JP2003138157A - 新規結晶型クロロガリウムフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

新規結晶型クロロガリウムフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体

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JP2003138157A
JP2003138157A JP2001338160A JP2001338160A JP2003138157A JP 2003138157 A JP2003138157 A JP 2003138157A JP 2001338160 A JP2001338160 A JP 2001338160A JP 2001338160 A JP2001338160 A JP 2001338160A JP 2003138157 A JP2003138157 A JP 2003138157A
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Junko Watabe
純子 渡部
Toyoji Ohashi
豊史 大橋
Mamoru Rin
護 臨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度であり、電荷保持率、繰り返しの電位
安定性に優れた電子写真感光体及び、それに使用する電
荷発生材料を提供する。 【解決手段】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクト
ルにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3°)=7.5
°、11.2°、14.6°、及び26.4にピークを
示す結晶型クロロガリウムフタロシアニン及びそれを用
いた電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な結晶型を有
するクロロガリウムフタロシアニン、及びこのクロロガ
リウムフタロシアニンを感光層に含有する電子写真感光
体に関する。本発明に係るクロロガリウムフタロシアニ
ンを用いた電子写真感光体は、プリンター、ファクシミ
リ、複写機などに用いるのに好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の白色光の代わりにレーザー
光を光源とし、高速化、高画質、ノンインパクト化を利
点としたレーザープリンターが広く普及しようとしてい
る。レーザープリンターの主流をなすのは、近年進展が
著しい半導体レーザーを光源とするものであり、従って
その光源波長である780nm前後の長波長光に対して
高感度な特性を有する感光体が強く望まれている。この
ような状況で、感光材料として最も有望視されているも
のの一つはフタロシアニン化合物である。何故ならば、
フタロシアニン化合物は、比較的容易に合成でき、60
0nm以上の長波長域に吸収ピークを有しており、かつ
中心金属や結晶形により分光感度が変化するからであ
る。そして半導体レーザーの波長域で高感度を示すもの
も知られている。
【0003】今迄にもチタンオキシフタロシアニン、銅
フタロシアニン、無金属フタロシアニン、クロロインジ
ウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ク
ロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン等を用いた電子写真感光体が報告されてい
る。一般に、フタロシアニン化合物は、製造方法、処理
方法の違いにより、いくつかの結晶型を示し、この結晶
型の違いはフタロシアニン化合物の光電変換特性に大き
な影響を及ぼすことが知られている。
【0004】クロロガリウムフタロシアニン及びそれを
用いた電子写真感光体に関しても、特開平5−9818
1号公報、特開平6−93203号公報、特開平7−2
47411号公報、特開平11−35482号公報に記
載があり、数種の結晶型が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に電子写真感光体
用のフタロシアニンとしては、高感度で帯電性に優れ、
しかも高温高湿環境下・低温低湿環境下においても感度
の変動が少なく、かつ、繰り返し使用に対して安定なも
のが望まれるが、上記特許公開公報記載のクロロガリウ
ムフタロシアニンはこれらのすべてを満足できるまでに
は至っていない。従って本発明は、電子写真感光体に用
いた場合に、高感度でしかも環境の影響を受けにくく、
繰り返し使用特性も良好な新規結晶型クロロガリウムフ
タロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る新規結晶型
クロロガリウムフタロシアニンは、Cu−Kα線に対す
るX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ(±
0.3°)=7.5°、11.2°、14.6°及び2
6.4°の位置にピークを示すクロロガリウムフタロシ
アニンである。また本発明に係る電子写真感光体は、導
電性支持体上にこの新規結晶型クロロガリウムフタロシ
アニンを含有する感光層を有することを特徴とするもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る結晶型クロロガリウムフタロシアニンは、
既述した従来公知の結晶型クロロガリウムフタロシアニ
ンとは全く異なる結晶型を有するものであって、Cu−
Kα線に対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ
角2θ(±0.3°)=7.5°、11.2°、14.
6°及び26.4°の位置にピークを有するものであ
る。なお、その他の位置、例えば10.4°、15.0
°、17.5°、31.1°にもピークを有することが
ある。また、ピーク強度、位置等は製造条件の微妙な違
い、結晶配向性の違い、X線回折スペクトルの測定手法
の差異などにより多少変動することがある。
【0008】本発明に係る結晶型のクロロガリウムフタ
ロシアニンは、従来のクロロガリウムフタロシアニンの
ベンゼン核部分に置換基を導入することにより得ること
ができる。置換基の導入により、結晶中におけるフタロ
シアニン分子のスタッキング状態が変わり、本発明に係
る新規な結晶型のクロロガリウムフタロシアニンとなる
と推定される。なお、本発明で規定するX線回折スペク
トルを有する結晶は、通常は単一のクロロガリウムフタ
ロシアニンから成っているが、置換基の種類や数などが
異なるいくつかのクロロガリウムフタロシアニンから成
るものであっても良い。更にはX線回折スペクトルの規
定が満足される限り、他のフタロシアニンが混入してい
ても良い。
【0009】ベンゼン核部分に導入する置換基として
は、アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、水酸基又はハロゲン原子等が挙げられる。フタロシ
アニンには4個のベンゼン核が存在するが、置換基は少
なくとも1個のベンゼン核に存在すればよく、また全て
のベンゼン核に存在していても良いと考えられる。すな
わち本発明に係る新規な結晶型を構成するクロロガリウ
ムフタロシアニンは、1〜16個の置換基を有し得ると
考えられる。通常は各ベンゼン核にそれぞれ1個又は2
個の置換基を有するもの、特にすべてのベンゼン核が同
一の置換ベンゼン核であるクロロガリウムフタロシアニ
ンが好ましい。置換基としてはアルキル基又はアルコキ
シ基であって、かつ置換基の炭素数の合計が16以下の
ものが好ましい。置換基の合計炭素数が大きすぎると、
クロロガリウムフタロシアニンの有機溶媒への溶解性が
高くなり、感光体の製造に際し好ましくないからであ
る。最も好ましいクロロガリウムフタロシアニンは、4
個のベンゼン核のそれぞれに1個又は2個のメチル基を
有するクロロガリウムフタロシアニンである。なお、本
発明においてX線回折スペクトルは、下記条件で測定し
たものである。
【0010】
【表1】 X線 Cu Kα1 電圧 40KV 電流 30mA スタート角度 3.00deg ストップ角度 40.00deg ステップ角度 0.05deg 測定時間 0.50sec/step
【0011】本発明に係る結晶型クロロガリウムフタロ
シアニンは、対応するフタロニトリルを原料として、従
来公知のクロロガリウムフタロシアニン合成法と同様の
方法で製造することができる。また、2種以上のフタロ
ニトリルを用いることにより、構造の異なるクロロガリ
ウムフタロシアニンの集合体として製造することもでき
る。原料のフタロニトリルの合成は、一般的には、対応
するフタル酸無水物から合成すればよい。また、本発明
に係る結晶型クロロガリウムフタロシアニンは、対応す
るフタル酸無水物からワイラー法によって合成すること
もできる。
【0012】本発明に係る結晶型クロロガリウムフタロ
シアニンは、公知の顔料化方法を用いて結晶状態を調整
することにより、より光導電材料として特性の優れたも
のとすることができる。例えば、硫酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸等のフタロシアニンを溶解する無
機酸、又は有機酸に溶解し生成した溶液を、水、アルコ
ール等の貧溶剤に注入して結晶を析出させるアシッドペ
ースティング法やアシッドスラリー法、ボールミル、ア
トライター、サンドミル、ペイントシェカー等で機械的
に摩砕する方法により粒子を微細化し、アモルファスに
近い結晶状態とした後、有機溶剤で処理することにより
再び結晶を成長させる方法を用いることができる。本発
明に係る結晶型クロロガリウムフタロシアニンが電荷発
生材料として優れた効果を発揮する理由は必ずしも明確
ではないが、以下のようなことが推定される。
【0013】本発明に係る結晶型クロロガリウムフタロ
シアニンは、フタロシアニンのベンゼン核の置換基の影
響で、従来のクロロガリウムフタロシアニンよりも分子
間の距離が大きく、より緩やかなスタッキング状態の結
晶となっており、且つ結晶の凝集状態も異なるものと考
えられる。そしてこのことが光導電材料として特性の優
れていることに関係しているものと考えられる。次に、
本発明に係る結晶型クロロガリウムフタロシアニンを光
導電材料として使用した電子写真感光体について説明す
る。
【0014】本発明に係る電子写真感光体は、導電性支
持体上に上記の結晶型クロロガリウムフタロシアニンを
含有する感光層を有している。感光層は単層型構造から
なるものであっても、あるいは電荷発生層及び電荷輸送
層からなる積層型構造であっても良い。また、導電性支
持体と感光層との間に下引き層を形成しても良く、単層
型構造では感光層上に、積層型構造では電荷輸送層上に
更に表面保護層を設けていても良い。
【0015】導電性支持体としては、従来より電子写真
感光体に使用し得ることが知られているものならば、い
ずれも用いることができる。例えば、アルミニウム、
銅、ニッケル等の金属のドラム、シート、又はこれら金
属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。さらに、金
属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等
の導電物質を適当なバインダーと共に塗布して導電性を
付与したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、
紙等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラッ
ク、炭素繊維等の導電性物質を含有していて導電性を示
すプラスチックシートやドラム又は酸化スズ、酸化イン
ジウム等の導電性金属酸化物層を表面に有するプラスチ
ックフィルムなどが挙げられる。
【0016】下引き層は、導電性支持体からの不必要な
電荷の注入を阻止するために有効であり、感光層の帯電
を高める作用がある。さらに、感光層と導電性支持体と
の密着性を高める作用もある。下引き層を構成する材料
としては、アルミニウム陽極酸化皮膜、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、表面処理酸化チ
タン等の無機物、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、
ゼラチン、デンプン類、ポリウレタン、ポリイミド、ポ
リアミド等の有機物、その他、有機ジルコニウム化合
物、チタニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシ
ド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング
剤等が挙げられる。下引き層の膜厚は0.1〜20μm
の範囲が好ましく、0.1〜10μmの範囲で使用する
のが最も効果的である。
【0017】電子写真感光体が積層型構造を有する場
合、電荷発生層は上述の結晶型クロロガリウムフタロシ
アニン及び結着樹脂から構成される。クロロガリウムフ
タロシアニンの他にさらに他の電荷発生物質を併用して
も良い。このような電荷発生物質としては、例えばこの
用途に公知のフタロシアニン系化合物、アゾ化合物、ア
ントラキノン系化合物、ペリレン系化合物、多環キノン
系化合物、スクアリック酸メチン系化合物等が挙げられ
る。
【0018】電荷発生層の結着樹脂は広範な絶縁性樹脂
から選択することができる。好ましい結着樹脂として
は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アク
リルアミド、アクリロニトリル、ビニルアルコール、エ
チルビニルエーテル、ビニルピリジン等のビニル化合物
の重合体及び共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホ
ン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレ
タン、セルロースエステル、セルロースエーテル、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂、アルキッド樹脂、ポリアリレー
ト等が挙げられる。
【0019】電荷発生層は、上記の結着樹脂を有機溶剤
に溶解した溶液に、本発明に係る結晶型クロロガリウム
フタロシアニンを分散させて塗布液を調製し、それを導
電性支持体上に塗布し、乾燥することによって形成する
ことができる。分散は、例えば、ボールミル、サンドグ
ラインドミル、遊星ミル、ロールミル、ペイントシェー
カー等を用いて常法により行えばよい。なお、分散に際
しフタロシアニンの一部は塗布液に溶解することもあ
る。分散は、フタロシアニンのX線回折スペクトルが処
理前よりもブロードになるように行うのが好ましい。塗
布液中のフタロシアニンをこのようにすることにより、
得られる感光体の特性をよりすぐれたものとすることが
できる。結晶型クロロガリウムフタロシアニンと結着樹
脂との割合は、特に制限されないが、フタロシアニン1
00重量部に対して結着樹脂1〜1000重量部、好ま
しくは10〜400重量部の範囲である。フタロシアニ
ンの組成比率が上記範囲より著しく高い場合には、塗布
液の安定性が低下する傾向にあり、著しく低い場合に
は、残留電位が高くなる傾向にある。
【0020】使用する有機溶剤としては、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリ
クロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、
酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の
アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等
が挙げられる。
【0021】塗布は、ディップコーティング法、スプレ
ーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコ
ーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレード
コーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコ
ーティング法、リングコーティング法等の常用の方法に
より行うことができる。塗布後の乾燥は、25〜250
℃の温度で5分〜3時間の範囲で静止または送風下で行
うのが好ましい。また、形成される電荷発生層の膜厚
は、通常0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μmで
ある。
【0022】電荷輸送層は電荷輸送材料及び結着樹脂で
構成され、必要に応じて酸化防止剤等の添加物を含んで
いてもよい。電荷輸送材料は一般に電子輸送材料とホー
ル輸送材料の2種に分類されるが、本発明に係る電子写
真感光体にはいずれも使用することができ、また、その
混合物も使用できる。電子輸送材料としては、ニトロ
基、シアノ基、カルボニル基等の電子吸引性基を有する
電子受容性化合物、例えば、2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン等のニトロ化フルオレノン、テトラシアノキノジメタ
ン、あるいはジフェノキノン等のキノン類が挙げられ
る。
【0023】また、ホール輸送材料としては、電子授与
性の有機光電性化合物、例えば、カルバゾール系、イン
ドール系、イミダゾール系、オキサゾール系、チアゾー
ル系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン
系、チアジアゾール系、ベンゾオキサゾール系、ベンゾ
チアゾール系、ナフトチアゾール系等の複素環化合物、
ジフェニルメタンなどのジアリールアルカン誘導体、ト
リフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、
トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、
フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール
誘導体、スチルベンなどのジアリールエチレン誘導体、
ヒドラゾン系誘導体、ジアルキルアミノ基、ジフェニル
アミノ基のような置換アミノ基、あるいはアルコキシ
基、アルキル基のような電子供与基(+M効果を有する
置換基)、あるいはこれらの電子供与基が置換した芳香
族環基が置換した電子授与性の大きな化合物が挙げられ
る。また、ポリビニルカルバゾール、ポリグリシジルカ
ルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルフェニルア
ントラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムア
ルデヒド樹脂等、上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖
に有する重合体も挙げられる。特に以下の(A−1)〜
(A−14)、(B−1)〜(B−8)、(C−1)〜
(C−7)、(D−1)〜(D−3)に示す化合物が電
荷輸送材料として好適に使用される。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】また、電荷輸送層に用いられる結着樹脂と
しては、前記した電荷発生層に使用されるものと同様の
絶縁性樹脂が使用できる。電荷輸送材料と結着樹脂との
割合は、特に制限されないが、電荷輸送材料100重量
部に対して結着樹脂20〜3000重量部、好ましくは
50〜1000重量部の範囲である。電荷輸送層は、電
荷輸送材料、結着樹脂及び前記した電荷発生層に使用さ
れるものと同様の有機溶剤を用いて塗布液を調製し、こ
れを電荷発生層と同様の方法により塗布し、乾燥するこ
とによって形成することができる。また、電荷輸送層の
膜厚は、通常5〜50μm、好ましくは10〜40μm
である。
【0034】電子写真感光体が単層型構造を有する場合
は、感光層は本発明に係る結晶型クロロガリウムフタロ
シアニン、電荷輸送材料、結着樹脂から構成され、電荷
輸送材料及び結着樹脂は、前記と同様なものが使用され
る。感光層には必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各
種添加物を含んでいても良い。クロロガリウムフタロシ
アニン及び電荷輸送材料と結着樹脂との割合は、クロロ
ガリウムフタロシアニン及び電荷輸送材料10重量部に
対して結着樹脂2〜300重量部、クロロガリウムフタ
ロシアニンと電荷輸送材料との割合は、クロロガリウム
フタロシアニン1重量部に対して電荷輸送材料0.01
〜100重量部の範囲が適当である。そして、前記と同
様に塗布液を調製した後、塗布、乾燥することによって
感光層を形成できる。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以
下の実施例によって制限されるものではない。 実施例1(テトラメチルクロロガリウムフタロシアニン
の製造−1) 窒素雰囲気下、4−メチルフタル酸無水物24.9g、
尿素27.7g及びモリブデン酸アンモン0.19gに
ジフェニルメタン67mlを加え、さらにこれに三塩化
ガリウム6.9gを添加した。この混合物を撹拌しなが
ら加熱し、200〜220℃の温度範囲で5時間反応さ
せた。反応液を放冷し、100〜130℃の温度範囲で
濾過した。濾滓をN−メチルピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、水、メタノールで順次熱懸洗後、乾
燥してテトラメチルクロロガリウムフタロシアニンの青
色粉末18.64gを得た。これについてマススペクト
ル(ネガティブ法)、及びIRスペクトル(KBr法)
を測定し、また元素分析を行った。
【0036】マススペクトル(図1)では、m/z=6
72、674にテトラメチルクロロガリウムフタロシア
ニンのピークが確認された。IRスペクトル(図2)で
は1507、1337、1278、1167、113
8、1089、934、821、774、747、72
1cm-1に吸収が見られた。元素分析値は下記の通りで
あり、計算値とほぼ一致している。これにより合成物は
テトラメチルクロロガリウムフタロシアニンが得られた
ことが確認された。
【0037】
【表2】 C(%) H(%) N(%) Cl(%) 実測値 64.82 3.68 17.33 5.89 計算値 64.17 3.59 16.63 5.26
【0038】このテトラメチルクロロガリウムフタロシ
アニンのX線回折スペクトルを図3に示す。図3よりこ
の結晶は、2θ=7.5°及び26.4°に主たるピー
クを有し、これに次ぐピークを11.2°、14.6°
に有している。さらに17.5°、24.5°、31.
1°にもピークを有している。
【0039】実施例2(テトラメチルクロロガリウムフ
タロシアニンの製造−2) 実施例1で得られたテトラメチルクロロガリウムフタロ
シアニン10.0gを直径1mmのガラスビーズ40m
lとともに100mlの容器に入れ、ペイントシェーカ
ーで20時間乾式摩砕した。そして、この摩砕後のフタ
ロシアニンを3%NaOH水溶液、3%HCl水溶液、
水、N−メチルピロリドン、メタノールで順次熱懸洗
し、乾燥してテトラメチルクロロガリウムフタロシアニ
ン7.29gを得た。
【0040】得られたテトラメチルクロロガリウムフタ
ロシアニンのX線回折スペクトルを図4に示す。図4で
は、主たるピークを2θ=26.4°に有し、次に強度
の強いピークを7.5°、11、2°、及び14.6°
に有し、さらに31.2°にもピークを有する本発明の
テトラメチルクロロガリウムフタロシアニンであること
が確認された。
【0041】比較例1(特開平10−130525号公
報の製造例1記載のI型クロロガリウムフタロシアニン
の合成) 1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウ
ム9.1部にジメチルスルホキシド230部を加え、温
度160℃で4時間反応させた。反応液を濾過し、濾滓
をジメチルスルホキシド、イオン交換水で順次洗浄し、
生成したウェットケーキを60℃で48時間真空乾燥さ
せ、クロロガリウムフタロシアニン26部を得た。X線
回析スペクトル(図5)は27.1°に強いピークを有
し、特開平10−130525製造例1記載のI型クロ
ロガリウムフタロシアニン結晶と同一であった。このク
ロロガリウムフタロシアニン結晶5部を直径12mmの
アルミナ製ボール50部とともにアルミナ製ポットに入
れ、振動ミルにて100時間乾式粉砕し、クロロガリウ
ムフタロシアニン結晶(結晶A)4.0部を得た。この
結晶AのX線回析スペクトルを図6に示す。次に結晶A
3部を90重量%のジメチルスルホキシド水溶液40
部中に入れ、室温下に24時間攪拌した。イオン交換水
で洗浄後濾過し、濾滓を60℃で真空乾燥させ、クロロ
ガリウムフタロシアニン結晶(結晶B)3部を得た。X
線回析スペクトル(図7)は7.4°、16.6°、2
5.5°及び28.3°に強いピークを有し、特開平1
0−130525製造例1記載のクロロガリウムフタロ
シアニン結晶と同一であった。
【0042】実施例3(電子写真感光体の作成−1) 実施例1で製造したテトラメチルクロロガリウムフタロ
シアニン1.6gをジメトキシエタン30gに加え、サ
ンドグラインドミルで2時間粉砕して微粒子化処理を行
った。これにジメトキシエタン16gと4−メトキシ−
4−メチルペンタノン−2 6gとを加えて希釈し、さ
らにポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、デ
ンカブチラール#6000C)0.4gとフェノキシ樹
脂(ユニオンカーバイド(株)製、UCAR)0.4g
をジメトキシエタン7gに溶解した液と混合し、塗布液
を得た。塗布液中のテトラメチルクロロガリウムフタロ
シアニンのX線回析スペクトルを図8に示す。微粒子化
分散処理によりピークがブロード化しているが、7.5
°と26.5°に明瞭なピークを有し、11.2°と1
4.6°にもピークが確認できた。この塗布液をアルミ
ニウム蒸着させたポリエステルフィルム上に乾燥後の重
量が0.4g/m2になるようにワイヤーバーで塗布した
後、乾燥して電荷発生層を形成させた。次にこの電荷発
生層の上に、下記に示すアリールアミン系化合物40重
量部及びポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、ノ
バレックス7030A)100重量部をテトラヒドロフ
ラン600重量部に溶解させた塗布液を、乾燥後の膜厚
が20μmとなるようにアプリケーターにより塗布して
乾燥し、積層型電子写真感光体を作成した。
【0043】
【化10】
【0044】実施例4(電子写真感光体の作成−2) 実施例3において、実施例1で得たテトラメチルクロロ
ガリウムフタロシアニンに代えて、実施例2で製造した
テトラメチルクロロガリウムフタロシアニンを用いた他
は、実施例3と同様にして塗布液を調液した。
【0045】比較例2(電子写真感光体の作成−3) 実施例3において、実施例1で得たテトラメチルクロロ
ガリウムフタロシアニンに代えて、比較例1で製造した
テトラメチルクロロガリウムフタロシアニン(結晶B)
を用いた他は、実施例3と同様にして電子写真感光体を
作成した。
【0046】評価;上記で作成した電子写真感光体を感
光体特性測定装置に装着して、表面電位が−700Vに
なるように帯電させた後、780nmの光を照射したと
きの半減露光量(E1/2感度)、さらに−700Vに帯
電して5秒放置後の電荷保持率(DDR5)、660n
mのLED光除電後の残留電位を測定した。繰り返し安
定性は帯電−除電を30000回繰り返し、1回目と3
0000回後の表面電位の差(ΔV)で確認した。その
結果を表−1に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表−1より、本発明に係る結晶型クロロガ
リウムフタロシアニンは、公知結晶型のクロロガリウム
フタロシアニンより、感度、残留電位、繰り返しの電位
安定性のいずれに関しても優れていることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る結晶
型クロロガリウムフタロシアニンは、電荷保持性、繰り
返し安定性に優れており、プリンター、ファクシミリ、
デジタル複写機などに用いるのに好適である。また、本
発明に係る結晶型クロロガリウムフタロシアニンは、塗
布液の分散安定性が非常に良く、電子写真感光体の電荷
発生材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のクロロガリウムフタロシアニンのマ
ススペクトル図。
【図2】実施例1のクロロガリウムフタロシアニンのI
Rスペクトル図。
【図3】実施例1のクロロガリウムフタロシアニンのX
線回折図。
【図4】実施例2のクロロガリウムフタロシアニンのX
線回折図。
【図5】比較例1のI型クロロガリウムフタロシアニン
のX線回折図。
【図6】比較例1のクロロガリウムフタロシアニン(結
晶A)のX線回折図。
【図7】比較例1のクロロガリウムフタロシアニン(結
晶B)のX線回折図。
【図8】実施例3で得られた塗布液中のクロロガリウム
フタロシアニンのX線回折図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臨 護 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 BA39 FA01 FA13 FB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクト
    ルにおいて、少なくともブラッグ角2θ(±0.3°)
    =7.5°、11.2°、14.6°及び26.4°に
    ピークを示す結晶型クロロガリウムフタロシアニン。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個のベンゼン核部分に置換
    基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載
    の結晶型クロロガリウムフタロシアニン。
  3. 【請求項3】 置換基がアルキル基であることを特徴と
    する請求項2に記載の結晶型クロロガリウムフタロシア
    ニン。
  4. 【請求項4】 それぞれのベンゼン核部分に1又は2個
    のメチル基を有するものであることを特徴とする請求項
    1に記載の結晶型クロロガリウムフタロシアニン。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の結晶型クロロガリウムフタロシアニンを
    含有する感光層を有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の結晶型クロロガリウムフタロシアニンを
    微粒子化処理したものを含有する感光層を有することを
    特徴とする電子写真感光体。
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