られることになる。
【0487】この浮上力のベクトルは、位相差φを変化
させることにより前後に傾く。前方に傾けば推進運動、
後方に傾けば後退運動、真上に向けば停空飛翔(ホバリ
ング)状態となる。なお、実際の飛行では、位相差φ以
外にも、羽ばたき周波数fや羽ばたき角γを制御するこ
とが可能である。また、この羽ばたきセンシングロボッ
トでは、羽ばたき仰角θを固定しているが、これを変化
させる機能を追加して、自由度を増やしても構わない。
【0488】(羽ばたき制御)実際の羽ばたき制御につ
いてさらに詳細に説明する。上述した羽ばたきセンシン
グロボットでは、打ち下ろし動作または打ち上げ動作の
際に、羽の先端部がなす捻り角αは、羽の長さ(羽の膜
の前羽軸および後羽軸に沿った長さ)をl、羽の幅(前
羽軸と後羽軸の間隔)をw、羽ばたき角をγ、羽ばたき
運動の位相をτ(最も打ち上げた瞬間を0°、最も打ち
下ろした瞬間を180°とする)、前羽軸と後羽軸の位
相差をφとすれば(図36、37、38を参照)、およ
そ以下の式で表わされる。
【0489】tanα=(w/l)・〔sin(γ・c
osτ)−sin{γ・cos(τ+φ)}〕 実際には、前羽軸や後羽軸には弾性があり変形可能であ
るので、この捻り角αは多少違った値をとる。また、羽
軸の根元ほどこの角度は小さい。しかし、以下の議論で
は簡便のため、上の式のαを用いて説明する。
【0490】捻りを加えていない羽に作用する流体力の
鉛直方向成分Fは、流体の密度をρ、羽ばたき角度を
γ、羽ばたき周波数をfとして、およそ F=(4/3)・π2ρwγ223・sin2τ・co
s(γ・cosτ) となる。なお、羽に作用する流体力の水平方向成分は、
左右の羽が同じ運動をすれば互いに打ち消し合うことに
なる。
【0491】羽に捻り角αをもたせると、上記成分Fの
羽ばたき運動平面に垂直な成分Lと、水平な成分Dはそ
れぞれ次のようになる。
【0492】 L=F・cosα・sinα D=F・cos2α これに、羽ばたき仰角θを考慮すると、重量と釣り合う
べき鉛直方向の成分Aと、前後運動の推力となる水平方
向成分Jは、打ち下ろし時では、 A↓=−L・cosθ+D・sinθ J↓=−L・sinθ−D・cosθ 打ち上げ時では、 A↑=L・cosθ−D・sinθ J↑=L・sinθ+D・cosθ となる。実際の浮力や推進力は、羽ばたき運動の1周期
分を積分したものとなる。
【0493】以上より、この飛行制御の一例として、羽
ばたきセンシングロボットの羽の長さl=4cm、羽の
幅w=1cm、羽ばたき仰角θ=30°、羽ばたき角γ
=60°、羽ばたき周波数f=50Hz、打ち下ろし時
の位相差φ↓=4°、打ち上げ時の位相差φ↑=16°
とした場合における鉛直方向成分Aと水平方向成分Bの
時間変化を各角度の時間変化とともに図48に示す。
【0494】横軸は1周期分の時間が位相τとして表わ
されている。前半が打ち下ろし、後半が打ち上げを示し
ている。各グラフの曲線は前羽軸の羽ばたき角γf、後
羽軸の羽ばたき角γb、水平面からの羽の捻り角(α+
θ)、流体力の鉛直方向成分Aおよび水平方向成分Jの
時間変化をそれぞれ示している。
【0495】この例では、単位時間当りの流体力の鉛直
方向成分Aにおいては打ち下ろし時の方が打ち上げ時よ
りも大きいため、1周期の平均で約500dynの鉛直
上向きの流体力が1枚の羽で得られる。したがって、2
枚の羽では羽ばたきセンシングロボットの重量が約1g
以下であれば浮上することができることになる。また、
単位時間当りの流体力の水平方向成分Jは、1周期の間
にほぼ打ち消されるため、重量1g程度の羽ばたきセン
シングロボットであればホバリング可能となる。
【0496】ここで、打ち下ろし時の位相差φ↓を大き
く、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を小さくすれ
ば、前進することができる。このとき、水平に前進させ
るためには、周波数fを少し小さくするのが望ましい。
逆に、打ち下ろし時の位相差φ↓を小さくし、もしく
は、打ち上げ時の位相差φ↑を大きくすれば後退するこ
とができる。このとき、水平に後退させるためには、周
波数fを少し大きくすることが望ましい。
【0497】この羽ばたきセンシングロボットでは、た
とえば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま
打ち下ろし時の位相差φ↓を7°と大きくするか、打ち
下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま打ち上げ時の
位相差φ↑を11°と小さくし、そして、羽ばたき周波
数f=48Hzに下げることで、最初の1秒間におよそ
1mの速度で水平に前進することができる。
【0498】また、たとえば、打ち上げ時の位相差φ↑
を16°に保ったまま打ち下ろし時の位相差φ↓を1°
と小さくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保
ったまま打ち上げ時の位相差φ↑を24°と大きくし、
そして、羽ばたき周波数f=54Hzに上げることで、
最初の1秒間におよそ1mの速度で水平に後退すること
ができる。
【0499】ホバリング状態のまま、羽ばたきセンシン
グを上昇または下降させるためには、周波数fを上げる
かまたは下げるかすればよい。水平飛行中でも、上昇と
下降については、主に周波数fによって制御が可能であ
る。周波数fを上げることで羽ばたきセンシングロボッ
トは上昇し、周波数を下げることで羽ばたきセンシング
ロボットは下降する。
【0500】この例では、打ち上げ動作中もしくは打ち
下ろし動作中にも、羽の捻り角αをゆっくり変化させて
いるが、これは、アクチュエータへの負荷を減らすため
である。浮力を得るための羽ばたき運動としては、打ち
上げ動作中や打ち下ろし動作中は羽の捻り角αを一定の
値に設定して、打ち下ろし動作から打ち上げ動作、もし
くは、打ち上げ動作から打ち下ろし動作への変化点にお
いて捻り角αを急激に変化させるようにしてもよい。
【0501】羽ばたき仰角θ=0°とした場合の鉛直方
向成分Aと水平方向成分Bの時間変化を各角度の時間変
化とともに図49に示す。この場合は、ハチドリのホバ
リングにヒントを得た羽ばたき運動である。なお、左右
への舵取りは、左右の羽の羽ばたき運動を別々に制御で
きる場合、それぞれの羽による推力に差を持たせればよ
い。
【0502】たとえば、前方へ飛行中に右方向へ旋回す
るには、右羽の羽ばたき角γを左羽よりも小さくする、
または、右羽の前羽軸と後羽軸の位相差を、左羽より大
きくする、あるいは、羽ばたき仰角θが制御できるよう
な場合には、右羽のθを左羽よりも小さくするといった
制御を行なう。これにより、右羽の推進力が左羽の推進
力に比べて相対的に下がり右に旋回することができる。
羽ばたきセンシングロボットを左へ旋回させる場合に
は、その逆の制御を行なえばよい。
【0503】一方、図46に示された羽ばたきセンシン
グロボットのように、左右の羽を別々に制御することが
できないような場合には、図47に示された羽ばたきセ
ンシングロボットに搭載されているような重心制御部7
07をこの羽ばたきセンシングロボットに搭載して、羽
ばたきセンシングロボットの重心を左右にずらすことで
左右への旋回を行なうことができる。
【0504】たとえば、重心を右にずらして右羽を下方
へ左羽を上方へ傾け、そして、周波数fを大きくするこ
とで、羽ばたきセンシングロボットを右へ旋回させるこ
とができる。重心を左にずらして、同様に、周波数fを
大きくすることで、羽ばたきセンシングロボットを左に
旋回させることができる。なお、この方法は2つの羽を
別々に制御することができる場合にも適用することがで
きる。また、いずれの羽ばたきセンシングロボットにお
いても、姿勢の安定を保つために、左右のそれぞれの羽
ばたきの周波数fを同じ値に設定しておくことが望まし
い。
【0505】なお、上記2つの実施の形態のおいては、
センシングロボットに羽ばたきセンシングロボットを用
いた群ロボットシステムを説明したが、リモートコント
ロール可能なヘリコブター、2脚歩行する人型ロボッ
ト、魚型のロボットを用いた魚群ロボットなど、ベース
ステーションにより群ロボットシステムとして、動作、
対象物の検出、および通信等の制御が行なえるものであ
れば他のロボットであってもよい。
【0506】最後に、本実施の形態の群ロボットシステ
ムに用いられる羽ばたきセンシングロボット(または羽
ばたきフェロモンロボット)の構成およびその効果をま
とめて記載しておく。
【0507】本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トは、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と駆動
部と胴体部とを含む浮上本体部を備えている。駆動部
は、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろ
し動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打
ち上げ動作とを行なう。胴体部には羽部が取付けられ、
駆動部が搭載される。そして、一連の打ち下ろし動作お
よび打ち上げ動作の間の時間平均では、羽部が流体から
受ける力のうち鉛直上向きの力が浮上本体部に作用する
重力よりも大きくなる。
【0508】この構造によれば、羽部の羽ばたき動作に
おいて打ち下ろし動作および打ち上げ動作の間の時間平
均では、羽部が流体から受ける力のうち鉛直上向きの力
が浮上本体部に作用する重力よりも大きくなることで、
浮上本体部に浮力が与えられることになる。その結果、
浮上本体部は地面に接することなく移動することができ
る。
【0509】浮上本体部に浮力を与えるためには、打ち
下ろしの動作の際に羽部が移動する空間の体積は打ち上
げの動作の際に羽部が移動する空間の体積よりも大きい
ことが望ましく、たとえば、浮力と浮上本体部に作用す
る重力とを釣り合わせることで地面から離れた状態で空
間に留まる停空飛翔(ホバリング)も可能になる。
【0510】このような浮上本体部は、屋内において所
定の作業を行なうための移動手段として用いられるこ
と、または、屋外において所定の作業を行なうための移
動手段として用いられることが望ましい。
【0511】浮上本体部は浮力を得て地面を離れて移動
することができるので、たとえば家具等のさまざまな物
体が置かれ、そして、そのような物体の位置が時間的に
変化する屋内において、そのような障害物を避けて移動
することができて各部屋の状況把握等の所定の作業を容
易に行なうことができる。また、屋外においては、たと
えば災害地における障害物や一般のフィールドなどにお
ける地形等に左右されることなくに移動することができ
て、情報収集等の所定の作業を容易に行なうことができ
る。
【0512】具体的に、羽部は羽本体部と羽本体部を支
持する羽軸部とを有し、駆動部は、羽軸部を駆動させる
ことにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面との
なす捻り角を変化させることが望ましい。
【0513】これにより、羽部が流体から浮ける流体力
の大きさや向きが変化して、浮上本体部を上昇、下降、
前進または後退させることができる。
【0514】また、打ち下ろしの動作の際に羽部が移動
する空間の体積を打ち上げの動作の際に羽部が移動する
空間の体積よりも大きくするために、駆動部は打ち下ろ
し動作における捻り角と打ち上げ動作における捻り角と
を異ならせる必要がある。
【0515】さらに、駆動部は捻り角を時間的に変化さ
せることが望ましい。この場合には、羽部の姿勢を滑ら
かに変化させることができて、羽部に急激に流体力が作
用するのを抑制することができる。
【0516】また、羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸
部とを含み、羽本体部は一方側羽軸部と他方側羽軸部と
の間を渡すように形成された膜部を含み、駆動部は一方
側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させることが望
ましい。
【0517】この場合、一方側羽軸部と他方側羽軸部と
を個々に駆動させることで、捻り角を容易に変えること
ができる。
【0518】そして、羽軸部は駆動部を支点として仮想
の一平面上を往復運動し、胴体部は一方向に向かって延
び、胴体部が延びる方向と仮想の一平面とがなす仰角が
変えられることが望ましい。
【0519】この場合には、羽ばたき運動の自由度が増
えて、より複雑な羽ばたき運動を実現することができ
る。また、この仰角をより大きくし捻り角を制御するこ
とで、より高速な飛行を行なうことができる。さらに、
この仰角を実質的に0°にすることで、機動性に優れハ
チドリのようなホバリングを行なうことができる。
【0520】また具体的に、羽部は主軸部とその主軸部
から主軸部が延びる方向と略直交する方向に形成された
羽本体部とを有し、駆動部は主軸部を駆動させることに
より羽本体部に接する仮想の一平面と主軸部を含む仮想
の所定の基準面とのなす捻り角を変化させることが望ま
しい。
【0521】これにより、羽部が流体から浮ける流体力
の大きさや向きが変化して、浮上本体部を上昇、下降、
前進または後退させることができる。
【0522】このような主軸部にて羽部の姿勢を変える
ためには、駆動部は少なくとも3自由度を有するアクチ
ュエータを含んでいることが望ましい。
【0523】また、羽部は胴体部の略中心を挟んで一方
側と他方側とにそれぞれ形成され、駆動部は一方側に形
成された羽部と他方側に形成された羽部とを個々に駆動
させることが望ましい。
【0524】この場合には、一方側に形成された羽部と
他方側に形成された羽部の姿勢を個々に変化させること
ができて、容易に浮上本体部の向きを変えることができ
る。
【0525】さらに、周囲の状況を把握するためのセン
サ部、情報を記憶するためのメモリ部、あるいは、情報
を送受信するための通信部を備えていることが望まし
い。
【0526】センサ部を備えることで、浮上本体部の位
置や姿勢、速度、周囲の障害物の位置や移動速度、温度
や明るさなどの環境情報を入手し、より適切な羽ばたき
制御を行なうことができる。また、メモリ部を備えるこ
とで、得られた環境情報を蓄積することができて、浮上
本体部に学習機能をもたせることができる。さらに、通
信部を備えていることで、複数の浮上本体部とベースス
テーションとの間で情報のやり取りを行なうことがで
き、取得した情報を交換することで複数の浮上本体部間
で協調行動などを容易に行なうことができる。
【0527】なお、今回開示された実施の形態はすべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許
請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意
味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図
される。
【0528】
【発明の効果】本発明の第1〜第5の局面の群ロボット
システムならびにそれに用いられるセンシングロボット
およびベースステーションによれば、対象物の探索を効
率的に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の群ロボットシステムを示す図
である。
【図2】 本実施の形態の群ロボットシステムの羽ばた
きセンシングロボットの羽ばたき周波数と位置の関係を
示す図である。
【図3】 本実施の形態の群ロボットシステムの羽ばた
きセンシングロボットの分解能の大小と位置の関係を示
す図である。
【図4】 本実施の形態の群ロボットシステムの羽ばた
きセンシングロボットの目的物検出前後のセンシング分
解能の時間変化と位置の関係を示す図である。
【図5】 本実施の形態の群ロボットシステムの羽ばた
きセンシングロボットの目的物検出前後の選択されるセ
ンサの変化と通信の階層構造の関係を示す図である。
【図6】 本実施の形態の群ロボットシステムの羽ばた
きセンシングロボットの目的物検出前後の選択されるセ
ンサの変化と通信の階層構造の関係を示す図である。
【図7】 本実施の形態の群ロボットシステムの通信体
系が階層構造となっていることを説明するための図であ
る。
【図8】 本実施の形態の群ロボットシステムの通信体
系がツリー構造となっていることを説明するための図で
ある。
【図9】 本実施の形態の群ロボットシステムの羽ばた
きセンシングロボットの制御信号のフローを示す図であ
る。
【図10】 本実施の形態の群ロボットシステムのスペ
クトラム拡散通信における制御信号の遅延プロファイル
を示す図である。
【図11】 本実施の形態の群ロボットシステムのスペ
クトラム拡散通信における拡散符号を示す図である。
【図12】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トとベースステーションとの通信の関係を示す概略の一
例を説明するための図である。
【図13】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの構造を示す正面図である。
【図14】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽根を示す拡大斜視図である。
【図15】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽根のストローク角θと偏角αを示す図である。
【図16】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽根のねじり角βを示す図である。
【図17】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたきに用いるアクチュエータのステータ部分を
解説するための図である。
【図18】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたきに用いるステータを用いて構成したアクチ
ュエータを解説するための図である。
【図19】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における打下ろし動作を示す図であ
る。
【図20】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における打上げ動作を示す図である。
【図21】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における第1の状態を示す図である。
【図22】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における第2の状態を示す図である。
【図23】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における第3の状態を示す図である。
【図24】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における第4の状態を示す図である。
【図25】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における羽根の駆動の時間依存を示す
第1のグラフである。
【図26】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽ばたき動作における羽根の駆動の時間依存を示す
第2のグラフである。
【図27】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの羽根を駆動する際のアクチュエータのトルクと始点
反力とのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図28】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トを制御するベースステーションの構成を示す概念図で
ある。
【図29】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トとベースステーションとの関連を示す説明図である。
【図30】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トのシステムの動作の一例を示すフローチャートであ
る。
【図31】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの離陸過程における情報処理を表わす説明図である。
【図32】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの巡回過程における情報処理を表わす説明図である。
【図33】 本実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの着陸過程における情報処理を示す説明図である。
【図34】 別実施の形態に係る羽ばたきセンシングロ
ボットを示す図であり、(a)はその部分正面図であ
り、(b)はその部分側面図である。
【図35】 別実施の形態において、羽ばたき運動と羽
ばたき運動の位相との関係を示すグラフである。
【図36】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第1の状態を示す図
である。
【図37】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第2の状態を示す図
である。
【図38】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第3の状態を示す図
である。
【図39】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第4の状態を示す図
である。
【図40】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第5の状態を示す図
である。
【図41】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第6の状態を示す図
である。
【図42】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第7の状態を示す図
である。
【図43】 別実施の形態において、羽ばたきセンシン
グロボットにおける羽ばたき動作の第8の状態を示す図
である。
【図44】 別実施の形態において、一変形例に係る羽
ばたきセンシングロボットを示す正面模式図である。
【図45】 別実施の形態において、他の変形例に係る
羽ばたきセンシングロボットを示す正面模式図である。
【図46】 別実施の形態において、さらに他の変形例
に係る羽ばたきセンシングロボットを示す正面模式図で
ある。
【図47】 別実施の形態の羽ばたきセンシングロボッ
トの構造を示す平面模式図である。
【図48】 別実施の形態において、羽に作用する力お
よび各角度のそれぞれの羽ばたき運動の位相に対する変
化を示す第1のグラフである。
【図49】 別実施の形態において、羽に作用する力お
よび各角度のそれぞれの羽ばたき運動の位相に対する変
化を示す第2のグラフである。
【図50】 羽ばたき浮上制御の制御関数を説明するた
めの説明図である。
【図51】 左羽の羽ばたかせ方の変化と、それに伴っ
て起きる浮上状態の変化とを対応づけた対応表を示す図
である。
【図52】 羽ばたき浮上の基本動作を実現するための
羽ばたかせ方のパターンを示した対応表を示す図であ
る。
【図53】 従来の、複数のセンサを有し、そのセンサ
の情報処理機構が階層型である環境認識システムを示す
図である。
【符号の説明】
90 羽ばたきセンシングロボット、100 群ロボッ
トシステム、101ベースステーション、102,10
3,104 羽ばたきセンシングロボット群、105
フェロモンロボット群。
フロントページの続き (72)発明者 太田 佳似 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 3C007 AS14 AS32 CS08 JS02 JS07 KS10 KS23 KS24 KT01 KV11 KV18 KX02 WA05 WA26 WB16 WC16 5H301 AA03 AA10 BB10 BB14 BB20 CC04 CC07 DD05 DD15 GG03 GG06 GG09

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の探索に用いられる複数のセンシ
    ングロボットと、 該複数のセンシングロボットを制御するためのベースス
    テーションとを備えた群ロボットシステムであって、 前記複数のセンシングロボットは、前記ベースステーシ
    ョンからの距離に応じて、前記対象物の探索に関する態
    様が異なるように制御される、群ロボットシステム。
  2. 【請求項2】 前記対象物の探索に関する態様は、該複
    数のセンシングロボットそれぞれのセンシング分解能で
    ある、請求項1に記載の群ロボットシステム。
  3. 【請求項3】 前記複数のセンシングロボットは、前記
    ベースステーションからの距離に応じた複数のグループ
    からなり、 前記複数のセンシングロボットのセンシング分解能は、
    前記ベースステーションに遠い側の前記グループのセン
    シングロボットよりも前記ベースステーションに近い側
    の前記グループのセンシングロボットの方が、高い分解
    能になるように制御される、請求項2に記載の群ロボッ
    トシステム。
  4. 【請求項4】 前記複数のセンシングロボットのセンシ
    ング分解能は、前記ベースステーションに遠い側の前記
    センシングロボットよりも前記ベースステーションに近
    い側の前記センシングロボットの方が、高い分解能とな
    るように制御される、請求項2に記載の群ロボットシス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記対象物の探索に関する態様は、前記
    複数のセンシングロボットそれぞれの移動速度である、
    請求項1に記載の群ロボットシステム。
  6. 【請求項6】 前記複数のセンシングロボットは、前記
    ベースステーションからの距離に応じた複数のグループ
    からなり、 前記複数のセンシングロボットの移動速度は、前記ベー
    スステーションに遠い側の前記グループの前記センシン
    グロボットよりも前記ベースステーションに近い側の前
    記グループの前記センシングロボットの方が低速になる
    ように制御される、請求項5に記載の群ロボットシステ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記複数のセンシングロボットの移動速
    度は、前記ベースステーションに遠い側の前記センシン
    グロボットよりも前記ベースステーションに近い側の前
    記センシングロボットの方が低速になるように制御され
    る、請求項5に記載の群ロボットシステム。
  8. 【請求項8】 前記センシングロボットは、羽ばたき運
    動により羽ばたき飛行可能な羽ばたきセンシングロボッ
    トであり、 前記対象物の探索に関する態様は、前記複数の羽ばたき
    センシングロボットの羽ばたき運動の周波数である、請
    求項1に記載の群ロボットシステム。
  9. 【請求項9】 前記複数の羽ばたきセンシングロボット
    は、前記ベースステーションからの距離に応じた複数の
    グループからなり、 前記複数の羽ばたきセンシングロボットの羽ばたき運動
    の周波数は、前記ベースステーションに遠い側の前記グ
    ループの前記羽ばたきセンシングロボットよりも前記ベ
    ースステーションに近い側の前記グループの前記羽ばた
    きセンシングロボットの方が小さくなるように制御され
    る、請求項8に記載の群ロボットシステム。
  10. 【請求項10】 前記複数の羽ばたきセンシングロボッ
    トの羽ばたき運動の周波数は、前記ベースステーション
    に遠い側よりも前記ベースステーションに近い側の前記
    羽ばたきセンシングロボットの方が小さくなるように制
    御される、請求項8に記載の群ロボットシステム。
  11. 【請求項11】 ベースステーションにより制御されて
    対象物の探索を行なうセンシングロボットであって、 前記対象物の探索を複数の前記センシングロボットで行
    なう場合に、該複数のセンシングロボットそれぞれの前
    記対象物の探索に関する態様は、前記ベースステーショ
    ンからの距離に応じて異なるように、前記ベースステー
    ションにより制御可能である、センシングロボット。
  12. 【請求項12】 対象物の探索を行なう複数のセンシン
    グロボットを制御するベースステーションであって、 前記複数のセンシングロボットそれぞれの前記対象物の
    探索に関する態様は、前記ベースステーションからの距
    離に応じて異なるように、前記複数のセンシングロボッ
    トを制御可能である、ベースステーション。
  13. 【請求項13】 対象物の探索に用いられる複数のセン
    シングロボットと、 該複数のセンシングロボットを制御するためのベースス
    テーションとを備えた群ロボットシステムであって、 該群ロボットシステムの通信体系が、前記ベースステー
    ションを最上層として、前記複数のセンシングロボット
    同士で複数層を構成する階層構造をなし、 該階層構造において、 前記ベースステーションからは、前記複数のセンシング
    ロボットそれぞれまで前記階層構造の下層側へ順に、前
    記複数のセンシングロボットそれぞれの制御に関する情
    報が伝達され、 前記複数のセンシングロボットそれぞれからは、前記ベ
    ースステーションまで前記階層構造の上層へ順に、前記
    複数のセンシングロボットそれぞれの前記対象物の探索
    に関する情報が伝達され、 前記センシングロボットは、前記階層構造の階層に応じ
    て前記対象物の探索に関する態様が異なるように制御さ
    れる、群ロボットシステム。
  14. 【請求項14】 前記対象物の探索に関する態様は、前
    記センシングロボットのセンシング分解能である、請求
    項13に記載の群ロボットシステム。
  15. 【請求項15】 前記複数のセンシングロボットは、前
    記階層構造の階層に応じた複数のグループからなり、 前記複数のセンシングロボットのセンシング分解能は、
    前記階層構造の下層側の前記グループの前記センシング
    ロボットよりも前記階層構造の上層側の前記グループの
    前記センシングロボットの方が高分解能になるように制
    御される、請求項14に記載の群ロボットシステム。
  16. 【請求項16】 前記複数のセンシングロボットのセン
    シング分解能は、前記階層構造の下層側の前記センシン
    グロボットよりも前記階層構造の上層側の前記センシン
    グロボットの方が高い分解能になるように制御される、
    請求項14に記載の群ロボットシステム。
  17. 【請求項17】 前記対象物の探索に関する態様は、前
    記センシングロボットの移動速度である、請求項13に
    記載の群ロボットシステム。
  18. 【請求項18】 前記複数のセンシングロボットは、前
    記階層構造の各階層に応じた複数のグループからなり、 前記複数のセンシングロボットの移動速度は、前記階層
    構造の下層側の前記グループの前記センシングロボット
    よりも前記階層構造の上層側の前記グループの前記セン
    シングロボットの方が低速になるように制御される、請
    求項17に記載の群ロボットシステム。
  19. 【請求項19】 前記複数のセンシングロボットの移動
    速度が、前記階層構造の下層側の前記センシングロボッ
    トよりも前記階層構造の上層側の前記センシングロボッ
    トの方が低速になるように制御される、請求項17に記
    載の群ロボットシステム。
  20. 【請求項20】 前記センシングロボットは、羽ばたき
    運動により羽ばたき飛行可能な羽ばたきセンシングロボ
    ットであり、 前記対象物の探索に関する態様は、前記羽ばたきセンシ
    ングロボットの羽ばたき運動の周波数である、請求項1
    3に記載の群ロボットシステム。
  21. 【請求項21】 複数の前記羽ばたきセンシングロボッ
    トは、前記階層構造の階層に応じた複数のグループから
    なり、 前記複数の羽ばたきセンシングロボットの羽ばたき運動
    の周波数は、前記階層構造の下層側の前記グループの前
    記羽ばたきセンシングロボットよりも前記階層構造の上
    層側の前記グループの前記羽ばたきセンシングロボット
    の方が小さくなるように制御される、請求項20に記載
    の群ロボットシステム。
  22. 【請求項22】 複数の前記羽ばたきセンシングロボッ
    トの羽ばたき運動の周波数は、前記階層構造の下層側の
    前記羽ばたきセンシングロボットよりも前記階層構造の
    上層側の前記羽ばたきセンシングロボットの方が小さく
    なるように制御される、請求項20に記載の群ロボット
    システム。
  23. 【請求項23】 ベースステーションにより制御されて
    対象物の探索を行なうセンシングロボットであって、 通信体系が、前記ベースステーションを最上層として、
    複数の前記センシングロボット同士で複数層を構成する
    階層構造をなすように設定された群ロボットシステムに
    おいて用いられ、 前記階層構造の上層側へ自己より下側の階層のセンシン
    グロボットの前記対象物の探索に関する情報を伝達する
    機能と、前記階層構造の1つ下層側へ自己より下側の階
    層のセンシングロボットの動作に関する情報を伝達する
    機能とを備え 前記対象物の探索を行なう場合に、該複数のセンシング
    ロボットそれぞれの前記対象物の探索に関する態様が、
    前記階層構造の階層に応じて異なるように、前記ベース
    ステーションにより制御可能である、センシングロボッ
    ト。
  24. 【請求項24】 複数のセンシングロボットに対象物を
    探索させる制御を行なうベースステーションであって、 通信体系が、前記ベースステーションを最上層として、
    前記複数のセンシングロボット同士で複数層を構成する
    階層構造をなすように設定された群ロボットシステムに
    おいて用いられ、 前記階層構造において、 前記ベースステーションから前記複数のセンシングロボ
    ットそれぞれまで前記階層構造の下層側へ順に、前記複
    数のセンシングロボットそれぞれの動作の制御に関する
    情報を伝達でき、前記複数のセンシングロボットそれぞ
    れから前記ベースステーションまで前記階層構造の上層
    側へ順に、前記複数のセンシングロボットそれぞれの前
    記対象物の探索に関する情報が伝達され、 前記複数のセンシングロボットそれぞれの前記対象物の
    探索に関する態様が、前記階層構造の階層に応じて異な
    るように、前記複数のセンシングロボットを制御可能で
    ある、ベースステーション。
  25. 【請求項25】 対象物の探索に用いられるセンシング
    ロボットと、 該センシングロボットを制御するためのベースステーシ
    ョンとを備えた群ロボットシステムであって、 前記センシングロボットは、前記対象物の探索の段階に
    応じて前記対象物の探索に関する態様を変更するように
    制御される、群ロボットシステム。
  26. 【請求項26】 前記対象物の探索に関する態様は、前
    記センシングロボットのセンシング分解能である、請求
    項25に記載の群ロボットシステム。
  27. 【請求項27】 前記対象物の探索に関する態様は、前
    記センシングロボットの検出センサの種類またはセンサ
    情報の処理方法である、請求項25に記載の群ロボット
    システム。
  28. 【請求項28】 前記対象物の探索の段階は、前記セン
    シングロボットが前記対象物を検出した場合である、請
    求項25〜請求項27のいずれかに記載の群ロボットシ
    ステム。
  29. 【請求項29】 前記センシングロボットを複数含み、 該複数のセンシングロボットのうち前記対象物を検出し
    た前記センシングロボットの前記対象物の探索に関する
    態様を変更する、請求項28に記載の群ロボットシステ
    ム。
  30. 【請求項30】 前記センシングロボットを複数含み、 該複数のセンシングロボットのうち前記対象物を検出し
    た前記センシングロボットの周辺の領域に位置する前記
    センシングロボットの前記対象物の探索に関する態様を
    変更する、請求項28または請求項29に記載の群ロボ
    ットシステム。
  31. 【請求項31】 前記対象物の探索の段階は、前記セン
    シングロボットが前記対象物を検出しなくなった場合で
    ある、請求項25〜請求項30のいずれかに記載の群ロ
    ボットシステム。
  32. 【請求項32】 前記センシングロボットを複数含み、 該複数のセンシングロボットのうち前記対象物を検出し
    なくなった前記センシングロボットの前記対象物の探索
    に関する態様を変更する、請求項31に記載の群ロボッ
    トシステム。
  33. 【請求項33】 前記センシングロボットを複数含み、 該複数のセンシングロボットのうち前記対象物を検出し
    なくなった前記センシングロボットの周辺の領域に位置
    するセンシングロボットの前記対象物の探索に関する態
    様を変更する、請求項31または請求項32に記載の群
    ロボットシステム。
  34. 【請求項34】 ベースステーションにより制御されて
    対象物の探索を行なうセンシングロボットであって、 前記センシングロボットは、前記対象物の段階に応じて
    前記ベースステーションにより該センシングロボットの
    前記対象物の探索に関する態様を変更するように制御さ
    れる、センシングロボット。
  35. 【請求項35】 対象物の探索を行なう複数のセンシン
    グロボットを制御するベースステーションであって、 前記センシングロボットが前記対象物の段階に応じて該
    センシングロボットの前記対象物の探索に関する態様を
    変更させる制御を行なう、ベースステーション。
  36. 【請求項36】 対象物の探索に用いられる複数のセン
    シングロボットと、該複数のセンシングロボットを制御
    するためのベースステーションとを備えた群ロボットシ
    ステムであって、 前記複数のセンシングロボットが、前記ベースステーシ
    ョンとの位置関係の許容範囲を維持しながら、前記ベー
    スステーションの移動に伴って移動することにより、前
    記対象物を探索する、群ロボットシステム。
  37. 【請求項37】 前記複数のセンシングロボットは、互
    いの位置関係の許容範囲を維持しながら移動する、請求
    項36に記載の群ロボットシステム。
  38. 【請求項38】 前記ベースステーションが、前記複数
    のセンシングロボットの配置を同心円状にしたときの、
    該同心円の中心に位置するように、前記複数のセンシン
    グロボットが配置された状態で移動するように設定され
    た、請求項36または請求項37に記載の群ロボットシ
    ステム。
  39. 【請求項39】 前記ベースステーションは、前記セン
    シングロボットが前記対象物を検出した場合には、該対
    象物に向かって移動するように設定された、請求項36
    〜請求項38のいずれかに記載の群ロボットシステム。
  40. 【請求項40】 前記ベースステーションは、前記複数
    のセンシングロボットの探索領域に、隙間ができないよ
    うに、かつ、重なりが生じないように移動する、請求項
    36〜請求項39のいずれかに記載の群ロボットシステ
    ム。
  41. 【請求項41】 ベースステーションにより制御されて
    対象物の探索を行なうセンシングロボットであって、 前記対象物を複数の前記センシングロボットで探索する
    場合に、前記ベースステーションとの位置関係の許容範
    囲を維持しながら、前記ベースステーションの移動に伴
    って移動することにより前記対象物を探索するように、
    前記ベースステーションに制御される、センシングロボ
    ット。
  42. 【請求項42】 対象物の探索に用いられる複数のセン
    シングロボットを制御するためのベースステーションで
    あって、 前記複数のセンシングロボットが、前記ベースステーシ
    ョンとの位置関係の許容範囲を維持しながら、前記ベー
    スステーションの移動に伴って移動することにより、前
    記複数のセンシングロボットに前記対象物を探索させる
    制御を行なう、ベースステーション。
  43. 【請求項43】 対象物の探索に用いられる複数のセン
    シングロボットと、 該複数のセンシングロボットを制御するためのベースス
    テーションとを備えた群ロボットシステムであって、 前記複数のセンシングロボットは、該複数のセンシング
    ロボットそれぞれの前記対象物の探索に関する態様が独
    立して制御される、群ロボットシステム。
  44. 【請求項44】 前記複数のセンシングロボットそれぞ
    れの前記対象物の探索に関する態様が独立して制御され
    る場合には、前記複数のセンシングロボットそれぞれの
    前記対象物の探索に関する態様が状況に応じて異なる態
    様に固定された状態に制御される場合を含む、請求項4
    3に記載の群ロボットシステム。
  45. 【請求項45】 ベースステーションにより制御されて
    対象物の探索に用いられるセンシングロボットであっ
    て、 前記対象物の探索を複数の前記センシングロボットで行
    なう場合に、他のセンシングロボットとは前記対象物の
    探索に関する態様が独立して制御される、センシングロ
    ボット。
  46. 【請求項46】 対象物の探索に用いられる複数のセン
    シングロボットを制御するためのベースステーションで
    あって、 前記対象物の探索を複数の前記センシングロボットで行
    なう場合に、該複数のセンシングロボットそれぞれの前
    記対象物の探索に関する態様を独立して制御することが
    可能である、ベースステーション。
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