JP2003138392A - イオン交換膜電解槽 - Google Patents

イオン交換膜電解槽

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JP2003138392A JP2001332848A JP2001332848A JP2003138392A JP 2003138392 A JP2003138392 A JP 2003138392A JP 2001332848 A JP2001332848 A JP 2001332848A JP 2001332848 A JP2001332848 A JP 2001332848A JP 2003138392 A JP2003138392 A JP 2003138392A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン交換膜と陰極とを密着させた安定した
運転が可能なイオン交換膜電解槽を提供する。 【解決手段】 イオン交換膜に密着して陰極が配置され
たイオン交換膜電解槽において、陰極と陰極集電体の間
には炭素繊維弾性体が配置されて、炭素繊維弾性体によ
って陰極をイオン交換膜に密着したイオン交換膜電解槽
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属ハロ
ゲン化物水溶液のイオン交換膜電解槽に関するものであ
り、低い電気分解電圧で運転が可能なイオン交換膜電解
槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食塩水の電気分解に代表される水溶液の
電気分解に用いられるイオン交換膜電解槽は、極めて大
きな電流密度で運転されるので、電気分解電圧を低下さ
せることが大きな課題である。電気分解電圧は、電解槽
の構造、電気分解用電極の特性など多数の要因によって
決定されるが、なかでも陽極と陰極の間の電極間隔は、
間隔が短いほど電気分解電圧が小さくなるために電極間
隔を小さくすることが行われており、陽極室と陰極室を
区画する陽イオン交換膜と電極との間隔を実質的になく
して運転を行うことが行われている。
【0003】食塩水の電気分解においては、陰極室の圧
力を陽極室の圧力よりも高くして運転することによって
も電気分解電圧を低下させることが可能であるので、陰
極室の圧力を陽極室の圧力よりも高くし、陽極室と陰極
室との間の圧力差で陽イオン交換膜を陽極に密着させて
運転を行っている。このような電解槽において、陽極と
陰極との電極間距離を小さくするためには、陽極に密着
した陽イオン交換膜に対して陰極を近づけることが必要
となるが、電解槽の陰極室枠に固定して取り付けた陰極
では、大面積の電解面全体に対して高精度に電極間隔を
設定することは困難があるので、陰極をバネ状の部材に
取り付ける等の方法によってバネによる付勢力によって
陰極を陽イオン交換膜に密着させて電極間隔を小さくす
ることが提案されている。
【0004】バネ状部材に陰極を取り付けた場合には陽
イオン交換膜との密着性を高め、電極間隔を小さくする
ことが可能となるが、電解槽への電解液の供給装置の異
常、あるいは電解槽の運転操作の誤り等によって、陽極
室の圧力と陰極室の圧力が逆転すると、陽イオン交換膜
は陰極に押し付けられる。陰極はバネ状の部材によって
取り付けられているので、陰極は隔壁側へ押し付けら
れ、陽イオン交換膜は大きく延び、陽イオン交換膜に悪
影響を及ぼしたり、あるいは陰極が隔壁側へ押し付けら
れる結果、バネ状の部材が回復不可能な変形を生じ、以
後の正常な運転ができないという問題点があった。
【0005】また、陰極を弾性体を介して集電板に取り
付けて陰極を陽イオン交換膜に密着させたイオン交換膜
電解槽が特開2001−64792号において提案され
ている。この提案においては、弾性体としては、金属線
の織物に捲縮加工やヘリボーン加工を施した金網を数枚
重ねて弾力性を持たせたマット状物を設けるものであ
り、具体的には金属材料としては、ニッケル製の線径
0.08mmのワイヤ−を4本まとめて編んだ金網を4
枚重ねたものが用いられている。ところが、陰極室内の
環境において腐食等の問題なく安定に使用することが可
能なニッケルは、靭性に劣っており、電解槽を組立てた
後に解体すると、ニッケル製の弾性体は塑性変形を起こ
すために、再度使用することが困難となる。また、電解
槽の組立前において、不用意な力が作用すると弾性体が
塑性変形し、使用が困難になる。電解槽は通常陰極室の
圧力が陽極室の圧力より若干高くなるように、いわゆる
陰極室加圧状態で運転しているが、異常時に陰極室の圧
力が陽極室の圧力より低くなり、両極室の圧力が逆転す
る可能性があり、この場合にも弾性体が塑性変形して使
用が困難という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イオン交換
膜電解槽において、イオン交換膜と陰極との間隔を密着
させて運転することが可能であり、陰極室と陽極室の圧
力によって圧力の逆転が生じた場合には、両電極室内の
圧力が正常に回復した場合には、再度正常な運転が可能
である特性に優れたイオン交換膜電解槽を提供すること
を課題とするものであり、また組立時等において不用意
に押圧されて変形しても容易に回復可能なであり、所期
の目的を達することが可能なイオン交換膜電解槽を提供
することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、イオン
交換膜電解槽において、イオン交換膜に密着して陰極が
配置されており、陰極と陰極集電体の間には炭素繊維弾
性体が配置されて陰極集電体と陰極とが導電接続された
イオン交換膜電解槽によって解決することができる。ま
た、炭素繊維弾性体には、開口部を設けた前記のイオン
交換膜電解槽である。炭素繊維弾性体には、少なくとも
一部に金属をめっきした前記のイオン交換膜電解槽であ
る。陰極と陰極集電体は、導電性金属部材によって導電
接続されている前記のイオン交換膜電解槽である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、陰極と陰極集電体との
間に配置した炭素繊維弾性体によって陰極をイオン交換
膜に密着させたので、電解槽の組立時、あるいは電解槽
運転時に陰極側に加わった圧力によっても炭素繊維弾性
体の変形が回復し、所定の圧力でイオン交換膜と陰極と
を密着して運転することが可能なイオン交換膜電解槽を
提供することが可能であることを見いだしたものであ
る。また、本発明は、炭素繊維弾性体が網状の金属等に
比べて、残留圧縮変形率が小さいという特徴を利用した
ものであり、しかも導電性も有しているために、陰極と
陰極集電体との間で炭素繊維弾性体を通じた導電接続も
可能であるという特徴を利用したものである。
【0009】以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明のイオン交換膜電解槽を一実施例を説明
する図であり、断面図である。イオン交換膜電解槽1
は、イオン交換膜2によって、陽極室3、および陰極室
4に区画されており、陽極室3には、陽極室隔壁5に取
り付けた陽極リブ6によって多孔性の陽極7が配置され
ており、陰極室隔壁8には、陰極リブ9によって陰極集
電体10が取り付けられている。陰極室内には、陰極集
電体10上に炭素繊維弾性体11が装着され、炭素繊維
弾性体11には、多数の開口部12が形成されている。
炭素繊維弾性体11は多孔性の陰極13に密着し、イオ
ン交換膜2と陰極13とを密着させている。電気分解の
際には、陽極リブ6から陽極7へと通電され、さらに陰
極13からは炭素繊維弾性体11、陰極集電体10、陰
極リブ9へと通電される。イオン交換膜電解槽1の陽極
室3には、陽極室3の下部の陽極室供給口14から食塩
水が供給され、陽極室排出口15からは淡塩水と陽極で
生成した塩素が排出される。
【0010】また、陰極室4には、下部に陰極室供給口
16が設けられ、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液
が供給され、陰極室排出口17からは、水酸化ナトリウ
ム水溶液と水素が排出される。本発明の電解槽において
は、陰極13はイオン交換膜2に密着した状態で炭素繊
維弾性体11と密着し、陰極集電体10および陰極リブ
9を通じて通電されるので、低い電圧によって電気分解
が行われる。以上の説明では、一対の陽極室と陰極室か
らなる単位イオン交換膜電解槽を説明したが、陽極室隔
壁および陰極室隔壁を一体化した複極式の電解槽として
同様に構成したものであっても良い。
【0011】図2は、本発明のイオン交換膜電解槽の説
明する分解斜視図である 陽極7、イオン交換膜2、陰極13、炭素繊維弾性体1
1、陰極集電体10が配置されており、炭素繊維弾性体
11には、電解液および発生気体が通流する多数の開口
部12が設けられている。これによって、炭素繊維弾性
体11の存在によって電解液および発生気体の流通が妨
げられることはない。本発明の電解槽においては、陰極
13はイオン交換膜2に密着した状態で炭素繊維弾性体
11と密着し、陰極集電体10および陰極リブ9を通じ
て通電されるので、低い電圧によって電気分解が行われ
る。
【0012】本発明において、陽極には、チタン、タン
タル、ジルコニウム等の薄膜形成性金属あるいはこれら
の合金の表面に、白金族金属、白金族金属の酸化物を含
有する電極触媒物質の被覆を形成した陽極を用いること
ができ、エキスパンデッドメタル、多孔板、網状体等の
開口部を有する基体を用いることが好ましい。また、陰
極には、ニッケル、ニッケル合金の多孔体、網状体、エ
キスパンデッドメタル、あるいはこれらを基体として、
表面に白金族金属含有層、ラネーニッケル含有層、活性
炭含有ニッケル層等の電極触媒物質の被覆を形成し、水
素過電圧を低下させたものを用いることができる。ま
た、陰極集電体には、ニッケル、ニッケル合金等を用い
ることができる。
【0013】イオン交換膜には、パーフルオロカルボン
酸系陽イオン交換膜、パーフルオロスルホン酸系陽イオ
ン交換膜とパーフルオロカルボン酸系陽イオン交換膜と
を積層した陽イオン交換膜等を用いることができる。
【0014】また、炭素繊維弾性体は、炭素繊維の織
布、不織布、フェルト状物等からなるものであり、電極
の全面に接触する構造の炭素繊維弾性体の場合には、炭
素繊維弾性体に加わる圧力が19.6kPaで炭素繊維
弾性体の全面を押圧した後に、圧力を開放した際の残留
圧縮変形率が10%以下のものが好ましく、1%以下の
ものがより好ましい。
【0015】炭素繊維弾性体は、接触面の大きさによっ
て適切な反発力が得られるものを利用することが必要で
あるが、一例を挙げれば、その全面をそれぞれ、20%
圧縮時の反発力1.96Pa、25%圧縮時の反発力
3.92Pa、30%圧縮時の反発力8.34Pa、3
5%圧縮時の反発力8.35Pa、35%圧縮時の反発
力17.7Pa程度のものを用いることが好ましい。ま
た、炭素繊維弾性体として、電極面と部分的に接触する
構造のものを用いる場合には、全面に接触する場合の接
触面積に反比例して圧縮時の反発力が大きな炭素繊維弾
性体を用いて、全面に接触する場合に電極面に作用する
押圧力と同等の力が作用するようにすることが必要であ
る。本発明のイオン交換膜電解槽に使用可能な炭素繊維
弾性体としては、ポリアクリルニトリル系の炭素繊維フ
ェルト(東邦テナックス製ベスファイト)を挙げること
ができる。
【0016】また、炭素繊維は、一般には疎水性である
ので、表面を親水化処理することが好ましい。親水化処
理には、表面の部分的な酸化処理等が挙げられるが、表
面にニッケル等の金属をめっき等の方法によって付着さ
せても良い。炭素繊維表面に形成されるニッケル等の金
属層の厚さが大きくなると、炭素繊維自体の弾性が損な
われるので、炭素繊維の弾性が大きく低下しないように
わずかにとどめることが必要である。
【0017】また、炭素繊維の表面にめっき等によって
ニッケル等の薄膜を形成すると、炭素繊維弾性体の導電
性を高めることができるので好ましい。また、炭素繊維
とともに、炭素繊維にニッケル等の金属を被覆した金属
被覆繊維、例えば東邦テナックス製ベスファイトMC等
を炭素繊維中に配合して作製した炭素繊維弾性体を用い
ても良い。
【0018】炭素繊維弾性体には、多数の開口部を設け
ることが好ましい。開口部を設けることによって陰極で
発生した水素が滞留することを防止することができ、陰
極近傍の陰極液中での気泡率の上昇による性能の劣化を
防止することが可能となる。開口部の形状は、陰極側か
ら陰極集電体側へ貫通したものであれば任意の断面形状
のものを用いることができる。炭素繊維弾性体に設ける
開口部の面積は、炭素繊維弾性体のみかけの面積の10
〜90%である。10%よりも小さい場合には、開口部
による気泡の滞留防止の効果が不充分なものとなり、ま
た90%よりも大きい場合には通電面積が減少して、電
気分解電圧が上昇するので好ましくない。また、炭素繊
維弾性体は、多数個の炭素繊維弾性体を相互の間隔を設
けて配置したものでも良い。これによって開口部を形成
した炭素繊維弾性体と同様の効果を得ることができる。
この場合にも、炭素繊維弾性体の見かけ上の専有面積は
10%ないし90%とすることが好ましい。
【0019】図3は、炭素繊維弾性体の他の例を説明す
る図である。図3(A)に示した炭素繊維弾性体11に
は、溝状凹部21が設けられており、、溝状凹部21の
中心軸が縦方向に配置されて装着される。その結果、電
気分解で生成した気泡は、溝状凹部21を速やかに上昇
することができるので、電解槽内部での電解液の流れを
促進することができる。また、図3(B)は、炭素繊維
弾性体11には、溝状凹部21を設けるとともに、開口
部22を設けたものである。図3(B)に示した炭素繊
維弾性体では、電気分解で生成した気泡は、溝状凹部を
上昇するとともに、開口部22から炭素繊維弾性体11
の背面へも排出されるので、気泡の滞留を防止すること
が可能となる。溝状凹部を設けた炭素繊維弾性体は、例
えば、炭素繊維化可能な繊維を用いて、ニードルパンチ
等によって不織布を作製し、得られた不織布に有機質バ
インダーを含有させて溝状凹部の形状を有する金型を用
いてプレス成形をした後に炭素繊維化を行うことによっ
て製造することができる。また、溝状凹部に形成する開
口部は、溝状凹部を形成した後に打ち抜き加工等によっ
て形成することができる。また、溝状凹部21の幅、深
さおよび相互の間隔等は、炭素繊維弾性体をイオン交換
膜および電極に密着した場合に変形をきたし、溝状凹部
が形成されることがないように設けることが必要であ
り、炭素繊維弾性体の特性に応じて決定することができ
る。また、以上のような炭素繊維弾性体とともに以下に
示すように導電性部材を併用しても良い。
【0020】図4は、本発明の他の実施例を説明する図
であり、陰極の一部部分の断面を示す図である。図4
(A)に示す例では、陰極13と陰極集電体10との間
には、炭素繊維弾性体11が間隔を設けて配置されてお
り、炭素繊維弾性体11を取り囲むように配置したニッ
ケル、ニッケル合金等からなる金属製の陰極通電リブ1
8が設けられている。陰極通電リブ18は、陰極13と
陰極集電体10とを導電接続し、陰極13と陰極集電体
10との間の通電する作用を果たしている。陰極導電リ
ブ18は、ニッケル等の金属の板状体で形成することが
できる。また、陰極導電タブ18によって電極面への通
電が行われ、炭素繊維弾性体によって所定の圧力でイオ
ン交換膜と陰極13との接触が行われるので、陰極導電
リブは所定の通電量が確保可能な通電断面積を有する部
材とすることが必要である。また、図4(B)に示す例
では、陰極13と陰極集電体10との間には、炭素繊維
弾性体11が間隔を設けて配置されており、炭素繊維弾
性体11の間には、ニッケル、ニッケル合金等からなる
金属製の陰極通電リブ18が設けられている。陰極導電
リブ18は、陰極13と陰極集電体10とを導電接続
し、陰極13と陰極集電体10との間の通電する作用を
果たしている。
【0021】
【実施例】以下に、実施例、比較例を示し本発明を説明
する。 実施例1 電解槽の陽極室隔壁に、陽極リブによって有効電解面積
が縦100mm、横100mmの白金族金属酸化物を含
有した電極触媒被覆を形成したチタンのエキスパンデッ
ドメタルなる陽極(ペルメレック電極製)を取り付け、
また電解槽の陰極室隔壁に、平板状のニッケルバン板か
らなる陰極リブによってニッケル製エキスパンデッドメ
タル製陰極集電体を取り付け、陰極集電体上には、硫酸
ニッケル21g/l、ホスフィン酸ナトリウム25g/
l、乳酸27g/l、プロピオン酸2.2g/l、pH
4.5、温度90℃の無電解めっき浴を用いて、表面に
化学めっきによって無電解ニッケルめっきを施した縦1
00mm、横100mmの炭素繊維フェルト(東邦テナ
ックス製ベスファイト)を配置した。
【0022】ニッケルめっきを施した炭素繊維フェルト
は、炭素繊維フェルトの面全体を圧力1.96kPaで
押圧した際の圧縮変形率は21%、9.81kPaで押
圧した際の圧縮変形率は32%、19.6kPaで押圧
した際の圧縮変形率は36%であり、押圧力を取り除い
た場合には、ほぼ完全に元の厚さに戻った。また、炭素
繊維フェルトには、直径3.5mmの開口部の216個
を均等に設け、開口率は20%であった。炭素繊維フェ
ルトに接して、線径0.15mm、開口率68%、開口
の面積0.49mm2 のニッケル製金網に白金族金属含
有電極触媒被覆を形成した陰極を配置し、陽極と陰極と
の間には、陽イオン交換膜(デュポン社 N−981)
を配置してイオン交換膜電解槽を組み立てた。
【0023】陽極室には、濃度310g/lの食塩水を
供給して、陰極室には濃度が水酸化ナトリウム水溶液濃
度が32質量%となるように水を供給しながら、電流密
度40A/dm2 、温度85℃、陽極室圧力5.9kP
a(ゲージ)、陰極室圧力9.8kPa(ゲージ)の条
件で電気分解を行った。2カ月後の電解槽電圧は2.9
7Vであったが、電気分解を停止し、陰極側に20kP
a(ゲージ)の圧力を1分間加えた後に、再度、元の条
件で電気分解を行ったところ、電気分解電圧には変化は
なかった。
【0024】比較例1 炭素繊維フェルトに代えて、線径0.08mmのニッケ
ル線を4本まとめて編んだ金網を4枚重ねて1.4cm
の間隔で結合してマット状としたニッケル製マットを陰
極と陰極集電体との間に配置した点を除き実施例1と同
様にして電気分解を行った。なお、ニッケル製マット
は、ニッケルマットの全面を50%圧縮時の弾性率1.
18kPa、20%圧縮時の弾性率1.57kPaを有
し、電解槽組立時には、50%に圧縮した。2カ月後の
電解槽電圧は2.95Vであったが、電気分解を停止
し、陰極側に10kPa(ゲージ)の圧力を1分間加え
た後に、再度、元の条件で電気分解を行ったところ、電
気分解電圧は3.5Vに上昇した。
【0025】
【発明の効果】本発明のイオン交換膜電解槽によれば、
陰極をイオン交換膜電解槽に密着する手段として、炭素
繊維弾性体を用いたので、所定の圧力によってイオン交
換膜と陰極とを密着することができ、しかも陰極側に通
常状態とは異なる圧力が印加された場合においても、回
復不可能な変形を生じることがなく、当初の状態と同様
の状態で安定して運転可能なイオン交換膜電解槽を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のイオン交換膜電解槽を一実施
例を説明する図である。
【図2】図2は、本発明のイオン交換膜電解槽の説明す
る分解斜視図である
【図3】図3は、炭素繊維弾性体の他の例を説明する図
である。
【図4】図4は、本発明の他の実施例を説明する図であ
り、陰極の一部部分の断面を示す図である。
【符号の説明】
1…イオン交換膜電解槽、2…イオン交換膜、3…陽極
室、4…陰極室、5…陽極室隔壁、6…陽極リブ、7…
陽極、8…陰極室隔壁、9…陰極リブ、10…陰極集電
体、11…炭素繊維弾性体、12…陰極、13…開口
部、14…陽極室供給口、15…陽極室排出口、16…
陰極室供給口、17…陰極室排出口、18…陰極通電リ
ブ、21…溝状凹部、22…開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 眞二 岡山県玉野市東高崎24−6 クロリンエン ジニアズ株式会社岡山事業所内 Fターム(参考) 4K021 AA01 AA03 AB01 BA01 BA03 CA02 DB05 DB12 DB31 DB53 DC15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換膜に密着して陰極が配置され
    たイオン交換膜電解槽において、陰極と陰極集電体の間
    には炭素繊維弾性体が配置されて、炭素繊維弾性体によ
    って陰極をイオン交換膜に密着したことを特徴とするイ
    オン交換膜電解槽。
  2. 【請求項2】 炭素繊維弾性体には、開口部を設けた請
    求項1記載のイオン交換膜電解槽。
  3. 【請求項3】 炭素繊維弾性体には、少なくとも一部に
    金属をめっきしたことを特徴とする請求項1または2の
    いずれかに記載のイオン交換膜電解槽。
  4. 【請求項4】 陰極と陰極集電体は、導電性金属部材に
    よって導電接続されていることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載のイオン交換膜電解槽。
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