JP2003142776A - 面発光型半導体レーザ素子の製造方法および結晶成長装置、ならびにこれらを用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム - Google Patents

面発光型半導体レーザ素子の製造方法および結晶成長装置、ならびにこれらを用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム

Info

Publication number
JP2003142776A
JP2003142776A JP2002029822A JP2002029822A JP2003142776A JP 2003142776 A JP2003142776 A JP 2003142776A JP 2002029822 A JP2002029822 A JP 2002029822A JP 2002029822 A JP2002029822 A JP 2002029822A JP 2003142776 A JP2003142776 A JP 2003142776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor laser
active layer
laser device
grown
growth chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002029822A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4084575B2 (ja
Inventor
Shunichi Sato
俊一 佐藤
Takashi Takahashi
孝志 高橋
Naoto Jikutani
直人 軸谷
Akihiro Ito
彰浩 伊藤
Morimasa Uenishi
盛聖 上西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002029822A priority Critical patent/JP4084575B2/ja
Priority to US10/105,800 priority patent/US6765232B2/en
Publication of JP2003142776A publication Critical patent/JP2003142776A/ja
Priority to US10/788,086 priority patent/US7180100B2/en
Priority to US10/878,282 priority patent/US7067846B2/en
Priority to US11/404,876 priority patent/US7453096B2/en
Priority to US11/647,270 priority patent/US7518161B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4084575B2 publication Critical patent/JP4084575B2/ja
Priority to US12/408,362 priority patent/US7968362B2/en
Priority to US13/165,027 priority patent/US8293555B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質で実用レベルのGaInNAs面発光
型半導体レーザ素子の製造方法および該製造方法を実現
するための結晶成長装置、これらを用いて形成した面発
光半導体レーザ素子、該面発光半導体レーザ素子を用い
た光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信シス
テムを提供する。 【解決手段】 半導体基板20上に、活性層を含んだ活
性領域23と、活性層の上部及び下部に設けられた反射
鏡21,25を含んだ共振器構造を有する面発光型半導
体レーザ素子の製造方法で、活性層23は、Ga,I
n,N,Asを主成分として含み、半導体基板20と活
性層23との間に形成される下部反射鏡21は屈折率が
周期的に変化し入射光を光波干渉によって反射する半導
体分布ブラッグ反射鏡を含み、活性層23はMBE法で
成長し、反射鏡のうち少なくともp側の反射鏡(例え
ば、反射鏡25)はMOCVD法で成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に光通信用半導
体レーザ技術に係り、特に面発光型半導体レーザ素子の
製造方法、結晶成長装置、及びこれらを用いて形成した
面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素
子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光
通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットの爆発的普及に見
られるように扱われる情報量が飛躍的に増大しており、
今後さらに加速すると考えられる。このため幹線系のみ
ならず、各家庭やオフィスといった加入者系やLAN
(Local Area Network)などのユーザに近い伝送路、さ
らには各機器間や機器内の配線へも光ファイバーが導入
され、光による大容量情報伝送技術が極めて重要とな
る。
【0003】そして、安価で、距離を気にしないで、光
ネットワーク,光配線の大容量化を図るためには、光源
としてシリカファイバーの伝送ロスが小さく整合性の良
い1.3μm帯、1.55μm帯の面発光型半導体レー
ザ素子(VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting La
ser:垂直空洞面発光型半導体レーザ素子)は極めて有
望である。面発光型半導体レーザ素子は、端面発光型レ
ーザに比べて、低価格,低消費電力,小型化,2次元集
積化に向き、実際にGaAs基板上に形成できる0.8
5μm帯ではすでに高速LANである1Gbit/sのイーサ
ネット(登録商標)などで実用化されている。
【0004】1.3μm帯ではInP基板上の材料系が
一般的であり、端面発光型レーザでは実績がある。しか
し、この従来の長波長帯半導体レーザでは、環境温度が
室温から80℃になると動作電流が3倍にも増加すると
いう大きな欠点を持っている。また、面発光型半導体レ
ーザ素子においては反射鏡に適した材料がないため高性
能化は困難であり、実用レベルの特性が得られていない
のが現状である。
【0005】このため、InP基板上の活性層とGaA
s基板上のAlGaAs/GaAs反射鏡を直接接合で
張り合わせた構造により現状での最高性能が得られてい
る(V. Jayaraman, J.C. Geske, M.H. MacDougal F.H.
Peters, T.D. Lowes, and T.T. Char, Electron. Let
t., 34, (14), pp. 1405-1406, 1998.)。
【0006】しかし、この方法はコスト上昇を避けられ
ないので量産性の点で問題があると考えられる。そこで
最近、GaAs基板上に1.3μm帯を形成できる材料
系が注目され、(Ga)InAs量子ドット、GaAs
SbやGaInNAs(例えば、特開平6−37355
号公報参照)が研究されている。新材料であるGaI
nNAsは、レーザ特性の温度依存性を極めて小さくす
ることができる材料として注目されている。
【0007】GaAs基板上のGaInNAs系半導体
レーザは、窒素添加によりバンドギャップが小さくなる
ので、GaAs基板上に1.3μm帯など長波長帯を形
成できるようになる。In組成10%のとき窒素組成は
約3%で1.3μm帯を形成できるが、窒素組成が大き
いほどしきい値電流密度が急激に上昇するという問題が
ある。図9は、しきい値電流密度の窒素組成依存性を示
す図であり、横軸は窒素組成割合(%)を、縦軸はしき
い値電流密度を示している。このようにしきい値電流密
度が窒素組成が大きくなるに伴って急激に上昇する理由
は、GaInNAs層の結晶性が窒素組成増加に伴い劣
化するためである。
【0008】このため、如何にGaInNAsを高品質
に成長するかが課題となる。このようなGaInNAs
の結晶成長方法には、MOCVD法(Metal Organic Ch
emical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長法)
やMBE法(Molecular BeamEpitaxy;分子線エピタキ
シャル成長法)が試みられている。
【0009】MOCVD法は、MBE法のような高真空
を必要とせず、またMBE法では原料供給をセルの温度
を変えて制御するのに対してMOCVD法は原料ガス流
量を制御するだけでよく、また成長速度を高くすること
ができ、容易にスループットを上げられることから、極
めて量産に適した成長方法である。実際に実用化されて
いる0.85μm帯面発光型半導体レーザ素子の生産に
は全て(ほとんどの場合)MOCVD法が用いられてい
る。
【0010】最近、この新規なGaInNAs系材料を
用いた半導体レーザの報告が多数報告されるようになっ
た。しかし、これらのほとんどの場合はMBE法による
ものであった。また、ごく最近は面発光型半導体レーザ
素子についても報告されるようになった。1998年に日立
(1.18μm)より最初の報告(M.C. Larson, M. Kondow,
T. Kitatani, K. Nakahara, K. Tamura, H. Inoue, and
K. Uomi, IEEE Photonics Technol. Lett., 10, pp. 1
88-190, 1998.)があり、2000年にはStanford(1.215μ
m)、Sandia+Cielo (1.294μm)、東工大+リコー(1.26
2μm)、Infineon (1.285μm)から報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この新
規なGaInNAs系面発光型半導体レーザ素子の報告
は、量産に適したMOCVD法では1件報告があるのみ
で、その他は全てMBE法によって成長されたものであ
り、十分な特性を有するものとなっていない。特にMB
E法により成長されたものはp側多層膜反射鏡の抵抗が
極めて高いので、p側多層膜反射鏡を電流経路としない
方法を用いたりしているが、結局、動作電圧が高くなっ
てしまうなどの問題を有していた。このような問題を解
消した新規なGaInNAs系面発光型半導体レーザ素
子の製造方法,製造装置は未だ確立されていない。
【0012】本発明は、面発光半導体レーザ素子の製造
技術を改良し、高品質で実用レベルのGaInNAs面
発光型半導体レーザ素子の製造方法(請求項1〜6)お
よび該製造方法を実現するための結晶成長装置(請求項
7,8)、ならびにこれらを用いて形成した面発光型半
導体レーザ素子(請求項9)、該面発光型半導体レーザ
素子を用いた光送信モジュール(請求項10)、光送受
信モジュール(請求項11)、光通信システム(請求項
12)を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では次のような構成を採用したことを特徴と
している。以下、各請求項毎に詳細に説明する。
【0014】(1)請求項1記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、半導体基板上に、レーザ光を発生
する少なくとも1層の活性層(23)を含んだ活性領域
と、レーザ光を得るために活性層(23)の上部及び下
部に設けられた反射鏡(21,25)を含んだ共振器構
造を有し、活性層(23)の上部及び下部に設けられた
反射鏡(21,25)のうちの1つがp側半導体の反射
鏡である面発光型半導体レーザにおいて、前記活性層
(23)はGa,In,N,Asを主成分として含み、
前記反射鏡のうち少なくともp側半導体の反射鏡は、屈
折率が周期的に変化し入射光を光波干渉によって反射す
る半導体分布ブラッグ反射鏡を含み、前記活性層(2
3)はMBE法で成長され、前記反射鏡のうち少なくと
もp側半導体の反射鏡はMOCVD法で成長されること
を特徴としている。
【0015】まず、請求項1に記載されているMOCV
D法とMBE法の2つの成長方法について、図1および
図2を用いて説明する。MOCVD法(Metal Organic
Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長
法)は、少なくとも有機金属原料を一部に用い原料ガス
の熱分解と被成長基板との表面反応により結晶成長させ
る気相成長方法である。
【0016】図1は、MOCVD装置の概略図である。
MOCVD装置は、同図に示すように、原料ガスが供給
される原料ガス供給部Aと、被成長基板を加熱するため
の加熱手段(図示無し)と、加熱部(加熱体)Bと、反
応済みのガスを排気するための排気部C(排気ポンプな
ど)を有した構成である。通常、空気が成長室(反応
室)12に入らないように基板は基板出し入れ口11か
ら入れ、排気部Cによる真空引き後に成長室(反応室)
12に搬送される。
【0017】成長室12の圧力は50Torr〜100
Torr程度の減圧がよく用いられる。その原料には、
III族原料として、Ga:TMG(トリメチルガリウ
ム),TEG(トリエチルガリウム)、Al:TMA
(トリメチルアルミニウム)、In:TMI(トリメチ
ルインジウム)などの有機金属が用いられる。また、V
族原料には、AsH3(アルシン),TBA(ターシャ
ルブチルアルシン)、PH3(フォスフィン),TBP
(ターシャルブチルアルシン)などの水素化物ガスや有
機化合物が一般に用いられる。
【0018】キャリアガスには、水素ガス(H2)が通
常用いられ、通常、水素精製器を通して不純物を除去し
て供給している。そして、窒素の原料には、DMHy
(ジメチルヒドラジン),MMHy(モノメチルヒドラ
ジン)等の有機化合物を用いることができる。原料はこ
れに限られるものではない。有機金属や有機窒素化合物
のような液体または固体の原料は、バブラー14に入れ
られてキャリアガスを通してバブリングすることで供給
される。また、水素化物はガスシリンダー15に入れら
れ供給される。図1ではバブラー14(液体、固体原料
バブラー#1、#2)とガスシリンダー15(ガスシリ
ンダー#1、#2)はそれぞれ2種類の場合の例を示し
ている。
【0019】原料ガスの経路はバルブ16で切り変え、
供給量をMFC(マスフローコントローラー)等で制御
することで必要な材料、組成を成長する。一般にダミー
ライン(図中、ダミーライン#1、#2参照)を設けて
ガス流が極力乱れないようにしている。成長の厚さは原
料ガスを供給する時間で制御する。これにより必要な構
造を成長できるので、スループットは良く、量産向きな
方法といえる。
【0020】次に、MBE法について説明する。MBE
法(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシャル成
長法)は真空蒸着法の一種で、原料セルから放出させた
原料分子,原子が高真空のチャンバー内の加熱した基板
に到達して吸着し結晶格子に取りこまれることで成長す
る方法である。
【0021】MBE法は、原料供給の手法の違いからさ
まざまな呼び名がある。固体原料を用いる固体ソース
(SS)−MBE、III族材料として有機金属を用いる
有機金属(MO)−MBE、V族材料として水素化物を
用いるガスソース(GS)−MBE、有機金属と水素化
物を用いるCBE(ケミカルビームエピタキシー)があ
る。窒素の原料には、一般にラジカルセルを用い、N2
を分解・活性化して用いる。
【0022】図2は、MBE装置の概略図である。図2
では2種類の固体ソース(図中、原料の分子線セル1、
原料の分子線セル2)と窒素原料(図中、窒素のラジカ
ルセル)を用いた場合の例を示している。特に固体ソー
スMBEでは、炭素,水素を原料に含まないので、低い
不純物濃度で成長できる。原理的に高真空なので、原料
供給量を大きくできない。大きくすると排気系に負担が
かかるデメリットがある。高真空排気系の排気ポンプを
必要とするが、MBEチャンバー内の残留原料等を除去
するなどのために排気系に負担がかかり故障しやすいこ
とからスループットは悪い。
【0023】ここで、GaInNAsの高品質化は、M
OCVD法に比べてMBE法の方が容易であることを見
出した。GaInNAsは非混和性が極めて強い材料で
あり、低温成長などの非平衡成長が必要である。MOC
VD法は各原料に化合物ガスを用い、被成長基板を加熱
し原料ガスの熱分解と基板表面反応を利用して成長され
るので、その分解温度以上での成長が必要である。実際
にMBE法はMOCVD法に比べて100℃程度は低温
成長可能である。また、MOCVD法における原料は炭
素(C),水素(H)が含まれており、不純物として膜
中に取りこまれ結晶性を落としやすいこと等が考えられ
る。
【0024】一方、面発光型半導体レーザ素子は、レー
ザ光を発生する少なくとも1層の活性層を含んだ活性領
域を半導体多層膜反射鏡で挟んで構成されている。端面
発光型レーザの結晶成長層の厚さが3μm程度であるの
に対して、例えば1.3μm波長帯面発光型半導体レー
ザ素子では10μmを超える厚さが必要になる。
【0025】活性領域の厚さは全体に比べて通常ごくわ
ずかであり(10%以下)、ほとんどが多層膜反射鏡を
構成する層である。半導体多層膜反射鏡はそれぞれの媒
質内における発振波長の1/4倍の厚さ(λ/4の厚
さ)で低屈折率層と高屈折率層を交互に積層して(例え
ば20〜40ペア)形成されている。
【0026】GaAs基板上の面発光型半導体レーザ素
子では、AlGaAs系材料を用い、Al組成を変えて
低屈折率層(Al組成大)と高屈折率層(Al組成小)
としている。しかし実際には、特にp側は各層のヘテロ
障壁により抵抗が大きくなるので、低屈折率層と高屈折
率層の間に、Al組成が両者の間となる中間層を挿入し
て多層膜反射鏡の抵抗を低減している。
【0027】このように、面発光型半導体レーザ素子
は、100層にも及ぶ組成の異なる半導体層を成長しな
ければならない他に、多層膜反射鏡の低屈折率層と高屈
折率層の間にも中間層を設けるなど、瞬時に原料供給量
を制御する必要がある素子である。しかしMBE法では
原料供給を原料セルの温度を変えて供給量を制御してお
り臨機応変に組成をコントロールすることができない。
よってMBE法により成長した半導体多層膜反射鏡は抵
抗を低くするのは困難であり動作電圧が高い。
【0028】また、MBE法では高真空を必要とするこ
とから原料供給量を高くすることができず、成長速度は
1μm/h程度であり10μmの厚さを成長するには原
料供給量を変えるための成長中断時間を設けないとして
も最低10時間かかる。
【0029】一方、MOCVD法は原料ガス流量を制御
するだけでよく、瞬時に組成をコントロールできるとと
もに、MBE法のような高真空を必要とせず、また成長
速度を例えば3μm/h以上と高くでき、容易にスルー
プットを上げられることから、極めて量産に適した成長
方法であり、半導体多層膜反射鏡はMOCVD法で成長
する方が容易であることを見出した。
【0030】よって本発明では、最初の第1ステップで
下部半導体多層膜反射鏡をMOCVD法で成長し、次の
第2ステップでGaInNAs活性層を含む活性領域を
MBE法で成長し、第3ステップで上部多層膜反射鏡を
MOCVD法で成長するようにした。これにより、容易
に低抵抗の多層膜反射鏡を形成でき、また容易に高品質
のGaInNAs活性層を形成できるようになった。
【0031】また、MBE法で成長するのはわずか(1
μm程度以下)なので、装置への負担が小さく故障しに
くくなるとともに、全てをMBE法で成長する従来の方
法に比べて成長に要する時間を短縮できるという効果が
ある。ただし、n側(n側半導体)の多層膜反射鏡は低
屈折率層と高屈折率層を交互に積層するだけでもキャリ
ア濃度を1×1018cm-3程度の高濃度にするだけで特
別なことをしなくても低抵抗化しやすいので、p側(p
側半導体)の多層膜反射鏡のみをMOCVD法で成長し
てもよい。これによれば成長工程を簡略化できる。
【0032】(2)請求項2記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、半導体基板(20)上に、レーザ
光を発生する少なくとも1層の活性層(23)を含んだ
活性領域と、レーザ光を得るために活性層の上部及び下
部に設けられた反射鏡(21,25)を含んだ共振器構
造を有する面発光型半導体レーザ素子において、前記活
性層(23)はGa,In,N,Asを主成分として含
み、前記反射鏡のうち少なくとも下部反射鏡は、屈折率
が周期的に変化し入射光を光波干渉によって反射する半
導体分布ブラッグ反射鏡を含み、前記活性層(23)を
MOCVD成長室で成長させ、前記反射鏡(21,2
5)のうち少なくとも下部反射鏡(21)を、別のMO
CVD成長室またはMBE成長室で成長させることを特
徴としている。
【0033】本願の発明者は、GaInNAsの高品質
化が、MOCVD法に比べてMBE法の方が容易である
理由の一つとして、MOCVD法では窒素の原料とAl
の原料との反応が極めて強く、Alを含んだ層と窒素を
含んだ層とを含んで構造体を形成する場合次のような不
具合が生じる場合があることを見出した。
【0034】まず、その高い反応性である。図3は、A
l組成20%のAlGaInNPとGaInNP(ここ
ではp系材料での実験結果を示す)を成長したときのV
族原料に対する窒素原料であるDMHyのモル比[DMHy]
/([PH3]+[DMHy])と窒素取りこまれ量の関係を示す図で
あり、横軸がモル比[DMHy]/([PH3]+[DMHy])を、縦軸が
窒素取りこまれ量を示している。ここで、AlGaIn
NPは700℃で成長させ(実験点を白丸で示す)て、
GaInNPは650℃で成長させた(実験点を黒丸で
示す)。
【0035】一般的に、窒素の取りこまれ量は成長温度
が低い方が高く、また[DMHy]/([PH3]+[DMHy])が大きい
方が高くなるはずであるが、図3に示す実験結果による
と、成長温度が高く、[DMHy]/([PH3]+[DMHy])がごくわ
ずかであるにもかかわらず、Alを含んだAlGaIn
NPの方(白丸参照)が圧倒的に窒素が取りこまれやす
くなっていることがわかる。また、DMHy等の窒素原
料である有機系窒素化合物は、その精製の過程で水を除
外するのが難しくて、ある程度の水(H2O)を含んで
いる。Alは、非常に反応性が強く、特に水とはよく反
応する。
【0036】GaInNAs面発光型半導体レーザ素子
は、Alを含んだAlGaAs系材料からなる多層膜反
射鏡と、窒素を含んだGaInNAsからなる活性層を
含んだ構造体である。Alを含んだ層を含む下部多層膜
反射鏡を成長したときに、もし反応管にAl原料が残留
することがあると、活性層を成長するときに窒素原料と
反応してしまい、活性層中にAlや酸素(O)を取りこ
み、品質に影響を与えてしまったり、事前に窒素原料と
反応してしまい、成長層への窒素取りこまれ量が減少し
たり、極めて大きな問題が生じる。特に、酸素の取りこ
みは、活性層中に深い不純物準位を作り、光学特性に悪
影響を及ぼす。つまり、発光効率を落とし、レーザの場
合しきい値電流が大きくなる。
【0037】具体的な実験結果について以下に示す。
【0038】図10は、本願の発明者のMOCVD装置
で作製したGaInNAs量子井戸層とGaAsバリア
層とからなるGaInNAs/GaAs 2重量子井戸
構造からなる活性層からの室温フォトルミネッセンスス
ペクトルを示す図である。図11は半導体発光素子の試
料構造を示す図である。図11を参照すると、試料構造
は、GaAs基板201上に、下部クラッド層202、
中間層203、窒素を含む活性層204、中間層20
3、上部クラッド層205が順次積層されたものとなっ
ている。図10において、符号AはAlGaAsクラッ
ド層202上にGaAs中間層203をはさんで2重量
子井戸構造を形成した試料の活性層204からの室温フ
ォトルミネッセンススペクトルであり、符号BはGaI
nPクラッド層202上にGaAs中間層203をはさ
んで2重量子井戸構造を連続的に形成した試料の活性層
204からの室温フォトルミネッセンススペクトルであ
る。
【0039】図10に示すように、試料Aでは試料Bに
比べてフォトルミネッセンス強度が半分以下に低下して
いる。従って、1台のMOCVD装置を用いてAlGa
As等のAlを構成元素として含む半導体層上に、Ga
InNAs等の窒素を含む活性層を連続的に形成する
と、活性層の発光強度が劣化してしまうという問題が生
じた。そのため、AlGaAsクラッド層上に形成した
GaInNAs系レーザの閾電流密度は、GaInPク
ラッド層上に形成した場合に比べて2倍以上高くなって
しまう。
【0040】本願の発明者は、さらに、この原因解明に
ついて検討した。図12は、図11に示した半導体発光
素子の一例として、クラッド層202,205をAlG
aAsとし、中間層203をGaAsとし、活性層20
4をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として
構成した素子を1台のエピタキシャル成長装置(MOC
VD装置)を用いて形成したときの、窒素(N)濃度と
酸素(O)濃度の深さ方向分布を示す図である。測定は
SIMSによって行った。次表(表1)に測定条件を示
す。
【0041】
【表1】
【0042】図12において、GaInNAs/GaA
s2重量子井戸構造に対応して、活性層204中に2つ
の窒素(N)ピークが見られる。そして、活性層204
において、酸素(O)のピークが検出されている。しか
し、NとAlを含まない中間層203における酸素濃度
は活性層204の酸素濃度よりも約1桁低い濃度となっ
ている。
【0043】一方、クラッド層202,205をGaI
nPとし、中間層203をGaAsとし、活性層204
をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構
成した素子について、酸素(O)濃度の深さ方向分布を
測定した場合には、活性層204中の酸素(O)濃度は
バックグラウンドレベルであった。
【0044】すなわち、窒素化合物原料と有機金属Al
原料を用いて、エピタキシャル成長装置により、基板2
01と窒素を含む活性層204との間にAlを含む半導
体層を設けた半導体発光素子を連続的に結晶成長する
と、窒素を含む活性層204中に酸素が取り込まれるこ
とが本願の発明者の実験により明らかとなった。活性層
204に取り込まれた酸素は非発光再結合準位を形成す
るため、活性層204の発光効率を低下させてしまう。
この活性層204に取り込まれた酸素が、基板201と
窒素を含む活性層204との間にAlを含む半導体層を
設けた半導体発光素子における発光効率を低下させる原
因であることが新たに判明した。この酸素の起源は、装
置内に残留している酸素を含んだ物質、または、窒素化
合物原料中に不純物として含まれる酸素を含んだ物質と
考えられる。
【0045】次に、酸素の取り込まれる原因について検
討した。図13は、図12と同じ試料のAl濃度の深さ
方向分布を示す図である。測定はSIMSによって行っ
た。次表(表2)に測定条件を示す。
【0046】
【表2】
【0047】図13から、本来Al原料を導入していな
い活性層204において、Alが検出されている。しか
し、Alを含む半導体層(クラッド層202,205)
に隣接した中間層(GaAs層)203においては、A
l濃度は活性層よりも約1桁低い濃度となっている。こ
れは、活性層204中のAlがAlを含む半導体層(ク
ラッド層202,205)から拡散,置換して混入した
ものではないことを示している。
【0048】一方、GaInPのようにAlを含まない
半導体層上に窒素を含む活性層を成長した場合には、活
性層中にAlは検出されなかった。
【0049】従って、活性層204中に検出されたAl
は、成長室内またはガス供給ラインに残留したAl原
料、または、Al反応物、または、Al化合物、また
は、Alが、窒素化合物原料または窒素化合物原料中の
不純物(水分,アルコール等)と結合して活性層204
中に取りこまれたものである。すなわち、窒素化合物原
料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル
成長装置により、基板201と窒素を含む活性層204
との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子を
連続的に結晶成長すると、窒素を含む活性層204中に
自然にAlが取り込まれてしまうことが新たにわかっ
た。
【0050】図12に示した同じ素子における、窒素
(N)濃度と酸素(O)濃度の深さ方向分布と比較する
と、2重量子井戸活性層中の2つの酸素ピークプロファ
イルは、窒素濃度のピークプロファイルと対応しておら
ず、図13のAl濃度プロファイルと対応している。こ
のことから、GaInNAs井戸層中の酸素不純物は、
窒素原料と共に取り込まれるというよりも、むしろ井戸
層中に取り込まれたAlと結合して一緒に取り込まれる
ことがわかった。すなわち、成長室内に残留したAl原
料、または、Al反応物、または、Al化合物、また
は、Alが窒素化合物原料と接触すると、Alと窒素化
合物原料中に含まれる水分またはガスラインや反応室中
に残留する水分などの酸素を含んだ物質とが結合して、
活性層204中にAlと酸素が取り込まれる。この活性
層204に取り込まれた酸素が活性層204の発光効率
を低下させることが本願の発明者の実験により初めて明
らかとなった。
【0051】よって、これを改善するためには、少なく
とも成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中
に含まれる不純物が触れる場所に、Al原料、または、
Al反応物、または、Al化合物、またはAlが存在し
ない状態で、窒素を含む活性層を成長することが好まし
いことがわかった。
【0052】この方法として、Alを含んだ半導体層を
成長後、別の反応室に基板を移動させて窒素を含む活性
層を成長させることが好ましい。つまり、Alを含んだ
半導体層を別のMOCVD成長室またはMBE成長室等
の他の成長室で成長してから窒素を含む活性層をMOC
VD成長することが好ましい。この方法によれば、窒素
を含む活性層を成長するため成長室に窒素化合物原料を
供給したときに、反応室に残留したAl原料、または、
Al反応物、または、Al化合物、または、Alと、窒
素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物
及び装置内に残留する酸素を含んだ物質とが反応して、
活性層に取り込まれるAl及び酸素不純物の濃度を低減
することができる。
【0053】例えば、窒素を含む活性層中のAl濃度を
1×1019cm-3以下に低減することにより、室温連続
発振が可能となった。さらに、窒素を含む活性層中のA
l濃度を2×1018cm-3以下に低減することにより、
Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光
特性が得られた。
【0054】次表(表3)には、AlGaAsをクラッ
ド層(Alを含む層)とし、GaInNAs2重量子井
戸構造(窒素を含む層)を活性層としたブロードストラ
イプレーザを試作して閾電流密度を評価した結果が示さ
れている。
【0055】
【表3】
【0056】Alを構成元素として含む半導体層に、窒
素を含む活性層を連続的に形成した構造においては、活
性層中に2×1019cm-3以上のAl及び1×1018
-3以上の酸素が取り込まれており、閾電流密度は10
kA/cm2以上と著しく高い値となった。しかし、活
性層中のAl濃度を1×1019cm-3以下に低減するこ
とにより、活性層中の酸素濃度が1×1018cm-3以下
に低減され、閾電流密度2〜3kA/cm2でブロード
ストライプレーザが発振した。ブロードストライプレー
ザの閾電流密度が数kA/cm2以下の活性層品質であ
れば、室温連続発振が可能である。従って、窒素を含む
活性層中のAl濃度を1×1019cm-3以下に抑制する
ことにより、室温連続発振可能な半導体レーザを提供す
ることが可能となる。
【0057】通常のMBE法のように、有機金属Al原
料と窒素化合物原料を用いない結晶成長方法で作製した
場合には、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む
半導体層を設けた半導体発光素子における著しい発光効
率低下については特に報告されていない。
【0058】MBE法は超減圧(高真空中)で結晶成長
が行われるのに対して、MOCVD法は、通常数10T
orrから大気圧程度と、MBE法に比べて反応室の圧
力が高いため、平均自由行程が圧倒的に短く、供給され
た原料やキャリアガスがガスラインや反応室等で他と接
触,反応するためと考えられる。よって、MOCVD法
のように、反応室やガスラインの圧力が高い成長方法の
場合、Alを含んだ半導体層を成長後、窒素を含んだ活
性層を同じ反応室で成長するのではなく、別の反応室に
基板を移動させて成長させることが好ましい。
【0059】上記のように本発明は、GaNAs,Ga
PN, GaNPAs,GaInNAs,GaInN
P,GaNAsSb,GaInNAsSb等の窒素を含
む活性層の場合に効果があることがわかった。
【0060】これにより量産化に有利なMOCVD法で
良好な品質のGaInNAs面発光型半導体レーザ素子
の多層膜構造体を結晶成長できる。
【0061】(3)請求項3記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、半導体基板(20)上に、レーザ
光を発生する少なくとも1層の活性層(23)を含んだ
活性領域と、レーザ光を得るために活性層の上部及び下
部に設けられた反射鏡(21,25)を含んだ共振器構
造を有する面発光型半導体レーザ素子において、前記活
性層(23)はGa,In,N,Asを主成分として含
み、前記反射鏡のうち少なくとも一方の反射鏡は、屈折
率が周期的に変化し入射光を光波干渉によって反射する
半導体分布ブラッグ反射鏡を含み、前記活性層(23)
と前記反射鏡(21,25(両方が半導体多層膜反射鏡
の場合))とを、それぞれ別々のMOCVD成長室で成
長させることを特徴としている。
【0062】例えば下部及び上部反射鏡の両方が半導体
多層膜反射鏡である場合には、これらを第1のMOCV
D成長室で成長させ、活性層を第2の成長室で成長させ
る。また、下部反射鏡のみが半導体多層膜反射鏡である
場合には、これを第1のMOCVD成長室で成長させ、
活性層を第2の成長室で成長させる。また、上部反射鏡
のみが半導体多層膜反射鏡である場合には、これを第1
のMOCVD成長室で成長させ、活性層を第2の成長室
で成長させる場合が考えられる。
【0063】このように、上記製造方法では、Alを含
んだ材料系からなる多層膜反射鏡と、窒素を含んだ材料
系からなる活性層とを、別々の成長室で成長するので、
窒素を含んだ材料系からなる活性層を成長する反応室に
おいてAlを含んだ材料を成長しないようにすることが
可能であり、窒素を含んだ材料系からなる活性層中へA
lとの反応に関係した酸素が取り込まれるのをを防止す
ることが可能となる。すなわち、酸素の取り込みは活性
層中に深い不純物準位を作り光学特性に悪影響を及ぼす
が(つまり発光効率を落とし、レーザの場合しきい値電
流が大きくなるが)、本発明では、窒素を含んだ材料系
からなる活性層中へAlとの反応に関係した酸素が取り
込まれるのをを防止することが可能となるので、これに
より、量産化に有利なMOCVD法で良好な品質のGa
InNAs面発光型半導体レーザ素子の多層膜構造体を
結晶成長できる。
【0064】(4)請求項4記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、請求項2または3記載の面発光型
半導体レーザ素子の製造方法において、活性層を成長さ
せる成長室は、Alを含んだ材料を成長しない成長室で
あることを特徴としている。
【0065】請求項4記載の面発光型半導体レーザ素子
の製造方法では、活性層を成長させる成長室内には、A
l原料、または、Al反応物、または、Al化合物、ま
たは、Alが残留していないので、窒素を含んだ活性層
にAlとともに酸素が取りこまれることを確実に防止で
き、発光効率の高い、しきい値電流の低い面発光型半導
体レーザ素子を得ることができる。
【0066】(5)請求項5記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、請求項2または3記載の面発光型
半導体レーザ素子の製造方法において、活性層を成長さ
せる成長室は、Alを含んだ材料を成長する場合がある
成長室であり、Alを含んだ材料を成長した後、活性層
を成長するまでの間に、成長室内に残留したAl原料、
または、Al反応物、または、Al化合物、または、A
lを除去する工程を設けたことを特徴としている。
【0067】請求項5記載の面発光型半導体レーザ素子
の製造方法では、窒素を含む活性層を成長させる成長室
で、成長前に、あらかじめ成長室内に残留しているAl
原料、または、Al反応物、または、Al化合物、また
は、Alを除去してあるので、活性層を成長させる成長
室内には、Al原料、または、Al反応物、または、A
l化合物、または、Alが残留しておらず、窒素を含ん
だ活性層にAlとともに酸素が取りこまれることを確実
に防止でき、発光効率の高い、しきい値電流の低い面発
光型半導体レーザ素子を得ることができる。
【0068】Al原料、または、Al反応物、または、
Al化合物、または、Alを除去する工程は、例えばガ
スラインや成長室の真空引き、またはキャリアガス(例
えば水素ガス)を供給、またはキャリアガス(例えば水
素ガス)を供給しながら成長室内の加熱体を加熱すると
良いが、これに限るものではない。加熱体を加熱する場
合、成長温度より高い温度で行なうのが好ましい。これ
らの工程は、被成長基板を成長室に導入する前に行なう
のが好ましい。
【0069】(6)請求項6記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、請求項1または2または3または
4または5記載の面発光型半導体レーザ素子の製造方法
において、活性層を成長する成長室において、活性層を
成長する前にGaxIn1-x yAs1-y(0<x≦1,0
<y≦1)層を成長することを特徴としている。
【0070】キャリアが注入される活性領域中を再成長
界面とすると、酸化等により非発光再結合が生じ発光効
率を落とす恐れがあるが、請求項4のように成長室移動
後、活性層を成長する前にGaxIn1-xyAs1-y(0
<x≦1,0<y≦1)層を成長すると、GaxIn1-x
yAs1-y(0<x≦1,0<y≦1)よりナローギャ
ップの材料(例えばGaAs)で活性領域を形成するこ
とが可能となるので、上記発光効率低下の心配がなくな
り、再成長界面による素子性能への影響をなくすことが
できる。なお、GaxIn1-xyAs1-y(0<x≦1,
0<y≦1)層にはAlが含まれておらず、キャリアが
主に注入される領域よりワイドギャップであれば良く、
BN、Sb、等、他のIII-V族元素が含まれていても良
い。
【0071】(7)請求項7記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、請求項1または2または3または
4または5記載の面発光型半導体レーザ素子の製造方法
において、各成長間の界面である再成長界面を半導体分
布ブラッグ反射鏡部分とすることを特徴としている。
【0072】キャリアが注入される活性領域中を再成長
界面とすると、酸化等により非発光再結合が生じ発光効
率を落とす恐れがあるが、請求項5のように再成長界面
を反射鏡部分に設けると、成長界面と活性領域との間に
ワイドギャップである低屈折率層が存在するので、上記
恐れがなくなり、再成長界面による素子性能への影響を
なくすことができる。
【0073】(8)請求項8記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法は、請求項1または2または3または
4または5記載の面発光半導体レーザ素子の製造方法に
おいて、複数の結晶成長室が真空搬送路等で連結されて
おり、大気中にさらすことなく被成長基板を搬送して結
晶成長することを特徴としている。
【0074】請求項8の構成によれば、大気にさらすこ
とがないので、大気にさらしたとき生じる再成長界面で
の酸化膜などの形成を抑制でき、良好な多層膜構造体を
成長できる。
【0075】(9)請求項9記載の結晶成長装置は、M
BE成長室とMOCVD成長室とが大気中にさらすこと
なく被成長基板を搬送できる真空搬送路等で連結されて
いることを特徴としている。
【0076】請求項9の構成によれば、大気にさらすこ
とがないので、大気にさらしたとき生じる再成長界面で
の酸化膜などの形成を抑制できるとともに、MBE法、
MOCVD法のそれぞれの長所を利用した理想的な多層
膜構造体を結晶成長できる。
【0077】(10)請求項10記載の結晶成長装置
は、第1のMOCVD成長室と第2のMOCVD成長室
とが大気中にさらすことなく被成長基板を搬送できる真
空搬送路等で連結されていることを特徴としている。
【0078】請求項10の構成によれば、大気にさらす
ことがないので、大気にさらしたときに生じる再成長界
面での酸化膜などの形成を抑制できるとともに、相性の
悪い原料ガス同士を出合わせることなく、それらを別々
に用いた成長層を含んだ多層膜構造体を理想的に結晶成
長できる。また、それぞれを縦型成長室、横型成長室と
成長室の組合わせなど、それぞれ別々の層に合わせた形
態の成長室にすることもでき、多層膜構造体をより最適
に成長できる。
【0079】(11)請求項11記載の面発光型半導体
レーザ素子は、請求項1から8のいずれか一項に記載の
製造方法、または、請求項9あるいは10の結晶成長装
置を用いて形成されたことを特徴としている。
【0080】すなわち、GaAsよりも格子定数が大き
いGaInAsにNを添加することで、GaInNAs
はGaAsに格子整合させることが可能となるととも
に、そのバンドギャップが小さくなり、1.3μm,
1.55μm帯での発光が可能となる。GaAs基板格
子整合系なので、ワイドギャップのAlGaAsやGa
InPをクラッド層に用いることができる。
【0081】さらに、Nの添加により上記のようにバン
ドギャップが小さくなるとともに、伝導帯,価電子帯の
エネルギーレベルがともに下がり、ヘテロ接合における
伝導帯のバンド不連続が極めて大きくなる結果、レーザ
の動作電流の温度依存性を極めて小さくできる。
【0082】さらに、面発光型半導体レーザ素子は、小
型,低消費電力及び2次元集積化による並列伝送に有利
である。面発光型半導体レーザ素子は、従来のGaIn
PAs/InP系では実用化に絶え得る性能を得るのは
困難であるが、GaInNAs系材料によるとGaAs
基板を用いた0.85μm帯面発光型半導体レーザ素子
などで実績のあるAl(Ga)As/(Al)GaAs
系半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡や、AlAsの選択
酸化による電流狭さく構造が適用できるので、実用化が
期待できる。
【0083】これを実現するためには、GaInNAs
活性層の結晶品質の向上や、多層膜反射鏡の低抵抗化、
面発光型半導体レーザ素子としての多層膜構造体の結晶
品質や制御性の向上が重要であったが、本発明の請求項
1から8による製造方法、請求項9、10の製造装置の
いずれかまたは複数を用いることで、低抵抗で駆動電圧
が低く、低しきい値電流動作し、温度特性が良い面発光
型半導体レーザ素子を容易に実現できる。
【0084】(12)請求項12記載の光送信モジュー
ルは、請求項11記載の面発光型半導体レーザ素子を光
源として用いたことを特徴としている。上記の如き低抵
抗で駆動電圧が低く、低しきい値電流動作し、温度特性
が良い面発光型半導体レーザ素子を用いることによっ
て、冷却素子が不要な低コストな光送信モジュールを実
現することができる。
【0085】(13)請求項13記載の光送受信モジュ
ールは、請求項11記載の面発光型半導体レーザ素子を
光源として用いたことを特徴としている。上記の如き低
抵抗で駆動電圧が低く、低しきい値電流動作し、温度特
性が良い面発光型半導体レーザ素子を用いることによっ
て、冷却素子が不要な低コストな光送受信モジュールを
実現することができる。
【0086】(14)請求項14記載の光通信システム
は、請求項11記載の面発光型半導体レーザ素子を光源
として用いたことを特徴としている。上記の如き低抵抗
で駆動電圧が低く、低しきい値電流動作し、温度特性が
良い面発光型半導体レーザ素子を用いることによって、
冷却素子不要な低コストな光ファイバー通信システム,
光インターコネクションシステムなどの光通信システム
を実現することができる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面を
用いて詳細に説明する。
【0088】(第1の実施例<請求項1,6,7,8,
9,11>)本発明の第1の実施例に係るGaInNA
s面発光型半導体レーザ素子について説明する。
【0089】図4は、本発明の第1の実施例に係る面発
光型半導体レーザ素子の構造を示す図である。図4に示
すように、本実施例における面発光型半導体レーザ素子
は、2インチの大きさの面方位(100)のn−GaA
s基板20上に,それぞれの媒質内における発振波長の
1/4倍の厚さでn−AlxGa1-xAs(x=0.9)
とn−GaAsを交互に35周期積層した周期構造から
なるn−半導体分布ブラッグ反射鏡(下部半導体分布ブ
ラッグ反射鏡:単に下部反射鏡ともいう)21が形成
(図4では詳細は省略)されている。その上にアンドー
プ下部GaAsスペーサ層22,3層のGaxIn1-x
yAs1-y(x、y)井戸層とGaAsバリア層15nm
からなる多重量子井戸活性層23,アンドープ上部Ga
Asスペーサ層24が形成されている。
【0090】その上にp−半導体分布ブラッグ反射鏡
(上部半導体分布ブラッグ反射鏡:単に上部反射鏡とも
いう)25が形成されている。上部反射鏡25は、被選
択酸化層となるAlAsをAlGaAsで挟んだ3λ/
4厚さの低屈折率層(λ/4−15nmのCドープp−
AlxGa1-xAs(x=0.9)、30nmのCドープ
p−AlAs被選択酸化層251、2λ/4−15nm
のCドープのp−AlxGa1-xAs(x=0.9))と
厚さλ/4のGaAs(1周期)、及びCドープのp−
AlxGa1-xAs(x=0.9)とp−GaAsをそれ
ぞれの媒質内における発振波長の1/4倍の厚さで交互
に積層した周期構造 例えば、25周期から構成されて
いる(図では詳細は省略)。
【0091】上部反射鏡25の最上部のGaAs層25
2は電極とコンタクトを取るコンタクト層を兼ねてい
る。活性層23内の井戸層のIn組成xは37%,窒素
組成は0.5%とした。井戸層の厚さは7nmとした。
GaAs基板20に対して約2.5%の圧縮歪(高歪)
を有していた。
【0092】本実施例における図4の面発光型半導体レ
ーザ素子の各層の結晶成長は、図5に示すような結晶成
長装置で行われる。図5に示すように、本実施例に係る
結晶成長装置においては、MOCVD成長室31とMB
E成長室32とが真空搬送路を通して結合されており、
反射鏡をMOCVD成長室31で成長させ、GaInN
As活性層をMBE成長室32で成長させるように、G
aAsスペーサ層の途中でGaAs基板20を移動し
た。結晶成長装置におけるMOCVD装置とMBE装置
とをそれぞれ別々とし、GaAs基板20を一度大気中
に取り出すようにしてもよいが、望ましくは図5のよう
に一体化して大気にさらさないようにした方がよい。再
成長界面に取り込まれてしまう酸素の濃度を低減できる
からである。
【0093】本実施例において、MBE法でのGaIn
NAs成長には固体ソースのGa,In,As,そして
2ガスをRFラジカルセルで分解した窒素を用いた。
またMOCVD装置によるAlGaAs系成長にはTM
G(トリメチルガリウム),TMI(トリメチルインジ
ウム),AsH3(アルシン)を用い、キャリアガスに
はH2(水素)を用いた。本実施例の素子の活性層のよ
うに歪が大きい場合は、非平衡となる低温成長が好まし
い。本実施例ではGaInNAs層は430℃で成長さ
せた。
【0094】所定の大きさのメサを少なくともp−Al
As被選択酸化層251の側面を露出させて形成し、側
面の現れたAlAsを水蒸気で側面から酸化してAlx
y電流狭さく層26を形成した。そして次にポリイミ
ド27でエッチング部を埋め込んで平坦化し、pコンタ
クト層252と光出射部28のある上部反射鏡上のポリ
イミドを除去し、pコンタクト層252上の光出射部2
8以外にp側電極29を形成し、基板20の裏面にn側
電極30を形成した。
【0095】作製した面発光型半導体レーザ素子の発振
波長は約1.3μmであった。GaInNAsを活性層
に用いたので、GaAs基板上に長波長帯の面発光型半
導体レーザ素子を形成できた。また、AlとAsを主成
分とした被選択酸化層の選択酸化により電流狭さくを行
ったので、しきい値電流は低かった。被選択酸化層を選
択酸化したAl酸化膜からなる電流狭さく層を用いた電
流狭さく構造によると、電流狭さく層を活性層に近づけ
て形成することで電流の広がりを抑えられ、大気に触れ
ない微小領域に効率良くキャリアを閉じ込めることがで
きる。
【0096】さらに酸化してAl酸化膜となることで屈
折率が小さくなり凸レンズの効果でキャリアの閉じ込め
られた微小領域に効率良く光を閉じ込めることができ、
極めて効率が良くなり、しきい値電流は低減される。ま
た、容易に電流狭さく構造を形成できることから製造コ
ストを低減できる。このように本実施例によれば、低消
費電力で低コストの1.3μm帯の面発光型半導体レー
ザ素子を実現できる。なお、移動回数を低減し製造時間
を短縮するために、n側多層膜反射鏡21と活性層23
をMBE成長室で成長し、p側多層膜反射鏡25のみを
MOCVD成長室で成長することもできる。
【0097】(第2の実施例<請求項2,3,6,7,
8,10,11>)本発明の第2の実施例に係るGaI
nNAs面発光型半導体レーザ素子について説明する。
本実施例におけるGaInNAs面発光型半導体レーザ
素子の構造は、第1の実施例と同様に図4の通りであ
り、第1の実施例と異なる点は結晶成長方法である。本
実施例での結晶成長は、2つのMOCVD成長室を有す
るMOCVD装置で行った。
【0098】図6は、本実施例でGaInNAs面発光
型半導体レーザ素子の結晶成長を行う2つのMOCVD
成長室41,42を有するMOCVD装置の概要図であ
る。
【0099】本実施例では、Alを含んだ層を用いた反
射鏡(図4の下部反射鏡21と上部反射鏡25)は第1
のMOCVD成長室41で成長させ、窒素を含んだ層を
用いたGaInNAs活性層(図4のGaInNAs活
性層23)は第2のMOCVD成長室42で成長させ
た。なお、本実施例では第1のMOCVD成長室41は
縦型反応管を用い、第2のMOCVD成長室42は横型
反応管を用いた。GaAsスペーサ層22の成長途中で
基板を真空搬送路43を通して移動して成長させた。
【0100】MOCVD法によるGaInNAs活性層
23の原料にはTMG(トリメチルガリウム),TMI
(トリメチルインジウム),AsH3(アルシン),そ
して窒素の原料にはDMHy(ジメチルヒドラジン)を
用いた。キャリアガスにはH 2を用いた。DMHyは、
低温で分解するので600℃以下のような低温成長に適
しており、特に低温成長の必要な歪みの大きい量子井戸
層を成長する場合好ましい原料である。本実施例のGa
InNAs面発光型半導体レーザ素子の活性層23のよ
うに歪が大きい場合は、非平衡となる低温成長が好まし
い。本実施例ではGaInNAs層23は540℃で成
長させた。また、窒素の原料とAl原料はガスライン中
で出会わないようにした。具体的には、図6に示すO
N,OFFバルブの開け閉めで出会わないようにしてい
る。
【0101】第1のMOCVD成長室41に用いた縦型
反応管は均一性に優れており多層膜反射鏡の成長に適し
ている。また、第2のMOCVD成長室42に用いた横
型反応管は層流を作りやすいという特徴がある。また上
流と下流が存在するので原料ガスの事前分解などもで
き、低温成長化に有利であり、GaInNAsの成長に
適している。図6のような縦型反応管と横型反応管の組
み合わせに限らず、例えば複数の形態の違った縦型反応
管の組み合わせ等、複数の成長室を有すると、それぞれ
の成長層に適した成長室形態にすることができ、様々な
多層膜構造体を容易に最適化して成長できるメリットが
ある。
【0102】本実施例では、全てMOCVD装置を用
い、しかも真空搬送路43で結合しているので、再成長
界面の悪影響も無く、スループット良くGaInNAs
面発光型半導体レーザ素子を製造できた。
【0103】また、再成長界面をGaAsスペーサ層の
途中としたが、これに限るものではない(第1の実施例
でも同様である)。キャリアが注入される活性領域中を
再成長界面とすると酸化等により非発光再結合が生じ発
光効率を落とす可能性があるので、反射鏡部分に設ける
とよい。例えば反射鏡を構成する高屈折率層と低屈折率
層を1ペア2nd成長(活性領域を成長するステップ)
で成長するとよい。
【0104】この場合、Alを含まない層を再成長界面
とするのが好ましいので(Alを含む層を再成長界面と
すると真空搬送を行っても酸化による悪影響が問題にな
る場合がある)、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率
層をAl(Ga)Asとし、GaAs層中を再成長界面
とするとよい。特にMOCVD法では、GaInNAs
を成長する反応室でAlを含んだ層を成長すると問題が
生じる場合(特に、基板と窒素を含む活性層との間にA
lを含んだ層を成長する場合)があるので、低屈折率層
にはGaxIn1-xyAs1-y(0<x≦1,0<y≦
1)などAlを含まない材料を用いることが好ましい。
【0105】この例を図14に示す。図14では、活性
領域を成長するステップ(2nd成長)においてGaI
nNAs活性層を成長する前にGaxIn1-xyAs1-y
(0<x≦1,0<y≦1)層を成長している。また、
このGaxIn1-xyAs1-y(0<x≦1,0<y≦
1)層は、下部反射鏡を構成する低屈折率層のうちの1
層となっている。なお、上部反射鏡は図4と同じ構成と
し、下部反射鏡の低屈折率層のみがGaxIn1-xy
1-y(0<x≦1,0<y≦1)となっている。活性
領域を成長するステップ(2nd成長)で上部反射鏡を
構成する低屈折率層部分(被選択酸化層となるAlAs
をAlGaAsで挟んだ3λ/4厚さの低屈折率層)を
AlGaAs系材料で構成したが、次回の窒素を含む活
性層成長までに充分時間があるので、その間に装置を真
空引き等でクリーニングすることでAl及び酸素の活性
層への混入を防ぐことができる。なお、このクリーニン
グは通常でも行うので特に製造工程は増加しない。ま
た、クリーニング方法としては、キャリアガスである水
素ガスを供給しながら成長室内の加熱体を加熱すると効
率が良い。加熱体を加熱する場合、成長温度より高い温
度で行なうのが好ましい。望ましくは、活性層を成長さ
せる成長室は、Alを含んだ材料を成長しない、つまり
Al原料を供給しない成長室であると良い。確実にAl
とともに酸素が窒素を含む活性層に取りこまれるのを防
止できるからである。
【0106】(第3の実施例<請求項12,14>)図
7は、本発明の第3の実施例を示す図で、第1の実施例
に係る面発光型半導体レーザ素子と光ファイバーとを組
み合わせた光送信モジュールの概要図である。本実施例
では1.3μm帯GaInNAsの面発光型半導体レー
ザ素子51からのレーザ光53が石英系光ファイバー5
2に入力され、伝送される。発振波長の異なる複数の面
発光型半導体レーザ素子を1次元または2次元にアレイ
状に配置して、波長多重送信することにより伝送速度を
増大することが可能となる。また、面発光型半導体レー
ザ素子を1次元または2次元にアレイ状に配置し、それ
ぞれに対応する複数の光ファイバー52からなる光ファ
イバー束とを結合させて伝送速度を増大することもでき
る。
【0107】さらに、本発明による面発光型半導体レー
ザ素子を光通信システムに用いると、低コストで信頼性
が高い光送信モジュールを実現できる他、これを用いた
低コスト,高信頼の光通信システムを実現できる。ま
た、GaInNAsを用いた面発光型半導体レーザ素子
は温度特性が良いこと、及び低しきい値であることによ
り、発熱が少なく、高温まで冷却なしで使えるシステム
を実現できる。
【0108】(第4の実施例<請求項13,14>)図
8は、本発明の第4の実施例を示す図で、第2の実施例
の面発光型半導体レーザ素子と、受信用フォトダイオー
ドと、光ファイバーとを組み合わせた光送受信モジュー
ルの概要図である。
【0109】本発明による面発光型半導体レーザ素子を
光通信システムに用いる場合、面発光型半導体レーザ素
子は低コストであるので、図8に示すように送信用の面
発光型半導体レーザ素子(1.3μm帯GaInNAs
面発光型半導体レーザ素子)61と、受信用フォトダイ
オード62と、光ファイバー63とを組み合わせた光送
信モジュールを用いた低コスト高信頼性の光通信システ
ムを実現できる。また、本発明に係るGaInNAsを
用いた面発光型半導体レーザ素子の場合,温度特性が良
いこと、動作電圧が低いこと、及び、低しきい値である
ことにより、発熱が少なく、高温まで冷却なしで使える
より低コストのシステムを実現できる。
【0110】さらに、1.3μm等の長波長帯で低損失
となるフッ素添加POF(プラスチックファイバ)とG
aInNAsを活性層に用いた面発光型レーザとを組み
合わせるとファイバが低コストであること、ファイバの
径が大きくてファイバとのカップリングが容易で実装コ
ストを低減できることから、極めて低コストのモジュー
ルを実現できる。
【0111】本発明に係る面発光型半導体レーザ素子を
用いた光通信システムとしては光ファイバーを用いた長
距離通信に用いることができるのみならず、LAN(Lo
calArea Network)などのコンピュータ等の機器間伝
送、さらにはボード間のデータ伝送、ボード内のLSI
間、LSI内の素子間等、光インターコネクションとし
て短距離通信に用いることができる。
【0112】近年LSI等の処理性能は向上している
が、これらを接続する部分の伝送速度が今後ボトルネッ
クとなる。システム内の信号接続を従来の電気接続から
光インターコネクトに変えると、例えばコンピュータシ
ステムのボード間、ボード内のLSI間、LSI内の素
子間等を本発明に係る光送信モジュールや光送受信モジ
ュールを用いて接続すると、超高速コンピュータシステ
ムが可能となる。
【0113】また、複数のコンピュータシステム等を本
発明に係る光送信モジュールや光送受信モジュールを用
いて接続した場合、超高速ネットワークシステムが構築
できる。特に面発光型半導体レーザ素子は端面発光型レ
ーザに比べて桁違いに低消費電力化でき2次元アレイ化
が容易なので並列伝送型の光通信システムに適してい
る。
【0114】以上説明したように、GaInNAs系材
料によるとGaAs基板を用いた0.85μm帯面発光
型半導体レーザ素子などで実績のあるAl(Ga)As
/(Al)GaAs系半導体多層膜分布ブラッグ反射鏡
や、AlAsの選択酸化による電流狭さく構造が適用で
き、第1の実施例や第2の実施例または後述の第5の実
施例のように面発光型半導体レーザ素子を製造すること
により、GaInNAs活性層の結晶品質の向上や、多
層膜反射鏡の低抵抗化、面発光型半導体レーザ素子とし
ての多層膜構造体の結晶品質や制御性の向上ができるの
で、実用レベルの高性能の1.3μm帯等の長波長帯面
発光型半導体レーザ素子を実現でき、さらにこれらの素
子を用いると、冷却素子不要で低コストの光ファイバー
通信システム、光インターコネクションシステムなどの
光通信システムを実現することができる。
【0115】(第5の実施例<請求項2,3,6,7,
8,10,11>)図15は第5の実施例の面発光型半
導体レーザ素子の構成例を示す図である。なお、活性領
域付近の拡大図も示されている。第2の実施例の素子
(図14)との違いはGaxIn1-xyAs1-y(0<x
≦1,0<y≦1)層(第二スペーサ層)が共振器の中
にあることである。本実施例では共振器部の厚さは1波
長分の厚さとなっている。共振器部は3層からなるGa
InNAs量子井戸層とGaAs障壁層とからなる活性
層と、GaAsを第一スペーサ層、GaxIn1-xy
1-y(0<x≦1,0<y1)層を第二スペーサ層と
した構造となっている。GaxIn1-xyAs1-y(0<
x≦1,0<y≦1)層は、GaAs層よりバンドギャ
ップが大きいので、キャリアが注入される活性領域は実
質GaAs第一スペーサ層までとなり、実施例2の素子
と同様な効果が得られる。
【0116】なお、成長室を移すための成長中断界面は
GaxIn1-xyAs1-y(0<x≦1,0<y≦1)層
の途中に設けたが、GaxIn1-xyAs1-y(0<x≦
1,0<y≦1)層とAlを含んだ層との間にGaAs
層を設けてその層の途中などで行うこともできる。
【0117】また成長装置としてはMOCVD反応室と
MBE反応室が真空搬送路で結合された装置を用いるこ
ともできる。この場合、n側の下部反射鏡をMBE反応
室で成長し、窒素を含んだ活性層とp側反射鏡は連続し
てMOCVD成長室で成長することができる。このとき
には、基板の成長室間の移動は1回で済むので短時間で
成長できる。この場合でもMOCVD成長による窒素を
含んだ活性層中の酸素の取り込まれを低減できる。また
p側反射鏡の抵抗を低減できる。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、高品質で実用レベルの
GaInNAs面発光型半導体レーザ素子の製造方法
(請求項1〜8)および該製造方法を実現するための結
晶成長装置(請求項9,10)、ならびにこれらを用い
て形成した面発光型半導体レーザ素子(請求項11)、
該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール
(請求項12)、光送受信モジュール(請求項13)、
光通信システム(請求項14)を実現できる。
【0119】さらに詳しくは、 (1)請求項1記載の面発光型半導体レーザ素子の製造
方法によれば、半導体多層膜反射鏡をMOCVD法で、
GaInNAs活性層を含む活性領域をMBE法で成長
することにより、容易に低抵抗の多層膜反射鏡を形成で
き、また容易に高品質のGaInNAs活性層を形成で
きる。
【0120】(2)請求項2記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、活性層をMOCVD成長室
で成長させ、下部反射鏡を別のMOCVD成長室または
MBE成長室で成長させることにより、量産化に有利な
MOCVD法で良好な品質のGaInNAs面発光型半
導体レーザ素子の多層膜構造体を結晶成長できる。
【0121】(3)請求項3記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、活性層と反射鏡とを、それ
ぞれ別々のMOCVD成長室で成長させることにより、
量産化に有利なMOCVD法で良好な品質のGaInN
As面発光型半導体レーザ素子の多層膜構造体を結晶成
長できる。
【0122】(4)請求項4記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、請求項2または3記載の面
発光型半導体レーザ素子の製造方法において、活性層を
成長させる成長室は、Alを含んだ材料を成長しない成
長室であることにより、活性層を成長させる成長室内に
は、Al原料、または、Al反応物、または、Al化合
物、または、Alが残留していないので、窒素を含んだ
活性層にAlとともに酸素が取りこまれることを確実に
防止でき、発光効率の高い、しきい値電流の低い面発光
型半導体レーザ素子を得ることができる。
【0123】(5)請求項5記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、請求項2または3記載の面
発光型半導体レーザ素子の製造方法において、活性層を
成長させる成長室は、Alを含んだ材料を成長する場合
がある成長室であり、Alを含んだ材料を成長した後、
活性層を成長するまでの間に、成長室内に残留したAl
原料、または、Al反応物、または、Al化合物、また
は、Alを除去する工程を設けており、窒素を含む活性
層を成長させる成長室で、成長前に、あらかじめ成長室
内に残留しているAl原料、または、Al反応物、また
は、Al化合物、または、Alを除去してあるので、活
性層を成長させる成長室内には、Al原料、または、A
l反応物、または、Al化合物、または、Alが残留し
ておらず、窒素を含んだ活性層にAlとともに酸素が取
りこまれることを確実に防止でき、発光効率の高い、し
きい値電流の低い面発光型半導体レーザ素子を得ること
ができる。
【0124】(6)請求項6記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、活性層を成長するステップ
において、活性層を成長する前にGaxIn1-xyAs
1-y(0<x≦1,0<y≦1)層を成長することによ
り、再成長界面による素子性能への影響をなくすことが
できる。
【0125】(7)請求項7記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、各成長間の界面である再成
長界面を半導体分布ブラッグ反射鏡部分とすることによ
り、再成長界面による素子性能への影響をなくすことが
できる。
【0126】(8)請求項8記載の面発光型半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、複数の結晶成長室が真空搬
送路等で連結されており、大気中にさらすことなく被成
長基板を搬送して結晶成長するようにしたことにより、
大気にさらしたときに生じる再成長界面での酸化膜など
の形成を抑制でき、良好な多層膜構造体を成長できる。
【0127】(9)請求項9記載の結晶成長装置によれ
ば、MBE成長室とMOCVD成長室とを大気中にさら
すことなく被成長基板を搬送できる真空搬送路等で連結
したことにより、大気にさらすことがなくなり、大気に
さらしたときに生じる再成長界面での酸化膜などの形成
を抑制できるとともに、MBE法、MOCVD法のそれ
ぞれの長所を利用した理想的な多層膜構造体を結晶成長
できる。
【0128】(10)請求項10記載の結晶成長装置に
よれば、第1のMOCVD成長室と第2のMOCVD成
長室とを大気中にさらすことなく被成長基板を搬送でき
る真空搬送路等で連結したことにより、大気にさらすこ
とがなくなり、大気にさらしたときに生じる再成長界面
での酸化膜などの形成を抑制できるとともに、相性の悪
い原料ガス同士を出合わせることなく、それらを別々に
用いた成長層を含んだ多層膜構造体を理想的に結晶成長
できる。また、それぞれを縦型成長室,横型成長室と成
長室の組合わせなど、それぞれ別々の層に合わせた形態
の成長室にすることもでき、多層膜構造体をより最適に
成長できる。
【0129】(11)請求項11記載の面発光半導体レ
ーザ素子は、請求項1から8のいずれか一項に記載の製
造方法、または、請求項9あるいは10の結晶成長装置
を用いて形成されたものであり、低抵抗で駆動電圧が低
く、低しきい値電流で動作し、温度特性が良い面発光型
半導体レーザ素子を容易に実現できる。
【0130】(12)請求項12記載の光送信モジュー
ルは、請求項11記載の面発光型半導体レーザ素子を光
源として用いたものであり、冷却素子が不要な低コスト
な光送信モジュールを実現することができる。
【0131】(13)請求項13記載の光送受信モジュ
ールは、請求項11記載の面発光型半導体レーザ素子を
光源として用いたものであり、冷却素子が不要な低コス
トな光送受信モジュールを実現することができる。
【0132】(14)請求項14記載の光通信システム
は、請求項11記載の面発光型半導体レーザ素子を光源
として用いたものであり、冷却素子不要な低コストな光
ファイバー通信システム,光インターコネクションシス
テムなどの光通信システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MOCVD装置の概略図である。
【図2】MBE装置の概略図である。
【図3】Al組成20%のAlGaInNPとGaIn
NPを成長したときのV族原料に対する窒素原料である
[DMHy]/([PH3]+[DMHy])と窒素取りこまれ量の関係を示
す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る面発光型半導体レ
ーザ素子の構造を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る結晶成長装置の概
念図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る2つのMOCVD
成長室を有するMOCVD装置の概要図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係る、面発光型半導体
レーザ素子とファイバーとを組み合わせた光送信モジュ
ールの概要図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係る、面発光型半導体
レーザ素子と受信用フォトダイオードと光ファイバーと
を組み合わせた光送受信モジュールの概要図である。
【図9】しきい値電流密度の窒素組成依存性を示す図で
ある。
【図10】本願の発明者のMOCVD装置で作製したG
aInNAs量子井戸層とGaAsバリア層とからなる
GaInNAs/GaAs 2重量子井戸構造からなる
活性層からの室温フォトルミネッセンススペクトルを示
す図である。
【図11】半導体発光素子の試料構造を示す図である。
【図12】図11に示した半導体発光素子の一例とし
て、クラッド層をAlGaAsとし、中間層をGaAs
とし、活性層をGaInNAs/GaAs2重量子井戸
構造として構成した素子を1台のエピタキシャル成長装
置(MOCVD装置)を用いて形成したときの、窒素
(N)濃度と酸素(O)濃度の深さ方向分布を示す図で
ある。
【図13】図12と同じ試料のAl濃度の深さ方向分布
を示す図である。
【図14】第2の実施例の面発光型半導体レーザの構造
を示す図である。
【図15】第5の実施例の面発光型半導体レーザの構造
を示す図である。
【符号の説明】
11 基板出し入れ口 12 成長室(反応室) 13 水素精製機 14 液体、固体バブラー 15 ガスシリンダー 16 バルブ A 原料ガス供給部 B 加熱部 C 排気部 20 n−GaAs基板 21 n−半導体分布ブラッグ反射鏡(下部半導体
分布ブラッグ反射鏡) 22 下部GaAsスペーサ層 23 多重量子井戸活性層 24 上部GaAsスペーサ層 25 p−半導体分布ブラッグ反射鏡(上部半導体
分布ブラッグ反射鏡) 251 被選択酸化層 252 p−GaAs層(コンタクト層) 26 Alxy電流狭さく部 27 ポリイミド 28 光出射部 29 p側電極 30 n側電極 31 MOCVD成長室 32 MBE成長室 41 第1のMOCVD成長室 42 第2のMOCVD成長室 43 真空搬送路 44 基板出し入れ室 45 ガス供給部 51 1.3μm帯GaInNAsの面発光型半導
体レーザ素子 52 石英系光光ファイバー 53,64 レーザ光 61 1.3μm帯GaInNAs面発光型半導体
レーザ素子 62 受信用フォトダイオード 63 光ファイバー 201 GaAs基板 202 下部クラッド層 203 中間層 204 活性層 205 上部クラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 軸谷 直人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 伊藤 彰浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 上西 盛聖 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE47 BE48 DA05 DB08 EF01 EG29 EG30 HA02 5F045 AA05 AB18 AC01 AC08 AC09 AD08 AD09 CA12 DA55 HA24 5F073 AA07 AA11 AA22 AA51 AA65 AA74 AB17 BA02 CA17 CB02 DA05 DA06 EA23 EA28 (54)【発明の名称】 面発光型半導体レーザ素子の製造方法および結晶成長装置、ならびにこれらを用いて形成した面 発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モ ジュール、光通信システム

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、レーザ光を発生する少
    なくとも1層の活性層を含んだ活性領域と、レーザ光を
    得るために前記活性層の上部及び下部に設けられた反射
    鏡を含んだ共振器構造を有し、前記活性層の上部及び下
    部に設けられた反射鏡のうちの1つがp側半導体の反射
    鏡である面発光型半導体レーザ素子の製造方法であっ
    て、前記活性層は、Ga,In,N,Asを主成分とし
    て含み、前記反射鏡のうち少なくともp側半導体の反射
    鏡は、屈折率が周期的に変化し入射光を光波干渉によっ
    て反射する半導体分布ブラッグ反射鏡を含み、前記活性
    層は、MBE法で成長され、前記反射鏡のうち少なくと
    もp側半導体の反射鏡はMOCVD法で成長されること
    を特徴とする面発光型半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に、レーザ光を発生する少
    なくとも1層の活性層を含んだ活性領域と、レーザ光を
    得るために前記活性層の上部及び下部に設けられた反射
    鏡を含んだ共振器構造を有する面発光型半導体レーザ素
    子の製造方法であって、前記活性層は、Ga,In,
    N,Asを主成分として含み、前記反射鏡のうち少なく
    とも下部反射鏡は、屈折率が周期的に変化し入射光を光
    波干渉によって反射する半導体分布ブラッグ反射鏡を含
    み、前記活性層をMOCVD成長室で成長させ、前記下
    部反射鏡を、別のMOCVD成長室またはMBE成長室
    で成長させることを特徴とする面発光型半導体レーザ素
    子の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に、レーザ光を発生する少
    なくとも1層の活性層を含んだ活性領域と、レーザ光を
    得るために前記活性層の上部及び下部に設けられた反射
    鏡を含んだ共振器構造を有する面発光型半導体レーザ素
    子の製造方法であって、前記活性層は、Ga,In,
    N,Asを主成分として含み、前記反射鏡のうち少なく
    とも一方の反射鏡は、屈折率が周期的に変化し入射光を
    光波干渉によって反射する半導体分布ブラッグ反射鏡を
    含み、前記活性層と前記反射鏡とを、それぞれ別々のM
    OCVD成長室で成長させることを特徴とする面発光型
    半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 活性層を成長させる成長室は、Alを含
    んだ材料を成長しない成長室であることを特徴とする請
    求項2または3記載の面発光型半導体レーザ素子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 活性層を成長させる成長室は、Alを含
    んだ材料を成長する場合がある成長室であり、Alを含
    んだ材料を成長した後、活性層を成長するまでの間に成
    長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、また
    は、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けた
    ことを特徴とする請求項2または3記載の面発光型半導
    体レーザ素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 活性層を成長する成長室において、活性
    層を成長する前にGaxIn1-xyAs1-y(0<x≦
    1,0<y≦1)層を成長することを特徴とする請求項
    1または2または3または4または5記載の面発光型半
    導体レーザ素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 各成長間の界面である再成長界面を半導
    体分布ブラッグ反射鏡部分とすることを特徴とする請求
    項1または2または3または4または5記載の面発光型
    半導体レーザ素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 複数の結晶成長室が真空搬送路等で連結
    されており、大気中にさらすことなく被成長基板を搬送
    して結晶成長することを特徴とする請求項1または2ま
    たは3または4または5記載の面発光型半導体レーザ素
    子の製造方法。
  9. 【請求項9】 MBE成長室とMOCVD成長室とが大
    気中にさらすことなく被成長基板を搬送できる真空搬送
    路等で連結されていることを特徴とする結晶成長装置。
  10. 【請求項10】 第1のMOCVD成長室と第2のMO
    CVD成長室とが大気中にさらすことなく被成長基板を
    搬送できる真空搬送路等で連結されていることを特徴と
    する結晶成長装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から8のいずれか一項に記載
    の面発光型半導体レーザ素子の製造方法、または、請求
    項9あるいは10記載の結晶成長装置を用いて形成され
    たことを特徴とする面発光型半導体レーザ素子。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の面発光型半導体レー
    ザ素子を光源として用いたことを特徴とする光送信モジ
    ュール。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の面発光型半導体レー
    ザ素子を光源として用いたことを特徴とする光送受信モ
    ジュール。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の面発光型半導体レー
    ザ素子を光源として用いたことを特徴とする光通信シス
    テム。
JP2002029822A 2001-03-27 2002-02-06 面発光型半導体レーザ素子の製造方法、該面発光型半導体レーザ素子の製造方法を用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム Expired - Fee Related JP4084575B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029822A JP4084575B2 (ja) 2001-03-27 2002-02-06 面発光型半導体レーザ素子の製造方法、該面発光型半導体レーザ素子の製造方法を用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム
US10/105,800 US6765232B2 (en) 2001-03-27 2002-03-26 Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US10/788,086 US7180100B2 (en) 2001-03-27 2004-02-27 Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US10/878,282 US7067846B2 (en) 2001-03-27 2004-06-29 Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US11/404,876 US7453096B2 (en) 2001-03-27 2006-04-17 Method of fabricating a semiconductor light-emitting device
US11/647,270 US7518161B2 (en) 2001-03-27 2006-12-29 Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US12/408,362 US7968362B2 (en) 2001-03-27 2009-03-20 Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US13/165,027 US8293555B2 (en) 2001-03-27 2011-06-21 Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001089068 2001-03-27
JP2001-89068 2001-03-27
JP2001252537 2001-08-23
JP2001-252537 2001-08-23
JP2002029822A JP4084575B2 (ja) 2001-03-27 2002-02-06 面発光型半導体レーザ素子の製造方法、該面発光型半導体レーザ素子の製造方法を用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008000068A Division JP4864014B2 (ja) 2001-03-27 2008-01-04 面発光型半導体レーザ素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003142776A true JP2003142776A (ja) 2003-05-16
JP4084575B2 JP4084575B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=27346360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002029822A Expired - Fee Related JP4084575B2 (ja) 2001-03-27 2002-02-06 面発光型半導体レーザ素子の製造方法、該面発光型半導体レーザ素子の製造方法を用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4084575B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006165069A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Ulvac Japan Ltd 化合物半導体の成長方法及び装置
JP2007214209A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v化合物半導体を形成する方法およびiii−v化合物半導体装置を作製する方法
JP2008085182A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 垂直共振型面発光素子
JP2008283078A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v化合物半導体光装置を作製する方法、及びiii−v化合物半導体を形成する方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006165069A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Ulvac Japan Ltd 化合物半導体の成長方法及び装置
JP2007214209A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v化合物半導体を形成する方法およびiii−v化合物半導体装置を作製する方法
JP2008085182A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Sumitomo Electric Ind Ltd 垂直共振型面発光素子
JP4508174B2 (ja) * 2006-09-28 2010-07-21 住友電気工業株式会社 垂直共振型面発光素子
JP2008283078A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v化合物半導体光装置を作製する方法、及びiii−v化合物半導体を形成する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4084575B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7940827B2 (en) Vertical-cavity, surface-emission type laser diode and fabrication process thereof
US7518161B2 (en) Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US7067846B2 (en) Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
US8293555B2 (en) Semiconductor light-emitting device, surface-emission laser diode, and production apparatus thereof, production method, optical module and optical telecommunication system
JP4084575B2 (ja) 面発光型半導体レーザ素子の製造方法、該面発光型半導体レーザ素子の製造方法を用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム
JP4253207B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法および半導体発光素子および面発光型半導体レーザ素子の製造方法および面発光型半導体レーザ素子および面発光型半導体レーザアレイおよび光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システム
JP4864014B2 (ja) 面発光型半導体レーザ素子の製造方法
JP2004288789A (ja) 面発光型半導体レーザ素子の製造方法および結晶成長装置、ならびにこれらを用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光送信モジュール、光送受信モジュール、光通信システム
JP4281987B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2002329928A (ja) 光通信システム
JP4136369B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法および面発光型半導体レーザ素子の製造方法
JP5013611B2 (ja) 半導体発光素子
JP2003101151A (ja) 半導体発光素子の製造方法および有機金属気相成長装置、ならびにこれらを用いて形成した面発光型半導体レーザ素子、該面発光型半導体レーザ素子を用いた光通信システム
JP2004289112A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システム
JP4450269B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP4666967B2 (ja) 半導体発光素子、面発光型半導体レーザ、面発光型半導体レーザアレイ、光送信モジュール、光送受信モジュール及び光通信システム
JP2005011995A (ja) 半導体発光素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システム
JP2004200647A (ja) 半導体発光素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システムおよび半導体発光素子の製造方法
JP2002324940A (ja) 光通信システム
JP2005150139A (ja) 半導体発光素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システム
JP4410975B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法および面発光型半導体レーザ素子
JP2002324941A (ja) 光送受信システム
JP2002329923A (ja) 光通信システム
JP2002324939A (ja) 光通信システム
JP2008022040A (ja) 半導体発光素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システムおよびコンピュータシステムおよびネットワークシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees