JP2003142103A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
- Publication number
- JP2003142103A JP2003142103A JP2001341662A JP2001341662A JP2003142103A JP 2003142103 A JP2003142103 A JP 2003142103A JP 2001341662 A JP2001341662 A JP 2001341662A JP 2001341662 A JP2001341662 A JP 2001341662A JP 2003142103 A JP2003142103 A JP 2003142103A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose
- halogen
- compound
- secondary battery
- electrolyte secondary
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 使用環境温度の上限が上昇しても、非水電解
質二次電池のオーバーシュート現象を抑制し、安全性に
優れた非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 ハロゲンあるいはハロゲン化合物が結合
されたセルロース系化合物を増粘剤あるいは結着剤とし
て用いる。前記セルロース系化合物はセルロースあるい
はカルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ヒ
ドロキシメチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロ
キシエチルセルロースのセルロースのエーテル誘導体か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物である。
質二次電池のオーバーシュート現象を抑制し、安全性に
優れた非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 ハロゲンあるいはハロゲン化合物が結合
されたセルロース系化合物を増粘剤あるいは結着剤とし
て用いる。前記セルロース系化合物はセルロースあるい
はカルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ヒ
ドロキシメチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロ
キシエチルセルロースのセルロースのエーテル誘導体か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安全性と信頼性を
改善した電池、特に各種規格に基づく試験法に基づき、
電地が通常に使用される温度領域を越える高温環境下で
の安全性、信頼性を改善した非水電解質二次電池に関す
る。
改善した電池、特に各種規格に基づく試験法に基づき、
電地が通常に使用される温度領域を越える高温環境下で
の安全性、信頼性を改善した非水電解質二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池は、リチウムイオン
の吸収、離脱反応と非水電解質の適用によって、従来の
水溶液系電解質の電池にない4Vにも及ぶ高電圧および
350Wh/lを超える高エネルギー密度が実現されて
いる。電池の輸送や保管、あるいは使用時において、環
境温度が上昇すると、電池内圧の上昇によって安全弁や
封口部を損傷し、周囲の機器に影響を与えるだけでな
く、可燃性ガスを放出する虞があった。この種の課題に
対して、日本電池工業会(SBA)の評価基準ガイドラ
イン(SBA G 1101−1997電池工業会)に
は不慮の加熱環境における事態を想定した安全試験が示
されている。また、UL(Underwriter’s
Laboratories保険業者研究所:電気製器
具に関する安全性をテストする非営利団体)が示すUL
規格では、前記昇温の上限を150℃、上限到達後の保
持時間を10分とする試験法が提示され、安全が確認さ
れることが規定されている。
の吸収、離脱反応と非水電解質の適用によって、従来の
水溶液系電解質の電池にない4Vにも及ぶ高電圧および
350Wh/lを超える高エネルギー密度が実現されて
いる。電池の輸送や保管、あるいは使用時において、環
境温度が上昇すると、電池内圧の上昇によって安全弁や
封口部を損傷し、周囲の機器に影響を与えるだけでな
く、可燃性ガスを放出する虞があった。この種の課題に
対して、日本電池工業会(SBA)の評価基準ガイドラ
イン(SBA G 1101−1997電池工業会)に
は不慮の加熱環境における事態を想定した安全試験が示
されている。また、UL(Underwriter’s
Laboratories保険業者研究所:電気製器
具に関する安全性をテストする非営利団体)が示すUL
規格では、前記昇温の上限を150℃、上限到達後の保
持時間を10分とする試験法が提示され、安全が確認さ
れることが規定されている。
【0003】非水電解質二次電池は、基本的に自然酸化
するような材料の組合せは存在しないことから、適切な
温度範囲に環境温度を管理する限り、安全性は確保され
ている。
するような材料の組合せは存在しないことから、適切な
温度範囲に環境温度を管理する限り、安全性は確保され
ている。
【0004】さらに安全性を高めるために、極板や非水
電化液に難燃化剤として燐酸エステル、リン酸化合物、
水酸化アルミニウム等を添加する構成(特開平5−15
2971号公報)や、ハロゲン系難燃剤や硫酸バリウム
等の固体粒子状難燃剤を含有する樹脂で形成されたセパ
レータを用いる構成(特開平7−272762号公報)
が提案されている。しかし、前記の昇温試験において、
設定された上限の温度を超えて電池の温度が上昇する、
いわゆるオーバーシュート現象が見られることが判っ
た。このオーバーシュート現象は、先に挙げた難燃化剤
の有無、及び電池の電流遮断機構の有無に関係なく発生
してしまう。そこで、本発明者らが詳細な検討を行った
結果、オーバーシュート現象は、特に負極における発熱
を伴う活物質粒子からのリチウムイオンの離脱、及び負
極極板の合剤作製時に用いる分散媒と結着剤が形成する
活物質粒子の被覆構造に深い関係があることが明らかに
なってきた。
電化液に難燃化剤として燐酸エステル、リン酸化合物、
水酸化アルミニウム等を添加する構成(特開平5−15
2971号公報)や、ハロゲン系難燃剤や硫酸バリウム
等の固体粒子状難燃剤を含有する樹脂で形成されたセパ
レータを用いる構成(特開平7−272762号公報)
が提案されている。しかし、前記の昇温試験において、
設定された上限の温度を超えて電池の温度が上昇する、
いわゆるオーバーシュート現象が見られることが判っ
た。このオーバーシュート現象は、先に挙げた難燃化剤
の有無、及び電池の電流遮断機構の有無に関係なく発生
してしまう。そこで、本発明者らが詳細な検討を行った
結果、オーバーシュート現象は、特に負極における発熱
を伴う活物質粒子からのリチウムイオンの離脱、及び負
極極板の合剤作製時に用いる分散媒と結着剤が形成する
活物質粒子の被覆構造に深い関係があることが明らかに
なってきた。
【0005】例えば、結着剤成分のポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)をN−メチルピロリドンに溶解した分散
媒を活物質に混練分散してスラリー状の合剤を得る方法
では、PVDFが活物質粒子間へ滴状に析出し、活物質
粒子間に点在する構成をとる。この構成では活物質粒子
からのリチウムイオンの離脱が抑制されない構造とな
り、高温になると熱暴走状態に陥る傾向が知られてい
る。
ン(PVDF)をN−メチルピロリドンに溶解した分散
媒を活物質に混練分散してスラリー状の合剤を得る方法
では、PVDFが活物質粒子間へ滴状に析出し、活物質
粒子間に点在する構成をとる。この構成では活物質粒子
からのリチウムイオンの離脱が抑制されない構造とな
り、高温になると熱暴走状態に陥る傾向が知られてい
る。
【0006】一方、結着剤及び増粘剤としてセルロース
系化合物を用い、これを溶解した水溶液を分散媒とした
方法では、セルロース系化合物が活物質粒子表面に被覆
層を形成する。この構成は、リチウムの加速的な離脱を
妨げ、オーバーシュート現象を抑制することから、先に
述べた安全規格を達成し易く、積極的に採用されてい
る。
系化合物を用い、これを溶解した水溶液を分散媒とした
方法では、セルロース系化合物が活物質粒子表面に被覆
層を形成する。この構成は、リチウムの加速的な離脱を
妨げ、オーバーシュート現象を抑制することから、先に
述べた安全規格を達成し易く、積極的に採用されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、電池の搭載され
る電子機器の用途が多様化し、電池を搭載する空間が従
来にも増して制限されている。その一方で、充放電電流
が高くなり、使用環境温度も高くなっている。そこで、
設計上の許容上限温度を超える過酷な条件下で環境試験
を実施した場合、熱安定性の高いセルロース系化合物の
水溶液を用いた非水電解質二次電池であっても、オーバ
ーシュート現象が確認される。
る電子機器の用途が多様化し、電池を搭載する空間が従
来にも増して制限されている。その一方で、充放電電流
が高くなり、使用環境温度も高くなっている。そこで、
設計上の許容上限温度を超える過酷な条件下で環境試験
を実施した場合、熱安定性の高いセルロース系化合物の
水溶液を用いた非水電解質二次電池であっても、オーバ
ーシュート現象が確認される。
【0008】上記のような背景から、非水電解質二次電
池には、高温環境下での更なる安全性の向上が求められ
ており、各種携帯機器における電池収容空間の設計の自
由度、機器への汎用性を高めるためにもオーバーシュー
ト現象に対する安全性の改善は必要不可欠である。
池には、高温環境下での更なる安全性の向上が求められ
ており、各種携帯機器における電池収容空間の設計の自
由度、機器への汎用性を高めるためにもオーバーシュー
ト現象に対する安全性の改善は必要不可欠である。
【0009】本発明は、上記の状況に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、極板の製造に際し
てセルロース系化合物の水溶液を用いた非水電解質二次
電池において、昇温時におけるオーバーシュート現象を
抑制し、一層の安全性を高めるものである。
のであり、その目的とするところは、極板の製造に際し
てセルロース系化合物の水溶液を用いた非水電解質二次
電池において、昇温時におけるオーバーシュート現象を
抑制し、一層の安全性を高めるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の非水電解質二次電池は、ハロゲンあるいはハ
ロゲン化合物が結合されたセルロース系化合物を極板に
備えるものである。
に本発明の非水電解質二次電池は、ハロゲンあるいはハ
ロゲン化合物が結合されたセルロース系化合物を極板に
備えるものである。
【0011】好ましくは、前記極板を構成する活物質粒
子がセルロース系化合物にて被覆されており、このセル
ロース化合物にハロゲンあるいはハロゲン化合物が結合
されたものである。前記ハロゲンあるいはハロゲン化合
物としては、セルロースの基本構造の6員環に存在する
側鎖の炭素に結合されていることが好ましい。一方、ハ
ロゲンあるいはハロゲン化合物が結合されるセルロース
化合物としては、セルロースあるいはカルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スのセルロースのエーテル誘導体から選ばれた少なくと
も1種の化合物であることが好ましい。
子がセルロース系化合物にて被覆されており、このセル
ロース化合物にハロゲンあるいはハロゲン化合物が結合
されたものである。前記ハロゲンあるいはハロゲン化合
物としては、セルロースの基本構造の6員環に存在する
側鎖の炭素に結合されていることが好ましい。一方、ハ
ロゲンあるいはハロゲン化合物が結合されるセルロース
化合物としては、セルロースあるいはカルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スのセルロースのエーテル誘導体から選ばれた少なくと
も1種の化合物であることが好ましい。
【0012】このようなハロゲンあるいはハロゲン化合
物が結合されたセルロース系化合物を極板に備えること
によって、使用環境温度の上限が上昇してもオーバーシ
ュート現象を抑制し、安全性に優れた非水電解質二次電
池が得られる。
物が結合されたセルロース系化合物を極板に備えること
によって、使用環境温度の上限が上昇してもオーバーシ
ュート現象を抑制し、安全性に優れた非水電解質二次電
池が得られる。
【0013】オーバーシュート現象がセルロースあるい
はセルロースのエーテル誘導体のハロゲン化によって抑
制されるメカニズムについては、現状では解析段階にあ
り、本発明者らにより詳細なメカニズムが解明されるに
至っていない。本発明が対象とするオーバーシュート現
象の温度レベルは、非水溶媒の発火、あるいは燃焼のレ
ベルに達していないので、従来技術に示されたような不
燃化機能とは別のメカニズムを考察する必要がある。本
発明者らの詳細な検討の結果、以下のように推察するこ
とができる。
はセルロースのエーテル誘導体のハロゲン化によって抑
制されるメカニズムについては、現状では解析段階にあ
り、本発明者らにより詳細なメカニズムが解明されるに
至っていない。本発明が対象とするオーバーシュート現
象の温度レベルは、非水溶媒の発火、あるいは燃焼のレ
ベルに達していないので、従来技術に示されたような不
燃化機能とは別のメカニズムを考察する必要がある。本
発明者らの詳細な検討の結果、以下のように推察するこ
とができる。
【0014】セルロースの基本構造は昇温によって低分
子に分解される。従来のハロゲン化が施されていないセ
ルロースでは、分解時に生成された低分子のセルロース
の基本構造は、6員環のC1と側鎖C6がOを介して発熱
を伴うC6−O−C1のカップリングを構成し、発熱を伴
ってレポグルコーサンを生成する。さらに前記発熱に加
えて、カップリング反応したレポグルコーサンは、活物
質への付着力を低下させてしまい、活物質粒子からリチ
ウムイオンの離脱を抑制する機能も低下させる。その結
果として、活物質のリチウムイオンの加速的な離脱が進
行し、温度のオーバーシュート現象がもたらされると思
われる。
子に分解される。従来のハロゲン化が施されていないセ
ルロースでは、分解時に生成された低分子のセルロース
の基本構造は、6員環のC1と側鎖C6がOを介して発熱
を伴うC6−O−C1のカップリングを構成し、発熱を伴
ってレポグルコーサンを生成する。さらに前記発熱に加
えて、カップリング反応したレポグルコーサンは、活物
質への付着力を低下させてしまい、活物質粒子からリチ
ウムイオンの離脱を抑制する機能も低下させる。その結
果として、活物質のリチウムイオンの加速的な離脱が進
行し、温度のオーバーシュート現象がもたらされると思
われる。
【0015】一方、本発明に係るハロゲンあるいはハロ
ゲン化合物は、特にC6に結合してC6−O−C1のカッ
プリングを妨害し、発熱や粒子の被覆力の低下が抑制さ
れる。その結果、加速的なリチウムイオンの離脱が抑制
され、オーバーシュート現象が抑制される。但し、前記
C6以外の位置におけるハロゲンあるいはハロゲン化合
物の作用については、現状では明確になっていない。
ゲン化合物は、特にC6に結合してC6−O−C1のカッ
プリングを妨害し、発熱や粒子の被覆力の低下が抑制さ
れる。その結果、加速的なリチウムイオンの離脱が抑制
され、オーバーシュート現象が抑制される。但し、前記
C6以外の位置におけるハロゲンあるいはハロゲン化合
物の作用については、現状では明確になっていない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の好
ましい実施の形態について説明する。
ましい実施の形態について説明する。
【0017】本発明は極板の構成材料として極板に含有
されるセルロース系化合物の改善を基本とするものであ
って、液式の円筒型、扁平型、ポリマー型等、電池の形
態如何に関らず共通の効果が得られる。以下に記す本実
施形態では、扁平電池を用いて説明する。
されるセルロース系化合物の改善を基本とするものであ
って、液式の円筒型、扁平型、ポリマー型等、電池の形
態如何に関らず共通の効果が得られる。以下に記す本実
施形態では、扁平電池を用いて説明する。
【0018】図1は本発明の扁平型非水電解質二次電池
の構成模式図である。正極板1及び負極板2は、セパレ
ータ3を介して巻回されており極板群を形成している。
極板群から延出された正極リード4、負極リード5は、
外装ケース6に取り付けられた封口板7に設けられた正
極用端子9及び負極用端子10に電気的に接続される。
また、封口板7には安全弁8が設けられており、電池の
内圧が上昇した場合には、易破断部が破断し、電池ケー
スの内圧を低下させることで、封口板及び電池ケースの
破損を防止する。
の構成模式図である。正極板1及び負極板2は、セパレ
ータ3を介して巻回されており極板群を形成している。
極板群から延出された正極リード4、負極リード5は、
外装ケース6に取り付けられた封口板7に設けられた正
極用端子9及び負極用端子10に電気的に接続される。
また、封口板7には安全弁8が設けられており、電池の
内圧が上昇した場合には、易破断部が破断し、電池ケー
スの内圧を低下させることで、封口板及び電池ケースの
破損を防止する。
【0019】電解液にはLiPF6やLiBF4のような
リチウム化合物を溶解するエチレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジエ
チルのような非水溶媒を用いることができるが、前記電
解液は、極板群に含浸されているので省略している。
リチウム化合物を溶解するエチレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジエ
チルのような非水溶媒を用いることができるが、前記電
解液は、極板群に含浸されているので省略している。
【0020】正極板1はLiCoO2、LiNiO2、L
iMn2O4などのLiを吸蔵・放出する遷移金属酸化物
を活物質とし、アルミニウム等の金属箔の片面または両
面に塗布して形成されている。一方、負極板2は天然黒
鉛、人造黒鉛、非晶質炭素材料を活物質とし、必要に応
じてカーボンブラック、活性炭などの導電助剤やフィラ
ーが添加されスラリー状に混練分散された活物質合剤
を、銅等の金属箔の片面または両面に塗布して形成され
ている。
iMn2O4などのLiを吸蔵・放出する遷移金属酸化物
を活物質とし、アルミニウム等の金属箔の片面または両
面に塗布して形成されている。一方、負極板2は天然黒
鉛、人造黒鉛、非晶質炭素材料を活物質とし、必要に応
じてカーボンブラック、活性炭などの導電助剤やフィラ
ーが添加されスラリー状に混練分散された活物質合剤
を、銅等の金属箔の片面または両面に塗布して形成され
ている。
【0021】前記スラリー状合剤の作製には、フッ化ビ
ニリデン(PVDF)を溶解したN−メチルピロリドン
溶液のような結着性溶液等の有機溶媒系溶液あるいはセ
ルロース系化合物の水溶液が必要に応じて選択される。
ニリデン(PVDF)を溶解したN−メチルピロリドン
溶液のような結着性溶液等の有機溶媒系溶液あるいはセ
ルロース系化合物の水溶液が必要に応じて選択される。
【0022】本発明の非水電解質二次電池では、少なく
とも負極には、本発字明のハロゲンあるいはハロゲン化
合物が結合されたセルロースあるいはセルロースのエー
テル誘導体が単独あるいは混合されて溶解された水溶液
を用いる。
とも負極には、本発字明のハロゲンあるいはハロゲン化
合物が結合されたセルロースあるいはセルロースのエー
テル誘導体が単独あるいは混合されて溶解された水溶液
を用いる。
【0023】これらのハロゲンあるいはハロゲン化合物
が結合されたセルロース系化合物は、もともと増粘剤あ
るいは結着剤として電池の構成に不可欠な材料を改善し
た材料であって、前記材料はそれを含む活物質合剤が塗
布された極板の活物質層内に固体化され、活物質粒子の
被覆層を形成する形態で極板に含まれるものであること
から、電池特性を低下させる心配はない。さらにハロゲ
ンあるいはハロゲン化合物が結合することによって、元
のセルロース系化合物の保有する結着剤あるいは増粘剤
としての本来の機能は損なわれることはなく、むしろ向
上する。
が結合されたセルロース系化合物は、もともと増粘剤あ
るいは結着剤として電池の構成に不可欠な材料を改善し
た材料であって、前記材料はそれを含む活物質合剤が塗
布された極板の活物質層内に固体化され、活物質粒子の
被覆層を形成する形態で極板に含まれるものであること
から、電池特性を低下させる心配はない。さらにハロゲ
ンあるいはハロゲン化合物が結合することによって、元
のセルロース系化合物の保有する結着剤あるいは増粘剤
としての本来の機能は損なわれることはなく、むしろ向
上する。
【0024】本発明に適用されるハロゲンあるいはハロ
ゲン化合物が結合されるセルロース系化合物には、セル
ロースあるいはセルロースの各種エーテル誘導体が好ま
しい。中でもセルロースあるいはカルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースの
セルロースのエーテル誘導体は水溶性を有し好ましい材
料である。これらは必要に応じてマーセル化されること
が望ましい。
ゲン化合物が結合されるセルロース系化合物には、セル
ロースあるいはセルロースの各種エーテル誘導体が好ま
しい。中でもセルロースあるいはカルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースの
セルロースのエーテル誘導体は水溶性を有し好ましい材
料である。これらは必要に応じてマーセル化されること
が望ましい。
【0025】前記セルロースおよびそれ以外のセルロー
ス系化合物は、以下のようなセルロースの基本形が存在
する。前記セルロースの基本構造は、5個の炭素と1個
の酸素が形成する6員環を基本とし、酸素を挟む一方の
炭素の位置を1と5とするとき、セルロースでは5の位
置の炭素C5に側鎖C6H2OHが存在する。エーテル誘
導体では側鎖C6H2OR(Rはエーテル結合した有機化
合物)が存在する。前記Rの種類によって前記セルロー
スのエーテル誘導体はカルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロースと呼ばれる。
その他C2とC3にはOH基が存在する。さらに前記相異
なる6員環の単位のC1とC3がOを介して順次結合し高
分子が形成されている。
ス系化合物は、以下のようなセルロースの基本形が存在
する。前記セルロースの基本構造は、5個の炭素と1個
の酸素が形成する6員環を基本とし、酸素を挟む一方の
炭素の位置を1と5とするとき、セルロースでは5の位
置の炭素C5に側鎖C6H2OHが存在する。エーテル誘
導体では側鎖C6H2OR(Rはエーテル結合した有機化
合物)が存在する。前記Rの種類によって前記セルロー
スのエーテル誘導体はカルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロースと呼ばれる。
その他C2とC3にはOH基が存在する。さらに前記相異
なる6員環の単位のC1とC3がOを介して順次結合し高
分子が形成されている。
【0026】前記セルロースのエーテル誘導体は、前記
側鎖のC6H2OHのHがカルボキシメチル基あるいはメ
チル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、ヒドロキシエ
チル基等と置換され、エーテル結合された化合物であ
る。しかしながら一般に工業的に作製されるこれらのエ
ーテル誘導体では、エーテル化率は100%ではなく、
多くの前記セルロースの基本構造が存在している。
側鎖のC6H2OHのHがカルボキシメチル基あるいはメ
チル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、ヒドロキシエ
チル基等と置換され、エーテル結合された化合物であ
る。しかしながら一般に工業的に作製されるこれらのエ
ーテル誘導体では、エーテル化率は100%ではなく、
多くの前記セルロースの基本構造が存在している。
【0027】本発明において、ハロゲンあるいはハロゲ
ン化合物は、セルロース系化合物に存在するセルロース
の基本構造の側鎖C6に結合するOH基に作用するもの
と思われる。前記ハロゲンあるいはハロゲン化合物が結
合されたセルロース系化合物は、ハロゲンが前記側鎖の
C6に直接結合された形態とハロゲン化物が前記側鎖の
C6に結合された形態が知られている。いずれも本発明
のオーバーシュート現象の抑制に好ましい形態である。
ン化合物は、セルロース系化合物に存在するセルロース
の基本構造の側鎖C6に結合するOH基に作用するもの
と思われる。前記ハロゲンあるいはハロゲン化合物が結
合されたセルロース系化合物は、ハロゲンが前記側鎖の
C6に直接結合された形態とハロゲン化物が前記側鎖の
C6に結合された形態が知られている。いずれも本発明
のオーバーシュート現象の抑制に好ましい形態である。
【0028】ハロゲンの直接付与には、SO2X2(X:
F、Cl、Br、I等ハロゲン元素)、SOX2、DM
F−CX2、を直接作用させたり、MeSO2Xあるいは
LiCl−DMAcのような溶媒にセルロース系化合物
を溶解しSO2X2を作用させる等の公知の方法が適用で
きる。
F、Cl、Br、I等ハロゲン元素)、SOX2、DM
F−CX2、を直接作用させたり、MeSO2Xあるいは
LiCl−DMAcのような溶媒にセルロース系化合物
を溶解しSO2X2を作用させる等の公知の方法が適用で
きる。
【0029】また近年では、例えばcellulose
−OC(O)−(CX2−CH2)−O−(CX2−C
H2)−CH2X、cellulose−OC(O)−
(CX2−CH2)−O−(CX2−CH2)−CX3、の
ように、ハロゲン化された複雑な有機高分子化合物が直
接あるいはエステル結合、ケトン結合、エーテル結合等
を介して前記C6に結合された多くのセルロースの誘導
体が知られている。これらは、ハロゲンと同様に本発明
のオーバーシュートの抑制効果を示す。
−OC(O)−(CX2−CH2)−O−(CX2−C
H2)−CH2X、cellulose−OC(O)−
(CX2−CH2)−O−(CX2−CH2)−CX3、の
ように、ハロゲン化された複雑な有機高分子化合物が直
接あるいはエステル結合、ケトン結合、エーテル結合等
を介して前記C6に結合された多くのセルロースの誘導
体が知られている。これらは、ハロゲンと同様に本発明
のオーバーシュートの抑制効果を示す。
【0030】前記の如く、本発明の電池の構成は、ハロ
ゲンあるいはハロゲン化合物が結合されたセルロース系
化合物の水溶液を活物質合剤の作製に用いて非水電解質
二次電池を作製することによって得られ、使用環境温度
の上限が上昇してもオーバーシュート現象を抑制するも
のであって、非水電解質二次電池に従来の技術に勝る安
全性を与えるものである。
ゲンあるいはハロゲン化合物が結合されたセルロース系
化合物の水溶液を活物質合剤の作製に用いて非水電解質
二次電池を作製することによって得られ、使用環境温度
の上限が上昇してもオーバーシュート現象を抑制するも
のであって、非水電解質二次電池に従来の技術に勝る安
全性を与えるものである。
【0031】なお前記のハロゲン化率あるいはハロゲン
化合物化率は、ハロゲン化の方法や条件によって各種得
られているが、本発明の目的であるオーバーシュートの
抑制にはハロゲン化率が高いほど顕著である。セルロー
ス系化合物に存在するセルロース基本構造の側鎖に存在
する炭素数に対して、ハロゲンあるいはハロゲン化合物
が結合される側鎖の結合数の割合は、30%以上である
ことが好ましい。30%未満の場合には、オーバーシュ
ートの抑制効果が十分ではなく、好ましくない。
化合物化率は、ハロゲン化の方法や条件によって各種得
られているが、本発明の目的であるオーバーシュートの
抑制にはハロゲン化率が高いほど顕著である。セルロー
ス系化合物に存在するセルロース基本構造の側鎖に存在
する炭素数に対して、ハロゲンあるいはハロゲン化合物
が結合される側鎖の結合数の割合は、30%以上である
ことが好ましい。30%未満の場合には、オーバーシュ
ートの抑制効果が十分ではなく、好ましくない。
【0032】前記によって、本発明は、ハロゲンあるい
はハロゲン化合物が結合されたセルロース系化合物を活
物質の合剤の作製に適用することによって活物質粒子の
被覆層の性質を改善し、非水電解質二次電池の安全性を
改善するものである。
はハロゲン化合物が結合されたセルロース系化合物を活
物質の合剤の作製に適用することによって活物質粒子の
被覆層の性質を改善し、非水電解質二次電池の安全性を
改善するものである。
【0033】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を実施例と比較例
を用いて詳細に説明する。実施例には、図1に示した扁
平型非水電解質二次電池を用いた。
を用いて詳細に説明する。実施例には、図1に示した扁
平型非水電解質二次電池を用いた。
【0034】(実施例1)正極板1の作製には、活物質
としてLiCoO2を用い、導電剤としてカーボンブラ
ックを活物質に対して3重量%加えて混合し、5重量%
のフッ化ビニリデンを溶解したN−メチルピロリドンを
分散媒として用いて、混錬分散させて正極スラリー状合
剤を作製した。この合剤を厚さ30μmのアルミニウム
箔の両面に塗布し、乾燥、圧延して厚さ180μm極板
を作製し、この極板の一端には正極リード4を配した。
としてLiCoO2を用い、導電剤としてカーボンブラ
ックを活物質に対して3重量%加えて混合し、5重量%
のフッ化ビニリデンを溶解したN−メチルピロリドンを
分散媒として用いて、混錬分散させて正極スラリー状合
剤を作製した。この合剤を厚さ30μmのアルミニウム
箔の両面に塗布し、乾燥、圧延して厚さ180μm極板
を作製し、この極板の一端には正極リード4を配した。
【0035】負極板2の作製には、活物質として人造黒
鉛を用い、導電助剤としてカーボンブラックを活物質に
対して2重量%、結着剤としてスチレンブタジエンゴム
を活物質に対して5重量%加えて混合し、塩素(Cl)
置換度1.7のハロゲン化率70%の塩素化されたカル
ボキシメチルセルロースを1重量%溶解した水溶液を分
散媒に用い、混錬分散させて負極スラリー状合剤を作製
した。この合剤を厚さ20μmの銅箔の両面に塗布し、
乾燥、圧延して厚さ190μmの極板を作製し、この極
板の一端には負極リード5を配した。
鉛を用い、導電助剤としてカーボンブラックを活物質に
対して2重量%、結着剤としてスチレンブタジエンゴム
を活物質に対して5重量%加えて混合し、塩素(Cl)
置換度1.7のハロゲン化率70%の塩素化されたカル
ボキシメチルセルロースを1重量%溶解した水溶液を分
散媒に用い、混錬分散させて負極スラリー状合剤を作製
した。この合剤を厚さ20μmの銅箔の両面に塗布し、
乾燥、圧延して厚さ190μmの極板を作製し、この極
板の一端には負極リード5を配した。
【0036】これらの正極板1と負極板2とを厚さ25
μmのポリエチレン製微多孔質セパレータ3を介して渦
巻状に捲回し、長楕円形の極板群を作製し、上部が開口
している有底の扁平な外装ケース6に収納した後、外装
ケース6の開口部と安全弁8を備える封口板7とをレー
ザーを用いて封口溶接した。
μmのポリエチレン製微多孔質セパレータ3を介して渦
巻状に捲回し、長楕円形の極板群を作製し、上部が開口
している有底の扁平な外装ケース6に収納した後、外装
ケース6の開口部と安全弁8を備える封口板7とをレー
ザーを用いて封口溶接した。
【0037】次に、LiPF6を1M/l溶解したエチ
レンカーボネートとメチルエチルカーボネートの1:1
混合溶液からなる非水電解液を封口板7の注液孔より注
入し、この注液孔と封口板7とをレーザーを用いて封口
溶接した。
レンカーボネートとメチルエチルカーボネートの1:1
混合溶液からなる非水電解液を封口板7の注液孔より注
入し、この注液孔と封口板7とをレーザーを用いて封口
溶接した。
【0038】このようにして厚さ6.3mm、幅34m
m、長さ50mmで容量850mAhの非水電解質二次
電池を作製し、電池Aとした。
m、長さ50mmで容量850mAhの非水電解質二次
電池を作製し、電池Aとした。
【0039】(実施例2)負極スラリー状合剤の作製に
臭素(Br)置換度1.7、ハロゲン化率60%の臭素
化カルボキシメチルセルロースとセルロースの1:1混
合物でセルロースのハロゲン化率が30%に相当するも
のを用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次
電池を作製し、電池Bとした。
臭素(Br)置換度1.7、ハロゲン化率60%の臭素
化カルボキシメチルセルロースとセルロースの1:1混
合物でセルロースのハロゲン化率が30%に相当するも
のを用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次
電池を作製し、電池Bとした。
【0040】(実施例3)負極スラリー状合剤の作製
に、ハロゲン化合物が結合されたセルロース系化合物と
して、セルロース−OC(O)−(CF2−CH2)−O
−(CF2−CH2)―CH2Fの構造を55%含むカル
ボキシメチルセルロースを用いた以外は実施例1と同様
に非水電解質二次電池を作製し、電池Cとした。
に、ハロゲン化合物が結合されたセルロース系化合物と
して、セルロース−OC(O)−(CF2−CH2)−O
−(CF2−CH2)―CH2Fの構造を55%含むカル
ボキシメチルセルロースを用いた以外は実施例1と同様
に非水電解質二次電池を作製し、電池Cとした。
【0041】(実施例4)活物質としてLiCoO2を
用い、導電剤としてカーボンブラックを活物質に対して
3重量%加えて混合し、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)を活物質に対して5重量%加えて混合し、
塩素(Cl)置換度1.7のハロゲン化率70%の塩素
化されたカルボキシメチルセルロースを1重量%溶解し
た水溶液を分散媒に用い、混錬分散させて正極スラリー
状合剤を作製した以外は、実施例1と同様にして非水電
解質二次電池を作製し、電池Dとした。
用い、導電剤としてカーボンブラックを活物質に対して
3重量%加えて混合し、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)を活物質に対して5重量%加えて混合し、
塩素(Cl)置換度1.7のハロゲン化率70%の塩素
化されたカルボキシメチルセルロースを1重量%溶解し
た水溶液を分散媒に用い、混錬分散させて正極スラリー
状合剤を作製した以外は、実施例1と同様にして非水電
解質二次電池を作製し、電池Dとした。
【0042】(比較例1)負極用活物質合剤の作製にハ
ロゲン化されていないカルボキシメチルセルロースを用
いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を
作製し、電池Rとした。
ロゲン化されていないカルボキシメチルセルロースを用
いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電池を
作製し、電池Rとした。
【0043】(比較例2)負極用活物質合剤の作製にハ
ロゲン化されていないカルボキシメチルセルロースとセ
ルロースを用いた以外は実施例1と同様にして非水電解
質二次電池を作製し、電池Sとした。
ロゲン化されていないカルボキシメチルセルロースとセ
ルロースを用いた以外は実施例1と同様にして非水電解
質二次電池を作製し、電池Sとした。
【0044】(比較例3)負極用活物質合剤の作製に臭
素(Br)置換度1.7、ハロゲン化率60%の臭素化
カルボキシメチルセルロースとセルロースの1:2混合
物でセルロースのハロゲン化率が20%に相当するもの
を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電
池を作製し、電池Tとした。
素(Br)置換度1.7、ハロゲン化率60%の臭素化
カルボキシメチルセルロースとセルロースの1:2混合
物でセルロースのハロゲン化率が20%に相当するもの
を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解質二次電
池を作製し、電池Tとした。
【0045】(評価試験1)このようにして作製した電
池A〜電池D、電池R〜電池Tを常温において170m
A(0.2C)で4.2Vまで充電した。次に、電池の
表面温度を測定するために熱電対を貼着した状態でオー
ブン内に入れ、25℃で1時間放置した後、UL規格に
基づき上限150℃の昇温試験を行った。昇温速度は1
分間あたり、5℃±2℃とし、オーブン内の温度が15
0℃に達するまで昇温させ、さらにこの温度で30分以
上保持した。そのときのオーブン内の温度、すなわち環
境温度K及び電池A〜電池D、電池R〜電池Tの表面温
度の昇温時間との関係を図2に示した。
池A〜電池D、電池R〜電池Tを常温において170m
A(0.2C)で4.2Vまで充電した。次に、電池の
表面温度を測定するために熱電対を貼着した状態でオー
ブン内に入れ、25℃で1時間放置した後、UL規格に
基づき上限150℃の昇温試験を行った。昇温速度は1
分間あたり、5℃±2℃とし、オーブン内の温度が15
0℃に達するまで昇温させ、さらにこの温度で30分以
上保持した。そのときのオーブン内の温度、すなわち環
境温度K及び電池A〜電池D、電池R〜電池Tの表面温
度の昇温時間との関係を図2に示した。
【0046】(評価試験2)上限温度を200℃とした
以外は、評価試験1と同様にして上限200℃の昇温試
験を行った結果を図3に示した。
以外は、評価試験1と同様にして上限200℃の昇温試
験を行った結果を図3に示した。
【0047】上限150℃の昇温試験の場合は、図2か
ら明らかなように、本発明のハロゲン化したセルロース
系化合物としてハロゲン化したカルボキシメチルセルロ
ースを負極に適用した電池A、ハロゲン化したカルボキ
シメチルセルロースとセルロースの混合物を負極に適用
した電池B、ハロゲン化合物をセルロースの基本構造に
付与したカルボキシメチルセルロースを負極に適用した
電池C、ハロゲン化したカルボキシメチルセルロースを
正極と負極の両方に適用した電池D、従来のカルボキシ
メチルセルロースを適用した電池R、従来のカルボキシ
メチルセルロースとセルロースを混合して適用した電池
S、ハロゲン化したカルボキシメチルセルロースとセル
ロースを混合し、セルロースのハロゲン化率が20%に
相当する電池Tの電池温度は、いずれも環境温度が設定
上限値150℃に到達した後も電池温度が上昇し、オー
バーシュート現象を示した。
ら明らかなように、本発明のハロゲン化したセルロース
系化合物としてハロゲン化したカルボキシメチルセルロ
ースを負極に適用した電池A、ハロゲン化したカルボキ
シメチルセルロースとセルロースの混合物を負極に適用
した電池B、ハロゲン化合物をセルロースの基本構造に
付与したカルボキシメチルセルロースを負極に適用した
電池C、ハロゲン化したカルボキシメチルセルロースを
正極と負極の両方に適用した電池D、従来のカルボキシ
メチルセルロースを適用した電池R、従来のカルボキシ
メチルセルロースとセルロースを混合して適用した電池
S、ハロゲン化したカルボキシメチルセルロースとセル
ロースを混合し、セルロースのハロゲン化率が20%に
相当する電池Tの電池温度は、いずれも環境温度が設定
上限値150℃に到達した後も電池温度が上昇し、オー
バーシュート現象を示した。
【0048】但し、前記オーバーシュートのレベルは本
発明の電池A〜電池Dが比較例の電池R〜電池Tを下回
り、いずれも、オーバーシュートを示した後低下し、安
全が確認された。
発明の電池A〜電池Dが比較例の電池R〜電池Tを下回
り、いずれも、オーバーシュートを示した後低下し、安
全が確認された。
【0049】また、上限200℃の昇温試験の場合は、
図3から明らかなように、顕著な差が生じた。比較例の
電池R〜電池Tは、オーバーシュートを示し、一旦下降
を示したが、その後急速に温度が上昇し、ついには内圧
の上昇して、電解液の放出あるいは電池の破壊に至っ
た。これに対して本発明の電池A〜電池Dでは、オーバ
ーシュートは示したものの、その後は温度が低下し、安
全が確認された。
図3から明らかなように、顕著な差が生じた。比較例の
電池R〜電池Tは、オーバーシュートを示し、一旦下降
を示したが、その後急速に温度が上昇し、ついには内圧
の上昇して、電解液の放出あるいは電池の破壊に至っ
た。これに対して本発明の電池A〜電池Dでは、オーバ
ーシュートは示したものの、その後は温度が低下し、安
全が確認された。
【0050】これらの結果から、極板の合剤を作製する
ための増粘剤としてハロゲンあるいはハロゲン化合物が
結合されたセルロース系化合物を用いることにより、環
境温度が上昇しても非水電解質二次電池のオーバーシュ
ートを抑制することができ、電池の安全性を著しく改善
することができることが明らかになった。
ための増粘剤としてハロゲンあるいはハロゲン化合物が
結合されたセルロース系化合物を用いることにより、環
境温度が上昇しても非水電解質二次電池のオーバーシュ
ートを抑制することができ、電池の安全性を著しく改善
することができることが明らかになった。
【0051】なお本発明の構成を基本とする限り、本発
明の効果は、前記実施例に記載された電池の材料、構成
の組合せに限定されるものではない。
明の効果は、前記実施例に記載された電池の材料、構成
の組合せに限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】前記の如く本発明によれば、非水電解質
二次電池の安全性と信頼性を著しく改善するものであっ
て、小型電子機器に限らず、電気自動車用電池、電力貯
蔵等大型電池にも広く適用できる有用な技術である。
二次電池の安全性と信頼性を著しく改善するものであっ
て、小型電子機器に限らず、電気自動車用電池、電力貯
蔵等大型電池にも広く適用できる有用な技術である。
【図1】本発明の電池の構成模式図
【図2】上限150℃の昇温試験の時間と温度の関係を
示す特性図
示す特性図
【図3】上限200℃の昇温試験の時間と温度の関係を
示す特性図
示す特性図
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 正極リード
5 負極リード
6 外装ケース
7 封口板
8 安全弁
9 正極外部端子
10 負極外部端子
フロントページの続き
(72)発明者 松尾 明
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 5H029 AJ12 AK03 AL06 AL07 AM03
AM05 AM07 DJ08 EJ11 HJ00
5H050 AA05 AA15 BA06 BA17 CA08
CA09 CB07 CB08 CB11 DA11
DA14 EA21 FA18 HA00
Claims (5)
- 【請求項1】 ハロゲンあるいはハロゲン化合物が結合
されたセルロース系化合物を含む極板を備える非水電解
質二次電池。 - 【請求項2】 活物質粒子が、ハロゲンあるいはハロゲ
ン化合物が結合されたセルロース系化合物にて被覆され
た請求項1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項3】 ハロゲンあるいはハロゲン化合物が、セ
ルロースの基本構造の6員環に存在する側鎖の炭素に結
合されている請求項1または2記載の非水電解質二次電
池。 - 【請求項4】 ハロゲンあるいはハロゲン化合物に結合
されるセルロース系化合物が、セルロースあるいはカル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロースのセルロースのエーテル誘導体から選ば
れた少なくとも1種の化合物である請求項1〜3の何れ
か記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 ハロゲンあるいはハロゲン化合物にて結
合される結合数の割合が、セルロース系化合物に存在す
るセルロース基本構造の側鎖数に対して30%以上であ
る請求項1〜4の何れか記載の非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001341662A JP2003142103A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001341662A JP2003142103A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 非水電解質二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003142103A true JP2003142103A (ja) | 2003-05-16 |
Family
ID=19155649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001341662A Pending JP2003142103A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 非水電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003142103A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010534392A (ja) * | 2007-07-25 | 2010-11-04 | ヴァルタ マイクロバッテリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 電極、および新規電極結合剤を備えるリチウムイオン電池 |
CN112751034A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-04 | 远景动力技术(江苏)有限公司 | 锂离子电池用负极浆料、负极以及锂离子电池 |
-
2001
- 2001-11-07 JP JP2001341662A patent/JP2003142103A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010534392A (ja) * | 2007-07-25 | 2010-11-04 | ヴァルタ マイクロバッテリー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 電極、および新規電極結合剤を備えるリチウムイオン電池 |
CN112751034A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-04 | 远景动力技术(江苏)有限公司 | 锂离子电池用负极浆料、负极以及锂离子电池 |
CN112751034B (zh) * | 2020-12-31 | 2022-11-25 | 远景动力技术(江苏)有限公司 | 锂离子电池用负极浆料、负极以及锂离子电池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101578562B1 (ko) | 축전 디바이스 및 그 제조 방법 | |
JP5183016B2 (ja) | 非水系電解液二次電池用多孔質セパレータおよびそれを用いた非水系電解液二次電池 | |
JP5219387B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP5969159B2 (ja) | 耐熱性が向上した電気化学素子 | |
CN101276940B (zh) | 非水电解质二次电池以及非水电解质二次电池的制造方法 | |
JP4177612B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
US20190013553A1 (en) | Rechargeable battery with resistive layer for enhanced safety | |
JP5264099B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP5331333B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2008262785A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR20140085337A (ko) | 리튬 이차 전지 | |
JP2008300302A (ja) | 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用正極の製造方法 | |
JP2007059230A (ja) | 非水電解液二次電池及びこれを用いた電池パック | |
EP3522266A1 (en) | Lithium-ion secondary battery and storage device | |
JP2013084400A (ja) | 密閉型リチウム二次電池 | |
KR20080079607A (ko) | 비수 전해질 이차 전지 | |
KR20150070971A (ko) | 리튬 이온 2차 전지 | |
KR20140012019A (ko) | 비수 전해액 전지 | |
CN112029343A (zh) | 用于抑制锂离子电池热失控的涂料、涂层、正极片、负极片、隔膜和锂离子电池 | |
JPH06283206A (ja) | マイクロカプセル含有電池 | |
JP2007273127A (ja) | 非水系二次電池 | |
JP2016062872A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極、及びこれを用いたリチウムイオン二次電池 | |
JP2013134923A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP5213003B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2011103181A (ja) | リチウム二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041025 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050701 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080819 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081224 |