JP2003140309A - 光走査装置、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

光走査装置、画像形成装置及び画像形成方法

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JP2003140309A
JP2003140309A JP2001339233A JP2001339233A JP2003140309A JP 2003140309 A JP2003140309 A JP 2003140309A JP 2001339233 A JP2001339233 A JP 2001339233A JP 2001339233 A JP2001339233 A JP 2001339233A JP 2003140309 A JP2003140309 A JP 2003140309A
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Japan
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optical scanning
scanning device
light
emitted
silver
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JP2001339233A
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English (en)
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Yasuaki Tamakoshi
泰明 玉腰
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光源の温度依存性や、使用する光学部
品の温度安定性などの環境安定性の制限、使用する光学
部品の取り付け位置及び方向の精度の制限などを緩めて
コストダウンが可能で、走査されるレーザビームの照射
光量をより正しく測定できる光走査装置を提供する。ま
た、かかる光走査装置を用いた画像形成装置及び画像形
成方法を提供する。 【解決手段】 この光走査装置は、ビームを出射する光
源部1と、出射したビームのうち所定の割合のビームを
分岐するビーム分岐手段3と、ビーム分岐手段により分
岐されたビームを受光するフォトダイオード11と、フ
ォトダイオードの出力を用いて光源部の出射光量を検出
する発光光量検出手段12とを有し、出射したビームを
記録媒体上へ走査する。フォトダイオードのビーム受光
側にビームを拡散させる光拡散部材14を設けた。ま
た、光走査装置からのビームはフィルムFに対し下向き
に照射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビームを記録媒体
に走査する光走査装置、この光走査装置を用いた画像形
成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像形成装置の一例として図8、
図9に示す構成のものがある。図8は従来の画像形成装
置の全体図であり、図9は従来の画像形成装置の光走査
部の概略図である。
【0003】図8の画像形成装置は、熱現像感光フィル
ム(以下、「フィルム」という。)を給送部110から
取り出してから搬送方向変換部145で矢印(4)の水
平方向に搬送し、複数の搬送ローラ対142により矢印
(5)の上方垂直方向に搬送する。この上方への副走査
の間、光走査装置120はフィルムに走査レーザビーム
Lを照射し潜像を形成する。潜像が形成されたフィルム
を、更に矢印(6)の上方に搬送し、供給ローラ対14
3により、光走査装置120の上方に設けられた熱現像
部130へと送り、熱現像ドラム131で120℃前後
の熱現像温度で10〜20秒保持し熱現像する。その
後、フィルムを矢印(7)の方向から矢印(8)の方向
に搬送ローラ対144で搬送しながら冷却し、矢印
(9)の方向に搬送し、画像記録装置の上部の排出トレ
イ160に排出する。
【0004】図9の光走査部において、レーザ光源1を
出射したレーザビームは、コリメータレンズ2で整形さ
れ、ビームスプリッタ3でビームの一部を所定の割合で
分岐する。ビームスプリッタ3を通過したビームは、シ
リンドリカルミラー又はシリンドリカルレンズ5によ
り、回転多面体6の回転軸方向が収束し、回転多面体6
のミラー面に向かう。回転するポリゴンミラー6のミラ
ー面で反射したビーム(走査光)は、fθレンズ7を通過
し、Vミラーユニット8及びミラー9で反射され、フィ
ルムF上を走査する。
【0005】また、ビームスプリッタ3で分岐されたレ
ーザビームはフォトダイオード11に入射し、フォトダ
イオード11は受光したビームの光量に応じた出力信号
を出力する。変調基板12は入力された画像信号に基づ
き変調信号を出力する。さらに、変調基板12はフォト
ダイオード11からの出力信号を用いて、レーザ光源1
の出射光量の変動を補正した変調信号を出力する。変調
基板12から出力された変調信号は、高周波重畳基板1
3で高周波信号を重畳され、レーザ光源1の駆動信号と
して出力され、この変調信号でレーザ光源1からレーザ
ビームを出射する。このレーザビームが上述のようにし
て主走査され図8の搬送ローラ対142等からなる副走
査機構で副走査方向(垂直方向)に搬送されているフィ
ルムに潜像を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、走査されるレ
ーザビームの照射光量を正しく測定するには、走査され
るレーザビームの照射光量と、フォトダイオード11に
入射するレーザビームの受光光量との比率を一定にする
必要がある。しかし、何らかの条件でフォトダイオード
11に入射するレーザビームの光量分布がわずかでもず
れると、この比率が変動してしまう。従って、この比率
を一定にするには、レーザ光源1の横マルチモードの温
度依存性の抑制、レーザ光源1、コリメータレンズ2、
ビームスプリッタ3及びフォトダイオード11の取り付
け位置及び取り付け方向の精度の維持、温度安定性など
の環境安定性の十分さが必要になる。しかし、これらを
十分に維持しようとすると、使用できる部品に制限を受
け、また、加工工数・精度が増大し、装置のコストダウ
ンが困難であるという問題点がある。また、フォトダイ
オード11に入射するレーザビームの光量分布がずれた
ままの状態であると、レーザ光源1からのレーザビーム
の光量が変動してしまい、その結果、フィルム上に擬画
像や濃度むらが発生してしまう。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決するため
のもので、レーザ光源の温度依存性や、使用する光学部
品の温度安定性などの環境安定性の制限、使用する光学
部品の取り付け位置及び方向の精度の制限などを緩め、
使用できる部品の制限を緩めたり、加工工数・精度を抑
えたりするなどのコストダウンを可能としつつ、走査さ
れるビームの出射光量をより正しく測定できるようにで
きる光走査装置を提供することである。また、かかる光
走査装置を用い、熱に起因する影響を抑えるとともにビ
ームを安定して照射して擬画像や濃度むらの発生を防止
できる画像形成装置及び画像形成装置を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による光走査装置は、ビームを出射する光源
部と、出射したビームのうち所定の割合のビームを分岐
するビーム分岐手段と、前記ビーム分岐手段により分岐
されたビームを受光するフォトダイオードと、前記フォ
トダイオードの出力を用いて前記光源部の出射光量を検
出する発光光量検出手段と、を有し、前記出射したビー
ムを記録媒体上へ走査する光走査装置であって、前記フ
ォトダイオードのビーム受光側にビームを拡散させる光
拡散部材を設けたことを特徴とする。
【0009】この光走査装置によれば、フォトダイオー
ドのビーム受光側にビーム光を拡散させる光拡散部材を
設けたので、ビームの光量分布がわずかにずれても、フ
ォトダイオードが受光する光量の変動が少なく、レーザ
光源の温度依存性や、使用する光学部品の温度安定性な
どの環境安定性の制限、使用する光学部品の取り付け位
置及び方向の精度の制限などを緩め、使用できる部品の
制限を緩めたり、加工工数・精度を抑えたりするなどの
コストダウンを可能としつつ、走査されるビームの出射
光量をより正しく測定できるようにできる。
【0010】前記光拡散部材はビーム波長領域における
光透過率が50%以上であることが好ましく、これによ
り、ビーム光を十分に透過するので、フォトダイオード
が受光する光量が十分で、より良好な測定ができる。
【0011】また、前記光拡散部材の表面が帯電防止処
理されていることにより、光拡散部材の表面の帯電を抑
えられ、埃の付着を抑えることができ、光拡散部材に埃
が付着することによる測定光量変動の発生を抑えること
ができる。
【0012】また、前記光拡散部材のビーム入射側表面
にマット加工が施されていることにより、光拡散部材の
ビーム入射側表面でビームが拡散し、ビームの鏡面反射
が抑えられ、鏡面反射したビームによる問題の発生を抑
え、かつ、分岐したビームがビーム光源に戻ることによ
る問題の発生を抑えつつ、ビームの光量分布がわずかに
ずれても、フォトダイオードが受光する光量の変動が少
なくなる。
【0013】また、前記光拡散部材のビーム出射側表面
にマット加工が施されていることにより、光拡散部材の
ビーム出射側表面で、ビームが拡散し、ビームの光量分
布がわずかにずれても、フォトダイオードが受光する光
量の変動が少なくなる。
【0014】また、前記光拡散部材が乳白色のアクリル
板であることにより、安価な部材で、ビームの光量分布
がわずかにずれた際のフォトダイオードが受光する光量
の変動を少なくすることができる。
【0015】また、前記光拡散部材が磨りガラス板であ
ることにより、安価な部材で、ビームの光量分布がわず
かにずれた際のフォトダイオードが受光する光量の変動
を少なくすることができる。
【0016】また、前記発光光量検出手段の検出結果を
用いて、前記光源部の出射光量を制御する光源制御駆動
手段を有することが好ましい。これにより、レーザ光源
の温度依存性や、使用する光学部品の温度安定性などの
環境安定性の制限、使用する光学部品の取り付け位置及
び取り付け方向の精度の制限などを緩め、使用できる部
品の制限を緩めつつ、加工工数・精度の増大を抑え、コ
ストダウンが可能であるとともに、より良好に記録媒体
への照射光量を制御できる。
【0017】また、本発明による画像形成装置は、上述
の光走査装置と、前記光走査装置の上方に設けられ、前
記光走査装置によりビーム露光された熱現像材料を加熱
して熱現像する熱現像手段と、前記光走査装置及び前記
熱現像手段を実質的に遮光状態にして覆う遮光枠体と、
を有する画像形成装置であって、前記光走査装置から出
されるビームの照射方向が下方向きであることを特徴と
する。
【0018】この画像形成装置によれば、同じ遮光枠体
内に、光走査装置の上方に熱現像手段が設けられている
ので、画像形成装置は小型化しやすく、熱現像手段で熱
っせられた空気が光走査装置に到達しにくい。また、熱
現像手段で、空気より比重の大きい有機ガスが発生し、
光走査装置まで沈降してきても、光走査装置から出射す
るビームの照射方向が下方向きであるので、光走査装置
内部に有機ガスが侵入しにくく、有機ガスが光拡散部材
に凝縮することによる発光光量検出手段による照射光量
の検出の狂いを抑えることができ、記録媒体への照射光
量の良好な制御を維持できる。このようにして光走査装
置において熱現像手段における熱に起因する影響を抑え
られる。また、光走査装置において上述のようにフォト
ダイオードでより正しく測定した走査ビームの測定光量
に基づいて光源部を制御できるので、光源部からビーム
を安定して熱現像材料に露光でき、熱現像材料に擬画像
や濃度むらが発生することを防止できる。
【0019】また、本発明による別の画像形成装置は、
回転多面鏡又はガルバノミラーを有し、光源部から出射
したビームが前記回転多面鏡又はガルバノミラーのミラ
ー面に入射し、前記回転多面鏡が回転すること又は前記
ガルバノミラーが回動することにより、前記ミラー面で
反射したビームを記録媒体上へ走査する上述の光走査装
置と、前記光走査装置により走査されるビームの走査方
向と実質的に直交する方向に熱現像感光材料を移動させ
ることにより副走査する副走査手段と、前記光走査装置
の上方に設けられ、前記光走査装置及び副走査手段とに
よりビーム露光された熱現像材料を加熱して熱現像する
熱現像手段と、前記光走査装置、前記副走査手段及び前
記熱現像手段を実質的に遮光状態にして覆う遮光枠体
と、を有する画像形成装置であって、前記光走査装置か
ら出されるビームの照射方向が下方向きであることを特
徴とする。
【0020】この画像形成装置によれば、同じ遮光枠体
内に、光走査装置の上方に熱現像手段が設けられている
ので、画像形成装置は小型化しやすく、熱現像手段で熱
っせられた空気が光走査装置に到達しにくい。また、熱
現像手段で、空気より比重の大きい有機ガスが発生し、
光走査装置まで沈降してきても、光走査装置が回転多面
鏡又はガルバノミラーで走査する方式で、光走査装置の
開口をスリット状にすることができ、光走査装置から出
されるビームの照射方向が下方向きであるので、光走査
装置内部に有機ガスが侵入しにくく、有機ガスが光拡散
部材に凝縮することによる発光光量検出手段による射出
光量の検出の狂いを抑えることができ、媒体への照射光
量の良好な制御を維持できる。このようにして光走査装
置において熱現像手段からの熱の影響を抑えられる。ま
た、光走査装置において上述のようにフォトダイオード
でより正しく測定した走査ビームの測定光量に基づいて
光源部を制御できるので、光源部からビームを安定して
熱現像材料に露光でき、熱現像材料に擬画像や濃度むら
が発生することを防止できる。
【0021】また、本発明による画像形成方法は、上述
の画像形成装置を用いた画像形成方法において、前記熱
現像感光材料が、ハロゲン化銀微粒子と、有機銀塩と、
還元剤とを含有する熱現像感光材料であることを特徴と
する。
【0022】この画像形成方法によれば、熱現像により
良好な画像を得られつつ、熱現像で発生する空気より比
重の重い有機ガスが、光走査装置まで沈降してきても、
光走査装置内部に侵入しにくく、これらのガスが光拡散
部材に凝縮することによる発光光量検出手段による射出
光量の検出の狂いを抑えることができ、媒体への照射光
量の良好な制御を維持できる。
【0023】また、前記熱現像手段の熱現像温度が11
5℃以上135℃以下であることが好ましい。これによ
り、熱現像により良好な画像を得ることができるととも
に、115℃以上135℃以下の熱現像温度で発生する
空気より比重の重い有機ガスが、光走査装置まで沈降し
てきても、光走査装置内部に侵入しにくく、これらのガ
スが光拡散部材に凝縮することによる発光光量検出手段
による射出光量の検出の狂いを抑えることができ、媒体
への照射光量の良好な制御を維持できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態による画像形成装置の正面図である。
【0025】図1の画像形成装置10は、レーザビーム
によって潜像による画像形成がなされる前の熱現像感光
材料である熱現像感光フィルム(以下、「フィルム」と
いう。)を収納するための複数の収納部41,42を備
え、更に、収納部41,42に収納された多数枚のフィ
ルムを一枚ずつ吸盤で負圧により吸着し移動させること
で取り出す公知のフィルム供給機構を内部に備える。
【0026】画像形成装置10は、取り出されたフィル
ムを複数の搬送ローラ対16aで図1の下方向(1)に
搬送するための下降搬送部16と、下降搬送部16から
搬送されたフィルムの位置を規制して曲がりを補正しか
つフィルムを複数の搬送ローラ対17aで水平方向
(2)に搬送する位置規制部17と、位置規制部17か
ら送り込まれ曲がりの補正されたフィルムを副走査方向
(水平方向(2))に定速度で移動させる副走査部18
とを有する。副走査部18は、後述の図5のように2つ
の搬送ローラ対等から構成される。
【0027】また、画像形成装置10は、副走査部18
においてフィルムに対し画像情報に基づいて変調された
レーザビームを露光しながら走査しフィルムに画像情報
による潜像を形成する光走査部19と、副走査部18で
光走査部19により潜像が形成されたフィルムを複数の
搬送ローラ対20aで図1の上方向(3)に搬送する上
昇搬送部20とを有する。
【0028】光走査部19からレーザビームは図1のよ
うに下向きに副走査部18に対し照射されるようになっ
ている。また、上昇搬送部20は、フィルムを副走査部
18から装置本体の上部まで搬送するための長い搬送経
路及び露光中のフィルムに衝撃を与えないため搬送ロー
ラの待避機能等を備える。
【0029】画像形成装置10は、上述のようにして潜
像の形成されたフィルムを加熱し熱現像してから冷却し
搬送する熱現像部30を装置本体の上部に有する。熱現
像部30で熱現像され画像情報が可視化されたフィルム
は冷却されて排出部22へ搬送され装置外部へ排出され
る。
【0030】熱現像部30は、熱現像ドラムを含む熱現
像ドラムユニット31と、熱現像後のフィルムを搬送し
かつ冷却する冷却搬送ユニット32と、フィルムを排出
部22に向け更に搬送する搬送部33と、フィルムの熱
現像時に発生する有機ガスを取り除くための脱臭部34
と、を有する。
【0031】図1のように、画像形成装置10は、遮光
枠体43内に上述のような副走査部18、光走査部19
及び熱現像部30等をほぼ遮光状態にして覆った状態で
収納している。副走査部18及び光走査部19は収納部
41,42を介して熱現像部30の下方に配置されてい
る。フィルムは、図1の1点鎖線で示す搬送路を通って
上述のようにして収納部41,42から排出部22まで
搬送される。
【0032】次に、図2により図1の光走査部19の光
学系について説明する。図2は画像形成装置の光走査部
19の光学系等を概略的に示す図であり、図9と同様の
部分には同じ符号を付け、その説明は省略する。
【0033】図2のように、光走査部19では、変調基
板11に取り付けられたフォトダイオード11に板状の
光拡散部材14が前置されており、レーザ光源1からの
レーザビームがビーム分岐手段のビームスプリッタ3で
分岐され、この分岐されたレーザビームが光拡散部材1
4を通過する際にフォトダイオード11に向け拡散する
ようになっている。
【0034】また、光走査部19の光学系及び制御系
は、図1の実線及び図2の破線で示す筐体19a内に収
容されており、図2のミラー9で反射したレーザビーム
は筐体19aの下面に設けたスリット状の開口19bか
ら図1,図2の下側にフィルムFに向けて出射するよう
になっている。このように、光走査部19からのビーム
照射方向が下向きであり、そのための開口19bが筐体
19aの下面に設けられているので、図1の熱現像部3
0でフィルムFの加熱時に発生し、脱臭部34で充分に
除去できなかった微量の有機ガスが下方に降りてきて
も、その有機ガスが光走査部19の筐体19a内に侵入
し難い構造となっている。
【0035】光拡散部材14としては、乳白色のアクリ
ル板や磨りガラス板などを用いることができる。また、
光拡散部材14のビーム波長領域(ビームのピーク波長
±2nm)における光透過率(拡散透過率)は、50%
以上、特に60%以上が好ましい。また、90%以下、
特に80%以下が好ましい。また、光拡散部材14の表
面は、公知の帯電防止処理により酸化錫等の金属酸化物
微粉末、金属微粉末、有機帯電防止剤等による帯電防止
層を形成することなど表面が帯電防止処理されているこ
とが、埃が付着することによる測定光量変動を抑えるこ
とができ好ましい。
【0036】なお、光拡散部材14は、ビーム入射側表
面及び出射側表面の少なくとも一方がフロスト加工など
公知のマット加工により指向性のない光拡散作用のある
マット面に形成したものであってもよい。
【0037】また、光拡散部材14は、光軸に対し1°
以上(特に2°以上)、また、10°以下(特に5°以
下)傾けて配置することが好ましく、また、光拡散部材
14のビーム波長領域(ビームのピーク波長±2nm)
の分光透過率がほぼフラットな特性(5%/nm以下)
を有することが好ましい。
【0038】図2のように、ビームスプリッタ3とフォ
トダイオード11との間に光拡散部材14を設けること
による効果を図3を参照して説明する。図3(a)、
(b)はフォトダイオード11の受光面における光量分
布を示す図である。
【0039】即ち、図3(a)のように、フォトダイオ
ード11の受光面における光量は、光拡散部材がない場
合には、鋭く高いピークを有するような分布となるのに
対し、光拡散部材14を設けた場合には、ピークが低下
しかつなだらかな分布となり、受光面におけるビーム径
dが大きくなるので、フォトダイオード11の位置変化
や光軸変動による受光量の変動を抑えられる。また、フ
ォトダイオード11の変調基板12上の位置調整も容易
となるため、フォトダイオード11の取り付け位置及び
取り付け方向の精度の制限が緩やかになり、生産時等に
おける調整が容易となる。
【0040】また、図3(b)のように、コリメータ2
から出射しビームスプリッタ3で分岐されたビームには
光拡散部材がない場合に、リップル成分が生じることあ
り、光量変動の原因となり好ましくないのに対し、光拡
散部材14を設けた場合には、リップル成分を除去しリ
ップルの悪影響を抑え、光量を安定させることができ
る。
【0041】また、本実施の形態における熱現像感光フ
ィルムは、比較的低感度であるために、高エネルギのビ
ームをフィルムに照射する必要があるが、その結果、フ
ォトダイオード11にも強いエネルギのビームが入射す
る。このため、フォトダイオード11からの受光信号が
飽和してしまい、光出力強度の直線性が悪化してしま
い、また、フォトダイオード11の寿命が短くなってし
まい易いが、光拡散部材14を設けることで図3
(a)、(b)のようにフォトダイオード11に入射す
る光量を全体として低減できるので、光出力強度の直線
性を維持でき、また寿命を長く保つことができる。
【0042】なお、光量低減のため例えばビームスプリ
ッタ3にコーティングを施し反射率等を調整することも
可能であるが、かかるコーティングはコストがかかり、
また、所望の分光特性を得ることが困難であるのに対
し、本実施の形態では上述のように光拡散部材を設ける
ことでこれらの問題を解決できる。
【0043】次に、図4により図2の光走査部19の変
調基板12及び高周波重畳基板13における回路構成に
ついて説明する。図4は光走査部19の変調基板12及
び高周波重畳基板13の回路のブロック図である。
【0044】図4に示すように、変調基板12は加減算
器210と偏差信号増幅回路220とを有する。画像信
号に基づいて変調された光量指令信号(変調信号)S及
び光量モニタ部からフィードバックされた負の受光信号
Mが加減算器210に入力すると、加減算器210から
それらの偏差を示す偏差信号を出力し、偏差信号増幅回
路220に送る。偏差信号増幅回路220は、加減算器
210からの偏差信号を増幅してレーザ駆動信号を線形
駆動電流出力回路230と非線形駆動電流出力回路24
0に送る。線形駆動電流出力回路230と非線形駆動電
流出力回路240は、偏差信号増幅回路220からのレ
ーザ駆動信号を電圧電流変換して半導体レーザ(レーザ
光源)1を駆動する電流を出力する。線形駆動電流出力
回路30は光量指令信号の増減に対応して線形な駆動電
流を出力する。非線形駆動電流出力回路240は、半導
体レーザの自然発光領域におけるレーザ駆動電流に対す
る非線形な光出力特性を補償するための非線形駆動電流
出力を行い、両者を合わせて光量指令信号と光出力の線
形応答を幅広いダイナミックレンジで確保している。線
形駆動電流出力回路230と非線形駆動電流出力回路2
40から出力されたレーザ駆動電流は、合わせて交互駆
動制御回路300に送られて半導体レーザ1を駆動す
る。
【0045】変調基板12のフォトダイオード11、フ
ィルタ270、受光信号増幅回路280およびフィード
バックゲイン変更回路290は、光量モニタ部を構成
し、フォトダイオード(PD)11は、半導体レーザ
(LD)1から発せられる前方出射光の一部を受光して
電流信号に変換しフィルタ270に送る。フィルタ27
0はローパスフィルタであり、電流信号に含まれる高周
波成分を遮断し、受光信号増幅回路280に送る。受光
信号増幅回路280では、高周波成分がカットされた電
流信号を電流電圧変換して電圧出力を所定の電圧レベル
まで増幅して受光信号Mとして出力し、フィードバック
ゲイン変更回路290に送る。フィードバックゲイン変
更回路290は、高周波重畳基板13の高周波重畳回路
を使用する場合と使用しない場合とで、フィードバック
ゲインを切り替えるためのものである。高周波重畳回路
を使用する場合は、半導体レーザ1は負荷300と交互
に通電されることになり平均光量が減少する。そこで、
光量指令信号Sに対応する一定の光量を確保するため
に、交互駆動制御回路300を使用しない場合と比較し
てフィードバックゲインを高く設定する。フィードバッ
クゲイン変更回路290で調整された受光信号Mは、加
減算器210に送られ、閉ループが完成する。
【0046】また、高周波重畳基板13は、半導体レー
ザ1に対置された負荷300と、半導体レーザ及び負荷
の各々に通電するための電流駆動用トランジスタ31
0、320と、インバータ330およびバッファゲート
340からなる駆動回路部と、発振器からなる制御信号
発生回路350とを有する。
【0047】線形駆動電流出力回路230と非線形駆動
電流制御回路240の出力を合成して得られるレーザ駆
動電流ILは、制御信号発生回路350の制御信号によ
り、交互に半導体レーザ1、負荷300のいずれかに流
れることになり、負荷300は、半導体レーザ1の代わ
りとなるダミーとしての負荷として作用する。制御信号
発生回路350から基準信号が発振されると、バッファ
ゲート340で同位相の増幅された信号が電流駆動用ト
ランジスタ310に伝えられる。また、基準信号がイン
バータ330で逆位相に反転増幅され、電流駆動用トラ
ンジスタ320に伝えられる。電流駆動用トランジスタ
310,320は互いに逆の位相で半導体レーザ1と負
荷300に交互に通電する動作を繰り返す。そして、半
導体レーザ1と負荷300に流れるレーザ駆動電流は、
もともと光量指令信号Sに対応しているから、半導体レ
ーザ1の出力は、光量指令信号に高周波信号が重畳され
た状態となる。
【0048】このようにして、変調信号に高周波信号を
重畳し、この高周波重畳された変調信号で半導体レーザ
1から画像をフィルムに書き込むことにより干渉縞の発
生を防止できる。また、図3の高速アナログ変調におけ
る高周波重畳的な駆動に伴うノイズ等の影響は変調基板
12に及ばないため、変調基板12に高周波ノイズが生
じなく、回路の制御が安定化し、レーザビーム出力を正
確に制御できる。
【0049】また、フォトダイオード11は、図2のよ
うに半導体レーザ1からのレーザビームの一部を受光可
能なように配置されているが、光拡散部材14が前置さ
れているので、フォトダイオード11の位置変化や光軸
変動がたとえ僅かに生じても受光量の変動を抑制でき、
図3の光量モニタ部における信号変動が殆どないので、
回路を安定して制御でき、半導体レーザ1からの光出力
を正確に制御できる。
【0050】以上のように、図2,図4の光走査部19
によれば、フォトダイオード11のビーム受光側にレー
ザビームを拡散させる光拡散部材14を設けたので、レ
ーザビームの光量分布がわずかにずれても、フォトダイ
オード11が受光する光量の変動が少なく、レーザ光源
の温度依存性や、使用する光学部品の温度安定性などの
環境安定性の制限、使用する光学部品の取り付け位置及
び方向の精度の制限などを緩め、使用できる部品の制限
を緩めたり、加工工数・精度を抑えたりするなどのコス
トダウンを可能としつつ、走査されるビームの出射光量
をより正しく測定できるようにできる。また、フォトダ
イオード11で走査レーザビームの出射光量をより正し
く測定でき、半導体レーザ1からの光出力を正確に制御
できるため、フィルム上の記録画像にノイズ、濃度む
ら、擬画像等が生じなく、安定した画像形成を行うこと
ができる。
【0051】次に、図5により図1の副走査部18につ
いて説明する。図5は副走査部18の搬送ローラ対等を
示す正面図である。
【0052】図5に示すように、副走査部18は、フィ
ルムFの搬送方向vに沿って上流側に配置された上流側
搬送ローラ対121と、同じく下流側に配置された下流
側搬送ローラ対122と、上流側搬送ローラ対121の
上流側に配置され搬送方向vから搬送されてきたフィル
ムFを検知するセンサ127と、図1、図2の光走査部
19から照射されたレーザビームLを受光し光走査部1
9にフィードバックしフィルムFの先端から画像記録を
行う等の制御を行うためにローラ対121と122との
間に配置されたセンサ128と、を備える。
【0053】図1の位置規制部17の複数の搬送ローラ
対17aにより搬送されてきたフィルムFが図5で搬送
方向vに搬送され、フィルムFの先端をセンサ127が
検知すると、上流側搬送ローラ対121では制御部12
9の制御によりばね調整部123がばね21cを従動ロ
ーラ21bに押圧し、従動ローラ21bと駆動ローラ2
1aとの間のニップ圧が搬送に適した大きい状態となっ
たところで、フィルムFが従動ローラ21bと駆動ロー
ラ21aとの間に進入してくる。そして、制御部129
の制御により回転駆動部125が一定の回転速度で駆動
ローラ21aを回転駆動し、フィルムFは上流側搬送ロ
ーラ対121で搬送に適した大きなニップ圧で挟持され
ながら一定の搬送速度で更に搬送される。
【0054】次に、フィルムFが上流側搬送ローラ対1
21と下流側搬送ローラ対122との間でセンサ128
によりその先端が検知されると、制御部129の制御に
よりタイミングよく光走査部19がレーザビームLを図
1,図5のように上方から下向きに照射してフィルムF
の先端から露光を開始する。レーザビームLは被走査体
としてのフィルムFを図5の紙面垂直方向に主走査する
とともに、搬送方向vに一定速度で移動することで副走
査される。フィルムFは更に搬送方向vに搬送され、そ
の先端が下流側搬送ローラ対122に達し、駆動ローラ
22aと従動ローラ22bとの間に進入すると、この進
入時の力により従動ローラ22bが駆動ローラ22aか
ら離れるように移動し間隙が広がり、フィルムFが駆動
ローラ22aと従動ローラ22bとの間に挟まれた状態
で図5の搬送方向vに搬送される。
【0055】以上のようにして、フィルムFは搬送方向
vに搬送されながらその先端から後端までのフィルム全
面に外部からの画像信号に基づいて潜像が形成されるこ
とで画像形成が行われる。このフィルムFにおける潜像
形成について、図6により説明する。図6は、本実施の
形態におけるフィルムFの断面図であり、上述のような
露光時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示
した図である。
【0056】フィルムFは、PETからなる支持体(基
層)上に、ポリビニルブチラールを主材とする感光層が
形成され、更に、その上にセルロースブチレートからな
る保護層が形成されている。感光層には、図7に示すよ
うに感光性ハロゲン粒子と、有機銀塩であるベヘン酸銀
(Beh.Ag)と、銀イオン還元剤とを含有し、現像
性の向上と最大濃度の向上と銀画像色調の向上のため
に、調色剤が配合されている。
【0057】露光時に光走査部19からレーザビームL
がフィルムFに対して照射されると、図6に示すよう
に、レーザビームLが照射された領域に、ハロゲン化銀
粒子が感光し、潜像が形成される。
【0058】次に、潜像の形成されたフィルムFは、次
に、図1のように、上昇搬送部20の複数の搬送ローラ
対20aにより熱現像部30の熱現像ドラムユニット3
1へと搬送される。熱現像ドラムユニット31はフィル
ムを115℃以上135℃以下の所定温度で加熱し熱現
像してから、冷却搬送ユニット32で冷却し搬送し、更
に排出部22へ搬送され装置外部へ排出される。
【0059】図7は、上述のような加熱時におけるフィ
ルムF内の化学的反応を模式的に示した、図6と同様な
断面図である。フィルムFは、40℃以下の温度では実
質的に熱現像されないが、上述のようにフィルムFを最
低現像温度以上の現像温度に加熱すると、熱現像され
る。これは、図7に示すように、ベヘン酸銀から銀イオ
ン(Ag+)が放出され、銀イオンを放出したべヘン酸
は、調色剤と錯体を形成して、銀イオンの拡散能力が高
くなり、感光したハロゲン化銀粒子まで拡散し、感光し
たハロゲン化銀粒子を核として還元剤が作用し、化学的
反応により銀画像が形成されるからと思われる。
【0060】以上のように、図1の画像形成装置10に
よれば、同じ遮光枠体である遮光枠体43内に光走査部
19の上方に熱現像部30が設けられているので、画像
形成装置は小型化しやすく、熱現像部30で熱っせられ
た空気が光走査部19に到達しにくい。また、上述のよ
うに熱現像部30でフィルムFを加熱すると、115℃
以上135℃以下の熱現像温度で空気より比重の重い脂
肪酸ガスや有機溶剤ガス等の有機ガスが発生し、光走査
部19の近くまで沈降してきても、光走査部19が回転
多面鏡又はガルバノミラーで走査する方式であるので、
光走査部19の筐体19aに設けた開口19bをスリッ
ト状に形成することができる。また、光走査部19から
出射するレーザビームの照射方向が下方向きであるの
で、光走査部19の筐体19aの内部に有機ガスが侵入
しにくく、有機ガスが光拡散部材14やフォトダイオー
ド11の受光面等に凝縮することによる出射光量の検出
の狂いを抑えることができ、フィルムへの照射光量の良
好な制御を維持できる。
【0061】以上のようにして光走査部19において熱
現像部30から熱っせられた空気や有機ガス等による影
響を抑えられる。また、光走査部19において上述のよ
うにフォトダイオード11でより正しく測定した走査ビ
ームの測定光量に基づいてレーザ光源1を制御できるの
で、レーザ光源1からレーザビームを安定してフィルム
に露光でき、フィルムに擬画像や濃度むらが発生するこ
とを防止できる。
【0062】次に、上述のフィルムFについて説明す
る。このフィルムはハロゲン化銀微粒子と、有機銀塩
と、還元剤とを含有する熱現像感光材料からなる。
【0063】熱現像感光材料の詳細は、例えば米国特許
第3,152,904号、同第3,457,075号、
及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシル
バー写真材料(Dry Silver Photogr
aphic Material)」やD.モーガン(M
organ)とB.シェリー(Shely)による「熱
によって処理される銀システム(Thermally
ProcessedSilverSystems)」
(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアル
ズ(Imaging Processes and M
aterials)Neblette 第8版、スター
ジ(Sturge)、V、ウォールワース(Walwo
rth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、
1969年)等に開示されている。
【0064】その中でも、本発明では感光材料を115
℃以上135℃以下で熱現像することで画像を形成さ
せ、定着を行わないものに有用である。この場合、通
常、未露光部に残ったハロゲン化銀や有機銀塩は除去さ
れずにそのまま感光材料中に残ることになる。
【0065】ハロゲン化銀粒子は、画像形成後の白濁を
低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子
サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1
μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1μm、
特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。ここでい
う粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八
面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒
子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球
状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化
銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。又
ハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。ここでい
う単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以
下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ま
しくは0.1%以上20%以下となる粒子である。
【0066】単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/
(粒径の平均値)×100
【0067】ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1μm以
下でかつ単分散粒子であることがより好ましく、この範
囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0068】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数{100}面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数{100}面の比率は増感色素の吸着における
{111}面と{100}面との吸着依存性を利用した
T.Tani,J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0069】又もう一つの好ましいハロゲン化銀の形状
は、平板状粒子である。ここでいう平板状粒子とは、投
影面積の平方根を粒径rμmとし、垂直方向の厚みをh
μmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のもの
をいう。その中でも好ましくはアスペクト比が3以上5
0以下である。又、粒径は0.1μm以下であることが
好ましく、更に0.01μm〜0.08μmが好まし
い。これらは米国特許第5,264,337号、第5,
314,798号、第5,320,958号等に記載さ
れており、容易に目的の平板状粒子を得ることができ
る。これらの平板状粒子を用いた場合、更に画像の鮮鋭
性も向上する。
【0070】ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、具化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。写真乳剤は、P.G1af
kides著Chimie et Physique
Photographique(Paul Monte
l社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Ph
otographic Emulsion Chemi
stry(The Focal Press刊、196
6年)、V.L.Zelikman et al著Ma
king and Coating Photogra
phic Emulsion(The Focal P
ress刊、1964年)等に記載された方法を用いて
調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモ
ニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混
合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよい。この
ハロゲン化銀はいかなる方法で画像形成層に添加されて
もよく、このときハロゲン化銀は還元可能な銀源に近接
するように配置する。又、ハロゲン化銀は有機銀塩とハ
ロゲンイオンとの反応による有機銀塩中の銀の一部又は
全部をハロゲン化銀に変換することによって調製しても
よいし、ハロゲン化銀を予め調製しておき、これを有機
銀塩を調製するための溶液に添加してもよく、又はこれ
らの方法の組み合わせも可能であるが、後者が好まし
い。一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して0.75〜
30重量%の量で含有することが好ましい。
【0071】ハロゲン化銀には、照度不軌改良や改良調
整のために、元素周期律表の6族から10族に属する金
属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。
上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、R
u、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ま
しい。
【0072】これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に
導入できる。還移金属錯体は、下記一般式で表される6
配位錯体が好ましい。
【0073】一般式〔ML6〕m
【0074】式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素
から選ばれる遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、−、
2−又は3−を表す。Lで表される配位子の具体例とし
ては、ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化
物)、シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレ
ノシアナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各
配位子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好
ましくはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等であ
る。アコ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は
二つを占めることが好ましい。Lは同一でもよく、又異
なっていてもよい。
【0075】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イ
リジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。
【0076】以下に遷移金属配位錯体の具体例を示す。 1:〔RhC16〕3− 2:〔RuC16〕3− 3:〔ReC16〕3− 4:〔RuBr6〕3− 5:〔OsC16〕3− 6;〔IrC16〕2− 7;〔Ru(NO)C15〕2− 8:〔RuBr4(H2O)〕2− 9:〔Ru(NO)(H2O)C14〕− 10:〔RhCl5(H2O)〕2− 11:〔Re(NO)C15〕2− 12:〔Re(NO)CN5〕2− 13:〔Re(NO)ClCN4〕2− 14:〔Rh(NO)2Cl4〕− 15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4〕− 16:〔Ru(NO)CN5〕2− 17:〔Fe(CN)6〕3− 18:〔Rh(NS)Cl5〕2− 19:〔Os(NO)Cl5〕2− 20:〔Cr(NO)Cl5〕2− 21:〔Re(NO)Cl5〕− 22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2− 23:〔Ru(NS)Cl5〕2− 24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2− 25:〔Os(NS)Cl(SCN)4〕2− 26:〔Ir(NO)Cl5〕2− 27:〔Ir(NS)Cl5〕2−
【0077】これらの金属のイオン又は錯体イオンは一
種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以上
併用してもよい。これらの金属のイオン又は錯体イオン
の含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当た
り1×10−9〜1×10 モルが適当であり、好ま
じくは1×10−8〜1×10−4モルである。これら
の金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハ
ロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に
組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調
製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後の
どの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理
熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成
長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形
成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分
割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含
有させることもできるし、特開昭63‐29603号、
特開平2‐306236号、同3−167545号、同
4−76534号、同6‐110146号、同5‐27
3683号等に記載されている様に粒子内に分布を持た
せて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分
布をもたせることができる。これらの金属化合物は、水
或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテ
ル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド
類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化
合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、K
Clとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性
銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方
法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合される
とき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法で
ハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量
の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或い
はハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオ
ンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶
解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好
ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後又は
物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量
の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもでき
る。
【0078】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが脱塩してもしなくても
よい。
【0079】感光性ハロゲン化銀粒子は化学増感されて
いることが好ましい。好ましい化学増感法としては当業
界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増感
法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イリ
ジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いるこ
とができる。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法
に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物を用
いることができるが、特開平7−128768号等に記
載の化合物を使用することができる。貴金属増感法に好
ましく用いられる化合物としては例えば塩化金酸、カリ
ウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネー
ト、硫化金、金セレナイド、或いは米国特許2,44
8,060号、英国特許618,061号などに記載さ
れている化合物を好ましく用いることができる。還元増
感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化
チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、アミノイミノメ
夕ンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、
シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができ
る。又、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に
保持して熟成することにより還元増感することができ
る。又、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション
部分を導入することにより還元増感することができる。
【0080】熱現像材料に用いられる感光性のハロゲン
化銀は、有機銀塩に対して、0.75〜25mol%の
範囲で用いられることができ、好ましくは、2〜20m
ol%の範囲で用いられることができる。
【0081】有機銀塩には、銀イオンの供給源である有
機材料を全て含む。有機酸(特に長鎖脂肪酸(10〜3
0の炭素原子:好ましくは15〜28の炭素原子))の
銀塩が好ましい。配位子が全体的に4.0〜10.0の
間で一定の安定性を有する有機又は無機の銀塩錯体であ
ることが好ましい。そして、画像形成層の重量の約5〜
30%であることが好ましい。
【0082】この有機銀塩は、露光された光触媒(たと
えば写真用ハロゲン化銀等)と還元剤の存在において、
80℃以上好ましくは115℃以上、特に120℃以上
の温度に加熱されたときに銀イオンを供給する銀塩であ
ることが望ましい。
【0083】好ましい有機銀塩には、カルボキシル基を
有する有機化合物の銀塩が含まれる。それらには、脂肪
族カルボン酸の銀塩及び芳香族カルボン酸の銀塩が含ま
れる。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例には、べヘ
ン酸銀、ステアリン酸銀等が含まれる。脂肪族カルボン
酸におけるハロゲン原子又はヒドロキシルとの銀塩も効
果的に用いうる。メルカプト又はチオン基を有する化合
物及びそれらの誘導体の銀塩も用いうる。更に、イミノ
基を有する化合物の銀塩を用いうる。
【0084】有機銀塩は、還元可能な銀源であり、還元
可能な銀イオン源を含有する有機酸及びへテロ有機酸の
銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは15〜25の
炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環を含
むことが好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イ
オンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯
体も有用である。好適な銀塩の例は、Research
Disclosure(以下、RDとする)第170
29及び29963に記載されており、次のものがあ
る:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、べへン
酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウ
リン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩
(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、
1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチ
オ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボ
ン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデ
ヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチル
アルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチ
ル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,
5−チオジサリチル酸)、チオエン類の銀塩又は錯体
(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロ
キシメチル−4−(チアゾリン−2−チオエン、及び3
−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエ
ン)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,
2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミ
ノ−5−べンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及び
べンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体
又塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等
の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩。これらの内、好ま
しい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸及び/又はステア
リン酸である。
【0085】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
べヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、
前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよ
い。
【0086】有機銀塩は平均粒径が2μm以下でありか
つ単分散であることが好ましい。有機銀塩の平均粒径と
は、有機銀塩の粒子が例えば球状、棒状、或いは平板状
の粒子の場合には、有機銀塩粒子の体積と同等な球を考
えたときの直径をいう。平均粒径は好ましくは0.05
μm〜1.5μm、特に0.05μm〜1.0μmが好
ましい。又単分散とは、ハロゲン化銀の場合と同義であ
り、好ましくは単分散度が1〜30である。又、有機銀
塩に於いては、全有機銀塩の60%以上が平板状粒子で
あることが好ましい。平板状粒子とは平均粒径と厚さの
比、いわゆる下記式で表されるアスペクト比(ARと略
す)が3以上のものをいう。
【0087】AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm)
【0088】有機銀塩をこれらの形状にするためには、
前記有機銀結晶をバインダーや界面活性剤などをボール
ミルなどで分散粉砕することで得られる。この範囲にす
ることで濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感光材料
が得られる。
【0089】感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン
化銀及び有機銀塩の総量が銀量に換算して1m2当たり
0.5g以上2.2g以下であることが好ましい。この
範囲にすることで硬調な画像が得られる。又銀総量に対
するハロゲン化銀の量は、重量比で50%以下、好まし
くは25%以下、更に好ましくは0.1%〜15%の間
である。
【0090】還元剤は、銀イオンを金属銀に還元できる
いずれの材料でも良く、好ましくは有機材料である。フ
ェニドン、ヒドロキノン及びカテコールのような従来の
写真現像剤が有用である。しかし、フェノール還元剤が
好ましい。還元剤は画像形成層の1〜10重量%存在す
るべきである。多層構成においては、還元剤が乳剤層以
外の相に添加される場合は、わずかに高い割合である約
2〜15重量%がより望ましい。
【0091】好適な還元剤の例は、米国特許第3,77
0,448号、同第3,773,512号、同第3,5
93,863号、及びRD17029及び29963に
記載されており、次のものがある。
【0092】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキ
セノン);還元剤の前駆体としてアミノリダクトン類
(reductones)エステル(例えば、ピペリジ
ノへキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロ
キシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N
−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾ
ン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラ
ゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーア
ミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、
ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピ
ルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニ
ル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例え
ば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミド
アニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン):テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシム類;アジン類(例えば、脂肪
族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸
の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシ
ルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジ
ン;ヒドロキサン酸類:アジン類とスルホンアミドフェ
ノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導
体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシべン
ゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホン
アミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,
3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類
(例えば、2,6ージメトキシ−3,5−ジカルボエト
キシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類
(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m
−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
4,5−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチ
ル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体
及び3−ピラゾリドン類等。中でも特に好ましい。
【0093】還元剤はヒンダードフェノール類である。
ヒンダードフェノール類としては下記一般式(A)で表
される化合物が挙げられる。
【0094】
【化1】
【0095】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C4H9、2,4,4−
トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子
数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−
ブチル)を表す。
【0096】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、以下の化合物に限定されるもので
はない。
【0097】
【化2】
【0098】
【化3】
【0099】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
−2〜10モル、特に1×10−2〜1.5モルであ
る。
【0100】熱現像感光材料に好適なバインダは透明又
は半透明で、一般に無色であることが好ましく、天然ポ
リマーや合成樹脂ポリマー及びコポリマーなどが好まし
い。また、熱現像の速度を速めるために、感光層のバイ
ンダー量が10g/m以下(特に、8g/m以下)
であることが好ましい。また、未露光部の濃度が大幅に
上昇し、使用に耐えない場合が生じないように、即ち、
濃度が安定するように、1.5g/m以上(特に、
1.7g/m以上)であることが好ましい。
【0101】このようなバインダとしては、例えば:ゼ
ラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒ
ドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリド
ン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ
(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン
酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ
(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)
類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニ
ルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタ
ン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポ
リ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ
(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ
(アミド)類がある。バインダは、親水性でも疎水性で
もよいが、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水
性透明バインダーを使用することが好ましい。好ましい
バインダとしては、ポリ(ビニルブチラール)、セルロ
ースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリ
ウレタンなどが挙げられる。その中でもポリビニルブチ
ラール、セルロースアセテート、セルロースアセテート
ブチレート、ポリエステルは特に好ましく用いられる。
【0102】また、疎水性バインダの場合、残留溶媒が
含有されていることが好ましい。残留溶媒としては、メ
チル−エチル−ケトンやアセトンなどが挙げられるが、
これらに限られない。また、残留溶媒量としては、20
mg/m以上(特に、25mg/m以上)であるこ
とが好ましく、また、500mg/m以下(特に、3
00mg/m以下)であることが好ましい。なお、残
留溶煤量の測定には、ガスクロマトグラフィーを用いる
と良い。
【0103】熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画
像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感
光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を
抑える色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中
に分散した状態で含有している熱現像感光材料であるこ
とが好ましい。熱現像感光材料は常温で安定であるが、
露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱するこ
とで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤とし
て機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀
を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に
発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域
中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提
供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がな
される。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給
することなしで進行する。
【0104】好適な色調剤の例はRD17029号に開
示されており、次のものがある。イミド類(例えば、フ
タルイミド);環状イミド類、ピラゾリン−5−オン
類、及びキナゾリノン(例えば、スクシンイミド、3−
フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウ
ラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオ
ン);ナフタールイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−
1,8−ナフタールイミド);コバルト錯体(例えば、
コバルトのへキサミントリフルオロアセテート)、メル
カプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−ト
リアゾール);N−(アミノメチル)アリールジカルボ
キシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)
フタルイミド);ブロックされたピラゾール類、イソチ
ウロニウム(isothiuronium)誘導体及び
ある種の光漂白剤の組み合わせ(例えば、N,N′−ヘ
キサメチレン(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピ
ラゾール)、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビ
ス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)、及び
2−(トリブロモメチルスルホニル)べンゾチアゾール
の組み合わせ);メロシアニン染料(例えば、3−エチ
ル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン
(ベンゾチアゾリニリデン))−1−メチルエチリデ
ン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン):フ
タラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の
金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、
6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタ
ラジノン、及び2,3‐ジヒドロ−1,4−フタラジン
ジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合
わせ(例えば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン+p−
トリスルホン酸ナトリウム);フタラジン+フタル酸の
組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)
とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレ
ンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無
水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニ
トロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選
択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナ
ゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘
導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、
1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミ
ジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒ
ドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導
体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニ
ル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペン
タレン)。これらの内、好ましい色調剤としてはフタラ
ゾン又はフタラジンである。
【0105】現像を抑制或いは促進させ現像を制御する
ため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存
性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフ
ィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。
【0106】メルカプト化合物を使用する場合、いかな
る構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar−S−S−
Arで表されるものが好ましい。
【0107】式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子
であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニ
ウム又はテルリウム原子を有する芳香環又は縮合芳香環
である。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾー
ル、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチ
アゾール、べンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、
ベンゾセレナゾール、べンゾテルラゾール、イミダゾー
ル、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジ
アゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピ
リダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン又は
キナゾリノンである。この複素芳香環は、例えば、ハロ
ゲン(例えば、Br及びCl)、ヒドロキシ、アミノ、
カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、
好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)及びアル
コキシ(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜
4個の炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選
択されるものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香
族化合物としては、2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、2−メルカプトべンズオキサゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルべン
ゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ
ール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリ
ン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオ
ール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2
−メルカプト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0108】熱現像感光材料中にはかぶり防止剤が含ま
れて良い。有効なかぶり防止剤として例えば米国特許第
3,589,903号などで知られている水銀化合物は
環境的に好ましくない。そのため非水銀かぶり防止剤の
検討が古くから行われてきた。非水銀かぶり防止剤とし
ては例えば米国特許第4,546,075号及び同第
4,452,885号及び特開昭59−57234号に
開示されている様なかぶり防止剤が好ましい。
【0109】特に好ましい非水銀かぶり防止剤は、米国
特許第3,874,946号及び同第4,756,99
9号に開示されているような化合物、−C(X1)(X
2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンであり、
X3は水素又はハロゲン)で表される1以上の置換基を
備えたヘテロ環状化合物である。好適なかぶり防止剤の
例としては、特開平9−288328号段落番号〔00
30〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好ま
しく用いられる。又もう一つの好ましいかぶり防止剤の
例としては特開平9−90550号段落番号〔006
2〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。更
にその他の好適なかぶり防止剤は米国特許第5,02
8,523号及び英国特許出願第92221383.4
号、同第9300147.7号、同第9311790.
1号に開示されている。
【0110】熱現像感光材料には、例えば特開昭63−
159841号、同60−140335号、同63−2
31437号、同63−259651号、同63−30
4242号、同63−15245号、米国特許第4,6
39,414号、同第4,740,455号、同第4,
741,966号、同第4,751,175号、同第
4,835,096号に記載された増感色素が使用でき
る。使用される有用な増感色素は例えばRD17643
IV−A項(1978年12月p.23)、同Item
1831X項(1978年8月p.437)に記載もし
くは引用された文献に記載されている。特に各種スキャ
ナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素
を有利に選択することができる。例えば特開平9−34
078号、同9−54409号、同9−80679号記
載の化合物が好ましく用いられる。
【0111】熱現像感光材料は支持体上に少なくとも一
層の感光層を有している。支持体上に感光層のみを形成
しても良いが、感光層の上に少なくとも1層の非感光層
を形成することが好ましい。この非感光層に用いられる
バインダーは感光層に用いられるバインダーと同じ種類
でも異なった種類でもよい。感光層に通過する光の量又
は波長分布を制御するために感光層と同じ側にフィルタ
ー染料層及び/又は反対側にアンチハレーション染料
層、いわゆるバッキング層を形成しても良いし、感光層
に染料又は顔料を含ませても良い。用いられる染料とし
ては所望の波長範囲で目的の吸収を有するものであれば
いかなる化合物でも良いが、例えば特開昭59−648
1号、特開昭59−182436号、米国特許4,27
1,263号、米国特許4,594,312号、欧州特
許公開533008号、欧州特許公開652473号、
特開平2−216140号、特開平4−348339
号、特開平7−191432号、特開平7−30189
0号などの記載の化合物が好ましく用いられる。
【0112】又これらの非感光層には前記のバインダー
やマット剤を含有することが好ましく、更にポリシロキ
サン化合物やワックスや流動パラフィンのようなスベリ
剤を含有してもよい。
【0113】感光層は複数層にしても良く、又階調の調
節のため感光層を高感度層/低感度層又は低感度層/高
感度層にしても良い。
【0114】また、感光材料の表面を保護したり擦り傷
を防止するために、感光層の外側に非感光層として保護
層を有することができる。
【0115】また、感光層側(特に保護層)にマット剤
を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防
止のためには、感光材料の表面にマット剤を配すること
が好ましく、そのマット剤を感光層側の全バインダーに
対し、重量比で0.5〜30%含有することが好まし
い。又、支持体を挟み感光層とは反対側の面に非感光層
を設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中にマッ
ト剤を含有することが好ましく、感光材料の滑り性や指
紋付着防止のためにも感光材料の表面にマット剤を配す
ることが好ましく、そのマット剤を感光層側の反対側の
層の全バインダーに対し、重量比で0.5〜40%含有
することが好ましい。
【0116】マット剤の材質は、有機物及び無機物のい
ずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第
330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,2
96,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,1
73,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミ
ウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いること
ができる。有機物としては、米国特許第2,322,0
37号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451
号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘
導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルア
ルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポ
リスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第
3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリ
ル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポ
リカーボネートの様な有機マット剤を用いることができ
る。
【0117】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。マット剤の粒径とはこの球形
換算した直径のことを示すものとする。
【0118】マット剤は、平均粒径が0.5μm〜10
μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0μm
〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数と
しては、50%以下であることが好ましく、更に好まし
くは40%以下であり、特に好ましくは30%以下とな
るマット剤である。
【0119】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。
【0120】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
【0121】マット剤は任意の構成層中に含むことがで
きるが、好ましくは感光層以外の構成層であり、更に好
ましくは支持体から見て最も外側の層である。
【0122】マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布
した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法
を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場
合は、両方の方法を併用してもよい。
【0123】各種の添加剤は感光層、非感光層、又はそ
の他の形成層のいずれに添加しても良い。熱現像感光材
料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これ
らの添加剤及び上述したその他の添加剤はRD1702
9(1978年6月p.9〜15)に記載されている化
合物を好ましく用いることができる。
【0124】支持体は現像処理後の画像の変形を防ぐた
めにプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレ
ンナフタレート)であることが好ましい。支持体の厚み
としては50〜300μm程度、好ましくは70〜18
0μmである。又熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、感光層が塗布されるまでの間に、
支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度に、好ま
しくは35℃以上高い温度に、更に好ましくは40℃以
上高い温度に加熱することがよい。
【0125】支持体の製膜方法及び下引製造方法は公知
の方法を用いることができるが、好ましくは、特開平9
−50094号の段落〔0030〕〜〔0070〕に記
載された方法を用いることである。
【0126】帯電性を改良するために金属酸化物及び/
又は導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含
ませることができる。これらはいずれの層に含有させて
もよいが、好ましくは下引層、バッキング層、感光層と
下引の間の層などに含まれる。米国特許5,244,7
73号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好
ましく用いられる。
【0127】
【実施例】発明の実施の形態の図1で示した光拡散部材
14として酸化スズの帯電防止層を設けた光透過率が6
0〜80%の磨りガラスを3°傾けて配置した画像形成
装置10を作製した。これにより、従来より安価な条件
で作製することができた。次に、以下に示すフィルム1
及び2の各々毎に、補正データなどを予め設定した上
で、対応するフィルムで、CTスキャン画像とコンピュ
ータラジオグラフィから出力されたX線写真画像をそれ
ぞれ10枚連続してプリントアウトした。そして、得ら
れた画像で濃度ムラや擬画像の発生の有無を検査した。
その後、1日当たり約124枚連続して画像を形成し、
1年後、同様にプリントアウトした。
【0128】このような検査の結果、いずれの組み合わ
せでも、実用上問題となるような濃度ムラや擬画像の発
生はなかった。また、1年後の検査でも同様の良好な結
果が得られた。この本発明者による実験結果により、上
述した実施の形態における光走査部19により濃度ムラ
を効果的に抑えられることが確認できた。
【0129】<ハロゲン化銀写真感光性熱現像材料のフ
ィルム1>
【0130】[支持体の作製]濃度0.170(コニカ
(株)製デンシトメータPDA−65)に青色着色し
た、厚み175μmのPETフィルムの両面に8w/m
・分のコロナ放電処理を施した。
【0131】[感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製]水9
00ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.
5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、
pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液
370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃
化カリウムを含む水溶液及び塩化イリジウムを銀1モル
当たり1×10−4モルを、pAg7.7に保ちながら
コントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加
した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHで
pHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、粒子
サイズの変動係数12%、〔100〕面比率87%の立
方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を
用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール
0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整し
て、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0132】[ベへン酸Na溶液の調製]340mlの
イソプロパノールにベへン酸34gを65℃で溶解し
た。次に攪拌しながら0.25Nの水酸化ナトリウム水
溶液をpH8.7になる様に添加した。この際水酸化ナ
トリウム水溶液は約400ml必要とした。次にこのベ
ヘン酸ナトリウム水溶液を減圧濃縮を行いべヘン酸ナト
リウムの濃度が重量%で8.9%とした。
【0133】[ベへン酸銀の調製]750mlの蒸留水
中に30gのオセインゼラチンを溶解した溶液に2.9
4Mの硝酸銀溶液を加え銀電位を400mVとした。こ
の中にコントロールドダブルジェット法を用いて78℃
の温度下で前記ベヘン酸ナトリウム溶液374mlを4
4.6ml/分のスピードで添加し同時に2.94Mの
硝酸銀水溶液を銀電位が400mVになる様に添加し
た。添加時のベヘン酸ナトリウム及び硝酸銀の使用量は
それぞれ0.092モル、0.101モルであった。
【0134】添加終了後さらに30分攪拌し限外濾過に
より水溶性塩類を除去した。
【0135】[感光性乳剤Bの調製]このべへン酸銀分
散物に前記ハロゲン化銀乳剤Aをそれぞれ0.01モル
加え、更に攪拌しながらポリ酢酸ビニルの酢酸n−ブチ
ル溶液(1.2wt%)100gを徐々に添加して分散
物のフロックを形成後、水を取り除き、更に2回の水洗
と水の除去を行った後、残った分散物200gに対し、
バインダーとしてポリビニルブチラール(平均分子量3
000)の2.5wt%の酢酸ブチルとイソブロピルア
ルコールの1:2混合溶液60gを攪拌しながら加えた
後、こうして得られたゲル状のベへン酸及びハロゲン化
銀の混合物にバインダーとしてポリビニルブチラール
(平均分子量4000)1.5g及びイソプロピルアル
コール240mlを加え500gに仕上げて分散し、感
光性乳剤Bを調製した。
【0136】[感光層塗布液Bの調製]前記感光性乳剤
B(500g)およびMEK100gを攪拌しながら2
1℃に保温した。ピリニジウムヒドロブロミドパーブロ
ミド(PHP、0.45g)を加え、1時間攪拌した。
さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶液3.25
ml)を添加して30分攪拌した。
【0137】次に増感色素−1、4−クロロ−2−べン
ゾイル安息香酸、および強色増感剤(5−メチル−2−
メルカプトべンズイミダゾール)の混合溶液(混合比率
1:250:20、増感色索で0.1%メタノール溶
液、7ml)を添加して1時間攪拌した後に温度を13
℃まで降温してさらに30分攪拌する。
【0138】13℃に保温したまま、ポリビニルブチラ
ール48gを添加して充分溶解してから、以下の添加物
を添加し、感光層塗布液Bを調製する。 還元剤−1:15g(0.0484mol) デスモデュN3300(モーベイ社、脂肪族イソシアネ
ート) 1.10g フタラジン(色調剤) 1.5g テトラクロロフタル酸 0.5g 4−メチルフタル酸 0.5g IR染料:8mg
【0139】[感光層面側塗布]感光層塗布液Bを調製
した後、13℃に保温して所定時間、停滞保持してか
ら、支持体上に以下の各層を順次形成し、試料を作成し
た。尚、乾燥は各々75℃,5分間で行い、フィルム1
を得た。
【0140】感光層1:感光層塗布液Bを塗布銀量2g
/mになる様に塗布する。
【0141】<ハロゲン化銀写真感光性熱現像材料のフ
ィルム2>
【0142】[感光性乳剤Cの調製]ハロゲン化銀−ベ
ヘン酸銀ドライ乳剤を、米国特許第3,839,049
号に記載の方法によって調製した。上記ハロゲン化銀は
総銀量の9モル%を有し、一方べへン酸銀は総銀量の9
1モル%を有した。上記ハロゲン化銀は、ヨウ化物2%
を有する0.055μm臭化ヨウ化銀乳剤であった。
【0143】[感光層塗布液Cの調製]熱現像乳剤を、
上記ハロゲン化銀−ベヘン酸銀ドライ乳剤455g、ト
ルエン27g、2−ブタノン1918g、およびポリビ
ニルブチラール(モンサント製のB−79)と均質化し
た。上記均質化熱現像乳剤(698g)および2−ブタ
ノン60gを攪拌しながら12.8℃まで冷却した。ピ
リジニウムヒドロブロミドペルブロミド(0.92g)
を加えて、2時間攪拌した。
【0144】臭化カルシウム溶液(CaBr(1g)と
メタノール10ミリリットル)3.25ミリリットルを
加え、統いて30分間撹拌した。更にポリビニルブチラ
ール(158g;モンサント製B−79)を加え、20
分間攪拌した。温度を21.1℃まで上昇し、以下のも
のを攪拌しながら15分間かけて加え、感光層塗布液C
を調製した。 2−(トリブロモメチルスルホン)キノリン 3.42g、 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−ト リメチルへキサン 28.1g、 5−メチルメルカプトべンズイミダゾール0.545gを含有する溶液 41.1g、 2−(4−クロロべンゾイル)安息香酸 6.12g S−1(増感染料) 0.104g メタノール 34.3g イソシアネート(デスモダーN3300、モべイ製) 2.14g テトラクロロフタル酸無水物 0.97g フタラジン 2.88g 尚、染料S−1は以下の構造を有する。
【0145】
【化4】
【0146】[保護層溶液Cの調整]保護層溶液Cを以
下の成分を用いて調製した。 2−ブタノン 80.0g メ夕ノール 10.7g 酢酪酸セルロース(CAB−171−155、イーストマン・ケミカルズ製) 8.0g 4−メチルフタル酸 0.52g MRA−1、モトル還元剤、N−エチルペルフルオロオクタンスルホニルアミド エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸の重量比 70:20:10の3級ポリマー 0.80g
【0147】この感光層塗布液Cと保護層溶液Cとを、
ナイフ・コータにより、同時に、0.18mmの青色ポ
リエステル・フィルム・べースに塗布する。この際、感
光層塗布液Cの上に保護層溶夜Cを塗布する。また、感
光層塗布液は、1m当たりの乾燥被膜重量が23gと
なるように、そして、保護層溶液Cは、1m当たりの
乾燥被膜重量が2.4gとなるように塗布される。そし
て、塗布されたポリエステル・べースを、79.4℃で
4分間乾燥して、フィルム2を得る。
【0148】以上のように本発明を実施の形態及び実施
例により説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が
可能である。例えば、本実施の形態では、光源部をレー
ザ光源(半導体レーザ)としたが、発光ダイオード(L
ED)であってもよいことは勿論である。
【0149】
【発明の効果】本発明によれば、光源部の温度依存性
や、使用する光学部品の温度安定性などの環境安定性の
制限、使用する光学部品の取り付け位置及び方向の精度
の制限などを緩め、使用できる部品の制限を緩めたり、
加工工数・精度を抑えたりするなどのコストダウンを可
能としつつ、走査されるビームの出射光量をより正しく
測定できるようにできる光走査装置を提供できる。
【0150】また、熱に起因する影響を抑えるとともに
上述の光走査装置を用いビームを安定して照射して擬画
像や濃度むらの発生を防止できる画像形成装置及び画像
形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による画像形成装置の正面
図である。
【図2】図1の画像形成装置の光走査部の光学系を概略
的に示す図である。
【図3】図3(a)、(b)はフォトダイオード11の
受光面における光量分布を、光拡散部材を配置した場合
としない場合とを比較して示す図である。
【図4】図2の光走査部の変調基板12と高周波重畳基
板13の回路構成を示すブロック図である。
【図5】図1の画像形成装置の副走査部を概略的に示す
正面図である。
【図6】本実施の形態におけるフィルムFの断面図であ
り、光走査部からのレーザビームによる露光時における
フィルムF内の化学的反応を模式的に示した図である。
【図7】本実施の形態におけるフィルムFの断面図であ
り、図6のような潜像の形成されたフィルムを加熱した
時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した
図である。
【図8】従来の画像形成装置の正面図である。
【図9】図8の画像形成装置における従来の光走査部の
光学系を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源、半導体レーザ(光源部) 3 ビームスプリッタ(ビーム分岐手段) 6 ポリゴンミラー 11 フォトダイオード 12 変調基板 13 高周波重畳基板 14 光拡散部材 18 副走査部 19 光走査部(光走査装置) 19a 光走査部19の筐体 19b 筐体19aの開口19b 30 熱現像部 43 遮光枠体 F フィルム(熱現像感光材料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03D 13/00 H04N 1/036 Z 5C072 H04N 1/036 B41J 3/00 D 1/113 H04N 1/04 104A Fターム(参考) 2C362 AA03 AA53 CB71 2H045 CB42 DA21 DA41 2H112 AA03 AA11 BB00 BC32 BC41 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 CA00 CA05 CA22 CB00 CB03 5C051 AA02 CA07 DB02 DB22 DB24 DB30 DC04 DC07 FA04 5C072 AA03 BA04 BA12 DA16 DA21 HA02 HA09 HA10 HA13 HB04 VA03 XA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビームを出射する光源部と、 出射したビームのうち所定の割合のビームを分岐するビ
    ーム分岐手段と、 前記ビーム分岐手段により分岐されたビームを受光する
    フォトダイオードと、 前記フォトダイオードの出力を用いて前記光源部の出射
    光量を検出する発光光量検出手段と、を有し、前記出射
    したビームを記録媒体上へ走査する光走査装置であっ
    て、 前記フォトダイオードのビーム受光側にビームを拡散さ
    せる光拡散部材を設けたことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 前記光拡散部材はビーム波長領域におけ
    る光透過率が50%以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記光拡散部材の表面が帯電防止処理さ
    れている請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 前記光拡散部材のビーム入射側表面にマ
    ット加工が施されている請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の光走査装置。
  5. 【請求項5】 前記光拡散部材のビーム出射側表面にマ
    ット加工が施されている請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の光走査装置。
  6. 【請求項6】 前記光拡散部材が乳白色のアクリル板で
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載の光走査装置。
  7. 【請求項7】 前記光拡散部材が磨りガラス板であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    光走査装置。
  8. 【請求項8】 前記発光光量検出手段の検出結果を用い
    て、前記光源部の出射光量を制御する光源制御駆動手段
    を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1
    項に記載の光走査装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    光走査装置と、 前記光走査装置の上方に設けられ、前記光走査装置によ
    りビーム露光された熱現像材料を加熱して熱現像する熱
    現像手段と、前記光走査装置及び前記熱現像手段を実質
    的に遮光状態にして覆う遮光枠体と、を有する画像形成
    装置であって、 前記光走査装置から出されるビームの照射方向が下方向
    きであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 回転多面鏡又はガルバノミラーを有
    し、光源部から出射したビームが前記回転多面鏡又はガ
    ルバノミラーのミラー面に入射し、前記回転多面鏡が回
    転すること又は前記ガルバノミラーが回動することによ
    り、前記ミラー面で反射したビームを記録媒体上へ走査
    する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置
    と、 前記光走査装置により走査されるビームの走査方向と実
    質的に直交する方向に熱現像感光材料を移動させること
    により副走査する副走査手段と、 前記光走査装置の上方に設けられ、前記光走査装置及び
    副走査手段とによりビーム露光された熱現像材料を加熱
    して熱現像する熱現像手段と、 前記光走査装置、前記副走査手段及び前記熱現像手段を
    実質的に遮光状態にして覆う遮光枠体と、を有する画像
    形成装置であって、 前記光走査装置から出されるビームの照射方向が下方向
    きであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の画像形成装
    置を用いた画像形成方法において、 前記熱現像感光材料が、ハロゲン化銀微粒子と、有機銀
    塩と、還元剤とを含有する熱現像感光材料であることを
    特徴とする画像形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の画像形成方法にお
    いて、 前記熱現像手段の熱現像温度が115℃以上135℃以
    下であることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317702A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Cabin Industrial Co Ltd レーザ光線を用いた指示器
JP2008153320A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Hitachi Ltd 光源システム

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