JP2003138002A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JP2003138002A
JP2003138002A JP2001337475A JP2001337475A JP2003138002A JP 2003138002 A JP2003138002 A JP 2003138002A JP 2001337475 A JP2001337475 A JP 2001337475A JP 2001337475 A JP2001337475 A JP 2001337475A JP 2003138002 A JP2003138002 A JP 2003138002A
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acid
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alkali metal
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Hidemi Takemoto
英海 竹本
Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境問題を有せず、経済性に優れるエステル
交換法を用いて品質に優れたポリカーボネート樹脂を製
造する方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルをアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類
金属化合物、ならびに含窒素塩基性化合物を触媒とする
エステル交換反応により反応せしめ、芳香族ポリカーボ
ネートを製造する方法において、溶液状態であるアルカ
リ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、
ならびに溶液状態である含窒素塩基性化合物をフィルタ
ーで濾過した後、溶融重縮合反応に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は芳香族ポリカーボ
ネートの製造方法に関するものであり、さらに詳しく
は、エステル交換反応により芳香族ポリカーボネートを
製造するにあたり、色相に優れ、かつ微小異物が少な
い、記録材料メディアとして優れる光学用途のポリカー
ボネートを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAとホスゲンとの界面重
縮合法から得られるポリカーボネート樹脂は、その優れ
た機械的特性、熱的特性から各種用途、例えば電気電子
部品、光学部品、自動車部品等に幅広く用いられてい
る。特に光ディスク、光ファイバーなどの光学用途への
研究が数多く行われており、全世界的にポリカーボネー
トの需要も急増している。メモリー用光ディスク用途で
は、更なる記憶容量の増大が要求されつつある為、不純
物や異物含量の少なく、かつ着色のない無色透明である
ポリカーボネートの出現が特に望まれている。しかしな
がら界面重縮合で有られるポリカーボネートは、溶媒と
して塩化メチレンを使用しており、またホスゲンを使用
した際の副生物である塩化ナトリウムに由来する塩素分
がポリカーボネートに残留することで、各種部品成形時
に金物を腐食する問題がある。この為、光学用ポリカー
ボネートとしては好ましくない。近年塩化メチレンやホ
スゲンを使用しないエステル交換法によるポリカーボネ
ートが注目されており、実際に溶融重合法による製造が
行われ、市場に見られるようになってきた。しかしなが
らエステル交換法で得られるポリカーボネートは高温で
長時間の熱履歴を受けるため色調の悪化など品質的に優
れたものは得られにくく、特に近年、DVD、DVD−
RAM、MO、CD−R、CD−RWなどの高密度、高
精度が必要な光学用途において使用されるポリカーボネ
ートでは、熱安定性の不足による着色および熱劣化が、
直接的に最終製品の引張り、曲げ、靭性などの機械特性
に影響を及ぼすため、エステル交換法ポリカーボネート
の更なる色相の向上、熱安定性の向上が要求されてい
る。
【0003】またポリカーボネートを光ディスク等の光
学用途に用いる場合、ポリカーボネート中にミクロン単
位の微小な異物が混入していると、光の散乱源となるた
めに光学的エラー発生の原因となることがある。このた
め、光ディスク用ポリカーボネートは、とくに高精度の
異物の除去が要求されている。
【0004】異物の除去法としては、特開2000−8
0159号公報、特開2000−178355号公報、
特開2000−361357号公報で提案されるよう
に、溶融重合の原料として一般的に使用されている芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのフィルター濾
過や溶融状態のポリカーボネートのフィルター濾過が一
般的であるが、これらの方法では10μm以上の比較的
大きな異物は除去可能であるが、0.5μm程度のDV
D等高密度記録材料として要求される更に微小な異物を
減らすことは困難である。また特開平10−33047
3号公報では溶融状態のポリカーボネートプレポリマー
のフィルター濾過も提案されているが、該公報において
も0.5μm程度の微小異物を低減することは難しい。
【0005】すなわち、高精度化されつつある光学用途
ポリカーボネートを製造するにおいて、従来の溶融重合
法では0.5μm程度の微小異物の発生を抑制する方法
は知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな諸問題を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、微小異物の
生成を抑制するには、溶融重合で使用される例えばアル
カリ金属や含窒素塩基性化合物の触媒溶液を金属フィル
ターで濾過して使用することが効果的であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は次の
通りである。
【0008】1)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
ステルをアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土
類金属化合物、ならびに含窒素塩基性化合物を触媒とす
るエステル交換反応により反応せしめ、芳香族ポリカー
ボネートを製造する方法において、溶液状態であるアル
カリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合
物、ならびに溶液状態である含窒素塩基性化合物をフィ
ルターで濾過した後、溶融重縮合反応に使用することを
特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法 2)前記フィルターが絶対濾過精度10μm以下である
ことを特徴とする1)記載の芳香族ポリカーボネートの
製造方法 3)前記フィルターが金属製であることを特徴とする
1)または2)に記載の芳香族ポリカーボネートの製造
方法 4)溶液状態であるアルカリ金属化合物および/または
アルカリ土類金属化合物、および溶液状態にある含窒素
塩基性化合物を、予め濾過した後、混合して使用するこ
とを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の芳香族ポ
リカーボネートの製造方法 5)溶液状態にあるアルカリ金属化合物および/または
アルカリ土類金属化合物、および溶液状態にある含窒素
塩基性化合物の濾過を絶対濾過精度が10μm以下のフ
ィルターを用いて行うことを特徴とする4)の芳香族ポ
リカーボネートの製造方法 6)アルカリ金属化合物の溶液および/またはアルカリ
土類金属化合物の溶液がフェノール溶液であり、含窒素
塩基性化合物の溶液が水溶液であることを特徴とする
1)〜5)いずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの
製造方法 7)アルカリ金属化合物の溶液および/またはアルカリ
土類金属化合物の溶液と含窒素塩基性化合物の溶液が水
を含むフェノール溶液であることを特徴とする1)〜
5)いずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方
法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳しく説明す
る。
【0010】本発明に係る芳香族ポリカーボネートと
は、芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化
合物ならびに含窒素塩基性化合物等のエステル交換触媒
等の存在下、溶融重縮合させた芳香族ポリカーボネート
である。
【0011】芳香族ジヒドロキシ化合物としては炭素数
6〜25の芳香族ジヒドロキシ化合物があげられるが、
具体的には例えば、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフ
ェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)n-ブタン、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-
メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t
-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-
3-ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシア
リール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)
シクロアルカン類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエー
テル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエー
テルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、4,
4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-ジヒドロ
キシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィドなどのビス
(ヒドロキシジアリール)スルフィド類、4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-ジヒドロキシ-3,
3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのビス(ヒド
ロキシジアリール)スルホキシド類、4,4'-ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメ
チルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシジアリ
ール)スルホン類レゾルシンおよび3-メチルレゾルシ
ン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブ
チルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレ
ゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオ
ロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロムレゾルシンなどの
置換レゾルシン、カテコール、ハイドロキノンおよび3-
メチルハイドロキノン、3-エチルハイドロキノン、3-プ
ロピルハイドロキノン、3-ブチルハイドロキノン、3-t-
ブチルハイドロキノン、3-フェニルハイドロキノン、3-
クミルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルハイドロ
キノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハイドロキノン、2,
3,5,6-テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6-テトラ
ブロムハイドロキノンなどの置換ハイドロキノン、2,2,
2',2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-ス
ピロビ-[IH-インデン]-6,6'-ジオールなどが挙げられる
が、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(以下ビスフェノールAと称することがある)が好
ましい。本発明に使用する炭酸ジエステルとしてはジフ
ェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネ
ート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カ
ーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボ
ネートなどを用いることができ、これらを2種以上併用
することもできる。これらのうちでも特にジフェニルカ
ーボネートが好ましく用いられる。
【0012】このような炭酸ジエステル中には、ジカル
ボン酸あるいはジカルボン酸エステルが含有されていて
もよい。具体的に、炭酸ジエステルは、ジカルボン酸あ
るいはジカルボン酸エステルを好ましくは50モル%以
下、さらに好ましくは30モル%以下の量で含有してい
てもよい。
【0013】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなど
の芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェ
ニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニル
などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボ
ン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタ
ンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,
3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン
酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニ
ル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シ
クロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。
炭酸ジエステルは、これらのジカルボン酸あるいはジカ
ルボン酸エステルを2種以上含有していてもよい。
【0014】上記炭酸ジエステルとビスフェノール類と
は、炭酸ジエステルがビスフェノール類1モルに対し
て、通常1.00〜1.30モル、好ましくは1.01〜
1.20モルとなるように混合される。
【0015】溶融重縮合触媒としては、通常、アルカリ
金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物およ
び含窒素塩基性化合物が使用される。
【0016】アルカリ(土類)金属化合物としては、ア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸
塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラート
などが好ましく用いられる。
【0017】具体的には、アルカリ金属化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水
素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二
カリウム塩、二リチウム塩、フェノール類のナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、アルカリ
土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、
炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグ
ネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。これら化合
物を2種以上併用することもできる。
【0018】このようなアルカリ(土類)金属化合物
は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1
×10-3モル、好ましくは1×10-7〜2×10-6モ
ル、さらに好ましくは1×10-7〜8×10-7モルの量
で、溶融重縮合反応中に含まれていることが望ましい。
上記使用範囲を逸脱すると、得られるポリカーボネート
の諸物性に悪影響を及ぼす、またエステル交換反応が充
分に進行せず高分子量のポリカーボネートが得られない
等の問題があり好ましくない。
【0019】また、溶融重縮合反応の原料であるビスフ
ェノール類中に予めアルカリ(土類)金属化合物が含ま
れている場合、溶融重縮合反応時に存在するアルカリ
(土類)金属化合物の量が、ビスフェノール類1モルに
対して、前記範囲となるように添加量を制御することが
望ましい。
【0020】また、溶融重縮合触媒として、上記のよう
なアルカリ(土類)金属化合物に加えて塩基性化合物を
併用される。このような塩基性化合物としては、高温で
易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化合物が挙げら
れ、具体的には、以下のような化合物を挙げることがで
きる。
【0021】テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH)などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキ
ル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)
で示される二級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同
じである)で示される一級アミン類、4-ジメチルアミノ
ピリジン、4-ジエチルアミノピリジン、4-ピロリジノピ
リジンなどのピリジン類、2-メチルイミダゾール、2-フ
ェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、あるいはア
ンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド
(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性
塩。
【0022】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類が好ましく用いられる。上記のような
含窒素塩基性化合物は、ビスフェノール類1モルに対
して、1×10-6〜1×10-1モル好ましくは1×10
-5〜1×10-2モルの量で用いることができる。
【0023】またさらに触媒として、ホウ酸化合物を用
いることもできる。このような ホウ酸化合物として
は、ホウ酸およびホウ酸エステルなどを挙げることがで
きる。
【0024】ホウ酸エステルとしては、下記一般式で示
されるホウ酸エステルを挙げることができる。B(OR)
n(OH)3-n式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、
フェニルなどのアリールなどであり、nは1,2または
3である。
【0025】このようなホウ酸エステルとしては、具体
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチ
ル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸ト
リナフチルなどが挙げられる。
【0026】このような ホウ酸またはホウ酸エステル
は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1
×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モ
ル、さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量
で用いることができる。
【0027】溶融重縮合触媒としては、たとえばアルカ
リ(土類)金属化合物と含窒素塩基性化合物とを組合せ
て、さらにアルカリ(土類)金属化合物、含窒素塩基性
化合物とホウ酸またはホウ酸エステルとの三者を組合せ
て用いることもできる。
【0028】触媒として、上記のような量のアルカリ
(土類)金属化合物と含窒素塩基性化合物とを組合せて
用いると、重縮合反応を十分な速度で進行させることが
できるとともに、高分子量のポリカーボネートを高い重
合活性で生成させることができて好ましい。
【0029】本発明においては所望により、触媒のアル
カリ金属化合物として、(a)周期律表第14族元素の
アート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表第1
4族元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いることがで
きる。ここで周期律表第14族元素とは、ケイ素、ゲル
マニウム、スズのことをいう。
【0030】これらのアルカリ金属化合物を重縮合反応
触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速かつ十
分にすすめることができる利点を有する。また、重縮合
反応中に生成する分岐反応のような、好ましくない副反
応を低いレベルに抑えることができる。
【0031】(a)周期率表第14族元素のアート錯体
のアルカリ金属塩としては、特開平7−268091号
公報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム
(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe
(OEt)5、NaGe(OPr)5、NaGe(OB
u)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5
LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げるこ
とができる。
【0032】スズ(Sn)の化合物としては、NaSn
(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaS
n(OPr)3、NaSn(O−n−C6133、Na
Sn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(O
Bu)5、NaSn(O−n−C12255、NaSn
(OEt)3、NaSn(OPh)5、NaSnBu
2(OMe)3を挙げることができる。
【0033】また(b)周期律表第14族元素のオキソ
酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(sili
cic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(sta
nic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム
(II)酸(germanous acid)のアルカ
リ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanic
acid )のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙
げることができる。
【0034】ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケ
イ酸(monosilicic acid)またはその
縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その
例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ
酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルト
ケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0035】スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノス
ズ酸(monostanic acid)またはその縮
合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例
としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・x
2O、x=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩
(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0036】ゲルマニウム(II)酸(germano
us acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲル
マニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカ
リ金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナ
トリウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0037】ゲルマニウム(IV)酸(germani
c acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマ
ニウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性
アルカリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニ
ウム酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマ
ニウム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラ
ナトリウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na
2Ge25)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩
(Na2Ge49)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウ
ム塩(Na2Ge511)を挙げることができる。
【0038】上記の如き重縮合反応触媒は、触媒中のア
ルカリ金属元素が芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り
1×10-8〜1×10-3当量となる場合で好ましく使用
される。より好ましい割合は同じ基準に対し1×10-8
〜5×10-6当量となる割合でありさらに好ましい割合
は1×10-7〜5×10-6当量となる割合である。
【0039】本願発明の重縮合反応には、上記触媒と一
緒に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸お
よび同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の助触媒を共存させることができる。
【0040】これら助触媒を特定の割合で用いることに
より、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことな
く、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成形加工時
における設備内での異物の生成、やけといった好ましく
ない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0041】周期律表第14族元素のオキソ酸として
は、例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げるこ
とができる。
【0042】周期律表第14族元素の酸化物としては、
一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化スズ、二酸化ス
ズ、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムおよびこ
れらの縮合体を挙げることができる。
【0043】助触媒は重縮合反応触媒中のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒中の周期律表第14族
の金属元素が50モル(原子)以下となる割合で存在せ
しめるのが好ましい。同金属元素が50モル(原子)を
超える割合で助触媒を用いると、重縮合反応速度が遅く
なり好ましくない。
【0044】助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒の周期律表第14族の
金属元素が0.1〜30モル(原子)となる割合で存在
せしめるのがさらに好ましい。
【0045】これらの触媒系は、重縮合反応に用いるこ
とにより重縮合反応および末端封止反応を迅速かつ十分
に進めることができる利点を有する。また重縮合反応系
中に生成する分岐反応のような好ましくない副反応を低
いレベルに抑えることができる。
【0046】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルを加熱溶融下反応させて芳香族ポリカーボネートを製
造するにあたり、エステル交換反応を行うに際して、不
活性ガス雰囲気下で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとを加熱および撹拌し生ずる溶融混合物に前述
の触媒を添加し、エステル交換反応を開始させる。
【0047】反応温度は通常140〜300℃であり、
重合の進行と共に反応温度を高めることが一般に実施さ
れる。また、反応系の圧力は系を減圧にするかもしくは
大量の不活性ガスを流通させて生成するモノヒドロキシ
化合物の留出を容易にさせ反応を進めることが一般に実
施される。
【0048】本発明においては、エステル交換反応によ
り芳香族ポリカーボネートを製造するが、製造設備の材
質としては、安価なステンレス鋼が特に好ましいが、タ
ンタル,クロム,ニッケルなどの非鉄系、あるいはモネ
ル,インコネル,ハステロイなどの非ステンレス系の特
殊な材質を用いてもよい。また、これらの材質は、製造
設備の接液部に用いられていればよく、製造設備全体に
用いられる必要はない。
【0049】上記ステンレス鋼は、クロムを10〜30
重量%含有する鋼材であって、具体例としては、SUS
304,SUS304L,SUS309,SUS31
0,SUS316,SUS316Lなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。バフ研磨などの
機械的研磨や電解研磨などの研磨処理、酸またはアルカ
リ、あるいはそれらの併用による化学的処理を製造設備
の接液部に施してもよい。
【0050】本発明者らは、溶融重合設備で生成する
0.5μm程度の微小異物は、ポリカーボネートを製造
する際に使用される触媒、例えばアルカリ金属や含窒素
塩基性化合物をより高濃度に含んでいることを発見し
た。しかしながら溶融重合で使用されるアルカリ金属や
含窒素塩基性化合物の使用する量に対しては微小異物の
発生量は相関しなかった。
【0051】更に研究を進めた結果、前記触媒溶液を金
属製フィルターで濾過を行い、次いで重合に使用したと
ころ、驚くべき事に得られたポリカーボネートに含まれ
る0.5μm程度の微小異物の量が激減していることが
判明した。
【0052】この理由は定かではないが、触媒溶液中に
微小異物を生成する為の生成核が存在し、アルカリ金属
や含窒素塩基性化合物を包接することによって、溶融重
合反応中に微小異物化して行く。しかし該触媒溶液を金
属製のフィルターで予め濾過することにより生成核が除
去され、この包接は解消され、微小異物化することを阻
止することができるものと推察している。
【0053】本発明では、このようにポリカーボネート
を溶融重合法で製造する際に使用する触媒溶液を予めフ
ィルターで濾過する事を特徴とする。
【0054】本発明において使用されるフィルターは金
属製、樹脂製に限定されないが、金属製フィルターは樹
脂製に比べ、微小異物の発生量を抑制する効果が若干大
きく、また洗浄再生が簡単に行える利点がある。
【0055】本発明において濾過処理に使用されるフィ
ルターは、通常使用されているものを特に制限なく使用
することが可能であり、具体的にはフィルター形式とし
てはキャンドルタイプ、プリーツタイプ、リーフディス
クタイプ、フィルター材質としては樹脂製のメンブラン
フィルターや金属製の焼結金属フィルターや金属繊維不
織布フィルター等が挙げられる。
【0056】金属製フィルターの材質は、腐食あるいは
剥離を生じないような金属であればよく、例えば工業的
に入手容易なステンレススチール、ハステロイ(商品
名)、ニッケル等のニッケル系合金などが挙げられる。
【0057】樹脂製フィルターの材質は、一般的に用い
られているポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、
PET、PTFE等が用いられるが、これに限定される
ものではない。
【0058】本発明で用いられる金属フィルターの濾過
精度は、通常は50μm以下、さらに10〜0.4μm
が好ましい。濾過精度が10μm以下であると微小異物
の発生をほぼ抑制できる。理論上は濾過精度が小さけれ
ば小さいほど異物を除去できるが、実用上は濾過の効率
を考えて0.4μm以上のものが好ましく用いられる。
【0059】本発明で使用される金属フィルターには、
特別な処理は必要としないが、金属イオンがポリカーボ
ネート中に溶け出すことを防ぐため、不動態化処理をお
こなってもよい。不動態とは金属表面が酸化皮膜で覆わ
れた状態をいう。ステンレス鋼の不導態化処理の方法と
して、硝酸等の酸化剤を含む不動態化剤溶液に浸漬また
は溶液を吹き付ける方法がよく知られている。
【0060】本発明では、金属製のフィルターを使用す
る場合、ポリカーボネートを溶融重合法で得る際に使用
する触媒溶液を濾過する前に、フィルターを弱酸性有機
化合物で洗浄することが好ましい。このような弱酸性有
機化合物としては、芳香族ヒドロキシ化合物が好まし
く、特にフェノールが好ましい。なお、フェノールによ
る洗浄は、通常、フェノールが溶融状態で80〜100
℃で加熱して行われる。この処理を行うことにより、触
媒溶液から派生する微小異物の量を最小限に抑えること
ができる。
【0061】本発明では、フィルターを使用する前に、
窒素雰囲気下で濾過温度まで加熱しておくことが望まし
い。濾過温度は、フィルターの材質によって異なるが、
具体的には、40〜150℃の範囲であることが望まし
い。このようにフィルターを濾過温度まで昇温しておく
ことにより、急激な圧損を生じてフィルターを変形させ
ることなく、効率よく溶液の濾過処理を行うことができ
る。
【0062】使用後、目詰まりを生じて異物の捕集効率
が低下した金属フィルターは、再生処理によって機能を
回復させ、再使用することができる。このような再生処
理として具体的には、400〜500℃で加熱処理、酸
性剤による酸洗浄、および超音波洗浄などが挙げられ
る。金属フィルターの再生は、通常、フィルターの差圧
の上昇を目安として実施される。
【0063】本願発明の触媒溶液を使用してポリカーボ
ネートの製造を実施するのに使用される重合槽の設備形
式は特に制限が無く、通常知られている竪型撹拌槽や横
形撹拌槽やルーダー等が使用でき、また、重合槽形式に
関わらず使用に先立って、好ましくは1時間以上の洗浄
処理を行うことが好ましい。
【0064】本発明において、回分式でも連続式でも製
造を実施することが出来るが、反応を回分式で実施する
場合は2基の竪型撹拌槽を用い、精留塔を付設した第1
撹拌槽に芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエス
テルとを前記モル比で仕込み、不活性ガスで置換した
後、加熱溶融させ、これに前記重合触媒を所定量添加し
た後、系を真空に引きつつ加熱し、初期の重合反応を行
わせた後、精留塔を持たない第2の撹拌槽に反応液を移
送し系を更に高真空とし、かつ温度も高めて所定の重合
度となるまで重合反応を継続させることが一般的であ
る。
【0065】反応を連続式で実施する場合は、複数の撹
拌槽を用い、この内反応物の溶融粘度が低い初期重合槽
には精留塔を付設した竪型撹拌槽を用い、反応物の溶融
粘度が高まり副生する芳香族モノヒドロキシ化合物の除
去が難しくなる後期重合槽には横形撹拌槽や、2軸ルー
ダーを使用し、これらを直列に設置し、連続的に溶融し
た原料と触媒とを第1重合槽に送り込むと共に最終重合
槽から連続的に所定重合度の芳香族ポリカーボネートを
抜き出すことが一般に実施される。
【0066】本発明で得られた芳香族ポリカーボネート
に安定剤を添加することもできる。本発明に使用する安
定剤としては、公知の安定剤が有効に使用されるが、こ
の中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩
が好ましく、更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の
上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類が好ま
しい。またスルホン酸のエステルとしてベンゼンスルホ
ン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスル
ホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼン
スルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、
パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン
酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトル
エンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられ、就中、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩が最も好ましく使用される。
【0067】これらの安定剤の使用量はアルカリ金属化
合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれ
た前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合
で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好まし
くは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
【0068】これらの安定剤は直接、または適当な溶剤
に溶解または分散させて、溶融状態の芳香族ポリカーボ
ネートに添加、混練する。このような操作を実施するの
に用いられる設備に特に制限は無いが、例えば2軸ルー
ダー等が好ましく、安定剤を溶剤に溶解または分散させ
た場合はベント付きの2軸ルーダーが特に好ましく使用
される。
【0069】また本願発明においては、本願発明の目的
を損なわない範囲で芳香族ポリカーボネートに添加剤を
添加することができる。この添加剤は安定剤と同様に溶
融状態の芳香族ポリカーボネートに添加することが好ま
しく、このような添加剤としては、例えば、耐熱安定
剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、
スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、有機充填
剤、無機充填剤等をあげることができる。
【0070】これらの内でも耐熱安定剤、紫外線吸収
剤、離型剤、着色剤等が特に一般的に使用され、これら
は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0071】本願発明に用いられる耐熱安定剤として
は、例えば、燐化合物、フェノール系安定剤、有機チオ
エーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等を挙げ
ることができる。
【0072】また、紫外線吸収剤としては、一般的な紫
外線吸収剤が用いられ、例えば、サリチル酸系紫外線吸
収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収
剤等を挙げることができる。
【0073】また離型剤としては一般的に知られた離型
剤を用いることができ、例えば、パラフィン類などの炭
化水素系離型剤、ステアリン酸等の脂肪酸系離型剤、ス
テアリン酸アミド等の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリ
ルアルコール、ペンタエリスリトール等のアルコール系
離型剤、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステ
ル系離型剤、シリコーンオイル等のシリコーン系離型剤
等を挙げることができる。
【0074】着色剤としては有機系や無機系の顔料や染
料を使用することができる。
【0075】これらの添加剤の添加方法に特に制限はな
いが、例えば直接芳香族ポリカーボネートに添加しても
よく、マスターペレットを作成してそれを添加してもよ
い。
【0076】
【実施例】以下実施例によって説明する。ただし、本願
発明はこれに限定されるものではない。また、実施例中
の%および部は特に断らない限り重量%または重量部で
ある。
【0077】なお以下の実施例において得られた芳香族
ポリカーボネート(以下表を含めてPCと称することが
ある)の物性は以下のようにして測定した。
【0078】(粘度平均分子量)芳香族ポリカーボネー
トの塩化メチレン溶液を20℃のウベローデ粘度計を用
い固有粘度を測定し、次式により粘度平均分子量Mvを
求めた。
【0079】[η]=1.23×10-4Mv0.83 (微小異物 0.5μm以上の異物数)ポリカーボネー
トを、塩化メチレンで溶液化し、微粒子計測器(HiacRo
yco社製He-Neレーザー光散乱方式)により微粒子数を測
定した。結果をポリカーボネート1gあたりの個数で示
す。
【0080】(微小異物 10μm以上の異物数)ポリ
カーボネートを、塩化メチレンで溶液化し、微粒子計測
器(HiacRoyco社製レーザーダイオード光散乱遮断方
式)により微粒子数を測定した。結果をポリカーボネー
ト500gあたりの個数で示す。
【0081】[実施例1]アルカリ金属触媒としてナト
リウムフェノキシドのフェノール溶液と含窒素塩基性化
合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水
溶液を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン1モルに対し、金属として5×10-7当量のナトリ
ウムフェノキシド(以下NPOと略記する)と1×10
-4当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TM
AH)となる濃度の溶液(溶剤として純水を10重量%
含むフェノールを使用)調整し混合した。この触媒溶液
を絶対濾過精度50μmのSUS304製キャンドルフ
ィルターで濾過した。2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(以下BPAともいう)1モルに対
し、ジフェニルカーボネ−トを1.02モルの割合で、
撹拌機を備えた原料溶融槽に仕込み、窒素置換後150
℃で溶解し、該溶融混合液を150℃に保った原料貯槽
に移送した。
【0082】次いで、該溶融混合液を絶対濾過精度1μ
mのSUS316製フィルターを経て重合第1槽に連続
的に供給すると共に、濾過された触媒溶液を、精留塔を
備え、内温220℃、内圧を13333Pa(100m
mHg)に維持した重合第1槽に連続的に供給し、生成
するフェノールを精留塔より除去して反応を行い、得ら
れた反応物をギヤポンプを用いて連続的に抜きだした。
【0083】ついで該反応混合物を内温を250℃、内
圧を1333Pa(10mmHg)に維持した重合第2
槽に連続的に供給し、生成するフェノールを精留塔より
除去して反応を行い、得られた反応混合物をギヤポンプ
を用いて連続的に抜きだした。
【0084】ついで該反応混合物を内温を270℃、内
圧を200Pa±70kPa(1.5mmHg±0.5
mmHg)に保った横形1軸重合槽に、連続的に供給
し、発生するフェノールを系外に除去しつつさらに重合
させることにより芳香族ポリカーボネートを連続的に製
造し、溶融状態にある粘度平均分子量が15000であ
るポリカーボネートをギヤポンプにより抜き出し、ダイ
スより押し出しペレタイザーによりペレット化した。こ
のペレットに含まれる10μm以上の異物は190個、
0.5μm以上の異物は2200個であった。
【0085】[実施例2]アルカリ金属触媒としてナトリ
ウムフェノキシドのフェノール溶液と含窒素塩基性化合
物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶
液を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン1モルに対し、金属として5×10-7当量のナトリウ
ムフェノキシド(以下NPOと略記する)と1×10-4
当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMA
H)となる濃度の溶液(溶剤として純水を10重量%含
むフェノールを使用)調整し混合した。この触媒溶液を
絶対濾過精度10μmのSUS304製キャンドルフィ
ルターで濾過した。これ以外は実施例1と同様にし、ポ
リカーボネートのペレットを得た。このペレットに含ま
れる10μm以上の異物は80個、0.5μm以上の異
物は900個であった。
【0086】[実施例3]アルカリ金属触媒としてナトリ
ウムフェノキシドのフェノール溶液と含窒素塩基性化合
物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶
液を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン1モルに対し、金属として5×10-7当量のナトリウ
ムフェノキシド(以下NPOと略記する)と1×10-4
当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMA
H)となる濃度の溶液(溶剤として純水を10重量%含
むフェノールを使用)調整し混合した。この触媒溶液を
絶対濾過精度2μmのSUS304製キャンドルフィル
ターで濾過した。これ以外は実施例1と同様にし、ポリ
カーボネートのペレットを得た。このペレットに含まれ
る10μm以上の異物は70個、0.5μm以上の異物
850個であった。
【0087】[実施例4]アルカリ金属触媒としてナトリ
ウムフェノキシドのフェノール溶液と含窒素塩基性化合
物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶
液を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン1モルに対し、金属として5×10-7当量のナトリウ
ムフェノキシド(以下NPOと略記する)と1×10-4
当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMA
H)となる濃度の溶液(溶剤として純水を10重量%含
むフェノールを使用)調整し混合した。この触媒溶液を
絶対濾過精度10μmのPTFE製キャンドルフィルタ
ーで濾過した。これ以外は実施例1と同様にし、ポリカ
ーボネートのペレットを得た。このペレットに含まれる
10μm以上の異物は110個、0.5μm以上の異物
1400個であった。
【0088】[実施例5]アルカリ金属触媒としてナトリ
ウムフェノキシドを2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン1モルに対し、金属として5×10-7
量となる濃度のフェノール溶液と含窒素塩基性化合物と
してテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対
し、1×10-4当量のテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド(TMAH)となる濃度の水溶液を調整し、それ
ぞれを絶対濾過精度10μmのSUS304製キャンド
ルフィルターで濾過した後、混合した。これ以外は実施
例1と同様にし、ポリカーボネートのペレットを得た。
このペレットに含まれる10μm以上の異物は80個、
0.5μm以上の異物1000個であった。
【0089】[比較例1]アルカリ金属触媒としてナトリ
ウムフェノキシドのフェノール溶液と含窒素塩基性化合
物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶
液を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン1モルに対し、金属として5×10-7当量のナトリウ
ムフェノキシド(以下NPOと略記する)と1×10-4
当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMA
H)となる濃度の溶液(溶剤として純水を10重量%含
むフェノールを使用)調整し混合した。この触媒溶液を
フィルターで濾過せずに使用した。これ以外は実施例1
と同様にし、ポリカーボネートのペレットを得た。この
ペレットに含まれる10μm以上の異物は2900個、
0.5μm以上の異物36500個であった。
【0090】
【発明の効果】本発明では、芳香族ポリカーボネートを
製造するに際して、エステル交換触媒を溶液としてフィ
ルターにより濾過して使用することによって、10μm
以下の微小異物の発生を抑制することができ、光学用途
に適した芳香族ポリカーボネートを製造することができ
るようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB04 AC01 AC02 AE01 BB04A BB05A BB12A BB12C BB13A BB13B BD09A BF14A BG05X BG08X BH02 DB07 DB11 DB13 HC03 HC04A HC05A JC021 JC071 JC231 JC261 JC731 JF021 JF031 JF041 JF131 JF141 JF151 JF161 JF361 JF371 KA02 LB01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルをアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類
    金属化合物、ならびに含窒素塩基性化合物を触媒とする
    エステル交換反応により反応せしめ、芳香族ポリカーボ
    ネートを製造する方法において、溶液状態であるアルカ
    リ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、
    ならびに溶液状態である含窒素塩基性化合物をフィルタ
    ーで濾過した後、溶融重縮合反応に使用することを特徴
    とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フィルターが絶対濾過精度10μm
    以下であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリ
    カーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルターが金属製であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】 溶液状態であるアルカリ金属化合物およ
    び/またはアルカリ土類金属化合物、および溶液状態に
    ある含窒素塩基性化合物を、予め濾過した後、混合して
    使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 溶液状態にあるアルカリ金属化合物およ
    び/またはアルカリ土類金属化合物、および溶液状態に
    ある含窒素塩基性化合物を絶対濾過精度が10μm以下
    のフィルターを用いて予め濾過した後、混合して使用す
    ることを特徴とする請求項4に記載の芳香族ポリカーボ
    ネートの製造方法。
  6. 【請求項6】 エステル交換反応に触媒として使用する
    アルカリ金属化合物の溶液および/またはアルカリ土類
    金属化合物の溶液がフェノール溶液であり、含窒素塩基
    性化合物の溶液が水溶液であることを特徴とする請求項
    1から5いずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 エステル交換反応に触媒として使用する
    アルカリ金属化合物の溶液および/またはアルカリ土類
    金属化合物の溶液及び、含窒素塩基性化合物の溶液が5
    0重量%以下の水を含むフェノールを溶媒とした溶液で
    あることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の
    芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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