JP3850265B2 - イオン交換膜電解槽 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ金属ハロゲン化物水溶液のイオン交換膜電解槽に関するものであり、低い電気分解電圧で運転が可能なイオン交換膜電解槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食塩水の電気分解に代表される水溶液の電気分解に用いられるイオン交換膜電解槽は、極めて大きな電流密度で運転されるので、電気分解電圧を低下させることが大きな課題である。
電気分解電圧は、電解槽の構造、電気分解用電極の特性など多数の要因によって決定されるが、なかでも陽極と陰極の間の電極間隔は、間隔が短いほど電気分解電圧が小さくなるために電極間隔を小さくすることが行われており、陽極室と陰極室を区画する陽イオン交換膜と電極との間隔を実質的になくして運転を行うことが行われている。
【0003】
食塩水の電気分解においては、陰極室の圧力を陽極室の圧力よりも高くして運転することによっても電気分解電圧を低下させることが可能であるので、陰極室の圧力を陽極室の圧力よりも高くし、陽極室と陰極室との間の圧力差で陽イオン交換膜を陽極に密着させて運転を行っている。
このような電解槽において、陽極と陰極との電極間距離を小さくするためには、陽極に密着した陽イオン交換膜に対して陰極を近づけることが必要となるが、電解槽の陰極室枠に固定して取り付けた陰極では、大面積の電解面全体に対して高精度に電極間隔を設定することは困難があるので、陰極をバネ状の部材に取り付ける等の方法によってバネによる付勢力によって陰極を陽イオン交換膜に密着させて電極間隔を小さくすることが提案されている。
【0004】
バネ状部材に陰極を取り付けた場合には陽イオン交換膜との密着性を高め、電極間隔を小さくすることが可能となるが、電解槽への電解液の供給装置の異常、あるいは電解槽の運転操作の誤り等によって、陽極室の圧力と陰極室の圧力が逆転すると、陽イオン交換膜は陰極に押し付けられる。陰極はバネ状の部材によって取り付けられているので、陰極は隔壁側へ押し付けられ、陽イオン交換膜は大きく延び、陽イオン交換膜に悪影響を及ぼしたり、あるいは陰極が隔壁側へ押し付けられる結果、バネ状の部材が回復不可能な変形を生じ、以後の正常な運転ができないという問題点があった。
【0005】
また、陰極を弾性体を介して集電板に取り付けて陰極を陽イオン交換膜に密着させたイオン交換膜電解槽が特開2001−64792号において提案されている。この提案においては、弾性体としては、金属線の織物に捲縮加工やヘリボーン加工を施した金網を数枚重ねて弾力性を持たせたマット状物を設けるものであり、具体的には金属材料としては、ニッケル製の線径0.08mmのワイヤ−を4本まとめて編んだ金網を4枚重ねたものが用いられている。
ところが、陰極室内の環境において腐食等の問題なく安定に使用することが可能なニッケルは、靭性に劣っており、電解槽を組立てた後に解体すると、ニッケル製の弾性体は塑性変形を起こすために、再度使用することが困難となる。
また、電解槽の組立前において、不用意な力が作用すると弾性体が塑性変形し、使用が困難になる。電解槽は通常陰極室の圧力が陽極室の圧力より若干高くなるように、いわゆる陰極室加圧状態で運転しているが、異常時に陰極室の圧力が陽極室の圧力より低くなり、両極室の圧力が逆転する可能性があり、この場合にも弾性体が塑性変形して使用が困難という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、イオン交換膜電解槽において、イオン交換膜と陰極との間隔を密着させて運転することが可能であり、陰極室と陽極室の圧力によって圧力の逆転が生じた場合には、両電極室内の圧力が正常に回復した場合には、再度正常な運転が可能である特性に優れたイオン交換膜電解槽を提供することを課題とするものであり、また組立時等において不用意に押圧されて変形しても容易に回復可能なであり、所期の目的を達することが可能なイオン交換膜電解槽を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、イオン交換膜電解槽において、イオン交換膜に密着して陰極が配置されており、陰極と陰極集電体の間には炭素繊維弾性体が配置されて陰極集電体と陰極とが導電接続されたイオン交換膜電解槽によって解決することができる。
また、炭素繊維弾性体には、開口部を設けた前記のイオン交換膜電解槽である。
炭素繊維弾性体には、少なくとも一部に金属をめっきした前記のイオン交換膜電解槽である。
陰極と陰極集電体は、導電性金属部材によって導電接続されている前記のイオン交換膜電解槽である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、陰極と陰極集電体との間に配置した炭素繊維弾性体によって陰極をイオン交換膜に密着させたので、電解槽の組立時、あるいは電解槽運転時に陰極側に加わった圧力によっても炭素繊維弾性体の変形が回復し、所定の圧力でイオン交換膜と陰極とを密着して運転することが可能なイオン交換膜電解槽を提供することが可能であることを見いだしたものである。
また、本発明は、炭素繊維弾性体が網状の金属等に比べて、残留圧縮変形率が小さいという特徴を利用したものであり、しかも導電性も有しているために、陰極と陰極集電体との間で炭素繊維弾性体を通じた導電接続も可能であるという特徴を利用したものである。
【0009】
以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明のイオン交換膜電解槽を一実施例を説明する図であり、断面図である。
イオン交換膜電解槽1は、イオン交換膜2によって、陽極室3、および陰極室4に区画されており、陽極室3には、陽極室隔壁5に取り付けた陽極リブ6によって多孔性の陽極7が配置されており、陰極室隔壁8には、陰極リブ9によって陰極集電体10が取り付けられている。
陰極室内には、陰極集電体10上に炭素繊維弾性体11が装着され、炭素繊維弾性体11には、多数の開口部12が形成されている。炭素繊維弾性体11は多孔性の陰極13に密着し、イオン交換膜2と陰極13とを密着させている。
電気分解の際には、陽極リブ6から陽極7へと通電され、さらに陰極13からは炭素繊維弾性体11、陰極集電体10、陰極リブ9へと通電される。
イオン交換膜電解槽1の陽極室3には、陽極室3の下部の陽極室供給口14から食塩水が供給され、陽極室排出口15からは淡塩水と陽極で生成した塩素が排出される。
【0010】
また、陰極室4には、下部に陰極室供給口16が設けられ、所定の濃度の水酸化ナトリウム水溶液が供給され、陰極室排出口17からは、水酸化ナトリウム水溶液と水素が排出される。
本発明の電解槽においては、陰極13はイオン交換膜2に密着した状態で炭素繊維弾性体11と密着し、陰極集電体10および陰極リブ9を通じて通電されるので、低い電圧によって電気分解が行われる。
以上の説明では、一対の陽極室と陰極室からなる単位イオン交換膜電解槽を説明したが、陽極室隔壁および陰極室隔壁を一体化した複極式の電解槽として同様に構成したものであっても良い。
【0011】
図2は、本発明のイオン交換膜電解槽の説明する分解斜視図である
陽極7、イオン交換膜2、陰極13、炭素繊維弾性体11、陰極集電体10が配置されており、炭素繊維弾性体11には、電解液および発生気体が通流する多数の開口部12が設けられている。これによって、炭素繊維弾性体11の存在によって電解液および発生気体の流通が妨げられることはない。
本発明の電解槽においては、陰極13はイオン交換膜2に密着した状態で炭素繊維弾性体11と密着し、陰極集電体10および陰極リブ9を通じて通電されるので、低い電圧によって電気分解が行われる。
【0012】
本発明において、陽極には、チタン、タンタル、ジルコニウム等の薄膜形成性金属あるいはこれらの合金の表面に、白金族金属、白金族金属の酸化物を含有する電極触媒物質の被覆を形成した陽極を用いることができ、エキスパンデッドメタル、多孔板、網状体等の開口部を有する基体を用いることが好ましい。
また、陰極には、ニッケル、ニッケル合金の多孔体、網状体、エキスパンデッドメタル、あるいはこれらを基体として、表面に白金族金属含有層、ラネーニッケル含有層、活性炭含有ニッケル層等の電極触媒物質の被覆を形成し、水素過電圧を低下させたものを用いることができる。また、陰極集電体には、ニッケル、ニッケル合金等を用いることができる。
【0013】
イオン交換膜には、パーフルオロカルボン酸系陽イオン交換膜、パーフルオロスルホン酸系陽イオン交換膜とパーフルオロカルボン酸系陽イオン交換膜とを積層した陽イオン交換膜等を用いることができる。
【0014】
また、炭素繊維弾性体は、炭素繊維の織布、不織布、フェルト状物等からなるものであり、電極の全面に接触する構造の炭素繊維弾性体の場合には、炭素繊維弾性体に加わる圧力が19.6kPaで炭素繊維弾性体の全面を押圧した後に、圧力を開放した際の残留圧縮変形率が10%以下のものが好ましく、1%以下のものがより好ましい。
【0015】
炭素繊維弾性体は、接触面の大きさによって適切な反発力が得られるものを利用することが必要であるが、一例を挙げれば、その全面をそれぞれ、20%圧縮時の反発力1.96Pa、25%圧縮時の反発力3.92Pa、30%圧縮時の反発力8.34Pa、35%圧縮時の反発力8.35Pa、35%圧縮時の反発力17.7Pa程度のものを用いることが好ましい。
また、炭素繊維弾性体として、電極面と部分的に接触する構造のものを用いる場合には、全面に接触する場合の接触面積に反比例して圧縮時の反発力が大きな炭素繊維弾性体を用いて、全面に接触する場合に電極面に作用する押圧力と同等の力が作用するようにすることが必要である。
本発明のイオン交換膜電解槽に使用可能な炭素繊維弾性体としては、ポリアクリルニトリル系の炭素繊維フェルト(東邦テナックス製ベスファイト)を挙げることができる。
【0016】
また、炭素繊維は、一般には疎水性であるので、表面を親水化処理することが好ましい。親水化処理には、表面の部分的な酸化処理等が挙げられるが、表面にニッケル等の金属をめっき等の方法によって付着させても良い。炭素繊維表面に形成されるニッケル等の金属層の厚さが大きくなると、炭素繊維自体の弾性が損なわれるので、炭素繊維の弾性が大きく低下しないようにわずかにとどめることが必要である。
【0017】
また、炭素繊維の表面にめっき等によってニッケル等の薄膜を形成すると、炭素繊維弾性体の導電性を高めることができるので好ましい。
また、炭素繊維とともに、炭素繊維にニッケル等の金属を被覆した金属被覆繊維、例えば東邦テナックス製ベスファイトMC等を炭素繊維中に配合して作製した炭素繊維弾性体を用いても良い。
【0018】
炭素繊維弾性体には、多数の開口部を設けることが好ましい。開口部を設けることによって陰極で発生した水素が滞留することを防止することができ、陰極近傍の陰極液中での気泡率の上昇による性能の劣化を防止することが可能となる。
開口部の形状は、陰極側から陰極集電体側へ貫通したものであれば任意の断面形状のものを用いることができる。
炭素繊維弾性体に設ける開口部の面積は、炭素繊維弾性体のみかけの面積の10〜90%である。10%よりも小さい場合には、開口部による気泡の滞留防止の効果が不充分なものとなり、また90%よりも大きい場合には通電面積が減少して、電気分解電圧が上昇するので好ましくない。
また、炭素繊維弾性体は、多数個の炭素繊維弾性体を相互の間隔を設けて配置したものでも良い。これによって開口部を形成した炭素繊維弾性体と同様の効果を得ることができる。この場合にも、炭素繊維弾性体の見かけ上の専有面積は10%ないし90%とすることが好ましい。
【0019】
図3は、炭素繊維弾性体の他の例を説明する図である。
図3(A)に示した炭素繊維弾性体11には、溝状凹部21が設けられており、、溝状凹部21の中心軸が縦方向に配置されて装着される。その結果、電気分解で生成した気泡は、溝状凹部21を速やかに上昇することができるので、電解槽内部での電解液の流れを促進することができる。
また、図3(B)は、炭素繊維弾性体11には、溝状凹部21を設けるとともに、開口部22を設けたものである。図3(B)に示した炭素繊維弾性体では、電気分解で生成した気泡は、溝状凹部を上昇するとともに、開口部22から炭素繊維弾性体11の背面へも排出されるので、気泡の滞留を防止することが可能となる。
溝状凹部を設けた炭素繊維弾性体は、例えば、炭素繊維化可能な繊維を用いて、ニードルパンチ等によって不織布を作製し、得られた不織布に有機質バインダーを含有させて溝状凹部の形状を有する金型を用いてプレス成形をした後に炭素繊維化を行うことによって製造することができる。また、溝状凹部に形成する開口部は、溝状凹部を形成した後に打ち抜き加工等によって形成することができる。
また、溝状凹部21の幅、深さおよび相互の間隔等は、炭素繊維弾性体をイオン交換膜および電極に密着した場合に変形をきたし、溝状凹部が形成されることがないように設けることが必要であり、炭素繊維弾性体の特性に応じて決定することができる。
また、以上のような炭素繊維弾性体とともに以下に示すように導電性部材を併用しても良い。
【0020】
図4は、本発明の他の実施例を説明する図であり、陰極の一部部分の断面を示す図である。
図4(A)に示す例では、陰極13と陰極集電体10との間には、炭素繊維弾性体11が間隔を設けて配置されており、炭素繊維弾性体11を取り囲むように配置したニッケル、ニッケル合金等からなる金属製の陰極通電リブ18が設けられている。
陰極通電リブ18は、陰極13と陰極集電体10とを導電接続し、陰極13と陰極集電体10との間の通電する作用を果たしている。
陰極導電リブ18は、ニッケル等の金属の板状体で形成することができる。また、陰極導電タブ18によって電極面への通電が行われ、炭素繊維弾性体によって所定の圧力でイオン交換膜と陰極13との接触が行われるので、陰極導電リブは所定の通電量が確保可能な通電断面積を有する部材とすることが必要である。
また、図4(B)に示す例では、陰極13と陰極集電体10との間には、炭素繊維弾性体11が間隔を設けて配置されており、炭素繊維弾性体11の間には、ニッケル、ニッケル合金等からなる金属製の陰極通電リブ18が設けられている。
陰極導電リブ18は、陰極13と陰極集電体10とを導電接続し、陰極13と陰極集電体10との間の通電する作用を果たしている。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を示し本発明を説明する。
実施例1
電解槽の陽極室隔壁に、陽極リブによって有効電解面積が縦100mm、横100mmの白金族金属酸化物を含有した電極触媒被覆を形成したチタンのエキスパンデッドメタルなる陽極(ペルメレック電極製)を取り付け、また電解槽の陰極室隔壁に、平板状のニッケルバン板からなる陰極リブによってニッケル製エキスパンデッドメタル製陰極集電体を取り付け、陰極集電体上には、硫酸ニッケル21g/l、ホスフィン酸ナトリウム25g/l、乳酸27g/l、プロピオン酸2.2g/l、pH4.5、温度90℃の無電解めっき浴を用いて、表面に化学めっきによって無電解ニッケルめっきを施した縦100mm、横100mmの炭素繊維フェルト(東邦テナックス製ベスファイト)を配置した。
【0022】
ニッケルめっきを施した炭素繊維フェルトは、炭素繊維フェルトの面全体を圧力1.96kPaで押圧した際の圧縮変形率は21%、9.81kPaで押圧した際の圧縮変形率は32%、19.6kPaで押圧した際の圧縮変形率は36%であり、押圧力を取り除いた場合には、ほぼ完全に元の厚さに戻った。
また、炭素繊維フェルトには、直径3.5mmの開口部の216個を均等に設け、開口率は20%であった。
炭素繊維フェルトに接して、線径0.15mm、開口率68%、開口の面積0.49mm2 のニッケル製金網に白金族金属含有電極触媒被覆を形成した陰極を配置し、陽極と陰極との間には、陽イオン交換膜(デュポン社 N−981)を配置してイオン交換膜電解槽を組み立てた。
【0023】
陽極室には、濃度310g/lの食塩水を供給して、陰極室には濃度が水酸化ナトリウム水溶液濃度が32質量%となるように水を供給しながら、電流密度40A/dm2 、温度85℃、陽極室圧力5.9kPa(ゲージ)、陰極室圧力9.8kPa(ゲージ)の条件で電気分解を行った。
2カ月後の電解槽電圧は2.97Vであったが、電気分解を停止し、陰極側に20kPa(ゲージ)の圧力を1分間加えた後に、再度、元の条件で電気分解を行ったところ、電気分解電圧には変化はなかった。
【0024】
比較例1
炭素繊維フェルトに代えて、線径0.08mmのニッケル線を4本まとめて編んだ金網を4枚重ねて1.4cmの間隔で結合してマット状としたニッケル製マットを陰極と陰極集電体との間に配置した点を除き実施例1と同様にして電気分解を行った。
なお、ニッケル製マットは、ニッケルマットの全面を50%圧縮時の弾性率1.18kPa、20%圧縮時の弾性率1.57kPaを有し、電解槽組立時には、50%に圧縮した。
2カ月後の電解槽電圧は2.95Vであったが、電気分解を停止し、陰極側に10kPa(ゲージ)の圧力を1分間加えた後に、再度、元の条件で電気分解を行ったところ、電気分解電圧は3.5Vに上昇した。
【0025】
【発明の効果】
本発明のイオン交換膜電解槽によれば、陰極をイオン交換膜電解槽に密着する手段として、炭素繊維弾性体を用いたので、所定の圧力によってイオン交換膜と陰極とを密着することができ、しかも陰極側に通常状態とは異なる圧力が印加された場合においても、回復不可能な変形を生じることがなく、当初の状態と同様の状態で安定して運転可能なイオン交換膜電解槽を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のイオン交換膜電解槽を一実施例を説明する図である。
【図2】図2は、本発明のイオン交換膜電解槽の説明する分解斜視図である
【図3】図3は、炭素繊維弾性体の他の例を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施例を説明する図であり、陰極の一部部分の断面を示す図である。
【符号の説明】
1…イオン交換膜電解槽、2…イオン交換膜、3…陽極室、4…陰極室、5…陽極室隔壁、6…陽極リブ、7…陽極、8…陰極室隔壁、9…陰極リブ、10…陰極集電体、11…炭素繊維弾性体、12…陰極、13…開口部、14…陽極室供給口、15…陽極室排出口、16…陰極室供給口、17…陰極室排出口、18…陰極通電リブ、21…溝状凹部、22…開口部

Claims (4)

  1. イオン交換膜に密着して陰極が配置されたイオン交換膜電解槽において、陰極と陰極集電体の間には炭素繊維弾性体が配置されて、炭素繊維弾性体によって陰極をイオン交換膜に密着したことを特徴とするイオン交換膜電解槽。
  2. 炭素繊維弾性体には、開口部を設けた請求項1記載のイオン交換膜電解槽。
  3. 炭素繊維弾性体には、少なくとも一部に金属をめっきしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のイオン交換膜電解槽。
  4. 陰極と陰極集電体は、導電性金属部材によって導電接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のイオン交換膜電解槽。
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