JP2003137932A - 芳香族環を側鎖に有するポリアセチレンおよびそれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

芳香族環を側鎖に有するポリアセチレンおよびそれを用いた有機電界発光素子

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JP2003137932A
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Masayoshi Tabata
昌祥 田畑
Takeyuki Sone
岳之 曽根
Daigo Yonemoto
大吾 米元
Yoshikazu Sadahiro
嘉和 貞広
Kenya Makino
健哉 牧野
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機電界発光素子等に使われる薄膜層を簡単
に大面積の製造でき、しかも発光効率の高い有機電界発
光素子を得る。 【構成】 芳香族環置換アセチレンモノマーにロジウム
錯体を触媒として作用させて重合又は共重合して得るこ
とを特徴とする芳香族環を側鎖に有するポリアセチレ
ン。前記芳香族環置換アセチレンモノマーは、ビフェニ
ル、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、フル
オレン、ペリレン、及びルブレンの群から選ばれる少な
くとも1種の基、或いは、ハロゲン、エーテル、エステ
ル、カルボニル、ニトリル、炭化水素の群から選ばれる
少なくとも1つで置換されたフェニル、ビフェニル、ナ
フタレン、アントラセン、フェナンスレン、フルオレ
ン、ペリレン、及びルブレンの少なくとも1種の基で置
換されているアセチレンが使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電界発光素子に
関し、さらに詳しくは芳香族環を側鎖に有するポリアセ
チレンおよびそれから成る薄膜層を使用することを特徴
とする有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子には、無機材料からなる無
機電界発光素子と、有機材料からなる有機電界発光素子
がある。近年、低電圧で高輝度の発光が得られるという
理由から有機電界発光素子が注目を集めている。
【0003】一般に有機電界発光素子は、インジウムス
ズ酸化物(ITO)等の陽極材料の薄膜を蒸着したガラ
ス板上に、正孔輸送層、発光層等の有機薄膜層を形成
し、さらにその上に陰極材料の薄膜を形成して作られ
る。発光層に使用する発光材料は、低分子材料と高分子
材料に大別される。低分子材料と高分子材料の違いは、
その製膜方法による。アルミニウムトリスキノリノール
(以下Alq3と略す)に代表される低分子発光材料を用い
た場合、薄膜を作製するには真空蒸着が必要であり作業
効率が悪い。
【0004】高分子発光材料としては、ポリフェニレン
ビニレン(以下PPVと略)の様な長い共役系を持つ重
合体がよく知られている。しかしながら、高分子材料の
中でもPPVは溶媒に不溶であるため、そのまま塗布す
ることができない。このような高分子材料の中でも溶媒
に不溶のものでは、真空蒸着は必要でないが、そのもの
自身が有機溶媒に不溶のため前駆体を合成し、スピンコ
ート法等で薄膜にしてから加熱処理により目的物へ変換
しなければならず、作業工程が複雑になる。
【0005】その点、ポリビニルカルバゾールなどの高
分子材料を用いた場合、その溶液からスピンコート法、
バーコート法、ディップコート法、フローコート法、ス
クリーン印刷法、インクジェットプリンティング法など
の簡便な塗布方式で製膜できる。さらに、このような塗
布方式による製膜方法は、真空蒸着法に対し、大面積
化、生産コストの低下、加工性などの点で非常に有利で
ある。
【0006】高分子の素子材料が種々研究され発表され
ている。たとえば正孔輸送材としてはトリフェニルアミ
ンの誘導体で高分子化した材料(K. Ogino, H. Sato, et
al,Macromol. Rapid commun. 20, 103-106(1999))など
が知られている。高分子発光材としては、ポリフルオレ
ン系のポリマー(M.Inbasekaran, E. Woo, et al, Synt
h. metals, 111-112,397 (2000), I. S. Millard, ibi
d. 111- 112,119 (2000))などが知られている。またポ
リビニルカルバゾールは正孔輸送材、発光材の両方に研
究されている(J. Kido, et al, Appl. Phys. Lett. 63,
2627, (1993))がまだ満足するまでには至っていな
い。。
【0007】また、ポリアセチレンは共役系が無限に延
びた高分子で、有機電界発光素子材料として期待される
が、有機溶媒に不溶なため利用されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、薄膜化
が容易な有機電界発光素子用に高分子材料の研究が盛ん
になされているが、満足なものは得られていない。
【0009】従って本発明は、溶媒に可溶性であり、そ
の結果として簡便な塗布方式を採用でき、薄膜化が容易
に行える長共役系の高分子材料を開発することを目的と
する。そして、本発明のもう一つの課題は、この長共役
系の高分子材料を有機薄膜、特に発光層に適用すること
で、塗布方式により容易でしかも経済的に高品質な有機
電界発光素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】薄膜化が容易な高分子系
の電界発光素子材料を種々合成し検討した結果、芳香族
環置換アセチレンモノマーにロジウム錯体を触媒として
作用させて重合又は共重合して得られる高分子化合物に
より課題を解決できることを見出した。さらに、この高
分子化合物を有機電界発光素子の薄膜層、特に発光層に
適用することにより、従来にない高輝度の有機電界発光
素子が経済的に提供できることを発見し本発明を完成し
た。
【0011】すなわち本発明の目的は、下記(1)〜
(7)の構成により達成することができる。 (1)芳香族環置換アセチレンモノマーにロジウム錯体
を触媒として作用させて重合又は共重合して得ることを
特徴とする芳香族環を側鎖に有するポリアセチレン。 (2)前記芳香族環置換アセチレンモノマーは、ビフェ
ニル、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、フ
ルオレン、ペリレン、及びルブレンの群から選ばれる少
なくとも1種の基、或いは、ハロゲン、エーテル、エス
テル、カルボニル、ニトリル、炭化水素の群から選ばれ
る少なくとも1つで置換されたフェニル、ビフェニル、
ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、フルオレ
ン、ペリレン、及びルブレンの少なくとも1種の基で置
換されているアセチレンであることを特徴とする(1)
に記載の芳香族環を側鎖に有するポリアセチレン。 (3)対向する陽極と陰極との間に、少なくとも発光層
を有する1層以上の有機薄膜からなる層を具備する有機
電界発光素子であって、該発光層は、(1)乃至 (2)に記載の芳香族環を側鎖に有するポリアセチレン
含むことを特徴とする有機電界発光素子。 (4)前記発光層は有機蛍光材料又は三重項発光材料が
ドープされていることを特徴とする(3)に記載の有機
電界発光素子。 (5)対向する陽極と陰極との間に、有機薄膜からなる
正孔輸送層及び発光層を具備する有機電界発光素子にお
いて、該正孔輸送層は光反応により溶媒不溶化されたも
のであることを特徴とする(3)乃至(4)に記載の有
機電界発光素子。 (6)前記正孔輸送層は、所定の開口パターンを有する
マスクで覆われ光照射により選択的に溶媒不溶化された
部分と、光照射されなかった溶媒不溶化されない部分が
形成され、該溶媒不溶化されない部分を溶剤によりエッ
チング除去された結果、該マスクの開口パターン形状が
形成されてなることを特徴とする(4)乃至(5)に記
載の有機電界発光素子。
【0012】このように構成することにより、本発明に
係る有機電界発光素子は、その材料の製膜時に真空蒸着
法を使用することなく、スピンコート法、ディップコー
ト法、インクジェットプリンティング法などの簡便な塗
布方式で製膜することができる。
【0013】また、有機蛍光材料、有機リン光材料を添
加することにより、発光色を青から赤の広い範囲から任
意に選択することができ、さらには容易に白色発光やフ
ルカラー表示を実現することができる。さらに、前記高
分子材料は、光重合開始材を添加することにより薄膜状
態で容易に硬化または溶媒不溶化できるため、上記の簡
便な製膜方法にて積層できる特長を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族環を側鎖に有するポリアセチレンは、芳
香族環置換アセチレンモノマーにロジウム錯体を触媒と
して作用させて重合又は共重合して得ることを特徴とし
ている。
【0015】本発明の原料の芳香族環置換アセチレンモ
ノマーとして、ビフェニル、ナフタレン、アントラセ
ン、フェナンスレン、フルオレン、ペリレン、及びルブ
レンの群から選ばれる少なくとも1種の基、或いは、ハ
ロゲン、エーテル、エステル、カルボニル、ニトリル、
炭化水素の群から選ばれる少なくとも1つで置換された
フェニル、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナンスレン、フルオレン、ペリレン、及びルブレンの
少なくとも1種の基で置換されているアセチレンが好ま
しく使用できる。
【0016】芳香族環置換アセチレンモノマーとして具
体的には、p-フルオロフェニルアセチレン、p-クロロフ
ェニルアセチレン、p-ブロモフェニルアセチレン、p-ヨ
ードフェニルアセチレン、p-シアノフェニルアセチレ
ン、p-アセトキシフェニルアセチレン、p-アセトフェニ
ルアセチレン、ビフェニルアセチレン、1-エチニル-4-
フェニルベンゼン、1-エチニル-4,4'-ブロモフェニルベ
ンゼン、1-エチニルナフタレン、1-エチニル-8-フルオ
ロナフタレン、1-エチニル-4-クロロナフタレン、1-エ
チニル-8-ブロモナフタレン、1-エチニル-4-ヘキシルナ
フタレン、1-エチニル-4-オクチルナフタレン、1-エチ
ニル-4-ドデシルナフタレン、9-エチニルアントラセ
ン、9,-エチニル-4-クロロアントレセン、9-エチニル-4
-オクチルアントレセン、2-エチニルフェナンスレン、2
-エチニルフルオレン、2-エチニル-9,9-ジオクチルフル
オレン、2-エチニル-9,9-ジオクチル-6-ブロモフルオレ
ン、1-エチニルペリレン、1-エチニルルブレンなどが挙
げられる。これらのモノマーに限定されるものではな
い。
【0017】本発明のポリアセチレンは、これらの芳香
族環置換アセチレンモノマーから選ばれた単独重合体、
または2種以上のモノマーの共重合体またはこれらのモ
ノマーを50%以上含有する他のアセチレンモノマーと
の共重合体などが用いられる。分子量は500〜100
万程度であり、好ましくは800〜50万の範囲であ
る。
【0018】本発明に使用するロジウム錯体触媒とし
て、例えば[Rh(ノルボルナジエン)Cl]2、[Rh(ノルボル
ナジエン)Br]2、[Rh(ノルボルナジエン)I]2などのロジ
ウム錯体が挙げられる。助触媒として、アミンおよび/
またはアルコールが使用できる。例えば、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、環状ア
ミン、DBUのスーパー塩基などのアミン化合物、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタ
ノールなどのアルコール化合物が挙げられる。但し、ロ
ジウム錯体とアミン類及び/又はアルコール類である限
り、これらの化合物に限定されるものではない。使用さ
れるロジウム錯体に対する助触媒の組成比は10〜10
0,000(モル比)の範囲で行われ、好ましくは50
〜10,000(モル比)の範囲である。
【0019】重合又は共重合は有機溶媒中での溶液重合
形態で行われる。使用される溶媒はメタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、オクタノールなどの
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、クラウンエーテルなどのエ
ーテル類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2-エキルヘキサ
ン酸などのカルボン酸類、酢酸エチル、酢酸ブチル、2-
エチルヘキサン酸エチルなどのエステル類、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの
アミン類、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、
N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2-ジクロクエ
タン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素などが挙げられる。2種以上の溶媒を混合
して使用することもできる。
【0020】本重合触媒の特長は上記のような極性溶媒
中で重合できることであり、従来の遷移金属系の重合触
媒との大きな相異点であり特長である。これらの溶媒は
使用するモノマーの溶解度、および生成するポリマーの
分子量、構造による溶解度を考慮して選択する必要があ
る。
【0021】重合温度は-20℃から使用する溶媒の沸
点まで可能であり特に限定されないが、好ましくは-2
0〜100℃程度の温度である。重合圧力も特に限定さ
れるものではなく、常圧から100kg/cmで行われ
る。重合時間は使用するモノマーの重合速度により異な
るが、通常1分から50時間の範囲で行われる。
【0022】本発明のポリアセチレンを有機発光素子の
発光層に適用すると発光するが、発光層にさらに公知の
有機蛍光材料又は三重項発光材料を含有させることもで
き、その場合発光輝度は高くなり、発光剤の特徴的な発
光スペクトルを得ることができる。
【0023】有機蛍光材料の代表例としては、緑色蛍光
材料としてクマリン-6、キナクリドンなど、青色蛍光材
料としてはペリレン、ルブレンなど、赤色蛍光材料とし
てはユウロピウムのジケトン錯体などが用いられるがこ
れらの化合物に限定されるものではない。これらの有機
蛍光材料の含有量は化合物によって異なるが、本発明の
ポリマーに対し、0.01〜5%程度、好ましくは0.
05〜3%程度である。少なすぎれば発光効果が小さ
く、多すぎると濃度消光により効果が減少する。
【0024】三重項発光材料としては、たとえばイリジ
ウム錯体、白金錯体が用いられる。配位子にフェニルピ
リジン、チオフェニルピリジンおよびその誘導体を配位
子としたイリジウム錯体または白金錯体またはポルフィ
リンの白金錯体などが用いられるが、特にこれら化合物
に限定されるものではない。これらの含有量は化合物に
よって異なるが、本発明のポリアセチレンに対し、0.
1〜10%程度、好ましくは0.5〜5%程度である。
少なすぎれば発光効果が小さく、多すぎると濃度消光に
より効果が減少する。
【0025】本発明の芳香族環を有するポリアセチレン
は溶媒溶解性が高く種々の溶媒に溶解し、その溶液から
スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、フ
ローコート法、スクリーン印刷法、インクジェットプリ
ンティング法などの簡便な方式で容易に薄膜を作製する
ことができる。溶媒としては前記重合溶媒と同じ有機溶
媒が使用できる。これらの溶媒を混合して使用すること
も可能である。本発明の高分子の溶媒に対する溶解度は
高分子の種類、分子量によって異なるため使用する高分
子に最良の溶媒を選択する必要がある。具体的に好まし
い例を挙げるならば、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドに代表
されるアミド化合物などを挙げることができる。これら
の最適溶媒を選択し、溶解した後上記方法で薄膜を作製
し、室温または加熱下に常圧または減圧下に乾燥し任意
の膜圧の薄膜を生成するこができる。
【0026】本発明の芳香族環を有するポリアセチレン
の薄膜を生成し、その上にさらに薄膜の積層を試みる場
合、通常の方法だと先に生成した薄膜が後から製膜しよ
うとするポリマー溶液の溶媒に溶解し、きれいな多層の
積層薄膜ができない。
【0027】この問題を解決するため、本発明の芳香族
環を有するポリアセチレンの溶液に光重合開始剤を加え
製膜した薄膜に光照射することにより硬化して溶媒に不
溶化することができる。この方法により多層の薄膜の積
層を容易に行うことができる。また、所定の開口パター
ンを有するフォトマスクを作製した薄膜の上方に覆い光
照射することにより選択的に溶媒不溶化された部分と、
光照射されなかった溶媒可溶の部分が形成され、該溶媒
可溶の部分を溶剤によりエッチング除去することによ
り、該マスクの開口パターン形状が形成できる。
【0028】使用できる光重合開始剤としては、カルボ
ニル化合物としてベンゾフェノン、チオキサントン等の
芳香族ケトン類、アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メ
チル-プロピオフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルア
セトフェノン、ベンゾインエーテル等のアセトフェノン
類、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等のジケト
ン類、2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド
等のアシルホスフィンオキシド類などが挙げられる。他
にも、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合
物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0029】光重合開始剤を使用する際、光重合開始剤
は光を吸収してラジカルを発生するので、光源と化合物
の吸収領域がよく適合すること、硬化速度が大きいこ
と。ポリマー溶液との相溶性がよいこと、安価なことな
どを考慮して選択する必要がある。光重合開始剤の使用
量はポリマーに対し0.5〜20%程度、好ましくは1
〜10%である。
【0030】硬化速度を速め、基板との付着力を高める
ため。架橋助剤を使用することができる。架橋助剤とし
ては不飽和炭化水素残基、アジド基、アゾ基、ニトリル
基、ケイ皮酸基などを有する多官能モノマーなどが用い
られる。具体的には、二官能スチレン誘導体、多官能ビ
ニルエーテル、多官能アクリレート、芳香族ジビニル化
合物、芳香族ビスジアジド、ジアゾナフトキノンなどが
挙げられる。好ましくは、ジビニルベンゼン、フタル酸
ジアリル、トリメチロールプロパントリアクリラート、
トリメチロールプロパントリメタクリラート、3,3'-ジ
アジドフェニルスルフォラン、4,4'-ジアジド-2,2'-ジ
メトキシビフェニル等である。
【0031】次に、本発明の有機電界発光素子の構造に
ついて述べる。本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰
極との間に発光層を含む1層または複数層の有機薄膜層
を積層した構造である。例えば、基板/陽極/発光層/
陰極が順に積層された構造、基板/陽極/正孔輸送層/
発光層/陰極が順に積層された構造、基板/陽極/緩衝
層/発光層/陰極が順に積層された構造、基板/陽極/
正孔輸送層/緩衝層/発光層/陰極が順に積層された構
造などが挙げられる。
【0032】陽極は正孔輸送層、発光層などに正孔を供
給するものであり、ガラスなどの基板上に形成される。
本発明に用いられる陽極材料は特に限定されず、具体例
としては酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫などの導
電性金属酸化物や金、銀、白金などの金属が挙げられ
る。また、市販のITO付ガラスを使用することもでき
る。
【0033】陰極は発光層に電子を供給するものであ
り、本発明に用いられる陰極材料としては特に限定され
ず、一般に使用されているものであれば何を使用しても
よい。具体例としては、Mg、Ag、Ca、Al等の金
属やそれらの合金、たとえばMg-Ag合金、Mg-Al
合金などが挙げられる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例の記載に限定されるものではない。
【0035】[合成例1]p-ブロモフェニルアセチレ
ンの重合 回転子を入れた100mlのフラスコにp-ブロモフェ
ニルアセチレンの1g(5.5mmol)を加えて充分
窒素置換し、窒素雰囲気下に溶媒として50mlのジメ
チルホルムアミドを、触媒として[Rh(ノルボルナジ
エン)Cl]2の25mg(0.055mmol)およ
び助触媒としてトリエチルアミン550mg(5.5m
mol)を加え、30℃で2時間撹拌し重合した。重合
終了後、500mlのエタノール中に注ぎ、粉末状ポリ
マーを得た。濾過し、エタノールで洗浄後、50℃で3
時間真空乾燥した。0.75gの黄色のポリマーを得
た。重合收率は75%であった。分子量は73,000
であった。
【0036】[合成例2]1-エチニル-4-ブロモナフ
タレンの重合 回転子を入れた100mlのフラスコに1-エチニル-4
-ブロモナフタレン1g(4.3mmol)を加えて充
分窒素置換し、窒素雰囲気下に溶媒として50mlのジ
メチルホルムアミドを、触媒として[Rh(ノルボルナ
ジエン)Cl]2の20mg(0.043mmol)、
および助触媒としてトリエチルアミン430mg(4.
3mmol)を加え、30℃で2時間撹拌し重合した。
重合終了後、500mlのメタノール中に注ぎ、粉末状
ポリマーを得た。濾過し、メタノールで洗浄後、50℃
で3時間真空乾燥した。0.88gのポリマーを得た。
重合收率は88%であった。分子量は52,000であ
った。
【0037】[合成例3]8-エチニル-4-ブトキシフ
ルオレンの重合 回転子を入れた100mlのフラスコに8-エチニル-4
-ブトキシフルオレン1g (4.0mmol)を加え
て充分窒素置換し、窒素雰囲気下に溶媒として50ml
のクロロホルムを、触媒として[Rh(ノルボルナジエ
ン)Cl]2の18mg(0.04mmol)、および
助触媒としてトリエチルアミン400mg(4mmo
l)を加え、30℃で2時間撹拌し重合した。重合終了
後、500mlのメタノール中に注ぎ、粉末状ポリマー
を得た。濾過し、メタノールで洗浄後、50℃で3時間
真空乾燥した。0.96gのポリマーを得た。重合收率
は96%であった。分子量は12,100であった。
【0038】[合成例4]p-シアノフェニルアセチレ
ンの重合 回転子を入れた100mlのフラスコにp-シアノフェ
ニルアセチレン1g(7.0mmol)を加えて充分窒
素置換し、窒素雰囲気下に溶媒として50mlのジメチ
ルホルムアミドを、触媒として[Rh(ノルボルナジエ
ン)Cl]2の32mg(0.07mmol)、および
助触媒としてトリエチルアミン700mg(7mmo
l)を加え、30℃で2時間撹拌し重合した。重合終了
後、500mlのメタノール中に注ぎ、粉末状ポリマー
を得た。濾過し、メタノールで洗浄後、50℃で3時間
真空乾燥した。0.95gの黄色のポリマーを得た。重
合收率は95%であった。分子量は850であった。
【0039】[合成例5]2−エチニル−9,9−ジオ
クチル-フルオレンの重合 回転子を入れた100mlのフラスコに2−エチニル−
9,9−ジオクチル-フルオレン1g(2.4mmol)
を加えて充分窒素置換し、窒素雰囲気下に溶媒として5
0mlのエタノールを、触媒として[Rh(ノルボルナ
ジエン)Cl]2の1.1mg(0.0024mmo
l)、および助触媒としてトリエチルアミン2.4mg
(0.024mmol)を加え、30℃で2時間撹拌し
重合した。重合終了後、500mlのメタノール中に注
ぎ、粉末状ポリマーを得た。濾過し、メタノールで洗浄
後、50℃で3時間真空乾燥した。0.40gのオレン
ジ色のポリマーを得た。重合收率は40%であった。分
子量は91,100であった。
【0040】[合成例6]2−ブロモ−7−エチニル-
9,9-ジオクチル-フルオレンの重合 回転子を入れた100mlのフラスコに2−ブロモ−7
−エチニル-9,9-ジオクチル-フルオレン1g(2mm
ol)を加えて充分窒素置換し、窒素雰囲気下に溶媒と
して50mlのジメチルホルムアミドを、触媒として
[Rh(ノルボルナジエン)Cl]2の0.9mg
(0.002mmol)、および助触媒としてトリエチ
ルアミン2mg(0.02mmol)を加え、30℃で
2時間撹拌し重合した。重合終了後、500mlのメタ
ノール中に注ぎ、粉末状ポリマーを得た。濾過し、メタ
ノールで洗浄後、50℃で3時間真空乾燥した。0.8
8gの朱色のポリマーを得た。重合收率は88%であっ
た。分子量は67,900であった。
【0041】[合成例7]N−ビニルカルバゾールとメ
タクリル酸ビニルの共重合体の合成 300mlのフラスコにN−ビニルカルバゾールの12
g(63mmol)とメタクリル酸ビニル2.7g(2
4mmol)アゾビスイソブチロニトリル0.5gを加
え、トルエン240mlを加えて溶解した。密栓した
後、60℃の雰囲気下に48時間静置し共重合した。1
000mlのメタノール中に注ぎ濾過し、メタノールで
洗浄後、50℃で真空乾燥して14.4g(收率98
%)の白色粉末を得た。分析の結果、N−ビニルカルバ
ゾールのビニル基とメタクリル酸ビニルのメタクリル基
が重合し、メタクリル酸ビニルのビニル基が側鎖として
存在するポリマーであることがわかった。分子量は1
5,000であった。
【0042】[実施例1]有機電界発光素子を次のよう
に作製した。合成例7で合成したビニルカルバゾールと
メタクリル酸ビニルの共重合体の200mgをトルエン
5mlに溶解し、光重合開始剤として2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノンを10mg加えて溶解
し、市販のITO付ガラス(15Ω/□以下;セントラ
ル硝子製)の上にスピンコートして薄膜を作製し減圧下
に乾燥した。フォトマスクをつけて、254〜365n
mに主波長を有する紫外線を照射し得られた薄膜をフォ
トマスクの所定のパターン状に硬化し、溶媒不溶化し
た。次に部分硬化した薄膜をトルエン溶媒中に浸積して
エッチングした。50nmの正孔輸送剤薄膜を得た。合
成例1で試作したp-ブロモフェニルアセチレンの重合
体100mg(0.55mmol)をテトラヒドロフラ
ン10mlに溶解した。この溶液にトリス(2-フェニ
ルピリジン)イリジウム錯体8mg(0.1mmol)
を加え溶解した溶液を、上記正孔輸送剤薄膜の上にスピ
ンコート法により27nmの薄膜を作製した。次に、陰
極として真空状着装置を用いて、LiFを約1nm、A
lを約150nm蒸着した。こうして作製した発光素子
を減圧できる測定治具中にセットし、減圧しながら直流
電圧を印加し発光輝度を測定したところ、12Vで34
00cd/m2の輝度を得た。
【0043】[実施例2]有機電界発光素子を次のよう
に作製した。合成例7で合成したビニルカルバゾールと
メタクリル酸ビニルの共重合体の200mgをトルエン
5mlに溶解し、光重合開始剤として2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノンを10mg加えて溶解
し、市販のITO付ガラス(15Ω/□以下;セントラ
ル硝子製)の上にスピンコートして薄膜を作製し減圧下
に乾燥した。フォトマスクをつけて、254〜365n
mに主波長を有する紫外線を照射し薄膜を硬化し得られ
た薄膜をフォトマスクの所定のパターン状に硬化し、溶
媒不溶化した。次に部分硬化した薄膜をトルエン溶媒中
に浸積してエッチングした。56nmの正孔輸送剤薄膜
を得た。合成例5で試作したp−シアノフェニルアセチ
レンの重合体100mg (0.7mmol)をテトラ
ヒドロフラン10mlに溶解し、この溶液を上記正孔輸
送剤薄膜の上にスピンコート法で塗布し、膜厚120n
mの薄膜を形成した。減圧下で乾燥後、次に、陰極とし
て真空状着装置を用いて、LiFを約1nm、Alを約
150nm蒸着した。こうして作製した発光素子を減圧
できる測定治具中にセットし、減圧しながら直流電圧を
印加し発光輝度を測定したところ、12Vで1300c
d/mの輝度が得られた。 [実施例3]有機電界発光素子を次のように作製した。
合成例7で合成したビニルカルバゾールとメタクリル酸
ビニルの共重合体の200mgをトルエン5mlに溶解
し、光重合開始剤として2,2-ジメトキシ-2-フェニ
ルアセトフェノンを10mg加えて溶解し、市販のIT
O付ガラス(15Ω/□以下;セントラル硝子製)の上
にスピンコートして薄膜を作製し減圧下に乾燥した。フ
ォトマスクをつけて、254〜365nmに主波長を有
する紫外線を照射し得られた薄膜をフォトマスクの所定
のパターン状に硬化し、溶媒不溶化した。次に部分硬化
した薄膜をトルエン溶媒中に浸積してエッチングした。
56nmの正孔輸送剤薄膜を得た。合成例2で試作した
1-エチニル-4-ブロモナフタレンの重合体100mg
(0.43mmol)をテトラヒドロフラン10mlに
溶解した。この溶液にトリス(2−フェニルピリジン)
イリジウム錯体8mg(0.1mmol)を加え溶解し
た溶液を、上記正孔輸送剤薄膜の上にスピンコート法に
より27nmの薄膜を作製した。次に、陰極として真空
状着装置を用いて、LiFを約1nm、Alを約150
nm蒸着した。こうして作製した発光素子を減圧できる
測定治具中にセットし、減圧しながら直流電圧を印加し
発光輝度を測定したところ、12Vで3100cd/m
の輝度を得た。
【0044】[実施例4]有機電界発光素子を次のよう
に作製した。合成例7で合成したビニルカルバゾールと
メタクリル酸ビニルの共重合体の200mgをトルエン
5mlに溶解し、光重合開始剤として2,2-ジメトキ
シ-2-フェニルアセトフェノンを10mg加えて溶解
し、市販のITO付ガラス(15Ω/□以下;セントラ
ル硝子製)の上にスピンコートして薄膜を作製し減圧下
に乾燥した。フォトマスクをつけて、254〜365n
mに主波長を有する紫外線を照射し薄膜を硬化し得られ
た薄膜をフォトマスクの所定のパターン状に硬化し溶媒
不溶化した。次に部分硬化した薄膜をトルエン溶媒中に
浸積してエッチングした。56nmの正孔輸送剤薄膜を
得た。合成例3で試作した8-エチニル-4-ブトキシフ
ルオレンの重合体100mg(0.4mmol)をテト
ラヒドロフラン10mlに溶解した。この溶液にクマリ
ン6の2.6mg(0.0075mmol)を加えて溶
解した。この溶液を上記正孔輸送剤薄膜の上にスピンコ
ート法で塗布し、膜厚約95nmの薄膜を形成した。減
圧下で乾燥後、次に、陰極として真空状着装置を用い
て、LiFを約1nm、Alを約150nm蒸着した。
こうして作製した発光素子を減圧できる測定治具中にセ
ットし、減圧しながら直流電圧を印加し発光輝度を測定
したところ、12Vで2400cd/mの輝度が得ら
れた。
【0045】[実施例5]有機電界発光素子を次のよう
に作製した。合成例7で合成したビニルカルバゾールと
メタクリル酸ビニルの共重合体の200mgをトルエン
5mlに溶解し、光重合開始剤として2,2-ジメトキ
シ-2-フェニルアセトフェノンを10mg加えて溶解
し、市販のITO付ガラス(15Ω/□以下;セントラ
ル硝子製)の上にスピンコートして薄膜を作製し減圧下
に乾燥した。フォトマスクをつけて、254〜365n
mに主波長を有する紫外線を照射し薄膜を硬化し得られ
た薄膜をフォトマスクの所定のパターン状に硬化し、溶
媒不溶化した。次に部分硬化した薄膜をトルエン溶媒中
に浸積してエッチングした。56nmの正孔輸送剤薄膜
を得た。合成例4で試作したp-シアノフェニルアセチ
レンの重合体100mg(0.7mmol)をテトラヒ
ドロフラン10mlに溶解した。この溶液にクマリン6
の2.6mg (0.0075mmol)を加えて溶解
した。この溶液を、上記正孔輸送剤薄膜の上にスピンコ
ート法で塗布し、膜厚約82nmの薄膜を形成した。減
圧下で乾燥後、陰極として、Mg:Ag=20:1を共
蒸着により200nmの膜厚で製膜した。こうして作製
した発光素子を減圧できる測定治具中にセットし、減圧
しながら直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、
12Vで2200cd/mの輝度が得られた。
【0046】[実施例6]有機電界発光素子を次のよう
に作製した。市販のPEDOT(バイエル社製、bay
tron P, TP CH 8000, 2.5wt
%水溶液)を2000rpmにて市販のITO付ガラス
(15Ω/□以下;セントラル硝子製)の上にスピンコ
ートして薄膜を作製し減圧下に180℃で30分間乾燥
した。膜厚は70nmであった。合成例5で試作した2
-エチニル-9,9-ジオクチル-フルオレンの重合体10
0mg (0.24mmol)をクロロホルム10ml
に溶解した。この溶液にクマリン6の2.6mg(0.
0075mmol)を加えて溶解した。この溶液をPE
DOTをコーティングしたITO上にスピンコート法で
塗布し、膜厚約95nmの薄膜を形成した。減圧下で乾
燥後、陰極として真空状着装置を用いて、LiFを約1
nm、Alを約150nm蒸着した。こうして作製した
発光素子を減圧できる測定治具中にセットし、減圧しな
がら直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、12
Vで5400cd/mの輝度を得た。
【0047】[実施例7]有機電界発光素子を次のよう
に作製した。合成例7で合成したビニルカルバゾールと
メタクリル酸ビニルの共重合体の200mgをトルエン
5mlに溶解し、光重合開始剤として2,2-ジメトキ
シ-2-フェニルアセトフェノンを10mg加えて溶解
し、市販のITO付ガラス(15Ω/□以下;セントラ
ル硝子製)の上にスピンコートして薄膜を作製し減圧下
に乾燥した。フォトマスクをつけて、254〜365n
mに主波長を有する紫外線を照射し得られた薄膜をフォ
トマスクの所定のパターン状に硬化し、溶媒不溶化し
た。次に部分硬化した薄膜をトルエン溶媒中に浸積して
エッチングした。50nmの正孔輸送剤薄膜を得た。合
成6で試作した2-ブロモ-7-エチニル-9,9-ジオクチ
ル-フルオレン重合体100mg(0.2mmol)を
クロロホルム10mlに溶解した。この溶液にトリス
(2-フェニルピリジン)イリジウム錯体8mg(0.
1mmol)を加え溶解した溶液を、上記正孔輸送剤薄
膜の上にスピンコート法により27nmの薄膜を作製し
た。次に、真空状着装置を用いて、バクソプロインを1
0nm、Alq3を23nmおよび陰極としてMg:A
g=20:1を共蒸着により200nmの膜厚で製膜し
た。こうして作製した発光素子を減圧できる測定治具中
にセットし、減圧しながら直流電圧を印加し発光輝度を
測定したところ、12Vで3600cd/mの輝度を
得た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の芳香族環
を側鎖に有するポリアセチレンは溶媒溶解性の高い新規
な長共役高分子であり、有機電界発光素子の構成層、特
に、発光層に適用することで、発光効率の高い有機電界
発光素子が作製できる。また、本発明によると、スピン
コート法、バーコート法、ディップコート法、フローコ
ート法、スクリーン印刷法、インクジェットプリンティ
ング法などの経済性の高い、しかも簡便な塗布方式によ
り有機薄膜を形成することが可能となる。このような塗
布方式による製膜方法は、真空蒸着法に対し、大面積
化、生産コストの低下、加工性などの点で非常に有利で
ある。また、正孔輸送層薄膜を作製し、光照射により硬
化、溶媒不溶化しておくことで、本発明のポリアセチレ
ン系の発光層材料を上から塗布しても、有機薄膜層の溶
媒による下地の溶解劣化の問題が皆無となった。従っ
て、同じ方法を繰り返し適用することにより、有機薄膜
の積層を容易に行うことができる。さらに、有機薄膜を
所定の開口パターンを有するフォトマスクを使用して光
照射した後、溶媒で洗浄し、エッチングすることによ
り、フォトマスクの開口パターン形状の薄膜層が得ら
れ、正孔輸送材薄膜層に適用することにより、その上に
発光層を塗布した場合、特定の発光部のパターンを有す
る有機電界発光素子が得られる。さらにまた、本発明は
有機電界発光素子のみならず、有機薄膜を多層に積層す
るような用途全てに適用できることはいうまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貞広 嘉和 北海道札幌市北区十三条西八丁目 北海道 大学内 (72)発明者 牧野 健哉 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB18 CC00 DB03 FA01 4J100 AT05P BA04P BA40P BB03P BC43P BC44P BC48P BC49P CA01 CA04 JA32 JA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族環置換アセチレンモノマーにロジ
    ウム錯体を触媒として作用させて重合又は共重合して得
    ることを特徴とする芳香族環を側鎖に有するポリアセチ
    レン。
  2. 【請求項2】 前記芳香族環置換アセチレンモノマー
    は、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナン
    スレン、フルオレン、ペリレン、及びルブレンの群から
    選ばれる少なくとも1種の基、或いは、ハロゲン、エー
    テル、エステル、カルボニル、ニトリル、炭化水素の群
    から選ばれる少なくとも1つで置換されたフェニル、ビ
    フェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレ
    ン、フルオレン、ペリレン、及びルブレンの少なくとも
    1種の基で置換されているアセチレンであることを特徴
    とする請求項1に記載の芳香族環を側鎖に有するポリア
    セチレン。
  3. 【請求項3】 対向する陽極と陰極との間に、少なくと
    も発光層を有する1層以上の有機薄膜からなる層を具備
    する有機電界発光素子であって、該発光層は、請求項1
    乃至2に記載の芳香族環を側鎖に有するポリアセチレン
    含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 前記発光層は有機蛍光材料又は三重項発
    光材料がドープされていることを特徴とする請求項3に
    記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 対向する陽極と陰極との間に、有機薄膜
    からなる正孔輸送層及び発光層を具備する有機電界発光
    素子において、該正孔輸送層は光反応により溶媒不溶化
    されたものであることを特徴とする請求項3乃至4に記
    載の有機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 前記正孔輸送層は、所定の開口パターン
    を有するマスクで覆われ光照射により選択的に溶媒不溶
    化された部分と、光照射されなかった溶媒不溶化されな
    い部分が形成され、該溶媒不溶化されない部分を溶剤に
    よりエッチング除去された結果、該マスクの開口パター
    ン形状が形成されてなることを特徴とする請求項4乃至
    5に記載の有機電界発光素子。
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WO2007060826A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置

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