JP2003138592A - 鋼管杭の被覆防食方法 - Google Patents
鋼管杭の被覆防食方法Info
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Abstract
ことなく、長期耐久性を有し、かつ保守を必要としない
鋼管杭の被覆防食方法を提供する。 【解決手段】 鋼管杭に防食材を塗布又は貼り付け、該
防食材をプラスチック製又は金属製保護カバーにより該
保護カバーの端部がラップするようにラップ部を形成し
て巻き付け、締付け具により該保護カバーを展圧しなが
ら、該ラップ部を固定具で仮止めした後、該ラップ部
に、湾曲した板状又はチャンネル状の長尺保護カバーの
内側に封止材を予め塗布又は含浸しておいたものを展圧
固定し、該封止材を硬化させることを特徴とする鋼管杭
の被覆防食方法。管杭の被覆防食方法。
Description
しい腐食環境に曝露されている鋼管杭の被覆防食方法に
関し、特に長期耐久性を有し、メンテナンスを不要とす
る防食方法で、かつ被覆防食材を固定するためのフラン
ジ又はボルト・ナットを要しないことから、美観的にも
配慮された鋼管杭の被覆防食方法に関する。なお、本発
明では、鋼管杭のみならず、鋼管矢板にも適用できるも
のである。以下、鋼管杭というときには、場合によって
鋼管矢板も包含する。
において海底に打設される鋼管杭や鋼管矢板等は、特に
飛沫干満帯付近で激しい腐食が生じやすい。このため
に、このような鋼管杭や鋼管矢板等には防食を施す必要
がある。
としては、防食材としてペトロラタム系防食材を用い、
その保護材としてプラスチック系やチタン製のカバーを
取り付ける方法(ペトロラタムライニング工法)やモル
タルをプラスチック系の型枠カバーの中に流し込んで防
食する方法(モルタルライニング工法)が一般的である
(例えば、港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(改定
版)、(財)沿岸開発技術研究センター等)。
保護カバーを被防食材に取付ける際には、ボルト・ナッ
トにより固定する場合が多く、従って締結構造といえば
フランジ形状のものを保護カバーに取付けてあるものが
多かった(例えば、特許2511296号公報、特公平
2−19253号公報)。
カバーの取付け方法としては、被防食体にスタッドボル
ト等の治具を溶接等で取付け、その治具に固定する方法
が取られている。
杭径に対応させるためには、それぞれ対応する金型を用
い、手作業によりガラス繊維強化プラスチック(FR
P)積層を繰り返し、所定の厚さと強度を持つ保護カバ
ーを作成する方法が一般的である。
ーを製作できるが、それぞれ対応する金型を用意しなけ
ればならず、手作業による積層作業は多くの手間と時間
を必要とし、樹脂が硬化するまでは型から外せないこと
から連続作業ができない。また、締結フランジ部はボル
トの締付けにより多大な力が加わるため、保護カバーの
他の部分より厚く製作する必要がある。
は、保護材の締結部となるアングル形状のフランジ部と
防食部となる板材に分け、両者を結合して被覆防食材を
作成する方法が一般的であり、その結合方法としては、
熱可塑性樹脂からなる両者の間に電熱線を設け、熱融着
する方法(特公昭61−32468号公報)、両者を接
着剤により貼り合わせる方法(実公平3−22273号
公報)等がある。また、ポリオレフィン樹脂により被覆
防食材を一度に連続機械成形加工する場合もある(特開
昭59−62110号公報)。
記載の方法では、製作上の手間が少なく、仕上がりも一
定した被覆防食材を作成することができるが、融着され
たアングル材と板材の接合端部はボルトによる締付け固
定時に締付け力の反動で広がってしまい、経時的にはく
さび的に剥離する力が働き、これにより波浪の大きな海
洋環境では破損してしまう場合がある。
の方法のように、アングル材と板材を接着剤により接着
させ、さらに板材と同材質の板をアングル材の上側にも
貼り付ける方法があるが、接着による方法は経時的に接
着力が低下することから、長期的な耐久性が劣る。特に
海洋環境では波浪や潮流等により繰り返しの応力アング
ル部はまともに受け易いため、剥離や脱落の問題を発生
する場合が多い。
る場合は、被覆防食材の固定をフランジ形式とすると、
厚さが不足するためボルトによる締付け固定が充分にで
きない。一方、フランジのために板厚を厚くすると、被
覆防食材全体が重くなり、取付け作業の作業性が著しく
低下し、またコストアップとなる。
よるものであるが、チタンによる機械成形品の被覆防食
材も用いられる(特公平2−19253号公報等)。こ
の方法によれば、海洋環境において優れた耐食性をもつ
チタンを使用するため、プラスチック材よりも高強度と
耐久性を有する被覆防食材となるが、チタン板のみでフ
ランジ構造を作ると、一般的には板厚が薄いためボルト
締めにより曲がってしまう。そこで、フランジ構造を維
持するために、成形したアングル材を保護材として取付
ける必要がある。
用い、被覆防食材を作成することもある。これは、フラ
ンジを必要としない被覆防食材が可能となるものである
が、紫外線硬化であるため水中では硬化し難く、また大
気中においても紫外線が不充分な場所では専用の紫外線
照射装置が必要となる。
変えたものがあるが、上記した問題を包含する。さら
に、水中におけるライニング工法として、不織布に低粘
度と高粘度の樹脂を塗布含浸し、ゴムシート等と一体化
して鋼材間に展圧し防食する方法もあるが(特公平3−
36909号公報)、この方法は2種類の樹脂を含浸し
たものであり、また鋼管杭に対して被覆層の取りあい部
等での防食層を固定する実際的かつ具体的な方法まで言
及していない。
ションに保護カバー取り付け用のボルトを取付けるが、
セクション間隔が一定しないため、一定の大きさに成形
された保護カバーを取付けるには鋼管部にフランジを設
け、調整する必要がある。しかし、鋼管矢板のような連
続壁体では鋼管杭以上に波浪や潮流の影響を受けるた
め、出っ張りとなるフランジは破損しやすい。
はボルト・ナットを使用することなく、長期耐久性を有
し、かつ保守を必要としない鋼管杭の被覆防食方法を提
供することにある。
果、下記に示す鋼管杭の被覆防食方法が上記目的を達成
することを知見し、本発明に至った。
で、鋼管杭に防食材を塗布又は貼り付け、該防食材をプ
ラスチック製又は金属製保護カバーにより該保護カバー
の端部がラップするようにラップ部を形成して巻き付
け、締付け具により該保護カバーを展圧しながら、該ラ
ップ部を固定具で仮止めした後、該ラップ部に、湾曲し
た板状又はチャンネル状の長尺保護カバーの内側に封止
材を予め塗布又は含浸しておいたものを展圧固定し、該
封止材を硬化させることを特徴とする鋼管杭の被覆防食
方法を提供するものである。
製保護カバーの内面に防食材を塗布又は含浸し、該保護
カバーを保護カバーの端部がラップするように鋼管杭に
巻き付けてラップ部を形成し、締付け具により該保護カ
バーを展圧しながら、該ラップ部を固定具で仮止めした
後、該ラップ部に、湾曲した板状又はチャンネル状の長
尺保護カバーの内側に封止材を予め塗布又は含浸してお
いたものを展圧固定し、該封止材を硬化させることを特
徴とする鋼管杭の被覆防食方法を提供するものである。
方法の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明
する。
第1実施形態を示し、ペトロラタム系防食材を鋼管杭に
巻回した状態を示す側面図である。図2は、保護カバー
のラップ部を固定具で仮止めした状態を示す側面図であ
る。図3は、図2のA−A部分の断面図である。図4
は、図3の保護カバーのラップ部の拡大図である。図5
は、保護カバーのラップ部に板状又はチャネル状長尺保
護カバーを取り付け、その内側の水中でも硬化する樹脂
を硬化させた状態を示す断面図である。図6は、図5の
A−A部分の断面図である。
は貼り付け、該防食材をプラスチック製又は金属製保護
カバー3により該保護カバーの端部がラップするように
ラップ部を形成して巻き付けるか(図1〜3)、あるい
は保護カバー3の内面に防食材2を塗布又は含浸し、該
保護カバー3を保護カバーの端部がラップするように鋼
管杭1に巻き付けラップ部を形成する(図示せず)。
場合には、防食材2としてペトロラタム系防食材が好ま
しく用いられ、下地処理した鋼管杭1にペトロラタム系
防食材を塗布又は貼り付ける。
布又は含浸する場合には、防食材2として水中でも硬化
する樹脂が好ましい。このような水中でも硬化する樹脂
(硬化性樹脂)が好ましく挙げられ、具体的にはエポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリサ
ルファイド系樹脂、ポリエステル系樹脂等である。
れることが望ましい。このように吸水性高分子を用いる
ことによって、鋼管杭表面の水分は直ちに吸水性高分子
により吸水され、鋼管杭の表面には樹脂接着に支障をき
たすほどの水分はなくなり、硬化した樹脂の鋼管杭への
接着が容易になされる。このような吸水性高分子として
は、ポリアクリル酸塩系、酢酸ビニル・アクリル酸エス
テル共重合体ケン化物、ポリ酢酸ビニル・無水マレイン
酸反応物、イソブチレン・マレイン酸共重合体架橋物、
ポリエチレンオキシド系、デンプン・アクリル酸グラフ
ト共重合体、ポリビニルアルコール系、ポリビニルN−
ビニルアセトアミド系等が挙げられ、上記硬化性樹脂1
00重量部に対して、1〜200重量部添加される
制剤や脱酸素剤が添加されることが好ましく、このよう
な水溶性腐食抑制剤としては正リン酸塩、ポリリン酸
塩、亜硝酸塩、安息香酸塩、珪酸塩等が用いられ、脱酸
素剤としては亜硝酸ナトリウム、ヒドラジン等が用いら
れる。
ず)が設けられことが望ましく、この保持層により保護
カバー3を展圧したときでも防食材が保護され、鋼管杭
1表面の隙間の微少な凹凸にも隙間を生じないで被覆で
きる。このような保持層は不織布、ガラス繊維又は起毛
布等から構成される。この保持層は接着剤により保護カ
バー3に貼付される。
作され、鋼管杭1に巻き付けられる程度の軟質性をも
ち、かつ耐食性を有するものが好ましい。このような保
護カバー3の材料は、プラスチックとしてはポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等を用いたガラス繊維強化プラスチックが好まし
く用いられ、また高強度ポリエチレンも使用可能であ
る。また、金属としては、耐海水性ステンレス鋼やチタ
ンが使用可能である。
付与すべく発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等のシ
ート状発泡材が貼り付けられていることが望ましく、厚
さは5〜20mmの間が望ましい。
3の内周に必要によりシート状発泡材を貼り付け、さら
に不織布等からなる保持層を接着剤により貼付し、さら
にその内側に設けられた防食材2とによって形成される
のが好ましい実施形態である。また、保護カバー3は、
鋼管杭1の径に応じて1枚又は複数枚用いて鋼管杭に巻
き付ける。
てベルト又はゴムバンド等の締め付け具4を設け、防食
材2を展圧し、固定する。また、ラップ部はリベット等
の固定具5により仮止めされる。
当な間隔でドリルで穴を開けリベット等の固定具5を打
ち込んで固定する。この時、ラップ幅は50mm以上が
望ましく、また固定具5も2列にすることが望ましい。
の固定具5で固定したラップ部は、湾曲した板状又はチ
ャンネル状の長尺保護カバー6に、封止材7を予め塗布
もしくは含浸しておいたものを取り付ける。この際、封
止材7が接着する保護カバー3面には、予め接着用の専
用プライマーを塗布しておくことが望ましい。
防食材2に用いられたのと同様の水中でも硬化する樹脂
(硬化性樹脂)が好ましく挙げられる。この硬化性樹脂
には、上記防食材2として用いられる硬化性樹脂と同様
に、吸水性高分子や水溶性腐食抑制剤、脱酸素剤が添加
されることがことが好ましい。
な量とし、再度ベルト又はバンド等の締め付け具4にて
長尺保護カバー6を展圧固定し、硬化性樹脂が硬化する
まで保持する。長尺保護カバー6から溢れでた分は、仕
上がり美観上好ましくないため、硬化性樹脂が硬化する
前にウェース等で除去しておくことが望ましい。
第2実施形態を示し、鋼管矢板8に適用した例の斜視図
であり、図1〜6の鋼管杭1に代えて鋼管矢板8に適用
した以外は図1〜6と同様である。また、鋼管矢板8の
防食カバー相互は、スタッドボルト9により連結固定さ
れている。
わせた型による積層加工のカバーを用いず、機械による
連続生産が可能なものを用いる。このため、大幅なコス
トダウンが図れる。さらに、機械による連続生産により
模様入りの材料も保護カバーの選択肢に入れられるた
め、このような保護カバーを用いた場合には、景観に配
慮した防食が可能となる。
場合には、別途加工したフランジをリベット又は溶着に
て取付け、それでボルト・ナットにより締め込んで固定
していたが、この場合には上記したような問題が生じ
る。また、フランジを用いないで機械成形カバーを使用
する場合は、鋼管にスタットボルトを溶接しそれに固定
する方法や、カバーの重なり部をリベット又はボルトナ
ットで固定する方法(特開平2−161020号公報)
が行われる。
十分には得られないため、カバー内に隙間が残り易く、
従って、満足できる被覆防食が達成し難い。本発明の被
覆防食方法では、これらを解消すべく保護カバーを取付
けた後、ベルト又はバンド等で強く仮締めし、保護カバ
ーのラップ部をリベット等の固定具で固定する。さらに
ラップ部の隙間に波力や潮流の水力がくさび状に働くこ
とを防止し、またリベット等の固定具の腐食を防止する
ために、硬化性樹脂を用いた板状又はチャネル状カバー
を取付ける。これによりフランジのない美観的にも優れ
た防食が長期間可能となる。
ルト・ナットはSUS系の金属材料であるが、環境によ
っては腐食の問題が発生し、長期間の使用にあたっては
ボルト・ナットの取り替えが余儀なくされるが、本発明
の被覆防食方法ではフランジを用いないことから、この
ようなことがなく、さらに波浪や水流の影響も少なくな
るため、被覆防食の長寿命化が図れる。
ランジ又はボルト・ナットを使用することなく、長期耐
久性を有し、かつ保守が不要である。従って、本発明の
被覆防食方法は、港湾等において海底に打設される種々
の鋼管杭や鋼管矢板に適用可能である。
実施形態を示し、ペトロラタム系防食材を鋼管杭に巻回
した状態を示す側面図である。
めした状態を示す側面図である。
である。
ネル状長尺保護カバーを取り付け、その内側の水中でも
硬化する樹脂を硬化させた状態を示す断面図である。
実施形態を示し、鋼管矢板に適用した例の斜視図であ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 鋼管杭に防食材を塗布又は貼り付け、該
防食材をプラスチック製又は金属製保護カバーにより該
保護カバーの端部がラップするようにラップ部を形成し
て巻き付け、締付け具により該保護カバーを展圧しなが
ら、該ラップ部を固定具で仮止めした後、該ラップ部
に、湾曲した板状又はチャンネル状の長尺保護カバーの
内側に封止材を予め塗布又は含浸しておいたものを展圧
固定し、該封止材を硬化させることを特徴とする鋼管杭
の被覆防食方法。 - 【請求項2】 プラスチック製又は金属製保護カバーの
内面に防食材を塗布又は含浸し、該保護カバーを保護カ
バーの端部がラップするように鋼管杭に巻き付けてラッ
プ部を形成し、締付け具により該保護カバーを展圧しな
がら、該ラップ部を固定具で仮止めした後、該ラップ部
に、湾曲した板状又はチャンネル状の長尺保護カバーの
内側に封止材を予め塗布又は含浸しておいたものを展圧
固定し、該封止材を硬化させることを特徴とする鋼管杭
の被覆防食方法。 - 【請求項3】 上記防食材が、ペトロラタム系の防食材
である請求項1記載の鋼管杭の被覆防食方法。 - 【請求項4】 上記防食材が、水中でも硬化する樹脂で
ある請求項2記載の鋼管杭の被覆防食方法。 - 【請求項5】 上記封止材が、水中でも硬化する樹脂で
ある請求項1〜4のいずれかに記載の鋼管杭の被覆防食
方法。 - 【請求項6】 上記水中でも硬化する樹脂に、吸水性高
分子が含まれ、その含有量が、該樹脂100重量部に対
して1〜200重量部である請求項4又は5に記載の鋼
管杭の被覆防食方法。 - 【請求項7】 上記水中でも硬化する樹脂に、水溶性の
腐食抑制剤が添加された請求項4〜6のいずれかに記載
の鋼管杭の被覆防食方法。 - 【請求項8】 上記水中でも硬化する樹脂に、脱酸素剤
が添加された請求項4〜7のいずれかに記載の鋼管杭の
被覆防食方法。 - 【請求項9】 上記保護カバーと上記防食材の間に、シ
ート状発泡材が貼り付けられた請求項1〜8のいずれか
に記載の鋼管杭の被覆防食方法。 - 【請求項10】 上記防食材の保持層が上記保護カバー
内面に設けられている請求項1〜9のいずれかに記載の
鋼管杭の被覆防食方法。
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JP2001341406A JP3749854B2 (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 鋼管杭の被覆防食方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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