JP2003138327A - 亜鉛アンチモン化合物焼結体及びその製造法 - Google Patents

亜鉛アンチモン化合物焼結体及びその製造法

Info

Publication number
JP2003138327A
JP2003138327A JP2001331628A JP2001331628A JP2003138327A JP 2003138327 A JP2003138327 A JP 2003138327A JP 2001331628 A JP2001331628 A JP 2001331628A JP 2001331628 A JP2001331628 A JP 2001331628A JP 2003138327 A JP2003138327 A JP 2003138327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
sintering
pressure
zinc
sintered body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001331628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3704556B2 (ja
Inventor
Atsushi Yamamoto
淳 山本
Toshitaka Ota
敏隆 大田
Hiroyuki Takazawa
弘幸 高澤
Tetsuko Ri
哲虎 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2001331628A priority Critical patent/JP3704556B2/ja
Publication of JP2003138327A publication Critical patent/JP2003138327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3704556B2 publication Critical patent/JP3704556B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】特定の温度及び圧力の条件下に加圧焼結を行
い、その結果、合成時に不可避的に発生する残留応力が
低減され、クラックが存在せず、かつ、機械的強度の大
きな亜鉛アンチモン化合物(β-Zn4Sb3)焼結体及びそ
の製造法の提供 【解決手段】Zn及びSb各成分からなり、その割合が
モル比で4対3である混合された原料を、真空封入下に
650〜700℃程度の温度下に溶融凝固させてβ-Zn4
Sb3としこれを粉砕して粉体とし、次に圧力範囲が50MPa
以上100MPa以下であり、かつ焼結温度が450℃以上、500
℃以下の条件下の一定条件下に維持して緻密化処理を行
い、終了後、焼結温度がその温度の95%に到達する前
迄に、前記圧力を解除することにより得られるβ-Zn4Sb
3焼結体及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,亜鉛アンチモン化
合物焼結体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱エネルギーを電気エネルギーに、或い
は電気エネルギーを熱エネルギーに変換させる熱電変換
モジュールは、エネルギー変換モジュルールとして注目
されている。このモジュールを利用した熱電発電を行う
ための機構は、図1に示されている。熱電発電は、熱電
発電モジュールを片方に熱を供給し、高温温度側部分を
形成させ、他方の低温温度側部分から熱を放熱させ、貫
流する熱の一部を電気として取り出すことにより、発電
を行う発電方式である。熱電発電には、p型材料とn型材
料が使用される。発電変換効率は、各材料の性能を表す
下式により決定される。 ここで、TH、TLは、高温部温度、低温部温度及びそれらの平均温度であ
り、Zは材料の性能指数(単位はK-1)である。Zの値が
高いほど、熱電発電の変換効率は高くなる。この熱電変
換効率により、熱電発電の性能は定まる。この材料の一
つとして、亜鉛アンチモン化合物が知られており、具体
的には、β-Zn4Sb3 が良好であることが知られてい
る。図2は、各材料の熱電材料の性能指数と温度との関
係を示すものである。β-Zn4Sb3は、500Kから700Kの間
で、他の材料に比較して高い性能指数Zの値を示してお
り、発電用材料として高いポテンシャルを有しているこ
とがわかる。従来、β-Zn4Sb3 緻密固体は、通常の均
一に加熱を行う溶融法では合成できないとされている。
図3は、Zn−Sbの状態図である。この状態図を見る
と、β相は調和溶融せず、他の相を生成しながらγ相を
生成、より低温でβ相となっていることがわかる。ま
た、単相として得る事が難しいこともわかる。また、単
相に類似する、性能の良い材料が得られたとしても、γ
相からβ相への相変態温度が492℃であり、冷却時に
体積変化を経験することから、内部に気泡やクラックが
多量に存在し、機械的に非常に弱いために、熱電発電モ
ジュールとして使用することは不可能である。このよう
な事情で、確実に均質な材料を得るためには、亜鉛及び
アンチモンの各単体元素の混合粉体を300℃〜400
℃という低い温度で、長時間かけて固相反応を進める
か、もしくは、不均一な溶融凝固試料を一度粉砕し、長
時間かけて上記温度で熱処理する事が必要とされるこが
考えられる。上記各材料は粉体であるため、通常は加圧
焼結を行い、密度を上げて、機械的に丈夫な材料からな
る素子を製造し、熱電発電に利用する。このようなこと
から、例えば、400℃、35MPaという条件で、一軸
加圧の放電プラズマ焼結により、焼結体を合成すること
は可能である。しかしならが、上記焼結体でも、焼結体
内部に微細なクラックが多く発生する事が報告されてお
り、焼結体は機械的な特性を測定する事が困難なほどに
脆弱であり、熱電発電モジュールに利用するために十分
な強度が得られない。また、場合によっては焼結装置か
ら取り出した状態で、割れてしまうなど、機械的な信頼
性に乏しい状態にある。このようなことから、β-Zn4Sb
3に関し、内部に気泡やクラックが多量に存在せず、機
械的に十分な強度がある、熱電発電モジュールに使用す
ることができる焼結材料及びその製法が求められてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は,特定
の温度範囲及び圧力範囲に含まれる一定条件下に加圧焼
結を行い、製造時に不可避的に発生する残留応力が低減
され、クラックが存在しない、かつ、機械的強度の大き
な亜鉛アンチモン化合物(β-Zn4Sb3)焼結体及びその
製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは,前記課題を研究
し、Zn及びSb各成分の組み合わせからなり、その割
合がモル比で4対3である混合された粉体を、真空下に
650〜700℃の温度範囲下に溶融凝固させてβ-Zn4
Sb3とし、これを粉砕して粉体とし、次に圧力範囲が50M
Pa以上100MPa以下であり、かつ焼結温度範囲が450℃以
上、500℃以下の、一定条件下に、緻密化処理を行い、
終了後、温度が焼結温度の95%に到達する前迄に、焼
結圧力を解除することにより得られるβ-Zn4Sb3焼結体
は、このような圧力を解除せずに、冷却を続けて得られ
た従来の焼結体に見られた、不可避的に発生する残留応
力が低減され、クラックが存在しない、機械的強度の大
きな亜鉛アンチモン化合物(β-Zn4Sb3)焼結体である
ことを実験的に見出して、本発明を完成させた。
【0005】本発明によれば、以下の発明が提供され
る。 (1)Zn及びSb各成分の組み合わせからなり、その
割合がモル比で4対3である混合された粉体を真空封入
後、650〜700℃程度の温度下に溶融凝固させてβ
-Zn4Sb3とし、これを粉砕して粉体とし、次に圧力範囲
が50MPa以上100MPa以下であり、かつ焼結温度範囲が450
℃以上、500℃以下の、一定条件下に、緻密化処理を行
い、終了後、焼結温度がその温度の95%に到達する前
迄に、前記圧力を解除することにより得られるものであ
ることを特徴とするβ-Zn4Sb3焼結体。 (2)Zn及びSb各成分の組み合わせからなり、その
割合がモル比で4対3である混合された粉体を真空封入
後、650〜700℃程度の温度下に溶融凝固させてβ-
Zn4Sb3とし、これを粉砕して粉体とし、次に圧力範囲が
50MPa以上100MPa以下であり、かつ焼結温度範囲が450℃
以上、500℃以下の、一定条件下に緻密化処理を行い、
終了後、温度が焼結温度の95%に到達する前迄に、前
記圧力を解除することを特徴とするβ-Zn4Sb3焼結体の
製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明によれば、焼結体の原料に
は、亜鉛とアンチモンの高純度原料を用いる。原料の純
度は99.9%以上、望ましくは99.99%以上、よ
り望ましくは99.999%の原料を用いる。これら
は、1mm〜5mm程度の固体の粉体状であることが一
般的であり、形状に特に指定はない。
【0007】各原料の固体を、亜鉛とアンチモンの割合
がモル比で4対3となるように秤量し、できるだけ均一
になるように混合する。この亜鉛とアンチモンのモル比
は、亜鉛を過剰量に用いるようにしても差し支えない。
亜鉛の使用量を、あまりに過剰とすることは,亜鉛の影
響を無視することができなくなり、好ましくない。この
ようなことから、通常、亜鉛の使用量を3%以内であれ
ば,良好な結果を得ることができる。したがって、この
程度の範囲内であれば,適宜採用することができる。回
転式或いはボールミルなどの混合機により混合した後
に,ガラス製の容器内に入れ、真空ポンプにより内部の
ガスを引き、容器内を真空状態として封じ切る。ガラス
製の容器を高温保持が可能な炉中に静置し、650〜7
00℃の範囲の温度で、原料の固体の溶融混合を進行さ
せる。通常5時間から10時間程度の溶融を行い、通常
毎分1℃程度の割合で除冷し、β-Zn4Sb3を製造する。
凝固させたβ-Zn4Sb3インゴットを取り出した後、空気
等の酸化性ガスが存在しない空間で、粉砕し、粉粒体と
する。
【0008】このようにして得られる、粉粒体のβ-Zn4
Sb3の焼結処理を行う。焼結操作は,圧力範囲が50MPa以
上100MPa以下であり、かつ焼結温度範囲が450℃以上、5
00℃以下の、一定の温度及び圧力条件下に行う緻密化処
理である。この焼結操作を行う装置には,加圧及び加熱
するための手段を有するものが用いられる。簡便には、
一軸加圧式のホットプレスが用いられるが、より大型で
均質な焼結を目指す場合には等方的な加圧方式であるH
IP焼結も利用される。焼結操作の温度・圧力のプロフ
イルは図5に示すとおりである。最高温度に達するまで
の昇温速度は、10〜20℃/min.の範囲に設定さ
れる。焼結操作のための一定温度(450〜500℃)
に到達したあとは,この温度を一定に保つように制御さ
れる。焼結操作に要する時間は、焼結温度との組み合わ
せに応じて適宜決定する。焼結温度に高い温度を採用し
た場合には、焼結時間は短く、また焼結温度に低い温度
を採用した場合には、緻密化処理に要する時間は長くな
る。具体的には、450℃の焼結温度においては、8〜
10時間の範囲で行われることが望ましい。また、50
0℃の焼結温度においては、2〜4時間の範囲で行われ
ることが望ましい。焼結操作が終了した後に、放置して
冷却操作を開始する。冷却速度は、10℃から20℃/
min.の範囲である。全体の温度が焼結温度の95%
の温度となる前迄に、焼結操作の圧力を解除する。この
全体温度は重要な意味をもつ。この温度を過ぎて圧力を
解除したのでは,残留応力が低減されていない状態で、
クラックが生じてしまったりして、効果を達成すること
ができない。
【0009】本発明により得られる焼結体は、従来の加
圧焼結による焼結体の合成時に見られた不可避的に発生
する残留応力が低減され、クラックの存在しない、機械
的強度の大きな亜鉛アンチモン化合物(β-Zn4Sb3)焼
結体である。
【0010】
【実施例】以下に,本発明について実施例により更に説
明する。本発明はこの実施例により限定されるものでは
ない。 実施例1 亜鉛、アンチモン各粉体(粒度100メッシュ以下)か
らなる原料粉体を、亜鉛1.333:アンチモン1.000のモル
比となるように秤量し、ガラス製アンプル中に10−2
Torrの真空下に封入し、マッフル炉の中央に静置した。
650℃で、10時間にわたり加熱溶融した後、開封し
てインゴットを取り出し、アルゴンガスを満たしたグロ
ーブボックス内で乳ばちにより粉砕した。このようにし
て、原料となるβ−Zn4Sb3化合物の粉粒体を合成した。
上記粉体を、グラファイト製の一軸加圧プレス用のダイ
スに充填した。この実施例では、直径15mmφの円筒形
のダイスであり、上下からグラファイト製のパンチで加
圧する仕組みとなっている。粉粒体は、焼結体の仕上が
りの状態で厚さ3mm程度となるように秤量し、充填し
た。このダイスを1軸加圧式のホットプレス装置にセッ
トし、アルゴンガス雰囲気内でダイス温度470℃、8
時間、100MPaの条件で焼結した。室温から470℃
までの昇温速度は15℃/min.とした。この条件下に、
8時間にわたる焼結操作の結果、密度を十分に緻密化さ
せることができた。そして、焼結操作が終了後、速やか
に、焼結圧力を除いた状態とし、その後、15℃/min.
で除冷を開始した。このことで、加圧軸方向への体積膨
張の自由度が許され、内部応力が緩和されるることとな
った。この焼結操作条件で得られた焼結体の密度は6.32
g/cm3まで上がっており、顕微鏡観察によってもクラッ
クが発見されず、室温における抵抗率が2〜3×10-5Ω
m、ゼーベック係数が120μV/K、熱伝導率が0.92W/mK
と、良好な熱電特性を有することが確認できた。
【0011】実施例2 実施例1の焼結方法の有効性を確認するために、実施例
1と全く同様の方法により、焼結操作により緻密化処理
を行い、焼結時と同じ100MPaの圧力をかけ続けた状
態で、除冷を行って得られた焼結体の写真を図4aに示
す。比較のため、本発明の実施例1により得られた焼結
体を図4bに示す。圧力をかけ続けた状態で除冷した焼
結体は、ダイスから取り出した時点で無数のクラックを
有しており、わずかな力で簡単に破砕された。このた
め、実用化は困難であると考えられた。実施例1で得ら
れた焼結体は、研削砥石による、厚み1mm以下の切り
出し作業やメッキ作業にも全く破砕する事なく、実用化
に必要な強度を有している事が確認できた。
【0012】実施例3 本発明のクラックの発生を抑制する機構の知見、及び焼
結条件の有効範囲を得ると共に、冷却時のどの時点でク
ラックが発生するかのを調べるため、以下の実験を行っ
た。実施例1のように焼結温度を470℃とした場合、
8時間の緻密化工程終了後に除冷を開始し、異なる3種
類の温度に到達した時点で、圧力を解除する実験を行っ
た。すなわち図5に見るように、450℃、430℃、
400℃、室温までダイス温度が下がるまでは圧力を解
除しないという条件で焼結操作を行った。冷却の速度
は、実施例1、2と同様に15℃/min.とした。実験の結
果、表1に見るように、450℃(焼結温度の、ほぼ9
5%に相当)では機械的強度に優れた焼結体が得られた
が、430℃、400℃、室温になるまで加圧を続ける
と実用性のない、脆い焼結体となる事が分かる。これら
の実験より、本発明で主張する圧力の解除は、冷却が開
始されてからダイス温度が450℃に至る前に行う必要
がある事が分かる。
【0013】
【表1】
【0014】比較例1 本発明における焼結時の冷却速度の影響を調べるため
に、以下の実験を行った。実施例1と同様のダイスを使
用して、焼結温度を500℃とし、この温度からの冷却
速度を5℃/min.および1℃/min.として冷却を行った。
いずれの場合も、焼結圧力は100MPaとし、ダイス温
度が室温になるまで圧力を加え続けた。この結果、得ら
れた焼結体はいずれもクラックを有し、簡単に破砕され
てしまうほどに、脆い焼結体であることが確認された。
つまり、冷却速度を小さくしても、クラック発生の抑制
効果はない事が分かる。このことは、クラック発生の機
構が、緻密化終了後の冷却時に発生する焼結体内の温度
分布による熱歪みに帰因するものではない事を裏付けて
いる。
【0015】実施例4 亜鉛アンチモン化合物の焼結条件と熱電特性の関係を調
べるために、温度、圧力、時間を変化させた焼結実験を
行った。実験の結果、表2に示す通り焼結温度は、少な
くとも450℃以上、500℃未満で、熱起電力が高
い、良好な特性が得られる事が明らかである。試料の密
度が6.0g/cm3以上のサンプルが必要であり、少なくとも
50MPa以上の加圧が必要であることが理解できる。ま
た、1200MPaといった大きな圧力は、緻密化には寄
与するものの、製造された焼結体の熱起電力は極めて小
さくなる。X線回折実験によれば、この焼結体は異なる
結晶構造になっており、従って、過剰な加圧は高い性能
を持つ熱電材料の製造に相応しくない。したがってこの
実験では、性能を維持する適正な圧力範囲は50〜100MPa
であると言える。
【0016】
【表2】
【0017】実施例5 次に,亜鉛の使用量を多くした場合の結果について述べ
る。亜鉛とアンチモンの配合比率が異なる試料に本発明
を適用した実施例は、次のとおりである。亜鉛1.333モ
ルに対してアンチモンを1.000モル秤量して、実施例1
の方法に従い、混合粉砕、固相反応、及びホットプレス
焼結を行った試料の他、原料出発組成をそれぞれ、1
%、2%、3%亜鉛を過剰に添加した試料を、前記実施
例1の同様の方法で、合成及び焼結操作を行った。亜鉛
を前記の量を過剰に添加した試料においても、実施例1
と同様に、本発明を適用する事で、焼結体にクラックの
発生は認められず、機械的強度に優れているという結果
が得られた。このことから、3%以内であれば,亜鉛を
過剰に使用しても差し支えないということができる。
【0018】参考例6 次に、本発明の亜鉛アンチモン化合物にカドミウムを添
加するときに、どのような結果が得られるかについての
参考例を述べる。亜鉛1.333モルに対してアンチモンを
1.000モル秤量するところ、アンチモンの0.050〜最大0.
300モル分をカドミウムに置き換えて実験を行った。実
施例1の要領に従い、それぞれ、混合粉砕、固相反応、
ホットプレス焼結をおこなった。これらの焼結体試料製
造に本発明を適用する事で、クラックの発生は認められ
ず、機械的強度に優れている試料の製造が可能となっ
た。また対比実験として、亜鉛1.333モル、アンチモン
0.85モル、カドミウム0.15モルの比率で秤量、合成を開
始した試料をホットプレス焼結し、このとき、実施例1
とは異なる条件、すなわち、試料緻密化終了後に室温ま
で冷却する際も圧力をかけ続けていた場合、出来上がっ
た焼結体試料にはクラックが入り、容易に破砕する脆い
試料となった。このことから、カドミウムを添加した亜
鉛アンチモン化合物においても本発明が有効である事が
分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明により得られる焼結体は、従来の
加圧焼結により得られる焼結体の合成時に不可避的に発
生する残留応力が低減され、クラックの存在しない、機
械的強度の大きな亜鉛アンチモン化合物(β-Zn4Sb3
焼結体を得ることができる。そして、この焼結体は熱電
特性、および機械的な特性に優れた亜鉛アンチモン化合
物焼結体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電変換素子及び熱電変換素子を用いた熱電発
電の原理図
【図2】熱電材料の性能指数
【図3】Zn−Sb系状態図
【図4】焼結体を示す図
【図5】本発明の焼結の温度/圧力のプロフイルを示す
【図6】実施例3による焼結の温度/圧力のプロフイル
を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 李 哲虎 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 Fターム(参考) 4K017 AA04 BA09 DA09 EA03 4K018 AA40 AD20 BA20 BC02 BC06 EA06 EA51 EA60 KA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn及びSb各成分の組み合わせからな
    り、その割合がモル比で4対3である混合された粉体を
    真空封入後、650〜700℃程度の温度下に溶融凝固
    させてβ-Zn4Sb3とし、これを粉砕して粉体とし、次に
    圧力範囲が50MPa以上100MPa以下であり、かつ焼結温度
    範囲が450℃以上、500℃以下の、一定条件下に維持する
    ことにより緻密化処理を行い、終了後、温度が焼結温度
    の温度95%に到達する前迄に、前記圧力を解除するこ
    とにより得られることを特徴とするβ-Zn4Sb3焼結体。
  2. 【請求項2】Zn及びSb各成分の組み合わせからな
    り、その割合がモル比で4対3である混合された粉体を
    真空封入後、650〜700℃程度の温度下に溶融凝固
    させてβ-Zn4Sb3とし、これを粉砕して粉体とし、次に
    圧力範囲が50MPa以上100MPa以下であり、かつ焼結温度
    が450℃以上、500℃以下の一定条件下に維持して緻密化
    処理を行い、終了後、温度が焼結温度の95%に到達す
    る前迄に、前記圧力を解除することを特徴とするβ-Zn4
    Sb3焼結体の製造方法。
JP2001331628A 2001-10-29 2001-10-29 亜鉛アンチモン化合物の製造法 Expired - Lifetime JP3704556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001331628A JP3704556B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 亜鉛アンチモン化合物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001331628A JP3704556B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 亜鉛アンチモン化合物の製造法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005165369A Division JP4123388B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 亜鉛アンチモン化合物焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003138327A true JP2003138327A (ja) 2003-05-14
JP3704556B2 JP3704556B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=19147162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001331628A Expired - Lifetime JP3704556B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 亜鉛アンチモン化合物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3704556B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1728880A1 (en) * 2005-05-31 2006-12-06 Aarhus Universitet Improved p-type thermoelectric materials, a process for their manufacture and uses thereof
KR101104386B1 (ko) * 2010-02-08 2012-01-16 한국전기연구원 Zn₄Sb₃열전재료의 제조방법
JP2012256759A (ja) * 2011-06-09 2012-12-27 Furukawa Electric Co Ltd:The クラスレート化合物および熱電変換材料ならびに熱電変換材料の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1728880A1 (en) * 2005-05-31 2006-12-06 Aarhus Universitet Improved p-type thermoelectric materials, a process for their manufacture and uses thereof
US8003002B2 (en) 2005-05-31 2011-08-23 Aarhus Universitet P-type thermoelectric materials, a process for their manufacture and uses thereof
US8524106B2 (en) 2005-05-31 2013-09-03 Aarhus Universitet P-type thermoelectric materials, a process for their manufacture and uses thereof
KR101104386B1 (ko) * 2010-02-08 2012-01-16 한국전기연구원 Zn₄Sb₃열전재료의 제조방법
JP2012256759A (ja) * 2011-06-09 2012-12-27 Furukawa Electric Co Ltd:The クラスレート化合物および熱電変換材料ならびに熱電変換材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3704556B2 (ja) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101365251B1 (ko) 알루미늄ㆍ마그네슘ㆍ규소 복합재료 및 그 제조 방법, 그리고 이 복합재료를 이용한 열전변환 재료, 열전변환 소자, 및 열전변환 모듈
KR101418076B1 (ko) 마그네슘-규소 복합재료 및 그 제조방법, 그리고 이 복합재료를 이용한 열전변환 재료, 열전변환 소자, 및 열전변환 모듈
US8480783B2 (en) Sintered porous metal body and a method of manufacturing the same
US10662507B2 (en) Method for producing a thermoelectric material
JP5737566B2 (ja) マグネシウムシリサイド焼結体の製造方法及びそれを用いた熱電変換素子の製造方法
TW201829299A (zh) 高純度氮化矽粉末之製造方法
JP7137963B2 (ja) 半導体焼結体、電気・電子部材、及び半導体焼結体の製造方法
KR100727391B1 (ko) Bi­Te계 p형 열전재료의 제조방법
JP5356991B2 (ja) チタンシリコンカーバイドセラミックスの製造方法
JP4123388B2 (ja) 亜鉛アンチモン化合物焼結体
KR20160077628A (ko) 균일한 열전특성을 갖는 열전소재 제조방법
JP2003138327A (ja) 亜鉛アンチモン化合物焼結体及びその製造法
JP3564541B2 (ja) 亜鉛アンチモン化合物焼結体及びその製造法
JP6560061B2 (ja) 熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュールおよび熱電変換材料の製造方法
JP2003138332A (ja) 亜鉛、アンチモン及びカドミウムからなる化合物の焼結体及びその製造方法
JP3704555B2 (ja) 亜鉛、アンチモン及びカドミウムからなる化合物焼結体及びその製造法
JP7449549B2 (ja) 熱電素子及びその製造方法
JP2001270710A (ja) クラスレート化合物の製造方法
WO2021193481A1 (ja) 熱電変換素子の製造方法
TW201718900A (zh) 合金材料與其製造方法、以及熱電轉換元件
JP2022128718A (ja) 熱電材料及び熱電素子の製造方法
JP2021036579A (ja) 熱電変換材料及びその製造方法
CN118004977A (zh) 碲化铋基合金及其加工方法
JP2006037149A (ja) 熱電変換材料用原料、熱電変換材料の製造方法、および熱電変換材料
JP5240000B2 (ja) 熱電変換材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3704556

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term