JP2003096331A - 新規結晶型ジクロロスズフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
新規結晶型ジクロロスズフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体Info
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Abstract
安定性に優れた電子写真感光体及び、それに使用する電
荷発生材料を提供する。 【解決手段】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクト
ルにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3°)=8.6
°、11.4°、15.7°及び25.7°にピークを
示す結晶型ジクロロスズフタロシアニン及びそれを用い
た電子写真感光体。
Description
するジクロロスズフタロシアニン、及び、このジクロロ
スズフタロシアニンを感光層に含有する電子写真感光体
に関する。本発明に係るジクロロスズフタロシアニンを
用いた電子写真感光体は、プリンター、ファクシミリ、
複写機などに用いるのに好適である。
光を光源とし、高速化、高画質、ノンインパクト化を利
点としたレーザープリンターが広く普及しようとしてい
る。レーザープリンターの主流をなすのは、近年進展が
著しい半導体レーザーを光源とするものであり、従って
その光源波長である780nm前後の長波長光に対して
高感度な特性を有する感光体が強く望まれている。この
ような状況で、感光材料として最も有望視されているも
のの一つはフタロシアニン化合物である。何故ならば、
フタロシアニン化合物は、比較的容易に合成でき、60
0nm以上の長波長域に吸収ピークを有しており、かつ
中心金属や結晶形により分光感度が変化するからであ
る。そして半導体レーザーの波長域で高感度を示すもの
も知られている。
フタロシアニン、無金属フタロシアニン、クロロインジ
ウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ク
ロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン等を用いた電子写真感光体が報告されてい
る。一般に、フタロシアニン化合物は、製造方法、処理
方法の違いにより、いくつかの結晶型を示し、この結晶
型の違いはフタロシアニン化合物の光電変換特性に大き
な影響を及ぼすことが知られている。
特定のブラッグ角度に回折ピークを有するジクロロスズ
フタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体に関す
る報告として、特開昭62−119547号公報、特開
平5−140473号公報、特開平6−316677号
公報及び特開平8−253700号公報があり、数種の
結晶型が報告されている。
用のフタロシアニンとしては、高感度で帯電性に優れ、
しかも高温高湿環境下・低温低湿環境下においても感度
の変動が少なく、かつ、繰り返し使用に対して安定なも
のが望まれるが、上記特許公開公報記載のジクロロスズ
フタロシアニンはこれらのすべてを満足できるまでには
至っていない。従って本発明は、電子写真感光体に用い
た場合に、高感度でしかも環境の影響を受けにくく、繰
り返し使用特性も良好な新規結晶型フタロシアニン及び
それを用いた電子写真感光体を提供することを目的とす
る。
フタロシアニンは、Cu−Kα線に対するX線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3°)=8.
6°、11.4°、15.7°及び25.7°にピーク
を示すジクロロスズフタロシアニンである。また本発明
に係る電子写真感光体は、導電性支持体上にこの新規結
晶型ジクロロスズフタロシアニンを含有する感光層を有
することを特徴とするものである。
本発明に係る結晶型ジクロロスズフタロシアニンは、既
述した従来公知の結晶型ジクロロスズフタロシアニンと
は全く異なる結晶型を有するものであって、Cu−Kα
線に対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2
θ(±0.3°)が8.6°、11.4°、15.7°
及び25.7°の各位置にピークを有するものである。
なお、その他の位置、例えば13.1°、19.3°、
20.1°、26.5°にもピークを有することがある
が、これらは製造条件の微妙な違い、結晶配向性の違
い、X線回折スペクトルの測定手法の差異などにより、
ピーク強度の割合、位置等が多少変動することがある。
シアニンは従来のジクロロスズフタロシアニンのベンゼ
ン核部分に置換基を導入することにより得ることができ
る。置換基の導入により、結晶中におけるフタロシアニ
ン分子のスタッキング状態が変わり、本発明に係る新規
な結晶型のジクロロスズフタロシアニンとなると推定さ
れる。なお、本発明で規定するX線回折スペクトルを有
する結晶は、通常は単一のジクロロスズフタロシアニン
から成っているが、置換基の種類や数などが異なるいく
つかのジクロロスズフタロシアニンから成るものであっ
てもよい。更にはX線回折スペクトルの規定が満足され
る限り、他のフタロシアニンが混入していてもよい。
は、アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、水酸基又はハロゲン原子等が挙げられる。フタロシ
アニンには4個のベンゼン核が存在するが、置換基は少
なくとも1個のベンゼン核に存在すればよい。すなわち
本発明に係る新規な結晶型を構成するジクロロスズフタ
ロシアニンは、1〜16個の置換基を有し得る。通常は
各ベンゼン核にそれぞれ1個又は2個の置換基を有する
もの、特にすべてのベンゼン核が同一の置換ベンゼン核
であるジクロロスズフタロシアニンが好ましい。置換基
としてはアルキル基又はアルコキシ基であって、かつ置
換基の炭素数の合計が16以下のものが好ましい。置換
基の合計炭素数が大きすぎると、ジクロロスズフタロシ
アニンの有機溶媒への溶解性が高くなり、感光体の製造
に際し好ましくないからである。最も好ましいジクロロ
スズフタロシアニンは、4個のベンゼン核のそれぞれに
1個又は2個のメチル基を有するテトラメチル又はオク
タメチルジクロロスズフタロシアニンである。なお、本
発明においてX線回折スペクトルは、下記条件で測定し
たものである。
アニンは、対応するフタロニトリルを原料として、従来
公知のジクロロスズフタロシアニン合成法と同様の方法
で製造することができる。また、2種以上のフタロニト
リルを用いることにより、構造の異なるジクロロスズフ
タロシアニンの集合体として製造することもできる。原
料のフタロニトリルの合成は、一般的には、対応するフ
タル酸無水物から合成することができる。また、本発明
に係る結晶型ジクロロスズフタロシアニンは、対応する
フタル酸無水物からワイラー法によって直接合成するこ
ともできる。
アニンは、公知の顔料化方法を用いて結晶状態を調整す
ることにより、より光導電材料として特性の優れたもの
とすることができる。例えば、硫酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸等のフタロシアニンを溶解する無
機酸、有機酸に溶解し、水、アルコール等の貧溶剤に注
入して結晶を析出させるアシッドペースティング法やア
シッドスラリー法、ボールミル、アトライター、サンド
ミル、ペイントシェカー等で機械的に摩砕する方法によ
り粒子を微細化し、アモルファスに近い結晶状態とした
後、有機溶剤で処理することにより再び結晶を成長させ
る方法を用いることができる。本発明に係る結晶型ジク
ロロスズフタロシアニンが電荷発生材料として優れた効
果を発揮する理由は必ずしも明確ではないが、以下のよ
うなことが推定される。
アニンは、フタロシアニンのベンゼン環の置換基の影響
で、従来のジクロロスズフタロシアニンよりも分子間の
距離が大きいため、より緩やかなスタッキング状態の結
晶となっていて、結晶の凝集状態も異なるものと考えら
れる。その結果、光導電材料として特性の優れたものと
するために通常用いられる溶剤処理、微細化処理等が効
果的に作用するものと考えられる。次に、本発明に係る
結晶型ジクロロスズフタロシアニンを光導電材料として
使用した電子写真感光体について説明する。
持体上に上記の結晶型ジクロロスズフタロシアニンを含
有する感光層を有している。感光層は、単層型構造から
なるものであっても、あるいは電荷発生層及び電荷輸送
層からなる積層型構造であっても良い。また、導電性支
持体と感光層との間に下引き層を形成してもよく、単層
型構造では感光層上に、積層型構造では電荷輸送層上に
更に表面保護層を設けていても良い。
感光体に使用し得ることが知られているものならば、い
ずれも用いることができる。例えば、アルミニウム、
銅、ニッケル等の金属のドラム、シート、又はこれら金
属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。さらに、金
属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等
の導電物質を適当なバインダーとともに塗布して導電性
を付与したプラスチックフィルム、プラスチックドラ
ム、紙等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラ
ック、炭素繊維等の導電性物質を含有していて導電性を
示すプラスチックシートやドラム又は酸化スズ、酸化イ
ンジウム等の導電性金属酸化物層を表面に有するプラス
チックフィルムなどが挙げられる。
電荷の注入を阻止するために有効であり、感光層の帯電
を高める作用がある。さらに、感光層と導電性支持体と
の密着性を高める作用もある。下引き層を構成する材料
としては、アルミニウム陽極酸化皮膜、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、表面処理酸化チ
タン等の無機物、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、
ゼラチン、デンプン類、ポリウレタン、ポリイミド、ポ
リアミド等の有機物、その他、有機ジルコニウム化合
物、チタニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシ
ド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング
剤等が挙げられる。下引き層の膜厚は0.1〜20μm
の範囲が好ましく、0.1〜10μmの範囲で使用する
のが最も効果的である。
合、電荷発生層は上述の結晶型ジクロロスズフタロシア
ニン及び結着樹脂から構成される。ジクロロスズフタロ
シアニンの他にさらに他の電荷発生物質を併用しても良
い。このような電荷発生物質としては、例えばこの用途
に公知のフタロシアニン系化合物、アゾ化合物、アント
ラキノン系化合物、ペリレン系化合物、多環キノン系化
合物、スクアリック酸メチン系化合物等が挙げられる。
から選択することができる。好ましい結着樹脂として
は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アク
リルアミド、アクリロニトリル、ビニルアルコール、エ
チルビニルエーテル、ビニルピリジン等のビニル化合物
の重合体及び共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホ
ン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレ
タン、セルロースエステル、セルロースエーテル、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂、アルキッド樹脂、ポリアリレー
ト等が挙げられる。
に溶解した溶液に、本発明に係る結晶型ジクロロスズフ
タロシアニンを分散させて塗布液を調製し、それを導電
性支持体上に塗布し、乾燥することによって形成するこ
とができる。分散は、例えば、ボールミル、サンドグラ
インドミル、遊星ミル、ロールミル、ペイントシェーカ
ー等を用いて常法により行えばよい。なお、分散に際し
フタロシアニンの一部は塗布液に溶解することもある。
分散は、フタロシアニンのX線回折スペクトルが処理前
よりもブロードになるように行うのが好ましい。塗布液
中のフタロシアニンをこのようにすることにより、得ら
れる感光体の特性をよりすぐれたものとすることができ
る。結晶型ジクロロスズフタロシアニンと結着樹脂との
割合は、特に制限されないが、フタロシアニン100重
量部に対して結着樹脂1〜1000重量部、好ましくは
10〜400重量部の範囲である。フタロシアニンの組
成比率が上記範囲より著しく高い場合には、塗布液の安
定性が低下する傾向にあり、著しく低い場合には、残留
電位が高くなる傾向にある。
フラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のエーテル類、アセトン、メチエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、塩化メチレン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロ
エタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸メ
チル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げ
られる。
ーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコ
ーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレード
コーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコ
ーティング法、リングコーティング法等の常用の方法に
より行うことができる。塗布後の乾燥は、25〜250
℃の温度で5分〜3時間の範囲で静止または送風下で行
うのが好ましい。また、形成される電荷発生層の膜厚
は、通常0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μmで
ある。
構成され、必要に応じて酸化防止剤等の添加物を含んで
いてもよい。電荷輸送材料は一般に電子輸送材料とホー
ル輸送材料の2種に分類されるが、本発明に係る電子写
真感光体にはいずれも使用することができ、また、その
混合物も使用できる。電子輸送材料としては、ニトロ
基、シアノ基、カルボニル基等の電子吸引性基を有する
電子受容性化合物、例えば、2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン等のニトロ化フルオレノン、テトラシアノキノジメタ
ン、あるいはジフェノキノン等のキノン類が挙げられ
る。
性の有機光電性化合物、例えば、カルバゾール系、イン
ドール系、イミダゾール系、オキサゾール系、チアゾー
ル系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン
系、チアジアゾール系、ベンゾオキサゾール系、ベンゾ
チアゾール系、ナフトチアゾール系等の複素環化合物、
ジフェニルメタンなどのジアリールアルカン誘導体、ト
リフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、
トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、
フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール
誘導体、スチルベンなどのジアリールエチレン誘導体、
ヒドラゾン系誘導体、ジアルキルアミノ基、ジフェニル
アミノ基のような置換アミノ基、あるいはアルコキシ
基、アルキル基のような電子供与基(+M効果を有する
置換基)、あるいはこれらの電子供与基が置換した芳香
族環基が置換した電子授与性の大きな化合物が挙げられ
る。また、ポリビニルカルバゾール、ポリグリシジルカ
ルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルフェニルア
ントラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムア
ルデヒド樹脂等、上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖
に有する重合体も挙げられる。特に以下の(A−1)〜
(A−14)、(B−1)〜(B−8)、(C−1)〜
(C−7)、(D−1)〜(D−3)に示す化合物が電
荷輸送材料として好適に使用される。
しては、前記した電荷発生層に使用されるものと同様の
絶縁性樹脂が使用できる。電荷輸送材料と結着樹脂との
割合は、特に制限されないが、電荷輸送材料100重量
部に対して結着樹脂20〜3000重量部、好ましくは
50〜1000重量部の範囲である。電荷輸送層は、電
荷輸送材料、結着樹脂及び前記した電荷発生層に使用さ
れるものと同様の有機溶剤を用いて塗布液を調製し、こ
れを電荷発生層と同様の方法により塗布し、乾燥するこ
とによって形成することができる。また、電荷輸送層の
膜厚は、通常5〜50μm、好ましくは10〜40μm
である。
は、感光層は本発明に係る結晶型ジクロロスズフタロシ
アニン、電荷輸送材料、結着樹脂から構成され、電荷輸
送材料及び結着樹脂は、前記と同様なものが使用され
る。感光層には必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各
種添加物を含んでいても良い。ジクロロスズフタロシア
ニン及び電荷輸送材料と結着樹脂との割合は、ジクロロ
スズフタロシアニン及び電荷輸送材料10重量部に対し
て結着樹脂2〜300重量部、ジクロロスズフタロシア
ニンと電荷輸送材料との割合は、ジクロロスズフタロシ
アニン1重量部に対して電荷輸送材料0.01〜100
重量部の範囲が適当である。そして、前記と同様に塗布
液を調製した後、塗布、乾燥することによって感光層を
形成できる。
的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以
下の実施例によって制限されるものではない。 実施例1(テトラメチルジクロロスズフタロシアニンの
製造例−1) 窒素雰囲気下、4−メチルフタロジニトリル20.0g
にメチルナフタレン120mlを加え、次に無水塩化ス
ズ(II)6.68gを添加した。撹拌しながら200〜
220℃の温度範囲で5時間反応させた。放冷し、生成
物を100〜130℃の温度範囲で熱濾過し、濾滓をN
−メチルピロリドン、次いでメタノールで洗浄した。さ
らに、水、N−メチルピロリドン、メタノールでそれぞ
れ熱懸洗したのち乾燥して、テトラメチルジクロロスズ
フタロシアニンの青色粉末22.11gを得た。構造解
析はマススペクトル(ネガティブ法)、IR(KBr
法)、元素分析で行った。
58にテトラメチルジクロロスズフタロシアニンのピー
クが確認された。IRスペクトル(図2)では、161
3、1393、1335、1278、1166、113
9、1090、1052、934、825、737、5
12cm-1に吸収がみられた。元素分析値は下記の通り
であり、計算値とほぼ一致している。これにより合成物
はテトラメチルジクロロスズフタロシアニンと確認され
た。
ニンのX線回折スペクトルを図3に示す。図3よりこの
結晶は、2θ=8.6°に主たるピークを有し、25.
7°に次に強度の強いピークを有し、11.4°及び1
5.7°にもそれぞれピークを有している。また13.
1°、14.7°、19.3°、20.1°及び26.
5°にもピークを有している。
ロシアニンの製造例−2) 実施例1で得られたテトラメチルジクロロスズフタロシ
アニン6gを、直径1mmのガラスビーズ40mlとと
もに100mlの容器に入れ、ペイントシェーカーで2
0時間乾式摩砕した。摩砕後のフタロシアニンの粉末X
線スペクトルを図4に示す。摩砕によりアモルファス化
しているが、8.6°および25.8°にピークを有
し、更に11.4°及び15.7°にもピークを有して
いて本発明に係る結晶型を保っている。これを3%Na
OH水溶液、ついで3%HCl水溶液中で熱懸洗した。
さらに水、N−メチルピロリドン、メタノールでそれぞ
れ熱懸洗したのち乾燥して、テトラメチルジクロロスズ
フタロシアニン5.23gを得た。
シアニンのX線回折スペクトルを図5に示す。図5で
は、主たるピークを2θ=8.6°に有し、次に強度の
強いピークを25.7°に有し、その他11.4°及び
15.7°にもそれぞれピークを有し、更に13.3
°、14.6°、19.3°、20.1°、26.5°
にもそれぞれピークを有していて、図3のものと同じ結
晶形であることが確認された。
報の製造例1記載のジクロロスズフタロシアニンの合
成) オルトフタロジニリトル25.0重量部と四塩化スズ1
2.7重量部をα−クロロナフタレン160重量部に加
え、120℃で溶解させた。その後、撹拌しながら徐々
に昇温し、210℃で3.5時間撹拌を続けた。放冷
し、温度が100℃に下がった時点で熱濾過した。濾滓
をメタノール熱懸濁、熱水煮沸懸濁、N−メチルピロリ
ドンによる150℃で2時間の熱懸濁を行い、次いで熱
濾過した。メタノールで熱懸濁し、濾過した後、減圧で
乾燥することにより青色粉末9.9重量部を得た。この
もののX線回折スペクトルを図6に示す。このものは
8.4°、12.2°、13.8°、22.4°及び2
8.2°に強い回折ピークを有しており、特開昭62−
119547号公報の製造例1記載のジクロロスズフタ
ロシアン結晶と同一であった。
アン1.6gをジメトキシエタン30gに加え、サンド
グラインドミルで2時間粉砕して、微粒子化分散処理を
行った。これにジメトキシエタン16gと4−メトキシ
−4−メチルペンタノン−2を6gを加えて希釈し、さ
らにポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、デ
ンカブチラール#6000C)0.4gとフェノキシ樹
脂(ユニオンカーバイド(株)製、UCAR)0.4g
をジメトキシエタン7gに溶解した液と混合し、塗布液
を得た。調液後の塗布液中のテトラメチルジクロロスズ
フタロシアンのX線回折スペクトルを図7に示す。分散
によりそれぞれのピークがブロード化しているが、8.
7°、11.4°、15.7°及び25.8°にピーク
を有しており、調液前と同一の結晶型であることが確認
できる。この塗布液は、非常に分散安定性が良く、6ヶ
月後でもフタロシアニン粒子が沈降せず、均一なままで
あった。この塗布液をアルミニウム蒸着されたポリエス
テルフィルム上に乾燥後の重量が0.4g/m2 になる
ようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥して電荷発生層
を形成した。次にこの電荷発生層の上に、下記に示すア
リールアミン系化合物40重量部及びポリカーボネート
樹脂(三菱化学製、ノバレックス7030A)100重
量部をテトラヒドロフラン600重量部に溶解させた塗
布液を、乾燥後の膜厚が20μmとなるようにアプリケ
ーターにより塗布し、電荷輸送層を設けて、二層からな
る電子写真感光体を作成した。
ロスズフタロシアンに代えて、実施例2で製造したテト
ラメチルジクロロスズフタロシアンを用いた他は、実施
例3と同様にして電子写真感光体を作成した。 比較例2(電子写真感光体の作成−3) 実施例3において、実施例1で得たテトラメチルジクロ
ロスズフタロシアンに代えて、比較例1で製造したジク
ロロスズフタロシアンを用いた他は、実施例3と同様に
して電子写真感光体を作成した。
光体特性測定装置に装着して、表面電位が−700Vに
なるように帯電させた後、780nmの光を照射したと
きの半減露光量(E1/2感度)、さらに−700Vに帯
電して5秒放置後の電荷保持率(DDR5)、660n
mのLED光除電後の残留電位を測定した。繰り返し安
定性は帯電−除電を30000回繰り返し、1回目と3
0000回後の表面電位の差(ΔV)でみた。その結果
を表−1に示す。
スズフタロシアンは、公知結晶形のジクロロスズフタロ
シアニンより、感度、残留電位、繰り返しの電位安定性
のいずれに関しても優れていることがわかる。
型ジクロロスズフタロシアニンは、電荷保持性、繰り返
し安定性に優れており、プリンター、ファクシミリ、デ
ジタル複写機などに用いるのに好適である。また、本発
明に係る結晶型ジクロロスズフタロシアニンは、塗布液
の分散安定性が非常に良く、電子写真感光体の電荷発生
材料として有用である。
スペクトル図。
スペクトル図。
回折図。
後のジクロロスズフタロシアニンのX線回折図。
ンのX線回折図。
ンのX線回折図。
ロシアニンのX線回折図。
Claims (6)
- 【請求項1】 Cu−Kα線に対するX線回折スペクト
ルにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3°)=8.6
°、11.4°、15.7°及び25.7°にピークを
示す結晶型ジクロロスズフタロシアニン。 - 【請求項2】 少なくとも1個のベンゼン核部分に置換
基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載
の結晶型ジクロロスズフタロシアニン。 - 【請求項3】 置換基がアルキル基であることを特徴と
する請求項2に記載の結晶型ジクロロスズフタロシアニ
ン。 - 【請求項4】 それぞれのベンゼン核部分に1又は2個
のメチル基を有するものであることを特徴とする請求項
2に記載の結晶型ジクロロフタロシアニン。 - 【請求項5】 導電性支持体上に請求項1ないし4のい
ずれかに記載の結晶型ジクロロスズフタロシアニンを含
有する感光層を有することを特徴とする電子写真感光
体。 - 【請求項6】 導電性支持体上に請求項1ないし4のい
ずれかに記載の結晶型ジクロロスズフタロシアニンであ
って、微粒子化処理によりそのX線回折スペクトルが処
理前よりもブロードとなったものを含有する感光層を有
することを特徴とする電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287371A JP2003096331A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 新規結晶型ジクロロスズフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
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