JP3975335B2 - 赤色発光材料及びその製造方法並びにそれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

赤色発光材料及びその製造方法並びにそれを用いた有機電界発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な赤色発光材料及びそれを用いた有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電界発光素子には、無機材料からなる無機電界発光素子と、有機材料からなる有機電界発光素子がある。近年、低電圧で高輝度の発光が得られるという理由から有機電界発光素子が注目を集めている。
【0003】
一般に有機電界発光素子は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の陽極材料の薄膜を蒸着したガラス板上に、正孔輸送層、発光層等の有機薄膜層を形成し、さらにその上に陰極材料の薄膜を形成して作られる。
【0004】
有機電界発光素子用の正孔輸送材、発光材として種々の高分子材料が開発されている。たとえば正孔輸送材としてはトリフェニルアミンの誘導体で高分子化した材料(K.Ogino, H.Sato, et al, Macromol. Rapid Commun. 20, 103-106(1999))などが知られている。高分子発光材としては、ポリフルオレン系のポリマー(M.Inbasekaran, E.Woo, et al, Synth. Metals, 111-112, 397(2000)、I.S.Millard, ibid. 111-112, 119(2000))などが知られている。またポリビニルカルバゾールは正孔輸送材、青色発光材の両方に研究されている(J.Kido, et al, Appl. Phys. Lett. 63, 2627(1993))。
【0005】
ポリフェニレンビニレンのような長い共役系を持つ重合体がよく知られている(S.Doi et al Synthetic Matels., 55-57, 4174(1993))。しかしながら、高分子材料の中でもポリフェニレンビニレンは溶媒に不溶であるため、そのまま塗布することができない。このような高分子材料の中でも溶媒に不溶の場合は、前駆体を合成し、スピンコート法等で薄膜にしてから加熱処理により目的物へ変換しなければならず、作業工程が複雑になる。
【0006】
低分子の赤色発光材料としてはDCMやNile Redなどの有機色素化合物が公知である(C. W. Tang et al, J. Appl. Phys., 65,3610(1989))が、これらの化合物は真の赤色が得られず、橙色がかった赤しか得られない。またEu錯体として (トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオネート))−(1,10−フェナンスロリン)ユーロピウム(III)) (Eu(TTA)3(phenn)と略記する)(T. Sano, et al, Jpn. J. Appl. Phys., 34, 1883 (1995))が公知である。燐光発光化合物としてIr錯体(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)や、Pt錯体(2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリンプラチニウム(II) (PtOEPと略記する))が公知であり使用されている(城戸, 田中, 高分子討論会予行集, 13, 3397 (2001))。またこれらの金属錯体化合物と燐光を発する化合物とからなる発光材に関する報告もある(特開平11−256148号公報)。しかしこれらの有機色素化合物及び金属錯体は非常に高価であり、工業的に使用するには価格が大きな障害になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
赤色発光材料には上記のような問題がある。従って、本発明は、安価に薄膜を作製でき、かつ有機電界発光素子に利用できる赤色発光材料を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、そのような赤色発色材料を用いた有機電界発光素子を提供することをも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の燐光物質と、カルバゾール基を含有する化合物との混合物を含有する赤色発光材料が、安価で薄膜を作製でき、且つ、有機電界発光素子に利用できる赤色発光材料として有用であることを見出した。
【0010】
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであって、下記の赤色発光材料、赤色発光材料を含有する薄膜の製造方法及び有機電界発光素子を提供するものである。
【0011】
本発明は、少なくとも燐光物質と、カルバゾール基を有する化合物とを含有することを特徴とする赤色発光材料に関する。このような物質を含有することにより、赤色に発光する材料を提供することができる。
【0012】
一般に正孔と電子との再結合によって、電気的に中性の分子励起子が生成される。発光はこの分子励起子を経由して起こっている。生成される分子励起子には、一重項励起子と三重項励起子とが混合していて、一重項励起子及び三重項励起子は、25%対75%の割合で、三重項励起子の方が多く生成する。また、発光に寄与する励起子は、一重項励起子であって、三重項励起子は最終的に熱として消費されてしまい、生成率の低い一重項励起子から発光が生じている。従って、三重項励起子のエネルギーは大きい損失となっている。このため、本発明では、燐光物質とカルバゾール基を有する化合物とを含有することにより、三重項励起子を有効に発光に利用したものである。このとき発光される色彩は、従来、発光されにくく、鮮やかな色が再現されにくかった、赤色に発光するものである。この点で、本発明は、極めて重要な意義を有する。
【0013】
前記燐光物質が、ベンゾフェノンの燐光発光強度以上の燐光発光強度を有することが好ましい。これにより、さらに発光強度の高い発光材料を提供することができるからである。また、燐光が強いことから、明確な三重項準位を有しており、不純物などに起因する未知の準位の存在によってエネルギーが熱失活されにくくなっていることを意味している。従って、エネルギー効率を改善することができる。
【0014】
前記燐光物質が、ベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン、有機残基で置換されたベンゾフェノン、有機残基で置換されたトリフェニルアセトフェノンからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。このような燐光物質を用いることにより赤色の発光を得ることができる有機エレクトロルミネセンス(EL)を実現することができる。
【0015】
前記燐光物質が、ベンゾフェノン基、トリフェニルアセトフェノン基、有機残基で置換されたベンゾフェノン基、有機残基で置換されたトリフェニルアセトフェノン基からなる群から選ばれた少なくとも1種を側鎖に有する高分子であることが好ましい。主鎖にベンゾフェノン等を用いる場合だけでなく、側鎖にベンゾフェノン基等を用いた場合でも、赤色に発光する材料を提供することができる。主鎖以外の側鎖にベンゾフェノン基等を用いた場合でも赤色発光材料とするとができるため、極めて広い範囲に応用することができる。
【0016】
前記カルバゾール基を有する化合物が、カルバゾール、ハロゲン及び/又は有機残基で置換されたカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これにより赤色に発光する材料を提供することができる。新規な燐光物質が発見された場合でも、カルバゾール基を有する化合物が、赤色発光を促進することができるからである。
【0017】
前記カルバゾール基を有する化合物が、ビニルカルバゾール、ハロゲン及び/又は有機残基で置換されたビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体であることが好ましい。赤色発光材料を含有する薄膜を生成する際に、先に生成した薄膜が、後から成膜しようとする高分子溶液の溶媒に溶解し、きれいな多層の積層薄膜ができなかった。このため、赤色発光材料の溶液に重合体又は共重合体を重合させることにより、きれいな多層の積層薄膜を形成することができる。
【0018】
前記カルバゾール基を有する化合物が、ビニルカルバゾール、ハロゲン及び/又は有機残基で置換されたビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と、ビニルモノマーとをモノマーとして用いてなる共重合体であることが好ましい。これにより赤色発光材料の薄膜形成が容易となるからである。
【0019】
前記ビニルモノマーが、不飽和炭化水素基で置換されたアクリル系ビニルモノマーであることが好ましい。これにより、ビニルカルバゾール基の二重結合と、不飽和炭化水素基で置換されたアクリル系ビニルモノマーの二重結合とを少なくとも二つ以上有することになる。このように二重結合を設けることによりゲル化している薄膜部分が光照射されることにより、薄膜が硬化してトルエンなどの有機溶媒に対して不溶化することができる。これにより、高品質の多層薄膜の積層化を達成することができる。また、所定の開口パターンを有するフォトマスクで、成膜した薄膜の上方を覆い、光照射することにより溶媒不溶化された部分と、光照射されずに溶媒不溶化されない部分とが選択的に形成され、該溶媒不溶化されない部分が形成される。この溶媒不溶化されない部分は、溶剤により溶解するため、エッチング除去され、該マスクの開口パターン形状を形成することができる。
【0020】
前記不飽和炭化水素基で置換されたアクリル系ビニルモノマーは、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、クロチルアクリレート、クロチルメタクリレート、シクロペンタジエニルアクリレート、シクロペンタジエニルメタクリレート、アクリル酸ビニル、メタアクリル酸ビニルより選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これにより高品質の多層薄膜の積層化を促進することができる。また、赤色発光材料を極めて容易に製造することができる。
【0021】
前記カルバゾール基を有する化合物が、エチニルカルバゾール、ハロゲン及び/又は有機残基で置換されたエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体であることが好ましい。これにより赤色発光材料を極めて容易に製造することができる。
【0022】
前記カルバゾール基を有する化合物が、エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と、カルバゾール基以外の置換基を有するエチニル化合物モノマーとをモノマーとして用いてなる共重合体であることが好ましい。このような導電性化合物を用いることにより、極めて鮮やかな赤色を奏する赤色発光材料を提供することができる。
【0023】
前記カルバゾール基を有する化合物が、数平均分子量1,000〜1,000,000であることが好ましい。この範囲の高分子材料を用いることにより、安価で高品質の多層薄膜の積層を可能にしたものである。
【0024】
前記有機残基が、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のエーテル基、炭素数1〜20のエステル基、カルボニル基、ニトリル基、アミノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これにより、アルキル基の他、不飽和炭化水素基なども使用することができ、一般に入手可能な原料を用いることができるため、安価で高品質の多層薄膜の積層を可能にしたものである。
【0025】
本発明は、請求項1乃至13の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料を含有することを特徴とする赤色発光材料の薄膜に関する。請求項1乃至13の赤色発光材料を用いることにより、赤色発光材料の薄膜形成を可能にしたものである。
【0026】
本発明は、青色発光材料と、緑色発光材料と、請求項1乃至13の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料と、を具備することにより白色に発光することを特徴とする有機電界発光素子に関する。これにより、より鮮やかなフルカラーの有機電界発光素子を提供することができる。また、従来、赤色の発光強度が低かったため、黄色がかった白色に発光する有機電界発光素子や、赤色の発光に合わせて青色及び緑色の発光を抑えた発光強度の低い有機電界発光素子が提供されていたが、本発明では、鮮やかな赤色に発光する赤色発光材料を提供することができるため、色の三原色を組み合わせた発光強度の高い白色に発光する有機電界発光素子を提供することができる。
【0027】
本発明は、前記有機電界発光素子は、対向する陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する1層以上の有機薄膜からなる層を具備しており、前記発光層には、請求項1乃至13の少なくともいずれか一項に記載の発光材料を含有することを特徴とする請求項17又は18のいずれかに記載の有機電界発光素子に関する。これにより赤色に発光する有機電界発光素子を提供することができる。また、赤色と他の色とを組み合わせた有機電界発光素子を提供することができる。
【0028】
前記発光層は、光反応により溶媒不溶化されたものであることを特徴とする有機電界発光素子に関する。これにより成膜のパターン形状を所望のものに変えることができる。
【0029】
本発明に係る発光材料は、所望の薄膜とし、素子を作製することができる。特に含有成分である燐光物質と、カルバゾール基を有する化合物の少なくともいずれか一方が高分子化合物であるとき、本発明の発光材料の製膜時に真空蒸着法を使用することなく、スピンコート法、ディップコート法、インクジェットプリンティング法などの簡便な塗布方式で容易に製膜できる。更にこのような塗布方式による成膜方法は、大面積化、生産コストの低下、加工性などを実現できる。
【0030】
本発明の発光材料は、254nm又は365nmの紫外線で励起しても全く発光することはないが、素子を作製した後に、通電すると高輝度で、かつ混色のない赤色発光を示す。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】
燐光物質
本発明において使用する燐光物質としては、ベンゾフェノンの燐光発光強度以上の燐光発光強度を有する燐光物質である。ここで、燐光発光強度は、燐光物質にAu、Pt、Ni等の陽極、陰極を設けて発光素子を作製し、10V程度の直流電圧を印加して発光させ、この発光スペクトルのうち燐光に起因するピークの発光強度を指す。
【0033】
かかる燐光物質としては、低分子化合物及び高分子化合物のいずれもが使用できる。
【0034】
低分子化合物の燐光物質としては、ベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン、置換基としてハロゲン若しくは有機残基を有するベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、また、2種以上を混合して使用することもできる。
【0035】
また、燐光物質として、ベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン、更には、置換基としてハロゲン又は有機残基を有するベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン等をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン等の炭化水素ポリマーに置換した構造の高分子重合体が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、また、2種以上を混合して使用することもできる。
【0036】
上記置換基であるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素などが例示できる。
【0037】
また、上記置換基である有機残基としては、炭素数1〜20、特に1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、特に1〜10のエーテル基、炭素数1〜20、特に1〜10のエステル基、カルボニル基、ニトリル基、アミノ基が挙げられる。これら置換基は、ベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノンのいずれのベンゼン環上に存在していてもよく、置換基の個数は、ベンゾフェノン又はトリフェニルアセトフェノン1分子当たり、1〜5個、特に1〜2個であるのが好ましい。置換基が2以上存在する場合は、同一又は相異なっていてもよい。
【0038】
上記炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基が好ましい。
【0039】
上記エーテル基としては、式−OR1で表される基を挙げることができる。該式中、R1としては、上記炭素数1〜20、特に1〜10の炭化水素基等が例示できる。これらR1のなかでも、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基が好ましい。
【0040】
上記エステル基としては、式−COOR2で表される基を挙げることができる。該式中、R2としては、上記炭素数1〜20、特に1〜10の炭化水素基等が例示できる。これらR2のなかでも、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基が好ましい。
【0041】
また、高分子化合物の燐光物質としては、上記ベンゾフェノン基、トリフェニルアセトフェノン基、置換基として有機残基を有するベンゾフェノン基、置換基として有機残基を有するトリフェニルアセトフェノン基からなる群から選ばれる少なくとも1種を側鎖に有するポリマーを挙げることができる。
【0042】
かかるポリマーの数平均分子量としては、広い範囲から選択できるが、一般には、数平均分子量が約1,000〜1,000,000、特に5,000〜500,000のポリマーが好ましい。
【0043】
また、上記ポリマーとしては、炭化水素からなる主鎖に、ベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン、置換基として有機残基を有するベンゾフェノン、置換基として有機残基を有するトリフェニルアセトフェノンからなる群から選ばれる少なくとも1種の側鎖(以下「特定の側鎖」という)のみが結合している重合体であってもよく、あるいは、炭化水素からなる主鎖に、前記特定の側鎖と、他の側鎖(例えば、フェニル基等)とが混在して結合している共重合体であってもよい。
【0044】
中でも、ポリスチレンの側鎖であるフェニル基の一部が、上記特定の側鎖、特にベンゾフェノン基で置換されているポリマーが好ましく使用できる。かかるポリマーにおいて、前記特定の側鎖の存在量は、50モル%以上、特に60モル%以上であるのが好ましい。
【0045】
かかるポリマーを製造するには、例えば、ポリスチレンと、前記特定の側鎖の構造からフェニル基を除いて得られる残基とハロゲンとからなるハロゲン化アシル化合物とを塩化アルミニウム触媒などのルイス酸の存在下でフリーデル−クラフツアシル化する方法等を例示できる。その製造例の一例を、後記合成例3に記載している。
【0046】
上記低分子及び高分子化合物の燐光物質のうちでも、特にベンゾフェノン、トリフェニルアセトフェノン、ポリスチレンの側鎖であるフェニル基の一部がベンゾフェノン基で置換されているポリマー等が好ましい。
【0047】
カルバゾール基を含有する化合物
本発明に使用するカルバゾール基を有する化合物としては、次の化合物を例示でき、これらは1種単独で又は2種以上を混合して使用できる。
(a)カルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種、
(b) ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体、
(c) ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と他のビニルモノマーとの共重合体、
(d) エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有すエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体、
(e) エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有すエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種とエチニル化合物モノマーとの共重合体が例示できる。
【0048】
なお、本明細書ではエチニル化合物モノマーとは、エチニル基(HC≡C−)を有する化合物を示す。
【0049】
例えば、p-フルオロフェニルアセチレン、p-クロロフェニルアセチレン、p-ブロモフェニルアセチレン、p-ヨードフェニルアセチレン、p-シアノフェニルアセチレン、p-アセトキシフェニルアセチレン、p-アセトフェニルアセチレン、ビフェニルアセチレン、1-エチニル-4-フェニルベンゼン、1-エチニル-4,4'-ブロモフェニルベンゼン、1-エチニルナフタレン、1-エチニル-8-フルオロナフタレン、1-エチニル-4-クロロナフタレン、1-エチニル-8-ブロモナフタレン、1-エチニル-4-ヘキシルナフタレン、1-エチニル-4-オクチルナフタレン、1-エチニル-4-ドデシルナフタレン、9-エチニルアントラセン、9,-エチニル-4-クロロアントレセン、9-エチニル-4-オクチルアントレセン、2-エチニルフェナンスレン、2-エチニルフルオレン、2-エチニル-9,9-ジオクチルフルオレン、2-エチニル-9,9-ジオクチル-6-ブロモフルオレン、1-エチニルペリレン、1-エチニルルブレンなどが挙げられる。
【0050】
本発明で使用するカルバゾール基を有する化合物が重合体の場合、その数平均分子量は約1,000〜1,000,000、特に5,000〜500,000の範囲である。
【0051】
カルバゾール基を有する化合物が共重合体である場合、共重合体中のモノマーであるカルバゾール基を有する構成単位の含有量は50モル%以上、特に60モル%以上であるのが好ましい。
【0052】
上記カルバゾール又はビニルカルバゾール又はエチニルカルバゾールに置換していてもよいハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を例示できるが、好ましくは臭素が挙げられる。
【0053】
上記カルバゾール又はビニルカルバゾール又はエチニルカルバゾールに置換していてもよい有機残基としては炭素数1〜20の炭化水素基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、ニトリル基、アミノ基が挙げられる。
【0054】
該有機残基としては、炭素数1〜20、特に1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、特に1〜10のエーテル基、炭素数1〜20、特に1〜10のエステル基、カルボニル基、ニトリル基、アミノ基が挙げられる。
【0055】
これらハロゲン及び有機残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基特に、ハロゲン、炭素数1〜20、特に1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、特に1〜10のエーテル基、炭素数1〜20、特に1〜10のエステル基、カルボニル基、ニトリル基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基は、カルバゾール骨格のいずれのベンゼン環上に存在していてもよく、該置換基の個数は、カルバゾール又はビニルカルバゾール又はエチニルカルバゾール1分子当たり、1〜5個、特に1〜2個であるのが好ましい。置換基が2以上存在する場合は、同一又は相異なっていてもよい。
【0056】
上記炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基が好ましい。
【0057】
上記エーテル基としては、式−OR1で表される基である。該式中、R1としては、上記炭素数1〜20、特に1〜10の炭化水素基等が例示できる。これらのなかでも、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基が好ましい。
【0058】
上記エステル基としては、式−COOR2で表される基である。該式中、R2としては、上記炭素数1〜20特に1〜10の炭化水素基が例示できる。これらのなかでも、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基が好ましい。
【0059】
<(a)成分>
上記(a)成分において、カルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種は、公知の化合物であるか又は公知の方法により合成できる。
【0060】
<(b)成分>
上記(b)成分において、ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種は、公知の化合物であるか又は公知の方法により合成できる。
【0061】
上記(b)の置換基としてハロゲン及び有機残基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有していてもよいビニルカルバゾールからなる群から選ばれる単独モノマーの重合体又は複数モノマーの共重合体は、たとえば通常のラジカル重合によって製造することができる。
【0062】
また、ハロゲンで置換されたビニルカルバゾールの単独重合体又はビニルカルバゾールとの共重合体は、実施例の合成例1に示したように、ポリビニルカルバゾールの溶液にハロゲンを添加してポリビニルカルバゾールをハロゲン化することにより製造することもできる。
【0063】
<(c)成分>
(c)成分において、ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種は、上記(b)成分について説明した通りである。
【0064】
また、(c)成分において、他のビニルモノマーとしては、広い範囲のものが使用できるが、特に、後述のように薄膜を積層する目的で光照射により薄膜を硬化させる観点から、不飽和炭化水素基を有するアクリル系ビニルモノマーが好ましい。
【0065】
かかる不飽和炭化水素基としては、例えば、炭素数2〜5の不飽和炭化水素基、特にビニル基、アリル基、クロチル基、シクロペンタジエニル基等を例示できる。
【0066】
上記不飽和炭化水素残基を有するアクリル系ビニルモノマーとしては、エステル部分に上記不飽和炭化水素基を含むアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を例示でき、例えば、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、クロチルアクリレート、クロチルメタクリレート、シクロペンタジエニルアクリレート、シクロペンタジエニルメタクリレート等が挙げられる。これらのうちでも、特に、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート等が好ましい。
【0067】
上記(c)成分において、ビニルカルバゾール又は置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と上記不飽和炭化水素残基を有するアクリル系ビニルモノマーとの共重合体において、不飽和炭化水素残基を有するアクリル系ビニルモノマーの含有量は50モル%以下、好ましくは40モル%以下の範囲である。
【0068】
かかる共重合体を製造するには、前記した方法で重合又は共重合させればよい。
【0069】
<(d)成分>
上記(d)成分において、エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種は、公知の化合物であるか又は公知の方法により合成できる。
【0070】
上記(d)成分のエチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体を製造するには、上記の公知の方法と同様に行うことが出来る。
【0071】
<(e)成分>
上記(e)成分において、エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種は、上記(d)成分について説明したとおりである。
【0072】
上記(e)成分において、エチニル化合物モノマーとしては、上述したものが使用できる。
【0073】
上記(e)成分において、エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種とエチニル化合物モノマーとの共重合体において、エチニル化合物モノマーは50モル%以下、特に40モル%以下存在するのが好ましい。かかる共重合体を製造するには、上記の公知の方法と同様に行うことが出来る。
【0074】
上記カルバゾール基を有する化合物の中でも、臭素化ポリビニルカルバゾール、ポリ−N−ビニルカルバゾール、9−(2−エチルヘキシル)−3−エチニルカルバゾール重合体、N−ビニルカルバゾールとメタクリル酸ビニルとの共重合体等が好ましい。
【0075】
赤色発光材料及びその薄膜
本発明の赤色発光材料は、燐光物質(I)とカルバゾール基を有する化合物(II)との混合物を含有する。
【0076】
該赤色発光材料において、燐光物質(I)とカルバゾール基を有する化合物(II)との使用量は広い範囲から適宜選択できるが、一般には、燐光物質(I)に対して、カルバゾール基を有する化合物(II)をモル比で20〜80、特に30〜70の割合で使用するのが好ましい。
【0077】
本発明の赤色発光材料は、種々の方法により製造できる。
【0078】
カルバゾール基を有する化合物又は燐光物質のどちらか一方又はその両方が高分子化合物である場合には、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スクリーン印刷法、インクジェットプリンティング法などの簡便な方法で製膜できる。
【0079】
カルバゾール基を有する化合物又は燐光物質の両方が低分子化合物の場合には真空蒸着法によって薄膜を作製することができる。
【0080】
特に、本発明の発光材料は溶媒溶解性が高く種々の溶媒に溶解して薄膜形成用塗液を得、該塗液からスピンコート法、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スクリーン印刷法、インクジェットプリンティング法などの簡便な塗布方式で容易に薄膜を作製することができる。
【0081】
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−エチルヘキサン酸エチルなどのエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドに代表されるアミド化合物、1−メトキシ−2−プロパノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノールなどのアルコール類などがある。これらの溶媒を混合して使用することも可能である。
【0082】
用いる発光材料の分子量、置換基の種類、構造などにより最良の溶媒が選択される。薄膜形成用塗液は、種々の粘度のものが使用できるが、溶液粘度は塗布方法によって異なるため、塗布方法に合った粘度を有する溶液を調整する必要がある。
【0083】
これらの最適溶媒を選択し溶解した後、上記方法で薄膜を作製し、室温又は加熱下に常圧又は減圧下で乾燥して任意の膜厚の薄膜を作製することができる。乾燥条件は、例えば、使用する化合物、溶媒等の諸条件に応じて適宜選択することができるが、一般には、乾燥時の圧力を常圧又は減圧下に行うことができる。
【0084】
また、乾燥後の薄膜の膜厚も、用いる素子等に応じて適宜選択することができる。
【0085】
本発明の赤色発光材料に公知の有機蛍光材料を添加して発光色を調整することもできる。有機蛍光材料の代表例としては、緑色蛍光材料としてクマリン−6、キナクリドンなど、青色蛍光材料としてはペリレン、ルブレンなど、赤色蛍光材料としてはユウロピウムのジケトン錯体が用いられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0086】
これらの有機蛍光材料の使用量は化合物によって異なるが、本発明の燐光物質とカルバゾール基を有する化合物との合計重量に対し、5%以下、特に0.001〜5%程度である。0.001%以上添加することにより発光効率が更に向上するが、5%を越えると濃度消光により発光効率は低下する傾向がある。好ましくは0.01〜3%の範囲である。
【0087】
上記有機蛍光材料を、本発明の発光材料に添加することは種々の方法で行うことができるが、例えば、前記薄膜形成用塗液に上記有機蛍光材料を添加して溶解し、薄膜を形成する方法を例示できる。
【0088】
また、必要に応じて、本発明の発光材料をホスト材とし、これに三重項発光材料をドープすることができる。三重項発光材料としては、たとえばイリジウム錯体、白金錯体が用いられる。配位子にフェニルピリジン、チオフェニルピリジン及びその誘導体を配位子としたイリジウム錯体又はポルフィリンの白金錯体などが用いられるが、特にこれらの化合物に限定されるものではない。
【0089】
これらの三重項発光材料の使用量は化合物によって異なるが、本発明の燐光物質とカルバゾール基を有する化合物との合計重量に対し、10重量%以下、特に0.01〜10重量%程度である。0.01重量%以上添加することにより発光効率が更に向上し、10重量%よりも多くなると濃度消光により発光効率は低下する。好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。
【0090】
更に、2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、又は、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール等の電子輸送剤が添加される。該電子輸送剤を使用する場合、その使用量はカルバゾール基を有する化合物に対して10〜90重量%、特に20〜80重量%とするのが好ましい。
【0091】
<溶媒不溶化>
本発明の共重合体の薄膜を作製し、その上にさらに薄膜の積層を試みる場合、通常の方法で積層すると、先に作製した薄膜が、後から製膜しようとするポリマー溶液の溶媒によって溶解し、きれいな多層の積層薄膜ができない。この問題を解決するため、前記の赤色発光材料の溶液に光重合開始剤を加え、製膜した薄膜に光照射することにより硬化して溶媒に不溶化することができる。
【0092】
より詳しくは、カルバゾール基を有する化合物(I)として、上記(c)成分、即ち、ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と不飽和炭化水素残基を有するアクリル系不飽和ビニルモノマーとの共重合体を使用する。その際、不飽和炭化水素残基を有するアクリル系不飽和ビニルモノマーの含有量は、10〜30モル%の範囲が好ましく、15〜30モル%の範囲が更に好ましい。
【0093】
上記共重合体((c)成分)と燐光物質とを含有する本発明の赤色発光材料を含有する薄膜形成用塗液を用い、前記スピンコート等の塗布方法により薄膜を形成し、必要に応じて薄膜を乾燥し、次いで、光照射により薄膜を硬化させる。この方法により高品質の多層薄膜の積層化を達成できる。
【0094】
ここで、光照射とは主として紫外線照射を意味するが、紫外線に限るものではなく可視光も含まれる。特に、好ましい光としては、200〜450nm、好ましくは240〜380nmの紫外線が例示できる。光照射する時間は限定されず、作製する薄膜の厚さ、使用する化合物、溶媒などの諸条件に応じて適宜選択することができるが、通常は5秒〜1時間、好ましくは10秒〜50分が例示できる。
【0095】
こうして溶媒不溶化された薄膜は、その上に、更に本発明の発光材料又は他の材料の溶液を塗布しても、当該溶液の溶媒により溶解されることはないので、目的とする形状、厚みをもった層構造を製造できる。
【0096】
また、上記溶媒不溶化の方法を応用して、パターン形成を行うこともできる。例えば、所定の開口パターンを有するフォトマスクを、作製した本発明の薄膜の上方に覆い、光照射すると、選択的に光照射により溶媒不溶化された部分と、光照射されなかったため溶媒不溶化されなかった部分が形成され、該溶媒不溶化されない部分を溶剤によりエッチング除去すると、該マスクの開口パターン形状に対応したパターンが形成できる。
【0097】
本発明において使用できる光重合開始剤としては、カルボニル化合物としてベンゾフェノン、チオキサントン等の芳香族ケトン類、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾインエーテル等のアセトフェノン類、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等のジケトン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド類、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。好ましくは、アセトフェノン類、ジケトン類等が例示できる。
【0098】
光重合開始剤を使用する際、光重合開始剤は光を吸収してラジカルを発生するので、光源の種類と化合物の吸収領域が良く適合していること、硬化速度が大きいこと、ポリマー溶液との相溶性がよいこと、安価なことなどを考慮して選択するのが好ましい。光重合開始剤の使用量は前記共重合体に対し0.5〜20%程度、好ましくは1〜10%である。
【0099】
必要であれば、硬化速度を速め、基板との付着力を高めるため、架橋助剤を使用することができる。架橋助剤としては不飽和炭化水素残基、アジド基、アゾ基、ニトリル基、ケイ皮酸基などを有する多官能モノマーなどが用いられる。具体的には、二官能スチレン誘導体、二官能ビニルエーテル、芳香族ジビニル化合物、芳香族ビスジアジド、ジアゾナフトキノンなどが挙げられる。好ましくは、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル、3,3'−ジアジドフェニルスルフォラン、4,4'−ジアジド−2,2'−ジメトキシビフェニル等である。架橋助剤の使用量は、広い範囲から適宜選択できるが、一般には、光重合開始剤に対して0.1〜10wt%、特に0.5〜5wt%とするのが好ましい。
【0100】
有機電界発光素子
次に、本発明の有機電界発光素子の構造について述べる。本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に発光層を含む1層又は複数層の有機薄膜層を積層した構造で、有機薄膜が本発明の赤色発光材料を含有している。
【0101】
例えば、基板/陽極/発光層/陰極が順に積層された構造、基板/陽極/正孔輸送層/発光層/陰極が順に積層された構造、基板/陽極/緩衝層/発光層/陰極が順に積層された構造、基板/陽極/正孔輸送層/緩衝層/発光層/陰極が順に積層された構造などが挙げられる。
【0102】
基板としては、ガラス板、プラスチックシート、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ナイロン等の透明性の高いプラスチックシートが好ましい。
【0103】
陽極は正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、ガラスなどの基板上に形成される。本発明に用いられる陽極材料は特に限定されず、具体例としては酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫などの導電性金属酸化物や金、銀、白金などの金属が挙げられる。また、市販のITO付ガラスを使用することもできる。市販のITO付きガラスは通常、洗剤、溶剤で洗浄、又はUVオゾン照射装置又はプラズマ照射装置により洗浄され、使用される。
【0104】
正孔注入層としてバイエル社の正孔注入剤(PEDOT/PSSの混合物、商品名Baytron P)を30〜100nmの薄膜として使用することもできる。
【0105】
本発明に用いられる正孔輸送層は、特に限定されず、正孔輸送材料として通常使用されているものであれば使用可能であるが、作業性の点から塗布方式による薄膜化が可能なものが好ましい。例えば、ポリアミド、ポリチオフェン、トリフェニルジアミン類などの高分子材料が好ましく用いられる。
【0106】
また、本発明に係る有機電界発光素子は、製膜時における発光層の塗布特性を向上させて均一な薄膜を形成するために、発光層と陽極との間、若しくは発光層と正孔輸送層との間に緩衝層を形成することが好ましい。
【0107】
緩衝層としては、有機溶媒可溶の金属錯体が用いられ、好ましくは有機溶媒可溶な低分子有機金属錯体が用いられる。
【0108】
陰極は発光層に電子を供給するものであり、本発明に用いられる陰極材料としては特に限定されず、一般に使用されているものであれば何を使用してもよい。具体例としては、Mg、Ag、Ca、Al等の金属やそれらの合金、たとえばMg−Ag合金、Mg−Al合金、LiFなどの化合物が挙げられる。
【0109】
本発明の有機電界発光素子において、各有機薄膜層の形成方法は特に限定されるものではなく、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スクリーン印刷法など通常用いられる種々の方法により容易に製膜することができる。ここで、塗布方式で積層構造を作製する場合、上の層の製膜時に、前記溶媒不溶化した薄膜を使用すること、異なる溶媒を用いること等により、下の層の溶媒が溶けないように注意する必要がある。
【0110】
また、本発明の有機電界発光素子は、本発明の赤色発色材料に加えて、更に青色発光材料および緑色発光材料を具備させることにより、白色発光させることもできる。例えば本発明の赤色発光材料に青色発光材料および緑色発光材料を混合させて使用しても良く、また青色発光材料および緑色発光材料を含有する有機薄膜層を新たに設けて使用しても構わない。
【0111】
上記青色発光材料および緑色発光材料としては、有機電界発光素子の分野で公知のものが広い範囲から適宜選択できる。
【0112】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0113】
合成例1 臭素化ポリビニルカルバゾールの合成
回転子を入れた500mlの三ツ口フラスコにポリビニルカルバゾール(和光、分子量10000の試薬)2.0gを入れ、窒素雰囲気下に200mlのクロロホルムを加えて溶解した。2gの臭素をクロロホルム20mlに溶解した溶液を、50mlの滴下ロートに加え滴下した。1時間攪拌後、5%の炭酸ソーダ水溶液を加え、分液ロートで分液後、水洗しクロロホルム溶液を無水硫酸ソーダで乾燥した。エバポレーターでクロロホルムを除去し粉末を得た。THFに溶解し、メタノール/水=3/1の溶液に添加し白色沈殿を得た。濾過、乾燥し2.5gの白色粉末を得た。
【0114】
得られた臭素化ポリビニルカルバゾールは、結合した臭素の量が62.5モル%であることから、ビニルカルバゾールと臭素化されたビニルカルバゾールとの共重合体を形成していることが判った。
【0115】
合成例2 9−(2−エチルヘキシル)−3−エチニルカルバゾールの重合
回転子を入れた100mlのフラスコに9−(2−エチルヘキシル)−3−エチニルカルバゾールの1g(3.15mmol)を加えて充分窒素置換し、窒素雰囲気下に溶媒として50mlのジメチルホルムアミドと触媒として[Rh(ノルボルナジエン)Cl]2の10mg(0.022mmol)及び助触媒としてトリエチルアミン222mg(2.2mmol)を加え、30℃で2時間撹拌し重合した。重合終了後、500mlのメタノール中に注ぎ、粉末状ポリマーを得た。濾過し、メタノールで洗浄後、50℃で3時間真空乾燥した。0.9gのオレンジ色のポリマーを得た。重合收率は90%であった。数平均分子量は170,000であった。
【0116】
合成例3 部分ベンゾイル化ポリスチレンの合成
回転子を入れた300mlの三ツ口フラスコに窒素雰囲気下で、ポリスチレン(重合度3000)2gと無水塩化アルミニウム1.3gを二硫化炭素100mlに溶解した。滴下ロートを用いてベンゾイルクロリド1.7gを二硫化炭素50mlに溶解し滴下した。還流下に3時間反応した。クロロホルム50mlと濃塩酸2.5mlを含む水50mlを加え攪拌した。有機層を分液後、溶媒を留去して3.4gの淡黄色粉末を得た。
【0117】
元素分析の結果、ポリスチレンのフェニル基の70モル%がベンゾイル化されたポリマー、即ち、側鎖にベンゾフェノン基とフェニル基を有するポリマーであることがわかった。
【0118】
合成例4 N−ビニルカルバゾールとメタクリル酸ビニルの共重合体の合成
300mlのフラスコにN−ビニルカルバゾール12g(63mmol)とメタクリル酸ビニル2.7g(24mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを加え、トルエン240mlを加えて溶解した。密栓した後、60℃の雰囲気下に48時間静置し共重合させた。1000mlのメタノール中に注ぎ濾過し、メタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥して14.4g(收率98%)の白色粉末を得た。
【0119】
分析の結果、N−ビニルカルバゾールのビニル基とメタクリル酸ビニルのメタクリル基が重合し、メタクリル酸ビニルのビニル基が側鎖として存在する共重合体であることがわかった。数平均分子量は15,000であった。共重合体中のN−ビニルカルバゾールの含有量は82%であった。
【0120】
実施例1
有機電界発光素子を次のように作製した。洗浄処理した市販のITO付ガラス(15Ω/□以下;セントラル硝子(株)製)の上に、バイエル社の正孔注入材(PEDOT/PSSの混合物、商品名Baytron- P)を等容量の1−メトキシ−2−プロパノールで希釈した溶液を用いて、3000rpmにて25秒間スピンコートした。120℃で1時間減圧乾燥した。
【0121】
次に、ポリ−N−ビニルカルバゾール50mg、2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール40mg、トリフェニルアセトフェノン50mgをトルエン5mlに溶解し、20ミクロンのメンブランフィルターを用いて濾過し、発光層溶液を得た。該溶液を2000rpmの回転速度でスピンコートし、50℃で30分間真空乾燥した。
【0122】
次に、真空蒸着装置を用い、陰極としてLiFを約10オングストローム、Alを1500オングストローム蒸着した。
【0123】
こうして作製した発光素子は、窒素下にてCaOを入れたカバーガラスを用い、エポキシ樹脂でシールした。直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧13Vで11cd/m2の輝度の赤色発光を示した。発光スペクトルを図1に示した。
【0124】
実施例2
有機電界発光素子を次のように作製した。実施例1で使用した2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールの代わりに2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾールを20mg用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、発光素子を作製した。直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧13Vで12cd/m2の輝度の赤色発光を示した。
【0125】
実施例3
有機電界発光素子を次のように作製した。実施例1で使用したポリ−N−ビニルカルバゾールの代わりに合成例1で示した臭素化ポリ−N−ビニルカルバゾールを70mg用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、発光素子を作製した。直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧13Vで9cd/m2の輝度の赤色発光を示した。
【0126】
実施例4
有機電界発光素子を次のように作製した。実施例1で使用したポリ−N−ビニルカルバゾールの代わりに合成例2で示した9−(2−エチルヘキシル)−3−エチニルカルバゾールの重合体を79mg用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、発光素子を作製した。直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧13Vで9cd/m2の輝度の赤色発光を示した。
【0127】
実施例5
有機電界発光素子を次のように作製した。実施例1で使用したトリフェニルアセトフェノン50mgの代わりに合成例3で示した部分ベンゾイル化ポリスチレン35mgとトリフェニルアセトフェノン25mgとを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、発光素子を作製した。
【0128】
直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧13Vで6cd/m2の輝度の赤色発光を示した。
【0129】
実施例6
有機電界発光素子を次のように作製した。合成例4で合成したN−ビニルカルバゾールとメタクリル酸ビニルとの共重合体の200mg及び光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン10mgをトルエン5mlに溶解し、実施例1で使用したポリビニルカルバゾールの溶液の代わりに用いてスピンコートして薄膜を作製し減圧下に乾燥した。
【0130】
フォトマスクをつけて、254〜365nmに主波長を有する紫外線を照射し、得られた薄膜をフォトマスクの所定のパターン状に硬化させて、溶媒不溶化した。次に部分硬化した薄膜をトルエン溶媒中に浸積してエッチングし、膜厚60nmのマスクパターン状の発光層を得た。次に実施例1と同様にして陰極を作製した。
【0131】
直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧13Vで8cd/m2の輝度の赤色発光を示した。
【0132】
実施例7
有機電界発光素子を次のように作製した。実施例1で使用した発光層溶液の代わりに、ポリ−N−ビニルカルバゾール170mg、2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル140mg、トリフェニルアセトフェノンを23.4mg、ペリレンを1.27mg、クマリン−6を0.042mgをトルエン15mlに溶解し、20ミクロンのメンブランフィルターを用いて濾過して調整した発光層溶液を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、発光素子を作製した。
【0133】
直流電圧を印加し発光輝度を測定したところ、駆動電圧9Vで15cd/m2の輝度の白色発光を示した。発光スペクトルを図2に示した。
【0134】
【発明の効果】
有機ELの赤色発光材料としてはDCMやNile Redなどの有機色素化合物が公知であるがこれらの化合物は真の赤色が得られず、橙色がかった赤しか得られない。またEu錯体、Pt錯体が公知である。しかしこれらの有機色素化合物及び金属錯体は非常に高価であり、工業的に使用するには価格が大きな障害になっている。
【0135】
本発明の赤色発光材料は少なくとも、カルバゾール基を有する化合物とベンゾフェノンの燐光発光強度以上の燐光発光強度を有する燐光物質とからなることを特徴とする赤色発光材料、及びそれを用いた有機電界発光素子であり、上記の公知の化合物と比較し、発光輝度にも遜色無く、非常に安価な化合物であり、工業的な優位性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した有機電界発光素子を用いて得られた発光スペクトル特性図である。
【図2】実施例7で製造した有機電界発光素子を用いて得られた発光スペクトル特性図である。

Claims (19)

  1. 少なくとも燐光物質と、カルバゾール基を有する化合物とを含有する赤色発光材料であって、前記燐光物質が、トリフェニルアセトフェノン及び有機残基で置換されたトリフェニルアセトフェノンからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする赤色発光材料
  2. 前記燐光物質及び前記カルバゾール基を有する化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の赤色発光材料。
  3. 前記燐光物質、前記カルバゾール基を有する化合物、並びに、2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール及び2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾールからなる群から選ばれた電子輸送剤からなることを特徴とする請求項1に記載の赤色発光材料。
  4. 前記カルバゾール基を有する化合物が、カルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  5. 前記カルバゾール基を有する化合物が、ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体であることを特徴とする請求項1乃至の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  6. 前記カルバゾール基を有する化合物が、ビニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するビニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と、ビニルモノマーとをモノマーとして用いてなる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  7. 前記ビニルモノマーが、不飽和炭化水素基で置換されたアクリル系ビニルモノマーであることを特徴とする請求項に記載の赤色発光材料。
  8. 前記不飽和炭化水素基で置換されたアクリル系ビニルモノマーは、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、クロチルアクリレート、クロチルメタクリレート、シクロペンタジエニルアクリレート、シクロペンタジエニルメタクリレート、アクリル酸ビニル、メタアクリル酸ビニルより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の赤色発光材料。
  9. 前記カルバゾール基を有する化合物が、エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種をモノマーとして用いてなる重合体又は共重合体であることを特徴とする請求項1乃至の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  10. 前記カルバゾール基を有する化合物が、エチニルカルバゾール及び置換基としてハロゲン及び/又は有機残基を有するエチニルカルバゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種と、エチニル化合物モノマーとをモノマーとして用いてなる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  11. 前記カルバゾール基を有する化合物が、数平均分子量1,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項乃至10の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  12. 前記有機残基が、炭素数1〜20であり、かつ炭化水素基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、ニトリル基、アミノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項乃至11の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料。
  13. 少なくとも請求項1乃至12のいずれか一項に記載の赤色発光材料を含有することを特徴とする赤色発光材料の薄膜。
  14. 発光材料を含有する溶液を塗布し、成膜する発光材料の製造方法において、該発光材料が、請求項1乃至12の少なくともいずれか一項に記載の燐光物質とカルバゾール基を有する化合物とを少なくとも含有し、かつカルバゾール基を有する化合物が高分子化合物であることを特徴とする請求項13に記載の赤色発光材料の薄膜の製造方法。
  15. 前記カルバゾール基を有する化合物が、不飽和基を有するモノマーの共重合体からなり、前記赤色発光材料を含有する溶液を塗布後、光反応により溶媒不溶化することを特徴とする請求項13に記載の赤色発光材料の薄膜の製造方法。
  16. 請求項1乃至12の少なくともいずれか一項に記載の発光材料を具備することを特徴とする有機電界発光素子。
  17. 青色発光材料と、緑色発光材料と、請求項1乃至12の少なくともいずれか一項に記載の赤色発光材料と、を具備することにより白色に発光することを特徴とする有機電界発光素子。
  18. 前記有機電界発光素子は、対向する陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する1層以上の有機薄膜からなる層を具備しており、前記発光層には、請求項1乃至12の少なくともいずれか一項に記載の発光材料を含有することを特徴とする請求項16又は17のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  19. 前記発光層は、光反応により溶媒不溶化されたものであることを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光素子。
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