JP2003138434A - 耐炎化繊維の製造方法 - Google Patents
耐炎化繊維の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強度、高弾性率の炭素繊維の中間原料とし
ての耐炎化繊維、又は断熱材、耐熱保護材としての耐炎
化繊維の、単糸切れ等が無く、安定した耐炎化繊維の生
産ができる製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を酸化
性雰囲気下において、繊維の密度が1.30g/cm3
になるまでは延伸倍率0.88以上1.00未満の範囲
で耐炎化処理し、繊維の密度が1.30g/cm3以上
になった後は延伸倍率1.001〜1.012の範囲で
耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維の製造方
法。
ての耐炎化繊維、又は断熱材、耐熱保護材としての耐炎
化繊維の、単糸切れ等が無く、安定した耐炎化繊維の生
産ができる製造方法を提供する。 【解決手段】 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を酸化
性雰囲気下において、繊維の密度が1.30g/cm3
になるまでは延伸倍率0.88以上1.00未満の範囲
で耐炎化処理し、繊維の密度が1.30g/cm3以上
になった後は延伸倍率1.001〜1.012の範囲で
耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維の製造方
法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度炭素繊維の
中間原料、又は断熱材、耐熱保護材としての耐炎化繊維
の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アクリロニトリル系繊維を原料として高
性能の炭素繊維が製造されることは従来より知られてお
り、この炭素繊維は航空機を始めスポーツ用品まで広い
範囲で使用されている。とりわけ、高強度・高弾性の炭
素繊維は宇宙航空用途に使用されており、更なる高性能
化が求められている。 【0003】アクリロニトリル系前駆体繊維を用いて炭
素繊維を製造する方法としては、前駆体繊維を200〜
260℃の酸化性雰囲気下で延伸又は収縮を行いながら
酸化処理(耐炎化処理)を行った後、260℃以上、又
は1000℃以上の不活性ガス雰囲気中で炭素化して製
造する方法が知られている。 【0004】とりわけ耐炎化処理工程における繊維の処
理方法は、炭素繊維の強度発現に大きく影響を及ぼし、
これまでに多くの検討が行われてきた。 【0005】特公昭63−28132号公報には、耐炎
化伸長率を−10〜10%(延伸倍率0.9〜1.1)
の範囲とし、繊維密度が1.30〜1.42g/cm3
である耐炎化処理糸を炭素化することにより高強度炭素
繊維が得られることが開示されている。しかし、この耐
炎化処理方法では、長時間を要する耐炎化処理工程全て
において収縮若しくは延伸をさせており、強度発現に最
適な緊縮を施すことは行われてない。 【0006】特公平3−23649号公報には、繊維密
度が1.22g/cm3に達するまで3%以上の伸長率
(1.03以上の延伸倍率)を与え、以後の収縮を実質
的に抑制して耐炎化処理を行い、続いて炭素化すること
により高強度の炭素繊維が得られることが開示されてい
る。 【0007】特公平3−23650号公報には、繊維密
度が1.22g/cm3に達するまで3%以上の伸長率
(1.03以上の延伸倍率)で耐炎化処理を行った後、
更に1%以上の伸長率(1.01以上の延伸倍率)で延
伸処理を行うことによりストランド強度460kgf/
mm2以上の炭素繊維が得られることが開示されてい
る。 【0008】これら特公平3−23649号公報、特公
平3−23650号公報の方法によれば、従来の方法に
よるもののなかでは、高強度の炭素繊維が得られる。し
かし、繊維密度が1.22g/cm3以上になった時点
以後の延伸持続の耐炎化処理工程においては単糸切れ等
を多く発生し、安定した耐炎化繊維、炭素繊維の生産が
損なわれる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、所定の繊維密度におい
て所定の延伸倍率で耐炎化処理することにより、単糸切
れ等が無くなり、安定した耐炎化繊維の生産ができ、且
つこの耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維は高強
度、高弾性率であることを知得し、本発明を完成するに
至った。 【0010】従って、本発明の目的とするところは、上
記問題を解決した、高強度、高弾性率の炭素繊維の中間
原料としての耐炎化繊維、又は断熱材、耐熱保護材とし
ての耐炎化繊維の製造方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、以下に記載するものである。 【0012】〔1〕 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維
を酸化性雰囲気下において、繊維の密度が1.30g/
cm3になるまでは延伸倍率を0.88以上1.00未
満の範囲で耐炎化処理し、繊維の密度が1.30g/c
m3以上になった後は延伸倍率を1.001〜1.01
2の範囲で耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維
の製造方法。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 【0014】本発明の耐炎化繊維の原料であるアクリル
系前駆体繊維は、例えばアクリロニトリルを95質量%
以上含有する単量体を重合した単独重合体又は共重合体
を含む紡糸溶液を、湿式又は乾湿式紡糸法において紡糸
・水洗・乾燥・延伸等の処理を行うことによって得るこ
とができる。共重合する単量体としては、アクリル酸メ
チル、イタコン酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸等
が好ましい。 【0015】このようにして得られるアクリル系前駆体
繊維を、本発明の耐炎化繊維の製造方法に従って耐炎化
して耐炎化繊維を得ることができる。この耐炎化繊維を
炭素化することによって高強度の炭素繊維を得ることが
できる。 【0016】本発明の耐炎化繊維の製造方法における耐
炎化処理は、処理雰囲気と処理温度については通常の処
理方法に従って加熱空気中200〜260℃の温度範囲
内で処理することができる。 【0017】但し、本発明の耐炎化繊維の製造方法にお
ける耐炎化処理過程では、繊維の密度が1.30g/c
m3になるまでは延伸倍率0.88以上1.00未満の
範囲で耐炎化処理して、繊維の密度が1.30g/cm
3以上になった後は延伸倍率1.001〜1.012、
好ましくは1.003〜1.008の範囲で耐炎化処理
することを必要とする。 【0018】耐炎化処理過程では、延伸処理しなければ
アクリル系前駆体繊維は、処理温度の上昇と共に収縮す
る。そこで、延伸応力を調節して延伸処理することによ
り延伸倍率を調節することができる。延伸倍率1.00
とは、繊維に延伸応力を与えているが、収縮と延伸との
バランスがとれ延伸前と延伸後との長さが同一であるこ
とを示す。 【0019】上記延伸倍率の範囲で耐炎化処理して得ら
れる耐炎化繊維は、配向度(広角X線17°)が向上
し、且つこの耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維
の強度が高くなる。また、耐炎化繊維が前駆体繊維を撚
って得られたストランドを上記延伸倍率の条件で耐炎化
処理したものである場合、このストランドを炭素化して
得られる炭素繊維ストランドも高強度である。 【0020】なお、繊維の密度が1.30g/cm3に
なるまでの延伸倍率を0.88以上1.00未満の範囲
で耐炎化処理して得られる耐炎化繊維を炭素化して得ら
れる炭素繊維は、上記延伸倍率を1.00以上の範囲で
耐炎化処理して得られる耐炎化繊維を炭素化して得られ
る炭素繊維と比較して弾性率が高いことを特徴とする。 【0021】耐炎化処理過程において、繊維密度が1.
30g/cm3未満の時点では、繊維密度が低い時点ほ
ど、耐炎化繊維の構造が未熟なため、延伸処理を行って
も、強度アップの効果が無いばかりか、単糸切れ等を増
やす原因となるので、繊維密度が低い時点で延伸処理を
行うことは弾性率向上のために好ましくない。 【0022】耐炎化処理過程において、繊維密度が1.
30g/cm3以上の時点では、延伸倍率が1.001
未満であると、延伸効果が少なく、耐炎化繊維の配向度
(広角X線17°)の向上が困難であり、耐炎化繊維を
炭素化して得られる炭素繊維の強度も低いので好ましく
ない。また、延伸倍率が1.012を超えると、単糸切
れが多く発生し、安定した生産を行うことができなくな
るので好ましくない。 【0023】耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維
の強度を更に高めるには、耐炎化繊維の密度を1.42
g/cm3以下にすることが好ましく、1.38g/c
m3以下にすることが更に好ましい。耐炎化繊維の密度
が1.42g/cm3を超える場合は、炭素化工程での
延伸性が低下し、高強度の炭素繊維を得ることが困難に
なるので好ましくない。 【0024】耐炎化繊維を炭素化して炭素繊維を得る場
合、不活性ガス雰囲気下において炉内温度分布300〜
2000℃、好ましくは1000〜1800℃を有する
炭素化炉内に耐炎化繊維を通過させることにより処理す
ることができる。 【0025】このようにして得られる炭素繊維は高強度
であり、本発明の耐炎化繊維を炭素化することにより、
なし得るものである。 【0026】 【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により具体
的に説明する。また、以下の実施例及び比較例の条件に
より耐炎化繊維及び炭素繊維を作製し、得られた耐炎化
繊維及び炭素繊維の諸物性値を、以下の方法により測定
した。 【0027】配向度:リガク製X線回折装置RINT1
200L、日立製コンピュータ2050/32を使用
し、広角X線回折測定での2θ=17°における配向度
を半価幅から求めた。 【0028】密度:液置換法(JIS R 7601)に
よりアセトン中にて脱気処理し測定した。 【0029】繊維性能:炭素繊維ストランド強度、弾性
率はJIS R 7601により測定した。 【0030】実施例1 アクリロニトリル95質量%、アクリル酸メチル4質量
%、及びイタコン酸1質量%を共重合させたアクリル繊
維を含有する紡糸原液を湿式紡糸し、水洗・乾燥・延伸
・オイリングして0.58dの前駆体繊維を得た。 【0031】この前駆体繊維を炉内温度分布230〜2
50℃の熱風循環式耐炎化炉に導入し、耐炎化処理し
た。 【0032】表1に示すように、耐炎化処理工程では、
繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理を開
始し、繊維密度が1.30g/cm3に達するまでは延
伸倍率0.95で耐炎化処理し、繊維密度が1.30g
/cm3に達した後は延伸倍率1.003で耐炎化処理
して耐炎化繊維を得た。得られた耐炎化繊維の密度は
1.34g/cm3であり、配向度は78.6%であっ
た。 【0033】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において炭素化処理を行い、表1に示す物性値の炭素
繊維を得た。 【0034】実施例2 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.30g/cm3に達した後の延伸倍
率を1.007にして耐炎化処理した以外は、実施例1
と同様に耐炎化処理を行い、表1に示すように、繊維密
度1.35g/cm3、配向度78.9%の耐炎化繊維
を得た。 【0035】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。 【0036】実施例3 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理
を開始し、繊維密度が1.30g/cm3に達するまで
の延伸倍率を0.89にして耐炎化処理し、繊維密度が
1.30g/cm 3に達した後の延伸倍率を1.003
にして耐炎化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化
処理を行い、表1に示すように、繊維密度1.36g/
cm3、配向度78.4%の耐炎化繊維を得た。 【0037】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。 【0038】実施例4 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理
を開始し、繊維密度が1.30g/cm3に達するまで
の延伸倍率を0.98にして耐炎化処理し、繊維密度が
1.30g/cm 3に達した後の延伸倍率を1.003
にして耐炎化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化
処理を行い、表1に示すように、繊維密度1.34g/
cm3、配向度78.7%の耐炎化繊維を得た。 【0039】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。 【0040】比較例1 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.30g/cm3に達した後の延伸倍
率を1.000にして(実質的には延伸を行わず)耐炎
化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化処理を行
い、表1に示すように、繊維密度1.34g/cm3、
配向度78.3%の耐炎化繊維を得た。 【0041】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。しかし、表1に示すよう
に、得られた炭素繊維はストランド強度が低いものであ
った。 【0042】比較例2 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.30g/cm3に達した後の延伸倍
率を1.013にして耐炎化処理した以外は、実施例1
と同様に耐炎化処理を行い、表1に示すように、繊維密
度1.33g/cm3、配向度78.5%の耐炎化繊維
を得た。しかし、得られた耐炎化繊維は単糸切れが多い
ものであった。 【0043】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。しかし、表1に示すよう
に、得られた炭素繊維はストランド強度、及びストラン
ド弾性率が低いものであった。 【0044】比較例3 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理
を開始し、繊維密度が1.25g/cm3に達するまで
の延伸倍率を0.95にして耐炎化処理し、繊維密度が
1.25g/cm 3に達した後の延伸倍率を1.003
にして耐炎化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化
処理を行い、表1に示すように、繊維密度1.34g/
cm3、配向度78.6%の耐炎化繊維を得た。しか
し、得られた耐炎化繊維は単糸切れが多いものであっ
た。 【0045】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。しかし、表1に示すよう
に、得られた炭素繊維はストランド強度、及びストラン
ド弾性率が低いものであった。 【0046】 【表1】【0047】 【発明の効果】本発明においては、実施例に示した如
く、炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を酸化性雰囲気下
において、繊維の密度が1.30g/cm3になるまで
は延伸倍率が0.88以上1.00未満の範囲で耐炎化
処理し、繊維の密度が1.30g/cm3以上になった
後は延伸倍率1.001〜1.012の範囲で耐炎化処
理して耐炎化繊維の製造しているので、単糸切れ等が無
く、安定した耐炎化繊維の生産ができる。また、この耐
炎化繊維を炭素化する事により、高強度、高弾性率の炭
素繊維を得ることができる。
中間原料、又は断熱材、耐熱保護材としての耐炎化繊維
の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アクリロニトリル系繊維を原料として高
性能の炭素繊維が製造されることは従来より知られてお
り、この炭素繊維は航空機を始めスポーツ用品まで広い
範囲で使用されている。とりわけ、高強度・高弾性の炭
素繊維は宇宙航空用途に使用されており、更なる高性能
化が求められている。 【0003】アクリロニトリル系前駆体繊維を用いて炭
素繊維を製造する方法としては、前駆体繊維を200〜
260℃の酸化性雰囲気下で延伸又は収縮を行いながら
酸化処理(耐炎化処理)を行った後、260℃以上、又
は1000℃以上の不活性ガス雰囲気中で炭素化して製
造する方法が知られている。 【0004】とりわけ耐炎化処理工程における繊維の処
理方法は、炭素繊維の強度発現に大きく影響を及ぼし、
これまでに多くの検討が行われてきた。 【0005】特公昭63−28132号公報には、耐炎
化伸長率を−10〜10%(延伸倍率0.9〜1.1)
の範囲とし、繊維密度が1.30〜1.42g/cm3
である耐炎化処理糸を炭素化することにより高強度炭素
繊維が得られることが開示されている。しかし、この耐
炎化処理方法では、長時間を要する耐炎化処理工程全て
において収縮若しくは延伸をさせており、強度発現に最
適な緊縮を施すことは行われてない。 【0006】特公平3−23649号公報には、繊維密
度が1.22g/cm3に達するまで3%以上の伸長率
(1.03以上の延伸倍率)を与え、以後の収縮を実質
的に抑制して耐炎化処理を行い、続いて炭素化すること
により高強度の炭素繊維が得られることが開示されてい
る。 【0007】特公平3−23650号公報には、繊維密
度が1.22g/cm3に達するまで3%以上の伸長率
(1.03以上の延伸倍率)で耐炎化処理を行った後、
更に1%以上の伸長率(1.01以上の延伸倍率)で延
伸処理を行うことによりストランド強度460kgf/
mm2以上の炭素繊維が得られることが開示されてい
る。 【0008】これら特公平3−23649号公報、特公
平3−23650号公報の方法によれば、従来の方法に
よるもののなかでは、高強度の炭素繊維が得られる。し
かし、繊維密度が1.22g/cm3以上になった時点
以後の延伸持続の耐炎化処理工程においては単糸切れ等
を多く発生し、安定した耐炎化繊維、炭素繊維の生産が
損なわれる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、所定の繊維密度におい
て所定の延伸倍率で耐炎化処理することにより、単糸切
れ等が無くなり、安定した耐炎化繊維の生産ができ、且
つこの耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維は高強
度、高弾性率であることを知得し、本発明を完成するに
至った。 【0010】従って、本発明の目的とするところは、上
記問題を解決した、高強度、高弾性率の炭素繊維の中間
原料としての耐炎化繊維、又は断熱材、耐熱保護材とし
ての耐炎化繊維の製造方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、以下に記載するものである。 【0012】〔1〕 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維
を酸化性雰囲気下において、繊維の密度が1.30g/
cm3になるまでは延伸倍率を0.88以上1.00未
満の範囲で耐炎化処理し、繊維の密度が1.30g/c
m3以上になった後は延伸倍率を1.001〜1.01
2の範囲で耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維
の製造方法。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 【0014】本発明の耐炎化繊維の原料であるアクリル
系前駆体繊維は、例えばアクリロニトリルを95質量%
以上含有する単量体を重合した単独重合体又は共重合体
を含む紡糸溶液を、湿式又は乾湿式紡糸法において紡糸
・水洗・乾燥・延伸等の処理を行うことによって得るこ
とができる。共重合する単量体としては、アクリル酸メ
チル、イタコン酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸等
が好ましい。 【0015】このようにして得られるアクリル系前駆体
繊維を、本発明の耐炎化繊維の製造方法に従って耐炎化
して耐炎化繊維を得ることができる。この耐炎化繊維を
炭素化することによって高強度の炭素繊維を得ることが
できる。 【0016】本発明の耐炎化繊維の製造方法における耐
炎化処理は、処理雰囲気と処理温度については通常の処
理方法に従って加熱空気中200〜260℃の温度範囲
内で処理することができる。 【0017】但し、本発明の耐炎化繊維の製造方法にお
ける耐炎化処理過程では、繊維の密度が1.30g/c
m3になるまでは延伸倍率0.88以上1.00未満の
範囲で耐炎化処理して、繊維の密度が1.30g/cm
3以上になった後は延伸倍率1.001〜1.012、
好ましくは1.003〜1.008の範囲で耐炎化処理
することを必要とする。 【0018】耐炎化処理過程では、延伸処理しなければ
アクリル系前駆体繊維は、処理温度の上昇と共に収縮す
る。そこで、延伸応力を調節して延伸処理することによ
り延伸倍率を調節することができる。延伸倍率1.00
とは、繊維に延伸応力を与えているが、収縮と延伸との
バランスがとれ延伸前と延伸後との長さが同一であるこ
とを示す。 【0019】上記延伸倍率の範囲で耐炎化処理して得ら
れる耐炎化繊維は、配向度(広角X線17°)が向上
し、且つこの耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維
の強度が高くなる。また、耐炎化繊維が前駆体繊維を撚
って得られたストランドを上記延伸倍率の条件で耐炎化
処理したものである場合、このストランドを炭素化して
得られる炭素繊維ストランドも高強度である。 【0020】なお、繊維の密度が1.30g/cm3に
なるまでの延伸倍率を0.88以上1.00未満の範囲
で耐炎化処理して得られる耐炎化繊維を炭素化して得ら
れる炭素繊維は、上記延伸倍率を1.00以上の範囲で
耐炎化処理して得られる耐炎化繊維を炭素化して得られ
る炭素繊維と比較して弾性率が高いことを特徴とする。 【0021】耐炎化処理過程において、繊維密度が1.
30g/cm3未満の時点では、繊維密度が低い時点ほ
ど、耐炎化繊維の構造が未熟なため、延伸処理を行って
も、強度アップの効果が無いばかりか、単糸切れ等を増
やす原因となるので、繊維密度が低い時点で延伸処理を
行うことは弾性率向上のために好ましくない。 【0022】耐炎化処理過程において、繊維密度が1.
30g/cm3以上の時点では、延伸倍率が1.001
未満であると、延伸効果が少なく、耐炎化繊維の配向度
(広角X線17°)の向上が困難であり、耐炎化繊維を
炭素化して得られる炭素繊維の強度も低いので好ましく
ない。また、延伸倍率が1.012を超えると、単糸切
れが多く発生し、安定した生産を行うことができなくな
るので好ましくない。 【0023】耐炎化繊維を炭素化して得られる炭素繊維
の強度を更に高めるには、耐炎化繊維の密度を1.42
g/cm3以下にすることが好ましく、1.38g/c
m3以下にすることが更に好ましい。耐炎化繊維の密度
が1.42g/cm3を超える場合は、炭素化工程での
延伸性が低下し、高強度の炭素繊維を得ることが困難に
なるので好ましくない。 【0024】耐炎化繊維を炭素化して炭素繊維を得る場
合、不活性ガス雰囲気下において炉内温度分布300〜
2000℃、好ましくは1000〜1800℃を有する
炭素化炉内に耐炎化繊維を通過させることにより処理す
ることができる。 【0025】このようにして得られる炭素繊維は高強度
であり、本発明の耐炎化繊維を炭素化することにより、
なし得るものである。 【0026】 【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により具体
的に説明する。また、以下の実施例及び比較例の条件に
より耐炎化繊維及び炭素繊維を作製し、得られた耐炎化
繊維及び炭素繊維の諸物性値を、以下の方法により測定
した。 【0027】配向度:リガク製X線回折装置RINT1
200L、日立製コンピュータ2050/32を使用
し、広角X線回折測定での2θ=17°における配向度
を半価幅から求めた。 【0028】密度:液置換法(JIS R 7601)に
よりアセトン中にて脱気処理し測定した。 【0029】繊維性能:炭素繊維ストランド強度、弾性
率はJIS R 7601により測定した。 【0030】実施例1 アクリロニトリル95質量%、アクリル酸メチル4質量
%、及びイタコン酸1質量%を共重合させたアクリル繊
維を含有する紡糸原液を湿式紡糸し、水洗・乾燥・延伸
・オイリングして0.58dの前駆体繊維を得た。 【0031】この前駆体繊維を炉内温度分布230〜2
50℃の熱風循環式耐炎化炉に導入し、耐炎化処理し
た。 【0032】表1に示すように、耐炎化処理工程では、
繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理を開
始し、繊維密度が1.30g/cm3に達するまでは延
伸倍率0.95で耐炎化処理し、繊維密度が1.30g
/cm3に達した後は延伸倍率1.003で耐炎化処理
して耐炎化繊維を得た。得られた耐炎化繊維の密度は
1.34g/cm3であり、配向度は78.6%であっ
た。 【0033】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において炭素化処理を行い、表1に示す物性値の炭素
繊維を得た。 【0034】実施例2 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.30g/cm3に達した後の延伸倍
率を1.007にして耐炎化処理した以外は、実施例1
と同様に耐炎化処理を行い、表1に示すように、繊維密
度1.35g/cm3、配向度78.9%の耐炎化繊維
を得た。 【0035】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。 【0036】実施例3 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理
を開始し、繊維密度が1.30g/cm3に達するまで
の延伸倍率を0.89にして耐炎化処理し、繊維密度が
1.30g/cm 3に達した後の延伸倍率を1.003
にして耐炎化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化
処理を行い、表1に示すように、繊維密度1.36g/
cm3、配向度78.4%の耐炎化繊維を得た。 【0037】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。 【0038】実施例4 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理
を開始し、繊維密度が1.30g/cm3に達するまで
の延伸倍率を0.98にして耐炎化処理し、繊維密度が
1.30g/cm 3に達した後の延伸倍率を1.003
にして耐炎化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化
処理を行い、表1に示すように、繊維密度1.34g/
cm3、配向度78.7%の耐炎化繊維を得た。 【0039】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。 【0040】比較例1 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.30g/cm3に達した後の延伸倍
率を1.000にして(実質的には延伸を行わず)耐炎
化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化処理を行
い、表1に示すように、繊維密度1.34g/cm3、
配向度78.3%の耐炎化繊維を得た。 【0041】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。しかし、表1に示すよう
に、得られた炭素繊維はストランド強度が低いものであ
った。 【0042】比較例2 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.30g/cm3に達した後の延伸倍
率を1.013にして耐炎化処理した以外は、実施例1
と同様に耐炎化処理を行い、表1に示すように、繊維密
度1.33g/cm3、配向度78.5%の耐炎化繊維
を得た。しかし、得られた耐炎化繊維は単糸切れが多い
ものであった。 【0043】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。しかし、表1に示すよう
に、得られた炭素繊維はストランド強度、及びストラン
ド弾性率が低いものであった。 【0044】比較例3 実施例1で得られた前駆体繊維を、耐炎化処理工程にお
いて繊維密度が1.16g/cm3の時点から延伸処理
を開始し、繊維密度が1.25g/cm3に達するまで
の延伸倍率を0.95にして耐炎化処理し、繊維密度が
1.25g/cm 3に達した後の延伸倍率を1.003
にして耐炎化処理した以外は、実施例1と同様に耐炎化
処理を行い、表1に示すように、繊維密度1.34g/
cm3、配向度78.6%の耐炎化繊維を得た。しか
し、得られた耐炎化繊維は単糸切れが多いものであっ
た。 【0045】次いで、得られた耐炎化繊維は、不活性ガ
ス雰囲気下、炉内温度分布300〜1600℃の炭素化
炉において実施例1と同様に炭素化処理を行い、表1に
示す物性値の炭素繊維を得た。しかし、表1に示すよう
に、得られた炭素繊維はストランド強度、及びストラン
ド弾性率が低いものであった。 【0046】 【表1】【0047】 【発明の効果】本発明においては、実施例に示した如
く、炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を酸化性雰囲気下
において、繊維の密度が1.30g/cm3になるまで
は延伸倍率が0.88以上1.00未満の範囲で耐炎化
処理し、繊維の密度が1.30g/cm3以上になった
後は延伸倍率1.001〜1.012の範囲で耐炎化処
理して耐炎化繊維の製造しているので、単糸切れ等が無
く、安定した耐炎化繊維の生産ができる。また、この耐
炎化繊維を炭素化する事により、高強度、高弾性率の炭
素繊維を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 尾山 太郎
静岡県駿東郡長泉町上土狩234 東邦テナ
ックス株式会社内
(72)発明者 松木 寿嗣
静岡県駿東郡長泉町上土狩234 東邦テナ
ックス株式会社内
Fターム(参考) 4L037 CS02 FA01 FA12 PA55 PC11
PS02 PS12 PS17 PS18 UA06
UA07 UA20
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維を酸化
性雰囲気下において、繊維の密度が1.30g/cm3
になるまでは延伸倍率を0.88以上1.00未満の範
囲で耐炎化処理し、繊維の密度が1.30g/cm3以
上になった後は延伸倍率を1.001〜1.012の範
囲で耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335498A JP2003138434A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 耐炎化繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001335498A JP2003138434A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 耐炎化繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003138434A true JP2003138434A (ja) | 2003-05-14 |
Family
ID=19150482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001335498A Pending JP2003138434A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 耐炎化繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003138434A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009084390A1 (ja) | 2007-12-30 | 2009-07-09 | Toho Tenax Co., Ltd. | 耐炎化繊維と炭素繊維の製造方法 |
CN102605475A (zh) * | 2012-03-05 | 2012-07-25 | 河南科信电缆有限公司 | 碳纤维芯棒生产工艺及关键设备 |
-
2001
- 2001-10-31 JP JP2001335498A patent/JP2003138434A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009084390A1 (ja) | 2007-12-30 | 2009-07-09 | Toho Tenax Co., Ltd. | 耐炎化繊維と炭素繊維の製造方法 |
US8236273B2 (en) | 2007-12-30 | 2012-08-07 | Toho Tenax Co., Ltd. | Method of producing pre-oxidation fiber and carbon fiber |
CN102605475A (zh) * | 2012-03-05 | 2012-07-25 | 河南科信电缆有限公司 | 碳纤维芯棒生产工艺及关键设备 |
WO2013131216A1 (zh) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Wei Qiangqi | 碳纤维芯棒生产工艺及关键设备 |
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