JP2003139065A - ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法 - Google Patents

ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法

Info

Publication number
JP2003139065A
JP2003139065A JP2001337788A JP2001337788A JP2003139065A JP 2003139065 A JP2003139065 A JP 2003139065A JP 2001337788 A JP2001337788 A JP 2001337788A JP 2001337788 A JP2001337788 A JP 2001337788A JP 2003139065 A JP2003139065 A JP 2003139065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
microfluidic device
diaphragm
convex structure
energy ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001337788A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Atsushi Teramae
敦司 寺前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawamura Institute of Chemical Research filed Critical Kawamura Institute of Chemical Research
Priority to JP2001337788A priority Critical patent/JP2003139065A/ja
Publication of JP2003139065A publication Critical patent/JP2003139065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、ポンプ機構駆動
用の圧力配管や電気配線の接続を必要としない、ポンプ
機能を有するマイクロ流体デバイス、及び、ポンプ駆動
機構に高い位置決め精度を必要とせず高い信頼性で流体
の移動を行える操作性の優れたポンプ機能を有するマイ
クロ流体デバイスを提供する。 【解決手段】 内部に流路を有し該流路の途上に
逆止弁が形成されており、該流路と連絡して空洞が形成
されており、該空洞に面して、面積1×10−1
〜1×10−5の可撓性のダイヤフラムが形成さ
れており、ダイヤフラムの空洞と反対の側に凸状構造が
設けられている、該凸状構造を部材外から圧迫すること
によってダイヤフラムの空洞に相対する部分が選択的に
圧迫され、空洞の容積が変化して流体を移送することが
可能なダイヤフラム式ポンプ機能を有するマイクロ流体
デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材中に毛細管状
の微小な流路と、該流路に接続されたダイヤフラム式の
ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイスに関し、マイ
クロ流体デバイスに配管や配線を接続することなく駆動
できるポンプ機構を有するマイクロ流体デバイスに関す
る。本発明はまた、本マイクロ流体デバイスのポンプ機
構を駆動する装置、及び、マイクロ流体デバイスの流体
移送方法に関する。
【0002】本発明のマイクロ流体デバイスは、化学、
生化学などの微小反応デバイス(マイクロ・リアクタ
ー);集積型DNA分析デバイス、微小電気泳動デバイ
ス、微小クロマトグラフィーデバイスなどの微小分析デ
バイス;質量スペクトルや液体クロマトグラフィーなど
の分析試料調製用微小デバイス;抽出、膜分離、透析な
どの物理化学的処理デバイスなどとして使用される。
【0003】
【従来の技術】「サイエンス(SCIENCE)」誌
(第288巻、113頁、2000年)には、シリコン
ゴムで形成された液体流路と、該流路とシリコンゴムの
隔壁を隔てて形成された加圧用空洞を有するマイクロ流
体デバイスが記載されている。そして、流路の3カ所に
相対する位置に設けられた加圧用空洞に圧縮空気を導入
し、シリコンゴム隔壁をたわめて流路側に押し出すこと
によって流路断面積を変化させ、これを3カ所の空洞に
ついて順次行うことで液体の移送を行う方法が記載され
ている。
【0004】しかしながら、このマイクロ流体デバイス
は、ポンプ駆動のための圧縮気体の配管を接続する必要
があり、そのため、マイクロ流体デバイスが特に微小で
ある場合には、配管を接続するための構造の形成が困難
であった。逆に、接続するためには、デバイスに強度を
持たせる必要があるため、デバイスの寸法を小さくする
ことが困難であった。また、超多数並列運転が困難であ
るという不都合があった。
【0005】一方、圧縮性流体を移送する通常の寸法の
ポンプに於いては、ダイヤフラムを電磁的駆動力或いは
機械的駆動力でもって往復運動させるダイヤフラム式ポ
ンプが広く使用されている。しかしながら、このような
既知の電磁式ダイヤフラムポンプは、単に寸法を縮小し
ただけでは駆動力の著しい低下により流低移送移送能が
著しく低下するばかりか、駆動のための結線を必要とし
た。また、機械的駆動によるダイヤフラムポンプは、こ
れを微小なマイクロ流体デバイスに適用しようとする
と、微小なダイヤフラム部分を選択的に圧迫する必要が
あり、極めて高い精度が必要とされ、信頼性の低下を招
くという欠点が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ポンプ機構駆動用の圧力配管や電気配線の
接続を必要としない、ポンプ機構を有するマイクロ流体
デバイスを提供することにある。また、ポンプ駆動機構
に高い位置決め精度を必要とせず高い信頼性で流体の移
動を行うことの出来る操作性の優れたポンプ機構を有す
るマイクロ流体デバイスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する方法について鋭意検討した結果、流路と逆
止弁を有するマイクロ流体デバイスにおいて、流路を有
する部材の、該流路に連絡して形成された空洞に面して
特定の寸法と物性を有する樹脂ダイヤフラムを形成する
ことにより、該樹脂ダイヤフラム部分をデバイス外から
周期的に機械的に圧迫することにより、上記課題を解決
できることを見いだし、さらに、樹脂ダイヤフラムの、
空洞に相対する部分の裏面に凸状構造を形成することに
よって、該凸状構造部分を含む広い範囲をデバイス外か
ら機械的に圧迫しても該樹脂ダイヤフラム部分が選択的
に圧迫され、上記課題を解決できることを見いだし、本
発明に到達した。
【0008】即ち本発明は、内部に流路を有し、該流路
の途上に逆止弁が形成され該流路と連絡して空洞が形成
されており、該空洞に面して面積1×10−10
〜1×10−5の可撓性の樹脂ダイヤフラムが形成
されており、凸状構造が前記樹脂ダイヤフラムの空洞と
反対側の面に設けられていることを特徴とする、該凸状
構造を部材外から圧迫することによって樹脂ダイヤフラ
ムに面する空洞の容積を周期的に変化させて流体を移送
することが可能なダイヤフラム式ポンプ機構を有するマ
イクロ流体デバイスを提供する。
【0009】さらに本発明は、内部に流路を有し、該流
路の途上に逆止弁が形成されており、該流路と連絡して
空洞が形成されており、該空洞に面して、面積が1×1
10 〜1×10−5である可撓性の樹脂
ダイヤフラムが形成されており、該樹脂ダイヤフラムの
空洞と反対の側に凸状構造が設けられているダイヤフラ
ム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、前記凸
状構造を圧迫するアクチュエーターを必須構成要素とす
ることを特徴とするマイクロ流体デバイスのポンプ駆動
装置を提供する。
【0010】更に本発明は前記マイクロ流体デバイス
を、凸状構造の外側から凸状構造を含む部分を周期的に
圧迫し、樹脂ダイヤフラムに面する空洞の容積を周期的
に変化させて、空洞を通過して流体を移送することを特
徴とするマイクロ流体デバイスの流体移送方法を提供す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に成るマイクロ流体デバイ
スは、その外形は特に限定する必要はなく、用途目的に
応じた形状を採りうる。例えば、シート状(フィルム
状、リボン状などを含む。以下同じ)、板状、塗膜状、
棒状、チューブ状、その他複雑な形状の成型物などであ
り得るが、製造の容易さや使用の容易さから、シート
状、板状又は棒状であることが好ましい。本発明に成る
マイクロ流体デバイスは支持体上に形成されたものであ
ってもよい。支持体は、引張弾性率が700MPa〜1
0GPaである素材(以下、このような素材を「中硬質
素材(m)」と称する)、又は、引張弾性率が10GP
aを越える素材(以下、このような素材を「高硬質素材
(h)」と称する)で形成されていることが好ましい。
複数の独立したマイクロ流体デバイスを1つの部材中に
形成することも可能である。
【0012】本発明に成るマイクロ流体デバイスは、内
部に断面積が1×10−12〜1×10−6
好ましくは1×10−10 〜2.5×10−5
の毛細管状の流路を有する。流路とは、流体が流れ
る、または流体を介して圧力が伝達される空洞状空間を
言うものとする。さらに、後述するダイヤフラム室とな
る空洞も流路の一部であるが、本発明においては、本発
明で言うダイヤフラム室となる「空洞」部以外の流路を
「流路」と称することとする。流路断面の幅、高さは、
両者とも好ましくは1μm 〜1000μmであり、さら
に好ましくは10μm〜500μmである。流路断面がこ
れらの寸法より小さい場合には製造が困難となる。ま
た、流路がこれらの寸法より大きい場合には、マイクロ
流体デバイスとしての効果が小さくなる傾向にあるので
好ましくない。流路断面の幅/高さ比は、用途、目的に
応じて任意に設定できるが、一般には、0.5〜10が
好ましく、0.7〜5が更に好ましい。流路の断面形状
は、矩形(角が丸められた矩形を含む。以下同じ)、台
形、円、半円形、スリット状など任意である。流路の幅
は一定である必要はない。
【0013】マイクロ流体デバイス外から見た流路の形
状は、用途目的に応じて直線、分岐、櫛型、曲線、渦巻
き、ジグザグ、その他任意の形状であってよい。流路
は、単なる流体移送用の流路の他、反応場、混合場、抽
出場、分離場、流量測定部、検出部などとしても使用で
きる。流路に接続して、貯液槽、反応槽、膜分離機構、
廃液吸収部、デバイス外への接続口などが形成されてい
ても良い。
【0014】流路の途上には逆止弁が形成されており、
樹脂ダイヤフラムが設けられた空洞の容量変化により空
洞に吸入され、また空洞から吐出された流体が流路の一
方向にのみ移送されるべく構成されている。逆止弁は空
洞を挟んで流路の2カ所に設けられることが好ましい。
逆止弁が設けられる部分は任意であり、樹脂ダイヤフラ
ムが設けられた空洞から離れた位置であっても良いが、
空洞と流路の接続口、即ち、空洞への流入口及び/又は
流出口に設けられることが好ましい。さらに樹脂ダイヤ
フラムを構成する部材と同一であって樹脂ダイヤフラム
とは異なる位置に設けられることが生産性良く製造でき
またより効率よく小型化できるためより好ましい。樹脂
ダイヤフラムが設けられた空洞が、逆止弁が作動するた
めの空間を兼ねることも好ましい。逆止弁の方式や形状
は任意であり、舌状の弁、2以上の支点で固定されたシ
ート状物、流路の途上の空洞に可動な状態で閉じこめら
れた球形、砲弾型、板状、シート状などの物体などであ
り得る。
【0015】空洞は流路に連絡して形成されており、該
空洞に面して可撓性の樹脂ダイヤフラムが設けられてお
り、該樹脂ダイヤフラムはマイクロ流体デバイスの外部
から押すことが出来る位置に設けられている。流路に連
絡して形成された空洞は、流路の途上に設けられても良
い。また、空洞は、流路の途上から分岐した流路を有
し、該分岐した流路の末端に有していてもよい。分岐し
た流路の末端に設けることによって、樹脂ダイヤフラム
と空洞部を設ける位置の自由度が高まり、他の構造との
干渉を避けたり、混み合った部分を避けて、設けること
が出来るため好ましい。
【0016】空洞が流路の途上に設けられている場合に
は、該空洞には流入側(吸入側)と流出側(吐出側)の
流路が接続されている。空洞が分岐した流路の末端に設
けられている場合には、空洞には、流路から分岐した流
路が接続されている。後者の場合には、樹脂ダイヤフラ
ムの変形による空洞容量の変化によって、流路から分岐
した流路を経て、空洞へ流体が吸入され、同じ分岐した
流路を経て空洞から流路へ流体が吐出される。分岐した
流路の長さは任意であり、極短い場合には、分岐した流
路は、流路の途上に設けられた、流路と空洞を繋ぐ1つ
の孔となるであろう。
【0017】以下、説明の簡略化のため、本発明に成る
マイクロ流体デバイスの構造は、樹脂ダイヤフラムを上
にして水平に置かれた姿勢で高さ、幅などを表現する。
また、空洞中を流れる流体の流線方向に対して直角とな
る断面における高さと幅をそれぞれ空洞の高さ及び幅と
称し、該空洞の樹脂ダイヤフラムと平行な面における流
線方向の長さを空洞の長さと称することとする。
【0018】空洞の平面形状、即ち、樹脂ダイヤフラム
に垂直な方向から見た形状は任意であり、例えば、円、
楕円、多角形、矩形等であって良い。これらの中で、
円、楕円又は角の丸められた矩形であることが、製造が
容易であり効果が大きく好ましい。また、空洞の断面形
状も任意であり、例えば矩形、円錐又は角錐、円又は楕
円、半円などであって良いが、矩形であることが、製造
が容易であるため好ましい。
【0019】空洞の、樹脂ダイヤフラムに垂直な方向か
ら見た面積は1×10−10〜1×10−5
あり、好ましくは2.5×10−9 〜1×10
−6である。空洞の幅は任意であるが、好ましくは
10μm〜3mm、さらに好ましくは50μm〜1mm
である。空洞の幅は流路幅が小であるほど小であること
が好ましく、毛細管状の流路の幅の0.3倍〜1000
倍、さらに好ましくは1倍〜100倍である。これらの
寸法がこれらの範囲未満であると流体移送の駆動力が低
下し、これを越えると、流路断面積に比べて相対的に大
容量のポンプが形成され、流量調節能が低下し、共に好
ましくない。
【0020】空洞の高さはゼロでなければ任意である
が、流路の高さ以上であることが好ましい。上限も特に
限定されず、例えば、空洞に接続される流路の長さが実
質的に空洞の高さとなる構造もあり得る。しかしなが
ら、本発明の効果が発揮されるためには、3mm以下で
あることが好ましい。また、該空洞の長さも特に制限す
る必要はない。従って、空洞は、上記寸法を満足すれば
毛細管状の流路そのものであっても良い。
【0021】本発明のマイクロ流体デバイス中に存在す
る空洞は複数であって良く、これにより、マイクロ流体
デバイス中に複数のバルブ機構を持たせることが出来
る。
【0022】本発明に於いて「樹脂ダイヤフラム」とは
後述する重合体からなる可撓性の樹脂で形成され、該樹
脂ダイヤフラムを構成する部材が空洞に面している可動
部分を言う。従って、樹脂ダイヤフラムの寸法、形状
は、上記の空洞の平面形状、寸法と同様となる。よっ
て、樹脂ダイヤフラムの面積は1×10−10
1×10−5であり、好ましくは2.5×10−9
〜1×10−6である。これらの範囲未満で
あると流体移送の駆動力が低下し、これを越えると、流
量調節能が低下し、共に好ましくない。
【0023】本発明のマイクロ流体デバイスにおいて
は、ダイヤフラムが部材(B)の面積に占める割合(比
率)は特に限定されるものではないが、通常寸法のポン
プのダイヤフラムに比べると極めて小さなものである。
その割合は任意であるが、好ましくは、1×10−8
3×10−2、さらに好ましくは、1×10−7〜1×
10−2である。1×10−8以上であればマイクロ流
体デバイスとしてのメリットがより増加し、3×10
−2の範囲以下であれば微小なダイヤフラムの製造がよ
り容易となる。
【0024】樹脂ダイヤフラムは、部材外からの圧迫に
より変形可能であるような可撓性を示すものであればそ
の厚みは任意であるが、好ましくは厚みが1〜1000
μm、さらに好ましくは10〜300μmである。樹脂
ダイヤフラムに後述の凸状構造が設けられている場合に
は、樹脂ダイヤフラムの厚みは該凸状構造を除いた部分
の厚みを言う。厚みは、引張弾性率が高いほど、また樹
脂ダイヤフラム面積が小さいほど薄くすることが好まし
い。
【0025】樹脂ダイヤフラムはまた、好ましくは引張
弾性率が0.1MPa以上、700MPa未満であるよ
うな素材(以下、このような素材を「軟質素材(s)」
と称する)又は引張弾性率が700MPa〜10GPa
である中硬質素材(m)で形成されたものであり、さら
に好ましくは1MPa〜1GPaの素材で形成されたも
のである。この範囲未満では、耐久性に劣ったものとな
りがちであり、この範囲を超えると、樹脂ダイヤフラム
に可撓性を持たすことが困難となる。樹脂ダイヤフラム
は可撓性を示すために、それを構成する素材の引張弾性
率が高いほど厚みを薄くする必要がある。
【0026】本発明に成るマイクロ流体デバイスの樹脂
ダイヤフラムは、引張弾性率と厚みの積が、3×10
−4〜1×10−1 MPa・mの範囲にあることが好
ましく、3×10−3〜1×10−2MPa・mの範囲
にあることが更に好ましい。樹脂ダイヤフラムは、空洞
よりやや大きな寸法のフィルム状の部材が、空洞の上
に、その周辺部が接着されて形成されていても良いし、
フィルム状の部材が、空洞部を含む広い範囲に積層され
ていて、空洞部に面する部分が樹脂ダイヤフラムと成る
構造であっても良い。
【0027】このような構造を形成する方法は任意であ
り、例えば後述の本発明のマイクロ流体デバイスの好ま
しい形態において、それらを製造する方法によって好ま
しく製造出来るが、その他に、光造形法によっても、好
ましく製造できる。
【0028】光造形法とは、活性エネルギー線硬化性組
成物の未硬化層にエネルギー線をパターニング照射し、
未照射部分の未硬化の活性エネルギー線を除去すること
無く、その上に活性エネルギー線の第2層を置き(或い
は活性エネルギー線の液面下に、第2層の厚みとなる深
さだけ第1層を沈め)第2層にエネルギー線をパターニ
ング照射し、この工程を繰り返して立体構造を形成する
方法を言う。
【0029】この際、パターニング照射したエネルギー
線が表面層のみを硬化させ、下の層の非照射部を硬化さ
せないようにするためには、エネルギー線硬化性組成物
のエネルギー線吸収率を高くして下層に届かないように
する方法、吸収されやすいエネルギー線、例えば電子線
を用いる方法、口径比の大きい光学系を使用して表面層
にのみ焦点を合わせる方法、2光子過程で硬化するエネ
ルギー線硬化性組成物を使用する方法、などにより実施
できる。この場合も、活性エネルギー線照射は、パター
ニング照射法であっても、レーザー光線などの活性エネ
ルギー線走査法によっても良い。光造形法によれば、空
洞部と樹脂ダイヤフラムを一体として製造出来る他、後
述の凸状構造も形成できる。
【0030】樹脂ダイヤフラムには、空洞と反対の側
の、空洞に相対する部分に凸状構造が設けられている。
即ち、該凸状構造は、それを含む部分を部材外から圧迫
することによって樹脂ダイヤフラムの空洞に相対する部
分が選択的に圧迫され、空洞の容積が変化可能な構造を
有する。凸状構造を設けることにより、微少な空洞部分
を選択的に高精度で圧迫する困難さから解放される。
【0031】凸状構造は、樹脂ダイヤフラムを含む範囲
が圧迫された時に、樹脂ダイヤフラム部を選択的に圧迫
するものであれば、その構造は任意である。例えば、凸
状構造は、樹脂ダイヤフラムの、空洞部部の反対側に接
着されたものであり得るし、流路や樹脂ダイヤフラムを
構成する部材とは別の部材(F)の一部に形成されてお
り、該部材(F)が、凸状構造を樹脂ダイヤフラムの位
置に合わせて固定されている構造であり得る。この時、
部材(F)に設けられた凸状構造を樹脂ダイヤフラム側
に向けて固定されていても、樹脂ダイヤフラムと反対側
に向けて固定されていても良い。部材(F)に形成され
た凸状構造が樹脂ダイヤフラム側に向けて固定されてい
る場合には、部材(F)の形状は板状、シート状、柱
状、塊状、その他任意であるが、板状又はシート状であ
ることが好ましい。又この場合、部材(F)の素材も任
意であり、本発明で言う、軟質素材(s)、中硬質素材
(m)、硬質素材(h)のいずれであっても良い。
【0032】部材(F)に形成された凸状構造が樹脂ダ
イヤフラムと反対の側に突出した状態で固定されている
場合には、部材(F)の形状は変形可能な形状である必
要があり、シート状、糸状、織物、編物、不織布などで
あり得るが、シート状であることが好ましい。又この場
合、部材(F)は可撓性である必要から、軟質素材(s)
又は中硬質素材(m)で形成される。部材(F)の厚み、
素材の引張弾性率。引張弾性率と厚みの積に関しては、
本発明の樹脂ダイヤフラムと同様である。
【0033】これらの中で、凸状構造は、樹脂ダイヤフ
ラムに接着されたものであることが、構造が単純で効果
が確実なため好ましく、また、シート状又は板状の部材
(F)の一部に形成されており、部材(F)が、凸状構
造を樹脂ダイヤフラム側に向けて積層して固定されてい
る構造が、効果が確実で耐久性に優れるため好ましい。
空洞が広い場合や長い場合には、凸状構造は、樹脂ダイ
ヤフラムの一部に設けられていてもよいし、凸状構造
が、柔軟な素材で形成されてる場合には、樹脂ダイヤフ
ラムより大きな面積のものであっても良い。
【0034】凸状構造の形状は任意であり、例えば、円
柱、角柱の如き柱状、円錐、角錐の如き錐形、台形、半
球形、球形などでありうるが、半球形、頂点の丸まった
円錐や角錐、及びそれに近い形状が好ましい。凸状構造
の素材は任意であり、柔軟な素材であっても硬質の素材
でってもよいが、耐久性の点から、中硬質素材(m)又
は高硬質素材(h)で構成されることが好ましい。
【0035】凸状構造の寸法は、底面積が、樹脂ダイヤ
フラムの面積の0.01〜100倍であることが好まし
く、0.1〜10倍であることがさらに好ましい。凸状
構造の底面積は、凸状構造が柔軟な素材で構成されてい
る程、大きくすることが好ましい。凸状構造が軟質素材
(s)で形成されている場合には、凸状構造の底面積は
樹脂ダイヤフラム面積の0.5倍〜100倍であること
が好ましく、0.7倍〜10倍であることがさらに好ま
しい。凸状構造が引張弾性率が700MPa以上であ
る、中硬質素材(m)又は高硬質素材(h)(以下、
「中硬質素材(m)又は高硬質素材(h)」を、単に
「硬質素材」と称する場合がある)で形成されている場
合には、凸状構造の底面積は、樹脂ダイヤフラムの面積
の0.01倍〜2倍であることが好ましく、0.1倍〜
1倍であることがさらに好ましい。
【0036】凸状構造は又、高さが、空洞の高さの0.
1〜100倍であることが好ましく、0.5〜10倍で
あることが好ましい。凸状構造の高さもまた、凸状構造
が柔軟な素材で構成されている程、高くすることが好ま
しい。凸状構造が軟質素材(s)で形成されている場合
には、凸状構造の高さは、空洞の高さの0.5倍〜10
0倍であることが好ましく、1倍〜10倍であることが
さらに好ましい。凸状構造が硬質素材で形成されている
場合には、凸状構造の高さは、空洞の高さの0.1〜2
倍であることが好ましく、0.3倍〜1倍であることが
さらに好ましい。
【0037】凸状構造の製造方法は任意であり、例え
ば、凸状構造となる部材の接着により形成出来る。ある
いは、一体成形などによってあらかじめ凸状構造が形成
された部材を樹脂ダイヤフラムとして使用することで成
形できる。本発明のマイクロ流体デバイスの樹脂ダイヤ
フラム部分や凸状構造部分を圧迫する機構や方法は任意
であり、本発明のポンプ駆動装置や本発明の流体移送方
法によって好ましく実施される。本発明のマイクロ流体
デバイスが、樹脂ダイヤフラム以外の部材が軟質素材
(s)で形成されている場合や厚みが薄い場合には、マ
イクロ流体デバイスを硬質な台の上で圧迫することによ
り目的が達せられる。
【0038】本発明のマイクロ流体デバイスは、このよ
うな圧迫機構によってポンプ機構の駆動が行われるた
め、先行文献に示された圧力気体によって駆動する方式
に比べて、引張弾性率の高い素材の使用が可能となり、
また、樹脂ダイヤフラムの厚みを厚くすることが可能と
なるため、耐久性に優れ、流路の耐圧性の高いマイクロ
流体デバイスを得ることが出来る。
【0039】本発明のマイクロ流体デバイスの好ましい
第1の形態は、部材の表面に達する、流路と成る欠損部
を有する部材(A)の欠損部が形成された面に、他の部
材(B)が接着されることにより、部材(A)の欠損部
と部材(B)とで空洞が形成されており、樹脂ダイヤフ
ラムが、部材(A)又は部材(B)の少なくとも一方
の、空洞に面する部分として形成されたものである。
【0040】部材(A)は、該部材の表面に達する欠損
部が形成されている。表面の欠損部は、例えば凹状や溝
状の欠損部であり得る。部材(A)の欠損部は部材
(A)の表面から部材(A)の内部や部材(A)の他の
表面にまで連続して形成されたものであって良い。例え
ば、部材(A)を貫通する孔状の欠損部であっても良い
し、部材(A)の表面から部材(A)内部の毛細管状の
流路に連絡した形状であっても良い。
【0041】部材(A)の欠損部が、部材(B)と積層
されることにより、本発明のマイクロ流体デバイスの空
洞となる。したがって、部材(A)の欠損部の形状、寸
法は、上述の本発明のマイクロ流体デバイスの空洞の形
状、寸法と同様である。部材(A)は、空洞となる凹状
の欠損部とそれに接続された、流路となる溝状の欠損部
を有することとが好ましい。或いは、部材(A)は、空
洞となる凹状の欠損部と、それに接続された、部材
(A)を貫通する孔状の欠損部を有することとが好まし
い。さらにまた、部材(A)は、空洞となる凹状の欠損
部と、それに接続された、部材(A)内部の毛細管状の
欠損部を有することとが好ましい。
【0042】部材(A)の空洞に面する部分が樹脂ダイ
ヤフラムとなる場合、部材(A)は、少なくとも空洞に
面する部分が、上記樹脂ダイヤフラムを構成する素材で
構成され、上記樹脂ダイヤフラムとしての形状、寸法、
構造を有する。空洞に相対する部分の部材(A)が樹脂
ダイヤフラムを構成せず、空洞に相対する部分の部材
(B)が樹脂ダイヤフラムとなる場合には、部材(A)
の空洞に面する部分の素材や厚みなどは任意であるが、
部材(B)より高い引張弾性率を有する素材で形成され
ていることが好ましく、中硬質素材(m)又は高硬質素
材(h)で形成されていることが好ましい。
【0043】部材(A)に欠損部を設ける方法、若しく
は、欠損部を有する部材(A)を形成する方法は任意で
あり、例えば、射出成型、溶剤キャスト法、溶融レプリ
カ法、切削、フォトリソグラフィー(エネルギー線リソ
グラフィーを含む)、光造形法、エッチング法、蒸着
法、気相重合法、溝となるべき部分を切り抜いたシート
状部材と板状部材との接着などの方法を利用できる。
【0044】部材(A)は複数の素材で構成されていて
もよく、例えば、表面に形成された欠損部の底と側面が
異なる素材で形成されていても良い。また例えば、空洞
となる欠損部を含むその周辺部のみが、その他の部分と
異なる素材で形成されていて良い。部材(A)には、該
欠損部以外の構造部分、例えば、マイクロ流体デバイス
の用途目的に応じて、流路、貯液槽、反応槽、検出機
構、バルブなどとなる構造を設けることができる。
【0045】部材(A)の形状は、特に限定する必要は
なく、本発明に成るマイクロ流体デバイスの外形と同様
であって良い。部材(A)は部材(B)との接着の容易
さなどの点から、平面状の形状であることが好ましく、
シート状、板状又は棒状であることが特に好ましい。部
材(A)側から圧迫する場合には、部材(A)はシート
状であることが特に好ましい。部材(B)が樹脂ダイヤ
フラムとなる場合には、部材(A)は支持体上に形成さ
れたものであってもよい。支持体は、中硬質素材(m)
又は高硬質素材(h)で形成されていることが好まし
い。
【0046】部材(B)は、部材(A)の欠損部が形成
された面に接着し、部材(A)の欠損部と部材(B)で
空洞を形成することが可能なものであれば、その形状、
構造、表面状態などは任意であり、欠損部を有する必要
がないこと以外は、部材(A)の場合と同様であるが、
ほぼ均一な厚みを持つシート状であり、部材(A)全体
に積層され、部材(A)の欠損部に相対する部分が樹脂
ダイヤフラムとなるものであることが好ましい。
【0047】部材(B)が樹脂ダイヤフラムを構成する
場合には、部材(B)は、少なくとも空洞に相対する部
分が、上記樹脂ダイヤフラムを構成する素材で構成さ
れ、上記樹脂ダイヤフラムとしての形状、寸法、構造を
有する。部材(B)が樹脂ダイヤフラムを構成せず、部
材(A)が樹脂ダイヤフラムを構成する場合には、部材
(B)の素材や構造は任意であるが、部材(A)の樹脂
ダイヤフラム部より高い引張弾性率を有する素材で形成
されていることが好ましく、中硬質素材(m)又は高硬
質素材(h)で形成されていることが好ましい。この
時、部材(B)は板状の部材であることが好ましい。
【0048】部材(A)と部材(B)の接着方法は、部
材(A)の欠損部が空洞として形成される方法であれば
任意であり、溶剤型接着剤の使用、無溶剤型接着剤の使
用、溶融型接着剤の使用、部材(A)及び部材(B)の
少なくとも1種以上の部材表面への溶剤塗布、熱や超音
波による融着等を使用しうるが、無溶剤型の接着剤の使
用が好ましい。無溶剤型接着剤としてエネルギー線硬化
性組成物を用い、エネルギー線照射により硬化させて接
着する方法が、微小なデバイスの精密な接着が可能であ
り、生産性も高いことから、好ましい。勿論、接着剤は
部材(A)に塗布しても部材(B)に塗布しても良い。
また、部材(A)及び部材(B)の少なくとも1種以上
をエネルギー線硬化性組成物の半硬化物として形成し、
これを他方の部材と密着させた状態で活性エネルギー線
を更に照射して硬化させ接着する方法も好ましい。
【0049】本発明に成るマイクロ流体デバイスの好ま
しい第2の形態は、2つの部材(部材(C)及び部材
(E)が、欠損部を有する層状の部材(D)を挟持して
互いに接着されることにより、部材(C)と部材(E)
との間に、部材(D)を形成する素材の欠損部として空
洞が形成されており、部材(C)、部材(E)の少なく
とも一方の、空洞に相対する部分が樹脂ダイヤフラムと
して形成されたものである。
【0050】本発明の好ましい第2の形態である、部材
(C)、部材(D)、部材(E)から成るマイクロ流体
デバイスは、部材(C)を下に、部材(E)を上にした
時(以下、本発明に成るマイクロ流体デバイスの好まし
い第2の形態に関して、この状態で高さや幅を表現す
る)、空洞は、底面が部材(C)、側面が部材(D)、
上面が部材(E)で構成されている。即ち、本発明に成
る第2のマイクロ流体デバイスは、本発明に成るマイク
ロ流体デバイスの好ましい第1の形態に於ける部材
(A)と同じ構造が、部材(C)と部材(D)の積層構
造体でもって形成されたものであり、部材(B)を部材
(E)に代えたものに相当する。従って、空洞部の構
造、位置、寸法、形状等は本発明に成るマイクロ流体デ
バイスの好ましい第1の形態と同様である。なお、本発
明の第2の好ましい形態に於いては、部材(C)と部材
(E)に関して対象であるため、「部材(C)」と「部
材(E)」を互いに逆に言い換えた構造も成立するが、
説明の簡略化のため省略する。
【0051】流路は、部材(C)、部材(D)、部材
(E)の内部及び/又は間に形成されている。それ以外
は、流路の位置、寸法、形状に関しても、本発明に成る
マイクロ流体デバイスの好ましい第1の形態と同様であ
る。樹脂ダイヤフラムもまた、位置、寸法、形状、素材
に関して、部材(A)及び部材(B)の少なくとも1種
以上である代わりに、部材(C)及び部材(E)の少な
くとも1種以上で構成されること以外は、本発明に成る
マイクロ流体デバイスの好ましい第1の形態と同様であ
る。
【0052】部材(C)の外形は任意であり、空洞とな
る欠損部が設けられている必要がないこと以外は、本発
明に成るマイクロ流体デバイスの好ましい第1の形態に
於ける部材(A)と同様の形状であり得る。しかし、部
材(C)は欠損部が形成されていても良い。例えば、部
材(C)は、流路となる溝状の欠損部を有し、該溝状の
欠損部が部材(D)の欠損部に連絡した流路となるもの
であることも好ましい。また部材(C)は、部材内部に
毛細管状の欠損部を有し、該毛細管状の欠損部の部材
(C)表面への開口部が部材(D)の欠損部に連絡した
流路となるものであることも好ましい。部材(C)は、
表面に垂直な方向から見て複数の素材で形成された部分
を有していても良いし、側面方向から見て複数の層で構
成されていてもよい。
【0053】部材(E)に関しては、部材(A)の代わ
りに部材(D)と積層接着されること以外は、本発明に
成るマイクロ流体デバイスの好ましい第1の形態の部材
(B)と同様である。第1の形態に於ける「部材
(A)」を「部材(C)と部材(D)の積層体」と読み
替えることが出来る。部材(E)は、欠損部が形成され
ている必要はないが、溝や溝以外の欠損部が形成されて
いても良い。
【0054】部材(D)は欠損部を有する層状の部材で
あり、その厚みは、樹脂ダイヤフラムが設けられた空洞
の高さであり得る。部材(D)に設けられた欠損部は、
部材(D)の表裏を貫通したものである。該欠損部は、
部材(C)と部材(E)で挟持されたとき空洞となるも
のであり、その形状は、目的とする空洞の形状に形成す
ることが出来る。従って、部材(D)は部材(C)と部
材(E)で密着して挟持しうる形状であれば、その厚み
は必ずしも一定である必要はない。
【0055】本発明の第2の好ましい形態に於いては、
部材(C)、部材(D)、部材(E)の素材は、部材
(C)及び部材(E)の少なくとも1種以上の部材の樹
脂ダイヤフラムを構成する側が可撓性を示すものであれ
ば良く、上記の、樹脂ダイヤフラムの好ましい引張弾性
率と厚みを有することが好ましい。しかし、部材
(C)、部材(D)、部材(E)の素材に関して次の組
み合わせが特に好ましい。即ち、部材(E)が樹脂ダイ
ヤフラムを構成する場合、
【0056】(i)部材(C)が任意の素材、部材(D)
が任意の素材、部材(E)が軟質素材(s)、(ii)部材
(C)が任意の素材、部材(D)が軟質素材(s)、部
材(E)が中硬質素材(m)、(iii)部材(C)が軟質
素材(s)、部材(D)が中硬質素材(m)、部材
(E)が中硬質素材(m)、(iv)部材(C)が中硬質素
材(m)又は高硬質素材(h)、部材(D)が中硬質素
材(m)、部材(E)が中硬質素材(m)、であること
が好ましい。(i)は最も小さな力で駆動できる。(ii)、
(iii)は比較的小さな力で駆動でき、繰り返し耐久性に
も優れる。(iv)は駆動に要する力は大きいが、最も繰り
返し耐久性に優れる。
【0057】部材(D)に欠損部を設ける方法は任意で
あり、本発明の第1のマイクロ流体デバイスに於いて、
部材(A)に欠損部を設ける方法と同様の方法が使用で
きる。また、部材(C)と部材(E)との間に部材
(D)を形成する際に欠損部を同時に形成することも出
来る。部材(D)には、流路や空洞以外の構造部分、例
えば、貯液槽、反応槽、分析機構などとなる構造や欠損
部を設けることができる。欠損部を設ける操作を支持体
上で行い、最終的に該支持体を除去することも好まし
い。
【0058】部材(C)と部材(E)との間に、流路と
なる欠損部を有する部材(D)を挟持積層した形状に接
着する方法は任意である。例えば、部材(C)の上に
エネルギー線硬化性組成物の未硬化塗膜層を賦形し、欠
損部と成す部分以外の部分に活性エネルギー線を照射し
て照射部を半硬化させ、非照射部分の未硬化の該組成物
を除去した後部材(E)を重ねて、活性エネルギー線を
再照射し、部材(D)層を硬化させると同時に接着する
方法、
【0059】部材(C)の上にエネルギー線硬化性組
成物の未硬化塗膜層を賦形し、欠損部と成す部分以外の
部分に活性エネルギー線を照射して照射部を硬化させ、
非照射部分の未硬化の該組成物を除去して部材(D)欠
損部を形成した後、エネルギー線硬化性組成物の半硬化
物で形成した部材(E)を重ねて、活性エネルギー線を
再照射し、部材(E)を硬化させると同時に接着する方
法、
【0060】部材(C)と部材(E)の間にエネルギ
ー線硬化性組成物を挟持し、部材(C)及び部材(E)
の少なくとも1種以上の部材の外部から、流路となる部
分を除いてエネルギー線を照射し、未硬化のエネルギー
線硬化性組成物を除去して流路と成す方法、流路とな
るべき部分を切り抜いた接着性のシート状の部材(D)
を部材(C)と部材(E)間に挟んで互いに接着する方
法、
【0061】部材(C)と部材(E)の間に、流路と
なるべき部分に四フッ化エチレン製の棒状物の如き保護
物質を置き、熱或いはエネルギー線硬化性樹脂や溶融樹
脂を充填・固化した後、保護物質を除去する方法、そ
れぞれ独立に形成した部材を、溶剤型接着剤(例えばエ
ネルギー線硬化性組成物)の使用、無溶剤型接着剤の使
用、溶融型接着剤の使用、部材表面への溶剤塗布、熱や
超音波による融着等により接着する方法。などを採るこ
とができる。
【0062】軟質素材(s)、即ち、引張弾性率が70
0MPa未満であるような素材として使用できる重合体
は任意であるが、好ましく使用できる重合体として例え
ば、シリコンゴム、(置換)イソプレン型ゴム、(置
換)ブタジエン型ゴム、ニトリルゴム、等のゴム類;ポ
リエチレン、変性ポリオレフィンの如きポリオレフィン
系重合体;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き塩素含有
重合体;酢酸ビニル系重合体;ポリウレタン系重合体;
ポリアミド系重合体;ポリエステル系重合体;エポキシ
樹脂;及びこれらの共重合体などが挙げられる。
【0063】重合体は、単独では規定の引張弾性率の範
囲から外れるものであっても、可塑剤や他の重合体など
とのブレンドや、共重合体とすることにより軟質素材
(s)として使用することができる。
【0064】軟質素材(s)として使用できる重合体
は、また、エネルギー線硬化性組成物の硬化物であるこ
とも好ましい。エネルギー線硬化性組成物は、必須成分
としてエネルギー線硬化性化合物を含有するものであ
り、エネルギー線硬化性化合物単独でもよく、複数種の
エネルギー線硬化性化合物の混合物でもよい。エネルギ
ー線硬化性組成物は、強度や耐久性を増すために架橋重
合体となるものが好ましい。エネルギー線硬化性組成物
の硬化物を架橋重合体とするためには、エネルギー線硬
化性組成物中に、多官能のモノマー及び/又はオリゴマ
ーを含有させることで実施できる。エネルギー線硬化性
組成物は、引張弾性率の調節や接着性の改良などを目的
として、単官能のモノマー及び/又はオリゴマーの混合
物とすることも好ましい。
【0065】エネルギー線硬化性組成物を構成するエネ
ルギー線硬化性化合物は、ラジカル重合性、アニオン重
合性、カチオン重合性等任意のものであってよい。エネ
ルギー線硬化性化合物は、重合開始剤の非存在下で重合
するものに限らず、重合開始剤の存在下でのみエネルギ
ー線により重合するものも使用することができる。その
ようなエネルギー線硬化性化合物としては、重合性の炭
素−炭素二重結合を有するものが好ましく、中でも、反
応性の高い(メタ)アクリル系化合物やビニルエーテル
類が好ましく、特に分子中に2つ以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物や、光重合開始剤の非存在下で
も硬化するマレイミド系化合物が好ましい。
【0066】エネルギー線硬化性化合物として好ましく
使用することができる架橋重合性の(メタ)アクリル系
モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アク
リロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ
ポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ヒドロキシ
ジピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンタニルジアクリレート、
【0067】ビス(アクロキシエチル)ヒドロキシエチ
ルイソシアヌレート、N−メチレンビスアクリルアミド
の如き2官能モノマー;トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、トリス(アクロキシエチル)イソシ
アヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクロキシエ
チル)イソシアヌレートの如き3官能モノマー;ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの如き4官
能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレートの如き6官能モノマー、などが挙げられる。
【0068】また、エネルギー線硬化性化合物として、
重合性オリゴマー(プレポリマーとの呼ばれる)を用い
ることもでき、例えば、重量平均分子量が500〜50
000のものが挙げられる。そのような重合性オリゴマ
ーしては、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸
エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エス
テル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステ
ル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウ
レタン樹脂、などが挙げられる。
【0069】マレイミド系の架橋重合性のエネルギー線
硬化性化合物としては、例えば、4,4’−メチレンビ
ス(N−フェニルマレイミド)、2,3−ビス(2,
4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイミド、1,
2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘ
キサン、トリエチレングリコールビスマレイミド、N,
N’−m−フェニレンジマレイミド、m−トリレンジマ
レイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミ
ド、N,N’−ジフェニルメタンジマレイミド、
【0070】N,N’−ジフェニルエーテルジマレイミ
ド、N,N’−ジフェニルスルホンジマレイミド、1,
4−ビス(マレイミドエチル)−1,4−ジアゾニアビ
シクロ−[2,2,2]オクタンジクロリド、4,4’
−イソプロピリデンジフェニル=ジシアナート・N,
N’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミドの
如き2官能マレイミド;N−(9−アクリジニル)マレ
イミドの如きマレイミド基とマレイミド基以外の重合性
官能基とを有するマレイミド、などが挙げられる。
【0071】マレイミド系の架橋重合性オリゴマーとし
ては、例えば、ポリテトラメチレングリコールマレイミ
ドカプリエート、ポリテトラメチレングリコールマレイ
ミドアセテートの如きポリテトラメチレングリコールマ
レイミドアルキレート、などが挙げられる。
【0072】マレイミド系のモノマーやオリゴマーは、
これら同士、及び/又はビニルモノマー、ビニルエーテ
ル類、アクリル系モノマーの如き重合性炭素・炭素二重
結合を有する化合物と共重合させることもできる。
【0073】これらの化合物は、単独で用いることもで
き、2種類以上を混合して用いることもできる。上に例
示した化合物の中に、単独ではその硬化物が指定の引張
弾性率の範囲から外れるものもあるが、他の共重合性化
合物、例えば単官能(メタ)アクリル系モノマーなどの
単官能モノマーや、可塑剤などの非反応性化合物を混合
使用することにより、それらを使用することができる。
【0074】エネルギー線硬化性組成物は、エネルギー
線硬化性組成物の主要構成要素であるエネルギー線硬化
性化合物と共重合可能な両親媒性重合性化合物を含有す
ることが好ましい。両親媒性化合物を含有することで、
その硬化物を水に膨潤しにくくかつ親水性で、生化学物
質に対して低吸着性の表面を形成することが可能とな
る。両親媒性重合性化合物は、分子内に親水基と疎水基
の両者を含有し、活性エネルギー線の照射により、エネ
ルギー線硬化性組成物に含有されるエネルギー線硬化性
化合物と共重合することが可能な重合性官能基を有する
ものである。
【0075】エネルギー線硬化性化合物が1分子中に2
個以上の重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物で
ある場合には、両親媒性重合性化合物は、1分子中に1
個以上の重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物で
あることが好ましい。両親媒性重合性化合物は架橋重合
体となるものである必要はないが、架橋重合体となる化
合物であってもよい。
【0076】両親媒性重合性化合物が有する親水基は任
意であり、例えば、アミノ基、四級アンモニウム基、フ
ォスフォニウム基の如きカチオン基;スルホン基、燐酸
基、カルボニル基の如きアニオン基;水酸基、ポリエチ
レングリコール基、アミド基の如きノニオン基;アミノ
酸基の如き両性イオン基であってよい。両親媒性重合性
化合物は、親水基として、好ましくはポリエーテル基、
特に好ましくは繰り返し数6〜20のポリエチレングリ
コール鎖を有する化合物である。
【0077】両親媒性重合性化合物の疎水基としては、
例えば、アルキル基、アルキレン基、アルキルフェニル
基、長鎖アルコキシ基、フッ素置換アルキル基、シロキ
サン基などが挙げられるが、炭素数6〜20のアルキル
基又はアルキレン基が好ましい。炭素数6〜20のアル
キル基又はアルキレン基は、例えば、アルキルフェニル
基、アルキルフェノキシ基、アルコキシ基、フェニルア
ルキル基、などの形で含有されていてもよい。
【0078】両親媒性重合性化合物は、親水基として繰
り返し数6〜20のポリエチレングリコール鎖を有し、
且つ、疎水基として炭素原子数6〜20のアルキル基又
はアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。
これらの両親媒性重合性化合物の中でも、ノニルフェノ
キシポリエチレングリコール(n=8〜17)(メタ)
アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコ
ール(n=8〜17)(メタ)アクリレートが特に好ま
しい。
【0079】エネルギー線硬化性組成物には、必要に応
じて、光重合開始剤を添加することもできる。光重合開
始剤は、使用するエネルギー線に対して活性であり、エ
ネルギー線硬化性化合物を重合させることが可能なもの
であれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始
剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤であって
良い。光重合開始剤は、マレイミド化合物であって良
い。
【0080】混合使用できる単官能マレイミド系モノマ
ーとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチ
ルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ドデシルマ
レイミド、の如きN−アルキルマレイミド;N−シクロ
ヘキシルマレイミドの如きN−脂環族マレイミド;N−
ベンジルマレイミド;N−フェニルマレイミド、N−
(アルキルフェニル)マレイミド、N−ジアルコキシフ
ェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイ
ミド、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェ
ニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチ
ル−6−メチルフェニル)マレイミドの如きN−(置換
又は非置換フェニル)マレイミド;
【0081】N−ベンジル−2,3−ジクロロマレイミ
ド、N−(4’−フルオロフェニル)−2,3−ジクロ
ロマレイミドの如きハロゲンを有するマレイミド;ヒド
ロキシフェニルマレイミドの如き水酸基を有するマレイ
ミド;N−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニ
ル)マレイミドの如きカルボキシ基を有するマレイミ
ド;N−メトキシフェニルマレイミドの如きアルコキシ
基を有するマレイミド;N−[3−(ジエチルアミノ)
プロピル]マレイミドの如きアミノ基を有するマレイミ
ド;N−(1−ピレニル)マレイミドの如き多環芳香族
マレイミド;N−(ジメチルアミノ−4−メチル−3−
クマリニル)マレイミド、N−(4−アニリノ−1−ナ
フチル)マレイミドの如き複素環を有するマレイミド、
などが挙げられる。
【0082】エネルギー線としては、紫外線、可視光
線、赤外線の如き光線;エックス線、ガンマ線の如き電
離放射線;電子線、イオンビーム、ベータ線、重粒子線
の如き粒子線が挙げられる。また、軟質素材(s)は、
ポリマーブレンドやポリマーアロイであっても良いし、
発泡体、積層体、その他の複合体であっても良い。ま
た、改質剤、着色剤など、その他の成分を含有していて
も良い。
【0083】軟質素材(s)に含有させることができる
改質剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、ノ
ニオン系などの界面活性剤、シリカゲルの如き無機粉
末、ポリビニルピロリドンの如き親水性重合体などの親
水化剤;ジオクチルフタレートなどの可塑剤などが挙げ
られる。軟質素材(s)に含有させることができる着色
剤としては、例えば、任意の染料や顔料、蛍光性の染料
や顔料、紫外線吸収剤が挙げられる。
【0084】中硬質素材(m)は、700MPa以上、
10GPa以下の引張弾性率を有し、本発明のマイクロ
流体デバイスの使用に当たって破壊しない強度を有する
ものであれば任意であるが、重合体であることが好まし
い。中硬質素材(m)として使用できる重合体は、単独
重合体であっても、共重合体であっても良く、また、熱
可塑性重合体であっても、熱硬化性重合体であっても良
い。生産性の面から、熱可塑性重合体又はエネルギー線
硬化性組成物の硬化物であることが好ましい。
【0085】中硬質素材(m)として使用できる重合体
としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルス
チレン、ポリスチレン/マレイン酸共重合体、ポリスチ
レン/アクリロニトリル共重合体の如きスチレン系重合
体;ポルスルホン、ポリエーテルスルホンの如きポリス
ルホン系重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リロニトリルの如き(メタ)アクリル系重合体;ポリマ
レイミド系重合体;
【0086】ビスフェノールA系ポリカーボネート、ビ
スフェノールF系ポリカーボネート、ビスフェノールZ
系ポリカーボネートの如きポリカーボネート系重合体;
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペン
テン−1の如きポリオレフィン系重合体;塩化ビニル、
塩化ビニリデンの如き塩素含有重合体;酢酸セルロー
ス、メチルセルロースの如きセルロース系重合体;ポリ
ウレタン系重合体;ポリアミド系重合体;
【0087】ポリイミド系重合体;フッ素系重合体;ポ
リ−2,6−ジメチルフェニレンオキサイド、ポリフェ
ニレンサルファイドの如きポリエーテル系又はポリチオ
エーテル系重合体;ポリエーテルエーテルケトンの如き
ポリエーテルケトン系重合体;ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアリレートの如きポリエステル系重合体;エ
ポキシ樹脂;ウレア樹脂;フェノール樹脂、などが挙げ
られる。これらの中でも、接着性が良好な点などから、
スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリカ
ーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエス
テル系重合体が好ましい。
【0088】中硬質素材(m)として使用できる重合体
はまた、エネルギー線硬化性組成物の硬化物であること
も好ましい。エネルギー線硬化性組成物は、必須成分と
してエネルギー線硬化性化合物を含有するものであり、
エネルギー線硬化性化合物単独でもよく、複数種のエネ
ルギー線硬化性化合物の混合物でもよい。エネルギー線
硬化性組成物は、強度や硬度を増すために架橋重合体と
なるものが好ましい。
【0089】エネルギー線硬化性組成物の硬化物を架橋
重合体とするためには、エネルギー線硬化性組成物は多
官能のモノマー及び/又はオリゴマーを含有することが
必要であるが、その他に、単官能のモノマー及び/又は
オリゴマーを混合することも可能である。エネルギー線
硬化性化合物はエネルギー線重合開始剤の非存在下で硬
化可能なものの他、エネルギー線重合開始剤の存在下で
のみエネルギー線により重合するものも使用することが
できる。
【0090】エネルギー線硬化性化合物としては、重合
性の炭素−炭素二重結合を有する物が好ましく、中で
も、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物やビニルエ
ーテル類、また光重合開始剤の不存在下でも硬化するマ
レイミド系化合物が好ましい。中硬質素材(m)として
使用できるエネルギー線硬化性化合物としては、本発明
の軟質素材(s)に使用できるとして例示した化合物の
中から、その硬化物が所定の引張弾性率を示すものを選
んで使用することが出来る。
【0091】高硬質素材(h)は10GPaを越える引
張弾性率を有し、本発明のマイクロ流体デバイスの使用
に当たって破壊しない強度を有するものであれば任意で
ある。引張弾性率の上限は、自ずと限界はあろうが、高
いことそれ自体による不都合はないため上限を設けるこ
とを要しない。高硬質素材(h)としては、例えば、重
合体、ガラス、石英の如き結晶、炭素、セラミック、シ
リコンの如き半導体、金属などが使用できる。
【0092】本発明のポンプ駆動装置は、マイクロ流体
デバイス中に設けられたポンプ機構を駆動する装置であ
り、本発明のマイクロ流体デバイスと、該マイクロ流体
デバイスの凸状構造を圧迫するアクチュエーターを必須
構成要素とする。さらに、それらに加え、マイクロ流体
デバイスの保持機構、及び該アクチュエーターを周期運
動させる制御機構を有していてもよい。
【0093】マイクロ流体デバイスの保持機構は、マイ
クロ流体デバイスが有する凸状構造を本装置のアクチュ
エーターでもって圧迫できる位置にマイクロ流体デバイ
スを保持するものであれば任意である。アクチュエータ
ーとの位置関係を再現性良く保持するものであることが
好ましい。本発明のマイクロ流体デバイスが、樹脂ダイ
ヤフラム以外の部材が軟質素材(s)で形成されている
場合や厚みが薄い場合には、本保持機構は、マイクロ流
体デバイスを硬質な台の上に保持する構造であることが
好ましい。本機構は、マイクロ流体デバイスの位置決め
機構とマイクロ流体デバイスを押さえるバネを有し、1
操作でマイクロ流体デバイスを保持できるものが好まし
い。マイクロ流体デバイス保持機構は、複数のマイクロ
流体デバイスを保持することの出来るものであっても良
い。保持できるマイクロ流体デバイスの寸法、形状は任
意であり、本発明に成るマイクロ流体デバイスの形状で
あり得る。保持できるマイクロ流体デバイスの寸法は、
底面が10cm×10cm以下であることが好ましく、
7.5cm×7.5cm以下であることが更に好まし
く、5cm×5cm以下であることが最も好ましい。
7.6cm×1.6cmのスライドガラス状であること
も好ましい。
【0094】本発明に用いるアクチュエーターは、ダイ
ヤフラムと相対する位置に設けられた凸状構造を含む範
囲を圧迫することが出来るものであれば、形状や寸法は
特に限定されないが、圧迫面が平面であることが好まし
い。マイクロ流体デバイスが複数の空洞と樹脂ダイヤフ
ラムを有し、対応する複数の凸状構造を有する場合に
は、他の凸状構造を不必要に圧迫しないことが必要であ
るが、それ以外の場合には、部材の広い範囲、場合によ
っては部材全体を圧迫しても、凸状構造が設けられた部
分のみが圧迫されて樹脂ダイヤフラムが変形し、ポンピ
ングが行われる。しかしながら、アクチュエーターはマ
イクロ流体デバイスに面する部分が好ましくは1×10
−6 〜1×10−6、更に好ましくは1×1
−5〜1×10−4の面積を有する平面であ
ることが好ましく、接触面の形状が円であることが好ま
しい。
【0095】アクチュエーターとしては、例えば、モー
ター、電磁石、圧空等によるアクチュエーターやバイブ
レーター等であり得る。アクチュエーターの駆動力がマ
イクロ流体デバイスを変形させたり破壊するほど強く、
また、ストロークもマイクロ流体デバイスを破壊する程
大きい場合には、マイクロ流体デバイスとの距離を調節
する事により稼働させることができる。
【0096】アクチュエーターを周期運動させる制御機
構は、本発明で言うアクチュエーターに含まれるもので
あり、例えば、電磁的なアクチュエーターに対しては電
流開閉器、半導体スイッチ、トランス、電圧制御回路や
電流制御回路、周波数制御回路など、圧力流体式アクチ
ュエーターに対しては電磁バルブによる流体制御など、
機械的なアクチュエーターに対してはステッピングモー
ターなどであり得る。ここで言う周期運動は1往復の運
動であって良い。また、周期運動はパルス的な運動であ
っても良い。流量調節するための機構は、アクチュエー
ターの周期的な運動の周波数を変える機構や、アクチュ
エーターのストロークを変える機構であって良い。本装
置はコンピューター制御等により、シーケンス制御やフ
ィードバック制御されても良い。また、本制御機構は、
保持機構及びアクチュエーター本体を有する部分と分離
された筐体に納められたものであっても良い。
【0097】本発明のポンプ駆動装置は、ポンプ駆動の
ための配管や配線の接続が不要であり、信頼性と取扱性
に優れる。また、圧力源となるコンプレッサーや圧力ボ
ンベを必要としないため、小型化が可能である。
【0098】本発明のポンプ駆動装置は、ポンプ機構が
組み込まれたマイクロ流体デバイスの使用目的に応じて
その他の機構、例えば、温度調節機構、光学的その他の
検出機構、試料注入機構、洗浄機構、ポンプ、等を有し
ていても良い。本発明の微小ポンプ駆動装置は、例え
ば、マイクロリアクターなどの反応装置;化学分析の前
処理装置;遺伝子分析装置、免疫分析装置、ガス分析装
置、水質分析装置などの(生)化学分析装置;DNAチ
ップや免疫チップなどのマイクロアレイ製造用スポッタ
等の装置またはその一部であって良い。
【0099】本発明の流体移送方法は、本発明になるマ
イクロ流体デバイスの樹脂ダイヤフラム部分をデバイス
外から周期的に圧迫することによって、樹脂ダイヤフラ
ムに面した空洞部分が選択的に圧迫され、樹脂ダイヤフ
ラムに面する空洞の容積を周期的に変化させて、空洞を
通過して流体を移送する方法である。マイクロ流体デバ
イスが樹脂ダイヤフラム表面に凸状構造を有するもので
ある場合には、凸状構造を含む部分を圧迫することによ
り空洞部分が選択的に圧迫され、流体が移送される。
【0100】周期的な圧迫はパルス的な圧迫であっても
良い。流量制御は、凸状構造を含む部分を周期的に圧迫
する機構、即ちアクチュエーターの運動周波数の制御、
ストロークの制御、圧迫強度の制御、アクチュエーター
とマイクロ流体デバイスとの距離の制御などの方法によ
って実施することが出来るが、周波数制御方式が、定量
性が高いため好ましい。周期的な圧迫は、コンピュータ
ー制御等により、シーケンス制御やフィードバック制御
されても良い。
【0101】本流体移送方法は、本発明のマイクロ流体
デバイスと該マイクロ流体デバイスの凸状構造を圧迫す
るアクチュエーターを必須構成要素とするポンプ駆動装
置を用いて好ましく行われる。本発明の流体移送方法
は、ポンプ駆動のための配管や配線をマイクロ流体デバ
イスに接続するという操作の煩雑さが除去される利点が
ある。また、多数のマイクロ流体デバイスの同時並行的
稼働が容易である。本発明の流体移送方法は、マイクロ
流体デバイスが(生)化学の合成や分析デバイスである
場合の、反応液などの送液方法として有用であり、又、
マイクロ流体デバイスが、マイクロアレイ製造用スポッ
タのノズルである場合の、塗布液の送液方法として有用
である。
【0102】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲
に限定されるものではない。なお、以下の実施例におい
て、「部」は、特に断りがない限り「質量部」を表わ
す。
【0103】<引張弾性率及び破断伸び率の測定> 〔測定試料〕板状もしくはシート状試料は幅10mm、
長さ100mmの短冊型に切断して試料とした。エネル
ギー線硬化性組成物硬化物試料は、ガラス上にエネルギ
ー線硬化性組成物を塗布し、窒素気流中で、365nm
における強度50mW/cm2の紫外線を30秒間照射
して硬化させた後、ガラス板から剥離し幅10mm、長
さ100mmの短冊型に切断して試料とした。これらの
試料は、24±1℃、湿度55±5%の室内に16時間
以上静置した後に測定に供した。
【0104】〔測定〕引張試験器として東洋精機製作所
製の「ストログラフV1−C」を用い、24±1℃、湿
度55±5%雰囲気中で、掴み具間距離80mm、引張
速度20mm/分で測定した。
【0105】<素材>実施例で使用した素材とその略称
を示す。 〔エネルギー線硬化性化合物〕 (1)「ユニディックV4263」:3官能ウレタンア
クリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社
製の「ユニディックV4263」) (2)「サートマーC2000」:ω−テトラデカンジ
オールジアクリレート及びω−ペンタデカンジオールジ
アクリレートを主成分とするジアクリレート混合物(ソ
マール社製の「サートマーC2000」)
【0106】(3)「TGMA」:テトラメチレングリ
コール(平均分子量650)マレイミドアセテート(特
開平11−124403号公報の合成例18に記載の方
法によって合成した) (4)「R−684」:ジシクロペンタニルジアクリレ
ート(日本化薬株式会社製の「R−684」)
【0107】〔両親媒性の重合性化合物〕 (5)「N−177E」:ノニルフェノキシポリエチレ
ングリコール(n=17)アクリレート(第一工業製薬
株式会社製の「N−177E」;HLB値=14.6
4;水、シクロヘキサン/トルエン混合溶媒の両者に可
溶)
【0108】〔紫外線重合開始剤〕 (6)「イルガキュアー184」:1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イル
ガキュアー184」) 〔重合遅延剤〕 (7)「DPMP」:2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン(関東化学社製)
【0109】〔熱可塑性重合体及びそ成形物〕 (8)OPPシート:ポリプロピレン二軸延伸シート
(二村化学社製の「FOR」、厚さ30μm 、片面コロ
ナ処理) (9)[m1]:ポリスチレン(大日本インキ化学工業
株式会社製の「ディックスチレンXC−520」) (10)[m2]:アクリル樹脂(旭化成工業社製の
「デルペット670N」) (11)[s1]:ポリウレタン(日本エラストラン社
製の「エラストランF564」)
【0110】<エネルギー線硬化性組成物の調製>実施
例で使用するエネルギー線硬化性組成物の調製方法を以
下に示した。 〔エネルギー線硬化性組成物[e1]の調製〕「ユニデ
ィックV4263」40部、「サートマーC2000」
60部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー18
4」5部、及び重合遅延剤として「DPMP」0.1部
を混合して、エネルギー線硬化性組成物[e1]を調製
した。
【0111】〔エネルギー線硬化性組成物[e2]の調
製〕「ユニディックV4263」20部、「サートマー
C2000」80部、「イルガキュアー184」5部、
及び2,「DPMP]0.1部を混合して、エネルギー
線硬化性組成物[e2]を調製した。 〔エネルギー線硬化性組成物[e3]の調製〕「TGM
A」50部、及び「サートマーC2000」50部を混
合して、エネルギー線硬化性組成物[e3]を調製し
た。
【0112】〔エネルギー線硬化性組成物[e4]の調
製〕「ユニディックV4263」100部、「イルガキ
ュアー184」5部、及び2,「DPMP]0.1部を
混合して、エネルギー線硬化性組成物[e4]を調製し
た。 〔エネルギー線硬化性組成物[e5]の調製〕「ユニディ
ックV4263」10部、「R−684」90部、及び
「イルガュアー184」5部を混合して、エネルギー線
硬化性組成物[e5]を調製した。 〔エネルギー線硬化性組成物[e6]の調製〕「ユニデ
ィックV−4263」80部、両親媒性の重合性化合物
として「N−177E」20部、重合遅延剤としてDP
MPを0.1部、及び光重合開始剤として「イルガキュ
ア184」5部を均一に混合して組成物[e6]を調製
した。
【0113】〔エネルギー線硬化性組成物[e7]の調
製〕「ユニディックV4263」10部、「R−68
4」70部、「N−177E」を20部、DPMPを
0.1部、及び「イルガュアー184」5部を混合し
て、エネルギー線硬化性組成物[e7]を調製した。
【0114】〔エネルギー線硬化性組成物[e8]の調
製〕「ユニディックV4263」20部、「サートマー
C2000」60部、「N−177E」20部、DPM
Pを0.1部、及び「イルガキュアー184」5部を混
合して、エネルギー線硬化性組成物[e8]を調製し
た。
【0115】<活性エネルギー線照射方法>活性エネル
ギー線として、365nmにおける教祖が50mW/cm2
の紫外線(ウシオ電機株式会社製のマルチライト200
型光源ユニット)を用い、窒素雰囲気中で所定時間照射
した。
【0116】<実施例1>本実施例では、溝を有する部
材(A)が中硬質素材(m)で、部材(B)が軟質素材
(s)で構成されており、部材(B)が樹脂ダイヤフラ
ムを構成する本発明の好ましい第1の形態の例を示し
た。 〔部材(A)の作製〕ポリスチレン[m1]からなる
2.5cm×5cm×厚さ3mmの平板状の基材(1)を、電
気式熱風トーチで加熱して表面を軟化させ、180℃に
熱したガラス製の鋳型(図示せず)に押しつけて冷却し
た後、剥離し、基材(1)表面に、幅60μm 、深さ6
0μm 、長さ30mmの溝であって、断面が概矩形の溝
(2)、溝(2)の途上に設けられた直径200μm 、
深さ60μm の円筒形の凹部(3)を形成して、図1に
示した形状の部材(A)(以下、部材[A1]とい
う。)を作製した。
【0117】〔部材(B)の接着〕OPPシート(図示
せず)のコロナ処理面に、127μm のバーコーターを
用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]を塗布し、次
いで、紫外線を1秒間照射して、流動性が喪失したもの
の不完全硬化の状態の塗膜とし、この塗膜面を部材[A
1]の溝が形成された面に貼り合わせた。次に、OPP
シート側から紫外線を更に60秒間照射して塗膜を完全
硬化させることによって、軟質素材(s)であるエネル
ギー線硬化性組成物[e1]の硬化物で構成された厚さ
77μm のシート状の部材(B)(以下、部材[B1]
という。)(4)を形成すると同時に、部材[A1]の
表面に接着し、溝(2)を毛細管状の流路(2)と成
し、凹部(3)を空洞(3)と成した後、OPPシート
を剥離した。
【0118】〔その他の構造の形成〕次いで、空洞
(3)に相対する位置の部材[B1]表面にエネルギー
線硬化性組成物[e4]の小滴を置き、直ちに紫外線照
射して硬化させて、直径0.6mm、高さ0.22mmの凸
状構造(5)を形成した。また、流路(2)の両端部に
おいて部材(B)に直径0.3mmのキリ孔を穿つことに
より、接続部(6)と接続部(7)を形成し 接続部
(7)の開口部に溶剤キャスト法で作製したポリウレタ
ン[s1]製の厚さ約20μm×1mm×1.3mmの
舌状の弁(8)をその基部にて接着し、さらに、接続部
(6)と接続部(7)に内径3mm、長さ20mmの塩
化ビニル製の筒(9)、(10)を接着した。以上の工
程によって、図1に示した形状のマイクロ流体デバイス
[#1]を作製した。
【0119】〔部材(B)の引張特性〕別途、エネルギ
ー線硬化性組成物[e1]及び「e4]硬化物シートを
調製し、その引張特性を測定した結果を表1に示した。
表1には、使用したポリスチレン[m1]の引張特性も
示した。表1から、エネルギー線硬化性組成物[e1]
硬化物及び[e4]硬化物は、軟質素材(s)であるこ
と、ポリスチレン[m1]は中硬質素材(m)であるこ
とがわかる。
【0120】〔圧迫機構の作製〕50Hz商用電源を用
いる電磁式バイブレーターに、直径4mm、高さ5mm
の円筒形の部材を接着し、50Hzで往復運動する電磁
式アクチュエーター(図示せず)を作製した、このアク
チュエーターのストロークは約2mmであった。 〔送液試験〕筒(9)にメチレンブルー(和光純薬株式
会社製)にて着色した水を注入し、スポイト用ゴムキャ
ップにてやや加圧すると、着色水は接続口(7)、流路
(2)、空洞(3)及び接続口(8)に充填された。
【0121】次いで、アクチュエーターを、マイクロ流
体デバイス[#1]の空洞(3)に相対する位置の凸状
構造の上に部材(B)側から接触させ、50Hzの周期
で圧迫した所、接続部(8)から着色水が流出し、筒
(10)の液面が上昇した。この時、アクチュエーター
の樹脂ダイヤフラムに並行な方向の位置あわせは精度を
要せず、ずれがあっても流量に変化がなかった。
【0122】<実施例2>本実施例では、溝を有する部
材(A)が軟質素材(s)で、部材(B)が中硬質素材
(m)で構成されており、部材(B)が樹脂ダイヤフラ
ムを構成する本発明の好ましい第1の形態の例を示す。 〔部材(A)の作製〕実施例1で用いたガラス製の鋳型
(図示せず)の上にエネルギー線硬化性組成物[e3]
を流延し、紫外線を10秒間照射して組成物[e3]流
延物を硬化させ、水中でガラス製の鋳型から剥離するこ
とによって、ポリスチレン[m1]の代わりにエネルギ
ー線硬化性組成物[e3]硬化物で形成されているこ
と、及び厚みが約1mmであること以外は実施例1の部
材[A−1]と同じ形状、寸法の部材[A−2]を作製
した。
【0123】〔部材(B)の接着〕エネルギー線硬化性
組成物[e1]の代わりにエネルギー線硬化性組成物
[e5]を使用したこと以外は実施例1と同様にして、
中硬質素材(m)であるエネルギー線硬化性組成物[e
5]の硬化物で構成された、実施例1と同形状の部材
[B2](4)を形成すると同時に部材[A2]の表面
に接着し、OPPシートを剥離した。
【0124】〔その他の構造の形成〕実施例1と同様に
して、図1に示されたマイクロ流体デバイス[#1]と
同形状のマイクロ流体デバイス[#2]を作製した。 〔部材(B)の引張特性〕別途、エネルギー線硬化性組
成物[e3]及び[e5]の硬化物シートを調製し、そ
の引張特性を測定した結果を表1に示した。表1から、
エネルギー線硬化性組成物[e3]硬化物は、軟質素材
(s)であること、エネルギー線硬化性組成物[e5]
硬化物は中硬質素材(m)であることがわかる。
【0125】〔送液試験〕実施例1と同様にして、マイ
クロ流体デバイス[#2]をガラス板上に設置し、部材
[B1]側から圧迫して送液試験を行い、実施例1と同
様の結果を得た。
【0126】<実施例3>本実施例では、溝を有する部
材(A)が軟質素材(s)で、部材(B)が中硬質素材
(m)で構成されており、部材(A)が樹脂ダイヤフラ
ムを構成する本発明の好ましい第1の形態の例を示す。
【0127】エネルギー線硬化性組成物[e3]の流延
量を調節して、凹状の欠損部の底の厚みが約90μm、
それ以外の部分の厚みを約150μmとして、実施例2
と同様にして、部材[A−3]を作製した。部材(B)
を実施例2と同様にして作製し、実施例2と同様にして
部材(A)に接着した。そして、凸状構造、接続部
(6)、接続部(7)、弁(8)、筒(9)、筒(1
0)を、部材(B)でなく部材(A)側に形成したこと
以外は、マイクロ流体デバイス[#2]と同様のマイク
ロ流体デバイス[#3]を作製した。
【0128】〔送液試験〕マイクロ流体デバイス[#
3]を用い、部材(B)側を下にして、部材(A)側か
ら圧迫したこと以外は実施例2と同様の試験を行い、実
施例2と同様の結果を得た。
【0129】<実施例4>本実施例では、部材(C)が
中硬質素材(m)、部材(D)が軟質素材(s)、部材
(E)が軟質素材(s)で構成され、部材(E)が樹脂
ダイヤフラムを構成する、本発明の好ましい第2の形態
の例を示した。
【0130】〔部材(C)の作製〕部材[C4]とし
て、アクリル樹脂[m2]からなる2.5cm×5cm×厚
さ1mmの平板を使用した。
【0131】〔部材(D)の作製〕部材[C4]の上に
エネルギー線硬化性組成物[e8」を127μmのバー
コーターを用いて塗布し、フォトマスクを通して、図1
に示した流路(2)及び空洞(3)となる部分以外の部
分に、紫外線を3秒間照射して、エネルギー線硬化性組
成物[e8]の硬化物とし、50%エタノール水溶液に
て未硬化のエネルギー線硬化性組成物[e8]を除去す
ることによって樹脂欠損部を有する部材[D4]を形成
した。
【0132】〔部材(E)の接着〕OPPシートのコロ
ナ処理面に、127μm のバーコーターを用いてエネル
ギー線硬化性組成物[e6]を塗布し、紫外線を3秒間
照射して半硬化させ、この塗膜面を部材[D4]に密着
させ、OPPシート側から同じ紫外線を更に30秒間照
射して、エネルギー線硬化性組成物[e8]、[e6]
塗膜層を完全硬化させた。
【0133】その後、OPPシートを剥離することによ
って、マイクロ流体デバイス[#1]の部材[A1]に
代わって、部材[C4]と部材[D4]の積層体が使用
されていて、流路(2)及び空洞(3)の底が部材[C
4]であり、流路(2)及び空洞(3)の側面が部材
[D4]であること、部材[B1]が全く同じ素材と構
造の部材[E4]と名付けられていること、及び、欠損
部や部材の寸法が後述の寸法であること、以外は実施例
1に於ける部材[A1]、部材[B1]積層体と同様の
形状の部材[C4]、部材[D4]、部材[E4]積層
体を作製した。
【0134】〔その他の構造の形成〕空洞(3)に相対
する位置の部材[E4]表面に、直径0.5mmの鋼球
をエネルギー線硬化性組成物[e4]と紫外線により接
着して凸状構造(5)を形成した。欠損部(2)の両端
部において、部材(E)に直径0.3mmのキリ孔を穿っ
て接続部(6)及び接続部(7)を形成した。
【0135】本積層体の欠損部は、幅108μm 、深さ
(即ち部材(D)の厚み)107μm の、断面が慨矩形
の流路となる欠損部(2)、直径500μm 、高さ10
7μm の円筒形の、空洞となる欠損部(3)、それぞれ
直径300μmの接続部(6)及び接続部(7)であ
る。
【0136】その後、接続部(7)の開口部に溶剤キャ
スト法で作製したポリウレタン[s1]製の厚さ約20
μm×1mm×1.3mmの舌状の弁(8)をその基部
にて接着し、接続部(6)と接続部(7)に内径3m
m、長さ20mmの塩化ビニル製の筒(9)、(10)
を接着し、さらに、空洞(3)に相対する位置の部材
[E4]の外表面にエネルギー線硬化性組成物[e4]
の小滴を置き、直ちに紫外線照射して硬化させて、直径
0.6mm、高さ0.22mmの凸状構造(5)を形成して
図1に類似した構造のマイクロ流体デバイス[#4]と
した。
【0137】〔送液試験〕マイクロ流体デバイス[#
4]を部材[E4]側を上にして設置し、部材[E4]側
から圧迫したこと以外は実施例1と同様にして、て送液
試験を行い、実施例1と同様の結果を得た。
【0138】<実施例5>本実施例では、部材(C)が
中硬質素材(m)、部材(D)が中硬質素材(m)、部
材(E)が軟質素材(s)で構成され、部材(E)が樹
脂ダイヤフラムを構成する、本発明の好ましい第2の形
態の例を示した。
【0139】〔部材(C)の作製〕部材(C)として、
アクリル樹脂[m2]からなる2.5cm×5cm×厚さ2
mmの平板(21)を使用し、これに127μm のバーコ
ーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e7]を塗
布し、フォトマスクを通して、図3に示した流路(2
3)となる部分以外の部分に紫外線を3秒間照射して塗
膜を半硬化塗膜層(22)とし、50%エタノール水溶
液にて未硬化のエネルギー線硬化性組成物[e7]を除
去することによって、エネルギー線硬化性組成物[e
7]半硬化塗膜の欠損部(23)を形成した。
【0140】一方、OPPシート(図示せず)のコロナ
処理面に、127μm のバーコーターを用いてエネルギ
ー線硬化性組成物[e7]を塗布し、フォトマスクを用
いて連結孔(25)となる部分以外に紫外線を3秒間照
射して半硬化させ、50%エタノール水溶液にて未硬化
のエネルギー線硬化性組成物[e7]を除去することに
よって、孔状の欠損部(25)を形成した。
【0141】このOPPシート上の半硬化塗膜を半硬化
した塗膜層(22)に、欠損部(23)の端に重なるよ
うに欠損部(25)の位置を合わせて積層し、その状態
で紫外線を10秒間照射してこれらの塗膜層の硬化を進
め、OPPシートを剥離して、塗膜層(22)の上に塗
膜層(24)を積層した。さらに、塗膜層(24)の孔
状の欠損部(25)の上に、1mm×1mm×30μm
のポリウレタン[s1]製の矩形の弁(34)をその一
端においてエポキシ接着剤にて接着し、この弁を有する
積層体を部材[C5]とした。
【0142】〔部材(D)、部材(E)の作製〕OPP
シート(図示せず)のコロナ処理面に、127μm のバ
ーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e8]
を塗布し、紫外線を3秒間照射して半硬化させ、部材
[D5](26)を形成した。その上に500μmのバ
ーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e6]
を塗布し、フォトマスクを通して、図5に示した、直径
1.5mmの逆止弁用の空洞(28)、直径1.5mm
の樹脂ダイヤフラム用の空洞(29)、幅500μmの
流路(30)、及び幅500μmの流路(31)となる
部分以外の部分に、紫外線を3秒間照射して、エネルギ
ー線硬化性組成物[e8]を半硬化させ、50%エタノ
ール水溶液にて未硬化のエネルギー線硬化性組成物[e
8]を除去することによって、欠損部を有する部材[D
5](27)を部材[E5](26)に積層して形成し
た。部材[E5](26)の厚さは約95μm、部材
[D5](27)の厚みは約360μmであった。
【0143】次いで、欠損部(25)を欠損部(28)
の中心に合わせて、この積層体の部材[D5](27)
面を部材[C5]に密着させ、OPPシート側から紫外
線を30秒間照射して、エネルギー線硬化性組成物[e
6]、[e7]、[e8]塗膜を完全に硬化させ、OP
Pシートを剥離することによって、部材[C5]、部材
[D5]、部材(E5)の積層体を得た。
【0144】〔その他の構造の形成〕次いで、欠損部
(23)の、部材の端に近い側の端部において、部材
[E5](26)及び部材[D5](26)に直径0.
3mmのキリ孔を穿って接続部(32)を形成し、流路
(31)の、部材の端に近い側の端部に於いて同様にキ
リ孔を穿って接続部(33)を形成した。接続部(3
3)の開口部には、1mm×1mm×30μmのポリウ
レタン[s1]製の矩形の弁(35)をその一端におい
て接着した。さらに、接続部(32)及び接続部(3
3)の各開口部に内径3mm、長さ2cmの塩化ビニル
管(36)、(37)を接着した。
【0145】さらに、空洞(29)に相対する位置の部
材[E5]の外表面にエネルギー線硬化性組成物[e
4]の小滴を置き、直ちに紫外線照射して硬化させて、
直径0.6mm、高さ0.22mmの凸状構造(38)を形
成して、図6及び図7に示した形状のマイクロ流体デバ
イス[#5]を作製した。
【0146】〔送液試験〕実施例1と同様の送液を行っ
た結果、実施例1より流量が大であったこと以外は、実
施例1と同様の結果を得た。
【0147】<実施例6>本実施例では、空洞部が、樹
脂ダイヤフラムの閉経によりその容積を変化させる空間
と、弁が佐渡宇津留空間を兼ねるマイクロ流体デバイス
の例を示す。 〔マイクロ流体デバイスの作製〕凸状構造を空洞部(2
9)に相対する位置でなく、空洞部(28)に相対する
位置の部材(E)に接着したこと以外は、実施例5と同
様にして、マイクロ流体デバイス[#6]を作製した。
【0148】〔流路の開閉試験〕マイクロ流体デバイス
[#6]を用いて実施例5と同様の試験を行い、同様の結
果を得た。
【0149】<実施例7>本実施例では、空洞部が、流
路の途上でなく、枝分かれした流路の端に形成されたマ
イクロ流体デバイスの例を示す。 〔マイクロ流体デバイスの作製〕流路(42)から分岐
した流路(42‘)が形成されていること、空洞部(4
3)及び凸状構造(45)が枝分かれした流路(4
2‘)の端に設けられていること以外は実施例1と同様
にして、図8及びず9に示したマイクロ流体デバイス
[#7]を作製した。その他の形状や構造(41、44、
45、46、47、48、49、50)については、そ
れおれ図1及び図2の(1、4、5、6、7、8、9、
10)と同じである。
【0150】〔流路の開閉試験〕マイクロ流体デバイス
[#7]を用いて実施例1と同様の試験を行い、同様の結
果を得た。
【0151】<実施例8>本実施例では、凸状構造が樹
脂ダイヤフラムを形成する部材とは異なる部材(F)に
形成されて、部材(F)が凸状構造を樹脂ダイヤフラム
側に向けて、空洞部に相対する位置に合わせて固定され
ているマイクロ流体デバイスの例を示した。
【0152】〔マイクロ流体デバイスの作製〕1cm×
1cm×80μmの二軸延伸ポリスチレンシート(大日
本インキ化学工業製)[m3](51)の表面に直径約
0.5mmの鋼球(52)をエポキシ系接着剤(53)
を用いて接着して、図10及び図11に示した形状の、
接着された鋼球から成る高さ約0.5mmの概ね半球形
の凸状構造(52)を有するシート状の部材(F)[F
8]を形成した。
【0153】一方、樹脂ダイヤフラムに接着された凸状
構造を設けなかったこと以外は、実施例1、2、3、
4、5、6、7とそれぞれ同様にしてこれらと同様の構
造のマイクロ流体デバイス前駆体を作製し、部材(F)
[F8]を、凸状構造(52)を樹脂ダイヤフラム側にし
て空隙部に相対する位置に合わせて、それぞれのマイク
ロ流体デバイス前駆体上に重ね、部材(F)[F8]の四
隅の部分をエポキシ系接着剤(54)を用いてそれぞれ
のマイクロ流体デバイスに接着固定して、マイクロ流体
デバイス[#8−1]、[#8−2]、[#8−3]、[#8
−4]、[#8−5]、[#8−6]、[#8−7]を作製し
た。二軸延伸ポリスチレンシート[m3]の引張特性を表
1に示した。
【0154】〔流路の開閉試験〕マイクロ流体デバイス
[#8−1]、[#8−2]、[#8−3]、[#8−4]、
[#8−5]、[#8−6]、[#8−7]のそれぞれについ
て、部材(F)[F8]側から二軸延伸ポリスチレンシー
ト[m3]を隔てて凸構造部(52)を含む部分一帯を圧
迫したこと以外は実施例1〜7とそれぞれ同様の試験を
行い、実施例1〜7とそれぞれ同様の結果を得た。
【0155】<実施例9>本実施例では、凸状構造が樹
脂ダイヤフラムを形成する部材とは異なる部材(F)に
形成されて、該部材が凸状構造を樹脂ダイヤフラムとは
反対側にして、空洞部に相対する位置に合わせて固定さ
れているマイクロ流体デバイスの例を示した。 〔マイクロ流体デバイスの作製〕部材(F)[F8]と全
く同じ部材(F)[F9]を、凸状構造を樹脂ダイヤフラ
ムと反対の側にして、凸状構造を空洞部の位置に合わせ
て積層したこと以外は実施例8と同様にして、マイクロ
流体デバイス[#9−1]、[#9−2]、[#9−3]、
[#9−4]、[#9−5]、[#9−46]、[#9−7]を
作製した。
【0156】〔流路の開閉試験〕マイクロ流体デバイス
[#9−1]、[#9−2]、[#9−3]、[#9−4]、
[#9−5]、[#9−46]、[#9−7]のそれぞれにつ
いて、部材(F)[F9]の外側から凸構造部(52)を
含む部分一帯を圧迫したこと以外は実施例1〜7とそれ
ぞれ同様の試験を行ったところ、流量量がやや低いこと
以外は、実施例1〜7とそれぞれ同様の結果を得た。
【0157】<比較例1>本比較例では、凸状構造を有
せしないマイクロ流体デバイスの例を示す。 〔マイクロ流体デバイスの作製〕凸状構造(5)を形成
しなかったこと以外は実施例1〜5とそれぞれ同様にし
て、凸状構造を有しないこと以外は、マイクロ流体デバ
イス[#1]、[#2]、[#3]、[#4]、[#5]、[#
6]、[#7]とそれぞれ同様のマイクロ流体デバイス[#
CE1−1]、[#CE1−2]、[#CE1−3]、[#C
E1−4]、[#CE1−5]、[#CE1−6]、[#CE
1−7]を作製した。
【0158】〔圧迫機構の作製〕先端が半径0.5mm
の半球系である円錐形の部材を先端に接着したこと以外
は、実施例1と同様の電磁式アクチュエーター(図示せ
ず)を作製した。 〔送液試験〕マイクロ流体デバイス[#CE1−1]、
[#CE1−2]、[#CE1−3]、[#CE1−4]、
[#CE1−5]、[#CE1−6]、[#CE1−7]のそ
れぞれについて、上で作製したアクチュエーターを用い
たこと以外は、実施例1〜5とそれぞれ同様の試験を行
ったところ、アクチュエーターの先端部と空洞部の位置
が正確に合った際にはそれぞれの実施例と同様の結果が
得られたが、位置合わせが非常に微妙で、圧迫位置が僅
かにずれても流量が低下し、安定性と再現性に劣るもの
であった。
【0159】
【表1】
【0160】
【発明の効果】本発明のマイクロ流体デバイスは、単純
な構造でありながらポンプ機能を内蔵し、ポンプ機構駆
動用の圧力配管や電気配線の接続を必要としない。本発
明のマイクロ流体デバイスは、デバイス毎に独立した送
液ポンプを必要としないため、多数を同時・並列処理す
ることが容易であり、作業効率の向上が計れる。また、
ポンプ駆動機構に高い位置決め精度を要求せず、高い信
頼性でマイクロ流体デバイス中の流体の移動を行うこと
ができ優れた操作性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製したマイクロ流体デバイスの部
分断面平面図の模式図である。
【図2】実施例1で作製したマイクロ流体デバイスの立
面図の模式図である。
【図3】実施例5で作製したマイクロ流体デバイスの製
造途中段階における部材(C)構成部材の、平面図の模
式図である。
【図4】実施例5で作製したマイクロ流体デバイスの製
造途中段階における部材(C)構成部材の、平面図の模
式図である。
【図5】実施例5で作製したマイクロ流体デバイスの製
造途中段階における部材(D)及び部材(E)の、部分
断面平面図の模式図である。
【図6】実施例5で作製したマイクロ流体デバイスの平
面図の模式図である。
【図7】実施例5で作製したマイクロ流体デバイスのA
部断面図の模式図である。
【図8】実施例7で作製したマイクロ流体デバイスの部
分断面平面図の模式図である。
【図9】実施例7で作製したマイクロ流体デバイスの立
面図の模式図である。
【図10】実施例8及び9で作製した部材(F)の平面
図の模式図である。
【図11】実施例8及び9で作製した部材(F)の立面
図の模式図である。
【符号の説明】
1、41 部材(A) 2、23、30、31、42 流路 3、43 空洞 4、44 部材(B) 5 凸状構造 6、7、46、47 接続部 8、34、35、48 弁 9、10、36、37、49、50 筒 21 部材(C) 22、24 部材(C) 25 連結孔 26 部材(E) 27 部材(D) 28 空洞(逆止弁用) 29 空洞(樹脂ダイヤフラム用) 32、33 孔 38、45 凸状構造 42’ 分岐した流路 51 二軸延伸ポリスチレンシート(m3) 52 鋼球、凸状構造 53 接続剤、凸状構造 54 接着剤、接着部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に流路を有し、該流路の途上に逆止
    弁が形成され、該流路と連絡して空洞が形成されてお
    り、該空洞に面して面積1×10−10 〜1×1
    −5の可撓性の樹脂ダイヤフラムが形成されてお
    り、凸状構造が前記樹脂ダイヤフラムの空洞と反対側の
    面に設けられていることを特徴とする、該凸状構造を部
    材外から圧迫することによってダイヤフラムに面する空
    洞の容積を周期的に変化させて流体を移送することが可
    能なダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デ
    バイス。
  2. 【請求項2】 樹脂ダイヤフラムの引張弾性率と厚みの
    積が3×10−4〜1×10−1 MPa・mの範囲で
    ある請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  3. 【請求項3】 流路の途上に分岐した流路を有し、該分
    岐した流路の末端に空洞を有する請求項1に記載のマイ
    クロ流体デバイス。
  4. 【請求項4】 空洞が、部材の表面に達する欠損部を有
    する部材(A)の欠損部が形成された面に、部材(B)
    が接着されることにより、前記部材(A)の欠損部と前
    記部材(B)とで形成されたものであり、樹脂ダイヤフ
    ラムが、部材(A)、部材(B)の少なくとも一方であ
    って空洞に相対する部分に形成されたものである請求項
    1に記載のマイクロ流体デバイス。
  5. 【請求項5】 部材(A)が部材(C)と欠損部を有す
    る層状の部材(D)の積層構造体であり、空洞が部材
    (C)及び部材(E)の間に挟持されて接着された部材
    (D)の欠損部として形成されており、樹脂ダイヤフラ
    ムが、部材(C)、部材(E)の少なくとも一方の空洞
    に相対する部分として形成されたものである請求項4に
    記載のマイクロ流体デバイス。
  6. 【請求項6】 内部に流路を有し、該流路の途上に逆止
    弁が形成されており、該流路と連絡して空洞が形成され
    ており、該空洞に面して、面積が1×10−1
    〜1×10−5である可撓性の樹脂ダイヤフラムが
    形成されており、該樹脂ダイヤフラムの空洞と反対の側
    に凸状構造が設けられているダイヤフラム式ポンプ機構
    を有するマイクロ流体デバイス、及び前記凸状構造を圧
    迫するアクチュエーターを必須構成要素とすることを特
    徴とするマイクロ流体デバイスのポンプ駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のマイクロ流体デバイス
    を、凸状構造の外側から凸状構造を含む部分を周期的に
    圧迫し、樹脂ダイヤフラムに面する空洞の容積を周期的
    に変化させて、流体を移送することを特徴とするマイク
    ロ流体デバイスの流体移送方法。
JP2001337788A 2001-11-02 2001-11-02 ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法 Pending JP2003139065A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337788A JP2003139065A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337788A JP2003139065A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003139065A true JP2003139065A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19152377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001337788A Pending JP2003139065A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003139065A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004042231A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Minolta Co Ltd マイクロチップ
JP2009221370A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Sekisui Chem Co Ltd マイクロパターン複合材、微小3次元構造体の製造方法及びマイクロパターン形成用硬化性組成物
WO2019116680A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 コニカミノルタ株式会社 射出成形品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004042231A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Minolta Co Ltd マイクロチップ
JP2009221370A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Sekisui Chem Co Ltd マイクロパターン複合材、微小3次元構造体の製造方法及びマイクロパターン形成用硬化性組成物
WO2019116680A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 コニカミノルタ株式会社 射出成形品
JPWO2019116680A1 (ja) * 2017-12-15 2020-12-03 コニカミノルタ株式会社 射出成形品
JP7104719B2 (ja) 2017-12-15 2022-07-21 大塚製薬株式会社 射出成形品
US11565450B2 (en) 2017-12-15 2023-01-31 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Injection molded article
EP3702123B1 (en) * 2017-12-15 2024-09-11 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. Injection molded article

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7220334B2 (en) Method of manufacturing microdevice having laminated structure
US7238325B2 (en) Very small chemical device and flow rate adjusting method therefor
JP3777112B2 (ja) マイクロ流体デバイス及びその製造方法
JP2007170469A (ja) 温度応答性バルブおよびその製造方法
JP2002066999A (ja) 微小バルブ機構及びその製造方法
JP2000246092A (ja) マイクロケミカルデバイスの製造方法
JP2003084001A (ja) 微小バルブ機構を有するマイクロ流体デバイス、マイクロ流体デバイスの微小バルブ機構駆動装置、及び流量調節方法
JP2001070784A (ja) バルブ機構を有する微小ケミカルデバイス
JP2001088098A (ja) 減圧送液機構を有する微小ケミカルデバイス
JP2007216226A (ja) マイクロノズル、その製造方法、スポッティング方法及びスポッタ
JP2002370200A (ja) 微小バルブ機構の製造方法
JP2002086399A (ja) 積層構造を有するマイクロデバイス及びその製造方法
JP2003136500A (ja) 樹脂ダイヤフラムを有するマイクロ流体デバイスの製造方法
JP2003139065A (ja) ダイヤフラム式ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ駆動装置、及び流体移送方法
JP2002219697A (ja) バルブ機構を有するマイクロ流体デバイス及びその流量調節方法
JP2003139662A (ja) マイクロ流体デバイス
JP2003083256A (ja) ポンプ機構を有するマイクロ流体デバイス、ポンプ機構駆動装置、及び流体移送方法
JP2000288381A (ja) 微小ケミカルデバイスの製造法
JP4307771B2 (ja) マイクロ流体デバイスの製造方法
JP3777113B2 (ja) 積層構造を有するマイクロ流体デバイス及びその製造方法
JP2006136990A (ja) バルブを有するマイクロ流体デバイス
JP2000297157A (ja) 微小ケミカルデバイス
JP2008043883A (ja) 物質分離デバイスおよび物質分離方法
JP2007211889A (ja) 逆止弁およびその製造方法
JP2002239374A (ja) 圧力制御式バルブを有する微小ケミカルデバイス